説明

内燃機関の制御装置

【課題】過給器をアシストするアシスト機構を効率的且つ安全に作動させる。
【解決手段】エンジンシステム10において、エンジン200はMAT209を備える。またECU100は、MAT209におけるモータ209cの作動範囲を制限するためのモータ作動許可範囲設定処理を実行する。係る処理において、ECU100は、例えば10分と規定される部分時間領域毎にターボ回転センサ210の出力値たるタービン209aの回転数Ntの最高値を特定し、相互に連続する3個の部分時間領域からなる最大で30分の時間領域について、これら最高値からモータ209cの作動許可最高回転数Ntmaxを特定する。また、部分時間領域を規定する10分が経過する毎に、時間領域を構成する個々の部分時間領域のうち最古のものに関するデータを破棄し、作動許可最高回転数Ntmaxを適宜更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばMAT(Motor Assist Turbo)等のアシスト機構付き過給器を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、電動機の脱調を判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された電動機の運転制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、電動機の回転数が予め設定された脱調判定回転数より大きい場合に、電動機が脱調としている判定するため、迅速に脱調を解消することが可能であるとされている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−129471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、電動機を作動させた状態で初めて脱調の判定が行われるため、結局脱調が検出された時点で電動機は脱調状態のまま動作していることとなる。このように電動機が脱調状態で動作を継続した場合、制御回路の破損、内燃機関の他の制御への影響等弊害が生じかねない。即ち、従来の技術には、電動機等のアシスト機構を効率的且つ安全に作動せしめることが困難であるという技術的な問題点がある。
【0005】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、アシスト機構を効率的且つ安全に作動させ得る内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、過給器、該過給器のアシストを行うアシスト手段及び前記過給器の回転数を検出する検出手段を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、前記アシストが行われない非アシスト期間に前記検出手段が動作するか否かを判別する判別手段と、前記検出手段が動作すると判別された場合に、前記非アシスト期間に検出された前記過吸器の回転数を表す検出可能回転数に基づいて前記アシスト手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
本発明において「過給器のアシストを行う」とは、例えば過給器を構成するタービンを排気以外の要素、例えば電気的に或いは機械的によって回転させることによって過給を促進することを包括する概念である。
【0008】
本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、アシストが行われない期間として規定される非アシスト期間において、過給器の回転数、例えばタービン又はタービンが固定されたシャフト等の回転数を検出するための、例えば磁気的或いは光学的な各種検出手段が動作するか否かが判別手段により判別される。
【0009】
制御手段は、このような非アシスト期間において検出手段が動作すると判別された場合、即ち少なくとも検出手段の検出性が確認された場合に、検出可能回転数に基づいてアシスト手段を制御する。ここで、「検出可能回転数」とは、その正否とは別に検出手段が検出し得た過給器の回転数を表す概念である。
【0010】
従って、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、アシスト手段、例えばモータ等の電動機が、未だ検出手段が回転数を検出可能であるか否かが確定されていない回転領域で動作することが防止される。即ち、アシスト手段を効率的且つ安全に使用することが可能となるのである。尚、検出可能回転数に基づいて制御がなされる限りにおいて、アシスト手段は、必ずしも係る検出可能回転数以下に制限されずともよい。例えば、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、検出可能回転数とアシスト手段を安全に使用し得る回転数との対応関係が判明している或いは推定可能である場合には、そのような対応関係に基づいてアシスト手段の回転数が制御されてもよい。
【0011】
本発明に係る内燃機関の制御装置の一の態様では、前記検出可能回転数の最大値を特定する特定手段を更に具備し、前記制御手段は、前記最大値に基づいて前記アシスト手段を制御する。
【0012】
この態様によれば、特定手段によって特定される検出可能回転数の最大値に基づいてアシスト手段が制御されるため、アシスト手段によるアシスト作用を効率的に享受することが可能となる。
【0013】
特定手段を備えた本発明に係る内燃機関の制御装置の一の態様では、前記制御手段は、前記最大値以下の回転数領域で前記アシスト手段が作動するように前記アシスト手段を制御する。
【0014】
この態様によれば、最大値以下の回転数領域でアシスト手段が作動するようにアシスト手段が制御されるため、効率的且つ安全である。
【0015】
特定手段を備えた本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記特定手段は、開始時刻から所定時間が経過した終了時刻までの時間領域で前記最大値を特定し、且つ前記終了時刻において前記時間領域に属する前記開始時刻以外の時刻を新たに前記開始時刻として設定することにより前記時間領域を更新する。
【0016】
この態様によれば、開始時刻及び終了時刻によって規定される時間領域において最大値が特定される。即ち、現時点から所定時間過去の時点までの期間における最大値がアシスト手段の作動範囲を規定する最大値として利用される。従って、最大値の信頼性が好適に担保される。尚、終了時刻を規定する開始時刻からの時間間隔は、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、最大値の信頼性が問題視され得る程に低下しない時間間隔或いは内燃機関の動作条件が大きく変化しない程度の時間間隔に設定されていてもよい。
【0017】
尚、終了時刻が訪れた時点で、係る終了時刻が新たな時間領域の開始時刻として設定される場合、最大値は比較的大きく変化し得るが、特定手段が把握すべき時刻は、開始時刻及び終了時刻のみでよく、また最大値を係る最大値が検出された時刻に対応付けて把握する必要もないため特定手段の処理負荷は軽減され得る。
【0018】
一方、例えば新たに開始時刻として設定される時刻が、旧来の開始時刻に対し検出手段のサンプリング間隔一個分未来の時刻に設定される場合には、特定手段は、係る時間領域に属する全てのサンプル値(検出可能回転数の値)を記憶する必要があり処理負荷は重くなるが、時間領域の長さは常に一定に維持され、リセットされることがないため、最大値が大きく変化することがなく効果的である。
【0019】
この態様では、前記特定手段は、(i)前記時間領域を所定の基準に従って分割してなる複数の部分時間領域各々において暫定的な最大値を特定すると共に(ii)該複数の暫定的な最大値の中から前記最大値を特定し、且つ(iii)前記終了時刻において前記複数の部分時間領域の中でn番目(n:自然数)に古い前記部分時間領域をn+1番目に古い前記部分時間領域によって順次置換し、新たに最古の前記部分時間領域となった前記部分時間領域の開始時刻を前記開始時刻として設定してもよい。
【0020】
この態様によれば、時間領域は複数の部分時間領域に分割され、個々の部分時間領域において暫定的な最大値が特定される。検出可能回転数の最大値は、この暫定的な最大値の中の最大値として特定される。
【0021】
一方、終了時刻において時間領域が更新される場合、時間的に最も古い部分時間領域に関するデータが破棄され、二番目に古い部分時間領域が新たに最も時間的に古い部分時間領域として設定される。従って、終了時刻においては、最も新しい部分時間領域が空白となり、最も新しい部分時間領域における暫定的な最大値のみが逐次更新されることになる。この場合、特定手段は、実質的には開始時刻及び終了時刻を把握しておらずともよく、部分時間領域に対応する時間が経過する毎に最古の部分時間領域に関するデータを破棄すればよいから、制御上の負荷は比較的軽減され得る。また、最大値に関して言えば、破棄されるデータは時間領域を構成する部分時間領域の一部に対応するデータに過ぎず、大部分は破棄されずに一定期間残存するから、時間領域が更新される毎に大きく最大値が変化することもない。即ち、この場合、効率的且つ効果的に検出可能回転数の最大値が特定される。
【0022】
特定手段を備える本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記最大値を前記最大値が検出された時点からの経過時間に応じて減少補正する第1補正手段を更に具備し、前記制御手段は、前記第1補正手段により補正された最大値に基づいて前記アシスト手段を制御する。
【0023】
この態様によれば、最大値が、係る最大値が検出された時点からの経過時間に応じて減少するため、係る経過時間に応じて減少する最大値の信頼性が好適に考慮され、アシストの安全性が効果的に担保される。
【0024】
特定手段を備える本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記最大値を(i)所定量増減させるか又は(ii)所定割合増減させることにより補正する第2補正手段を更に具備し、前記制御手段は、前記第2補正手段により補正された最大値に基づいて前記アシスト手段を制御する。
【0025】
実践的な見地からは、検出可能回転数の最大値より高い回転領域において直ちに安全性が低下する可能性は低い。反面、アシストの安全性をより考慮するならば、検出可能回転数の最大値よりも低い回転数を最大値とした方がよい場合もある。
【0026】
この態様によれば、最大値が第2補正手段によって、例えば所定量或いは所定割合で増減補正されるため効率的である。尚、第2補正手段による補正の態様は、固定されておらずともよく、例えば、内燃機関の運転条件等に応じて或いは過給器又はアシスト手段の過去の故障履歴等に基づいて適宜個別具体的に設定されてもよい。また、検出手段のサンプリング周期が比較的長い場合には、最大値を増量補正し、サンプリング周期が短い場合には最大値を減量補正してもよい。
【0027】
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記アシスト手段は、前記過給器の回転数と一対一に対応する回転数を制御量とするモータを含み、該モータの回転によって前記過給器のアシストを行う。
【0028】
この態様によれば、アシスト手段が電動機たるモータを含み、且つ、モータの制御量として過給器の回転数と一対一に対応するモータ回転数が採用されるため、本発明に係る制御が比較的リニアに実行され好適である。但し、本発明に係る上述した各種態様に係る効果は、無論制御量がモータ回転数以外、例えば、電力等であっても変わらず享受されるものである。
【0029】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0031】
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の模式図である。
【0032】
図1において、エンジンシステム10は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)100及びエンジン200を備える。
【0033】
ECU100は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン200の動作を制御すると共に、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例として機能するように構成されている。尚、ECU100は、ROMに格納される制御プログラムに従って、後述するモータ作動許可範囲設定処理を実行することが可能に構成されている。
【0034】
エンジン200は、不図示の車両の動力源たるガソリンエンジンであり、本発明に係る「内燃機関」の一例である。以下、エンジン200の要部構成について、その動作の一部を交えて説明する。
【0035】
図2において、エンジン200は、シリンダブロック内にシリンダ201が4本直列に配置されてなる直列4気筒ガソリンエンジンである。エンジン200は、各シリンダ内部において空気と燃料との混合気が燃焼するに際して生じる不図示のピストンの往復運動を、コネクティングロッド及びクランクシャフト(いずれも不図示)を介して回転運動に変換することが可能に構成されている。尚、本発明に係る「内燃機関」とは、燃料の燃焼を動力に変換する機関を包括する概念であり、ガソリンエンジンに限らず、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジン等であってもよい。
【0036】
シリンダ201内の燃焼室には、吸気マニホールド202を介して供給される空気と、吸気マニホールド202に連通する不図示の吸気ポートにおいて不図示のインジェクタから噴射供給される燃料との混合気が、二個の吸気バルブ203を介して吸入される。この際、係る混合気は、吸気バルブ203の開弁時に燃焼室内へ供給される構成となっている。
【0037】
燃焼室内部では、燃焼行程において点火プラグ205による点火動作により混合気が燃焼する。燃焼済みの混合気は、不図示の排気ポートに連通する二個の排気バルブ206の開弁時に、排気として係る排気ポートに排出される。係る排気は、排気ポートに連通する排気マニホールド208を介して、MAT209に供給される。
【0038】
MAT209は、タービン209a及びコンプレッサ209b(即ち、本発明に係る「過給器」の一例)並びにモータ209c(即ち、本発明に係る「アシスト手段」の一例)を備える。
【0039】
排気マニホールド208を介して供給される排気の一部は、タービン209aに流入し、タービン209aを回転させる。このタービン209aの回転は、タービン209aと同軸に構成されたコンプレッサ209bへ伝達され、コンプレッサ209bを作動させる動力となる。また、タービン209aに流入しない排気は、排気管211及び触媒装置212等を順次介して車両外等へ排気される。
【0040】
タービン209aの回転速度(単位時間当たりの回転数)は、ターボ回転センサ210(即ち、本発明に係る「検出手段」の一例)によって一定のサンプリング間隔で検出される。ターボ回転センサ210は、タービン209aの回転軸に取り付けられた永久磁石の磁極から回転位相差を検出し係る回転位相差を時間処理することによって回転軸の回転速度即ち、タービン209aの回転速度を算出することが可能に構成された磁気センサである。尚、ターボ回転センサ210は、磁気センサに限定されず、例えば、ギャップセンサ等の光学センサであってもよい。尚、ターボ回転センサ210は、ECU100と電気的に接続されており、その検出結果たる回転速度値は、ECU100によって常に把握される構成となっている。
【0041】
一方、モータ209cは、ECU100と電気的に接続されており、ECU100の制御によりその動作が制御される電動機である。モータ209cは、タービン209aの回転軸に動力を供給することが可能に構成されており、その力行時にタービン209aの回転をアシストすることが可能に構成されている。モータ209cによってアシストされた状態において、タービン209aは、排気のみによる回転と比較して高速に回転することが可能であり、より高い過給圧を実現することが可能である。尚、ターボ回転センサ210によって検出されるタービン209aの回転速度は、モータ209cの回転速度と一対一の関係を有している。
【0042】
コンプレッサ209bは、吸気管213に接続されている。吸気管213には、外部から吸入された空気を浄化するためのエアクリーナ214が設置されており、エアクリーナ214によって浄化された空気が、タービン209aの回転に伴って作動するコンプレッサ209bによってインタークーラ216に大気圧以上の過給圧で圧送される構成となっている。インタークーラ216では更にこの圧送された空気が冷却され、吸入効率が高められる。
【0043】
吸気管213は、前述の吸気マニホールド202に連通しており、インタークーラ216を通過した吸入空気は、スロットルバルブ218を介して吸気マニホールド202へ供給される。吸気マニホールド202には、吸気マニホールド内の圧力を検出するためのインマニ圧センサ220が設置されており、ECU100と電気的に接続されている。従って、インマニ圧センサ220によって検出されたインマニ圧は、常にECU100によって把握される構成となっている。
【0044】
尚、吸気管213には、吸入空気の質量流量を検出するエアフローメータ215及び過給器209の過給圧を検出する過給圧センサ217が設置されている。エアフローメータ215及び過給圧センサ217によって検出された吸気量及び過給圧は、夫々エアフローメータ215及び過給圧センサ217と電気的に接続されたECU100によって常に把握される構成となっている。
【0045】
スロットルバルブ218は、電子制御式のバルブであり、その開閉動作が不図示のスロットルバルブモータによって制御されるように構成されている。スロットルバルブモータは、ECU100と電気的に接続されており、その駆動力がECU100によって制御されている。ECU100は、アクセル開度や車速或いは内燃機関の機関回転数等に応じてスロットルバルブモータを駆動制御し、スロットルバルブ218の開閉状態を制御することが可能に構成されている。尚、スロットルバルブ218は、アクセルペダルと機械的に連結されていないため、ECU100は、運転者のアクセルペダル操作とは無関係にスロットルバルブ218の開閉状態を制御することが可能である。また、スロットルバルブ218の開度(スロットル開度)は、スロットル開度センサ219によって検出されており、スロットル開度センサ219と電気的に接続されたECU100によって常に把握される構成となっている。
【0046】
吸気バルブ203は、吸気カムシャフト221に連結された吸気カム204によってその開閉動作が制御される。吸気カムシャフト221は、不図示のシリンダヘッド上に回転可能且つ軸方向に平行移動可能に支持されている。
【0047】
吸気カムシャフト221の一方端には、不図示の吸気側タイミングスプロケットを備えた回転位相差可変アクチュエータ222が設けられている。この吸気側タイミングスプロケットは、不図示のタイミングチェーンを介してクランクシャフト側のスプロケットに連結されており、クランクシャフトの回転がタイミングチェーンを介して伝達される構成となっている。従って、吸気側タイミングスプロケットは、クランクシャフトの回転に同期して回転するようになっている。回転位相差アクチュエータ222は、吸気カムシャフト221を、クランクシャフトに対し進角又は遅角させることによって回転位相差を制御することが可能に構成されたアクチュエータであり、例えば吸気カムシャフト221をクランクシャフトに対し進角させるように回転位相差が設定された場合には、吸気バルブ203の開閉タイミングは相対的に進角、即ち早くなる。回転位相差可変アクチュエータ222は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100の制御に従って係る回転位相差が制御される構成となっている。
【0048】
吸気カムシャフト221の他方端には、リフト量可変アクチュエータ223が設置されており、ECU100と電気的に接続されることにより、ECU100に制御される構成となっている。リフト量可変アクチュエータ223は、吸気カムシャフト221をそのシャフト方向に移動させることが可能に構成されたアクチュエータである。ここで、吸気カム204は、係るシャフト方向にカムプロフィールが連続的に変化する三次元的な形状を有しており、リフト量可変アクチュエータ223によって吸気カムシャフト221がシャフト方向に移動された場合、連続的に変化するカムプロフィールによって吸気バルブ203のリフト量が連続的に変化するようになっている。吸気バルブ203のリフト量が連続的に変化するとは即ち、吸気バルブ203の作用角が連続的に変化することを意味する。例えば、吸気バルブ203の作用角が相対的に大きくなる方向に吸気カムシャフト221が移動された場合、吸気バルブ203の開弁タイミングが早くなり、同時に閉弁タイミングが遅くなって開弁期間が相対的に長くなる。従って、燃焼室内に導かれる吸気量は相対的に多くなる。
【0049】
排気バルブ206は、排気カムシャフト224に連結された排気カム207によってその開閉動作が制御される。排気カムシャフト224は、不図示のシリンダヘッド上に回転可能且つ軸方向に平行移動可能に支持されている。
【0050】
排気カムシャフト224の一方端には、不図示の排気側タイミングスプロケットを備えた回転位相差可変アクチュエータ225が設けられている。この排気側タイミングスプロケットは、不図示のタイミングチェーンを介してクランクシャフト側のスプロケットに連結されており、クランクシャフトの回転がタイミングチェーンを介して伝達される構成となっている。従って、排気側タイミングスプロケットは、クランクシャフトの回転に同期して回転するようになっている。回転位相差アクチュエータ225は、排気カムシャフト224を、クランクシャフトに対し進角又は遅角させることによって回転位相差を制御することが可能に構成されたアクチュエータであり、例えば排気カムシャフト224をクランクシャフトに対し進角させるように回転位相差が設定された場合には、排気バルブ206の開閉タイミングは相対的に進角、即ち早くなる。回転位相差可変アクチュエータ225は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100の制御に従って係る回転位相差が制御される構成となっている。
【0051】
排気カムシャフト224の他方端には、リフト量可変アクチュエータ226が設置されており、ECU100と電気的に接続されることにより、ECU100に制御される構成となっている。リフト量可変アクチュエータ226は、排気カムシャフト224をそのシャフト方向に移動させることが可能に構成されたアクチュエータである。ここで、排気カム207は、係るシャフト方向にカムプロフィールが連続的に変化する三次元的な形状を有しており、リフト量可変アクチュエータ226によって排気カムシャフト224がシャフト方向に移動された場合、連続的に変化するカムプロフィールによって排気バルブ206のリフト量が連続的に変化するようになっている。排気バルブ206のリフト量が連続的に変化するとは即ち、排気バルブ206の作用角が連続的に変化することを意味する。例えば、排気バルブ206の作用角が相対的に大きくなる方向に排気カムシャフト224が移動された場合、排気バルブ206の開弁タイミングが早くなり、同時に閉弁タイミングが遅くなって開弁期間が相対的に長くなる。
【0052】
<実施形態の動作>
MAT209を備えるエンジンシステム10では、モータ209cを作動させることによって、タービン209aを排気による回転速度以上の回転速度で回転せしめることが可能である。モータ209cは、モータ回転数によって制御されており、基本的には、加速要求時等の過渡期間において、タービン209aの回転遅延を低減するために速やかに目標回転数に追従するように制御される構成となっている。一方、実際にタービン209aの回転速度がターボ回転センサ210によって検出できるのか確定せぬまま運転者の要求に応じてモータ209cを作動させた場合には、モータ209aは実質的に何の保証もないない状態で回転動作を行うこととなり安全性が阻害されかねない。そこで、本実施形態では、モータ209cの作動範囲が、ECU100によって実行されるモータ作動許可範囲設定処理により決定される作動許可範囲に制限されている。
【0053】
ここで、図2を参照して、モータ作動許可範囲設定処理の詳細について説明する。ここに、図2は、モータ作動許可範囲設定処理のフローチャートである。
【0054】
図2において、ECU100は始めに、モータ209cが作動していない期間(より具体的にはモータ209cが、過給をアシストすべく力行状態にない期間であり、本発明に係る「非アシスト期間」の一例)において、即ちタービン209aが排気によって駆動されている状態において、ターボ回転センサ210の出力に基づいてタービン209aの回転速度たるターボ回転数Ntを取得する(ステップA10)。即ち、係るターボ回転数Ntは、本発明に係る「検出可能回転数」の一例である。
【0055】
ターボ回転数Ntを取得すると、ECU100は、取得されたターボ回転数Ntが、過去10分以内の最高回転数Ntmax1よりも大きいか否かを判別する(ステップA11)。尚、本実施形態に係るモータ作動許可範囲設定処理では、各々10分単位で規定される相互に時系列的に連続してなる3個の部分時間領域毎に暫定的な最大値(即ち、最新のものからNtmax1、Ntmax2及びNtmax3)が設定される。
【0056】
ターボ回転数Ntが最高回転数Ntmax1以下である場合(ステップA11:NO)、ECU100は、処理をステップA13に移行する。一方、ターボ回転数Ntが最高回転数Ntmax1より大きい場合(ステップA11:YES)、ECU100は、最高回転数Ntmax1をターボ回転数Ntに更新する(ステップA12)。
【0057】
最高回転数Nt1が更新されるか或いは前述したようにターボ回転数Ntが最高回転数Ntmax1以下である場合、ECU100はカウンタCTをカウントアップする(ステップA13)。カウンタCTをカウントアップすると、ECU100は、カウンタCTによって表される、時系列的に最も新しい部分時間領域における開始時刻からの経過時間が10分を超えたか否かを判別する(ステップA14)。即ち、最新の部分時間領域が終了したか否かを判別する。
【0058】
未だ最新の部分時間領域が終了していない場合(ステップA14:NO)、ECU100は、現時点におけるモータ209cの作動許可最高回転数Ntmaxを各部分時間領域毎の最高回転数(即ち、Ntmax1、Ntmax2及びNtmax3)の中で最も高い値に決定する(ステップA16)。即ち、作動許可最高回転数Ntmaxは、最大過去30分以内のターボ回転数Ntの最大値である。作動許可最高回転数Ntmaxは、モータ209cの作動が許可される最高回転数であり、モータ209cは係る作動許可最高回転数Ntmax以下の範囲でのみ作動が許可される。
【0059】
時系列的に最も新しい部分時間領域が終了した場合(ステップA14:YES)、ECU100は、各部分時間領域に関する設定を更新する(ステップA15)。ステップA15に係る処理では、時系列的に最も古い部分時間領域のデータであるNtmax3が破棄され、新たにNtmax2がNtmax3として設定され、Ntmax1がNtmax2として設定され、カウンタCTがゼロにリセットされる。カウンタCTがリセットされることに伴い、新たな部分時間領域が設定され、時間経過と共にその最大値Ntmax1が適宜更新される。ステップA15に係る処理が終了すると、処理はステップA16に移行し、作動許可最高回転数Ntmaxが決定される。ステップA16に係る処理が実行されると、処理はステップA10に戻され、一連の処理が繰り返される。
【0060】
ここで、図3を参照し、モータ作動許可範囲設定処理によって決定される作動許可最高回転数Ntmaxの時間推移について説明する。ここに、図3は、作動許可最高回転数Ntmaxの模式図である。
【0061】
図3において、縦軸はターボ回転センサ210によって検出されるターボ回転数Ntを表し、横軸は時刻を表す。尚、横軸に表される時刻Tn(n=0,1,・・・,11)相互間の時間間隔は上述したように部分時間領域を規定する10分に相当する。また、以降の説明において、時刻Tm及びTn(m<n)によって規定される時間領域或いは部分時間領域(即ち、Tn−Tmに相当する期間)を適宜「(部分)時間領域Tmn」と称することとする。また、図示太破線は、ターボ回転数Ntの実測値の軌跡を表す。
【0062】
図3において、時刻T0においてモータ作動許可範囲設定処理が開始されたとする。即ち、時刻T0以前のデータが存在しないため、最初の10分(最初の部分時間領域)が経過した時刻T1における作動許可最高回転数Ntmaxは、部分時間領域T01における最高回転数Ntaに決定される。
【0063】
時刻T1を過ぎると、部分時間領域T01は、時系列上一段階過去にシフトされ、部分時間領域T01における最高回転数Nta(即ち、図2における最高回転数Ntmax1)は、図2におけるNtmax2に相当する値となり、部分時間領域T12においては、時間経過と共に最高回転数Ntmax1が更新される。部分時間領域T12における最高回転数はNtb(Ntb>Nta)であり、時刻T2における作動許可最高回転数Ntmaxは、Ntbとなる。
【0064】
一方、時刻T3が訪れた時点で、過去30分について10分毎の最高回転数が出揃うこととなる。即ち、3個の部分時間領域の集合として規定される時間領域(ここでは時間領域T03)が確定する。そして、時刻T3を超えると、時系列上最も過去の部分時間領域T01に関するデータは破棄される。同時に、部分時間領域T12の開始時刻たる時刻T1が、時間領域(30分)の開始時刻に設定される。同様に、時刻T4を超えると、部分時間領域T12に関するデータは破棄されるが、この際、作動許可最高回転数Ntmaxは、部分時間領域T12に属する最高回転数Ntbであるため、部分時間領域T12に関するデータの破棄と共に、作動許可最高回転数Ntmaxは、部分時間領域T34に属するNtcに変更される。
【0065】
以後同様にして、時刻T6において作動許可最高回転数NtmaxがNtdに、時刻T7において、作動許可最高回転数NtmaxがNteに変更される。また、部分時間領域T89の後半部分から作動許可最高回転数Ntmaxはターボ回転数Ntに同期して上昇し、部分時間領域T910中央付近において検出される部分時間領域T910における最高回転数Ntfで暫く安定する。
【0066】
このような推移を辿る結果、作動許可最高回転数Ntmaxの軌跡は、図示作動許可範囲プロファイルPr0となる。このように、本実施形態に係るモータ作動許可範囲設定処理によれば、実際にターボ回転センサ210によって検出されたターボ回転数Ntに基づいてモータ209cの作動許可範囲が設定されるため安全性が担保される。また、最大で過去30分間について10分毎の最高回転数が特定され、この中から作動許可範囲を規定する作動許可最高回転数Ntmaxが決定される。この際、ECU100は、各部分時間領域について最高回転数が検出された時刻を記憶する必要はなく、単に最高ターボ回転数の値のみを記憶していればよいため効率的である。また、過去30分(即ち、時間領域)のデータのうち、10分(即ち、部分時間領域)毎に破棄されるデータは、最も過去の部分時間領域に関するデータであり、他の比較的新しい20分のデータについては、暫時作動許可最高回転数Ntmaxの特定に利用される。従って、作動許可最高回転数の急減な変化が比較的抑制される。
【0067】
尚、作動許可範囲を規定する作動許可最高回転数Ntmaxは、必ずしもターボ回転センサ210によって実際に検出された値に律束されなくてもよい。図4にはその様子が示される。ここに、図4は、作動許可最高回転数Ntmaxの他の模式図である。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
【0068】
図4において、作動許可最高回転数Ntmaxの軌跡たる作動許可範囲プロファイルPr1が示される。作動許可範囲プロファイルPr1は、図3における作動許可範囲プロファイルPr0に対し、増量側に所定量オフセットを与えたものとなっている。例えば、ターボ回転センサ210のサンプリング間隔が数秒程度と比較的長い場合、実際にターボ回転センサ210によって検出可能なターボ回転数Ntは、実測値よりも高いとみなしてよいことが多い。このような場合には所定量、例えば毎分10000回転程度増量側にオフセットを与えてもよい。一方、MAT209の安全性を高めるならば、実際に検出されたターボ回転数Ntに減量側のオフセットを与えてもよい。例えば毎分5000回転程度減量側にオフセットを与えてもよい。或いは、所定量のオフセットを与える代わりに、検出されたターボ回転数Ntに対し、予め設定された又は適宜に設定される補正係数(例えば1.1或いは0.9等)を乗じることによってターボ回転数Ntを補正してもよい。尚、このように作動許可最高回転数Ntmaxの補正を行う場合、ECU100は、本発明に係る「第2補正手段」の一例として機能する。
【0069】
<第2実施形態>
モータ作動許可範囲設定処理の態様は、第1実施形態のものに限定されない。ここで、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るモータ作動許可範囲設定処理によって設定される作動許可最高回転数Ntmaxの時間推移について説明する。ここに、図5は、作動許可最高回転数Ntmaxの他の模式図である。なお、同図において、図3と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
【0070】
図5において、作動許可最高回転数Ntmaxの時間推移は、作動許可範囲プロファイルPr2として示される。第2実施形態に係る作動許可最高回転数Ntmaxの決定態様は、基本的に第1実施形態と変わらないが、第2実施形態では、部分時間領域に分割されない単一の時間領域内で作動許可最高回転数Ntmaxが決定される。従って時間領域の終了時刻が訪れると、時間領域は一時的にクリアされ、作動許可最高回転数Ntmaxが新たな時間領域の開始時刻におけるターボ回転数Ntを初期値として適宜に更新される。
【0071】
図5において、時刻T12が時間領域の開始時刻であり、時刻T13が終了時刻である。時刻T13が訪れるのに伴い、時間領域T1213で適宜更新が重ねられた結果到達した作動許可最高回転数Ntgはリセットされ、時刻T13におけるターボ回転数Nthが初期値に設定される。このように、第2実施形態によれば、作動許可最高回転数Ntmaxの変化幅は比較的大きくなり得るが、第1実施形態の如く時間領域が部分時間領域に分割されないためECU100の処理負荷は軽減される。
【0072】
<第3実施形態>
上述した実施形態において、作動許可最高回転数Ntmaxは、一旦設定されると、より高い値に更新されるまでは、基本的に保存される。しかしながら、時間の経過と共にターボ回転センサ210の検出結果の信頼性は低下するから、モータ209cの安全な動作を図る点からは他の手法を考えることができる。ここで、図6を参照して、本発明の第3実施形態に係るモータ作動許可範囲設定処理によって設定される作動許可最高回転数Ntmaxの時間推移について説明する。ここに、図6は、作動許可最高回転数Ntmaxの他の模式図である。なお、同図において、図5と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
【0073】
図6において、作動許可最高回転数Ntmaxの時間推移は、作動許可範囲プロファイルPr3として示される。即ち、時刻T12Aにおいて設定された作動許可最高回転数Ntgは、時刻T12Aからの時間経過に応じて減少補正され、時刻T13においてNti(Nti<Ntg)となる。即ち、この場合、ECU100は、本発明に係る「第1補正手段」の一例として機能する。
【0074】
このように時間経過に応じて作動許可最高回転数Ntmaxを減少せしめた場合、時間経過に伴うターボ回転センサ210の検出結果の信頼性低下を補うことが可能であり、安全である。尚、係る減少補正の態様は、図示の如く直線的であっても曲線的であってもよく、或いは離散的であってもよい。
【0075】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンシステムの模式図である。
【図2】図1のエンジンシステムにおいて実行されるモータ作動許可範囲設定処理のフローチャートである。
【図3】モータ作動許可範囲設定処理において設定される作動許可最高回転数の模式図である。
【図4】作動許可最高回転数の他の模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る作動許可最高回転数の模式図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る作動許可最高回転数の模式図である。
【符号の説明】
【0077】
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、209…MAT、209a…タービン、209b…コンプレッサ、209c…モータ、210…ターボ回転センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過給器、該過給器のアシストを行うアシスト手段及び前記過給器の回転数を検出する検出手段を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
前記アシストが行われない非アシスト期間に前記検出手段が動作するか否かを判別する判別手段と、
前記検出手段が動作すると判別された場合に、前記非アシスト期間に検出された前記過吸器の回転数を表す検出可能回転数に基づいて前記アシスト手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記検出可能回転数の最大値を特定する特定手段を更に具備し、
前記制御手段は、前記最大値に基づいて前記アシスト手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記最大値以下の回転数領域で前記アシスト手段が作動するように前記アシスト手段を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記特定手段は、開始時刻から所定時間が経過した終了時刻までの時間領域で前記最大値を特定し、且つ前記終了時刻において前記時間領域に属する前記開始時刻以外の時刻を新たに前記開始時刻として設定することにより前記時間領域を更新する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記特定手段は、(i)前記時間領域を所定の基準に従って分割してなる複数の部分時間領域各々において暫定的な最大値を特定すると共に(ii)該複数の暫定的な最大値の中から前記最大値を特定し、且つ(iii)前記終了時刻において前記複数の部分時間領域の中でn番目(n:自然数)に古い前記部分時間領域をn+1番目に古い前記部分時間領域によって順次置換し、新たに最古の前記部分時間領域となった前記部分時間領域の開始時刻を前記開始時刻として設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記最大値を前記最大値が検出された時点からの経過時間に応じて減少補正する第1補正手段を更に具備し、
前記制御手段は、前記第1補正手段により補正された最大値に基づいて前記アシスト手段を制御する
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記最大値を(i)所定量増減させるか又は(ii)所定割合増減させることにより補正する第2補正手段を更に具備し、
前記制御手段は、前記第2補正手段により補正された最大値に基づいて前記アシスト手段を制御する
ことを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記アシスト手段は、前記過給器の回転数と一対一に対応する回転数を制御量とするモータを含み、該モータの回転によって前記過給器のアシストを行う
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−198307(P2007−198307A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19321(P2006−19321)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】