加熱調理器
【課題】有効な加熱性能、調理性能を有するとともに、万が一ガラス管ヒータのガラス管が割れた場合にも、そのガラス片などの異物が被加熱物へ混入することがない安全な加熱調理器を提供する。
【解決手段】被加熱物30を載置する載置手段7と、載置手段7を収納する加熱室1と、載置手段7の下方に配置された受皿6と、加熱室1内に設置され被加熱物30を加熱する1または複数のヒータと、を備え、ヒータのうち少なくとも1つはガラス管ヒータで構成され、加熱室1の側面に設置されている。
【解決手段】被加熱物30を載置する載置手段7と、載置手段7を収納する加熱室1と、載置手段7の下方に配置された受皿6と、加熱室1内に設置され被加熱物30を加熱する1または複数のヒータと、を備え、ヒータのうち少なくとも1つはガラス管ヒータで構成され、加熱室1の側面に設置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器に関し、『天井壁に取り付けたヒータの下部でかつヒータから食品へ直接照射する熱線照射範囲内に、ヒータ破損防止用のヒータガードを配置していたので、ヒータガードが邪魔して食品へ照射する熱線の量を減少させ、その分食品表面の焦げがまだらとなり、調理完成時の見栄えを悪くしていた』ことを課題とする技術として、『食品10を収納するために天井壁7を有する加熱室2と、該加熱室2の天井壁7に凹部を設け、ヒータ16を収納するためのヒータ収納室15と、前記食品10を前記加熱室2略中央に載置したとき、前記ヒータ16から食品10へ直接照射する熱線照射範囲αから外れた位置に前記ヒータ10の破損を保護するヒータガード19を配置した構成である。』というものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−71144号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、ヒータガード19をヒータ16の近傍に配置することにより、食品10や容器、食品10を載置する際の使用者の手などがヒータ16に接触する確率が低下する。そのため、ヒータ16が破損する確率は下がる。
しかし一方で、ヒータ16への直接接触を伴わない割れの原因、例えば調理器本体を設置する時などにおける本体の落下、筐体の振動、ヒータ16およびその周辺部品の加熱による熱応力などに対しては、上記特許文献1に記載のヒータガード19は有効でない。
【0005】
なお、本発明者を含めた当業者は、ヒータの割れに対しては細心の注意を払い、ヒータガラスの強度向上などにより、割れに対する耐性を向上させ品質確保をしているため、その確率は大変低い。
しかしながら、直下に設置される被加熱物に対して、ガラス片などの異物混入の可能性は残る。
【0006】
一方、割れなどの破損の可能性がさらに小さい金属製のヒータ、いわゆるシーズヒータやニクロム線ヒータなどを搭載することで、調理器の安全性は確保できる。しかし、金属製のヒータは断線や絶縁劣化を考慮する必要があり、単位表面積に対して投入できる電力に限界が生じる。
したがって、ガラス管ヒータ、例えば内部を不活性ガスなどで封止したタイプであるハロゲンヒータやカーボンヒータと比較した場合、加熱調理に有効な赤外線領域の熱線を大量に放射するような高温に上げることが難しい。
その結果として、金属製のヒータは、赤外線放射量がガラス管タイプのヒータと比較して小さく、加熱性能、調理性能の相対的低下が避けられない。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、有効な加熱性能、調理性能を有するとともに、万が一ガラス管ヒータのガラス管が割れた場合にも、そのガラス片などの異物が被加熱物へ混入することを抑制する安全な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物を載置する載置手段と、前記載置手段を収納する加熱室と、前記載置手段の下方に配置された受皿と、前記加熱室内に設置され被加熱物を加熱する1または複数のヒータと、を備え、前記ヒータのうち少なくとも1つはガラス管ヒータで構成され、前記加熱室の側面に設置されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る加熱調理器によれば、ヒータのうちガラス管ヒータで構成されているものを加熱室の側面に設置しているので、万が一ガラス管が割れた場合にも、そのガラス片などの異物が被加熱物へ混入することを抑制し、安全な加熱調理器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器20の斜視図である。本発明に係る加熱調理器20は、例えばIH(Induction Heating)クッキングヒータなどの、加熱室内に被加熱物を収納して加熱する調理器である。
【0011】
加熱調理器20は、主に鍋・フライパン調理を行う誘導加熱部21、魚焼きなどを行うロースター22、およびユーザが操作を実施する操作パネル23を備える。以下では、ロースター22の構成を中心に説明する。
【0012】
図2は、ロースター22の正面断面図である。
加熱室1は、金属製の筐体と、後述の図3で説明する引出扉2を備え、被加熱物30を収納して加熱する。ガイドレール36、サブガイドレール37は、引出扉2を加熱室1の外に引き出す際の引き出し方向を規制する。
【0013】
引出扉2のガイドレール36上部には、被加熱物30から垂れる油などを受けるための受皿6と被加熱物30を載置する焼網7が着脱可能な状態で設置されている。受皿6は、調理中の加熱室1内の汚れを防止する。ユーザは、受皿6と焼網7をとりはずして調理後の洗浄を行うことができる。
【0014】
図2に示すように、ガイドレール36は加熱室1内の底面に設けられている。これにより、加熱室1内の側面にガイドレールを設置する場合と比較して、ガラス管ヒータを設置する際、加熱室1内の側面に対して、設置上の高さの制約を受けることがなくなる。
そのため、例えば加熱室1側面に複数のガラス管ヒータを設置することや、焼網7の下部からもガラス管ヒータの熱線を被加熱物30に効果的に当てることが可能となる。
【0015】
上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、それぞれ加熱室1両側面に1本ずつ設置されている。
図2の破線A、Bに示したように、受皿6、焼網7を加熱室1内の最深部まで収納した状態において、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9の最も焼網に近い面Aと焼網7の最もガラス管ヒータに近い面Bの間には、スペースが設けられている。
これにより、万が一ガラスが割れた場合にも、破片などが被加熱物30に混入する心配がなく、加熱室1底部もしくは受皿6に落下するため、使用者等がこれらの異物を口にしてしまう危険性はない。
【0016】
下ガラス管ヒータ9は、焼網7の裏面、すなわち被加熱物30の裏面を加熱すべく、高さ方向において、図2の破線Cが示す受皿6より上部、かつ破線Dが示す焼網7被加熱物設置面の下部の位置に設置されている。
さらに、下ガラス管ヒータ9の強指向性を持つ方向は、下ガラス管ヒータ9から見て焼網7中心部より遠い位置に向けて設置されている。
上記の配置により、左右両側の下ガラス管ヒータ9の照射面が焼網7の中央部近辺で重なり合い、効果的かつ均一に加熱することが可能となる。
【0017】
下ガラス管ヒータ9を焼網7下方かつ受皿6上方に設置することにより、被加熱物30の裏面も焼くことができる。さらには、万が一下ガラス管ヒータ9が破損した場合にも、焼網7上に置かれた被加熱物30に破片が混入する危険性はない。
【0018】
加えて、受皿6の中央部には、ガイドレール36の設置スペース確保、および上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9からの熱線反射効果の両方を持たせるために、正面から見て二等辺三角形状を有する凸部38が設けられている。
【0019】
下ガラス管ヒータ9から輻射される熱線は受皿6にも到達するが、後述の図4で説明するように焼網7中央部にて加熱性能が相対的に低下することを補完するため、凸部38により熱線を反射させ、焼網7中央の加熱性能を向上させる。
なお、受皿6は例えばSUS430(フェライト系ステンレス鋼)の鏡面仕上げなど、反射率の高い素材で構成することで、その効果をより高めることが可能となる。
【0020】
凸部38は、受皿6設置の際に位置あわせを行う役割も持っている。受皿6は、凸部38の裏面をガイドレール36に合わせる形で固定される。これにより、受皿6、焼網7を安定的に固定することができる。
【0021】
温度センサ15は、加熱室1内の温度を計測するためのセンサであり、サーミスタなどで構成される。
加熱調理器20の制御部(図示せず)は、操作部23などからの設定・入力に応じて設定温度に達した場合には各ヒータをOFFし、加熱室1内温度が設定温度から任意の温度だけ下がったら再度各ヒータをONする、などの制御を行う。これにより、被加熱物30を仕上がりよく加熱することができる。
なお、加熱室1内の領域を分割して温度を計測する場合には、加熱室1内の適当な位置に複眼赤外線センサを設置することで、加熱室1内の複数個所の温度を検知することもできる。
【0022】
また、ガラス管ヒータのガラスのうち、加熱室1の内側部分に、金属酸化膜などの熱線反射塗装(図示せず)を施すことにより、加熱室1内側に熱線を反射させ、ガラスからの熱漏洩を極力小さくすることが可能となる。
【0023】
図3は、引出扉2周辺の分解斜視図である。
引出扉2は、視認窓3とその枠体で構成されるとともに、ガイドレール36、サブガイドレール37に嵌合される。また、引出扉2には受皿6と焼網7が着脱可能に設置されている。
ユーザは、取手4を把持して引くことにより、引出扉2を加熱室1の奥から手前までスムースに引き出し・収納することができる。また、ユーザは視認窓3から加熱室1内の調理の様子を目視確認することができる。
【0024】
本実施の形態1における「載置手段」は、焼網7が相当する。
【0025】
図4は、加熱室1内の上面図である。同図は加熱室1内のヒータレイアウトを示す。
上面から見た場合、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、加熱室1側面の略同一の位置に設置されている。
上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9からの輻射熱による加熱でも十分に被加熱物30を加熱することは可能であるが、被加熱物30の設置場所による加熱不均一を是正して、被加熱物30の調理仕上がりを向上させたい場合には、補完的にシーズヒータを用いることもできる。
【0026】
図4に示す例では、上シーズヒータ31、下シーズヒータ32を設けることにより、それぞれ補完的に加熱を実施する。
上シーズヒータ31は、加熱室1天面に配置されている。下シーズヒータ32は、引出扉2を収納する際に、受皿6、焼網7に対して干渉しない位置に配置されている。
【0027】
通常、ヒータの輻射強度は距離の影響を受けるため、焼網7中央部は加熱がされにくいエリアとなりやすい。
また、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、発熱部であるフィラメントを固定しつつ、熱膨張による寸法変化を吸収するようなバネ固定具などにて固定されている。そのため、管全域が加熱部となるわけではなく、事実上ガラス管端部30mm程度は非発熱部となる。
【0028】
すなわち、加熱室1側面に設置された直管型のヒータである上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9では、焼網7の中央部の加熱能力が低くなる。また、加熱室1の前面部および背面部が上述の非発熱部に近い領域となり、他の部分と比較して相対的に加熱能力が低くなる傾向がある。
【0029】
そのため、上シーズヒータ31、下シーズヒータ32は、図4に示すように、焼網7ひいては焼網7上に設置される被加熱物30の前部(図4において下側)と後部(図4において上側)に対する照射面積を大きくするように配置される。
具体的には、例えば上シーズヒータ31、下シーズヒータ32の発熱部のうち、前部と後部に相当する部分を相対的に他の部分より長く敷設するように各ヒータをレイアウトする。
即ち、焼網7の中央部については各シーズヒータからの距離を比較的近くして加熱能力を向上させ、前部と後部についてはヒータのレイアウトにより熱線の照射面積を大きくして加熱能力を向上させる。これにより、均一な加熱が可能となる。
【0030】
図5は、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9の正面断面図である。
図5(a)に示すように、ガラス管ヒータは、純度99%以上のカーボンコンポジット材であるカーボンフィラメント40と、周辺を封止する石英ガラス製のガラス管41を備えている。ガラス管41内にはアルゴンなどの不活性ガスが封入されており、カーボンフィラメント40の酸化による劣化を防止している。
【0031】
図5(b)は、ガラス管ヒータの輻射強度分布を示す図である。
図5(b)中の矢印の長さは輻射強度を示している。同図に示すように、輻射強度は、カーボンフィラメント40を中心に、断面長方形の長辺方向に強い分布を示す八の字状の分布となる。
同図の通り、カーボンフィラメント40は、断面長方形にカットされており、かつ略全面から発熱する。そのため、相対的には長方形の長辺に対して鉛直方向に強い輻射分布を有する。
【0032】
図5(c)は、ヒータの強度を増すために、ガラス管を二重構造にした構造を示す。
図5(a)に示す構成に加えて、外ガラス管42を設置することにより、ヒータの本体部分とも言えるガラス管41を保護し、劣化を抑えることが可能となる。
また、外ガラス管42とガラス管41の間の空間にガラス管内反射板43を設けることにより、所望の方向、例えば被加熱物30を載置する方向により強い輻射加熱を行うことが可能となる。
なお、外ガラス管42は、ガラス管41の保護と、外ガラス管42の表面温度を下げることによる劣化可能性低減を目的としたものであり、必ずしもガラス管41と外ガラス管42の間に不活性ガスなどを封止する必要はない。
【0033】
上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9のカーボンフィラメント40の強輻射方向、すなわち断面長方形のうち長辺に対する鉛直方向は、それぞれ焼網7上面および下面を狙うように向けて、角度をつけて設置される。これにより、被加熱物30を狙って輻射加熱を実施することが可能となる。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態1では、ガラス管ヒータを加熱室1の側面に設け、被加熱物30の直上を避けて配置することにより、万が一ガラス管が破損してもその破片などが被加熱物30に混入することがないように構成した。
本発明の実施の形態2では、ガラス管ヒータ周辺の別構成例について説明する。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0035】
図6は、本実施の形態2におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1の側面には、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9を収納するヒータ収納部18が設けられている。
ヒータ収納部18は、加熱室1の側面を外方に向かって凸形状に張り出すことにより形成されている。また、ヒータ収納部18の加熱室1内部側には、収納したガラス管ヒータを保護するためのヒータカバーとなるヒータカバー33が配置されている。
【0036】
ヒータカバー33は一例として、赤外線透過材である石英ガラスや透明マイカなどを用いた板で構成する。また、別の例としてはパンチングメタルなどの多開口金属板(図示せず)を用いて構成してもよい。
これにより、赤外線による加熱性能は維持しつつ、両ガラス管ヒータの耐久性を高めるという効果を得ることができる。
【0037】
ヒータカバー33は、ヒータ収納部18の開口部を塞ぐように配置され、加熱室1の内側面が略平坦となるように形成されている。したがって、加熱室1側面の内部側には凹凸がないため、ユーザは加熱室1内部の清掃作業がしやすく、また意匠的にも優れた効果がある。
【0038】
本実施の形態2では、ガラス管ヒータと被加熱物30の間のスペースを実施の形態1よりも大きく取ることができるので、ガラス破片などの異物が被加熱物30に混入する可能性をさらに低減することができる。
【0039】
また、本実施の形態2では、ヒータカバー33がガラス破片などの落下を防止する機能も兼ね備えるので、より安全性を高めることができる。
【0040】
実施の形態3.
実施の形態2では、加熱室1の側面にヒータ収納部18を設けてガラス管ヒータを内部に収納した構成例を説明した。
本発明の実施の形態3では、ヒータ収納部18内の別構成例について説明する。なお、その他の構成は実施の形態2と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0041】
図7は、本実施の形態3におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1側面の上部と下部のヒータ収納部18には、実施の形態2と同様に上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9がそれぞれ収納される。また、ヒータ収納部18内のガラス管ヒータの背面に相当する位置に、表面研磨などにより反射率を高めた(例えば0.9程度)金属製の弾性体である反射板25を設置する。
【0042】
図8は、図7に示すA部の拡大図である。
反射板25には、上ガラス管ヒータ8、または、下ガラス管ヒータ9を固定するためのヒータ固定具26が設けられている。これにより、ガラス管ヒータ、反射板25、ヒータ固定具26を一体としたヒータユニットとして構成することができる。
【0043】
ヒータ固定具26は、弾性を持った金属により構成する。これにより、ガラス管ヒータおよび反射板25などの熱膨張を吸収することで、ガラス管ヒータに対する応力を逃がす効果を持たせることができる。
また、ヒータ固定具26は、上ガラス管ヒータ8、または、下ガラス管ヒータ9の非発熱部を支える構造とする。また、ガラスと接触する部分にはキズつき防止のため、シリコンなどの耐熱材によって被覆する。
【0044】
反射板25の端部には、万が一ガラスが割れた場合に、その破片を受けて加熱室1側に落下することを防止する起立片27を設けることもできる。これにより、安全性をより高めることが可能となる。なお、起立片27も、ヒータユニットの一部として構成することができる。
【0045】
一体のヒータユニットとして構成された反射板25、ヒータ固定具26、起立片27、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、それぞれ加熱室1の内部側から手前側に引くことで加熱室1からはずすことが可能である。そのため、必要に応じて部品交換や清掃等を行うことが可能となる。
【0046】
なお、ヒータ収納部18の加熱室1内側面側は、実施の形態1と同様に加熱室1内側面と略同一平面を形成するように構成してもよい。図7では略同一平面に構成した例、図8では同一平面ではない例を示した。
【0047】
また、本実施の形態3において、実施の形態2で説明したヒータカバー33をヒータ収納室18に設けてもよい。これにより、ガラス管ヒータを不意の接触などから確実に保護することができる。
【0048】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、ガラス管ヒータからの熱線を被加熱物30に効率よく照射することのできる構成を説明する。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0049】
図9は、本実施の形態4におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1側面の上部と下部には、実施の形態1と同様に、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9がそれぞれ設置されている。
焼網7は、支持部となる脚の長さを両側で違う長さとすることにより、加熱室1の底面に対して傾斜させて設置することができる形状とする。
【0050】
焼網7の傾斜角度をあまり大きくすると被加熱物30がすべり落ちてしまう可能性があるため、15°以下程度が望ましい。なお、焼網7の傾斜は、右上がり、左上がりいずれにも設置できるよう構成されている。
【0051】
焼網7に傾斜をつけることにより、図9に図示する右下の下ガラス管ヒータ9と左上の上ガラス管ヒータ8からの熱線が効率的に被加熱物30に照射されることとなり、加熱性能が高まる効果がある。
また、同設置状態においては、右下の下ガラス管ヒータ9と左上の上ガラス管ヒータ8のみ通電することにより、他のヒータの通電をする必要がなく、均一加熱性能の向上のみならず、ヒータの長寿命化や省エネに寄与する効果もある。
【0052】
なお、本実施の形態4では、実施の形態1で説明した構成に加えて新たに焼網7を傾斜させることができるようにした例を説明したが、その他の実施の形態についても同様に焼網7を傾斜させることができるようにすることにより、本実施の形態4と同様の効果を発揮することができる。
【0053】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5では、焼網7の別構成例について説明する。なお、その他の構成は実施の形態4と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0054】
図10は、本実施の形態5におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1側面の上部と下部には、実施の形態4と同様に、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9がそれぞれ設置されている。
焼網7は、中央部をもっとも高い形状とし、左右端部を低くして傾斜を設けている。
これにより、焼網7上に設置される被加熱物30に対して、各ガラス管ヒータからの熱線が垂直に当たりやすくなり、被加熱物30の被加熱領域を広くとることが可能となる。
【0055】
特に、下ガラス管ヒータ9からの熱線が届きにくかった被加熱物30下面の中央部において効率的に照射が可能となり、被加熱物30裏面も効率よく加熱することが可能となる効果がある。
【0056】
なお、本実施の形態5では、実施の形態1で説明した構成に加えて新たに焼網7の中央部を高くした構成を説明したが、本実施の形態5で説明した焼網7の構成は、他の実施の形態に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1に係る加熱調理器20の斜視図である。
【図2】ロースター22の正面断面図である。
【図3】引出扉2周辺の分解斜視図である。
【図4】加熱室1内の上面図である。
【図5】上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9の正面断面図である。
【図6】実施の形態2におけるロースター22の正面断面図である。
【図7】実施の形態3におけるロースター22の正面断面図である。
【図8】図7に示すA部の拡大図である。
【図9】実施の形態4におけるロースター22の正面断面図である。
【図10】実施の形態5におけるロースター22の正面断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 加熱室、2 引出扉、3 視認窓、4 取手、6 受皿、7 焼網、8 上ガラス管ヒータ、9 下ガラス管ヒータ、15 温度センサ、18 ヒータ収納部、20 加熱調理器、21 誘導加熱部、22 ロースター、23 操作部、25 反射板、26 ヒータ固定具、27 起立片、30 被加熱物、31 上シーズヒータ、32 下シーズヒータ、33 ヒータカバー、34 熱線照射範囲、36 ガイドレール、37 サブガイドレール、40 カーボンフィラメント、41 ガラス管、42 外ガラス管。
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器に関し、『天井壁に取り付けたヒータの下部でかつヒータから食品へ直接照射する熱線照射範囲内に、ヒータ破損防止用のヒータガードを配置していたので、ヒータガードが邪魔して食品へ照射する熱線の量を減少させ、その分食品表面の焦げがまだらとなり、調理完成時の見栄えを悪くしていた』ことを課題とする技術として、『食品10を収納するために天井壁7を有する加熱室2と、該加熱室2の天井壁7に凹部を設け、ヒータ16を収納するためのヒータ収納室15と、前記食品10を前記加熱室2略中央に載置したとき、前記ヒータ16から食品10へ直接照射する熱線照射範囲αから外れた位置に前記ヒータ10の破損を保護するヒータガード19を配置した構成である。』というものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−71144号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、ヒータガード19をヒータ16の近傍に配置することにより、食品10や容器、食品10を載置する際の使用者の手などがヒータ16に接触する確率が低下する。そのため、ヒータ16が破損する確率は下がる。
しかし一方で、ヒータ16への直接接触を伴わない割れの原因、例えば調理器本体を設置する時などにおける本体の落下、筐体の振動、ヒータ16およびその周辺部品の加熱による熱応力などに対しては、上記特許文献1に記載のヒータガード19は有効でない。
【0005】
なお、本発明者を含めた当業者は、ヒータの割れに対しては細心の注意を払い、ヒータガラスの強度向上などにより、割れに対する耐性を向上させ品質確保をしているため、その確率は大変低い。
しかしながら、直下に設置される被加熱物に対して、ガラス片などの異物混入の可能性は残る。
【0006】
一方、割れなどの破損の可能性がさらに小さい金属製のヒータ、いわゆるシーズヒータやニクロム線ヒータなどを搭載することで、調理器の安全性は確保できる。しかし、金属製のヒータは断線や絶縁劣化を考慮する必要があり、単位表面積に対して投入できる電力に限界が生じる。
したがって、ガラス管ヒータ、例えば内部を不活性ガスなどで封止したタイプであるハロゲンヒータやカーボンヒータと比較した場合、加熱調理に有効な赤外線領域の熱線を大量に放射するような高温に上げることが難しい。
その結果として、金属製のヒータは、赤外線放射量がガラス管タイプのヒータと比較して小さく、加熱性能、調理性能の相対的低下が避けられない。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、有効な加熱性能、調理性能を有するとともに、万が一ガラス管ヒータのガラス管が割れた場合にも、そのガラス片などの異物が被加熱物へ混入することを抑制する安全な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物を載置する載置手段と、前記載置手段を収納する加熱室と、前記載置手段の下方に配置された受皿と、前記加熱室内に設置され被加熱物を加熱する1または複数のヒータと、を備え、前記ヒータのうち少なくとも1つはガラス管ヒータで構成され、前記加熱室の側面に設置されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る加熱調理器によれば、ヒータのうちガラス管ヒータで構成されているものを加熱室の側面に設置しているので、万が一ガラス管が割れた場合にも、そのガラス片などの異物が被加熱物へ混入することを抑制し、安全な加熱調理器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器20の斜視図である。本発明に係る加熱調理器20は、例えばIH(Induction Heating)クッキングヒータなどの、加熱室内に被加熱物を収納して加熱する調理器である。
【0011】
加熱調理器20は、主に鍋・フライパン調理を行う誘導加熱部21、魚焼きなどを行うロースター22、およびユーザが操作を実施する操作パネル23を備える。以下では、ロースター22の構成を中心に説明する。
【0012】
図2は、ロースター22の正面断面図である。
加熱室1は、金属製の筐体と、後述の図3で説明する引出扉2を備え、被加熱物30を収納して加熱する。ガイドレール36、サブガイドレール37は、引出扉2を加熱室1の外に引き出す際の引き出し方向を規制する。
【0013】
引出扉2のガイドレール36上部には、被加熱物30から垂れる油などを受けるための受皿6と被加熱物30を載置する焼網7が着脱可能な状態で設置されている。受皿6は、調理中の加熱室1内の汚れを防止する。ユーザは、受皿6と焼網7をとりはずして調理後の洗浄を行うことができる。
【0014】
図2に示すように、ガイドレール36は加熱室1内の底面に設けられている。これにより、加熱室1内の側面にガイドレールを設置する場合と比較して、ガラス管ヒータを設置する際、加熱室1内の側面に対して、設置上の高さの制約を受けることがなくなる。
そのため、例えば加熱室1側面に複数のガラス管ヒータを設置することや、焼網7の下部からもガラス管ヒータの熱線を被加熱物30に効果的に当てることが可能となる。
【0015】
上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、それぞれ加熱室1両側面に1本ずつ設置されている。
図2の破線A、Bに示したように、受皿6、焼網7を加熱室1内の最深部まで収納した状態において、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9の最も焼網に近い面Aと焼網7の最もガラス管ヒータに近い面Bの間には、スペースが設けられている。
これにより、万が一ガラスが割れた場合にも、破片などが被加熱物30に混入する心配がなく、加熱室1底部もしくは受皿6に落下するため、使用者等がこれらの異物を口にしてしまう危険性はない。
【0016】
下ガラス管ヒータ9は、焼網7の裏面、すなわち被加熱物30の裏面を加熱すべく、高さ方向において、図2の破線Cが示す受皿6より上部、かつ破線Dが示す焼網7被加熱物設置面の下部の位置に設置されている。
さらに、下ガラス管ヒータ9の強指向性を持つ方向は、下ガラス管ヒータ9から見て焼網7中心部より遠い位置に向けて設置されている。
上記の配置により、左右両側の下ガラス管ヒータ9の照射面が焼網7の中央部近辺で重なり合い、効果的かつ均一に加熱することが可能となる。
【0017】
下ガラス管ヒータ9を焼網7下方かつ受皿6上方に設置することにより、被加熱物30の裏面も焼くことができる。さらには、万が一下ガラス管ヒータ9が破損した場合にも、焼網7上に置かれた被加熱物30に破片が混入する危険性はない。
【0018】
加えて、受皿6の中央部には、ガイドレール36の設置スペース確保、および上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9からの熱線反射効果の両方を持たせるために、正面から見て二等辺三角形状を有する凸部38が設けられている。
【0019】
下ガラス管ヒータ9から輻射される熱線は受皿6にも到達するが、後述の図4で説明するように焼網7中央部にて加熱性能が相対的に低下することを補完するため、凸部38により熱線を反射させ、焼網7中央の加熱性能を向上させる。
なお、受皿6は例えばSUS430(フェライト系ステンレス鋼)の鏡面仕上げなど、反射率の高い素材で構成することで、その効果をより高めることが可能となる。
【0020】
凸部38は、受皿6設置の際に位置あわせを行う役割も持っている。受皿6は、凸部38の裏面をガイドレール36に合わせる形で固定される。これにより、受皿6、焼網7を安定的に固定することができる。
【0021】
温度センサ15は、加熱室1内の温度を計測するためのセンサであり、サーミスタなどで構成される。
加熱調理器20の制御部(図示せず)は、操作部23などからの設定・入力に応じて設定温度に達した場合には各ヒータをOFFし、加熱室1内温度が設定温度から任意の温度だけ下がったら再度各ヒータをONする、などの制御を行う。これにより、被加熱物30を仕上がりよく加熱することができる。
なお、加熱室1内の領域を分割して温度を計測する場合には、加熱室1内の適当な位置に複眼赤外線センサを設置することで、加熱室1内の複数個所の温度を検知することもできる。
【0022】
また、ガラス管ヒータのガラスのうち、加熱室1の内側部分に、金属酸化膜などの熱線反射塗装(図示せず)を施すことにより、加熱室1内側に熱線を反射させ、ガラスからの熱漏洩を極力小さくすることが可能となる。
【0023】
図3は、引出扉2周辺の分解斜視図である。
引出扉2は、視認窓3とその枠体で構成されるとともに、ガイドレール36、サブガイドレール37に嵌合される。また、引出扉2には受皿6と焼網7が着脱可能に設置されている。
ユーザは、取手4を把持して引くことにより、引出扉2を加熱室1の奥から手前までスムースに引き出し・収納することができる。また、ユーザは視認窓3から加熱室1内の調理の様子を目視確認することができる。
【0024】
本実施の形態1における「載置手段」は、焼網7が相当する。
【0025】
図4は、加熱室1内の上面図である。同図は加熱室1内のヒータレイアウトを示す。
上面から見た場合、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、加熱室1側面の略同一の位置に設置されている。
上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9からの輻射熱による加熱でも十分に被加熱物30を加熱することは可能であるが、被加熱物30の設置場所による加熱不均一を是正して、被加熱物30の調理仕上がりを向上させたい場合には、補完的にシーズヒータを用いることもできる。
【0026】
図4に示す例では、上シーズヒータ31、下シーズヒータ32を設けることにより、それぞれ補完的に加熱を実施する。
上シーズヒータ31は、加熱室1天面に配置されている。下シーズヒータ32は、引出扉2を収納する際に、受皿6、焼網7に対して干渉しない位置に配置されている。
【0027】
通常、ヒータの輻射強度は距離の影響を受けるため、焼網7中央部は加熱がされにくいエリアとなりやすい。
また、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、発熱部であるフィラメントを固定しつつ、熱膨張による寸法変化を吸収するようなバネ固定具などにて固定されている。そのため、管全域が加熱部となるわけではなく、事実上ガラス管端部30mm程度は非発熱部となる。
【0028】
すなわち、加熱室1側面に設置された直管型のヒータである上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9では、焼網7の中央部の加熱能力が低くなる。また、加熱室1の前面部および背面部が上述の非発熱部に近い領域となり、他の部分と比較して相対的に加熱能力が低くなる傾向がある。
【0029】
そのため、上シーズヒータ31、下シーズヒータ32は、図4に示すように、焼網7ひいては焼網7上に設置される被加熱物30の前部(図4において下側)と後部(図4において上側)に対する照射面積を大きくするように配置される。
具体的には、例えば上シーズヒータ31、下シーズヒータ32の発熱部のうち、前部と後部に相当する部分を相対的に他の部分より長く敷設するように各ヒータをレイアウトする。
即ち、焼網7の中央部については各シーズヒータからの距離を比較的近くして加熱能力を向上させ、前部と後部についてはヒータのレイアウトにより熱線の照射面積を大きくして加熱能力を向上させる。これにより、均一な加熱が可能となる。
【0030】
図5は、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9の正面断面図である。
図5(a)に示すように、ガラス管ヒータは、純度99%以上のカーボンコンポジット材であるカーボンフィラメント40と、周辺を封止する石英ガラス製のガラス管41を備えている。ガラス管41内にはアルゴンなどの不活性ガスが封入されており、カーボンフィラメント40の酸化による劣化を防止している。
【0031】
図5(b)は、ガラス管ヒータの輻射強度分布を示す図である。
図5(b)中の矢印の長さは輻射強度を示している。同図に示すように、輻射強度は、カーボンフィラメント40を中心に、断面長方形の長辺方向に強い分布を示す八の字状の分布となる。
同図の通り、カーボンフィラメント40は、断面長方形にカットされており、かつ略全面から発熱する。そのため、相対的には長方形の長辺に対して鉛直方向に強い輻射分布を有する。
【0032】
図5(c)は、ヒータの強度を増すために、ガラス管を二重構造にした構造を示す。
図5(a)に示す構成に加えて、外ガラス管42を設置することにより、ヒータの本体部分とも言えるガラス管41を保護し、劣化を抑えることが可能となる。
また、外ガラス管42とガラス管41の間の空間にガラス管内反射板43を設けることにより、所望の方向、例えば被加熱物30を載置する方向により強い輻射加熱を行うことが可能となる。
なお、外ガラス管42は、ガラス管41の保護と、外ガラス管42の表面温度を下げることによる劣化可能性低減を目的としたものであり、必ずしもガラス管41と外ガラス管42の間に不活性ガスなどを封止する必要はない。
【0033】
上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9のカーボンフィラメント40の強輻射方向、すなわち断面長方形のうち長辺に対する鉛直方向は、それぞれ焼網7上面および下面を狙うように向けて、角度をつけて設置される。これにより、被加熱物30を狙って輻射加熱を実施することが可能となる。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態1では、ガラス管ヒータを加熱室1の側面に設け、被加熱物30の直上を避けて配置することにより、万が一ガラス管が破損してもその破片などが被加熱物30に混入することがないように構成した。
本発明の実施の形態2では、ガラス管ヒータ周辺の別構成例について説明する。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0035】
図6は、本実施の形態2におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1の側面には、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9を収納するヒータ収納部18が設けられている。
ヒータ収納部18は、加熱室1の側面を外方に向かって凸形状に張り出すことにより形成されている。また、ヒータ収納部18の加熱室1内部側には、収納したガラス管ヒータを保護するためのヒータカバーとなるヒータカバー33が配置されている。
【0036】
ヒータカバー33は一例として、赤外線透過材である石英ガラスや透明マイカなどを用いた板で構成する。また、別の例としてはパンチングメタルなどの多開口金属板(図示せず)を用いて構成してもよい。
これにより、赤外線による加熱性能は維持しつつ、両ガラス管ヒータの耐久性を高めるという効果を得ることができる。
【0037】
ヒータカバー33は、ヒータ収納部18の開口部を塞ぐように配置され、加熱室1の内側面が略平坦となるように形成されている。したがって、加熱室1側面の内部側には凹凸がないため、ユーザは加熱室1内部の清掃作業がしやすく、また意匠的にも優れた効果がある。
【0038】
本実施の形態2では、ガラス管ヒータと被加熱物30の間のスペースを実施の形態1よりも大きく取ることができるので、ガラス破片などの異物が被加熱物30に混入する可能性をさらに低減することができる。
【0039】
また、本実施の形態2では、ヒータカバー33がガラス破片などの落下を防止する機能も兼ね備えるので、より安全性を高めることができる。
【0040】
実施の形態3.
実施の形態2では、加熱室1の側面にヒータ収納部18を設けてガラス管ヒータを内部に収納した構成例を説明した。
本発明の実施の形態3では、ヒータ収納部18内の別構成例について説明する。なお、その他の構成は実施の形態2と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0041】
図7は、本実施の形態3におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1側面の上部と下部のヒータ収納部18には、実施の形態2と同様に上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9がそれぞれ収納される。また、ヒータ収納部18内のガラス管ヒータの背面に相当する位置に、表面研磨などにより反射率を高めた(例えば0.9程度)金属製の弾性体である反射板25を設置する。
【0042】
図8は、図7に示すA部の拡大図である。
反射板25には、上ガラス管ヒータ8、または、下ガラス管ヒータ9を固定するためのヒータ固定具26が設けられている。これにより、ガラス管ヒータ、反射板25、ヒータ固定具26を一体としたヒータユニットとして構成することができる。
【0043】
ヒータ固定具26は、弾性を持った金属により構成する。これにより、ガラス管ヒータおよび反射板25などの熱膨張を吸収することで、ガラス管ヒータに対する応力を逃がす効果を持たせることができる。
また、ヒータ固定具26は、上ガラス管ヒータ8、または、下ガラス管ヒータ9の非発熱部を支える構造とする。また、ガラスと接触する部分にはキズつき防止のため、シリコンなどの耐熱材によって被覆する。
【0044】
反射板25の端部には、万が一ガラスが割れた場合に、その破片を受けて加熱室1側に落下することを防止する起立片27を設けることもできる。これにより、安全性をより高めることが可能となる。なお、起立片27も、ヒータユニットの一部として構成することができる。
【0045】
一体のヒータユニットとして構成された反射板25、ヒータ固定具26、起立片27、上ガラス管ヒータ8、下ガラス管ヒータ9は、それぞれ加熱室1の内部側から手前側に引くことで加熱室1からはずすことが可能である。そのため、必要に応じて部品交換や清掃等を行うことが可能となる。
【0046】
なお、ヒータ収納部18の加熱室1内側面側は、実施の形態1と同様に加熱室1内側面と略同一平面を形成するように構成してもよい。図7では略同一平面に構成した例、図8では同一平面ではない例を示した。
【0047】
また、本実施の形態3において、実施の形態2で説明したヒータカバー33をヒータ収納室18に設けてもよい。これにより、ガラス管ヒータを不意の接触などから確実に保護することができる。
【0048】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、ガラス管ヒータからの熱線を被加熱物30に効率よく照射することのできる構成を説明する。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0049】
図9は、本実施の形態4におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1側面の上部と下部には、実施の形態1と同様に、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9がそれぞれ設置されている。
焼網7は、支持部となる脚の長さを両側で違う長さとすることにより、加熱室1の底面に対して傾斜させて設置することができる形状とする。
【0050】
焼網7の傾斜角度をあまり大きくすると被加熱物30がすべり落ちてしまう可能性があるため、15°以下程度が望ましい。なお、焼網7の傾斜は、右上がり、左上がりいずれにも設置できるよう構成されている。
【0051】
焼網7に傾斜をつけることにより、図9に図示する右下の下ガラス管ヒータ9と左上の上ガラス管ヒータ8からの熱線が効率的に被加熱物30に照射されることとなり、加熱性能が高まる効果がある。
また、同設置状態においては、右下の下ガラス管ヒータ9と左上の上ガラス管ヒータ8のみ通電することにより、他のヒータの通電をする必要がなく、均一加熱性能の向上のみならず、ヒータの長寿命化や省エネに寄与する効果もある。
【0052】
なお、本実施の形態4では、実施の形態1で説明した構成に加えて新たに焼網7を傾斜させることができるようにした例を説明したが、その他の実施の形態についても同様に焼網7を傾斜させることができるようにすることにより、本実施の形態4と同様の効果を発揮することができる。
【0053】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5では、焼網7の別構成例について説明する。なお、その他の構成は実施の形態4と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0054】
図10は、本実施の形態5におけるロースター22の正面断面図である。
加熱室1側面の上部と下部には、実施の形態4と同様に、上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9がそれぞれ設置されている。
焼網7は、中央部をもっとも高い形状とし、左右端部を低くして傾斜を設けている。
これにより、焼網7上に設置される被加熱物30に対して、各ガラス管ヒータからの熱線が垂直に当たりやすくなり、被加熱物30の被加熱領域を広くとることが可能となる。
【0055】
特に、下ガラス管ヒータ9からの熱線が届きにくかった被加熱物30下面の中央部において効率的に照射が可能となり、被加熱物30裏面も効率よく加熱することが可能となる効果がある。
【0056】
なお、本実施の形態5では、実施の形態1で説明した構成に加えて新たに焼網7の中央部を高くした構成を説明したが、本実施の形態5で説明した焼網7の構成は、他の実施の形態に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1に係る加熱調理器20の斜視図である。
【図2】ロースター22の正面断面図である。
【図3】引出扉2周辺の分解斜視図である。
【図4】加熱室1内の上面図である。
【図5】上ガラス管ヒータ8と下ガラス管ヒータ9の正面断面図である。
【図6】実施の形態2におけるロースター22の正面断面図である。
【図7】実施の形態3におけるロースター22の正面断面図である。
【図8】図7に示すA部の拡大図である。
【図9】実施の形態4におけるロースター22の正面断面図である。
【図10】実施の形態5におけるロースター22の正面断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 加熱室、2 引出扉、3 視認窓、4 取手、6 受皿、7 焼網、8 上ガラス管ヒータ、9 下ガラス管ヒータ、15 温度センサ、18 ヒータ収納部、20 加熱調理器、21 誘導加熱部、22 ロースター、23 操作部、25 反射板、26 ヒータ固定具、27 起立片、30 被加熱物、31 上シーズヒータ、32 下シーズヒータ、33 ヒータカバー、34 熱線照射範囲、36 ガイドレール、37 サブガイドレール、40 カーボンフィラメント、41 ガラス管、42 外ガラス管。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を載置する載置手段と、
前記載置手段を収納する加熱室と、
前記載置手段の下方に配置された受皿と、
前記加熱室内に設置され被加熱物を加熱する1または複数のヒータと、
を備え、
前記ヒータのうち少なくとも1つはガラス管ヒータで構成され、前記加熱室の側面に設置されている
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記加熱室の側面に設置した前記ガラス管ヒータは、
前記載置手段を加熱室内に収納した際に、前記加熱室を上面から見て前記載置手段と重ならない位置に設置されている
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱室の側面に設置した前記ガラス管ヒータのうち少なくとも1つは、
前記載置手段を前記加熱室内に収納した際に、前記受皿より上方かつ前記載置手段より下方となる位置に設置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記ガラス管ヒータの輻射分布は、
前記載置手段と前記受皿を前記加熱室内に収納した状態において前記載置手段の裏面に強指向性を有する
ことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記加熱室の側面に設置した前記ガラス管ヒータのうち少なくとも1つは前記載置手段の上方に設置されており、
その輻射分布は、前記載置手段と前記受皿を前記加熱室内に収納した状態において前記載置手段の表面に強指向性を有する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記ガラス管ヒータの周辺に、前記加熱室側への反射率を高める表面処理を実施した反射板を設置するとともに、
前記反射板の開口面に赤外線透過性のあるヒータカバーを設けた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記ヒータカバーのカバー面と前記加熱室の内側面が略同一平面上に形成されるように前記ヒータカバーを形成した
ことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記ガラス管ヒータの周辺に、前記加熱室側への反射率を高める表面処理を実施した反射板を設置するとともに、
前記反射板の開口面の少なくとも一部に、
前記ガラス管ヒータからの落下物を保持する起立片を設けた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記反射板は、前記ガラス管ヒータを支持するヒータ支持部を備えている
ことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項10】
少なくとも前記ガラス管ヒータ、前記反射板、および前記ヒータ支持部は一体のヒータユニットとして構成されており、
前記ヒータユニットは前記加熱室内から着脱可能に構成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記ガラス管ヒータは、
発熱体を封止する内管と内管保護用の外管とから成る二重管で構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記ガラス管ヒータは、
発熱体を封止する内管と内管保護用の外管とから成る二重管で構成されており、
前記内管と前記外管の間に前記反射板を配置した
ことを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記加熱室の天面に前記ガラス管ヒータとは別の上面ヒータを設置し、
前記載置手段の下部かつ前記受皿の上部に前記ガラス管ヒータとは別の下面ヒータを設置した
ことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記上面ヒータおよび下面ヒータをシーズヒータにより構成し、
前記シーズヒータの形状は、
前記載置手段を正面から見た中央部分の発熱量を相対的に高めるように形成されている
ことを特徴とする請求項13記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記上面ヒータおよび下面ヒータをシーズヒータにより構成し、
前記シーズヒータの形状は、
前記載置手段を上面から見た前側部分と後側部分の発熱量を相対的に高めるように形成されている
ことを特徴とする請求項13記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記受皿を反射率の高い材料で構成し、かつ中央に凸部を設けて、前記載置手段の中央部への熱線反射効率を高めた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記載置手段の両端部にそれぞれ高さが異なる脚部を設けることにより、前記被加熱物を設置する部分に傾斜を設けた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項18】
前記載置手段は、中央部の高さが両端部の高さより高くなる形状とした
ことを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記載置手段を前記加熱室内から引き出す引出扉を備え、
前記引出扉の一部は、内部が視認できるガラスにより構成されており、前記ガラスは熱線反射処理を施されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項20】
前記引出扉を支持しかつ引き出し動作方向を規制するガイドレールを備え、
前記ガイドレールは、
前記加熱室の側面に設けたガラス管ヒータの直下からはずれた位置に設置されている
ことを特徴とする請求項19記載の加熱調理器。
【請求項1】
被加熱物を載置する載置手段と、
前記載置手段を収納する加熱室と、
前記載置手段の下方に配置された受皿と、
前記加熱室内に設置され被加熱物を加熱する1または複数のヒータと、
を備え、
前記ヒータのうち少なくとも1つはガラス管ヒータで構成され、前記加熱室の側面に設置されている
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記加熱室の側面に設置した前記ガラス管ヒータは、
前記載置手段を加熱室内に収納した際に、前記加熱室を上面から見て前記載置手段と重ならない位置に設置されている
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱室の側面に設置した前記ガラス管ヒータのうち少なくとも1つは、
前記載置手段を前記加熱室内に収納した際に、前記受皿より上方かつ前記載置手段より下方となる位置に設置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記ガラス管ヒータの輻射分布は、
前記載置手段と前記受皿を前記加熱室内に収納した状態において前記載置手段の裏面に強指向性を有する
ことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記加熱室の側面に設置した前記ガラス管ヒータのうち少なくとも1つは前記載置手段の上方に設置されており、
その輻射分布は、前記載置手段と前記受皿を前記加熱室内に収納した状態において前記載置手段の表面に強指向性を有する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記ガラス管ヒータの周辺に、前記加熱室側への反射率を高める表面処理を実施した反射板を設置するとともに、
前記反射板の開口面に赤外線透過性のあるヒータカバーを設けた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記ヒータカバーのカバー面と前記加熱室の内側面が略同一平面上に形成されるように前記ヒータカバーを形成した
ことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記ガラス管ヒータの周辺に、前記加熱室側への反射率を高める表面処理を実施した反射板を設置するとともに、
前記反射板の開口面の少なくとも一部に、
前記ガラス管ヒータからの落下物を保持する起立片を設けた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記反射板は、前記ガラス管ヒータを支持するヒータ支持部を備えている
ことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項10】
少なくとも前記ガラス管ヒータ、前記反射板、および前記ヒータ支持部は一体のヒータユニットとして構成されており、
前記ヒータユニットは前記加熱室内から着脱可能に構成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記ガラス管ヒータは、
発熱体を封止する内管と内管保護用の外管とから成る二重管で構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記ガラス管ヒータは、
発熱体を封止する内管と内管保護用の外管とから成る二重管で構成されており、
前記内管と前記外管の間に前記反射板を配置した
ことを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記加熱室の天面に前記ガラス管ヒータとは別の上面ヒータを設置し、
前記載置手段の下部かつ前記受皿の上部に前記ガラス管ヒータとは別の下面ヒータを設置した
ことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記上面ヒータおよび下面ヒータをシーズヒータにより構成し、
前記シーズヒータの形状は、
前記載置手段を正面から見た中央部分の発熱量を相対的に高めるように形成されている
ことを特徴とする請求項13記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記上面ヒータおよび下面ヒータをシーズヒータにより構成し、
前記シーズヒータの形状は、
前記載置手段を上面から見た前側部分と後側部分の発熱量を相対的に高めるように形成されている
ことを特徴とする請求項13記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記受皿を反射率の高い材料で構成し、かつ中央に凸部を設けて、前記載置手段の中央部への熱線反射効率を高めた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記載置手段の両端部にそれぞれ高さが異なる脚部を設けることにより、前記被加熱物を設置する部分に傾斜を設けた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項18】
前記載置手段は、中央部の高さが両端部の高さより高くなる形状とした
ことを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記載置手段を前記加熱室内から引き出す引出扉を備え、
前記引出扉の一部は、内部が視認できるガラスにより構成されており、前記ガラスは熱線反射処理を施されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項20】
前記引出扉を支持しかつ引き出し動作方向を規制するガイドレールを備え、
前記ガイドレールは、
前記加熱室の側面に設けたガラス管ヒータの直下からはずれた位置に設置されている
ことを特徴とする請求項19記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−112586(P2010−112586A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283560(P2008−283560)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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