説明

光架橋性ポリウレタン

下記のものから得られる線状の架橋性ポリウレタン:(a)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有するジイソシアナート、(b)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しており、該カルボキシル基の一部または全部がオレフィン性不飽和C−Cアルコールで、またはオレフィン性不飽和C−Cカルボン酸のグリシジルエステルでエステル化されているもの、および(c)場合により、少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しているもの。本発明のポリウレタンは、単独で、または他の反応性成分との混合物として、成形品、被膜、特にはんだマスクの製造に用いる架橋性組成物の熱架橋および/または光化学的架橋に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのカルボキシル基を含むジオールの反復構造単位をもち、ジイソシアナートの反復構造要素をもち、場合によりジオールの反復構造要素をもつ、線状ポリウレタン;OH−またはNCO−末端基付きであるこれらのポリウレタンとNCO−またはOH−末端基付きポリマーとのブロックコポリマー;カルボキシル基の一部または全部がエチレン性不飽和アルコールまたはエポキシドでエステル化されたポリウレタン;これらのポリウレタンを含有する、光硬化性であり、場合によりさらに熱硬化性である組成物;硬化した、かつ場合により造形された組成物で被覆された材料;および本発明組成物を用いて固体材料表面に場合により造形された被膜を製造する方法に関する。
【0002】
US−4 794 133には、ジイソシアナートとジオールから得られ、UV照射により重合可性(硬化可能)である、光ファイバー被膜用のアクリラート末端基付きポリウレタンが記載されている。
【0003】
EP−0 414 102 A2には、修飾されたイソホロンジイソシアナートが記載され、その一方のイソシアナート基はジオール成分としてジヒドロキシエチルアミノ基を含み、その他方のイソシアナート基は架橋基により共有結合したエチレン性不飽和基を含む。これらのモノマーはポリウレタンエラストマーの製造に用いられ、特にそれを用いて表面を被覆し、次いで放射線の作用下で重合させることができる。
【0004】
WO 01/25306には、脂肪族ジイソシアナート、脂肪族ジオールおよび単官能性オレフィン性不飽和化合物から得られた、放射線重合性の線状ポリウレタンが記載され、これらのポリウレタンは末端オレフィン基をもち、粉末被覆材料として用いられる。
【0005】
エチレン性不飽和基を含む放射線重合性(硬化性)線状ポリウレタンは、表面被覆用として既に提供されている;EP−0 048 913 A1を参照。それらのポリウレタンは、ジオール、ジイソシアナート、およびビスフェノール類またはアルキレンジカルボン酸と(メタ)アクリル酸グリシジルの反応生成物から製造される。それらのポリマーはカルボキシル基を含有しないので、フォトマスク下で重合させた後に水性塩基性系で現像して造形表面を得ることはできない。この欠点を避けるために、このコポリマーは、共有結合したカルボキシル基をもつコポリマーを含有する被覆用組成物が得られるように配合される。その調製には反応生成物を使用し、プロセスエンジニアリングに関して複雑で、しばしば再現性のない結果が得られる。
【0006】
放射線感受性ポリウレタンを含む放射線重合性の被覆用組成物が、EP−0 480 251 A1に記載されている。このポリウレタンは、ジオール、ジイソシアナート、および(メタ)アクリル酸とポリオールまたはビスエポキシド、たとえばビスフェノール類のジグリシジルエーテルとの反応生成物から製造され、他のエチレン性不飽和プレポリマーと一緒に水に分散される。これらの被覆用組成物は表面全体に付与され、水性塩基性系で現像して造形表面を得ることはできない。
【0007】
WO 02/09404には、ビスエポキシドと、ジオール成分としてのオレフィン性不飽和カルボン酸、他のジオール成分としての2個のヒドロキシル基をもつカルボン酸、および場合により他のジオールとの反応生成物からなる、線状ポリウレタンが記載されている。それらは被覆、場合により表面の造形に用いられ、水性アルカリ性媒質で現像できる。これらの系の欠点は、不飽和ジオール成分を予め製造することである。
【0008】
化学線および熱のいずれの作用下でも重合性であり、ポリウレタン成分の重合後に側鎖に放射線感受性または熱重合性オレフィン基が導入され、急速重合のための高い放射線感受性をもち、または遊離基開始剤の存在下では感熱性でもあり、さらに水性アルカリ性媒質に可溶性である、ポリウレタンは知られていない。さらに、そのようなポリウレタンブロックをもつブロックコポリマーは知られていない。ところが、そのような合成方式およびそのようなブロックコポリマーは、ポリウレタンをそれらの製造後に酸度およびオレフィン基含量に関して個々に調整でき、用途のそれぞれの要求条件に合わせることができるので、きわめて望ましい。さらに、他の官能性ポリマーとのモジュール系のための官能性構成単位または容易に官能化しうる構成単位が得られ、この構成単位により、その特性を多様な方法で加工特性ならびに最終製品の目的とする機械的および物理的特性に適合させることができる。
【0009】
本発明は、
a)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有するジイソシアナート、および
b)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しているもの
を含む線状ポリウレタンに関する。
【0010】
ジイソシアナートは脂肪族、脂環式、脂環式−脂肪族、芳香脂肪族または芳香族のジイソシアナートであってよく、これらは好ましくは2〜20個、特に好ましくは2〜16個の炭素原子を含む。イソシアナートは置換されていなくてもよく、あるいはたとえばC−CアルキルまたはC−Cアルコキシ、たとえばメチル、エチル、メトキシおよびエトキシで置換されていてもよい。
【0011】
成分a)のジイソシアナートの基は、たとえば式Iに対応する:
−(O)CN−R−NC(O)− (I)
式中:
は、直鎖または分枝鎖C−C20アルキレン、好ましくはC−C16アルキレン、特に好ましくはC−C12アルキレン;C−C12シクロアルキレン、好ましくはC−Cシクロアルキレン、特に好ましくはC−Cシクロアルキレン;C−Cアルキレン−C−C12シクロアルキレン、好ましくはC−Cアルキレン−C−Cシクロアルキレン;C−Cアルキレン−C−C12シクロアルキレン−C−Cアルキレン、好ましくはC−Cアルキレン−C−Cシクロアルキレン−C−Cアルキレン;ビス−C−Cシクロアルキレン、好ましくはビス−C−Cシクロアルキレン;C−C14アリーレン、好ましくはC−C10アリーレン;−C−X−C−;C−Cアルキレン−C−またはC−Cアルキレン−C−C−Cアルキレン−であり;
は、直接結合、C−Cアルキレン、C−Cアルキリデン、−O−、−S−、−C(O)−、−CO−、−S(O)−または−SO−である。
【0012】
ジイソシアナートはポリウレタン化学において広く知られている。若干の好ましい例は下記のものである:ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−、オクタ−、ノナ−、デカ−、ウンデカ−およびドデカメチレンジイソシアナート、1,3−プロピレンまたは1,3−ブチレンジイソシアナート、2,2−ジメチル−1,3−プロピレンジイソシアナート、2,3−ジメチル−1,4−ブチレンジイソシアナート、2,5−ジメチル−1,6−ヘキシレンジイソシアナート、1,2−または1,3−シクロブチレンまたは−シクロペンチレンジイソシアナート、モノ−、ジ−またはトリメチル−1,2−または1,3−シクロブチレンまたは−シクロペンチレンジイソシアナート、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキシレンジイソシアナート、モノ−、ジ−またはトリメチル−1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキシレンジイソシアナート、1,3−または1,4−シクロオクチレンジイソシアナート、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−2−メチルシクロヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,3−ジメチルシクロヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアナート)、1,3−または1,4−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナトビスシクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンまたは−エタン、2,3−または2,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−または2,6−ジオスシアナトトルエン、2,5−または2,6−ジイソシアナトキシレン、2,7−ジイソシアナトナフタレン、1−イソシアナトメチル−3−または−4−シアナトベンゼン、2−イソシアナトメチル−4−または−6−シアナトトルエン、1,3−または1,4−ジイソシアナトメチルベンゼン、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、4,4’−ジイソシアナトビフェニルエーテル、4,4’−ジイソシアナトビフェニルチオエーテル、4,4’−ジイソシアナトビフェニルスルホンおよびビス(4−イソシアナトフェニル)メタンまたは−エタン。
【0013】
成分b)のジオールは、好ましくは2〜20個、特に好ましくは2〜18個の炭素原子、および好ましくは1または2個のカルボキシル基を含む。これらのジオールは、好ましくは第一級または第二級ヒドロキシル基を含む。脂肪族基は、直鎖または分枝鎖C−C18アルクトリイル(alktriyl)またはC−C18アルクテトリル(alktetryl)であってよい。脂環式基は、C−C12−、好ましくはC−C−、特に好ましくはC−Cシクロアルクトリイルもしくは−シクロアルクテトリル、モノアルキレン−C−C12−、好ましくはC−C−、特に好ましくはC−Cシクロアルクジイル(cycloalkdiyl)もしくはシクロアルクトリイル、またはビスアルキレン−C−C12−、好ましくは−C−C−、特に好ましくは−C−Cシクロアルキルもしくはシクロアルクジイルであってもよい。
【0014】
カルボキシル基を含むジオールの基は、好ましくはたとえば式Iに対応する:
−O−R(COOH)−O− (II)
式中:
mは、1または2の数値であり、
は、2〜18個、好ましくは2〜12個の炭素原子をもつ三価または四価の脂肪族または脂環式基である。
【0015】
三価および四価の脂肪族基は、直鎖または分枝鎖アルカン、たとえばエタン、ならびにプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカンおよびエイコサンの異性体から誘導できる。
【0016】
三価および四価の脂環式基は、シクロアルカン、たとえばシクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカンおよびシクロドデカンから誘導できる。1または2個のC−Cアルキレン、特にメチレンまたはエチレンが環に結合していてもよい。
【0017】
カルボキシル基で置換されたジオールは既知であり、市販されているか、あるいは既知の方法および同様な方法、たとえばオレフィン性不飽和モノ−またはジカルボン酸のエポキシ化、続いてエポキシド基のアルカリまたは酸による加水分解により製造できる。ジヒドロキシカルボン酸の若干例は下記のものである:1,2−ジヒドロキシプロピオン酸、1,3−ジヒドロキシ−2−カルボキシプロパン、1,2−または1,3−ジヒドロキシ酪酸、1,4−ジヒドロキシ−2−カルボキシブタン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチル−2−カルボキシプロパン、1,5−ジヒドロキシ−3−カルボキシペンタン、1,6−ジヒドロキシ−3−カルボキシヘキサン、1,2−ジヒドロキシ−8−カルボキシオクタン、1,2−または2,3−ジヒドロキシ−10−カルボキシデカン、1,2−または3,4−ジヒドロキシ−12−カルボキシドデカン、1,2−または1,3−ジヒドロキシ−14−カルボキシテトラデカン、1,2−または2,3−または3,4−ジヒドロキシ−16−カルボキシヘキサデカン、1,2−または2,3−または3,4−ジヒドロキシ−17−カルボキシヘプタデカン、1,2−または2,3−または3,4−ジヒドロキシ−18−カルボキシオクタン、1,3−ジヒドロキシ−2−カルボキシメチルプロパン、1,4−ジヒドロキシ−2−カルボキシメチルブタン、1,5−ジヒドロキシ−3−カルボキシメチルペンタン、酒石酸、1,3−ジカルボキシ−2,3−ジヒドロキシプロパン、1,4−ジカルボキシ−2,3−ジヒドロキシブタン、1,4−ジヒドロキシ−2,3−ジカルボキシブタン、1,4−ジヒドロキシ−2−カルボキシシクロヘキサンおよび1,4−ジヒドロキシメチル−2−カルボキシシクロヘキサン。
【0018】
カルボキシル基を含む好ましいジオールは、1,2−ジヒドロキシプロピオン酸、1,3−ジヒドロキシ−2−カルボキシプロパン、1,2−または1,3−ジヒドロキシ酪酸、1,4−ジヒドロキシ−2−カルボキシブタン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチル−2−カルボキシプロパン、1,5−ジヒドロキシ−3−カルボキシペンタン、1,6−ジヒドロキシ−3−カルボキシヘキサンおよび酒石酸である。1,3−ジヒドロキシ−2−メチル−2−カルボキシプロパンおよび酒石酸が特に好ましい。
【0019】
本発明によるポリウレタンは、さらに下記のものを含むことができる:
c)少なくとも1種類の脂肪族、脂環式もしくは脂環式−脂肪族ジオールの基、または少なくとも1種類のオリゴマー状もしくはポリマー状オキサアルキレングリコールの基、少なくとも1種類のポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールもしくはポリラクトンジオールの基、またはポリブタジエンもしくはポリイソプレンをベースとするジオールの基(末端ヒドロキシル基をもつ)。
【0020】
脂肪族ジオールは、直鎖または分枝鎖であってよく、好ましくは2〜18個、より好ましくは2〜12個、特に好ましくは2〜6個の炭素原子を含む。脂肪族基(アルキレン)の例は、前記にRについて挙げた。好ましい脂肪族ジオールの若干例は、エチレン、1,2−および1,3−プロピレン、1,2−、1,3−および1,4−ブチレン、1,2−、1,3−、1,4−および1,5−ペンチレン、ならびに1,2−、1,3−、1,4−、1,5−および1,6−ヘキシレングリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオールならびにオクタデカンジオールである。C−Cアルキレンジオールが特に好ましい。
【0021】
脂環式または脂環式−脂肪族基は、単環式環、または多環式の連結、架橋もしくは縮合環系であってよく、環は3〜12個、好ましくは4〜8個、特に好ましくは5または6個の環炭素原子を含む。後者の例は、[2.2.1]ビシクロヘプタン、[2.2.2]ビシクロオクタンおよび[1.0.0]トリシクロデカンである。環式基は、好ましくは2個のC−Cヒドロキシアルキル、特に好ましくは2個のヒドロキシメチルで置換されている。脂環式または脂環式−脂肪族基の例は、前記にRについて述べた。若干の好ましい脂環式または脂環式−脂肪族ジオールの例は、1,3−ジヒドロキシシクロペンタン、1,3−および1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−もしくは−ジヒドロキシメチル−1,1’−ビシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチル[2.2.1]ビシクロヘプタンまたは1,4−ジヒドロキシメチル[2.2.2]ビシクロオクタンである。
【0022】
オリゴマー状もしくはポリマー状オキサアルキレングリコールは、好ましくはC−Cアルキレンジオールから誘導され、直鎖または分枝鎖であってよく、同一または異なるアルキレンジオールから構成することができる。オキサアルキレンジオールの好ましい例は、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、および1,4−ブチレングリコールである。若干例は、ジ−、トリ−およびテトラエチレングリコール、ジ−、トリ−およびテトラプロピレングリコール、最高50個のオキサエチレンまたはオキサプロピレン単位をもつオリゴマー状のエチレングリコール、プロピレングリコールまたは混合エチレン−プロピレングリコール、最高500個、好ましくは最高300個のオキサエチレンまたはオキサプロピレン単位をもつポリマー状のエチレングリコール、プロピレングリコールまたは混合エチレン−プロピレングリコール、ならびにポリテトラヒドロフラン(ポリブチレングリコール)である。
【0023】
ポリエステルジオールは、脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸と、脂肪族C−C12アルキレンジオール、好ましくはC−Cアルキレンジオール、オリゴマー状もしくはポリマー状オキサアルキレングリコール、またはそれらのジオールの混合物から誘導されるポリエステルであって、それらの末端カルボキシル基がジオールでエステル化合されたものである。
【0024】
ポリカーボネートジオールは、脂肪族C−C12アルキレンジオール、好ましくはC−Cアルキレンジオール、オリゴマー状もしくはポリマー状オキサアルキレングリコール、またはそれらのジオールの混合物と、ホスゲンまたは炭酸ジアルキル(たとえば炭酸ジメチルまたはジエチル)から得られるポリマーである。
【0025】
ポリラクトンジオールは、末端カルボキシル基がジオールでエステル化されたポリラクトン、たとえばポリバレロラクトンである。
【0026】
ポリブタジエンまたはポリイソプレンをベースとするジオールは、第一級または第二級末端ヒドロキシル基を含むことができる。ポリブタジエンまたはポリイソプレンは、ホモポリマー、またはエチレン性不飽和コモノマーとのコポリマーであってよい。適切なコモノマーは、たとえばオレフィン(エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン)、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリラートおよびアクリルアミド、ならびにメタクリラートおよびメタクリルアミドである。ポリブタジエンのみをベースとするジオールが好ましい。
【0027】
オリゴマー状またはポリマー状オキサアルキレングリコール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオール、およびポリブタジエンジオールまたはポリイソプレンジオールは既知であり、同様な方法で製造でき、市販されている。オリゴマー状またはポリマー状ジオールは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によりトルエンを標準品として用いて測定した平均分子量Mw 400〜20 000g/mol、好ましくは800〜10 000g/molをもつことができる。特に、本発明によるポリウレタンの柔軟性が、オリゴマー状またはポリマー状ジオールによって有利な影響を受ける可能性がある。
【0028】
好ましい態様において、ジオール基は式IIIに対応する:
−O−R−O− (III)
式中:
は、直鎖または分枝鎖C−C18アルキレン、好ましくはC−C12アルキレン、特に好ましくはC−Cアルキレン;C−C12シクロアルキレン、好ましくはC−Cシクロアルキレン、特に好ましくはC−Cシクロアルキレン;C−Cアルキレン−C−C12シクロアルキレン、好ましくはC−Cアルキレン−C−Cシクロアルキレン;C−Cアルキレン−C−C12シクロアルキレン−C−Cアルキレン、好ましくはC−Cアルキレン−C−Cシクロアルキレン−C−Cアルキレン;ビス−C−Cシクロアルキレン、好ましくはビス−C−Cシクロアルキレンである。
【0029】
オリゴマー状またはポリマー状オキサアルキレングリコールの基は、好ましくは直鎖または分枝鎖C−Cアルキレンジオール、好ましくはC−Cアルキレンジオールから誘導される。オリゴマー状またはポリマー状オキサアルキレングリコールは、2〜1 000個、好ましくは2〜600個、特に好ましくは2〜400個の同一または異なるオキサアルキレン単位を含むことができる。
【0030】
好ましい態様において、オキサアルキレン基は式IVに対応する:
−O−(R−O)− (IV)
式中:
は同一または異なる−C2r−であり、rは2〜6の数値、好ましくは2〜4であり、nは平均2〜600の数値である。Rは、好ましくはエチレン、1,2−または1,3−プロピレン、1,2−、1,3−または1,4−ブチレンである。式IVの基を誘導できるオキサアルキレングリコールの若干例は、下記のものである:ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレン1,2−プロピレングリコール、3〜600個のオキサエチレン単位をもつポリオキサエチレングリコール、3〜600のオキサプロピレン単位をもつポリオキサ−1,2−プロピレングリコール、3〜600のオキサアルキレン単位をもつランダムオリゴマーおよびポリマーまたはブロックオリゴマーおよびブロックポリマーとしての混合ポリオキサエチレングリコール/ポリオキサ−1,2−プロピレングリコール、ポリ−1,3−オキサプロピレンならびにポリ−1,4−オキサブチレン(ポリテトラヒドロフラン)。
【0031】
ポリエステルジオールはポリウレタン化学において既知である。それらは、ヒドロキシカルボン酸の、または脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸とジオールの、ヒドロキシアルキル末端基付きポリマーである。ヒドロキシカルボン酸の例は、ω−C−Cアルキルカルボン酸である。ジカルボン酸の例は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸である。ジオールの例は、直鎖C−Cアルキレンジオールである。C−Cアルキレンジオールで停止反応を行うのが好ましい。
【0032】
ポリブタジエンをベースとするジオールは、好ましくは式Vに対応する:
Y−(CH−CH=CH−CH−Y (V)
式中:
xは、6〜250、好ましくは10〜200、特に好ましくは20〜150の数値であり、
Yは、−CH−CH−OHまたは−CH−CH(CH)−OHである。そのようなジオールは市販されている(たとえばKRASOL、登録商標)か、あるいはポリブタジエンについてそれ自体既知のヒドロキシル化法により製造できる。これらのポリブタジエンジオールのジオール基含量は、本発明によるポリウレタンにおいて予想外に高い耐熱衝撃性をもたらす。
【0033】
本発明の好ましい態様において、ポリウレタンは式I、II、III、IVおよび/またはVに対応する反復単位:
−(O)CN−R−NC(O)− (I)
−O−R(COOH)−O− (II)
−O−R−O− (III)
−O−(R−O)− (IV)
Y−(CH−CH=CH−CH−Y (V)
またはポリエステルジオールの基を含み、式中のR、R、R、R、m、n、xおよびYは、好ましいものを含めて前記の意味をもつ。
【0034】
好ましいポリウレタン中の式Iの構造要素の量は、ポリウレタン1モルを基準として50モル%であってよい。式IIの構造要素の量は、たとえば50〜0.01モル%、好ましくは50〜2モル%、特に好ましくは50〜20モル%、特にきわめて好ましくは50〜30モル%であってよい。式III、IV、Vの構造要素および/またはポリエステルジオールの量は、たとえば0〜49.99モル%、好ましくは0〜48モル%、特に好ましくは0〜30モル%、特にきわめて好ましくは0〜20モル%であってよい。モル%は合計100モル%となる。本発明によるポリウレタンにおいては、式IIIの構造要素をオリゴマー状またはポリマー状ジオール基、特に式IV、Vの構造要素およびポリエステルジオール基と混和しておき、したがってたとえば式IIの構造要素のほかに、10〜20モル%の式IIIの構造要素、ならびに0.01〜10モル%の式IV、Vの構造要素およびポリエステルジオール基を含有することができる。
【0035】
分子量(重量平均Mw)は、GPCによりトルエンを標準品として用いて測定して、たとえば2 000〜150 000、好ましくは8 000〜60 000g/molであってよい。
【0036】
本発明によるポリウレタンは、式IとIIの構造要素を含むブロック、ならびに式IとIII、式IとIV、式IとV、および式Iとポリエステルジオール基、あるいは式I、IIIおよびIV、または式I、IIIおよびV、ならびに式I、IIIおよびポリエステルジオール基の構造要素を含むブロックをもつ、ランダムポリマーまたはブロックポリマーであってよい。
【0037】
本発明によるポリウレタンは、続いてイソシアナート末端基付きまたは対応するブロック形成した(たとえばアクリル酸ヒドロキシメチルと)イソシアナート末端基付きポリウレタンとモノ−またはビスヒドロキシ修飾ポリマーを反応させる方法で、さらに修飾されてもよい。そのような反応には、たとえば前記のポリオキサアルキレングリコールおよびポリエステルジオールが適切である。他の適切なポリマーは、たとえば末端カルボキシル基がメルカプトエタノールで修飾されたポリ(メタ)アクリラートである。本発明によるこれらのポリウレタンにおいて、修飾するポリマー鎖は末端位置に結合する。他の適切なポリマーは、たとえばジオール官能基をもつチオグリセロールを末端カルボキシル基に付与したポリ(メタ)アクリラートである。これらのポリウレタンにおいて、修飾するポリマー鎖は、それらがポリウレタンブロックを互いに連結して櫛形構造を形成するように結合する。さらに本発明によるヒドロキシ末端基付きポリウレタンを、続いてイソシアナート末端基付きまたは対応するブロック形成した(たとえばアクリル酸ヒドロキシメチルと)イソシアナート末端基付きポリウレタンで修飾して、ブロックポリウレタンを得ることができる。この目的に使用できるポリウレタンは既知であり、あるいは同様な方法で、たとえば好ましいものを含めて前記のジイソシアナートおよびジオールから製造できる。これらのポリウレタンは共有結合したカルボキシル基をもつジオールを含有しないので、本発明によるポリウレタンとは異なる。そのようなブロックコポリマーを用いて、制御された様式で目的とする物理的および化学的特性をさらに付与し、特定の用途に適合させることができる。
【0038】
したがって本発明には、式IおよびII、ならびに場合によりIII、IVおよび/またはVに対応する反復構造単位のブロック、ならびにポリオキサアルキレンジオール、ポリエステルジオール、ペンダントカルボキシル基をもたないポリウレタン、およびポリ(メタ)アクリル酸の同一または異なるブロックをもつ、ブロックコポリマーの形のポリウレタンも含まれる。
【0039】
本発明によれば、ポリウレタンの塩類、たとえばアルカリ土類金属(マグネシウムおよびカルシウム)塩、好ましくはアルカリ金属(ナトリウムまたはカリウム)塩、およびアンモニアまたは第一級、第二級もしくは第三級C−C12アミン、たとえばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピペリジンおよびモルホリンのアンモニウム塩も含まれる。
【0040】
線状ポリウレタンの製造は、ポリウレタンについて関連文献に広く記載されている、それ自体既知の方法により実施できる。しばしば、ジオールをまず適切な溶媒に溶解し、触媒(有機スズ化合物、たとえばジラウリン酸ジブチルスズ)を添加し、混合物を加熱し、次いでイソシアナートを比較的長時間かけて徐々に添加する方法が採用される。得られたポリウレタンを単離してもよく、あるいは反応混合物をそのままカルボキシル基のエステル化に使用してもよい。詳細をさらに実施例に示す。
【0041】
本発明によるポリウレタンは、光架橋性ポリマーを得るために、式IIの構造単位中の遊離カルボキシル基の部分的または完全なエステル化によりさらに修飾するのにきわめて好適である。光架橋性ポリマーは、部分エステル化の場合、またはカルボキシル基を含むポリマーのポリマー構造単位と組み合わせると、より水溶性となる。この場合の格別の利点は、酸度(カルボキシル基の個数)および架橋適性(オレフィン性不飽和基の個数、またはエステル化度)を1工程で調整できることである。たとえば、オレフィン性不飽和アルコールまたはグリシジルビニル化合物をエステル化に使用できる。
【0042】
本発明により使用するグリシジルビニル化合物は、それぞれエポキシド基およびビニル基をもち、ビニル基としてはアクリラート基が好ましい。そのようなグリシジルビニル化合物の例は、特にUS 4,972,884、12欄19行以下にもある。ビニル基で置換された有機基は、たとえばビニル基で置換された脂肪族、脂環式または芳香族の基である。これらの脂肪族、脂環式または芳香族の基は、置換されていてもよいアルキレン、たとえばC−Cアルキレン、置換されていてもよいシクロアルキレン、たとえばC−Cシクロアルキレン、置換されていてもよいアリーレン、たとえばフェニレンもしくはナフチレン、または置換されていてもよいアルケニレン、たとえばC−Cアルケニレンであってよい。これらの脂肪族、脂環式または芳香族の基に適切な置換基は、たとえばヒドロキシル基、C−Cアルキル基およびC−Cアルコキシ基である。これらの脂肪族、脂環式または芳香族の基は、好ましくは置換されていない。
【0043】
エステル化に適切な化合物は、特に低分子量オレフィン性不飽和アルコール、および低分子量オレフィン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステルである。本発明に関して低分子量とは、3〜8、好ましくは3〜6個の炭素原子をもつアルコール類およびカルボン酸を意味することができる。若干の好ましい例は、アリルアルコール、クロトニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸である。(メタ)アクリル酸グリシジルが特に好ましい。
【0044】
本発明はさらに、
a)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有するジイソシアナート、
b)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しており、該カルボキシル基の一部または全部がオレフィン性不飽和C−Cアルコールで、またはオレフィン性不飽和C−Cカルボン酸のグリシジルエステルでエステル化されているもの、および
c)場合により、少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しているもの
を含む線状の架橋性ポリウレタンに関する。
【0045】
本発明による線状の架橋性ポリウレタンは、さらに
d)少なくとも1種類の脂肪族、脂環式もしくは脂環式−脂肪族ジオールの基、少なくとも1種類のオリゴマー状もしくはポリマー状オキサアルキレングリコールの基、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールまたはポリラクトンジオールの基
を含むことができる。
【0046】
本発明による線状の架橋性ポリウレタンは、さらに前記のブロックコポリマーを含むことができる。
【0047】
エステル化度は、たとえばカルボキシル基の0.1〜100、好ましくは1〜90、特に好ましくは5〜80%であってよい。エステル化度は酸価により判定できる。酸価は、たとえばKOHを用いる滴定により測定して0.2〜1.4、好ましくは0.6〜1.4モルKOH/kgポリウレタン(固体)であってよい。
【0048】
他の点では、線状の架橋性ポリウレタンについて前記に示した拡張、態様および好ましい態様を適用する。
【0049】
好ましい態様において線状の架橋性ポリウレタンは、式IおよびVIに対応する反復単位、ならびに場合によりII、III、IV、Vに対応する反復単位および/またはポリエステルジオールの基を含む:
−(O)CN−R−NC(O)− (I)
−O−R(COOH)−O− (II)
−O−R−O− (III)
−O−(R−O)− (IV)
Y−(CH−CH=CH−CH−Y (V)
−O−R(COOR−O− (VI)
式中のR、R、R、R、Y、m、nおよびxは、好ましいものを含めて前記の意味をもち、Rはアリル、クロトニル、CH=CH−C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−またはCH=C(CH)−C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−である。
【0050】
前記の架橋性ポリウレタンは、線状ポリウレタンのエステル化により得ることができる。二次反応を避けるために、反応混合物に阻害剤を添加してもよい。反応温度は、好ましくは70〜150℃である。このエステル化に際して、アルカリ金属アルコラートも使用できる。反応中に生成する反応水を除去することが適切である。グリシジルエステルは一般に反応性がより高いので、使用するのが好ましい。詳細をさらに実施例に示す。
【0051】
分子量に応じて、本発明による架橋性ポリウレタンは液体ないし固体材料であり、これらは有機溶媒および水に可溶性であり、熱もしくは放射線のいずれか、または熱と放射線の作用下で架橋できる。したがって本発明のポリウレタンは多様な分野に使用でき、そのためにそれらを目的用途に従って配合できる。
【0052】
本発明はさらに、
a)本発明による架橋性ポリウレタン、
b)オレフィン基の熱架橋のための開始剤、または
c)光開始剤、または
d)オレフィン基の熱架橋のための開始剤および光開始剤、ならびに
e)場合により希釈剤
を含む組成物に関する。
【0053】
本発明による組成物は、さらにポリマー系結合剤を含むことができる。そのような結合剤の例は、ポリアクリラートおよびRipoxyポリマー(Showa Highpolymer Co. Ltd.)である。結合剤は、組成物を基準として5〜90、好ましくは10〜50重量%の量で含有させることができる。
【0054】
熱架橋のためには、遊離基開始剤、たとえば有機アゾ化合物、たとえばアゾジイソブチロニトリル、または過酸化物、たとえば過酸化ジアシルベンゾイルをポリウレタンに装入する。その量は、組成物を基準として0.01〜5重量%であってよい。
【0055】
本発明による組成物がたとえばUV線照射により架橋(硬化)する場合、組成物に光重合開始剤を添加する。光開始剤の代表例は下記のものである:ベンゾインおよびベンゾインアルキルエーテル、たとえばベンゾイン、ベンジル(benzil)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなど;ベンゾフェノン類、たとえばベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなど;アセトフェノン類、たとえばアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1’−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなど;チオキサンタノンおよびキサントン類、たとえば2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど;アントラキノン類、たとえばアントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノンなど;ケタール類、たとえばアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど;安息香酸エステル、たとえば4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、安息香酸2−(ジメチルアミノ)エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルなど;ならびにフェニルジスルフィド類、2−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィドなど。これらの化合物は、別個に、または本発明による組成物中に組み合わせて、含有させることができる。
【0056】
光重合開始剤は、好ましくは本発明による組成物を基準として0.1〜15、特に好ましくは1〜10重量%の量で存在する。
【0057】
さらに、本発明による組成物に、光重合開始剤と組み合わせて光重合促進剤を添加してもよい。光重合促進剤は、重合反応を促進する。代表例は、第三級アミン、たとえばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノールなどである。
【0058】
本発明による組成物は、希釈剤、たとえば光重合性ビニルモノマーおよび/または有機溶媒を含有してもよい。
【0059】
光重合性ビニルモノマーは、好ましくは下記よりなる群から選択される:アクリル酸ヒドロキシアルキル、たとえばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチルなど;グリコール、たとえばエチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのモノ−またはジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリラートなど;アクリルアミド、たとえばN,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリアクリルアミド、ビスアクリルアミドプロポキシエタン、メタクリル酸ビスメタクリルアミドエチル、N−[(β−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドなど;アクリル酸アミノアルキル、たとえばアクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルなど;ポリオールの多価アクリラート、たとえばヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、イソシアヌル酸トリヒドロキシエチルなど、およびそのエチレンオキシド付加物またはプロピレンオキシド付加物;フェノキシアクリラート、ビスフェノールAジアクリラート、ならびにこれらのフェノール類のエチレンオキシド付加物およびプロピレンオキシド付加物のアクリラート;アクリラートまたはグリシジルエーテル類、たとえばグリセリルジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジルなど;アクリル酸メラミン;ならびに前記アクリラートのメタクリラート。
【0060】
有機溶媒は、好ましくは下記よりなる群から選択される:ケトン類、たとえばメチルエチルケトン、シクロヘキサノンまたはメチルイソブチルケトンなど;芳香族炭化水素、たとえばトルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなど;グリコールエーテル類、たとえばメチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、メトキシプロパノール、酢酸ジエチルエーテル、酢酸メトキシプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなど;エステル類、たとえば酢酸エチル、酢酸ブチル、前記グリコールエーテル類の酢酸エステルなど;アルコール類、たとえばエタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなど;脂肪族炭化水素、たとえばオクタン、デカンなど;ならびに石油系溶媒、たとえば石油エーテル、石油ナフサ、水素化石油ナフサ、ナフサ系溶媒など。これらの有機溶媒は、本発明による組成物の粘度を低下させるために用いられ、これにより組成物の被覆特性が改良される。
【0061】
希釈剤は単独で、または複数の希釈剤の混合物として使用できる。本発明による組成物は、組成物を基準として最高95重量%、好ましくは10〜50重量%の希釈剤を含有できる。重量%は常に合計100重量%となる。
【0062】
本発明による組成物に光重合性ビニルモノマーを希釈剤として添加することにより、粘度が低下するだけでなく、同時に重合速度も上昇する。展延性および靭性などの特性に影響を及ぼす可能性もある。
【0063】
さらに、カルボキシル基と反応しうる架橋剤(エポキシド、潜在性アミン、シアン化物)を添加してもよい。そのような架橋剤は既知である。分子中に少なくとも2個のエポキシド基をもつ有機ポリエポキシド化合物が好ましい。そのようなポリエポキシドは広く知られている。ジオールおよびポリオールのグリシジルエーテル、たとえばビスフェノールA、ビスフェノール−Sおよびビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、ならびにフェノールまたはクレゾールノボラックおよび脂環式エポキシドのグリシジルエーテルが好ましい。有機ジカルボン酸のジグリシジルエステルがさらに適切である。グリシジルエーテル類は予めジオールで延長されてもよく、あるいはプレポリマーであってもよい。架橋剤の量は、ポリウレタンを基準としてたとえば0.1〜40重量%であってよい。
【0064】
エポキシ化合物およびプレポリマーの例は、下記のものである:ビスフェノールSタイプのエポキシ樹脂、たとえばEBPS−200(Nippon Kayakuの製品)、EPX−30(ACR Co.の製品)、Epiclon EXA−1514(Dainippon Ink Chemicalsの製品);フタル酸ジグリシジル樹脂、たとえばPlemmer DGT(Nippon Yushiの製品);複素環式エポキシ樹脂、たとえばTEPIC(Nissan Kagaku AGの製品)、Araldite PT810(Chiba Geigy Inc.の製品);ビキシレノールタイプのエポキシ樹脂、たとえばYX−4000(Yuka Shell AGの製品);ビフェノールタイプのエポキシ樹脂、たとえばYL−6056(Yuka Shellの製品);ならびにテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、たとえばZK−1063(Tohto Kasei AGの製品);ノボラックタイプのエポキシ樹脂、たとえばEPPN−201、EOCN−103、EOCN−1020、EOCN−1025およびBREN(Nippon Kayaku AGの製品)、ECN−278、ECN−292およびECN−299(Asahi Chemicalsの製品)、ECN−1273およびECN−1299(Chiba Geigy Inc.の製品)、YDCN−220L、YDCN−220HH、YDCN−702、YDCN−704、YDCN−601およびYDCN−602(Tohto Kasei AGの製品)、Epiclon−673、N−680、N−695、N−770およびN−775(Dainippon Ink Chemicalsの製品);ビスフェノールAタイプのノボラックエポキシ樹脂、たとえばEPX−8001、EPX−8002、EPX−8060およびEPX−8061(Asahi Chemicalsの製品)、Epiclon N−880(Dainippon Ink Chemicals AGの製品);キレートタイプのエポキシ樹脂、たとえばEPX−49−60、EPX−49−30(Asahi Denka Kogyoの製品);グリオキサールタイプのエポキシ樹脂、たとえばYDG−414(Tohto Kasei AGの製品);アミン基含有エポキシ樹脂、たとえばYH−1402およびST−110(Tohto Kasei AGの製品)、YL−931およびYL−933(Yuka Shell AGの製品);ゴム改質エポキシ樹脂、たとえばEpiclon TSR−601(Dainippon Ink Chemicalsの製品)、EPX−84−2、EPX−4061(Asahi Denkaの製品);ジシクロペンタジエン−フェノールエポキシ樹脂、たとえばDCE−400(Yamawaki Kokusaku Pulp AGの製品);シリコン改質エポキシ樹脂、たとえばX−1359(Asahi Denka Kogyo AGの製品);ならびにε−カプロラクトン改質エポキシ樹脂、たとえばPlac G−402、G−710(Daicel Chemicalsの製品);ならびに(メタ)アクリル酸で部分エステル化したエポキシ樹脂。
【0065】
さらに、熱の作用により硬化しうるプレポリマーの例は、Epikote(登録商標)180S70(Yuka Shell Epoxy AG)、Epiclon(登録商標)N−670、Epiclon N−673、Epiclon N−680、Epiclon N−690およびEpiclon N−775(Dainippon Ink Chemicals AG)、ECN−1273、ECN−1280(Chiba Geigy AG)である。
【0066】
本発明による光架橋性ポリウレタンがカルボキシル基をほとんどまたは全く含まない場合、それ自体既知の方法でポリカルボン酸またはカルボン酸無水物を用いる架橋により、エポキシドを硬化させることもできる。硬化のために、カルボキシル基を含む本発明ポリウレタンも使用できる。ポリカルボン酸またはカルボン酸無水物の量は、組成物を基準として0.1〜20重量%であってよい。
【0067】
本発明による組成物は、エポキシド硬化剤をも含むことができる。これは、加熱中にエポキシ基を架橋するために用いられ、したがって本発明による組成物を用いて作成された保護膜は良好な耐熱性、耐水性および電気的特性をもつ。この硬化剤の例は、s−トリアジン化合物、たとえばメラミン、エチルジアミノ−s−トリアジン類、2,4−ジアミノ−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−トリル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−s−トリアジン、およびその誘導体である。グアニジン化合物、たとえばグアニジン、アセトグアニジン、ベンゾグアニジン、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなど、そのs−トリアジン化合物は、エポキシ樹脂用の潜在エポキシド硬化剤である。それらは、保護膜と基板を、より良好に接着する。その結果、回路板の製造に際して銅の腐食および変色を防止できる。イミダゾール化合物も、接着を促進する。さらに、ポリアミン(たとえばジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、シクロヘキシルアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、多塩基性ヒドラジンなど)、その有機酸塩および/またはそのエポキシ付加物;第三級アミン(たとえばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルアリニン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサメトキシメチルメラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、N−シクロヘキシルジメチルアミン、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノールなど);有機ホスフィン(たとえば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィンなど);カリウム塩(たとえばトリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロミド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロリドなど);第四級アンモニウム塩(たとえばベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミドなど);ならびに光カチオン重合触媒(たとえばテトラフルオロホウ酸ジフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸2,4,6−トリフェニルチオピリリウム、Irgacure 261(Chiba Geigyの製品)など)も適切である。以上のエポキシド硬化剤を単独で、または組み合わせて使用できる。
【0068】
エポキシド硬化剤は、ポリエポキシド対エポキシド硬化剤の重量比95:5以下、好ましくは98:2以下で用いるのが適切である。エポキシド硬化剤が上記の量で存在すると、目的とする耐水性および耐熱性が得られるほど十分な架橋が起き、本発明による組成物は現在既知の組成物と比較して特に好ましいものとなる。
【0069】
本発明による組成物は、成形品または層の接着特性または硬度を改良するために、さらに無機および/または有機充填剤を含有してもよい。無機充填剤は、好ましくは硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉末シリカ、微粉末シリカ、非晶質シリカ、タルク、白亜、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、雲母粉末などよりなる群から選択される。本発明による組成物は、最高60重量%、好ましくは5〜40重量%の無機充填剤を含有することが好ましい。
【0070】
アリル化合物、たとえばフタル酸ジアリルプレポリマー、イソフタル酸ジアリルプレポリマーなどを有機充填剤として添加できる。有機充填剤の添加により、化学安定性を高めることもできる。本発明による組成物は、露光により硬化しうるプレポリマー100重量%当たり、最高30重量%、特に好ましくは最高20重量%の有機充填剤を含有することができる。その例は、平均分子量2 000〜30 000g/molのDaiso DapおよびDaiso Isodap(Osaka Soda AG製)、ならびに平均分子量5 000〜20 000g/molのイソフタル酸ジアリルプレポリマーである。
【0071】
本発明による組成物は、添加剤、たとえば色素、顔料、潤滑剤、離型剤、増粘剤、消泡剤、均展剤、熱重合阻害剤または酸化防止剤を含有してもよい。使用できる色素は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ヨードグリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどである。使用できる熱重合阻害剤は、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどである。適切な増粘剤は、たとえばオルベン、ペントン、モンモリロナイトなどである。適切な消泡剤は、たとえばフルオロシリコン様、フッ化物様またはポリマー様の消泡剤である。
【0072】
本発明の架橋性ポリウレタンは、たとえば慣用される成形法により熱硬化性成形材料として使用できる。成形品の厚さに応じて、熱および/または放射線により架橋を行うことができ、こうして硬化を達成できる。加工および特性に影響を及ぼすことができる添加剤を成形材料に添加することができる。慣用される添加剤は、たとえば潤滑剤、離型剤、可塑剤、充填剤、強化用充填剤、顔料および色素である。本発明の熱硬化性成形材料から、良好な力学抵抗により卓越した工業用部材および実用品を製造できる。
【0073】
本発明の架橋性ポリウレタンは、多様な材料、たとえば金属、木材、プラスチック、セラミック、ガラス、石英ガラス、厚紙および紙を永久的に接着するための接着剤としても使用できる。透明材料および半透明材料を、照射、熱または両方の手段のみで接着結合させることができる。不透明材料は熱の作用下で接着結合することが適切である。接着結合した材料は、卓越した接着強度および剥離抵抗性をもつ。したがって本発明の接着剤は複合材料の製造に適する。接着結合には溶液、分散液または粉末を使用でき、さらに加圧下で接着結合を形成することができる。
【0074】
本発明の架橋性ポリウレタンは、装飾の目的または保護の目的で表面を被覆するのにも使用できる。装飾の目的には、被覆表面をマスク下で光造形(photostructure)し、照射部分をたとえば有機溶媒または水性アルカリで現像し、乾燥させた後に、さらに熱により後硬化させることもできる。層厚は、1μm〜1mmであってよい。被覆用の成形材料は、充填剤、色素、顔料、接着促進剤および界面活性剤などの添加剤を含有することができる。被覆は溶液、分散液または粉末を用いて、既知の被覆方法、たとえばはけ塗、ナイフ塗布、キャスチング、吹付け、流し塗、静電吹付け法、インクジェット、浸漬被覆およびスクリーン印刷により実施できる。たとえば印刷版または印刷ローラーもこの方法で作成できる。
【0075】
本発明による組成物に好ましい利用分野は、回路板製造におけるエッチレジスト、はんだマスクまたは誘電液としての使用である。平坦な表面を形成するための間隙充填、および穴、たとえばドリル孔の充填のための使用も含まれる。造形層をもつ回路板を製造する際、プリント回路板をまず本発明による組成物で被覆し、次いで希釈剤を蒸発させるために乾燥させて(60〜95℃に15〜60分間)膜を形成する。次いで、パターン付きネガマスクを用いてこの膜を像形成下に露光することが好ましい。露光はマスクなしにレーザーインスクリプション法により直接行うこともできる。露光後、非露光部分の膜を除去するために、膜を現像する。最後に膜を加熱により後硬化させて、保護膜として作用するはんだレジストパターンを回路板上に得ることができる。後硬化のための熱処理は、100〜200℃、好ましくは120〜150℃で実施できる。
【0076】
特に適切な放射線源はUV源、たとえば高圧水銀灯およびキセノン灯、またはUVレーザーを含めたレーザーである。
【0077】
現像液の選択は、実質的に架橋性ポリウレタンの酸度に依存する。酸度が高い場合、水性アルカリ現像液を用いるのが有利である。水性アルカリ液の例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミンなどを含む水溶液、および/または界面活性剤を含む水溶液である。酸度が低い場合、有機現像液、たとえばシクロヘキサノン、キシレン、テトラメチルベンゼン、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸セロソルブ、プロパノール、プロピレングリコール、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、γ−アミノブチロラクトン、修飾トリクロロエタン[Eterna IR(Asahi Kasei Kogyoの製品)、Squone EX−R(Toa Gosei Kagakuの製品)、Kanden Triethan SR−A(Kanto Denka Kogyoの製品)、Resisolve V−5(Asahi Glassの製品)]を用いるのが適切である。
【0078】
本発明による組成物は、好ましくは2つの容器AとBを含むセットで販売される。これにより、互いに反応する成分を分離することができ、したがって容器Aは熱の作用により硬化しうる架橋剤(ポリエポキシド化合物)を収容し、容器Bは組成物の他の成分を収容するか、あるいはポリウレタンがカルボキシル基を含まないか、またはわずかなカルボキシル基しか含まない場合、容器Aはポリカルボン酸またはカルボン酸無水物を収容する。
【0079】
本発明による組成物の成形品または被膜は、卓越した物理的、機械的および電気的特性、たとえば硬度、耐熱衝撃性、および湿潤条件下で測定した電気抵抗、ならびに曲げ強さをもつ。
【0080】
場合により光造形した本発明による組成物の被膜は、それらの接着強さ、破断点伸び、硬さ、および処理浴抵抗性により卓越している。さらに、高い光反応性が達成され、したがって高い解像度と共に、好ましくはUV線に露光した際の露光時間の短縮が達成される。
【0081】
本発明はまた、本発明による硬化組成物に関する。
【0082】
本発明はさらに、場合により光造形された本発明による硬化組成物で少なくとも1つの表面が被覆された材料に関する。
【0083】
本発明はまた、
a)本発明による光架橋性組成物で回路板を被覆し、
b)基板上の層を乾燥させ、
c)乾燥した層を、ネガフォトマスク下で、またはレーザーインスクリプションにより、像形成下に露光し、
d)非露光部分を除去するために露光層を現像剤で処理し、そして
e)場合により現像層を熱硬化させる
工程を含む、プリント回路上にはんだマスクを製造する方法に関する。
【0084】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0085】
略号:
【0086】
【表1】

【0087】
A)カルボキシル基含有ポリウレタンの製造例
実施例A1:ジメチロールプロピオン酸含有ポリウレタンの製造
38.70重量部のジメチロールプロピオン酸(DMPA)、4.84重量部のポリエチレングリコール300(POE300)、4.84重量部のビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0(2.6)]デカンおよび260.35gの溶媒、酢酸メトキシプロピル(MPA)を反応器に導入し、撹拌により懸濁する。次いでジオール類の重量を基準として1重量%の触媒ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)を添加する。排気と窒素フラッシングにより、反応器を不活性雰囲気下に置く。反応器に最初に導入した混合物を80℃に加熱し、反応器に最初に導入した混合物にわずかな窒素過圧下で51.5重量部のトルエンジイソシアナート(TDI)を2時間かけて滴加する。TDI添加終了後、ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kg未満に低下するまで反応溶液を80℃で反応させ続ける。採取した試料のジイソシアナート濃度を、過剰のブチルアミン添加後にHCl滴定により間接的に測定する。ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kgに低下した時点で、84.85gのジプロピレングリコールメチルエーテルを添加し、80℃でさらに1時間、反応を続ける。こうして得たポリマー溶液を酸滴定(1.29mol/kg)、GPC(Mw:10 000g/mol;D:2.6)および固体分析(44.98%)により解析する。
【0088】
B)不飽和側鎖および遊離カルボキシル基をもつポリウレタン
実施例B1:メタクリル酸グリシジルとの反応生成物
22.29重量部のジメチロールプロピオン酸(DMPA)、8.07重量部の1,4−ブタンジオール、8.07重量部のポリエチレングリコール300(POE300)および273.13gの溶媒、酢酸メトキシプロピル(MPA)を反応器に導入し、撹拌により懸濁する。次いでジオール類の重量を基準として1重量%の触媒ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)を添加する。排気と窒素フラッシングにより、反応器を不活性雰囲気下に置く。反応器に最初に導入した混合物を80℃に加熱し、反応器に最初に導入した混合物にわずかな窒素過圧下で61.57重量部のイソホロンジイソシアナート(IPDI)を2時間かけて滴加する。IPDI添加終了後、ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kg未満に低下するまで反応溶液を80℃で反応させ続ける。採取した試料のジイソシアナート濃度を、過剰のブチルアミン添加後にHCl滴定により間接的に測定する。ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kgに低下した時点で、88.73gのジプロピレングリコールメチルエーテルを添加し、80℃でさらに1時間、反応を続ける。
【0089】
次いで温度を95℃に高め、反応面下に空気を導入する。0.2重量%のジ−t−ブチル−p−クレゾールおよび0.2重量%のCr−Hex−CEMを添加した後、6.1重量部のメタクリル酸グリシジルを40分間かけて滴加する。添加が終了した時点で、反応溶液を90℃でさらに10時間反応させる。こうして得たポリマー溶液を酸滴定(0.51mol/kg)、エポキシド滴定(0.02mol/kg)、GPC(Mw:15 700g/mol;D:3.18)および固体分析(48%)により解析する。
【0090】
実施例B2:メタクリル酸グリシジルとの反応生成物
35.51重量部のジメチロールプロピオン酸(DMPA)、3.95重量部のポリエチレングリコール300(POE300)および212.81gの溶媒、酢酸メトキシプロピル(MPA)を反応器に導入し、撹拌により懸濁する。次いでジオール類の重量を基準として1重量%の触媒ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)を添加する。排気と窒素フラッシングにより、反応器を不活性雰囲気下に置く。反応器に最初に導入した混合物を80℃に加熱し、反応器に最初に導入した混合物にわずかな窒素過圧下で60.54重量部のイソホロンジイソシアナート(IPDI)を2時間かけて滴加する。IPDI添加終了後、ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kg未満に低下するまで反応溶液を80℃で反応させ続ける。採取した試料のジイソシアナート濃度を、過剰のブチルアミン添加後にHCl滴定により間接的に測定する。ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kgに低下した時点で、88.73gのジプロピレングリコールメチルエーテルを添加し、80℃でさらに1時間、反応を続ける。次いで温度を95℃に高め、反応面下に空気を導入する。0.2重量%のジ−t−ブチル−p−クレゾールおよび0.2重量%のCr−Hex−CEMを添加した後、17.5重量部のメタクリル酸グリシジルを40分間かけて滴加する。添加が終了した時点で、反応溶液を90℃でさらに10時間反応させる。こうして得たポリマー溶液を酸滴定(0.42mol/kg)、エポキシド滴定(0.04mol/kg)、GPC(Mw:25 000g/mol;D:5.19)および固体分析(49%)により解析する。
【0091】
実施例B3:ブロックコポリマーの製造
ポリマー溶液I
28.9重量部のジメチロールプロピオン酸(DMPA)、7.2重量部のポリエチレングリコール300(POE300)および116.25gの溶媒、酢酸メトキシプロピル(MPA)を反応器に導入し、撹拌により懸濁する。次いでジオール類の重量を基準として1重量%の触媒ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)を添加する。排気と窒素フラッシングにより、反応器を不活性雰囲気下に置く。反応器に最初に導入した混合物を80℃に加熱し、反応器に最初に導入した混合物にわずかな窒素過圧下で63.9重量部のイソホロンジイソシアナート(IPDI)を2時間かけて滴加する。IPDI添加終了後、ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kg未満に低下するまで反応溶液を80℃で反応させ続ける。採取した試料のジイソシアナート濃度を、過剰のブチルアミン添加後にHCl滴定により間接的に測定する。こうして得たポリマー溶液を酸滴定(1.26mol/kg)、GPC(Mw:11 900g/mol;D:3.2)および固体分析(58.6%)により解析する。
【0092】
ポリマー溶液II
33.6重量部の1,4−ブタンジオールおよび124.84gの溶媒、酢酸メトキシプロピル(MPA)を反応器に導入し、撹拌により混合する。次いでジオール類の重量を基準として1重量%の触媒ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)を添加する。排気と窒素フラッシングにより、反応器を不活性雰囲気下に置く。反応器に最初に導入した混合物を80℃に加熱し、反応器に最初に導入した混合物にわずかな窒素過圧下で66.4重量部のイソホロンジイソシアナート(IPDI)を2時間かけて滴加する。IPDI添加終了後、ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kg未満に低下するまで反応溶液を80℃で反応させ続ける。採取した試料のジイソシアナート濃度を、過剰のブチルアミン添加後にHCl滴定により間接的に測定する。こうして得たポリマー溶液をGPC(Mw:3 300g/mol;D:1.9)および固体分析(53.1%)により解析する。
【0093】
ブロックコポリマー
198.4gのポリマー溶液Iと、107gのポリマー溶液II、およびジオール類の重量を基準として1重量%の触媒ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)を、反応器内で不活性雰囲気下に撹拌しながら80℃で15時間反応させる。採取した試料のジイソシアナート濃度を、過剰のブチルアミン添加後にHCl滴定により間接的に測定する。イソシアナート基の濃度が出発値の5%未満に低下した時点で、51.52gのDPMを添加し、80℃でさらに1時間、反応を続ける。こうして得たポリマー溶液を酸滴定(0.65mol/kg)、GPC(Mw:36 700g/mol;D:6.6)および固体分析(47.9%)により解析する。
【0094】
メタクリル酸グリシジルとの反応
次いで温度を95℃に高め、反応面下に空気を導入する。0.2重量%のジ−t−ブチル−p−クレゾールおよび0.2重量%のCr−Hex−CEMを添加した後、5.6重量部のメタクリル酸グリシジルを40分間かけて滴加する。添加が終了した時点で、反応溶液を90℃でさらに10時間反応させる。こうして得たポリマー溶液を酸滴定(0.45mol/kg)、エポキシド滴定(0.03mol/kg)、GPC(Mw:36 000g/mol;D:6.6)および固体分析(51.5%)により解析する。
【0095】
実施例B4:ヒドロキシル化ポリブタジエンを含むポリウレタンの製造
34.67重量部のジメチロールプロピオン酸(DMPA)、8.67重量部のヒドロキシル化ポリブタジエン(Krasol 5000)および193.76gの溶媒、ジエチレングリコールジエーテルアセテート(DEA)を反応器に導入し、撹拌により懸濁する。次いでジオール基のモル数を基準として0.4重量%の触媒ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)を添加する。排気と窒素フラッシングにより、反応器を不活性雰囲気下に置く。反応器に最初に導入した混合物を80℃に加熱し、反応器に最初に導入した混合物にわずかな窒素過圧下で56.66重量部のイソホロンジイソシアナート(IPDI)を2時間かけて滴加する。IPDI添加終了後、ジイソシアナートの濃度が0.04mol/kg未満に低下するまで反応溶液を80℃で反応させ続ける。採取した試料のジイソシアナート濃度を、過剰のブチルアミン添加後にHCl滴定により間接的に測定する。ジイソシアナートの濃度が0.02mol/kgに低下した時点で、103.87gのジプロピレングリコールメチルエーテルを添加し、80℃でさらに1時間、反応を続ける。
【0096】
次いで温度を95℃に高め、反応面下に空気を導通する。0.2重量%のジ−t−ブチル−p−クレゾールおよび0.2重量%のCr−Hex−CEMを添加した後、17.37重量部のメタクリル酸グリシジルを40分間かけて滴加する。添加が終了した時点で、反応溶液を90℃でさらに10時間反応させる。こうして得たポリマー溶液を酸滴定(0.41mol/kg)、エポキシド滴定(0.05mol/kg)、GPC(Mw:55 350g/mol;D:11.5)および固体分析(43.84%)により解析する。
【0097】
C)使用例
実施例C1:はんだマスク
次表に述べる2成分の構成要素を混合し、三本ロールミルで混練して均質な材料を得る。この操作を3回繰り返して、調製した配合物の最大固体構成要素の粒径が3μmを超えないようにする。樹脂成分と硬化剤成分を、使用直前に表中の比率で混合する。
【0098】
【表2】

【0099】
この配合物をスクリーン印刷用の手段で銅被覆板の表面に付与し、80℃の熱対流炉内で50分間乾燥させる。被覆表面を、フォトマスクを通してUV線(365nm、400mJ/cm)に露光する。1%濃度のNaCO水溶液を吹付け圧2kg/cmで60秒間用いて、非露光部分の被膜を板から除去する。次いで被膜を熱硬化させる(150℃、60分間)。
【0100】
はんだマスク用途における下記の試験を実施する。
【0101】
A.乾燥後被膜表面の不粘着性
フォトマスクが露光後に粘着性表面を示さない場合、表面被膜を不粘着性(tf)と等級付けする。
【0102】
B.乾燥後の硬度
配合物を銅被膜板に付与し、室温で5分間、予備乾燥させる。次いで板を80℃の熱対流炉内で50分間乾燥させ、そして室温に冷却させる。鉛筆硬度の判定により、被膜の硬度を測定する。表記した標準鉛筆硬度は、鉛筆を表面に沿って45°の角度でわずかな一定圧下に移動させた際に目に見える損傷を表面に生じない鉛筆の硬度を基準とする。使用する鉛筆の硬度は6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、H、2H、3Hであり、6Bは最も柔らかい鉛筆、3Hは最も硬い鉛筆に関するものである。
【0103】
C.被膜の光反応性
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、400mJ/cm)に露光し、次いで現像する。被膜の光反応性をスタウファー(Stouffer)感光スケール21(SSG21)により判定する。
【0104】
D.銅表面への被膜の接着性
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、400mJ/cm)に露光する。現像後、被覆表面を150℃で60分間、熱硬化させる。クロスハッチ試験の実施により、銅表面への硬化被膜の接着性を判定する。このために、被覆表面にまず規定パターンの刻みを付け、次いで得られたパターン上に粘着テープ(Scotch Brand 9898)を押し付け、再び剥離する(粘着テープ試験)。接着品質を下記のように等級付けする:
〇〇 刻みパターンの角の被膜の端に損傷剥離がない
〇 刻みパターンの角の被膜の端にわずかな損傷がある
× 刻みパターンの角の被膜の端に著しい損傷がある
×× 刻みパターンの角の被膜が完全に剥離している
E.耐溶媒性
被覆、乾燥、露光、現像および熱硬化した板を、室温で10分間、CHCl中でインキュベートする。インキュベーション後の被膜の状態を、鉛筆硬度の測定により下記のように等級付けする:
〇〇 被覆表面の鉛筆硬度がインキュベーション前に測定したものに相当する
〇 鉛筆硬度がインキュベーション後にわずかに変化する
× 鉛筆硬度がインキュベーション後にかなり変化する
×× ふくれ、膨潤、および表面からの被膜離層を生じる
F.化学的Ni−Au表面被覆に対する抵抗性
加工した板の化学的なNi−Au表面被覆を標準法(Shipley, Atotech)により実施する。粘着テープ試験(Dを参照)の実施により、銅表面へのはんだマスクの接着性低下を判定し、下記のように等級付けする:
〇〇 接着性の低下はない
〇 接着性がわずかに低下する
× 接着性がかなり低下する
×× 接着性が完全に消失する
G.はんだ処理に対する安定性
被覆、乾燥、露光、現像および熱硬化した板を、まずフラックス(イソプロパノール中25%ロジン)に浸漬する。次いで板を60秒間乾燥させ、はんだ浴(288℃)に10秒間ずつ3回浸漬する。その後、被膜の状態を下記のように等級付けする:
〇〇 被覆表面に変化がない
〇 被覆表面がわずかに変化する
× 被覆表面がかなり変化し、亀裂が生じる
×× 被覆表面のふくれ、膨潤および離層を生じる
H.解像度
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、400mJ/cm)に露光し、次いで現像する。解像度をスタウファー解像度スケール(SRG)により判定する。
【0105】
I.圧力鍋試験
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、400mJ/cm)に露光し、現像し、150℃で1時間硬化させ、次いで120℃および1.5バールの圧力鍋で72時間インキュベートする。次いで被覆表面の状態を下記のように等級付けする:
〇〇 被覆表面に変化がない
〇 被覆表面がわずかに変化する
× 被覆表面がかなり変化する
×× 被覆表面のふくれ、膨潤および離層を生じる
J.ストリッピング
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、400mJ/cm)に露光し、現像し、150℃で1時間硬化させ、次いで50%濃度のKOH水溶液中、90℃でインキュベートする。規定の時間をおいた後、板を溶液から取り出し、必要ならばブラシ掛け20回でブラシによりブラッシングする。積層品と銅トラックの両方からはんだマスクが完全に除去された場合、板をストリッピングされたと等級付けする。
【0106】
K.エリクセン曲げ試験
DIN 53156に従って、エリクセン(Erichsen)202Cにより被膜の曲げ強さを測定した。
【0107】
L.熱衝撃条件下での貯蔵:
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、400mJ/cm)に露光し、現像し、150℃で1時間硬化させ、次いで100サイクル(−65℃に15分/+125℃に15分、または−55℃に30分/+125℃に30分)の熱衝撃条件下で貯蔵する。
【0108】
【表3】

【0109】
実施例C2:液体エッチレジスト
表に述べた成分を混合し、Dispermatにより処理して(200rpm、60℃、30分)均質な溶液にし、濾過する(フィルターのポアサイズ:2)。
【0110】
【表4】

【0111】
この配合物を、銅被覆したガラス繊維強化エポキシ積層品に水平ローラーコーターにより付与する。被覆した板を80℃の熱対流炉内で3分間乾燥させ、次いでマスクを通してUV線(365nm、120mJ/cm)に露光する。被膜の層厚(9〜11μm)をアイソスコープ(Fischer)で測定する。被膜の非架橋部分を、吹付け圧2.0kg/cmの1%NaCO水溶液で60秒間除去する。板の被覆されていない銅を、吹付け圧2バールのエッチング液(2〜3NのHCl水溶液、銅80〜140g/l)で除去する。
【0112】
液体エッチレジスト用途における配合物の特性を判定するために、以下の試験を実施する。すべての試験を内標準としての基準配合物と比較して実施する。
【0113】
1.乾燥後の硬度
配合物を銅被覆板に付与し、室温で5分間、予備乾燥させる。次いで板を80℃の熱対流炉内で3分間乾燥させ、そして室温に冷却させる。鉛筆硬度の判定により、被膜の硬度を測定する。表記した標準鉛筆硬度は、鉛筆を表面に沿って45°の角度でわずかな一定圧下に移動させた際に目に見える損傷を表面に生じない鉛筆の硬度を基準とする。使用する鉛筆の硬度は6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、H、2H、3Hであり、6Bは最も柔らかい鉛筆、3Hは最も硬い鉛筆に関するものである。
【0114】
2.現像液中での硬度
UV線に露光した後、被覆した銅板を30℃で1分間、現像液に入れる。板をこの浴から取り出し、濡れた表面の鉛筆硬度をポイント1の記載に従って測定する。
【0115】
3.被膜の光反応性
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、120mJ/cm)に露光する。被膜の光反応性をスタウファー感光スケール21(SSG21)により判定する。
【0116】
4.解像度
被覆および乾燥した板を、マスクを通してUV線(365nm、120mJ/cm)に露光する。解像度をスタウファー解像度スケール(SRG)により判定する。
【0117】
5.現像
被覆および乾燥した板を、30℃で穏やかに撹拌している現像液(1%濃度のNaCO水溶液)を収容した浴に装入し、被膜が板から剥離し始めるのに要する時間を測定する。
【0118】
6.ストリッピング性
被覆、乾燥および露光した板を、45℃で激しく撹拌しているストリッピング液(4%濃度のNaOH水溶液)を収容した浴に装入し、被膜が板から剥離し始めるのに要する時間を測定する。
【0119】
7.エッチング
エッチング後の銅トラックの品質を光学顕微鏡と電子顕微鏡の両方で評価する。
【0120】
評価基準:
〇〇 一定の銅厚の直線
〇 銅厚にわずかな差がある直線
× 一定の銅厚の波線
×× 銅厚にわずかな差がある波線
【0121】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有するジイソシアナート、および
b)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しているもの
から得られる線状ポリウレタン。
【請求項2】
c)少なくとも1種類の脂肪族、脂環式もしくは脂環式−脂肪族ジオールの基、少なくとも1種類のオリゴマー状もしくはポリマー状オキサアルキレングリコールの基、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオールの基、またはポリブタジエンもしくはポリイソプレンをベースとするジオールの基
をさらに含む、請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項3】
a)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有するジイソシアナート、
b)少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しており、該カルボキシル基の一部または全部がオレフィン性不飽和C−Cアルコールで、またはオレフィン性不飽和C−Cカルボン酸のグリシジルエステルでエステル化されているもの、および
c)場合により、少なくとも1種類の、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジオールであって、その炭素鎖に少なくとも1個のカルボキシル基が共有結合しているもの
から得られる線状の架橋性ポリウレタン。
【請求項4】
d)少なくとも1種類の脂肪族、脂環式もしくは脂環式−脂肪族ジオールの基、少なくとも1種類のオリゴマー状もしくはポリマー状オキサアルキレングリコールの基、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオールの基、またはポリブタジエンもしくはポリイソプレンをベースとするジオールの基
をさらに含む、請求項3に記載の線状の架橋性ポリウレタン。
【請求項5】
a)請求項3または4に記載の架橋性ポリウレタン、
b)オレフィン基の熱架橋のための開始剤、または
c)光開始剤、または
d)オレフィン基の熱架橋のための開始剤および光開始剤、ならびに
e)場合により希釈剤
を含む組成物。
【請求項6】
f)ポリマー系結合剤
をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
さらに、カルボキシル基と反応しうる架橋剤を含む、請求項5または6に記載の組成物。
【請求項8】
架橋剤が、分子中に少なくとも2個のエポキシド基を有するポリエポキシドである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
さらに、ポリエポキシドの熱架橋のためのポリカルボン酸またはポリカルボン酸無水物を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
硬化した請求項5〜9のいずれか1項に記載の組成物を含む、成形品。
【請求項11】
硬化し、場合により光造形された請求項5〜9のいずれか1項に記載の組成物により、少なくとも1つの表面が被覆された材料。
【請求項12】
a)本発明による光架橋性組成物で回路板を被覆し、
b)基板上の層を乾燥させ、
c)乾燥した層を、ネガフォトマスク下で、またはレーザーインスクリプションにより、像形成下に露光し、
d)非露光部分を除去するために被覆層を現像剤で処理し、そして
e)場合により現像層を熱硬化させる
工程を含む、プリント回路上にはんだマスクを製造する方法。
【請求項13】
成形品製造のための成形材料として、表面被覆のための被覆材料として、材料を接着するための接着剤として、またはエッチレジストもしくははんだマスクとして、間隙充填もしくは穴充填のため、または回路板製造における誘電液としての、請求項5〜9のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−501871(P2007−501871A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522358(P2006−522358)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051709
【国際公開番号】WO2005/014682
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(504177804)ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】