説明

内装部材

【課題】磁石の吸着が可能であるとともに、磁石により吸着した物品による衝突時の乗員膝部への加害を防止した内装部材を提供する。
【解決手段】自動車の車室内に設けられる内装部材1を、内装部材の一部に設けられ磁性体を配合した層P2が形成された磁性領域Mと、内装部材の他部に設けられ磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域NMとを有し、運転席又は助手席に着座する乗員の膝部と対向する部分を磁性制限領域とした

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車室内に設けられる内装部材に関し、特に磁性体を配合した層を形成した磁性領域を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車室内には、例えばインストルメントパネル等の内装部材が設けられる。インストルメントパネルは、通常、樹脂系材料からなる基材の表面に、意匠性を高めるための塗装、加飾パネルや表皮の貼付等を行なって構成されている。
このような車両の内装部材に関する従来技術として、例えば特許文献1には、自動車の車室内で容易にメモを取ることが可能なよう、インストルメントパネルの正面に書き込み可能なホワイトボードを設置したものが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、ダッシュボード(インストルメントパネル)から落下しないように小物類を載置することを目的として、磁気吸着が可能な軟質滑り止めシートをダッシュボードの表面に貼付することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−307929号公報
【特許文献2】特開2007−302849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インストルメントパネル等の内装部材の表面部に例えば磁性体塗料からなる層を設けて、例えばメモやアクセサリなどの物体を磁力で取付可能とすれば、車室内の使い勝手を向上することができ便利である。
しかし、乗員の膝部と対向する箇所に磁石によって硬質な物品や鋭利な物品が取り付けられた場合には、車両の衝突時に物品による乗員膝部への加害性が懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、磁石の吸着が可能であるとともに、磁石により吸着した物品による衝突時の乗員膝部への加害を防止した内装部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、自動車の車室内に設けられる内装部材であって、前記内装部材の一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、前記内装部材の他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、運転席又は助手席に着座する乗員の膝部と対向する部分を前記磁性制限領域としたことを特徴とする内装部材である。
これによれば、内装部材の膝部と対向する箇所には磁石の吸着が制限されるため、乗員への加害が懸念される物品が膝部に対向して取り付けられることが防止され、衝突時における乗員の膝部への加害が防止される。
【0007】
請求項2の発明は、前記内装部材は車室前部に設けられるインストルメントパネルであって、前記乗員の膝部と対向する前記インストルメントパネルの下部を前記磁性制限領域としたことを特徴とする請求項1に記載の内装部材である。
これによれば、前面衝突時における乗員の膝部保護を図ることができる。
請求項3の発明は、前記インストルメントパネルが最も車両後方側へ張り出した後端部よりも下方の領域を前記磁性制限領域としたことを特徴とする請求項2に記載の内装部材である。
これによれば、上述した効果をより確実に得ることができる。
請求項4の発明は、前記インストルメントパネルにおけるステアリングコラムよりも下方の領域を前記磁性制限領域としたことを特徴とする請求項2に記載の内装部材である。
これによれば、前面衝突時における運転者の膝部保護を図ることができる。
請求項5の発明は、前記インストルメントパネルの助手席側下部に設けられたグローブボックスリッドの少なくとも一部を前記磁性制限領域としたことを特徴とする請求項2に記載の内装部材である。
これによれば、前面衝突時における助手席搭乗者の膝部保護を図ることができる。
【0008】
請求項6の発明は、前記内装部材は運転席足元と助手席足元との間に配置されたセンターコンソールであって、前記乗員の膝部と対向する前記センターコンソールの側面部を前記磁性制限領域としたことを特徴とする請求項1に記載の内装部材である。
請求項7の発明は、前記内装部材は乗員が乗降するドアの車室内側に設けられるドアトリムであって、前記ドアトリムにおける前記乗員の膝部と対向する領域を前記磁性制限領域としたことを特徴とする請求項1に記載の内装部材である。
これらの各発明によれば、側面衝突時における乗員の膝部保護を図ることができる。
請求項8の発明は、前記内装部材は座席バックレスト背面部に設けられたハードボードであって、前記ハードボードの後方に配置された座席に着座する乗員の膝部と対向する領域を前記磁性制限領域としたことを特徴とする請求項1に記載の内装部材である。
これによれば、後列座席の搭乗者が前列座席のハードボードに取り付けられた物品によって膝部に加害を受けることを防止できる。
【0009】
請求項9の発明は、前記磁性領域は、磁性体からなる粉状体、粒状体、線状体、網状体の少なくとも1つを配合した磁性塗料を内装部材の基材に塗布して形成されることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の内装部材である。
これによれば、内装部材の形状に関わらず、磁性体を配合した塗料を塗布することによって、容易に磁石の吸着が可能な領域を形成することができる。
また、このような塗装の表面側に、他の意匠用塗装を施したり、意匠用の表皮を被せることも可能であり、磁性体を配置する箇所の設計自由度が高くかつ外観品質が良好な内装部材を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、磁石の吸着が可能であるとともに、磁石により吸着した物品による衝突時の乗員膝部への加害を防止した内装部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用した内装部材の実施例1であるインストルメントパネルの外観斜視図である。
【図2】図1のインストルメントパネルにおける磁性領域と非磁性領域との境界部の模式的拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III部矢視模式的断面図である。
【図4】本発明を適用した内装部材の実施例2であるインストルメントパネルの模式的断面図である。
【図5】本発明を適用した内装部材の実施例3であるインストルメントパネルの模式的断面図である。
【図6】本発明を適用した内装部材の実施例4であるインストルメントパネルの模式的断面図である。
【図7】本発明を適用した内装部材の実施例5であるバックレストハードボード及びドアトリムの模式的側面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、磁石の吸着が可能であるとともに、磁石により吸着した物品による衝突時の乗員膝部への加害を防止した内装部材を提供する課題を、磁性塗料を塗布して磁性領域を形成したインストルメントパネル等の内装部材において、乗員の膝部と対向する領域を磁性塗料を塗布しないかあるいは磁性体を低密度とした磁性制限領域とすることによって解決した。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明を適用した内装部材の実施例1であるインストルメントパネルについて説明する。
図1は、実施例1のインストルメントパネルの外観斜視図である。
インストルメントパネル(ダッシュボード)1は、例えば乗用車等の自動車の車室内前部に設けられる内装部材である。
インストルメントパネル1は、樹脂系材料からなる基材の表面に意匠用等の塗装を施して形成されている。この塗装については、後に詳しく説明する。
インストルメントパネル1は、上面部10、正面部20、下面部30、メータナセル40、センターコンソール50等を備えて構成されている。
【0014】
上面部10は、インストルメントパネル1の上部に、上方に面して配置された面部である。
上面部10は、例えば、車両前方側に対して後方側がやや下がった緩斜面状に形成されている。
上面部10の前端部11は、フロントガラスG(図3参照)の下端部と隣接して配置されている。
上面部10の側端部12は、図示しないAピラー(フロントガラスG側端部に沿ったピラー)の下端部と隣接して配置されている。
また、上端部10の左右の側端部12近傍には、図示しないフロントドアガラスに空調風を吹きつけるデフロスタ吹出し口13が設けられている。
【0015】
正面部20は、上面部10の車両後方側の端部から下方に延びて形成された面部である。正面部20は、運転席及び助手席に着座する図示しない乗員の上体に対向して配置されている。上面部10の後端部と正面部20の上端部とは、曲面によって滑らかに連続して形成されている。
正面部20は、ナビゲーション装置収容部21、内側吹出し口22、外側吹出し口23、加飾パネル24等を有して構成されている。
【0016】
ナビゲーション装置収容部21は、正面部20の中央部に設けられ、ナビゲーション装置の表示装置等が取り付けられる部分である。
内側吹出し口22及び外側吹出し口23は、乗員の上体に向けて空調風を吹出すものである。
内側吹出し口22は、ナビゲーション装置収容部21の左右に隣接して設けられている。
外側吹出し口23は、正面部20の車幅方向における両端部に設けられている。
加飾パネル24は、例えば木目調、金属調等の表面処理が施された意匠用の部材である。加飾パネル24は、正面部20の下端部近傍に配置され、車幅方向にほぼ沿って延在している。
【0017】
下面部30は、正面部20の下端部から下方に延びて形成された面部である。下面部30は、乗員の脚部と対向して配置されている。下面部30は、下端部側が上端部側に対して車両前方側となるように傾斜して配置されている。
下面部30における助手席側の部分には、開閉式のグローブボックスリッド31が設けられている。
また、下面部30における運転席側の部分には、図示しないステアリングコラムが設けられるコラム開口32が形成されている。
【0018】
メータナセル40は、上面部10及び正面部20における運転席と対向する部分に設けられている。メータナセル40は、上面部10及び正面部20の他部に対して隆起して形成され、内部に計器盤が設けられている。
【0019】
センターコンソール50は、下面部30の車幅方向における中央部から、車両後方に突き出して形成された部分である。
センターコンソール50は、運転席と助手席との間に配置され、その側面部の一部は、運転席又は助手席に着座した乗員の膝部と、車幅方向に対向して配置されている。
センターコンソール50は、例えば、車両前方側から順に、シフトレバー取付部51、カップホルダ52、コンソールボックス53等が設けられている。
シフトレバー取付部51は、変速機の図示しないシフトレバーが設けられる部分である。
カップホルダ52は、飲料のカップ、ボトル等を収容する凹部である。
コンソールボックス53は、上部に開閉式のリッド部を有し、小物等を収容する収容スペースである。
【0020】
インストルメントパネル1の各部の表面は、樹脂系材料の基材Bと意匠用塗装P1との中間に、例えば鉄粉等の粉状の磁性体を配合した磁性塗料P2からなる層を形成した磁性領域Mと、このような磁性塗料P2からなる層を形成しない非磁性領域NM(磁性制限領域)とを有している。
このような構成により、磁性領域Mにおいては、磁石を吸着させることが可能であり、アクセサリやメモ等を簡易に取り付けることが可能となっている。
【0021】
図2は、インストルメントパネル1における磁性領域と非磁性領域との境界部の模式的拡大断面図である。
図2に示すように、磁性領域Mにおいては、基材Bの表面に磁性塗料P2からなる層が形成され、その表面に意匠用塗料P1からなる層が形成されている。
一方、非磁性領域NMにおいては、基材Bの表面に直接意匠用塗装P1からなる層が形成されている。
【0022】
以下、実施例1における非磁性領域の配置について説明する。
実施例1においては、インストルメントパネル1の下面部30が運転席及び助手席に着座した乗員の膝部と対向する箇所を非磁性領域NMとしている。
具体的には、助手席側においては、グローブボックスリッド31の中央部から下部にかけて非磁性領域NMとしている。
また、運転席側においては、下面部30におけるコラム開口32よりも下方の領域を非磁性領域NMとしている。
さらに、センターコンソール50の側面部のうち、車両前方に設けられた乗員膝部と車幅方向に対向する領域も非磁性領域NMとしている。
図1において、非磁性領域NMに斜線を付して示す。
なお、正面部20の加飾パネル24は、その構造上磁性塗料からなる層は形成していない。非磁性領域NMは、加飾パネル24を上下方向に挟んでその両側に形成されている。
【0023】
図3は、インストルメントパネル1を助手席正面部で車幅方向に対して直交する平面で切って見た横断面形状(図1のIII−III部矢視断面)を示す模式的断面図である。
図3に示すように、インストルメントパネル1は、全体としては車両後方側(乗員側)が凸となるように張り出して形成されている。上述した非磁性領域NMは、インストルメントパネル1の下面部30の表面部が最も乗員に近接する後端部の周辺を上端部とし、ここから下方へ展開している。
【0024】
以上説明した実施例1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)磁石の吸着が可能な磁性領域Mを形成したことによって、例えば小物、メモ、有料道路や駐車場等のチケット等を磁石によってインストルメントパネル1に簡易に取り付けることができ、利便性を向上することができる。
(2)磁性領域Mを、基材Bの表面側に磁性塗料を塗布して形成したことによって、インストルメントパネル1の形状等の設計自由度を損なうことなく容易に磁性を帯びさせることが可能である。
(3)磁性領域Mにおける磁性塗料P2の表面側に、意匠用塗料P1を塗布することによって、外観品質を向上することができる。
(4)インストルメントパネル1の下面部30に非磁性領域NMを設けたことによって、前面衝突時における乗員の膝部保護を図ることができる。
(5)センターコンソール50の側面部に非磁性領域NMを設けたことによって、側面衝突時における乗員の膝部保護を図ることができる。
【実施例2】
【0025】
次に、本発明を適用した内装部材の実施例2であるインストルメントパネルについて説明する。
なお、以下説明する各実施例においては、従前の実施例と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図4は、実施例2のインストルメントパネル1Bを助手席正面部で車幅方向に対して直交する平面で切って見た横断面形状を示す模式的断面図である。
【0026】
図4に示すように、実施例2のインストルメントパネル1Bにおいては、上面部10の前後方向における中間部に、車幅方向にほぼ沿って溝状に伸びた凹面部14が形成されている。
上面部10における凹面部14より車両前方側の領域は、凹面部14に対して上方に隆起しかつ上方が凸となる凸曲面状に形成されている。
上面部10における凹面部14より車両後方側の領域は、正面部20、下面部30とともに、車両後方側が凸となる凸曲面状に形成されている。
【0027】
実施例2においては、前面部20が最も搭乗者側(後方側)に張り出した加飾パネル24よりも下方の領域に、非磁性領域NMが設けられている。
以上説明した実施例2においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0028】
次に、本発明を適用した内装部材の実施例3であるインストルメントパネルについて説明する。
図5は、実施例3のインストルメントパネル1Cを助手席正面部で車幅方向に対して直交する平面で切って見た横断面形状を示す模式的断面図である。
【0029】
図5に示すように、実施例3のインストルメントパネル1Cにおいては、下面部30の前後方向における中間部に、車幅方向にほぼ沿って溝状に伸びた凹面部33が形成されている。
下面部30における凹面部33より車両前方側の領域は、凹面部33に対して下方に隆起しかつ下方が凸となる凸曲面状に形成されている。
下面部30における凹面部33より車両後方側の領域は、正面部20、上面部10とともに、車両後方側が凸となる凸曲面上に形成されている。
【0030】
実施例3においては、前面部20が最も搭乗者側(後方側)に張り出した加飾パネル24よりも下方の領域に、非磁性領域NMが設けられている。
以上説明した実施例3においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0031】
次に、本発明を適用した内装部材であるインストルメントパネルの実施例4について説明する。
図6は、実施例4のインストルメントパネル1Dを助手席正面部で車幅方向に対して直交する平面で切って見た横断面形状を示す模式的断面図である。
【0032】
図6に示すように、実施例4のインストルメントパネル1Dにおいては、グローブボックスリッド31を含む下面部30が、車両後方側に突き出した凸面状に形成されている。
実施例4においては、下面部30の全面が非磁性領域NMとなっており、他の部分が磁性領域Mとなっている。
以上説明した実施例4においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0033】
次に、本発明を適用した内装部材の実施例5であるバックレストのバックレストハードボード及びドアトリムについて説明する。
図7は、実施例5のバックレストハードボード及びドアトリムの模式的側面視図である。
実施例5において、車両は、例えば、前席110及び後席120を配列した2列シートの乗用車である。
前席110のバックレスト(背もたれ)の後面部には、例えば樹脂等の硬質材料によって形成されたハードボード111が設けられている。
また、後席120の側部に設けられたドアの車室内側の面には、樹脂製の内装部材であるドアトリム130が設けられている。
【0034】
実施例5においては、ハードボード111が後席120に着座した乗員Pの膝部と対向する領域を非磁性領域NMとして、その他の領域を磁性領域Mとしている。
また、ドアトリム130においては、乗員Pの膝部と車幅方向に対向する前方下部の領域を非磁性領域NMとして、その他の領域を磁性領域Mとしている。
以上説明した実施例5においては、ハードボード111及びドアトリム130への磁石の吸着を可能として車室内の利便性を向上するとともに、乗員Pの膝部と対向する領域を非磁性領域NMとすることによって、衝突時における乗員膝部の保護を図ることができる。
【0035】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)各実施例では、磁性制限領域を、磁性体を実質的に配置しない非磁性領域としたが、本発明はこれに限らず、例えば、磁性領域に対して相対的に弱い磁性を持たせた領域を磁性制限領域としてもよい。このような磁性制限領域は、例えば、磁性領域に対して低密度の磁性体が配合された磁性塗料を塗布したり、磁性塗料の塗布厚さを薄くして形成することができる。
(2)本発明が適用される内装部材は、各実施例のインストルメントパネル、センターコンソール、ドアトリム、ハードボード等に限らず、その他の内装部材であってもよく、磁性領域と磁性制限領域の配置、形状等も限定されない。また、膝部保護を目的とした磁性制限領域以外に他の磁性制限領域を設けてもよい。
(3)各実施例では、磁性塗料は、例えば鉄粉を配合して構成されているが、鉄に代えてその他の磁性体を用いてもよい。また、磁性体の携帯も粉状体に限らず、粒状体、線状体、網状体などとしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1,1B,1C,1D インストルメントパネル
10 上面部
11 前端部 12 側端部
13 デフロスタ吹出し口 14 凹面部
20 正面部
21 ナビゲーション装置収容部 22 内側吹出し口
23 外側吹出し口 24 加飾パネル
30 下面部 31 グローブボックスリッド
32 コラム開口 33 凹面部
40 メータナセル 50 センターコンソール
51 シフトレバー取付部 52 カップホルダ
53 コンソールボックス
M 磁性領域 NM 非磁性領域
B 基材 P1 意匠用塗料
P2 磁性塗料
110 前席 111 ハードボード
120 後席 130 ドアトリム
P 乗員 G フロントガラス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車室内に設けられる内装部材であって、
前記内装部材の一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、
前記内装部材の他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、
運転席又は助手席に着座する乗員の膝部と対向する部分を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする内装部材。
【請求項2】
前記内装部材は車室前部に設けられるインストルメントパネルであって、
前記乗員の膝部と対向する前記インストルメントパネルの下部を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする請求項1に記載の内装部材。
【請求項3】
前記インストルメントパネルが最も車両後方側へ張り出した後端部よりも下方の領域を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする請求項2に記載の内装部材。
【請求項4】
前記インストルメントパネルにおけるステアリングコラムよりも下方の領域を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする請求項2に記載の内装部材。
【請求項5】
前記インストルメントパネルの助手席側下部に設けられたグローブボックスリッドの少なくとも一部を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする請求項2に記載の内装部材。
【請求項6】
前記内装部材は運転席足元と助手席足元との間に配置されたセンターコンソールであって、
前記乗員の膝部と対向する前記センターコンソールの側面部を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする請求項1に記載の内装部材。
【請求項7】
前記内装部材は乗員が乗降するドアの車室内側に設けられるドアトリムであって、
前記ドアトリムにおける前記乗員の膝部と対向する領域を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする請求項1に記載の内装部材。
【請求項8】
前記内装部材は座席バックレスト背面部に設けられたハードボードであって、
前記ハードボードの後方に配置された座席に着座する乗員の膝部と対向する領域を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とする請求項1に記載の内装部材。
【請求項9】
前記磁性領域は、磁性体からなる粉状体、粒状体、線状体、網状体の少なくとも1つを配合した磁性塗料を内装部材の基材に塗布して形成されること
を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の内装部材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−171571(P2012−171571A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38150(P2011−38150)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】