説明

刺繍データ作成装置

【課題】刺繍したい画像の画像データによる刺繍データの作成をより簡単に、且つ、より確実に行うことができる刺繍データ作成装置を提供する。
【解決手段】スキャナ1と、液晶表示部231と、刺繍データ作成プログラム252と、を備える刺繍データ作成装置100であって、CPU21は、濃淡調整プログラム251を実行して、画像濃度に関する閾値に基づいて、前記表示手段に表示された画像から、前記刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を設定し、当該設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、液晶表示部231に表示させるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺繍データ作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
模様を刺繍縫いする刺繍縫いミシンにおいては、予め作成した刺繍データをミシン制御部に読み込ませることによって、自動的に刺繍縫いが行われるようになっている。このような刺繍模様の自動縫製に使用する刺繍データの作成には、従来から、刺繍データ作成装置が用いられている。刺繍データ作成装置は、具体的には、イメージスキャナ(以下、単に“スキャナ”とも言う)などを用いて、刺繍したい模様(パターン)が描かれている原画から、当該模様の画像データを読み取り、当該読み取った画像データを、刺繍模様を縫うための針落ちデータである刺繍データに自動的に変換する。
【0003】
スキャナなどを用いて、原画から画像データを読み取った際、当該画像データの中に、刺繍データの作成に必要な、刺繍したい模様の画像データだけでなく、刺繍データの作成に不必要な画像データも含まれてしまうことが往々にして発生する。具体的には、例えば、ノイズ画像や、スキャナのガラスに付着したゴミなどの不必要な画像の画像データが含まれてしまうことがある。そして、不必要な画像の画像データを含んだままの画像データが、刺繍データに変換されると、意図しない刺繍データが作成されることとなる。
【0004】
そこで、画像データから不必要な画像の画像データを削除するために、様々な画像データ処理方法が提案されている。具体的には、画像からノイズ画像を削除するために、例えば、チェックビットの周辺ビットが同一色であるか否かを判断し、そして、周辺ビットが同一色であると判断した場合には、チェックビットを当該同一色に変換し、周辺ビットが同一色でない場合には、チェックビットは元のデータのまま保持する、といったような画像データ処理方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。しかしながら、当該画像データ処理方法では、数ビットの小さいノイズ画像しか削除することができない。すなわち、数ビット以上の大きいノイズ画像や、スキャナのガラスに付着したゴミなどの画像は、削除することができない。
【0005】
そこで、比較的大きい不必要な画像は、濃淡調整によって削除している。具体的には、まず、スキャナなどを用いて読み取った画像データに基づく画像を、液晶表示部に表示する。ここで、当該表示された画像の濃度に、所定の閾値を設けておく。画像の濃度が閾値以上の場合には、当該画像を“黒”と認識して液晶表示部に表示する。そして、当該“黒”と認識された画像の画像データは、刺繍データの作成に有効な画像データとなる。一方、画像の濃度が閾値よりも小さい場合には、当該画像を“白”と認識して液晶表示部に表示しない。そして、当該“白”と認識された画像の画像データは、刺繍データの作成に無効な画像データとなる。次いで、所定の操作によって、閾値を変更して、白の認識範囲を広げる。そして、目視によって、不必要な画像が削除された、すなわち、不必要な画像の画像データが刺繍データの作成に無効な画像データとなったことが確認できるまで、閾値を変更する。
【特許文献1】特開2000−254373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような濃淡調整による不必要な画像の削除は、閾値を変更し、液晶表示部に表示されている不必要な画像が削除されてゆく過程で、不必要な画像が完全に削除されたか否かの判別は、目視のみで行われるため、不必要な画像が完全に削除できたか否か判別しにくく、見落としてしまう可能性があった。
【0007】
本発明の課題は、刺繍したい画像の画像データによる刺繍データの作成を、より簡単に、且つ、より確実に行うことができる刺繍データ作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、刺繍の原画パターンの画像データを読み取る画像データ読取手段と、当該画像データ読取手段によって読み取られた画像データに基づく画像を表示する表示手段と、当該画像データから刺繍データを作成する刺繍データ作成手段と、を備える刺繍データ作成装置であって、画像濃度に関する閾値に基づいて、前記表示手段に表示された画像から、前記刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を設定する有効画像領域設定手段と、前記有効画像領域設定手段によって設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、前記表示手段に表示させる有効画像表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の刺繍データ作成装置であって、前記刺繍データ作成手段は、前記有効画像領域設定手段によって設定された有効画像領域内にある画像データにより刺繍データを作成することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の刺繍データ作成装置であって、前記画像濃度に関する閾値を変更させる閾値変更手段を備え、前記有効画像領域設定手段は、前記閾値変更手段によって変更された画像濃度に関する閾値に基づいて、前記表示手段に表示された画像から、前記刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を再設定し、前記有効画像表示制御手段は、再設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、有効画像領域設定手段により、画像濃度に関する閾値に基づいて、表示手段に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を設定し、さらに、有効画像表示制御手段により、当該有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、表示手段に表示することができるので、オペレータは、画像データに基づく画像に、オペレータが刺繍したくない画像、例えば、ゴミなどの不必要な画像が含まれているか否かを容易に判別することができることとなって、容易に刺繍される画像を把握することができる。これにより、刺繍したい画像の画像データによる刺繍データの作成を、より簡単に、且つ、より確実に行うことができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、刺繍データ作成手段は、有効画像領域設定手段によって設定された有効画像領域内にある画像データにより刺繍データを作成するので、簡単に、且つ、確実に、オペレータが刺繍したい画像の画像データのみを刺繍データに変換することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、閾値変更手段により、画像濃度に関する閾値を変更することができ、さらに、有効画像領域設定手段により、当該変更された画像濃度に関する閾値に基づいて、表示手段に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を再設定することができる。したがって、オペレータは、画像データに基づく画像から、閾値を変更することによって、オペレータが刺繍したくない画像を削除することができることとなって、より簡単に、且つ、より確実に、オペレータが刺繍したい画像の画像データのみを刺繍データの作成に有効な画像データとすることができる。
また、有効画像表示制御手段により、再設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、表示手段に表示することができる。したがって、オペレータは、不必要な画像が完全に削除されたか否かの判別を容易に行うことができることとなって、より簡単に、且つ、より確実に、刺繍される画像を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照して、本発明にかかる刺繍データ作成装置及び当該刺繍データ作成装置における刺繍データ作成処理方法の最良の形態を詳細に説明する。
【0015】
[刺繍データ作成装置]
刺繍データ作成装置100は、例えば、図1、2に示すように、刺繍の原画パターンの画像データを読み取る画像データ読取手段としてのスキャナ1と、スキャナ1によって読み取られた画像データを処理する処理装置2と、処理装置2によって作成された刺繍データを記録する記録装置3などを備えて構成される。処理装置2と、スキャナ1、記録装置3とは、電気的に接続されており、各装置間でデータの入出力ができるようになっている。
【0016】
スキャナ1と処理装置2とは、例えば、図1に示すように、収納ケース6に収納されている。収納ケース6の前面部に設けられたカバー部6Aの内側には、記録装置3が備えられており、記録媒体31が着脱自在に装着できるようになっている。
【0017】
スキャナ1は、例えば、図1に示すように、フラットベッドタイプのスキャナである。スキャナ1の上面は、透明なガラス板1Aで形成され、ガラス板1Aは、開閉可能なカバー1B(一部のみを示す)で覆われるようになっている。スキャナ1は、オペレータによって、ガラス板1Aに原画が載せられ、必要に応じてカバー1Bが閉じられた状態で、オペレータの処理装置2に対する指示に伴い処理装置2から入力される信号に従って、当該原画から画像データを読み取る。そして、スキャナ1は、当該読み取った画像データ(以下、“読取画像データ”とも言う)を、ケーブル(図示略)を介して、処理装置2に出力する。
なお、スキャナ1は、フラットベッドタイプではなく、いわゆるハンディタイプのものであっても良い。
【0018】
処理装置2は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、操作部23、記憶部24などを備えている。
【0019】
CPU21は、記憶部24に記憶された刺繍データ作成装置100用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0020】
RAM22は、CPU21によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0021】
操作部23は、液晶表示部231、タッチパネル232、バックライト233などにより構成されている。具体的には、タッチパネル232は、液晶表示部231の上面を覆うように設置されており、バックライト233は、液晶表示部231の下面を覆うように設置されている。操作部23は、例えば、図1に示すように、処理装置2の上面に位置するよう備えられている。
【0022】
液晶表示部231は、CPU21から入力される表示信号に従って所与の表示処理を行う。本発明における液晶表示部231は、例えば、CPU21が、スキャナ1によって読み取られた読取画像データに基づく画像を表示する際などに使用され、表示手段として機能する。
【0023】
タッチパネル232は、オペレータによる入力ペンなどを用いた操作によって押圧入力された所望の入力位置を検出し、その検出信号をCPU21に出力する。本発明におけるタッチパネル232は、例えば、オペレータが、CPU21に対して、液晶表示部231に表示された画像の画像濃度に関する閾値を変更するよう指示する際などに使用され、閾値変更手段として機能する。
なお、本発明におけるタッチパネル232の入力位置の検出方式は、特に制限はなく、例えば、抵抗膜方式、光学方式、静電容量方式、磁気誘導方式、弾性波方式などが挙げられる。また、入力ペンを用いてタッチパネル232の操作を行うようにしたが、タッチパネル232の操作は、タッチパネル232が検出できるような押圧入力を与えることができるのであれば、特に制限はなく、例えば、指などにより操作しても良い。
【0024】
記憶部24は、刺繍データ作成装置100で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU21によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部24に記憶されている。具体的には、記憶部24には、刺繍データファイル241、濃淡調整プログラム251、刺繍データ作成プログラム252などが記憶されている。
【0025】
刺繍データファイル241は、CPU21が刺繍データ作成プログラム252を実行することによって作成した刺繍データを記憶している。
【0026】
濃淡調整プログラム251は、CPU21に、画像濃度に関する閾値に基づいて、液晶表示部231に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を設定し、当該有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、液晶表示部231に表示させる機能を実現させる。また、オペレータによるタッチパネル232の所定の操作によって、閾値を変更し、当該変更された閾値に基づいて、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を再設定する機能を実現させる。具体的には、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、液晶表示部231に表示された画像の濃淡調整を行うよう指示されると、CPU21は、濃淡調整プログラム251を実行することによって、まず、液晶表示部231に表示された画像から、当該画像の画像濃度に関する閾値に基づいて、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域R1を設定する。そして、CPU21は、当該設定された有効画像領域R1の範囲を示す所定の領域表示としての枠表示r1を、液晶表示部231に表示する。
さらに、CPU21は、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、液晶表示部231に表示された画像の画像濃度に関する閾値が変更されると、当該変更された閾値に基づいて、液晶表示部231に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域R2、R3を設定する。そして、CPU21は、当該設定された有効画像領域R2、R3の範囲を示す所定の領域表示としての枠表示r2、r3を、液晶表示部231に表示する。ここで、CPU21は、かかる濃淡調整プログラム251を実行することによって、有効画像領域設定手段、有効画像表示制御手段として機能する。
【0027】
刺繍データ作成プログラム252は、CPU21に、濃淡調整プログラム251によって設定された有効画像領域R1、R2、R3内の画像データにより刺繍データを作成する機能を実現させる。ここで、CPU21は、かかる刺繍データ作成プログラム252を実行することによって、刺繍データ作成手段として機能する。
【0028】
記録装置3は、ケーブル(図示略)を介して、処理装置2に接続されており、例えば、処理装置2のCPU21から送信される刺繍データを記録する記録媒体31などを備えている。記録媒体31は、磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記録媒体31は、記録装置3に着脱自在に装着されるものである。
【0029】
[刺繍データ作成装置における処理動作説明]
次に、刺繍データ作成装置100における処理について、図を参照して説明する。
まず、刺繍データ作成処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
オペレータによる操作部23のタッチパネル232の所定の操作によって、刺繍の原画パターンの画像データを読み取るよう指示されると、CPU21は、スキャナ1に、刺繍の原画パターンの画像データを読み取らせる(ステップS1)。
次いで、読み取られた読取画像データが、CPU21に出力されると、CPU21は、液晶表示部231に、当該読取画像データに基づく読取画像を表示させる(ステップS2)。このとき、液晶表示部231の画面上には、例えば、図4(a)に示すような画像が表示される。当該画像は、具体的には、例えば、図4(a)に示すように、第1画像領域Aと、第2画像領域Bとに分割されている。
第1画像領域Aには、具体的には、例えば、読取画像データに基づく読取画像として、オペレータが刺繍したい画像である必要画像aと、オペレータが刺繍したくない画像である不必要画像(原画の縁の影d1、ゴミd2)とが表示されている。
第2画像領域Bには、具体的には、例えば、オペレータが、CPU21に指示を出す際に使用するキーとして、“戻る”キーb1、“読み直し”キーb2、“濃淡調整”キーb3、“終了”キーb4などの画像が表示されている。
【0031】
ここで、CPU21は、読取画像データに基づく読取画像のうち、画像濃度が所定の閾値以上となる画像のみを、黒として認識し、液晶表示部231に表示する。そして、CPU21が、刺繍データ作成プログラム252を実行して、画像データから刺繍データを作成する際においては、画像濃度が所定の閾値以上となる画像の画像データのみが、刺繍データの作成に有効な画像データとなる。
具体的には、例えば、読取画像データにおいて、1ピクセルあたり8ビットの重みを付けると、図4(b)に示すように、読取画像データに基づく読取画像の画像濃度は16段階になる。そして、当該画像濃度に関する閾値を、例えば、8段階目に設けることとすると、CPU21は、画像濃度が8段階目以上となる画像を、黒として認識し、液晶表示部231に表示する。一方で、画像濃度が8段階目よりも小さい画像を、白として認識し、液晶表示部231に表示しない。したがって、図4(a)に示す第1画像領域Aにおいて、第1画像領域Aに表示されている必要画像aと、原画の縁の影d1と、ゴミd2の画像濃度は、8段階目以上であることとなる。そして、現時点においては、必要画像aと、原画の縁の影d1と、ゴミd2の画像データが、刺繍データの作成に有効な画像データとなる。
【0032】
次に、CPU21は、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、“読み直し”キーb2が押圧されたか否か判断する(ステップS3)。
【0033】
ステップS3において、“読み直し”キーb2が押圧されたと判断すると(ステップS3;Yes)、CPU21は、再度、スキャナ1に、刺繍の原画パターンの画像データを読み取らせる(ステップS1)。
一方、ステップS3において、“読み直し”キーb2が押圧されていないと判断すると(ステップS3;No)、CPU21は、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、“濃淡調整”キーb3が押圧されたか否か判断する(ステップS4)。
【0034】
ステップS4において、“濃淡調整”キーb3が押圧されていないと判断すると(ステップS4;No)、CPU21は、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、“終了”キーb4が押圧されたか否か判断する(ステップS5)。
一方、ステップS4において、“濃淡調整”キーb3が押圧されたと判断すると(ステップS4;Yes)、CPU21は、後述する濃淡調整処理(図5)を実行する(ステップS400)。
【0035】
ステップS5において、“終了”キーb4が押圧されていないと判断すると(ステップS5;No)、CPU21は、再度、ステップS3以降の処理を繰り返して行う。
一方、ステップS5において、“終了”キーb4が押圧されたと判断すると(ステップS5;Yes)、CPU21は、刺繍データ作成プログラム252を実行して、有効画像領域R1、R2、R3内にある画像データから、すなわち、画像濃度が閾値以上の画像の画像データから、刺繍データを作成し、当該作成した刺繍データを刺繍データファイル241に記憶させ(ステップS6)、本処理を終了する。
【0036】
なお、オペレータによる操作部23のタッチパネル232の所定の操作によって、ステップS6において刺繍データファイル241に記憶させた刺繍データを、記録装置3に備えられた記録媒体31に記録させるよう指示されると、CPU21は、当該刺繍データを刺繍データファイル241から取得し、記録媒体31に記録させる。そして、オペレータによって、記録媒体31が、記録装置3から取り外され、刺繍縫いミシン(図示略)に装着される。すると、当該刺繍データが、記録媒体31から当該刺繍縫いミシンのミシン制御部(図示略)に読み込まれ、当該刺繍縫いミシンにおいて、自動的に刺繍縫いが行われることとなる。
【0037】
次に、濃淡調整処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0038】
CPU21は、刺繍データ作成処理(図3参照)のステップS4において、“濃淡調整”キーb3が押圧されたと判断すると(ステップS4;Yes)、濃淡調整プログラム251を実行して、図4(a)に示す液晶表示部231の第1画像領域Aに表示された画像から、画像濃度に関する閾値に基づいて、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を設定する(ステップS401)。具体的には、第1画像領域A内の画像データに基づく画像のうち、画像濃度が閾値(例えば、8段階目)以上となる画像を全て含む最小の矩形領域を有効画像領域R1として設定する。より具体的には、図4(a)に示す第1画像領域Aに表示されている画像において、必要画像a、原画の縁の影d1、ゴミd2を全て含む最小の矩形領域を有効画像領域R1として設定する。そして、現時点においては、有効画像領域R1内の画像データ、すなわち、必要画像a、原画の縁の影d1、ゴミd2の画像データが、刺繍データの作成に有効な画像データとなる。
【0039】
そして、CPU21は、ステップS401において設定した有効画像領域R1内の画像データに基づく画像と、有効画像領域R1の範囲を示す所定の領域表示としての枠表示r1とを、液晶表示部231に表示する(ステップS402)。このとき、液晶表示部231の画面上には、例えば、図6に示すような画像が表示される。当該画像の第1画像領域Aには、具体的には、例えば、図6に示すように、有効画像領域R1設定後の画像、すなわち、ステップS401において設定した有効画像領域R1内の画像データに基づく画像である必要画像aと、原画の縁の影d1と、ゴミd2とが表示されている。さらに、有効画像領域R1の範囲を示す破線の枠表示r1が表示されている。また、当該画像の第2画像領域Bには、具体的には、例えば、図6に示すように、“戻る”キーb1、“こく”キーb31、“うすく”キーb32、“終了”キーb4などの画像が表示されている。また、“終了”キーb4の下には、当該画面上で行える処理(“濃淡調整”)が表示されている。
【0040】
次に、CPU21は、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、“うすく”キーb32が押圧されたか否か判断する(ステップS403)。
【0041】
ステップS403において、“うすく”キーb32が押圧されたと判断すると(ステップS403;Yes)、CPU21は、閾値が最大、すなわち、例えば、閾値が16段階目に設定されているか否か判断する(ステップS404)。
【0042】
ステップS404において、閾値が最大であると判断すると(ステップS404;Yes)、CPU21は、ステップS403に戻る。
一方、ステップS404において、閾値が最大でないと判断すると(ステップS404;No)、CPU21は、閾値を画像濃度の高い方向へ変更する(ステップS405)。具体的には、例えば、図7に示すように、“うすく”キーb32が一回押圧されると、CPU21は、閾値を画像濃度の高い方向へ二段階分上昇させる。例えば、8段階目に設定されていた閾値を、10段階目に変更する。すると、白として認識される画像がより多くなる。
【0043】
次いで、ステップS405において変更された閾値に基づいて、CPU21は、液晶表示部231の第1画像領域Aに表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を再設定する(ステップS406)。具体的には、例えば、閾値が8段階目から10段階目に変更されたとすると、画像濃度が10段階目以上の画像を全て含む最小の矩形領域を有効画像領域R2として設定する。
【0044】
そして、CPU21は、ステップS406において設定した有効画像領域R2の画像データに基づく画像と、当該設定された有効画像領域R2の範囲を示す所定の領域表示としての枠表示r2とを、液晶表示部231に表示する(ステップS407)。このとき、液晶表示部231には、例えば、図8(a)に示すような画像が表示される。当該画像の第1画像領域Aには、具体的には、例えば、図8(a)に示すように、一回の“うすく”キーb32の押圧によって得られた有効画像領域R2設定後の画像、すなわち、ステップS406において設定した有効画像領域R2内の画像データに基づく画像である必要画像aと、ゴミd2とが表示されている。さらに、有効画像領域R2の範囲を示す破線の枠表示r2が表示されている。そして、この際の閾値は、例えば、図8(b)に示すように10段階目になる。
一方で、有効画像領域R2外の画像データに基づく画像である原画の縁の影d1(図6など参照)は表示されていない。すなわち、原画の縁の影d1の画像濃度が8又は9段階目であったこととなる。そのため、ステップS405において、閾値を画像濃度の高い方向へ変更したことによって、原画の縁の影d1の画像濃度は閾値よりも小さくなり、原画の縁の影d1が液晶表示部231に表示されなくなった。
【0045】
図8(a)に示す第1画像領域Aにおいては、不必要画像であるゴミd2が表示されたままである。すなわち、現時点においては、必要画像aの画像データと、不必要な画像であるゴミd2の画像データが、刺繍データの作成に有効な画像データとなる。したがって、さらに、ステップS403からステップS407までの工程を繰り返すことによって、閾値を画像濃度の高い方向へ変更する必要がある。例えば、ステップS403からステップS407までの工程をさらに一回繰り返すと、液晶表示部231には、例えば、図9(a)に示すような画像が表示される。当該画像の第1画像領域Aには、具体的には、例えば、図9(a)に示すように、必要画像aのみが表示されている。さらに、有効画像領域R3の範囲を示す破線の枠表示r3が、必要画像aのみを囲う最小の矩形表示として表示されている。そして、この際の閾値は、例えば、図9(b)に示すように12段階目になる。
一方で、不必要画像であるゴミd2(図8(a)など参照)は表示されていない。すなわち、ゴミd2の画像濃度が10又は11段階目であったため、ステップS403からステップS407までの工程をさらに一回繰り返して、閾値をさらに画像濃度の高い方向へ変更したことによって、ゴミd2の画像濃度が閾値よりも小さくなり、ゴミd2が液晶表示部231に表示されなくなった。
そして、現時点においては、必要画像aの画像データのみが、刺繍データの作成に有効な画像データとなる。
【0046】
一方、ステップS403において、“うすく”キーb32が押圧されていないと判断すると(ステップS403;No)、CPU21は、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、“こく”キーb31が押圧されたか否か判断する(ステップS408)。
【0047】
ステップS408において、“こく”キーb31が押圧されたと判断すると(ステップS408;Yes)、CPU21は、閾値が最小、すなわち、例えば、閾値が0段階目に設定されているか否か判断する(ステップS409)。
【0048】
ステップS409において、閾値が最小であると判断すると(ステップS409;Yes)、CPU21は、ステップS403に戻る。
一方、ステップS409において、閾値が最小でないと判断すると(ステップS409;No)、CPU21は、閾値を画像濃度の低い方向へ変更する(ステップS410)。具体的には、例えば、図7に示すように、“こく”キーb31が押圧されると、CPU21は、閾値を画像濃度の低い方向へ二段階分下降させる。例えば、8段階目に設定されていた閾値を、6段階目に変更する。すると、黒として認識される画像がより多くなる。
【0049】
次いで、ステップS410において変更された閾値に基づいて、CPU21は、液晶表示部231に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を再設定する(ステップS411)。具体的には、例えば、閾値が8段階目から6段階目に変更されたとすると、画像濃度が6段階目以上の画像を全て含む最小の矩形領域を有効画像領域として再設定する。
【0050】
そして、CPU21は、ステップS411において再設定された有効画像領域の画像データに基づく画像と、当該再設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示としての枠表示とを、液晶表示部231に表示する(ステップS412)。
【0051】
ステップS408からステップS412までの工程は、例えば、オペレータの刺繍したい必要画像aの画像濃度が初期の閾値(例えば、8段階目)よりも小さく、必要画像aが、白として認識され、液晶表示部231に表示されない場合に好適である。具体的には、例えば、必要画像aが、液晶表示部231に表示されていない場合に、ステップS408からステップS412までの工程を、必要画像aが液晶表示部231に表示されるまで繰り返すことによって、必要画像aの画像データを、刺繍データの作成に有効な画像データにすることができる。
【0052】
一方、ステップS408において、“こく”キーb31が押圧されていないと判断すると(ステップS408;No)、CPU21は、オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、“戻る”キーb1が押圧されたか否か判断する(ステップS413)。
【0053】
ステップS413において、“戻る”キーb1が押圧されたと判断すると(ステップS413;Yes)、CPU21は、閾値を初期値(例えば、8段階目)に変更する(ステップS414)。
【0054】
次いで、ステップS414において初期化された閾値に基づいて、CPU21は、液晶表示部231に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像を有する有効画像領域を再設定する(ステップS415)。
そして、CPU21は、ステップS415において再設定された有効画像領域の画像データに基づく画像と、当該再設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示としての枠表示とを、液晶表示部231に表示する(ステップS416)。
【0055】
一方、ステップS413において、“戻る”キーb1が押圧されていないと判断すると(ステップS413;No)、CPU21は、オペレータの入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作によって、“終了”キーb4が押圧されたか否か判断する(ステップS417)。
【0056】
ステップS417において、“終了”キーb4が押圧されていないと判断すると(ステップS417;No)、CPU21は、ステップS403に戻る。
一方、ステップS417において、“終了”キーb4が押圧されたと判断すると(ステップS417;Yes)、CPU21は、濃淡調整処理を終了して、液晶表示部231の第2画像領域Bに、例えば、図4(a)の第2画像領域Bに示すような画像を表示する。
【0057】
以上説明した本発明の刺繍データ作成装置100によれば、CPU21は、濃淡調整プログラム251を実行することにより、画像濃度に関する閾値に基づいて、液晶表示部231に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域R1を設定し、さらに、有効画像領域R1の範囲を示す枠表示r1を、液晶表示部231に表示することができるので、オペレータは、画像データに基づく画像に、オペレータが刺繍したくない画像、例えば、ゴミなどの不必要な画像が含まれているか否かを容易に判別することができることとなって、容易に刺繍される画像を把握することができる。
【0058】
オペレータによる入力ペンなどを用いたタッチパネル232の押圧操作により、画像濃度に関する閾値を変更することができ、さらに、CPU21は、濃淡調整プログラム251を実行することにより、当該変更された画像濃度に関する閾値に基づいて、液晶表示部231に表示された画像から、刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域R2、R3を設定することができる。したがって、オペレータは、画像データに基づく画像から、閾値を変更することによって、オペレータが刺繍したくない画像を削除することができることとなる。
また、CPU21は、濃淡調整プログラム251を実行することにより、有効画像領域R2、R3の範囲を示す枠表示r2、r3を、液晶表示部231に表示することができる。したがって、オペレータは、不必要な画像が完全に削除されたか否かの判別を容易に行うことができることとなる。
【0059】
さらに、CPU21は、刺繍データ作成プログラム252を実行することにより、CPU21が濃淡調整プログラム251を実行することによって設定した有効画像領域R1、R2、R3内にある画像データのみを刺繍データに変換することができる。
【0060】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではない。
例えば、操作部23に、タッチパネル232を備えるようにしたが、タッチパネル232は備えなくても良い。この場合、処理装置2に、入力部を備える必要がある。当該入力部は、カーソルキー、文字/数字キー、各種機能キーなどから構成され、オペレータのキー操作に伴う押下信号をCPU21に出力する。また、当該入力部は、マウスなどのポインティングデバイスなど、その他の入力装置を備えるものとしても良い。具体的には、オペレータが、CPU21に対して、閾値を変更するよう指示する際、具体的には、“うすく”や“こく”などを指示する際には、カーソルキー、文字/数字キー、各種機能キー、マウスなどを使用すると良い。
【0061】
上記実施形態においては、液晶表示部231に表示されている画像濃度が閾値以上の画像を全て含む最小の矩形領域を、有効画像領域R1、R2、R3とし、液晶表示部231に、有効画像領域R1、R2、R3の範囲を示す破線の枠表示r1、r2、r3を表示するようにしたが、画像濃度が閾値以上の画像、すなわち、刺繍データの作成に有効な画像データに基づく画像を全て含むのであれば、有効画像領域R1、R2、R3の形、破線の枠表示r1、r2、r3の形には、特に制限はない。また、枠表示r1、r2、r3も、有効画像領域R1、R2、R3の範囲を示すことができるのであれば、破線でなくても良い。さらに、有効画像領域R1、R2、R3を示す領域表示として枠表示r1、r2、r3を表示するようにしたが、当該領域表示は、オペレータが有効画像領域R1、R2、R3とそれ以外の画像領域とを識別できるのであれば、特に制限はなく、例えば、有効画像領域R1、R2、R3とそれ以外の画像領域とを異なる色で着色するようにしても良い。
【0062】
また、上記実施形態においては、CPU21が、濃淡調整プログラム251などを実行することによって有効画像領域R1、R2、R3を設定するようにし、そして、液晶表示部231に、有効画像領域R1、R2、R3の範囲を示す領域表示として枠表示r1、r2、r3を表示するようにしたが、原画パターンの画像データをスキャナ1で読み取った後、直ぐに有効画像領域を設定し、液晶表示部231に、読取画像データに基づく画像と、枠表示を表示するようにしても良い。
【0063】
液晶表示部231の第2画像領域Bに表示されるキー画像は、この限りではない。刺繍データの作成に必要な操作に関するキー画像であれば、液晶表示部231の第2画像領域Bに表示するようにしても良い。
【0064】
“戻る”キーb1が押圧されると、CPU21は、閾値を初期値に戻すようにしたが、この限りではない。“戻る”キーb1が押圧される時点で設定されている閾値よりも前に設定されていた閾値であれば、特に制限は無い。
【0065】
上記実施形態においては、“うすく”キーb52が一回押圧されることによって、CPU21は、閾値を画像濃度の高い方向へ2段階分上昇させるようにしたが、具体的には、例えば、8段階目から10段階目に変更したが、“うすく”キーb52が一回押圧されることによって、CPU21が、閾値を画像濃度の高い方向へ上昇させるのであれば、その段階の数に制限は無く、例えば、閾値を1段階分上昇させるように、具体的には、例えば、閾値を8段階目から9段階目に変更するようにしても良い。
また、“こく”キーb51の押圧においても、同様である。
さらに、画像の画像濃度の段階も、特に制限は無く、16段階でなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態における刺繍データ作成装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における刺繍データ作成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】刺繍データ作成処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】読取画像データに基づく読取画像と、刺繍データ作成処理におけるキー画像とが表示された画面を示す図(a)と、当該読取画像の画像濃度の閾値を示す図(b)である。
【図5】濃淡調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】有効画像領域が設定された読取画像と、濃淡調整処理におけるキー画像とが表示された画面を示す図である。
【図7】“うすく”キー及び“こく”キーの押圧に伴う閾値の変更を説明するための図である。
【図8】1回の“うすく”キーの押圧によって得られた有効画像領域が再設定された画像と、濃淡調整処理におけるキー画像とが表示された画面を示す図(a)と、当該有効画像領域が再設定された画像の画像濃度の閾値を示す図(b)である。である。
【図9】2回の“うすく”キーの押圧によって得られた有効画像領域が再設定された画像と、濃淡調整処理におけるキー画像とが表示された画面を示す図(a)と、当該有効画像領域が再設定された画像の画像濃度の閾値を示す図(b)である。
【符号の説明】
【0067】
1 スキャナ(画像データ読取手段)
2 処理装置
3 記録装置
21 CPU(有効画像領域設定手段、有効画像表示制御手段、刺繍データ作成手段)
22 RAM
23 操作部
24 記憶部
31 記録媒体
100 刺繍データ作成装置
231 液晶表示部(表示手段)
232 タッチパネル(閾値変更手段)
241 刺繍データファイル
251 濃淡調整プログラム(有効画像領域設定手段、有効画像表示制御手段)
252 刺繍データ作成プログラム(刺繍データ作成手段)
R1、R2、R3 有効画像領域
r1、r2、r3 枠表示(領域表示)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刺繍の原画パターンの画像データを読み取る画像データ読取手段と、当該画像データ読取手段によって読み取られた画像データに基づく画像を表示する表示手段と、当該画像データから刺繍データを作成する刺繍データ作成手段と、を備える刺繍データ作成装置であって、
画像濃度に関する閾値に基づいて、前記表示手段に表示された画像から、前記刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を設定する有効画像領域設定手段と、
前記有効画像領域設定手段によって設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、前記表示手段に表示させる有効画像表示制御手段と、
を備えることを特徴とする刺繍データ作成装置。
【請求項2】
前記刺繍データ作成手段は、前記有効画像領域設定手段によって設定された有効画像領域内にある画像データにより刺繍データを作成することを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ作成装置。
【請求項3】
前記画像濃度に関する閾値を変更させる閾値変更手段を備え、
前記有効画像領域設定手段は、
前記閾値変更手段によって変更された画像濃度に関する閾値に基づいて、前記表示手段に表示された画像から、前記刺繍データの作成に有効な画像データを有する有効画像領域を再設定し、
前記有効画像表示制御手段は、
再設定された有効画像領域の範囲を示す所定の領域表示を、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の刺繍データ作成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−116200(P2006−116200A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309642(P2004−309642)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】