説明

光導波路及び光導波路モジュール

【課題】光損失が少なく、小型化や低コスト化が可能で、しかもフィルタによる透過率及び反射率の偏波依存性が小さい光導波路モジュールを提供する。
【解決手段】導波路シート2は、第1のコア4aと第2のコア4bと第3のコア4cを備え、第1のコア4a及び第3のコア4cと辺2aのなす角は90度である。第2のコア4aは第1のコア4bと交差し、第2のコア4bと辺2cのなす角は90度である。そして、辺2aと辺2cを鈍角、例えば135度で交差させることで、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角を鋭角、例えば45度とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2本のコアを有し、光を合分波する平面型の光導波路と、この光導波路を備えた光導波路モジュールに関する。詳しくは、交差する一方のコアに対する光接続部が構成される辺と、他方のコアに対する光接続部が構成される辺を鈍角をなす向きで交差させることで、コアに曲線部分を設けることなく、2本のコアを鋭角で交差させることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、音声信号や映像信号等の送受信は電気信号により行われてきたが、更に超高速、大容量の情報伝送を実現するために、光配線技術が注目されている。
【0003】
音声信号や映像信号等を送受信するには、主信号の他に、制御信号やクロック信号も送受信する必要がある。このため、光通信で複数の信号を同時に送受信できるよう、波長多重技術を用いる。
【0004】
従来は、例えば光導波路と波長フィルタを用いた波長合分波器を多段に接続して送受信を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−295540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の装置では、コアの光入出射端面を光導波路層の対向する2辺にのみ設けているので、コアには必ず曲線部分が含まれる。この場合、コンパクトな光源装置を作製するために光導波路層を小型化すると、必然的にコアに曲率の大きい部分が含まれ、漏光による光損失が大きくなり、逆に、光損失を抑えるためにコアの曲率を小さくすると、光導波路層が大型化するという二律背反の関係が生じることになる。
【0007】
これに対する対策として、光導波路層の対向する2辺ではなく、互いに直交する2辺に光入射端面を設ければ、コアに曲線部分を設けなくても合波又は分波を行うことのできる構造を形成できると考えられる。
【0008】
図10は、本発明の比較例としての従来の光導波路装置の一例を示す平面図である。光導波路装置101は、平面型の光導波路102と実装基板103を備える。
【0009】
光導波路102は、直線状の第1のコア104aと、第1のコア104aと交差した第2のコア104b及び第3のコア104cを備える。第1のコア104aに対する光の入出射端面と、第2のコア104b及び第3のコア104cの入出射端面を、光導波路102の対向する2辺ではなく、互いに直交する2辺に設けるため、第1のコア104aと第2のコア104bの交差角は90度で、第1のコア104aと第3のコア104cの交差角は90度である。
【0010】
第1のコア104aと第2のコア104bの交差位置及び第1のコア104aと第3のコア104cの交差位置には挿入溝105が形成され、波長選択フィルタ106が挿入されている。
【0011】
また、第1のコア4aの端面に対向して端面発光型の第1の発光素子106aが実装され、第3のコア4cの端面に対向して第2の発光素子106bが実装される。更に、第2のコア4bの端面に対向して受光素子107が実装される。
【0012】
図10に示すように、光導波路2の互いに直交する2辺に光入射端面を設ければ、コア104に曲線部分を設けなくても合分波を行うことのできる構造を形成できる。
【0013】
また、図11は従来の光導波路の作製工程の一部を説明する平面図であるが、従来の光導波路102は長方形の形状を有するため、図11に示すように、光導波路102が形成されたシリコンウエハから一括ダイシングによって無駄なく多数の光導波路102を切り出すことができ、この点からも好都合である。
【0014】
しかしながら、このような構造の光導波路装置では、コアからフィルタに入射して反射によって方向変換される際の角度変化が90度であり、フィルタへの入射角は45度になる。
【0015】
LED(発光ダイオード)や偏波面を制御せずに送信されてきたLD(レーザダイオード)からの光のような、偏波規定されていない光を、狭い波長範囲で一方の波長の光は透過させ、他方の波長の光は反射させようとする場合、入射光を45度のような大きな角度でフィルタに入射させると、フィルタの反射率及び透過率の偏波依存性が大きくなり、損失が大きくなる、または大きく変動することが知られている。
【0016】
また、全ての信号を1本の経路で合波させて送受信させると、信号間の干渉などにより信号劣化が生じ、所望の特性を得ることが難しくなってくるという問題もある。
【0017】
更には、信号干渉を防ぐために、全ての信号を異なる波長の光で送受信する必要があり、それぞれの波長に対応したフィルタや受発光素子が必要なことから、コストが高くなるという問題もある。
【0018】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、光損失が少なく、小型化や低コスト化が可能で、しかもフィルタによる透過率及び反射率の偏波依存性が小さく、透過させる光の波長と反射させる光の波長をより狭い範囲で切り分けて、波長が異なる複数の光を合波又は分波する光導波路及び光導波路モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決するため、本発明に係る光導波路は、コアとクラッドを備えた光導波路において、少なくとも1本以上のコアからなる第1のコア群と、少なくとも1本以上のコアからなり、かつ第1のコア群のコアと交差する第2のコア群と、第1のコア群と第2のコア群とが交差する交差部に形成され、任意の波長領域の光を選択的に反射及び透過させ、光の波長により光路を切り替える波長選択フィルタが挿入される挿入溝とを備え、第1のコア群は、クラッドの対向する第1の辺と第2の辺の間を、直線状で、かつ第1の辺及び第2の辺に対して略垂直に延在し、第1の辺と第2の辺に、第1のコア群に対する光接続部を備え、第2のコア群は、クラッドの第1の辺と交差する第3の辺に対して略垂直に延在し、第3の辺に、第2のコア群に対する光接続部を備え、クラッドの第3の辺を、第1の辺と鈍角をなす向きで交差させ、第2のコア群と第1のコア群とのなす角を鋭角としたものである。
【0020】
本発明に係る光導波路では、第1のコア群を第1の辺側から伝搬される光は、波長選択フィルタに対する入射角が鋭角となる。また、第2のコア群を第3の辺側から伝搬される光は、波長選択フィルタに対する入射角が鋭角となる。
【0021】
また、本発明に係る光導波路モジュールは、コアとクラッドを有する光導波路と、光導波路のコアと結合した光素子を備えた光導波路モジュールにおいて、光導波路は、少なくとも1本以上のコアからなる第1のコア群と、少なくとも1本以上のコアからなり、かつ第1のコア群のコアと交差する第2のコア群と、第1のコア群と第2のコア群とが交差する交差部に形成され、任意の波長領域の光を選択的に反射及び透過させ、光の波長により光路を切り替える波長選択フィルタが挿入される挿入溝とを備え、第1のコア群は、クラッドの対向する第1の辺と第2の辺の間を、直線状で、かつ第1の辺及び第2の辺に対して略垂直に延在し、第1の辺と第2の辺に、第1のコア群に対する光接続部を備え、第2のコア群は、クラッドの第1の辺と交差する第3の辺に対して略垂直に延在し、第3の辺に、第2のコア群に対する光接続部を備え、クラッドの第3の辺を、第1の辺と鈍角をなす向きで交差させ、第2のコア群と第1のコア群とのなす角を鋭角としたものである。
【0022】
本発明に係る光導波路モジュールでは、第1のコア群を第1の辺側から伝搬される光は、波長選択フィルタに対して鋭角に入射し、波長に応じて反射あるいは透過する。また、第2のコア群を第3の辺側から伝搬される光は、波長選択フィルタに対して鋭角に入射し、波長に応じて反射あるいは透過する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の光導波路によれば、交差する一方のコアに対する光接続部が構成される辺と、他方のコアに対する光接続部が構成される辺を鈍角をなす向きで交差させることで、コアに曲線部分を設けることなく、2本のコアを鋭角で交差させることができる。
【0024】
これにより、フィルタによる透過率及び反射率の偏波依存性を少なくすることができる。また、コアを直線で構成できるので、光損失が少なく、小型化が可能となる。
【0025】
本発明の光導波路モジュールによれば、上述した光導波路を備えることで、透過させる光の波長と反射させる光の波長をより狭い範囲で切り分けて、波長が異なる複数の光を合波又は分波することができ、既存の光素子の利用が可能となるので、損失の少ない波長多重送受信モジュールを、低コストで提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の光導波路及び光導波路モジュールの実施の形態について説明する。
【0027】
<第1の実施の形態の光導波路の構成例>
図1は第1の実施の形態の光導波路の一例を示す構成図で、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【0028】
第1の実施の形態の光導波路1Aは、平面型の光導波路を構成する導波路シート2と、導波路シート2を支持する実装基板3を備える。導波路シート2は、例えば高分子材料で構成され、コア4とクラッド層5を備えてコア・クラッド構造を有する埋め込み型導波路である。実装基板3は例えばシリコン(Si)基板であり、表面に導波路シート2が形成される。
【0029】
導波路シート2は、コア4として、図1(a)に示すように、第1のコア群を構成する第1のコア4aと、第2のコア群を構成する第2のコア4bと、第3のコア群を構成する第3のコア4cを備える。また、クラッド層5として、図1(b)に示すように、下部クラッド5aと上部クラッド5bを備える。
【0030】
各コア4の構成は、コア径が例えば40×40μm、コア4と下部クラッド5a及び上部クラッド5bの比屈折率差は例えば1.0%で、コア4の屈折率が下部クラッド5a及び上部クラッド5bより若干大きくなるように構成されて、光がコア4に閉じ込められて伝搬される。
【0031】
導波路シート2は、対向する2辺の間を第1のコア4aが直線状に延在し、第1のコア4aの一方の端部と交差する第1の辺となる辺2aに垂直端面6aを備える。また、導波路シート2は、第1のコア4aの他方の端部と交差する第2の辺となる辺2bに垂直端面6bを備える。
【0032】
第3のコア4cは、第1のコア4aと平行で、他のコアとの交差部を持たない直線状で、一方の端部が垂直端面6aと交差し、他方の端部が垂直端面6bと交差する。これにより、垂直端面6aは、第1のコア4a及び第3のコア4cの一方の端面が露出して光接続部が構成され、垂直端面6bは、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端面が露出して光接続部が構成される。
【0033】
また、導波路シート2は、第2のコア4bが第1のコア4aと交差して直線状に延在し、第2のコア4bの一方の端部と交差する第3の辺となる辺2cに垂直端面6cを備える。垂直端面6cは、第2のコア4bの一方の端面が露出して光接続部が構成される。
【0034】
光導波路1Aにおいて、第1のコア4a及び第3のコア4cの一方の端部と交差し、各コア4の端面を露出させた垂直端面6aが形成される辺2aと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度である。
【0035】
また、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端部と交差し、各コア4の端面を露出させた垂直端面6bが形成される辺2bは、辺2aと平行で、辺2bと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度である。
【0036】
更に、第2のコア4bの一方の端部と交差し、第2のコア4bの端面を露出させた垂直端面6cが形成される辺2cと、第2のコア2bのなす角は90度である。
【0037】
そして、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角は鋭角で、例えば45度である。これにより、辺2aと辺2cのなす角は鈍角、本例では135度である。
【0038】
なお、垂直端面6aと垂直端面6bの間をつなぎ、導波路シート2の側面となる辺2dは、第1のコア4a及び第3のコア4cと平行で各コア4とは交差せず、辺2dと、辺2a及び辺2bのなす角はそれぞれ90度である。
【0039】
また、辺2dと対向する辺2eは、各コア4とは交差せず、辺2eと辺2cのなす角は90度、辺2eと辺2bのなす角は135度である。
【0040】
導波路シート2は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部に挿入溝7を備え、挿入溝7に波長選択フィルタ8が挿入される。挿入溝7は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に形成され、挿入溝7の対向する側壁面の一方に、第1のコア4a及び第2のコア4bの端面が露出すると共に、他方の側壁面に第1のコア4aの端面が露出する。本例では、挿入溝7の大きさは、例えば幅65μm、長さ1300μm、深さ90μmである。
【0041】
波長選択フィルタ8は、任意の波長領域における光を選択的に反射及び透過させる機能を有し、例えば波長λ1の光は反射し、波長λ2の光は透過するように構成される。
【0042】
波長選択フィルタ8は、挿入溝7に挿入され、導波路シート2に接着固定される。波長選択フィルタ8は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に挿入されており、第1のコア4a及び第2のコア4bを伝搬される光の波長に応じて光路を切り替える。
【0043】
<第2の実施の形態の光導波路の構成例>
図2は第2の実施の形態の光導波路の一例を示す平面図である。以下の説明で、第1の実施の形態の光導波路1Aと同じ構成については同じ番号を付して説明する。
【0044】
第2の実施の形態の光導波路1Bは、第1の実施の形態の光導波路1Aと同様に導波路シート2と図1に示す実装基板3を備え、導波路シート2は、第1のコア4aと第2のコア4b及び第3のコア4cを備える。
【0045】
導波路シート2は、第1のコア4a及び第1のコア4aと平行な第3のコア4cの一方の端部と交差する辺2aに垂直端面6aを備え、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端部と交差する辺2bに垂直端面6bを備える。
【0046】
また、第1のコア4aと交差する第2のコア4bの一方の端部と交差する辺2cに垂直端面6cを備える。
【0047】
第1のコア4a及び第3のコア4cと、辺2aのなす角は90度で、辺2aと対向する辺2bと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度で、辺2aと辺2bは平行である。
【0048】
また、第2のコア4bと辺2cのなす角は90度で、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角が例えば45度であるので、辺2aと辺2cのなす角は135度である。
【0049】
更に、導波路シート2の側面となる辺2dと辺2eは、それぞれ第1のコア4a及び第3のコア4cと平行で各コア4と交差せず、辺2dと、辺2a及び辺2bのなす角はそれぞれ90度、辺2eと辺2bのなす角は90度である。
【0050】
<第3の実施の形態の光導波路の構成例>
図3は第3の実施の形態の光導波路の一例を示す平面図である。以下の説明で、第1の実施の形態の光導波路1Aと同じ構成については同じ番号を付して説明する。
【0051】
第3の実施の形態の光導波路1Cは、第1の実施の形態の光導波路1Aと同様に導波路シート2と図1に示す実装基板3を備え、導波路シート2は、第1のコア4aと第2のコア4b及び第3のコア4cを備える。
【0052】
導波路シート2は、第1のコア4a及び第3のコア4cの一方の端部と交差する辺2aに垂直端面6aを備え、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端部と交差する辺2bに垂直端面6bを備える。
【0053】
また、第1のコア4aと交差する第2のコア4bの一方の端部と交差する辺2cに垂直端面6cを備える。
【0054】
第1のコア4a及び第3のコア4cと、辺2aのなす角は90度で、辺2aと対向する辺2bと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度で、辺2aと辺2bは平行である。
【0055】
また、第2のコア4bと辺2cのなす角は90度で、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角が例えば45度であるので、辺2aと辺2cのなす角は135度である。更に、辺2cは辺2bと交差し、辺2cと辺2bのなす角は45度である。
【0056】
また、導波路シート2の側面となる辺2dは、第1のコア4a及び第3のコア4cと平行で各コア4と交差せず、辺2dと、辺2a及び辺2bのなす角は90度である。
【0057】
<各実施の形態の光導波路の作用効果>
上述した光導波路1A、光導波路1B及び光導波路1Cは、導波路シート2において第1のコア4aの入出射面が構成される辺2aと、第1のコア4aと交差する第2のコア4bの入出射面が構成される辺2cのなす各を鈍角、例えば135度とすることで、第1のコア4aと第2のコア4bは鋭角で交差することになる。
【0058】
これにより、光が第1のコア4aと第2のコア4bとの間で光路を変える際の角度変化は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角と同等の鋭角となり、波長選択フィルタ8で反射される際の入射角は45度未満となる。本例では、波長選択フィルタ8に対する入射角は約22.5度である。
【0059】
従って、従来例のように入射角が45度で波長選択フィルタに光が入射する場合と比較して、波長選択フィルタ8の反射率及び透過率の偏波依存性を低減することができる。
【0060】
これにより、LED(発光ダイオード)光や偏波保持されていない光ファイバを伝搬されたLD(レーザダイオード)光のような偏波規定されていない光を、狭い波長範囲で一方の光は透過させ、他方の波長の光は反射させようとする場合に起こる光の損失を小さく抑えることができる。
【0061】
また、透過させる光の波長と反射させる光の波長をより狭い波長範囲で切り分けすることが可能となる。
【0062】
更に、第1コア4aと第2のコア4bは、従来例のように曲線部を設ける必要がないので、光損失の増加を伴わずに小型化が可能となる。
【0063】
また、第1のコア4a及び第2のコア4bと独立して第3のコア4cを備えることで、例えば映像信号のような高速信号を第3のコア4cを用いて送信し、クロック信号や制御信号等の低速信号を第1のコア4a及び第2のコア4bで送受信することで、干渉や劣化に弱い高速信号を独立した送信経路で送信でき、比較的干渉や劣化に強い低速信号の送受信を1本の経路で行うことが可能となる。これにより、小型で高性能な送受信モジュール用合分波回路を実現することができる。
【0064】
図4〜図6は各実施の形態の光導波路の作製工程の一部を示す平面図で、図4は第1の実施の形態の光導波路1Aのダイシング工程を示し、図5は第2の実施の形態の光導波路1Bのダイシング工程を示し、図6は第3の実施の形態の光導波路1Cのダイシング工程を示す。各図において、破線Lは図示しないダイシングソーによるダイシング位置を示す。
【0065】
図1に示すように変形した五角形の光導波路1Aでも、図4に示すように各辺が一列に並ぶようにウエハU上に形成可能であり、一括ダイシングによる作製が可能で、かつ不要な部分も少ない。
【0066】
また、図2に示すようにやはり変形した五角形の光導波路1Bでも、図5に示すように各辺が一列に並ぶようにウエハU上に形成可能であり、一括ダイシングによる作製が可能で、かつ不要な部分も少ない。
【0067】
更に、図3に示すように変形した四角形の光導波路1Cでも、図6に示すように各辺が一列に並ぶようにウエハU上に形成可能であり、一括ダイシングによる作製が可能で、かつ不要な部分も少ない。
【0068】
<第1の実施の形態の光導波路モジュールの構成例>
図7は第1の実施の形態の光導波路モジュールの一例を示す構成図で、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)のB−B断面図である。
【0069】
第1の実施の形態の光導波路モジュール11Aは、例えば図1で説明した第1の実施の形態の光導波路1Aを構成する導波路シート2と、導波路シート2を支持する実装基板3を備える。導波路シート2は、例えば高分子材料で構成され、コア4とクラッド層5を備えてコア・クラッド構造を有する埋め込み型導波路である。実装基板3は例えばシリコン(Si)基板であり、表面に導波路シート2が形成される。
【0070】
導波路シート2は、コア4として、第1のコア群を構成する第1のコア4aと、第2のコア群を構成する第2のコア4bと、第3のコア群を構成する第3のコア4cを備える。また、クラッド層5として、下部クラッド5aと上部クラッド5bを備える。
【0071】
各コア4の構成は、コア径が例えば40×40μm、コア4と下部クラッド5a及び上部クラッド5bの比屈折率差は例えば1.0%で、コア4の屈折率が下部クラッド5a及び上部クラッド5bより若干大きくなるように構成されて、光がコア4に閉じ込められて伝搬される。
【0072】
導波路シート2は、対向する2辺の間を第1のコア4aが直線状に延在し、第1のコア4aの一方の端部と交差する辺2aに垂直端面6aを備える。また、導波路シート2は、第1のコア4aの他方の端部と交差する辺2bに垂直端面6bを備える。
【0073】
第3のコア4cは、第1のコア4aと平行で、他のコアとの交差部を持たない直線状で、一方の端部が垂直端面6aと交差し、他方の端部が垂直端面6bと交差する。これにより、垂直端面6aは、第1のコア4a及び第3のコア4cの一方の端面が露出して光接続部が構成され、垂直端面6bは、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端面が露出して光接続部が構成される。
【0074】
また、導波路シート2は、第2のコア4bが第1のコア4aと交差して直線状に延在し、第2のコア4bの一方の端部と交差する辺2cに垂直端面6cを備える。垂直端面6cは、第2のコア4bの一方の端面が露出して光接続部が構成される。
【0075】
導波路シート2において、第1のコア4a及び第3のコア4cの一方の端部と交差し、各コア4の端面を露出させた垂直端面6aが形成される辺2aと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度である。
【0076】
また、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端部と交差し、各コア4の端面を露出させた垂直端面6bが形成される辺2bは、辺2aと平行で、辺2bと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度である。
【0077】
更に、第2のコア4bの一方の端部と交差し、第2のコア4bの端面を露出させた垂直端面6cが形成される辺2cと、第2のコア2bのなす角は90度である。
【0078】
そして、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角は鋭角で、例えば45度である。これにより、辺2aと辺2cのなす角は鈍角、本例では135度である。
【0079】
なお、垂直端面6aと垂直端面6bの間をつなぎ、導波路シート2の側面となる辺2dは、第1のコア4a及び第3のコア4cと平行で各コア4とは交差せず、辺2dと、辺2a及び辺2bのなす角はそれぞれ90度である。
【0080】
また、辺2dと対向する辺2eは、各コア4とは交差せず、辺2eと辺2cのなす角は90度、辺2eと辺2bのなす角は135度である。
【0081】
導波路シート2は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部に挿入溝7を備え、挿入溝7に波長選択フィルタ8が挿入される。挿入溝7は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に形成され、挿入溝7の対向する側壁面の一方に、第1のコア4a及び第2のコア4bの端面が露出すると共に、他方の側壁面に第1のコア4aの端面が露出する。
【0082】
波長選択フィルタ8は、任意の波長領域における光を選択的に反射及び透過させる機能を有し、例えば波長λ1の光は反射し、波長λ2の光は透過するように構成される。
【0083】
波長選択フィルタ8は、挿入溝7に挿入され、導波路シート2に接着固定される。波長選択フィルタ8は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に挿入されており、第1のコア4a及び第2のコア4bを伝搬される光の波長に応じて光路を切り替える。
【0084】
光導波路モジュール11Aは、第1の発光素子12a及び第2の発光素子12bと、受光素子13を備える。第1の発光素子12aと第2の発光素子12bは、端面発光型のレーザダイオード(LD)で、第1の発光素子12aは、導波路シート2の第1のコア4aと光学的に結合するように、導波路シート2の垂直端面6bに対向して実装基板3に実装される。
【0085】
また、第2の発光素子12bは、導波路シート2の第3のコア4cと光学的に結合するように、導波路シート2の垂直端面6bに対向して実装基板3に実装される。
【0086】
受光素子13は、端面受光型のフォトダイオード(PD)で、導波路シート2の第2のコア4bと光学的に結合するように、導波路シート2の垂直端面6cに対向して実装基板3に実装される。
【0087】
実装基板3は、所定のパターンで電極14が形成され、第1の発光素子12a及び第2の発光素子12bと、受光素子13は、図示しない電子回路等とワイヤボンディング等により電気的に接続される。
【0088】
光導波路モジュール11Aは、光伝送経路を構成する第1の光ファイバ15aと第2の光ファイバ15bを備える。第1の光ファイバ15aと第2の光ファイバ15bは、ファイバブロック16に支持され、第1の光ファイバ15aが導波路シート2の第1のコア4aと光学的に結合し、第2の光ファイバ15bが第3のコア4cと光学的に結合するように、導波路シート2の垂直端面6aに対向して実装される。
【0089】
<第1の実施の形態の光導波路モジュールの動作例>
光導波路モジュール11Aは、図示しない対向機器からの入力信号が波長λ1の光信号で第1の光ファイバ15aから入力される。第1の光ファイバ15aは、上述したように導波路シート2の第1のコア4aと光学的に結合している。これにより、第1の光ファイバ15aを伝搬される入力光信号は、導波路シート2の第1のコア4aに入射して、第1のコア4aを伝搬される。
【0090】
導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される入力光信号は、波長選択フィルタ8に入射する。波長選択フィルタ8は、本例では波長λ1の光は反射するので、第1のコア4aを伝搬される波長λ1の入力光信号は、波長選択フィルタ8で反射して、第2のコア4bに入射し、第2のコア4bを伝搬される。
【0091】
導波路シート2の第2のコア4bを伝搬される入力光信号は垂直端面6cから出射し、対向する受光素子13の受光部で受光されて、受光素子13で電気信号に変換される。
【0092】
一方、光導波路モジュール11Aでは、電気信号が第1の発光素子12aで光信号に変換される。ここで、第1の発光素子12aの発振波長はλ2とする。
【0093】
第1の発光素子12aの発光部から出射された出力光信号は、導波路シート2の垂直端面6bから第1のコア4aに入射し、第1のコア4aを伝搬される。導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される出力光信号は、波長選択フィルタ8に入射する。波長選択フィルタ8は、上述したように波長λ2の光は透過するので、第1のコア4aを伝搬される波長λ2の出力光信号は、波長選択フィルタ8を透過して先の第1のコア4aに入射し、更に第1のコア4aを伝搬される。
【0094】
そして、導波路シート2の第1のコア4aを伝搬された出力光信号は、第1の光ファイバ15aに入射して、第1の光ファイバ15aを伝搬されて図示しない対向機器で受光される。
【0095】
更に、光導波路モジュール11Aでは、電気信号が第2の発光素子12bで光信号に変換される。第2の発光素子12bの発光部から出射された出力光信号は、導波路シート2の垂直端面6bから第3のコア4cに入射し、第3のコア4cを伝搬される。導波路シート2の第3のコア4cを伝搬される出力光信号は、第2の光ファイバ15bに入射して、第2の光ファイバ15bを伝搬されて図示しない対向機器で受光される。
【0096】
これにより、光導波路モジュール11Aは、波長選択フィルタ8を備えた第1のコア4aと第2のコア4bでは、複数の異なる波長の光信号の分離多重化を行って、1本の光ファイバに複数の異なる波長の光信号を伝送させることが可能となる。
【0097】
また、第3のコア4cでは、第1のコア4a及び第2のコア4bと独立して光信号を伝送させることが可能となる。これにより、光導波路モジュール11Aは、3種類の信号を送受信できるモジュールとして機能する。
【0098】
<第2の実施の形態の光導波路モジュールの構成例>
図8は第2の実施の形態の光導波路モジュールの一例を示す構成図で、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のC−C断面図である。
【0099】
第2の実施の形態の光導波路モジュール11Bは、導波路シート2と、導波路シート2を支持する実装基板3を備える。導波路シート2は、例えば高分子材料で構成され、コア4とクラッド層5を備えてコア・クラッド構造を有する埋め込み型導波路である。実装基板3は例えばシリコン(Si)基板であり、表面に導波路シート2が形成される。
【0100】
導波路シート2は、コア4として、第1のコア4aと第2のコア4b及び第3のコア4cを備える。また、クラッド層5として、下部クラッド5aと上部クラッド5bを備える。
【0101】
各コア4の構成は、コア径が例えば40×40μm、コア4と下部クラッド5a及び上部クラッド5bの比屈折率差は例えば1.0%で、コア4の屈折率が下部クラッド5a及び上部クラッド5bより若干大きくなるように構成されて、光がコア4に閉じ込められて伝搬される。
【0102】
導波路シート2は、対向する2辺の間を第1のコア4a及び第3のコア4cが直線状に延在し、第1のコア4a及び第3のコア4cの一方の端部側の辺2aにファイバ位置決め溝17を備える。また、導波路シート2は、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端部と交差する辺2bに第1の傾斜端面18aを備える。
【0103】
更に、導波路シート2は、第2のコア4bが第1のコア4aと交差して直線状に延在し、第2のコア4bの一方の端部と交差する辺2cに第2の傾斜端面18bを備える。
【0104】
ファイバ位置決め溝17は、導波路シート2に接続される第1の光ファイバ15a及び第2の光ファイバ15bが嵌る形状を有する上面が開口した溝が、導波路シート2の端面から第1のコア4a及び第3のコア4cと平行な向きで形成される。ファイバ位置決め溝17は、一方のファイバ位置決め溝17の先端には、第1のコア4aの一方の端面が露出して光接続部を構成し、他方のファイバ位置決め溝17の先端には、第3のコア4cの一方の端面が露出して光接続部を構成する。
【0105】
ファイバ位置決め溝17は、断面形状が例えば四角状で、その幅及び深さは、第1の光ファイバ15a及び第2の光ファイバ15bの芯線の直径と略同じに設定される。また、第1の光ファイバ15aを一方のファイバ位置決め溝17に嵌めると、導波路シート2の第1のコア4aに対して位置合わせされ、第2の光ファイバ15bを他方のファイバ位置決め溝17に嵌めると、導波路シート2の第3のコア4cに対して位置合わせされるように、各ファイバ位置決め溝17の形成位置が設定される。
【0106】
これにより、第1の光ファイバ15aを導波路シート2の一方のファイバ位置決め溝17に嵌めると、導波路シート2の第1のコア4aに第1の光ファイバ15aの位置が合うように調芯され、導波路シート2の第1のコア4aの一方の端面と、第1の光ファイバ15aが対向する。
【0107】
また、第2の光ファイバ15bを導波路シート2の他方のファイバ位置決め溝17に嵌めると、導波路シート2の第3のコア4cに第2の光ファイバ15bの位置が合うように調芯され、導波路シート2の第3のコア4cの一方の端面と、第2の光ファイバ15bが対向する。
【0108】
なお、ファイバ位置決め溝17は、導波路シート2の端面側にテーパ部17aを形成して、光ファイバ15の挿入工程が容易に行えるようにしてある。
【0109】
各ファイバ位置決め溝17に挿入された第1の光ファイバ15a及び第2の光ファイバ15bは、ファイバ押え蓋17bにより押えて接着固定される。ファイバ押え蓋17bは、透明な例えばガラス板で構成され、各ファイバ位置決め溝17の上面開口を覆う大きさを有する。
【0110】
第1の傾斜端面18aは、導波路シート2の下面に対して45度に傾斜しており、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端面が、第1の傾斜端面18aと同一平面に露出している。そして、第1の傾斜端面18aに露出した第1のコア4aの端面により、光接続部として第1の反射面19aが構成され、第1の傾斜端面18aに露出した第3のコア4cの端面により、光接続部として第3の反射面19cが構成される。
【0111】
同様に、第2の傾斜端面18bは、導波路シート2の下面に対して45度に傾斜しており、第2のコア4bの一方の端面が、第2の傾斜端面18bと同一平面に露出している。そして、第2の傾斜端面18bに露出した第2のコア4bの端面により、光接続部として第2の反射面19bが構成される。
【0112】
導波路シート2において、第1のコア4a及び第3のコア4cの延長線上にあって、ファイバ位置決め溝17が形成される辺2aと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度である。
【0113】
また、第1のコア4a及び第3のコア4cの他方の端部と交差し、第1の傾斜端面18aが形成される辺2bは、辺2aと平行で、辺2bと、第1のコア4a及び第3のコア4cのなす角は90度である。
【0114】
更に、第2のコア4bの一方の端部と交差し、第2の傾斜端面18bが形成される辺2cと、第2のコア2bのなす角は90度である。
【0115】
そして、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角は鋭角で、例えば45度である。これにより、辺2aと辺2cのなす角は鈍角、本例では135度である。
【0116】
なお、導波路シート2の側面となる辺2dは、第1のコア4a及び第3のコア4cと平行で各コア4とは交差せず、辺2dと、辺2a及び辺2bのなす角はそれぞれ90度である。また、辺2dと対向する辺2eは、辺2dと平行で各コア4とは交差せず、辺2eと辺2bのなす角は90度である。
【0117】
導波路シート2は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部に挿入溝7を備え、挿入溝7に波長選択フィルタ8が挿入される。挿入溝7は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に形成され、挿入溝7の対向する側壁面の一方に、第1のコア4a及び第2のコア4bの端面が露出すると共に、他方の側壁面に第1のコア4aの端面が露出する。
【0118】
波長選択フィルタ8は、任意の波長領域における光を選択的に反射及び透過させる機能を有し、例えば波長λ1の光は反射し、波長λ2の光は透過するように構成される。
【0119】
波長選択フィルタ8は、挿入溝7に挿入され、導波路シート2に接着固定される。波長選択フィルタ8は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に挿入されており、第1のコア4a及び第2のコア4bを伝搬される光の波長に応じて光路を切り替える。
【0120】
実装基板3は、第1の面型発光素子(VCSEL)20a及び第2の面型発光素子20bと、面型受光素子(PD)21と、図示しない電子部品等が実装される。また、実装基板3は、導波路シート2の第1の反射面19aに対向させて第1の面型発光素子20aを実装し、第3の反射面19cに対向させて第2の面型発光素子20bを実装するために第1の実装凹部22aを備えると共に、導波路シート2の第2の反射面19bに対向させて面型受光素子21を実装するために第2の実装凹部22bを備える。
【0121】
第1の実装凹部22a及び第2の実装凹部22bは、実装基板3の表面の一部を凹状にして形成され、例えば第2の実装凹部22bの底面に電極23を備える。
【0122】
第1の面型発光素子20aは、発光部が導波路シート2の第1の反射面19aと対向するように第1の実装凹部22aに実装され、第1の反射面19aを介して第1のコア4aと光学的に結合する。
【0123】
また、第2の面型発光素子20bは、発光部が導波路シート2の第3の反射面19cと対向するように第1の実装凹部22aに実装され、第3の反射面19cを介して第3のコア4cと光学的に結合する。
【0124】
そして、第1の面型発光素子20a及び第2の面型発光素子20bは、図示しない電子部品等とボンディングワイヤ24等により電気的に接続される。
【0125】
面型受光素子21は、受光部が導波路シート2の第2の反射面19bと対向するように第2の実装凹部22bに実装され、第2の反射面19bを介して第2のコア4bと光学的に結合する。また、面型受光素子21は、電極23等とボンディングワイヤ24により電気的に接続される。
【0126】
<第2の実施の形態の光導波路モジュールの動作例>
光導波路モジュール11Bは、図示しない対向機器からの入力信号が波長λ1の光信号で第1の光ファイバ15aから入力される。第1の光ファイバ15aは、ファイバ位置決め溝17に挿入されて導波路シート2に固定されることで、上述したように、導波路シート2の第1のコア4aと光学的に結合している。これにより、第1の光ファイバ15aを伝搬される入力光信号は、導波路シート2の第1のコア4aに入射して、第1のコア4aを伝搬される。
【0127】
導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される入力光信号は、波長選択フィルタ8に入射する。波長選択フィルタ8は、本例では波長λ1の光は反射するので、第1のコア4aを伝搬される波長λ1の入力光信号は、波長選択フィルタ8で反射して、第2のコア4bに入射し、第2のコア4bを伝搬される。
【0128】
導波路シート2の第2のコア4bを伝搬される入力光信号は、第2の反射面19bで反射することで光の伝搬方向が90度変換され、導波路シート2の第2の傾斜端面18bの下面側から出射し、対向する面型受光素子21の受光部で受光されて、面型受光素子21で電気信号に変換される。
【0129】
一方、光導波路モジュール11Bでは、電気信号が第1の面型発光素子20aで光信号に変換される。ここで、第1の面型発光素子20aの発振波長はλ2とする。
【0130】
第1の面型発光素子20aの発光部から出射された出力光信号は、導波路シート2の第1の傾斜端面18aの下面側から入射し、第1の反射面19aで反射することで光の伝搬方向が90度変換されて、導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される。
【0131】
導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される出力光信号は、波長選択フィルタ8に入射する。波長選択フィルタ8は、上述したように波長λ2の光は透過するので、第1のコア4aを伝搬される波長λ2の出力光信号は、波長選択フィルタ8を透過して先の第1のコア4aに入射し、更に第1のコア4aを伝搬される。そして、導波路シート2の第1のコア4aを伝搬された出力光信号は、第1の光ファイバ15aに入射して、第1の光ファイバ15aを伝搬されて図示しない対向機器で受光される。
【0132】
更に、光導波路モジュール11Bでは、電気信号が第2の面型発光素子20bで光信号に変換される。第2の面型発光素子20bの発光部から出射された出力光信号は、導波路シート2の第1の傾斜端面18aの下面側から入射し、第3の反射面19cで反射することで光の伝搬方向が90度変換されて、導波路シート2の第3のコア4cを伝搬される。
【0133】
第2の光ファイバ15bは、ファイバ位置決め溝17に挿入されて導波路シート2に固定されることで、上述したように、導波路シート2の第3のコア4cと光学的に結合している。このため、導波路シート2の第3のコア4cを伝搬される出力光信号は、第2の光ファイバ15bに入射して、第2の光ファイバ15bを伝搬されて図示しない対向機器で受光される。
【0134】
これにより、光導波路モジュール11Bは、波長選択フィルタ8を備えた第1のコア4aと第2のコア4bでは、複数の異なる波長の光信号の分離多重化を行って、1本の光ファイバに複数の異なる波長の光信号を伝送させることが可能となる。
【0135】
また、第3のコア4cでは、第1のコア4a及び第2のコア4bと独立して光信号を伝送させることが可能となる。これにより、光導波路モジュール11Bは、面型の受発光素子を利用して3種類の信号を送受信できるモジュールとして機能する。
【0136】
<第3の実施の形態の光導波路モジュールの構成例>
図9は第3の実施の形態の光導波路モジュールの一例を示す平面図である。第3の実施の形態の光導波路モジュール11Cは、導波路シート2と、導波路シート2を支持する実装基板3を備える。導波路シート2は、例えば高分子材料で構成され、コア4とクラッド層5を備えてコア・クラッド構造を有する埋め込み型導波路である。実装基板3は例えばシリコン(Si)基板であり、表面に導波路シート2が形成される。
【0137】
導波路シート2は、コア4として、第1のコア4aと第2のコア4b及び第3のコア4dを備える。各コア4の構成は、コア径が例えば40×40μm、コア4とクラッド層5の比屈折率差は例えば1.0%で、コア4の屈折率がクラッド層5より若干大きくなるように構成されて、光がコア4に閉じ込められて伝搬される。
【0138】
導波路シート2は、対向する2辺の間を第1のコア4aが直線状に延在し、第1のコア4aの一方の端部側の辺2aにファイバ位置決め溝17を備える。また、導波路シート2は、第1のコア4aの他方の端部と交差する辺2bに第1の傾斜端面18aを備える。
【0139】
更に、導波路シート2は、第2のコア4bが第1のコア4aと交差して直線状に延在し、第2のコア4bの一方の端部と交差する辺2cに第2の傾斜端面18bを備える。
【0140】
また、導波路シート2は、第3のコア4dが第2のコア4bと交差して直線状に延在する。第3のコア4dは第1のコア4aと平行で、一方の端部が第2のコア4bと交差し、他方の端部が第1の傾斜端面18aと交差する。
【0141】
ファイバ位置決め溝17は、導波路シート2に接続される光ファイバ15が嵌る形状を有する上面が開口した溝が、導波路シート2の端面から第1のコア4aと平行な向きで形成され、ファイバ位置決め溝17の先端には、第1のコア4aの一方の端面が露出して光接続部を構成する。
【0142】
ファイバ位置決め溝17は、断面形状が例えば四角状で、その幅及び深さは、光ファイバ15の芯線の直径と略同じに設定される。また、光ファイバ15をファイバ位置決め溝17に嵌めると、導波路シート2の第1のコア4aに対して位置合わせされるように、ファイバ位置決め溝17の形成位置が設定される。
【0143】
これにより、光ファイバ15を導波路シート2のファイバ位置決め溝17に嵌めると、導波路シート2の第1のコア4aに光ファイバ15の位置が合うように調芯され、導波路シート2の第1のコア4aの一方の端面と、光ファイバ15が対向する。
【0144】
なお、ファイバ位置決め溝17は、導波路シート2の端面側にテーパ部17aを形成して、光ファイバ15の挿入工程が容易に行えるようにしてある。
【0145】
ファイバ位置決め溝17に挿入された光ファイバ15は、ファイバ押え蓋17bにより押えて接着固定される。ファイバ押え蓋17bは、透明な例えばガラス板で構成され、ファイバ位置決め溝17の上面開口を覆う大きさを有する。
【0146】
第1の傾斜端面18aは、導波路シート2の下面に対して45度に傾斜しており、第1のコア4a及び第3のコア4dの他方の端面が、第1の傾斜端面18aと同一平面に露出している。そして、第1の傾斜端面18aに露出した第1のコア4aの端面により、第1の反射面19aが構成され、第1の傾斜端面18aに露出した第3のコア4dの端面により、第3の反射面19dが構成される。
【0147】
同様に、第2の傾斜端面18bは、導波路シート2の下面に対して45度に傾斜しており、第2のコア4bの一方の端面が、第2の傾斜端面18bと同一平面に露出している。そして、第2の傾斜端面18bに露出した第2のコア4bの端面により、第2の反射面19bが構成される。
【0148】
導波路シート2において、第1のコア4aの延長線上にあって、ファイバ位置決め溝17が形成される辺2aと、第1のコア4aのなす角は90度である。
【0149】
また、第1のコア4a及び第3のコア4dの他方の端部と交差し、第1の傾斜端面18aが形成される辺2bは、辺2aと平行で、辺2bと、第1のコア4a及び第3のコア4dのなす角は90度である。
【0150】
更に、第2のコア4bの一方の端部と交差し、第2の傾斜端面18bが形成される辺2cと、第2のコア2bのなす角は90度である。
【0151】
そして、第1のコア4aと第2のコア4bの交差角は鋭角で、例えば45度である。これにより、辺2aと辺2cのなす角は鈍角、本例では135度である。ここで、第3のコア4dは第1のコア4aと平行であるので、第3のコア4dと第2のコア4bの交差各は鋭角で、ここでは45度である。
【0152】
なお、導波路シート2の側面となる辺2dは、第1のコア4aと平行で各コア4とは交差せず、辺2dと、辺2a及び辺2bのなす角はそれぞれ90度である。また、辺2dと対向する辺2eは、辺2dと平行で各コア4とは交差せず、辺2eと辺2bのなす角は90度である。
【0153】
導波路シート2は、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部に第1の挿入溝7aを備え、第1の挿入溝7aに第1の波長選択フィルタ8aが挿入される。第1の挿入溝7aは、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に形成され、第1の挿入溝7aの対向する側壁面の一方に、第1のコア4a及び第2のコア4bの端面が露出すると共に、他方の側壁面に第1のコア4aの端面が露出する。
【0154】
第1の波長選択フィルタ8aは、任意の波長領域における光を選択的に反射及び透過させる機能を有し、例えば波長λ1及び波長λ3の光は反射し、波長λ2の光は透過するように構成される。
【0155】
第1の波長選択フィルタ8aは、第1の挿入溝7aに挿入され、導波路シート2に接着固定される。第1の波長選択フィルタ8aは、第1のコア4aと第2のコア4bの交差部を横切る位置に挿入されており、第1のコア4a及び第2のコア4bを伝搬される光の波長に応じて光路を切り替える。
【0156】
導波路シート2は、第2のコア4bと第3のコア4dの交差部に第2の挿入溝7bを備え、第2の挿入溝7bに第2の波長選択フィルタ8bが挿入される。第2の挿入溝7bは、第2のコア4bと第3のコア4dの交差部を横切る位置に形成され、第2の挿入溝7bの対向する側壁面の一方に、第2のコア4bの端面が露出すると共に、他方の側壁面に第2のコア4b及び第3のコア4dの端面が露出する。
【0157】
第2の波長選択フィルタ8bは、任意の波長領域における光を選択的に反射及び透過させる機能を有し、例えば波長λ3の光は反射し、波長λ1の光は透過するように構成される。
【0158】
第2の波長選択フィルタ8bは、第2の挿入溝7bに挿入され、導波路シート2に接着固定される。第2の波長選択フィルタ8bは、第2のコア4bと第3のコア4dの交差部を横切る位置に挿入されており、第2のコア4b及び第3のコア4dを伝搬される光の波長に応じて光路を切り替える。
【0159】
実装基板3は、第1の面型発光素子(VCSEL)20a及び第2の面型発光素子20bと、面型受光素子(PD)21と、図示しない電子部品等が実装される。また、実装基板3は、導波路シート2の第1の反射面19aに対向させて第1の面型発光素子20aを実装し、第3の反射面19dに対向させて第2の面型発光素子20bを実装するために第1の実装凹部22aを備えると共に、導波路シート2の第2の反射面19bに対向させて面型受光素子21を実装するために第2の実装凹部22bを備える。
【0160】
第1の実装凹部22a及び第2の実装凹部22bは、実装基板3の表面の一部を凹状にして形成され、例えば第2の実装凹部22bの底面に電極23を備える。
【0161】
第1の面型発光素子20aは、発光部が導波路シート2の第1の反射面19aと対向するように第1の実装凹部22aに実装され、第1の反射面19aを介して第1のコア4aと光学的に結合する。
【0162】
また、第2の面型発光素子20bは、発光部が導波路シート2の第3の反射面19dと対向するように第1の実装凹部22aに実装され、第3の反射面19dを介して第3のコア4dと光学的に結合する。
【0163】
そして、第1の面型発光素子20a及び第2の面型発光素子20bは、図示しない電子部品等とボンディングワイヤ24等により電気的に接続される。
【0164】
面型受光素子21は、受光部が導波路シート2の第2の反射面19bと対向するように第2の実装凹部22bに実装され、第2の反射面19bを介して第2のコア4bと光学的に結合する。また、面型受光素子21は、電極23等とボンディングワイヤ24により電気的に接続される。
【0165】
<第3の実施の形態の光導波路モジュールの動作例>
光導波路モジュール11Cは、図示しない対向機器からの入力信号が波長λ1の光信号で光ファイバ15から入力される。光ファイバ15は、ファイバ位置決め溝17に挿入されて導波路シート2に固定されることで、上述したように、導波路シート2の第1のコア4aと光学的に結合している。これにより、光ファイバ15を伝搬される入力光信号は、導波路シート2の第1のコア4aに入射して、第1のコア4aを伝搬される。
【0166】
導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される入力光信号は、第1の波長選択フィルタ8aに入射する。第1の波長選択フィルタ8aは、本例では波長λ1の光は反射するので、第1のコア4aを伝搬される波長λ1の入力光信号は、第1の波長選択フィルタ8aで反射して、第2のコア4bに入射し、第2のコア4bを伝搬される。
【0167】
導波路シート2の第2のコア4bを伝搬される入力光信号は、第2の波長選択フィルタ8bに入射する。第2の波長選択フィルタ8bは、本例では波長λ1の光は透過するので、第2のコア4bを伝搬される波長λ1の入力光信号は、第2の波長選択フィルタ8bを透過して、更に先の第2のコア4bに入射し、第2のコア4bを伝搬される。
【0168】
導波路シート2の第2のコア4bを更に伝搬される入力光信号は、第2の反射面19bで反射することで光の伝搬方向が90度変換され、導波路シート2の第2の傾斜端面18bの下面側から出射し、対向する面型受光素子21の受光部で受光されて、面型受光素子21で電気信号に変換される。
【0169】
一方、光導波路モジュール11Cでは、電気信号が第1の面型発光素子20aで光信号に変換される。ここで、第1の面型発光素子20aの発振波長はλ2とする。
【0170】
第1の面型発光素子20aの発光部から出射された出力光信号は、導波路シート2の第1の傾斜端面18aの下面側から入射し、第1の反射面19aで反射することで光の伝搬方向が90度変換されて、導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される。
【0171】
導波路シート2の第1のコア4aを伝搬される出力光信号は、第1の波長選択フィルタ8aに入射する。第1の波長選択フィルタ8aは、上述したように波長λ2の光は透過するので、第1のコア4aを伝搬される波長λ2の出力光信号は、第1の波長選択フィルタ8aを透過して先の第1のコア4aに入射し、更に第1のコア4aを伝搬される。そして、導波路シート2の第1のコア4aを伝搬された出力光信号は、光ファイバ15に入射して、光ファイバ15を伝搬されて図示しない対向機器で受光される。
【0172】
更に、光導波路モジュール11Cでは、電気信号が第2の面型発光素子20bで光信号に変換される。ここで、第2の面型発光素子20bの発振波長はλ3とする。
【0173】
第2の面型発光素子20bの発光部から出射された出力光信号は、導波路シート2の第1の傾斜端面18aの下面側から入射し、第3の反射面19dで反射することで光の伝搬方向が90度変換されて、導波路シート2の第3のコア4dを伝搬される。
【0174】
導波路シート2の第3のコア4dを伝搬される出力光信号は、第2の波長選択フィルタ8bに入射する。第2の波長選択フィルタ8bは、本例では波長λ3の光は反射するので、第3のコア4dを伝搬される波長λ3の出力光信号は、第2の波長選択フィルタ8bで反射して、第2のコア4bに入射し、第2のコア4bを伝搬される。
【0175】
導波路シート2の第2のコア4bを伝搬される出力光信号は、第1の波長選択フィルタ8aに入射する。第1の波長選択フィルタ8aは、本例では波長λ3の光は反射するので、第2のコア4bを伝搬される波長λ3の出力光信号は、第1の波長選択フィルタ8aで反射して、第1のコア4aに入射し、第1のコア4aを伝搬される。
【0176】
そして、導波路シート2の第1のコア4aを伝搬された出力光信号は、光ファイバ15に入射して、光ファイバ15を伝搬されて図示しない対向機器で受光される。
【0177】
これにより、光導波路モジュール11Cは、第1の波長選択フィルタ8aを備えた第1のコア4aと第2のコア4bでは、複数の異なる波長の光信号の分離多重化を行って、異なる波長の光信号を伝送させることが可能となる。
【0178】
同様に、第2の波長選択フィルタ8bを備えた第2のコア4bと第3のコア4dでは、複数の異なる波長の光信号の分離多重化を行って、異なる波長の光信号を伝送させることが可能となる。
【0179】
これにより、光導波路モジュール11Cは、面型の受発光素子を利用して3種類の信号を1本の光ファイバ15で送受信できるモジュールとして機能する。
【0180】
<各実施の形態の光導波路モジュールの作用効果>
上述した光導波路モジュール11A及び光導波路モジュール11Bは、例えば図1で説明した配置で第1のコア4a及び第2のコア4bが形成された導波路シート2を備えることで、第1のコア4aと第2のコア4bは鋭角で交差することになる。これにより、波長選択フィルタ8で反射される際の入射角は45度未満となる。
【0181】
従って、波長選択フィルタ8の反射率及び透過率の偏波依存性を低減することができ、狭い波長範囲で一方の光は透過させ、他方の波長の光は反射させようとする場合に起こる光の損失を小さく抑えることができる。
【0182】
更に、第1コア4aと第2のコア4bは、従来のように曲線部を設ける必要がないので、光損失の増加を伴わずに小型化が可能となる。
【0183】
また、第1のコア4a及び第2のコア4bと独立して第3のコア4cを備えることで、例えば映像信号のような高速信号を第3のコア4cを用いて送信し、クロック信号や制御信号等の低速信号を第1のコア4a及び第2のコア4bで送受信することで、干渉や劣化に弱い高速信号を独立した送信経路で送信でき、比較的干渉や劣化に強い低速信号の送受信を1本の経路で行うことが可能となる。これにより、小型で高性能な送受信モジュールを実現することができる。
【0184】
さて、一般的に、安価な受発光素子や、短波長の受発光素子には、面受発光型の形態のものが多い。第2の実施の形態の光導波路モジュール11B及び第3の実施の形態の導波路シート2のように、光を入出射する辺に傾斜端面を形成して反射面を備えることで、導波路シート2に対する光の入出射の方向が垂直方向となる。
【0185】
これにより、面型発光素子20及び面型受光素子21を、実装基板3とは独立した実装用キャリアを利用することなく実装基板3に実装できる。よって、低コストな送受信モジュールを提供することができる。
【0186】
更に、光導波路モジュール11Cは、例えば図1で説明した配置の第1のコア4a及び第2のコア4bに加えて、第2のコア4bと交差する第3のコア4dを備え、かつ、第2のコア4bと第3のコア4dの交差角が鋭角となるようにした。
【0187】
これにより、第1の波長選択フィルタ8a及び第2の波長選択フィルタ8bの反射率及び透過率の偏波依存性を低減することができ、狭い波長範囲で一方の光は透過させ、他方の波長の光は反射させようとする場合に起こる光の損失を小さく抑えることができる。
【0188】
また、第3のコア4dも曲線部を設ける必要がないので、光損失の増加を伴わずに小型化が可能となる。
【0189】
更に、1本の伝送経路で全ての信号を送受信できるので、より一層小型の波長多重送受信モジュールを実現できる。また、コア数を増やすことで、簡単に波長多重数を増加させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本発明は、電子機器のボード間やチップ間の光通信モジュールや、光ファイバを利用した通信ケーブルのコネクタ等に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0191】
【図1】第1の実施の形態の光導波路の一例を示す構成図である。
【図2】第2の実施の形態の光導波路の一例を示す平面図である。
【図3】第3の実施の形態の光導波路の一例を示す平面図である。
【図4】第1の実施の形態の光導波路の作製工程の一部を示す平面図である。
【図5】第2の実施の形態の光導波路の作製工程の一部を示す平面図である。
【図6】第3の実施の形態の光導波路の作製工程の一部を示す平面図である。
【図7】第1の実施の形態の光導波路モジュールの一例を示す構成図である。
【図8】第2の実施の形態の光導波路モジュールの一例を示す構成図である。
【図9】第3の実施の形態の光導波路モジュールの一例を示す平面図である。
【図10】従来の光モジュールの一例を示す平面図である。
【図11】従来の光導波路の作製工程の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0192】
1・・・光導波路モジュール、2・・・導波路シート、3・・・実装基板、4・・・コア、5・・・クラッド層、6・・・垂直端面、7・・・挿入溝、8・・・波長選択フィルタ、11・・・光導波路モジュール、12・・・発光素子、13・・・受光素子、15・・・光ファイバ、16・・・ファイバブロック、17・・・ファイバ位置決め溝、18・・・傾斜端面、19・・・反射面、20・・・面型発光素子、21・・・面型受光素子、22・・・実装凹部、23・・・電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアとクラッドを備えた光導波路において、
少なくとも1本以上のコアからなる第1のコア群と、
少なくとも1本以上のコアからなり、かつ前記第1のコア群のコアと交差する第2のコア群と、
前記第1のコア群と前記第2のコア群とが交差する交差部に形成され、任意の波長領域の光を選択的に反射及び透過させ、光の波長により光路を切り替える波長選択フィルタが挿入される挿入溝とを備え、
前記第1のコア群は、前記クラッドの対向する第1の辺と第2の辺の間を、直線状で、かつ前記第1の辺及び第2の辺に対して略垂直に延在し、前記第1の辺と前記第2の辺に、前記第1のコア群に対する光接続部を備え、
前記第2のコア群は、前記クラッドの前記第1の辺と交差する第3の辺に対して略垂直に延在し、前記第3の辺に、前記第2のコア群に対する光接続部を備え、
前記クラッドの前記第3の辺を、前記第1の辺と鈍角をなす向きで交差させ、前記第2のコア群と前記第1のコア群とのなす角を鋭角とした
ことを特徴とする光導波路。
【請求項2】
前記第2の辺に形成される前記第1のコア群に対する光接続部または前記第3の辺に形成される前記第2のコア群に対する光接続部の少なくとも一方は、前記クラッドの端面に傾斜端面を形成し、前記傾斜端面にコアの端面を露出させた反射面を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の光導波路。
【請求項3】
前記第1の辺に形成される前記第1のコア群に対する光接続部は、前記第1のコア群と接続される光伝送経路の位置決め溝を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の光導波路。
【請求項4】
前記第1のコア群と平行で、かつ他のコア群と交差しない第3のコア群を備え、
前記クラッドの前記第1の辺は、前記第1のコア群に対する光接続部と、前記第3のコア群に対する光接続部を備え、前記クラッドの前記第2の辺は、前記第1のコア群に対する光接続部と、前記第3のコア群に対する光接続部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の光導波路。
【請求項5】
コアとクラッドを有する光導波路と、前記光導波路のコアと結合した光素子を備えた光導波路モジュールにおいて、
前記光導波路は、
少なくとも1本以上のコアからなる第1のコア群と、
少なくとも1本以上のコアからなり、かつ前記第1のコア群のコアと交差する第2のコア群と、
前記第1のコア群と前記第2のコア群とが交差する交差部に形成され、任意の波長領域の光を選択的に反射及び透過させ、光の波長により光路を切り替える波長選択フィルタが挿入される挿入溝とを備え、
前記第1のコア群は、前記クラッドの対向する第1の辺と第2の辺の間を、直線状で、かつ前記第1の辺及び第2の辺に対して略垂直に延在し、前記第1の辺と前記第2の辺に、前記第1のコア群に対する光接続部を備え、
前記第2のコア群は、前記クラッドの前記第1の辺と交差する第3の辺に対して略垂直に延在し、前記第3の辺に、前記第2のコア群に対する光接続部を備え、
前記クラッドの前記第3の辺を、前記第1の辺と鈍角をなす向きで交差させ、前記第2のコア群と前記第1のコア群とのなす角を鋭角とした
ことを特徴とする光導波路モジュール。
【請求項6】
前記第2の辺に形成される前記第1のコア群に対する光接続部及び前記第3の辺に形成される前記第2のコア群に対する光接続部に、前記光素子または光伝送経路が接続された
ことを特徴とする請求項5記載の光導波路モジュール。
【請求項7】
前記第2の辺に形成される前記第1のコア群に対する光接続部または前記第3の辺に形成される前記第2のコア群に対する光接続部の少なくとも一方は、前記クラッドの端面に傾斜端面を形成し、前記傾斜端面にコアの端面を露出させた反射面を備え、
前記反射面と対向する位置に、前記光素子として面型光素子を備えて、前記反射面を介してコアと光結合させた
ことを特徴とする請求項5記載の光導波路モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−184759(P2006−184759A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380400(P2004−380400)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】