光学部材貼合せ方法およびそれを用いた装置
【課題】枚葉体への光学部材の貼り合わせを自動で効率よく、かつ、精度よく行う。
【解決手段】一方面に保護フィルムが添設され、他方面にセパレータの添設された帯状の偏光フィルFをフィルム供給部1から繰り出し供給し、外観検査をした後、セパレータを残して保護フィルムと偏光フィルムFをレーザー装置11でハーフカットする。その後、剥離機構4に搬送案内してナイフエッジでセパレータを剥離しながら偏光フィルムFを貼合せ機構5に送り込む。この偏光フィルム5の送り込み動作に同調させてパネル搬送装置18から搬送されてくる液晶パネルWを貼合せ機構5に搬送案内し、液晶パネルWに偏光フィルムFを貼り合せる。
【解決手段】一方面に保護フィルムが添設され、他方面にセパレータの添設された帯状の偏光フィルFをフィルム供給部1から繰り出し供給し、外観検査をした後、セパレータを残して保護フィルムと偏光フィルムFをレーザー装置11でハーフカットする。その後、剥離機構4に搬送案内してナイフエッジでセパレータを剥離しながら偏光フィルムFを貼合せ機構5に送り込む。この偏光フィルム5の送り込み動作に同調させてパネル搬送装置18から搬送されてくる液晶パネルWを貼合せ機構5に搬送案内し、液晶パネルWに偏光フィルムFを貼り合せる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルなどの枚葉体に偏光フィルム、輝度向上フィルム、および位相差フィルムなどの光学部材を自動で高速かつ精度よく貼り合わせるように構成した光学部材貼合せ方法およびそれを用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学部材と枚葉体である基板との貼り合せとしては、次にようにして行われている。所定ピッチで複数枚の基板を連続的に搬送するとともに、原反ロールから繰り出す過程で保護膜の剥離された感光性樹脂層とベースフィルムからなる帯状の感光性積層フィルムを供給し、基板と感光性積層フィルムを一対のヒートローラの間隙に送り込んで熱圧着する。その後に感光性積層フィルムの貼り合わされた基板は冷却され、基板搬送方向の前後の端面に沿って先端が先鋭なカッタ刃などの切断手段で感圧性樹脂層のみが切断(ハーフカット)され、帯状に連続するベースフィルムは基板から剥離回収され、感圧性樹脂の積層された基板は次工程に搬送されてゆく(特許文献1参照)。
【0003】
次工程では、外観検査を得て良品判定された切断処理後の基板の端面処理が施され、その後に基板ごとにパッケージされて別ラインに搬送される。この別ラインで偏光フィルムなどの光学部材が基板に貼り合わされる。
【特許文献1】特開平7−157186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来装置においては、感光性樹脂層の転写された基板への光学部材の貼り合わせが別工程で行われているので、作業が煩雑になるとともに、加工処理に時間がかかるといった問題がある。また、基板サイズに合せるために切断手段を端面に触させて感光性樹脂層を切断するが、その接触端面の後処理の工程が必要となる。さらに、従来装置に適用させる基板の場合、感光性樹脂層が露出した状態で次工程まで搬送されるとともに取り扱いがされるので、特にその表面に塵埃が付着し品質不良を発生させるといった問題もある。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、枚葉体への光学部材の貼り合わせを自動で効率よく、かつ、精度よく行うことのできる光学部材貼合せ方法およびそれを用いた装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ方法において、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材からセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断した後、該光学部材からセパレータを剥離し、露出面を前記枚葉体に貼り合わせる
ことを特徴とする。
【0007】
(作用・効果) この方法発明によれば、セパレータを残して光学部材を切断するので、帯状のセパレータ上に連続する枚葉形状となった光学部材を枚葉体との貼り合せ位置にそのまま搬送供給することができる。つまり、貼合せ位置でセパレータから光学部材を剥離して光学部材に貼り合せることにより、自動で連続的に貼合せ加工が可能となる。したがって、貼り合わせ対象の枚葉体形状に合せて打抜いた光学部材を作成する必要がないので、光学部材を独立した貼合せ工程に搬送する必要もない。その結果、貼合せ加工処理時間を大幅に短縮することができる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記光学部材は、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されており、帯状の光学部材からセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する
ことを特徴とする。
【0009】
(作用・効果) この方法発明によれば、セパレータを残して保護フィルムと光学部材を切断するので、帯状のセパレータ上に連続する枚葉形状となった光学部材を枚葉体との貼り合せ位置にそのまま搬送供給することができる。つまり、貼合せ位置でセパレータから光学部材を剥離して光学部材に貼り合せることにより、自動で連続的に貼合せ加工が可能となる。したがって、貼り合わせ対象の枚葉体形状に合せて打抜いた光学部材を作成する必要がないので、光学部材を独立した貼合せ工程に搬送する必要もない。その結果、貼合せ加工処理時間を大幅に短縮することができる。
【0010】
また、最終加工工程に搬送されるまで、保護フィルムが光学部材に添設されているので、光学部材の表面に直接に塵埃が付着することもない。すなわち、塵埃付着による不良を低減するとともに、高品質を維持することができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1または2の発明において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、レーザーにより行う
ことを特徴とする。
【0012】
(作用・効果) この方法発明によれば、カッタ刃のような切断手段を利用して光学部材を切断したときに生じる切屑などが発生しない。つまり、切屑などの付着を防止できる。また、カッタ刃を押し付けて切断するときに光学部材に押圧力が加わらないので、切断端面の割れなどを防止でき、切断端面の後処理(カット処理)が不要となる。
【0013】
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記レーザーによる前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、当該レーザーの走行方向の前方から後方かけてレーザーの光軸を傾けた状態で行う
ことを特徴とする。
【0014】
(作用・効果) レーザーを照射して保護フィルムや光学部材を切断すると、熱分解によって光学部材などが気化し、爆発に似た現象が起こる。このときに煙が拡散する。例えば、光学部材などに対して垂直方向からレーザーを照射した場合、煙は光学部材などの表面に沿って拡散し、光学部材などの表面を汚染する。
【0015】
そこで、光学部材などの煙による汚染を抑制させるため、当該発明者等は切断実験を繰り返し行って鋭意検討した結果、以下の知見を得ることができた。
【0016】
光学部材の切断部位に対して垂直方向およびレーザーの走行方向の後方から前方にかけてレーザーの光軸を傾けた状態で切断した場合、いずれの条件でも光学部材などの汚染を抑制することができない。しかしながら、上記第4の発明のように、レーザーの走行方向の前方から後方にかけてレーザーの光軸を傾けた状態で行うことにより、発生する煙に起因する光学部材などの汚染を低減できた。具体的には、当該方法による切断時に発生する煙は、切断部位から後方斜め上方へと流れ、光学部材などを覆いながら表面に沿って流れることはなかった。
【0017】
なお、レーザーの光軸の傾斜角は、光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内であることが好ましい(請求項5)。この角度の範囲内であれば、第4の方法発明を好適に実現できる。
【0018】
第6の発明は、上記第3ないし5の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断する過程で、前記切断部位に向けて温風を吹き付けるとともに、切断時に発生するガスを集煙除去する
ことを特徴とする。
【0019】
(作用・効果) この方法発明によれば、切断部位に吹き付けられる温風により、その周辺の温度が上げられる。同時に光学部材または保護フィルムと光学部材をレーザーで切断するときに発生するガスが温風によって搬送され集煙除去される。その結果、切断部位およびその周辺に異物が付着するのを防止できる。このことは、本発明者たちが切断部位に付着する異物の発生原因を鋭意検討した結果、切断時に生じるガス(煙)の冷却されたものが異物として付着していることの知見を得たことに基づく。
【0020】
つまり、レーザー照射時の熱により光学部材または保護フィルムと光学部材の蒸発したものが煙となる。しかしながら、枚葉体を保持している部材が金属などのように常温で冷たい物質である場合、その煙が周辺部材の影響により冷却されて液化し、切断部位周辺に再付着して品質に悪影響を与えるとする知見を得た。
【0021】
第7の発明は、上記第1ないし第6の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断前に、光学部材の欠損を検査する過程を備え、
前記検査過程に搬送される光学部材は、検査前にセパレータが剥離され、検査終了後に再びセパレータが貼り合わされる
ことを特徴とする。
【0022】
(作用・効果) この方法発明によれば、切断前に検査工程で光学部材の欠損が見つけられる。したがって、欠損部分が枚葉体に貼り合わされないように調整することが可能となる。また、検査工程において例えば光学系を利用する場合、光学部材自体のもつ配向角のバラツキ以外にセパレータのもつ配向角のバラツキやセパレータからの反射光などの影響により、光学部材の欠損を精度よく検出することができないことがある。そこで、検査工程前にセパレータを剥離しておくことにより、セパレータによる検査阻害要件を除去した高精度の検査結果を得ることができる。
【0023】
なお、上記発明における光学部材として、例えば、フィルム、液晶パネル用の偏光フィルムおよび輝度向上フィルムなどが挙げられる。また、枚葉体としては、例えば液晶パネルが挙げられる。つまり、薄くて撓みやすい部材であっても、帯状のまま所定のテンションがかけられた状態で取り扱われるので、皺や空気の巻込みを抑えた状態で枚葉体に貼り合せることができる。
【0024】
第12の発明は、枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ装置おいて、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材を供給する光学部材供給手段と、
供給される前記光学部材のうちセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する切断手段と、
前記セパレータをナイフエッジで反転移送して切断後の光学部材を剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後の光学部材との貼り合わせ位置に前記枚葉体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されてくる枚葉体に前記光学部材の露出面を貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0025】
(作用・効果) この構成によれば、光学部材供給手段から帯状で供給される光学部材のうち、セパレータを残して光学部材が切断手段によって切断される。したがって、枚葉体に貼り合せる枚葉状の光学部材を帯状のセパレータを介して貼合せ位置に連続的に供給搬送し、自動で複数枚の枚葉体に光学部材を連続的に貼り合せることができる。したがって、上記方法発明を好適に実現することができる。
【0026】
なお、光学部材は、例えば、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されていてもよい。この場合、切断手段は、供給される光学部材のうちセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断するよう構成すればよい(請求項13)。
【0027】
切断手段としは、レーザー装置であることが好ましい(請求項14)。この構成によれば、カッタ刃のような切断手段を利用して光学部材を切断したときに生じる切屑などが発生しない。つまり、切屑などの付着を防止できる。また、カッタ刃を押し付けて切断するときに光学部材に押圧力が加わらないので、切断端面の割れなどを防止でき、切断端面の後処理(カット処理)が不要となる。
【0028】
また、当該レーザー装置は、レーザーの走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸が傾斜して照射するように傾斜姿勢で配備することが好ましく(請求項15)、その設置角は、前記光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内である(請求項16)。この構成によれば、第4または第5の方法発明を好適に実現できる。
【0029】
第17の発明は、上記第14ないし16の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を前記レーザー装置で切断する過程で切断部位に向けて温風を吹き付ける送風手段と、
切断時に切断部位から発生するガスを除去する集煙除去手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0030】
(作用・効果) この構成によれば、レーザー装置で光学部材を切断するときの切断部位に向けて送風手段から温風が吹き付けられるので、切断部位から発生する煙が冷却されない。また、発生したガスは、集煙除去手段により除去されるので、光学部材の表面に再付着することがない。すなわち、上記第6の方法発明を好適に実現することができる。
【0031】
第18の発明は、上記第12ないし17の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断手段により切断する前に、光学部材からセパレータを剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後に光学部材の欠損を検査する検査手段と、
前記検査手段による検査終了後に光学部材の露出面にセパレータを貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0032】
(作用・効果) この構成によれば、光学部材の欠損を検査手段で検査する前に、光学部材からセパレータが剥離手段により剥離されるので、セパレータが有する検査阻害要因である配向角のバラツキや反射光などを除去した状態で光学部材の検査ができる。また、検査終了後に光学部材はセパレータに再度貼り合わされるので、切断手段により切断された枚葉状の光学部材を帯状のセパレータを介して貼合せ手段に連続して供給することができる。すなわち、上記第7の方法発明を好適に実現することができる。
【発明の効果】
【0033】
この本発に係る光学部材貼合せ方法およびそれを用いた装置によれば、光学部材の切断から、切断後の光学部材と枚葉体との貼り合わせを自動で効率よく、かつ、精度よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。なお、本発明において、光学部材は、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどの可撓性を有する帯状の機能フィルムであれば特に限定されるものではなく、本実施の形態では、偏光フィルムを用いた場合を例に採って説明する。また、本発明の枚葉体は、偏光フィルム、位相差フィルム、および輝度向上フィルムなどの機能フィルム、偏光板、および液晶パネルなどあれば特に限定されるものではなく、本実施の形態では液晶パネルを例に採って説明する。
【0035】
なお、本発明のセパレータおよび保護フィルムは、いずれも表面損傷の防止などのために光学部材や偏光フィルムを被覆保護するものである。ここで、セパレータは、光学部材に添設された粘着剤との接着界面から剥離除去されるものであるのに対し、保護フィルムは粘着剤とともに光学部材から剥離除去されるものである。
【0036】
図1は、本発明に係る光学部材貼合せ方法を行う光学部材貼合せ装置の概略構成が示されている。
【0037】
この実施例装置は、図1および図2に示すように、帯状の偏光フィルムFを液晶パネルWと貼り合せる貼合せ機構5まで搬送するとともに、液晶パネルFを貼合せ機構5まで別経路で搬送するように構成されている。
【0038】
偏光フィルムFの搬送経路には、図1示すように、一方面に保護フィルムPが添設され他方面にセパレータSの添設された偏光フィルムFを繰り出し供給するフィルム供給部1と、偏光フィルムFの外観検査をする検査装置2と、偏光フィルムFを搬送方向に所定長さに切断する切断機構3と、搬送経路の終端にはセパレータSから偏光フィルムFを剥離して貼合せ機構5に偏光フィルムFの先端を導く剥離機構4と、剥離後のセパレータSを巻取り回収するセパレータ回収部6とを備えるとともに、各機構間にガイドローラgおよびダンサローラ7a,7bが配備されて構成されている。なお、フィルム供給部1は本発明の光学部材供給手段に、検査装置2は検査手段に、切断機構3は切断手段に、剥離機構4は剥離手段に、貼合せ機構5は貼合せ手段それぞれ相当する。
【0039】
フィルム供給部1は、幅広の偏光フィルムFの原反ロール8を所定寸法幅にスリットした帯状のものをロール状態で装填している。
【0040】
検査装置2は、偏光フィルムFの欠損やその表面または内部に付着または存在する異物などの欠陥を検出するためのものであり、本実施例では、光学系であるCCDカメラを利用している。CCDカメラは、偏光フィルムFの上方に配備されており、下方を通過する偏光フィルムFを連続的または間欠的に撮像する。この撮像結果がデジタル信号に変換されて後述する制御部9に送信される。そして、制御部9内の演算処理部が検査対象と同じ基準サンプルから取得した基準画像とのマッチング処理を行い、偏光フィルムFの欠損や付着している異物の検出する。
【0041】
切断機構3は、偏光フィルムFを裏面から吸着保持する保持テーブル10とレーザー装置11を偏光フィルムFの上方に備え、偏光フィルムFの幅方向にレーザーを走査させるように水平移動し、下方を通過する偏光フィルムFのうち最下部のセパレータSを残して偏光フィルムFと保護フィルムPをその搬送方向に所定ピッチで切断(以下、適宜「ハーフカット」という)する。また、このレーザー装置11は、図3に示すように、偏光フィルムFの幅方向から挟むようにして、切断部位に向けて温風を吹き付けるエアーノズル12と、この温風により搬送される切断部位から発生したガス(煙)を集煙する集煙ダクト13とが対向し状態で一体構成されている。なお、エアーノズル12は、本発明の送風手段に、集煙ダクト13は集煙除去手段にそれぞれ相当する。
【0042】
剥離機構4は、先端が先鋭なナイフエッジ14を有し、このナイフエッジ14に偏光フィルムFを巻き掛けて反転移送することにより、セパレータSから偏光フィルムFを剥離しつつ前方の貼合せ機構5に偏光フィルムFを送り込むように構成されている。同時に剥離後のセパレータSは、セパレータ回収部6の回収ボビン15巻取り回収される。
【0043】
別経路で搬送される液晶パネルWは、図1および図2に示すように、幅広の基板から所定寸法に裁断された枚葉状態で液晶パネル供給マガジン16に積層収納されて液晶パネル供給部17に装填されている。また、液晶パネルWを移載して搬送するパネル搬送装置18を挟んで液晶パネル供給マガジン16と対向して液晶パネルWのダミー基板DWがダミー供給マガジン19に積層収納されて装填されたダミー基板供給部20が配備されている。
【0044】
液晶パネル供給部17およびダミー基板供給部20の各上方には、昇降および水平往復移動可能な真空吸着式のピックアップ装置21が配備されており、各供給マガジン16,19に積層収容された液晶パネルWまたはダミー基板DWが最上層のものから順に1枚づつピックアップ装置21で吸着保持されて取り出されるように構成されている。
【0045】
液晶パネルWを吸着保持したピックアップ装置21は上昇して前進移動し、貼合せ機構5と液晶パネル供給部17との間に配備されたパネル搬送装置18に液晶パネルWを移載するよう構成されている。なお、液晶パネルWの取り出しに伴って液晶パネル供給マガジン16は上昇制御される。
【0046】
同様に、ダミー基板DWを吸着保持してピックアップ装置21は上昇して前進移動し、貼り合せ機構5とダミー基板供給部20との間に配備されたパネル搬送装置18にダミー基板DWを移載するよう構成されている。なお、ダミー基板DWの取り出しに伴ってダミー基板供給マガジン19は上昇制御される。
【0047】
パネル搬送装置18は、液晶パネルWまたはダミー基板DWを貼合せ機構5まで搬送する上流側の搬送経路と、貼合せ機構5以降で貼合せ処理後の液晶パネルWを搬送する下流側の搬送経路とから構成されている。上流側の搬送経路は、切断機構3によってハーフカットされた偏光フィルムFが貼合せ機構5に搬送されるまでの搬送経路の下方で重なり合うように配備されている。下流側の搬送経路は、液晶パネルWとダミー基板DWの振分をするように搬送経路が分岐されている。このパネル搬送装置18は、上流側および下流側ともにローラコンベアによって構成されている。
【0048】
貼合せ機構5の直前には、図2および図4に示すように、供給プレート22が配備されている。供給プレート22は、上面に液晶パネルWが移載されるとその中央に形成された方形状の開口を介して搬送方向の前後にスライド移動可能に配備した吸着機構23によって液晶パネルWを吸着し、適度の吸着力で供給プレート22上面に液晶パネルWを密着支持する。その後に、吸着機構23の下部に連接されたシリンダ24の伸縮による所定ストロークでのスライド移動により液晶パネルWが供給プレート22の上面に沿って前方に送り出す。
【0049】
また、吸着機構23の所定ストロークでの前進移動でナイフエッジ14の先端からせり出された液晶パネルWを貼合せ位置に送り込むことができるようになっている。この場合、供給プレート22の上面が貼合せ機構5の案内ローラ25の上端よりも適当な寸法だけ高くなるよう設定されている。この貼合せ位置に送り込むための吸着機構23をスライド移動させるシリンダ24のストロークと、供給プレート22の上面の高さとは、液晶パネルWの寸法(厚みも含む)、形状、および材質などに応じて適宜に設定される。
【0050】
貼合せ機構5は、案内ローラ25と貼合せローラ26とから構成されている。案内ローラ25は、モータ駆動されるゴムローラで構成され、その直上方にはモータ駆動される金属ローラからなる貼合せローラ26が昇降可能に配備されており、供給プレート22が前進移動して液晶パネルWを貼合せ位置に送り込む際には貼合せローラ26は供給プレート21の上面より高い位置まで上昇されてローラ間隔を開けるようになっている。なお、案内ローラ25および貼合せローラ26は、いずれもゴムローラであってもよいし金属ローラであってもよい。
【0051】
制御部9は、本実施例装置の駆動機構を総括的に制御している。具体的な制御については、後述する本実施例装置の動作説明で詳述する。
【0052】
本発明に係る光学部材貼合せ装置の主要部の構成および機能は以上のようであり、以下、この装置を用いて液晶パネルWに偏光フィルムFを貼合せる手順を図1〜図7に基づいて説明する。
【0053】
図1に示すように、フィルム供給部1に装填された原反ロール8から帯状の偏光フィルムFが繰り出され、ガイドロールgによって検査装置2に搬送案内される。検査装置2は、偏光フィルムFの画像を撮像してデジタル信号化された画像データを制御部9に送信する。
【0054】
制御部9は、受信した画像データと予め取得した基準画像データのマッチング処理により偏光フィルムFの欠損や異物の付着の検査をする。検査終了後の偏光フィルムFは、そのままダンサローラ7aを経由して切断機構3に搬送案内される。
【0055】
切断機構3は、搬送されてくる偏光フィルムFを保持テーブル10により裏面から吸着保持する。このとき、制御部9は、上流のダンサローラ7aの作動させてフィルム供給部1からのフィルムFの供給動作を滞らせることなく機能するように制御している。偏光フィルムFが吸着保持されると、レーザー装置11がフィルム幅方向に水平移動しながら最下部のセパレータSを残して偏光フィルムFと保護フィルムPをハーフカット。この切断動作に連動して、エアーノズル12から切断部位に向けて温風が吹き付けられるとともに、集煙ダクト13によって切断部位から発生するガスが集煙除去される。
【0056】
偏光フィルムFの切断が終了すると、保持テーブル10の吸着を一旦解消し、所定ピッチだけ搬送方向に偏光フィルムFを繰り出し、再度偏光フィルムFを吸着保持する。そして、偏光フィルムFの後部側をレーザー装置11によってハーフカットする。この時点で、貼り合せた対象である液晶パネルWと同じまたは小さいサイズに偏光フィルムFが切断され、セパレータSに貼り合わされた帯状のまま、ダンサローラ7bおよびガイドローラgによって剥離機構4に搬送案内される。
【0057】
この偏光フィルムFが貼合せ機構5に搬送案内されるタイミングに合せるように、ピックアップ装置21は、液晶パネル供給マガジン16から最上層の液晶パネルWを吸着保持してパネル搬送装置18に移載する。液晶パネルWは、パネル搬送装置18のローラコンベアによって貼合せ機構5まで搬送される。
【0058】
図4に示すように、貼合せ機構5の直前で液晶パネルWは供給プレート22に移載され、略同時に吸着機構23によって裏面から吸着保持される。制御部9は、剥離機構4のナイフエッジ14によって反転移送されるセパレータSから剥離され、図5に示すように、上方の待機位置にある貼合せローラ26と固定された案内ローラ25との間隙に向けて偏光フィルムFの先端が送り込まれるのに連動させて、シリンダ24を作動制御して液晶パネルWを供給プレート22から案内ローラ25に送り込む。この場合、貼合せローラ26は、案内ローラ25から所定距離だけ垂直方向に離反移動して両ロール間が開放される。
【0059】
偏光フィルムFの先端が案内ローラ25に接触することなく両ローラ25,26を結ぶ略中心線Lに到達するとともに、液晶パネルWの先端が、同じく両ローラ25,26を結ぶ中心線Lに到達すると、制御部9は、図6に示すように、貼合せローラ26を案内ローラ25に向かって所定距離まで移動制御し、偏光フィルムFの先端部を液晶パネルWに押圧して貼り合せる。この場合、ナイフエッジ14の先端からせり出された偏光フィルムFはセパレータSや保護フィルムPの貼合せ時に蓄積された残留応力とセパレータSの剥離応力によって、例えば山形に撓み変形しやすいものとなっている。しかし、貼合せローラ26によって押されて水平に修正されながら液晶パネルWの上面に平行に押し付けられることになる。
【0060】
その後、液晶パネルWの搬送およびこれに同調したセパレータSの巻取り移動に伴って、帯状のセパレータSから剥離された偏光フィルムFは案内ローラ25と貼合せローラ26の間に連続供給されて液晶パネルWの上面に貼合されてゆく。
【0061】
偏光フィルムFの後端が両ローラ間を通過して所定の位置に到達したことが、例えば、貼合せローラ26または/および案内ローラ25の所定の回転量を検出するロータリーエンコーダや光学センサなどにより検出されることにより、貼合せローラ26が離反移動する。また、制御部9は、貼合せローラ26、セパレータ回収部6の巻取り駆動、および貼合せ機構5の動作と停止とも同調させ、一連の動作が滞ることなく機能するようにダンサローラ7bなどを制御している。
【0062】
偏光フィルムFの貼り合わされた液晶パネルWは、下流側のパネル搬送装置18によって次工程に搬送されてゆく。以上で、欠損などのない偏光フィルムの1回の貼合せが完了する。
【0063】
次に、上記貼合せ処理において、検査装置2で偏光フィルムFに欠損または異物の付着が検出された場合の手順について説明する。
【0064】
検査装置2において偏光フィルムFに欠損などの欠点部分が検出されると、制御部9に備わった演算処理部は、取得した画像データからその欠点部分の位置座標を算出し、この位置座標に基づいて、この欠点部分が液晶パネルWと貼り合わされることなく、ダミー基板DWと貼り合わされるようにする。つまり、欠損などの欠点部分を検出した時点の偏光フィルムFの位置から貼合せ機構5までの距離が予め分かっているので、制御部9は偏光フィルムFを繰り出す駆動機構の回転量をエンコーダにより計数するとともに、この偏光フィルムFが貼合せ機構5に到達する時点を演算により求め、その演算結果に基づいてダミー基板供給部20からダミー基板DWをパネル搬送装置18に移載する。欠点部分を有する偏光フィルムFとダミー基板DWとが貼合せ機構5に到達すると、良品の偏光フィルムFと同様の動作により貼り合せ処理がされ、その後に下流側のパネル搬送装置18によって搬送される。このとき、欠点部分を有する偏光フィルム付きダミー基板DWは、分岐点で良品とは異なる方向に搬送されて回収される。以上で、ダミー基板DWにより1回の貼合せ手順が完了する。
【0065】
なお、欠点部分を有する偏光フィルムFを効率よく切断除去するために、次のように実施してもよい。液晶パネルWに貼り合せる偏光フィルムFのサイズが縦Yが476mm、横Hが836mmであり、このサイズで連続してハーフカットできない場合、検査装置2で取得した画像データから欠点部分の位置座標を求め、その位置から予め決めた切落し幅(本実施例では、100mm)の後部切断位置を求める。そして、その切断位置から次に偏光フィルムFを良品として確保できる距離内(836mm)に欠点部分がないかどうか検査する。
【0066】
つまり、図7のA部分に示すように、欠点部分X1から切断位置X2までの切落し幅をとった後、その切断位置X2から偏光フィルムFの1枚分の良品長さを確保できれば、その終端位置X3でハーフカットする。
【0067】
また、図7のBの部分のように欠点部分X4,X5,X6と連続し、この連続長さが液晶パネルWと同じサイズのダミー基板DWを超えるような場合、切断位置X3から次の切断位置X7までの距離内でダミー基板DWのサイズに収まる長さに分割する。
【0068】
上述のように、一方面に保護フィルムP、他方面にセパレータSの添設された帯状の偏光フィルムFを貼合せ機構5に搬送案内する過程でセパレータSを残して保護フィルムPと偏光フィルムFをレーザー装置11によりハーフカットすることにより、セパレータS上に液晶パネルWと同じまたは小さいサイズの偏光フィルムFを連続して供給することができる。そして、貼合せ機構5の直前で剥離機構4のナイフエッジ14によりセパレータSを反転移送しながら剥離することにより、偏光フィルムFを貼合せ機構5に送り込んで液晶パネルWを貼り合せることができる。
【0069】
すなわち、偏光フィルムFを帯状のまま供給しつつ、液晶パネルWと略同形状の偏光フィルムFを自動で液晶パネルWに貼り合せることができる。このとき、偏光フィルムFは、液晶パネルWとの貼り合わされる直前まで両面がセパレータSを保護フィルムPとによって覆われているので、表面および裏面への塵埃などの付着を防止できる。また、偏光フィルム貼合せ後においても、その表面には、保護フィルムPが添設されているので、塵埃の付着がない。
【0070】
また、レーザー装置11で偏光フィルムFと保護フィルムPを切断するときに、その切断部位に温風を吹き付けるとともに、切断時に発生するガスを集煙ダクト13で集煙除去するので、ガスが冷却されて液化したものが切断部位周辺に付着することがない。すなわち、異物の付着のない良品な偏光フィルム付きの液晶パネルWを供給することができる。
【0071】
次に、上記実施例装置を利用して、偏光フィルムFをレーザー装置11でハーフカットするときに、その切断部位に温風を吹き付けるとともに、発生するガスを集煙除去した場合の具体例について説明する。
【0072】
表1に示すように、この具体例1では、偏光フィルムFの切断部位にエアーノズル12から60℃の温風を吹き付けるとともに、発生するガスを集煙ダクト13で集煙除去した。
【0073】
具体例2は、常温のまま、レーザー装置11でハーフカットを行った。具体例3は、常温で発生するガスの集煙除去を行った。具体例4は、室温を25℃の一定に保ち、室温と同じ25℃の風を吹き付けながら集煙除去を行った。
【0074】
【表1】
【0075】
その結果、表1に示すように、この具体例1では、切断部位周辺には、一切の異物の付着がみられなかった。しかしながら、具体例2〜4は、切断部位に沿ってその両端に所定幅で帯状に異物が付着が確認された。その異物の付着幅は、具体例2で9mm、具体例3で8mm、および具体例4で2mmであった。すなわち、いずれも切断部位に温風を吹き付けない場合は、切断部位の両端に異物の付着が確認された。
【0076】
以上の結果から、レーザー装置11で偏光フィルムFの切断を行うとき、切断部位に温風を吹き付けることによりその周辺領域が温められ、発生するガスが冷却されて液化するのを防止できることが分かった。
【0077】
本発明は、以下のように変形した形態で実施することもできる。
【0078】
(1)上記実施例の検査装置2は、偏光フィルムを挟んだ上下に光源と受光部であるラインセンサを対向配備し、その間を通過する偏光フィルムFを透過した光強度の変化に応じて欠損や異物を検出するように構成してもよい。
【0079】
また、図8に示すように、検査装置に搬送される前に、剥離ローラ29で偏光フィルムFからセパレータSを剥離し、検査終了後にセパレータを巻き上げた原反ロール30から新たなセパレータS2を供給し、偏光フィルムFの裏面側に貼合せローラ31で押圧して貼り合わせてもよい。
【0080】
この構成によれば、上述のような光学系の検査装置2を利用する場合、セパレータSの配向角のバラツキや、反射光の影響による検査阻害要因を除去し、高精度で欠損などの欠点部分を検出することができる。なお、セパレータS剥離後の偏光フィルムFに、剥離したセパレータSを貼り合せるように構成してもよい。
【0081】
次に、図8に示す変形例装置を利用して、偏光フィルムFからセパレータSを剥離して検査した場合と、セパレータ付きの偏光フィルムFについて検査した場合の具体例について説明する。
【0082】
検査条件は、次の通りである。保護フィルムP、偏光フィルムF、セパレータSの積層フィルムに日東電工株式会社製のT−VEGQ1724DU ARC150T−ACを使用した。この積層フィルムの原反幅は、1500mmである。また、検査装置2として分解能30μmのラインセンサカメラを使用し、検査部位に照射する照明としてハロゲンランプを使用する。さらに、フィルム搬送速度を50m/minに設定した。
【0083】
以上の検査条件に基づいて、偏光フィルムFなどの表面に付着した異物と、光学的ひずみを発生させる異物をかみ込んだ打痕状のひねった特殊形状の欠点であるクニックのそれぞれについて検出した。このときの検出条件は、セパレータSを剥離および添設したいずれの場合において、560mm×600mmの範囲を単位として、単位領域内の100μm以上のものを検出対象とした。
【0084】
セパレータを剥離した場合、原反幅内で単位領域を10000箇所選択して検査した結果、560個の異物の付着を検出することができた。
【0085】
これに対して、セパレータ付きの場合、同条件で400個の異物の付着を検出することができた。
【0086】
したがって、セパレータSを剥離して検査した場合の平均検出個数を検出率100%とした場合、セパレータ付きの検出率は、(400/560)×100=71.4%となった。
【0087】
同様に、クニックについて検出した結果、セパレータを剥離した場合380個が検出され、セパレータ付きの場合に354個が検出された。したがって、セパレータSの剥離時の検出結果を100%とした場合にセパレータ付では、クニックの検出率が93.2%となった。
【0088】
上記結果が図9に示されている。すなわち、この変形例装置を利用し、偏光フィルムFからセパレータSを一旦剥離して検査することにより、異物やクニックの検出制度を向上させられる。したがって、高品位な偏光フィルムFを液晶ガラスWに貼り合せることができる。
【0089】
(2)上記実施例では、欠点部分を含む偏光フィルムFは、ダミー基板DWに貼り合わせて回収していたが、帯状のセパレータに貼り合わせて巻取り回収するように構成してもよい。
【0090】
例えば、図10に示すように、貼合せ機構5の案内ローラ25を昇降駆動可能に構成し、貼り合せ空間を広く開放するように構成する。また、その斜め下方にセパレータ供給部32の原反ロール33からセパレータ回収部34の回収ボビン35に巻き掛けられたセパレータS3を貼合せローラ26と対向する偏光フィルムFとの貼合せ位置に案内する第2案内ローラ36を備える。
【0091】
すなわち、欠点部分を有する偏光フィルムFが貼合せ機構5に搬送されてくると、図11に示すように、案内ローラ25を降下させて開放空間を広げ、図12に示すように、案内ローラ25の貼合せ作用位置に第2案内ローラ36を上昇させる。第2案内ローラ36および欠点部分を有する偏光フィルムFが貼合せ作用位置に達すると、図13に示すように、貼合せローラ26を作用位置に降下させてセパレータS3に偏光フィルムFを押圧して貼り合わせる。この動作に同調して、両セパレータ回収部6,34がそれぞれのセパレータS,S3を巻取り回収する。
【0092】
偏光フィルムFの貼り合せが終了すると、第2案内ローラ36は降下して待機位置に復帰するとともに、案内ローラ25は上昇して作用位置に復帰する。
【0093】
(3)上記実施例では、液晶パネルWの先端を案内ローラ25に送り込むのに供給プレート22を利用していたが、制度よく液晶パネルWを案内ローラ25に送り込める構成であれば特に限定はされない。例えば、ローラコンベアから直接に案内ローラ25に向けて液晶パネルWを搬送案内する構成であってもよい。
【0094】
(4)上記実施例では、偏光フィルムFの幅方向にレーザーを走行させるとき、切断部位に対してレーザーの光軸が垂直になるよう設定していたが、次のように構成してもよい。
【0095】
図14に示すように、レーザー装置11から出力されるレーザーの走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸Rが傾斜するようにレーザー装置11を傾斜姿勢で配備する。このときのレーザー装置11の設置角は、偏光フィルムFの切断部位に垂直な基準軸Lとレーザーの光軸Rとのなす角θが10〜45°の範囲内に設定される。なお、より好ましい設置角θは、20〜45°であり、さらに好ましくは30〜45°である。
【0096】
このように、設置角θが設定範囲内の場合、図14および図15に示すように、偏光フィルムFおよび保護フィルムPを切断するときに発生する煙が切断部位からレーザーの走行方向と反対の後方斜め上方に流れてゆく。したがって、保護フィルムPの切断部位から周辺表面にかけて、煙に起因する異物の付着による汚染は生じない。
【0097】
これに対して、設置角θが10°未満、例えば図16に示す0°の場合、切断時に発生する煙が保護フィルムPの表面に沿ってレーザーの走行方向の後方へと流れてゆくので、保護フィルムPの表面を煙が覆い異物が付着し、汚染度合いが増大する傾向にある。また、レーザーの走行方向の後方から切断部位に向けてレーザーの光軸Rが傾斜するようにレーザー装置11を傾斜姿勢にしてレーザーを照射した場合、図16と同様に切断時に発生る煙が保護フィルムFの表面に沿って流れてゆく。したがって、同様の汚染傾向がある。さらに、設置角θが45°を越えると、保護フィルムPおよび偏光フィルムFに対するレーザーの入射角が過渡に小さくなり、切断加工精度が低下する。
【0098】
次に、当該実施例装置のレーザー装置11の設置角θを6通りに設定し、保護フィルムPと偏光フィルムFをハーフカットしたときの具体例について説明する。このときのレーザー装置11の切断条件は、いずれも同一でありレーザー装置11に炭酸ガスレーザーを利用し、そのレーザー波長を10.6μm、スポット径を150μm、切断速度を24m/min、およびレーザーのパワーを32Wに設定した。また、具体例5から11のレーザー装置の設置角度θを0°、10°、15°、20°、30°、40°、45°に設定した。
【0099】
【表2】
【0100】
切断加工後の各保護フィルムPについて表面の汚染具合を観察した。その結果、切断部位に沿って付着している異物の幅(レーザー走行方向の前後)は、具体例6では0.9mmであり、具体例7から11の順に角度θが大きくなるにつれて、その付着幅が低減している。特に、具体例10および11では、異物の付着が一切なかった。
【0101】
これに対して、具体例5は、異物の付着幅が1.65mmと、他の具体例6から11に比べて汚染度合いが2倍近くまで上がっていることが分かる。
【0102】
以上のように、レーザー装置の走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸Rが傾斜するようにレーザー装置を傾斜姿勢で配備することにより、切断時に発生する煙に起因して切断部位周辺に異物が付着するの抑制することができる。
【0103】
なお、レーザーとしては、炭酸レーザー以外にその用途に応じて適宜選択することができる。例えば、YAGレーザー、UVレーザーなどが挙げられる。
【0104】
(5)上記各実施例では、偏光フィルムFの一方面に保護フィルムPが添設され、多方面にセパレータSが添設されたものを利用していたが、保護フィルムPを有さずにセパレータSのみが添設された偏光フィルムFを利用してもよい。この偏光フィルムFを利用する場合、図3−6および図10−16に示される保護フィルムPの構成を削除すれば、上記実施例装置を利用して偏光フィルムFと液晶パネルWとの貼合せを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】光学部材貼合せ装置の全体側面図である。
【図2】パネル搬送装置の全体平面図である。
【図3】切断機構の概略側面図である。
【図4】剥離機構および貼合せ機構の概略側面図である。
【図5】偏光フィルム貼合せ動作を説明する図である。
【図6】偏光フィルム貼合せ動作を説明する図である。
【図7】偏光フィルムの切断位置の決定動作を示す図である。
【図8】変形例装置の検査装置の概略側面図である。
【図9】検査装置により得られた検査結果を示す図である。
【図10】変形例装置の貼合せ機構の概略側面図である。
【図11】変形例装置の欠点部分の回収動作を示す図である。
【図12】変形例装置の欠点部分の回収動作を示す図である。
【図13】変形例装置の欠点部分の回収動作を示す図である。
【図14】変形例装置の要部構成を示す側面図である。
【図15】変形例装置によるレーザー切断状態を説明する平面図である。
【図16】比較例装置によるレーザー切断状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0106】
1 … フィルム供給部
2 … 検査装置
3 … 切断機構
4 … 剥離機構
5 … 貼合せ機構
11 … レーザー装置
12 … エアーノズル
13 … 集煙ダクト
14 … ナイフエッジ
18 … パネル搬送装置
22 … 供給プレート
25 … 案内ローラ
26 … 貼合せローラ
F … 偏光フィルム
P … 保護フィルム
W … 液晶パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルなどの枚葉体に偏光フィルム、輝度向上フィルム、および位相差フィルムなどの光学部材を自動で高速かつ精度よく貼り合わせるように構成した光学部材貼合せ方法およびそれを用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学部材と枚葉体である基板との貼り合せとしては、次にようにして行われている。所定ピッチで複数枚の基板を連続的に搬送するとともに、原反ロールから繰り出す過程で保護膜の剥離された感光性樹脂層とベースフィルムからなる帯状の感光性積層フィルムを供給し、基板と感光性積層フィルムを一対のヒートローラの間隙に送り込んで熱圧着する。その後に感光性積層フィルムの貼り合わされた基板は冷却され、基板搬送方向の前後の端面に沿って先端が先鋭なカッタ刃などの切断手段で感圧性樹脂層のみが切断(ハーフカット)され、帯状に連続するベースフィルムは基板から剥離回収され、感圧性樹脂の積層された基板は次工程に搬送されてゆく(特許文献1参照)。
【0003】
次工程では、外観検査を得て良品判定された切断処理後の基板の端面処理が施され、その後に基板ごとにパッケージされて別ラインに搬送される。この別ラインで偏光フィルムなどの光学部材が基板に貼り合わされる。
【特許文献1】特開平7−157186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来装置においては、感光性樹脂層の転写された基板への光学部材の貼り合わせが別工程で行われているので、作業が煩雑になるとともに、加工処理に時間がかかるといった問題がある。また、基板サイズに合せるために切断手段を端面に触させて感光性樹脂層を切断するが、その接触端面の後処理の工程が必要となる。さらに、従来装置に適用させる基板の場合、感光性樹脂層が露出した状態で次工程まで搬送されるとともに取り扱いがされるので、特にその表面に塵埃が付着し品質不良を発生させるといった問題もある。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、枚葉体への光学部材の貼り合わせを自動で効率よく、かつ、精度よく行うことのできる光学部材貼合せ方法およびそれを用いた装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ方法において、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材からセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断した後、該光学部材からセパレータを剥離し、露出面を前記枚葉体に貼り合わせる
ことを特徴とする。
【0007】
(作用・効果) この方法発明によれば、セパレータを残して光学部材を切断するので、帯状のセパレータ上に連続する枚葉形状となった光学部材を枚葉体との貼り合せ位置にそのまま搬送供給することができる。つまり、貼合せ位置でセパレータから光学部材を剥離して光学部材に貼り合せることにより、自動で連続的に貼合せ加工が可能となる。したがって、貼り合わせ対象の枚葉体形状に合せて打抜いた光学部材を作成する必要がないので、光学部材を独立した貼合せ工程に搬送する必要もない。その結果、貼合せ加工処理時間を大幅に短縮することができる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記光学部材は、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されており、帯状の光学部材からセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する
ことを特徴とする。
【0009】
(作用・効果) この方法発明によれば、セパレータを残して保護フィルムと光学部材を切断するので、帯状のセパレータ上に連続する枚葉形状となった光学部材を枚葉体との貼り合せ位置にそのまま搬送供給することができる。つまり、貼合せ位置でセパレータから光学部材を剥離して光学部材に貼り合せることにより、自動で連続的に貼合せ加工が可能となる。したがって、貼り合わせ対象の枚葉体形状に合せて打抜いた光学部材を作成する必要がないので、光学部材を独立した貼合せ工程に搬送する必要もない。その結果、貼合せ加工処理時間を大幅に短縮することができる。
【0010】
また、最終加工工程に搬送されるまで、保護フィルムが光学部材に添設されているので、光学部材の表面に直接に塵埃が付着することもない。すなわち、塵埃付着による不良を低減するとともに、高品質を維持することができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1または2の発明において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、レーザーにより行う
ことを特徴とする。
【0012】
(作用・効果) この方法発明によれば、カッタ刃のような切断手段を利用して光学部材を切断したときに生じる切屑などが発生しない。つまり、切屑などの付着を防止できる。また、カッタ刃を押し付けて切断するときに光学部材に押圧力が加わらないので、切断端面の割れなどを防止でき、切断端面の後処理(カット処理)が不要となる。
【0013】
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記レーザーによる前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、当該レーザーの走行方向の前方から後方かけてレーザーの光軸を傾けた状態で行う
ことを特徴とする。
【0014】
(作用・効果) レーザーを照射して保護フィルムや光学部材を切断すると、熱分解によって光学部材などが気化し、爆発に似た現象が起こる。このときに煙が拡散する。例えば、光学部材などに対して垂直方向からレーザーを照射した場合、煙は光学部材などの表面に沿って拡散し、光学部材などの表面を汚染する。
【0015】
そこで、光学部材などの煙による汚染を抑制させるため、当該発明者等は切断実験を繰り返し行って鋭意検討した結果、以下の知見を得ることができた。
【0016】
光学部材の切断部位に対して垂直方向およびレーザーの走行方向の後方から前方にかけてレーザーの光軸を傾けた状態で切断した場合、いずれの条件でも光学部材などの汚染を抑制することができない。しかしながら、上記第4の発明のように、レーザーの走行方向の前方から後方にかけてレーザーの光軸を傾けた状態で行うことにより、発生する煙に起因する光学部材などの汚染を低減できた。具体的には、当該方法による切断時に発生する煙は、切断部位から後方斜め上方へと流れ、光学部材などを覆いながら表面に沿って流れることはなかった。
【0017】
なお、レーザーの光軸の傾斜角は、光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内であることが好ましい(請求項5)。この角度の範囲内であれば、第4の方法発明を好適に実現できる。
【0018】
第6の発明は、上記第3ないし5の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断する過程で、前記切断部位に向けて温風を吹き付けるとともに、切断時に発生するガスを集煙除去する
ことを特徴とする。
【0019】
(作用・効果) この方法発明によれば、切断部位に吹き付けられる温風により、その周辺の温度が上げられる。同時に光学部材または保護フィルムと光学部材をレーザーで切断するときに発生するガスが温風によって搬送され集煙除去される。その結果、切断部位およびその周辺に異物が付着するのを防止できる。このことは、本発明者たちが切断部位に付着する異物の発生原因を鋭意検討した結果、切断時に生じるガス(煙)の冷却されたものが異物として付着していることの知見を得たことに基づく。
【0020】
つまり、レーザー照射時の熱により光学部材または保護フィルムと光学部材の蒸発したものが煙となる。しかしながら、枚葉体を保持している部材が金属などのように常温で冷たい物質である場合、その煙が周辺部材の影響により冷却されて液化し、切断部位周辺に再付着して品質に悪影響を与えるとする知見を得た。
【0021】
第7の発明は、上記第1ないし第6の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断前に、光学部材の欠損を検査する過程を備え、
前記検査過程に搬送される光学部材は、検査前にセパレータが剥離され、検査終了後に再びセパレータが貼り合わされる
ことを特徴とする。
【0022】
(作用・効果) この方法発明によれば、切断前に検査工程で光学部材の欠損が見つけられる。したがって、欠損部分が枚葉体に貼り合わされないように調整することが可能となる。また、検査工程において例えば光学系を利用する場合、光学部材自体のもつ配向角のバラツキ以外にセパレータのもつ配向角のバラツキやセパレータからの反射光などの影響により、光学部材の欠損を精度よく検出することができないことがある。そこで、検査工程前にセパレータを剥離しておくことにより、セパレータによる検査阻害要件を除去した高精度の検査結果を得ることができる。
【0023】
なお、上記発明における光学部材として、例えば、フィルム、液晶パネル用の偏光フィルムおよび輝度向上フィルムなどが挙げられる。また、枚葉体としては、例えば液晶パネルが挙げられる。つまり、薄くて撓みやすい部材であっても、帯状のまま所定のテンションがかけられた状態で取り扱われるので、皺や空気の巻込みを抑えた状態で枚葉体に貼り合せることができる。
【0024】
第12の発明は、枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ装置おいて、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材を供給する光学部材供給手段と、
供給される前記光学部材のうちセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する切断手段と、
前記セパレータをナイフエッジで反転移送して切断後の光学部材を剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後の光学部材との貼り合わせ位置に前記枚葉体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されてくる枚葉体に前記光学部材の露出面を貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0025】
(作用・効果) この構成によれば、光学部材供給手段から帯状で供給される光学部材のうち、セパレータを残して光学部材が切断手段によって切断される。したがって、枚葉体に貼り合せる枚葉状の光学部材を帯状のセパレータを介して貼合せ位置に連続的に供給搬送し、自動で複数枚の枚葉体に光学部材を連続的に貼り合せることができる。したがって、上記方法発明を好適に実現することができる。
【0026】
なお、光学部材は、例えば、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されていてもよい。この場合、切断手段は、供給される光学部材のうちセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断するよう構成すればよい(請求項13)。
【0027】
切断手段としは、レーザー装置であることが好ましい(請求項14)。この構成によれば、カッタ刃のような切断手段を利用して光学部材を切断したときに生じる切屑などが発生しない。つまり、切屑などの付着を防止できる。また、カッタ刃を押し付けて切断するときに光学部材に押圧力が加わらないので、切断端面の割れなどを防止でき、切断端面の後処理(カット処理)が不要となる。
【0028】
また、当該レーザー装置は、レーザーの走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸が傾斜して照射するように傾斜姿勢で配備することが好ましく(請求項15)、その設置角は、前記光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内である(請求項16)。この構成によれば、第4または第5の方法発明を好適に実現できる。
【0029】
第17の発明は、上記第14ないし16の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を前記レーザー装置で切断する過程で切断部位に向けて温風を吹き付ける送風手段と、
切断時に切断部位から発生するガスを除去する集煙除去手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0030】
(作用・効果) この構成によれば、レーザー装置で光学部材を切断するときの切断部位に向けて送風手段から温風が吹き付けられるので、切断部位から発生する煙が冷却されない。また、発生したガスは、集煙除去手段により除去されるので、光学部材の表面に再付着することがない。すなわち、上記第6の方法発明を好適に実現することができる。
【0031】
第18の発明は、上記第12ないし17の発明のいずれかにおいて、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断手段により切断する前に、光学部材からセパレータを剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後に光学部材の欠損を検査する検査手段と、
前記検査手段による検査終了後に光学部材の露出面にセパレータを貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0032】
(作用・効果) この構成によれば、光学部材の欠損を検査手段で検査する前に、光学部材からセパレータが剥離手段により剥離されるので、セパレータが有する検査阻害要因である配向角のバラツキや反射光などを除去した状態で光学部材の検査ができる。また、検査終了後に光学部材はセパレータに再度貼り合わされるので、切断手段により切断された枚葉状の光学部材を帯状のセパレータを介して貼合せ手段に連続して供給することができる。すなわち、上記第7の方法発明を好適に実現することができる。
【発明の効果】
【0033】
この本発に係る光学部材貼合せ方法およびそれを用いた装置によれば、光学部材の切断から、切断後の光学部材と枚葉体との貼り合わせを自動で効率よく、かつ、精度よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。なお、本発明において、光学部材は、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどの可撓性を有する帯状の機能フィルムであれば特に限定されるものではなく、本実施の形態では、偏光フィルムを用いた場合を例に採って説明する。また、本発明の枚葉体は、偏光フィルム、位相差フィルム、および輝度向上フィルムなどの機能フィルム、偏光板、および液晶パネルなどあれば特に限定されるものではなく、本実施の形態では液晶パネルを例に採って説明する。
【0035】
なお、本発明のセパレータおよび保護フィルムは、いずれも表面損傷の防止などのために光学部材や偏光フィルムを被覆保護するものである。ここで、セパレータは、光学部材に添設された粘着剤との接着界面から剥離除去されるものであるのに対し、保護フィルムは粘着剤とともに光学部材から剥離除去されるものである。
【0036】
図1は、本発明に係る光学部材貼合せ方法を行う光学部材貼合せ装置の概略構成が示されている。
【0037】
この実施例装置は、図1および図2に示すように、帯状の偏光フィルムFを液晶パネルWと貼り合せる貼合せ機構5まで搬送するとともに、液晶パネルFを貼合せ機構5まで別経路で搬送するように構成されている。
【0038】
偏光フィルムFの搬送経路には、図1示すように、一方面に保護フィルムPが添設され他方面にセパレータSの添設された偏光フィルムFを繰り出し供給するフィルム供給部1と、偏光フィルムFの外観検査をする検査装置2と、偏光フィルムFを搬送方向に所定長さに切断する切断機構3と、搬送経路の終端にはセパレータSから偏光フィルムFを剥離して貼合せ機構5に偏光フィルムFの先端を導く剥離機構4と、剥離後のセパレータSを巻取り回収するセパレータ回収部6とを備えるとともに、各機構間にガイドローラgおよびダンサローラ7a,7bが配備されて構成されている。なお、フィルム供給部1は本発明の光学部材供給手段に、検査装置2は検査手段に、切断機構3は切断手段に、剥離機構4は剥離手段に、貼合せ機構5は貼合せ手段それぞれ相当する。
【0039】
フィルム供給部1は、幅広の偏光フィルムFの原反ロール8を所定寸法幅にスリットした帯状のものをロール状態で装填している。
【0040】
検査装置2は、偏光フィルムFの欠損やその表面または内部に付着または存在する異物などの欠陥を検出するためのものであり、本実施例では、光学系であるCCDカメラを利用している。CCDカメラは、偏光フィルムFの上方に配備されており、下方を通過する偏光フィルムFを連続的または間欠的に撮像する。この撮像結果がデジタル信号に変換されて後述する制御部9に送信される。そして、制御部9内の演算処理部が検査対象と同じ基準サンプルから取得した基準画像とのマッチング処理を行い、偏光フィルムFの欠損や付着している異物の検出する。
【0041】
切断機構3は、偏光フィルムFを裏面から吸着保持する保持テーブル10とレーザー装置11を偏光フィルムFの上方に備え、偏光フィルムFの幅方向にレーザーを走査させるように水平移動し、下方を通過する偏光フィルムFのうち最下部のセパレータSを残して偏光フィルムFと保護フィルムPをその搬送方向に所定ピッチで切断(以下、適宜「ハーフカット」という)する。また、このレーザー装置11は、図3に示すように、偏光フィルムFの幅方向から挟むようにして、切断部位に向けて温風を吹き付けるエアーノズル12と、この温風により搬送される切断部位から発生したガス(煙)を集煙する集煙ダクト13とが対向し状態で一体構成されている。なお、エアーノズル12は、本発明の送風手段に、集煙ダクト13は集煙除去手段にそれぞれ相当する。
【0042】
剥離機構4は、先端が先鋭なナイフエッジ14を有し、このナイフエッジ14に偏光フィルムFを巻き掛けて反転移送することにより、セパレータSから偏光フィルムFを剥離しつつ前方の貼合せ機構5に偏光フィルムFを送り込むように構成されている。同時に剥離後のセパレータSは、セパレータ回収部6の回収ボビン15巻取り回収される。
【0043】
別経路で搬送される液晶パネルWは、図1および図2に示すように、幅広の基板から所定寸法に裁断された枚葉状態で液晶パネル供給マガジン16に積層収納されて液晶パネル供給部17に装填されている。また、液晶パネルWを移載して搬送するパネル搬送装置18を挟んで液晶パネル供給マガジン16と対向して液晶パネルWのダミー基板DWがダミー供給マガジン19に積層収納されて装填されたダミー基板供給部20が配備されている。
【0044】
液晶パネル供給部17およびダミー基板供給部20の各上方には、昇降および水平往復移動可能な真空吸着式のピックアップ装置21が配備されており、各供給マガジン16,19に積層収容された液晶パネルWまたはダミー基板DWが最上層のものから順に1枚づつピックアップ装置21で吸着保持されて取り出されるように構成されている。
【0045】
液晶パネルWを吸着保持したピックアップ装置21は上昇して前進移動し、貼合せ機構5と液晶パネル供給部17との間に配備されたパネル搬送装置18に液晶パネルWを移載するよう構成されている。なお、液晶パネルWの取り出しに伴って液晶パネル供給マガジン16は上昇制御される。
【0046】
同様に、ダミー基板DWを吸着保持してピックアップ装置21は上昇して前進移動し、貼り合せ機構5とダミー基板供給部20との間に配備されたパネル搬送装置18にダミー基板DWを移載するよう構成されている。なお、ダミー基板DWの取り出しに伴ってダミー基板供給マガジン19は上昇制御される。
【0047】
パネル搬送装置18は、液晶パネルWまたはダミー基板DWを貼合せ機構5まで搬送する上流側の搬送経路と、貼合せ機構5以降で貼合せ処理後の液晶パネルWを搬送する下流側の搬送経路とから構成されている。上流側の搬送経路は、切断機構3によってハーフカットされた偏光フィルムFが貼合せ機構5に搬送されるまでの搬送経路の下方で重なり合うように配備されている。下流側の搬送経路は、液晶パネルWとダミー基板DWの振分をするように搬送経路が分岐されている。このパネル搬送装置18は、上流側および下流側ともにローラコンベアによって構成されている。
【0048】
貼合せ機構5の直前には、図2および図4に示すように、供給プレート22が配備されている。供給プレート22は、上面に液晶パネルWが移載されるとその中央に形成された方形状の開口を介して搬送方向の前後にスライド移動可能に配備した吸着機構23によって液晶パネルWを吸着し、適度の吸着力で供給プレート22上面に液晶パネルWを密着支持する。その後に、吸着機構23の下部に連接されたシリンダ24の伸縮による所定ストロークでのスライド移動により液晶パネルWが供給プレート22の上面に沿って前方に送り出す。
【0049】
また、吸着機構23の所定ストロークでの前進移動でナイフエッジ14の先端からせり出された液晶パネルWを貼合せ位置に送り込むことができるようになっている。この場合、供給プレート22の上面が貼合せ機構5の案内ローラ25の上端よりも適当な寸法だけ高くなるよう設定されている。この貼合せ位置に送り込むための吸着機構23をスライド移動させるシリンダ24のストロークと、供給プレート22の上面の高さとは、液晶パネルWの寸法(厚みも含む)、形状、および材質などに応じて適宜に設定される。
【0050】
貼合せ機構5は、案内ローラ25と貼合せローラ26とから構成されている。案内ローラ25は、モータ駆動されるゴムローラで構成され、その直上方にはモータ駆動される金属ローラからなる貼合せローラ26が昇降可能に配備されており、供給プレート22が前進移動して液晶パネルWを貼合せ位置に送り込む際には貼合せローラ26は供給プレート21の上面より高い位置まで上昇されてローラ間隔を開けるようになっている。なお、案内ローラ25および貼合せローラ26は、いずれもゴムローラであってもよいし金属ローラであってもよい。
【0051】
制御部9は、本実施例装置の駆動機構を総括的に制御している。具体的な制御については、後述する本実施例装置の動作説明で詳述する。
【0052】
本発明に係る光学部材貼合せ装置の主要部の構成および機能は以上のようであり、以下、この装置を用いて液晶パネルWに偏光フィルムFを貼合せる手順を図1〜図7に基づいて説明する。
【0053】
図1に示すように、フィルム供給部1に装填された原反ロール8から帯状の偏光フィルムFが繰り出され、ガイドロールgによって検査装置2に搬送案内される。検査装置2は、偏光フィルムFの画像を撮像してデジタル信号化された画像データを制御部9に送信する。
【0054】
制御部9は、受信した画像データと予め取得した基準画像データのマッチング処理により偏光フィルムFの欠損や異物の付着の検査をする。検査終了後の偏光フィルムFは、そのままダンサローラ7aを経由して切断機構3に搬送案内される。
【0055】
切断機構3は、搬送されてくる偏光フィルムFを保持テーブル10により裏面から吸着保持する。このとき、制御部9は、上流のダンサローラ7aの作動させてフィルム供給部1からのフィルムFの供給動作を滞らせることなく機能するように制御している。偏光フィルムFが吸着保持されると、レーザー装置11がフィルム幅方向に水平移動しながら最下部のセパレータSを残して偏光フィルムFと保護フィルムPをハーフカット。この切断動作に連動して、エアーノズル12から切断部位に向けて温風が吹き付けられるとともに、集煙ダクト13によって切断部位から発生するガスが集煙除去される。
【0056】
偏光フィルムFの切断が終了すると、保持テーブル10の吸着を一旦解消し、所定ピッチだけ搬送方向に偏光フィルムFを繰り出し、再度偏光フィルムFを吸着保持する。そして、偏光フィルムFの後部側をレーザー装置11によってハーフカットする。この時点で、貼り合せた対象である液晶パネルWと同じまたは小さいサイズに偏光フィルムFが切断され、セパレータSに貼り合わされた帯状のまま、ダンサローラ7bおよびガイドローラgによって剥離機構4に搬送案内される。
【0057】
この偏光フィルムFが貼合せ機構5に搬送案内されるタイミングに合せるように、ピックアップ装置21は、液晶パネル供給マガジン16から最上層の液晶パネルWを吸着保持してパネル搬送装置18に移載する。液晶パネルWは、パネル搬送装置18のローラコンベアによって貼合せ機構5まで搬送される。
【0058】
図4に示すように、貼合せ機構5の直前で液晶パネルWは供給プレート22に移載され、略同時に吸着機構23によって裏面から吸着保持される。制御部9は、剥離機構4のナイフエッジ14によって反転移送されるセパレータSから剥離され、図5に示すように、上方の待機位置にある貼合せローラ26と固定された案内ローラ25との間隙に向けて偏光フィルムFの先端が送り込まれるのに連動させて、シリンダ24を作動制御して液晶パネルWを供給プレート22から案内ローラ25に送り込む。この場合、貼合せローラ26は、案内ローラ25から所定距離だけ垂直方向に離反移動して両ロール間が開放される。
【0059】
偏光フィルムFの先端が案内ローラ25に接触することなく両ローラ25,26を結ぶ略中心線Lに到達するとともに、液晶パネルWの先端が、同じく両ローラ25,26を結ぶ中心線Lに到達すると、制御部9は、図6に示すように、貼合せローラ26を案内ローラ25に向かって所定距離まで移動制御し、偏光フィルムFの先端部を液晶パネルWに押圧して貼り合せる。この場合、ナイフエッジ14の先端からせり出された偏光フィルムFはセパレータSや保護フィルムPの貼合せ時に蓄積された残留応力とセパレータSの剥離応力によって、例えば山形に撓み変形しやすいものとなっている。しかし、貼合せローラ26によって押されて水平に修正されながら液晶パネルWの上面に平行に押し付けられることになる。
【0060】
その後、液晶パネルWの搬送およびこれに同調したセパレータSの巻取り移動に伴って、帯状のセパレータSから剥離された偏光フィルムFは案内ローラ25と貼合せローラ26の間に連続供給されて液晶パネルWの上面に貼合されてゆく。
【0061】
偏光フィルムFの後端が両ローラ間を通過して所定の位置に到達したことが、例えば、貼合せローラ26または/および案内ローラ25の所定の回転量を検出するロータリーエンコーダや光学センサなどにより検出されることにより、貼合せローラ26が離反移動する。また、制御部9は、貼合せローラ26、セパレータ回収部6の巻取り駆動、および貼合せ機構5の動作と停止とも同調させ、一連の動作が滞ることなく機能するようにダンサローラ7bなどを制御している。
【0062】
偏光フィルムFの貼り合わされた液晶パネルWは、下流側のパネル搬送装置18によって次工程に搬送されてゆく。以上で、欠損などのない偏光フィルムの1回の貼合せが完了する。
【0063】
次に、上記貼合せ処理において、検査装置2で偏光フィルムFに欠損または異物の付着が検出された場合の手順について説明する。
【0064】
検査装置2において偏光フィルムFに欠損などの欠点部分が検出されると、制御部9に備わった演算処理部は、取得した画像データからその欠点部分の位置座標を算出し、この位置座標に基づいて、この欠点部分が液晶パネルWと貼り合わされることなく、ダミー基板DWと貼り合わされるようにする。つまり、欠損などの欠点部分を検出した時点の偏光フィルムFの位置から貼合せ機構5までの距離が予め分かっているので、制御部9は偏光フィルムFを繰り出す駆動機構の回転量をエンコーダにより計数するとともに、この偏光フィルムFが貼合せ機構5に到達する時点を演算により求め、その演算結果に基づいてダミー基板供給部20からダミー基板DWをパネル搬送装置18に移載する。欠点部分を有する偏光フィルムFとダミー基板DWとが貼合せ機構5に到達すると、良品の偏光フィルムFと同様の動作により貼り合せ処理がされ、その後に下流側のパネル搬送装置18によって搬送される。このとき、欠点部分を有する偏光フィルム付きダミー基板DWは、分岐点で良品とは異なる方向に搬送されて回収される。以上で、ダミー基板DWにより1回の貼合せ手順が完了する。
【0065】
なお、欠点部分を有する偏光フィルムFを効率よく切断除去するために、次のように実施してもよい。液晶パネルWに貼り合せる偏光フィルムFのサイズが縦Yが476mm、横Hが836mmであり、このサイズで連続してハーフカットできない場合、検査装置2で取得した画像データから欠点部分の位置座標を求め、その位置から予め決めた切落し幅(本実施例では、100mm)の後部切断位置を求める。そして、その切断位置から次に偏光フィルムFを良品として確保できる距離内(836mm)に欠点部分がないかどうか検査する。
【0066】
つまり、図7のA部分に示すように、欠点部分X1から切断位置X2までの切落し幅をとった後、その切断位置X2から偏光フィルムFの1枚分の良品長さを確保できれば、その終端位置X3でハーフカットする。
【0067】
また、図7のBの部分のように欠点部分X4,X5,X6と連続し、この連続長さが液晶パネルWと同じサイズのダミー基板DWを超えるような場合、切断位置X3から次の切断位置X7までの距離内でダミー基板DWのサイズに収まる長さに分割する。
【0068】
上述のように、一方面に保護フィルムP、他方面にセパレータSの添設された帯状の偏光フィルムFを貼合せ機構5に搬送案内する過程でセパレータSを残して保護フィルムPと偏光フィルムFをレーザー装置11によりハーフカットすることにより、セパレータS上に液晶パネルWと同じまたは小さいサイズの偏光フィルムFを連続して供給することができる。そして、貼合せ機構5の直前で剥離機構4のナイフエッジ14によりセパレータSを反転移送しながら剥離することにより、偏光フィルムFを貼合せ機構5に送り込んで液晶パネルWを貼り合せることができる。
【0069】
すなわち、偏光フィルムFを帯状のまま供給しつつ、液晶パネルWと略同形状の偏光フィルムFを自動で液晶パネルWに貼り合せることができる。このとき、偏光フィルムFは、液晶パネルWとの貼り合わされる直前まで両面がセパレータSを保護フィルムPとによって覆われているので、表面および裏面への塵埃などの付着を防止できる。また、偏光フィルム貼合せ後においても、その表面には、保護フィルムPが添設されているので、塵埃の付着がない。
【0070】
また、レーザー装置11で偏光フィルムFと保護フィルムPを切断するときに、その切断部位に温風を吹き付けるとともに、切断時に発生するガスを集煙ダクト13で集煙除去するので、ガスが冷却されて液化したものが切断部位周辺に付着することがない。すなわち、異物の付着のない良品な偏光フィルム付きの液晶パネルWを供給することができる。
【0071】
次に、上記実施例装置を利用して、偏光フィルムFをレーザー装置11でハーフカットするときに、その切断部位に温風を吹き付けるとともに、発生するガスを集煙除去した場合の具体例について説明する。
【0072】
表1に示すように、この具体例1では、偏光フィルムFの切断部位にエアーノズル12から60℃の温風を吹き付けるとともに、発生するガスを集煙ダクト13で集煙除去した。
【0073】
具体例2は、常温のまま、レーザー装置11でハーフカットを行った。具体例3は、常温で発生するガスの集煙除去を行った。具体例4は、室温を25℃の一定に保ち、室温と同じ25℃の風を吹き付けながら集煙除去を行った。
【0074】
【表1】
【0075】
その結果、表1に示すように、この具体例1では、切断部位周辺には、一切の異物の付着がみられなかった。しかしながら、具体例2〜4は、切断部位に沿ってその両端に所定幅で帯状に異物が付着が確認された。その異物の付着幅は、具体例2で9mm、具体例3で8mm、および具体例4で2mmであった。すなわち、いずれも切断部位に温風を吹き付けない場合は、切断部位の両端に異物の付着が確認された。
【0076】
以上の結果から、レーザー装置11で偏光フィルムFの切断を行うとき、切断部位に温風を吹き付けることによりその周辺領域が温められ、発生するガスが冷却されて液化するのを防止できることが分かった。
【0077】
本発明は、以下のように変形した形態で実施することもできる。
【0078】
(1)上記実施例の検査装置2は、偏光フィルムを挟んだ上下に光源と受光部であるラインセンサを対向配備し、その間を通過する偏光フィルムFを透過した光強度の変化に応じて欠損や異物を検出するように構成してもよい。
【0079】
また、図8に示すように、検査装置に搬送される前に、剥離ローラ29で偏光フィルムFからセパレータSを剥離し、検査終了後にセパレータを巻き上げた原反ロール30から新たなセパレータS2を供給し、偏光フィルムFの裏面側に貼合せローラ31で押圧して貼り合わせてもよい。
【0080】
この構成によれば、上述のような光学系の検査装置2を利用する場合、セパレータSの配向角のバラツキや、反射光の影響による検査阻害要因を除去し、高精度で欠損などの欠点部分を検出することができる。なお、セパレータS剥離後の偏光フィルムFに、剥離したセパレータSを貼り合せるように構成してもよい。
【0081】
次に、図8に示す変形例装置を利用して、偏光フィルムFからセパレータSを剥離して検査した場合と、セパレータ付きの偏光フィルムFについて検査した場合の具体例について説明する。
【0082】
検査条件は、次の通りである。保護フィルムP、偏光フィルムF、セパレータSの積層フィルムに日東電工株式会社製のT−VEGQ1724DU ARC150T−ACを使用した。この積層フィルムの原反幅は、1500mmである。また、検査装置2として分解能30μmのラインセンサカメラを使用し、検査部位に照射する照明としてハロゲンランプを使用する。さらに、フィルム搬送速度を50m/minに設定した。
【0083】
以上の検査条件に基づいて、偏光フィルムFなどの表面に付着した異物と、光学的ひずみを発生させる異物をかみ込んだ打痕状のひねった特殊形状の欠点であるクニックのそれぞれについて検出した。このときの検出条件は、セパレータSを剥離および添設したいずれの場合において、560mm×600mmの範囲を単位として、単位領域内の100μm以上のものを検出対象とした。
【0084】
セパレータを剥離した場合、原反幅内で単位領域を10000箇所選択して検査した結果、560個の異物の付着を検出することができた。
【0085】
これに対して、セパレータ付きの場合、同条件で400個の異物の付着を検出することができた。
【0086】
したがって、セパレータSを剥離して検査した場合の平均検出個数を検出率100%とした場合、セパレータ付きの検出率は、(400/560)×100=71.4%となった。
【0087】
同様に、クニックについて検出した結果、セパレータを剥離した場合380個が検出され、セパレータ付きの場合に354個が検出された。したがって、セパレータSの剥離時の検出結果を100%とした場合にセパレータ付では、クニックの検出率が93.2%となった。
【0088】
上記結果が図9に示されている。すなわち、この変形例装置を利用し、偏光フィルムFからセパレータSを一旦剥離して検査することにより、異物やクニックの検出制度を向上させられる。したがって、高品位な偏光フィルムFを液晶ガラスWに貼り合せることができる。
【0089】
(2)上記実施例では、欠点部分を含む偏光フィルムFは、ダミー基板DWに貼り合わせて回収していたが、帯状のセパレータに貼り合わせて巻取り回収するように構成してもよい。
【0090】
例えば、図10に示すように、貼合せ機構5の案内ローラ25を昇降駆動可能に構成し、貼り合せ空間を広く開放するように構成する。また、その斜め下方にセパレータ供給部32の原反ロール33からセパレータ回収部34の回収ボビン35に巻き掛けられたセパレータS3を貼合せローラ26と対向する偏光フィルムFとの貼合せ位置に案内する第2案内ローラ36を備える。
【0091】
すなわち、欠点部分を有する偏光フィルムFが貼合せ機構5に搬送されてくると、図11に示すように、案内ローラ25を降下させて開放空間を広げ、図12に示すように、案内ローラ25の貼合せ作用位置に第2案内ローラ36を上昇させる。第2案内ローラ36および欠点部分を有する偏光フィルムFが貼合せ作用位置に達すると、図13に示すように、貼合せローラ26を作用位置に降下させてセパレータS3に偏光フィルムFを押圧して貼り合わせる。この動作に同調して、両セパレータ回収部6,34がそれぞれのセパレータS,S3を巻取り回収する。
【0092】
偏光フィルムFの貼り合せが終了すると、第2案内ローラ36は降下して待機位置に復帰するとともに、案内ローラ25は上昇して作用位置に復帰する。
【0093】
(3)上記実施例では、液晶パネルWの先端を案内ローラ25に送り込むのに供給プレート22を利用していたが、制度よく液晶パネルWを案内ローラ25に送り込める構成であれば特に限定はされない。例えば、ローラコンベアから直接に案内ローラ25に向けて液晶パネルWを搬送案内する構成であってもよい。
【0094】
(4)上記実施例では、偏光フィルムFの幅方向にレーザーを走行させるとき、切断部位に対してレーザーの光軸が垂直になるよう設定していたが、次のように構成してもよい。
【0095】
図14に示すように、レーザー装置11から出力されるレーザーの走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸Rが傾斜するようにレーザー装置11を傾斜姿勢で配備する。このときのレーザー装置11の設置角は、偏光フィルムFの切断部位に垂直な基準軸Lとレーザーの光軸Rとのなす角θが10〜45°の範囲内に設定される。なお、より好ましい設置角θは、20〜45°であり、さらに好ましくは30〜45°である。
【0096】
このように、設置角θが設定範囲内の場合、図14および図15に示すように、偏光フィルムFおよび保護フィルムPを切断するときに発生する煙が切断部位からレーザーの走行方向と反対の後方斜め上方に流れてゆく。したがって、保護フィルムPの切断部位から周辺表面にかけて、煙に起因する異物の付着による汚染は生じない。
【0097】
これに対して、設置角θが10°未満、例えば図16に示す0°の場合、切断時に発生する煙が保護フィルムPの表面に沿ってレーザーの走行方向の後方へと流れてゆくので、保護フィルムPの表面を煙が覆い異物が付着し、汚染度合いが増大する傾向にある。また、レーザーの走行方向の後方から切断部位に向けてレーザーの光軸Rが傾斜するようにレーザー装置11を傾斜姿勢にしてレーザーを照射した場合、図16と同様に切断時に発生る煙が保護フィルムFの表面に沿って流れてゆく。したがって、同様の汚染傾向がある。さらに、設置角θが45°を越えると、保護フィルムPおよび偏光フィルムFに対するレーザーの入射角が過渡に小さくなり、切断加工精度が低下する。
【0098】
次に、当該実施例装置のレーザー装置11の設置角θを6通りに設定し、保護フィルムPと偏光フィルムFをハーフカットしたときの具体例について説明する。このときのレーザー装置11の切断条件は、いずれも同一でありレーザー装置11に炭酸ガスレーザーを利用し、そのレーザー波長を10.6μm、スポット径を150μm、切断速度を24m/min、およびレーザーのパワーを32Wに設定した。また、具体例5から11のレーザー装置の設置角度θを0°、10°、15°、20°、30°、40°、45°に設定した。
【0099】
【表2】
【0100】
切断加工後の各保護フィルムPについて表面の汚染具合を観察した。その結果、切断部位に沿って付着している異物の幅(レーザー走行方向の前後)は、具体例6では0.9mmであり、具体例7から11の順に角度θが大きくなるにつれて、その付着幅が低減している。特に、具体例10および11では、異物の付着が一切なかった。
【0101】
これに対して、具体例5は、異物の付着幅が1.65mmと、他の具体例6から11に比べて汚染度合いが2倍近くまで上がっていることが分かる。
【0102】
以上のように、レーザー装置の走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸Rが傾斜するようにレーザー装置を傾斜姿勢で配備することにより、切断時に発生する煙に起因して切断部位周辺に異物が付着するの抑制することができる。
【0103】
なお、レーザーとしては、炭酸レーザー以外にその用途に応じて適宜選択することができる。例えば、YAGレーザー、UVレーザーなどが挙げられる。
【0104】
(5)上記各実施例では、偏光フィルムFの一方面に保護フィルムPが添設され、多方面にセパレータSが添設されたものを利用していたが、保護フィルムPを有さずにセパレータSのみが添設された偏光フィルムFを利用してもよい。この偏光フィルムFを利用する場合、図3−6および図10−16に示される保護フィルムPの構成を削除すれば、上記実施例装置を利用して偏光フィルムFと液晶パネルWとの貼合せを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】光学部材貼合せ装置の全体側面図である。
【図2】パネル搬送装置の全体平面図である。
【図3】切断機構の概略側面図である。
【図4】剥離機構および貼合せ機構の概略側面図である。
【図5】偏光フィルム貼合せ動作を説明する図である。
【図6】偏光フィルム貼合せ動作を説明する図である。
【図7】偏光フィルムの切断位置の決定動作を示す図である。
【図8】変形例装置の検査装置の概略側面図である。
【図9】検査装置により得られた検査結果を示す図である。
【図10】変形例装置の貼合せ機構の概略側面図である。
【図11】変形例装置の欠点部分の回収動作を示す図である。
【図12】変形例装置の欠点部分の回収動作を示す図である。
【図13】変形例装置の欠点部分の回収動作を示す図である。
【図14】変形例装置の要部構成を示す側面図である。
【図15】変形例装置によるレーザー切断状態を説明する平面図である。
【図16】比較例装置によるレーザー切断状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0106】
1 … フィルム供給部
2 … 検査装置
3 … 切断機構
4 … 剥離機構
5 … 貼合せ機構
11 … レーザー装置
12 … エアーノズル
13 … 集煙ダクト
14 … ナイフエッジ
18 … パネル搬送装置
22 … 供給プレート
25 … 案内ローラ
26 … 貼合せローラ
F … 偏光フィルム
P … 保護フィルム
W … 液晶パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ方法において、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材からセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断した後、該光学部材からセパレータを剥離し、露出面を前記枚葉体に貼り合わせる
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項2】
請求項1に記載の枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されており、帯状の光学部材からセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、レーザーにより行う
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項4】
請求項3に記載の光学部材貼合せ方法において、
前記レーザーによる前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、当該レーザーの走行方向の前方から後方かけてレーザーの光軸を傾けた状態で行う
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光学部材貼合せ方法において、
前記レーザーの光軸の傾斜角は、前記光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内である
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断する過程で、前記切断部位に向けて温風を吹き付けるとともに、切断時に発生するガスを集煙除去する
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断前に、光学部材の欠損を検査する過程を備え、
前記検査過程に搬送される光学部材は、検査前にセパレータが剥離され、検査終了後に再びセパレータが貼り合わされる
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、フィルムである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項9】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、液晶パネル用の偏光フィルムである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項10】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、液晶パネル用の輝度向上フィルムである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記枚葉体は、液晶パネルである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項12】
枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ装置おいて、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材を供給する光学部材供給手段と、
供給される前記光学部材のうちセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する切断手段と、
前記セパレータをナイフエッジで反転移送して切断後の光学部材を剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後の光学部材との貼り合わせ位置に前記枚葉体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されてくる枚葉体に前記光学部材の露出面を貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項13】
請求項12に記載の光学部材貼合せ装置おいて、
前記光学部材は、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されており、
前記切断手段は、供給される前記光学部材のうちセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断するよう構成した、
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の光学部材貼合せ装置において、
前記切断手段は、レーザー装置である
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項15】
請求項14に記載の光学部材貼合せ装置において、
前記レーザー装置は、レーザーの走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸が傾斜して照射するように傾斜姿勢で配備した
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項16】
請求項15に記載の光学部材貼合せ装置において、
前記レーザー装置の設置角は、前記光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内である
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項17】
請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の光学部材貼合せ装置において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を前記レーザー装置で切断する過程で切断部位に向けて温風を吹き付ける送風手段と、
切断時に切断部位から発生するガスを除去する集煙除去手段と、
を備えたことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項18】
請求項12ないし請求項17のいずれかに記載の光学部材貼合せ装置において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断手段により切断する前に、光学部材からセパレータを剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後に光学部材の欠損を検査する検査手段と、
前記検査手段による検査終了後に光学部材の露出面にセパレータを貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項1】
枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ方法において、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材からセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断した後、該光学部材からセパレータを剥離し、露出面を前記枚葉体に貼り合わせる
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項2】
請求項1に記載の枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されており、帯状の光学部材からセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、レーザーにより行う
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項4】
請求項3に記載の光学部材貼合せ方法において、
前記レーザーによる前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断は、当該レーザーの走行方向の前方から後方かけてレーザーの光軸を傾けた状態で行う
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光学部材貼合せ方法において、
前記レーザーの光軸の傾斜角は、前記光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内である
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断する過程で、前記切断部位に向けて温風を吹き付けるとともに、切断時に発生するガスを集煙除去する
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材の切断前に、光学部材の欠損を検査する過程を備え、
前記検査過程に搬送される光学部材は、検査前にセパレータが剥離され、検査終了後に再びセパレータが貼り合わされる
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、フィルムである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項9】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、液晶パネル用の偏光フィルムである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項10】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記光学部材は、液晶パネル用の輝度向上フィルムである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の光学部材貼合せ方法において、
前記枚葉体は、液晶パネルである
ことを特徴とする光学部材貼合せ方法。
【請求項12】
枚葉体に光学部材を貼り合せる光学部材貼合せ装置おいて、
一方面にセパレータが添設された帯状の光学部材を供給する光学部材供給手段と、
供給される前記光学部材のうちセパレータを残して光学部材を搬送方向に所定間隔で切断する切断手段と、
前記セパレータをナイフエッジで反転移送して切断後の光学部材を剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後の光学部材との貼り合わせ位置に前記枚葉体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されてくる枚葉体に前記光学部材の露出面を貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項13】
請求項12に記載の光学部材貼合せ装置おいて、
前記光学部材は、セパレータ貼合せ面とは反対の他方面に保護フィルムが添設されており、
前記切断手段は、供給される前記光学部材のうちセパレータを残して保護フィルムと光学部材を搬送方向に所定間隔で切断するよう構成した、
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の光学部材貼合せ装置において、
前記切断手段は、レーザー装置である
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項15】
請求項14に記載の光学部材貼合せ装置において、
前記レーザー装置は、レーザーの走行方向の前方から切断部位に向けてレーザーの光軸が傾斜して照射するように傾斜姿勢で配備した
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項16】
請求項15に記載の光学部材貼合せ装置において、
前記レーザー装置の設置角は、前記光学部材の切断部位に垂直な基準軸とレーザーの光軸とのなす角が10〜45°の範囲内である
ことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項17】
請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の光学部材貼合せ装置において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を前記レーザー装置で切断する過程で切断部位に向けて温風を吹き付ける送風手段と、
切断時に切断部位から発生するガスを除去する集煙除去手段と、
を備えたことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【請求項18】
請求項12ないし請求項17のいずれかに記載の光学部材貼合せ装置において、
前記光学部材または保護フィルムと光学部材を切断手段により切断する前に、光学部材からセパレータを剥離する剥離手段と、
セパレータ剥離後に光学部材の欠損を検査する検査手段と、
前記検査手段による検査終了後に光学部材の露出面にセパレータを貼り合わせる貼合せ手段と、
を備えたことを特徴とする光学部材貼合せ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−61498(P2009−61498A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266200(P2007−266200)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
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