光走査装置、画像形成装置及び光走査方法
【課題】光走査装置において、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能にする。
【解決手段】光走査装置は、感光体11a,11bを露光走査するためのレーザ光を出射する半導体レーザ1と、レーザ光の光路を切り換える光路切換素子4と、共通の回転軸を有し複数の段からなる回転多面鏡ユニット7と、を有する。光路切換素子4は、電気信号で切換動作を行い、その電気信号は、走査光の同期信号を基に生成される。
【解決手段】光走査装置は、感光体11a,11bを露光走査するためのレーザ光を出射する半導体レーザ1と、レーザ光の光路を切り換える光路切換素子4と、共通の回転軸を有し複数の段からなる回転多面鏡ユニット7と、を有する。光路切換素子4は、電気信号で切換動作を行い、その電気信号は、走査光の同期信号を基に生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置、画像形成装置及び光走査方法に関し、特に、高画質対応の光走査装置及びそれを用いた多色(カラー)対応の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術としては、特許文献1ないし4に記載の技術がある。特許文献1には、偏光面を90度回転させる強誘電性液晶セルと複屈折板とを組み合わせることによって、電気光学的に露光位置を変化させる結像位置制御手段を用いる光走査装置が提案されている。しかしながら、その目的は、低い解像度の発光素子アレイを使用しながらも高解像度化することであり、この構成では結像位置(光路シフト)は画素ピッチ程度の微小しか制御できない。
【0003】
また、特許文献2に記載の技術は、ピラミダルミラー又は平板ミラーを用いて、共通の光源からのビームが異なる被走査面を走査するようにするものである。このような構成においては、光源数は低減できるが、偏向ミラーの面数は最大2面までになり、高速化に対し課題がある。また、特許文献3に記載の技術は、2段のポリゴンミラーが偏向回転面内において角度差を有するものであるが、その目的は走査幅の増大である。
【0004】
また、特許文献4に記載の技術は、共通の光源からのビームを分割し、異なる段の反射鏡にビームを入射させ、異なる被走査面を走査するという方式である。光分割は、ハーフミラープリズム及びハーフミラーとミラーの組合せにて実現しているため、プリズムの加工精度から高コストであるという問題がある。
したがって、本発明に関連する特許文献1ないし4に記載の技術は、いずれも本発明とは目的が異なる。
【特許文献1】特開平08−118726号公報
【特許文献2】特開2002−23085号公報
【特許文献3】特開2001−83452号公報
【特許文献4】特開2005−92129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザプリンタ、デジタル複写機等で用いられる電子写真画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光体を複数(通常は4つ)有するタンデム対応の画像形成装置が普及してきている。カラーの電子写真画像形成装置としては、感光体を1つのみ有し、色の数だけ感光体を回転するという方式もあるが(4色,1ドラムだと4回転する必要有り)、高速性に劣る。
【0006】
ところが、タンデム方式の場合は高速化が可能であるが光源数が増えてしまい、それに伴い、部品点数の増加、複数光源間の波長差に起因する色ずれ、コストアップ等が生じてしまう。また、書き込みユニットの故障の原因として半導体レーザの劣化が挙げられている。光源数が多くなると、故障の確率が増えてしまう。特に、光源として面発光レーザやLD(レーザダイオード)アレイを用いる場合、上記の不具合は顕著である。
【0007】
そこで、光源数を減らしながらも、高速な画像出力を可能にする光走査装置として、例えば、上述の特許文献4では「共通の光源からのビームを分割し、異なる段の反射鏡にビームを入射させ、異なる被走査面を走査するという方式」が提案されている。しかし、この方式においては、共通の光源からのビームパワーが約半分となるように分割して使用するため、光源パワーの実質効率はロスし、複数の光源を用いる方式に比べて、倍以上のパワーが必要となる。パワーの増大はレーザ光源の劣化に繋がり、高速での画像記録が困難であり、また書き込みユニットの故障の原因となる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1記載の本発明は、感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源から出射されるレーザ光の光路を切り換える光路切換手段と、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットと、を有し、前記光路切換手段は、電気信号で切換動作を行い、前記電気信号は、走査光の同期信号を基に生成されていることを特徴とする光走査装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、前記多面反射鏡ユニットが前記感光体を露光走査する走査タイミングを検知して走査光の同期信号を発生させる同期検知手段と、前記光路切換手段に前記同期検知手段が発生させた同期信号に基づいて生成された電気信号を印加する電気信号印加手段と、を有し、前記光路切換手段は、電気信号の印加によってレーザ光の光路を切り換える前記切換動作を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光走査装置において、前記光路切換手段は、入射光を偏向させることにより光路切換を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の光走査装置において、前記光路切換手段は、偏光切換手段と、偏光分離手段との組合せを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の光走査装置において、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前の同期信号を基に生成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の光走査装置において、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前N(ただしNは正の整数)走査周期の同期信号を基に生成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の光走査装置において、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前1走査周期内の他光路の同期信号を基に生成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項5から7のいずれか1項記載の光走査装置において、電気信号生成のための同期信号は、1走査中の走査開始部同期信号と走査終了部同期信号で構成され、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、走査開始部同期信号及び走査終了部同期信号の少なくとも一方を基に生成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、複数の異なる感光体を備え、前記光路切換手段は、前記多面反射鏡ユニットによる走査記録に対応して電気信号により前記レーザ光源からの光路を切り換え、前記多面反射鏡ユニットは、光路を切り換えられたレーザ光の各々を異なる段の反射鏡によって反射して、前記複数の異なる感光体上の被走査面を、順次走査記録することを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、レーザ光源により感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するステップと、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットにより前記レーザ光を反射させた走査光の同期信号に基づいて電気信号を生成するステップと、前記電気信号により前記レーザ光の光路を切り換える切換動作を行うステップと、を含むことを特徴とする光走査方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の目的は、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能にすることであるが、また、低コスト、高画質対応の光走査装置及びそれを用いた多色対応の画像形成装置を提供すること、特に、これを可能とさせる光走査と同期した駆動信号形成方法を提供することも目的である。
【0022】
<比較構成例>
本発明による実施形態を説明する前に、本発明による実施形態の特徴を明らかにするために、図13に光走査装置の比較構成例を示し、図13ないし図15を参照して説明する。
図13は、光走査装置の一部を示す。比較構成例の光走査装置は、レーザ光源、光束分割手段であるハーフミラープリズム、共通の回転軸を有し2段からなる多面反射鏡(ポリゴンミラー)で構成されている。また光源とポリゴンミラー間には図示しないが副走査方向にパワーを有するシリンドリカルレンズが配備される。またこれも図示しないが、ポリゴンミラーからの走査光が被走査面に結像するには、fθレンズ、アナモフィックレンズなどの結像光学系が用いられる。また、本比較構成例においては、共通の光源からビームを分割する光束分割手段としてハーフミラープリズムが用いられる。
【0023】
次に、図14を参照して、図13に示す本比較構成例の光走査装置の動作について説明する。レーザ光源から出射したビームは光束分割手段により、副走査方向(紙面上下方向)に2つのビーム(上段のビームと下段のビーム)に分割され、上下段のポリゴンミラーにそれぞれ入射される。上下段のポリゴンミラーは、互いに回転方向の角度(θ)がずれており、ここでは、4面のポリゴンミラーの場合はθ=45degずらしている。このような構成において、上段のビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは下段のビームは被走査面上にビームが到達しないようにし、望ましくは遮光部材により遮光するようにする。また、下段のビームが上段とは異なる感光体面(被走査面)を走査しているときは上段のビームは被走査面に到達しないようにする。さらに、光源の変調駆動も上段と下段でタイミングをずらし、上段に対応する感光体を走査するときは、上段に対応する色(例えばブラック)の画像情報に基づき、光源の変調駆動を行い、下段に対応する感光体を走査するときは下段に対応する色(例えばマゼンタ)の画像情報に基づき、光源の変調駆動を行う。
【0024】
図15は、共通の光源によりブラックとマゼンタの露光を行い、なおかつ、有効走査領域において、それぞれ、全点灯する場合のタイムチャートである。実線がブラックに相当する部分、点線がマゼンダに相当する部分を示す。ブラック、マゼンタにおける、書き出しのタイミングは、有効走査幅外に配備される同期受光手段で走査ビームを検知することにより決定される。なお、同期受光手段は図示されていないが、通常はフォトダイオードが用いられる。
【0025】
しかしながら、光束分割手段を用いる場合、共通光源のビームを2つのビームに分割し、前述したように分割した1ビームにて感光体面を走査している間、分割したもう一方のビームは感光体面には達しないようにするため、ビーム光量が略半分ロスしている。そのため、実施には光源のパワーを大きくする必要があり、光源パワーの増大は、光源の寿命や劣化に影響を及ぼす。特に面発光レーザ(VCSEL)を光源として用いる場合は容易には高出力化が困難であるため前記不具合は顕著である。
【0026】
<第1の実施例>
そこで、本発明による実施の形態について以下に説明する。図1に本実施形態の一構成例を示すが、言うまでもなく、本発明は本例に限定されて解釈されない。
図1を参照して、まず、本実施形態の光走査装置の全体構成を説明する。本実施形態の光走査装置は、レーザ光源から光路切換手段4の後のシリンドリカルレンズまでの前段の光学系(光学系1)、及び、fθレンズを含む結像光学系(光学系2)のそれぞれを2セットと、2段ポリゴンミラーを備える光走査装置である。当該構成を備えることによって、本実施形態の光走査装置は、2ビームで光走査4個所への書き込みが可能に構築されている。4個所の光走査は、4色(好ましくは、シアン、イエロー、マゼンダ、黒)に対応する感光体への光走査とするとよい。光走査装置を本実施形態のように構成することによって、感光体を中心とする走査結像光学系を半分にしながら、多色画像形成装置を構成することができる。なお、多色画像形成装置については、後述する。
【0027】
次に、図1に示す光学系1及び光学系2の各々を構成する各要素について、詳細に説明する。
光学系1は、半導体レーザ1,1’とLD(レーザダイオード)ベース2,2’とカップリングレンズ3,3’とを備えて構成されるレーザ光源、光路切換手段である光路切換素子4、共通の回転軸を有し複数の段からなる回転多面鏡ユニット7、を有する。また、比較構成例で説明した遮光部材14を有していてもよい。
回転多面鏡ユニット7は、共通の回転軸を有するポリゴンミラー7a,7bが多段状に重なる構成である。ポリゴンミラーは複数であってもよい。また、回転多面鏡ユニット7は、光路切換素子4が切換える各光路のレーザ光を、ポリゴンミラー7a,7bにより回転しながら反射して走査光とする。
【0028】
光学系2は、走査結像光学系、感光体ドラムであるAドラム11a及びBドラム11b、感光体の有効露光領域外に配置された同期検知フォトダイオード13等で構成されている。
走査結像光学系は、fθレンズ8a,8b、光路上に適宜配されるミラー9、アナモフィックレンズ10a,10b等で構成される。
同期検知フォトダイオードはAドラム11aに対応したフォトダイオード13aとBドラム11bに対応したフォトダイオード13b(図1においては走査結像光学系の裏に隠れ図示すると図が煩雑になるため図示せず)が配置されている。同期検知フォトダイオード13は必ずしも感光体近傍の走査開始位置に配置する必要はなく、回転多面京ユニット7以後、感光体ドラムまでの任意の光路中に配置することができる。その場合は、ポリゴンミラー7a,7bで反射走査されるビームの走査開始部分を光路途中でミラーにより取り出して同期検知フォトダイオード13で検出する。
【0029】
次に、光路切換素子4(なお、光束切換素子ということもある)について、図2を参照して説明する。図2は、電気信号印加手段を具備した光束切換素子を2段ポリゴンミラーや光路とともに示す図である。図2に示す光路切換素子4は、電気信号印加手段を具備した光束切換素子を配置する。光走査装置の動作としては、レーザ光源から出射したビームは、前述の光路切換え手段における電気信号印加により、副走査方向にビーム光路(上段光路と下段光路)が平行シフトされ、時間分割で上下段のポリゴンミラーにそれぞれ入射される。上下段のポリゴンミラーは、θ=45°位相をずらした4面のポリゴンミラーを用いた構成としている。
【0030】
このような構成において、光束切換素子に印加する電気信号を制御することで、上段ポリゴンミラー7aからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略上段光路のみを通過し、下段光路はほとんど通過しない。また、下段ポリゴンミラー7bからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略下段光路のみを通過し、上段光路はほとんど通過しない動作が実現できる。すなわち、光源からのビーム光量のロスはなく、光源パワーを効率的に利用できる。そのため、光源の長寿命化や劣化の低減に繋がり高速記録が可能となる。特に高密度化に有効な面発光レーザを光源として用いる場合、効果が大きくなる。ここで光束切換素子に印加する電気信号は同期検知フォトダイオード13aで検出された走査同期信号を元に生成されていることが特徴である。このことにより、ポリゴンミラーによる光走査と完全に同期した光束切換えを行うことができ、高速な光走査記録にも対応できるようになる。
【0031】
ここで、光路切換素子4について、さらに具体的に説明する。図3に光路切換えを光の偏向により行う光偏向光路切換素子を示す。この場合の光偏向はSi基板をフォトリソグラフィ手法でエッチング作成したMEMSミラー等の反射偏向手段、あるいは超音波光偏向器、あるいはホログラフィックポリマ分散液晶素子等の回折による偏向手段に対して走査同期信号から生成される電気信号である光路切換え駆動信号を印加させて、入射光を高速に上段、下段に光束切換えするものである。
【0032】
また別の光路切換素子4の構成例としては、図4に示す偏光切換素子と偏光分離素子が組合わさって構成され、偏光切換素子に走査同期信号から生成される電気信号である光路切換駆動信号を印加させて、入射光の偏光を高速に切換えて上段、下段に光束切換えするものである。偏光切換素子としては表面安定化強誘電性液晶、あるいはPLZT電気光学セラミックスなどへの電界印加偏光スイッチングによりP→S,S→P偏光への偏光切換えを行わせ、その後の多層膜偏光ビームスプリッタ(PBS)の偏光選択透過/反射作用、あるいは偏光ホログラムの偏光選択透過/回折作用により光路切換え動作を行わせることができる。
【0033】
図5に電気信号のタイミング図を示す。図5では横軸が時間軸で、縦軸が電気信号出力である。図5の最上段は感光体Aドラム11aに対する走査同期信号で、その下が感光体Bドラム11bに対する走査同期信号である。光路切換素子4を駆動するためにまず、走査同期信号パルスを元に光路切換制御信号を生成する。図5ではBドラム走査同期信号を元に生成されている(上から3番目の波形)。
Bドラム走査同期信号パルスを元に光路切換制御信号の立上がり部を規定し、立上がりから決められた一定時間(走査周期の約半分の時間)だけHi状態となり立下がる波形となる。これをBドラム走査同期信号パルス発生毎にくり返し生成する。光路切換制御信号波形のHi部分は感光体Aドラムへの走査用光路となり、Lo部分は感光体Bドラムへの走査用光路となる。さらに光路切換制御信号を元に、実際の光路切換え素子を駆動する光路切換え駆動信号を生成する(図5最下段)。図では+V,−Vの双極性パルス信号が光路切換え駆動信号として生成されている。このような双極性パルス信号はMEMSミラー、強誘電性液晶素子などの駆動を行うときに用いられる。また、図8の最下段に示すように0,+Vの単極性パルス信号を光路切換駆動信号として生成することもある。このような単極性パルス信号はホログラフィックポリマ分散液晶、PLZT電気光学セラミックスなどの駆動を行うときに用いられる。
以上のように、光路切換駆動信号は走査同期信号から生成されることになるが、基となる走査同期信号パルスは、必ず光路切換え前に発生した同期信号を用いることになる。これはポリゴンミラーの回転により光走査を行う光走査装置において、光走査と完全に同期した光路切換えを行わせるための必須の方法である。
【0034】
図5に示した例において、さらに、光路切換え駆動信号を生成させるための走査同期信号は光路切換え前ならば走査中の任意の走査周期で発生した同期信号を基にしてよい。つまり光路切換え前N(N:正整数)走査周期に発生した走査同期信号を基にして、光路切換え制御信号を発生させ、これを基に光路切換え駆動信号を生成する。
図6は光路切換え前1走査周期の同一光路の走査同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成している例である。図6では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは1走査周期前の感光体Aドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。また次の感光体Bドラム走査のための光路切換え駆動信号の立上がり部(光路切換え制御信号としてはパルス立下がり部)は1走査周期前の感光体Bドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。この実施例を含め光路切換えN走査周期前の走査同期信号を基に生成させればよい。
【0035】
特に精度良く光走査と同期した光路切換え駆動信号を生成させるためには、図7に示すように、光路切換えのその1走査周期内における他光路で発生した走査同期信号を元にする。図7では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Bドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。また、感光体Bドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Aドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。このように切換え直近の他光路の走査同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成すれば、最も光走査と同期精度の良い駆動信号を生成することができる。
【0036】
また、図8は、図7に示す実施例に関する別の実施例であり、生成される光路切換え駆動信号が0〜+Vまでの単極性駆動信号で、このような単極性パルス信号はホログラフィックポリマ分散液晶、PLZT電気光学セラミックスなどの駆動を行うときに用いられる。
【0037】
<第2の実施例>
図9に別の実施例を示す。図1とほとんど同様であるが、同期検知用のフォトダイオードがひとつの走査面に2つ配置されている。Aドラムに対しては走査の開始部に配置された同期検知フォトダイオード1と、走査終了部に配置された同期検知フォトダイオード13cの2つである。Bドラムに対しては走査の開始部に配置された同期検知フォトダイオード13b(図示せず)と、走査終了部に配置された同期検知フォトダイオード13dの2つである。走査開始部分と走査終了部分から同期信号を発生させて、その2点間の時間を検出することにより、周囲温度の変化に伴う走査レンズの焦点距離変化による走査面でのビーム走査速度の変動やポリゴンミラーの回転むらによる走査速度の変動に対応して、走査記録信号のクロック周波数を適応的に可変にすることで、走査記録ドット位置の変動をなくすことができる。このような2点同期システムに本願の光路切換え駆動を適用したときの実施例を図10に示す。
【0038】
光路切換え駆動信号を生成させるための走査同期信号は光路切換えN周期前に発生した走査同期信号を元にして、図10では光路切換えの1走査周期前の走査終了部同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成している例である。図10では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは1走査周期前の感光体Aドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。また次の感光体Bドラム走査のための光路切換え駆動信号の立上がり部は1走査周期前の感光体Bドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。この実施例を含め光路切換えN走査周期前の走査同期信号である走査開始部同期信号あるいは走査終了部同期信号のいずれかを基に生成させればよい。
【0039】
特に精度良く光走査と同期した光路切換え駆動信号を生成させるためには、図11に示すように、光路切換え直近に発生した走査終了部同期信号を基にする。図11では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Bドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。また、感光体Bドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Aドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。このように切換え直近の走査終了部同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成すれば基とする基準信号からの時間経過が最も短いので、光走査と同期精度の良い駆動信号を生成することができる。
【0040】
<多色画像形成装置>
上記実施形態の光走査装置は、特に、多色画像形成装置に組み込むことが好適である。図12は、上記実施形態の光走査装置を備える画像形成装置の要部を示す図である。図12には、当該多色画像形成装置の基本的な構成が示されている。図12中、Yはイエロー、Mはマゼンタ、Cはシアン、Kはブラックを示す。
図12に示す画像形成装置は、載置された記録紙を搬送する転写ベルト31を中心に、記録紙の搬送方向に感光体21Y,21M,21C,21Kが並ぶタンデム型の画像形成装置である。各感光体を中心に、現像器20、帯電器22、クリーニング手段23、転写用帯電手段24などが配備されている。帯電器22は、感光体21表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材と現像部材である現像器20の間の感光体表面に、書き込みユニット30によりビームが照射され、感光体に静電潜像が形成されるようになっている。この書き込みユニット30として機能するのが、上記実施形態の光走査装置である。
【0041】
そして、静電潜像に基づき、現像部材により感光体21の表面上にトナー像が形成される。さらに、転写用帯電手段24により、記録紙に各色の転写トナー像が順次転写され、最終的に定着手段32により、記録紙に画像が定着する。
前述したような電界制御により光路が切換可能な光走査装置を用いた画像形成装置において、複数団のポリゴンミラーからの走査記録に対応して、レーザ光源の光路切換え及び光量を変調駆動することで、各色に対応する感光体を順次走査記録することができ、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能とする画像形成装置が実現できる。図12に示すような、4ドラムタンデム方式の画像形成装置においては、2段ポリゴンミラーを用いる場合、順次操作記録は、例えば、イエローとマゼンタ、シアンとブラックのそれぞれ2つの感光体を交互に走査記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による実施形態の光走査装置を示す斜視図である。
【図2】本発明による実施形態の光路切換素子を説明するための図である。
【図3】本発明による実施形態の光路切換素子の構成例を示す図(その1)である。
【図4】本発明による実施形態の光路切換素子の構成例を示す図(その2)である。
【図5】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その1)である。
【図6】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その2)である。
【図7】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その3)である。
【図8】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その4)である。
【図9】本発明による他の実施形態の光走査装置を示す斜視図である。
【図10】本発明による他の実施形態における電気信号のタイミング図(その1)である。
【図11】本発明による他の実施形態における電気信号のタイミング図(その2)である。
【図12】本発明による実施形態の光走査装置を備える画像形成装置の要部を示す図である。
【図13】比較構成例の光走査装置の一部を示す外観図である。
【図14】比較構成例の光走査装置の一部を示す上面外観図である。
【図15】比較構成例の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1,1’ 半導体レーザ
2,2’ LDベース
3,3’ カップリングレンズ
4 光路切換素子
5a,5b シリンドリカルレンズ
6 防音ガラス
7 回転多面鏡ユニット
7a,7b ポリゴンミラー
8a,8b fθレンズ
9 ミラー
10a,10b アナモフィックレンズ
11a,11b 感光体(Aドラム,Bドラム)
13a,13b,13c,13d 同期検知フォトダイオード
14 遮光部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置、画像形成装置及び光走査方法に関し、特に、高画質対応の光走査装置及びそれを用いた多色(カラー)対応の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術としては、特許文献1ないし4に記載の技術がある。特許文献1には、偏光面を90度回転させる強誘電性液晶セルと複屈折板とを組み合わせることによって、電気光学的に露光位置を変化させる結像位置制御手段を用いる光走査装置が提案されている。しかしながら、その目的は、低い解像度の発光素子アレイを使用しながらも高解像度化することであり、この構成では結像位置(光路シフト)は画素ピッチ程度の微小しか制御できない。
【0003】
また、特許文献2に記載の技術は、ピラミダルミラー又は平板ミラーを用いて、共通の光源からのビームが異なる被走査面を走査するようにするものである。このような構成においては、光源数は低減できるが、偏向ミラーの面数は最大2面までになり、高速化に対し課題がある。また、特許文献3に記載の技術は、2段のポリゴンミラーが偏向回転面内において角度差を有するものであるが、その目的は走査幅の増大である。
【0004】
また、特許文献4に記載の技術は、共通の光源からのビームを分割し、異なる段の反射鏡にビームを入射させ、異なる被走査面を走査するという方式である。光分割は、ハーフミラープリズム及びハーフミラーとミラーの組合せにて実現しているため、プリズムの加工精度から高コストであるという問題がある。
したがって、本発明に関連する特許文献1ないし4に記載の技術は、いずれも本発明とは目的が異なる。
【特許文献1】特開平08−118726号公報
【特許文献2】特開2002−23085号公報
【特許文献3】特開2001−83452号公報
【特許文献4】特開2005−92129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザプリンタ、デジタル複写機等で用いられる電子写真画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光体を複数(通常は4つ)有するタンデム対応の画像形成装置が普及してきている。カラーの電子写真画像形成装置としては、感光体を1つのみ有し、色の数だけ感光体を回転するという方式もあるが(4色,1ドラムだと4回転する必要有り)、高速性に劣る。
【0006】
ところが、タンデム方式の場合は高速化が可能であるが光源数が増えてしまい、それに伴い、部品点数の増加、複数光源間の波長差に起因する色ずれ、コストアップ等が生じてしまう。また、書き込みユニットの故障の原因として半導体レーザの劣化が挙げられている。光源数が多くなると、故障の確率が増えてしまう。特に、光源として面発光レーザやLD(レーザダイオード)アレイを用いる場合、上記の不具合は顕著である。
【0007】
そこで、光源数を減らしながらも、高速な画像出力を可能にする光走査装置として、例えば、上述の特許文献4では「共通の光源からのビームを分割し、異なる段の反射鏡にビームを入射させ、異なる被走査面を走査するという方式」が提案されている。しかし、この方式においては、共通の光源からのビームパワーが約半分となるように分割して使用するため、光源パワーの実質効率はロスし、複数の光源を用いる方式に比べて、倍以上のパワーが必要となる。パワーの増大はレーザ光源の劣化に繋がり、高速での画像記録が困難であり、また書き込みユニットの故障の原因となる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1記載の本発明は、感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源から出射されるレーザ光の光路を切り換える光路切換手段と、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットと、を有し、前記光路切換手段は、電気信号で切換動作を行い、前記電気信号は、走査光の同期信号を基に生成されていることを特徴とする光走査装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、前記多面反射鏡ユニットが前記感光体を露光走査する走査タイミングを検知して走査光の同期信号を発生させる同期検知手段と、前記光路切換手段に前記同期検知手段が発生させた同期信号に基づいて生成された電気信号を印加する電気信号印加手段と、を有し、前記光路切換手段は、電気信号の印加によってレーザ光の光路を切り換える前記切換動作を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光走査装置において、前記光路切換手段は、入射光を偏向させることにより光路切換を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の光走査装置において、前記光路切換手段は、偏光切換手段と、偏光分離手段との組合せを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の光走査装置において、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前の同期信号を基に生成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の光走査装置において、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前N(ただしNは正の整数)走査周期の同期信号を基に生成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の光走査装置において、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前1走査周期内の他光路の同期信号を基に生成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項5から7のいずれか1項記載の光走査装置において、電気信号生成のための同期信号は、1走査中の走査開始部同期信号と走査終了部同期信号で構成され、前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、走査開始部同期信号及び走査終了部同期信号の少なくとも一方を基に生成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、複数の異なる感光体を備え、前記光路切換手段は、前記多面反射鏡ユニットによる走査記録に対応して電気信号により前記レーザ光源からの光路を切り換え、前記多面反射鏡ユニットは、光路を切り換えられたレーザ光の各々を異なる段の反射鏡によって反射して、前記複数の異なる感光体上の被走査面を、順次走査記録することを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、レーザ光源により感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するステップと、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットにより前記レーザ光を反射させた走査光の同期信号に基づいて電気信号を生成するステップと、前記電気信号により前記レーザ光の光路を切り換える切換動作を行うステップと、を含むことを特徴とする光走査方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の目的は、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能にすることであるが、また、低コスト、高画質対応の光走査装置及びそれを用いた多色対応の画像形成装置を提供すること、特に、これを可能とさせる光走査と同期した駆動信号形成方法を提供することも目的である。
【0022】
<比較構成例>
本発明による実施形態を説明する前に、本発明による実施形態の特徴を明らかにするために、図13に光走査装置の比較構成例を示し、図13ないし図15を参照して説明する。
図13は、光走査装置の一部を示す。比較構成例の光走査装置は、レーザ光源、光束分割手段であるハーフミラープリズム、共通の回転軸を有し2段からなる多面反射鏡(ポリゴンミラー)で構成されている。また光源とポリゴンミラー間には図示しないが副走査方向にパワーを有するシリンドリカルレンズが配備される。またこれも図示しないが、ポリゴンミラーからの走査光が被走査面に結像するには、fθレンズ、アナモフィックレンズなどの結像光学系が用いられる。また、本比較構成例においては、共通の光源からビームを分割する光束分割手段としてハーフミラープリズムが用いられる。
【0023】
次に、図14を参照して、図13に示す本比較構成例の光走査装置の動作について説明する。レーザ光源から出射したビームは光束分割手段により、副走査方向(紙面上下方向)に2つのビーム(上段のビームと下段のビーム)に分割され、上下段のポリゴンミラーにそれぞれ入射される。上下段のポリゴンミラーは、互いに回転方向の角度(θ)がずれており、ここでは、4面のポリゴンミラーの場合はθ=45degずらしている。このような構成において、上段のビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは下段のビームは被走査面上にビームが到達しないようにし、望ましくは遮光部材により遮光するようにする。また、下段のビームが上段とは異なる感光体面(被走査面)を走査しているときは上段のビームは被走査面に到達しないようにする。さらに、光源の変調駆動も上段と下段でタイミングをずらし、上段に対応する感光体を走査するときは、上段に対応する色(例えばブラック)の画像情報に基づき、光源の変調駆動を行い、下段に対応する感光体を走査するときは下段に対応する色(例えばマゼンタ)の画像情報に基づき、光源の変調駆動を行う。
【0024】
図15は、共通の光源によりブラックとマゼンタの露光を行い、なおかつ、有効走査領域において、それぞれ、全点灯する場合のタイムチャートである。実線がブラックに相当する部分、点線がマゼンダに相当する部分を示す。ブラック、マゼンタにおける、書き出しのタイミングは、有効走査幅外に配備される同期受光手段で走査ビームを検知することにより決定される。なお、同期受光手段は図示されていないが、通常はフォトダイオードが用いられる。
【0025】
しかしながら、光束分割手段を用いる場合、共通光源のビームを2つのビームに分割し、前述したように分割した1ビームにて感光体面を走査している間、分割したもう一方のビームは感光体面には達しないようにするため、ビーム光量が略半分ロスしている。そのため、実施には光源のパワーを大きくする必要があり、光源パワーの増大は、光源の寿命や劣化に影響を及ぼす。特に面発光レーザ(VCSEL)を光源として用いる場合は容易には高出力化が困難であるため前記不具合は顕著である。
【0026】
<第1の実施例>
そこで、本発明による実施の形態について以下に説明する。図1に本実施形態の一構成例を示すが、言うまでもなく、本発明は本例に限定されて解釈されない。
図1を参照して、まず、本実施形態の光走査装置の全体構成を説明する。本実施形態の光走査装置は、レーザ光源から光路切換手段4の後のシリンドリカルレンズまでの前段の光学系(光学系1)、及び、fθレンズを含む結像光学系(光学系2)のそれぞれを2セットと、2段ポリゴンミラーを備える光走査装置である。当該構成を備えることによって、本実施形態の光走査装置は、2ビームで光走査4個所への書き込みが可能に構築されている。4個所の光走査は、4色(好ましくは、シアン、イエロー、マゼンダ、黒)に対応する感光体への光走査とするとよい。光走査装置を本実施形態のように構成することによって、感光体を中心とする走査結像光学系を半分にしながら、多色画像形成装置を構成することができる。なお、多色画像形成装置については、後述する。
【0027】
次に、図1に示す光学系1及び光学系2の各々を構成する各要素について、詳細に説明する。
光学系1は、半導体レーザ1,1’とLD(レーザダイオード)ベース2,2’とカップリングレンズ3,3’とを備えて構成されるレーザ光源、光路切換手段である光路切換素子4、共通の回転軸を有し複数の段からなる回転多面鏡ユニット7、を有する。また、比較構成例で説明した遮光部材14を有していてもよい。
回転多面鏡ユニット7は、共通の回転軸を有するポリゴンミラー7a,7bが多段状に重なる構成である。ポリゴンミラーは複数であってもよい。また、回転多面鏡ユニット7は、光路切換素子4が切換える各光路のレーザ光を、ポリゴンミラー7a,7bにより回転しながら反射して走査光とする。
【0028】
光学系2は、走査結像光学系、感光体ドラムであるAドラム11a及びBドラム11b、感光体の有効露光領域外に配置された同期検知フォトダイオード13等で構成されている。
走査結像光学系は、fθレンズ8a,8b、光路上に適宜配されるミラー9、アナモフィックレンズ10a,10b等で構成される。
同期検知フォトダイオードはAドラム11aに対応したフォトダイオード13aとBドラム11bに対応したフォトダイオード13b(図1においては走査結像光学系の裏に隠れ図示すると図が煩雑になるため図示せず)が配置されている。同期検知フォトダイオード13は必ずしも感光体近傍の走査開始位置に配置する必要はなく、回転多面京ユニット7以後、感光体ドラムまでの任意の光路中に配置することができる。その場合は、ポリゴンミラー7a,7bで反射走査されるビームの走査開始部分を光路途中でミラーにより取り出して同期検知フォトダイオード13で検出する。
【0029】
次に、光路切換素子4(なお、光束切換素子ということもある)について、図2を参照して説明する。図2は、電気信号印加手段を具備した光束切換素子を2段ポリゴンミラーや光路とともに示す図である。図2に示す光路切換素子4は、電気信号印加手段を具備した光束切換素子を配置する。光走査装置の動作としては、レーザ光源から出射したビームは、前述の光路切換え手段における電気信号印加により、副走査方向にビーム光路(上段光路と下段光路)が平行シフトされ、時間分割で上下段のポリゴンミラーにそれぞれ入射される。上下段のポリゴンミラーは、θ=45°位相をずらした4面のポリゴンミラーを用いた構成としている。
【0030】
このような構成において、光束切換素子に印加する電気信号を制御することで、上段ポリゴンミラー7aからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略上段光路のみを通過し、下段光路はほとんど通過しない。また、下段ポリゴンミラー7bからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略下段光路のみを通過し、上段光路はほとんど通過しない動作が実現できる。すなわち、光源からのビーム光量のロスはなく、光源パワーを効率的に利用できる。そのため、光源の長寿命化や劣化の低減に繋がり高速記録が可能となる。特に高密度化に有効な面発光レーザを光源として用いる場合、効果が大きくなる。ここで光束切換素子に印加する電気信号は同期検知フォトダイオード13aで検出された走査同期信号を元に生成されていることが特徴である。このことにより、ポリゴンミラーによる光走査と完全に同期した光束切換えを行うことができ、高速な光走査記録にも対応できるようになる。
【0031】
ここで、光路切換素子4について、さらに具体的に説明する。図3に光路切換えを光の偏向により行う光偏向光路切換素子を示す。この場合の光偏向はSi基板をフォトリソグラフィ手法でエッチング作成したMEMSミラー等の反射偏向手段、あるいは超音波光偏向器、あるいはホログラフィックポリマ分散液晶素子等の回折による偏向手段に対して走査同期信号から生成される電気信号である光路切換え駆動信号を印加させて、入射光を高速に上段、下段に光束切換えするものである。
【0032】
また別の光路切換素子4の構成例としては、図4に示す偏光切換素子と偏光分離素子が組合わさって構成され、偏光切換素子に走査同期信号から生成される電気信号である光路切換駆動信号を印加させて、入射光の偏光を高速に切換えて上段、下段に光束切換えするものである。偏光切換素子としては表面安定化強誘電性液晶、あるいはPLZT電気光学セラミックスなどへの電界印加偏光スイッチングによりP→S,S→P偏光への偏光切換えを行わせ、その後の多層膜偏光ビームスプリッタ(PBS)の偏光選択透過/反射作用、あるいは偏光ホログラムの偏光選択透過/回折作用により光路切換え動作を行わせることができる。
【0033】
図5に電気信号のタイミング図を示す。図5では横軸が時間軸で、縦軸が電気信号出力である。図5の最上段は感光体Aドラム11aに対する走査同期信号で、その下が感光体Bドラム11bに対する走査同期信号である。光路切換素子4を駆動するためにまず、走査同期信号パルスを元に光路切換制御信号を生成する。図5ではBドラム走査同期信号を元に生成されている(上から3番目の波形)。
Bドラム走査同期信号パルスを元に光路切換制御信号の立上がり部を規定し、立上がりから決められた一定時間(走査周期の約半分の時間)だけHi状態となり立下がる波形となる。これをBドラム走査同期信号パルス発生毎にくり返し生成する。光路切換制御信号波形のHi部分は感光体Aドラムへの走査用光路となり、Lo部分は感光体Bドラムへの走査用光路となる。さらに光路切換制御信号を元に、実際の光路切換え素子を駆動する光路切換え駆動信号を生成する(図5最下段)。図では+V,−Vの双極性パルス信号が光路切換え駆動信号として生成されている。このような双極性パルス信号はMEMSミラー、強誘電性液晶素子などの駆動を行うときに用いられる。また、図8の最下段に示すように0,+Vの単極性パルス信号を光路切換駆動信号として生成することもある。このような単極性パルス信号はホログラフィックポリマ分散液晶、PLZT電気光学セラミックスなどの駆動を行うときに用いられる。
以上のように、光路切換駆動信号は走査同期信号から生成されることになるが、基となる走査同期信号パルスは、必ず光路切換え前に発生した同期信号を用いることになる。これはポリゴンミラーの回転により光走査を行う光走査装置において、光走査と完全に同期した光路切換えを行わせるための必須の方法である。
【0034】
図5に示した例において、さらに、光路切換え駆動信号を生成させるための走査同期信号は光路切換え前ならば走査中の任意の走査周期で発生した同期信号を基にしてよい。つまり光路切換え前N(N:正整数)走査周期に発生した走査同期信号を基にして、光路切換え制御信号を発生させ、これを基に光路切換え駆動信号を生成する。
図6は光路切換え前1走査周期の同一光路の走査同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成している例である。図6では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは1走査周期前の感光体Aドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。また次の感光体Bドラム走査のための光路切換え駆動信号の立上がり部(光路切換え制御信号としてはパルス立下がり部)は1走査周期前の感光体Bドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。この実施例を含め光路切換えN走査周期前の走査同期信号を基に生成させればよい。
【0035】
特に精度良く光走査と同期した光路切換え駆動信号を生成させるためには、図7に示すように、光路切換えのその1走査周期内における他光路で発生した走査同期信号を元にする。図7では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Bドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。また、感光体Bドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Aドラムの走査同期信号を時間原点として用いて生成される。このように切換え直近の他光路の走査同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成すれば、最も光走査と同期精度の良い駆動信号を生成することができる。
【0036】
また、図8は、図7に示す実施例に関する別の実施例であり、生成される光路切換え駆動信号が0〜+Vまでの単極性駆動信号で、このような単極性パルス信号はホログラフィックポリマ分散液晶、PLZT電気光学セラミックスなどの駆動を行うときに用いられる。
【0037】
<第2の実施例>
図9に別の実施例を示す。図1とほとんど同様であるが、同期検知用のフォトダイオードがひとつの走査面に2つ配置されている。Aドラムに対しては走査の開始部に配置された同期検知フォトダイオード1と、走査終了部に配置された同期検知フォトダイオード13cの2つである。Bドラムに対しては走査の開始部に配置された同期検知フォトダイオード13b(図示せず)と、走査終了部に配置された同期検知フォトダイオード13dの2つである。走査開始部分と走査終了部分から同期信号を発生させて、その2点間の時間を検出することにより、周囲温度の変化に伴う走査レンズの焦点距離変化による走査面でのビーム走査速度の変動やポリゴンミラーの回転むらによる走査速度の変動に対応して、走査記録信号のクロック周波数を適応的に可変にすることで、走査記録ドット位置の変動をなくすことができる。このような2点同期システムに本願の光路切換え駆動を適用したときの実施例を図10に示す。
【0038】
光路切換え駆動信号を生成させるための走査同期信号は光路切換えN周期前に発生した走査同期信号を元にして、図10では光路切換えの1走査周期前の走査終了部同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成している例である。図10では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは1走査周期前の感光体Aドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。また次の感光体Bドラム走査のための光路切換え駆動信号の立上がり部は1走査周期前の感光体Bドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。この実施例を含め光路切換えN走査周期前の走査同期信号である走査開始部同期信号あるいは走査終了部同期信号のいずれかを基に生成させればよい。
【0039】
特に精度良く光走査と同期した光路切換え駆動信号を生成させるためには、図11に示すように、光路切換え直近に発生した走査終了部同期信号を基にする。図11では感光体Aドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Bドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。また、感光体Bドラム走査のための光路切換え信号の立上がりは直前の感光体Aドラムの走査終了部同期信号を時間原点として用いて生成される。このように切換え直近の走査終了部同期信号を元に光路切換え駆動信号を生成すれば基とする基準信号からの時間経過が最も短いので、光走査と同期精度の良い駆動信号を生成することができる。
【0040】
<多色画像形成装置>
上記実施形態の光走査装置は、特に、多色画像形成装置に組み込むことが好適である。図12は、上記実施形態の光走査装置を備える画像形成装置の要部を示す図である。図12には、当該多色画像形成装置の基本的な構成が示されている。図12中、Yはイエロー、Mはマゼンタ、Cはシアン、Kはブラックを示す。
図12に示す画像形成装置は、載置された記録紙を搬送する転写ベルト31を中心に、記録紙の搬送方向に感光体21Y,21M,21C,21Kが並ぶタンデム型の画像形成装置である。各感光体を中心に、現像器20、帯電器22、クリーニング手段23、転写用帯電手段24などが配備されている。帯電器22は、感光体21表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材と現像部材である現像器20の間の感光体表面に、書き込みユニット30によりビームが照射され、感光体に静電潜像が形成されるようになっている。この書き込みユニット30として機能するのが、上記実施形態の光走査装置である。
【0041】
そして、静電潜像に基づき、現像部材により感光体21の表面上にトナー像が形成される。さらに、転写用帯電手段24により、記録紙に各色の転写トナー像が順次転写され、最終的に定着手段32により、記録紙に画像が定着する。
前述したような電界制御により光路が切換可能な光走査装置を用いた画像形成装置において、複数団のポリゴンミラーからの走査記録に対応して、レーザ光源の光路切換え及び光量を変調駆動することで、各色に対応する感光体を順次走査記録することができ、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能とする画像形成装置が実現できる。図12に示すような、4ドラムタンデム方式の画像形成装置においては、2段ポリゴンミラーを用いる場合、順次操作記録は、例えば、イエローとマゼンタ、シアンとブラックのそれぞれ2つの感光体を交互に走査記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による実施形態の光走査装置を示す斜視図である。
【図2】本発明による実施形態の光路切換素子を説明するための図である。
【図3】本発明による実施形態の光路切換素子の構成例を示す図(その1)である。
【図4】本発明による実施形態の光路切換素子の構成例を示す図(その2)である。
【図5】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その1)である。
【図6】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その2)である。
【図7】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その3)である。
【図8】本発明による実施形態における電気信号のタイミング図(その4)である。
【図9】本発明による他の実施形態の光走査装置を示す斜視図である。
【図10】本発明による他の実施形態における電気信号のタイミング図(その1)である。
【図11】本発明による他の実施形態における電気信号のタイミング図(その2)である。
【図12】本発明による実施形態の光走査装置を備える画像形成装置の要部を示す図である。
【図13】比較構成例の光走査装置の一部を示す外観図である。
【図14】比較構成例の光走査装置の一部を示す上面外観図である。
【図15】比較構成例の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1,1’ 半導体レーザ
2,2’ LDベース
3,3’ カップリングレンズ
4 光路切換素子
5a,5b シリンドリカルレンズ
6 防音ガラス
7 回転多面鏡ユニット
7a,7b ポリゴンミラー
8a,8b fθレンズ
9 ミラー
10a,10b アナモフィックレンズ
11a,11b 感光体(Aドラム,Bドラム)
13a,13b,13c,13d 同期検知フォトダイオード
14 遮光部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、
該レーザ光源から出射されるレーザ光の光路を切り換える光路切換手段と、
共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットと、を有し、
前記光路切換手段は、電気信号で切換動作を行い、
前記電気信号は、走査光の同期信号を基に生成されていることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記多面反射鏡ユニットが前記感光体を露光走査する走査タイミングを検知して走査光の同期信号を発生させる同期検知手段と、
前記光路切換手段に前記同期検知手段が発生させた同期信号に基づいて生成された電気信号を印加する電気信号印加手段と、を有し、
前記光路切換手段は、電気信号の印加によってレーザ光の光路を切り換える前記切換動作を行うことを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
【請求項3】
前記光路切換手段は、入射光を偏向させることにより光路切換を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の光走査装置。
【請求項4】
前記光路切換手段は、偏光切換手段と、偏光分離手段との組合せを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の光走査装置。
【請求項5】
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前の同期信号を基に生成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の光走査装置。
【請求項6】
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前N(ただしNは正の整数)走査周期の同期信号を基に生成されていることを特徴とする請求項5記載の光走査装置。
【請求項7】
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前1走査周期内の他光路の同期信号を基に生成されていることを特徴とする請求項5又は6記載の光走査装置。
【請求項8】
電気信号生成のための同期信号は、1走査中の走査開始部同期信号と走査終了部同期信号で構成され、
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、走査開始部同期信号及び走査終了部同期信号の少なくとも一方を基に生成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の光走査装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
複数の異なる感光体を備え、
前記光路切換手段は、前記多面反射鏡ユニットによる走査記録に対応して電気信号により前記レーザ光源からの光路を切り換え、
前記多面反射鏡ユニットは、光路を切り換えられたレーザ光の各々を異なる段の反射鏡によって反射して、前記複数の異なる感光体上の被走査面を、順次走査記録することを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
レーザ光源により感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するステップと、
共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットにより前記レーザ光を反射させた走査光の同期信号に基づいて電気信号を生成するステップと、
前記電気信号により前記レーザ光の光路を切り換える切換動作を行うステップと、を含むことを特徴とする光走査方法。
【請求項1】
感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するレーザ光源と、
該レーザ光源から出射されるレーザ光の光路を切り換える光路切換手段と、
共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットと、を有し、
前記光路切換手段は、電気信号で切換動作を行い、
前記電気信号は、走査光の同期信号を基に生成されていることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記多面反射鏡ユニットが前記感光体を露光走査する走査タイミングを検知して走査光の同期信号を発生させる同期検知手段と、
前記光路切換手段に前記同期検知手段が発生させた同期信号に基づいて生成された電気信号を印加する電気信号印加手段と、を有し、
前記光路切換手段は、電気信号の印加によってレーザ光の光路を切り換える前記切換動作を行うことを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
【請求項3】
前記光路切換手段は、入射光を偏向させることにより光路切換を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の光走査装置。
【請求項4】
前記光路切換手段は、偏光切換手段と、偏光分離手段との組合せを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の光走査装置。
【請求項5】
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前の同期信号を基に生成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の光走査装置。
【請求項6】
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前N(ただしNは正の整数)走査周期の同期信号を基に生成されていることを特徴とする請求項5記載の光走査装置。
【請求項7】
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、前記光路切換手段が光路切換を行う前1走査周期内の他光路の同期信号を基に生成されていることを特徴とする請求項5又は6記載の光走査装置。
【請求項8】
電気信号生成のための同期信号は、1走査中の走査開始部同期信号と走査終了部同期信号で構成され、
前記電気信号印加手段が印加する電気信号は、走査開始部同期信号及び走査終了部同期信号の少なくとも一方を基に生成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の光走査装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
複数の異なる感光体を備え、
前記光路切換手段は、前記多面反射鏡ユニットによる走査記録に対応して電気信号により前記レーザ光源からの光路を切り換え、
前記多面反射鏡ユニットは、光路を切り換えられたレーザ光の各々を異なる段の反射鏡によって反射して、前記複数の異なる感光体上の被走査面を、順次走査記録することを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
レーザ光源により感光体を露光走査するためのレーザ光を出射するステップと、
共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡ユニットにより前記レーザ光を反射させた走査光の同期信号に基づいて電気信号を生成するステップと、
前記電気信号により前記レーザ光の光路を切り換える切換動作を行うステップと、を含むことを特徴とする光走査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−3119(P2009−3119A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162974(P2007−162974)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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