説明

光電変換装置

【課題】 低コストで簡単な実装構造により大画面センサーに対する放射ノイズの影響を排除することのできる光電変換装置を提供する。
【解決手段】 光電変換素子を複数有する基板205〜208を複数隣接配置すると共に、この隣接配置された複数の基板205〜208にわたって光電変換素子上に導電性部材214を配置する。そして、この導電性部材214を接地アースに接続することで、導電性部材214をシールド部材として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置に関し、詳しくは、ファクシミリ、デジタル複写機或いは非破壊検査等のX線撮像装置等の読み取り(特に等倍の読み取り)を行うために好適に用いられる二次元の光電変換領域を有する光電変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ファクシミリ、複写機、スキャナ、あるいはX線撮像装置(所謂レントゲン装置等)等の像読取装置として、縮小光学系とCCD型センサーを用いた読取り系の装置が知られている。近年では、水素化アモルファスシリコン(以下、a−Siと略す)に代表される光電変換半導体材料の開発により、光電変換素子及び信号処理部とを大面積の基板に形成し、情報源と等倍の光学系で若しくは情報源を光学系を用いずに読み取る、いわゆる密着型センサーの開発がめざましい。
【0003】
X線像を読み取る場合、蛍光体のような波長変換体にX線を入力し、該波長変換体でセンサーの感光波長域の波長に変換し、それをセンサーで読み取ることが行われている。しかし、縮小光学系を用いた画像読み取りは光学的損失があるため、波長変換体と等倍のセンサーで密着して読み取ることで効率向上を図ろうとしている。
【0004】
特に、a−Siは光電変換材料としてだけでなく、薄膜電界効果型トランジスタ(以下、TFTと略す)としても用いることができるので、光電変換半導体層とTFTの半導体層とを同時に形成することができる利点を有しているので、同時に形成する薄膜電界効果トランジスタ等のスイッチ素子および容量素子とはマッチングが良い。
【0005】
これら素子は、薄膜の積層により形成できるが、これら素子の各薄膜の積層順は、同一とすることができる。このような構成にすれば、各素子を構成する薄膜を共通な膜として同時に形成可能である。このように、各素子を同時に形成することにより、工程数が減少し、配線の引回しも減少するので、光電変換装置を高S/N化及び低コスト化することができる。
【0006】
また、容量素子(コンデンサ)も電極となる導電層間である中間層に絶縁層を設けることができるので、良好な特性に仕上げることができる。容量素子の特性の向上により、複数の光電変換素子で得られた光情報の積分値を簡単な構成で出力できる高機能の光電変換装置も提供できるようになり、更に、低コスト化で大面積、高機能、高特性のファクシミリやX線レントゲン装置の構成を可能にしている。
【0007】
ところが、こうした高特性の大画面センサーにおいては、大面積になるため、放射ノイズの増加により、光電変換半導体層とTFTの半導体層に雑音電圧や雑音電流が入射し、誤動作や誤信号が発生して光電変換装置の信頼性を著しく低下させる場合があった。
【0008】
上述したような放射ノイズの対策の1つとして、以下に説明する方法が提案されている。
【0009】
図22は、X線検出のために用いられる光電変換装置の従来構成を示す模式的断面図である。この光電変換装置では、光電変換素子とTFTを有する光電変換デバイス401上に、放射ノイズの入射防止を目的として、いわゆるアンテナアースを形成させる為に、金属膜404を真空蒸着等により成膜している。402は、金属膜404上に接着層403で貼り付けたX線感光用の蛍光体である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来例では、真空蒸着等による成膜によって形成される金属膜は、コスト的に不利になることは避けられない。また、歩留りという点からも改善の余地がある。
【0011】
光電変換半導体層の製造時の微小な塵、中でも特に問題となるアモルファスシリコン層を基板に堆積する際の薄膜堆積装置の壁から剥がれ出るゴミと、金属層を基板に堆積する時に基板上に残っている埃を完全に無くすことは難しい。
【0012】
もともと、配線の不具合、すなわち配線のショートまたはオープンを皆無にすることは不可能であるという状況に加えて、更に、放射ノイズの入射防止のためのアンテナアースを構成するために、金属膜を真空蒸着等で成膜し、パターニングして配線することは、大画面の光電変換装置を製作する時の基板の歩留りを更に悪化させ、コストアップを招くという問題がある。
【0013】
また、光電変換部上に金属膜を設けることは、それが光の入射側であれば、金属膜による入射光量の減少を考慮する必要がある。この金属膜による効率の低下を極力少なくするために、金属酸化物のような透明導電膜を形成することも考えられるが、この場合、より一層成膜の難しさが生じ、実質的に上記した問題の解決につながらない。
【0014】
このように、放射ノイズ対策は、受光面積が増加するに従って、また、S/N比の優れた情報を得ようとするにつれて重要になってくる。また、放射ノイズ対策に伴い、コストや歩留りを低下させないことが望まれる。
【0015】
更に、蛍光体のような波長変換体は、湿度等の外的要因に対して耐性を有しないことが多い。このため、X線検出のための光電変換装置においては、耐久性、取り扱い性、及び保守性の向上のためにも波長変換体の保護が求められている。
【0016】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、低コストで簡単な実装構造により大画面センサーに対する放射ノイズの影響を排除することのできる光電変換装置を提供することを目的としている。
【0017】
また、本発明の他の目的は、S/N比の大きい光電変換装置を提供するだけでなく、耐環境性に優れた光電変換装置を提供することにある。
【0018】
更に、本発明の他の目的は、蛍光体のような波長変換体の湿度や水分等による劣化を防止し、安定した読み取りを可能にする光電変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本出願に係る発明の目的を実現する構成は、請求項1に記載のように、光電変換素子を複数有する基板を複数隣接配置し、該隣接配置された該複数の基板にわたって該光電変換素子上に配置された導電性部材を有する光電変換装置にある。
【0020】
この構成によれば、光電変換素子上に貼り合わせた導電性部材を本体の接地アースに接続することで、導電性部材はシールド部材として機能する。この結果、成膜によらずにセンサー面への放射ノイズの入射を防止することができ、大画面にしてもS/N比を低下させることがなく、歩留りの向上も可能になる。
【0021】
本出願に係る発明の目的を実現する具体的な構成は、請求項2に記載のように、前記光電変換素子と該導電性部材との間に波長変換体を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にある。
【0022】
この構成によれば、光電変換素子と導電性部材の間に設けられた波長変換体は、例えばX線を光電変換素子の感光感度領域に波長変換するに際し、導電性部材によって水分の浸入が防止され、波長変換体の外的耐性を改善することができる。
【0023】
本出願に係る発明の目的を実現する具体的な構成は、請求項3に記載のように、前記波長変換体は、蛍光体を有することを特徴とする請求項2記載の光電変換装置にある。
【0024】
この構成によれば、蛍光体はX線に対して感光するので、X線センサーに適している。
【0025】
本出願に係る発明の目的を実現する具体的な構成は、請求項4に記載のように、前記導電性部材は絶縁基体とその上に設けられた導電層を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にある。
【0026】
この構成によれば、導電層に設けられた保護材は、導電層の表面を機械的に、或いは水分等の他の物質から保護するように機能する。
【0027】
本出願に係る発明の目的を実現する具体的な構成は、請求項5に記載のように、前記導電性部材は金属を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にある。
【0028】
この構成によれば、導電性部材を接地アースや電気グランドに接続する場合、配線等による導電性部材と前記接地アースや電気グランドとの接続が容易に行えるようになる。
【0029】
本出願に係る発明の目的を実現する具体的な構成は、請求項6に記載のように、前記金属はアルミニウムを有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置にある。
【0030】
この構成によれば、アルミニウムの表面を酸化させて酸化物を形成することにより、光電変換素子に対する絶縁性を向上させることができる。
【0031】
本出願に係る発明の目的を実現する具体的な構成は、請求項7に記載のように、前記導電性部材はグランドされていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にある。
【0032】
この構成によれば、導電性部材の接地位置は、装置本体の回路構成によって最良の結果を得られる場所が異なり、駆動用アナログ回路を含む構成にあっては、該駆動用アナログ回路に接続するのが望ましい。
【0033】
また、本出願に係る発明の目的を実現する構成は、請求項8に記載のように、前記光電変換素子の形成領域は該導電性部材の配される領域より小さいことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にあり、さらにまた、請求項9に記載のように、前記導電性部材の周囲は封止されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にあり、請求項10に記載のように、前記導電性部材の周囲は該光電変換素子を有する基板の周囲に延在され、該基板を囲うようにその端部が封止されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にあり、請求項11に記載のように、前記基板の周囲と該導電性部材との間に空間を有することを特徴とする請求項10に記載の光電変換装置にあり、請求項12に記載のように、前記基板の端面と該導電性部材とが密着していることを特徴とする請求項10に記載の光電変換装置にあり、請求項13に記載のように、前記空間内に樹脂が配されていることを特徴とする請求項11に記載の光電変換装置にあり、請求項14に記載のように、前記基板と前記導電性部材の端面全体を覆う樹脂が配されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置にあり、請求項15に記載のように、前記金属は100ミクロン以下の厚さを有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置にある。
【0034】
これらの構成によれば、受光面積が増加しても、S/N比の優れた情報が得られ、放射ノイズ対策に伴い、コストの歩留りを低下させることなく、湿度等の外的要因に対して耐性を有し、低コストで簡単な実装構造により、大画面センサーに対する放射ノイズの影響を排除することのできる光電変換装置が得られる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、光電変換素子を有する光電変換装置において、光電変換素子面上に薄板金属板を貼り合わせ、その金属板をアース端子に接続して放射ノイズを除去するように構成することで、放射ノイズの影響を高価な成膜に因らずに、コストの安い簡単な実装構造によって歩留まりを改善し、放射ノイズも確実に防止することが可能になった。
【0036】
更に、本発明によれば、耐放射ノイズに優れたコストの安い光電変換装置及びX線像読取装置を提供することができる。
【0037】
更に、本発明によれば、薄板金属板は光電変換素子面より面積を大きく取って、底にアース接続部を設け両面を樹脂でラミネートした上アース側端子にネジ、鳩目金属等を用いて固着することで装置本体、デジタル回路、若しくはアナログ回路のグランドへ接続するように構成することで、光電変換素子面に薄板金属板を貼り合わせ密着させる簡単な実装が可能になり、適切な位置にアース接続することができる。
【0038】
また、本発明によれば、耐湿性が高く、耐不純物イオン性に優れ、高い耐久性を有する光電変換装置を提供することができる。
【0039】
本出願に係る請求項1記載の発明によれば、光電変換素子上に貼り合わせた導電性部材を本体の接地アースに接続することで、導電性部材はシールド部材として機能する。この結果、成膜によらずにセンサー面への放射ノイズの入射を防止することができ、大画面にしてもS/N比を低下させることがなく、歩留りの向上も可能になる。
【0040】
本出願に係る請求項2記載の発明によれば、光電変換素子と導電性部材の間に設けられた波長変換体は、例えばX線を光電変換素子の感光感度領域に波長変換するに際し、導電性部材によって水分の浸入が防止され、波長変換体の外的耐性を改善することができる。
【0041】
本出願に係る請求項3記載の発明によれば、蛍光体はX線に対して感光するので、X線センサーに適している。
【0042】
本出願に係る請求項4記載の発明によれば、導電層に設けられた保護材は、導電層の表面を機械的に、或いは水分等の他の物質から保護するように機能する。
【0043】
本出願に係る請求項5記載の発明によれば、導電性部材を接地アースや電気グランドに接続する場合、配線等による導電性部材と前記接地アースや電気グランドとの接続が容易に行えるようになる。
【0044】
本出願に係る請求項6記載の発明によれば、アルミニウムの表面を酸化させて酸化物を形成することにより、光電変換素子に対する絶縁性を向上させることができる。
【0045】
本出願に係る請求項7記載の発明によれば、導電性部材の接地位置は、装置本体の回路構成によって最良の結果を得られる場所が異なり、駆動用アナログ回路を含む構成にあっては、該駆動用アナログ回路に接続するのが望ましい。
【0046】
また、本出願に係る請求項8〜15記載の各発明によれば、受光面積が増加しても、S/N比の優れた情報が得られ、放射ノイズ対策に伴い、コストの歩留りを低下させることなく、湿度等の外的要因に対して耐性を有し、低コストで簡単な実装構造により、大画面センサーに対する放射ノイズの影響を排除することのできる光電変換装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0048】
図1は本発明に係る光電変換装置の実施の形態の一例を示す模式的断面図である。以下においては、a−Siのような光電変換可能な材料を有する光電変換層を持った等倍読取型の密着センサー、特に、二次元センサー全般に係わるものであるが、代表的な例として、X線レントゲン装置(X線撮像装置)の像情報読取手段に使用した場合について説明する。
【0049】
図1に示す光電変換装置は、光電変換素子を有するセンサー基体1上に、X線を光電変換素子面中の光電変換素子の感光感度領域に波長変換するための蛍光体2を接着剤4で貼り合わせて、更に、外来放射ノイズ防止用の薄板金属板3を接着剤4で貼り合わせた光電変換装置の一例である。
【0050】
この光電変換装置は、例えば、a−Siに代表されるような光電変換半導体材料により、光電変換素子及びスイッチ用の薄膜電界効果型トランジスタ(TFT)を同一の基体上に形成し、いわゆる情報源と等倍の光学系で読み取る密着型センサーを複数二次元的に光電変換半導体層とTFTの半導体層とを同時に形成した基板により構成される。
【0051】
また、放射ノイズにより光電変換素子とTFTの半導体層に雑音電圧や雑音電流が入射し、誤動作や誤信号により光電変換装置の信頼性を著しく低下させるのを防止するために、センサー基体1の光電変換素子面上に、例えば、樹脂等の基台板(不図示)にラミネートされた薄板金属板3を、皺やすじが生じないように貼り合わせ、その薄板金属板3を接地アースや電気グランドに接続している。
【0052】
図2は図1の光電変換装置の模式的平面図を示す。ノイズ阻止用の薄板金属板3は、接着剤4を用いてセンサー基体1の光電変換素子面上に貼り合わせられる。薄板金属板3は、X線レントゲン装置の場合、X線の損失を低減するために、X線を透過しやすい金属を用い、更に、極力薄くする必要がある。
【0053】
ところで、薄板金属板3を薄板化すればするほど、皺、すじが生じないように貼り合わせることは難しくなる。そこで、例えば、薄板金属板3を樹脂等の基台板にラミネートして薄板金属板3の強度を増すことが好ましい。この状態で貼り合わせることにより、皺、すじが生じないように貼り合わせることが容易になる。その後、薄板金属板3を接地アースや電気グランドに配線するようにしている。
【0054】
貼り合わせを容易にするためには、薄板金属板3の少なくとも一面に樹脂フィルムをラミネートするのがよい。また、薄板金属板3は基台となる樹脂フィルムと金属表面を機械的に、或いは水分等の他の物質から保護するための保護フィルムを有していてもよい。この場合、薄板金属板3の両面が樹脂で覆われるようにするのが好ましい。また、基台と保護フィルムは同じ材料であっても、また、異なる材料であっても、所望の特性を有していさえすれば特に限定されない。
【0055】
導電層となる薄板金属板3は、いわゆる箔状でよいが、基台上に蒸着により形成してもよい。この場合の蒸着は、光電変換素子面上に形成する場合に比べて平面性が高く(素子による凹凸が無いため)、また、基台に対しての最適な条件で形成可能であるため、容易に行うことができる。
【0056】
更に、基台となる樹脂または保護のための樹脂は、ラミネート以外の方法、例えば、塗布により形成することも可能である。
【0057】
また、光電変換素子との電気的絶縁性を考慮する場合、金属表面を酸化させて酸化物を形成してもよい。例えば、X線の透過率が高く、薄膜化が容易な金属として、アルミニウムが適しており、これを酸化させることにより、容易に表面強度を高めることができる。
【0058】
薄板金属板3は、使用される状況や材料にもよるが、アルミニウムの場合、上述の点を考慮すると、厚さ100μm以下にするのが望ましい。このように、センサー基体1の光電変換素子面上に設けられる薄板金属板3を含む部材を導電性部材と称する。
【0059】
薄板金属板3を含むノイズ防止プレートの全面積は、光電変換素子面の面積より大きくするのが好ましい。そして、その一部には、図2に示すように、光電変換素子の外側の領域に接地アースや電気グランド用に配線する薄板金属板3のアース接続部5の端子を設けて、ネジ締めや鳩目により薄板金属板3を接地アース接続部5に配線する。
【0060】
図2においては、アース接続部5の薄板金属板3の端子部分とその両面ラミネートを含む部分をA部として示している。なお、図1及び図2には、X線像用の光電変換装置を示しているが、通常のスキャナ用の密着型イメージセンサーを構成する場合であれば、蛍光体2は不要である。
【0061】
図3は図2のA部の詳細構成を示す模式的な部分拡大断面図である。図3に示すように、実際のアース配線は、薄板金属板6(図1の薄板金属板3と同じ)の両面は基台樹脂フィルム7と保護樹脂フィルム8とでラミネートされ、その基台樹脂フィルム7は保護樹脂フィルム8よりも厚さがあるか、若しくは同等の厚みのあるフィルムを使用している。
【0062】
そして、両面樹脂フィルムでラミネートされた薄板金属板6を接地接続するための穴10を設けている。穴10には、ネジやビス等を挿入してアース端子等に回し止めするが、アース端子等の接続側との接触部11の部分の保護樹脂フィルム8を剥離している。
【0063】
図4は図2のA部の他の詳細構成を示す模式的な部分拡大断面図である。図4では、アース接続部に金属の環状部材で一方の面側に突出部を有する金属部材(例えば、鳩目)を装着してアース端子と接続する構成にしている。
【0064】
図4においては、薄板金属板6の両面を基台樹脂フィルム7と保護樹脂フィルム8でラミネートし、保護樹脂フィルム8より厚さがあるか、若しくは同等の厚みのある樹脂フィルムを使用していることは、図3の構成と同様である。鳩目ポンチ等により穴10を設け、更に樹脂フィルム7,8を環状金属部材9の突出部(例えば、鳩目金属)9で局部的に破壊して薄板金属板6と環状金属部材9を接続することで、環状金属部材9自身を両面樹脂フィルム上の接続端子としている。
【0065】
図5は図3の構成のアース接続部をネジ止めにした構成例であり、図6は環状金属部材9を用いた構成例である。
【0066】
図5に示すように、穴10にはネジやビス等の取付部材12を挿入し、アース端子を有する電気回路基板13に接触部11が電気的に接続されるようにナットやネジを切った結合部材12aによって取り付けられている。
【0067】
図5の場合、薄板金属板6とアース端子との電気的接続を確実なものにするため、金属ワッシャや半田等による接触端子14を有する構成にしている。しかしながら、電気的接続が充分に行われるのであれば、必ずしも接触端子14は必要としない。電気的接続は、取付部材(ネジ)12と結合部材(ナット)12aとを螺着しているが、この取付方法も図示の構成に限定されるものではない。
【0068】
また、図6に示すように、環状金属部材9を利用して取付部材12と結合部材12aにより、接地用ケーブル15の導線部に接続されたワッシャ等の接続端子12bを取り付けることで導通を図ってもよい。
【0069】
もちろん、図5及び図6に示される方法は、適宜変形可能であり、図5の構成に図6の接地用ケーブル15を用いる構成にしても、図6の構成に図5の電気回路基板13と接触端子14を用いて導通を図る構成にしてもよい。電気回路基板13は、もちろん光電変換素子が形成されている基体であってもよい。具体的に接続される箇所の好適な例について以下に説明する。
【0070】
図7は接地アース点を装置本体に接続した場合の好適な接続構成の一例を示す概略的ブロック図である。図7においては、光電変換素子に接着剤でX線に感光させる蛍光体2を貼り合わせ、その上に放射ノイズ防止用の薄板金属板3を貼り合わせた基板型の光電変換装置が示されている。
【0071】
光電変換装置は、装置本体(または、筐体)16、各部に電源を供給する電源回路17、外部装置との信号入出力用のインターフエイス18、アナログ回路19、デジタル回路20を備えて構成されている。光電変換装置の薄板金属板3は、配線21を介して装置本体16に接地アースとして配線されることにより、放射ノイズの入射を防止することができる。
【0072】
アナログ回路19は、光電変換装置からのX線像を読み取ったアナログ電気信号によるX線画像信号を出力する。デジタル回路20は、アナログ回路19からのX線画像信号をA/D変換してデジタル画像処理を行った後、再びアナログ回路19へ返却する。
【0073】
図8は接地アースをデジタル回路20に接続した場合の好適な接続構成の一例を示す概略的ブロック図である。図8に示される例は、光電変換装置の薄板金属板3をデジタル回路20のグランド配線22に接地アースとして配線している。特に、光電変換装置とデジタル回路20の配置が近かったり、両装置が電気的に同一アース電位の場合等に好都合である。
【0074】
図9は接地アースをアナログ回路19に接続した場合の好適な接続構成の一例を示す概略的ブロック図である。図9に示すように、光電変換装置の薄板金属板3は、アナログ回路19のグランド配線23に接地アースとして配線されている。この場合も、光電変換装置とアナログ回路19の配置位置が近かったり、両装置の動作上のアース電位が同一の場合等に好適である。
【0075】
このように、光電変換素子を有するセンサー基体1の完成後に光電変換素子面の上部に放射ノイズ防止用の薄板金属板3を貼り合わせた実装構造としている。薄板金属板3はX線の損失を低減するために、より薄板化すると共に皺やすじにならないように両面をラミネート処理して貼り付けることは望ましい。
【0076】
薄板金属板3の全体面積は光電変換素子面より大きくし、光電変換素子が配設された領域を越えた部分にアース接続部を設けることで、光電変換素子には影響がない位置で鳩目やネジ止め等によりアース端子側へ接続して、接地アースや電気グランドに落とすことができる。コストの安い簡単な実装構造で効果的に放射ノイズを除去することが可能になり、製品歩留まりはかなり改善される。
【0077】
以下、波長変換体としての蛍光体の保護を中心とした構成について説明する。蛍光体等の波長変換体は、用いられる用途、目的等により、適宜材料を選択することが可能である。例えば、CsIは、X線を可視光に波長変換する効率を非常に高めることができるが、水分等の外的耐性については改善の余地がある。以下の説明は、実質的な耐性の向上という面から見ても極めて有用である。
【0078】
図10は図1に示した光電変換装置をX線撮像装置に用いた場合の一例を説明する模式的構成図である。
【0079】
図10において、101は筐体、102はグリッド、103は筐体内に接続受けられた光電変換装置である。図1では図示を省略したが、図の左側にX線源を設け、該X線源とグリッド102との間に配設された被写体(人物、物体等の非破壊検査の対象物)を通ったX線がグリッド102を介して筐体101を通過し、光電変換装置103に入力される。X線は上述したように、光電変換装置103の蛍光体に入り、光電変換素子の受光感度領域の波長を含む光に変換され、該変換された光を光電変換して被写体を透過したX線に応じた情報を電気的情報として得ることができる。グリッド102は被写体中で散乱されたX線が光電変換装置に入力されるのを防止するために設けられている。
【0080】
図11は本発明の光電変換装置をX線センサーに適用した第1例の模式的平面図を示す。また、図12は図11のX線センサーの模式的断面図を示す。201はフレキシブル回路基板、202はプリント回路基板、203はセンサー基板上にある引き出し電極部、204は封止材である。この封止材204は、引き出し電極203の防食を目的として設けられる。
【0081】
205〜208は上面にセンサー素子が形成されているセンサー基板、209はセンサー基板205〜208を保持するための基台、210はセンサー基板205〜208と基台209を固定するための接着剤である。センサー基板205〜208は二次元方向に画素ピッチが合うように位置合わせされ、基台209に固定されている。211はX線を可視光に変換する蛍光体、212はセンサー基板205〜208と蛍光体211を貼り合わせるための接着剤である。
【0082】
X線源から被写体を透過して入射したX線は蛍光体211内で可視光に変換される。変換された可視光は、蛍光体211の直下の接着剤を透過し、センサー基板205〜208上に形成されたセンサー素子に入射される。これを光電変換し、二次元画像へと出力する。
【0083】
図13は、図11及び図12に示したX線センサーの製作工程の一例を示すプロセス図である。まず、薄膜半導体プロセスによって作製されたセンサー基板205〜208を回転式ダイヤモンドブレード等を用いて要求されるサイズにスライスする(工程301)。
【0084】
ついで、規定サイズになったセンサー基板205〜208の引き出し電極203にフレキシブル回路基板201を介して、プリント回路基板202を取り付ける(工程302)。
【0085】
次に、引き出し電極群上にフレキシブル回路基板201が接合され(工程303)、その状態で接合部を包むようにディスペンサー等で封止剤203を塗布する(工程304)。封止されたセンサー基板205〜208を二次元方向に画素ピッチが合うよう位置合わせを行い、予め接着剤210の塗布された基台209上に各基板を載せて固定する(工程305)。
【0086】
その後、スプレー等で接着剤(或いは粘着剤)212を全面塗布した蛍光体211をセンサー基板205〜208上に載せ、その上からローラーで一定の圧力を加えながら貼り合せる(工程306)。
【0087】
このように、センサー基板205〜208が1つで充分な大きさのものが得られない場合には、複数個のセンサー基板を二次元方向に画素ピッチを合わせて擬似的に1枚の基板になるようにすることで、センサー部の歩留り向上が可能になる。
【0088】
このような構成を実現するには、図13のスライス工程(工程301)において、切断時に生じたバリや切断粉によるセンサー基板上の絶縁膜や保護膜の欠けによる素子破壊及び腐食といった事項に細心の注意を払うことが望まれる。センサー基板の絶縁膜や保護膜はセンサー素子部、薄膜トランジスタ部、ゲート線、信号線を覆うことにより、水分あるいはナトリウム、カリウム、塩素といった不純物イオンの侵入を妨げ、金属配線に腐食を生じさせない。
【0089】
ところが、スライス工程において、切断時に生じたバリや切断粉による絶縁膜や保護膜の損傷で欠けがあると、絶縁膜と透明絶縁基板の界面で水分及び不純物イオンが侵入し、配線の腐食を引き起こす場合がある。このような配線の腐食は、最終的には断線に至ることがある。これは画像内容として、例えば、ライン欠陥となり、著しい画像低下を招くことになる。
【0090】
また、上記したように複数、例えば、4枚のセンサー基板を二次元方向に画素ピッチが合うよう位置合わせを行い、予め接着剤(あるいは粘着剤)の塗布された基台上に各基板を載せて固定し、その後、スプレー等で接着剤を全面塗布した蛍光体を4枚のセンサー基板上に載せ、その上からローラーで一定の圧力を加えながら貼り合せる工程において、貼り合わせ時に抱き込んだゴミや切断粉、いわゆるダストによるセンサー基板上の絶縁膜や保護膜の欠けや破損による素子破壊及び腐食を生ずるという点に注意を払うことが望ましい。
【0091】
以上のように、ダストによるセンサー基板上の絶縁膜や保護膜の欠けや破損によるゲート線近傍まで欠けがあると、画素欠陥になるばかりでなく、絶縁膜と透明絶縁基板の界面で水分及び不純物イオンが侵入し、配線の腐食を引き起こすこともある。本発明の構成は、このような問題点を解決するものである。
【0092】
また、本発明は、波長変換体である蛍光体の保護も同時に行うことができる。これらの点について、更に、図面を用いて説明する。
【0093】
図14は本発明の光電変換装置をX線センサーに適用した第2例の模式的平面図を示す。また、図15は図14のX線センサーの模式的断面図を示す。この構成が図11と相違するところは、図11及び図12に示したように、金属箔(薄板金属板)213が蛍光体211上に形成されている点である。
【0094】
この場合、金属箔213は水分や不要なイオンに対して障壁として作用する。したがって、光電変換部等の半導体や金属配線を悪影響から守ることができる。同時に、波長変換体である蛍光体も水分や不要なイオンが侵入するのを防止することができる。
【0095】
図16は本発明の光電変換装置をX線センサーに適用した第3例の模式的平面図を示す。また、図17は図16のX線センサーの模式的断面図を示す。光電変換素子が形成された基板と光電変換素子を構成する金属配線層、絶縁層、半導体層等との界面またはそれら各層の界面等に対しても水分の侵入は生じる。
【0096】
そこで、図16及び図17に示すように、光電変換部等の素子形成領域215を薄板金属板(金属箔)214の周辺より充分内側になるようにすることは好ましい。このようにすることで、侵入が生じやすい周辺部からの距離を増やすことができ、水分等が素子形成領域215にまで到達する時間を実用上問題が生じない程度にまで遅くすることができる。この結果、薄板金属板214を充分に大きくすることで、放射ノイズ対策を更に効果的に行うことができる。
【0097】
図16及び図17に示されるように、端部まで所望の距離を有する形状の場合、充分な耐久性を持たせるためには、装置全体が大型化する。そこで、この点を考慮しながら、より一層の耐久性を持たせることのできる構造例について、以下に説明する。
【0098】
図18は本発明の光電変換装置をX線センサーに適用した第4例の模式的平面図を示す。また、図19は図18のX線センサーの模式的断面図を示す。図中、前記各実施の形態と同一であるものには同一引用数字を用いたので、以下においては重複する説明を省略する。
【0099】
本実施の形態は、図14及び図15に示した光電変換装置に対し、薄板金属板214の周囲(外周)に有機樹脂又は無機材料の封止材216を設けた構成に特徴がある。この構成により、水分等が封止材216を通過するのに時間を要することとなり、内部への水分等の侵入を抑制できるため、耐久性を向上させることが可能になる。
【0100】
図20は本発明に係る光電変換装置の実施の形態の更なる好適な一例を示す模式的断面図である。図中の各符号は、図19に示した通りであるので、ここでは重複する説明は省略する。
【0101】
本実施の形態は、図19の構成に対し、傾斜面を持つように薄板金属板214を延伸し、この端辺を下側に折り曲げ、センサー基板の一部に樹脂封止材120を設けている。この構成では、薄板金属板214と蛍光体、光電変換素子との間に形成される空間によって、更に耐久性を向上させることができる。
【0102】
図21は本発明に係る光電変換装置の更に別の実施の形態の一例を示す模式的断面図である。図中の各符号は、図19に示した通りであるので重複する説明は省略する。本実施の形態は、薄板金属板214の蛍光体からのはみ出し部を蛍光体端部に沿って折り曲げた形状(図では直角)にし、外周を有機樹脂(又は無機材料)の封止材120で封止した構成にしている。この構成によれば、蛍光体の端面部分が金属により覆われているので、水分等が蛍光体へ侵入するのを抑制でき、蛍光体の耐久性を向上させることができる。
【0103】
なお、図14〜図21に示した薄板金属板214は、基台と保護層、又は一方を形成する樹脂材又は無機材を有していてもよい。
【0104】
また、蛍光体211上への薄板金属板214の張り付けは、蛍光体211を光電変換部に設ける際に使用される粘着剤や接着剤と同一又は同一系統の材料を設けて行うことが望ましい。
【0105】
〔発明と実施の形態の対応〕
以上の実施の形態において、薄板金属板3,6,21,214が導電性部材に、蛍光板2,211が波長変換体に相当する。
【0106】
なお、本発明は上記例に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲において適宜変形、組合せが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明に係る光電変換装置の第1の実施の形態を示す模式的断面図である。
【図2】図1の光電変換装置の模式的平面図である。
【図3】図2のA部の詳細構成を示す模式的部分拡大断面図である。
【図4】図2のA部の他の詳細構成を示す模式的部分拡大断面図である。
【図5】図3の構成のアース接続部の詳細を示す模式的構成図である。
【図6】図3の構成のアース接続部の他の構成例を示す模式的構成図である。
【図7】装置本体に接地アースをとった場合の接続構成を示す概略的ブロック図である。
【図8】デジタル回路に接地アースをとった場合の接続構成を示す概略的ブロック図である。
【図9】接地アースをアナログ回路に接続した場合の接続構成を示す概略的ブロック図である。
【図10】図1に示した光電変換装置をX線撮像装置に用いた場合の一例を説明する模式的構成図である。
【図11】図1に示した光電変換装置をX線撮像装置に用いた一例を示す模式的構成図である。
【図12】図11のX線センサーの模式的断面図である。
【図13】図11及び図12の光電変換装置の製作工程を示すプロセス図である。
【図14】本発明の光電変換装置をX線センサーに適用した第2例を示す模式的平面図である。
【図15】図14のX線センサーの模式的断面図である。
【図16】本発明の光電変換装置をX線センサーに適用した第3例を示す模式的平面図である。
【図17】図16のX線センサーを示す模式的断面図である。
【図18】本発明の光電変換装置をX線センサーに適用した第4例を示す模式的平面図である。
【図19】図18のX線センサーの模式的断面図である。
【図20】本発明に係る光電変換装置の第2の実施の形態を示す模式的断面図である。
【図21】本発明に係る光電変換装置の第3の実施の形態を示す模式的断面図である。
【図22】X線検出のために用いられる光電変換装置の従来構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0108】
1 センサー基体
2,211 蛍光体
3,6 薄板金属板
4 接着剤
7 基台樹脂フィルム
8 保護樹脂フィルム
9 環状金属部材
10 穴
11 接触部
12 取付部材
12a 結合部材
13 電気回路基板
14 接触端子
15 接地用ケーブル
16 装置本体
17 電源回路
18 インターフエイス
19 アナログ回路
20 デジタル回路
21 配線
22,23 グランド配線
101 筐体
102 グリッド
103 光電変換装置
201 フレキシブル回路基板
202 プリント回路基板
203 引き出し電極部
204,216 封止材
205〜208 センサー基板
209 基台
210 接着剤
213,214 金属箔(薄板金属板)
215 素子形成領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子を複数有する基板を複数隣接配置し、該隣接配置された該複数の基板にわたって該光電変換素子上に配置された導電性部材を有する光電変換装置。
【請求項2】
前記光電変換素子と該導電性部材との間に波長変換体を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項3】
前記波長変換体は蛍光体を有することを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項4】
前記導電性部材は絶縁基体とその上に設けられた導電層を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項5】
前記導電性部材は金属を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項6】
前記金属はアルミニウムを有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。
【請求項7】
前記導電性部材はグランドされていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項8】
前記光電変換素子の形成領域は該導電性部材の配される領域より小さいことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項9】
前記導電性部材の周囲は封止されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項10】
前記導電性部材の周囲は該光電変換素子を有する基板の周囲に延在され、該基板を囲うようにその端部が封止されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項11】
前記基板の周囲と該導電性部材との間に空間を有することを特徴とする請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項12】
前記基板の端面と該導電性部材とが密着していることを特徴とする請求項10に記載の光電変換装置。
【請求項13】
前記空間内に樹脂が配されていることを特徴とする請求項11に記載の光電変換装置。
【請求項14】
前記基板と前記導電性部材の端面全体を覆う樹脂が配されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項15】
前記金属は100ミクロン以下の厚さを有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−41517(P2006−41517A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−208733(P2005−208733)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【分割の表示】特願平10−96958の分割
【原出願日】平成10年3月26日(1998.3.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】