光学機器
【課題】 防振レンズの移動方向にかかわらず撮像面の周辺領域の光量をバランス良く低下させる。
【解決手段】光学機器は、該光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニット9と、光通過開口LAの形状を変形させることが可能な遮光ユニット2と、防振レンズの移動に伴って遮光ユニットを制御する制御手段とを有する。制御手段は、防振レンズが移動する方向に応じて光通過開口が異なる形状に変形するように遮光ユニットを制御する。
【解決手段】光学機器は、該光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニット9と、光通過開口LAの形状を変形させることが可能な遮光ユニット2と、防振レンズの移動に伴って遮光ユニットを制御する制御手段とを有する。制御手段は、防振レンズが移動する方向に応じて光通過開口が異なる形状に変形するように遮光ユニットを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラや交換レンズ等の光学機器に関し、特にいわゆる光学防振(像振れ抑制)機能を有する光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ等の光学機器には、手振れによる像振れを抑制するために、撮像光学系内に含まれる防振レンズを光軸とは異なる方向、例えば光軸に直交する方向又はその方向の成分を含む方向に移動させる防振機能が搭載されていることが多い。
【0003】
ただし、防振レンズが上記方向に移動すると、撮像面における防振レンズの移動方向とは反対側の周辺領域(隅領域)で光量の低下が発生し、撮像により得られた画像において周辺領域の明るさむらが目立つ。
【0004】
このため、特許文献1には、防振レンズの移動に伴って遮光部材(光束制限部材)を光軸と直交する方向に移動させる光学機器(撮像レンズ)が開示されている。防振レンズの移動に伴って遮光部材を移動させることで、撮像面において防振レンズの移動により光量低下が生じた周辺領域とは異なる周辺領域で光量を低下させることで、画像の周辺領域での明るさむらが目立たないようにしている。
【特許文献1】特許第2511822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にて開示された光学機器では、光通過開口の形状及びサイズが固定の1つの遮光部材を移動させるに過ぎない。このため、防振レンズの移動に伴って遮光部材を移動させても、防振レンズの移動方向によっては撮像面の四隅領域の光量をバランス良く低下させることができない場合がある。この結果、撮像により得られる画像の周辺領域での明るさむらを十分に目立たなくすることができない。
【0006】
本発明は、防振レンズの移動方向にかかわらず撮像面の周辺領域の光量をバランス良く低下させることができるようにした光学機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学機器は、該光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニットと、光通過開口の形状を変形させることが可能な遮光ユニットと、防振レンズの移動に伴って遮光ユニットを制御する制御手段とを有する。そして、制御手段は、防振レンズが移動する方向に応じて光通過開口が異なる形状に変形するように遮光ユニットを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、防振レンズが移動する方向に応じて光通過開口を異なる形状に変形させる。このため、防振レンズの移動方向によって変化する撮像面上での光量低下領域(周辺領域の一部)に応じて、それ以外の領域(周辺領域の他の部分)の光量を低下させるために適切な光通過開口の形状を設定することが可能である。したがって、防振レンズの移動方向にかかわらず、周辺領域の光量をバランス良く低下させることができ、良好な画像の取得を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1には、本発明の実施例1であるビデオカメラ(光学機器)用のズームレンズ部の構成を分解して示している。なお、本実施例では、レンズ一体型のビデオカメラについて説明するが、本発明は光学機器としての交換レンズにも適用することができる。
【0011】
図1において、1は第1レンズユニットを保持する第1鏡筒、2は遮光ユニットとしての光束制限ユニットである。3は第鏡筒1及び光束制限ユニット2を保持する固定鏡筒である。
【0012】
4は撮像素子ホルダであり、その後部(像側の部分)には、後述する撮像素子が取り付けられる。
【0013】
5は後部鏡筒であり、撮像素子ホルダ4を保持する。6は第2鏡筒であり、変倍を行う第2レンズユニットを保持する。第2鏡筒6は、その前後の端部を固定鏡筒3と後部鏡筒5に保持された2本のガイドバー7a,7bによって、光軸方向に移動可能に保持されている。ガイドバー7a,7bは、後述する撮像光学系の光軸を挟んで設けられており、これら2本のガイドバー7a,7bによって第2鏡筒6の光軸方向の案内と光軸周りでの回り止めとを行う。
【0014】
8は電磁アクチュエータによって絞り羽根を駆動することで絞り開口径を変化させ、撮像素子の撮像面全体の光量を調節するための絞りユニットである。絞りユニット8は、固定鏡筒3と後部鏡筒5とによって挟持されている。
【0015】
9は第3レンズユニットのうち防振レンズとしての補正レンズサブユニットを光軸とは異なる方向、すなわち光軸に直交する方向に移動(変位)させて像振れを抑制(補正)する防振ユニットである。防振ユニット9は、後部鏡筒5により保持される。
【0016】
10はフォーカス調節を行う第4レンズユニットを保持する第4鏡筒である。第4鏡筒10は、防振ユニット9と後部鏡筒5とにその前後の端部を保持された2本のガイドバー11a,11bによって光軸方向に移動可能に保持されている。ガイドバー11a,11bは光軸を挟んで設けられており、これら2本のガイドバー11a,11bによって第4鏡筒10の光軸方向の案内と光軸周りでの回り止めとを行っている。
【0017】
第1〜第4レンズユニット、光束制限ユニット2、絞りユニット8及び防振ユニット9により撮像光学系が構成される。
【0018】
12はズームモータユニットであり、板金を折り曲げて形成した保持板に、モータ本体とその出力軸である送りネジ部とが保持されて構成されている。ズームモータユニット12は固定鏡筒3により保持される。第2鏡筒6にはラック13が取り付けられており、該ラック13はズームモータ12の送りネジ部に噛み合っている。このため、送りネジ部が回転すると、第2鏡筒6が光軸方向に駆動される。ラック13は、ラックバネ14によって送りネジ部に噛み合う方向に付勢されているとともに、第2鏡筒6に対して光軸方向前方(物体側)に向かって付勢されている。これにより、ラック13と送りネジ部及びラック13と第2鏡筒6との間の噛合いガタ及びスラストガタが除去される。本実施例では、ズームモータユニット12のモータ本体としてステッピングモータを使用している。
【0019】
15はフォトインタラプタであり、固定鏡筒3に保持されている。フォトインタラプタ15は、その投光部と受光部との間に第2鏡筒6に一体的に設けられた不図示の遮光壁部が挿入されることで、第2鏡筒6が基準位置に位置していることを検出する。第2鏡筒6が基準位置に位置した後、ズームモータユニット(ステッピングモータ)12に入力する駆動パルス数をカウントすることによって第2鏡筒6の位置(ズーム位置)が制御される。
【0020】
16a,16bは第4鏡筒10を駆動する駆動マグネットであり、後部鏡筒5に固定されている。17a,17bは駆動コイルであり、第4鏡筒10に接着等の方法で固定されている。これらの駆動コイル17a,17b及び駆動マグネット16a,16bによってリニアモータが構成される。コイル17a,17bに電流を流すことによって第4鏡筒10を光軸方向に駆動する推力を発生させることができる。18は位置センサであり、後部鏡筒5に保持されている。位置センサ18によって第4鏡筒10の位置を検出することができる。
【0021】
次に、防振ユニット9の構成について、図2を用いて説明する。図2において、50は第3レンズユニットのうち補正レンズサブユニット(以下、単に補正レンズという)以外の固定レンズサブユニットを保持する固定枠である。該固定枠50は、固定鏡筒3と後部鏡筒5とによって挟持されている。
【0022】
51は補正レンズを保持する可動枠である。52はロール防止枠であり、固定枠50に対して、光軸に平行な軸回りでの回転が阻止された状態で、光軸直交面内のうち垂直方向(ピッチ方向)に移動可能に取り付けられている。ロール防止枠52は、可動枠51に対して、光軸に平行な軸回りでの回転が阻止された状態で、光軸直交面内のうち水平方向(ヨー方向)に移動可能に取り付けられている。以上の構成により、可動枠51、すなわち補正レンズは、固定枠50に対して、回転が阻止された状態で光軸直交面内で(つまりは、光軸直交方向に)自由に移動(シフト)することができる。
【0023】
53a,53b,53cは固定枠50と可動枠51の間に配置されたボールであり、光軸直交面内における光軸周りに3つ配置されている。54はシフトスプリングである。55はスプリングホルダーであり、固定枠50に取り付けられてシフトスプリング54の後部を保持する。これにより、シフトスプリング54は、可動枠51を光軸方向前方の固定枠50に向けて付勢して、可動枠51と固定枠50との間の光軸方向でのガタを除去する。以上の構成により、可動枠51は、固定枠50に対して、光軸方向への移動や傾きが阻止された状態で光軸直交面内で自由にシフトすることができる。
【0024】
次に、可動枠51を駆動するアクチュエータについて説明する。56a,56bは駆動マグネットである。各駆動マグネットは、光軸直交方向における内側部分と外側部分とで光軸方向においてN極とS極が反対になるように着磁されている。
【0025】
57a,57bは駆動マグネット56a,56bの光軸方向前側の磁束を閉じるための前ヨークであり、58はマグネットカバーである。前ヨーク57a,57bは駆動マグネット56a,56bにより吸着されており、さらにマグネットカバー58を介して固定枠50により保持されている。
【0026】
59a,59bは可動枠51に接着により固定された駆動コイルである。60はマグネット56a,56bの光軸方向後側の磁束を閉じるための後ヨークである。後ヨーク60は、駆動コイル59a,59bを挟んでマグネット56a,56bとは反対側に配置され、固定枠50により保持されている。
【0027】
これら駆動マグネット56a,56b、前ヨーク57a,57b、後ヨーク60及び駆動コイル59a,59bにより磁気回路が形成されている。駆動コイル59a,59bに電流を流すと、駆動マグネット56a,56bの光軸直交方向での着磁境界に対して直交する方向に、駆動マグネット56a,56bと駆動コイル59a,59b間に発生する磁力の相互作用によるローレンツ力が発生する。そして、このローレンツ力が推力となって可動枠51が固定枠50に対して光軸直交面内でピッチ方向、ヨー方向及びこれらの方向の成分を含む斜め方向に駆動される。
【0028】
次に、可動枠51の位置検出機構について説明する。61a,61bは発光素子であり、可動枠51により保持されている。62a,62bは受光素子であり、センサーホルダー63により保持されている。センサーホルダー63は固定枠50に固定されている。受光素子62a,62bは、可動枠51とともに移動する発光素子61a,61bからの光を受けて、その受光位置に応じた信号を出力する。これにより、可動枠51の位置を検出することができる。
【0029】
次に、光束制限ユニット2の構成について、図3を用いて説明する。80は固定枠であり、図1に示した第1鏡筒1と固定鏡筒3とによって挟持される。81,82は複数の遮光部材としての第1及び第2の光束制限部材である。第1の光束制限部材81は、固定枠80の垂直方向の端部近傍に設けられた軸部によって、該軸部回りで、すなわち光軸直交面内のうち水平方向に回転可能(移動可能)に保持されている。第2の光束制限部材82は、固定枠80の水平方向の端部近傍に設けられた軸部(ピン)によって、該軸部回りで、すなわち光軸直交面内のうち垂直方向に回転可能(移動可能)に保持されている。
【0030】
第1及び第2の光束制限部材81,82の内周縁部は、それぞれを上記軸部回りで回転させたときに、第1レンズユニットから入射した光束の一部を遮る形状に形成されている。該内周縁部の内側は、第1レンズユニットから入射した光束を通過させるための開口になっている。
【0031】
83は第1及び第2の光束制限部材81,82の間を仕切る仕切り板であり、固定枠80に固定されている。84は第2の光束制限部材82を覆うカバーであり、固定枠80に固定されている。
【0032】
85,86は第1及び第2の光束制限部材81,82をそれぞれ駆動する複数のアクチュエータとしての第1及び第2のアクチュエータである。これら第1及び第2のアクチュエータ85,86は、固定枠80に保持されている。本実施例では、第1及び第2のアクチュエータ85,86として、絞りユニットや不図示のシャッタ等に用いられるガルバノメータタイプのアクチュエータを用いている。ただし、第1及び第2のアクチュエータ85,86として、リニアアクチュエータを用いてもよい。
【0033】
図4には、本実施例のビデオカメラの電気的構成を示している。なお、図4において図1〜図3にて説明した構成要素には、図1〜図3と同符号を付す。
【0034】
101は赤外カットフィルタとローパスフィルタとが接着されて構成されたフィルタである。102はCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子であり、矩形の撮像面を有する。
【0035】
103は第1及び第2の光束制限部材81,82を駆動する第1及び第2のアクチュエータ85,86を含む光束制限ユニット2の駆動ユニットである。
【0036】
104は第2鏡筒6の光軸方向の位置を検出するズーム位置検出ユニットである。105は絞りユニット8の絞り値(絞り羽根の位置)を検出する絞り値検出ユニットである。106は防振ユニット9において駆動される補正レンズの位置を検出する補正レンズ位置検出ユニットである。
【0037】
107は防振ユニット9の可動枠51を駆動する駆動マグネット56a,56b及び駆動コイル59a,59bを含む補正レンズ駆動ユニットである。108は撮像素子102からの信号により撮像面で受けた光量を検出する光量検出ユニットである。
【0038】
109はビデオカメラ全体の制御を司る制御手段としてのマイクロコンピュータであり、不図示のCPUや記憶部109aを有する。110はジャイロセンサ等により構成される振れ検出ユニットであり、ビデオカメラの振れに応じた信号(振れ信号)を出力する。
【0039】
上記構成において防振ユニット9及び光束制限ユニット2を駆動する手順について説明する。振れ検出ユニット110からビデオカメラの振れに応じた振れ信号が出力されると、マイクロコンピュータ109は該振れ信号に基づいてビデオカメラの振れ量(カメラ振れ量)を算出する。そして、マイクロコンピュータ109は、該カメラ振れ量に基づいて、撮像面上での像振れをキャンセルするための補正レンズの目標駆動位置を演算するとともに、該目標駆動位置への駆動量及び駆動方向を演算する。
【0040】
マイクロコンピュータ109は、補正レンズを該目標駆動位置にシフトさせるために必要な電流を防振ユニット9の駆動コイル59a,59bに流し、補正レンズを光軸直交面内で駆動する。マイクロコンピュータ109は、補正レンズの位置を補正レンズ位置検出ユニット106(受光素子62a,62b)からの出力に基づいて検出し、該検出位置が目標駆動位置に到達するように駆動コイル59a,59bへの通電をフィードバック制御する。
【0041】
また、マイクロコンピュータ109は、補正レンズ位置検出ユニット106からの信号に基づいて得られた補正レンズの位置信号から、撮像面上の周辺領域での光量の変化を演算する。そして、撮像面の周辺領域(左右の端部近傍の領域や四隅の領域)の光量低下をほぼ同じにするために必要な第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方の駆動量を演算する。マイクロコンピュータ109は、その演算結果に応じて、光束制限ユニット2の第1及び第2のアクチュエータ85,86のうち少なくとも一方に通電する。これにより、第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方が、補正レンズのシフトに伴って(同期して)光軸直交面内で回転する。
【0042】
図5A〜図5Gには、第1及び第2の光束制限部材81,82の駆動パターンを示す。これらの図は、第1及び第2の光束制限部材81,82を像側から見た図である。また、各図中に示す矩形枠は、第1及び第2の光束制限部材81,82の開口面に投影された撮像素子102の撮像面に相当する。つまり、各図において、矩形枠に第1及び第2の光束制限部材81,82が重なっていない場合は実際の撮像面の全体に光束が到達する。また、該矩形枠の一部領域に第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方が重なっている場合は実際の撮像面のうち対応する領域に光束が到達しない。なお、以下の説明で上下方向は撮像面の短辺方向に、左右方向は撮像面の長辺方向に相当する。
【0043】
図5Aは、補正レンズが駆動されていない状態、すなわち補正レンズの光軸が撮像光学系の光軸に一致した中立状態であって、第1及び第2の光束制限部材81,82が駆動されていない状態を示す。この状態では、第1及び第2の光束制限部材81,82に形成された開口が光軸方向にて重なり、矩形枠にほぼ外接する形状の光通過開口LAを形成する。したがって、撮像面に向かう光束は、第1及び第2の光束制限部材81,82によって遮られない。
【0044】
図5Bは、補正レンズが右方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81のみを左方向に回転させた状態を示す。図中の交差ハッチング領域は補正レンズがシフトすることによって光量が低下した領域を示し、横ハッチング領域は光束制限部材によって撮像面(矩形枠)への光束の到達が遮られる領域を示す。交差ハッチング領域と横ハッチング領域の意味は他の図でも同じである。
【0045】
補正レンズのシフトによって光量が低下した左周辺領域(左側上下の2つの隅領域を含む)に対して、第1の光束制限部材81による遮光によって光量が低下した右周辺領域(右側上下の2つの隅領域を含む)は、撮像面の中心に関して対称な形状を有する。したがって、撮像面上の左右の周辺領域でバランス良く光量を低下させることができる。
【0046】
図5Cは、補正レンズが下方向にシフトし、これに伴って第2の光束制限部材82のみを上方向に回転させた状態を示す。補正レンズが下方向にシフトすることによって、撮像面の上側左右の2つの隅領域の光量が低下する。一方、上方向に回転した第2の光束制限部材82による遮光によって、撮像面の下側左右の2つの隅領域の光量を低下させる。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0047】
図5Dは、補正レンズが右斜め下方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を左方向に、第2の光束制限部材82を上方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが右斜め下方向にシフトすることによって、撮像面の左上の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の左下及び右側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0048】
図5Eは、補正レンズが右斜め上方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を左方向に、第2の光束制限部材82を下方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが右斜め上方向にシフトすることによって、撮像面の左下の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の左上及び右側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0049】
図5Fは、補正レンズが左斜め下方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を右方向に、第2の光束制限部材82を上方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが左斜め下方向にシフトすることによって、撮像面の右上の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の右下及び左側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0050】
図5Gは、補正レンズが左斜め上方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を右方向に、第2の光束制限部材82を下方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが左斜め上方向にシフトすることによって、撮像面の右下の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の右上及び左側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0051】
このように、補正レンズがシフトする方向に応じて、第1及び第2の光束制限部材81,82における駆動する光束制限部材とその数のうち少なくとも一方が変更される。これにより、第1及び第2の光束制限部材81,82の開口が組み合わさって形成される光通過開口LAが、補正レンズがシフトする方向に応じて異なる形状に変形する。この結果、補正レンズのシフトによる光量低下領域と第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方の遮光による光量低下領域とがバランス良く撮像面上に分布する。
【0052】
図6のフローチャートには、本実施例のマイクロコンピュータ109に行われる光束制限ユニット2の制御動作を示している。この動作は、マイクロコンピュータ109内の記憶部109aに格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0053】
ステップS201では、マイクロコンピュータ109は、ズーム位置検出ユニット104からズーム位置Fを読み取る。
【0054】
次にステップS202では、マイクロコンピュータ109は、読み取ったズーム位置Fが光束制限ユニット2を駆動する必要があるズーム位置範囲内(所定ズーム位置F0からテレ側の範囲)か否かを判断する。これは、補正レンズのシフトによる撮像面上での周辺領域の光量低下が生ずるか否かが、撮像光学系のズーム位置によって異なるためである。光束制限ユニット2を駆動する必要があるズーム範囲であると判断した場合はステップS203に進み、該ズーム範囲ではないと判断した場合はステップS201に戻る。
【0055】
このように、ズーム位置検出ユニット104から得られたズーム位置に基づいて光束制限ユニット2の駆動が必要ない場合には、補正レンズがシフトしても光束制限ユニット2を駆動しないようにしてもよい。
【0056】
ステップS203では、マイクロコンピュータ109は、絞り値検出ユニット105から絞り値fを読み取る。
【0057】
次にステップS204では、マイクロコンピュータ109は、読み取った絞り値fが光束制限ユニット2を駆動する必要がある絞り値範囲(f0以上、つまりFナンバーが明るくなるとき)か否かを判断する。これは、補正レンズのシフトによる撮像面上での周辺領域の光量低下が生ずるか否かが、絞り値によっても異なるためである。光束制限ユニット2を駆動する必要がある絞り値範囲であると判断した場合はステップS205に進み、該ズーム範囲ではないと判断した場合はステップS201に戻る。
【0058】
このように、絞り値検出ユニット105から得られた絞り値に基づいて光束制限ユニット2の駆動が必要ない場合には、補正レンズがシフトしても光束制限ユニット2を駆動しないようにしてもよい。
【0059】
ステップS205では、マイクロコンピュータ109は、振れ検出ユニット110からの振れ信号に基づいてカメラ振れ量Rを読み取る。
【0060】
そして、ステップS206では、マイクロコンピュータ109は、ズーム位置F、絞り値f及びカメラ振れ量Rから、光束制限ユニット2において駆動する光束制限部材を決定するとともに、その駆動量及び駆動方向を演算する。これにより、補正レンズが移動する方向に応じて、駆動する光束制限部材及びその数のうち少なくとも一方が変更される。また、ズーム位置F及び絞り値fに応じて、補正レンズのシフト量(移動量)に対する光束制限ユニット2(光束制限部材)の駆動量、つまりは光通過開口LAの変形量が変更される。
【0061】
そして、ステップS207では、マイクロコンピュータ109は、ステップS206にて決定した光束制限部材を、演算した駆動方向に演算した駆動量だけ駆動するよう光束制限ユニット2の駆動ユニット103を制御する。その後、ステップS201にリターンする。
【0062】
本実施例によれば、防振動作時の補正レンズのシフトによって撮像面の周辺領域の一部に光量低下が生じても、光束制限ユニット2の動作によって他の周辺領域の光量もバランス良く低下させることができる。したがって、ビデオカメラによる撮像動作により得られる画像において周辺領域の一部の光量低下を目立たないようにすることができる。
【実施例2】
【0063】
実施例1では、2つの光束制限部材を2つのアクチュエータによって互いに独立して回転駆動することで、補正レンズのシフト方向に応じて光通過開口の形状を変形させ、撮像面上での光量低下領域を任意に選択できる光束制限ユニットについて説明した。しかし、これに代えて、図7Aに示す光束制限ユニットを用いてもよい。
【0064】
図7Aにおいて、81A〜81Dは4つの光束制限部材(第1〜第4の光束制限部材)であり、4つのアクチュエータ85A〜85Dによって互いに独立して軸部(ピン)回りで回転駆動される。第1〜第4の光束制限部材81A〜81Dは、それぞれがアクチュエータ85A〜85Dによって回転駆動されることで、撮像面(図中の矩形枠)の四隅領域及びこれらを含む左右の端領域の光量を低下させることができる。
【0065】
図7Bには、実施例1で図5Dで示したように、補正レンズが右斜め下方向にシフトすることで、撮像面の左上隅領域の光量が低下した状態を示している。この場合、第2〜第4の光束制限部材81Bから81Dを駆動することで、撮像面の左下及び右側上下の隅領域の光量を低下させ、その結果、四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0066】
図5Bに示したように補正レンズがシフトした場合には第2及び第4の光束制限部材81B,81Dを駆動する。図5Cに示したように補正レンズがシフトした場合には第3及び第4の光束制限部材81C,81Dを駆動する。また、図5Eに示したように補正レンズがシフトした場合には第1、第2及び第4の光束制限部材81A,81B,81Dを駆動する。図5Fに示したように補正レンズがシフトした場合には第1、第3及び第4の光束制限部材81A,81C,81Dを駆動する。さらに、図5Gに示したように補正レンズがシフトした場合には第1、第2及び第3の光束制限部材81A,81B,81Cを駆動する。
【0067】
このように、補正レンズがシフトする方向に応じて、第1〜第4の光束制限部材81A〜81Dにおける駆動する光束制限部材とその数のうち少なくとも一方が変更される。これにより、第1〜第4の光束制限部材81A〜81Dの内側に形成される光通過開口LAが、補正レンズがシフトする方向に応じて異なる形状に変形する。この結果、補正レンズのシフトによる光量低下領域と光束制限部材の遮光による光量低下領域とがバランス良く撮像面上に分布する。
【実施例3】
【0068】
上記各実施例では、各光束制限部材を軸回りで回転駆動する場合について説明したが、光束制限部材の駆動方法はこれに限られない。例えば、図8A〜図8Cに示すように、撮像面の長辺方向(短辺方向であってもよい)の両側に2つの光束制限部材81,82を配置し、これらのうち少なくとも一方を平行移動させて撮像面上の周辺領域(四隅領域)の光量を低下させるようにしてもよい。
【0069】
実施例2,3の光束制限ユニットの制御は、実施例1において図6を用いて説明したフローチャートと同様なフローチャートに従って行われる。
【0070】
なお、上記各実施例では、光束制限ユニット2を第1鏡筒1と第2鏡筒3との間に配置した場合について説明したが、光束制限ユニットの配置位置はこれに限られない。例えば、図9に示すように、光束制限ユニット2を防振ユニット9と後部鏡筒5との間に配置してもよい。
【0071】
また、上記各実施例では、ビデオカメラ用の4レンズタイプのズームレンズについて説明したが、本発明の他の実施例には、図10に示すような、他のレンズタイプ(例えば、放送機器用ズームレンズ)を含む。
【0072】
さらに、上記各実施例では、補正レンズ(防振レンズ)を光軸直交方向にシフトして像振れを抑制する防振ユニットを用いた場合について説明した。しかし、補正レンズを光軸上の仮想点を中心として回動して光軸直交方向の成分を含むように補正レンズを移動させる防振ユニットを使用することもできる。
【実施例4】
【0073】
図11には、本発明の実施例4であるズームレンズの望遠端での断面構成を示す。なお、図11中の光路は、本実施例のズームレンズの仕様に対応した撮像面(像面)の対角方向の光路を撮像面の中心を原点として示している。このことは、後述する他の実施例での図でも同じである。
【0074】
本実施例及び後述する各実施例のズームレンズは、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置(光学機器)の撮像光学系として該撮像装置に一体的に設けられたり、レンズ交換型の撮像装置に交換レンズ(光学機器)として装着されたりする。撮像装置は、少なくとも上記ズームレンズ、色分解用光学素子、該色分解素子によって分割された複数の色光を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からの信号を処理する信号処理回路等を含む。
【0075】
図11において、ISは防振レンズであり、該ズームレンズ(撮像光学系)の光軸に直交する方向に移動(シフト)して像振れを抑制する。SPは撮像面の全体の光量を調節するための開口絞りユニットである。Gはガラスブロックであり、保護ガラス、色分解プリズム、ローパスフィルタ及び撮像素子のフェースプレート等を含む。IPは像面であり、ここにはCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子の撮像面が配置されている。
【0076】
Kは光通過開口を形成する光束制限ユニットであり、防振レンズISの動きに伴って光通過開口の形状をΔKだけ変形させる。光束制限ユニットとしては、実施例1〜3にて説明したメカニカルな構成を有するものや、液晶素子や物性素子のように電気的に光通過開口の形状を変形させるものを用いることができる。以下の説明において、光束制限ユニットKの光通過開口の形状が変形することを、単に光束制限ユニットKが変形するという。
【0077】
光束制限ユニットKの制御は、実施例1において図6を用いて説明したフローチャートと同様なフローチャートに従って行われる。
【0078】
なお、本実施例(実施例4)及び実施例6,8,11では、光束制限ユニットKは、開口絞りユニットSPよりも物体側に配置されている。また、実施例5,7,9,10,12では、光束制限ユニットKは、開口絞りユニットSPよりも像側に配置されている。
【0079】
図11には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0080】
また、実際には、防振レンズISのシフト量ΔSに応じてΔKの量も変更される。また、ズームレンズのFNoを決定する絞りユニットの絞り開口径に応じてもΔKの量は変更される。さらに、ズーム位置によっても、光量分布が異なることからΔKの量を変更する。これらのことは、後述する他の実施例において同じである。
【0081】
なお、図11では、撮像面の対角方向の光路を示しているが、撮像面の水平方向(長辺方向)や垂直方向(短辺方向)においても、以下に説明する効果と同様の効果が得られる。このことも、後述する他の実施例において同じである。
【0082】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面における光量分布を図27に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜5を付したグラフは、表1中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の変化が少ない良好な画像が得られる。
【0083】
また、撮像面上での光量と後述する条件式(1)の値を表1に示す。表1から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0084】
本実施例において、防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットK(光通過開口)の変形方向とは互いに同じ方向である。なお、ここにいう同じ方向とは完全に同じでなくても、概ね同じ方向として扱える方向であればよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
【実施例5】
【0085】
図12には、本発明の実施例5であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。
【0086】
同図において、実施例4と共通する構成要素には、実施例4と同じ符号を付して説明に代える。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
【0087】
本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0088】
図12には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0089】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面での光量分布を図27に示す。丸囲みの6〜9を付したグラフは、表1中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0090】
また、撮像面上での光量と後述する条件式(2)の値を表1に示す。表1から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0091】
本実施例において、防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向は互いに逆の方向である。なお、ここにいう逆の方向とは完全に正反対でなくても、概ね反対方向として扱える方向であればよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
【0092】
図13には、実施例4及び5と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例4及び5で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図中の光路は、このズームレンズの仕様に対応した撮像面(像面)の対角方向の光路を撮像面の中心を原点として対称になるように示している。このことは、後述する他の従来例でも同じである。図13では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0093】
この従来のズームレンズにおける光量分布を図27及び表1に示す。撮像面上では周辺領域で非対称の光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0094】
また、図14には、光束制限ユニットを持たない従来のズームレンズにおける防振レンズが中立位置にある防振OFF状態における望遠端での断面構成を示している。この従来のズームレンズにおける防振OFF状態での撮像面上での光量分布を図27及び表1に示す。撮像面上の周辺領域で対称な光量分布が得られている。
【0095】
上記従来及び実施例3,4のズームレンズは、図14に代表して示すように、物体側から像側(撮像面側)に順に、正の屈折力を有する第1レンズユニット301と、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット302とを有する。さらに、正の屈折力を有する第3レンズユニット303と、正の屈折力を有し、第2レンズユニット302の移動に伴う像面変動を補正するとともに焦点調節を行うために光軸方向に移動する第4レンズユニット304とを有する。
【0096】
第3レンズユニット303の一部を構成する防振レンズは、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する。実施例では、第3レンズユニット303内の正の屈折力を有するレンズサブユニットを防振レンズとして用いる
【実施例6】
【0097】
図15には、本発明の実施例6であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。同図において、防振レンズISは、絞りユニットSPを挟んで光軸直交方向にシフトして像振れを抑制する。また、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0098】
図15には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔS移動し、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0099】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面での光量分布を図28に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜4を付したグラフは、表2中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0100】
また、撮像面での光量と後述する条件式(1)の値を表2に示す。表2から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0101】
本実施例において、防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに同じ方向である。
【実施例7】
【0102】
図16には、本発明の実施例7であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0103】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0104】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面での光量分布を図28に示す。丸囲みの5〜7を付したグラフは、表2中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0105】
また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表2に示す。表2から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0106】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。
【0107】
図17には、実施例6及び7と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例6及び7で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図17では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0108】
この従来のズームレンズにおける撮像面での光量分布を図28及び表2に示す。撮像面上では、周辺領域で非対称な光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0109】
また、図18には、光束制限ユニットを持たない従来のズームレンズにおける防振レンズが中立位置にある防振OFF状態における望遠端での断面構成を示している。この従来のズームレンズにおける防振OFF状態での撮像面での光量分布を図28及び表2に示す。撮像面上の周辺領域で対称な光量分布が得られている。
【0110】
上記従来及び実施例6,7のズームレンズは、図18に代表して示すように、物体側から像側に順に、正の屈折力を有する第1レンズユニット401と、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット402とを有する。さらに、正の屈折力を有する第3レンズユニット403と、正の屈折力を有し、第2レンズユニット402の移動に伴う像面変動を補正するとともに焦点調節を行うために光軸方向に移動する第4レンズユニット404とを有する。
【0111】
第3レンズユニット403は、防振レンズとして、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する。
【実施例8】
【0112】
図19には、本発明の実施例8であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0113】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0114】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図29に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜3を付したグラフは、表3中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。また、撮像面上での光量と条件式(1)の値を表3に示す。表3から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0115】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに同じ方向である。
【実施例9】
【0116】
図20には、本発明の実施例9であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0117】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0118】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図29に示す。丸囲みの4,5を付したグラフは、表3中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0119】
また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表3に示す。表3から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0120】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。
【実施例10】
【0121】
図21には、本発明の実施例10であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0122】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0123】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図29に示す。丸囲みの6を付したグラフは、表3中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表3に示す。表3から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0124】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。
【0125】
図22には、実施例8〜10と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例8〜10で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図22では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0126】
この従来のズームレンズにおける撮像面上での光量分布を図29及び表3に示す。撮像面上では、周辺領域で非対称な光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0127】
また、図23には、光束制限ユニットを持たない従来のズームレンズにおける防振レンズが中立位置にある防振OFF状態における望遠端での断面構成を示している。この従来のズームレンズにおける防振OFF状態での周辺光量を図29及び表3に示す。撮像面上では、周辺領域で対称な光量分布が得られている。
【0128】
上記従来及び実施例8〜10のズームレンズは、図23に代表して示すように、物体側から像側に順に、正の屈折力を有し、その一部Fを光軸方向に移動させて焦点調節を行う第1レンズユニット501を有する。また、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット502と、負の屈折力を有する第3レンズユニット503とを有する。第3レンズユニット503は、第2レンズユニット502の移動に伴う像面変動を補正するために光軸方向に移動する。さらに、該ズームレンズは、正の屈折力を有し、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する第4レンズユニット504を有する。
【実施例11】
【0129】
図24には、本発明の実施例11であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0130】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0131】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図30に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜3を付したグラフは、表4中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、この場合、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0132】
また、撮像面上での光量と条件式(1)の値を表4に示す。表4から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0133】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。また、防振レンズISは、負レンズユニットである。
【実施例12】
【0134】
図25には、本発明の実施例12であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0135】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0136】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図30に示す。丸囲みの4〜6を付したグラフは、表4中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0137】
また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表4に示す。表4から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに同じ方向である。
【0138】
図26には、実施例11及び12と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例11及び12で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図26では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0139】
この従来のズームレンズにおける撮像面上での光量分布を図30及び表4に示す。撮像面上では、周辺領域で非対称の光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0140】
上記従来及び実施例11,12のズームレンズは、図26に代表して示すように、物体側から像側に順に、正の屈折力を有する第1レンズユニット601と、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット602とを有する。さらに、正の屈折力を有する第3レンズユニット603と、正の屈折力を有し、第2レンズユニット602の移動に伴う像面変動を補正するとともに焦点調節を行うために光軸方向に移動する第4レンズユニット604とを有する。
【0141】
第3レンズユニット603に含まれる負の屈折力を有するレンズサブユニットが、防振レンズとして、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する。
【0142】
実施例4から7、11及び12では、望遠端から広角端への変倍に際して図中の矢印Wで示すように第2レンズユニットを物体側に移動させる。また、このとき、変倍に伴う像面変動を、第4レンズユニットを物体側に向かって凸形状の軌跡を描くように移動させることによって補正している。
【0143】
また、実施例4から7、11及び12のズームレンズは、第4レンズユニットを光軸方向に移動させて焦点調節を行うインナーフォーカスタイプのズームレンズである。各実施例の図に示す実線曲線(304a,404a,604a)は、無限遠物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端への変倍に伴う像面変動を補正するための第4レンズユニットの移動軌跡を示している。また、点線曲線(304b,404b,604b)は、近距離物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端への変倍に伴う像面変動を補正するための第4レンズユニットの移動軌跡を示している。該移動軌跡は、前述したように、物体側に向かって凸形状を有する。これにより、第3レンズユニットと第4レンズユニットとの間の空間を有効利用して、レンズ全長の短縮化を達成している。
【0144】
第4レンズユニットの像面変動のための移動軌跡は物体距離によって異なる。なお、第1レンズユニットと第3レンズユニットは変倍及び焦点調節に際して固定(不動)であるが、必要に応じてこれらを光軸方向に移動させてもよい。
【0145】
また、実施例4から7、11及び12では、望遠端において無限遠物体から近距離物体への焦点調節を行う場合は、各実施例の図中の矢印(304c,404c,604c)にて示すように、第4レンズユニットを前方へ移動させる。
【0146】
一方、実施例8〜10では、望遠端から広角端への変倍に際して図中の矢印Wのように第2レンズユニットを物体側へ移動させる。このとき、第3レンズユニットは、物体側に向かって凸状の軌跡を描くように変倍に伴う像面変動を補正するよう移動する。
【0147】
また、実施例8〜10のズームレンズは、第1レンズユニットの一部を光軸方向に移動させて焦点調節を行うフロントフォーカスタイプのズームレンズである。
【0148】
実施例4〜12においては、さらに以下の条件を満足することが望ましい。
【0149】
開口絞りユニットSPよりも物体側に光束制限ユニットKが配置されている場合においては、
0.6<ΔK/(L×tanθ)<3.0 …(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0150】
ただし、θは防振レンズの移動によるズームレンズ(光学系)の光軸の変位角であり、ΔKは防振レンズの移動に伴う光束制限ユニットK(の光通過開口)の変形量である。また、Lは光束制限ユニットと防振レンズとの光軸方向での距離である。
【0151】
条件式(1)は、光束制限ユニットKの変形量に関する条件式であり、像面照度(周辺光量分布)の対称性を確保するために満足することが好ましい条件である。該条件式の下限値を下回ると、非対称性の補正が不足して像面照度の対称性が十分に得られない可能性がある。また、上限値を超えるように変形量を多くすると、補正過剰となり、逆方向に非対称性が発生する可能性がある。
【0152】
一方、開口絞りユニットSPよりも像側に光束制限ユニットKが配置されている場合においては、
0.3<ΔK/ΔS<5.0 …(2)
なる条件を満足することが望ましい。
【0153】
ただし、ΔSは防振レンズのシフト量(移動量)、ΔKは防振レンズの移動に伴う光束制限ユニットK(の光通過開口)の変形量である。
【0154】
条件式(2)も、光束制限ユニットKの変形量に関する条件式であり、像面照度(周辺光量分布)の対称性を確保するために満足することが好ましい条件である。条件式(1)と同様に、該条件式の下限値を下回ると、非対称性の補正が不足して像面照度の対称性が十分に得られない可能性がある。また、上限値を超えるように変形量を多くすると、補正過剰となり、逆方向に非対称性が発生する可能性がある。
【0155】
また、上記いずれの場合も、像面照度の非対称性が20%以下になるように光束制限ユニットKの変形量を制御することが望ましい。
【0156】
さらに、より望ましくは、光学性能を悪化させる不要光(フレア光等)を遮光する機能を光束制限ユニットKに持たせることが望ましい。
【0157】
ここで、光束制限ユニットの変形量ΔKについて具体的に説明する。
【0158】
図31〜34には、実施例1で説明した、2つの光束制限部材81,82を用いて光通過開口の形状を変形させる光束制限ユニットを示している。図31は、防振レンズが中立位置にあり、光束制限部材81,82が駆動されていない状態(実施例1の図5Aに示す状態)を示す。図32は、第1の光束制限部材81のみが左方向に駆動された状態(実施例1の図5Bに示す状態)を示す。図33は、第2の光束制限部材82のみが上方向に駆動された状態(実施例1の図5Cに示す状態)を示す。さらに、図34は、第1の光束制限部材81が左方向に、第2の光束制限部材82が上方向にそれぞれ駆動された状態(実施例1の図5Dに示す状態)を示す。
【0159】
各図中の矩形枠(撮像面に相当する)内において、交差ハッチングで示す領域が防振レンズのシフトによって光量が低下した領域であり、横ハッチングで示す領域が光束制限部材81,82のうち少なくとも一方による遮光によって光量が低下した領域である。
【0160】
図31の状態において、光束制限部材81,82の開口の重なりによって形成された光通過口は、矩形枠に外接している。このときの光通過口を基準開口とする。
【0161】
図32の状態において、ΔKは、第1の光束制限部材81の開口の右端における上下方向での中心が基準開口(第2の光束制限部材82の開口)の右端における上下方向での中心から左方向にずれた量に相当する。
【0162】
また、図33の状態において、ΔKは、第2の光束制限部材82の開口の下端における左右方向での中心が基準開口(第1の光束制限部材81の開口)の下端における左右方向での中心に対して上方向にずれた量に相当する。
【0163】
さらに、図34の状態において、ΔKは、第1及び第2の光束制限部材81の開口が重なった領域(光通過開口)の右隅が、基準開口の右隅(矩形枠の右隅に外接する部分)に対して左斜め上にずれた量に相当する。
【0164】
これ以外の状態(図5Eから図5G等に示す状態)においても、ΔKは上記状態に準ずる。
【0165】
また、光束制限ユニットとして液晶素子や物性素子を用いる場合、各状態での光通過開口の形状を図5A〜図5G又は図31〜図34に示す形状と同様に設定することができ、この場合のΔKは上記説明に準ずる。
【実施例13】
【0166】
次に、実施例4から12にて説明したズームレンズが用いられる撮像装置としてのビデオカメラの例を図35を用いて説明する。
【0167】
この図において、200はビデオカメラ本体であり、201はズームレンズを収容したレンズ鏡筒である。202はズームレンズによって形成された被写体像を光電変換する撮像素子であり、図には1つのみ示しているが、実際にはR,G,B用の3つの撮像素子が設けられている。
【0168】
203は撮像素子202からの出力信号に基づいて生成された映像信号を記録する記録媒体であり、磁気テープ、半導体メモリ、光ディスク、ハードディスク等を含む。
【0169】
204は不図示のLCD等の表示素子に表示された画像を観察するための電子ビューファインダである。表示素子には、撮像素子202からの出力信号に基づいて生成された映像信号が表示される。
【0170】
205は液晶表示パネルであり、ビデオカメラ本体200に対して開閉可能に設けられている。液晶表示パネル205には、電子ビューファインダ204内の表示素子と同じ映像が表示される。
【0171】
実施例4〜12のズームレンズを上記ビデオカメラ等の撮像装置に用いることにより、防振動作時の周辺領域の光量低下バランスが良好な画像を取得することができる。
【0172】
【表1】
【0173】
【表2】
【0174】
【表3】
【0175】
【表4】
【0176】
(数値例)
以下、実施例4〜10にて説明したズームレンズの数値例を表5〜8に示す。
【0177】
各数値例において、fはズームレンズの焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角を示す。また、Riは物体側から順にi番目のレンズ面の曲率半径であり、Diはi番目のレンズの厚さ又はi番目とi+1番目のレンズ面との空気間隔である。Niとνiはそれぞれ、i番目のレンズの材料であるガラスの屈折率とアッベ数である。
【0178】
非球面形状は、以下の式で表される。ここでは、光軸方向をX軸とし、光軸に直交する方向をH軸とし、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径とし、各非球面係数をK,B,C,D,E,F(ただし、表7,8はFを含まない)としている。
【0179】
【数1】
【0180】
また、「e−Z」は、「×10−Z」を意味する。
【0181】
さらに、表1〜4には、前述した条件式に関する数値も示す。
【0182】
《数値例1(実施例4)》
f = 4.63 〜 91.65 Fno = 1.66 〜 3.50 2ω = 65.9゜〜 3.7゜
R 1 = 672.113 D 1 = 2.75 N 1 = 1.806100 ν 1 = 33.3
R 2 = 61.176 D 2 = 10.43 N 2 = 1.496999 ν 2 = 81.5
R 3 = -183.319 D 3 = 0.28
R 4 = 66.731 D 4 = 6.57 N 3 = 1.433870 ν 3 = 95.1
R 5 =-1249.964 D 5 = 0.20
R 6 = 44.394 D 6 = 4.76 N 4 = 1.712995 ν 4 = 53.9
R 7 = 120.560 D 7 = 3.50
R 8 = 光束制限部材 D 8 = 可変
R 9 = 76.331 D 9 = 1.05 N 5 = 1.882997 ν 5 = 40.8
R10 = 9.558 D10 = 5.01
R11 = -29.553 D11 = 0.95 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R12 = 43.079 D12 = 0.20
R13 = 21.720 D13 = 2.70 N 7 = 1.922860 ν 7 = 18.9
R14 = -209.781 D14 = 0.85 N 8 = 1.882997 ν 8 = 40.8
R15 = 209.781 D15 = 可変
R16 = 絞り D16 = 7.17
R17 = -26.670 D17 = 0.80 N 9 = 1.834807 ν 9 = 42.7
R18 = 40.785 D18 = 2.55 N10 = 1.805181 ν10 = 25.4
R19 = -40.785 D19 = 可変
R20*= 18.678 D20 = 4.48 N11 = 1.583126 ν11 = 59.4
R21 = -30.308 D21 = 0.85 N12 = 1.762001 ν12 = 40.1
R22 = 30.308 D22 = 1.09
R23 = 341.832 D23 = 2.12 N13 = 1.622992 ν13 = 58.2
R24 = -31.170 D24 = 可変
R25 = 58.593 D25 = 2.10 N14 = 1.696797 ν14 = 55.5
R26 = -58.593 D26 = 0.20
R27 = 25.889 D27 = 0.85 N15 = 1.846660 ν15 = 23.9
R28 = 11.721 D28 = 4.46 N16 = 1.696797 ν16 = 55.5
R29 = 124.588 D29 = 可変
R30 = ∞ D30 = 20.00 N17 = 1.589130 ν17 = 61.1
R31 = ∞ D31 = 3.75 N18 = 1.516330 ν18 = 64.1
R32 = ∞
\焦点距離 4.63 11.82 91.65
可変間隔\
D 8 -2.73 17.80 40.05
D15 45.65 25.11 2.87
D19 0.51 0.51 0.51
D24 9.97 7.61 12.12
D29 4.05 6.41 1.90
*は非球面
非球面係数
R20 K =-1.32942e+00 B =5.73219e-07 C =3.90775e-08 D =-2.34916e-10 E =1.03763e-12
F =5.24789e-15
《数値例2(実施例5)》
f = 4.63 〜 91.65 Fno = 1.66 〜 3.50 2ω = 65.9゜〜 3.7゜
R 1 = 672.113 D 1 = 2.75 N 1 = 1.806100 ν 1 = 33.3
R 2 = 61.176 D 2 = 10.43 N 2 = 1.496999 ν 2 = 81.5
R 3 = -183.319 D 3 = 0.28
R 4 = 66.731 D 4 = 6.57 N 3 = 1.433870 ν 3 = 95.1
R 5 =-1249.964 D 5 = 0.20
R 6 = 44.394 D 6 = 4.76 N 4 = 1.712995 ν 4 = 53.9
R 7 = 120.560 D 7 = 可変
R 8 = 76.331 D 8 = 1.05 N 5 = 1.882997 ν 5 = 40.8
R 9 = 9.558 D 9 = 5.01
R10 = -29.553 D10 = 0.95 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R11 = 43.079 D11 = 0.20
R12 = 21.720 D12 = 2.70 N 7 = 1.922860 ν 7 = 18.9
R13 = -209.781 D13 = 0.85 N 8 = 1.882997 ν 8 = 40.8
R14 = 209.781 D14 = 可変
R15 = 絞り D15 = 7.17
R16 = -26.670 D16 = 0.80 N 9 = 1.834807 ν 9 = 42.7
R17 = 40.785 D17 = 2.55 N10 = 1.805181 ν10 = 25.4
R18 = -40.785 D18 = 可変
R19*= 18.678 D19 = 4.48 N11 = 1.583126 ν11 = 59.4
R20 = -30.308 D20 = 0.85 N12 = 1.762001 ν12 = 40.1
R21 = 30.308 D21 = 1.09
R22 = 341.832 D22 = 2.12 N13 = 1.622992 ν13 = 58.2
R23 = -31.170 D23 = 1.00
R24 = 光束制限部材 D24 = 可変
R25 = 58.593 D25 = 2.10 N14 = 1.696797 ν14 = 55.5
R26 = -58.593 D26 = 0.20
R27 = 25.889 D27 = 0.85 N15 = 1.846660 ν15 = 23.9
R28 = 11.721 D28 = 4.46 N16 = 1.696797 ν16 = 55.5
R29 = 124.588 D29 = 可変
R30 = ∞ D30 = 20.00 N17 = 1.589130 ν17 = 61.1
R31 = ∞ D31 = 3.75 N18 = 1.516330 ν18 = 64.1
R32 = ∞
\焦点距離 4.63 11.82 91.65
可変間隔\
D 7 0.77 21.30 43.55
D14 45.65 25.11 2.87
D18 0.51 0.51 0.51
D24 8.97 6.61 11.12
D29 4.05 6.41 1.90
*は非球面
非球面係数
R19 K =-1.32942e+00 B =5.73219e-07 C =3.90775e-08 D =-2.34916e-10 E =1.03763e-12
F =5.24789e-15
《数値例3(実施例6)》
f = 6.26 〜 60.91 Fno = 1.85 〜 3.00 2ω = 53.8゜〜 6.0゜
R 1 = 34.455 D 1 = 1.20 N 1 = 1.846660 ν 1 = 23.9
R 2 = 21.767 D 2 = 4.80 N 2 = 1.487490 ν 2 = 70.2
R 3 = -302.945 D 3 = 0.20
R 4 = 20.075 D 4 = 3.05 N 3 = 1.603112 ν 3 = 60.6
R 5 = 68.710 D 5 = 2.00
R 6 = 光束制限部材 D 6 = 可変
R 7 = 67.686 D 7 = 0.70 N 4 = 1.882997 ν 4 = 40.8
R 8 = 6.518 D 8 = 2.55
R 9 = -20.228 D 9 = 0.60 N 5 = 1.487490 ν 5 = 70.2
R10 = 13.170 D10 = 0.75
R11 = 11.499 D11 = 1.40 N 6 = 1.922860 ν 6 = 18.9
R12 = 28.242 D12 = 可変
R13*= 10.234 D13 = 2.70 N 7 = 1.693500 ν 7 = 53.2
R14 = ∞ D14 = 1.30
R15 = 絞り D15 = 2.20
R16 = 57.675 D16 = 0.60 N 8 = 1.846660 ν 8 = 23.9
R17 = 9.699 D17 = 0.40
R18*= 14.563 D18 = 1.90 N 9 = 1.583126 ν 9 = 59.4
R19 = -46.395 D19 = 可変
R20 = 15.479 D20 = 2.20 N10 = 1.804000 ν10 = 46.6
R21 = -19.786 D21 = 0.60 N11 = 1.846660 ν11 = 23.9
R22 = -300.001 D22 = 可変
R23 = ∞ D23 = 2.21 N12 = 1.516330 ν12 = 64.1
R24 = ∞
\焦点距離 6.26 14.21 60.91
可変間隔\
D 6 -1.30 7.57 17.18
D12 19.23 10.36 0.75
D19 5.34 2.88 9.66
D22 7.48 9.94 3.15
*は非球面
非球面係数
R13 K =-2.43759e-01 B =-5.03257e-05 C =-3.03480e-07 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
R18 K =-7.91694e-01 B =-6.71555e-05 C =0.00000e+00 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
《数値例4(実施例7)》
f = 6.26 〜 60.91 Fno = 1.85 〜 3.00 2ω = 53.8゜〜 6.0゜
R 1 = 34.455 D 1 = 1.20 N 1 = 1.846660 ν 1 = 23.9
R 2 = 21.767 D 2 = 4.80 N 2 = 1.487490 ν 2 = 70.2
R 3 = -302.945 D 3 = 0.20
R 4 = 20.075 D 4 = 3.05 N 3 = 1.603112 ν 3 = 60.6
R 5 = 68.710 D 5 = 可変
R 6 = 67.686 D 6 = 0.70 N 4 = 1.882997 ν 4 = 40.8
R 7 = 6.518 D 7 = 2.55
R 8 = -20.228 D 8 = 0.60 N 5 = 1.487490 ν 5 = 70.2
R 9 = 13.170 D 9 = 0.75
R10 = 11.499 D10 = 1.40 N 6 = 1.922860 ν 6 = 18.9
R11 = 28.242 D11 = 可変
R12*= 10.234 D12 = 2.70 N 7 = 1.693500 ν 7 = 53.2
R13 = ∞ D13 = 1.30
R14 = 絞り D14 = 2.20
R15 = 57.675 D15 = 0.60 N 8 = 1.846660 ν 8 = 23.9
R16 = 9.699 D16 = 0.40
R17*= 14.563 D17 = 1.90 N 9 = 1.583126 ν 9 = 59.4
R18 = -46.395 D18 = 1.00
R19 = 光束制限部材 D19 = 可変
R20 = 15.479 D20 = 2.20 N10 = 1.804000 ν10 = 46.6
R21 = -19.786 D21 = 0.60 N11 = 1.846660 ν11 = 23.9
R22 = -300.001 D22 = 可変
R23 = ∞ D23 = 2.21 N12 = 1.516330 ν12 = 64.1
R24 = ∞
\焦点距離 6.26 14.21 60.91
可変間隔\
D 5 0.70 9.57 19.18
D11 19.23 10.36 0.75
D19 4.34 1.88 8.66
D22 7.48 9.94 3.15
*は非球面
非球面係数
R12 K =-2.43759e-01 B =-5.03257e-05 C =-3.03480e-07 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
R17 K =-7.91694e-01 B =-6.71555e-05 C =0.00000e+00 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
《数値例5(実施例8)》
f = 8.50 〜 127.50 Fno = 1.70 〜 2.00 2ω = 65.8゜〜 4.9゜
R 1 = -251.088 D 1 = 2.00 N 1 = 1.805177 ν 1 = 25.4
R 2 = 157.249 D 2 = 7.22
R 3 = 234.983 D 3 = 10.06 N 2 = 1.438750 ν 2 = 95.0
R 4 = -158.211 D 4 = 7.14
R 5 = 162.538 D 5 = 8.51 N 3 = 1.496999 ν 3 = 81.5
R 6 = -316.010 D 6 = 0.20
R 7 = 108.347 D 7 = 7.30 N 4 = 1.620411 ν 4 = 60.3
R 8 = 2254.334 D 8 = 0.20
R 9 = 61.427 D 9 = 6.65 N 5 = 1.620411 ν 5 = 60.3
R10 = 128.524 D10 = 8.00
R11 = 光束制限部材 D11 = 可変
R12*= 78.912 D12 = 0.80 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R13 = 15.768 D13 = 7.79
R14 = -41.835 D14 = 0.80 N 7 = 1.772499 ν 7 = 49.6
R15 = 60.569 D15 = 1.99
R16 = 33.469 D16 = 5.53 N 8 = 1.846658 ν 8 = 23.9
R17 = -41.646 D17 = 1.17
R18 = -28.573 D18 = 0.80 N 9 = 1.772499 ν 9 = 49.6
R19*= 133.163 D19 = 可変
R20 = -27.765 D20 = 0.80 N10 = 1.772499 ν10 = 49.6
R21 = 41.769 D21 = 2.81 N11 = 1.846658 ν11 = 23.9
R22 = -859.593 D22 = 可変
R23 = ∞ D25 = 4.54691 N12 = 1.581439 ν12 = 40.8
R24 = -44.513 D24 = 1.00
R25 = 絞り D25 = 1.00
R26 = 879.665 D26 = 8.06 N12 = 1.618000 ν12 = 63.3
R27 = -28.968 D27 = 0.42
R28 = -28.554 D28 = 1.15 N13 = 1.717362 ν13 = 29.5
R29 = -55.128 D29 = 1.50
R30 = 33.506 D30 = 16.00 N14 = 1.581439 ν14 = 40.8
R31 = -31.852 D31 = 1.50 N15 = 1.834807 ν15 = 42.7
R32 = 31.852 D32 = 16.00 N16 = 1.517417 ν16 = 52.4
R33 = -647.299 D33 = 1.50
R34 = 109.155 D34 = 5.85 N17 = 1.517417 ν17 = 52.4
R35 = -32.897 D35 = 1.00
R36 = -52.506 D36 = 1.15 N18 = 1.834807 ν18 = 42.7
R37 = 24.243 D37 = 8.04 N19 = 1.517417 ν19 = 52.4
R38 = -71.061 D38 = 2.00
R39 = 67.141 D39 = 6.96 N20 = 1.487490 ν20 = 70.2
R40 = -24.280 D40 = 1.15 N21 = 1.720467 ν21 = 34.7
R41 = -106.741 D41 = 0.20
R42 = 45.382 D42 = 6.33 N22 = 1.487490 ν22 = 70.2
R43 = -50.326 D43 = 4.50
R44 = ∞ D44 = 30.00 N23 = 1.603420 ν23 = 38.0
R45 = ∞ D45 = 16.20 N24 = 1.516330 ν24 = 64.2
R46 = ∞
\焦点距離 8.50 19.20 127.50
可変間隔\
D11 -6.68 16.74 42.12
D19 51.65 25.17 5.67
D22 4.00 7.05 1.18
*は非球面
非球面係数
R12 K =-3.23637e-02 B =3.21318e-06 C =-3.97113e-09 D =-1.48889e-11 E =3.06352e-14
R19 K =-3.66073e-02 B =-1.07011e-07 C =9.22594e-09 D =-1.68952e-10 E =4.38262e-13
《数値例6(実施例9)》
f = 8.50 〜 127.50 Fno = 1.70 〜 2.00 2ω = 65.8゜〜 4.9゜
R 1 = -251.088 D 1 = 2.00 N 1 = 1.805177 ν 1 = 25.4
R 2 = 157.249 D 2 = 7.22
R 3 = 234.983 D 3 = 10.06 N 2 = 1.438750 ν 2 = 95.0
R 4 = -158.211 D 4 = 7.14
R 5 = 162.538 D 5 = 8.51 N 3 = 1.496999 ν 3 = 81.5
R 6 = -316.010 D 6 = 0.20
R 7 = 108.347 D 7 = 7.30 N 4 = 1.620411 ν 4 = 60.3
R 8 = 2254.334 D 8 = 0.20
R 9 = 61.427 D 9 = 6.65 N 5 = 1.620411 ν 5 = 60.3
R10 = 128.524 D10 = 可変
R11*= 78.912 D11 = 0.80 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R12 = 15.768 D12 = 7.79
R13 = -41.835 D13 = 0.80 N 7 = 1.772499 ν 7 = 49.6
R14 = 60.569 D14 = 1.99
R15 = 33.469 D15 = 5.53 N 8 = 1.846658 ν 8 = 23.9
R16 = -41.646 D16 = 1.17
R17 = -28.573 D17 = 0.80 N 9 = 1.772499 ν 9 = 49.6
R18*= 133.163 D18 = 可変
R19 = -27.765 D19 = 0.80 N10 = 1.772499 ν10 = 49.6
R20 = 41.769 D20 = 2.81 N11 = 1.846658 ν11 = 23.9
R21 = -859.593 D21 = 可変
R22 = ∞ D22 = 4.55 N12 = 1.581439 ν12 = 40.8
R23 = -44.513 D23 = 1.00
R24 = 絞り D24 = 1.00
R25 = 879.665 D25 = 8.06 N12 = 1.618000 ν12 = 63.3
R26 = -28.968 D26 = 0.42
R27 = -28.554 D27 = 1.15 N13 = 1.717362 ν13 = 29.5
R28 = -55.128 D28 = 0.70
R29 = 光束制限部材 D29 = 0.80
R30 = 33.506 D30 = 16.00 N14 = 1.581439 ν14 = 40.8
R31 = -31.852 D31 = 1.50 N15 = 1.834807 ν15 = 42.7
R32 = 31.852 D32 = 16.00 N16 = 1.517417 ν16 = 52.4
R33 = -647.299 D33 = 1.50
R34 = 109.155 D34 = 5.85 N17 = 1.517417 ν17 = 52.4
R35 = -32.897 D35 = 1.00
R36 = -52.506 D36 = 1.15 N18 = 1.834807 ν18 = 42.7
R37 = 24.243 D37 = 8.04 N19 = 1.517417 ν19 = 52.4
R38 = -71.061 D38 = 2.00
R39 = 67.141 D39 = 6.96 N20 = 1.487490 ν20 = 70.2
R40 = -24.280 D40 = 1.15 N21 = 1.720467 ν21 = 34.7
R41 = -106.741 D41 = 0.20
R42 = 45.382 D42 = 6.33 N22 = 1.487490 ν22 = 70.2
R43 = -50.326 D43 = 4.50
R44 = ∞ D44 = 30.00 N23 = 1.603420 ν23 = 38.0
R45 = ∞ D45 = 16.20 N24 = 1.516330 ν24 = 64.2
R46 = ∞
\焦点距離 8.50 19.20 127.50
可変間隔\
D10 1.32 24.74 50.12
D18 51.65 25.17 5.67
D21 4.00 7.05 1.18
*は非球面
非球面係数
R11 K =-3.23637e-02 B =3.21318e-06 C =-3.97113e-09 D =-1.48889e-11 E =3.06352e-14
R18 K =-3.66073e-02 B =-1.07011e-07 C =9.22594e-09 D =-1.68952e-10 E =4.38262e-13
《数値例7(実施例10)》
f = 8.50 〜 127.50 Fno = 1.70 〜 2.00 2ω = 65.8゜〜 4.9゜
R 1 = -251.088 D 1 = 2.00 N 1 = 1.805177 ν 1 = 25.4
R 2 = 157.249 D 2 = 7.22
R 3 = 234.983 D 3 = 10.06 N 2 = 1.438750 ν 2 = 95.0
R 4 = -158.211 D 4 = 7.14
R 5 = 162.538 D 5 = 8.51 N 3 = 1.496999 ν 3 = 81.5
R 6 = -316.010 D 6 = 0.20
R 7 = 108.347 D 7 = 7.30 N 4 = 1.620411 ν 4 = 60.3
R 8 = 2254.334 D 8 = 0.20
R 9 = 61.427 D 9 = 6.65 N 5 = 1.620411 ν 5 = 60.3
R10 = 128.524 D10 = 可変
R11*= 78.912 D11 = 0.80 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R12 = 15.768 D12 = 7.79
R13 = -41.835 D13 = 0.80 N 7 = 1.772499 ν 7 = 49.6
R14 = 60.569 D14 = 1.99
R15 = 33.469 D15 = 5.53 N 8 = 1.846658 ν 8 = 23.9
R16 = -41.646 D16 = 1.17
R17 = -28.573 D17 = 0.80 N 9 = 1.772499 ν 9 = 49.6
R18*= 133.163 D18 = 可変
R19 = -27.765 D19 = 0.80 N10 = 1.772499 ν10 = 49.6
R20 = 41.769 D20 = 2.81 N11 = 1.846658 ν11 = 23.9
R21 = -859.593 D21 = 可変
R22 = ∞ D22 = 4.55 N12 = 1.581439 ν12 = 40.8
R23 = -44.513 D23 = 1.00
R24 = 絞り D24 = 1.00
R25 = 879.665 D25 = 8.06 N12 = 1.618000 ν12 = 63.3
R26 = -28.968 D26 = 0.42
R27 = -28.554 D27 = 1.15 N13 = 1.717362 ν13 = 29.5
R28 = -55.128 D28 = 1.50
R29 = 33.506 D29 = 16.00 N14 = 1.581439 ν14 = 40.8
R30 = -31.852 D30 = 1.50 N15 = 1.834807 ν15 = 42.7
R31 = 31.852 D31 = 16.00 N16 = 1.517417 ν16 = 52.4
R32 = -647.299 D32 = 0.70
R33 = 光束制限部材 D33 = 0.80
R34 = 109.155 D34 = 5.85 N17 = 1.517417 ν17 = 52.4
R35 = -32.897 D35 = 1.00
R36 = -52.506 D36 = 1.15 N18 = 1.834807 ν18 = 42.7
R37 = 24.243 D37 = 8.04 N19 = 1.517417 ν19 = 52.4
R38 = -71.061 D38 = 2.00
R39 = 67.141 D39 = 6.96 N20 = 1.487490 ν20 = 70.2
R40 = -24.280 D40 = 1.15 N21 = 1.720467 ν21 = 34.7
R41 = -106.741 D41 = 0.20
R42 = 45.382 D42 = 6.33 N22 = 1.487490 ν22 = 70.2
R43 = -50.326 D43 = 4.50
R44 = ∞ D44 = 30.00 N23 = 1.603420 ν23 = 38.0
R45 = ∞ D45 = 16.20 N24 = 1.516330 ν24 = 64.2
R46 = ∞
\焦点距離 8.50 19.20 127.50
可変間隔\
D10 1.32 24.74 50.12
D18 51.65 25.17 5.67
D21 4.00 7.05 1.18
*は非球面
非球面係数
R11 K =-3.23637e-02 B =3.21318e-06 C =-3.97113e-09 D =-1.48889e-11 E =3.06352e-14
R18 K =-3.66073e-02 B =-1.07011e-07 C =9.22594e-09 D =-1.68952e-10 E =4.38262e-13
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施例1〜3である撮像装置のレンズ鏡筒部の分解斜視図。
【図2】実施例1〜3の防振ユニットの分解斜視図。
【図3】実施例1において用いられる光束制限ユニットの分解斜視図。
【図4】実施例1〜3の撮像装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5A】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5B】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5C】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5D】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5E】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5F】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5G】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図6】実施例1〜3の光束制限ユニットの制御を示すフローチャート。
【図7A】実施例2の光束制限ユニットの背面図。
【図7B】実施例2の光束制限ユニットの背面図。
【図8A】実施例3の光束制限ユニットの背面図。
【図8B】実施例3の光束制限ユニットの背面図。
【図8C】実施例3の光束制限ユニットの背面図。
【図9】実施例1のレンズ鏡筒の変形例を示す分解斜視図。
【図10】実施例1〜3の光束制限ユニットを使用可能なズームレンズの断面図。
【図11】本発明の実施例4である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図12】本発明の実施例5である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図13】実施例4,5に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図14】図13のズームレンズの防振OFF状態を示す断面図。
【図15】本発明の実施例6である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図16】本発明の実施例7である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図17】実施例6,7に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図18】図17のズームレンズの防振OFF状態を示す断面図。
【図19】本発明の実施例8である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図20】本発明の実施例9である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図21】本発明の実施例10である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図22】実施例8〜10に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図23】図22のズームレンズの防振OFF状態を示す断面図。
【図24】本発明の実施例11である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図25】本発明の実施例12である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図26】実施例11,12に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図27】図11〜14に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図28】図15〜18に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図29】図19〜23に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図30】図24〜26に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図31】実施例4〜12において用いられる光束制限ユニットの例を示す図。
【図32】図31の光束制限ユニットが変形した例を示す図。
【図33】図31の光束制限ユニットが変形した例を示す図。
【図34】図31の光束制限ユニットが変形した例を示す図。
【図35】実施例4〜12のズームレンズが搭載されたビデオカメラの外観図。
【符号の説明】
【0184】
1 第1鏡筒
2 光束制限ユニット
3 固定鏡筒
4 撮像素子ホルダ
5 後部鏡筒
6 第2鏡筒
8 絞りユニット
9 防振ユニット
10 第4鏡筒
81,82 光束制限部材
85,86 アクチュエータ
102 撮像素子
104 ズーム位置検出ユニット
105 絞り値検出ユニット
106 補正レンズ位置検出ユニット
108 光量検出ユニット
109 マイクロコンピュータ
110 振れ検出ユニット
K 光束制限ユニット
SP 絞りユニット
IP 像面
ΔS 防振レンズの移動量
ΔK 光束制限ユニットの変形量
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラや交換レンズ等の光学機器に関し、特にいわゆる光学防振(像振れ抑制)機能を有する光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ等の光学機器には、手振れによる像振れを抑制するために、撮像光学系内に含まれる防振レンズを光軸とは異なる方向、例えば光軸に直交する方向又はその方向の成分を含む方向に移動させる防振機能が搭載されていることが多い。
【0003】
ただし、防振レンズが上記方向に移動すると、撮像面における防振レンズの移動方向とは反対側の周辺領域(隅領域)で光量の低下が発生し、撮像により得られた画像において周辺領域の明るさむらが目立つ。
【0004】
このため、特許文献1には、防振レンズの移動に伴って遮光部材(光束制限部材)を光軸と直交する方向に移動させる光学機器(撮像レンズ)が開示されている。防振レンズの移動に伴って遮光部材を移動させることで、撮像面において防振レンズの移動により光量低下が生じた周辺領域とは異なる周辺領域で光量を低下させることで、画像の周辺領域での明るさむらが目立たないようにしている。
【特許文献1】特許第2511822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にて開示された光学機器では、光通過開口の形状及びサイズが固定の1つの遮光部材を移動させるに過ぎない。このため、防振レンズの移動に伴って遮光部材を移動させても、防振レンズの移動方向によっては撮像面の四隅領域の光量をバランス良く低下させることができない場合がある。この結果、撮像により得られる画像の周辺領域での明るさむらを十分に目立たなくすることができない。
【0006】
本発明は、防振レンズの移動方向にかかわらず撮像面の周辺領域の光量をバランス良く低下させることができるようにした光学機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学機器は、該光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニットと、光通過開口の形状を変形させることが可能な遮光ユニットと、防振レンズの移動に伴って遮光ユニットを制御する制御手段とを有する。そして、制御手段は、防振レンズが移動する方向に応じて光通過開口が異なる形状に変形するように遮光ユニットを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、防振レンズが移動する方向に応じて光通過開口を異なる形状に変形させる。このため、防振レンズの移動方向によって変化する撮像面上での光量低下領域(周辺領域の一部)に応じて、それ以外の領域(周辺領域の他の部分)の光量を低下させるために適切な光通過開口の形状を設定することが可能である。したがって、防振レンズの移動方向にかかわらず、周辺領域の光量をバランス良く低下させることができ、良好な画像の取得を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1には、本発明の実施例1であるビデオカメラ(光学機器)用のズームレンズ部の構成を分解して示している。なお、本実施例では、レンズ一体型のビデオカメラについて説明するが、本発明は光学機器としての交換レンズにも適用することができる。
【0011】
図1において、1は第1レンズユニットを保持する第1鏡筒、2は遮光ユニットとしての光束制限ユニットである。3は第鏡筒1及び光束制限ユニット2を保持する固定鏡筒である。
【0012】
4は撮像素子ホルダであり、その後部(像側の部分)には、後述する撮像素子が取り付けられる。
【0013】
5は後部鏡筒であり、撮像素子ホルダ4を保持する。6は第2鏡筒であり、変倍を行う第2レンズユニットを保持する。第2鏡筒6は、その前後の端部を固定鏡筒3と後部鏡筒5に保持された2本のガイドバー7a,7bによって、光軸方向に移動可能に保持されている。ガイドバー7a,7bは、後述する撮像光学系の光軸を挟んで設けられており、これら2本のガイドバー7a,7bによって第2鏡筒6の光軸方向の案内と光軸周りでの回り止めとを行う。
【0014】
8は電磁アクチュエータによって絞り羽根を駆動することで絞り開口径を変化させ、撮像素子の撮像面全体の光量を調節するための絞りユニットである。絞りユニット8は、固定鏡筒3と後部鏡筒5とによって挟持されている。
【0015】
9は第3レンズユニットのうち防振レンズとしての補正レンズサブユニットを光軸とは異なる方向、すなわち光軸に直交する方向に移動(変位)させて像振れを抑制(補正)する防振ユニットである。防振ユニット9は、後部鏡筒5により保持される。
【0016】
10はフォーカス調節を行う第4レンズユニットを保持する第4鏡筒である。第4鏡筒10は、防振ユニット9と後部鏡筒5とにその前後の端部を保持された2本のガイドバー11a,11bによって光軸方向に移動可能に保持されている。ガイドバー11a,11bは光軸を挟んで設けられており、これら2本のガイドバー11a,11bによって第4鏡筒10の光軸方向の案内と光軸周りでの回り止めとを行っている。
【0017】
第1〜第4レンズユニット、光束制限ユニット2、絞りユニット8及び防振ユニット9により撮像光学系が構成される。
【0018】
12はズームモータユニットであり、板金を折り曲げて形成した保持板に、モータ本体とその出力軸である送りネジ部とが保持されて構成されている。ズームモータユニット12は固定鏡筒3により保持される。第2鏡筒6にはラック13が取り付けられており、該ラック13はズームモータ12の送りネジ部に噛み合っている。このため、送りネジ部が回転すると、第2鏡筒6が光軸方向に駆動される。ラック13は、ラックバネ14によって送りネジ部に噛み合う方向に付勢されているとともに、第2鏡筒6に対して光軸方向前方(物体側)に向かって付勢されている。これにより、ラック13と送りネジ部及びラック13と第2鏡筒6との間の噛合いガタ及びスラストガタが除去される。本実施例では、ズームモータユニット12のモータ本体としてステッピングモータを使用している。
【0019】
15はフォトインタラプタであり、固定鏡筒3に保持されている。フォトインタラプタ15は、その投光部と受光部との間に第2鏡筒6に一体的に設けられた不図示の遮光壁部が挿入されることで、第2鏡筒6が基準位置に位置していることを検出する。第2鏡筒6が基準位置に位置した後、ズームモータユニット(ステッピングモータ)12に入力する駆動パルス数をカウントすることによって第2鏡筒6の位置(ズーム位置)が制御される。
【0020】
16a,16bは第4鏡筒10を駆動する駆動マグネットであり、後部鏡筒5に固定されている。17a,17bは駆動コイルであり、第4鏡筒10に接着等の方法で固定されている。これらの駆動コイル17a,17b及び駆動マグネット16a,16bによってリニアモータが構成される。コイル17a,17bに電流を流すことによって第4鏡筒10を光軸方向に駆動する推力を発生させることができる。18は位置センサであり、後部鏡筒5に保持されている。位置センサ18によって第4鏡筒10の位置を検出することができる。
【0021】
次に、防振ユニット9の構成について、図2を用いて説明する。図2において、50は第3レンズユニットのうち補正レンズサブユニット(以下、単に補正レンズという)以外の固定レンズサブユニットを保持する固定枠である。該固定枠50は、固定鏡筒3と後部鏡筒5とによって挟持されている。
【0022】
51は補正レンズを保持する可動枠である。52はロール防止枠であり、固定枠50に対して、光軸に平行な軸回りでの回転が阻止された状態で、光軸直交面内のうち垂直方向(ピッチ方向)に移動可能に取り付けられている。ロール防止枠52は、可動枠51に対して、光軸に平行な軸回りでの回転が阻止された状態で、光軸直交面内のうち水平方向(ヨー方向)に移動可能に取り付けられている。以上の構成により、可動枠51、すなわち補正レンズは、固定枠50に対して、回転が阻止された状態で光軸直交面内で(つまりは、光軸直交方向に)自由に移動(シフト)することができる。
【0023】
53a,53b,53cは固定枠50と可動枠51の間に配置されたボールであり、光軸直交面内における光軸周りに3つ配置されている。54はシフトスプリングである。55はスプリングホルダーであり、固定枠50に取り付けられてシフトスプリング54の後部を保持する。これにより、シフトスプリング54は、可動枠51を光軸方向前方の固定枠50に向けて付勢して、可動枠51と固定枠50との間の光軸方向でのガタを除去する。以上の構成により、可動枠51は、固定枠50に対して、光軸方向への移動や傾きが阻止された状態で光軸直交面内で自由にシフトすることができる。
【0024】
次に、可動枠51を駆動するアクチュエータについて説明する。56a,56bは駆動マグネットである。各駆動マグネットは、光軸直交方向における内側部分と外側部分とで光軸方向においてN極とS極が反対になるように着磁されている。
【0025】
57a,57bは駆動マグネット56a,56bの光軸方向前側の磁束を閉じるための前ヨークであり、58はマグネットカバーである。前ヨーク57a,57bは駆動マグネット56a,56bにより吸着されており、さらにマグネットカバー58を介して固定枠50により保持されている。
【0026】
59a,59bは可動枠51に接着により固定された駆動コイルである。60はマグネット56a,56bの光軸方向後側の磁束を閉じるための後ヨークである。後ヨーク60は、駆動コイル59a,59bを挟んでマグネット56a,56bとは反対側に配置され、固定枠50により保持されている。
【0027】
これら駆動マグネット56a,56b、前ヨーク57a,57b、後ヨーク60及び駆動コイル59a,59bにより磁気回路が形成されている。駆動コイル59a,59bに電流を流すと、駆動マグネット56a,56bの光軸直交方向での着磁境界に対して直交する方向に、駆動マグネット56a,56bと駆動コイル59a,59b間に発生する磁力の相互作用によるローレンツ力が発生する。そして、このローレンツ力が推力となって可動枠51が固定枠50に対して光軸直交面内でピッチ方向、ヨー方向及びこれらの方向の成分を含む斜め方向に駆動される。
【0028】
次に、可動枠51の位置検出機構について説明する。61a,61bは発光素子であり、可動枠51により保持されている。62a,62bは受光素子であり、センサーホルダー63により保持されている。センサーホルダー63は固定枠50に固定されている。受光素子62a,62bは、可動枠51とともに移動する発光素子61a,61bからの光を受けて、その受光位置に応じた信号を出力する。これにより、可動枠51の位置を検出することができる。
【0029】
次に、光束制限ユニット2の構成について、図3を用いて説明する。80は固定枠であり、図1に示した第1鏡筒1と固定鏡筒3とによって挟持される。81,82は複数の遮光部材としての第1及び第2の光束制限部材である。第1の光束制限部材81は、固定枠80の垂直方向の端部近傍に設けられた軸部によって、該軸部回りで、すなわち光軸直交面内のうち水平方向に回転可能(移動可能)に保持されている。第2の光束制限部材82は、固定枠80の水平方向の端部近傍に設けられた軸部(ピン)によって、該軸部回りで、すなわち光軸直交面内のうち垂直方向に回転可能(移動可能)に保持されている。
【0030】
第1及び第2の光束制限部材81,82の内周縁部は、それぞれを上記軸部回りで回転させたときに、第1レンズユニットから入射した光束の一部を遮る形状に形成されている。該内周縁部の内側は、第1レンズユニットから入射した光束を通過させるための開口になっている。
【0031】
83は第1及び第2の光束制限部材81,82の間を仕切る仕切り板であり、固定枠80に固定されている。84は第2の光束制限部材82を覆うカバーであり、固定枠80に固定されている。
【0032】
85,86は第1及び第2の光束制限部材81,82をそれぞれ駆動する複数のアクチュエータとしての第1及び第2のアクチュエータである。これら第1及び第2のアクチュエータ85,86は、固定枠80に保持されている。本実施例では、第1及び第2のアクチュエータ85,86として、絞りユニットや不図示のシャッタ等に用いられるガルバノメータタイプのアクチュエータを用いている。ただし、第1及び第2のアクチュエータ85,86として、リニアアクチュエータを用いてもよい。
【0033】
図4には、本実施例のビデオカメラの電気的構成を示している。なお、図4において図1〜図3にて説明した構成要素には、図1〜図3と同符号を付す。
【0034】
101は赤外カットフィルタとローパスフィルタとが接着されて構成されたフィルタである。102はCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子であり、矩形の撮像面を有する。
【0035】
103は第1及び第2の光束制限部材81,82を駆動する第1及び第2のアクチュエータ85,86を含む光束制限ユニット2の駆動ユニットである。
【0036】
104は第2鏡筒6の光軸方向の位置を検出するズーム位置検出ユニットである。105は絞りユニット8の絞り値(絞り羽根の位置)を検出する絞り値検出ユニットである。106は防振ユニット9において駆動される補正レンズの位置を検出する補正レンズ位置検出ユニットである。
【0037】
107は防振ユニット9の可動枠51を駆動する駆動マグネット56a,56b及び駆動コイル59a,59bを含む補正レンズ駆動ユニットである。108は撮像素子102からの信号により撮像面で受けた光量を検出する光量検出ユニットである。
【0038】
109はビデオカメラ全体の制御を司る制御手段としてのマイクロコンピュータであり、不図示のCPUや記憶部109aを有する。110はジャイロセンサ等により構成される振れ検出ユニットであり、ビデオカメラの振れに応じた信号(振れ信号)を出力する。
【0039】
上記構成において防振ユニット9及び光束制限ユニット2を駆動する手順について説明する。振れ検出ユニット110からビデオカメラの振れに応じた振れ信号が出力されると、マイクロコンピュータ109は該振れ信号に基づいてビデオカメラの振れ量(カメラ振れ量)を算出する。そして、マイクロコンピュータ109は、該カメラ振れ量に基づいて、撮像面上での像振れをキャンセルするための補正レンズの目標駆動位置を演算するとともに、該目標駆動位置への駆動量及び駆動方向を演算する。
【0040】
マイクロコンピュータ109は、補正レンズを該目標駆動位置にシフトさせるために必要な電流を防振ユニット9の駆動コイル59a,59bに流し、補正レンズを光軸直交面内で駆動する。マイクロコンピュータ109は、補正レンズの位置を補正レンズ位置検出ユニット106(受光素子62a,62b)からの出力に基づいて検出し、該検出位置が目標駆動位置に到達するように駆動コイル59a,59bへの通電をフィードバック制御する。
【0041】
また、マイクロコンピュータ109は、補正レンズ位置検出ユニット106からの信号に基づいて得られた補正レンズの位置信号から、撮像面上の周辺領域での光量の変化を演算する。そして、撮像面の周辺領域(左右の端部近傍の領域や四隅の領域)の光量低下をほぼ同じにするために必要な第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方の駆動量を演算する。マイクロコンピュータ109は、その演算結果に応じて、光束制限ユニット2の第1及び第2のアクチュエータ85,86のうち少なくとも一方に通電する。これにより、第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方が、補正レンズのシフトに伴って(同期して)光軸直交面内で回転する。
【0042】
図5A〜図5Gには、第1及び第2の光束制限部材81,82の駆動パターンを示す。これらの図は、第1及び第2の光束制限部材81,82を像側から見た図である。また、各図中に示す矩形枠は、第1及び第2の光束制限部材81,82の開口面に投影された撮像素子102の撮像面に相当する。つまり、各図において、矩形枠に第1及び第2の光束制限部材81,82が重なっていない場合は実際の撮像面の全体に光束が到達する。また、該矩形枠の一部領域に第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方が重なっている場合は実際の撮像面のうち対応する領域に光束が到達しない。なお、以下の説明で上下方向は撮像面の短辺方向に、左右方向は撮像面の長辺方向に相当する。
【0043】
図5Aは、補正レンズが駆動されていない状態、すなわち補正レンズの光軸が撮像光学系の光軸に一致した中立状態であって、第1及び第2の光束制限部材81,82が駆動されていない状態を示す。この状態では、第1及び第2の光束制限部材81,82に形成された開口が光軸方向にて重なり、矩形枠にほぼ外接する形状の光通過開口LAを形成する。したがって、撮像面に向かう光束は、第1及び第2の光束制限部材81,82によって遮られない。
【0044】
図5Bは、補正レンズが右方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81のみを左方向に回転させた状態を示す。図中の交差ハッチング領域は補正レンズがシフトすることによって光量が低下した領域を示し、横ハッチング領域は光束制限部材によって撮像面(矩形枠)への光束の到達が遮られる領域を示す。交差ハッチング領域と横ハッチング領域の意味は他の図でも同じである。
【0045】
補正レンズのシフトによって光量が低下した左周辺領域(左側上下の2つの隅領域を含む)に対して、第1の光束制限部材81による遮光によって光量が低下した右周辺領域(右側上下の2つの隅領域を含む)は、撮像面の中心に関して対称な形状を有する。したがって、撮像面上の左右の周辺領域でバランス良く光量を低下させることができる。
【0046】
図5Cは、補正レンズが下方向にシフトし、これに伴って第2の光束制限部材82のみを上方向に回転させた状態を示す。補正レンズが下方向にシフトすることによって、撮像面の上側左右の2つの隅領域の光量が低下する。一方、上方向に回転した第2の光束制限部材82による遮光によって、撮像面の下側左右の2つの隅領域の光量を低下させる。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0047】
図5Dは、補正レンズが右斜め下方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を左方向に、第2の光束制限部材82を上方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが右斜め下方向にシフトすることによって、撮像面の左上の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の左下及び右側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0048】
図5Eは、補正レンズが右斜め上方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を左方向に、第2の光束制限部材82を下方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが右斜め上方向にシフトすることによって、撮像面の左下の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の左上及び右側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0049】
図5Fは、補正レンズが左斜め下方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を右方向に、第2の光束制限部材82を上方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが左斜め下方向にシフトすることによって、撮像面の右上の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の右下及び左側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0050】
図5Gは、補正レンズが左斜め上方向にシフトし、これに伴って第1の光束制限部材81を右方向に、第2の光束制限部材82を下方向にそれぞれ回転させた状態を示す。補正レンズが左斜め上方向にシフトすることによって、撮像面の右下の隅領域の光量が低下する。一方、上記のように回転した第1及び第2の光束制限部材81,82による遮光によって、撮像面の右上及び左側上下の3つの隅領域の光量が低下する。これにより、撮像面上での四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0051】
このように、補正レンズがシフトする方向に応じて、第1及び第2の光束制限部材81,82における駆動する光束制限部材とその数のうち少なくとも一方が変更される。これにより、第1及び第2の光束制限部材81,82の開口が組み合わさって形成される光通過開口LAが、補正レンズがシフトする方向に応じて異なる形状に変形する。この結果、補正レンズのシフトによる光量低下領域と第1及び第2の光束制限部材81,82のうち少なくとも一方の遮光による光量低下領域とがバランス良く撮像面上に分布する。
【0052】
図6のフローチャートには、本実施例のマイクロコンピュータ109に行われる光束制限ユニット2の制御動作を示している。この動作は、マイクロコンピュータ109内の記憶部109aに格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0053】
ステップS201では、マイクロコンピュータ109は、ズーム位置検出ユニット104からズーム位置Fを読み取る。
【0054】
次にステップS202では、マイクロコンピュータ109は、読み取ったズーム位置Fが光束制限ユニット2を駆動する必要があるズーム位置範囲内(所定ズーム位置F0からテレ側の範囲)か否かを判断する。これは、補正レンズのシフトによる撮像面上での周辺領域の光量低下が生ずるか否かが、撮像光学系のズーム位置によって異なるためである。光束制限ユニット2を駆動する必要があるズーム範囲であると判断した場合はステップS203に進み、該ズーム範囲ではないと判断した場合はステップS201に戻る。
【0055】
このように、ズーム位置検出ユニット104から得られたズーム位置に基づいて光束制限ユニット2の駆動が必要ない場合には、補正レンズがシフトしても光束制限ユニット2を駆動しないようにしてもよい。
【0056】
ステップS203では、マイクロコンピュータ109は、絞り値検出ユニット105から絞り値fを読み取る。
【0057】
次にステップS204では、マイクロコンピュータ109は、読み取った絞り値fが光束制限ユニット2を駆動する必要がある絞り値範囲(f0以上、つまりFナンバーが明るくなるとき)か否かを判断する。これは、補正レンズのシフトによる撮像面上での周辺領域の光量低下が生ずるか否かが、絞り値によっても異なるためである。光束制限ユニット2を駆動する必要がある絞り値範囲であると判断した場合はステップS205に進み、該ズーム範囲ではないと判断した場合はステップS201に戻る。
【0058】
このように、絞り値検出ユニット105から得られた絞り値に基づいて光束制限ユニット2の駆動が必要ない場合には、補正レンズがシフトしても光束制限ユニット2を駆動しないようにしてもよい。
【0059】
ステップS205では、マイクロコンピュータ109は、振れ検出ユニット110からの振れ信号に基づいてカメラ振れ量Rを読み取る。
【0060】
そして、ステップS206では、マイクロコンピュータ109は、ズーム位置F、絞り値f及びカメラ振れ量Rから、光束制限ユニット2において駆動する光束制限部材を決定するとともに、その駆動量及び駆動方向を演算する。これにより、補正レンズが移動する方向に応じて、駆動する光束制限部材及びその数のうち少なくとも一方が変更される。また、ズーム位置F及び絞り値fに応じて、補正レンズのシフト量(移動量)に対する光束制限ユニット2(光束制限部材)の駆動量、つまりは光通過開口LAの変形量が変更される。
【0061】
そして、ステップS207では、マイクロコンピュータ109は、ステップS206にて決定した光束制限部材を、演算した駆動方向に演算した駆動量だけ駆動するよう光束制限ユニット2の駆動ユニット103を制御する。その後、ステップS201にリターンする。
【0062】
本実施例によれば、防振動作時の補正レンズのシフトによって撮像面の周辺領域の一部に光量低下が生じても、光束制限ユニット2の動作によって他の周辺領域の光量もバランス良く低下させることができる。したがって、ビデオカメラによる撮像動作により得られる画像において周辺領域の一部の光量低下を目立たないようにすることができる。
【実施例2】
【0063】
実施例1では、2つの光束制限部材を2つのアクチュエータによって互いに独立して回転駆動することで、補正レンズのシフト方向に応じて光通過開口の形状を変形させ、撮像面上での光量低下領域を任意に選択できる光束制限ユニットについて説明した。しかし、これに代えて、図7Aに示す光束制限ユニットを用いてもよい。
【0064】
図7Aにおいて、81A〜81Dは4つの光束制限部材(第1〜第4の光束制限部材)であり、4つのアクチュエータ85A〜85Dによって互いに独立して軸部(ピン)回りで回転駆動される。第1〜第4の光束制限部材81A〜81Dは、それぞれがアクチュエータ85A〜85Dによって回転駆動されることで、撮像面(図中の矩形枠)の四隅領域及びこれらを含む左右の端領域の光量を低下させることができる。
【0065】
図7Bには、実施例1で図5Dで示したように、補正レンズが右斜め下方向にシフトすることで、撮像面の左上隅領域の光量が低下した状態を示している。この場合、第2〜第4の光束制限部材81Bから81Dを駆動することで、撮像面の左下及び右側上下の隅領域の光量を低下させ、その結果、四隅領域の光量をバランス良く低下させることができる。
【0066】
図5Bに示したように補正レンズがシフトした場合には第2及び第4の光束制限部材81B,81Dを駆動する。図5Cに示したように補正レンズがシフトした場合には第3及び第4の光束制限部材81C,81Dを駆動する。また、図5Eに示したように補正レンズがシフトした場合には第1、第2及び第4の光束制限部材81A,81B,81Dを駆動する。図5Fに示したように補正レンズがシフトした場合には第1、第3及び第4の光束制限部材81A,81C,81Dを駆動する。さらに、図5Gに示したように補正レンズがシフトした場合には第1、第2及び第3の光束制限部材81A,81B,81Cを駆動する。
【0067】
このように、補正レンズがシフトする方向に応じて、第1〜第4の光束制限部材81A〜81Dにおける駆動する光束制限部材とその数のうち少なくとも一方が変更される。これにより、第1〜第4の光束制限部材81A〜81Dの内側に形成される光通過開口LAが、補正レンズがシフトする方向に応じて異なる形状に変形する。この結果、補正レンズのシフトによる光量低下領域と光束制限部材の遮光による光量低下領域とがバランス良く撮像面上に分布する。
【実施例3】
【0068】
上記各実施例では、各光束制限部材を軸回りで回転駆動する場合について説明したが、光束制限部材の駆動方法はこれに限られない。例えば、図8A〜図8Cに示すように、撮像面の長辺方向(短辺方向であってもよい)の両側に2つの光束制限部材81,82を配置し、これらのうち少なくとも一方を平行移動させて撮像面上の周辺領域(四隅領域)の光量を低下させるようにしてもよい。
【0069】
実施例2,3の光束制限ユニットの制御は、実施例1において図6を用いて説明したフローチャートと同様なフローチャートに従って行われる。
【0070】
なお、上記各実施例では、光束制限ユニット2を第1鏡筒1と第2鏡筒3との間に配置した場合について説明したが、光束制限ユニットの配置位置はこれに限られない。例えば、図9に示すように、光束制限ユニット2を防振ユニット9と後部鏡筒5との間に配置してもよい。
【0071】
また、上記各実施例では、ビデオカメラ用の4レンズタイプのズームレンズについて説明したが、本発明の他の実施例には、図10に示すような、他のレンズタイプ(例えば、放送機器用ズームレンズ)を含む。
【0072】
さらに、上記各実施例では、補正レンズ(防振レンズ)を光軸直交方向にシフトして像振れを抑制する防振ユニットを用いた場合について説明した。しかし、補正レンズを光軸上の仮想点を中心として回動して光軸直交方向の成分を含むように補正レンズを移動させる防振ユニットを使用することもできる。
【実施例4】
【0073】
図11には、本発明の実施例4であるズームレンズの望遠端での断面構成を示す。なお、図11中の光路は、本実施例のズームレンズの仕様に対応した撮像面(像面)の対角方向の光路を撮像面の中心を原点として示している。このことは、後述する他の実施例での図でも同じである。
【0074】
本実施例及び後述する各実施例のズームレンズは、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置(光学機器)の撮像光学系として該撮像装置に一体的に設けられたり、レンズ交換型の撮像装置に交換レンズ(光学機器)として装着されたりする。撮像装置は、少なくとも上記ズームレンズ、色分解用光学素子、該色分解素子によって分割された複数の色光を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からの信号を処理する信号処理回路等を含む。
【0075】
図11において、ISは防振レンズであり、該ズームレンズ(撮像光学系)の光軸に直交する方向に移動(シフト)して像振れを抑制する。SPは撮像面の全体の光量を調節するための開口絞りユニットである。Gはガラスブロックであり、保護ガラス、色分解プリズム、ローパスフィルタ及び撮像素子のフェースプレート等を含む。IPは像面であり、ここにはCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子の撮像面が配置されている。
【0076】
Kは光通過開口を形成する光束制限ユニットであり、防振レンズISの動きに伴って光通過開口の形状をΔKだけ変形させる。光束制限ユニットとしては、実施例1〜3にて説明したメカニカルな構成を有するものや、液晶素子や物性素子のように電気的に光通過開口の形状を変形させるものを用いることができる。以下の説明において、光束制限ユニットKの光通過開口の形状が変形することを、単に光束制限ユニットKが変形するという。
【0077】
光束制限ユニットKの制御は、実施例1において図6を用いて説明したフローチャートと同様なフローチャートに従って行われる。
【0078】
なお、本実施例(実施例4)及び実施例6,8,11では、光束制限ユニットKは、開口絞りユニットSPよりも物体側に配置されている。また、実施例5,7,9,10,12では、光束制限ユニットKは、開口絞りユニットSPよりも像側に配置されている。
【0079】
図11には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0080】
また、実際には、防振レンズISのシフト量ΔSに応じてΔKの量も変更される。また、ズームレンズのFNoを決定する絞りユニットの絞り開口径に応じてもΔKの量は変更される。さらに、ズーム位置によっても、光量分布が異なることからΔKの量を変更する。これらのことは、後述する他の実施例において同じである。
【0081】
なお、図11では、撮像面の対角方向の光路を示しているが、撮像面の水平方向(長辺方向)や垂直方向(短辺方向)においても、以下に説明する効果と同様の効果が得られる。このことも、後述する他の実施例において同じである。
【0082】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面における光量分布を図27に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜5を付したグラフは、表1中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の変化が少ない良好な画像が得られる。
【0083】
また、撮像面上での光量と後述する条件式(1)の値を表1に示す。表1から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0084】
本実施例において、防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットK(光通過開口)の変形方向とは互いに同じ方向である。なお、ここにいう同じ方向とは完全に同じでなくても、概ね同じ方向として扱える方向であればよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
【実施例5】
【0085】
図12には、本発明の実施例5であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。
【0086】
同図において、実施例4と共通する構成要素には、実施例4と同じ符号を付して説明に代える。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
【0087】
本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0088】
図12には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0089】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面での光量分布を図27に示す。丸囲みの6〜9を付したグラフは、表1中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0090】
また、撮像面上での光量と後述する条件式(2)の値を表1に示す。表1から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0091】
本実施例において、防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向は互いに逆の方向である。なお、ここにいう逆の方向とは完全に正反対でなくても、概ね反対方向として扱える方向であればよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
【0092】
図13には、実施例4及び5と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例4及び5で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図中の光路は、このズームレンズの仕様に対応した撮像面(像面)の対角方向の光路を撮像面の中心を原点として対称になるように示している。このことは、後述する他の従来例でも同じである。図13では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0093】
この従来のズームレンズにおける光量分布を図27及び表1に示す。撮像面上では周辺領域で非対称の光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0094】
また、図14には、光束制限ユニットを持たない従来のズームレンズにおける防振レンズが中立位置にある防振OFF状態における望遠端での断面構成を示している。この従来のズームレンズにおける防振OFF状態での撮像面上での光量分布を図27及び表1に示す。撮像面上の周辺領域で対称な光量分布が得られている。
【0095】
上記従来及び実施例3,4のズームレンズは、図14に代表して示すように、物体側から像側(撮像面側)に順に、正の屈折力を有する第1レンズユニット301と、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット302とを有する。さらに、正の屈折力を有する第3レンズユニット303と、正の屈折力を有し、第2レンズユニット302の移動に伴う像面変動を補正するとともに焦点調節を行うために光軸方向に移動する第4レンズユニット304とを有する。
【0096】
第3レンズユニット303の一部を構成する防振レンズは、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する。実施例では、第3レンズユニット303内の正の屈折力を有するレンズサブユニットを防振レンズとして用いる
【実施例6】
【0097】
図15には、本発明の実施例6であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。同図において、防振レンズISは、絞りユニットSPを挟んで光軸直交方向にシフトして像振れを抑制する。また、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0098】
図15には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔS移動し、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0099】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面での光量分布を図28に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜4を付したグラフは、表2中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0100】
また、撮像面での光量と後述する条件式(1)の値を表2に示す。表2から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0101】
本実施例において、防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに同じ方向である。
【実施例7】
【0102】
図16には、本発明の実施例7であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0103】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0104】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面での光量分布を図28に示す。丸囲みの5〜7を付したグラフは、表2中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0105】
また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表2に示す。表2から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0106】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。
【0107】
図17には、実施例6及び7と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例6及び7で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図17では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0108】
この従来のズームレンズにおける撮像面での光量分布を図28及び表2に示す。撮像面上では、周辺領域で非対称な光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0109】
また、図18には、光束制限ユニットを持たない従来のズームレンズにおける防振レンズが中立位置にある防振OFF状態における望遠端での断面構成を示している。この従来のズームレンズにおける防振OFF状態での撮像面での光量分布を図28及び表2に示す。撮像面上の周辺領域で対称な光量分布が得られている。
【0110】
上記従来及び実施例6,7のズームレンズは、図18に代表して示すように、物体側から像側に順に、正の屈折力を有する第1レンズユニット401と、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット402とを有する。さらに、正の屈折力を有する第3レンズユニット403と、正の屈折力を有し、第2レンズユニット402の移動に伴う像面変動を補正するとともに焦点調節を行うために光軸方向に移動する第4レンズユニット404とを有する。
【0111】
第3レンズユニット403は、防振レンズとして、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する。
【実施例8】
【0112】
図19には、本発明の実施例8であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0113】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0114】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図29に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜3を付したグラフは、表3中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。また、撮像面上での光量と条件式(1)の値を表3に示す。表3から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0115】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに同じ方向である。
【実施例9】
【0116】
図20には、本発明の実施例9であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0117】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0118】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図29に示す。丸囲みの4,5を付したグラフは、表3中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0119】
また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表3に示す。表3から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0120】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。
【実施例10】
【0121】
図21には、本発明の実施例10であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0122】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0123】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図29に示す。丸囲みの6を付したグラフは、表3中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表3に示す。表3から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0124】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。
【0125】
図22には、実施例8〜10と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例8〜10で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図22では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0126】
この従来のズームレンズにおける撮像面上での光量分布を図29及び表3に示す。撮像面上では、周辺領域で非対称な光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0127】
また、図23には、光束制限ユニットを持たない従来のズームレンズにおける防振レンズが中立位置にある防振OFF状態における望遠端での断面構成を示している。この従来のズームレンズにおける防振OFF状態での周辺光量を図29及び表3に示す。撮像面上では、周辺領域で対称な光量分布が得られている。
【0128】
上記従来及び実施例8〜10のズームレンズは、図23に代表して示すように、物体側から像側に順に、正の屈折力を有し、その一部Fを光軸方向に移動させて焦点調節を行う第1レンズユニット501を有する。また、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット502と、負の屈折力を有する第3レンズユニット503とを有する。第3レンズユニット503は、第2レンズユニット502の移動に伴う像面変動を補正するために光軸方向に移動する。さらに、該ズームレンズは、正の屈折力を有し、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する第4レンズユニット504を有する。
【実施例11】
【0129】
図24には、本発明の実施例11であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0130】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0131】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図30に示す。横軸は像高(割合)を、縦軸は照度(%)を示す。丸囲みの1〜3を付したグラフは、表4中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、この場合、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0132】
また、撮像面上での光量と条件式(1)の値を表4に示す。表4から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
【0133】
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに逆方向である。また、防振レンズISは、負レンズユニットである。
【実施例12】
【0134】
図25には、本発明の実施例12であるズームレンズの望遠端での断面構成を示している。本実施例でも、光束制限ユニットKは、防振レンズISの動きに伴って、光軸直交方向にΔKだけ変形する。
【0135】
同図には、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトし、それに伴って(同期して)光束制限ユニットKがΔKだけ変形した状態を示している。
【0136】
本実施例において、光束制限ユニットKをΔKだけ変形させた場合の撮像面上での光量分布を図30に示す。丸囲みの4〜6を付したグラフは、表4中における同じ数字の欄に示したΔKの値だけ光束制限ユニットKを変形させたときに本実施例で得られる光量分布を示す。本実施例では、様々なΔKに対して、周辺領域でほぼ対称な光量分布が得られ、撮像によって、周辺光量の差が少ない良好な画像が得られる。
【0137】
また、撮像面上での光量と条件式(2)の値を表4に示す。表4から、撮像面の対角方向だけでなく水平方向や垂直方向でも同様の効果が得られることが分かる。
防振レンズISのシフト方向と光束制限ユニットKの変形方向とは互いに同じ方向である。
【0138】
図26には、実施例11及び12と同様のレンズユニット構成を有する従来のズームレンズの望遠端状態での断面構成を示している。このズームレンズは、防振レンズISが含まれているが、実施例11及び12で説明した光束制限ユニットKは設けられていない。図26では、防振レンズISが撮像面の対角方向(図では上方向)にΔSだけシフトしている。
【0139】
この従来のズームレンズにおける撮像面上での光量分布を図30及び表4に示す。撮像面上では、周辺領域で非対称の光量分布が得られ、防振レンズISのシフト時にこの光量分布が変化して周辺光量差が大きい好ましくない画像となる。
【0140】
上記従来及び実施例11,12のズームレンズは、図26に代表して示すように、物体側から像側に順に、正の屈折力を有する第1レンズユニット601と、負の屈折力を有し、光軸方向に移動して変倍を行う第2レンズユニット602とを有する。さらに、正の屈折力を有する第3レンズユニット603と、正の屈折力を有し、第2レンズユニット602の移動に伴う像面変動を補正するとともに焦点調節を行うために光軸方向に移動する第4レンズユニット604とを有する。
【0141】
第3レンズユニット603に含まれる負の屈折力を有するレンズサブユニットが、防振レンズとして、光軸直交方向にシフトして像振れを抑制(補正)する。
【0142】
実施例4から7、11及び12では、望遠端から広角端への変倍に際して図中の矢印Wで示すように第2レンズユニットを物体側に移動させる。また、このとき、変倍に伴う像面変動を、第4レンズユニットを物体側に向かって凸形状の軌跡を描くように移動させることによって補正している。
【0143】
また、実施例4から7、11及び12のズームレンズは、第4レンズユニットを光軸方向に移動させて焦点調節を行うインナーフォーカスタイプのズームレンズである。各実施例の図に示す実線曲線(304a,404a,604a)は、無限遠物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端への変倍に伴う像面変動を補正するための第4レンズユニットの移動軌跡を示している。また、点線曲線(304b,404b,604b)は、近距離物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端への変倍に伴う像面変動を補正するための第4レンズユニットの移動軌跡を示している。該移動軌跡は、前述したように、物体側に向かって凸形状を有する。これにより、第3レンズユニットと第4レンズユニットとの間の空間を有効利用して、レンズ全長の短縮化を達成している。
【0144】
第4レンズユニットの像面変動のための移動軌跡は物体距離によって異なる。なお、第1レンズユニットと第3レンズユニットは変倍及び焦点調節に際して固定(不動)であるが、必要に応じてこれらを光軸方向に移動させてもよい。
【0145】
また、実施例4から7、11及び12では、望遠端において無限遠物体から近距離物体への焦点調節を行う場合は、各実施例の図中の矢印(304c,404c,604c)にて示すように、第4レンズユニットを前方へ移動させる。
【0146】
一方、実施例8〜10では、望遠端から広角端への変倍に際して図中の矢印Wのように第2レンズユニットを物体側へ移動させる。このとき、第3レンズユニットは、物体側に向かって凸状の軌跡を描くように変倍に伴う像面変動を補正するよう移動する。
【0147】
また、実施例8〜10のズームレンズは、第1レンズユニットの一部を光軸方向に移動させて焦点調節を行うフロントフォーカスタイプのズームレンズである。
【0148】
実施例4〜12においては、さらに以下の条件を満足することが望ましい。
【0149】
開口絞りユニットSPよりも物体側に光束制限ユニットKが配置されている場合においては、
0.6<ΔK/(L×tanθ)<3.0 …(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0150】
ただし、θは防振レンズの移動によるズームレンズ(光学系)の光軸の変位角であり、ΔKは防振レンズの移動に伴う光束制限ユニットK(の光通過開口)の変形量である。また、Lは光束制限ユニットと防振レンズとの光軸方向での距離である。
【0151】
条件式(1)は、光束制限ユニットKの変形量に関する条件式であり、像面照度(周辺光量分布)の対称性を確保するために満足することが好ましい条件である。該条件式の下限値を下回ると、非対称性の補正が不足して像面照度の対称性が十分に得られない可能性がある。また、上限値を超えるように変形量を多くすると、補正過剰となり、逆方向に非対称性が発生する可能性がある。
【0152】
一方、開口絞りユニットSPよりも像側に光束制限ユニットKが配置されている場合においては、
0.3<ΔK/ΔS<5.0 …(2)
なる条件を満足することが望ましい。
【0153】
ただし、ΔSは防振レンズのシフト量(移動量)、ΔKは防振レンズの移動に伴う光束制限ユニットK(の光通過開口)の変形量である。
【0154】
条件式(2)も、光束制限ユニットKの変形量に関する条件式であり、像面照度(周辺光量分布)の対称性を確保するために満足することが好ましい条件である。条件式(1)と同様に、該条件式の下限値を下回ると、非対称性の補正が不足して像面照度の対称性が十分に得られない可能性がある。また、上限値を超えるように変形量を多くすると、補正過剰となり、逆方向に非対称性が発生する可能性がある。
【0155】
また、上記いずれの場合も、像面照度の非対称性が20%以下になるように光束制限ユニットKの変形量を制御することが望ましい。
【0156】
さらに、より望ましくは、光学性能を悪化させる不要光(フレア光等)を遮光する機能を光束制限ユニットKに持たせることが望ましい。
【0157】
ここで、光束制限ユニットの変形量ΔKについて具体的に説明する。
【0158】
図31〜34には、実施例1で説明した、2つの光束制限部材81,82を用いて光通過開口の形状を変形させる光束制限ユニットを示している。図31は、防振レンズが中立位置にあり、光束制限部材81,82が駆動されていない状態(実施例1の図5Aに示す状態)を示す。図32は、第1の光束制限部材81のみが左方向に駆動された状態(実施例1の図5Bに示す状態)を示す。図33は、第2の光束制限部材82のみが上方向に駆動された状態(実施例1の図5Cに示す状態)を示す。さらに、図34は、第1の光束制限部材81が左方向に、第2の光束制限部材82が上方向にそれぞれ駆動された状態(実施例1の図5Dに示す状態)を示す。
【0159】
各図中の矩形枠(撮像面に相当する)内において、交差ハッチングで示す領域が防振レンズのシフトによって光量が低下した領域であり、横ハッチングで示す領域が光束制限部材81,82のうち少なくとも一方による遮光によって光量が低下した領域である。
【0160】
図31の状態において、光束制限部材81,82の開口の重なりによって形成された光通過口は、矩形枠に外接している。このときの光通過口を基準開口とする。
【0161】
図32の状態において、ΔKは、第1の光束制限部材81の開口の右端における上下方向での中心が基準開口(第2の光束制限部材82の開口)の右端における上下方向での中心から左方向にずれた量に相当する。
【0162】
また、図33の状態において、ΔKは、第2の光束制限部材82の開口の下端における左右方向での中心が基準開口(第1の光束制限部材81の開口)の下端における左右方向での中心に対して上方向にずれた量に相当する。
【0163】
さらに、図34の状態において、ΔKは、第1及び第2の光束制限部材81の開口が重なった領域(光通過開口)の右隅が、基準開口の右隅(矩形枠の右隅に外接する部分)に対して左斜め上にずれた量に相当する。
【0164】
これ以外の状態(図5Eから図5G等に示す状態)においても、ΔKは上記状態に準ずる。
【0165】
また、光束制限ユニットとして液晶素子や物性素子を用いる場合、各状態での光通過開口の形状を図5A〜図5G又は図31〜図34に示す形状と同様に設定することができ、この場合のΔKは上記説明に準ずる。
【実施例13】
【0166】
次に、実施例4から12にて説明したズームレンズが用いられる撮像装置としてのビデオカメラの例を図35を用いて説明する。
【0167】
この図において、200はビデオカメラ本体であり、201はズームレンズを収容したレンズ鏡筒である。202はズームレンズによって形成された被写体像を光電変換する撮像素子であり、図には1つのみ示しているが、実際にはR,G,B用の3つの撮像素子が設けられている。
【0168】
203は撮像素子202からの出力信号に基づいて生成された映像信号を記録する記録媒体であり、磁気テープ、半導体メモリ、光ディスク、ハードディスク等を含む。
【0169】
204は不図示のLCD等の表示素子に表示された画像を観察するための電子ビューファインダである。表示素子には、撮像素子202からの出力信号に基づいて生成された映像信号が表示される。
【0170】
205は液晶表示パネルであり、ビデオカメラ本体200に対して開閉可能に設けられている。液晶表示パネル205には、電子ビューファインダ204内の表示素子と同じ映像が表示される。
【0171】
実施例4〜12のズームレンズを上記ビデオカメラ等の撮像装置に用いることにより、防振動作時の周辺領域の光量低下バランスが良好な画像を取得することができる。
【0172】
【表1】
【0173】
【表2】
【0174】
【表3】
【0175】
【表4】
【0176】
(数値例)
以下、実施例4〜10にて説明したズームレンズの数値例を表5〜8に示す。
【0177】
各数値例において、fはズームレンズの焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角を示す。また、Riは物体側から順にi番目のレンズ面の曲率半径であり、Diはi番目のレンズの厚さ又はi番目とi+1番目のレンズ面との空気間隔である。Niとνiはそれぞれ、i番目のレンズの材料であるガラスの屈折率とアッベ数である。
【0178】
非球面形状は、以下の式で表される。ここでは、光軸方向をX軸とし、光軸に直交する方向をH軸とし、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径とし、各非球面係数をK,B,C,D,E,F(ただし、表7,8はFを含まない)としている。
【0179】
【数1】
【0180】
また、「e−Z」は、「×10−Z」を意味する。
【0181】
さらに、表1〜4には、前述した条件式に関する数値も示す。
【0182】
《数値例1(実施例4)》
f = 4.63 〜 91.65 Fno = 1.66 〜 3.50 2ω = 65.9゜〜 3.7゜
R 1 = 672.113 D 1 = 2.75 N 1 = 1.806100 ν 1 = 33.3
R 2 = 61.176 D 2 = 10.43 N 2 = 1.496999 ν 2 = 81.5
R 3 = -183.319 D 3 = 0.28
R 4 = 66.731 D 4 = 6.57 N 3 = 1.433870 ν 3 = 95.1
R 5 =-1249.964 D 5 = 0.20
R 6 = 44.394 D 6 = 4.76 N 4 = 1.712995 ν 4 = 53.9
R 7 = 120.560 D 7 = 3.50
R 8 = 光束制限部材 D 8 = 可変
R 9 = 76.331 D 9 = 1.05 N 5 = 1.882997 ν 5 = 40.8
R10 = 9.558 D10 = 5.01
R11 = -29.553 D11 = 0.95 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R12 = 43.079 D12 = 0.20
R13 = 21.720 D13 = 2.70 N 7 = 1.922860 ν 7 = 18.9
R14 = -209.781 D14 = 0.85 N 8 = 1.882997 ν 8 = 40.8
R15 = 209.781 D15 = 可変
R16 = 絞り D16 = 7.17
R17 = -26.670 D17 = 0.80 N 9 = 1.834807 ν 9 = 42.7
R18 = 40.785 D18 = 2.55 N10 = 1.805181 ν10 = 25.4
R19 = -40.785 D19 = 可変
R20*= 18.678 D20 = 4.48 N11 = 1.583126 ν11 = 59.4
R21 = -30.308 D21 = 0.85 N12 = 1.762001 ν12 = 40.1
R22 = 30.308 D22 = 1.09
R23 = 341.832 D23 = 2.12 N13 = 1.622992 ν13 = 58.2
R24 = -31.170 D24 = 可変
R25 = 58.593 D25 = 2.10 N14 = 1.696797 ν14 = 55.5
R26 = -58.593 D26 = 0.20
R27 = 25.889 D27 = 0.85 N15 = 1.846660 ν15 = 23.9
R28 = 11.721 D28 = 4.46 N16 = 1.696797 ν16 = 55.5
R29 = 124.588 D29 = 可変
R30 = ∞ D30 = 20.00 N17 = 1.589130 ν17 = 61.1
R31 = ∞ D31 = 3.75 N18 = 1.516330 ν18 = 64.1
R32 = ∞
\焦点距離 4.63 11.82 91.65
可変間隔\
D 8 -2.73 17.80 40.05
D15 45.65 25.11 2.87
D19 0.51 0.51 0.51
D24 9.97 7.61 12.12
D29 4.05 6.41 1.90
*は非球面
非球面係数
R20 K =-1.32942e+00 B =5.73219e-07 C =3.90775e-08 D =-2.34916e-10 E =1.03763e-12
F =5.24789e-15
《数値例2(実施例5)》
f = 4.63 〜 91.65 Fno = 1.66 〜 3.50 2ω = 65.9゜〜 3.7゜
R 1 = 672.113 D 1 = 2.75 N 1 = 1.806100 ν 1 = 33.3
R 2 = 61.176 D 2 = 10.43 N 2 = 1.496999 ν 2 = 81.5
R 3 = -183.319 D 3 = 0.28
R 4 = 66.731 D 4 = 6.57 N 3 = 1.433870 ν 3 = 95.1
R 5 =-1249.964 D 5 = 0.20
R 6 = 44.394 D 6 = 4.76 N 4 = 1.712995 ν 4 = 53.9
R 7 = 120.560 D 7 = 可変
R 8 = 76.331 D 8 = 1.05 N 5 = 1.882997 ν 5 = 40.8
R 9 = 9.558 D 9 = 5.01
R10 = -29.553 D10 = 0.95 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R11 = 43.079 D11 = 0.20
R12 = 21.720 D12 = 2.70 N 7 = 1.922860 ν 7 = 18.9
R13 = -209.781 D13 = 0.85 N 8 = 1.882997 ν 8 = 40.8
R14 = 209.781 D14 = 可変
R15 = 絞り D15 = 7.17
R16 = -26.670 D16 = 0.80 N 9 = 1.834807 ν 9 = 42.7
R17 = 40.785 D17 = 2.55 N10 = 1.805181 ν10 = 25.4
R18 = -40.785 D18 = 可変
R19*= 18.678 D19 = 4.48 N11 = 1.583126 ν11 = 59.4
R20 = -30.308 D20 = 0.85 N12 = 1.762001 ν12 = 40.1
R21 = 30.308 D21 = 1.09
R22 = 341.832 D22 = 2.12 N13 = 1.622992 ν13 = 58.2
R23 = -31.170 D23 = 1.00
R24 = 光束制限部材 D24 = 可変
R25 = 58.593 D25 = 2.10 N14 = 1.696797 ν14 = 55.5
R26 = -58.593 D26 = 0.20
R27 = 25.889 D27 = 0.85 N15 = 1.846660 ν15 = 23.9
R28 = 11.721 D28 = 4.46 N16 = 1.696797 ν16 = 55.5
R29 = 124.588 D29 = 可変
R30 = ∞ D30 = 20.00 N17 = 1.589130 ν17 = 61.1
R31 = ∞ D31 = 3.75 N18 = 1.516330 ν18 = 64.1
R32 = ∞
\焦点距離 4.63 11.82 91.65
可変間隔\
D 7 0.77 21.30 43.55
D14 45.65 25.11 2.87
D18 0.51 0.51 0.51
D24 8.97 6.61 11.12
D29 4.05 6.41 1.90
*は非球面
非球面係数
R19 K =-1.32942e+00 B =5.73219e-07 C =3.90775e-08 D =-2.34916e-10 E =1.03763e-12
F =5.24789e-15
《数値例3(実施例6)》
f = 6.26 〜 60.91 Fno = 1.85 〜 3.00 2ω = 53.8゜〜 6.0゜
R 1 = 34.455 D 1 = 1.20 N 1 = 1.846660 ν 1 = 23.9
R 2 = 21.767 D 2 = 4.80 N 2 = 1.487490 ν 2 = 70.2
R 3 = -302.945 D 3 = 0.20
R 4 = 20.075 D 4 = 3.05 N 3 = 1.603112 ν 3 = 60.6
R 5 = 68.710 D 5 = 2.00
R 6 = 光束制限部材 D 6 = 可変
R 7 = 67.686 D 7 = 0.70 N 4 = 1.882997 ν 4 = 40.8
R 8 = 6.518 D 8 = 2.55
R 9 = -20.228 D 9 = 0.60 N 5 = 1.487490 ν 5 = 70.2
R10 = 13.170 D10 = 0.75
R11 = 11.499 D11 = 1.40 N 6 = 1.922860 ν 6 = 18.9
R12 = 28.242 D12 = 可変
R13*= 10.234 D13 = 2.70 N 7 = 1.693500 ν 7 = 53.2
R14 = ∞ D14 = 1.30
R15 = 絞り D15 = 2.20
R16 = 57.675 D16 = 0.60 N 8 = 1.846660 ν 8 = 23.9
R17 = 9.699 D17 = 0.40
R18*= 14.563 D18 = 1.90 N 9 = 1.583126 ν 9 = 59.4
R19 = -46.395 D19 = 可変
R20 = 15.479 D20 = 2.20 N10 = 1.804000 ν10 = 46.6
R21 = -19.786 D21 = 0.60 N11 = 1.846660 ν11 = 23.9
R22 = -300.001 D22 = 可変
R23 = ∞ D23 = 2.21 N12 = 1.516330 ν12 = 64.1
R24 = ∞
\焦点距離 6.26 14.21 60.91
可変間隔\
D 6 -1.30 7.57 17.18
D12 19.23 10.36 0.75
D19 5.34 2.88 9.66
D22 7.48 9.94 3.15
*は非球面
非球面係数
R13 K =-2.43759e-01 B =-5.03257e-05 C =-3.03480e-07 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
R18 K =-7.91694e-01 B =-6.71555e-05 C =0.00000e+00 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
《数値例4(実施例7)》
f = 6.26 〜 60.91 Fno = 1.85 〜 3.00 2ω = 53.8゜〜 6.0゜
R 1 = 34.455 D 1 = 1.20 N 1 = 1.846660 ν 1 = 23.9
R 2 = 21.767 D 2 = 4.80 N 2 = 1.487490 ν 2 = 70.2
R 3 = -302.945 D 3 = 0.20
R 4 = 20.075 D 4 = 3.05 N 3 = 1.603112 ν 3 = 60.6
R 5 = 68.710 D 5 = 可変
R 6 = 67.686 D 6 = 0.70 N 4 = 1.882997 ν 4 = 40.8
R 7 = 6.518 D 7 = 2.55
R 8 = -20.228 D 8 = 0.60 N 5 = 1.487490 ν 5 = 70.2
R 9 = 13.170 D 9 = 0.75
R10 = 11.499 D10 = 1.40 N 6 = 1.922860 ν 6 = 18.9
R11 = 28.242 D11 = 可変
R12*= 10.234 D12 = 2.70 N 7 = 1.693500 ν 7 = 53.2
R13 = ∞ D13 = 1.30
R14 = 絞り D14 = 2.20
R15 = 57.675 D15 = 0.60 N 8 = 1.846660 ν 8 = 23.9
R16 = 9.699 D16 = 0.40
R17*= 14.563 D17 = 1.90 N 9 = 1.583126 ν 9 = 59.4
R18 = -46.395 D18 = 1.00
R19 = 光束制限部材 D19 = 可変
R20 = 15.479 D20 = 2.20 N10 = 1.804000 ν10 = 46.6
R21 = -19.786 D21 = 0.60 N11 = 1.846660 ν11 = 23.9
R22 = -300.001 D22 = 可変
R23 = ∞ D23 = 2.21 N12 = 1.516330 ν12 = 64.1
R24 = ∞
\焦点距離 6.26 14.21 60.91
可変間隔\
D 5 0.70 9.57 19.18
D11 19.23 10.36 0.75
D19 4.34 1.88 8.66
D22 7.48 9.94 3.15
*は非球面
非球面係数
R12 K =-2.43759e-01 B =-5.03257e-05 C =-3.03480e-07 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
R17 K =-7.91694e-01 B =-6.71555e-05 C =0.00000e+00 D =0.00000e+00 E =0.00000e+00
《数値例5(実施例8)》
f = 8.50 〜 127.50 Fno = 1.70 〜 2.00 2ω = 65.8゜〜 4.9゜
R 1 = -251.088 D 1 = 2.00 N 1 = 1.805177 ν 1 = 25.4
R 2 = 157.249 D 2 = 7.22
R 3 = 234.983 D 3 = 10.06 N 2 = 1.438750 ν 2 = 95.0
R 4 = -158.211 D 4 = 7.14
R 5 = 162.538 D 5 = 8.51 N 3 = 1.496999 ν 3 = 81.5
R 6 = -316.010 D 6 = 0.20
R 7 = 108.347 D 7 = 7.30 N 4 = 1.620411 ν 4 = 60.3
R 8 = 2254.334 D 8 = 0.20
R 9 = 61.427 D 9 = 6.65 N 5 = 1.620411 ν 5 = 60.3
R10 = 128.524 D10 = 8.00
R11 = 光束制限部材 D11 = 可変
R12*= 78.912 D12 = 0.80 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R13 = 15.768 D13 = 7.79
R14 = -41.835 D14 = 0.80 N 7 = 1.772499 ν 7 = 49.6
R15 = 60.569 D15 = 1.99
R16 = 33.469 D16 = 5.53 N 8 = 1.846658 ν 8 = 23.9
R17 = -41.646 D17 = 1.17
R18 = -28.573 D18 = 0.80 N 9 = 1.772499 ν 9 = 49.6
R19*= 133.163 D19 = 可変
R20 = -27.765 D20 = 0.80 N10 = 1.772499 ν10 = 49.6
R21 = 41.769 D21 = 2.81 N11 = 1.846658 ν11 = 23.9
R22 = -859.593 D22 = 可変
R23 = ∞ D25 = 4.54691 N12 = 1.581439 ν12 = 40.8
R24 = -44.513 D24 = 1.00
R25 = 絞り D25 = 1.00
R26 = 879.665 D26 = 8.06 N12 = 1.618000 ν12 = 63.3
R27 = -28.968 D27 = 0.42
R28 = -28.554 D28 = 1.15 N13 = 1.717362 ν13 = 29.5
R29 = -55.128 D29 = 1.50
R30 = 33.506 D30 = 16.00 N14 = 1.581439 ν14 = 40.8
R31 = -31.852 D31 = 1.50 N15 = 1.834807 ν15 = 42.7
R32 = 31.852 D32 = 16.00 N16 = 1.517417 ν16 = 52.4
R33 = -647.299 D33 = 1.50
R34 = 109.155 D34 = 5.85 N17 = 1.517417 ν17 = 52.4
R35 = -32.897 D35 = 1.00
R36 = -52.506 D36 = 1.15 N18 = 1.834807 ν18 = 42.7
R37 = 24.243 D37 = 8.04 N19 = 1.517417 ν19 = 52.4
R38 = -71.061 D38 = 2.00
R39 = 67.141 D39 = 6.96 N20 = 1.487490 ν20 = 70.2
R40 = -24.280 D40 = 1.15 N21 = 1.720467 ν21 = 34.7
R41 = -106.741 D41 = 0.20
R42 = 45.382 D42 = 6.33 N22 = 1.487490 ν22 = 70.2
R43 = -50.326 D43 = 4.50
R44 = ∞ D44 = 30.00 N23 = 1.603420 ν23 = 38.0
R45 = ∞ D45 = 16.20 N24 = 1.516330 ν24 = 64.2
R46 = ∞
\焦点距離 8.50 19.20 127.50
可変間隔\
D11 -6.68 16.74 42.12
D19 51.65 25.17 5.67
D22 4.00 7.05 1.18
*は非球面
非球面係数
R12 K =-3.23637e-02 B =3.21318e-06 C =-3.97113e-09 D =-1.48889e-11 E =3.06352e-14
R19 K =-3.66073e-02 B =-1.07011e-07 C =9.22594e-09 D =-1.68952e-10 E =4.38262e-13
《数値例6(実施例9)》
f = 8.50 〜 127.50 Fno = 1.70 〜 2.00 2ω = 65.8゜〜 4.9゜
R 1 = -251.088 D 1 = 2.00 N 1 = 1.805177 ν 1 = 25.4
R 2 = 157.249 D 2 = 7.22
R 3 = 234.983 D 3 = 10.06 N 2 = 1.438750 ν 2 = 95.0
R 4 = -158.211 D 4 = 7.14
R 5 = 162.538 D 5 = 8.51 N 3 = 1.496999 ν 3 = 81.5
R 6 = -316.010 D 6 = 0.20
R 7 = 108.347 D 7 = 7.30 N 4 = 1.620411 ν 4 = 60.3
R 8 = 2254.334 D 8 = 0.20
R 9 = 61.427 D 9 = 6.65 N 5 = 1.620411 ν 5 = 60.3
R10 = 128.524 D10 = 可変
R11*= 78.912 D11 = 0.80 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R12 = 15.768 D12 = 7.79
R13 = -41.835 D13 = 0.80 N 7 = 1.772499 ν 7 = 49.6
R14 = 60.569 D14 = 1.99
R15 = 33.469 D15 = 5.53 N 8 = 1.846658 ν 8 = 23.9
R16 = -41.646 D16 = 1.17
R17 = -28.573 D17 = 0.80 N 9 = 1.772499 ν 9 = 49.6
R18*= 133.163 D18 = 可変
R19 = -27.765 D19 = 0.80 N10 = 1.772499 ν10 = 49.6
R20 = 41.769 D20 = 2.81 N11 = 1.846658 ν11 = 23.9
R21 = -859.593 D21 = 可変
R22 = ∞ D22 = 4.55 N12 = 1.581439 ν12 = 40.8
R23 = -44.513 D23 = 1.00
R24 = 絞り D24 = 1.00
R25 = 879.665 D25 = 8.06 N12 = 1.618000 ν12 = 63.3
R26 = -28.968 D26 = 0.42
R27 = -28.554 D27 = 1.15 N13 = 1.717362 ν13 = 29.5
R28 = -55.128 D28 = 0.70
R29 = 光束制限部材 D29 = 0.80
R30 = 33.506 D30 = 16.00 N14 = 1.581439 ν14 = 40.8
R31 = -31.852 D31 = 1.50 N15 = 1.834807 ν15 = 42.7
R32 = 31.852 D32 = 16.00 N16 = 1.517417 ν16 = 52.4
R33 = -647.299 D33 = 1.50
R34 = 109.155 D34 = 5.85 N17 = 1.517417 ν17 = 52.4
R35 = -32.897 D35 = 1.00
R36 = -52.506 D36 = 1.15 N18 = 1.834807 ν18 = 42.7
R37 = 24.243 D37 = 8.04 N19 = 1.517417 ν19 = 52.4
R38 = -71.061 D38 = 2.00
R39 = 67.141 D39 = 6.96 N20 = 1.487490 ν20 = 70.2
R40 = -24.280 D40 = 1.15 N21 = 1.720467 ν21 = 34.7
R41 = -106.741 D41 = 0.20
R42 = 45.382 D42 = 6.33 N22 = 1.487490 ν22 = 70.2
R43 = -50.326 D43 = 4.50
R44 = ∞ D44 = 30.00 N23 = 1.603420 ν23 = 38.0
R45 = ∞ D45 = 16.20 N24 = 1.516330 ν24 = 64.2
R46 = ∞
\焦点距離 8.50 19.20 127.50
可変間隔\
D10 1.32 24.74 50.12
D18 51.65 25.17 5.67
D21 4.00 7.05 1.18
*は非球面
非球面係数
R11 K =-3.23637e-02 B =3.21318e-06 C =-3.97113e-09 D =-1.48889e-11 E =3.06352e-14
R18 K =-3.66073e-02 B =-1.07011e-07 C =9.22594e-09 D =-1.68952e-10 E =4.38262e-13
《数値例7(実施例10)》
f = 8.50 〜 127.50 Fno = 1.70 〜 2.00 2ω = 65.8゜〜 4.9゜
R 1 = -251.088 D 1 = 2.00 N 1 = 1.805177 ν 1 = 25.4
R 2 = 157.249 D 2 = 7.22
R 3 = 234.983 D 3 = 10.06 N 2 = 1.438750 ν 2 = 95.0
R 4 = -158.211 D 4 = 7.14
R 5 = 162.538 D 5 = 8.51 N 3 = 1.496999 ν 3 = 81.5
R 6 = -316.010 D 6 = 0.20
R 7 = 108.347 D 7 = 7.30 N 4 = 1.620411 ν 4 = 60.3
R 8 = 2254.334 D 8 = 0.20
R 9 = 61.427 D 9 = 6.65 N 5 = 1.620411 ν 5 = 60.3
R10 = 128.524 D10 = 可変
R11*= 78.912 D11 = 0.80 N 6 = 1.834807 ν 6 = 42.7
R12 = 15.768 D12 = 7.79
R13 = -41.835 D13 = 0.80 N 7 = 1.772499 ν 7 = 49.6
R14 = 60.569 D14 = 1.99
R15 = 33.469 D15 = 5.53 N 8 = 1.846658 ν 8 = 23.9
R16 = -41.646 D16 = 1.17
R17 = -28.573 D17 = 0.80 N 9 = 1.772499 ν 9 = 49.6
R18*= 133.163 D18 = 可変
R19 = -27.765 D19 = 0.80 N10 = 1.772499 ν10 = 49.6
R20 = 41.769 D20 = 2.81 N11 = 1.846658 ν11 = 23.9
R21 = -859.593 D21 = 可変
R22 = ∞ D22 = 4.55 N12 = 1.581439 ν12 = 40.8
R23 = -44.513 D23 = 1.00
R24 = 絞り D24 = 1.00
R25 = 879.665 D25 = 8.06 N12 = 1.618000 ν12 = 63.3
R26 = -28.968 D26 = 0.42
R27 = -28.554 D27 = 1.15 N13 = 1.717362 ν13 = 29.5
R28 = -55.128 D28 = 1.50
R29 = 33.506 D29 = 16.00 N14 = 1.581439 ν14 = 40.8
R30 = -31.852 D30 = 1.50 N15 = 1.834807 ν15 = 42.7
R31 = 31.852 D31 = 16.00 N16 = 1.517417 ν16 = 52.4
R32 = -647.299 D32 = 0.70
R33 = 光束制限部材 D33 = 0.80
R34 = 109.155 D34 = 5.85 N17 = 1.517417 ν17 = 52.4
R35 = -32.897 D35 = 1.00
R36 = -52.506 D36 = 1.15 N18 = 1.834807 ν18 = 42.7
R37 = 24.243 D37 = 8.04 N19 = 1.517417 ν19 = 52.4
R38 = -71.061 D38 = 2.00
R39 = 67.141 D39 = 6.96 N20 = 1.487490 ν20 = 70.2
R40 = -24.280 D40 = 1.15 N21 = 1.720467 ν21 = 34.7
R41 = -106.741 D41 = 0.20
R42 = 45.382 D42 = 6.33 N22 = 1.487490 ν22 = 70.2
R43 = -50.326 D43 = 4.50
R44 = ∞ D44 = 30.00 N23 = 1.603420 ν23 = 38.0
R45 = ∞ D45 = 16.20 N24 = 1.516330 ν24 = 64.2
R46 = ∞
\焦点距離 8.50 19.20 127.50
可変間隔\
D10 1.32 24.74 50.12
D18 51.65 25.17 5.67
D21 4.00 7.05 1.18
*は非球面
非球面係数
R11 K =-3.23637e-02 B =3.21318e-06 C =-3.97113e-09 D =-1.48889e-11 E =3.06352e-14
R18 K =-3.66073e-02 B =-1.07011e-07 C =9.22594e-09 D =-1.68952e-10 E =4.38262e-13
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施例1〜3である撮像装置のレンズ鏡筒部の分解斜視図。
【図2】実施例1〜3の防振ユニットの分解斜視図。
【図3】実施例1において用いられる光束制限ユニットの分解斜視図。
【図4】実施例1〜3の撮像装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5A】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5B】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5C】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5D】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5E】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5F】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図5G】実施例1の光束制限ユニットの駆動パターンを示す図。
【図6】実施例1〜3の光束制限ユニットの制御を示すフローチャート。
【図7A】実施例2の光束制限ユニットの背面図。
【図7B】実施例2の光束制限ユニットの背面図。
【図8A】実施例3の光束制限ユニットの背面図。
【図8B】実施例3の光束制限ユニットの背面図。
【図8C】実施例3の光束制限ユニットの背面図。
【図9】実施例1のレンズ鏡筒の変形例を示す分解斜視図。
【図10】実施例1〜3の光束制限ユニットを使用可能なズームレンズの断面図。
【図11】本発明の実施例4である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図12】本発明の実施例5である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図13】実施例4,5に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図14】図13のズームレンズの防振OFF状態を示す断面図。
【図15】本発明の実施例6である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図16】本発明の実施例7である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図17】実施例6,7に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図18】図17のズームレンズの防振OFF状態を示す断面図。
【図19】本発明の実施例8である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図20】本発明の実施例9である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図21】本発明の実施例10である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図22】実施例8〜10に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図23】図22のズームレンズの防振OFF状態を示す断面図。
【図24】本発明の実施例11である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図25】本発明の実施例12である撮像装置に用いられるズームレンズの断面図。
【図26】実施例11,12に対する従来例であるズームレンズの断面図。
【図27】図11〜14に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図28】図15〜18に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図29】図19〜23に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図30】図24〜26に示したズームレンズの像面照度を示すグラフ。
【図31】実施例4〜12において用いられる光束制限ユニットの例を示す図。
【図32】図31の光束制限ユニットが変形した例を示す図。
【図33】図31の光束制限ユニットが変形した例を示す図。
【図34】図31の光束制限ユニットが変形した例を示す図。
【図35】実施例4〜12のズームレンズが搭載されたビデオカメラの外観図。
【符号の説明】
【0184】
1 第1鏡筒
2 光束制限ユニット
3 固定鏡筒
4 撮像素子ホルダ
5 後部鏡筒
6 第2鏡筒
8 絞りユニット
9 防振ユニット
10 第4鏡筒
81,82 光束制限部材
85,86 アクチュエータ
102 撮像素子
104 ズーム位置検出ユニット
105 絞り値検出ユニット
106 補正レンズ位置検出ユニット
108 光量検出ユニット
109 マイクロコンピュータ
110 振れ検出ユニット
K 光束制限ユニット
SP 絞りユニット
IP 像面
ΔS 防振レンズの移動量
ΔK 光束制限ユニットの変形量
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニットと、
光通過開口の形状を変形させることが可能な遮光ユニットと、
前記防振レンズの移動に伴って前記遮光ユニットを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記防振レンズが移動する方向に応じて前記光通過開口が異なる形状に変形するように前記遮光ユニットを制御することを特徴とする光学機器。
【請求項2】
該光学機器は、前記防振ユニット及び前記遮光ユニットを含む光学系によって矩形の撮像面上に像を形成し、
前記制御手段は、前記防振レンズが前記撮像面における4つの隅領域のうち1つの隅領域での光量が低下する方向に移動した場合に、他の3つの隅領域での光量が低下するように前記光通過開口の形状を変形させることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記遮光ユニットは、それぞれ移動可能な複数の遮光部材を有し、
前記制御手段は、前記防振レンズが移動する方向に応じて、前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材及び前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材の数のうち少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
【請求項4】
前記遮光ユニットは、液晶素子又は物性素子により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
【請求項5】
前記防振ユニット及び前記遮光ユニットを含む光学系において、前記遮光ユニットは、該遮光ユニットとは別に設けられた絞りユニットよりも物体側に配置され、
前記光通過開口は、前記防振レンズが移動する方向と同じ方向に変形し、
前記光学系は以下の条件を満足することを特徴とする請求項1、2又は4に記載の光学機器。
0.6<ΔK/(L×tanθ)<3.0
ただし、θは前記防振レンズの移動による前記光学系の光軸の変位角、ΔKは該防振レンズの移動に伴う前記光通過開口の変形量、Lは前記遮光ユニットと前記防振レンズとの光軸方向での距離である。
【請求項6】
前記防振ユニット及び前記遮光ユニットを含む光学系において、前記遮光ユニットは、該遮光ユニットとは別に設けられた絞りユニットよりも像側に配置され、
前記光通過開口は、前記防振レンズが移動する方向とは反対方向に変形し、
前記光学系は以下の条件を満足することを特徴とする請求項1、2又は4に記載の光学機器。
0.3<ΔK/ΔS<5.0
ただし、ΔSは前記防振レンズの移動量、ΔKは該防振レンズの移動に伴う前記光通過開口の変形量である。
【請求項7】
前記制御手段は、前記絞りユニットの絞り開口径及び前記光学系のズーム位置に応じて、前記防振レンズの移動量に対する前記光通過開口の変形量を変更することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の光学機器。
【請求項8】
光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニットと、
移動可能な複数の遮光部材を有する遮光ユニットと、
前記防振レンズの移動に伴って少なくとも1つの前記遮光部材を移動させるよう前記遮光ユニットを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記防振レンズが移動する方向に応じて、前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材及び前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材の数のうち少なくとも一方を変更することを特徴とする光学機器。
【請求項1】
光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニットと、
光通過開口の形状を変形させることが可能な遮光ユニットと、
前記防振レンズの移動に伴って前記遮光ユニットを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記防振レンズが移動する方向に応じて前記光通過開口が異なる形状に変形するように前記遮光ユニットを制御することを特徴とする光学機器。
【請求項2】
該光学機器は、前記防振ユニット及び前記遮光ユニットを含む光学系によって矩形の撮像面上に像を形成し、
前記制御手段は、前記防振レンズが前記撮像面における4つの隅領域のうち1つの隅領域での光量が低下する方向に移動した場合に、他の3つの隅領域での光量が低下するように前記光通過開口の形状を変形させることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記遮光ユニットは、それぞれ移動可能な複数の遮光部材を有し、
前記制御手段は、前記防振レンズが移動する方向に応じて、前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材及び前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材の数のうち少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
【請求項4】
前記遮光ユニットは、液晶素子又は物性素子により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
【請求項5】
前記防振ユニット及び前記遮光ユニットを含む光学系において、前記遮光ユニットは、該遮光ユニットとは別に設けられた絞りユニットよりも物体側に配置され、
前記光通過開口は、前記防振レンズが移動する方向と同じ方向に変形し、
前記光学系は以下の条件を満足することを特徴とする請求項1、2又は4に記載の光学機器。
0.6<ΔK/(L×tanθ)<3.0
ただし、θは前記防振レンズの移動による前記光学系の光軸の変位角、ΔKは該防振レンズの移動に伴う前記光通過開口の変形量、Lは前記遮光ユニットと前記防振レンズとの光軸方向での距離である。
【請求項6】
前記防振ユニット及び前記遮光ユニットを含む光学系において、前記遮光ユニットは、該遮光ユニットとは別に設けられた絞りユニットよりも像側に配置され、
前記光通過開口は、前記防振レンズが移動する方向とは反対方向に変形し、
前記光学系は以下の条件を満足することを特徴とする請求項1、2又は4に記載の光学機器。
0.3<ΔK/ΔS<5.0
ただし、ΔSは前記防振レンズの移動量、ΔKは該防振レンズの移動に伴う前記光通過開口の変形量である。
【請求項7】
前記制御手段は、前記絞りユニットの絞り開口径及び前記光学系のズーム位置に応じて、前記防振レンズの移動量に対する前記光通過開口の変形量を変更することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の光学機器。
【請求項8】
光学機器の振れに応じて防振レンズを光軸方向とは異なる方向に移動させる防振ユニットと、
移動可能な複数の遮光部材を有する遮光ユニットと、
前記防振レンズの移動に伴って少なくとも1つの前記遮光部材を移動させるよう前記遮光ユニットを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記防振レンズが移動する方向に応じて、前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材及び前記複数の遮光部材の中で移動させる遮光部材の数のうち少なくとも一方を変更することを特徴とする光学機器。
【図5D】
【図6】
【図9】
【図32】
【図33】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図34】
【図35】
【図6】
【図9】
【図32】
【図33】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2009−109775(P2009−109775A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282520(P2007−282520)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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