説明

処理システムからの熱を回収する方法及び装置

廃棄流出物から熱を回収する方法及び装置を本明細書に開示する。一部の実施形態では、装置は、気体又は液体処理のために構成された第1の処理チャンバと、液体処理のために構成された第2の処理チャンバと、コンプレッサ及び第1の熱交換器を有するヒートポンプとを含むことができ、コンプレッサは、第1の処理チャンバから排出された第1の廃棄物を使用するように構成され、第1の熱交換器は、熱をその間で伝達するように構成された第1及び第2の側面を有し、第1の側面は、それを通過して液体反応剤を第2の処理チャンバ内に流すように構成され、第2の側面は、それを通過して第1の処理チャンバからの加圧された第1の廃棄物を流すように構成される。一部の実施形態では、液体反応剤を第2の処理チャンバに入る前に更に加熱するために、加熱器をヒートポンプと第2の処理チャンバの間に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的には、半導体、フラットパネル、太陽電池、又は他のシリコン及び薄膜処理チャンバ及び機器に関し、より具体的には、こうした処理システムからの熱を回収する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、フラットパネル、太陽電池、及び他のシリコン又は薄膜の処理システムにおいて、多くの処理は、液体又は気体反応剤の予熱をこの処理システムでの使用の前に必要とする。反応剤は、多くの場合、ユーズポイント加熱器のような加熱器又は類似の加熱装置を用いて使用直前に加熱される。処理の後、処理システムから廃棄された流出物(例えば、使用済み又は「汚れた」水又は化学剤、及び気体排出物など)は、典型的に廃棄物処理システムに誘導され、廃棄物が処理及び/又は廃棄される。非常に多くの場合に、これらの廃棄物は、それらを廃棄するか又はより冷たい媒体で希釈することができる前に冷却されるか又は周囲空気に熱を消散する必要があり、多くの場合に、これも次に同じく除去する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
反応剤の予熱は、有意な量のエネルギを必要とし、これは、製造コストを増大させる可能性があるので、本発明は、こうした製造コストの低減を容易にするために廃棄流出物からの熱を回収する方法及び装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
廃棄流出物から熱を回収する方法及び装置を本明細書に開示する。一部の実施形態では、装置は、液体処理のために構成された処理チャンバと、熱をその間で伝達するように構成された第1及び第2の側面を有し、第1の側面がそれを通過して液体反応剤を処理チャンバ内に流すように構成され、第2の側面がそれを通過して廃棄物を処理チャンバから流すように構成された第1の熱交換器と、第1の熱交換器の第1の側面に沿って配置されて液体反応剤を処理チャンバに入る前に加熱する加熱器とを含む基板処理システムを含む。
【0005】
一部の実施形態では、基板処理システムは、廃熱を蓄えた第1の廃液を供給する廃熱源と、チャンバの内部容積に反応剤を供給するように構成された反応剤源が連結された第1の処理チャンバと、廃熱源と処理チャンバの内部容積内に反応剤を流す流入反応剤ラインとの間に連結され、廃熱源からの熱を流入反応剤ライン内の反応剤に伝達するように構成されたヒートポンプとを含むことができる。一部の実施形態では、ヒートポンプは、コンプレッサと第1の熱交換器とを含むことができ、コンプレッサは、廃熱源と熱交換器の第1の側面とに沿って連結され、第1の廃液が熱交換器の第1の側面を通過して流れる前に第1の廃液を加圧し、第1の熱交換器の第2の側面は、反応剤が通過して流れるように構成される。
【0006】
一部の実施形態では、システムは、反応剤を第1の処理チャンバに入る前に加熱するために第1の熱交換器の第2の側面に沿って配置された加熱器を更に含む。一部の実施形態では、廃熱源は、液体又は気体処理のために構成された処理チャンバ、圧縮空気システム、空気分離コンプレッサからの排出物、軽減化デバイスからの気体排出物又は液体冷却剤、又は電気及び/又は機械機器からの熱風又は液体冷却剤などのうちの1つ又はそれよりも多くを含むことができる。
【0007】
一部の実施形態では、第1の処理チャンバは、液体処理のために構成され、廃熱源は、気体処理のために構成された第2の処理チャンバを含み、第2の処理チャンバからの気体排出物として第1の廃熱を供給する。
【0008】
一部の実施形態では、システムは、熱をその間で伝達するように構成された第1及び第2の側面を有する第2の熱交換器を更に含み、第2の熱交換器の第1の側面は、反応剤が通過して第1の処理チャンバ内に流れるように構成され、第2の熱交換器の第2の側面は、第1の処理チャンバから排出された第2の廃液が通過して流れるように構成される。
【0009】
本発明の1つの態様では、廃棄流出物から熱を回収する方法を開示する。一部の実施形態では、基板を処理する方法は、液体反応剤を処理システム内に流すための第1の側面と、処理チャンバから廃棄物を直接に又は中間リザーバからポンピングして流すための第2の側面とを有する熱交換器に連結された液体処理のために構成された処理チャンバを準備する段階と、熱交換器の第2の側面を通過して流れる廃棄物からの熱を熱交換器の第1の側面を通過して流れる反応剤に伝達することによって液体反応剤を予熱する段階と、予熱された液体反応剤を熱交換器と処理チャンバの間に配置された加熱器を使用して望ましい温度に加熱する段階とを含む。
【0010】
一部の実施形態では、基板を処理する方法は、液体反応剤を予熱するために熱交換器の第1の側面を通過して液体反応剤を流す段階と、予熱した液体反応剤を加熱器を使用して望ましい温度に加熱する段階と、加熱液体反応剤を液体処理のために構成された処理チャンバに流す段階と、処理廃棄物をチャンバから(直接に又は中間リザーバからポンピングして)熱交換器の第2の側面を通して流し、熱交換器の第1の側面を通過して流れる液体反応剤を予熱する段階とを含む。
【0011】
一部の実施形態では、基板を処理する方法は、反応剤を廃熱源に連結したヒートポンプを通して流し、廃熱源から反応剤に熱を伝達することによって反応剤を加熱する段階と、基板を処理するために加熱反応剤を処理チャンバに流す段階とを含むことができる。一部の実施形態では、基板を処理する方法は、第1の熱交換器の第1の側面を通して反応剤を流し、第1の熱交換器の第2の側面を通過して流れる加圧廃熱流体から熱を伝達することによって反応剤を加熱する段階と、基板を処理するために加熱反応剤を処理チャンバに流す段階とを含むことができる。一部の実施形態では、廃熱源又は廃熱流体は、気体処理のために構成された処理チャンバ、圧縮空気システム、空気分離コンプレッサからの液体廃棄物、排出物、又は液体冷却剤、軽減化デバイスからの気体排出物又は液体冷却剤、又は電気及び/又は機械機器からの熱風又は液体冷却剤などのうちの1つ又はそれよりも多くを含むことができる。
【0012】
他の及び更に別の実施形態は、以下の「発明を実施するための形態」に説明する。
【0013】
本発明の上述の特徴を詳細に理解することができるような方法で、上記で要約した本発明のより詳細な説明を添付図面に一部を示す実施形態を参照することによって行うことができる。しかし、本発明は、他の同等に有効な実施形態を受け入れることができるので、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すのみであり、従って、その範囲の制限と考えないものとすることに注意されたい。
【0014】
理解を容易にするために、諸図に共通な同一要素を表すために可能な時は同一の参照番号を使用した。図面は一定比率ではなく、かつ説明目的のために単純化されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一部の実施形態による処理システムの概略図である。
【図2】本発明の一部の実施形態による半導体処理システムを示す図である。
【図3】本発明の一部の実施形態による半導体処理システムを示す図である。
【図3A】本発明の一部の実施形態による半導体処理システムを示す図である。
【図4】本発明の一部の実施形態による半導体処理システムを示す図である。
【図5】本発明の一部の実施形態による半導体処理システムを示す図である。
【図5A】本発明の一部の実施形態による熱回収装置を示す図である。
【図6】本発明の一部の実施形態による廃棄流出物から熱を回収する方法の流れ図である。
【図7】本発明の一部の実施形態による廃棄流出物から熱を回収する方法の流れ図である。
【図8】本発明の一部の実施形態による廃棄流出物から熱を回収する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
処理システムにおいて廃棄流出物から熱を回収して利用する方法及び装置を本明細書に開示する。本発明の方法及び装置は、処理システムからの廃熱(例えば、処理チャンバからの廃棄流出物、並びに処理システムの他の構成要素によって発生した廃熱)を利用して同じ及び/又は他の処理システムで使用される前の流体を予熱することにより、基板処理システム(例えば、半導体、フラットパネル、太陽電池、又は他のシリコン及び薄膜処理システム)におけるエネルギ消費の低減を有利に促進にする。廃棄流出物の熱の低減は、廃棄の軽減化又は他の手段によるなどの廃棄流出物の以後の処理に対して更に有利である。
【0017】
図1は、本発明の一部の実施形態による概略的な処理システムを示している。処理システム1は、加熱した入力(気体又は液体)を必要とする処理を作動させることができる。図1の実施形態では、冷超純水(UPW)のような入力2が、処理チャンバ3に供給されている。処理システムは、複数の廃熱源4、5、6を更に含む。廃熱源は、以下でより詳細に説明するように、処理機器、軽減機器、又は空気処理機器などとすることができる。一部の実施形態では、廃熱源(例えば、廃熱源4)は、処理チャンバ3と廃熱源4とを接続する破線で示すように、処理チャンバ3それ自体からの廃棄流出物とすることができる。処理システム1は、廃熱源5、6からの熱を廃棄物システム10内での廃棄の前に処理チャンバ3への入力に伝達して加熱する1つ又はそれよりも多くのヒートポンプ7を含む。適合性があれば、廃熱源5、6は、集められて同じヒートポンプを通過することができる(図示のように)。代替的に、適合性のない廃熱は、個別のヒートポンプシステムを通過することができる(図示せず)。任意的に、予熱器(熱交換器8のような)は、ヒートポンプ7に適合性のない排出物/廃棄物からの熱を廃棄物システム11内での廃棄の前に処理チャンバ3への入力2に伝達するために使用することができる。一部の実施形態では、廃棄物システム10及び/又は11は、同じ廃棄物システムである。同じく任意的に、加熱器9を設けることができ、処理のための望ましい温度まで必要に応じて入力2が更に加熱される。このシステムの多くの変形を以下に説明する。
【0018】
図2は、本発明の一部の実施形態による基板処理システム100を示している。半導体処理システム100は、湿潤処理(例えば、湿潤ベンチ処理)を行うように構成された処理チャンバ102を含むことができる。処理チャンバ102は、加熱を必要とする流入液体反応剤とそれから熱を回収することができる廃棄流出物とを有する液体処理のために構成されたあらゆる適切な処理チャンバとすることができる。適切な処理チャンバとしては、プレサーマル又はポストストリップ湿潤洗浄などのような湿潤ケミカル化学エッチング又は洗浄のために構成されたあらゆる単一基板又はバッチ洗浄システムを含むことができる。例示的な処理チャンバとしては、カリフォルニア州サンタクララ所在の「Applied Materials、Inc.」から入手可能である「OASIS STRIP(登録商標)」又は「OASIS CLEAN(登録商標)」チャンバが挙げられる。
【0019】
図1に示すように、処理チャンバ102は、基板114を保持する基板支持器112を含むことができる。基板114は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープ又は非ドープポリシリコン、ドープ又は非ドープシリコンウェーハ、パターンド又は非パターンドウェーハ、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、カーボンドープ酸化シリコン、シリコン窒化物、ドープシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア、ディスプレイ基板(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(EL)ランプディスプレイ、その他)、太陽電池アレイ基板、発光ダイオード(LED)基板などのような処理されるあらゆる適切な材料とすることができる。基板114は、200mm又は300mm直径ウェーハ、並びに矩形又は正方形パネルのような様々な寸法を有することができる。基板114の前側表面は、親水性、疎水性、又はその組合せとすることができる。前側表面は、パターン化することができ、又はその上に配置されたホトマスクのような1つ又はそれよりも多くのパターン層を有することができる。
【0020】
基板114は、基板支持器112の表面上に形成された凹部116内に配置することができる。凹部116は、例えば、反応剤の浴内に基板114を浸漬するために使用することができる。反応剤は、支持器112上に配置されたノズル118によって供給することができる。凹部116は、基板支持器の表面内に形成された窪みに制限されることを要しない。従って、凹部116は、例えば、基板114を基板の周囲で支持するように構成されたエッジリング又はブラケット(図示せず)によって形成することができ、その場合、基板114は、凹部の基部を形成する。基板支持器は、基板114の裏側の約3mm下に配置されたプレート(図示せず)を更に含むことができる。このプレートは、メガソニック周波数範囲又は約800から約2000kHzでの音波を放射することができる変換器(図示せず)を含むことができる。
【0021】
流体給送ポート(図示せず)は、基板支持器112内にプレートを通過して配置することができ、プレートと基板112の裏側の間の3mmの間隙(図示せず)を処理中に液体で満たすように流体が供給される。液体は、例えば、洗浄処理中の撹拌を提供するための手段として、又はウェーハを加熱する方法として基板114にメガソニックエネルギを伝達する担体の機能を果たす。基板支持器112は、持ち上げ/回転機構を更に含むことができ、それは、例えば、基板114の前側表面にわたって均一に反応剤を制御的に拡げるのに利用することができる。処理チャンバ102の上部は、処理チャンバ内にかつ基板114の前側に流れる空気を清浄化するフィルタ(図示せず)を含むことができる。
【0022】
ノズル118は、処理チャンバ102の壁で流入流体ライン104に連結することができる。ノズルは、基板114の前側表面上に気体、蒸気、又は液体を直接流すように設けることができる。一部の実施形態では、ノズル118は、反応剤を凹部116を満たすように、従って、反応剤内に基板114の前側が浸漬されるように分注することができる。一部の実施形態では、ノズルは、反応剤を基板112の前側表面全面にわたって均一に拡がるように分注することができる。例えば、前側表面は、前側表面を反応剤で覆うのに十分な回転速度を維持しながら反応剤で基板114の前側表面を覆うのに十分な流量で反応剤を分注することによって反応剤で覆うことができる。
【0023】
反応剤源108は、流入流体ライン104を通じて処理チャンバ102に連結され、例えば、ノズル118を通じて処理チャンバ102に液体反応剤を供給する。加熱器120は、処理チャンバ102で使用する前にそれを通過して流れる液体を加熱するために流体ライン104に沿って配置することができる。加熱器120は、例えば、熱損失をできるだけ小さくするように処理チャンバ102にできるだけ接近し、流体ライン104に沿ったあらゆる適切な地点に配置することができる。加熱器120は、例えば、ユーズポイント加熱器又は望ましい温度に反応剤を加熱するための他の適切な加熱装置とすることができる。例えば、一部の実施形態では、反応剤源108によって供給される液体反応剤は、摂氏約15から約180度の温度にあるとすることができる。一部の実施形態では、加熱器120は、摂氏約35から約180度の温度に液体反応剤を加熱することができる。
【0024】
熱交換器103は、加熱器120の上流で流入流体ライン104に沿って配置され、反応剤源108から来る液体反応剤は、加熱器120を通過して流れる前に予熱される。熱交換器103は、一般的に、熱をそれらの間で伝達するようにロバストに熱的連結された第1の側面及び第2の側面を含む。熱交換器103の第1の側面は、流入流体ライン104に沿って連結され、それによって反応剤源106によって供給された液体反応剤がこの側面を通過して流れる。熱交換器103の第2の側面は、それを通過して処理チャンバ102からの廃棄物を流すために処理チャンバ102の廃棄物ライン106に沿って連結することができる。
【0025】
処理チャンバ102から来る廃棄物内に蓄積された熱は、熱交換器103を通じて処理チャンバ102に供給される液体反応剤に伝達される。例えば、一部の実施形態では、処理の後に処理チャンバ102から排出される廃棄物は、摂氏約30から約180度の温度にあるとすることができる。廃棄物内に蓄積された熱は、従って、処理チャンバ102に供給される液体反応剤を予熱するために使用することができ、それによって液体反応剤を加熱するために加熱器120によって必要とされる電力が低減される。一部の実施形態では、廃棄物ライン106から伝達された熱を使用する液体反応剤の予熱は、加熱器120によるエネルギ消費を少なくとも約20%低減することができる。
【0026】
熱交換器103は、2つの液体の間の熱を交換するためのあらゆる適切な熱交換器とすることができ、利用することができる物理的空間に依存したあらゆる適切な寸法のものとすることができる。一部の実施形態では、熱交換器103は、非加圧システムとすることができ、その場合、廃棄物は、重力を受けて熱交換器の第2の側面を通過して流れることができる。一部の実施形態では、熱交換器103は、加圧システムとすることができ、その場合、廃棄物は、例えば、タンク又は中間リザーバ105内に集めることができ、熱交換器の第2の側面を通過してポンピングすることができる。
【0027】
個別の構成要素として示されているが、一部の実施形態では、熱交換器103は、上述の両方の機能を供給する単一デバイス内で加熱器120と一体化することができる。一部の実施形態では、熱交換器103は、処理チャンバ102と一体化することができ、それによって液体反応剤は、熱交換器を通過して処理チャンバに送出される前により低い温度に加熱されることを要するのみで、熱交換器は、望ましい処理温度に液体反応剤の温度を上昇させることができ、又は熱交換器は、それへの加熱器の取付けを可能にするように構成された出口を有することができる。
【0028】
廃棄物ライン106は、処理チャンバ102の基部に連結することができる。処理チャンバ102の基部は、図1に示すような水平である必要はなく、基部に配置されてそれに連結された廃棄物ライン106を有するドレーンのような特異箇所に向けて廃棄流出物が流れるようにして一般的に傾斜させることができる。処理チャンバ102からの廃棄物は、廃棄物ライン106を通過して、廃棄物の処理及び/又は廃棄のために、例えば、廃棄物システム110に流れる。廃棄物システム110は、例えば、軽減システム又は廃棄物の廃棄に適切な他のシステムを含むことができる。
【0029】
流入流体ライン104は、廃棄物ライン106と流体ライン内の液体反応剤の間のロバストな熱伝達を容易にするあらゆる適切な材料を含むことができる。廃棄物ライン106は、廃棄物と流体ライン104の間のロバストな熱伝達を容易にするあらゆる適切な材料を含むことができる。一部の実施形態では、この材料は高い熱伝導度を有することができる(例えば、約300W/mKに等しいか又はそれよりも大きい)。一部の実施形態では、例えば、材料適合性のためにポリマーを使用する必要がある時に、熱伝導度はより低くてもよい。一部の実施形態では、この材料は、銅、鋼、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、チタン、タングステン、高ニッケル含有合金、カーボン、ポリマー、シリコン、シリコン被覆金属、アルミニウム、カーボン、石英、セラミック、及びガラス、並びにセラミック及び/又はガラス被覆材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態では、流入流体ライン104の材料は、反応剤との化学的適合性に基づいて選択することができる。一部の実施形態では、廃棄物ライン106の材料は、廃棄流出物との化学的適合性に基づいて更に選択することができる。
【0030】
上述のように、廃棄物ライン106の一部分(すなわち、熱交換器103の第2の側面)は、流入流体ライン104の一部分(すなわち、熱交換器103の第1の側面)と熱的に連結される。代替的に、廃棄物ライン106内を流れる廃棄物と流体ライン104内を処理チャンバ102に流れる液体反応剤との間の熱伝達をできるだけ大きくするために、廃棄物ライン106は、流体ライン104の周りにコイル状に巻かれ、又はあらゆる適切な構造で流入流体ライン104に熱的に連結することができる(例えば、本質的に廃棄物ライン106と流入流体ライン104の構成によって熱交換器を形成する)。代替的に又は組み合わせて、廃棄物ライン106の一部分は、流体ライン104内の反応剤への熱伝達を容易にするために反応剤源108に熱的に連結することができる。
【0031】
処理システム100は、チャンバの作動を制御し及び/又は処理システム100の1つ又はそれよりも多くの他の構成要素を制御するために処理チャンバ102に連結されたコントローラ122を含む。コントローラ122は、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、及び支持器回路を一般的に含む(図示せず)。コントローラ122は、処理チャンバ102及び様々なチャンバ構成要素を直接に制御し、又は代替的に、各チャンバ構成要素に対応した個別コントローラを通じて制御する。一部の実施形態では、例えば、CPUを持たない工業用コントローラのような他の制御要素を利用することができる。
【0032】
作動においてかつ最初に、液体反応剤は、反応剤源108から流入流体ライン104に流入し、加熱器120によって望ましい温度まで加熱することができる。反応剤は、次に、処理チャンバ102に流入してノズル118を通過して基板114に流れることができる。反応剤は、基板114からの材料又はその上に配置された材料と反応し及び/又はこの材料で汚染され、それによって廃棄物になる。廃棄物は、チャンバ102の基部で廃棄物ライン106を通じて廃棄される。廃棄物ライン106は、熱交換器103を通じて廃棄物から流体ライン104内の反応剤に熱を伝達する。廃棄物から回収された熱によって高い温度を有する液体反応剤は、処理チャンバ102に入る前に必要とする加熱器120からのエネルギがより少ない。従って、廃棄物から回収された熱は、処理システム100、かつ一部の実施形態では加熱器120によるエネルギ消費を低減することができる。
【0033】
代替的に、廃熱は、上述のような廃棄流出物からの内部再利用廃熱の代わりに外部廃熱源によって供給することができる。外部廃熱源に依存する例示的な処理システムは、以下に説明して図3に示している。
【0034】
図3は、本発明の一部の実施形態による基板処理システムを示している。半導体処理システムは、半導体処理システム300と、システム300で使用する反応剤を予熱するように構成された廃熱回収システム301とを含む。半導体処理システム300は、処理システム100と実質的に類似している。しかし、中間リザーバ105を廃棄物システム110に連結する廃棄物ライン107は、廃棄物ライン106がシステム100に対して行うようには、システム300において流入流体ライン104に廃熱を提供しない。
【0035】
廃熱回収システム301は、廃熱導管125を通じて廃熱源123に連結してシステム300の流入流体ライン102(又は加熱が望ましい他の流体ライン)に連結するヒートポンプ124を含む。廃熱回収システム301は、廃熱源123からの廃熱を使用して流入流体ライン104を通過する反応剤を予熱する。
【0036】
廃熱源123は、例えば、加熱浴からの液体化学剤、気体処理のために構成された処理チャンバからの液体冷却剤又は気体排出物、処理ポンプスタック、他のチャンバ機器(プラズマ源、加熱器、熱水排出物などのような)、圧縮空気システム、空気分離コンプレッサ、軽減化デバイスからの気体排出物又は液体冷却剤、電気及び/又は機械機器からの熱風又は液体冷却剤などのような液体又は気体処理又は他の製造機器からの廃熱のあらゆる適切な供給源とすることができる。ヒートポンプ124は、廃熱導管125に沿って配置される。廃熱導管125は、廃熱源123を排出システム129に更に連結することができる。排出システム129は、例えば、軽減システム、又は別の適切な廃棄物処理システムとすることができる。廃熱導管125は、廃熱源123から排出システム129に排出された移送気体廃棄物のために典型的に利用することができる。
【0037】
一部の実施形態では、ヒートポンプ124は、コンプレッサ126及びヒートポンプ熱交換器128を含む。個別の構成要素として示されているが、一部の実施形態では、ヒートポンプ124は、加熱器120又は異なる加熱器を更に含む(例えば、それと一体化することができる)。ヒートポンプは、液体対水ジオサーミックヒートポンプと同様に作動することができる。代替的に、ヒートポンプ124は、加熱器を必要とする場合、加熱器120のような加熱器に任意的に連結されるように適応させることができる。
【0038】
一部の実施形態では、コンプレッサ126は、廃熱源123とヒートポンプ熱交換器128の間に廃熱導管125に沿って配置することができる。コンプレッサ126は、気体廃棄物を圧縮するためのあらゆる適切なデバイスとすることができる。気体廃棄物の高められた圧力は、廃熱導管125内の廃棄物の温度を高めることにより、ヒートポンプ熱交換器128内の改善した熱伝達を容易にする。
【0039】
ヒートポンプ熱交換器128は、廃棄流出物と流入流体の間で熱を交換するためのあらゆる適切な熱交換器とすることができ、利用することができる物理的空間によったあらゆる適切な寸法とすることができる。ヒートポンプ熱交換器128は、流入流体ライン104に沿って加熱器120(存在すれば)の上流に配置され、反応剤源108から来る反応剤を処理チャンバ102(又は加熱された反応剤が使用される他の箇所)に入る前に予熱する。ヒートポンプ熱交換器128は、熱をその間で伝達するためにロバストに熱的連結された第1の側面及び第2の側面を一般的に含む。ヒートポンプ熱交換器128の第1の側面は、流入流体ライン104に沿って連結され、それによって反応剤源108によって供給される反応剤は、この側面を通過して流れる。ヒートポンプ熱交換器128の第2の側面は、廃熱源123からこの側面を通過して廃棄物を流すために廃熱導管125に沿って連結される。
【0040】
作動中に、流入流体ライン104を通過して流れる反応剤は、廃熱導管125を通過して流れる廃棄流出物からの熱の伝達によってヒートポンプ熱交換器128の内で加熱することができる。ヒートポンプ熱交換器128を通過して流れる前のコンプレッサ126による廃棄流出物の圧縮は、廃棄流出物の温度の上昇により熱伝達を高める。
【0041】
廃熱源123から来る廃棄流出物内に蓄積された熱は、処理チャンバ102に供給される反応剤にヒートポンプ熱交換器128を通じて伝達される。例えば、一部の実施形態では、廃熱源123から排出された気体廃棄物は、摂氏約30から約90度の温度にあるとすることができる。すなわち、気体廃棄物内に蓄積された熱は、処理チャンバ102に供給される反応剤を予熱するために使用することができ、それによって液体反応剤を望ましい温度に加熱するために加熱器によって必要とされる電力要件が低減又は除去される。一部の実施形態では、廃熱導管125から伝達された熱を用いる反応剤の予熱は、加熱器120によるエネルギ消費を低減することができる。一部の実施形態では、廃熱導管120から伝達された熱は、加熱器120による更に別の加熱の必要性を完全になくすことができる。
【0042】
少なくともヒートポンプ熱交換器128内部において、流入流体ライン104及び廃熱導管125は、廃熱導管125と流体ライン内の流体との間のロバストな熱伝達を容易にするあらゆる処理適合性の適切な材料を含むことができる。一部の実施形態では、この材料は、高い熱伝導度を有することができる(例えば、約300W/mKに等しいか又はそれよりも大きい)。一部の実施形態では、例えば、材料適合性のためにポリマーを使用する必要がある時に、熱伝導度はより低くてもよい。一部の実施形態では、この材料は、銅、鋼、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、チタン、タングステン、高ニッケル含有合金、カーボン、ポリマー(例えば、ポリメチレンペンテン(TPX(登録商標)のようなPMP)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTPE)、及び他のフッ素化又は架橋フッ素化ポリマーの非限定的な例)、シリコン、シリコン被覆金属、アルミニウム、カーボン(結晶、アモルファス、及びガラス状グラファイトを含む)、石英、セラミック、及びガラス、並びにセラミック及びガラス被覆材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態では、流入流体ライン104及び/又は廃熱導管125の材料は、それらの中を流れるそれぞれの流体との化学的適合性に基づいて選択することができる。
【0043】
上述のように、廃熱導管125の一部分(すなわち、ヒートポンプ熱交換器128の第2の側面)は、流入流体ライン104の一部分(すなわち、ヒートポンプ熱交換器128の第1の側面)と熱的に連結される。廃熱導管125内を流れる廃棄物と流入ライン104内を処理チャンバ102に流れる反応剤との間の熱伝達をできるだけ大きくするために、ヒートポンプ熱交換器128は、流体ライン104の周りにコイル状に巻かれ、又はあらゆる適切な構造で流入流体ライン104に熱的に連結することができる。代替的に又は組み合わせて、ヒートポンプ熱交換器128の一部分は、流体ライン104内の反応剤への熱伝達を容易にするために反応剤源108と熱的に連結することができる。
【0044】
一部の実施形態では、かつ図3Aに表されているように、ヒートポンプ124は、ヒートポンプ124の内部導管内に配置された熱伝達流体を有する閉ループシステムを利用することができる。内部導管の一部分は、廃熱導管125と共に第1のヒートポンプ熱交換器128Aを形成する。内部導管の別の一部分は、流入流体ライン104と共に第2のヒートポンプ熱交換器128Bを形成する。作動中、ヒートポンプ124は、熱伝達流体を気化させる第1のヒートポンプ熱交換器128Aにより、廃熱源から熱伝達流体に熱を伝達する。気化した熱伝達流体は、次に、コンプレッサ126によって圧縮されて第2のヒートポンプ熱交換器128Bに送られ、熱伝達流体から流入流体ライン104内を流れる流体に熱を伝達する。図3Aにおけるヒートポンプの構成は、本明細書に説明したヒートポンプの実施形態のいずれにも利用することができる。
【0045】
処理チャンバ102に戻って説明すると、廃棄物ライン107は、処理チャンバ102の基部に連結することができる。処理チャンバ102の基部は、図1に示すような水平である必要はなく、基部に配置されかつそれに連結された廃棄物ライン107を有するドレーンのような特異箇所に向けて廃棄流出物が流れるようにして一般的に傾斜させることができる。処理チャンバ102からの廃棄物は、廃棄物ライン107を通過して、廃棄物の処理及び/又は廃棄のために、例えば、廃棄物システム110に流れる。一部の実施形態では、廃棄流出物は、例えば、タンク又は廃棄物ライン107に配置された中間リザーバ105に集まる。一部の実施形態では、廃棄流出物は、リザーバ105から熱交換器(ヒートポンプ熱交換器128、又は異なる熱交換器)を通過してポンピングされ、図4に示して以下に説明するように、流入ライン104内の反応剤を更に予熱することができる。
【0046】
処理システム300は、チャンバの作動を制御し及び/又は処理システム300及び/又は廃棄物回収システム301のうちの1つ又はそれよりも多くの他の構成要素を制御するために処理チャンバ102に連結されたコントローラ122を含む。コントローラ122は、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、及び支持器回路を一般的に含む(図示せず)。コントローラ122は、処理チャンバ102及び様々なチャンバ構成要素を直接に制御し、又は代替的に各チャンバ構成要素に対応した個別コントローラを通じて制御する。一部の実施形態では、例えば、CPUを持たない工業用コントローラのような他の制御要素を利用することができる。
【0047】
作動中、反応剤は、反応剤源108から流入流体ライン104に流入し、ヒートポンプ124によって望ましい温度まで加熱することができる。廃熱源123から排出された廃棄物は、コンプレッサ126によって加圧され、従って、廃棄物の温度が高まる。加圧廃棄物は、ヒートポンプ熱交換器128の第2の側面を通過して流れ、流入流体ライン104内に置かれた反応剤に熱を伝達する。予熱された反応剤は、次に、処理チャンバ102に流入してノズル118を通過して基板114に流れることができる。反応剤は、基板114からの材料又はその上に配置された材料と反応し及び/又はこの材料で汚染され、それによって廃棄物になる。廃棄物は、チャンバ102の基部で廃棄物ライン106を通じて排出システム110に廃棄処分される。任意的に、反応剤が付加的な加熱を必要とする場合、加熱器120は、反応剤を処理チャンバ102に入る前に予熱するために利用することができる。
【0048】
図3に表された処理システムの代替的な実施形態が可能である。例えば、システム300は例示的であり、液体処理以外の処理、例えば、反応剤が気体反応剤である気体処理のために構成することができる。更に、廃熱回収システム301の構成は例示的であり、他の適切な編成から構成することができる。例えば、廃熱回収システム301は、気体廃棄物の廃棄のように構成されなくてもよい。例えば、廃熱回収システム301は、冷凍ユニットのような除熱のための閉ループシステムとすることができ、又はヒートポンプを利用する他のこうした閉ループシステムとすることができる。例えば、こうした閉ループシステムの熱廃棄側は、流入流体ライン104に連結することができる。
【0049】
更に、システム100及び300に対して上述した実施形態は、1つの処理システム内で組み合わせることができる。例示的なシステム組合せは、以下に説明し、かつ図4−図5に示している。
【0050】
例えば、図4は、本発明の一部の実施形態による半導体処理システムを示している。例えば、半導体処理システム400は、処理システム100及び処理システム450を含むことができる。半導体処理システム400は、製造ラインの例示的な一部分とすることができ、更に、こうした製造ラインは、複数の相互接続した処理システムを含むことができ、図示の2つのシステムに制限されることを要しない。図4に示すように、第2の処理システム450は、流入流体ライン104で処理システム100に連結することができ、処理チャンバ102に入る前の反応剤の予熱を容易にする。上述の概念と同様に、処理システム400は、処理システム100及び450の両方からの廃熱の回収を容易にすることができる。
【0051】
処理システム100は、実質的に上述したようなものである。図4に表されるように、処理システム100は、反応剤源108から来る反応剤を加熱器120を通過して流れる前に予熱するための加熱器120の上流で流入流体ライン104に沿って配置された熱交換器103を含む。
【0052】
半導体処理システム450は、上述の廃熱回収システム301の一部として利用される2次システムの1つの特定の例を示している。半導体処理システム450は、気体処理のために構成することができる処理チャンバ452を含む。処理チャンバ452は、上述の例示的な気体処理チャンバを含むことができる。更に、処理チャンバ452は、圧縮空気システム、軽減化デバイス、及び空気分離コンプレッサなどのような気体処理を利用するあらゆる適切なシステムを含むことができる。
【0053】
処理システム450は、反応剤源108から来る反応剤を処理チャンバ102内に流れる前に予熱するための加熱器120(存在する時)の上流で流入流体ライン104に沿って配置されたヒートポンプ454を含む。ヒートポンプ454は、コンプレッサ456及びヒートポンプ熱交換器458を一般的に含む。コンプレッサ456は、処理チャンバ452の排出ライン160に沿って配置することができる。コンプレッサ456は、上述のコンプレッサ126のような気体廃棄物を加圧するためのあらゆる適切なコンプレッサとすることができる。
【0054】
熱交換器454は、例えば、チャンバ152から排出された気体廃棄物が熱交換器454に入る前にコンプレッサ456に入るように、コンプレッサ456の下流に配置される。熱交換器454は、ヒートポンプ熱交換器126と実質的に同じとすることができるが、例外として、熱交換器454は、システム100(流入流体ライン104の一部分)及びシステム450(排出ライン160の一部分)の両方の構成要素を含むことに注意されたい。ヒートポンプ熱交換器458は、熱をその間で伝達するためにロバストに熱的連結された第1の側面及び第2の側面を含む。ヒートポンプ熱交換器458の第1の側面は、流入流体ライン104に沿って連結され、それによって反応剤源108によって供給される反応剤は、この側面を通過して流れる。ヒートポンプ熱交換器458の第2の側面は、処理チャンバ452からこの側面を通過して加圧気体廃棄物を流すために処理チャンバ452の廃棄物ライン460に沿って連結される。
【0055】
処理チャンバ452から来る気体廃棄物又は液体冷却剤内に蓄積された熱は、処理チャンバ102に供給される反応剤にヒートポンプ454によって供給される。例えば、一部の実施形態では、処理の後処理チャンバ452から排出された気体廃棄物又は液体冷却剤は、摂氏約30から約300度の温度にあるとすることができる。排出気体廃棄物又は液体冷却剤の温度は、コンプレッサ456による加圧によって高めることができる。加圧気体廃棄物内に蓄積された熱は、このようにして処理チャンバ102に供給される反応剤を予熱するために使用することができ、それによって液体反応剤を加熱するために加熱器120によって必要とされる電力が低減される。一部の実施形態において、気体廃棄物ライン460から伝達された熱を使用する液体反応剤の予熱は、加熱器120によるエネルギ消費を低減する。熱交換器103により回収された熱と組み合わされた時に、気体廃棄物ライン460及び廃棄物ライン106から伝達された複合熱は、加熱器120によるエネルギ消費を更に低減し、かつ加熱器120の必要性を廃棄することができる。
【0056】
廃棄物ライン460は、処理チャンバ102の基部に連結することができる。処理チャンバ452から排出された廃棄物は、廃棄物ライン160を通過し、例えば、廃棄物の処理及び/又は廃棄のための廃棄物システム462に流れる。廃棄物システム462は、例えば、軽減システム又は廃棄物の廃棄に適切な他のシステムを含むことができる。
【0057】
廃棄物ライン460は、気体廃棄物と流体ライン104の間のロバストな熱伝達を容易にするあらゆる適切な材料を含むことができる。一部の実施形態では、この材料は、高い熱伝導度(例えば、約300W/mKに等しいか又はそれよりも大きい)を有することができる。一部の実施形態では、例えば、材料適合性のためにポリマーを使用する必要がある時に、熱伝導度はより低くてもよい。一部の実施形態では、この材料は、排出ライン106で利用されたもの材料を含む。一部の実施形態では、廃棄物ライン460の材料は、例えば、腐食性廃棄物を生成する場合があるエッチング処理又は他のそのような処理のような気体処理との化学的適合性に基づいて更に選択することができる。
【0058】
上述のように、廃棄物ライン460の一部分(例えば、熱交換器158の第2の側面)は、流入流体ライン104の一部分(例えば、ヒートポンプ熱交換器458の第1の側面)に熱的に連結される。例えば、廃棄物ライン460内を流れる廃棄物と流入流体ライン104内を処理チャンバ102に流れる反応剤との間の熱伝達をできるだけ大きくするために、廃棄物ライン460は、流体ライン104の周りにコイル状に巻かれ、又はあらゆる適切な構造で流入流体ライン104に熱的に連結することができる。代替的に又は組み合わせて、廃棄物ライン460の一部分は、流体ライン104内の反応剤への熱伝達を容易にするために反応剤源108と熱的に連結することができる。
【0059】
処理システム450は、チャンバの作動を制御し及び/又は処理システム450の1つ又はそれよりも多くの他の構成要素を制御するために処理チャンバ452に連結されたコントローラ464を含む。コントローラ464は、コントローラ122と実質的に同等であり、処理チャンバ102及び様々なチャンバ構成要素を直接に制御し、又は代替的に各チャンバ構成要素に対応した個別コントローラ(図示せず)を通じて制御する。更に、処理システム400は、各処理システム(例えば、処理システム100、450)の構成要素を直接に制御し、又は代替的に各システムに対応したコントローラ122、464のような個別コントローラを通じて制御するための中央コントローラ(図示せず)を更に含むことができる。
【0060】
作動中、反応剤は、反応剤源108から流入流体ライン104内に流れることができる。一部の実施形態では、反応剤は、加熱器120によって望ましい温度に最初に加熱することができる。反応剤は、次に、処理チャンバ102内に流れ、ノズル118を通過して基板114に流れる。反応剤は、基板114からの材料又はその上に配置された材料と反応し及び/又はこの材料で汚染され、それによって廃棄物(第1の廃棄物)になる。廃棄物は、チャンバ102の基部で廃棄物ライン106を通じて廃棄される。廃棄物ライン106は、熱交換器103により、廃棄物からの熱を流体ライン104内の反応剤に伝達する。同様に、第2の廃棄物が、チャンバ452から廃棄物ライン460を通じて排出され、ヒートポンプ454に送られる。第2の廃棄物は、コンプレッサ456によって加圧され、廃棄物ライン460は、ヒートポンプ熱交換器458により、加圧された第2の廃棄物からの熱を流体ライン104内の液体反応剤に伝達する。第1及び第2の廃棄物の両方から回収された熱からの高められた温度を有する反応剤は、処理チャンバ102に入る前の加熱器120からのエネルギを、もしあるとしても、より少なくしか必要としない。すなわち、廃棄物からの回収熱は、処理システム400によるエネルギ消費を低減する。
【0061】
処理システム400の代替的な実施形態が可能である。例えば、処理システム100は、任意的に、熱交換器103を含まず、処理システム150のヒートポンプ454によって予熱されるのみとすることができる。別の代替的な実施形態では、廃熱回収システム(例えば、熱交換器103及びヒートポンプ454)が流入流体を作動温度まで予熱するのに十分である時に、任意的に加熱器120を除くことができる。一部の実施形態では、熱交換器103は、ヒートポンプ154の下流に設けることができる。
【0062】
処理システム400の更に別の代替が可能である。例えば、処理チャンバ102、452の両方は、湿潤ベンチとすることができ、又は代替的に、両方は、気体処理のために構成することができる。
【0063】
図5は、本発明の一部の実施形態による半導体処理システムを示している。例えば、半導体処理システム500は、両方の処理システムからの廃熱が共通の熱交換装置502を通過することを除けば、処理システム100及び処理システム450に類似とすることができる。半導体処理システム500は、処理システム400と同様に、製造ラインの例示的な一部分とすることができ、更に、そのような製造ラインは、複数の相互接続した処理システムを含むことができ、図示の2つのシステムに制限されることを要しない。図5に示すように、熱交換装置502は、流入流体ライン104においてシステム100、450を連結することができ、処理チャンバ102に入る前の反応剤の予熱を容易にする。上述の概念と同様に、処理システム400は、処理システム100及び450の両方からの廃熱の回収を容易にすることができる。
【0064】
熱交換装置502は、図5Aに詳細に示されている。熱交換装置502は、先にシステム400に対して説明した熱交換器103及びヒートポンプ454からの構成要素の実質的に全てを単一の筐体内に収容して含む。具体的には、熱交換装置502は、流入流体反応剤ライン104の一部分を含む第1の側面と、複数の熱交換導管(図5に示す第1の熱交換導管558及び第2の熱交換導管503)を含む第2の側面とを含む。この複数の熱交換導管は、それらを通じて液体反応剤を流すための一致した側面を各々有する個別の熱交換器と見られるか、又はそれらを通じて廃熱流体を流すための複数の導管を有する1つの側面を有する単一の熱交換器と見られる。コンプレッサは、熱交換導管のうちの少なくとも1つに配置される(コンプレッサ556は、第1の熱交換導管558に沿って連結して示されている)。上述のヒートポンプ及び熱交換器におけるように、熱交換装置502の第1の側面は、第2の側面に配置された熱交換導管の全てとロバストに熱連結され、第2の側面(廃棄流出物)から第1の側面(反応剤)へのできるだけ多くの熱の有効な伝達が容易にされる。
【0065】
作動において、処理システム500は、上述の処理システム400の作動と実質的に同じである。しかし、上述したように、各システム100、450の廃棄物からの廃熱は、流入流体ライン104の共通部分に沿って反応剤源108からの流入反応剤に熱的に連結され、流入流体ライン104の共通部分は、熱交換装置502の第1の側面を形成する。それに従って両方のシステム100、450からの廃熱は、それぞれの熱交換導管503、558を通過する廃棄物の流れによって流入反応剤に同時に伝達することができる。代替的にかつ各処理システムの負荷サイクルに基づいて、廃熱は、各熱交換導管503、558の交互使用によって流入反応剤に熱伝達される。廃熱は、各処理システム100、450の負荷サイクルによって判断されるあらゆる適切な手法によって流入反応剤に熱伝達することができる。例えば、処理システム450の負荷サイクルがシステム100のその2倍である時に、熱交換導管358は、反応剤源108からの流入反応剤を熱交換導管303の約2倍の頻度で予熱するために利用することができる。更に、上述の作動方法のいずれも、システム400で利用することができる。
【0066】
処理システム500の代替的な実施形態が可能である。例えば、処理チャンバ102、452の両方は、湿潤ベンチとすることができる。各湿潤ベンチに供給される反応剤が化学的に適合する実施形態では、排出ライン106、460は、共通ライン(図示せず)に入ることができる。共通ラインは、例えば、共通熱交換器の第2の側面として利用することができ、これは、熱交換導管503、558の個々の第2の側面に取って代わる。更に、共通ラインは、共通排出システムに入ることができ、これは、個々の排出システム110、462に取って代わる。他の代替的な実施形態も可能である。例えば、両方の処理チャンバ102、452は、気体処理のために構成することができる。各チャンバに供給される気体反応剤が化学的に適合する実施形態では、システム500は、先に上述のものと類似した構成に設定することができる。更に、異なる供給源からの廃熱廃棄物が相互に適合性である場合の本明細書に開示した実施形態のいずれにおいても、それらは、共通のヒートポンプに入る前に統合することができる。
【0067】
以上に開示した処理システムの実施形態は、処理チャンバに入る前に反応剤を予熱する関連で一般的に説明した。しかし、他の装置も本発明から恩典を得ることができる。例えば、超純水(例えば、液体反応剤)の生成のために利用されるもののようなイオン交換器は、本発明から恩典を受ける。例えば、上述の装置は、イオン交換器を通過して再生水を流す前に再生水を予熱するために廃棄流出物からの廃熱を利用することができる。例えば、再生水は、イオン交換器を交換器内に集められたイオン種を除去することによって清浄化又は再生するのに利用することができる。一部の実施形態では、上述の装置は、廃酸(HF、HCL、HNO3、又は他の廃化学剤)を回収して反応剤又は洗浄溶液として処理に使用するようにそれらを戻すためのハロポリマー(例えば、それらの骨格に結合するなどしてその中に組込まれたハロゲン原子を有するポリマー)減圧酸蒸留/精製システム及び/又はレジンベース濃縮器を駆動するために廃熱を回収するのに使用することができる。
【0068】
基板を処理する方法を以下に説明する。本発明の方法は、上述の本発明の処理システムに利用することができるが、他の処理システムも本発明の方法から同様に恩典を得ることができる。
【0069】
図6は、本発明の一部の実施形態による廃棄流出物から熱を回収する方法600の流れ図を示している。方法600は、図2、図4、及び図5に示すシステム100に関して以下に説明する。方法600は、例えば、上述の処理チャンバ102及び熱交換器103である熱交換器が連結された処理チャンバを設けることによって一般的に開始される。上述のように、熱交換器103は、液体反応剤を処理チャンバ102に流すための第1の側面(例えば、流入流体ライン104に沿った)と廃棄物を処理チャンバ102から流すための第2の側面(例えば、廃棄物ライン106に沿った)とを有する。廃棄物ライン106は、廃棄物システム110での廃棄の前に廃棄物から回収される熱をできるだけ多くするためのあらゆる適切な構成で流体ライン104に熱的に連結することができる。一部の実施形態では、廃棄物は、中間リザーバ105内に流入し、次に、中間リザーバ105から熱交換器103の第2の側面に流入することができる。
【0070】
604で、液体反応剤は、熱交換器103によって予熱することができる。例えば、熱は、廃棄物ライン106の材料内への拡散によって廃棄物から回収することができる。そのような材料としては、上述のもののような高い熱伝導度を有するあらゆる材料を含むことができる。廃棄物ライン106から、熱は、流体ライン104内に拡散し、最後には、廃棄物ライン106に熱的に連結された流体ライン104の一部分に沿って流れ、又は静的に配置された反応剤に拡散することができる。
【0071】
液体反応剤として、例えば、水、超純水、又は脱イオン水などを含むことができ、それらは、例えば、湿式化学エッチング又は湿式化学洗浄処理中に基板114を濯ぐために利用することができる。更に、液体反応剤は、処理チャンバ102内で使用される前に加熱されることを必要とするあらゆる適切な化学剤及び/又は化学剤溶液を含むことができる。例えば、適切な化学剤及び/又は化学剤溶液としては、塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、水酸化アンモニウム(NH4OH)、過酸化水素(H22)、リン酸(H3PO4)、又は硫酸(H2SO4)などのような湿潤ストリップ又は湿潤エッチングで使用される化学剤を含むことができる。以上の例は、湿潤エッチング、湿潤ストリップ、及び湿式化学洗浄処理に関するが、本明細書に開示する液体反応剤を利用するあらゆる他のシリコン処理にも関連する。
【0072】
熱伝達の前の液体反応剤の温度は、約室温とすることができ、又は摂氏約15から約150度とすることができる。廃棄物から回収された熱は、液体反応剤を摂氏約30から180度に予熱することができる。
【0073】
606で、この予熱された液体反応剤は、例えば、加熱器120を使用して望ましい温度にすることができる。例えば、加熱器120は、反応剤を摂氏約180度まで加熱することができ、又は摂氏約35から約180度に加熱することができる。反応剤が望ましい温度に加熱されると、加熱された液体反応剤を処理チャンバ102に流すことによって方法600は一般的に終了する。
【0074】
代替的に、図7は、本発明の一部の実施形態による廃棄流出物から熱を回収する方法700の流れ図である。方法700は、図2に関して説明したが、図4−図5に示すシステム400及びシステム500にも同様に利用することができる。702で、液体反応剤は、熱交換器103の第1の側面(例えば、流入流体ライン104に沿った)を通過して流され、液体反応剤が予熱される。704で、予熱された液体反応剤は、望ましい温度に加熱器120によって加熱される。706で、加熱液体反応剤は、処理チャンバ102に流され、そこで加熱液体反応剤は、基板114の湿式化学エッチングのような液体処理に利用することができる。加熱液体反応剤は、基板114で汚染され及び/又はこれと反応して廃棄物になる。廃棄物は、加熱液体反応剤からの少なくとも一部の熱を保持する。708で、廃棄物は、処理チャンバ102から熱交換器103の第2の側面(例えば、廃棄物ライン106に沿った)を通過して流れ、熱交換器103の第1の側面を通過して流れる液体反応剤を予熱する(710に表される)。一部の実施形態では、処理廃棄物は、中間リザーバ105内に流れることができ、次に、中間リザーバ105から熱交換器103の第2の側面に流れる。
【0075】
図8は、本発明の一部の実施形態による廃棄流出物から熱を回収する方法800の流れ図である。方法800は、図3−図5のいずれにも利用することができ、図4−図5に関して一般的に説明される。方法800は、例えば、上述のヒートポンプ454を有する処理チャンバ452である廃熱源を供給することによって一般的に開始される。上述のように、ヒートポンプ454は、コンプレッサ456とヒートポンプ熱交換器458とを含む。コンプレッサ456は、処理チャンバ452から排出された廃棄物又はヒートポンプ454の内部導管内を流れる熱伝達流体を加圧するために利用される。排出廃棄物又は熱伝達流体の加圧は、理想気体の法則の挙動に従って廃棄物又は熱伝達流体の温度を高める。ヒートポンプ熱交換器458は、液体反応剤を第2の処理チャンバ(例えば、処理チャンバ102)に流すための第1の側面(例えば、流入流体ライン104に沿った)と処理チャンバ452から加圧廃棄物を流すための第2の側面(例えば、廃棄物ライン460に沿った)とを有する。廃棄物ライン460は、廃棄物システム462における廃棄の前に廃棄物から回収される熱をできるだけ多くするあらゆる適切な構成で流体ライン104に熱的に連結することができる。代替的に、ヒートポンプ454は、廃熱源から熱伝達流体に熱を伝達するためのヒートポンプの第1の部分と、流体ライン内を流れる反応剤に熱伝達流体から熱を伝達するためのヒートポンプの第2の部分とを有して構成することができる。
【0076】
804で、第1の廃棄物は、廃熱源(例えば、処理チャンバ452)から排出される。第1の廃棄物は、気体状とすることができ、例えば、エッチング処理、堆積処理、又はそれから廃熱を回収することができる廃棄物をもたらす他の適切な処理のような半導体処理の処理気体又は気体副生成物とすることができる。代替的に、又はそれと組み合わせて、圧縮空気システム、空気分離コンプレッサ、ポンプ、電気及び/又は機械機器、又は軽減化デバイスなどからのような処理システムの他の供給源からの廃熱を捕捉することができる。代替的に、廃熱は、液体冷却剤によって回収することができる。
【0077】
任意的に、806で、第1の廃棄物を加圧することができる。例えば、コンプレッサ456は、第1の廃棄物を圧縮することができ、それによって第1の廃棄物の温度が上昇する。加圧による温度の上昇は、第1の廃棄物と加熱される反応剤との間の熱伝達の改善を容易にする。代替的に、第1の廃棄物は、ヒートポンプを通過する経路を取って熱伝達流体に熱を伝達することができ、熱伝達流体は、次に、加圧され、ヒートポンプを通過して流体ライン内の反応剤を加熱するのに使用される部分にポンピングされる。
【0078】
808で、反応剤は、第1の廃棄物から反応剤に廃熱を伝達することによって予熱することができる。例えば、反応剤は、処理チャンバ(例えば、処理チャンバ102)に連結された流入流体ライン104の一部分(例えば、ヒートポンプ熱交換器458の第1の側面、又はヒートポンプ454の一部分に連結された部分)に静的に配置されるか又はそれを通過して流れることができる。反応剤は、排出ライン460の一部分(例えば、ヒートポンプ熱交換器458の第2の側面、又はヒートポンプ454の一部分に連結された部分)を通過して流れ、又はそこに静的に配置された第1の廃棄物から廃熱を伝達することによって予熱することができる。
【0079】
液体反応剤として、例えば、水、超純水、又は脱イオン水などを含むことができ、それらは、例えば、湿式化学エッチング又は湿式化学洗浄処理中に基板114を濯ぐために利用することができる。更に、液体反応剤は、処理チャンバ102内で使用される前に加熱されることを必要とするあらゆる適切な化学剤及び/又は化学剤溶液を含むことができる。例えば、適切な化学剤及び/又は化学剤溶液としては、塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、水酸化アンモニウム(NH4OH)、過酸化水素(H22)、リン酸(H3PO4)、又は硫酸(H2SO4)などのような湿潤ストリップ又は湿潤エッチングで使用される酸、塩基、及び/又は溶媒を含むことができる。以上の例は、湿潤エッチング、湿潤ストリップ、及び湿式化学洗浄処理に関するが、本発明は、本明細書に開示した液体又は気体反応剤を利用するあらゆる他の基板処理に適用することができる。
【0080】
一部の実施形態では、例示的に、熱伝達の前の液体反応剤の温度は、約室温とすることができ、又は摂氏約15から約150度とすることができる。廃棄物から回収された廃熱は、液体反応剤を摂氏約30から約180度に予熱することができる。
【0081】
一部の実施形態では、814に示すように、加熱された反応剤は、次に、その中で使用するために処理チャンバに流れることができる。加熱された反応剤が処理チャンバ102に又は何らかの他の行先に供給されると、方法800は、一般的に終了する。しかし、方法800の更に別の実施形態が可能である。例えば、加圧された第1の廃棄物からの廃熱が反応剤を処理温度まで十分に予熱しない時に、加熱器120は、反応剤を望ましい処理温度に更に予熱することができる。
【0082】
更に、廃熱は、他の供給源から回収され、第1の廃棄物から回収された廃熱と組み合わせて利用することができる。例えば、処理チャンバ102内の処理の後、反応剤は、処理チャンバ102から排出される第2の廃棄物に変換される場合がある。例えば、第2の廃棄物は、反応剤、並びに加工されている基板からの材料のような副生成物材料を含むことができる。加熱された反応剤から部分的に生成された第2の廃棄物は、回収することができる廃熱を有することができる。
【0083】
一部の実施形態では、破線内の810で示すように、第2の廃棄物は、処理チャンバ102から排出することができる。第2の廃棄物は、処理チャンバ102内で使用される反応剤を予熱するために回収することができる廃熱を有することができる。
【0084】
従って、812で、反応剤は、第2の廃棄物からの廃熱の伝達により、処理チャンバ102での使用ために更に予熱することができる。一部の実施形態では、反応剤は、ヒートポンプを通じた第2の廃棄物からの廃熱の伝達によって予熱することができる。一部の実施形態では、反応剤は、熱交換器を通じた第2の廃棄物からの廃熱の伝達によって予熱することができる。一部の実施形態では、反応剤は、処理チャンバ(例えば、処理チャンバ102)に連結された流入流体ライン104の一部分(例えば、熱交換器103の第1の側面)に静的に配置されるか又はそれを通過して流れることができる。反応剤は、排出ライン106の一部分(例えば、熱交換器103の第2の側面)を通過して流れ、又はそこに静的に配置された第2の廃棄物からの廃熱の伝達によって予熱することができる。
【0085】
熱交換器103は、ヒートポンプ458に加えて、それと交替して、又はそれに代わって反応剤の予熱に利用することができる。上述のように、熱交換器103は、ヒートポンプ458の下流に(図示せず)、その上流に(図4)、又はそれと重複して(図5に類似)設けることができる。
【0086】
第2の廃棄物からの廃熱は、そこから第2の廃棄物が生じたのと同じ処理チャンバ(例えば、処理チャンバ102)に入る反応剤を加熱するために再利用されることを要しない。例えば、第2の廃棄物からの廃熱は、異なる処理チャンバで使用される反応剤を予熱するために利用することができる(図4−図5に類似して)。
【0087】
すなわち、廃棄流出物から熱を回収する方法及び装置を本明細書に開示した。本発明の方法及び装置は、廃棄流出物からの熱を利用して処理システムに入る反応剤を予熱することにより、半導体又は他の処理システムのエネルギ消費の低減を有利に促進する。廃棄流出物内の熱の低減は、軽減化のような廃棄流出物の以後の処理に関して更に有利である。
【0088】
以上は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の及び更に別の実施形態は、本発明の基礎的な範囲を逸脱することなく案出することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 本発明の処理システム
2 冷超純水のような入力
3 処理チャンバ
4 廃熱源
7 ヒートポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体処理のために構成された処理チャンバと、
熱をその間で伝達するように構成された第1及び第2の側面を有し、該第1の側面が、それを通過して前記処理チャンバ内に液体反応剤を流すように構成され、該第2の側面が、それを通過して該処理チャンバから廃棄物を流すように構成された第1の熱交換器と、
前記液体反応剤を前記処理チャンバに入る前に加熱するために前記第1の熱交換器の前記第1の側面に沿って配置された加熱器と、
を含むことを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
前記処理チャンバからの廃棄物を集め、かつ前記第1の熱交換器を通して該廃棄物をポンピングするために該処理チャンバと該第1の熱交換器の間に配置された中間リザーバ、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
廃熱が蓄積された第1の廃液を供給するための第1の廃熱源と、
前記第1の廃熱源と前記液体反応剤を前記処理チャンバ内に流す流入流体ラインとの間に連結され、熱を該第1の廃熱源から該流入流体ラインの該液体反応剤に伝達するように構成されたヒートポンプと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
廃熱が蓄積された第2の廃熱流体を前記ヒートポンプに供給し、そこに蓄積された該廃熱を前記流入流体ラインの前記液体反応剤に伝達するための第2の廃熱源、
を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
廃熱が蓄積された第1の廃液を供給するための第1の廃熱源と、
コンプレッサ及び第2の熱交換器を有し、該コンプレッサが、前記第1の廃熱源と該第2の熱交換器の第1の側面とに沿って連結され、該第2の熱交換器の前記第2の側面が、それを通過して前記液体反応剤を前記処理チャンバ内に流すように構成されたヒートポンプと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
廃熱が蓄積された第1の廃液を供給するための廃熱源と、
チャンバの内部容積に反応剤を供給するように構成された反応剤源が連結された第1の処理チャンバと、
前記廃熱源と前記反応剤を前記処理チャンバの前記内部容積内に流す流入反応剤ラインとの間に連結され、熱を該廃熱源から該流入反応剤ラインの該反応剤に伝達するように構成されたヒートポンプと、
を含むことを特徴とする基板処理システム。
【請求項7】
前記反応剤を前記第1の処理チャンバに入る前に更に加熱するために前記ヒートポンプに沿って配置された加熱器、
を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記廃熱源は、液体又は気体処理のために構成された処理チャンバ、圧縮空気システム、空気分離コンプレッサ、エアコンプレッサ、軽減化デバイスからの液体冷却剤又は気体排出物、又は電気機器又は機械機器からの液体冷却剤又は熱風のうちの1つ又はそれよりも多くを含むことを特徴とする請求項3又は請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の処理チャンバは、液体処理のために構成され、
前記廃熱源は、気体処理のために構成された第2の処理チャンバを含み、該第2の処理チャンバは、前記第1の廃液を該第2の処理チャンバからの気体排出物として供給する、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
熱をその間で伝達するように構成された第1及び第2の側面を有する熱交換器、
を更に含み、
前記熱交換器の前記第1の側面は、それを通して前記第1の処理チャンバ内に前記反応剤を流すように構成され、
前記熱交換器の前記第2の側面は、前記第1の処理チャンバから排出された第2の廃液をそれを通して流すように構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記反応剤を前記第1の処理チャンバに入る前に加熱するために前記ヒートポンプと前記熱交換器の前記第1の側面とに沿って配置された加熱器、
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
基板を処理する方法であって、
液体反応剤を熱交換器の第1の側面を通して流し、該液体反応剤を予熱する段階と、
前記予熱された液体反応剤を加熱器を使用して望ましい温度に加熱する段階と、
前記加熱された液体反応剤を液体処理のために構成された処理チャンバに流す段階と、
処理廃棄物を前記チャンバから前記熱交換器の第2の側面を通して流し、該熱交換器の前記第1の側面を通って流れる前記液体反応剤を予熱する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
基板を処理する方法であって、
廃熱源に連結されたヒートポンプを通して反応剤を流し、熱を該廃熱源から該反応剤に伝達することによって該反応剤を加熱する段階と、
前記加熱された反応剤を処理チャンバに流して基板を処理する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記廃熱源は、同じか又は第2の処理チャンバ、圧縮空気システム、空気分離コンプレッサ、エアコンプレッサから排出された液体又は気体廃棄物、軽減化デバイスからの液体冷却剤又は気体排出物、又は電気及び/又は機械機器からの液体冷却剤又は熱風のうちの1つ又はそれよりも多くを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒートポンプと前記処理チャンバの間に配置された加熱器を使用する段階、又は
前記反応剤を前記ヒートポンプに沿って配置された熱交換器の第1の側面を通して流し、かつ前記第1の処理チャンバから排出された廃棄物を該熱交換器の第2の側面を通して流して、該熱交換器の該第1の側面を通って流れる該反応剤を加熱する段階、
のいずれか又は両方により、前記加熱された反応剤を望ましい温度まで更に加熱する段階を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−506155(P2012−506155A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532253(P2011−532253)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/060857
【国際公開番号】WO2010/045468
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】