説明

分岐ステント送達システム

カテーテル・アセンブリ(100)に、カテーテル・シャフト(144)と、それに取り付けられたバルーン(114)を含むカテーテルが含まれている。回転シース(102)が、カテーテルの一部まわりに回転可能に装着されている。回転シースは、第1の部分内径と第2の部分内径を有しており、それらは異なっている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
動脈のような一次通路と、側枝動脈のような二次通路の両方に、ステント・アセンブリの一部を配置可能にするため、血管分岐の隣接分枝内に配置することを目的とした分枝を備えるステント・アセンブリを用いるステント送達システムが提案されている。さらに、これらのステントは、一般に、側枝動脈へのスムーズな血液の流入を可能にする開口部を備えている。しかし、一次通路と二次通路の分岐部において側枝に対してステントの方向を合わせる際に、やはり、問題に遭遇することになる。さらに、こうした分岐アセンブリは、一般に、単一の血管に配置することを目的としたより標準的なステントよりも高いコストをかけて、特別に製造されたものである。
【0002】
ある血管位置までステントを送達する場合、多くの現行装置では、受動トルク(例えば、ステントを前方に押しやり、ガイドワイヤ/バルーンに固定されたステントが受動的に回転して、所定位置につくことができるようにする)に依存するか、または、患者の外部から生じるトルクに依存して、通路内において医療用具に適正な配向が施される。適正な角配向を実現するこれらの装置及び方法が、ステントを適正に配置し、位置決めするのに有効であることは確認されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、血管の分岐点または他の場所においてステントのような医療用具を容易に操作して、そのアライメントをとれるようにすることが可能なカテーテルを提供し、同時に、ステントが取り付けられるカテーテル及び/またはバルーンに十分な保護を施すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に解説のさまざまな装置及び方法では、ステントを取り付けるか、または、係合させることが可能な回転シース装置を備えたカテーテル・システムを設けることによって、この課題に対応する。回転アセンブリは、カテーテル・シャフトまわりを回転可能であり、その結果、カテーテル・シャフトにトルクを加えて、血管分岐部でステントのアライメントをとる必要がなくなる。
【0005】
本願書のどこかで言及される全ての米国特許及び出願、及び、他の全ての刊行文書は、参考までに、本明細書においてそっくりそのまま援用されている。
【0006】
以下では、本発明の範囲を制限することなく、本発明の請求の範囲に記載の実施形態のいくつかについて、概要を述べることにする。本発明の要約された実施形態及び/または本発明のその他の実施形態に関するさらなる詳細については、後述の本発明を実施するための最良の形態において知ることが可能である。
【0007】
37C.F.R.1.72に従うことだけを目的として、本明細書における技術的開示の簡単な要約についても提示される。この要約は、請求の範囲の解釈に利用されることを意図したものではない。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態には、ステント・アセンブリ用に、自由に回転するように配備された、側枝への進入及びその保護を維持するためのアセンブリが含まれている。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明は、送達前に、そのまわりでステントを自由に回転させることが可能なカテーテルを含む、回転カテーテル・アセンブリを対象としている。ステントは、ステントに近接して配置された回転カラーに係合することによって、カテーテルに対してその位置を保つ。
【0010】
実施形態によっては、ステントの少なくとも近位端が、係合機構によって、ステントに近接して配置された回転カラーに係合しているものもある。カテーテル・アセンブリは、カラーからステントを解放して、ステントを送達するような構造及び構成になっている。実施形態のいくつかでは、係合機構に、形状記憶材料及び/または電気活性高分子(EPA)から造られた1つ以上の係合部材が含まれている。実施形態によっては、1つ以上の係合部材が、生体吸収性の場合もある。実施形態によっては、ステントがカラーに固定されたままの係合位置から、ステントがカラーから解放される開放位置まで、1つ以上の係合部材を機械的に動かすことが可能なものもある。
【0011】
少なくともいくつかの実施形態において、カテーテルには、送達前に、ステントが回転可能に取り付けられるバルーンが含まれている。実施形態によっては、バルーンの少なくとも一部が、滑らかな物質でコーティングされているものもある。実施形態によっては、バルーンとステントの間に、保護カバーが挿入されているものもある。少なくとも1つの実施形態では、そのカバーは、発泡性材料層である。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、その両方とも、「Rotating Balloon Expandable Sheath Bifurcation Delivery」と題する、その両方の全内容が、参考までに本明細書において援用されている、2003年2月27日に提出された米国特許出願第10/375,689号及び2003年9月8日に提出された米国特許出願第10/657,472号に記載のような、回転シース機構の代替構造を対象としている。
【0013】
いくつかの実勢形態では、本発明は、所定の厚さを有し、シース全長の少なくとも一部を貫く管腔を形成するシース壁を備えた、回転シースを対象としている。
【0014】
実施形態によっては、シースの内径が可変及び/または非円形になるように、また、シースの外径がほぼ一定及び/または円形になるように、シース壁厚が可変のものもある。
【0015】
実施形態によっては、シースに、放射線不透過性材料、及び/または、X線、MRI、または、超音波のような画像診断法によって検出可能な材料による1つ以上の帯または領域が含まれるものもある。こうした材料は、コーティングの形をとることが可能である。
【0016】
実施形態によっては、シースには、シースがその状態にある場合、シースの外径がシースの全長にわたってほぼ一定した第1の直径となる公称状態と、シースに対するステントの装入中に、シースの外径が第1の直径未満の第2の直径になる装入中状態と、シースにステントを装入してしまうと、シースの外径がシースの全長に沿って可変になる装入済み状態が含まれるものもある。実施形態によっては、シースが装入済み状態の場合に、シースの外径の少なくとも第1の部分が第1の直径になり、シースの外径の少なくとも第2の部分が第3の直径になるものもある。実施形態によっては、第3の直径が第1の直径未満の場合もあり、実施形態によっては、第3の直径が第2の直径を超える場合もある。
【0017】
少なくとも1つの実施形態において、本発明は、バルーンまわりに回転シースが装着された、バルーンを用いるカテーテル・システムを対象としている。実施形態によっては、回転シースの長さが、バルーンの一方または両方の円錐部に及ぶものもある。
【0018】
少なくとも1つの実施形態において、本発明は、本明細書に記載の回転シース構造の任意の1つを用いるカテーテル・システムを対象としている。
【0019】
本発明の特性を明らかにする以上の及びその他の実施形態が、とりわけ、本明細書に付属し、その一部をなす請求の範囲において指摘されている。しかし、本発明、それを用いることによって得られるその利点及び達成される目的についてより深く理解するには、本発明の実施形態が例示され、説明されている、本明細書のさらなる一部をなす図面及び付随する記述内容を参照すべきである。
【0020】
本発明の詳細な説明については、特に図面を参照しながら後述することにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、多種多様な形で具現化することが可能であるが、本明細書では、本発明の特定の実施形態について詳述されている。この説明は、本発明の原理の例証であり、本発明を例示の特定の実施形態に限定することを意図したものではない。
【0022】
本開示のため、図中の同様の参照番号は、別段の指示がない限り、同様の特徴を表わすものとする。
【0023】
ここで図面を参照するが、この図面は本発明の実施形態の例証だけを目的したものであり、本発明の制限を目的としたものではない。図1〜図2には、図3〜図5に描かれているようなカテーテル本体116に取り付けられたステント送達システム300に用いられる、血管分岐部において図6〜図9に示すようなステント120の適正なアライメントがとれるようにする回転領域を送達システムに設けるためのアセンブリ100が例示されている。こうしたアセンブリのさらなる例については、その両方とも、「Rotating Balloon Expandable Sheath Bifurcation Delivery」と題する、参考までに本明細書において援用されている、2003年2月27日に提出された米国特許出願第10/375,689号及び2003年9月8日に提出された米国特許出願第10/657,472号に示され、解説されている。
【0024】
図1〜図2に描かれた回転シース・アセンブリ100には、管状スリーブまたはシース102と、位置決めまたは二次ガイドワイヤ・ハウジング104が含まれている。ハウジング104によって、二次ガイド・ワイヤ108を通すことが可能な二次ガイド・ワイヤ管腔106が形成されている。
【0025】
ハウジング104は、金属、プラスチック等を含む多種多様な材料から製作することが可能であるが、いくつかの事例では、外部補強材またはハイポチューブ64とすることが可能である。
【0026】
ハイポチューブ64には、ステンレス鋼、1つ以上の高分子材料、または、他の材料を含むことが可能である。柔軟性を向上させるため、場合によっては、ハウジング104に、その全長に沿って1つ以上の開口部110が設けられることもある。例えば、ハウジング104は、ハウジング104の柔軟性を向上させる働きをする、少なくとも1つの連続開口部110を形成するため、スパイラル・カットを施すことが可能である。
【0027】
アセンブリ100には、さらに、そのまわりにハイポチューブ64が装着された内側シャフト103を備える、二次ガイドワイヤ・ハウジング104を含むことが可能である。内側シャフト103は、ハイポチューブ64の遠位端を超えて遠くまで延びる柔軟性の中空管状部材とすることが可能である。内側シャフト103のこの遠位及び/または近位先端105によって、ハウジングに、ガイドワイヤ108が二次ガイドワイヤ管腔106から出る際の、ガイドワイヤ108まわりの柔軟性保護シースが形成される。こうした保護カバーによって、図5に描かれているように、二次ガイドワイヤ108が、かなりの角度で二次管腔106を出る場合でも、ガイドワイヤ108が血管199の壁201に過度にこすりつけられるのが阻止される。内側シャフト103は、PEBAX、ナイロン、ウレタン、及び/または、他の材料といったさまざまな柔軟性材料の任意の1つから、単層、多層、及び/または、編組構造をなすように製作することが可能である。
【0028】
多くのカテーテルでは、カテーテル116のシャフト144によって、それを通って、一次ガイドワイヤ107を進めることが可能な、一次ガイドワイヤ・ハウジング211が形成される。使用時、ガイドワイヤ107及び108は、管腔または他の体の血管209を通って、分岐部203まで送られる。一次ガイドワイヤ107は、次に、分岐部203の一次分枝をなす通路205に送り込まれ、一方、二次ガイドワイヤ108は、分岐部203の隣接または二次分枝207に送り込まれる。送達システムは、両方のガイドワイヤ107及び108に沿って進むので、ガイドワイヤ107及び108によって分岐経路が形成される結果として、回転スリーブ104は、ステントの二次開口部130aと二次通路207のアライメントがとれるように、ステント120を回転させて所望の位置につけることになる。カテーテル116が固定ワイヤ・システムの場合には、一次ガイドワイヤの使用は不要になる。
【0029】
回転アセンブリ100の例には、係合部位112においてシース102の少なくとも近位部分に係合するハウジング104の遠位部分が含まれる。シースとハウジング104との係合方法またはメカニズムは、それぞれのシース102とハウジング104の表面に施されるボンディング、溶接、接着剤による接着係合、機械的係合、または、別様の接続によるものとすることが可能である。
【0030】
シース102は、図3及び図4に例示されているように、バルーン114またはカテーテル116の他の領域を覆う配置が施されるように構成された、シース材料の中空管である。シース102は、さらに、ステント120がシース102のまわりに装着されている場合、及び/または、シース102に固定されている場合でも、カテーテル・シャフト及び/またはバルーン114まわりで回転することができるように構成されている。
【0031】
ステント120がシース102に圧着されており、カテーテルが体内を前進している場合でも、シース102が、バルーン114及び/またはカテーテルの他の領域まわりで確実に回転できるようにするため、シース102は、PTFE、HDPE等のような各種低摩擦材料から製作することが可能である。少なくとも1つの実施形態において、シース102は、マサチューセッツ州ウィルミントンのVIASYS Heathcareの一事業部であるThermedics Polymer Productsから入手可能なTECOPHILIC(登録商標)材料、やはり、Thermedics Polymer Productsから入手可能なTECOTHANE(登録商標)、親水性ポリウレタン、及び/または、脂肪族ポリエーテル・ベースの熱可塑性親水性ポリウレタンのような親水性ポリマ、及び、カテーテルが、血管内を進行中に、体液にさらされる場合のような、「湿潤」状態時に、バルーン114まわりで自由に回転することが可能なシース102をもたらす他の任意の材料といった、親水性材料から少なくとも部分的に製作される。適合するシース材料は、「乾燥」または事前装入状態において回転可能なシースをもたらすことも可能であるが、こうした材料は、本明細書において、テコフィリックであると称される。
【0032】
少なくとも部分的にテコフィリック材料から製作されたシース102によって、カテーテルが、血管内を進行中に、体液にさらされる場合のような、「湿潤」状態時に、バルーン114まわりで自由に回転することが可能なシース102が得られる。テコフィリック・シース102は、「乾燥」または事前装入状態において回転することも可能であるが、湿潤状態時より多量の力が加えられることになる。
【0033】
場合によっては、シース102は、1つまたは複数の材料から1つ以上の層をなすように製作することも可能である。例えば、シース102は、前述のような内層の形成に用いられる材料よりも柔軟な材料の外層を含むことが可能である。実施形態によっては、図1にその一例が示されているが、シース102は、第1の材料111のマトリックスから構成することが可能であり、こうしたマトリックス外部または内部に、第2の支持材料113による1つ以上の支持ストライプ、ストランド、部材、または、領域を備えることが可能である。
【0034】
シース102材料の組成は、単層、多層、あるいは、ストライプ補強押出し品のいずれであろうと、基本的に、任意の適合するポリマまたは他の適合する材料を含むことが可能である。適合するポリマ例のいくつかには、親水性ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリカーボネート・ベースの脂肪族ポリウレタン、エンジニアリング・ポリウレタン、弾性ポリアミド、ブロック・ポリアミド/エーテル、ポリエーテル・ブロック・アミド(PEBA、例えば、PEBAXの商品名で入手可能)、及び、シリコーン、ポリエーテル・エステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なArnitelのようなポリエーテル・エステル・エラストマ)、ポリエステル(例えば、Du Pontから入手可能なHytrelのようなポリエステル・エラストマ)、または、直鎖低密度ポリエチレン(例えば、Rexell)が含まれる。
【0035】
適合する補強材料の例には、単独であろうと、あるいは、他の材料と混合されていようと(混合物または化合物または共重合体)、全てのポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDurethanまたはELF Atochemから入手可能なCristamid)、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、及び、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマ(LCP)、及び、アセタール(DelrinまたはCelcon)が含まれている。
【0036】
シース102の内表面またはバルーン114の外表面には、1つ以上の低摩擦材料によるコーティングを施すか、あるいは、その構造に1つ以上の低摩擦材料を含むことが可能な場合が多い。図3には、こうしたコーティング401が、図4に描かれているように、アセンブリ100がそのまわりに装着される前の、バルーン114の表面上に示されている。しかしながら、コーティング401は、いつでも、バルーン114とシース102の間に施すことが可能である。適合するコーティング材料例のいくつかには、制限するわけではないが、ヒドロゲル、シリコン、及び/または、ミネソタ州メープルグローブのSciMed Life Systems,Inc.から入手可能なBIOSLIDE(登録商標)が含まれる。
【0037】
上述のように、シース102は、図2及び図4に示すように、ステント120がシース102に圧着されている場合でも、カテーテルのバルーンまわりを自由に回転できるように構成されている。シース102に適正に取り付けられると、ステント120の近位部分122は、二次ガイドワイヤ・ハウジング104の少なくとも一部のまわりにも装着される。シース102及びハウジング104に適正に取り付けられると、ハウジング104の少なくとも一部及び/または二次ガイドワイヤ108が、ステント120のセル開口部130を通って遠位にまで延びることになる。
【0038】
ステント120は、少なくとも部分的に複数の相互接続されたストラット、コネクタ、または、部材132から構成された、図6に示されるようなステントとすることが可能である。ステント132によって、近位開口部134、遠位開口部136、及び、その間の流路138が形成されている。セル開口部130は、流体で流路138と通じている。
【0039】
ステントが、図2及び図4に示すように、アセンブリ100に取り付けられると、二次ガイドワイヤ108及び/または二次ガイドワイヤ・ハウジング104が、セル開口部130の1つに通される際、二次ガイドワイヤ108及び/または二次ガイドワイヤ・ハウジング104の通過に適応するため、選択されたセル開口部130aを形成する部材132、並びに、二次ガイドワイヤ108がステントから出る開口部130aの形状を変形させるか、修正することが可能である。
【0040】
今後は二次開口部130aと呼ぶことにする、修正されるセル開口部130aは、近位開口部134と遠位開口部136の間において、ステント120に配置される。図7及び図8には、二次開口部130a、それに隣接した部材132、及び、ある程度は、ステント120自体が、二次ガイドワイヤ及び/または二次ガイドワイヤ・ハウジングによって修正または変形される様態が描かれている。
【0041】
留意すべきは、ステント120が、上述のようにアセンブリに装着される場合の、二次開口部130a及び隣接部材132の変形は、最小限度であり、二次ガイドワイヤ108、及び、所望の場合には、二次ガイドワイヤ・ハウジング104の遠位部分をスライドさせて、二次開口部130aに通すことができるようにするためにのみ行われるという点である。従って、二次開口部130aの実際のサイズは、ほぼ同様か、まわりのセル開口部130とほんのわずかしか異ならないものと思われる。
【0042】
さらに留意すべきは、ステント120は、上述のように二次開口部130aが設けられた、標準的な「単一導管」ステントとすることもできるし、その1つに二次ガイドワイヤを通すことが可能な、1つ以上の脚部及び/または分枝開口部が隣接する、トランクまたはステム部分を備えた分岐ステントとすることも可能であるという点である。こうした分岐ステント及びステント・アセンブリは、当該技術において周知のところである。
【0043】
場合によっては、ステント120、シース102、または、その1つ以上の部分は、図5及び図9に示すような血管199またはそれに隣接した1つ以上の領域内といった、送達部位に1つ以上の治療薬を送るように構成することも可能である。
【0044】
ステント120に対する治療薬の配置により有効に対処するため、場合によっては、図6に示すような1つ以上のステント部材132は、動脈瘤部位まで送るため、1つ以上の治療薬400を配置することが可能な1つ以上の穴、ノッチ、または、他の表面特徴を含むように構成することも可能である。治療薬は、コーティングの形でステントに配置することが可能である。コーティングには、少なくとも1つの治療薬と少なくとも1つのポリマが含まれる場合が多い。
【0045】
少なくとも1つの実施形態において、その一例が図2に示されているが、シース102には、1つ以上の治療薬400を収容することが可能な、1つ以上の穴、ノッチ、細孔、空隙、または、他の表面特徴403を含むことが可能である。ステント120の拡張中、これに対応してシース102が拡張すると、圧縮または別様の作用によって、治療薬400が解放されてステント及び/または体に付着する。
【0046】
治療薬は、薬剤、非遺伝的薬剤、遺伝的薬剤等とすることが可能である。適合する非遺伝的治療薬例のいくつかには、制限するわけではないが、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、PPack(デキストロフェニルアラニン・プロリン・アルギニン・クロロメチルケトン)のような抗血栓形成剤と、エノキサプリン、アンギオペプチン、円滑な筋肉細胞の増殖を阻害することが可能な単クローン抗体、ヒルジン、及び、アセチルサリチル酸のような抗増殖剤と、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデゾニド、エストロゲン、スルファサラジン、及び、メサラミンのような抗炎症薬と、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、及び、チミジンキナーゼ抑制剤のような抗悪性腫瘍/抗増殖/抗縮瞳剤と、リドカイン、ブピバカイン、及び、ロピバカインのような麻酔薬と、D−Phe−Pro−Argクロロメチル・ケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、アンチトロンビン化合物、血小板レセプタ拮抗剤、アンチトロンビン抗体、抗血小板レセプタ抗体、アスピリン、プロスタグランジン抑制剤、血小板抑制剤、及び、ダニ抗血小板ペプチドのような抗凝固剤と、成長因子抑制剤、成長因子レセプタ拮抗剤、転写活性剤、及び、翻訳促進剤のような血管細胞成長促進物質と、成長因子抑制剤、成長因子レセプタ拮抗剤、転写リプレッサ、翻訳リプレッサ、複製抑制剤、抑制性抗体、成長因子を対象とする抗体、成長因子と細胞毒素から構成される二官能分子のような血管細胞成長抑制剤と、抗体と細胞毒素から構成される二官能分子と、コレステロール低下剤と、血管拡張剤と、内因性血管同時活性化メカニズムを妨害する薬剤と、これらの任意の組み合わせが含まれている。
【0047】
ある薬剤に遺伝的治療薬が含まれる場合、こうした遺伝的薬剤には、制限するわけではないが、アンチセンスDNA及びRNAと、アンチセンスRNA、tRNA、または、rRNAが欠陥または欠損内因性分子に取って代わるためのDNAコーディングと、酸性及び塩基性繊維芽細胞成長因子、血管内皮成長因子、表皮成長因子、トランスフォーミング成長因子α及びβ、血小板由来血管内皮成長因子、血小板由来成長因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子、及び、インシュリン様成長因子といった成長因子を含む血管形成因子と、CD抑制剤、チミジン・キナーゼ(「TK」)、及び、細胞増殖の妨害に役立つ他の薬剤を含む細胞周期抑制剤と、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、及び、BMP−16のような骨形態形成蛋白質(「BMP」)族の少なくとも1つを含むことが可能である。BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、及び、BMP−7の任意の1つ、単独または他の分子と混合された、ホモダイマ、ヘテロダイマ、または、それらの組み合わせ、「ハリネズミ」の蛋白質のようなBMPの上流または下流効果を含むことが可能な分子、または、それらをコード化するDNA、及び、それらの任意の組み合わせ。
【0048】
治療薬に細胞物質が含まれる場合、細胞物質には、制限するわけではないが、人間から生じた細胞(自己または同種)、非人間から生じた細胞(異種)、及び、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。細胞材料例のいくつかには、制限するわけではないが下記のものが含まれる。
SP − (側集団細胞)これらの細胞は、最も基本的な成人の幹細胞であると考えられる。それらは、細胞核からヘキスト色素を排除するSP細胞の能力を利用し、特定のFACS技法によって分離される。骨髄以外に、SP細胞は、心筋及び骨格筋を含む大部分の組織から分離された。より一般的な表面蛋白質識別子によれば、これらの細胞は、Lin、Sca−1、c−Kit、CD43、CD45、CD34である。
Lin − (系譜が負の細胞)この細胞群は、骨髄から分離されており、特定の系譜(例えば、赤血液細胞)に分化した全ての細胞が除去された。従って、幹細胞と前駆細胞の全てが残される。これは、全ての基本的細胞が残るので有益であるが、関係のない基本的細胞型を含むことによって、効率が低下する可能性がある。
LinCD34 − CD34+細胞が、多くの注目を集めたが、最近になって、最も基本的な骨髄由来幹細胞がCD34であることを示唆する多くの論文が発表されている。
LinCD34 − 細胞表面蛋白質CD34の存在を利用して、造血幹細胞の識別が行われてきた。しかし、このマーカは、さまざまな成熟レベルの前駆細胞及び白血液細胞にも存在する。
LincKit − cKitは、幹細胞因子のための細胞表面レセプタであり、従って、幹細胞を選ぶための論理的選択肢である。骨髄原料から最も幅広く研究されているが、やはり、心臓から分離された。
MSC − (間葉幹細胞) 通常、これらの細胞は、間葉組織(例えば、骨、軟骨、脂肪)の細胞に分化するので、このように名づけられているが、特定条件下では心筋細胞に分化する可能性もある。骨髄から容易に分離され、造血幹細胞とは異なり、体外増殖する。MSCの超集団は、一般的なMSC集団に比べて、より速く自己複製し、多型潜在性分化の可能性が高いことが分っている。チューレーン大学のD.Prockopは、この分野において発表している。
臍帯血細胞 − 出産後に臍静脈に残っている血液から取り出される。この血液は、より高い割合の未成熟幹細胞または前駆細胞を含んでいることが分っている。一般に、患者のために適合ドナーを見つけなければならないが、成人の血液からの幹細胞分離に比較すると、移植片対宿主病発生率が低いことが報告されている。欠点には、少血液量における不十分な細胞数、予見できない先天性欠損、及び、おそらくHLA適合しない母親の血液による汚染が含まれる。
【0049】
心臓または他の細胞に由来する幹細胞 − 今日までの研究の大部分は、骨髄から幹細胞を分離することに重点が置かれてきた。これは、化学療法及び白血病治療のための骨髄移植を改良する上において、研究が広範囲にわたるためである。しかし、同様の手段(例えば、SP、cKit)によって識別可能な同様の幹細胞を他の組織(例えば、脂肪、心筋)から分離することができるのは明白である。
全骨髄 − 全骨髄が移植される「イッツ・イン・ゼア」アプローチ。利点には、処理が少ない、全ての幹細胞及び前駆細胞が存在する、及び、マトリックス蛋白質及び成長因子も存在する可能性があるという点が含まれる。弱点 − 心臓の改善に1つまたは2つの幹細胞型が関与する場合、それらは極めて少ない数しか存在しないことになる。
BM−MNC − (骨髄単核細胞) 密度勾配遠心分離手法によって全骨髄から分離される。この集団には、非顆粒白血液細胞、前駆細胞、及び、幹細胞が含まれている。
EPC − (内皮前駆細胞) 細胞表面マーカに基づいて骨髄から分離される。これらの細胞は内皮細胞になる。理論的には、これらの細胞は、虚血組織に分化すると、新しい血管になる。
骨格筋芽細胞 (または衛星細胞) これらの細胞は、損傷後の骨格筋の再生に関与する。それらには、他の筋芽細胞または損傷した筋繊維と融着する能力がある。心筋治療では、これらの細胞は宿主細胞に組み込むことが可能であり、組織特性を向上させるか、または、機能的に収縮に関与することが可能であると想定する。
MDC − (筋肉由来細胞) 筋芽細胞と同様の、成人の骨格筋から分離された細胞集団。分離技法の事前平板分離は、生検後の異なる時間に、培養皿に付着する細胞を収集することを必要とする。第6のグループにおける最も可能性の高い平板の細胞であり、得るのに数日を要する。これらの細胞を扱う作業をしている研究者は、精製筋芽細胞集団であり、結果として、移植効率が良くなり、より有効な手法になるはずであると主張している。
Go細胞 − 最近、成人の骨格筋から分離された。これらの非衛星細胞は、GATA−4を発現し、特定の体外条件下では、自発的に収縮する心筋細胞に似た細胞へと発展する。
内皮細胞 − フィブリン・マトリックスと共に自己内皮細胞を移植することによって、血管形成が誘導され、虚血性羊モデルの心機能が改善された。
【0050】
成人の心筋細胞
繊維芽細胞 − 成人の組織から容易に得られる。繊維芽細胞は、成長因子を提供するか、あるいは、創傷治癒反応に関与することが可能である。繊維芽細胞は、創傷治癒において細胞外マトリックスの合成及び沈着といった重要な働きをする。繊維芽細胞は、一般に、創傷治癒環境において収縮性になる。
滑らかな筋細胞 − 動脈から分離される。これらの細胞は、MI後の血管形成及び/または有益な心臓再造形に関与するか、または、促進することが可能である。
MSC+5−aza − 5−azaを備えた間葉幹細胞の培養によって、心筋細胞への分化が強制される。これらの細胞は、処置後、自発的に収縮する。
成人の心臓繊維芽細胞+5−aza − 理論的には、5−azaを備えた心臓繊維芽細胞の体外処置によって、筋原細胞への分化が生じることになる。
遺伝子操作細胞 − 患者から分離され、体外で遺伝子操作を施されて、蛋白質の生成、または、心不全の治療に役立つことになる細胞型への分化を促進する細胞。
組織改変移植片 − 患者から分離され、さらに、再吸収可能な骨格に接種するか、または、その骨格内で培養される細胞(例えば、コラーゲン、PLGA)。これらの細胞を接種した作成物は、さらに、患者に移植される。
MyoD瘢痕繊維芽細胞 − MyoD族の転写因子は、骨格筋細胞の繊維芽細胞への分化を促す。手順には、心臓瘢痕繊維芽細胞の分離、MyoDを用いた体外での伝遺伝子トランスフェクション、筋形成を促進するための心臓への細胞送達が必要とされる。
ペーシング細胞 − 導電性の信号発生器になる遺伝子操作繊維芽細胞。
胚幹細胞クローン − クローン技術を利用して、遺伝学的に患者と同じ心筋細胞、前駆細胞、または、幹細胞を生成する。
胚幹細胞 − これらの細胞は、細胞のうち最も基本的なものであり、特定条件下において、機能性心筋細胞に分化することになる。この技法を商業化する前に、政治的ハードルと技術的ハードルの両方を克服しなければならない。
胎児または新生児細胞 − ドナーの心臓から分離される。これらの細胞は、免疫拒絶反応を伴わずに、宿主細胞に組み込むことが可能である。胎児及び新生児の心臓が引き続き成長するために、いくつかの心筋細胞の前駆細胞が存在しなければならない。
免疫学的にマスキングされた細胞 − 同種異系細胞源(例えば、ドナー心筋細胞)は、現在のところ、免疫拒絶反応のため実現不可能である。しかし、このテクノロジを実現可能にすることができるマスキング・テクノロジが開発された。
組織改変移植片 − ドナーから分離され、さらに、再吸収可能な骨格に接種するか、または、その骨格内で培養される細胞(例えば、コラーゲン、PLGA)。これらの細胞を接種した作成物は、さらに、宿主または被移植者に移植される。
遺伝子操作細胞 − ドナーから分離され、体外で遺伝子操作を施されて、蛋白質の生成、または、心不全の治療に役立つことになる細胞型への分化を促進する細胞。遺伝子操作細胞は、さらに、宿主または患者に移植されることになる。
奇形腫由来細胞 − 奇形癌腫細胞は、腫瘍が組織の異種混合から構成される癌の一形態である。この腫瘍から細胞を分離し、体外で操作及び培養を行うことによって、神経細胞株が発生した。Layton Biosciencesは、これらの細胞をうまく利用して、脳卒中患者に新しい脳組織を形成した。同様の技法を用いて、筋原細胞株を生成することも可能である。
【0051】
治療薬に、少なくとも1つの高分子薬剤またはコーティングが含まれる場合、その少なくとも1つのコーティングには、制限するわけではないが、ポリカルボン酸と、酢酸セルロース及び硝酸セルロースを含むセルロース系高分子と、ゼラチンと、ポロビニルピロリドンと、架橋ポリビニルピロリドンと、無水マレイン酸ポリマを含むポリアンヒドリドと、ポリアミドと、ポリビニル・アルコールと、EVAのようなビニル・モノマのコポリマと、ポリビニル・エーテルと、ポリビニル芳香族と、ポリエチレン・オキシドと、グリコサミノグリカンと、多糖類と、テレフタル酸ポリエチレンを含むポリエステルと、ポリアクリルアミドと、ポリエーテルと、ポリエーテル・スルホンと、ポリカーボネートと、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレンと、ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレンと、ポリウレタンと、ポリオルトエステルと、蛋白質と、ポリペプチドと、シリコーンと、シロキサン・ポリマと、ポリ乳酸と、ポリグリコール酸と、ポリカプロラクトンと、吉草酸ポリヒドロキシブチラート及びその混合物及びコポリマと、ポリウレタン分散液(BAYHDROL(登録商標)等)、フィブリン、コラーゲン、及び、それらの誘導体のような高分子分散液のコーティングと、セルロース、澱粉、デキストラン、アルギン酸塩、及び、誘導体のような多糖類と、ヒアルロン酸と、スクアレン乳剤と、ポリアクリル酸、ポリ乳酸のコポリマ、及び、ポリカプロラクトンと、PGA−TMC、チロシン誘導ポリカーボネート、及び、アリーレートのような医用グレードの生分解性材料と、ポリカプロラクトン・コ・ブチル・アクリレート及び他のコポリマと、DL−乳酸と混合されたポリ−L−乳酸と、ポリ(乳酸−コ・グリコール酸)と、ポリカプロラクトン・コ・PLAと、ポリカプロラクトン・コ・ブチル・アクリレート及び他のコポリマと、チロシン誘導ポリカーボネート及びアリーレートと、ポリアミノ酸と、ポリホスファゲンと、ポリイミノカーボネートと、ポリジメチルトリメチルカーボネートと、生分解性CA/PO4と、シアノアクリレートと、50/50DLPLGと、ポリジオキサノンと、フマル酸ポリプロピレンと、ポリデプシペプチドと、キトサン及びヒドロキシルプロピルメチルセルロースのような巨大分子と、表面腐食性材料と、無水マレイン酸コポリマと、リン酸亜鉛カルシウムと、非晶質ポリアンヒドリドと、砂糖、炭水化物と、ゼラチンと、生分解性高分子と、体液に溶解可能な高分子と、それらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0052】
場合によっては、適合する高分子薬剤またはコーティングに、少なくとも1つのAブロック及びBブロックを具備したブロック・コポリマが含まれる場合がある。Aブロックは、1つ以上のポリオレフィン、または、ガラス転移温度が室温以下の他の高分子をベースにした柔軟な弾性ブロックが望ましい。例えば、Aブロックは、第四級炭素と第二級炭素が交番する、一般式が−(CRR′−CH−のポリオレフィン・ブロックとすることが可能である。ここで、R及びR′は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル等のような、独立した、直鎖または分枝脂肪族基であるか、または、シクロヘキサン、シクロペンタン等のような環状脂肪族基を表わしており、ペンダント基を備える場合もあれば、あるいは、備えない場合もある。望ましいポリオレフィン・ブロックには、イソブチレンの高分子ブロック(すなわち、R及びR′がメチル基である高分子)
【0053】
【化1】

【0054】
Aブロックの他の例には、シリコーン・ゴム・ブロック及びアクリレート・ゴム・ブロックが含まれる。
【0055】
ブロックBは、所望の質の組合せを実現するため、柔軟なAブロックと組み合わされると、とりわけ、結果生じるコポリマの硬さを変更または調整することが可能になる、ガラス転移温度が弾性Aブロックよりかなり高い、硬質の熱可塑性ブロックが望ましい。Bブロックの例には、メタクリレートの高分子またはビニル芳香族の高分子が含まれる。Bブロックのより具体的な例には、(a)本明細書において「スチレン・ブロック」または「ポリスチレン・ブロック」と総称される、スチレン、スチレン誘導体(例えば、αメチルスチレン、環状アルキル化スチレン、または、環状ハロゲン化スチレン、または、芳香環に1つ以上の置換基が存在する他の置換スチレン)のモノマまたはそれらの混合物から形成されるブロック、または、(b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのモノマ、または、それらの混合物から形成されるブロック
【0056】
【化2】

【0057】
が含まれる。
【0058】
ブロック・コポリマは、環状、直鎖、及び、分枝構造を含むさまざまな構造で提供される。分枝構造には、星状構造(例えば、3つまたは4つの鎖が単一領域から生じる構造)、櫛形構造(例えば、主鎖と複数の側鎖を備えたコポリマ)、及び、樹枝状構造(分枝または高分岐ポリマを含む)が含まれる。
【0059】
こうしたブロック・コポリマのいくつかの具体例には、(a)BA(直鎖2ブロック)、(b)BABまたはABA(直鎖3ブロック)、(c)B(AB)nまたはA(BA)n(直鎖交互ブロック)、または、(d)X−(AB)nまたはX−(BA)n(2ブロック、3ブロック、または、他のラジカル・ブロック・コポリマ)が含まれるが、ここで、nは正の整数であり、Xは、開始種または開始剤の分子である。ある特定グループの高分子は、しばしば、2ブロック・コポリマ及び3ブロック・コポリマと呼ばれる、X−(AB)n構造を備えているが、ここで、それぞれ、n=1及びn=2である(この用語は、開始種分子の存在を無視して、例えば、A−X−Aを単一Aブロックとして扱っており、従って、3ブロックはBABで表示される)。このグループからのとりわけ有益な高分子は、ポリスチレン・ポリイソブチレン・ポリスチレン・3ブロック・コポリマ(SIBS)である。n=3以上の場合、これらの構造は、一般に、星状ブロック・コポリマと呼ばれる。ブロック・ポリマの他の例には、樹枝状ブロック・コポリマのような分枝ブロック・コポリマが含まれており、この場合、A及びBブロックの少なくとも一方が、分枝状であり、例えば、Aブロックが分枝して、Bブロックによってキャップされている。
【0060】
図2に示すように、いったんステント120がアセンブリ100に装着されると、図3〜図4に示すように、アセンブリ100をスライドさせて、カテーテル116にはめ、シース102をバルーン114まわりに回転可能に取り付け、二次ガイドワイヤ・ハウジング104の近位部分140を回転カラー150に係合させることが可能になる。
【0061】
カラー150は、溶接、ボンディング、機械的係合、接着係合等のような所望の係合メカニズムによって二次ガイドワイヤ・ハウジング104の近位部分140に係合させられる。例えば図4に示すように、二次ガイドワイヤ・ハウジング104の近位部分140とカラー150は、係合部位142において外部で係合させられる。代わりに、二次ガイドワイヤ・ハウジング104を少なくとも部分的にカラー150に通し、かつ、カラー150に、二次ガイドワイヤ・ハウジング104との係合前に、二次ガイドワイヤ108を通すことが可能な管腔を形成するか、あるいは、そのいずれかを実施することも可能である。
【0062】
カラー150は、バルーン114の近接位置においてカテーテル116のシャフト144まわりに装着される、ほぼ円筒形の部材とすることが可能である。カラー150は、カテーテル・シャフト144を通すカテーテル・シャフト管腔146を形成するものとして特徴づけることが可能である。カラー150がカテーテル・シャフト144まわりを自由に回転できるようにするため、カラー150に、直径がシャフト144の外径より大きいカテーテル・シャフト管腔146が形成される。実施形態によっては、カラー150とシャフト144の間における自由な回転をさらに促進するため、それらの間に1つ以上の滑らかな物質を配置することが可能なものもある。
【0063】
回転カラー150は、シャフト144まわりで自由に回転するが、実施形態によっては、シャフト144に沿って縦方向に配置することが可能なものもある。従って、実施形態によっては、潜在的可能性のあるシャフト144に対するカラー150の縦方向変位を阻止または制限するため、カラー150の片側または両側において、シャフトまわりに1つ以上のロックまたはハブ152を固定する場合もあり得る。実施形態によっては、カテーテル・シャフト144に、アセンブリ100があまり縦方向に移動しないように、そのまわりにカラー150を装着することが可能な、環状突出部またはリング139を設けることによって、ハブ152の利用を回避するか、補完することが可能なものもある。
【0064】
少なくとも1つの実施形態において、その例が図10に示されているが、シース102は、シース102の端部121及び123の一方または両方が、バルーン114のそれぞれの円錐部117及び119を越えて延びることができるようにするのに十分な長さにすることによって、アセンブリ100の縦方向変位を制限するように構成することが可能である。実施形態によっては、シース102の端部121及び123のそれぞれの内径が、中間部分125の内径未満のものもある。端部121及び123の直径を縮小することによって、シース102は、バルーン114の円錐部117及び119及び/または胴部に接することが可能になり、同時に、バルーン114のまわりで自由に回転するシース102の能力も保持される。バルーン114の円錐部117及び119に対するシースの端部121及び123の相補性形状及び直径の結果として、シース102、従って、アセンブリ100全体が、システム300の進行中、バルーン114のまわりで、縦方向の所定位置に留まることになる。
【0065】
実施形態によっては、端部121及び123は、中間部125とは異なる材料から製作することも可能である。少なくとも1つの実施形態において、端部121及び123の一方または両方は、少なくとも部分的に、硬度またはジュロメータ値が中間部分125の主たる製作材料より高い材料から製作される。
【0066】
端部121及び123を備えるシース102は、上述のように、ハブ152のような他の縦方向位置保持装置と共に利用することが可能である。しかし、シース102によって、アセンブリ100にカテーテル116まわりにおける所望の縦方向固定を施すことができるので、所望の場合には、保持用ハブの利用を回避することも可能である。
【0067】
実施形態によっては、アセンブリ100、とりわけ、シース102には、1つ以上のマーカ領域または帯135を設けることが可能である。帯135は、シース102またはアセンブリ100の他の部分の構造と一体化することもできるし、あるいは、その製作後または製作中に、アセンブリ100の一部に、そのまわりに、または、その内部に配置することが可能な別個のコンポーネント及び/またはコーティングとすることも可能である。一般に、マーカ帯は、少なくとも部分的に、放射線不透過度がアセンブリ100の残りの部分の製作材料より高い材料から製作されることになる。こうした放射線不透過性材料には、金、プラチナ、クロム、コバルト合金等が含まれる。実施形態によっては、マーカ帯135は、少なくとも部分的に、X線、MRI、または、超音波のような画像診断法によって検出可能な材料から製作されている。少なくとも1つの実施形態では、マーカ帯135またはシース102には、超音波による検出を容易にする空気間隙が含まれている。
【0068】
図11に示す例のように、実施形態によっては、シース102には、シース102の端部領域に、並びに、二次ガイドワイヤ・ハウジング104の遠位端領域に対応するシースの円周に沿った帯135が含まれる場合もある。さらに、帯135は、図12に示すように、ステント120の両端、並びに、二次開口部130aの位置に対応するように取り付けることが可能である。
【0069】
実施形態によっては、二次ガイドワイヤ・ハウジング104の少なくとも一部に、マーカ帯135が含まれる場合もある。
【0070】
上述のように、実施形態によっては、アセンブリ100に、バルーン114またはカテーテル116の他の部分のまわりで自由に回転できるように構成されたシース102が設けられる。回転の自由度を向上させるため、実施形態によっては、図13a及び13bに示すように、シース102は、システム300が完全にアセンブルされ、使用されるようになると、シース102の選択部分だけがバルーン114にきちんと接触するように構成することも可能である。
【0071】
実施形態によっては、シース102とバルーン114の係合が、シース102の内表面143の直径を可変にする、厚さ141が可変のシース102を設けることによって制限されるものもある。図13a及び図13bに示すように、シース102の可変厚さ141によって、内表面143に複数の頂部145と底部147が形成されており、シース102がバルーン114に回転可能に装着されると、バルーン114に対するシース102の接触がほぼ頂部145に限定されるようになっている。いくつかの実施形態では、各頂部145が、送達前に、バルーン114の表面と接線方向に接触するものもある。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、その一例が図14に示されているが、上述のように、シース102が、シース102の壁151内に1つ以上の二次ガイドワイヤ管腔106を形成するように構成されると、独立した別個の二次ガイドワイヤ・ハウジングの利用が不要の場合もあり得る。図14に示す実施形態の場合、シース102自体に、カテーテル及び/またはバルーンを入れる一次管腔153が形成されているが、図15において最もよく分かるように、シース102の壁151内には、1つ以上の二次管腔106も存在する。
【0073】
管腔106は、シース102の製造中に、壁151に管腔106を成形するか、あるいは、別様に直接形成することによって、壁151の一体部分として形成することが可能である。代わりに、管腔106は、管腔106及び開口部を形成するため、切削、切除、中ぐり、または、別のやり方で壁151から材料を除去することによって形成することも可能である。
【0074】
各管腔106には、近位開口部155と、それと通じている少なくとも1つの遠位開口部157が含まれている。開口部155及び157は、二次ガイドワイヤ108にさまざまな管腔入口及び出口の選択肢を与えるため、壁の断面の端部表面159、内表面143、及び/または、外表面161に存在することが可能である。
【0075】
各管腔106の長さは、シース102の縦方向の全長にわたる場合もあれば、その一部だけしかない場合もある。
【0076】
図14に描かれているように、シース102にさまざまな二次管腔106を設けることによって、及び/または、個々の二次管腔106に複数の遠位開口部157を設けることによって、アセンブリ100は、ステント120のさまざまな可能性のある二次開口部130a位置の任意の1つへの通路を二次ガイドワイヤ108に対して提供することが可能になる。
【0077】
シース102の壁151に二次ガイドワイヤ管腔106を直接組み込むことによって、アセンブリの外形が縮小されるのが望ましい。上述のように、ステント120が血管分岐部に配置される手法のいくつかでは、図5及び図9に示すように、二次カテーテル及び/またはそれを通るステントの後続配置に対応するため、ステントにより顕著な二次開口部及び/または通路を設けるのが望ましい場合もある。こうした場合には、前述のように、二次ガイドワイヤ・ハウジング104の使用を利用して、上述のように、また、図1及び図2に示すように、シース102の外部の二次ガイドワイヤ管腔106を設けることが可能である。
【0078】
しかし、代替方法を利用して、シース102の一次管腔153とは異なるが、やはり、シース102の壁151を通る一体通路ではない、独立したガイドワイヤ管腔106をアセンブリ100に設けることも可能である。こうした方法が、図16a〜16dに描かれており、この場合、二次ガイドワイヤ管腔106は、シース102の領域165をはさんで、その中に通る2つの隣接管腔153及び106を形成することによって形成される。図16A及び図16Bに示すように、マンドレル163が、シース102の一次管腔153に通される。一般に、マンドレル163の外径は、シース102が最終的に取り付けられることになる、カテーテル及び/またはバルーンと同様である。マンドレル163が所定位置につくと、半径方向部分またはフラップ165が、縦方向のシーム167に沿って挟まれるか、折りたたまれる。シーム167に沿って、接触している壁151の部分を溶接、接着、または、別の方法で係合させて、二次ガイドワイヤ管腔106及び一次管腔153が形成される。
【0079】
あるポイントで、図16b〜図16dに描かれているように、シース102の壁151に1つ以上の穴または開口部を切り開いて、遠位開口部157を備えた二次ガイドワイヤ管腔106を設けることが可能である。
【0080】
図16Cに示すように、形成プロセス中、二次マンドレル169を利用して、二次ガイドワイヤ管腔106を支持することが可能である。二次マンドレル169は、シース102の全長にわたって延びる場合もあれば、あるいは、新たに形成される二次ガイドワイヤ管腔106の近位開口部155から遠位開口部157に及ぶ、シース102の近位部分171だけに延びる場合もある。
【0081】
実施形態によっては、シース102は、マンドレル163及び169の除去前に、ヒート・セットされることもある。
【0082】
ステント120が、図16Dに示すように、シース102のまわりに装着されると、遠位開口部157である半径方向フラップ165の一部は、シーム167に沿ってシース102から切り取るか、ステント120の下方で単純に折りたたむことが可能である。
【0083】
二次ガイドワイヤは、図16Dに示すように、直接二次ガイドワイヤ管腔106に通すことが可能であるが、二次ガイドワイヤ管腔106は、所望の場合、ハイポチューブまたは他の部材を通せるようにするのに十分なサイズを付与することが可能である。
【0084】
一般に、図4に描かれているように、システム300を製作する場合、ステント120は、回転シース102のまわりに適切に取り付けられるか、または、装着されるように、圧着されるか、または、別様に直径が縮小される。実施形態によっては、ステント120は、シース102のまわりに装着されると、カテーテル116へのアセンブリ100の装入前または後に、圧縮装置によって圧着される場合もある。しかし、場合によっては、回転シース102は、シース102へのステント120の圧着を必要とせずに、そのまわりにステント120を保持するように構成することも可能である。
【0085】
少なくとも1つの実施形態において、その一例が図17A〜図17Cに描かれているが、シース102は、図17Aに示す公称直径から図17Bに示す縮小直径へと、シース102の外径を縮小するため、縦方向に引き伸ばすか、または、別様に伸張される。図17Bに示す直径が縮小された状態になると、ステント120が、図示のようにシース102に装着される。ステント120が、シース102に沿った所望の位置に装着されると、シース102は、図17Bに示す、その直径が縮小された縦方向に伸張した状態から解放されて、図17Cに示す公称直径状態に戻る。ステント120と比べて、シース102の外表面が比較的柔軟な構造であるため、さらに、シース102が公称直径に戻ることが可能になるとき、ステント120は、既に縮小または圧縮直径状態になっているので、ステント120の下に位置するシース102の部分は、ステント120のさまざまなストラット部材132に係合することになる。シース102の硬さに応じて、シース102がステント120の下でその公称直径に戻ると、シース102の外表面の一部が、ステント120のセル130内に半径方向に延びる「バンプ」または隆起部分175を形成することが可能になる。実際には、ステント120は、シース102の外表面にある程度埋め込まれることになる。
【0086】
実施形態によっては、ステント120をシース102のまわりに装着し、ステントの半径方向の拡張を制限する「クラム・シェル」または他のアセンブリ内に、シースとステントの組み合わせを入れることが可能であり、次に、隆起部分175とセル130との間により明確な界面を形成するため、バルーンまたは他の装置によってシースを拡張させる場合もある。
【0087】
実施形態によっては、図17A〜図17Cに示すように、あらかじめ圧着されたステント120が回転シース102に取り付けられると、ステント120の外径が隣接する回転シース102の端部121及び123の外径とほぼ同じになるものもある。実施形態によっては、ステント120の外径が、隣接する回転シース102の端部121及び123の外径未満になるものもある。端部121及び123の外径がステント120の外径以下のシース102にステント120を装着することによって、図5に示すように、カテーテル・システム300の進行中、ステント120のエッジが保護される。
【0088】
ステント120のエッジ保護が望ましい場合、システム300の外形を縮小することも望ましい。少なくとも1つの実施形態では、バルーン114とステント120の間に回転シース102を必要とすることなく、ステント120をカテーテル116まわりで直接回転させるメカニズムを設けることによって、システム300の外形が縮小される。図18〜図20には、ステント120の下に回転シース102が配置されていない、いくつかの実施形態例が描かれている。
【0089】
図18に示すように、システム300は、ステント120及び/またはバルーン114に近接したカテーテル・シャフト144のまわりに回転可能に装着された回転シース102を含む回転アセンブリ100を用いることが可能である。この実施形態のシース102は、既述のようなカラー(150)と極めてよく似た働きをし、1つ以上のハブ152、または、シャフト144に沿ったアセンブリ100の縦方向変位を制限するのに役立つ他の部材(環状リング139のような)に隣接することが可能である。シース102は、1つ以上の係合位置142において二次ガイドワイヤ・ハウジング104と係合することが可能である。さらに、二次ガイドワイヤ・ハウジング104に重なるステント部分を圧着することによって、ステント120の縦方向変位を低減することが可能である。所望の場合、二次ガイドワイヤ・ハウジング102には、ステント120との接合または係合を改善するため、比較的柔軟な表面またはざらつきのある表面を設けることが可能である。
【0090】
直径が縮小したステント120が、カテーテル・シャフト144及び/またはバルーン114まわりで自由に回転できるようにするため、送達前の、ステント120の直径は、カテーテル・シャフト144及び/またはバルーン114の直径未満である。しかし、結果として、ステント120は、カテーテル116に沿って縦方向に自由に移動する。こうした移動または転位を阻止するため、シース102がステント120に係合させられる。図18〜図19に示すように、シース102の遠位端領域が、1つ以上の係合部材172によってすてんと120の近位端領域に係合させられる。
【0091】
係合部材172は、所望の任意の材料から製作することが可能であるが、1つ以上の生体適合高分子及び/または金属から製作するのが望ましい。係合部材172は、シース102に係合する近位端部174を備えている。遠位端176は、ステント120の1つ以上のストラット132に解放可能に係合する。システム300の進行中、係合部材176の遠位端172はステント120に係合し、その結果、カテーテル・シャフト144に対するステント120の縦方向変位が阻止される。ステント120が配置のため拡張する際には、遠位端176は、図20に描かれているように、ステントを解放する。
【0092】
係合部材172は、少なくとも部分的に生体吸収性とするとことが可能であり、従って、身体によって部材172が吸収されると、ステント120を解放するように構成することが可能である。
【0093】
係合部材172は、図18に示すように、ステント120がシース102に固定される係合位置から、図20に示すように、ステント120がシース102から解放される非係合位置まで、機械的に動かすことが可能である。部材172を動かすと、ステントが拡張し、従って、係合したストラット132が、係合部材172の遠位端176から転位することになる。機械的操作の代替形態も利用可能である。
【0094】
実施形態によっては、係合部材172が、少なくとも部分的に、ポリピロール、カーボン・ナノチューブ(すなわち、「ブッキー紙」)のようなEAP材料から製作される。こうした部材は、係合部材に電気信号を送ることによって係合位置から非係合位置に動かすことが可能である。こうした信号は、導電性カテーテル・シャフト144、または、それに含まれる導電性部材を介して、シース102に、最終的には、係合部材172に送られる。こうした実施態様の場合、シース102には、係合部材172のEAPへの電気信号の伝送を容易にするため、その構造に導電性材料を含むことも可能である。
【0095】
実施形態によっては、図19に示す例のように、ステント120は、バルーン114まわりで回転可能であるが、ステント120とバルーン114の間に材料178の少なくとも1つを配置して、バルーン114にさらなる保護を施し、可能性のあるステント120とバルーンとの摩擦を軽減させることが可能である。1つまたは複数の層178は、バルーン114及びステント120に保護の強化、摩擦の軽減、及び/または、他の任意の望ましい特性を与えるために利用することが可能な、滑らかなコーティング、保護膜等とすることが可能である。
【0096】
本発明の解説は、実施形態に関連して行われた。本明細書を読んで、理解すれば、他者が修正及び変更を思いつくことになるのは明らかである。例えば、例示の実施形態では、簡単に上述のように、バルーンを利用して、ステントを拡張させるが、本発明の特徴から逸脱することなく、自己拡張、自己配備、または、ハイブリッド拡張可能ステントを利用することが可能である。本発明は、こうした修正及び変更の全てを包含することを意図したものである。
【0097】
さらに、その両方とも、「Rotating Balloon Expandable Sheath Bifurcation Delivery」と題する、2003年2月27日に提出された米国特許出願第10/375,689号及び2003年9月8日に提出された米国特許出願第10/657,472号に示され、解説されている各種実施形態が、本明細書において援用し、かつ、本明細書に解説の各種実施形態に利用するか、あるいは、そのいずれかが可能であるという点に留意されたい。
【0098】
上記開示は、例証のためのものであって、余すところなく述べることを意図したものではない。この説明は、通常の当該技術者に対して多くの変更及び改変を示唆するものである。これらの改変及び変更は、全て、「含む」という用語が「包含するが、それに制限されない」ことを意味する、請求の範囲内に含まれることを意図したものである。当該技術の熟練者であれば、本明細書に解説の具体的実施形態に対する他の同等物を認識することが可能であり、それらの同等物も、請求の範囲に包含されるものとする。
【0099】
さらに、従属クレイムに提示された特定の特徴は、本発明が、従属クレイムの特徴の可能性のある他の任意の組み合わせを備える、他の実施形態も対象とするものであると認識されるように、本発明の範囲内において他のやり方で互いに組み合わせることが可能である。例えば、請求の範囲の公告のため、後続するいかなる従属クレイムも、こうした従属クレイムで引用される全ての先行詞を有する全ての先行請求項から、代わりになるべきものとして多数従属形式で(こうした多数従属フォーマットが管轄区域内において許容されるフォーマットである場合)書かれたものとみなされるべきである(例えば、請求項1に直接従属する各請求項は、代わりに、全ての先行請求項に従属するものとみなすべきである)。多数従属請求の範囲フォーマットが禁止される管轄区域では、後続する従属クレイムは、それぞれ、こうした従属クレイムで以下に記載される特定的なクレイム以外の先行する先行詞を備えた請求項への従属性を生じる、それぞれ単独の従属請求の範囲フォーマットで、代わりになるべきものとして書かれたものとみなすべきである。
【0100】
この説明によって、当該技術者は、本明細書に解説の具体的実施形態に対する他の同等物を認識することが可能になる。こうした同等物は、付属の請求の範囲に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】回転シース・アセンブリの側面図である。
【図2】ステントを送達するように構成された、図1に示すアセンブリの側面図である。
【図3】カテーテル・アセンブリの側面図である。カテーテル・アセンブリには、回転カラーが設けられている。
【図4】回転シース・アセンブリ及びそれに取り付けられた図2のステントを備える、図3のカテーテル・アセンブリの側面図である。
【図5】ステントの送達前に、ガイドワイヤに沿って血管分岐部まで進められる、図4に示すカテーテル・アセンブリの側面図である。
【図6】図2に示すのと同様のステントの側面斜視図である。
【図7】側分枝開口部の形成が示されている、図6に示すステントの側面斜視図である。
【図8】図7のステントの断面図である。
【図9】バルーンが拡張し、その後、アセンブリが血管から取り除かれることによって、ステントがカテーテル・アセンブリから送達された状態にある、図5に描かれたステントの側面図である。
【図10】回転アセンブリのシースがバルーンの円錐部に及ぶ、カテーテル・アセンブリの側面図である。
【図11】シースに1つ以上のマーカ帯が設けられた、図1に示す回転アセンブリの側面図である。
【図12】ステントがそのまわりに装着された、図11に示す回転アセンブリの側面図である。
【図13a】回転アセンブリのシースに可変厚及び内径が付与された、断面「A」に沿って描かれた、図4に示すカテーテル・アセンブリの断面図である。
【図13b】回転アセンブリのシースに可変厚及び内径が付与された、断面「B」に沿って描かれた、図4に示すカテーテル・アセンブリの断面図である。
【図14】カテーテルへの取り付け前に示された、ステントが装着された、回転シースの実施形態の斜視図である。
【図15】図14に示すシースの斜視図である。
【図16】図16a〜図16dは、2つのガイドワイヤ開口部及び/または通路を備えた一体式回転シースの形成を描いた図である。
【図17a】ステントを装着する前に示された回転シースの斜視図である。
【図17b】ステントを装着できるように、シースの直径を縮小するため、シースが引き伸ばされている、または、伸張されているところが示された、図17aに描かれた回転シースの斜視図である。
【図17c】シースを公称外径に戻して、ステントを固定できるようになった、図17bに描かれた回転シース及びステントの斜視図である。
【図18】カテーテル・シャフトに対して回転可能であり、ステントに解放可能に固定される少なくとも1つの固定部材を備えた回転アセンブリによる送達前に、それによって保持される、ステントを備えたカテーテルの側面図である。
【図19】保護シースがバルーンと回転シースの間に配置されている、図18に示すカテーテルの側面図である。
【図20】固定部材を操作して、送達のためステントが解放された、図18に示すカテーテルの側面図である。
【符号の説明】
【0102】
64 外部補強材
100 回転シース・アセンブリ
102 シース
103 内側シャフト
104 二次ガイドワイヤ・ハウジング
106 二次ガイドワイヤ・ハウジング管腔
107 一次ガイドワイヤ
108 二次ガイドワイヤ
110 開口部
112 係合部位
114 バルーン
116 カテーテル
120 ステント
130 セル開口部
132 ステント部材
134 近位開口部
135 マーカ帯
136 遠位開口部
138 流路
139 リング
140 二次ガイドワイヤ・ハウジングの近位部分
144 カテーテル・シャフト
146 カテーテル・シャフト管腔
150 カラー
151 シースの壁
152 ハブ
153 シースの一次管腔
163 マンドレル
165 フラップ
167 シーム
169 二次マンドレル
172 係合部材
174 係合部材の近位端
175 バンプ
176 係合部材の遠位端
211 一次ガイドワイヤ・ハウジング
300 ステント送達システム
401 コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル・シャフトとそれに取り付けられたバルーンを具備するカテーテルと、
前記カテーテルの少なくとも一部に回転可能に装着され、第1の部分内径と第2の部分内径を備え、前記第1の部分内径が前記第2の部分内径と異なる、回転シースと、
を含むカテーテル・アセンブリ。
【請求項2】
さらにガイドワイヤ・ハウジングを含み、前記ガイドワイヤ・ハウジングにより、ガイドワイヤが通るためのガイドワイヤ管腔が形成されており、前記ガイドワイヤ・ハウジングの少なくとも一部が、前記回転シースの少なくとも近位部分に係合している請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項3】
さらにステントを含み、前記ステントが前記回転シースの少なくとも一部に装着されている請求項2に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項4】
前記ステントの少なくとも一部が前記ガイドワイヤ・ハウジングの少なくとも一部に装着されている請求項3に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項5】
前記回転シースが、第1の部分、第2の部分、及び、第3の部分を有し、
前記回転シースの少なくとも前記第2の部分が、前記バルーンまわりに取り付けられ、かつ、前記回転シースの前記第1の部分と前記第3の部分の間に位置し、
前記第1の部分によって前記第1の部分内径が形成され、前記第2の部分によって前記第2の部分内径が形成され、前記第1の部分内径が前記第2の部分内径未満である請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項6】
前記回転シースがある長さを有し、前記第2の部分内径が、前記第2の部分の全長に沿ってほぼ一定である請求項5に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の部分内径が前記第1の部分の全長に沿ってテーパ状である請求項6に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項8】
前記第3の部分によって第3の部分内径が形成され、前記第3の部分内径が前記第2の部分内径未満である請求項6に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項9】
前記第3の部分内径が前記第3の部分の全長に沿ってテーパ状である請求項8に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項10】
前記回転シースがある壁厚及びある長さを有し、前記長さに沿った任意のポイントにおいて、前記壁厚に厚い領域と薄い領域の交互パターンが含まれ、前記第1の部分内径が、前記壁厚の少なくとも1つの薄い領域によって形成され、前記第2の部分内径が、前記壁厚の少なくとも1つの厚い領域によって形成される請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項11】
前記回転シースの各厚い領域の一部だけが、前記カテーテルと回転可能に接触する請求項10に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項12】
前記回転シースが、少なくとも1つの放射線不透過性物質の帯を含む請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項13】
前記回転シースが少なくとも1つの放射線不透過性物質の帯を含み、前記少なくとも1つの放射線不透過性物質の帯が、前記ステントの少なくとも一部の下に位置するように配置されている請求項4に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの放射線不透過性物質の帯が、前記二次ガイドワイヤ・ハウジングの遠位端部に隣接する請求項13に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項15】
さらにステントを含み、前記ステントが前記回転シースの少なくとも一部に装着され、前記ステントが複数の相互接続されたステント部材からなり、その隣接部材によってセル開口部が形成されている請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項16】
前記回転シースが、内表面、外表面、及び、その間の厚さを有し、
前記シース壁の前記内表面が、前記カテーテルのまわりに回転可能に取り付けられ、
前記ステントが、前記外表面の少なくとも一部に装着され、
前記回転シースの厚さ部分に、少なくとも1つのガイドワイヤ管腔が形成されており、
前記少なくとも1つのガイドワイヤ管腔が、第1の管腔開口部と第2の管腔開口部を備え、
前記第1の管腔開口部が、前記回転シースの第1の端部において、前記厚さ部分に形成され、前記第2の管腔開口部が、前記回転シースの外表面に形成されている請求項15に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項17】
前記第2の管腔開口部が前記ステントのセル開口部と整列している請求項16に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項18】
さらにガイドワイヤを含み、前記ガイドワイヤが、前記第1の管腔開口部から、前記第2の管腔開口部を通り、前記ステントの前記セル開口部を通って、前記少なくとも1つのガイドワイヤ管腔を貫いて伸びている請求項16に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項19】
前記回転シースの前記厚さ部分により複数のガイドワイヤ管腔が形成され、各ガイドワイヤ管腔が、異なる第1の管腔開口部と異なる第2の管腔開口部を備える請求項18に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項20】
各ガイドワイヤ管腔の長さが異なる請求項19に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項21】
前記回転シースが、第1の端部、第2の端部、及び、その間の中間部分を有し、
前記ステントが、前記回転シースの前記中間部分に装着され、前記第1の端部が第1の端部外径を有し、前記第2の端部が第2の端部外径を有し、前記中間部分が中間部分外径を有し、前記ステントがステント外径を有し、
前記第1の端部外径及び前記第2の端部外径の少なくとも一方が、前記ステント外径と少なくとも同じである請求項15に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項22】
前記第1の端部外径及び前記第2の端部外径が前記ステントの外径とほぼ等しい請求項21に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項23】
前記第1の端部外径及び前記第2の端部外径が前記ステントの外径よりかなり大きい請求項21に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項24】
前記ステントの少なくとも一部が、少なくとも1つの治療薬でコーティングされている請求項15に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項25】
前記少なくとも1つの治療薬が、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及び、PPack(デキシトロフェニルアラニン・プロリン・アルギニン・クロロメチルケトン)のような抗血栓形成剤と、エノキサプリン、アンギオペプチン、円滑な筋肉細胞の増殖を阻害することが可能な単クローン抗体、ヒルジン、及び、アセチルサリチル酸のような抗増殖剤と、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデゾニド、エストロゲン、スルファサラジン、及び、メサラミンのような抗炎症薬と、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、及び、チミジンキナーゼ抑制剤のような抗悪性腫瘍/抗増殖/抗縮瞳剤と、リドカイン、ブピバカイン、及び、ロピバカインのような麻酔薬と、D−Phe−Pro−Argクロロメチル・ケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、アンチトロンビン化合物、血小板レセプタ拮抗剤、アンチトロンビン抗体、抗血小板レセプタ抗体、アスピリン、プロスタグランジン抑制剤、血小板抑制剤、及び、ダニ抗血小板ペプチドのような抗凝固剤と、成長因子抑制剤、成長因子レセプタ拮抗剤、転写活性剤、及び、翻訳促進剤のような血管細胞成長促進物質と、成長因子抑制剤、成長因子レセプタ拮抗剤、転写リプレッサ、翻訳リプレッサ、複製抑制剤、抑制性抗体、成長因子を対象とする抗体、成長因子と細胞毒素から構成される二官能分子のような血管細胞成長抑制剤と、抗体と細胞毒素から構成される二官能分子と、コレステロール低下剤と、血管拡張剤と、内因性血管同時活性化メカニズムを妨害する薬剤と、これらの任意の組み合わせから構成されるグループの少なくとも1つの物質から選択される、少なくとも1つの非遺伝的治療薬である請求項24に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの治療薬が、アンチセンスDNA及びRNAと、アンチセンスRNA、tRNA、または、rRNAが欠陥または欠損内因性分子に取って代わるためのDNAコーディングと、酸性及び塩基性繊維芽細胞成長因子、血管内皮成長因子、表皮成長因子、トランスフォーミング成長因子α及びβ、血小板由来血管内皮成長因子、血小板由来成長因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子、及び、インシュリン様成長因子といった成長因子を含む血管形成因子と、CD抑制剤、チミジン・キナーゼ(「TK」)、及び、細胞増殖の妨害に役立つ他の薬剤を含む細胞周期抑制剤と、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、及び、BMP−16のような骨形態形成蛋白質(「BMP」)族の少なくとも1つと、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、及び、BMP−7の任意の1つと、単独または他の分子と混合された、ホモダイマ、ヘテロダイマ、または、それらの組み合わせのような二量体蛋白質と、「ハリネズミ」の蛋白質のようなBMPの上流または下流効果を含むことが可能な分子、または、それらをコード化するDNA、及び、それらの任意の組み合わせから構成されるグループの少なくとも1つの物質から選択される、少なくとも1つの遺伝的治療薬である請求項24に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項27】
前記少なくとも1つの治療薬が、人間から生じた細胞(自己または同種)、非人間から生じた細胞(異種)、及び、それらの任意の組み合わせから構成されるグループの少なくとも1つの構成員から選択される、少なくとも1つのタイプの細胞物質である請求項24に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項28】
前記細胞物質が、側集団細胞と、系譜が負の細胞と、系譜が負のCD34細胞と、系譜が負のCD34細胞と、系譜が負のcKitと細胞と、間葉幹細胞と、臍帯血細胞と、心臓または他の細胞に由来する幹細胞と、全骨髄と、骨髄単核細胞と、内皮前駆細胞と、衛星細胞と、筋肉由来細胞と、go細胞と、内皮細胞と、成人の心筋細胞と、繊維芽細胞と、滑らかな筋細胞と、心筋細胞への分化を強制する5−azaを備えた間葉幹細胞の培養物と、成人の心臓繊維芽細胞+5−azaと、遺伝子操作細胞と、組織改変移植片と、MyoD瘢痕繊維芽細胞と、ペーシング細胞と、胚幹細胞クローンと、胚幹細胞と、胎児または新生児細胞と、免疫学的にマスキングされた細胞と、組織改変移植片と、遺伝子操作細胞と、奇形腫由来細胞と、それらの任意の組合せから構成されるグループの少なくとも1つの物質から選択される請求項27に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項29】
前記少なくとも1つの治療薬に、ポリカルボン酸と、酢酸セルロース及び硝酸セルロースを含むセルロース系高分子と、ゼラチンと、ポロビニルピロリドンと、架橋ポリビニルピロリドンと、無水マレイン酸ポリマを含むポリアンヒドリドと、ポリアミドと、ポリビニル・アルコールと、EVAのようなビニル・モノマのコポリマと、ポリビニル・エーテルと、ポリビニル芳香族と、ポリエチレン・オキシドと、グリコサミノグリカンと、多糖類と、テレフタル酸ポリエチレンを含むポリエステルと、ポリアクリルアミドと、ポリエーテルと、ポリエーテル・スルホンと、ポリカーボネートと、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレンと、ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレンと、ポリウレタンと、ポリオルトエステルと、蛋白質と、ポリペプチドと、シリコーンと、シロキサン・ポリマと、ポリ乳酸と、ポリグリコール酸と、ポリカプロラクトンと、吉草酸ポリヒドロキシブチラート及びその混合物及びコポリマと、ポリウレタン分散液(BAYHDROL(登録商標)等)、フィブリン、コラーゲン、及び、それらの誘導体のような高分子分散液のコーティングと、セルロース、澱粉、デキストラン、アルギン酸塩、及び、誘導体のような多糖類と、ヒアルロン酸と、スクアレン乳剤と、ポリアクリル酸、ポリ乳酸のコポリマ、及び、ポリカプロラクトンと、PGA−TMC、チロシン誘導ポリカーボネート、及び、アリーレートのような医用グレードの生分解性材料と、ポリカプロラクトン・コ・ブチル・アクリレート及び他のコポリマと、DL−乳酸と混合されたポリ−L−乳酸と、ポリ(乳酸−コ・グリコール酸)と、ポリカプロラクトン・コ・PLAと、ポリカプロラクトン・コ・ブチル・アクリレート及び他のコポリマと、チロシン誘導ポリカーボネート及びアリーレートと、ポリアミノ酸と、ポリホスファゲンと、ポリイミノカーボネートと、ポリジメチルトリメチルカーボネートと、生分解性CA/PO4と、シアノアクリレートと、50/50DLPLGと、ポリジオキサノンと、フマル酸ポリプロピレンと、ポリデプシペプチドと、キトサン及びヒドロキシルプロピルメチルセルロースのような巨大分子と、表面腐食性材料と、無水マレイン酸コポリマと、リン酸亜鉛カルシウムと、非晶質ポリアンヒドリドと、砂糖、炭水化物と、ゼラチンと、生分解性高分子と、体液に溶解可能な高分子と、Aブロック・コポリマと、Bブロック・コポリマと、それらの任意の組合せから構成されるグループの少なくとも1つの構成員から選択される、少なくとも1つの高分子コーティングが含まれる請求項24に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項30】
さらに滑らかなコーティングを含み、前記滑らかなコーティングが、回転シースの少なくとも一部とカテーテル・シャフトの間に位置する請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項31】
前記回転シースが、少なくとも部分的に、親水性高分子材料から形成される請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項32】
前記回転シースが、少なくとも部分的に、テコフィリック材料から形成される請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項33】
前記回転シースが、少なくとも部分的に、第1の材料及び第2の材料から形成される請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項34】
前記回転シースが、少なくとも部分的に、親水性ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリカーボネート・ベースの脂肪族ポリウレタン、エンジニアリング・ポリウレタン、弾性ポリアミド、ブロック・ポリアミド/エーテル、ポリエーテル・ブロック・アミド、シリコーン、ポリエーテル・エステル、ポリエステル、ポリエステル・エラストマ、ポリエチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマ、アセタール、及び、それらの任意の組合せから構成されるグループの少なくとも1つの材料から形成される請求項33に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項35】
前記第1の材料が高分子マトリックスであり、前記第2の材料が、補強材からなる少なくとも1つの別個の部材であって、少なくとも部分的に前記高分子マトリックス内に支持されたものである請求項33に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項36】
高分子マトリックスが、親水性ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリカーボネート・ベースの脂肪族ポリウレタン、エンジニアリング・ポリウレタン、弾性ポリアミド、ブロック・ポリアミド/エーテル、ポリエーテル・ブロック・アミド、シリコーン、ポリエーテル・エステル、ポリエステル、ポリエステル・エラストマ、ポリエチレン、及び、その任意の組み合わせから構成されるグループからの少なくとも1つの材料から選択される請求項35に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項37】
前記補強材が、ポリアミド、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマ、アセタール、及び、それらの任意の組合せから構成されるグループの少なくとも1つの材料から選択される請求項35に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項38】
回転シースの長さがカテーテルの長さよりかなり短い請求項1に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項39】
カテーテル・シャフトとそれに取り付けられたバルーンを具備するカテーテルと、
前記バルーンに隣接した前記カテーテル・シャフトの少なくとも一部に回転可能に装着された回転シースと、
前記バルーンの少なくとも一部に回転可能に装着されたステントと、
係合位置から解放位置に動かすことが可能な少なくとも1つのステント係合部材と、を含み、
前記係合位置において、前記少なくとも1つのステント係合部材が、前記回転シースから伸びて、前記ステントに係合し、前記解放位置において、前記ステントが前記少なくとも1つの係合部材から解放されるカテーテル・アセンブリ。
【請求項40】
さらにガイドワイヤ・ハウジングを含み、前記ガイドワイヤ・ハウジングにより、ガイドワイヤを通すためのガイドワイヤ管腔が形成されており、前記ガイドワイヤ・ハウジングの少なくとも一部が、前記回転シースの少なくとも一部に係合し、前記ステントの少なくとも一部が、前記ガイドワイヤ・ハウジングの遠位部分のまわりに取り付けられる請求項39に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項41】
前記少なくとも1つのステント係合部材の少なくとも一部が生体吸収性である請求項39に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項42】
前記少なくとも1つのステント係合部材が機械的に操作可能である請求項39に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項43】
前記少なくとも1つのステント係合部材が、少なくとも部分的に電気活性高分子から形成される請求項39に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項44】
前記少なくとも1つのステント係合部材が、電気的に操作可能である請求項43に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項45】
前記回転シースが前記バルーンの近くに隣接して配置される請求項39に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項46】
さらにハブを含み、前記ハブの外径が前記回転シースの内径より大きく、前記ハブが前記回転シースの近くに隣接して配置される請求項45に記載のカテーテル・アセンブリ。
【請求項47】
ステント送達システムに用いられる回転シース・アセンブリを形成する方法であって、
管状部材内径を形成する壁を備えた管状部材を供給するステップと、
前記管状部材内径よりかなり小さい第1の支持マンドレル外径を有する第1の支持マンドレルまわりに前記第1の管状部材を装着するステップと、
シームに沿って前記管状部材の前記壁の一部をはさんで、前記シームの一方の側における前記管状部材の第1の部分に一次管腔が形成され、前記シームのもう一方の側における前記管状部材の第2の部分に二次管腔が形成されるようにし、前記第1の支持マンドレルが、前記一次管腔内に収容され、前記一次管腔によって一次管腔直径が形成され、前記二次管腔によって二次管腔直径が形成されるようにするステップと、
前記壁の所定の領域を除去して、前記第2の管腔と通じた開口部が形成されるようにするステップと、を含む方法。
【請求項48】
さらに、
第2の支持マンドレル外径を有する第2の支持マンドレルを前記第2のガイドワイヤ管腔に収容するステップと、
前記管状部材をヒート・セットして、前記一次管腔直径が、少なくとも前記第1の支持マンドレル外径と同じになり、前記二次管腔直径が、少なくとも前記第2の支持マンドレル直径と同じになるようにするステップと、
前記管状部材から前記第1の支持マンドレル及び前記第2の支持マンドレルから除去するステップと、を含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記管状部材の前記第2の部分が、近位領域及び遠位領域を含み、前記近位領域が前記開口部に近接しており、前記遠位領域が前記開口部に対し遠位にあるものであって、さらに、
前記第1の部分のまわりで前記第2の部分の前記遠位領域を折りたたんで、前記第2の管腔が前記開口部を通り、前記管状部材の前記第2の部分の近位領域を通って延びるようにするステップを含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記管状部材の前記第2の部分が、近位領域及び遠位領域を含み、前記近位領域が前記開口部に近接しており、前記遠位領域が前記開口部に対し遠位にあるものであって、さらに、
前記シームに沿って前記第2の部分の前記遠位領域を除去し、前記第2の管腔が前記開口部を通り、前記管状部材の前記第2の部分の近位領域を通って延びるようにするステップを含む請求項48に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−517586(P2007−517586A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549237(P2006−549237)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/034357
【国際公開番号】WO2005/070334
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】