説明

光ハイブリッド集積回路

【課題】気密性を損なわない構造を有し、クロストークを向上させる。
【解決手段】光導波路121が基板上に形成された平面光導波回路と、光素子の受光面が光導波路121と光学的に結合するように平面光導波回路に固定された光モジュールとを含む光ハイブリッド集積回路において、光導波路121の端面104に、光導波路121のコアよりも深く形成されたミラー溝102と、ミラー溝102の内部に設けられ、光導波路121の端面104から出射された光信号を、光素子の受光面に結合する光路変換ミラー111とを備え、光導波路121は、光導波路121の端面104におけるコアの幅が、平面光導波回路内の回路におけるコアの幅と異なり、光導波路121の端面から出射された光信号の光強度の半値全幅におけるビームの広がり角φが、少なくとも基板平面内で狭くなるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ハイブリッド集積回路に関し、より詳細には、光機能素子が形成されたPLCと光送受信器を構成する光モジュールとが実装された光ハイブリッド集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバ伝送の普及に伴い、多数の光機能素子を高密度に集積する技術が求められており、その一つとして、平面光波回路(以下、PLC:Planar Lightwave Circuitという)が知られている。PLCは、シリコン基板または石英基板上に、光導波路からなる光素子を集積した光回路であり、生産性、信頼性が高く、集積化、高機能化の点で優れている。伝送端局における光送受信装置には、LDなどの発光素子、PDなどの受光素子からなる光モジュールと、合分波器、分岐・結合器、光変調器などの機能素子が形成されたPLCとが実装されている。
【0003】
光送受信装置において、受発光素子とPLCとの接続は、発光素子モジュールおよび/または受光素子モジュール(以下、光モジュールという)とPLCとを、光ディスクリート部品によって光学的に結合させたり、直接接合することが行われている。直接接合においては、PLC内部に光路変換ミラーを形成して、光導波路から出射された光信号を、PLC基板上方に光路変換して、PLCに接合された光モジュール内部の光素子と結合させる(例えば、特許文献1および2参照)。
【0004】
図1に、従来の光モジュールとPLCとを直接接合する方法を示す。光モジュール11は、一例として、受光面14を有する面型受光素子(以下、光素子という)15を備えている。光素子15は、箱型の筐体12と、受光面14への光信号の入出力を可能にするサファイアガラスからなる蓋13とにより封止されている。筐体12と蓋13とは、金属半田により接合され、高い気密性を有していることから、外部環境から保護され、光素子15の信頼性を確保している。光素子15は、受光面14を蓋13に対向させ、筐体12に金属半田等により固定されている。光素子15は、筐体12の金属パターン17に接続され、外部の回路と電気的に接続される。
【0005】
一方、PLC21は、シリコン基板22上に形成された光導波路24を有している。PLC21には、光導波路24から出射された光信号の光路を変換し、光素子15の受光面14と光学的に結合するように、ミラー23が配置されている。PLC21に形成されているミラー溝に設けられた斜面に、反射材を取り付けることにより、ミラー23を形成する。ミラー溝は、光を透過する樹脂で充填され、光モジュール11とPLC21との接合には、UV硬化性接着剤等が用いられる。
【0006】
【特許文献1】特開平9−318850号公報
【特許文献2】特開平11−84183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光モジュールは、気密封止構造となっていることから、光素子15の受光面14と、光導波路24の端面との間は、ミラー23を介して相当の距離が生じる。図2に、従来の複数の光素子を実装する光モジュールとPLCとの接合を示す。光モジュール31は、受光面34a〜34dを有する4つの光素子35a〜35dを備えている。光素子35a〜35dは、箱型の筐体32と、受光面34a〜34dへの光信号の入出力を可能にする蓋33とにより封止されている。PLC41は、シリコン基板42上に形成された光導波路44a〜44dを有している。PLC41に形成されている光導波路44a〜44dの光路を変換し、光素子35a〜35dの受光面34a〜34dと光学的に結合するように、ミラー43a〜43dが配置されている。ここで、Y軸方向を光素子35a〜35dのアレイ方向という。
【0008】
光導波路44から出射された光信号を、光素子35で受光する場合、図2に示したように、光導波路44aの端面から出射された光信号は、ミラー43aで反射して受光面34aに達する。しかしながら、上述したように、受光面34と、光導波路44の端面との間に相当の距離が生じるために、光導波路44から出射した光信号の回折広がりに起因して、受光感度の劣化、隣接する光素子の間でクロストークが劣化するという問題があった。この問題は、PLCの集積度を上げるために比屈折率差が高く、モードフィールド径の小さな光導波路を用いる場合に顕著である。
【0009】
図2に示したような多チャネルの受光素子を集積化する場合に、受光感度の劣化と比較してクロストークの劣化の問題がより深刻である。ビームの広がりによって受光面に入射、吸収される光が減少すれば、受光感度が劣化するが、減少する光量は、ビームの全光量に比べると小さい。一方、所定の受光面に入射、吸収されなかった迷光が、様々な経路を介して他の受光素子に漏れ込むと、わずかな光量であっても大きなクロストークの劣化が生じる。
【0010】
このようなクロストークを引き起こす迷光の経路を以下に示す。
(a)光導波路44dの端面から出射された光信号は、直接、他の受光面34cに達する。
(b)光導波路44bの端面から出射された光信号は、蓋33の内部で多重反射して受光面34aに達する。
(c)光導波路44cの端面から出射された光信号は、光素子35dと蓋33との間の空隙で多重反射して受光面34dに達する。
(d)光導波路44bの端面から出射された光信号は、光素子35b,35cを透過し、光素子35の裏面または筐体32の底面で反射し、光素子の内部で多重反射して受光面34cに達する。
【0011】
さらに、他の光素子の受光面に直接光信号が入射する場合だけでなく、電気的な現象との複合によって引き起こされるクロストークもある。(e)光導波路44bの端面から出射された光信号が、光素子35b,35cを透過し多重反射する過程において、光素子の光吸収層36に吸収されて、電気キャリアが生じる。この電気キャリアの拡散、移動または電位のゆらぎによって、受光面34にクロストーク電流が発生する。
【0012】
一般的に、光素子の受光面におけるビームの広がりは、80μm程度である。隣接する受光面との距離が250μmであるので、上述したクロストークの要因のうち、(a)は問題とならない。従って、クロストークの要因は、(b)〜(e)であり、(d)および(e)が深刻な要因となる場合が多い。(b)および(c)に示した要因は、例えば、蓋に無反射コーティングを施すことによって抑制することができるのに対して、(d)および(e)に示した要因は、有効な対策が無い。光導波路44の端面から出射された光信号のビームの広がり角が小さく、光素子35の受光面34以外の領域に入射しない場合であっても、受光面に入射して一度光吸収層を透過した光が、光素子35の裏面または筐体32の底面で反射し、受光面以外の領域に入射することにより、複合的なメカニズムでクロストークが生じるからである。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、気密性を損なわない構造を有し、クロストークを向上させた光ハイブリッド集積回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路が基板上に形成された平面光導波回路と、蓋と筐体とにより1または複数の光素子が封止され、前記光素子の受光面が前記光導波路と光学的に結合するように前記平面光導波回路に固定された光モジュールとを含む光ハイブリッド集積回路において、前記光導波路の端面に、前記光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝と、該ミラー溝の内部に設けられ、前記光導波路の端面から出射された光信号を、前記光素子の受光面に結合する光路変換ミラーとを備え、前記光導波路は、前記光導波路の端面におけるコアの幅が、前記平面光導波回路内の回路におけるコアの幅と異なり、前記光導波路の端面から出射された光信号の光強度の半値全幅におけるビームの広がり角φが、少なくとも基板平面内で狭くなるように形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記光導波路は、前記ビームの広がり角φが、
【0016】
【数1】

を満たすように、前記コアの形状が決定され、ここで、Dpdは光素子の受光面の直径、d(m)は光導波路から受光面までの光路を構成するm番目の媒質の厚さ、n(m)は光導波路から受光面までの光路を構成するm番目の媒質の屈折率、Tpdは光素子の厚さ、npdは光素子の屈折率であることを特徴とする。
【0017】
前記光導波路の端面におけるコアの幅を、前記平面光導波回路内の回路におけるコア幅よりも広くしたり、前記光導波路の端面におけるコアの幅を、前記平面光導波回路内の回路におけるコア幅よりも狭くすることもできる。
【0018】
前記光導波路の端面の前記ミラー溝の側に、前記光導波路に結合する凸レンズまたは凹レンズを形成するようにしてもよい。また、前記光導波路の端面に接続されたスラブ導波路に、前記光導波路を接続してもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、光導波路の端面におけるコアの幅が、平面光導波回路内の回路におけるコアの幅と異なり、光導波路の端面から出射された光信号の光強度の半値全幅におけるビームの広がり角φが狭くなるように、平面光導波回路の光導波路を形成したので、気密性を損なわない構造を有し、クロストークを向上させた光ハイブリッド集積回路ことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図3に、光素子の受光面と光導波路の端面との距離に対するクロストークを示す。受光面34a〜34dと光導波路44a〜44dの端面との距離に対して、光導波路から出射された光信号のビーム半値全幅(FWHM)の広がり角を変えたときのクロストークを示す。図2に示した従来の光モジュール31は、受光面34から蓋33までの距離200μm、蓋33の厚さ200μm、蓋33からミラーを介して光導波路44の端面までの距離100μmである。屈折率を加味した実効的な回折距離は、400μmである。従って、半値全幅(FWHM)=12度のとき、クロストークはおよそ−25dBであり、FWHM)=5度のときと比較すると、10dB以上劣化していることがわかる。
【0021】
本実施形態では、図2に示したクロストーク(b)〜(e)を抑制するために、少なくともアレイ方向のビームの広がり角を狭角化する。特に、狭角化した場合でも発現するクロストーク(d)および(e)をさらに抑制するためには、光導波路44bの端面から出射された光信号が、光素子35bを透過し、光素子35の裏面または筐体32の底面で反射して、再び受光面34bに達するように、アレイ方向のビームの広がり角を狭角化する。このように、光信号が受光面34bを2回通過するようにすれば、光信号は十分に吸収され、クロストークの要因となる迷光を効果的に減衰させることができる。
【0022】
そこで、光強度の半値全幅におけるビームの広がり角φとすると、
【0023】
【数2】

を満たせばよい。ここで、Dpdは光素子の受光面の直径、d(m)は光導波路から受光面までの光路を構成するm番目の媒質の厚さ、n(m)は光導波路から受光面までの光路を構成するm番目の媒質の屈折率、Tpdは光素子の厚さ、npdは光素子の屈折率である。
【0024】
例えば、PLCのミラー溝には樹脂を充填し、光モジュールの蓋としてサファイアガラスを使用したとき、光導波路から受光面までm=3であって、
樹脂 d(1)=100μm、n(1)=1.5
蓋 d(2)=200μm、n(2)=1.75
空隙 d(3)=150μm、n(3)=1.0
光素子 Dpd=80μm、Tpd=350μm、npd=3.2
とする。これを(1)式に代入すると、ビームの広がり角φ=7.6度となり、図3に示したように、クロストークは−30〜−35dB程度に改善される。従って、光導波路の端面から出射された光信号が、アレイ方向のビームの広がり角φ<7.6度となるように狭角化する。
【0025】
(第1の実施形態)
図4に、本発明の第1の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す。また、図5(a)に光ハイブリッド集積回路の断面図を示し、図5(b)に光導波路の詳細を示す。光路変換部101に形成されるミラー溝102は、幅W=160μm、光軸方向の奥行きd=80μmである。光導波路121の導波路端面104と対向する壁面に沿って、ミラーを形成するための斜面103が形成されている。光導波路121からの出射光があたる斜面103には、ミラー111が形成されている。また、斜面103の一端には、液状樹脂を供給する樹脂供給溝105が設けられている。
【0026】
次に、光路変換部101の作製方法について説明する。最初に、Si基板上に30μmの下部クラッド層、4.5μmのコア層を火炎堆積法によって形成する。フォトリソグラフィとドライエッチングにより、光導波路の形状にコアを加工した後、20μmの上部クラッド層を堆積する。次に、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、幅W=160μm、奥行きd=80μm、深さ=50μmのミラー溝102と、これに連接した樹脂供給溝105とを形成する。このような作製工程は、従来の石英系光導波路の作製方法を適用できる。
【0027】
この後、ミラー溝102の底面に表面処理を施し、液状樹脂に対して低接触角を有する領域と、高接触角を有する領域とを設ける。樹脂流路溝105から液状樹脂をミラー溝102に流し込む。液状樹脂は、流路を伝ってミラー溝102の所望の領域に達し、ミラー溝102の底面の低接触角を呈する領域と、これに接する壁面との間にミラー支持体となる斜面103を形成する。最後に、斜面の上に、反射材111を形成して、光路変換ミラーが完成する。反射材111は、Crを下層としてAuを蒸着する。
【0028】
図5(a)に示したように、光素子135の受光面134が、光導波路121から出射された光信号と結合するように、光モジュール131を接合する。光モジュール131は、上述の計算に用いたものと同一である。
【0029】
図5(b)に光導波路の詳細を示す。光導波路121のコアは、幅4.5μm×高さ4.5μm、非屈折率差Δ=1.5%である。光導波路121の導波路端面104に接続される部分(長さ500μm)は、幅12.0μm×高さ4.5μmであり、テーパ部の長さは500μmである。この構成によれば、光導波路121の導波路端面104から出射された光信号は、Y軸方向、すなわちアレイ方向のビームの広がり角が狭角化されφ=5度程度となる。
【0030】
(第2の実施形態)
図6に、本発明の第2の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す。光モジュール131と光路変換部101の構造は、第1の実施形態と同じであり、PLCの光導波路の形状のみが異なる。光導波路122のコアは、幅4.5μm×高さ4.5μm、非屈折率差Δ=1.5%である。光導波路122の導波路端面104に接続される部分は、幅2.0μm×高さ4.5μmであり、テーパ導波路となっている。テーパ部の長さは2mmである。この構成によれば、光導波路122の導波路端面104から出射された光信号は、Z軸方向およびY軸方向のビームの広がり角が狭角化される。ビームの広がり角は、Y軸方向(アレイ方向)、Z軸方向ともにφ=5度程度となり、クロストークは−35dB以下に改善され、光素子135の受光特性は、1.5dB改善される。
【0031】
(第3の実施形態)
図7に、本発明の第3の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す。光モジュール131と光路変換部101の構造は、第1の実施形態と同じであり、PLCの光導波路の形状のみが異なる。光導波路123のコアは、幅4.5μm×高さ4.5μm、非屈折率差Δ=1.5%である。光導波路123の導波路端面104に接続される部分は、幅40μm×高さ4.5μm×長さ40μmのスラブ導波路124となっている。さらに、導波路端面104には、凸レンズ125が形成されている。この構成によれば、光導波路123の導波路端面104から出射された光信号は、Y軸方向、すなわちアレイ方向のビームの広がり角が狭角化されφ=5度程度となる。第1および第2の実施形態のように、テーパ部の余長を確保する必要がないので、PLCの小型化を図ることができる。なお、本実施形態では、凸レンズの効果を引き出すために、ミラー溝102内部に樹脂は充填しない。
【0032】
(第4の実施形態)
図8に、本発明の第4の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す。光モジュール131と光路変換部101の構造は、第1の実施形態と同じであり、PLCの光導波路の形状のみが異なる。光導波路126のコアは、幅4.5μm×高さ4.5μm、非屈折率差Δ=1.5%である。光導波路126の導波路端面104に接続される部分(長さ300μm)は、幅10μm×高さ4.5μmであり、テーパ部の長さは500μmである。さらに、導波路端面104には、曲率半径10μmの凹レンズ128が形成されている。この構成によれば、光導波路126の導波路端面104から出射された光信号は、Y軸方向、すなわちアレイ方向のビームの広がり角が狭角化されφ=5度程度となる。
【0033】
第1および第2の実施形態では、十分にモードフィールドを広げるために、テーパ部の余長を確保する必要がある。また、モードフィールドを広げることは、第1の実施形態ではマルチモードが励起され、第2の実施形態では閉じ込め限界を超えてしまうという現象が生ずるので容易ではない。第4の実施形態では、導波路端面に形成したレンズを併用することにより、ビームの広がり角を抑制することができる。レンズは、第3の実施形態と同様に、凸レンズとすることもできる。また、ミラー溝102に充填する樹脂は、屈折率が1.55程度と、光導波路126のコアの屈折率1.46よりも高い場合が多く、ビームの広がり角を狭角化するためには、凹レンズが適している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来の光モジュールとPLCとを直接接合する方法を示す図である。
【図2】従来の複数の光素子を実装する光モジュールとPLCとの接合を示す図である。
【図3】光素子の受光面と光導波路の端面との距離に対するクロストークを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す斜視図である。
【図5】(a)は光ハイブリッド集積回路の断面図であり、(b)は光路変換部の上面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す上面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す上面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態にかかる光ハイブリッド集積回路の光路変換部を示す上面図である。
【符号の説明】
【0035】
11,31,131 光モジュール
12,32,132 筐体
13,33,133 蓋
14,34,134 受光面
15,35,135 光素子
21,41 PLC
22,42 シリコン基板
23,43,111 ミラー
24,44,121〜123,126 光導波路
101 光路変換部
102 ミラー溝
103 斜面
104 導波路端面
105 樹脂供給溝
124,127 スラブ導波路
125 凸レンズ
128 凹レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路が基板上に形成された平面光導波回路と、蓋と筐体とにより1または複数の光素子が封止され、前記光素子の受光面が前記光導波路と光学的に結合するように前記平面光導波回路に固定された光モジュールとを含む光ハイブリッド集積回路において、
前記光導波路の端面に、前記光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝と、
該ミラー溝の内部に設けられ、前記光導波路の端面から出射された光信号を、前記光素子の受光面に結合する光路変換ミラーとを備え、
前記光導波路は、前記光導波路の端面におけるコアの幅が、前記平面光導波回路内の回路におけるコアの幅と異なり、前記光導波路の端面から出射された光信号の光強度の半値全幅におけるビームの広がり角φが、少なくとも基板平面内で狭くなるように形成されていることを特徴とする光ハイブリッド集積回路。
【請求項2】
前記光導波路は、前記ビームの広がり角φが、
【数1】

を満たすように、前記コアの形状が決定され、ここで、Dpdは光素子の受光面の直径、d(m)は光導波路から受光面までの光路を構成するm番目の媒質の厚さ、n(m)は光導波路から受光面までの光路を構成するm番目の媒質の屈折率、Tpdは光素子の厚さ、npdは光素子の屈折率であることを特徴とする請求項1に記載の光ハイブリッド集積回路。
【請求項3】
前記光導波路の端面におけるコアの幅は、前記平面光導波回路内の回路におけるコア幅よりも広いことを特徴とする請求項1または2に記載の光ハイブリッド集積回路。
【請求項4】
前記光導波路の端面におけるコアの幅は、前記平面光導波回路内の回路におけるコア幅よりも狭いことを特徴とする請求項1または2に記載の光ハイブリッド集積回路。
【請求項5】
前記光導波路は、前記光導波路の端面の前記ミラー溝の側に、前記光導波路に結合する凸レンズが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ハイブリッド集積回路。
【請求項6】
前記光導波路は、前記光導波路の端面の前記ミラー溝の側に、前記光導波路に結合する凹レンズが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ハイブリッド集積回路。
【請求項7】
前記光導波路は、前記光導波路の端面に接続されたスラブ導波路に接続されていることを特徴とする請求項5または6に記載の光ハイブリッド集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−9302(P2008−9302A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182015(P2006−182015)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】