説明

光マトリックスデバイスの製造方法

【課題】
薄膜トランジスタのソース・ドレイン間のON抵抗を低下することができる光マトリックスデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】
凹凸パターンが形成された転写型に真空中にて半導体膜6を形成し、半導体膜6が形成された転写型に真空中にて連続してゲート絶縁膜7を形成する。そして、基板1上に予め形成されたゲート線2上に接着用樹脂4を介して前記ゲート絶縁膜7および前記半導体膜6を転写する。そして、基板1上に転写された前記半導体膜6に水素イオンをドープする処理を行う。それにより、半導体膜6の抵抗率を低下させることができるので、薄膜トランジスタのゲートがON状態のときのソース・ドレイン間の接続抵抗を低下させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビやパーソナルコンピュータのモニタとして用いられる薄型画像表示装置、あるいは医療分野や、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査を含む産業分野などに用いられる放射線撮像装置に備わる放射線検出器など、表示素子または受光素子で形成される画素を二次元マトリックス状に配列した構造を有する光マトリックスデバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、薄膜トランジスタ(TFT)等で形成されるアクティブ素子とコンデンサとを備えた光に関する素子を二次元マトリックス状に配列した光マトリックスデバイスが汎用されている。光に関する素子として、受光素子と表示素子とが挙げられる。また、この光マトリックスデバイスを大別すると、受光素子で構成されたデバイスと表示素子で構成されたデバイスとに分けられる。受光素子で構成されたデバイスとしては、光撮像センサや、医療分野または産業分野などで用いられる放射線撮像センサなどがある。表示素子で構成されたデバイスとしては、透過光の強度を調節する素子を備えた液晶型や、発光素子を備えたEL型などの、テレビやパーソナルコンピュータのモニタとして用いられる画像ディスプレイがある。ここで光とは、赤外線、可視光線、紫外線、放射線(X線)、γ線等をいう。
【0003】
近年、こうした光マトリックスデバイスに備わるアクティブマトリックス基板の配線等の形成方法として、インクジェット法を用いる方法が盛んに研究されている。アクティブマトリックス基板のゲート線やデータ線等の配線だけにとどまらず、ゲートチャネルなどの半導体膜もインクジェット法により形成することができる。従来のフォトリソグラフィ法と違って局所的に印刷形成でき、マスクを必要としないことで非常に有用である。このような理由により大面積のアクティブマトリックス基板を形成する技術として期待されている。
【0004】
インクジェット印刷技術によれば、半導体、絶縁体、または導電性微粒子を含有する液滴(インク)を印刷塗布することで、半導体膜、絶縁体膜、または導線を形成することができる。インクジェットノズルから射出される液滴は、半導体、絶縁体、または導電性微粒子のいずれかを有機溶媒に溶解または分散させて、溶液またはコロイド状態に保たれている。そして、この液滴を印刷塗布した後、加熱処理を行うことで有機溶媒を揮発させ、半導体膜、絶縁体膜、または導線(配線)を形成する。
【0005】
例えば、特許文献1では、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを、インクジェット法により形成する薄膜トランジスタの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004‐349583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、インクジェット法で形成された薄膜トランジスタは、真空中にてスパッタリング法等で形成されたものに比べて、薄膜トランジスタの半導体膜とゲート絶縁膜との界面の接続状態が良いものではなく、ゲートOFF時の漏れ電流値、ON/OFF電流比、モビリティー等の特性が劣化したものであった。
【0008】
そこで、上記の問題を解決するために、所定のパターンの凹凸が形成された転写型に、真空中にて連続して半導体膜、ゲート絶縁膜を積層して形成し、その転写型に形成された半導体膜とゲート絶縁膜を、予め基板上に形成されたゲート線上に転写して薄膜トランジスタを形成する光マトリックスデバイスの製造方法が本出願人により提案されている(国際特許出願PCT/JP2008/073113参照)。それにより、半導体膜とゲート絶縁膜との界面の欠陥密度を低下できるので、特性が良好な薄膜トランジスタを形成することができる。
【0009】
しかしながら、基板上に転写して形成された半導体膜上に、ソース・ドレイン用の配線を形成したとき、そのままでは、ゲートがON状態のときのソース・ドレイン間の接続抵抗が高いという問題点があった。このソース・ドレイン間の接続抵抗が高いと、例えば、予想以上に信号の読み出しに時間を要したり、または消費電力が多くかかってしまったり等の問題が生じる。
【0010】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、薄膜トランジスタのソース・ドレイン間のON抵抗を低下することができる光マトリックスデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、薄膜トランジスタを備えた光に関する素子を基板上に2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスの製造方法であって、凹凸パターンが形成された転写型に真空中にて半導体膜を形成する半導体膜形成ステップと、前記半導体膜が形成された前記転写型に真空中にて連続してゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成ステップと、基板上に予め形成されたゲート配線上に接着用樹脂を介して前記ゲート絶縁膜および前記半導体膜を転写する転写ステップと、転写ステップの後で、基板上に転写された前記半導体膜に水素イオンをドープする処理を行う水素イオンドープステップと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、基板上に転写された半導体膜内に水素イオンをドープする処理を行う。これにより、半導体膜の抵抗率を低くすることができるので、薄膜トランジスタのゲートをON状態にしたときのソース・ドレイン間の接続抵抗を低下させることができる。
【0013】
また、本発明において、前記水素イオンをドープする処理は、不活性ガスと水素ガスを供給して行われるプラズマ処理であることが好ましい(請求項2)。不活性ガスと水素ガスは、電磁波を印加することによりプラズマ化される。不活性ガスがプラズマ化されてイオン化されたものは、半導体膜表面の有機物等の汚れを除去し、水素ガスがプラズマ化されてイオン化された水素イオンは、半導体膜内にドナーとしてドープされる。これにより、半導体膜表面を洗浄することができるとともに、半導体膜の抵抗率を低下することができる。
【0014】
また、本発明において、前記水素イオンをドープする処理は、水蒸気および水素のいずれか一方を供給して紫外線を照射して行われる紫外線照射処理であることが好ましい(請求項3)。水蒸気および水素を供給して紫外線を照射すると、水蒸気では、水分子や大気中の酸素および二酸化炭素等が、水素では、水素と大気中の酸素および二酸化炭素等が紫外線のエネルギーを吸収して励起し、オゾンや原子状酸素等の酸素ラジカルと、水素イオンが生成される。酸素ラジカルは、半導体膜表面の有機物等の汚れを除去し、水素イオンは、半導体膜内にドナーとしてドープされる。これにより、半導体膜表面を洗浄することができるとともに、半導体膜の抵抗率を低下することができる。
【0015】
また、本発明において、前記転写ステップの後、基板上に転写された前記半導体膜上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成ステップと、基板上に形成された前記配線をマスクとして、基板を挟んで前記レジスト膜の反対側から露光する露光ステップと、露光されたレジスト膜を現像する現像ステップと、を備え、前記水素イオンドープステップは、前記現像ステップの後に行われることが好ましい(請求項4)。基板上に転写された半導体膜上にレジスト膜を形成し、ゲート線をマスクとして基板を挟んでレジスト膜が形成されている反対側から露光して現像する。それにより、ゲート線でマスクされた部分にのみ、半導体膜上にレジスト膜を形成することができるので、水素イオンをドープする処理を半導体膜上のソース・ドレイン部分に選択して行うことができる。
【0016】
また、本発明において、前記水素イオンをドープする処理は、大気圧にて行われることが好ましい(請求項5)。水素イオンをドープする処理を大気圧で行うことで、基板が収容される大型の真空チャンバーを必要とせずに処理を行うことができる。
【0017】
また、本発明において、前記光マトリックスデバイスは、放射線検出器であることが好ましい(請求項6)。放射線検出器に形成された各薄膜トランジスタのゲートをON状態にしたときのソース・ドレイン間の接続抵抗が低下することにより、信号の読み出しが早く行えるようになるので、応答性のよい放射線検出器を製造することができる。
【0018】
また、本発明において、前記光マトリックスデバイスは、画像表示装置であることが好ましい(請求項7)。画像表示装置に形成された各薄膜トランジスタのソース・ドレイン間の接続抵抗が低下することにより、データ信号の書き込みが早く行えるようになるので、応答性のよい画像表示装置を製造することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る光マトリックスデバイスの製造方法によれば、半導体膜内に水素イオンをドープする処理を行うので、半導体膜の抵抗率を低下することができる。それにより、薄膜トランジスタのゲートをON状態にしたときのソース・ドレイン間の接続抵抗を低下することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示すフローチャートである。
【図2】実施例1に係るステップS01の説明に供する縦断面図である。
【図3】実施例1に係るステップS01の説明に供する平面図である。
【図4】実施例1に係るステップS02の説明に供する縦断面図である。
【図5】実施例1に係る転写型の概略斜視図である。
【図6】実施例1に係るステップS11の説明に供する縦断面図である。
【図7】実施例1に係るステップS12の説明に供する縦断面図である。
【図8】実施例1に係るステップS21の説明に供する縦断面図である。
【図9】実施例1に係るステップS21の説明に供する縦断面図である。
【図10】実施例1に係るステップS21の説明に供する平面図である。
【図11】実施例1に係るステップS23,S24の説明に供する縦断面図である。
【図12】実施例1に係るステップS25の説明に供する縦断面図である。
【図13】実施例1に係るステップS26の説明に供する縦断面図である。
【図14】実施例1に係るステップS27の説明に供する縦断面図である。
【図15】実施例1に係るステップS28の説明に供する縦断面図である。
【図16】実施例1に係るステップS28の説明に供する平面図である。
【図17】実施例1に係るステップS29〜S31の説明に供する縦断面図である。
【図18】実施例1に係るステップS32,S33の説明に供する縦断面図である。
【図19】実施例1に係るフラットパネル型X線検出器に備わるアクティブマトリックス基板および周辺回路の構成を示す回路図である。
【図20】実施例2に係るステップS27´の説明に供する縦断面図である。
【実施例1】
【0021】
<フラットパネル型X線検出器製造方法>
以下、図面を参照して本発明の光マトリックスデバイスの一例として、フラットパネル型X線検出器(以下、FPDと称す)の製造方法を説明する。図1は実施例1に係るFPDの製造工程を示すフローチャート図であり、図2から図19までは実施例1に係る各ステップの説明に供する図である。なお、図2は図3のA−A視縦断面図であり、図9は図10のA−A視縦断面図であり、図15は図16のA−A視縦断面図である。
【0022】
図1を参照する。本実施例1におけるFPDの製造方法として、大別して2つの工程がある。1つは、基板上にアクティブマトリックス基板および放射線変換層などを形成する工程(ステップS01,S02、およびステップS21〜S33)であり、もう1つは薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す)の半導体膜およびゲート絶縁膜を形成する工程(ステップS11,S12)である。
【0023】
なお、本実施例1におけるFPDの製造方法の説明は、図1のフローチャートに沿って行い、必要に応じて各ステップの工程を示す図2〜図19を参照する。
【0024】
(ステップS01)ゲート線・グランド線の形成
図2および図3に示すように、基板1の表面上にゲート線2およびグランド線3を形成する。基板1は、ガラスや合成樹脂など、紫外線等の光を透過する透明なものが好ましい。例えば、合成樹脂の場合、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)や、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が挙げられるが、耐熱性に優れたPIが好ましい。ゲート線2およびグランド線3は、インクジェット法により基板1上に所定の配線パターンが形成される。なお、ゲート線2・グランド線3は、凸版印刷法、凹版印刷法、ロール・ツー・ロール法等で形成してもよい。
【0025】
(ステップS02)接着用樹脂の形成
図4に示すように、基板1上に形成されたゲート線2およびグランド線3をおおうように、接着用樹脂4を形成する。接着用樹脂4の形成は、インクジェット法、ディスペンサ法、またはスピンコート法により形成する。厚みは0.1μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。接着用樹脂4の材料としては、例えば、アクリル系の樹脂やPIなどの合成樹脂が挙げられる。接着用樹脂4の硬化は、使用する合成樹脂に応じて加熱して、または紫外線(UV)を照射して行うが、接着用樹脂4の形成後に直ぐには硬化を行わない。それは後述する、転写型に積層して形成された半導体膜とゲート絶縁膜を基板1側に転写する際に、基板1側に転写するための粘着力を持たせるためである。この粘着力を利用することにより、ゲート絶縁膜および前記半導体膜を転写型から容易に離型させることができる。接着用樹脂4の粘度は、10mPa・s〜5000mPa・sの範囲内であることが好ましい。また、硬化後の接着用樹脂4は、絶縁膜として機能する。
【0026】
なお、接着用樹脂4の形成は、図4では全面に形成されているが、製造方法によっては、薄膜トランジスタ等が形成される近傍のみに形成してもよい。また後述する、転写型に積層して形成する半導体膜およびゲート絶縁膜の、ゲート絶縁膜上に接着用樹脂4を形成して、基板1上に転写してもよい。
【0027】
次に、上記ステップS01,S02とは別工程の、半導体膜およびゲート絶縁膜を形成する工程について説明する。
【0028】
なお、半導体膜およびゲート絶縁膜の形成は、転写型を使用して転写型上に形成する。図5に示すように、転写型5は、所定の凹凸パターンが形成されており、2次元マトリックス状に形成されるTFTのゲート電極の位置に転写するようにパターンが形成されている。転写型5の材料としては、例えば、金属であればNi(ニッケル)、無機物であればSi(シリコン)、SiO(酸化シリコン)やSiC(炭化ケイ素)、そして、合成樹脂であれば、PDMS(Polydimethylsiloxane)やPMMA(Poly methyl methacrylate)が挙げられる。転写型5の凹凸パターンは、ナノインプリント法またはフォトリソグラフィ法で形成される。
【0029】
(ステップS11)半導体膜の形成
図6に示すように、転写型5に真空中にて半導体膜6を形成する。半導体膜6の形成は、チャンバー内に転写型5を収容して行う。チャンバー内の真空度は、約1Pa以下が好ましい。あるいは、約0.1Pa以下に真空引きした後、Ar(アルゴン)、O(酸素)、N2(窒素)などのガスを別途供給することで、約1Pa以下の減圧雰囲気にするものであってもよい。形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、PECVD法等が挙げられる。半導体膜6の材料としては、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)の少なくとも一つを有する酸化物半導体、例えば、ZnO(酸化亜鉛)、InGaZnO(ガリウム・インジウム酸化亜鉛)等が挙げられる。
【0030】
(ステップS12)ゲート絶縁膜の形成
図7に示すように、半導体膜6が形成された転写型5に真空中にて連続してゲート絶縁膜7を形成する。ゲート絶縁膜7の形成は、引き続きチャンバー内に転写型5を収容した状態で行う。チャンバー内の真空度は、約1Pa以下が好ましい。あるいは、約0.1Pa以下に真空引きした後、Ar、O、Nなどのガスを別途供給することで、約1Pa以下の減圧雰囲気にするものであってもよい。形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、PECVD法等が挙げられる。ゲート絶縁膜7の材料としては、有機物であればPIやアクリル系樹脂、無機物であればAl(アルミナ)、TiO(酸化チタン)、SiOやSiN(窒化シリコン)が挙げられる。
【0031】
上述のように、転写型5をチャンバー内に収容し、チャンバー内を真空にして転写型5に連続して半導体膜6とゲート絶縁膜7を形成している。それにより、半導体膜6とゲート絶縁膜7との界面に有機物等の汚れが付着することで生じる界面の欠陥の欠陥密度を低下させることができる。
【0032】
次に、ステップS11,S12により転写型5に積層して形成した半導体膜6とゲート絶縁膜7を、ステップS01,S02後の基板1上に転写する工程、以降のFPDの製造方法について説明する。
【0033】
(ステップS21)転写
図8に示すように、基板1上に予め形成されたゲート線2上に接着用樹脂4を介して半導体膜6およびゲート絶縁膜7を転写する。半導体膜6とゲート絶縁膜7が積層して形成された転写型5を、ゲート線2上の所定の位置に位置合わせしてから押圧する。接着用樹脂4に押圧された半導体膜6とゲート絶縁膜7は、ゲート絶縁膜7が接着用樹脂4に粘着し、離型する際に、接着用樹脂4の粘着力により、転写型5と半導体膜6との界面で剥離して転写される。それにより、基板1のゲート線2上に、接着用樹脂4を介して、ゲート絶縁膜7と半導体膜6が形成される。なお、転写後の状態を図9および図10に示す。
【0034】
なお、半導体膜6とゲート絶縁膜7の転写方法は、基板1全面に一括して転写するものであってもよいし、小領域に分けて繰り返し転写するものであってもよい。
【0035】
(ステップS22)接着用樹脂の硬化
基板1上に半導体膜6とゲート絶縁膜7を転写した後、接着用樹脂4を硬化させる。接着用樹脂4の硬化は、加熱して、または紫外線(UV)を照射して行う。なお、接着用樹脂4の硬化は、半導体膜6とゲート絶縁膜7の転写中、すなわち、半導体膜6とゲート絶縁膜7を未硬化の接着用樹脂4に押圧中に行ってもよい。また、半導体膜6とゲート絶縁膜7を接着用樹脂4に押圧して所定の高さで保持した状態で行ってもよい。
【0036】
(ステップS23)レジスト膜の形成
図11に示すように、基板1上に転写された半導体膜6上にレジスト膜8を形成する。レジスト膜8の形成は、インクジェット法やディスペンサ法を用いることにより、半導体膜6近傍をおおうように形成する。
【0037】
なお、レジスト膜8をスピンコート法により基板1全面に形成する場合は、ステップS01において、TFTが形成される部分(ゲート電極)以外のグランド線3およびゲート線2を、透明な導電性材料、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)で形成することが好ましい。それにより、基板1全面にレジスト膜8をおおった場合でも、後述する現像により、所定のパターンに形成することができる。
【0038】
(ステップS24)露光
図11に示すように、レジスト膜8を形成した後、基板1を挟んでレジスト膜8の反対側から紫外線(UV)を照射して露光を行う。すると、ゲート線2がマスクとなり、ゲート線2がないところではレジスト膜8に紫外線が照射され、ゲート線2があるところではゲート線2により紫外線が遮られ、レジスト膜8には紫外線が照射されない。なお、半導体膜6、ゲート絶縁膜7および接着用樹脂4は、紫外線が透過する材料を使用し、または紫外線が透過するように厚みが調整されている。それにより、基板1を挟んでレジスト膜8の反対側から、露光することができる。
【0039】
(ステップS25)現像
図12に示すように、露光されたレジスト膜8を現像する。これにより、ゲート線2でマスクされた部分を除いてレジスト膜8が除去される。現像方法としては、パドル式、ディップ式、またはシャワー式が挙げられる。パドル式では、スピン機構上で現像、洗浄、乾燥を一か所で行うことができる。
【0040】
(ステップS26)絶縁膜の形成
図13に示すように、現像された後、半導体膜6およびレジスト膜8以外の接着用樹脂上4に絶縁膜9を形成する。絶縁膜9の形成はインクジェット法で行うのが好ましい。これにより、グランド線3上に絶縁体を形成することができるとともに、半導体膜6およびゲート絶縁膜7の転写で生じた基板1上の段差を解消する。
【0041】
(ステップS27)水素イオンのドープ処理
図14に示すように、半導体膜6に水素イオン(H+)をドープする処理を行う。水素イオンのドープする処理は、Ar(アルゴン)ガスなどの不活性ガスと、H(水素)ガスとを供給してプラズマ処理して行われる。ArガスとHガスを供給して電磁波を印加することにより、ArとHが励起されプラズマ状態になり、Arイオンと水素イオンが生成される。Arイオンは、半導体膜6の表面に衝突することで半導体膜6表面上の有機物等の汚れを除去することができる。一方、水素イオンは、電子を供給するドナーとして半導体膜6内にドープされる。そのため、酸化物半導体である半導体膜6の抵抗率を低下させることができる。すなわち、半導体膜6表面を洗浄することができるとともに、半導体膜6の抵抗率を低下させることができる。
【0042】
なお、図14に示すように、半導体膜6は、レジスト膜8によりマスクされて、水素イオンのドープする上述の処理がされていない部分(ゲートチャネルに相当する)を未処理部分6aとして示し、上述の処理がされて低抵抗化された部分(ソース・ドレイン部分に相当する)を処理部分6bとして示す。これら、未処理部分6aと処理部分6bを特に区別しないで説明するときは、半導体膜6として説明する。
【0043】
水素イオンのドープする処理は、ゲート線2の直上に形成されたレジスト膜8により、半導体膜6内のチャネル部分はマスクされ、ソース・ドレイン部分にのみ選択的に行われる。なお、ArガスとHガスは、同時に供給してプラズマ化して処理してもよいし、Arガスを供給してプラズマ化して処理した後に、Hガスを供給してプラズマ化して処理してもよい。
【0044】
なお、上述のArガスとHガスのプラズマ処理よる水素イオンをドープする処理は、基板1をチャンバー内に収容して所定の圧力にし、ArガスとHガスを供給してプラズマ状態にして行ってもよい。また、大気圧中でArガスとHガスを供給してプラズマ状態にしたものを照射して行ってもよい。これにより、大きな真空チャンバーが必要なくなり、装置の設置スペースを抑えることができる等の効果がある。
【0045】
(ステップS28)データ線・容量電極の形成
図15および図16に示すように、水素イオンをドープする処理がされた半導体膜6上に、ゲート線2を挟んで、データ線10と容量電極11を形成する。また、容量電極11は、接着用樹脂4と絶縁膜9を挟んでグランド線3と対向するように形成する。
【0046】
なお、半導体膜6に対向する部分のゲート線2と、半導体膜6に接続する部分のデータ線10と、半導体膜6に接続する部分の容量電極11と、半導体膜6と、ゲート絶縁膜7と、を備えたTFT12を構成する。また、容量電極11と、グランド線3と、容量電極11とグランド線3との間に介在する接着用樹脂4および絶縁膜9と、を備えたコンデンサ13を構成する。これにより、基板1、ゲート線2、グランド線3、接着用樹脂4、半導体膜6、ゲート絶縁膜7、レジスト膜8、絶縁膜9、データ線10、容量電極11、TFT12およびコンデンサ13を備えたアクティブマトリックス基板14を構成する。
【0047】
なお、データ線10と容量電極11の形成後、ゲート線2直上のレジスト膜8は、除去してもよいし、除去せずにそのまま封止用のキャップとしてもよい。
【0048】
(ステップS29)絶縁膜の形成
図17に示すように、データ線10、容量電極11、レジスト膜8、および絶縁膜9上に、絶縁膜15を形成する。この後、形成する画素電極と接続するために、容量電極11上の中央部を除き、容量電極11上の外周部まで絶縁膜15を形成する。絶縁膜15はTFT12のパッシべーション膜としても機能する。
【0049】
(ステップS30)画素電極の形成
図17に示すように、容量電極11および絶縁膜15上に画素電極16を形成する。これにより、画素電極16は、容量電極11と電気的に接続される。
【0050】
(ステップS31)絶縁膜の形成
図17に示すように、画素電極16および絶縁膜15上に絶縁膜17を形成する。この後、形成するX線変換層によって生成されたキャリアを画素電極16に収集するために、X線変換層と直接に接触すべく画素電極16の中央部には絶縁膜17を形成せずに、画素電極16の外周部まで絶縁膜17を形成する。
【0051】
なお、絶縁膜15,17の形成方法は、インクジェット法が好ましい。また、このほかにも、凸版印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等により形成してもよい。
【0052】
(ステップS32)X線変換層の形成
図18に示すように、画素電極16および絶縁膜17上にX線変換層18を形成する。実施例1の場合、受光素子であるX線変換層18としてアモルファスセレン(a‐Se)を積層するので、真空蒸着法等を用いる。X線変換層18にどのような半導体を用いるかで形成方法を変えてもよい。
【0053】
(ステップS33)電圧印加電極の形成
図18に示すように、X線変換層18上に電圧印加電極19を形成する。この後、図19に示すように、ゲート駆動回路20、電荷‐電圧変換器群21およびマルチプレクサ22等の周辺回路を接続することでFPD23の一連の製造を終了する。
【0054】
<フラットパネル型X線検出器>
以上のようにして製造されたFPD23は、図18および図19に示すように、X線が入射されるX線検出部SCには、XY方向に2次元マトリックス状にX線検出素子DUが配列されている。X線検出素子DUは、入射されたX線に感応して電荷信号を画素ごとに出力するものである。なお、説明の都合上、図19では、X線検出素子DUが3×3画素分の2次元状マトリックス構成としているが、実際のX線検出部SCにはX線検出素子DUが、例えば、4096×4096画素分程度に、FPD23の画素数に合わせたマトリックス構成としている。なお、X線検出素子DUは本発明における光に関する素子に相当する。
【0055】
また、X線検出素子DUは、図18に示されるように、バイアス電圧が印加される電圧印加電極19の下層に、X線の入射によりキャリア(電子・正孔対)を生成するX線変換層18が形成されている。そして、X線変換層18の下層には、画素ごとにキャリアを収集する画素電極16が形成され、さらに、画素電極16に収集されたキャリアにより発生した電荷を蓄積するコンデンサ13と、コンデンサ13と電気的に接続されたTFT12と、TFT12へスイッチ作用の信号を送るゲート線2と、TFT12を通してコンデンサ13に蓄積された電荷をX線検出信号として読み出すデータ線10と、それらを支持する基板1とを備えるアクティブマトリックス基板14が形成されている。このアクティブマトリックス基板14によりX線変換層18にて生成したキャリアからX線検出信号を画素ごとに読み出すことができる。このように、各X線検出素子DUには、X線変換層18と、画素電極16と、コンデンサ13と、TFT12とが備えられている。
【0056】
X線変換層18は、X線感応型半導体からなり、例えば、非晶質のアモルファスセレン(a‐Se)膜で形成されている。また、X線変換層18にX線が入射すると、このX線のエネルギーに比例した所定の個数のキャリアが直接生成される構成(直接変換型)となっている。このa‐Se膜は特に検出エリアの大面積化を容易にすることができる。X線変換層18として、上記以外にも他の半導体膜6、例えば、CdTe(テルル化カドミウム)等の多結晶半導体膜でもよい。
【0057】
このように、本実施例1のFPD23は、X線検出画素である検出素子DUがX,Y方向に沿って多数配列された2次元アレイ構成のフラットパネル型X線センサとなっているので、検出素子DUごとに局所的なX線検出を行うことができ、X線強度の2次元分布測定が可能となる。
【0058】
本実施例1のFPD23によるX線検出動作は以下の通りである。
すなわち、被検体にX線を照射してX線撮像を行う場合には、被検体を透過した放射線像がa‐Se膜上に投影されて、像の濃淡に比例したキャリアがa‐Se膜内に発生する。発生したキャリアは、バイアス電圧が生じる電界により画素電極16に収集され、キャリアの生成した数に相応して電荷がコンデンサ13に誘起されて所定時間蓄積される。その後、ゲート駆動回路20からゲート線2を介して送られるゲート電圧により、TFT12は、スイッチング作用をして、コンデンサ13に蓄積された電荷が、TFT12を経由し、データ線10を介して電荷‐電圧変換器群21で電圧信号に変換され、マルチプレクサ22によりX線検出信号として順に外部に読み出される。
【0059】
上述したFPD23におけるデータ線10、ゲート線2、グランド線3、画素電極16、容量電極11および電圧印加電極19を形成する導電体は、Ag、Au、Cu、Al等の金属をペースト状にした金属インクで形成したものでもよいし、ITOインクや、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT/PSS)などに代表される光電導性の有機物インクを印刷することで形成してもよい。また、ITOとAu薄膜などの構成でもよい。
【0060】
以上のような各工程を備えた光マトリックスデバイスの製造方法によれば、基板1上に転写して形成された半導体膜6に対して、Arガス等の不活性ガスとHガスを供給して、電磁波を印加してプラズマ化することにより、不活性ガスがArの場合はArイオンと水素イオンが生成される。Arイオンは、半導体膜表面に衝突して、半導体膜表面上の有機物等の汚れを除去する。また、水素イオンは、半導体膜内にドナーとしてドープされる。そのため、半導体膜の抵抗率が低下する。これにより、薄膜トランジスタのゲートをON状態にしたときのソース・ドレイン間の抵抗を低下させることができるとともに、半導体膜表面を洗浄することができる。
【0061】
また、半導体膜6上にレジスト膜8を形成し、基板1を挟んでレジスト膜8が形成されている反対側から紫外線を照射して露光することで、基板上に形成されたゲート線2をマスクして機能し、紫外線が照射されたレジスト膜8は現像により除去される。そのため、フォトマスクを使用せずにレジスト膜8のパターン形状を形成できる。それにより、半導体膜8のソース・ドレイン部分に選択的に、上述のArガスとHガスのプラズマ処理よる水素イオンをドープする処理を行うことができる。すなわち、半導体膜6は、ゲート配線と対向するゲートチャネルである未処理部分6aの抵抗率を維持させつつ、ソース・ドレイン部分である処理部分6bの抵抗率を低減させることができる。
【0062】
また、半導体膜6上のソース・ドレイン電極として使用される部分をArガスとHガスのプラズマ処理よる水素イオンをドープする処理を行うことにより、半導体膜6上のソース・ドレイン部分にデータ線10と容量電極11を形成したときに、界面が良好に接続され、接触抵抗を低く抑えることができる。
【実施例2】
【0063】
次に、図面を参照してこの発明の実施例2について説明する。なお、図20は、実施例2に係るステップS27´の説明に供する図である。
【0064】
FPDの製造方法において、実施例2は、実施例1のステップS01,S02、ステップS11,S12、そして、ステップS21〜S26,S28〜S33のステップが同じであり、ステップ27の水素イオンをドープする処理が異なる。ステップS27の代わりに以下のステップS27´が実施される。
【0065】
(ステップS27´)水素イオンのドープ処理
図20に示すように、レジスト膜8でマスクされた半導体膜6上に水素イオン(H)をドープする処理を行う。水素イオンをドープする処理は、水蒸気を供給して、低圧水銀ランプ等で紫外線(UV)を照射して行われる。紫外線を照射すると、水蒸気中の水分子、または大気中の酸素(O)、二酸化炭素(CO)等が紫外線のエネルギーを吸収して励起して、オゾン(O)や原子状酸素等の酸素ラジカルおよび水素イオンが生成される。生成された酸素ラジカルは、半導体膜6上の有機物の汚れの、紫外線の照射により分子結合が切断された箇所に直ちに反応するので、半導体膜6表面から有機物の汚れを除去することができる。一方、生成された水素イオンは、半導体膜6内にドナーとしてドープされる。そのため、半導体膜6の抵抗率を低下させることができる。すなわち、半導体膜6表面を洗浄することができるとともに、半導体膜6内の抵抗率を低下させることができる。なお、図20において、半導体膜6は、レジスト膜8によりマスクされて、水素イオンをドープする上述の処理がされていない部分を未処理の部分6aとして示し、上述の処理がされて低抵抗化された部分を処理部分6cとして示す。
【0066】
なお、紫外線を照射して生成されたラジカルとイオンによる処理は、大気中で行ってもよく、チャンバー内で行ってもよい。また、チャンバー内で行う場合は、水蒸気雰囲気中で行ってもよい。
【0067】
また、紫外線に照射するガスは、水蒸気に限らず、Hガスを供給してもよい。この場合、大気中に含まれるO、COから、酸素ラジカルが生成され、Hガスから水素イオンが生成される。
【0068】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0069】
(1)上述した各実施例では、X線変換層18はX線によりキャリアを生成するものであったが、X線に限らず、γ線等の放射線に感応する放射線変換層や光に感応する光変換層を用いてもよい。また、光変換層の代わりにフォトダイオードを用いてもよい。こうすれば、同じ構造でありながら放射線検出器および光検出器を製造することができる。
【0070】
(2)上述した各実施例では、本発明の光マトリックスデバイスの一例として、受光素子で構成されたデバイスとしてフラットパネル型X線検出器の製造方法を説明したが、これに限らす、表示素子で構成されるデバイスとして、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の製造方法に適用してもよい。
【0071】
(3)上述した各実施例では、転写型5に半導体膜6を形成し、その上に絶縁膜8を形成していたが、転写型からの離型性があまり良くない場合は、剥離層を設けてもよい。剥離層としては、フッ素プラズマ処理を施して形成されるものであってもよいし、例えば80℃程度に加熱すると粘着性が低下する樹脂や紫外線が照射されると粘着性が低下する樹脂であってもよい。また、フッ素系、あるいはシリコン系の剥離剤を塗布するものであってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 …基板
2 …ゲート線
3 …グランド線
4 …接着用樹脂
5 …転写型
6 …半導体膜
6a …未処理部分
6b,6c …処理部分
7 …ゲート絶縁膜
8 …レジスト膜
10 …データ線
11 …容量電極
12 …薄膜トランジスタ(TFT)
13 …コンデンサ
14 …アクティブマトリックス基板
23 …フラットパネル型X線検出器(FPD)
DU …X線検出素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタを備えた光に関する素子を基板上に2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスの製造方法であって、
凹凸パターンが形成された転写型に真空中にて半導体膜を形成する半導体膜形成ステップと、
前記半導体膜が形成された前記転写型に真空中にて連続してゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成ステップと、
基板上に予め形成されたゲート配線上に接着用樹脂を介して前記ゲート絶縁膜および前記半導体膜を転写する転写ステップと、
転写ステップの後で、基板上に転写された前記半導体膜に水素イオンをドープする処理を行う水素イオンドープステップと、
を備えたことを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、
前記水素イオンをドープする処理は、不活性ガスと水素ガスを供給して行われるプラズマ処理であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、
前記水素イオンをドープする処理は、水蒸気および水素のいずれか一方を供給して紫外線を照射して行われる紫外線照射処理であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、
前記転写ステップの後、基板上に転写された前記半導体膜上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成ステップと、
基板上に形成された前記ゲート配線をマスクとして、基板を挟んで前記レジスト膜の反対側から露光する露光ステップと、
露光されたレジスト膜を現像する現像ステップと、を備え、
前記水素イオンドープステップは、前記現像ステップの後に行われることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、
前記水素イオンをドープする処理は、大気圧にて行われることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、
前記光マトリックスデバイスは、放射線検出器であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、
前記光マトリックスデバイスは、画像表示装置であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−258348(P2010−258348A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109228(P2009−109228)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】