説明

光学式変位計

【課題】透明の対象物を計測する際に、複数の山部のピーク位置又は重心位置が適切に検出されて対象物の変位や厚みが精度良く計測可能な光学式変位計を提供する。
【解決手段】対象物に光を照射するための発光素子と、対象物からの光を受光して受光量に応じた電気信号を出力するイメージセンサーと、イメージセンサーからの電気信号を増幅する増幅器を含む信号処理回路と、信号処理回路から得られた画像信号の波形における山部を検出して対象物までの距離又は対象物の変位を求める計測処理を実行する制御部とを備えた光学式変位計において、画像信号の波形に複数の山部C1,C2が存在するときに、制御部は、画像信号に基づいて発光素子の発光量及び増幅器の増幅率を含む操作量の少なくとも一つを調整するフィードバック制御と計測処理とを複数の山部C1,C2のそれぞれについて時分割で実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に光を照射し、対象物からの光を受光して得られる画像信号から対象物の変位を計測する光学式変位計に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光学式変位計として、三角測量の原理を用いて対象物までの距離又は変位を計測するものがある。この光学式変位計は、対象物に光を照射するための発光素子としてのレーザダイオードと、複数の画素構成部のそれぞれが対象物からの光を受光して受光量に応じた電気信号を出力するイメージセンサーと、イメージセンサーからの電気信号を増幅する増幅器を含む信号処理回路と、マイクロプロセッサを用いた制御部とを備えている。
【0003】
信号処理回路から得られた画像信号は、ADコンバータでディジタル値に変換されて制御部に与えられる。制御部は、画像信号の波形における山部を検出し、そのピーク位置又は重心位置を算出し、この位置から三角測量の原理に基づいて対象物までの距離又は変位を算出する。
【0004】
制御部は、信号処理回路から得られた画像信号の波形における山部を検出して対象物までの距離又は対象物の変位を求める計測処理を実行する。画像信号の波形(以下、受光波形という)における山部は、受光量に相当する電気信号(例えば電圧)が一旦増加したのち減少する部分であり、厳密には高さ及び幅があらかじめ定めた値を超えているものが山部として検出される。
【0005】
また、光学式変位計では、対象物の色、表面の粗さ、角度等の条件に応じて光の反射率、ひいては受光量が大きく変動する。そこで、受光量(例えば山部のピーク値)が目標値になるように、発光素子の発光量や増幅器の増幅率(ゲイン)を調整するフィードバック制御を行うことが一般的である。これにより、イメージセンサーの各画素構成部における蓄積電荷の飽和を回避しながらダイナミックレンジを有効活用することができる。
【0006】
上記のような受光波形における山部は1つだけとは限らず、対象物によっては複数の山部が受光波形に現れる場合がある。例えば、非透明の平坦な表面形状の対象物の場合は受光波形における山部が1つだけ現れるが、ガラス板のような透明の対象物では通常は2つの山部が受光波形に現れる。一方の山部はガラス板の表面で反射した光によるものであり、他方の山部はガラス板を通過した後にその裏面で反射して戻ってきた光によるものである。また、多層構造のガラス板のような場合は、層と層との界面でも反射が生ずるので、3つ以上の山部が受光波形に現れることもある。
【0007】
このように複数の山部が受光波形に現れる場合は、いずれの山部に基づいて対象物までの距離又は変位を計測するのかを決定する必要がある。例えば最初に現れる(すなわち、リニアイメージセンサーの一端側に最も近い)山部が選択される。あるいは、最後に現れる(すなわち、リニアイメージセンサーの他端側に最も近い)山部が選択される。この選択は制御部が計測アルゴリズムにおける一処理として実行する。
【0008】
また、特許文献1に記載されている光学式変位計では、ユーザが位置検出を行いたい所望のピーク(計測の基礎としたい山部)をピーク選択手段によって選択できるように構成している。
【特許文献1】特開2001−159516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような計測の基礎となる山部が選択可能な光学式変位計によってガラス板の厚みを計測しようとすれば、まず表面で反射した光による第1の山部を選択して距離の計測を行い、つぎに裏面で反射した光による第2の山部を選択して距離の計測を行い、2つの計測結果(距離)の差を算出すれば厚みが求まる。しかし、このように山部の選択とそれに伴う計測を2度に分けて行うのは面倒である。
【0010】
また、別の問題として、前述のようなフィードバック制御によって1つの山部のピーク値が目標値になるように発光素子の発光量や増幅器の増幅率が調整されたときに、別の山部に基づく距離又は変位の計測精度が悪くなる場合がある。例えば、表面反射が少なくなるような表面処理を施した特殊なガラス板の場合に、裏面からの反射光による第1の山部の受光量に比べて表面からの反射光による第2の山部の受光量が非常に小さくなる。このため、第1の山部のピーク値が目標値になるようにフィードバック制御が行われると、第2の山部のピーク位置又は重心位置の検出精度が悪くなり、その結果、ガラス板の表面までの距離の計測の精度が悪くなる。
【0011】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑み、透明の対象物を計測する際に、複数の山部のピーク位置又は重心位置が適切に検出されて対象物の変位や厚みが精度良く計測可能な光学式変位計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による光学式変位計の第1の構成は、対象物に光を照射するための発光素子と、複数の画素構成部のそれぞれが対象物からの光を受光して受光量に応じた電気信号を出力するイメージセンサーと、イメージセンサーからの電気信号を増幅する増幅器を含む信号処理回路と、信号処理回路から得られた画像信号の波形における山部を検出して対象物までの距離又は対象物の変位を求める計測処理を実行する制御部とを備えた光学式変位計において、画像信号の波形に複数の山部が存在するときに、制御部は、画像信号に基づいて発光素子の発光量及び増幅器の増幅率を含む操作量の少なくとも一つを調整するフィードバック制御と計測処理とを複数の山部のそれぞれについて時分割で実行することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、画像信号の波形に複数の山部が存在するときに、ユーザが山部を選択しなくても、それぞれの山部について計測処理が時分割で実行され計測結果が得られる。したがって、例えばガラス板の表面までの距離と裏面までの距離が一度に計測され、それらの差からガラス板の厚みを算出することも容易である。
【0014】
また、計測処理と同時にフィードバック制御についても、それぞれの山部について時分割で実行される。つまり、複数の山部の受光量が大きく異なる場合であっても、各山部のピーク値が目標値になるように調整される。したがって、各山部のピーク位置又は重心位置が適切に検出されるので、対象物の変位や厚みを精度良く計測することができる。
【0015】
本発明による光学式変位計の第2の構成は、上記第1の構成における一実施形態を示すものであり、制御部が、フィードバック制御及び計測処理を実行する対象の山部を一制御サイクルごとに順番に変更することを特徴とする。
【0016】
本発明による光学式変位計の第3の構成は、上記第1の構成における別の実施形態を示すものであり、制御部が、フィードバック制御及び計測処理を行う対象の山部を複数の制御サイクルごとに順番に変更することを特徴とする。
【0017】
本発明による光学式変位計の第4の構成は、上記第1の構成における更に別の実施形態を示すものであり、制御部が、フィードバック制御における目標値と操作量との誤差が所定値以下になるまで同一の山部についてフィードバック制御及び計測処理を繰り返した後に、フィードバック制御及び計測処理を実行する対象の山部を変更することを特徴とする。
【0018】
第2乃至第4の構成はいずれか1つを選択的に採用することができる。第2の構成では、フィードバック制御及び計測処理が各山部について比較的速い周期で順番に実行される。例えば、第1の山部についてフィードバック制御が安定する前であっても次の制御サイクルでは第2の山部についてのフィードバック制御及び計測処理に移行している。再び第1の山部に戻ってきたときは、前回の続きとしてフィードバック制御が実行される。第3の構成は1制御サイクルではなく複数の制御サイクルごとに対象の山部が変更されるが、フィードバック制御が安定する前であっても所定の時間がくれば次の山部に移行する点は第2の構成と同じである。これに対して、第4の構成では各山部についてフィードバック制御が安定した後に、次の山部に移行してフィードバック制御及び計測処理を実行する。したがって、計測処理が確実であるが、計測処理時間が山部ごとに不定となる。
【0019】
本発明による光学式変位計の第5の構成は、対象物に光を照射するための発光素子と、複数の画素構成部のそれぞれが対象物からの光を受光して受光量に応じた電気信号を出力するイメージセンサーと、イメージセンサーからの電気信号を増幅する増幅器を含む信号処理回路と、信号処理回路から得られた画像信号の波形における山部を検出して対象物までの距離又は対象物の変位を求める計測処理を実行する制御部とを備えた光学式変位計であって、画像信号の波形に複数の山部が存在するときに、制御部は、画像信号に基づいて発光素子の発光量及び増幅器の増幅率を含む操作量の少なくとも一つを調整するフィードバック制御と計測処理とを第1の山部と第2の山部について交互に時分割で実行することを特徴とする。
【0020】
この構成では、画像信号の波形に3つ以上の山部が存在する場合であっても、そのうちの2つの山部(第1及び第2の山部)についてフィードバック制御と計測処理が交互に時分割で行われる。いわば第1の構成を簡略化したものであるが、対象となる2つの山部については、第1の構成と同様の効果が得られる。3つ以上の山部がある場合に、そのうちの2つの山部を選択する方法については特に限定しないが、例えば最初と最後の山部を選ぶようにしてもよいし、最初と2番目の山部を選ぶようにしてもよい。最も適切な選択方法を計測アルゴリズムにあらかじめ組み込んでおけばよい。
【0021】
本発明による光学式変位計の第6の構成は、上記第1の構成において、制御部は、第1の山部から求めた対象物までの第1の距離と第2の山部から求めた対象物までの第2の距離とを個別に出力すると共に、第1の距離と第2の距離との差を出力することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、例えばガラス板のような透明の対象物の厚みを第1の距離と第2の距離との差として算出し出力することができる。なお、多層ガラス板のような対象物で3つ以上の山部が存在する場合は、最初と最後の山部を第1及び第2の山部として選択するようにしておけば、対象物の厚みが出力される。最初と2番目の山部を第1及び第2の山部として選択する場合は、1層目の厚みが第1の距離と第2の距離との差として算出され出力されることになる。
【0023】
本発明による光学式変位計の第7の構成は、上記第5又は第6の構成における一実施形態を示すものであり、制御部が、フィードバック制御及び計測処理を実行する対象の山部を1制御サイクルごとに交互に変更することを特徴とする。
【0024】
本発明による光学式変位計の第8の構成は、上記第5又は第6の構成における別の実施形態を示すものであり、制御部が、フィードバック制御及び計測処理を行う対象の山部を複数制御サイクルごとに交互に変更することを特徴とする。
【0025】
本発明による光学式変位計の第9の構成は、上記第5又は第6の構成における別の実施形態を示すものであり、制御部が、フィードバック制御における目標値と操作量との誤差が所定値以下になるまで同一の山部についてフィードバック制御及び計測処理を繰り返した後に、フィードバック制御及び計測処理を実行する対象の山部を変更することを特徴とする。
【0026】
第7乃至第9の構成はいずれか1つを選択的に採用することができる。それらの相違点については、第2乃至第4の構成について上述した相違点と同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例に係る光学式変位計の測定原理を示す図である。この光学式変位計はレーザ変位計ともいわれ、三角測量の原理を用いて対象物の変位を非接触で測定するのに用いられる。LDドライバ11の制御によってレーザダイオード12から発せられたレーザ光は、投光レンズ13を通り対象物WKを照射する。対象物WKで反射したレーザ光の一部は、受光レンズ14を通ってリニアイメージセンサー15により受光される。リニアイメージセンサー15は、複数の画素構成部が一列に配列されたCCD又はCMOSイメージセンサーであり、受光量に相当する電荷が画素構成部ごとに蓄積され、取り出される。
【0029】
対象物WKが図1に破線で示すように変位すると、対象物WKで反射してリニアイメージセンサー15に達するレーザ光の光路が破線のように変化する。その結果、リニアイメージセンサー15の受光面における受光スポットの位置が移動し、上記の受光波形、すなわち受光量のピーク位置又は重心位置が変化する。リニアイメージセンサー15の各画素構成部における受光量に応じた蓄積電荷が読み出し回路16によって読み出され、信号処理によって一次元の受光量分布である受光波形が得られる。この受光波形のピーク位置又は重心位置から対象物WKの変位が求まる。
【0030】
図2は、光学式変位計の外観を示し、図2(a)は平面図、(b)は側面図である。この光学式変位計は、センサーヘッド部21とコントローラ部22からなる。センサーヘッド部21は、上記のLDドライバ11、レーザダイオード12、投光レンズ13、受光レンズ14、リニアイメージセンサー15及び読み出し回路16を内蔵している。
【0031】
コントローラ部22は、マイクロプロセッサ(制御部)を有し、センサーヘッド部21のLDドライバを介してレーザダイオード12の出力(発光量)を制御すると共に、リニアイメージセンサー15から読み出された信号から対象物WKの変位を求める処理を実行する。また、コントローラ部22の上面には、7セグメントLEDを用いた表示器221と、目標値の設定等に使用されるシーソータイプの押ボタンスイッチである増減キー222等が設けられている。表示器221は、計測結果の数値表示や各種設定値の表示に使用され、2つの計測結果又は設定値を上下2段に同時に表示することができる。
【0032】
センサーヘッド部21とコントローラ部22は電気ケーブル23で接続され、相互に電気信号がやりとりされると共に、電源電圧がコントローラ部22からセンサーヘッド部21に供給される。また、センサーヘッド部21は、2本のボルト24を用いて所定の取付け台25に固定される。ボルト24が挿通される2箇所の取付け孔はセンサーヘッド部21の基準面26に沿って設けられている。この基準面26は、測定用のレーザ光が出射すると共に対象物WKからの反射光が入射する面である。
【0033】
図3は、光学式変位計の主な回路構成を示すブロック図である。センサーヘッド部21は、レーザダイオード12とそのドライブ回路(LDドライバ)11、リニアイメージセンサー15とその読み出し回路16、投光レンズ13及び受光レンズ14を含む。コントローラ部22はローパスフィルタ(LPF)41、ADコンバータ(A/D)47、マイクロプロセッサ(MPU)44、DAコンバータ(D/A)45、増幅器46及びリセット・制御回路48を含む。
【0034】
レーザダイオード12から発せられたレーザ光は、投光レンズ13を通り対象物WKを照射する。対象物WKで反射したレーザ光の一部は、受光レンズ14を通ってリニアイメージセンサー15に入射する。リニアイメージセンサー15の各画素構成部に蓄積された電荷は、読み出し回路16によって読み出される。読み出し回路16は、読み出し用パルス信号である画素選択信号をリニアイメージセンサー15に与えて各画素構成部を順次走査することによって、一次元の受光量分布に相当する時系列の電圧信号を得る。
【0035】
例えば、リニアイメージセンサー15が256画素からなり、画素ごとの転送レートが1マイクロ秒の場合は、256マイクロ秒かかって全画素構成部の蓄積電荷が読み出され、読み出し回路16から時系列の電圧信号として出力される。この全画素の蓄積電荷を読み出すのに要する時間がサンプリング周期である。読み出し回路16の出力信号は、コントローラ部22に渡され、まずローパスフィルタ41によって高周波成分を除かれる。この高周波成分には、リニアイメージセンサー15に与えられる画素選択信号の周波数成分が含まれる。
【0036】
読み出し回路16の出力信号がローパスフィルタ41を通過すると、画素選択信号の周波数に相当する高周波成分が除かれ、その包絡線に相当する低周波成分のみの電圧信号となる。この電圧信号は、リニアイメージセンサー15における画素位置に関する受光量の分布の情報を含んでいる。電圧値が高いほど、その画素位置における受光量が多いことを意味する。この電圧信号の波形が前述の受光波形であり、受光波形には一旦増加したのち減少するように変化する山部が含まれている。この山部のピーク位置は、ワークWKまでの距離に対応する受光量の最も多い画素位置に相当する。
【0037】
図3に示すように、ローパスフィルタ41から出力される電圧信号は増幅器46で増幅された後にADコンバータ47でディジタル値に変換され、そのディジタル値がマイクロプロセッサ44に逐次与えられる。マイクロプロセッサ44は、ADコンバータ47を経て入力される逐次データから受光波形の山部を検出し、そのピーク位置又は重心位置を求める。山部のピーク位置又は重心位置が算出されると、前述の三角測量の原理からワークWKまでの距離又は変位が計測される。計測結果は、表示器221に表示されると共に、マイクロプロセッサ44からDAコンバータ45に与えられ、アナログ電圧に変換されて外部機器に出力される。
【0038】
また、図3に示すように、マイクロプロセッサ44が外部コンピュータPCとの通信を行うための通信インターフェイス(通信I/F)49が光学式変位計に備えられている。つまり、図2に示した光学式変位計のコントローラ部22には、外部コンピュータとの通信ケーブルを接続するコネクタ(RS232Cポート、USBポート、その他)が備えられている。あるいは無線通信によってコントローラ部22と外部コンピュータPCとの通信を行ってもよい。外部コンピュータPCには、オンラインで光学式変位計の設定や制御、計測結果のグラフィック表示等を行うための専用のソフトウェアがインストールされている。
【0039】
図3において、レーザダイオード12から発せられるレーザ光の強さ(発光量)はLDドライバ11を介してマイクロプロセッサ44によって制御される。レーザ光の強さが変われば、対象物WKで反射され、リニアイメージセンサー15に入射する光量(受光量)も変化する。そこで、対象物WKの光反射率(明るさ)に応じてレーザダイオード12から発せられるレーザ光の強さを調節することにより、リニアイメージセンサー15の各画素構成部における蓄積電荷の飽和を回避しながら、そのダイナミックレンジを十分に活用できるようにしている。具体的には、レーザダイオード12を駆動するパルスのパルス幅又はデューティ比を変えることによってレーザ光の強さを調節する。もちろん、パルス電圧(ピーク値)を変えることによって、レーザ光の強さを調節してもよい。
【0040】
上記のようなマイクロプロセッサ44による発光量(レーザ光の強さ)の制御は、一種のフィードバック制御として行われる。つまり、受光量に相当する値(例えばピーク値)が所定の目標値になるように、発光量(レーザ光の強さ)のフィードバック制御が行われる。発光量のフィードバック制御に代えて、図3に破線で示すように、増幅器46のゲイン(増幅率)のフィードバック制御を行ってもよい。あるいは、発光量のフィードバック制御と増幅器46の増幅率のフィードバック制御とを併用するようにしてもよい。例えば目標値に対するフィードバック量の誤差が所定の範囲内に収まっている間は増幅器46の増幅率のフィードバック制御を行い、フィードバック量の誤差が所定の範囲を超えたときは発光量のフィードバック制御を行うように構成することが可能である。したがって、レーザダイオード12の発光量及び増幅器46の増幅率を含む操作量の少なくとも一つのフィードバック制御を実行すればよい。
【0041】
図4は、マイクロプロセッサ44によるフィードバック制御の構成を示すブロック図である。マイクロプロセッサ44によって、比較部441、操作量算出部442及び出力部443が構成されている。また、図3におけるLDドライバ11及びレーザダイオード12が制御対象51に相当し、リニアイメージセンサー15、読出し回路16、ADコンバータ47等がフィードバック回路(FB回路)52に相当する。この例では、受光量に相当する電圧信号のピーク値(のディジタル変換値)がフィードバック量(FB量)としてマイクロプロセッサ44の比較部441に入力される。
【0042】
比較部441は、あらかじめ定められた目標値とフィードバック量とを比較し、その誤差を出力する。この誤差に基づいて操作量算出部442が操作量を算出し、出力部443に与える。この操作量は、上述の発光量又は(及び)増幅率に相当する。操作量は、マイクロプロセッサ44の出力部443から制御信号として制御対象51に与えられる。すなわち、LDドライバ11又は(及び)増幅器46に制御信号が与えられ、レーザダイオード12の発光量又は(及び)増幅器46の増幅率が制御される。そして、フィードバック回路52(リニアイメージセンサー15、読出し回路16、ADコンバータ47等)によって得られる受光量のピーク値が再びマイクロプロセッサ44の比較部441にフィードバックされることにより、フィードバックループが形成されている。
【0043】
本実施例の光学式変位計では、上述のようなフィードバック制御と計測処理が、複数の山部のそれぞれについて時分割で実行される。つまり、受光波形における山部は1つだけとは限らず、対象物WKによっては複数の山部が受光波形に現れる場合がある。例えば、図5に示すように、ガラス板のような透明の対象物WKを計測する場合に、対象物WKの表面FRで反射した光は実線の光路を辿ってリニアイメージセンサー15における第1の画素位置P1に入射する。他方、対象物WKを通過して裏面BKで反射した光は破線の光路を辿ってリニアイメージセンサー15における第2の画素位置P2に入射する。この結果、図6に示すように、受光波形に2つの山部C1及びC2が現れる。対象物WKの表面FRで反射した光(画素位置P1に入射した光)による山部C1と対象物WKを通過して裏面BKで反射した光(画素位置P2に入射した光)による山部C2である。
【0044】
対象物WKの表面FRで反射した光による山部C1の受光量と対象物WKの裏面BKで反射した光による山部C2の受光量との大小関係は、対象物WKの種類、表面処理、レーザ光の入射角度等によって変化する。図6に例示した受光波形(実線)では、山部C1のピーク値より山部C2のピーク値が高くなっている。例えば、光反射を抑えるような表面処理が施されたガラス板の場合は、裏面からの反射光による山部C2の受光量に比べて表面からの反射光による山部C1の受光量が非常に小さくなる。
【0045】
図6において、実線の受光波形は山部C2の受光量ピーク値が目標値になるようにフィードバック制御が行われた状態を示し、破線の受光波形は山部C1の受光量ピーク値が目標値になるようにフィードバック制御が行われた状態を示している。後者の状態では、山部C2の受光量のピーク値が飽和レベルでクランプされており、ピーク位置を正確に判断することが難しくなっている。しかし、この状態でも山部C1に基づく計測結果のみを有効とすれば問題ない。
【0046】
図7は、本実施例の光学式変位計においてマイクロプロセッサ44が実行するフィードバック制御及び計測処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、マイクロプロセッサ44が繰り返し実行する処理ルーチンの一部を抜き出したものであり、図6に示した受光波形を例にとっている。マイクロプロセッサ44は、ステップ#101において、フラグをチェックする。このフラグは0又は1の値をとり、今回の処理サイクルでフィードバック制御及び計測処理の対象とすべき山部を特定するためのものである。
【0047】
フラグが1のときは、第1の山部C1に基づく前述のようなフィードバック制御と計測処理が行われる(ステップ#102及びステップ#103)。他方、フラグが1でないとき(0であるとき)は、第2の山部C2に基づいて同様のフィードバック制御と計測処理が行われる(ステップ#104及びステップ#105)。
【0048】
続くステップ#106において、計測結果が表示されると共に外部に出力される。例えば、第1の山部C1に基づく計測結果は図2に示した表示器221の上段に表示され、第2の山部C1に基づく計測結果は表示器221の下段に表示される。また、図3を用いて説明したように、マイクロプロセッサ44からDAコンバータ45を経て計測結果がアナログ電圧として外部に出力される。なお、計測結果はフィードバック制御が安定した後の最終結果とは限らず、フィードバック制御が安定するまでの途中経過の場合がある。
【0049】
続くステップ#107においてフラグを反転する。すなわち、フラグの値を1から0へ、又は0から1へ変更する。これにより、次回の処理サイクルでは今回の処理サイクルと異なる山部に基づいてフィードバック制御と計測処理が行われることになる。次のステップ#108では計測停止が指示されたか否かをチェックし、計測停止が指示された場合は計測終了処理を実行する。そうでない場合は次の処理に移行する。
【0050】
上記のように、図7に示したフローチャートの処理では、フィードバック制御及び計測処理の対象となる山部がC1とC2との間で制御サイクルごとに交互に変更される。すなわち、第1の山部C1に基づくフィードバック制御及び計測処理と、第2の山部C2に基づくフィードバック制御及び計測処理が交互に時分割で実行される。
【0051】
これにより、山部C1の受光量ピークと山部C2の受光量ピークが大きく異なる場合であっても、それぞれの山部についてフィードバック制御と計測処理がセットで行われるので、それぞれの山部のピーク位置又は重心位置が適切に検出され、対象物WK(例えばガラス板)の表面までの距離と裏面までの距離が精度良く計測される。両者の差を求めることにより、対象物WKの厚みも精度良く計測される。
【0052】
また、対象物WKの表面までの距離と裏面までの距離が一度に計測され、表示されるので、表示された計測結果から対象物WKの厚みを判断することも容易である。マイクロプロセッサ44が厚みの算出も行う場合は、例えば図2に示した表示器221の下段に厚みを表示するようにしてもよい。図7のフローチャートにおいて、ステップ#106の後に、計測結果を記憶するステップと、前回の計測結果と今回の計測結果との差を対象物WKの厚みとして算出するステップと、その算出結果を表示し、又は(及び)出力するステップを加えればよい。
【0053】
図7に示したフローチャートの処理では、フィードバック制御及び計測処理の対象となる山部がC1とC2との間で制御サイクルごとに無条件で変更される。したがって、フィードバック制御の対象である山部のピーク値が目標値に達して安定するまでに複数の制御サイクルを要する場合は、安定するまでの計測結果は最終結果ではなく途中段階のものとなる。しかし、このような構成によれば、複数の山部について並列に計測結果が早く出るメリットが得られる。
【0054】
他方、本実施例の変形例として、フィードバック制御が安定するまで、すなわち対象の山部のピーク値が目標値に達するまでフィードバック制御及び計測処理の対象となる山部を変更しないようにしてもよい。そのような変形例のフローチャートを図8に示す。図8に示すフローチャートでは、図7におけるステップ#107が削除され、代わりにステップ#102に続くステップ#102−1及びステップ#102−2、そしてステップ#104に続くステップ#104−1及びステップ#104−2が追加されている。
【0055】
すなわち、制御サイクルごとに無条件でフラグを反転する(ステップ#107)のではなく、フィードバック制御が安定したときに初めてフラグを反転する(ステップ#102−1、ステップ#102−2、ステップ#104−1、ステップ#104−2)。ステップ#102−1及びステップ#104−1におけるフィードバック制御が安定したか否かの判断は、目標値とフィードバック量との誤差が所定値未満になったか否かによって判断することができる。
【0056】
図8の変形例では、各山部についてフィードバック制御が安定するまで連続してフィードバック制御及び計測処理が実行されるので、各山部についてフィードバック制御が安定するまでの時間が短くなるが、全体として計測時間に要する時間が短くなるわけではない。また、計測処理時間が山部ごとに不定となる。
【0057】
図7に示したフローチャートの別の変形例として、フィードバック制御及び計測処理を実行する対象の山部を複数の制御サイクルごとに交互に変更するようにしてもよい。つまり、ステップ#107におけるフラグの反転を毎回行うのではなく、複数の制御サイクルに1回行うようにする。例えば、0から3の値をとり得るカウンタを毎回カウントし、オーバーフローが出るたびにフラグの反転を行えば、フィードバック制御及び計測処理を実行する対象の山部を4制御サイクルに1回変更することができる。
【0058】
なお、図3を参照して説明したように、本実施例の光学式変位計には、専用のソフトウェアがインストールされた外部コンピュータPCが接続され、その表示装置を用いて光学式変位計の設定や計測結果の表示等を行うことができる。そのような表示には、図6に示したような受光波形のグラフィック表示が含まれている。この場合に、上述のように1又は複数の制御サイクルごとにフィードバック制御及び計測処理を実行する対象の山部が変化すると、例えば図6の実線の受光波形と破線の受光波形が早い周期で交互に表示されることになる。これでは受光波形のグラフィック表示が見にくいものとなってしまうので、特定の山部についてフィードバック制御を実行したときの受光波形を表示する必要がある。例えば、図6においてピーク値が高いほうの山部C2についてフィードバック制御を実行したときの受光波形(実線)のみを表示するようにすればよい。
【0059】
上記の実施例及び変形例において、ガラス板のような対象物の表面及び裏面で光が反射し、それによって受光波形に2つの山部が出現する場合について説明した。しかし、受光波形に3つ以上の山部が出現する場合もある。例えば、対象物WKが多層構造のガラス板のような場合は、層と層との界面でも反射が生ずるので、層の数に応じて複数の(3つ以上の)山部が受光波形に出現する。このような場合は、複数の山部の中から2つの山部を抽出して上記の実施例と同様の処理を実行することが可能である。
【0060】
例えば、最初に現れる(リニアイメージセンサーの一端側に最も近い)山部を第1の山部とし、最後に現れる(リニアイメージセンサーの他端側に最も近い)山部を第2の山部として選択すれば、上記実施例と同様にして2つの計測結果が一度に得られ、それらの差を対象物WKの厚みとして算出することができる。あるいは、最初に現れる山部と2番目に現れる山部とを第1及び第2の山部として選択すれば、やはり2つの計測結果が一度に得られ、それらの差を対象物WKの1層目の厚みとして算出することができる。
【0061】
また、受光波形に3つ以上の山部が出現する場合に、それら複数の山部のすべてについてフィードバック制御と計測処理を順番に時分割で実行するように構成してもよい。図9は、3つの山部についてフィードバック制御と計測処理を順番に時分割で実行する実施例のフローチャートである。このフローチャートは、図7に示したフローチャートと同様に、マイクロプロセッサ44が繰り返し実行する処理ルーチンの一部を抜き出したものである。
【0062】
マイクロプロセッサ44は、ステップ#201において、カウンタの値をチェックする。このカウンタは0、1又は2の3通りの値をとり、今回の処理サイクルでフィードバック制御及び計測処理の対象とすべき山部を特定するためのものである。
【0063】
カウンタの値が0のときは、第1の山部に基づく前述のようなフィードバック制御と計測処理が行われる(ステップ#202及びステップ#203)。カウンタの値が1のときは、第2の山部に基づいて同様のフィードバック制御と計測処理が行われる(ステップ#204及びステップ#205)。カウンタの値が2のときは、第3の山部に基づいて同様のフィードバック制御と計測処理が行われる(ステップ#206及びステップ#207)。
【0064】
続くステップ#208において、計測結果が表示されると共に外部に出力される。なお、計測結果はフィードバック制御が安定した後の最終結果とは限らず、フィードバック制御が安定するまでの途中経過の場合がある。続くステップ#209においてカウンタをインクリメントする。これにより、カウンタの値は0から3まで1ずつ増加し、3の次は0に戻る。したがって、次回の処理サイクルでは今回の処理サイクルと異なる次の山部に基づいてフィードバック制御と計測処理が行われることになる。次のステップ#210では計測停止が指示されたか否かをチェックし、計測停止が指示された場合は計測終了処理を実行する。そうでない場合は次の処理に移行する。
【0065】
上記のように、図9に示したフローチャートの処理では、フィードバック制御及び計測処理の対象となる山部が第1、第2及び第3の山部の間で制御サイクルごとに順番に変更される。すなわち、第1、第2及び第3の山部に基づくフィードバック制御及び計測処理が順番に時分割で実行される。これにより、複数の山部の受光量ピークが大きく異なる場合であっても、それぞれの山部についてフィードバック制御と計測処理がセットで行われるので、それぞれの山部のピーク位置又は重心位置が適切に検出され、対象物WK(例えば多層ガラス板)の表面、裏面、及び層と層との界面までの距離が精度良く計測される。また、それら複数の計測値が一度に得られ、2つの計測値の差を算出することにより、対象物WKの厚みや各層の厚みを精度良く求めることもできる。
【0066】
図9に示したフローチャートの実施例にあっても、図7に示したフローチャートの実施例に関して上述した種々の変形例を適用することが可能である。つまり、フィードバック制御及び計測処理の対象となる山部を制御サイクルごとに毎回変更するのではなく、複数の制御サイクルごとに順番に変更するようにしてもよい。あるいは、各山部についてフィードバック制御が安定するまで連続してフィードバック制御及び計測処理を実行し、安定した後に対象となる山部を変更するようにしてもよい。
【0067】
以上、本発明の実施例と変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例及び変形例に限らず、種々の形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例に係る光学式変位計の測定原理を示す図である。
【図2】光学式変位計の外観を示す平面図及び側面図である。
【図3】光学式変位計の主な回路構成を示すブロック図である。
【図4】マイクロプロセッサによるフィードバック制御の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例の光学式変位計で透明の対象物を計測する場合の例を示す図である。
【図6】図5の計測における受光波形の例を示す図である。
【図7】本実施例の光学式変位計においてマイクロプロセッサが実行するフィードバック制御及び計測処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7の変形例に係るフローチャートである。
【図9】別実施例に係るフィードバック制御及び計測処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
12 レーザダイオード(発光素子)
15 イメージセンサー
44 マイクロプロセッサ(制御部)
46 増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に光を照射するための発光素子と、複数の画素構成部のそれぞれが前記対象物からの光を受光して受光量に応じた電気信号を出力するイメージセンサーと、前記イメージセンサーからの電気信号を増幅する増幅器を含む信号処理回路と、前記信号処理回路から得られた画像信号の波形における山部を検出して前記対象物までの距離又は前記対象物の変位を求める計測処理を実行する制御部とを備えた光学式変位計であって、
前記画像信号の波形に複数の山部が存在するときに、前記制御部は、前記画像信号に基づいて前記発光素子の発光量及び前記増幅器の増幅率を含む操作量の少なくとも一つを調整するフィードバック制御と前記計測処理とを前記複数の山部のそれぞれについて時分割で実行することを特徴とする光学式変位計。
【請求項2】
前記制御部は、前記フィードバック制御及び前記計測処理を実行する対象の前記山部を一制御サイクルごとに順番に変更することを特徴とする
請求項1記載の光学式変位計。
【請求項3】
前記制御部は、前記フィードバック制御及び前記計測処理を行う対象の山部を複数の制御サイクルごとに順番に変更することを特徴とする
請求項1記載の光学式変位計。
【請求項4】
前記制御部は、前記フィードバック制御における目標値と操作量との誤差が所定値以下になるまで同一の山部について前記フィードバック制御及び前記計測処理を繰り返した後に、前記フィードバック制御及び前記計測処理を実行する対象の山部を変更することを特徴とする
請求項1記載の光学式変位計。
【請求項5】
対象物に光を照射するための発光素子と、複数の画素構成部のそれぞれが前記対象物からの光を受光して受光量に応じた電気信号を出力するイメージセンサーと、前記イメージセンサーからの電気信号を増幅する増幅器を含む信号処理回路と、前記信号処理回路から得られた画像信号の波形における山部を検出して前記対象物までの距離又は前記対象物の変位を求める計測処理を実行する制御部とを備えた光学式変位計であって、
前記画像信号の波形に複数の山部が存在するときに、前記制御部は、前記画像信号に基づいて前記発光素子の発光量及び前記増幅器の増幅率を含む操作量の少なくとも一つを調整するフィードバック制御と前記計測処理とを第1の山部と第2の山部について交互に時分割で実行することを特徴とする光学式変位計。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の山部から求めた前記対象物までの第1の距離と前記第2の山部から求めた前記対象物までの第2の距離とを個別に出力すると共に、前記第1の距離と前記第2の距離との差を出力することを特徴とする
請求項5記載の光学式変位計。
【請求項7】
前記制御部は、前記フィードバック制御及び前記計測処理を実行する対象の前記山部を1制御サイクルごとに交互に変更することを特徴とする
請求項5又は6記載の光学式変位計。
【請求項8】
前記制御部は、前記フィードバック制御及び前記計測処理を行う対象の山部を複数制御サイクルごとに交互に変更することを特徴とする
請求項5又は6記載の光学式変位計。
【請求項9】
前記制御部は、前記フィードバック制御における目標値と操作量との誤差が所定値以下になるまで同一の山部について前記フィードバック制御及び前記計測処理を繰り返した後に、前記フィードバック制御及び前記計測処理を実行する対象の山部を変更することを特徴とする
請求項5又は6記載の光学式変位計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−30095(P2006−30095A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212345(P2004−212345)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】