説明

共重合性アゾ化合物およびそれを含有する物品

本発明は、眼用レンズ(それに限定されない)のような装置の形成におけるモノマーとして有用な、重合性吸光アゾ染料を開示する。特に、1つまたはそれ以上の吸光染料がエチレン不飽和基を介して他の構造ポリマーに共有結合している眼内レンズ(IOL)を開示する。得られるIOLは、最終構造ポリマーマトリックスに有意量の遊離(非結合)アゾ染料分子を存在させることなく、吸光特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、U.S.C. §119(e)に基づき2004年11月22日出願の米国仮特許出願第60/629557号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、重合性アゾ化合物、そのような化合物の残基を含んで成るポリマーおよび眼用レンズを包含する物品におけるそれらの使用に関する。本発明は、特に、眼内レンズへの紫外線および/または紫-青色光透過を遮断するアゾ種の重合性黄色吸光化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
太陽は、紫外線(UV)、可視光線および赤外線(IR)を自由に放射し、その大部分は大気によって吸収される。大気を透過し、地表に到達する太陽放射線は、UA-A(A波紫外線)(320〜400nm)、UV-B(B波紫外線)(290〜320nm)、可視光線(400〜700nm)および近赤外線(700〜1400nm)を包含する。正常な健康状態のヒトの眼の水晶体は、近赤外線および大部分の可視光スペクトルを網膜に自由に透過させるが、水晶体は紫外線を吸収する作用をして、網膜への損傷を防止する。近紫外線および可視光スペクトルの紫-青色部分を吸収する能力は、生涯にわたって変化する。乳児期において、ヒト水晶体は、近紫外線および300nmより長い可視光線を自由に透過させるが、年齢が高くなるに伴って、環境からの紫外線の作用によって、水晶体内に、黄色色素、発蛍光団(fluorogens)を産生する。いくつかの研究は、54才までに、水晶体は400nm未満の光を透過させず、400〜450nmの光の透過が顕著に減少することを示している。水晶体の老化と共に、水晶体は、継続的に黄色に着色し、近紫外線および紫-青色光を濾去する能力を増加する。従って、白内障除去後に、高齢のヒトの水晶体によって付与される自然保護も失われる。白内障は、一般に、眼内レンズ(IOL)によって置き換えられる。長年にわたって透過されなかった可視光線によって生じる信号によって脳が刺激された場合、不快感が生じうる。高齢ヒト水晶体に類似した吸収性を有するIOL材料の開発が当分野で求められている。
【0004】
黄色着色剤が存在するが、多くのそのような着色剤は、眼への装入後またはレンズ製造に関連した溶剤抽出の際に、IOLから浸出する傾向により、人工レンズ材料における使用に適していない。従って、レンズ材料に共有結合される黄色着色剤は、人工レンズ材料の製造において所望される改善であると考えられる。そのようなレンズ材料を開発する努力がなされている。そのような努力における1つの問題は、特に、可視光スペクトルにおいて、高齢ヒト水晶体の吸収特性に緻密に一致する吸収特性を有するIOLを生じる重合性化合物を見出すことである。可視光スペクトルの部分において、IOLが水晶体より多く吸収する場合、視力(visible acuity)が減少し得る。可視光スペクトルにおいて、IOLがより少なく吸収する場合、前記の不快感が生じうる。そのような努力が直面する他の問題は、ヒト水晶体との緻密な適合を達成するために、多種の化合物の組合せを使用する必要があることである。多種の化合物の使用は、製造および材料コストを増加させると共に、製造工程をより複雑にし得る。ヒト水晶体の吸収スペクトルに適合し、IOLにおける多種の着色剤の必要性を減少させる重合性黄色着色剤は、当分野で求められている改善であると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より広くは、所望の吸光度を与え、かつポリマー主鎖に共有結合させることができる化合物の開発は、人工水晶体における使用の他に、多くの用途を有する。例えば、そのような化合物を、適切な吸収スペクトルが所望される種々のポリマー用途に使用しうる。従って、当分野において必要とされるのは、より経済的、かつ目的とする用途により適合する分光特性を有する重合性化合物である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1つのアゾ基および少なくとも1つのエチレン性不飽和重合性基を含有する分子を提供することによって、先行技術における問題を解決する。アゾ化合物は下記の式Iで示される:
【化1】

[式中、
Aは、置換されていてもよいアリール基であり;
Zは、2-ピラゾリン-5-オン、ジメドン(5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン)、アセトアセトアミド、マロンアミド、バルビツル酸および1,3-プロパンジオンから選択されるアゾカップリング成分の残基であり;
但し、少なくとも1個のエチレン性不飽和重合性基がAまたはZのいずれかに存在すべきであり、但し、Zが2-ピラゾリン-5-オンであるとき、Aは、
【化2】

から選択され、ここで、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノから選択される1〜3個の基であり;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルオキシおよびC1〜C8アルコキシカルボニルオキシから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり;
該分子は、少なくとも1個のエチレン性不飽和重合性基(Q)を含有する]。
【0007】
従って、本発明は、本明細書に開示するアゾ化合物を包含する。
【0008】
本発明は、さらに、本発明のアゾ化合物を含んで成る組成物も包含する。いくつかの実施態様において、組成物は重合性組成物である。
【0009】
本発明は、さらに、一群のモノマー、プレポリマー、連鎖延長剤またはそれらの組合せ(それらの1つまたはそれ以上が、本発明のアゾ化合物または該アゾ化合物の残基を含有する)を重合させることを含んで成るポリマーの製造法も包含する。
【0010】
本発明は、さらに、本発明アゾ化合物の重合の残基を含有するポリマーも包含する。
【0011】
本発明は、さらに、本発明ポリマーを含有する物品も包含する。いくつかの実施態様において、物品は透明である。いくつかの実施態様において、物品は光学物品である。いくつかの実施態様において、物品はIOLである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
重合性エチレン性不飽和成分を含有するアゾ化合物を提供する。本発明は、さらに、本発明のアゾ化合物を含んで成る組成物も包含する。いくつかの実施態様において、組成物は重合性組成物である。本発明は、さらに、一群のモノマー、プレポリマー、連鎖延長剤またはそれらの組合せ(それらの1つまたはそれ以上が、本発明のアゾ化合物または該アゾ化合物の残基を含有する)を重合させることを含んで成るポリマーの製造法も包含する。本発明は、さらに、本発明アゾ化合物の重合の残基を含有するポリマーも包含する。本発明は、さらに、本発明ポリマーを含有する物品も包含する。いくつかの実施態様において、物品は透明である。いくつかの実施態様において、物品は光学物品である。いくつかの実施態様において、物品はIOLである。
【0013】
定義
下記の定義は、本出願全体にわたって使用される用語に適用される。
【0014】
「C1〜C8アルキル」という用語は、直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を意味し、該基は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アリール、C3〜C8シクロアルキル、-OC1〜C4アルキル、-OCOC1〜C4アルキル、-OCO2C1〜C4アルキルおよび-CO2C1〜C4アルキル、(それらの基のC1〜C4アルキル部分は、1〜4個の炭素原子を有する飽和直鎖または炭化水素基を表す)から選択される1個または2個の基によって置換されていてもよい。
【0015】
「C1〜C8アルコキシ」、「C1〜C8アルカノイル」、「C1〜C8アルカノイルオキシ」、「C1〜C8アルコキシカルボニルオキシ」および「C1〜C8アルコキシカルボニル」という用語は、それぞれ以下の基を意味する:-OC1〜C8アルキル、-COC1〜C8アルキル、-OCOC1〜C8アルキル、-OCO2C1〜C8アルキルおよび-CO2C1〜C8アルキル(それらにおいて、C1〜C8アルキル基は、先に定義した通りである)。
【0016】
「C1〜C8アルキレン」および「C2〜C8アルキレン」という用語は、それぞれ、1〜8個および2〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖二価炭化水素基を意味し、該基は、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、アリール、C3〜C8シクロアルキル、-OC1〜C4アルキル、-OCOC1〜C4アルキル、-CO2C1〜C4アルキルおよび-OQ(Qは、エチレン性不飽和重合性基である)から選択される1個または2個の基によって置換されていてもよい。
【0017】
「C3〜C8シクロアルキル」という用語は、3〜8個の炭素原子を有する飽和環状炭化水素基を意味し、該基は、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、ハロゲンおよびC1〜C4アルカノイルオキシによって置換されていてもよい。
【0018】
「C3〜C8アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。
【0019】
「アリール」という用語は、特に指定しなければ、フェニルおよびナフチル、ならびに、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルコキシカルボニル、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、-S-C1〜C8アルキルおよび-SO2C1〜C8アルキルから選択される1〜3個の基によって置換されたフェニルおよびナフチルを包含する。
【0020】
「ヘテロアリール」という用語は、1個の酸素原子および/または1個の硫黄原子および3個までの窒素原子を有する5または6員複素環式アリール環を包含し、該複素環式アリール環はフェニル環に縮合していてもよい。そのような系の例は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリルおよびインドリルであり;これらの基は、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルコキシカルボニル、-S-C1〜C8アルキル、-SO2C1〜C8アルキル、トリフルオロメチル、シアノ、アリールおよびハロゲンから選択される1〜3個の基によって置換されていてもよい。
【0021】
「アリーレン」という用語は、1,2-、1,3-、1,4-フェニレンおよびナフタレンジイルを包含し、これらの基は、アリール基上の置換基として先に示した1〜3個の基によって置換されていてもよい。
【0022】
「ハロゲン」という用語は、弗素、塩素、臭素および沃素から選択される任意の原子を意味する。
【0023】
「エチレン性不飽和重合性基」および/または「ラジカル開始重合性基」という語句は、ラジカル重合に反応性のC=C二重結合を有する成分を意味し、ビニル基を有する成分を包含するがそれに限定されない。いくつかの実施態様において、反応性二重結合は、アリール基または電子求引基、例えばカルボニル、に結合している二重結合炭素の1つによって活性化される。芳香環および複素芳香環は、本出願およびその他において、そのような環における芳香族π電子雲を交互二重結合として描いて示されることが多い(例えば、ベンゼンは、3つの交互二重および一重結合を有する6員環として描かれることが多い)が、そのような環は実際には二重結合を含有せず、その代わりに、完全非局在化電子の芳香族π電子雲を含有し、それ自体は、ラジカル重合に非反応性であることを当業者は理解する。従って、「反応性C=C二重結合」、「エチレン性不飽和重合性基」および「ラジカル開始重合性基」といういずれの用語も、そのような芳香π電子雲が任意の図において交互二重結合を示しているかどうかに関係なく、芳香環または複素芳香環における芳香族π電子雲を包含しない。
【0024】
前記の炭素原子範囲を有する基または成分、例えば「C1〜C8アルキル」は、本明細書において、C1基(メチル)およびC8基(オクチル)端点を意味するだけでなく、対応する個々のC2、C3、C4、C5、C6およびC7基も意味する。さらに、前記の炭素原子範囲内の個々の点を組み合わせて、本質的に前記の全範囲内の部分範囲も記述しうるものと理解される。例えば、「C3〜C8シクロアルキル」という用語は、C3〜C8の個々の環状成分だけでなく、「C4〜C6シクロアルキル」のような部分範囲も包含する。
【0025】
アゾ化合物
本発明は、下記の式Iのアゾ化合物を提供する:
【化3】

[式中、
Aは、置換されていてもよいアリール基であり;
Zは、2-ピラゾリン-5-オン、ジメドン(5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン)、アセトアセトアミド、マロンアミド、バルビツル酸および1,3-プロパンジオンから選択されるアゾカップリング成分の残基であり;
但し、少なくとも1個のエチレン性不飽和重合性基が、AまたはZのいずれかに存在すべきであり、但し、Zが2-ピラゾリン-5-オンであるとき、Aは、
【化4】

から選択され、ここで、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノから選択される1〜3個の基であり;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルオキシおよびC1〜C8アルコキシカルボニルオキシから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり;
該分子は、少なくとも1個のエチレン性不飽和重合性基(Q)を含有する]。
【0026】
Aは、1つまたはそれ以上の位置で置換されていてもよい任意のフェニルまたはナフチル基である。いくつかの実施態様において、Aは下記の構造の1つを有する:
【化5】

[式中、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され、mが0のとき、-B-L-O-Qまたは-L1-Q基は存在せず、それぞれ、芳香環に結合した水素原子を表し;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノ等から選択される1〜3個の基を表し;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルおよびC1〜C8アルコキシカルボニルから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり;
Zが少なくとも1個のQ基を含有しないカップリング成分残基であるとき、mは1または2である]。
【0027】
いくつかの実施態様において、カップリング成分は以下の通りである:
【化6】

[式中、
R7は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリーレン-(B-L-O-Q)p、アリーレン-(L1-O-Q)および-C2-C8-アルキレンOQから選択され;
pは、1または2であり、そしてB、L、L1およびQは、先に定義した通りであり;
R7'は、C1〜C8アルキル、トリフルオロメチル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され;
R8は、水素;C1〜C8アルキル;-L1-O-Q;C3〜C8シクロアルキル;ヘテロアリール;アリール;または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、-B-L-O-QおよびL1-O-Qから選択される1〜3個の基で置換されたアリールであり;
R8'およびR8''は、C1〜C4アルキルおよびアリールから独立に選択される]。
【0028】
いくつかの実施態様において、エチレン性不飽和重合性Q基は、下記の有機基1a〜9aを包含する:
【化7】

または、複数のアゾ化合物が含まれる場合、異なるアゾ化合物上の2つの組合せ:
[式中、
R9は、水素またはC1〜C8アルキルであり;
R10は、水素;C1〜C8アルキル;フェニル;C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、-N(C1〜C8アルキル)2、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルコキシカルボニル、C1〜C8アルカノイルオキシおよびハロゲンから選択される1個またはそれ以上の基によって置換されたフェニル;1-または2-ナフチル;C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシによって置換された1-または2-ナフチル;2-または3-チエニル;C1〜C8アルキルまたはハロゲンによって置換された2-または3-チエニル;2-または3-フリル;あるいは、C1〜C8アルキルによって置換された2-または3-フリルであり;
R11およびR12は、独立して、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールであるか;または、R11およびR12は、一緒になって、-(CH2)3~5基を表してもよく;
R13は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキルまたはアリールであり;
R14は、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールである]。
【0029】
本発明のアゾ化合物は、本明細書において、2-オキシアゾ構造iを有するものとして記載されているが、それらは、どの配座が最も熱力学的に好ましいかによって、互変異性アゾ-エノール形iiまたは2-オキシヒドラゾン形iiiで存在しうることに留意すべきである。
【化8】

【0030】
いくつかの実施態様において、エチレン性不飽和アゾ吸光化合物は、構造Iの化合物であり、該構造において、
Aは下記の構造を有し:
【化9】

[式中、
Rは、水素であり;
Bは、-O-または-CONH-であり;
Lは、C2〜C8アルキレンまたは-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH-(R3)-であり;
L1は、C1〜C8アルキレンであり;
R3は、水素またはメチルであり;
mは、1であり;
nは、1〜3の整数である];
Zは、下記構造の残基から選択され:
【化10】

[式中、
R7は、水素、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R7'は、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R8'''は、水素、またはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシおよびハロゲンから選択される1〜3個の基である];
Qは、下記の構造から選択される:
【化11】

[式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素であり;
R11およびR12は、メチルである]。
【0031】
いくつかの実施態様において、化合物は、構造Iを有する化合物であり、該構造において、
Aは、下記の式XIIIによって示される構造を有し:
【化12】

[式中、Rは、水素、または、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、-CO2C1〜C8アルキル、-CONHC1〜C8アルキルおよび-SO2C1〜C4アルキルから選択される1個、2個または3個の基である];
Zは、下記の残基から選択され:
【化13】

[式中、
R7は、
【化14】

および-CH2CH2-O-Qから選択され:
R7'は、C1〜C4アルキルおよびアリールから選択され;
R8'''は、-B-L-O-Qまたは-L1-O-Qであり;
Bは、-O-であり;
R3は、水素またはメチルであり;
nは、1、2または3であり;
mは、1であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレンである];
Qは、下記式から選択される:
【化15】

[式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素であり;
R11およびR12は、メチルである]。
【0032】
前記の実施態様の1つの変形例において、Rは、2-CO2C1〜C8アルキル基またはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシおよびハロゲンから選択される4位の基と組み合わせた2-ニトロ基を表す。
【0033】
いくつかの実施態様において、本発明化合物は、本発明に好適な濃度において、420nm未満において極大吸収を有し、約450nmより長い波長においてほとんど吸収を有さない。いくつかの実施態様において、極大吸収が生じる波長は約300nm〜約420nmである。いくつかの実施態様において、450nmにおいて極小吸収が存在する。いくつかの実施態様において、極大吸収波長は約350nm〜約390nmである。いくつかの実施態様において、極大吸収波長は、約370nm〜約380nmである。いくつかの実施態様において、紫外線吸収剤の極大吸収波長は、約310nm〜約375nmである。いくつかの実施態様において、400nmより長い波長における発色単位の極大吸収波長は、約330nm〜450nmにおける全吸収の20%以下である。
【0034】
本発明化合物の製造法:
任意の方法で製造された構造Iを有するアゾ化合物は、本発明に含まれる。以下の手順は、構造Iで示される化合物の製造に使用しうる手順の例を示す。
【0035】
段階1 − 構造IIおよびIIIの芳香族アミン:
【化16】

[式中、R、B、L、L1およびmは、前記のように定義される]
を、一般的手順によってジアゾ化し、得られたアゾニウム塩を、構造IV〜IXの1つまたはそれ以上のカップリング剤とカップリングさせる:
【化17】

[式中、
R7''は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリーレン-(B-L-OH)p、アリーレン-(L1-OH)pおよびCH2CH2OHから選択され;
R8'''は、水素;C1〜C8アルキル;-L1-O-H;C3〜C8シクロアルキル;フェニル;または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、-B-L-O-Hおよび-L1-O-Hから選択される1〜3個の基で置換されたフェニルであり;
R7'、B、L、L1、p、R8'およびR8''は、前記のように定義され、
但し、少なくとも1個の-B-L-OHまたは-L1-OH基がアゾ化合物上に存在するものとする]。
【0036】
段階2 − 1つまたはそれ以上の-B-L-OHまたは-L1-OH基を含有する段階1のアゾ化合物を、式Ib〜IXbの1つまたはそれ以上のアシル化剤と反応させる:
【化18】

[式中、R9、R10、R11、R12およびR14は、前記のように定義される]。
【0037】
しかし、Bが-CONH-であり、mが1または2である構造Iのアゾ吸光化合物を製造する1つの合成経路は、以下の通りである。
【0038】
段階Ia − 中間体アミノ安息香酸エステル、特に構造Xのメチルエステル:
【化19】

を、ジアゾ化して、対応するジアゾニウム塩を得、次に、構造IV〜IXのカップリング剤とカップリングさせて、式XIで示される1個または2個のエステル基を有するアゾ化合物を得る:
【化20】

[式中、ZおよびRは、前記のように定義される]。
【0039】
段階IIa − 中間体エステルXIを、構造H2N-L-OH[Lは、前記のように定義される]のアミノアルカノールと共に加熱して、エステル-アミド交換反応を行い、対応するカルボキシアミドXIIを得る:
【化21】

【0040】
段階IIIa − アゾ化合物XIIを、段階IIに記載した式Ib〜IXbのアシル化剤と反応させて、構造Iのアゾ化合物を得る。
【0041】
異なるQ基が、構造IのAおよびZに存在しうることが理解される。この構造変化が所望される場合、1つのQ基を、カップリング剤Zまたはジアゾ成分Aに組み込んでよい。これらを、ジアゾ化および異なるQ基を有する別のカップリング剤とのカップリングによって、アゾ化合物に変換して、2つの異なるQ基を有する化合物を得るかまたは、ヒドロキシル基を有するカップリング剤を選択し、それによって、A上にQ基、カップリング剤Z上にヒドロキシル基を有する化合物を得、それをアシル化剤Ib〜IXbと反応させて、もう1つの異なるQ基を導入することができる。
【0042】
アゾ化合物を含んで成る組成物:
本発明の化合物を含んで成る組成物も提供する。特定の所望される色または所望される波長吸収を達成することが望ましい種々の用途において、本発明化合物を種々の材料に組み込むことができる。
【0043】
いくつかの実施態様において、この組成物は、本発明化合物を含有する重合性組成物である。いくつかの実施態様において、重合性組成物は、紫外線吸収アゾ化合物を、黄色重合性化合物と組み合わせて含有して、適正な黄色色調を与え、それと共に300nm〜400nmの波長帯における紫外線を吸収する。使用される化合物の量は、化合物の用途およびスペクトル特性によって決まる。重合性化合物の量は、フィルム(またはレンズ)の厚さによっておよび当業者によって、決めることができる。いくつかの実施態様において、黄色重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約4wt%未満である。いくつかの実施態様において、黄色重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約2wt%未満である。いくつかの実施態様において、黄色重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約1.5wt%未満である。いくつかの実施態様において、黄色重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約1wt%未満である。紫外線吸収化合物は、ポリマーを透過する紫外線の所望量をブロックするのに充分な量で添加され、その量はフィルムの厚さおよび当業者によって、決められる。いくつかの実施態様において、紫外線吸収重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約4wt%未満である。いくつかの実施態様において、紫外線吸収重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約2wt%未満である。いくつかの実施態様において、紫外線吸収重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約1.5wt%未満である。いくつかの実施態様において、紫外線吸収重合性化合物の量は、得られるポリマーの総重量に対して約1wt%未満である。この段落におけるwt%は、重合に使用した化合物の重量を、得られたポリマーの総重量で割る(100%を掛ける)ことによって求められる。
【0044】
いくつかの実施態様において、重合性組成物は、本発明のアゾ化合物に加えて、他の紫外線吸収化合物を含有する。紫外線吸収物質は、約400nmより短い波長を有する光を吸収するが、実質量の可視光線を吸収しない任意化合物であってよい。いくつかの実施態様において、紫外線吸収化合物を、モノマー混合物に組み込み、モノマー混合物が重合する際にポリマーマトリックスに捕捉する。好適な紫外線吸収化合物は、置換ベンゾフェノン、例えば2-ヒドロキシベンンゾフェノンおよび2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールである。いくつかの実施態様において、モノマーと共重合性であり、それによってポリマーマトリックスに共有結合する紫外線吸収化合物を使用する。このようにして、レンズからのおよび眼の内部への、紫外線吸収化合物の浸出のリスクが減少される。好適な共重合性紫外線吸収化合物は、米国特許第4304895号に開示されている置換2-ヒドロキシベンゾフェノンおよび米国特許第4528311号に開示されている2-ヒドロキシ-5-アクリルオキシフェニル-2H-ベンゾトリアゾールである。いくつかの実施態様において、紫外線吸収化合物2-(3'-メタリル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(オルト-メタリルTinuvin P(「oMTP」)としても既知)を、重合性組成物に含有させる。重合性組成物における他の成分のあらゆる組合せを使用しうる。
【0045】
いくつかの実施態様において、重合性組成物は、350nm〜400nmの波長を有する紫外線を吸収し、かつ約425nm未満の波長を有する青-紫色光も吸収する単一成分の重合性アゾ化合物を含有するかまたは約380nm未満の極大吸収波長を有する共重合性紫外線吸収アゾ化合物および380nm〜425nmの極大吸収波長を有する共重合性アゾ化合物を混合することによって、所望の吸収を得る。
【0046】
いくつかの実施態様において、重合性組成物は、エチレン性不飽和重合性基を含有する他のモノマーを含有する。本発明化合物と重合する任意のモノマーを使用することができ、該モノマーは、ヒドロゲル形成ポリマーならびにビニル含有モノマー、例えば、アクリル、アクリレートおよび/またはメタクリレート系モノマーを包含するが、それらに限定されない。いくつかの実施態様に使用されるモノマーの例は、下記物質を包含するがそれらに限定されない:アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの無水物;クロトン酸;クロトン酸エステル;イタコン酸およびその無水物;シアノアクリル酸およびそのエステル;アクリル酸およびメタクリル酸のエステル、例えば、アリル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、テトラヒドロフルフリル、シクロヘキシル、イソボルニル、n-ヘキシル、n-オクチル、イソオクチル、2-エチルヘキシル、ラウリル、ステアリルおよびベンジルアクリレートおよびメタクリレート;ヒドロキシエチルアクリレートおよびメタクリレート;エチレンおよびプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレンおよびジプロピレングリコール、トリエチレンおよびトリプロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、エトキシル化ビスフェノールA、エトキシル化およびプロポキシル化ネオペンチルグリコールのジアクリルおよびジメタクリル酸エステル;トリス-(2-ヒドロキシエチル)-イソシアヌレート、トリメチロールプロパン、エトキシル化およびプロポキシル化トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセロール、エトキシル化およびプロポキシル化グリセロールのトリアクリルおよびトリメタクリル酸エステル;ペンタエリトリトールならびにエトキシル化およびプロポキシル化ペンタエリトリトールのテトラアクリルおよびテトラメタクリル酸エステル;アクリロニトリル;ビニルアセテート;ビニルトルエン;スチレン;N-ビニルピロリジノン;α-メチルスチレン;マレイン酸/フマル酸エステル;マレイン酸/フマル酸;1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;メタクリレート;ビニルエーテル;ジビニルエーテル、例えば、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテルおよびネオペンチルグリコールジビニルエーテル;ビニルエステル;ジビニルエステル、例えば、ジビニルアジペート、ジビニルスクシネート、ジビニルグルタレート、ジビニル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、ジビニル1,3-シクロヘキサンジカルボキシレート、ジビニルイソフタレートおよびジビニルテレフタレート;N-ビニルピロリドン;テトラエチレングリコールジメタクリレート;アリルアクリレート;アリルメタクリレート;三官能価アクリレート;三官能価メタクリレート;四官能価アクリレート;四官能価メタクリレート;ベンジルアクリレート;ベンジルメタクリレート;フェニルアクリレート;フェニルメタクリレート;フェノキシアルキルアクリレート;フェノキシアルキルメタクリレート;フェニルアルキルアクリレート;フェニルアルキルメタクリレート;カルバゾールアクリレート;カルバゾールメタクリレート;ビフェニルアクリレート;ビフェニルメタクリレート;ナフチルアクリレート;ナフチルメタクリレート;ヒドロキシアルキルアクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレート等;アクリルアミド;N-アルキルアクリルアミド、例えば、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N-プロピルアクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド等;アクリル酸;メタクリル酸;ヒドロキシエチルメタクリレート;2-フェニルプロピルアクリレート;2-フェニルプロピルメタクリレート;N-ヘキシルアクリレート;エチレングリコールジメタクリレート;エチルメタクリレート;N,N-ジメチルアクリルアミド;ならびに前記の任意物質の2つまたはそれ以上の組合せ。いくつかの実施態様において、1つまたはそれ以上の付加的染料化合物モノマーも反応に含まれる。「組合せ」という用語によって、2つ、3つ、4つまたは他の任意数のモノマーの組合せが、本発明の範囲に含まれることを意味する。いくつかの実施態様において、化合物を、1つまたはそれ以上のモノマーから形成されたプレポリマーと合わせ、連鎖延長反応において組み合わせる。いくつかの実施態様において、染料化合物を、単独でまたは1つまたはそれ以上の他のモノマーと共に、プレポリマーに形成し、次に、連鎖延長させる。いくつかの実施態様において、全てのモノマーを単一反応のために合わす。反応物の全ての組合せ、ならびに重合および連鎖延長工程は、本発明に含まれる。
【0047】
いくつかの実施態様において、他のモノマーは下記物質を包含する:メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ビニルピロリドン、スチレン、オイゲノール(4-ヒドロキシビニルベンゼン)、α-メチルスチレン。さらに、高屈折率折り畳み可能レンズ用途に関して、好適なモノマーは、下記物質を包含するが、それらに限定されない:2-エチルフェノキシメタクリレート、2-エチルフェノキシアクリレート、2-エチルチオフェニルメタクリレート、2-エチルチオフェニルアクリレート、2-エチルアミノフェニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレート、3-フェニルプロピルメタクリレート、4-フェニルブチルメタクリレート、4-メチルフェニルメタクリレート、4-メチルベンジルメタクリレート、2-2-メチルフェニルエチルメタクリレート、2-3-メチルフェニルエチルメタクリレート、2-4-メチルフェニルエチルメタクリレート、2-(4-プロピルフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-(1-メチルエチル)フェニルエチルメタクリレート、2-(4-メトキシフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-シクロヘキシルフェニル)エチルメタクリレート、2-(2-クロロフェニル)エチルメタクリレート、2-(3-クロロフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-クロロフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-ブロモフェニル)エチルメタクリレート、2-(3-フェニルフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-フェニルフェニル)エチルメタクリレート、2-(4-ベンジルフェニル)エチルメタクリレート等(対応するそれらのメタクリレート、アクリレートまたは組合せを包含する)。いくつかの実施態様において、N-ビニルピロリドン、スチレン、オイゲノールおよびメチルスチレンも、高屈折率折り畳み可能レンズ用途に使用される。いくつかの実施態様において、モノマーは、2-フェニルエチルメタクリレート(PEMA)および2-フェニルエチルアクリレート(PEA)の組合せである。
【0048】
いくつかの実施態様において、重合性組成物は、共重合性架橋剤、例えば、1個より多いエチレン性不飽和重合性基を有する末端エチレン性不飽和化合物を含有する。好適な架橋剤は下記物質を包含するが、それらに限定されない:エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3-プロパンジオールジメタクリレート、アリルメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレートおよび1,4-ブタンジオールジアクリレート(BDDA)。好適な架橋剤は、下記のような高分子架橋剤も包含する:ポリエチレングリコール1000ジアクリレート、ポリエチレングリコール1000ジメタクリレート、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、ポリブタンジオール2000ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール1000ジアクリレート、ポリプロピレングリコール1000ジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコール2000ジメタクリレートおよびポリテトラメチレングリコール2000ジアクリレート。
【0049】
いくつかの実施態様において、重合性組成物は、1つまたはそれ以上の熱ラジカル開始剤を含有する。そのような開始剤の例は、ペルオキシド、例えばベンゾイルペルオキシド、ペルオキシカーボネート、例えばビス-(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(PERK)、アゾニトリル、例えばアゾ-ビス-(イソブチロニトリル)(AIBN)等を包含するが、それらに限定されない。
【0050】
前記は、本発明の重合性組成物および他の組成物に存在しうる成分の例にすぎない。前記成分の2つまたはそれ以上のあらゆる有効な組合せが、本発明に含まれる。さらに、前記の例は、限定するものではなく、任意の望ましいまたは許容される成分を、本発明組成物に含有させることができる。
【0051】
ポリマーおよび重合法:
本発明は、さらに、本発明のポリマーを含んで成る組成物も提供する。そのような組成物は、他の任意好適成分を含有してよい。いくつかの実施態様において、組成物は、1つまたはそれ以上の本発明のポリマーおよび1つまたはそれ以上の本発明のアゾ化合物の両方を含有する。いくつかの実施態様において、アゾ化合物を、本質的に単独で重合させて、モノマーアゾ化合物から形成されたポリマーを形成する。いくつかの実施態様においては、アゾ化合物を他のモノマーと共に重合させる。
【0052】
ポリマーは、アゾ化合物および他のモノマーのラジカル重合反応の残基を含有する。どのようなラジカル重合反応法も本発明に含まれる。さらに、前記の各組合せを含有する本発明の任意重合性組成物の重合から得られた生成物も含まれる。本発明のアゾ化合物のラジカル重合の残基を含有するどのようなポリマーも本発明に含まれる。
【0053】
本発明の重合法は、あらゆる有効な重合法を包含する。所望の割合の紫外線吸収化合物および/または紫-青色光遮断(黄色)化合物、ならびに従来の熱ラジカル開始剤の混合物を調製する。次に、レンズを形成するのに好適な形の型に混合物を導入し、緩やかに加熱して開始剤を活性化することによって、重合を行ってよい。熱ラジカル開始剤の例は、ペルオキシド、例えばベンゾイルペルオキシド、ペルオキシカーボネート、例えばビス-(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(PERK)、アゾニトリル、例えばアゾ-ビス-(イソブチロニトリル)(AIBN)等であるが、それらに限定されない。
【0054】
いくつかの実施態様において、モノマーの重合を開始させることができる波長の化学線を透過する型を使用することによって、モノマーを光重合させる。一般的な光開始剤化合物、例えば、ベンゾフェノン型光開始剤を、任意に導入して、重合を促進する。光増感剤も導入して、より長い波長の使用を可能にしうる。眼内での長い滞留を意図したポリマーのいくつかの実施態様において、ポリマーにおける成分の数を最小限にして、物質がレンズから浸出して眼の内部に入るリスクを減少させる。
【0055】
いくつかの実施態様において、これらのモノマーを、ポリプロピレン鋳型において直接的に硬化させて、完成光学部品を形成する。硬化の時間および温度は、選択された特定のレンズ形成材料によって変化する。その光学部品を、多くの既知の方法で、種々の既知のハプティック(光学部品)と組み合わせて、IOLを製造しうる。
【0056】
物品
本発明は、本発明のアゾ化合物、本発明のポリマー、本発明の組成物または本発明のそれらの組合せを含有する物品も提供する。いくつかの実施態様において、物品全体を、1つまたはそれ以上の本発明のアゾ化合物、ポリマーまたは組成物から作製する。いくつかの実施態様において、1つまたはそれ以上の本発明のアゾ化合物、ポリマーまたは組成物を含有する混合物、溶液または他の組合せから、物品全体を作製する。いくつかの実施態様において、1つまたはそれ以上の本発明のアゾ化合物、ポリマーまたは組成物から、物品の部品を作製する。いくつかの実施態様において、1つまたはそれ以上の本発明のアゾ化合物、ポリマーまたは組成物を含有する混合物、溶液または他の組合せから、物品の部品を作製する。2つ以上の本発明のアゾ化合物、ポリマー、組成物またはそれらの組合せを含有する物品も本発明に含まれる。
【0057】
いくつかの実施態様において、物品は、可視光線のある波長に透明性(transparent)あるいは透過性(permeable)の部品であるかまたは該部品を含む。いくつかの実施態様において、物品は、光学レンズ、例えば、窓、コンタクトレンズ、望遠鏡、眼鏡またはサングラスに有用なレンズである。いくつかの実施態様において、物品は、IOLとして使用される眼用レンズである。
【0058】
いくつかの実施態様において、物品は、本発明のアゾ化合物を含有する被膜を有する。そのような被膜は、キャスティング、スピンキャスティング、ディッピング、浸漬および噴霧(吹付け)を包含するがそれらに限定されない任意の方法によって形成される。
【0059】
いくつかの実施態様において、アゾ化合物またはポリマーを、溶媒のような液体担体において適用する。被覆後、担体を除去し(例えば、溶媒の蒸発によって)、被覆される支持体上に化合物またはポリマーを残す。いくつかの実施態様において、被膜が、黄色フィルムおよび/または紫外線吸収フィルムとして、支持体上に存在する。
【0060】
本発明の物品の製造法も本発明に含まれる。いくつかの実施態様において、1つまたはそれ以上の本発明の重合性アゾ化合物を、好適なモノマー配合物に溶解させ、支持体(例えば、透明材料)にキャストし、好適なラジカル開始法、例えば熱または紫外線への暴露によって、硬化させる。
【0061】
いくつかの実施態様において、本発明のアゾ化合物を、好適な溶媒またはモノマー配合物に溶解させ、次に、アゾ化合物を含有する溶液に、物品または材料を浸漬する。溶液がポリマーに入り(例えば、吸収によって)、次に、ポリマーを乾燥させる。その結果、ポリマーのマトリックスへの組み込みが生じる。次に、重合性アゾ化合物を、例えば、熱、放射線またはポリマー中にアゾ化合物を結合させるのに好適な他の手段によって、硬化させる。
【0062】
いくつかの実施態様において、重合性アゾ化合物が、ヒドロシリル基を有するシリコーンへの付加反応を受ける場合があり、白金のような触媒を使用する付加反応は、シリコーンに直接結合した染料の溶出の恐れが極めて少ないシリコーン化合物を生じることができる。ヒドロシリル基を有する前記シリコーン化合物の例は、ジメチルシロキサン-メチルヒドロシロキサンコポリマー、ジフェニルシロキサン-フェニルヒドロシロキサンコポリマー、ポリエチルヒドロシロキサン、メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー、メチルヒドロシロキサン-オクチルメチルシロキサンコポリマー、ヒドロシリル基含有メチルシリコーン樹脂、ポリフェニル(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン等であるが、これらに限定されない。重合性アゾ化合物の付加反応に使用される触媒は、望ましくは、白金化合物、例えば、クロロ白金酸水素、白金-ジビニルテトラメチルジシロキサンおよび白金-テトラメチルテトラビニルシクロシロキサンである。さらに、前記の方法によって得られる重合性アゾ化合物に結合したシリコーンは、ビニル基を有するシリコーンとの架橋によって、重合性アゾ化合物に化学的に結合したシリコーンエラストマーを与える。さらに、前記の重合性アゾ化合物に結合したシリコーンは、ビニル基を有するシリコーンおよびシリカの混合物との架橋によって、重合性アゾ化合物に化学的に結合したシリコーンエラストマーを与える。前記のエラストマーを形成するために、触媒、例えば白金化合物、例えば、クロロ白金酸水素、白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金-テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン錯体および白金-アルミナ支持触媒を使用することができ、そのような触媒は円滑な架橋反応を生じる。本発明の重合性アゾ化合物を、ヒドロシリル基を有するシリコーンに化学的に結合させることができ、次に、ビニル基を有するシリコーンと架橋させることができる。他の方法によれば、本発明の重合性アゾ化合物を、ヒドロシリル基を有するシリコーンまたはビニル基を有するシリコーンと混合し、混合物を、ヒドロシリル基を有するシリコーンおよびビニル基を有するシリコーンと混合し、次に、重合性アゾ化合物をヒドロシリル基に反応させると同時に、混合物を架橋させる。前記のシリコーンとの混合の際に、適切な溶媒を使用することによって、重合性アゾ化合物を均一に分散させるのが好ましい。そのような溶媒の例として、アセトン、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンが挙げられる。重合性アゾ化合物を、溶媒に溶解させ、シリコーンと混合する。次に、溶媒を蒸発器によって留去し、重合性アゾ化合物をシリコーンに均一に分散させることができる。
【0063】
下記の実施例によって本発明をさらに説明するが、これらの実施例は例示目的にすぎず、本発明の範囲を限定するものではないと理解される。
【0064】
実施例
実施例1a〜9cは、いくつかの本発明化合物およびそれらの先駆物質の製造において行った実際の手順を示す。実施例1a〜9cはそれぞれ、生成物を示す式を含む。実施例10〜84は、本発明に含まれるいくつかのアゾ化合物の予測的な例である。
【0065】
実施例85〜87は、ポリマー製造およびアゾ化合物重合の手順の、いくつかの例を記載する。
【0066】
実施例1a
濃塩酸(36mL)を水(100mL)に添加することによって調製した溶液に、4-アミノフェネチルアルコール(16.44g、0.12mol、Aldrich)を撹拌しながら添加する。溶液を冷却し、水(32mL)に溶解した亜硝酸ナトリウム(8.64g、0.15mol)の溶液を、3℃未満で添加し、0〜3℃で2時間撹拌を継続する。50%水酸化ナトリウム水溶液(26.5g)を含有する水(800mL)に溶解した3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン(20.9g、0.12mol、Aldrich)のカップリング溶液を調製する。溶液を撹拌し、氷水浴で冷却し、内部冷却のために氷を添加する。前記のように調製したジアゾニウム塩溶液を、撹拌しながら滴下し、冷却を継続して、温度を約3〜5℃に維持する。撹拌を約5℃で約1.0時間継続し、固体黄色生成物を真空濾過によって収集し、水で洗浄し、空気中で乾燥する。液体クロマトグラフィー/質量スペクトル分析(LC/MS)により、下記の構造を有し、96.2%の含有率であった生成物37.8g(理論収量の97.9%)を得る。アゾ化合物は、N,N-ジメチルホルムアミド(MDF)中で、紫外-可視光線吸収スペクトルにおいて、403nmにおいて吸収極大(λmax)を有していた。
【化22】

【0067】
実施例1b
実施例1aの生成物の一部(35.4g、0.11mol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.7g、6mmol)、ヒドロキノン(0.35g)およびトリエチルアミン(14.5g、0.375mol)を、撹拌しながら乾燥アセトン(275mL)に添加する。無水メタクリル酸(21.7g、0.14mol、Aldrich)を添加し、反応混合物を撹拌し、加熱還流する。1.5時間後、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって反応の進行を検査する。いくらかのヒドロキシル含有出発物質がまだ存在している。追加の無水メタクリル酸(5mL)を添加し、加熱および撹拌を還流温度で1.0時間継続する。
【0068】
TLCによれば、反応が終了している。反応混合物を室温に冷却し、黄色固体生成物を得る。生成物をさらに沈殿させるために冷メタノール(100mL)を添加し、混合物を撹拌し、約15℃に冷却する。生成物を収集し、冷メタノールで洗浄し、空気中で乾燥する(収量:36.6g、理論収量の78.3%)。沈殿物は、LC/MSにより下記の構造を有し、純度は約96%と推定される。化合物は、DMF中で紫外-可視分光計によって測定したところ、408nmに極大吸収波長(λmax)および2.21x104のモル吸光係数(ε)を示す。
【化23】

【0069】
実施例2a
酢酸(180mL)を水(120mL)に撹拌しながら添加し、その溶液を氷/水浴で冷却し、その間にアントラニル酸メチル(15.1g、0.10mol)を25℃未満で添加する。溶液をさらに冷却し、40%ニトロシル硫酸(32.0g、0.1mol)を5℃未満で滴下する。撹拌を0〜5℃で2.0時間継続し、50%NaOH(40.0g)を添加した冷水(500mL)に溶解させた3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン(17.4g、0.10mol、Aldrich)の冷溶液に、ジアゾニウム溶液の半分を添加する。ジアゾニウム塩の添加の間に氷を添加して、温度を約0〜2℃に維持する。黄色固形物の濃厚スラリーが生じ、冷水(400mL)を添加して撹拌を促進する。追加量(50g)の50%NaOH溶液を添加し、次に、ジアゾニウム塩溶液の残りの半分を、0〜5℃の温度に維持しながら徐々に添加する。この時、混合物はコンゴーレッド試験紙に中性である(pH約4)。混合物を冷間で約45分間撹拌し、次に、黄色固形物を濾過によって収集し、冷水、次に温水で洗浄し、空気中で乾燥する(収量32.4g、理論収量の96%)。LC/MS分析により、生成物は下記の構造を有し、98.3面積%(by area percent)の含有率を有していた。
【化24】

【0070】
実施例2b
実施例2aのエステル化合物の一部(16.8g、0.050mol)、1-アミノ-2-プロパノール(75mL)およびn-プロパノール(125mL)の混合物を、撹拌しながら約105℃に加熱する。105℃で約15〜20分間撹拌した後、黄色固形物が沈殿し始める。反応混合物をさらに約1時間加熱し、次に、冷却する。黄色アミド生成物の濃厚スラリーに水(150mL)を撹拌しながら滴下し、次に、全スラリーを冷水(400mL)に撹拌しながら注ぐ。黄色生成物を濾過によって収集し、冷水、次に少量の冷メタノールで洗浄し、次に、空気中で乾燥して、フワフワした黄色固形物13.5g(理論収量の71%)を得る。LC/MS分析は、生成物が下記の構造を有し、98.8面積%の純度を有することを示す。
【化25】

【0071】
実施例2c
実施例2bのヒドロキシ含有化合物の一部(10.0g、26.4mmol)およびアセトン(250mL)を混合し、撹拌する。この混合物に、DMAP(0.19g)、ヒドロキノン(0.1g)、トリエチルアミン(4.59mL、33.0mmol)および無水メタクリル酸(4.91mL、33.0mmol)を添加し、反応混合物を約5.0時間にわたって加熱還流する。TLCによれば、少量のヒドロキシル化合物がエステル化されているにすぎなかった。DMF(25mL)を添加して、出発ヒドロキシル化合物の溶解性を増加させ、約55〜60℃での加熱および撹拌を約20時間行う。TLC分析により、大部分のヒドロキシル化合物がエステル化されている。加熱を停止し、冷却スラリーを、撹拌しながらメタノール(100mL)に注ぐ。黄色固形物を濾過によって収集し、冷アセトン(25mL)で洗浄する。FD/MSは、この固形物の大部分が出発黄色ヒドロキシル化合物であることを示す。濾液を、密閉フラスコ中で週末にわたって静置する。メタノール(100mL)を濾液に添加し、黄色沈殿物を濾過によって収集し、少量のメタノールで洗浄し、空気中で乾燥して、生成物6.73gを得る(理論収量の57%)。LC/MSは、黄色固形物の大部分が下記式のエステル化生成物であり、約85面積%の純度を有することを示す:
【化26】

該アゾ化合物は、DMF溶媒中で、紫外-可視光線吸収スペクトルにおいて、約433nmに極大吸収波長(λmax)を有する。
【0072】
実施例3
実施例1aのヒドロキシル化合物の一部、4-[4'-(2'-ヒドロキシエチル)フェニルアゾ]-3-メチル-2-ピラゾリン-5-オン(2.42g、7.5mmol)、3-イソプロペニル-2,2-ジメチルベンジルイソシアネート、Aldrich、含有率95%(1.60g;1.52g、7.6mmol−100%含有率に基づく)およびトルエン(35mL)を混合し、撹拌しながら90℃で加熱する。0.5時間後、薄層クロマトグラフィー(TLC)(1:1 テトラヒドロフラン:シクロヘキサン)は、かなりの量の出発ヒドロキシル化合物が存在することを示す。
【0073】
20滴のジブチル錫ジラウレート触媒を添加し、加熱および撹拌をさらに0.5時間行う。TLCは、本質的に完全なエステル化を示す。反応混合物をさらに20分間加熱し、次に、冷却する。冷ヘプタン(200mL)に入れた後、固体黄色生成物を濾過によって収集し、冷ヘプタンで洗浄し、空気中で乾燥して、生成物3.23g(理論収量の82%)を得る。電界脱離質量分析(FD/MS)は、化合物が下記の構造を有することを示す。
【化27】

【0074】
実施例4a〜4d
撹拌しながら濃塩酸(24mL)を添加した水(65mL)に、4-アミノフェネチルアルコール(11.0g、0.08mol)を添加することによって、溶液を調製する。溶液を氷浴で冷却し、水(22mL)に溶解させた亜硝酸ナトリウム(5.76g)の溶液を、3℃未満で撹拌しながら滴下する。0〜5℃で2.0時間撹拌した後、内部冷却のために砕氷を添加した50%NaOH(6.5g)を含有する水(100mL)に溶解させた下記の各カップリング剤の溶液に、ジアゾニウム塩の0.02mol分量を添加する:
実施例4a − アセトアセト-2-トルイジド
実施例4b − アセトアセト-2,4-キシリジド
実施例4c − アセトアセト-2-クロロアニリド
実施例4d − アセトアセト-2-アニシジド
【0075】
過剰のNaOHを中和するために、少量の酢酸を添加することによりpHを調節して、アゾ化合物をさらに沈殿させる。カップリング混合物を、時々撹拌しながら約0〜5℃で1時間静置し、次に、水約400mLに撹拌しながら入れる。固体4-(2-ヒドロキシエチル)フェニルアゾアセトアセタリリド化合物を、濾過によって収集し、水で洗浄し、空気中で乾燥する(収量:実施例4a 5.0g;実施例4b 4.8g;実施例4c 7.1g;実施例4d 6.2g)。
【0076】
実施例5
実施例4aの化合物の一部(3.39g、0.01mol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.06g)およびヒドロキノン(0.03g)を、アセトン(25mL)に撹拌しながら添加する。トリエチルアミン(2.0mL)、次に、無水メタクリル酸(2.2mL)を添加し、反応混合物を加熱し、約50℃で約30分間撹拌する。TLCは、本質的に完全な反応を示す。氷浴で冷却した後、反応混合物を、メタノール/水(容量比2:1)の冷溶液、次に、さらに10mLの冷水で、撹拌しながら滴下して処理する。固体黄色生成物を濾過によって収集し、少量のメタノール:水(容量比2:1)で洗浄し、空気中で乾燥する。生成物の収量は3.56g(理論収量の87.5%)であり、該生成物はFD/MSによって示される下記の構造を有する。
【化28】

【0077】
化合物は、DMF溶媒中で、紫外-可視分光計によって測定したところ、約380.8nmに極大吸収波長(λmax)および24,4000のモル吸光係数(ε)を示す。
【0078】
実施例6
実施例4bのアゾ化合物の一部(2.65g、0.0075mol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.04g)およびヒドロキノン(0.03g)を、アセトン(25mL)に撹拌しながら添加する。トリエチルアミン(2.0mL)、次に無水メタクリル酸(2.0mL)を添加する。反応混合物を還流温度で30分間加熱し、その際に、TLC(1:1 テトラヒドロフラン:シクロヘキサン)は完全なエステル化を示す。反応混合物を氷浴で冷却し、メタノール:水(容量比2:1)の冷溶液25mLを撹拌しながら滴下する。黄色生成物を濾過によって収集し、少量の2:1 メタノール:水の冷溶液で洗浄し、次に、空気中で乾燥する。生成物の収量は2.46g(理論収量の77.8%)であり、該生成物はFD/MSによって示される下記の構造を有する。
【化29】

【0079】
化合物は、DMF溶媒中で、紫外-可視分光計によって測定したところ、約381.1nmに極大吸収波長(λmax)および26,600のモル吸光係数(ε)を示す。
【0080】
実施例7
実施例4cの化合物の一部(2.70g、0.0075mol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.04g)、ヒドロキノン(0.03g)、トリエチルアミン(2.0mL)および無水メタクリル酸(2.0mL)を混合し、アセトン(30mL)中で反応させ、得られたエステル化生成物を実施例6に記載のように分離する。生成物の収量は1.83g(理論収量の57.0%)であり、該生成物はFD/MSによって示される下記の構造を有する。
【化30】

【0081】
化合物は、DMF中で、紫外-可視分光計によって測定したところ、約380nmに極大吸収波長(λmax)および45,000のモル吸光係数(ε)を示す。
【0082】
実施例8
実施例4dの化合物の一部(2.66g、0.0075mol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.04g)、ヒドロキノン(0.03g)、トリエチルアミン(2.0mL)および無水メタクリル酸(2.0mL)を、アセトン(30mL)に撹拌しながら添加し、反応させ、得られた生成物を実施例6に記載のように分離する。生成物の収量は2.28g(理論収量の71.9%)であり、該生成物はFD/MSによって示される下記の構造を有する。
【化31】

【0083】
化合物は、DMF溶媒中で、紫外-可視分光計によって測定したところ、約384nmに極大吸収波長(λmax)および25,900のモル吸光係数(ε)を示す。
【0084】
実施例9a
濃塩酸(30mL)を含有する水(100mL)に、メチル4-アミノベンゾエート(15.1g、0.10mol)を撹拌しながら少しずつ添加する。温度を約40℃に上げて、固形物の溶解を促進する。該溶液を約0℃に冷却し、水(20mL)に溶解させた亜硝酸ナトリウム(7.2g)の溶液を、撹拌および約0℃に冷却しながら滴下する。0〜5℃で約1.0時間撹拌した後、50%NaOH 50.0gおよび温度を約2〜3℃に維持するために冷却用の砕氷を含有する水(450mL)に溶解させた1-フェニル-3-メチル-5-ピラゾロン(17.4g、0.10mol)の溶液に、ジアゾ化反応溶液を滴下する。カップリング混合物を5℃未満で約1時間撹拌し、次に、約18℃に温める。黄色生成物を濾過によって収集し、水で洗浄し、空気中で乾燥する(収量:33.6g、理論収量の99.6%)。FD/MSは、下記の構造を裏付けている。
【化32】

【0085】
実施例9b
エタノールアミン(20.0g)を、撹拌しながら蒸気浴で約90℃に加熱する。実施例9aのアゾ化合物の一部(13.4g、0.040mol)を、撹拌しながら少しずつ添加する。約95〜100℃で2.0時間加熱した後、TLCはいくらかの出発エステル化合物を示す。追加のエタノールアミン(5.0mL)を添加し、反応混合物を95〜100℃でさらに1時間加熱し、その際に、TLCによればエステル-アミド交換反応が終了していることが示される。酢酸(15mL)を含有する水(70mL)に、その溶液を徐々に注ぐ。浸水混合物が極めて濃くなった際に、撹拌を促進するのに必要とされる追加の水(約200mL)を添加する。混合物をほぼ室温に冷却し、黄色生成物を濾過によって収集し、水で洗浄し、約60℃で乾燥する。FD/MSによって示される下記の構造を有する生成物の収量は13.9g(理論収量の95.1%)である。
【化33】

【0086】
実施例9c
実施例9bのヒドロキシル含有アゾ化合物(1.46g、0.0040mol)、3-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート(1.0g)、ジブチル錫ジラウレート(2滴)およびトルエン(25.0mL)の混合物を、撹拌しながら90℃で約30分間加熱する。いくらかの未溶解出発物質が残存する。追加のトルエン(10.0mL)および3-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート(10滴)を添加し、温度を100℃に上げる。溶液が生じ、撹拌および加熱を約45分間継続する(TLC 1:1 テトラヒドロフラン:シクロヘキサン)。反応溶液をほぼ室温に冷却し、次に、充分に撹拌しながら冷却ヘプタン(150mL)に入れる。固体アゾ生成物を濾過によって収集し、ヘプタンで洗浄し、空気中で乾燥する。FD/MSによって示される下記の構造を有する黄色アゾ生成物の収量は2.0g(理論収量の92.0%)である。
【化34】

【0087】
【表1−1】

【0088】
【表1−2】

【0089】
【表1−3】

【0090】
【表1−4】

【0091】
【表2−1】

【0092】
【表2−2】

【0093】
【表2−3】

【0094】
【表2−4】

【0095】
【表2−5】

【0096】
【表2−6】

【0097】
レンズ材料の製造:
実施例85(原料モノマー混合物の製造)
2-フェニルエチルアクリレート(66wt%、PEA、CAS# 3530-36-7)、2-フェニルエチルメタクリレート(30.5wt%、PEMA、CAS# 3683-12-3)および1,4-ブタンジオールジアクリレート(3.5wt%、BDDA、CAS# 1070-70-8)を充分に混合することによって、眼内レンズ材料の製造に好適なモノマーの原料混合物(50g)を製造する。
【0098】
実施例86(対照)
20mLのガラス瓶に、原料混合物10gおよび2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(52.3mg、CAS#78-67-1、熱開始剤)を添加し、次に、溶液が得られるまで混合する。得られた溶液約2gを、18mm x 150mmの試験管にシリンジで添加する。試験管を、真空炉中、窒素雰囲気下に65℃で17時間、次に、100℃でさらに3時間加熱することによって、重合を開始させる。試験管を炉から出し、室温に冷却する。得られたポリマーをヘラで取る。アセトン約25mLを含有するガラス瓶にポリマーを入れ、ヘラで小片に砕く。ポリマー片をソックスレー抽出器に入れ、還流アセトンで4〜5時間抽出する。ポリマーを取り、時計皿で一晩乾燥させ、次に、真空炉中約15mmHgの圧力下に50℃で1時間乾燥させる。得られたポリマーを、紫外-可視分光計によって分析する。
【0099】
実施例87
20mLのガラス瓶に、実施例1bの黄色重合性化合物10.7mgおよび原料混合物10gを添加して、約0.1wt%のアゾ濃度を得る。溶液が得られるまで混合物を緩やかに加熱(約50℃)しながら撹拌し、室温に冷却する。熱重合開始剤2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(52.3mg、CAS#78-67-1)を添加し、溶液が得られるまで混合する。得られた溶液約2gを、18mm x 150mmの試験管にシリンジで添加する。試験管を、真空炉中、窒素雰囲気下に、65℃で17時間、次に、100℃でさらに3時間加熱することによって、重合を開始させる。試験管を炉から出し、室温に冷却する。得られたポリマーをヘラで取る。アセトン約25mLを含有するガラス瓶にポリマーを入れ、ヘラで小片に砕く。ポリマー片をソックスレー抽出器に入れ、還流アセトンで4〜5時間抽出する。ソックスレー器において色が観察されず、これは、重合中にアゾ化合物がモノマーと重合したことを示す。ポリマーを取り、時計皿で一晩乾燥させ、次に、真空炉において、約15mmHgの圧力下に、50℃で1時間乾燥させる。得られた黄色ポリマーを、紫外-可視分光計によって分析する。
【0100】
先に引用した全ての特許、刊行物およびアブストラクトは、全体として、参照により本明細書に組み入れられ、但し、そのような特許、刊行物およびアブストラクトにおける任意の定義が本出願における定義と不一致である場合、本明細書における定義は、本明細書の内容に関して規定し、かつ、特許、刊行物またはアブストラクトにおける不一致の各定義は、そのような不一致の定義を含有する文献の内容に関して規定する。先の記載は、本発明の好ましい実施態様を説明するものにすぎず、請求の範囲において規定されている本発明の意図および範囲を逸脱せずに、それに多くの改変または変更を加えうるものと理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーを含んでなる眼内レンズであって、該ポリマーは、式I:
【化1】

[式中、
Aは、置換されていてもよいアリール基であり;
Zは、2-ピラゾリン-5-オン、ジメドン(5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン)、アセトアセトアミド、マロンアミド、バルビツル酸および1,3-プロパンジオンから選択される成分の基であり;
但しZが2-ピラゾリン-5-オンであるとき、Aは、
【化2】

から選択され、ここで、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノから選択される1〜3個の基であり;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルオキシおよびC1〜C8アルコキシカルボニルオキシから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり;
分子は、少なくとも1個のエチレン性不飽和重合性基(Q)を含有する]
で示される分子構造を含む分子である、眼内レンズ。
【請求項2】
Aは、
【化3】

[式中、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノから選択される1〜3個の基であり;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルオキシおよびC1〜C8アルコキシカルボニルオキシから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり、
Zが少なくとも1つのQ基を含んでいない場合、mは1または2である。]
である、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項3】
Zは、
【化4】

[式中、
R7は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリーレン-(B-L-O-Q)p、アリーレン-(L1-O-Q)および-C2-C8-アルキレンOQから選択され;
R7'は、C1〜C8アルキル、トリフルオロメチル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され;
R8は、水素;C1〜C8アルキル;-L1-O-Q;C3〜C8シクロアルキル;ヘテロアリール;アリール;または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、-B-L-O-QおよびL1-O-Qから選択される1〜3個の基で置換されたアリールであり;
R8'およびR8''は、C1〜C4アルキルおよびアリールから独立に選択され;
pは、1または2であり;
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
nは、1、2または3である]
から選択される構造の基である、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項4】
エチレン性不飽和重合性基(Q)は、
【化5】

[式中、
R9は、水素またはC1〜C8アルキルであり;
R10は、水素;C1〜C8アルキル;フェニル;C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、-N(C1〜C8アルキル)2、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルコキシカルボニル、C1〜C8アルカノイルオキシおよびハロゲンから選択される1個またはそれ以上の基によって置換されたフェニル;1-または2-ナフチル;C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシによって置換された1-または2-ナフチル;2-または3-チエニル;C1〜C8アルキルまたはハロゲンによって置換された2-または3-チエニル;2-または3-フリル;あるいは、C1〜C8アルキルによって置換された2-または3-フリルであり;
R11およびR12は、独立して、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールであるか;または、R11およびR12は、一緒になって、-(CH2)3~5基を表してもよく;
R13は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキルまたはアリールであり;
R14は、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールである]
である、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項5】
Zは、
【化6】

[式中、
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R7は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリーレン-(B-L-O-Q)p、アリーレン-(L1-O-Q)および-C2-C8-アルキレンOQから選択され;
R7'は、C1〜C8アルキル、トリフルオロメチル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され;
R8は、水素;C1〜C8アルキル;-L1-O-Q;C3〜C8シクロアルキル;ヘテロアリール;アリール;または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、-B-L-O-QおよびL1-O-Qから選択される1〜3個の基で置換されたアリールであり;
R8'およびR8''は、C1〜C4アルキルおよびアリールから独立に選択され;
pは、1または2であり;
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
nは、1、2または3である]
から選択される構造の基である、請求項2に記載の眼内レンズ。
【請求項6】
エチレン性不飽和重合性基は、
【化7】

[式中、
R9は、水素またはC1〜C8アルキルであり;
R10は、水素;C1〜C8アルキル;フェニル;C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、-N(C1〜C8アルキル)2、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルコキシカルボニル、C1〜C8アルカノイルオキシおよびハロゲンから選択される1個またはそれ以上の基によって置換されたフェニル;1-または2-ナフチル;C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシによって置換された1-または2-ナフチル;2-または3-チエニル;C1〜C8アルキルまたはハロゲンによって置換された2-または3-チエニル;2-または3-フリル;あるいは、C1〜C8アルキルによって置換された2-または3-フリルであり;
R11およびR12は、独立して、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールであるか;または、R11およびR12は、一緒になって、-(CH2)3~5基を表してもよく;
R13は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキルまたはアリールであり;
R14は、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールである]
である、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項7】
Aは、式XIII:
【化8】

[式中、Rは、水素、または、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、-CO2C1〜C8アルキル、-CONHC1〜C8アルキルおよび-SO2C1〜C4アルキルから選択される1個、2個または3個の基である];
Zは、
【化9】

(式中、
R7は、-CH2CH2-O-Q、
【化10】

から選択され:
R7'は、C1〜C4アルキルおよびアリールから選択され;
R8'''は、-B-L-O-Qまたは-L1-O-Qであり;
Bは、-O-であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
nは、1、2または3であり;
R3は、水素またはメチルであり;
L1は、C1〜C8アルキレンである)
で示される残基であり;
Qは、:
【化11】

(式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素であり;
R11およびR12は、メチルである)]
で示される、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項8】
Rは、式XIIIの2位炭素に結合した-CO2C1〜C8アルキル基またはニトロ基であり、ニトロ基が2位に結合している場合、任意にC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシまたはハロゲンが式XIIIの4位炭素に結合している、請求項7に記載の眼内レンズ。
【請求項9】
Aは、
【化12】

[式中、
Rは、水素であり;
Bは、-O-または-CONH-であり;
Lは、C2〜C8アルキレンまたは-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH-(R3)-であり;
L1は、C1〜C8アルキレンであり;
R3は、水素またはメチルであり;
mは、1であり;
nは、1、2または3である]
であり、
Zは、
【化13】

[式中、
R7は、水素、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R7'は、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R8'''は、水素、またはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシおよびハロゲンから選択される1〜3個の基である]
で示される残基であり、
Qは、
【化14】

[式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素であり;
R11およびR12は、メチルである]
である、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項10】
Aは、
【化15】

[式中、L1は、C1〜C8アルキレンである]
で示される基であり、
Zは、
【化16】

[式中、
R7は、水素、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R7'は、C1〜C4アルキルまたはアリールである]
で示される残基であり、
Qは、
【化17】

[式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素である]
である、請求項9に記載の眼内レンズ。
【請求項11】
式I:
【化17】

[式中、
Aは、置換されていてもよいアリール基であり;
Zは、2-ピラゾリン-5-オン、ジメドン(5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン)、アセトアセトアミド、マロンアミド、バルビツル酸および1,3-プロパンジオンから選択される成分の基であり;
但しZが2-ピラゾリン-5-オンであるとき、Aは、
【化18】

から選択され、ここで、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノから選択される1〜3個の基であり;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルオキシおよびC1〜C8アルコキシカルボニルオキシから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり;
分子は、少なくとも1個のエチレン性不飽和重合性基(Q)を含有する]
で示される構造を有する化合物。
【請求項12】
Aは、
【化19】

[式中、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノから選択される1〜3個の基であり;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルオキシおよびC1〜C8アルコキシカルボニルオキシから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり、
Zが少なくとも1つのQ基を含んでいない場合、mは1または2である。]
である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Zは、
【化20】

[式中、
R7は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリーレン-(B-L-O-Q)p、アリーレン-(L1-O-Q)および-C2-C8-アルキレンOQから選択され;
R7'は、C1〜C8アルキル、トリフルオロメチル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され;
R8は、水素;C1〜C8アルキル;-L1-O-Q;C3〜C8シクロアルキル;ヘテロアリール;アリール;または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、-B-L-O-QおよびL1-O-Qから選択される1〜3個の基で置換されたアリールであり;
R8'およびR8''は、C1〜C4アルキルおよびアリールから独立に選択され;
pは、1または2であり;
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
nは、1〜3から選択される]
から選択される構造の基である、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
エチレン性不飽和重合性基(Q)は、
【化21】

[式中、
R9は、水素またはC1〜C8アルキルであり;
R10は、水素;C1〜C8アルキル;フェニル;C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、-N(C1〜C8アルキル)2、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルコキシカルボニル、C1〜C8アルカノイルオキシおよびハロゲンから選択される1個またはそれ以上の基によって置換されたフェニル;1-または2-ナフチル;C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシによって置換された1-または2-ナフチル;2-または3-チエニル;C1〜C8アルキルまたはハロゲンによって置換された2-または3-チエニル;2-または3-フリル;あるいは、C1〜C8アルキルによって置換された2-または3-フリルであり;
R11およびR12は、独立して、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールであるか;または、R11およびR12は、一緒になって、-(CH2)3~5基を表してもよく;
R13は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキルまたはアリールであり;
R14は、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールである]
である、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
Zは、
【化22】

[式中、
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R7は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリーレン-(B-L-O-Q)p、アリーレン-(L1-O-Q)および-C2-C8-アルキレンOQから選択され;
R7'は、C1〜C8アルキル、トリフルオロメチル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され;
R8は、水素;C1〜C8アルキル;-L1-O-Q;C3〜C8シクロアルキル;ヘテロアリール;アリール;または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、-B-L-O-QおよびL1-O-Qから選択される1〜3個の基で置換されたアリールであり;
R8'およびR8''は、C1〜C4アルキルおよびアリールから独立に選択され;
pは、1または2であり;
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
nは、1〜3から選択される]
から選択される構造の基である、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
エチレン性不飽和重合性基は、
【化23】

[式中、
R9は、水素またはC1〜C8アルキルであり;
R10は、水素;C1〜C8アルキル;フェニル;C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、-N(C1〜C8アルキル)2、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルコキシカルボニル、C1〜C8アルカノイルオキシおよびハロゲンから選択される1個またはそれ以上の基によって置換されたフェニル;1-または2-ナフチル;C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシによって置換された1-または2-ナフチル;2-または3-チエニル;C1〜C8アルキルまたはハロゲンによって置換された2-または3-チエニル;2-または3-フリル;あるいは、C1〜C8アルキルによって置換された2-または3-フリルであり;
R11およびR12は、独立して、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールであるか;または、R11およびR12は、一緒になって、-(CH2)3~5基を表してもよく;
R13は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキルまたはアリールであり;
R14は、水素、C1〜C8アルキルまたはアリールである]
である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Aは、式XIII:
【化24】

[式中、Rは、水素、または、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、-CO2C1〜C8アルキル、-CONHC1〜C8アルキルおよび-SO2C1〜C4アルキルから選択される1個または2個の基である];
Zは、
【化25】

(式中、
R7は、-CH2CH2-O-Q、
【化26】

から選択され:
R7'は、C1〜C4アルキルおよびアリールから選択され;
R8'''は、-B-L-O-Qまたは-L1-O-Qであり;
Bは、-O-であり;
R3は、水素またはメチルであり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
nは、1、2または3であり;
L1は、C1〜C8アルキレンである)
で示される残基であり;
Qは、
【化27】

(式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素であり;
R11およびR12は、メチルである)]
で示される、請求項11に記載の化合物。
【請求項18】
Rは、式XIIIの2位炭素に結合した-CONHC1〜C8アルキル基またはニトロ基であり、ニトロ基が2位に結合している場合、任意にC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシまたはハロゲンが式XIIIの4位炭素に結合している、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
Aは、
【化28】

[式中、
Rは、水素であり;
Bは、-O-または-CONH-であり;
Lは、C2〜C8アルキレンまたは-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH-(R3)-であり;
L1は、C1〜C8アルキレンであり;
R3は、水素またはメチルであり;
mは、1であり;
nは、1、2または3である]
であり、
Zは、
【化29】

[式中、
R7は、水素、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R7'は、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R8'''は、水素、またはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシおよびハロゲンから選択される1〜3個の基である]
で示される残基であり、
Qは、
【化30】

[式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素であり;
R11およびR12は、メチルである]
である、請求項11に記載の化合物。
【請求項20】
Aは、
【化31】

[式中、L1は、C1〜C8アルキレンである]
で示される基であり、
Zは、
【化32】

[式中、
R7は、水素、C1〜C4アルキルまたはアリールであり;
R7'は、C1〜C4アルキルまたはアリールである]
で示される残基であり、
Qは、
【化34】

[式中、
R9は、水素またはメチルであり;
R10は、水素である]
である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
請求項11〜20のいずれかに記載の化合物を含んでなる組成物。
【請求項22】
式I:
【化33】

[式中、
Aは、置換されていてもよいアリール基であり;
Zは、2-ピラゾリン-5-オン、ジメドン(5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン)、アセトアセトアミド、マロンアミド、バルビツル酸および1,3-プロパンジオンから選択される成分の基であり;
但しZが2-ピラゾリン-5-オンであるとき、Aは、
【化34】

から選択され、ここで、
Bは、-CON(R1)-、-O-、-S-および-N(SO2R2)-から選択される二価結合基であり;
Lは、C2〜C8アルキレンおよび-[CH2CH(R3)O]n-CH2CH(R3)-から選択され;
L1は、C1〜C8アルキレン基であり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、1、2または3であり;
Rは、水素、または、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、チオシアノ、トリフルオロメチル、-COR4、-CO2R5、-SO2R2、-N(R1)COR4、-N(R1)SO2R2、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、-SO2N(R1)R4、-CON(R1)R4、スクシンイミド、フタルイミドおよびフタルイミジノから選択される1〜3個の基であり;
R1は、水素、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8アルケニルおよびアリールから選択され;
R2は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキルおよびアリールから選択され;
R3は、水素またはメチルであり;
R4は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび水素から選択され;
R5は、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、アリールおよび[CH2CH(R3)O]nCH2CH(R3)OR6から選択され;
R6は、水素、C1〜C8アルキル、アリール、C1〜C8アルカノイルオキシおよびC1〜C8アルコキシカルボニルオキシから選択され;
Qは、エチレン性不飽和重合性基であり;
分子は、少なくとも1個のエチレン性不飽和重合性基(Q)を含有する]
で示される分子構造を有する分子の少なくとも1つの残基を含んでなるポリマー。
【請求項23】
請求項22に記載のポリマーを含んでなる組成物。
【請求項24】
請求項22に記載のポリマーを含んでなる物品。
【請求項25】
請求項11〜20のいずれかに記載の化合物を含みモノマーを共重合することを含む、ポリマーの製造方法。

【公表番号】特表2008−520811(P2008−520811A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543145(P2007−543145)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/041075
【国際公開番号】WO2006/057840
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(502049837)アドバンスト メディカル オプティクス, インコーポレーテッド (50)
【Fターム(参考)】