説明

分光分析装置

【課題】波長毎に凹面回折格子212の調節をする必要が無く、半導体ウエハWの異なる層を処理するときに生じる光を、各層の物理的及び/又は化学的特性を分析するのに必要な分解能で分光することができる。
【解決手段】導入スリット211と、凹面回折格子212と、光検出部と、を備え、前記光検出部の受光面213aが、前記凹面回折格子212により定まる仕様位置Pとは異なり、前記半導体ウエハWの2以上の異なる処理の際に生じる光それぞれに対して、当該各処理の物理的及び/又は化学的特性を得るのに必要な分解能を有する位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハを処理する際に生じる光を分光して、半導体ウエハの物理的及び/又は化学的特性を分析する分光分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の分光分析装置は、半導体ウエハを処理する際に生じるプラズマ光を凹面回折格子を有する分光器により分光し、CCD等の光検出器により検出して、当該半導体ウエハの物理的及び/又は化学的特性を分析するものである。
【0003】
具体的には、特許文献1に示すように、ドライエッチング処理の際に生じるプラズマ光を検出して、半導体ウエハのエッチング終末点(エンドポイント)を検出するもの(エンドポイントモニタ)、スパッタリング処理の際に生じるプラズマ光(Arイオンガス、成膜対象であるイオンガス)を検出して、イオン化効率等を検出するもの、処理チャンバ内の残留ガスを用いてリークを検出するものがある。
【0004】
そして、このようなエッチング処理やスパッタリング処理などの各処理において、それぞれの処理に特有の波長を高分解能で検出することができる専用の分光分析装置を個別に用いている。
【0005】
しかしながら、各処理装置において、専用の分光分析装置を用いる必要があるため、コスト面においても負担がかかってしまうという問題がある。
【0006】
また、単純に1つの分光分析装置を用いて前記各処理の際に生じるプラズマ光を検出することも考えられる。
【0007】
しかしながら、光検出器に設けられる凹面回折格子は、その検出波長範囲(例えば約200nm〜800nm)に対してほぼ一定の分解能を発揮する位置である仕様位置に設定されている。
【0008】
したがって、異なる処理の際に生じるプラズマ光を検出する場合、一方の処理の分解能よりも他方の処理の分解能が高分解能であることが要求される場合がある。この場合、凹面回折格子を仕様位置に配置すると、一方の処理では、必要以上の分解能を発揮するにも関わらず、他方の処理では、必要な分解能を発揮できないという問題がある。
【特許文献1】特開2003−151958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、検出波長毎に凹面回折格子の調節をする必要が無く、小型化が可能であり、2以上の異なる処理の際に生じる光それぞれを適切な分解能で分光することができる汎用性の高い分光分析装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明に係る分光分析装置は、半導体ウエハ処理装置内で行われる処理の際に生じる光を分光し、前記半導体ウエハ処理装置又は半導体ウエハを分析する分光分析装置であって、前記光を導入する導入口と、前記導入口により導入された光を分光して集光する凹面回折格子と、前記凹面回折格子により分光された光を受光する受光面を有する光検出部と、を備え、前記導入口及び/又は前記受光面が、前記凹面回折格子により定まる仕様位置とは異なり、前記半導体ウエハ処理装置内で行われる2以上の異なる処理の際に生じる光それぞれに対して、各処理において前記半導体ウエハ処理装置又は半導体ウエハを分析するのに必要な分解能を有する位置に配置されていることを特徴とする。
【0011】
なお、半導体ウエハを分析する場合には、当該半導体ウエハの物理的特性又は化学的特性を分析することが考えられる。そして、物理的特性としては、例えばプラズマエッチングする場合のエッチング終末点(エンドポイント)、例えばプラズマCVDにより成膜する場合の成膜量、スパッタリング処理におけるイオン化効率、処理チャンバ内のリーク等が挙げられる。また化学的特性としては、例えば半導体ウエハ上に成膜された膜の組成等が挙げられる。
【0012】
ここで、「仕様位置」とは、通常ローランド円により、凹面回折格子の回折格子法線からの角度及び凹面回折格子の中心からの距離から設定されるものであり、当該凹面回折格子の分解能を広範囲に亘りほぼ一定とするために最適化された仕様位置である。また、「必要な分解能」とは、各処理において前記半導体ウエハ処理装置又は半導体ウエハを所定精度で分析するために定められる分解能である。また、「仕様位置とは異なる」とは、仕様位置とは実質的に異なることをいい、導入口及び/又は受光面が、分光分析装置の組み立て精度を考慮した上で、その組み立て精度の範囲を超えて異なることをいう。
【0013】
このようなものであれば、半導体ウエハ処理装置内で行われる2以上の異なる処理毎に凹面回折格子を微調節する必要が無く、また、凹面回折格子の位置調節機構も不要となり小型化が可能とすることができる。また、異なる処理に汎用的に用いることができる。さらに、従来の凹面回折格子の設置位置を変更するだけという簡単な構成でありながら、異なる処理の際に生じる光それぞれに対して、半導体ウエハ処理装置又は半導体ウエハを分析するのに必要な分解能を発揮することができ、各処理各処理において前記半導体ウエハ処理装置又は半導体ウエハを感度良く分析することができる。
【0014】
受光面の具体的な配置態様としては、前記受光面が、前記凹面回折格子により定まる仕様位置から、その凹面回折格子の中心を回転中心として、その回折格子法線に対して所定角度回転させた位置に配置されていることが挙げられる。
【0015】
具体的な実施の形態としては、前記異なる処理が、スパッタリング及びプラズマエッチングであり、前記受光面が、前記スパッタリングの際に生じるプラズマ光を用いて、前記半導体ウエハを分析するのに必要な分解能、及び前記プラズマエッチングする際に生じるプラズマ光を用いて、前記半導体ウエハを分析するのに必要な分解能を有する位置に配置されていることが考えられる。
【発明の効果】
【0016】
このように構成した本発明によれば、検出波長毎に凹面回折格子の調節をする必要が無く、小型化が可能であり、半導体ウエハ処理装置内で行われる2以上の異なる処理の際に生じる光それぞれを適切な分解能で分光することができる汎用性の高い分光分析装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
なお、図1は本実施形態の分光分析装置200を用いた模式的構成図であり、図2は分光ユニット21の模式的構成図であり、図3は分光ユニット21の光学配置を示す図であり、図4は凹面回折格子212の分解能を示す図である。なお、図4中、横軸は波長(nm)であり、縦軸は半値幅(nm)である。
【0019】
<装置構成>
【0020】
本実施形態に係る分光分析装置200は、プラズマを用いて半導体ウエハWを処理する半導体ウエハ処理装置100に設置されて、半導体ウエハWを処理する際に生じるプラズマ光を分光して、半導体ウエハWの物理的及び/又は化学的特性を分析するものである。
【0021】
本実施形態の半導体ウエハ処理装置100としては、プラズマを用いて半導体ウエハWにエッチング処理を行うプラズマエッチング装置、及びスパッタリング処理を行うスパッタリング装置が考えられる。
【0022】
分光分析装置は、プラズマエッチング装置の処理チャンバ又はスパッタリング装置の処理チャンバに取り付けられて、それぞれのチャンバ内に生じるプラズマ発光を分光して分析するものである。
【0023】
具体的には、分光分析装置200は、プラズマエッチングにより処理される半導体ウエハWのエッチング終末点(エンドポイント)を検出し、又はスパッタリング処理の際に生じるアルゴン(Ar)ガスから生じるプラズマ又は半導体ウエハに成膜するための成膜ガスから生じるプラズマを検出し、イオン化効率を測定するためのものである。
【0024】
本実施形態の分光分析装置200は、図1に示すように、半導体ウエハWをエッチング処理又はスパッタリング処理する際に処理チャンバ11内に発生するプラズマ光を導入して分光(波長分散)して、電気信号に変換して出力する分光ユニット21と、当該分光ユニット21からの電気信号に基づいて、前記半導体ウエハWのエンドポイント又はイオン化効率を算出する演算部22と、からなる。
【0025】
分光ユニット21は、図1に示すように、集光レンズ23及び光ファイバ24を介して処理チャンバ11の導光窓112に接続され、図2に示すように、前記光ファイバ24からのプラズマ光を導入する導入口である導入スリット211と、この導入スリット211により導入されたプラズマ光を分光して集光する凹面光学素子である凹面回折格子212と、その分光された光を検出する光検出部213と、導入スリット211、凹面回折格子212及び光検出部213を収容するケーシング(図示しない)と、を備えている。なお、図2中の214は、所定波長の光をカットするオーダカットフィルタである。
【0026】
導入スリット211は、凹面回折格子212の位置により定まる仕様位置Pとなるようにケーシングに固定されている。ここで導入スリット211の仕様位置Pとは、図3に示すように、回折格子法線Cから所定角度αと、凹面回折格子212の中心Oからの距離rとから設定されている。
【0027】
凹面回折格子212は、平面状に集光するフラットフィールド型で、収差補正型のものであり、分光可能な検出波長範囲が200nm〜800nmのものである。また、凹面回折格子212は、ケーシングに固定されている。なお、図3中の矢印は、ブレーズ方向を示している。このように、収差補正型の凹面回折格子212を用いているので、分光ユニットの部品点数を減らすとともに小型化が可能となる。また、本実施形態では、後述するように、紫外領域のピーク波長を検出するため、反射回数を減らす目的から凹面回折格子212を用いている。
【0028】
光検出部213は、凹面回折格子212で波長毎に分光された各単色光の強度をそれぞれ測定するものであり、測定された各単色光の強度に応じた電気信号(電流値または電圧値)を含む光強度信号を演算部22に出力するものである。本実施形態においては、CCD(Charge Coupled Device)を用いたものであり、直線的又は平面的に配設されている。なお、CCDの他に光電子増倍管を用いたものであっても良い。
【0029】
そして、本実施形態では、光検出部213(CCD)の受光面213aが、凹面回折格子212により定まる仕様位置Pとは異なり、半導体ウエハWの異なる処理の際に生じるプラズマ光それぞれに対して、当該処理の物理量及び/又は化学量、本実施形態では、エンドポイント又はスパッタリング処理の物理量であるイオン化効率を得るのに必要十分な分解能を発揮する変則位置Qに配置されている。
【0030】
ここで、受光面213aの仕様位置Pとは、図3に示すように、凹面回折格子212の回折格子法線Cからの角度(仕様角度)β及び凹面回折格子212の中心Oからの距離(仕様距離)rから設定されるものであり、凹面回折格子212の分解能を広範囲(200nm〜800nm)に亘りほぼ一定とするために決められた最適化された仕様位置である。
【0031】
また、受光面213aの変則位置Qとは、図3に示すように、回折格子の中心Oからの距離(仕様距離)rを保ったまま、凹面回折格子212の回折格子法線Cに対して反時計回りに設定された仕様角度βから、その回折格子法線Cに対して時計回り(回折格子法線C側)に所定角度回転させた位置である。本実施形態の変則位置Qの角度γは、例えば仕様角度βが29.85度である場合において、24.63度である。
【0032】
凹面回折格子212を仕様位置Pから変則位置Qに変更すると、図4に示すように、200nm〜500nmの範囲における凹面回折格子212の分解能(半値幅)の平均が、仕様位置Pの場合では2.17nmであるのに対して、本実施形態の変則位置Qでは1.30nmになっていることが分かる。
【0033】
一方、500nm〜800nmの範囲における凹面回折格子212の分解能(半値幅)の平均が、仕様位置Pの場合では約2nmであるのに対して、本実施形態の変則位置Qでは波長が大きくなるに従って徐々に大きくなっていることが分かる。
【0034】
演算部22は、CPU、メモリ、AD変換器、キーボード等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段などを備えており、前記メモリの所定位置に格納されたプログラムに基づいて前記CPU等が作動し、前記分光ユニット21のCCDからの光強度信号に基づいて、エッチング終末点、及びイオン化効率を算出及び出力するものである。また、演算部22は、算出したエンドポイントに基づいて、半導体処理装置100の制御部18(図1参照)にエッチングレシピを示すレシピ制御信号やエンドポイントを示すエンドポイント信号を出力する。また、演算部22は、算出したイオン化効率に基づいて、制御部18にスパッタリングレシピを示すレシピ制御信号等を出力する。
【0035】
次に、分光分析装置200をプラズマエッチング装置又はスパッタリング装置に用いた場合において、検出波長と変則位置Qにおいた場合の凹面回折格子212の分解能の関係ついて図4を参照して説明する。
【0036】
なお、本実施形態のエッチング処理を施す成膜基板は、例えばエッチング処理を施す膜から生じるプラズマ発光のピーク波長が、本実施形態では約200nm〜約500nmの範囲内のものである。
【0037】
この図4において、プラズマエッチング装置におけるエンドポイントを検出するための検出波長領域は約200nm〜約500nmである(図4中の太線内)。この検出波長範囲において、プラズマエッチングでは様々な反応が起き、紫外領域、特に300nm以下で外乱光が多く発生するため、2つのピーク波長をそれぞれ区別して検出するためには、仕様位置Pの波長分解能(2.17nm)では不十分である。本実施形態のように、凹面回折格子212を変則位置Qに配置することにより、その分解能を1.30nmにすることができ、ピーク波長それぞれを検出することができる。従って、エンドポイント検出の精度を向上させることができる
【0038】
また、スパッタリング処理におけるイオン化効率を検出するための検出波長領域は約200nm〜約800nmであるところ、スパッタリング処置において生じるプラズマ発光は主として単一成分からなる成膜ガスであるから、約500nm〜約800nmの範囲において、仕様位置Pの分解能(約2nm)までは必要ない。したがって、検出波長範囲500nm〜800nmにおける分解能は、仕様位置Pの分解能(約2nm)よりも悪くても良く、図4に示す変則位置Qでの分解能で十分であり、これによっては、検出精度に実質的な悪影響を与えない。
【0039】
<本実施形態の効果>
【0040】
このように構成した本実施形態に係る分光分析装置200によれば、異なる処理毎に凹面回折格子212を微調節する必要が無く、また、凹面回折格子212の位置調節機構も不要となり小型化が可能とすることができる。また、種々のプラズマを用いた処理装置に汎用的に用いることができる。また、1つの凹面回折格子212の設置位置を変更するだけという簡単な構成でありながら、エッチング処理又はスパッタリング処理する際に生じるプラズマ光それぞれに対して、必要な分解能を発揮することができ、エッチング処理におけるエンドポイント及びスパッタリング処理におけるイオン化効率を感度良く分析することができる。
【0041】
<その他の変形実施形態>
【0042】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。以下の説明において前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付すこととする。
【0043】
例えば、前記実施形態では、分光分析装置200は、エンドポイントモニタであったが、その他、プラズマCVD装置に用いても良い。つまり、半導体ウエハWにプラズマCVDにより成膜する際に生じるプラズマ光を分光して、前記半導体ウエハW上の成膜状態を分析するものであっても良い。
【0044】
さらに、前記実施形態では、半導体ウエハWの物理的特性のうち、エンドポイントを検出するものであったが、膜の組成など化学的特性を検出するものであっても良い。
【0045】
その上、前記実施形態の変則位置Qは、回折格子の中心Oからの距離rを保ったまま、凹面回折格子212の回折格子法線Cに対する角度のみを仕様位置Pから変更するものであったが、回折格子の中心Oからの距離rを変更するようにしても良い。
【0046】
また、変則位置Qを仕様角度βから反時計回り(回折格子法線Cから離れる方向)に所定角度回転させても良い。さらに、凹面回折格子212自身の位置を回転させる等して変更しても良い。
【0047】
前記実施形態では、光検出部213の受光面213aを動かしているが、導入スリット211を動かすようにしても良い。この場合、導入口213及び凹面回折格子212の関係を保ったまま、つまり、導入スリット211における回折格子法線Cからの角度αを保ったまま導入スリット213及び凹面回折格子212の位置を変更するようにしても良い。すなわち、組み立て後の最終的な受光面213a、凹面回折格子212及び導入スリット211の位置が仕様位置Pと異なっていれば良い。このように、導入スリット211を仕様位置Pから変則位置Qに変更する場合、凹面回折格子212を併せて移動させる必要があることから、前記実施形態のように光検出部213の受光面213aのみを移動させる場合の方が分光ユニット21の組み立てが容易である。
【0048】
また、受光面213aを仕様位置Pから変則位置Qに移動させるための可動部を設けて、2つ以上の異なる処理で必要な分解能が得られる位置に簡単に移動できるようにしても良い。このようなものであれば、分光分析装置200の汎用性を一層向上させることができる。また、受光面213aの微調節を可能にすることができる。なお、導入スリット211及び凹面回折格子212を移動させる場合には、導入スリット211及び凹面回折格子212を移動させる可動部を設けるようにする。
【0049】
また、半導体ウエハ処理装置100内で行われる異なる処理は、エッチング処理及びスパッタリング処理の他に、半導体ウエハ処理装置を分析する処理として、処理チャンバ内の残留ガスを検出する残留ガス検出処理、処理チャンバ内のN等の残留ガスからリークを検出するリーク検出処理であっても良い。また、原子吸光を検出する処理であっても良い。これらの処理は、用途やガス種などによって必要な分解能が変化するが、これらの処理においても、前記実施形態でエッチング処理及びスパッタリング処理を説明したのと同じように、高分解能が要求される処理と、高分解能が要求されない処理とで、ともに必要な分解能が得られるようにする。
【0050】
前記実施形態では、分光分析装置200は半導体ウエハ処理装置100の処理チャンバ11に接続され、分光分析を行うものであったが、その他、半導体ウエハ処理装置100の配管などその他の構成部材に接続されて分光分析を行うようにしても良い。
【0051】
さらに、プラズマ光が、その強度が強いことから最も現実的であるが、プラズマ光以外に化学発光などを検出するようにしても良い。
【0052】
また、2つの異なる処理は、例えば銅のスパッタリングとアルミニウムのスパッタリングといったスパッタリング処理等の同じ種類の処理のうち、その処理条件を変えたものも含む。
【0053】
なお、凹面回折格子212は、フラットフィールド型及び収差補正型のものに限られない。
【0054】
さらに、凹面回折格子212ではなく、例えば凹面鏡と平面回折格子とを組み合わせた分光集光部を用いることも考えられる。ただし、この場合反射が多くなり不利である。
【0055】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態に係る分光分析装置200及び半導体処理装置の模式的構成図。
【図2】同実施形態における分光ユニットの模式的構成図。
【図3】同実施形態における分光ユニットの光学配置を示す図。
【図4】同実施形態における凹面回折格子の分解能を示す図。
【符号の説明】
【0057】
100 ・・・プラズマエッチング装置
11 ・・・処理チャンバ
W ・・・半導体ウエハ
200 ・・・分光分析装置
211 ・・・導入スリット
212 ・・・凹面回折格子
213 ・・・光検出部
213a・・・受光面
P ・・・仕様位置
Q ・・・変則位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハ処理装置内で行われる処理の際に生じる光を分光し、前記半導体ウエハ処理装置又は半導体ウエハを分析する分光分析装置であって、
前記光を導入する導入口と、
前記導入口により導入された光を分光して集光する凹面回折格子と、
前記凹面回折格子により分光された光を受光する受光面を有する光検出部と、を備え、
前記導入口及び/又は前記受光面が、前記凹面回折格子により定まる仕様位置とは異なり、前記半導体ウエハ処理装置内で行われる2以上の異なる処理の際に生じる光それぞれに対して、各処理において前記半導体ウエハ処理装置又は半導体ウエハを分析するのに必要な分解能を有する位置に配置されている分光分析装置。
【請求項2】
前記受光面が、前記凹面回折格子により定まる仕様位置から、その凹面回折格子の中心を回転中心として、その回折格子法線に対して所定角度回転させた位置に配置されている請求項1記載の分光分析装置。
【請求項3】
前記異なる処理が、スパッタリング及びプラズマエッチングであり、
前記受光面が、前記スパッタリングの際に生じるプラズマ光を用いて、前記半導体ウエハを分析するのに必要な分解能、及び前記プラズマエッチングする際に生じるプラズマ光を用いて、前記半導体ウエハを分析するのに必要な分解能を有する位置に配置されている請求項1又は2記載の分光分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−111173(P2009−111173A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282189(P2007−282189)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】