説明

加熱調理装置と、それに使用する浮遊異物の除去装置

【課題】材料に対する熱の通りをよくして均一な加熱調理を実現するとともに加熱液の液面上の浮遊異物を除去する。
【解決手段】加熱液Wを収納する槽31と、槽31内の材料をセルごとに区分して搬送する搬送装置10と、押え板22、各セル内の材料を加熱液W中に沈めて搬送する押え装置20を設ける。また、加熱調理装置の槽31から溢れる加熱液Wを受けるヒータ内蔵の加熱タンクと、加熱タンクから溢れる加熱液Wを受ける中間タンクと、加熱タンクに新鮮な加熱液を定量補充する補充タンクと、加熱タンクからの加熱液を槽31に供給する循環ポンプにより浮遊異物の除去を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、材料を一層高品質の製品に加熱調理することができる加熱調理装置と、それに使用する浮遊異物の除去装置に関する。ただし、この発明において、加熱調理とは、油による揚げ加工、水による茹で加工や湯煮加工、調味液(煮液)による煮込み加工や煮熟加工などを総称するものとし、加熱調理に使用する油、水、調味液などを一括して加熱液という。
【背景技術】
【0002】
高品質のフライや天ぷらなどの揚げ物を揚げ加工することができるフライヤが提案されている(特許文献1)。
【0003】
このものは、水平循環するチェーンを長円形のトラック状の槽の中央部に配設するとともに、チェーンに対し、等ピッチに外向きの旗状のエプロンを付設して構成されている。なお、チェーンの循環走行路は、槽内の加熱液の液面より高く、各エプロンは、槽内の加熱液に浸漬され、槽内を複数のセルに区画することができる。そこで、このものは、各セルに投入される材料をセルごとに区分して搬送し、槽内の揚げ油によって揚げ加工することができ、材料を投入するセルと、揚げ加工済の製品を排出するセルとの間隔を適切に選択することにより、最適の揚げ加工時間を容易に実現することができる。なお、このものは、揚げ油に代えて、水または調味液を使用することにより、揚げ加工以外の加熱調理にも十分に使用可能である。
【特許文献1】特開2006−34391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来技術によるときは、エプロンによって区画される各セルは、上部開放であるため、加熱液の液面に浮上し易い材料は、熱の通りが悪く、加熱調理が不均一になることがあり、また、加熱調理中に材料から浸出する脂や灰汁などの浮遊異物が加熱液の液面に蓄積すると、製品の品質外観を損なうことがあるという問題があった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、押え装置を付加することによって、材料に対する熱の通りをよくして均一な加熱調理を実現するとともに、加熱タンク、中間タンク、補充タンク、循環ポンプを組み合わせることによって、加熱液の液面上の浮遊異物を簡単に除去することができ、製品の品質を一層向上させることができる加熱調理装置と、それに使用する浮遊異物の除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、加熱液を収納する槽と、槽内の材料をセルごとに区分して搬送する搬送装置と、搬送装置と連動する押え装置とを備えてなり、搬送装置は、水平循環する第1チェーンと、第1チェーンに等ピッチに付設する旗状のエプロンとを有し、押え装置は、垂直循環する第2チェーンと、第2チェーンに対してエプロンと同一ピッチに付設する押え板とを有し、押え板を介し、エプロンによって区画する各セル内の材料を加熱液中に沈めながら搬送することをその要旨とする。
【0007】
第2発明(請求項2に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、加熱調理装置の槽から溢れる加熱液を受けるヒータ内蔵の加熱タンクと、加熱タンクから溢れる加熱液を受ける中間タンクと、加熱タンクに新鮮な加熱液を定量補充する補充タンクと、加熱タンクからの加熱液を槽に供給する循環ポンプとを備えることをその要旨とする。
【0008】
なお、加熱タンクは、ガイド筒を介して補充タンクからの加熱液を液面下に導入することができ、中間タンクには、浮遊異物を分離するメッシュを設けることができる。
【発明の効果】
【0009】
かかる第1発明の構成によるときは、搬送装置は、第1チェーンに等ピッチに付設する旗状のエプロンを介し、槽内に複数のセルを区画して形成することができ、槽内の材料をセルごとに区分して搬送することができる。すなわち、搬送装置は、セル内に投入される材料をセルごとに区分して加熱液中を搬送し、加熱液により適切に加熱調理することができる。一方、押え装置は、第2チェーンに付設する押え板を介して各セル内の材料を加熱液中に沈めながら搬送することにより、加熱調理中の材料に均一に熱を通し、加熱調理むらをなくすることができる。なお、押え装置は、搬送装置と連動するため、各押え板と各セルとの相対位置関係を一定に維持し、各セル内の材料を加熱液中に確実に沈めることができる。ただし、押え装置は、搬送装置による加熱調理行程の全部について各セル内の材料を加熱液中に沈める必要はなく、たとえば加熱調理行程の終盤の1/2ないしそれ以下についてだけ材料を沈めるように配置すれば一般に十分である。
【0010】
第2発明の構成によるときは、循環ポンプは、加熱タンク内のヒータによって所定温度に加熱された加熱液を槽に供給し、槽内の加熱液を槽から連続的に溢れさせ、槽内の加熱液の液面上に浮上する浮遊異物を加熱液とともに加熱タンクに流出させる。一方、加熱タンクには、補充タンクからの新鮮な加熱液が定量補充されるから、加熱タンク内に流出する浮遊異物は、加熱タンクから溢れる加熱液とともに中間タンクに排出され、循環ポンプを介して再び槽に戻ることがない。なお、加熱タンクから溢れる加熱液は、補充タンクからの新鮮な加熱液の定量補充量相当であり、必要最少限に抑えることができる。また、槽内には、循環ポンプの吐出量相当の加熱液が加熱タンクから供給され、同量の加熱液が連続的に加熱タンクに流出する。そこで、槽内には、循環ポンプによる循環量相当の加熱液の流れが形成され、液面上の浮遊異物を加熱タンクに効果的に流出させることができる。
【0011】
加熱タンク内の加熱液の液面には、槽から流出する浮遊異物が浮上する。そこで、ガイド筒を介して補充タンクからの加熱液を液面下に導入することにより、新鮮な加熱液が浮遊異物とともに加熱タンクから流出してしまうことがなく、加熱液の消費量を必要最少に抑えることができる。
【0012】
中間タンクに設けるメッシュは、加熱タンクから加熱液とともに流出する浮遊異物を分離し、中間タンク内に貯まる使用済の加熱液を容易に処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0014】
加熱調理装置は、加熱液Wを収納する槽31に対し、搬送装置10、押え装置20を組み合わせてなる(図1、図2)。
【0015】
槽31は、互いに平行な直線部分の前後に半円弧状の湾曲部分を設け、長円形のトラック状に形成されている。槽31は、図示しない脚を有する横長のテーブル32の上面に形成されており、テーブル32には、前面板33が立設されている。
【0016】
槽31の後の湾曲部分は、スロープ31a、31aを介して斜めに立ち上っている。後の湾曲部分には、前面板33側のスロープ31aを介して製品の排出シュート31bが形成されており、前の湾曲部分には、流出孔31c、31c…を経て槽31内の加熱液Wを溢れさせて外部に排出する排出樋31dが形成されている。ただし、排出樋31dの先端部には、槽31内の加熱液Wの液面レベルを規定する堰板31eが立設されている。なお、槽31の底面には、各直線部分の後端とスロープ31a、31aとの間に溝部31gが連続して形成されており、溝部31gの底面には、加熱液Wの排出口31hが開口されている。また、溝部31gの前面板33側の側壁、槽31の前の湾曲部分の底面には、それぞれ加熱液Wの供給口31m、31n、31nが開口されている。
【0017】
搬送装置10は、水平循環する無端の第1チェーン11に対し、旗状のエプロン12、12…を等ピッチに外向きに付設して構成されている。なお、第1チェーン11は、槽31の直線部分の間において、槽31内の加熱液Wの液面レベルより高い位置に設置されている。
【0018】
第1チェーン11は、駒11a、11a…を介して上下左右のリンクプレート11b、11b…を交互に連結し(図3)、上下左右に屈曲する3次元チェーンとなっている。ただし、図3(A)、(B)は、それぞれ第1チェーン11、搬送装置10の要部分解斜視図である。駒11aは、球体の上下左右をそれぞれ平行平面状に切り欠き、上下左右のリンクプレート11b、11b…は、それぞれ図示しない連結ピンを介して駒11aの各平面に回転自在に連結されている。なお、各駒11aには、それぞれの連結ピンを介し、上下方向、左右方向のローラ11c、11cが2ピッチごとに交互に回転自在に装着されている。
【0019】
各エプロン12は、横長の板材の下部に長短の縦長の長孔12a、12a…を列設形成して構成されている。エプロン12は、ブラケット12bを介して第1チェーン11に取外し自在に装着されている。ブラケット12bは、所定の間隔ごとに隣接する第1チェーン11の上向きのローラ11c、11c用の連結ピンの延長部11d、11dを上部の水平辺の丸孔12b1 、長孔12b2 に挿通させることにより、第1チェーン11に掛止されている。なお、ブラケット12bの垂直辺の後側の一辺には、つまみ状の突出部12b3 が形成され、突出部12b3 は、後方に隣接する水平のローラ11c用の連結ピンの先端に当接して、エプロン12が進行方向後方に傾くことを防止する。また、ブラケット12bの垂直辺の下部には、エプロン12の上辺に付設する支持棒12cが立設され、支持棒12cの先端には、ローラ12dが付設されている。
【0020】
第1チェーン11は、上下のローラ11c、11c…に係合する前後各2枚のスプロケット13、13…間に巻き掛けられている(図1、図2)。
【0021】
排出シュート31b側の後のスプロケット13、13は、スロープ31a、31a上に傾けて配設されており、排出樋31d側の前のスプロケット13、13は、水平に配設され、槽31の下部に設置する図示しない可変速形の駆動モータに連結されている。そこで、第1チェーン11は、エプロン12、12…を槽31内に一斉に周回移動させることができ(図1、図2の各矢印K1 方向)、このとき、槽31の各直線部分、湾曲部分を横切る各エプロン12の先端部は、槽31の外縁上を転動するローラ12dを介して支持される。また、第1チェーン11は、槽31の内縁に沿って配設するガイド31fによって直線走行部分がガイドされ(図3(B))、後のスプロケット13、13の近傍において、図示しない押えガイドによりスロープ31a、31aに沿うように斜め上向きに屈曲される(図1)。
【0022】
槽31内のエプロン12、12…は、槽31内を複数のセルC、C…に区画する(図2)。ただし、各セルCは、槽31の直線部分では、槽31の幅とエプロン12、12…のピッチによって決まる長方形であり、槽31の前後の湾曲部分では、扇形に開くことになる。なお、槽31には、各エプロン12の短い長孔12a、12a…の全部が沈み、長い長孔12a、12a…の約1/2〜2/3が沈む程度の深さに加熱液Wを張るものとする。そこで、搬送装置10は、たとえば図2の矢印Aの位置でセルC、C…内に材料を順次投入すると、セルCごとに材料を区分して槽31の直線部分、前の湾曲部分、直線部分を通るように搬送し、加熱液Wによって材料を連続的に加熱調理することができ、前面板33側のスロープ31a、排出シュート31bを介して、加熱調理済の製品として外部に自動排出することができる(図2の矢印B方向)。
【0023】
押え装置20は、垂直循環する一対の第2チェーン21、21に対し、押え板22、22…を付設して構成されている(図1、図2)。なお、押え装置20は、槽31の排出シュート31b側の直線部分の上方に配置されており、押え板22、22…は、第2チェーン21、21に対し、第1チェーン11に付設するエプロン12、12…と同一ピッチに付設されている。第2チェーン21、21は、それぞれ前後のスプロケット23、23に巻き掛けられている。
【0024】
前後のスプロケット23、23…用の軸23a、23aは、それぞれ軸受23b、23bを介してフレーム材23c、23c上に架設されている(図1、図4)。なお、一方のフレーム材23cは、ブラケット23dを介して第1チェーン11の走行経路上に固定されており、他方のフレーム材23cは、前面板33に固定されている。ただし、ブラケット23dは、両端のスペーサ23d1 、23d1 を介して支持されている。排出樋31d側の前の軸23aは、ベベルギヤ24、24を介して、第1チェーン11用のスプロケット13、13の軸13aに連結されている。
【0025】
各押え板22は、多数の長孔22a、22a…を列設形成する長方形の板材を両長辺に沿って鈍角に屈曲させ、横断面山形にして構成されている(図4、図5)。ただし、図4、図5において、押え板22は、それぞれ第2チェーン21、21の下側走行部分、上側走行部分にある状態が図示されている。
【0026】
押え板22の内側には、ウェイト22bが付設され、門形に屈曲させる支持ロッド22cの両脚がねじ止めされている。また、第2チェーン21、21には、アタッチメント21a、21aを介してチャンネル状の支持材21bが架設されており、支持材21bの内側には、支持ロッド22cの両脚を相対移動自在に挿通するガイドパイプ22d、22dが立設されている。なお、軸23a、23aを支持するフレーム材23c、23cは、それぞれの下端を第2チェーン21、21側に折り返し、第2チェーン21、21の下側走行部分を支持してガイドしている。ただし、押え板22は、支持材21bに対して上下に相対移動自在に組み付ければよく、支持ロッド22cは、両脚相当の2本の棒材として、支持材21bからの抜止めをそれぞれに形成してもよい。
【0027】
押え装置20は、ベベルギヤ24、24を介して搬送装置10と連動している。そこで、搬送装置10を図1、図2の各矢印K1 方向に運転すると、押え装置20は、図1の矢印K2 方向に駆動され、第2チェーン21、21の下側走行部分を介し、押え板22、22…を排出シュート31bに向けて槽31の直線部分内のエプロン12、12…と同一方向に同一速度で移動させることができる。
【0028】
一方、押え板22、22…は、エプロン12、12…と同一ピッチに第2チェーン21、21に装着されているから、押え装置20は、エプロン12、12…によって区画されるセルC、C…に各押え板22を正確に対応させ(図2の二点鎖線)、各セルC内の材料を加熱液W中に沈めながら排出シュート31bに向けて搬送することができる。第2チェーン21、21の下側走行部分において、各押え板22は、ウェイト22bを含む自重により支持ロッド22cの両脚がガイドパイプ22d、22d内を相対移動し、第2チェーン21、21、支持材21bの下方に大きく落下するからである(図4)。また、各押え板22は、第2チェーン21、21の上側走行部分において自重により反転落下するため、第2チェーン21、21、支持材21b上にガイドパイプ22d、22dの長さ相当しか突出しない(図5)。
【0029】
押え装置20の排出樋31d側には、ブラケット25aを介して前面板33に付設する規制部材25が配設されている(図1、図2)。
【0030】
規制部材25は、帯板材を屈曲して形成され、押え装置20の駆動側のスプロケット23、23用の軸23aの下に先端部を斜めに差し入れて配置されている(図6)。そこで、規制部材25は、第2チェーン21、21がスプロケット23、23のまわりに上側走行部分から下側走行部分に移行する際に、搬送装置10の各エプロン12が槽31の前の湾曲部分から直線部分に進行し、長方形のセルCが形成されてから各押え板22がセルC内に落下するように、各押え板22の落下タイミングを規制する。押え板22の落下タイミングが早過ぎてセルCが扇形に開いていると、セルC内の材料を加熱液W中に正しく沈めることができない場合があり得るからである。すなわち、規制部材25の先端部は、各押え板22の下面に係合し、押え板22が槽31の直線部分に十分進出するまで押え板22の落下を阻止することができる。
【0031】
槽31の排出樋31dの出口側には、加熱タンク41、中間タンク42、補充タンク43、循環ポンプ44を備える浮遊異物の除去装置が配設されている(図7、図8)。
【0032】
加熱タンク41は、排出樋31dを介して槽31から溢れる加熱液Wを受けることができる。加熱タンク41には、ヒータHが内蔵され、排出樋41aが形成され、上下に長いガイド筒41bが組み込まれている。なお、ガイド筒41bは、加熱タンク41内の加熱液Wの液面上に開口し、加熱タンク41の底近くに開口している。また、中間タンク42は、排出樋41aを介して加熱タンク41から溢れる加熱液Wを受けるように配設されている。中間タンク42には、排出樋42aが形成され、加熱タンク41からの加熱液Wを濾過するメッシュ42bが着脱自在に装着されている。また、排出樋42aの出口側には、廃液タンク45が配置されている。
【0033】
循環ポンプ44の吸引側は、加熱タンク41の底部に接続されている。また、循環ポンプ44の吐出側は、槽31の側壁、底面に開口する加熱液Wの供給口31m、31n、31nに分岐接続されている。なお、槽31の溝部31gに開口する加熱液Wの排出口31hには、ドレン弁31kが付設されている。
【0034】
補充タンク43には、貯留タンク46からの新鮮な加熱液W1 が流入する。ただし、補充タンク43内の加熱液W1 の液面レベルは、フロート弁46aを介して一定に保たれている。また、補充タンク43からの新鮮な加熱液W1 は、開閉弁43a、加熱タンク41内のガイド筒41bを介し、加熱タンク41の加熱液Wの液面下に導入される。
【0035】
循環ポンプ44を運転すると、ヒータHによって適温に加熱された加熱液Wが供給口31m、31n、31nを介して槽31に供給され、排出樋31dを介して槽31から溢れる加熱液Wが加熱タンク41に戻る。そこで、槽31内には、供給口31mから溝部31g、排出シュート31bから遠い側の直線部分を経て前の湾曲部分に至り、供給口31n、31nからの加熱液Wと合流して排出樋31dに流出する加熱液Wの流れが生じ、加熱調理中の材料から生じる脂、灰汁などの浮遊異物は、排出樋31dを介して加熱液Wとともに加熱タンク41に排出される。なお、このとき、排出樋31dから流出する加熱液Wは、循環ポンプ44の吐出量相当である。
【0036】
一方、加熱タンク41には、補充タンク43から開閉弁43aを介して新鮮な加熱液W1 が定量補充され、加熱タンク41から排出樋41aを介して定量補充量相当の加熱液Wが中間タンク42に排出される。そこで、加熱タンク41内の加熱液Wの液面上の浮遊異物は、加熱タンク41からの加熱液Wとともに中間タンク42に排出され、メッシュ42b上に推積する。よって、メッシュ42b上の浮遊異物と、中間タンク42から排出樋42aを介して廃液タンク45に流出する使用済の加熱液Wとを個別に分離して処理することができる。
【0037】
以上の説明において、第1チェーン11に付設するエプロン12、12…は、槽31の周回距離に合わせて、任意枚数を任意の等ピッチに設けることができる。また、加熱タンク41、中間タンク42、補充タンク43、貯留タンク46は、図7、図8に拘らず、それぞれ丸タンクを含む任意の形状に変形してもよく、加熱タンク41内のヒータHは、加熱タンク41内の加熱液Wをできるだけ均一に加熱するように、形状、配置を工夫することが好ましい。なお、ヒータHは、適切な温度制御装置と組み合わせ、加熱タンク41内の加熱液Wの加熱温度を制御するものとする。さらに、ガイド筒41bは、加熱タンク41内に組み込むに代えて、開閉弁43aの出口側に接続して加熱タンク41の少なくとも底近くにまで到達する長いホースまたはパイプとしてもよい。
【0038】
なお、図7、図8の浮遊異物の除去装置は、図1〜図6に示す以外の任意の形式の加熱調理装置にも好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】全体構成斜視図
【図2】図1の上面模式図
【図3】要部拡大分解斜視説明図
【図4】図2のX−X線矢視相当拡大断面図
【図5】要部分解斜視図
【図6】図2のY−Y線矢視相当模式断面図
【図7】配管系統図
【図8】要部拡大斜視図
【符号の説明】
【0040】
W、W1 …加熱液
C…セル
H…ヒータ
10…搬送装置
11…第1チェーン
12…エプロン
20…押え装置
21…第2チェーン
22…押え板
31…槽
41…加熱タンク
41b…ガイド筒
42…中間タンク
42b…メッシュ
43…補充タンク
44…循環ポンプ

特許出願人 アサヒ装設株式会社
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱液を収納する槽と、該槽内の材料をセルごとに区分して搬送する搬送装置と、該搬送装置と連動する押え装置とを備えてなり、前記搬送装置は、水平循環する第1チェーンと、該第1チェーンに等ピッチに付設する旗状のエプロンとを有し、前記押え装置は、垂直循環する第2チェーンと、該第2チェーンに対して前記エプロンと同一ピッチに付設する押え板とを有し、該押え板を介し、前記エプロンによって区画する各セル内の材料を加熱液中に沈めながら搬送することを特徴とする加熱調理装置。
【請求項2】
加熱調理装置の槽から溢れる加熱液を受けるヒータ内蔵の加熱タンクと、該加熱タンクから溢れる加熱液を受ける中間タンクと、前記加熱タンクに新鮮な加熱液を定量補充する補充タンクと、前記加熱タンクからの加熱液を槽に供給する循環ポンプとを備えてなる加熱調理装置における浮遊異物の除去装置。
【請求項3】
前記加熱タンクは、ガイド筒を介して前記補充タンクからの加熱液を液面下に導入することを特徴とする請求項2記載の加熱調理装置における浮遊異物の除去装置。
【請求項4】
前記中間タンクには、浮遊異物を分離するメッシュを設けることを特徴とする請求項2または請求項3記載の加熱調理装置における浮遊異物の除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−330589(P2007−330589A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167288(P2006−167288)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(591109094)アサヒ装設株式会社 (7)
【Fターム(参考)】