説明

光マイクロ波変換装置

【課題】電源効率が十分高く出力電力がサブWからWオーダー級のマイクロ波を出力する光マイクロ波変換装置を提供する。
【解決手段】光マイクロ波変換装置は、マイクロ波の周波数により半波整流波形に強度変調された光信号を発生する手段と、逆バイアス電圧が印加され、且つ上記光信号が入力されるとマイクロ波電気信号を出力するフォトダイオードと、を有する。また、他の光マイクロ波変換装置は、マイクロ波の周波数により半波整流波形に強度変調された光信号を発生する手段と、上記光信号から位相差が上記マイクロ波の半周期分である2つの光信号に分岐する手段と、共に逆バイアス電圧が印加され、且つ上記2つの光信号がそれぞれ入力されるとマイクロ波電気信号を出力する2つのフォトダイオードと、上記2つのフォトダイオードから出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、種々の電気信号を光にのせて情報を伝送する光ファイバ無線通信システム(Radio−on−Fiber(ROF)System)などの受光部に用いる光マイクロ波変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の光マイクロ波変換装置において、受光部には広くフォトダイオードが用いられている。フォトダイオードは通常逆バイアス電圧を印加して用い、入射する光の強度に応じた電流が電気信号として流れる。従って、フォトダイオードに強度を変調した光信号を入射することで、変調信号自体を電気信号として取り出すことができる。また、応答速度が早いことも特徴で、数十GHzまでの変調信号に応答するものが既に市販されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】David A.Tulchinsky、外5名、「High−Saturation Current Wide−Bandwidth Photodetectors」、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS、2004年、7月/8月、VOL.10、NO.4、pp.702−708
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種の光マイクロ波変換装置では、主に光に重畳した情報を伝達、受信することが目的であったため、大電力の電気信号出力は必ずしも必要でなかった。この種の装置に用いられるフォトダイオードでは、通常出力される電気信号は1mAから数mA程度の電流値で飽和が生じる。これを50Ωの負荷で受信すれば、数十μWから数mWオーダーのマイクロ波が得られる。情報を伝達するという目的では、このレベルの電力であっても十分な値と言える。
【0005】
しかし近年、光マイクロ波変換装置からの出力電力をより大きくする検討がなされている。例えば、ROFシステムにおいて、光マイクロ波変換装置で受信した電気信号をアンテナから空間に放射する場合などでは、より大きな電力が得られれば、光マイクロ波変換装置とアンテナとの間に利得の大きいマイクロ波増幅器を挿入する必要がなくなる。また、場合によっては、マイクロ波増幅器自体を不要にできるというメリットがある。
【0006】
このようなシステムに用いるものとして、出力電力がサブWからWオーダー級のマイクロ波が得られるフォトダイオードが開発されてきている。このようにフォトダイオードからの出力電力が大きくなると、電源から供給されフォトダイオードで消費される電力も大きくなる。このため、少ない供給電力で大きな出力電力のマイクロ波が得られるように、フォトダイオードの電源効率が高いことが重要になる。
しかし、従来の光マイクロ波変換装置では電源効率に着目したフォトダイオードの動作について十分に検討がなされてこなかったので、出力電力がサブWからWオーダーのマイクロ波が得られ電源効率が十分高い光マイクロ波変換装置が提供されていないという問題がある。
【0007】
この発明の目的は、電源効率が十分高く出力電力がサブWからWオーダー級のマイクロ波を出力する光マイクロ波変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る光マイクロ波変換装置は、マイクロ波の周波数により半波整流波形に強度変調された光信号を発生する手段と、逆バイアス電圧が印加され、且つ上記光信号が入力されるとマイクロ波電気信号を出力するフォトダイオードと、を有する。
【0009】
また、この発明に係る他の光マイクロ波変換装置は、マイクロ波の周波数により半波整流波形に強度変調された光信号を発生する手段と、上記光信号から位相差が上記マイクロ波の半周期分である2つの光信号に分岐する手段と、共に逆バイアス電圧が印加され、且つ上記2つの光信号がそれぞれ入力されるとマイクロ波電気信号を出力する2つのフォトダイオードと、上記2つのフォトダイオードから出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る光マイクロ波変換装置の効果は、フォトダイオードの電源効率を飛躍的に大きくすることができ、効率の大きい、言い換えれば、出力電力が等しくても消費電力を少なくすることができるということである。
【0011】
この発明に係る他の光マイクロ波変換装置の効果は、不要な高調波を抑圧でき、簡単な構成で大きな出力が得られるということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置について図1と図2を参照して説明する。
この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置は、図1に示すように、光信号発生装置1、光信号発生装置1で発生した光が伝播する光ファイバ2、光ファイバ2を伝播した光を受光するフォトダイオード3、負荷回路4、電源端子5、インダクタ6、および、キャパシタ7を備える。
【0013】
光信号発生装置1は、強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形を示す光信号を発生する。この光信号は、光ファイバ2で伝送され、フォトダイオード3の受光部に入射する。
フォトダイオード3は、アノード端子3aが接地され、カソード端子3cが電源端子5および負荷回路4(図1では負荷回路4を抵抗で図示してある)に接続されている。
電源端子5には図示しない電源からプラスの電位が印加されている。
そのため、フォトダイオード3は、アノード端子3a側がマイナスの電位、カソード端子3c側がプラスの電位となるように、逆バイアスされている。
電源から印加される直流とマイクロ波信号が分離するように、インダクタ6およびキャパシタ7が適切な場所に接続されている。
なお、光信号発生装置1が強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形の光信号を発生する手段である。
【0014】
次に、フォトダイオード3に強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形を示す光信号を入射することの技術的意義を説明する。
図2は、フォトダイオード3の入射光の光強度をパラメータとした特性曲線である。図2の横軸は電圧、縦軸は電流を表している。電圧、電流の符号は、分かりやすいように逆バイアスの向きを正として表している。
フォトダイオード3が逆バイアスされているので、図2の電圧が正の部分では、光が入射しない状態、すなわち横軸上のB点では、電流はほとんど流れない。
一方、光が入射すると、光電流と呼ばれる電流が流れる。逆バイアス状態では、光電流の値は入射光の光強度にほぼ比例する。
また、光電流の値は入射光の光強度が一定であれば、電圧が変化してもあまり変化しない。この特性は光強度をベース電流と置き換えればバイポーラトランジスタの特性に類似している。また、光強度をゲート電圧と置き換えれば電界効果トランジスタの特性にも類似している。このことは、ベース電流やゲート電圧を制御する代わりにフォトダイオード3に入射する入射光の光強度を同様に制御すれば、マイクロ波領域で動作するバイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ(以下、まとめてマイクロ波トランジスタと称す)でベース電流やゲート電圧を制御することによりA級、B級、AB級などの各種の動作級で動作させることができるように、フォトダイオード3で光強度を制御することにより各種の動作級で動作させることができることを意味する。
【0015】
図2に斜めに引いた負荷線は、フォトダイオード3に一定の負荷抵抗を接続した場合の電圧と電流の関係を示す線である。
この関係をマイクロ波トランジスタに置き換えると、通常マイクロ波トランジスタでは図中Aで示す点が中点となるようにバイアスをかけた正弦波形のマイクロ波で振幅変調をかけるA級動作や、図中Bで示す点が中点となるようにバイアスをかけた正弦波形のマイクロ波で振幅変調をかけるB級動作などが行われる。そして、A級動作ではトランジスタ効率の理論最大値が50%になり、B級動作ではトランジスタ効率の理論最大値が78.5%になることが知られている。
【0016】
一方、従来のフォトダイオード3では制御信号としての入射光の光強度の平均値が実質A点にくるように調整されており、マイクロ波トランジスタのA級動作に相当する動作が行われている。しかし、フォトダイオード3を実質B点が中点になるよう入射光を制御して動作させることができれば、マイクロ波トランジスタと同様に電源効率を飛躍的に向上することができるということを意味している。
【0017】
なお、マイクロ波トランジスタをB級動作させる場合、バイアス点を図2の点Bにし、入力信号として正弦波形のマイクロ波を入力すればB級動作が可能である。これは、入力信号の電流、または、電圧が0以下になった場合、トランジスタは動作せず、負の入力はトランジスタの動作としては無視できるためである。
しかし、フォトダイオード3の入力信号は入射光であり、入射光の光強度に負の値はあり得ない。すなわち、フォトダイオード3の動作においては、正弦波形に強度変調された入射光を用いる限り、バイアス点を図2の点Bにすることはできない。
【0018】
一方、この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置では、フォトダイオード3に入射する入射光が、強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形を示す光である。このため、フォトダイオード3の動作点の中点を、実質的に図2のB点に相当する場所とすることができる。このため、フォトダイオード3をマイクロ波トランジスタのB級動作に相当する動作級で動作することができる。この結果、従来のA級動作での電源効率の理論限界が50%であったために制限されていたフォトダイオード3の効率を、B級動作での電源効率の理論限界である78.5%まで、飛躍的に高めることができる。このことは、同じマイクロ波出力信号を得るときの平均光電流(直流成分)を、A級動作よりも小さくでき、供給電力を小さくできることからも理解される。
【0019】
なお、実際の装置では種々の要因により、通常は電源効率を理論限界にまで到達させることは困難であるが、従来のようにフォトダイオード3をA級動作した場合に比較すれば、大幅に電源効率を高めることができる。
【0020】
この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置では、フォトダイオード3をマイクロ波トランジスタのB級動作に相当する動作級で動作することができるため、電源効率の高い光マイクロ波変換装置が得られる。特に大きな出力電力を必要とする装置において、同じ電力を得る場合でも、従来と比べ消費電力を小さくすることができるという顕著な効果がある。
【0021】
なお、実施の形態1において、図2の点Bにバイアス点をとった場合について示したが、この発明はこれに限らず、点Aと点Bの中間にバイアス点をとりマイクロ波トランジスタのAB級に相当する動作級で動作させても良い。これは後述するように、フォトダイオード3へ入射する光の波形を若干変化させることによって容易に実現できる。
【0022】
また、実施の形態1では、フォトダイオード3に正弦波の上半分の波形、すなわち半波整流波形の入射光を入射しているが、この発明はこれに限らず、これに類似し、平均パワーが最大値と最小値の平均よりも小さい周期関数状に振幅変調された入射光であれば、実施の形態1と同様な効果が得られる。すなわち、これらの波形の光信号も半波整流波形の強度変調された入射光に含まれている。
【0023】
また、実施の形態1では、フォトダイオード3にカソード端子3c側からプラスのバイアス電圧を印加しているが、この発明はこれに限らず、フォトダイオード3にアノード端子3a側からマイナスのバイアス電圧を印加しても良く、フォトダイオード3が逆バイアスされる回路構成であれば同様の効果を得ることができる。
【0024】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置について図3を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置は、図3に示すように、この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置に高調波処理回路8を追加したことが異なり、それ以外は同様である。
この発明の実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置は、図3に示すように、光信号発生装置1、光信号発生装置1で発生した光が伝播する光ファイバ2、光ファイバ2を伝播した光を受光するフォトダイオード3、負荷回路4、電源端子5、インダクタ6、キャパシタ7、および、高調波処理回路8を備える。
【0025】
光信号発生装置1は、強度がマイクロ波の周波数によって変調された全波のうちの半波だけからなる半波整流波形に強度変調された光信号を発生する。この光信号は、光ファイバ2を伝播し、フォトダイオード3の受光部に入射する。
フォトダイオード3は、アノード端子3aが接地され、カソード端子3cが電源端子5および負荷回路4(図3では負荷回路4を抵抗で図示してある)に接続されている。
電源端子5には図示しない電源からプラスの電位が印加されている。
そのため、フォトダイオード3は、アノード端子3a側がマイナスの電位、カソード端子3c側がプラスの電位となるように、逆バイアスされている。
電源から印加される直流とマイクロ波信号が分離するように、インダクタ6およびキャパシタ7が適切な場所に接続されている。
フォトダイオード3のカソード端子3cと負荷回路4との間には高調波処理回路8が接続されている。
【0026】
この発明の実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置では、この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置と同様に、フォトダイオード3をマイクロ波トランジスタのB級やAB級と同様な動作級で動作することができるので、電源効率が高い光マイクロ波変換装置を得ることができる。
また、フォトダイオード3のカソード端子3cと負荷回路4との間に高調波処理回路8が接続されている。図3において、フォトダイオード3のカソード端子3cからは、高周波成分としては、入力した入射光とほぼ同様の波形をしたマイクロ波の電流が出力される。すなわち、マイクロ波の基本周波数fによって半波整流された波形の電気信号が出力される。この信号には周波数2×fを主成分とする、振幅の大きな高調波成分が含まれている。通常この高調波成分は不要となるものであり、除去されることが望ましい。
【0027】
この発明の実施の形態2に係る高調波処理回路8は、マイクロ波スタブにより構成されている。マイクロ波スタブのインピーダンスは、マイクロ波スタブの接続点において周波数が2×fの2倍波に対してショートになるように調整されている。従って、フォトダイオード3で発生した2倍波は高調波処理回路8で反射され、負荷回路4には到達しない。
なお、周波数がfの基本波は、高調波処理回路8の周波数fのインピーダンスが接続点においてショートにならないため、ほとんど影響を受けない。
【0028】
この発明の実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置では、フォトダイオード3をマイクロ波トランジスタのAB級やB級に相当する動作級で動作できるので、電源効率が高い光マイクロ波変換装置を得ることができる。
また、高調波処理回路8がフォトダイオード3のカソード端子3cと負荷回路4との間に配備されるので、負荷回路4に不要な高調波が到着しないようにすることができる。
【0029】
なお、実施の形態2においては、高調波処理回路8としてマイクロ波スタブを設ける場合を示したが、この発明はこれに限らず、インダクタとキャパシタの共振を利用した高調波処理回路など、種々の高調波処理回路を用いても良い。
また、2倍波を処理する回路以外に3倍波以上の高調波を処理する回路を接続しても良い。また、これらの回路を複数個用いても良い。
【0030】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置について図4を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置は、図4に示すように、光信号発生装置1、光信号発生装置1で発生した光が伝播する前段光ファイバ2、前段光ファイバ2を伝播した光を2つの光に分岐する光分岐回路9、光分岐回路9で分岐された2つの光が伝播する後段光ファイバ2A、2B、後段光ファイバ2A、2Bをそれぞれ伝播した2つの光を受光する2つのフォトダイオード3A、3B、負荷回路4、電源端子5、電源端子5とフォトダイオード3A、3Bのカソード端子3Ac、3Bcとをそれぞれ接続するインダクタ6A、6B、および、キャパシタ7A、7Bを備える。
後段光ファイバ2Aと後段光ファイバ2Bの長さは、フォトダイオード3Aとフォトダイオード3Bに入射される入射光の位相差が互いにマイクロ波の半周期分になるように調整されており、長さが異なっている。
【0031】
光信号発生装置1は、強度がマイクロ波の周波数によって変調された全波のうちの半波だけからなる半波整流波形に強度変調された光信号を発生する。この光信号は、前段光ファイバ2を伝播し、光分岐回路9に入力される。
光分岐回路9は、入力された光信号を2つの光信号に分岐して後段光ファイバ2A、2Bに出力する。この後段光ファイバ2A、2Bを伝播した2つの光信号は2つのフォトダイオード3A、3Bの受光部にそれぞれ入射する。なお、後段光ファイバ2A、2Bを伝播した2つの光の位相は、後段光ファイバ2A、2Bの長さが異なるので、マイクロ波の半周期分の位相差がつく。
なお、光分岐回路9および後段光ファイバ2A、2Bにより光信号からマイクロ波の半周期分の位相差がある2つの光信号に分岐する手段を構成する。
【0032】
2つのフォトダイオード3A、3Bは、共にアノード端子3Aa、3Baが接地されており、カソード端子3Ac、3Bcが電源端子5および負荷回路4(抵抗で図示)に接続されている。
2つの電源端子5には、共に図示しない電源からプラスの電位が印加されており、2つのフォトダイオード3A、3Bは共にアノード端子3Aa、3Ba側がマイナスの電位となり、カソード端子3Ac、3Bc側がプラスの電位となるように、逆バイアスされている。
また、電源から供給される直流成分とマイクロ波信号とを分離するように、インダクタ6A、6Bおよびキャパシタ7A、7Bが適切な場所に接続されている。
【0033】
また、フォトダイオード3Aのカソード端子3Acと、フォトダイオード3Bのカソード端子3Bcとの間に、負荷回路4が接続されていることにより、負荷回路4には、フォトダイオード3Aからの電気出力と、フォトダイオード3Bからの電気出力とが、逆相に印加される構造となっている。
なお、逆バイアス電圧が印加された2つのフォトダイオード3A、3Bのカソード端子3Ac、3Bc同士に接続された負荷回路4により2つのフォトダイオード3A、3Bが出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段が構成されている。
【0034】
この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置では、前述した実施の形態1や実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置と同様、フォトダイオード3A、3Bをマイクロ波トランジスタのB級やAB級と同様な動作級で動作することができるので、電源効率が高い光マイクロ波変換装置を得ることができる。
また、この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置では、2つのフォトダイオード3A、3Bに、互いにマイクロ波の半周期分の位相差を有する入射光が入射され、フォトダイオード3A、3Bからの電気出力を負荷回路4で互いに逆相で受信するように構成されており、この構成はマイクロ波トランジスタのプッシュプル回路に相当する回路構成である。このため、それぞれのフォトダイオード3A、3Bからの半波整流波形の出力信号が合成され、負荷回路4において正弦波波形の出力信号を受信することができる。この信号は、不要波である高調波成分をほとんど含んでいない。
また、1つのフォトダイオード3を用いる場合に比べ電流値を2倍とすることができる。
【0035】
この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置では、フォトダイオード3A、3Bをマイクロ波トランジスタのAB級やB級に相当する動作級で動作することができるため、電源効率の高い光マイクロ波変換装置が得られる。
また、この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置は、不要な高調波を抑圧でき、簡単な構成で大きな出力が得られるという効果を奏する。なお、この実施の形態3において、負荷回路4を抵抗で示しているが、この発明はこれに限らず、負荷回路4として差動回路の入力端子など、2つのフォトダイオード3A、3Bからの出力を逆相で受信する、あらゆる種類の回路を接続することができ、この場合にも同様な効果が得られる。
【0036】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る光マイクロ波変換装置について図5を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態4に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態4に係る光マイクロ波変換装置は、図5に示すように、光信号発生装置1、光信号発生装置1で発生した光を伝送する前段光ファイバ2、前段光ファイバ2を伝播した光を2つの光に分岐する光分岐回路9、光分岐回路9で分岐された2つの光を伝送する後段光ファイバ2A、2B、後段光ファイバ2A、2Bをそれぞれ伝播した2つの光を受光する2つのフォトダイオード3A、3B、負荷回路4、プラス電源端子5A、マイナス電源端子5B、および、キャパシタ7を備える。
後段光ファイバ2Aと後段光ファイバ2Bの長さは、フォトダイオード3Aとフォトダイオード3Bに入射される入射光の位相差がマイクロ波の半周期分になるように違えられている。
【0037】
光信号発生装置1は、強度がマイクロ波の周波数によって変調された全波のうちの半波だけからなる半波整流波形に強度変調された光信号を発生する。この光信号は、前段光ファイバ2を伝播し、光分岐回路9に入力される。
光分岐回路9は、入力された光信号を2つの光信号に分岐し、それぞれを後段光ファイバ2A、2Bに出力する。この2つの光信号は2つのフォトダイオード3A、3Bの受光部にそれぞれ入射する。なお、後段光ファイバ2A、2Bを伝播する2つの光の位相には、後段光ファイバ2A、2Bの長さが異なるので、マイクロ波の半周期分の位相差がつく。
【0038】
2つのフォトダイオード3A、3Bは、フォトダイオード3Aのアノード端子3Aaと、フォトダイオード3Bのカソード端子3Bcとが接続するように直列に接続されている。この接続点からキャパシタ7を介して負荷回路4(抵抗で図示)が接続されている。
フォトダイオード3Aのカソード端子3Acはプラス電源端子5Aに接続され、フォトダイオード3Bのアノード端子3Baはマイナス電源端子5Bに接続される。
また、プラス電源端子5Aには図示しない電源からプラスの電位が印加されており、マイナス電源端子5Bには図示しない電源からマイナスの電位が印加されている。
このため2つのフォトダイオード3A、3Bは、共に、アノード端子3Aa、3Ba側の電位がカソード端子3Ac、3Bc側の電位より低くなっているので、逆バイアスされている。
【0039】
フォトダイオード3Aをカソード端子3Acからアノード端子3Aaに流れる交流電気信号は、負荷回路4に流れ込みGNDに流れ出る。一方、フォトダイオード3Bをカソード端子3Bcからアノード端子3Baに流れる交流電気信号は、GNDから負荷回路4に流れ込み、負荷回路4からカソード端子3Bcに流れ込む。すなわち、負荷回路4には、フォトダイオード3Aの電気出力とフォトダイオード3Bの電気出力とが、逆相に印加される構造となっている。
なお、逆バイアス電圧が印加された直列接続の2つのフォトダイオード3A、3Bの接続点に接続された負荷回路4により2つのフォトダイオード3A、3Bが出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段が構成されている。
【0040】
この発明の実施の形態4に係る光マイクロ波変換装置では、前述した実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置と同様、それぞれのフォトダイオード3A、3Bをマイクロ波トランジスタのB級やAB級と同様な動作級で動作することができるので、電源効率の高い光マイクロ波変換装置が得られる効果がある。
また、2つのフォトダイオード3A、3Bをマイクロ波トランジスタのプッシュプル回路に相当する動作をさせることができるので、不要な高調波成分をほとんど含まず、大きな電力の出力電気信号が得られる。
【0041】
また、図5では抵抗で示しているが、負荷回路4には、あらゆる不平衡回路の入力を接続することができ、接続の際にバラン等の回路も不要である。このように簡単な回路構成で、本発明の効果が得られる。
【0042】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る光マイクロ波変換装置について図1および図6、図7を参照して説明する。図6は、この発明の実施の形態5に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態5に係る光マイクロ波変換装置は、図1に示すこの発明の実施の形態1に係わる光マイクロ波変換装置と構成が同様であるが、実施の形態5においては光信号発生装置1の詳細を説明する。なお、光信号発生装置1以外は実施の形態1における説明と同様であるので説明は省略する。
【0043】
この発明の実施の形態5に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置1は、図6に示すように、レーザダイオード10、リチウムナイオベート光強度変調器(以下、LN光強度変調器と称する)11、マイクロ波入力端子12、バイアス端子13、および、光出力端子14を備える。
【0044】
レーザダイオード10は、一定振幅のレーザ光を発生する。このレーザ光はLN光強度変調器11に入力される。LN光強度変調器11にはマイクロ波入力端子12およびバイアス端子13が設けられており、マイクロ波入力端子12からは正弦波状のマイクロ波電圧が、バイアス端子13からは直流バイアス電圧が印加されている。
【0045】
図7は、LN光強度変調器11の動作を説明するときに用いる図である。図7において、グラフの横軸はLN光強度変調器11に印加する電圧を示し、縦軸はLN光強度変調器11から出力される光の強度を表している。
LN光強度変調器11の出力光強度は、図7中の太線で示すように、印加電圧に応じて変化し、図中Vで示す基準となる電圧のとき出力光強度が最大になる。そして、この基準となる電圧Vに半波長電圧Vπと呼ばれる電圧を加算した電圧(V+Vπ)を印加したときに出力光強度はほぼ0となる。LN光強度変調器11の通常の使用では、バイアス端子13から印加する直流電圧を(V+Vπ/2)として、図7中の点Cが中点になるように調整し、そこに正弦波状のマイクロ波の電圧をマイクロ波入力端子12から加えて動作させることが多い。
【0046】
しかし、この発明の実施の形態5に係る光信号発生装置1では、通常とは異なり、バイアス端子13から印加する直流電圧を(V+Vπ/2)から離れて(V+Vπ)に近い電圧として、図7中の点Dが中点になるように調整している。
また、マイクロ波入力端子12から入力する正弦波のマイクロ波の電圧振幅を調整することにより、LN光強度変調器11に全体として印加する電圧の正弦波の振幅が、図7に入力電圧として示すように、電圧Vより僅かに高い電圧と電圧(V+Vπ)の近傍の電圧との間に収まるように調整されている。
このようにLN光強度変調器11に印加する電圧を調整すると、LN光強度変調器11の光出力端子14から出力される光信号の強度は、図7に出力光として示すように、中点Dに対応する電圧より高い電圧がLN光強度変調器11に印加されるときは印加される電圧に関わらず弱く、中点Dに対応する電圧より低い電圧がLN光強度変調器11に印加されるときだけ印加される電圧に対応して増減する。
この出力光は、中点Dに対応する電圧より高い電圧がLN光強度変調器11に印加されるとき弱い光強度を示し、完全には零ではないが、ほぼマイクロ波の周波数により強度変調された全波のうち半波からなる半波整流波形に強度変調された光信号となる。
【0047】
この発明の実施の形態5による光信号発生装置1では、LN光強度変調器11を用いて、半波整流波形に強度変調された光信号を発生することができ、この光信号が光ファイバ2を伝播し、フォトダイオード3に入射されるので、実施の形態1と同様に、電源効率の高い光マイクロ波変換装置が得られる。
【0048】
なお、構成を図6の光信号発生装置1と同様とし、LN光強度変調器11のバイアス点をほぼ中点Cとし、マイクロ波入力端子12から入力するマイクロ波の電圧自身を半波整流の波形としても、光信号発生装置1の光出力端子14から、半波整流波形に強度変調された光信号を得ることができることは明らかである。この場合も同様に、本発明の効果が得られる。
【0049】
また、実施の形態5による光信号発生装置1の光強度変調器としてLN光強度変調器11を用いているが、この発明はこれに限らず、マッハツェンダー型光強度変調器であれば同様な効果を得ることができる。
【0050】
また、マッハツェンダー型光強度変調器以外であっても、電界吸収型変調器を半波整流波形のマイクロ波信号で駆動することにより、半波整流波形に強度変調された光信号を得ることができれば、あらゆる光変調器を用いることができる。
【0051】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る光マイクロ波変換装置について図1および図8、図9を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態6に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態6に係る光マイクロ波変換装置は、図1に示すこの発明の実施の形態1に係わる光マイクロ波変換装置と構成が同様であるが、実施の形態6においては光信号発生装置1の詳細を説明する。なお、光信号発生装置1以外は実施の形態1における説明と同様であるので説明は省略する。
【0052】
この発明の実施の形態6に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置1は、図8に示すように、レーザダイオード10、バイアス端子13、および、光出力端子14を備える。
レーザダイオード10には、バイアス端子13から直流およびマイクロ波の電流を供給する。
【0053】
図9は、レーザダイオード10の動作を説明するときに用いる図である。図9において、グラフの横軸はレーザダイオード10に印加する電流値を示し、縦軸はレーザダイオード10から出力される光の強度を示している。
レーザダイオード10は、電流値を零から増加しても図9中の点Eで示す閾値に達するまでは、レーザダイオード10からの出力はほとんど0である。しかし、電流値が点Eで示す閾値よりも大きくなると、電流値に対して出力光強度がほぼ直線状に増加する。
図9に入力電流として示すように、正弦波の零点を点Eで示す閾値に一致するようにして入力電流をレーザダイオード10に印加すると、閾値より小さい入力電流が入力されるときには光強度が0であり、閾値より大きい入力電流が入力されるときには入力電流の増加分に比例する光強度の光信号が出力される。そして、光出力端子14から、図9に出力光として示すように、半波整流波形に強度変調された光信号が出力される。
【0054】
この発明の実施の形態6に係る光信号発生装置1では、レーザダイオード10に直接変調をかけて、半波整流波形に強度変調された光信号を発生することができ、この光信号が光ファイバ2を伝播し、フォトダイオード3に入射するので、実施の形態1と同様に、電源効率の高い光マイクロ波変換装置が得られる。
【0055】
なお、構成を図8に示す光信号発生装置1と同様とし、レーザダイオード10のバイアス点を閾値の点Eより大きくした状態で、バイアス端子13から入力するマイクロ波の電流自身を半波整流波形としても、半波整流波形に強度変調された光信号を得ることができ、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。
【0056】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7に係る光マイクロ波変換装置について図10を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態7に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態7に係る光マイクロ波変換装置は、図10に示すように、波長が異なる光信号を発生する2つの光信号発生装置1A、1B、2つの光信号発生装置1A、1Bからの光信号が伝播する前段光ファイバ21A、21B、前段光ファイバ21A、21Bをそれぞれ伝播した2つの光信号を合波する光合波器15、合波した信号光が伝播する中段光ファイバ21C、中段光ファイバ21Cを伝播した光信号を2つの信号に分波する光分波器16、分波した2つの光信号が伝播する後段光ファイバ21D、21E、後段光ファイバ21D、21Eを伝播した光信号を受光部で受光する2つのフォトダイオード3A、3B、負荷回路4、プラス電源端子5A、マイナス電源端子5B、および、キャパシタ7を備える。
【0057】
2つの光信号発生装置1A、1Bは、それぞれマイクロ波の周波数により半波整流波形に強度変調された第1の光信号および第2の光信号を発生する。第1の光信号の位相は、第2の光信号の位相に対してマイクロ波の半周期分だけ位相差を有している。また、第1の光信号および第2の光信号の波長は、それぞれλ、λであり、異なる波長である。
第1の光信号と第2の光信号とは光合波器15で合成され、中段光ファイバ21Cを伝播し、光分波器16に入力する。
光分波器16は一種の光フィルタであり、光の波長によって、異なる出力端子に光信号を分波する。このため、光分波器16からの出力のうち、後段光ファイバ21Dには波長λの第1の光信号のみが、後段光ファイバ21Eには波長λの第2の光信号のみが出力される。
分波された第1の光信号と第2の光信号は、それぞれフォトダイオード3Aとフォトダイオード3Bに入射する。第1の光信号および第2の光信号は半波整流波形に強度変調された光信号であり、互いにマイクロ波の半周期分の位相差を有している。このため、実施の形態4と同様に、フォトダイオード3A、3BをB級プッシュプル動作と同様に駆動することができる。したがって、電源効率が高く大出力で、不要波成分の少ない光マイクロ波変換装置を得ることができる。
【0058】
このような装置において、光ファイバ2によって伝送できる光信号の強度には限界がある。また、光ファイバ2を伝送する光信号を光増幅器によって増幅する場合も同様であり、増幅できる光信号の強度には限界がある。この限界値はその光信号の強度の最大値にも依存する。図10においては、光合波器15により合成された光信号は波長の異なる2つの信号が交互に伝送されている。このため、半波整流波形に強度変調された光信号を単独で伝送する場合に比べ、最大強度が同じでも、2倍の量の信号を伝送することができる。光分波器16は波長により信号を選択できるので、フォトダイオード3A、3Bに入力する光信号の強度は、それぞれの波長成分の信号の強度と同様に大きい値とすることができる。このため、フォトダイオード3から出力される電気信号の電力を、さらに大きくすることができる。
【0059】
このように、本発明の実施の形態7に係る光マイクロ波変換装置では、さらに出力電力の大きな光マイクロ波変換装置が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る光マイクロ波変換装置のフォトダイオードの動作を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態5に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置部の構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態5に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置部の動作を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態6に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置部の構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態6に係る光マイクロ波変換装置の光信号発生装置部の動作を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態7に係る光マイクロ波変換装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1、1A、1B 光信号発生装置、2、光ファイバ、2A、2B 後段光ファイバ、3、3A、3B フォトダイオード、3a、3Aa、3Ba アノード端子、3c、3Ac、3Bc カソード端子、4 負荷回路、5 電源端子、5A プラス電源端子、5B マイナス電源端子、6、6A、6B インダクタ、7、7A、7B キャパシタ、8 高調波処理回路、9 光分岐回路、10 レーザダイオード、11 LN光強度変調器、12 マイクロ波入力端子、13 バイアス端子、14 光出力端子、15 光合波器、16 光分波器、21A、21B 前段光ファイバ、21C 中段光ファイバ、21D、21E 後段光ファイバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形の光信号を発生する手段と、
逆バイアス電圧が印加され、且つ上記光信号が入力されるとマイクロ波電気信号を出力するフォトダイオードと、
を有することを特徴とする光マイクロ波変換装置。
【請求項2】
上記フォトダイオードのマイクロ波電気信号を出力する端子に付加される高調波処理回路を有することを特徴とする請求項1に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項3】
強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形の光信号を発生する手段と、
上記光信号から上記マイクロ波の半周期分の位相差がある2つの光信号に分岐する手段と、
共に逆バイアス電圧が印加され、且つ異なる上記光信号が入力されるとマイクロ波電気信号を出力する2つのフォトダイオードと、
上記2つのフォトダイオードが出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段と、
を有することを特徴とする光マイクロ波変換装置。
【請求項4】
上記2つのフォトダイオードが出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段は、上記逆バイアス電圧が印加された2つのフォトダイオードのマイクロ波電気信号を出力する端子同士に接続された負荷抵抗または差動負荷回路を有することを特徴とする請求項3に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項5】
上記2つのフォトダイオードから出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段は、上記逆バイアス電圧が印加された直列接続の2つのフォトダイオードの接続点に接続された負荷抵抗または不平衡負荷回路を有することを特徴とする請求項3に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項6】
上記光信号から上記マイクロ波の半周期分の位相差がある2つの光信号に分岐する手段は、上記光信号を2つの光信号に分岐する光分岐回路と、上記分岐された2つの光信号が伝播し上記2つのフォトダイオードに入力するとともに上記光信号が伝播することにより上記2つの光信号が上記マイクロ波の半周期分の位相差がつくよう長さが異なる2つの光ファイバと、を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項7】
上記強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形の光信号を発生する手段は、一定強度の光信号が入力され、且つ正弦波形のマイクロ波の電圧に上記正弦波形の零点が中点からずれるようなバイアスを加えた電圧が入力されるマッハツェンダー型光強度変調器を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項8】
上記強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形の光信号を発生する手段は、一定強度の光信号が入力され、且つ半波整流波形のマイクロ波の電圧に上記半波整流波形の零点が中点になるようなバイアスを加えた電圧が入力されるマッハツェンダー型光強度変調器を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項9】
上記強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形の光信号を発生する手段は、閾値近傍のバイアス電流と正弦波形のマイクロ波の電流とを重畳した電流が入力されるレーザダイオードを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項10】
上記強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形の光信号を発生する手段は、閾値近傍より大きな値のバイアス電流と半波整流波形のマイクロ波の電流とを重畳した電流が入力されるレーザダイオードを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項11】
強度がマイクロ波の周波数の半波整流波形であり且つ第1の波長の第1の光信号を発生する手段と、
強度が上記マイクロ波の周波数の半波整流波形であるとともに上記第1の光信号に対して位相が上記マイクロ波の半周期分だけ異なり且つ第2の波長の第2の光信号を発生する手段と、
上記第1の光信号と上記第2の光信号とを合波する手段と、
上記合波された光信号を上記第1の光信号と上記第2の光信号とに分波する手段と、
共に逆バイアス電圧が印加され、且つ異なる上記光信号が入力されるとマイクロ波電気信号を出力する2つのフォトダイオードと、
上記2つのフォトダイオードが出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段と、
を有することを特徴とする光マイクロ波変換装置。
【請求項12】
上記2つのフォトダイオードが出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段は、上記逆バイアス電圧が印加された2つのフォトダイオードのマイクロ波電気信号を出力する端子同士に接続された負荷抵抗または差動負荷回路を有することを特徴とする請求項11に記載の光マイクロ波変換装置。
【請求項13】
上記2つのフォトダイオードから出力するマイクロ波電気信号を互いに逆位相で取り出す手段は、上記逆バイアス電圧が印加された直列接続の2つのフォトダイオードの接続点に接続された負荷抵抗または不平衡負荷回路を有することを特徴とする請求項11に記載の光マイクロ波変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−5141(P2009−5141A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164861(P2007−164861)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人情報通信研究機構、「移動体向け超高速通信用衛星搭載ビーム形状可変マルチビームアンテナ装置の研究開発」委託契約、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】