包装システム
【課題】商品の搬送方向および/または幅方向について搬送後に生じるズレ量に基づいた包装を行い得る包装システムを提供する。
【解決手段】商品Mを供給装置によってリフタ上に供給し、該リフタ上の商品Mを包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品Mの上面をフィルムで覆って商品Mを包装する包装システムに関する。前記供給装置上の商品Mの搬送方向Xの後端に接触して前記商品Mを前記リフタ上に搬送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に前記商品の搬送方向Xおよび/またはこれに略直交する幅方向Yのズレ量を検出する検出手段と、前記ズレ量に応じてシステムの各機器を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】商品Mを供給装置によってリフタ上に供給し、該リフタ上の商品Mを包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品Mの上面をフィルムで覆って商品Mを包装する包装システムに関する。前記供給装置上の商品Mの搬送方向Xの後端に接触して前記商品Mを前記リフタ上に搬送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に前記商品の搬送方向Xおよび/またはこれに略直交する幅方向Yのズレ量を検出する検出手段と、前記ズレ量に応じてシステムの各機器を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、商品を容器(たとえば、トレーなど)ごと上方の包装ステーションに持ち上げてフィルムで包装する包装システムがある。かかる包装システムの一例を図8および図9に示す。
【0003】
オペレータにより、図8に示すトレー供給装置20上に商品Mが載せられると、搬送バー(接触部材)13によって、商品Mの載ったトレー(容器)Tの後端Tbが押され、当該トレーTがリフタ201上に搬送される。リフタ201の各ポスト210は、包装機構200の包装ステーションSの直下に配置されていると共に、昇降手段208により上下昇降自在とされている。このリフタ201は、トレー供給装置20から商品Mが供給されると、上昇して商品Mを包装ステーションSまで持ち上げる。
【0004】
一方、包装動作に先立ち、図9(a)の前記包装ステーションSには、所定のカット長さに切断されたフィルムFがフィルム供給装置202(図8)によって供給されて張設されている。このフィルムFは、商品Mが押し上げられると、商品Mの上面に密着する。この状態で、フィルム折込み機構203は、一対の左右折込板204,204と、後折込板205と、丸棒状の前折込部材206と、プッシャー207(図8)によって、フィルムFの前後左右の各側縁部を、トレーTの底面側に折り込んで商品Mを包装すると共に、図8の排出コンベヤ209上に包装済の商品Mを排出する。
【0005】
ところで、トレーTはオペレータによりトレー供給装置20上に載せられるので、左右に若干位置ズレする。そのため、かかる包装システムにおいては、包装の仕上がり状態を向上させるために、従来よりトレー供給装置20上においてトレーTの幅方向のズレ量を検出し、該幅方向のズレを修正している(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−48109(図5)
【発明の開示】
【0006】
従来の包装システムでは、図6(a)に示すようにトレー供給装置20(図8)上にトレーTが載せられると、上方のカメラによってトレーTが撮像される。当該撮像情報に基づきトレーTの中央からのズレ量が算出される。撮像後、図6(b)に示すように搬送バー13によってトレーTが搬送されると、図6(c)に示すように、図示しない移動機構により、当該ズレ量に応じてトレーTが中央に向って移動される。
【0007】
しかし、被包装物の重量や、重心位置、トレー下面と計量皿との摩擦などの要因により、同じ置き方、置き位置でも、搬送バーが接触する際にズレ量が変わる場合がある。たとえば、図6(d),(e)のように、トレーTが傾いて置かれた場合、トレーTが搬送バー13に接触した後において、図6(d)と図6(e)とでは、搬送後のズレ量が異なっている。そのため、前記カメラで検出したズレ量に従ってトレーTを中央に向って移動させても、十分にズレが補正できない場合が生じる。
【0008】
このように、搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に、商品の搬送方向に略直交する幅方向のズレを解消できない場合がある。
ズレが十分に補正されない場合には、包装時の商品位置やラベルの貼り位置がズレてしまい、包装不良や貼り位置のズレが生じるおそれが生じる。また、ズレ量が大きい場合には、トレーTが潰れるおそれがある。
【0009】
ところで、前記ズレは商品の搬送方向にも生じる。
図7はトレー供給装置20近傍およびリフタを示す概略側面図である。図7(a),7(b)は、通常の搬送状態を示している。図7(a)に示すトレーTは、搬送バー13によって押されて、図7(b)に示すようにリフタ201上に搬送される。ここで、搬送バー13の前進端の位置(停止位置)はトレーT毎に予め設定されており、この設定された停止位置によりリフタ201上の所定位置までトレーTが押されて搬送される。
【0010】
しかし、図7(c),7(d)に示すように、商品の入ったトレーTの重量が軽い場合などには、搬送バー13がトレーTの下に潜り込み、搬送バー13が設定通りの停止位置で停止しても、トレーTがリフタ201上の所定位置まで搬送されない。
また、図7(e),7(f)に示すように、深さの大きなトレーTでは、搬送バー13がトレーTの縁の下に潜り込む場合があり、同様に、トレーTがリフタ201の所定位置まで搬送されない。
【0011】
したがって、本発明の主目的は、商品の搬送方向および/または幅方向について搬送後に生じるズレ量に基づいた包装を行い得る包装システムを提供することである。
【0012】
ところで、前記特許文献1の発明では、商品のズレを修正する際に、搬送面自体を商品のズレ量に応じて商品の幅方向に移動させる。前記搬送面は包装システムの本体フレーム内に収容されているので、幅方向に大きな商品の場合や、幅方向のズレ量が大きい場合には、商品が搬送面の外側にはみ出し、商品を安定して搬送できない場合がある。しかも、搬送面の幅方向の可動域には自ずと制限があるため、修正し得る商品のズレ量も差程大きくできない。
【0013】
したがって、本発明の他の目的は、商品をより安定して搬送すること、さらには修正し得るズレ量の拡大を図り得る包装システムを提供することである。
【0014】
前記目的を達成するために、本第1発明の包装システムは、商品を供給装置によってリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、前記供給装置上の商品の搬送方向の後端に接触して前記商品を前記リフタ上に搬送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に前記商品の搬送方向および/またはこれに略直交する幅方向のズレ量を検出する検出手段と、前記ズレ量に応じてシステムの各機器を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本第1発明によれば、搬送開始前には生じていない商品のズレ、つまり、搬送により生じたズレを含めた商品のズレを検出することができる。商品の搬送開始後に商品の最終的なズレ量を検出するので精度の高い対応が可能となる。
【0016】
本第1発明において幅方向のズレ量を検出する場合、前記検出手段は、前記供給装置上に商品が載置された後、搬送開始前の前記商品の幅方向のズレ量を更に検出するのが好ましい。
この態様によれば、商品載置直後の早いタイミングで商品の初期のズレ量を検出することで、商品のズレに対する早期の対応が可能となり、更に、商品の搬送開始後に商品の最終的なズレ量を検出するので、精度の高い対応が可能となる。
【0017】
本第1発明において幅方向のズレを修正する場合、前記供給装置上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段を更に備え、前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記移動手段を駆動させて、当該商品の幅方向のズレを修正させるのが好ましい。
この態様によれば、商品の搬送開始後に生じた幅方向のズレを修正することができるから、仕上りの良い包装が期待できる。
【0018】
本第1発明において、前記フィルムを前記商品の幅方向に搬送するフィルム供給装置を更に備え、前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記フィルム供給装置を駆動させて、前記商品のズレに応じた幅方向の位置に前記フィルムを張設してもよい。
この態様によれば、商品の搬送開始後に生じた幅方向のズレに応じてフィルムの供給位置を調節できるから、仕上りの良い包装が期待できる。
【0019】
本第1発明において、前記商品がトレーを含む場合、前記トレーの搬送開始後に当該トレーの種別を特定してもよい。
この態様によれば、搬送開始後のトレーの傾きが修正された状態でトレーを特定するから、トレーの特定精度が向上する。
【0020】
本第1発明において、前記制御手段は、前記検出手段で検出した搬送方向のズレ量に応じて前記搬送手段を駆動させて、当該商品の搬送方向のズレを修正させるのが好ましい。
この態様によれば、商品の搬送開始後に生じた搬送方向のズレを修正することができるから、仕上りの良い包装が期待できる。
【0021】
本第1発明において搬送方向のズレ量を検出する場合、前記検出手段は、前記商品の後端に接触する接触部材と、前記商品の後端とを検出し、該検出した接触部材と商品の後端との位置関係に基づいて前記商品の搬送方向のズレ量を検出するのが好ましい。
この態様によれば、接触部材と商品との間に相対的なズレが生じても、当該ズレを検出するので、商品をリフタ上の所期の位置に供給することができる。
【0022】
本第1発明において、包装後の商品にラベルを貼付するラベル貼付機を更に備え、前記検出手段で検出した商品の搬送方向および/または幅方向のズレ量に応じて、前記ラベル貼付機によるラベルの貼り位置を前記制御手段が制御してもよい。
この態様によれば、商品がズレてもラベルを正しい貼り位置に貼付することができる。
【0023】
本第2発明の包装システムは、商品をリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、商品が載置される第1搬送面と、前記第1搬送面の下流に設けられ前記第1搬送面と切り離されて商品の搬送方向に略直交する第1および第2の幅方向に所定の可動域の範囲で移動可能な第2搬送面と、前記第1搬送面上の商品を第2搬送面上を搬送して前記リフタ上に搬送する搬送手段と、前記第1搬送面上において前記商品の幅方向のズレの方向およびズレ量を検出する検出手段と、前記第2搬送面を前記可動域の範囲で幅方向に移動させることで、前記第2搬送面上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段と、前記検出手段で検出した幅方向のズレの方向およびズレ量に応じて、前記商品が前記第2搬送面上に搬送される前に前記移動手段を駆動させて、前記第2搬送面を前記ズレの方向および前記ズレ量に応じて第1または第2の幅方向に予め移動させ、かつ、前記商品が前記第2搬送面上に搬送された後に前記予め移動した幅方向とは反対の第2または第1の幅方向に前記第2搬送面を移動させて当該商品の幅方向のズレを修正させる制御手段とを備える。
【0024】
第2搬送面を予め幅方向に移動させておくことで、第1搬送面上において幅方向に大きくズレた商品のズレを修正可能となる。したがって、美しい包装の仕上りが期待できる。
【0025】
本第2発明においては、前記第1搬送面の幅よりも前記第2搬送面の幅の方が小さい。
【0026】
第2搬送面が予め商品のズレに応じて移動しているので、第2搬送面の幅が第1搬送面の幅よりも小さくても、商品が第1搬送面から第2搬送面に乗り移る際に、商品の全体が第2搬送面に乗り移る。そのため、搬送中に商品の姿勢が乱れないので、美しい包装の仕上りが期待できる。
【0027】
本第2発明の別の好適な実施例においては、前記搬送手段は、前記第1搬送面上の商品の後端に接触して前記商品を搬送方向に搬送する第1の搬送手段と、前記第2搬送面を前記搬送方向に沿って回転駆動させる第2の搬送手段とを包含し、前記第1の搬送手段の第1の搬送速度よりも前記第2の搬送手段の第2の搬送速度の方が大きな値に設定されている。
【0028】
この実施例では第2搬送面の搬送速度が第1搬送面上のそれよりも大きいから、第2搬送面上において商品の後端を押す第1の搬送手段と商品とが離れるので、商品が幅方向に変位する際に、商品の後端と第1の搬送手段との間に摩擦力等が働きにくい。そのため、商品の姿勢が乱れにくいので、美しい包装の仕上りが期待できる。
【実施例1】
【0029】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は本包装システムにかかる計量包装値付装置を示す。該装置の計量・包装の機構は、図8の従来例と同様であり、以下の説明では、異なる部分について主に説明する。なお、以下の説明において、商品MはトレーT上に載って搬送されていくが、「商品M」とは内容物およびトレーTを含んだ概念である。
【0030】
図1において、計量包装値付装置には、本体から前方に突出するトレー供給装置20が設けられている。図2に示すように、前記トレー供給装置20は、計量コンベヤ100と修正コンベヤ(移動手段)21とを備えている。図1の排出コンベヤ209の上方には、包装後の商品Mにラベルを貼付するラベル貼付機12が設けられている。
【0031】
図2に示す計量コンベヤ100は第1搬送面102を形成する樹脂板105と、該第1搬送面102上のトレーTを搬送する搬送バー13と、前記搬送バー13を駆動する駆動モータ16(図4(a))および駆動チェーン104とを備えている。したがって、搬送バー13、駆動モータ16および駆動チェーン104は、商品Mをリフタ201上に搬送す(第1および第2)搬送手段の一部を構成している。
【0032】
計量コンベヤ100は前記第1搬送面102を形成する樹脂板105が図4(a)の重量検出器(ロードセル)101に支持されている。重量検出器101で検出された重量は、計量手段106に出力され、マイコン(制御手段)3に入力される。
【0033】
図2に示す計量コンベヤ100の樹脂板105の下流には、前記修正コンベヤ21が設けてある。図3に示すように、この修正コンベヤ21は、搬送コンベヤ(第2搬送手段の一部)22とカム機構(移動手段の一部)23とを備えている。該搬送コンベヤ22は、第2搬送面22aを形成している。該搬送コンベヤ22は、商品Mの搬送方向Xに直交する幅方向Yに移動自在に設けられていると共に、カム機構23により支持されている。
【0034】
前記カム機構23は、平板に形成したカム溝23aと、該カム溝23aに係合する係合ピン23bとを備えている。前記係合ピン23bは、駆動アーム24を介してモータ25の出力軸26に連結されている。前記カム機構23は、モータ25が正逆に回転することにより、係合ピン23bが矢印方向に回動し、この回動に伴って搬送コンベヤ22を幅方向Yに移動させる。搬送コンベヤ22の移動により、トレー供給装置20上の商品Mの位置が幅方向Yに変位される。
【0035】
制御の構成:
図4(a)は本システムの制御構成を示す。
前記マイコン(制御手段)3はCPU4およびメモリ5を内蔵していると共に、該マイコン3には、タッチスクリーン10、ストロークキー部11、ラベルプリンタ12および計量包装値付制御部14が接続されている。また、前記マイコン3には、CCDカメラ(検出手段の一部)2および前記計量手段106が接続されている。
【0036】
前記CCDカメラ2は、図2に示すように、第1搬送面102の上方に設けられ、該第1搬送面102の概ね全面が視野の範囲に入っている。図6(f)のように、オペレータによって商品M(トレーT)が第1搬送面102上に載置されると、重量検出器101が重量の変化を検出し、これをトリガーとしてカメラ2が商品Mを撮像し、第1の撮像信号がマイコン3(図4)に出力される。
その後、図6(g)および図6(h)に示すように、搬送バー13により商品Mが所定の位置まで搬送されるとカメラ2が搬送中の商品Mを再度撮像し、当該第2の撮像信号を図4のマイコン3に出力する。
【0037】
幅方向Yのズレ修正:
図4(a)の前記マイコン3のCPU4は、以下に説明する手法で商品Mの幅方向Yのズレ量を算出する。
前記CPU4内には、画像処理手段40、第1および第2ズレ量演算手段41,42などが設けられている。前記画像処理手段40は、CCDカメラ2から入力された撮像信号に基づいて、図5(a)の商品M(トレーT)の幅方向Yの2つのエッジTe,Teを求める。前記第1ズレ量演算手段41は前記2つのエッジTe,Teから中央の基準線Cまでの距離Y1 ,Y2 を求め、距離Y1 から距離Y2 を減算することにより、商品Mのズレ量を求める(検出する)。
かかるズレ量の算出は、第1および第2の撮像信号それぞれについて行われる。
【0038】
図4に示す前記メモリ5には商品情報記憶部50、トレー情報記憶部51および基準値記憶部52が設けてある。
前記基準値記憶部52には、基準値YS が記憶されている。CPU4は第1の撮像信号に基づき、第1ズレ量演算手段41が算出した第1のズレ量が前記基準値YS (たとえば25mm) 以上である場合には、修正コンベヤ21を原点位置から予め移動させる。
【0039】
その後、搬送バー13によって商品Mが搬送され、所定位置に達すると、第2の撮像が行われる。
【0040】
前記CPU4は、第2の撮像信号に基づき、第2ズレ量演算手段42が算出した第2のズレ量に応じて、図5(b)の修正コンベヤ21を左右(幅方向Y)に移動させ、当該商品Mのズレを修正させる。すなわち、前記ズレ量に応じた回転角だけモータ25を回転させて、商品Mの乗っている修正コンベヤ21を幅方向Yに移動させ、図5(a)の商品Mの幅方向Yのズレを修正する。
【0041】
搬送方向Xのズレ修正:
前記搬送バー13は、たとえば、図4に示すロータリーエンコーダ(検出手段の一部)15を備えた駆動モータ16によって駆動されている。ロータリーエンコーダ15からの検出信号(回転信号)に基づき、搬送バー13の位置がCPU4により算出される。一方、図7(g)に示すように、カメラ2によって商品M(トレーT)の後端Tbが検出される。
【0042】
CPU4内には、第2ズレ量演算手段42が設けられている。第2ズレ量演算手段42は、搬送バー13と商品Mの後端Tbとの位置関係に基づいて商品Mの搬送方向のズレ量を検出する。
【0043】
ここで、商品Mの搬送中に、図7(d),7(f)のように、搬送バー13が商品Mの下に潜り込む場合がある。かかる場合には、搬送バー13の位置と、商品Mの後端Tbの位置とが異なる。
第2ズレ量演算手段42は、図7(g)に示すように、カメラ2からの第2の撮像信号に基づいて検出された商品Mの後端Tbの位置と、当該撮像時点の搬送バー13の位置との比較を行い、搬送方向Xのズレ量Δxを算出する。図7(h)に示すように、CPU4は、搬送方向Xの当該ズレ量Δxに応じて、搬送バー13の前進端を前方にΔxだけ移動させることにより、商品Mがリフタ201上の所定位置に搬送され、搬送方向Xのズレ修正が行なわれる。
【0044】
トレーTの特定:
図4(a)の前記商品情報記憶部50には、図4(b)の商品の呼出No. に対応して、商品ごとに、品名や単価、ラベルの貼付位置などの他に、使用する予定のトレーNo. が記憶されている。一方、図4(c)の前記トレー情報記憶部51には、トレーTの種別ごとに、トレーTの幅および奥行からなるトレーTのサイズが記憶されている。
【0045】
CPU4は、商品Mの搬送開始後に、当該商品Mの第2の撮像信号に基づき、トレーTの種別の特定を行う。CPU4は、当該トレーTの種別に応じて、トレー情報記憶部51から当該トレーTに対応するサイズ情報等を読み出す。
【0046】
動作説明:
つぎに、本システムの用い方および動作について説明する。
まず、オペレータは図1のタッチスクリーン10およびストロークキー部11から商品の呼出No. 等を入力した後、図2に示すように、内容物の入ったトレーT(商品M)をトレー供給装置20の第1搬送面102上に載せる。商品Mが載せられると、図4の計量手段106から重量信号がマイコン3に出力され、重量信号が安定すると、CCDカメラ2からの第1撮像信号が画像処理手段40に取り込まれる。
【0047】
つづいて、第1ズレ量演算手段41が図4の商品Mの幅方向Yのズレ量(Y1 −Y2 )=Δy1を演算し、更に、当該ズレ量(Y1 −Y2 )の絶対値と基準値YS とを比較する。CPU4は、前記ズレ量(Y1 −Y2 )の絶対値が基準値YS 以上の場合は、計量包装値付制御部14に第1の修正命令と第1のズレ量Δy1を出力する。
【0048】
前記第1のズレ量(初期のズレ量)Δy1が所定の大きさを越える場合には、モータ25を回転させて、修正コンベヤ21を修正方向とは逆方向に予めΔy1移動させる。より大きなズレ量に対応可能とするためである。
【0049】
前記重量信号の安定後、所定のシーケンスに従って図2の駆動チェーン104が駆動し、搬送バー13が商品Mを押し始める。搬送バー13が所定位置に差し掛かると、カメラ2が商品Mの撮像を行い、第2撮像信号が画像処理手段40に取り込まれる。第2ズレ量演算手段42は第2のズレ量Δy2を演算し、当該第2のズレ量Δy2の絶対値と基準値YS との比較を行う。CPU4は、第2のズレ量Δy2の絶対値が基準値YS 以上の場合には、計量包装値付制御部14に第2の修正命令および第2のズレ量Δy2を出力する。
【0050】
一方、CPU4は、搬送バー13がトレーTを押すことで傾きの修正された第2の撮像信号に基づき、トレーTの種別の特定を行う。CPU4は、トレーTの種別に応じて、トレー情報記憶部51からトレーTに対応するサイズ情報などを得る。
【0051】
商品Mは第1搬送面102から修正コンベヤ21の第2搬送面22a上に乗り移っていく。前記商品Mが修正コンベヤ21上に完全に乗り移ると、以下のように商品Mのズレが修正される。
【0052】
すなわち、前記修正命令が入力された計量包装値付制御部14は、前記第2のズレ量(最終的なズレ量)に対応した回転角だけ図3のモータ25を回転させる。このモータ25の回転に伴ってアーム24および係合ピン23bが回転し、搬送コンベヤ22が幅方向Yに若干移動して、商品Mの幅方向Yのズレが修正される。
ここで、第1のズレ量Δy1が基準値YS よりも小さく、かつ、前記第2のズレ量Δy2が基準値YS よりも大きい場合は、Δy2だけ第2搬送面22aを移動させる。一方、前記第1および第2のズレ量Δy1,Δy2の双方が基準値よりも大きい場合は、(Δy2−Δy1)だけ第2搬送面22aを移動させる。
【0053】
一方、商品Mの搬送中に搬送方向Xのズレ修正も行われる。
第2ズレ量演算手段42は、画像処理手段40により処理された第2撮像信号に基づき、商品Mの後端Tbの位置を算出する。第2ズレ量演算手段42は、ロータリーエンコーダ15からの信号に基づき搬送バー13の位置を算出する。第2ズレ量演算手段42は、商品Mの後端Tbの位置と搬送バー13の位置との比較を行い、搬送方向Xのズレ量の算出を行う。図7(h)に示すように、CPU4は、搬送方向Xのズレ量Δxに応じて、搬送バー13の前進端を前方にΔxだけ移動させる。かかる移動により、商品Mがリフタ201上の所定位置に搬送され、搬送方向Xのズレ修正が行われる。
【0054】
その後、図2の商品Mは搬送バー13により押されてリフタ201上に乗り移る。この後、前述の従来例で説明した所定の包装動作が行われる。一方、前記修正コンベヤ21は元の原点位置に戻される。
【実施例2】
【0055】
前述の実施例1では、商品Mのズレ量に応じて商品Mを移動させてズレを修正することとしたが、本実施例2では、商品Mの移動を行わず、商品Mのズレ量に応じてフィルムFを商品Mの幅方向Yに移動させている。なお、以下の説明では、実施例1と異なる部分について説明する。
【0056】
図10(a)に示すように、商品Mは、リフタ201の幅方向Yの中心線CY(基準線C)に対してズレたまま搬送される。CPU4は、カメラ2で撮像した第2撮像信号に基づき、商品Mの最終的なズレ量を算出する。CPU4は、当該ズレ量に応じてフィルム供給装置202を駆動させ、商品Mのズレに応じた幅方向Yの位置(二点鎖線で示す位置)にフィルムFを移動させる。
【0057】
その後、図10(b)に示すように、フィルムFにより包装された商品Mの上面には、ラベル貼付機12(図1)によりラベルLが貼付される。ラベルLは、商品Mの前記ズレ量に応じて、商品Mの側方のエッジTeから貼付位置までの横方向の距離Lyと、商品Mの後端Tbから貼付位置までの縦方向の距離Lxとが変更される。すなわち、横方向の距離Lyは、予め設定された距離Lyに商品Mの幅方向Yのズレ量が加算された距離が用いられる。また、縦方向の距離Lxにも、同様に搬送方向Xのズレ量が加算された距離が用いられる。
【実施例3】
【0058】
図11〜図14は実施例3を示す。
本実施例3は前記図1〜図9の実施例1と主たる構成、機能および動作は同様であり、したがって、実施例1と相違する部分について図示すると共に主に説明する。
【0059】
図11において、修正コンベヤ21は、第2搬送面22aを構成するコンベヤベルト21bの下方に移動プレート29を備えている。前記移動プレート29には、図3と同様に前記カム溝23aが形成されており、これにより移動プレート29が幅方向Yに移動可能となっている。
【0060】
すなわち、前記第2搬送面22aは、前記商品Mを前記第1搬送面102から受け取って前記リフタ201に搬送するために前記第1搬送面102の下流に設けられ、前記第1搬送面102と切り離されて商品Mの搬送方向Xに略直交する第1および第2の幅方向Y11,Y12に所定の可動域の範囲で移動可能となっている。前記第1搬送面102の幅よりも前記第2搬送面22aの幅の方が小さいが、前記第2搬送面22aの可動域の範囲は、前記第1搬送面102の幅と近似した大きさになっている。なお、移動手段23は前記第2搬送面22aを前記可動域の範囲で幅方向Yに移動させることで、前記第2搬送面22a上の商品の位置を前記幅方向Yに変位させる。
【0061】
図12に示すように、移動プレート29は断面が屈曲しており、断面凹字状で修正コンベヤ21bの下方に配置された支持部29aと、第2搬送面22aの左右に突出した一対の露出部29bとを一体に備えている。前記露出部29bの上面の高さは、第2搬送面22aの上面の高さよりも若干低く形成されており、これにより、露出部29bが第2搬送面22aによる商品Mの搬送の邪魔にならないようになっている。
【0062】
前記移動プレート29の左右の端部には、固定カバー28が配置されている。前記露出部29bの端部と固定カバー28の端部とは互いにラップしており、かつ前記修正コンベヤ21bが左右の移動端まで移動した場合にも、互いにラップした状態を保てるように構成されており、これにより、トレーT内の内容物が図11の搬送コンベヤ22の下方に落下するのを防止している。
【0063】
マイコン(制御手段)3(図4(a))は、カメラ2で検出した幅方向Yのズレの方向およびズレ量に応じて、前記商品Mが前記第2搬送面22a上に搬送される前に前記移動手段23を駆動させて、前記第2搬送面22aを前記ズレの方向および前記ズレ量に応じて第1または第2の幅方向Y11,Y12に予め移動させる。更に前記マイコン3(図4(a))は、前記商品Mが前記第2搬送面22a上に搬送された後に前記移動手段23を駆動させて、前記予め移動した幅方向とは反対の第2または第1の幅方向Y12,Y11に前記第2搬送面22aを移動させて当該商品Mの幅方向のズレを修正させる。本実施例においては、商品Mの幅方向Yのズレ量の大小にかかわらず、商品Mの当該ズレを修正する。
【0064】
搬送手段は、前記第1搬送面102上の商品Mを第2搬送面22aを経由して前記リフタ201上に搬送するもので、前記搬送手段は、前記第1搬送面102上の商品Mの後端に接触して前記商品を搬送方向に搬送する搬送バー13および、駆動チェーン104(第1の搬送手段)と、前記第2搬送面22aを前記搬送方向Xに沿って回転駆動させるモータ25(第2の搬送手段)とを備える。前記第1の搬送手段の第1の搬送速度V1よりも前記第2の搬送手段の第2の搬送速度V2の方が大きな値に設定されている。
【0065】
つぎに、本実施例の動作の説明に先だって、第2搬送面22aを予め移動させることなく、商品Mが第2搬送面22a上に搬送された後に第2搬送面22aを幅方向Yに移動させる場合のデメリットについて説明する。
【0066】
図13(a)に示すように、第1搬送面102上に載置された商品Mを第2搬送面22a上に搬送した後に、第2搬送面22aを幅方向Yに移動させると、二点鎖線で示すようにトレーTが第2搬送面22aの幅方向Yにはみ出ている場合がある。この場合、第2搬送面22aからトレーTの底面に加えられる搬送の摩擦力Fが商品Mの重心Gからズレる。そのため、トレーTのまわりにモーメントが働き、十分に安定した搬送が期待できず、図13(b)に示すように、トレーTの姿勢が乱れ易い。
【0067】
つぎに、図14を用いて実施例3の供給装置20の動作について説明する。
【0068】
図14(a)に示すように商品Mが第1搬送面102上に置かれると、所定のタイミングで距離Y1,Y2が検出され、幅方向Yのズレ量Δyとズレの方向Y11,Y12とが、前記実施例1で説明した方法で算出される。この算出結果に基づいて、前記第2搬送面22aは、前記商品Mの下流端またはトレーTの重心G(一般にトレーの図形中心と一致する)が第2搬送面22aの上流端22bに到着する前に、二点鎖線で示すように、第2搬送面22aが商品Mのズレの方向とズレ量Δyに相当する量Δyだけ幅方向Yに移動される。
【0069】
図14(b)のようにトレーTの姿勢が傾いていない場合、前記移動により、トレーTおよび第2搬送面22aの幅方向Yの中心Tc,21cが互いに概ね一致する
【0070】
前記移動後、図14(b)の実線で示すように、トレーTが第2搬送面22a上に乗り移り始めると、あるいは、トレーTの全体が第2搬送面22a上に完全に乗り移ると、二点鎖線で示すように第2搬送面22aが前記移動方向とは逆方向にΔyだけ移動される。これにより、二点鎖線で示すように、トレーTと修正コンベヤ21の幅方向の中心とが概ね一致する。すなわち、商品Mのセンタリングが実行される。
【0071】
この乗り移りの際にトレーTは前記第2搬送面22aの幅方向Yにはみ出すおそれがないので、前述の図13(b)と異なりトレーTが傾くおそれがない。すなわち、安定した搬送が期待できるから、図14(b)の二点鎖線で示すようにトレーTが傾くことなく搬送される。その結果、美しい包装の仕上がり状態を期待できる。
【0072】
ところで、図11の搬送バー13の押面13fは多数の切欠を有する櫛歯状に形成されているので、軟弱トレーの場合、搬送中に当該押面13fの間にトレーTの後端がくい込む場合がある。そのため、第2搬送面22aが幅方向Yに移動する際に、トレーTの後端が前記搬送バー13の前記押面13fに引っ掛かってトレーTの姿勢が乱れたり、あるいは、幅方向Yについて所期の移動量Δyが得られないおそれがある。
【0073】
かかる問題はフィルムで包装済みの商品Mを計量して値付けする場合にも生じる。すなわち、ストレッチフィルムは粘着性が高く、そのため、包装済商品Mの場合、商品Mの後端が前記押面13fに粘着による摩擦力で張り付いたような状態となる。したがって、前述と同様に姿勢の乱れ等が生じるおそれがある。
【0074】
これに対し、本実施例では、搬送コンベヤ22の搬送速度V2が搬送バー13の搬送速度V1よりも大きな値に設定されている。そのため、図14(b)の実線で示すように、トレーTが第2搬送面22a上に乗り移り始めると、トレーTの後端が図11の押面13fから離れ始める。したがって、櫛歯状の押面13fによりトレーTの幅方向Yへの移動が妨げられるおそれがない。したがって、姿勢が乱れたり、あるいは、所期の移動量Δyが得られないという不具合の生じるおそれがない。その結果、美しい包装の仕上がり状態が期待できる。
【0075】
ところで、本実施例の場合、図14(a)の幅方向のズレ量Δyおよびズレの方向の検出は、トレーTの載置後の搬送開始前にのみ行ってもよいし、搬送の開始後にのみ行ってもよいし、あるいは、搬送の開始の前後の双方において行ってもよい。
【0076】
また、本実施例において検出したズレ量Δyの全てに対応する第2搬送面22aの移動を行う必要はない。たとえば、第1搬送面102上において搬送の開始前に幅方向の第1のズレ量Δy1を検出し、更に搬送の開始後に幅方向の第2のズレ量Δy2を検出し、トレーTが第2搬送面22aに乗り移り始める前に予め第2搬送面22aをΔy1と同じ量だけ幅方向Yの一方に移動し、トレーTが第2搬送面22aに乗り移った後に第2搬送面22aを(Δy2−Δy1)だけ幅方向Yの他方(一方の逆方向)に移動してズレを修正してもよい。なお、この場合、修正後に第2搬送面22aをΔy2だけ移動させて元の位置に戻す。
【0077】
更に、検出した2つのズレ量Δy1,Δy2の双方に対応し得るように、第2搬送面22aの予めの移動を2回に分けて行ってもよい。すなわち、トレーTの第1のズレ量Δy1の検出後、直ちに、第2搬送面22aをΔy1だけ予め移動し、更にトレーTの第2のズレ量Δy2の検出後、直ちに、第2搬送面22aを更に(Δy2−Δy1)だけ予め移動させてもよい。
【0078】
また、完全なセンタリングを実行する必要はなく、たとえば、検出したズレ量Δy1、Δy2のうちのいずれか一方についてのみ第2搬送面22aの予めの移動を行ってもよい。
【0079】
図15(a),(b)は、トレーの転倒防止に役立つ搬送バー13の好ましい形状・ 構造を示す。図11において、搬送バー13はたとえばローラチェーンのような駆動チェーン104により回転駆動される。ここでローラチェーンにはピンとローラとの間に若干の遊び(ギャップ) があるので、当該ギャップ分だけ、図15(a)の搬送バー13が矢印R方向に若干起き上がるように回転する。この場合、トレーTを押す搬送バー13の押面13fの角度も起き上がり、トレーTを下から掬い上げてトレーTが転倒するおそれがある。
【0080】
図15(a)の搬送バー13は下端13uから上端13tに近づくに従い搬送方向Xに向かって傾斜している。これにより、前記搬送バー13が矢印方向Rに浮き上がるように若干回転しても、トレーTを下から掬い上げるおそれがない。
【0081】
商品Mには重心の位置が搬送方向X等に偏ったものがあり、このような場合、搬送バー13がトレーTを押すと、図15(b)のトレーTの後端Tbが上方Uに浮き上がり、商品Mが転倒するおそれがある。
【0082】
図15(b)において、搬送バー13の上端13tには庇部材13aが固定されている。この庇部材13aは前記上端13tにおいて上端13tよりも搬送方向Xに向かって突出している。そのため、トレーTの後端Tbが上方Uに浮き上がっても商品Mが転倒するのを防止し得る。
【0083】
なお、商品Mのズレ量の検出は、幅方向Yに多数の反射型光量検出器を並べて検出してもよい。
【0084】
また、実施例1においては、商品Mの幅方向Yのズレ量に応じて予め搬送コンベヤ22を移動させておく必要はないし、また、第2のズレ量に応じて予め搬送コンベヤ22を幅方向に移動させてもよい。
【0085】
また、前述の実施例1および3では、第2搬送面22aを搬送コンベヤ22のベルトの表面で形成したが、本発明では第2搬送面22aを樹脂製の平板やローラなどの表面で形成してもよい。さらに、搬送コンベヤ22ではなく、案内ガイド等で商品のズレ量を修正してもよい。
【0086】
さらに、実施例1および3では、搬送バー13の駆動モータに設けられたエンコーダによって搬送バー13の搬送方向Xの位置を特定することとしたが、駆動チェーン104の回転位置により搬送バー13の位置を特定してもよいし、光センサ等を用いて搬送バー13の位置を直接検出するようにしてもよい。
【0087】
また、本発明が適用される包装システムとしては、前述の実施例で例示した折込式包装の他に、いわゆるトップシール式の包装装置についても同様に適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本包装システムは、ストレッチフィルムなどを用いた包装装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1にかかる包装システムを備えた計量包装値付装置を示す概略斜視図である。
【図2】供給装置の構造を示す一部破断した概略斜視図である。
【図3】修正コンベヤを示す一部破断した概略斜視図である。
【図4】(a)は本システムの概略構成図、(b),(c)は記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図5】(a)はトレーのズレ量を検出する方法を説明するための概念図、(b)は修正コンベヤの平面図である。
【図6】(a)〜(c)は従来の商品の搬送方法を示す概略平面図、(d),(e)は搬送中に商品の位置ズレが生じる様子を示す概略平面図、(f)〜(i)は本発明の検出方法を示す概略平面図である。
【図7】供給装置上の商品の搬送の様子を示す概略側面図である。
【図8】包装機構の一例を示す概略断面図である。
【図9】包装方法の一例を示す概略斜視図である。
【図10】実施例2にかかるシステムを説明するためのトレーおよびフィルムを示す平面図である。
【図11】実施例3にかかる包装システムの供給装置の構造を示す一部破断した概略斜視図である。
【図12】搬送コンベヤの一部省略した断面図である。
【図13】商品が第1搬送面から第2搬送面に搬送される際に姿勢が乱れる様子を示す概略平面図である。
【図14】商品が第1搬送面から第2搬送面にスムースに搬送される様子を示す概略平面図である。
【図15】搬送バーの変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0090】
2:カメラ(検出手段の一部)
3:マイコン(制御手段)
12:ラベル貼付機
13:搬送バー(接触部材、第1および第2搬送手段の一部)
15:エンコーダ(検出手段の一部)
16:駆動モータ(第1および第2搬送手段の一部)
20:トレー供給装置
21:修正コンベヤ
22:搬送コンベヤ(第2の搬送手段)
22a:第2搬送面
23:移動手段
102:第1搬送面
104:駆動チェーン(第1および第2搬送手段の一部)
201:リフタ
202:フィルム供給装置
M:商品
S:包装ステーション
X:搬送方向
Y:幅方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、商品を容器(たとえば、トレーなど)ごと上方の包装ステーションに持ち上げてフィルムで包装する包装システムがある。かかる包装システムの一例を図8および図9に示す。
【0003】
オペレータにより、図8に示すトレー供給装置20上に商品Mが載せられると、搬送バー(接触部材)13によって、商品Mの載ったトレー(容器)Tの後端Tbが押され、当該トレーTがリフタ201上に搬送される。リフタ201の各ポスト210は、包装機構200の包装ステーションSの直下に配置されていると共に、昇降手段208により上下昇降自在とされている。このリフタ201は、トレー供給装置20から商品Mが供給されると、上昇して商品Mを包装ステーションSまで持ち上げる。
【0004】
一方、包装動作に先立ち、図9(a)の前記包装ステーションSには、所定のカット長さに切断されたフィルムFがフィルム供給装置202(図8)によって供給されて張設されている。このフィルムFは、商品Mが押し上げられると、商品Mの上面に密着する。この状態で、フィルム折込み機構203は、一対の左右折込板204,204と、後折込板205と、丸棒状の前折込部材206と、プッシャー207(図8)によって、フィルムFの前後左右の各側縁部を、トレーTの底面側に折り込んで商品Mを包装すると共に、図8の排出コンベヤ209上に包装済の商品Mを排出する。
【0005】
ところで、トレーTはオペレータによりトレー供給装置20上に載せられるので、左右に若干位置ズレする。そのため、かかる包装システムにおいては、包装の仕上がり状態を向上させるために、従来よりトレー供給装置20上においてトレーTの幅方向のズレ量を検出し、該幅方向のズレを修正している(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−48109(図5)
【発明の開示】
【0006】
従来の包装システムでは、図6(a)に示すようにトレー供給装置20(図8)上にトレーTが載せられると、上方のカメラによってトレーTが撮像される。当該撮像情報に基づきトレーTの中央からのズレ量が算出される。撮像後、図6(b)に示すように搬送バー13によってトレーTが搬送されると、図6(c)に示すように、図示しない移動機構により、当該ズレ量に応じてトレーTが中央に向って移動される。
【0007】
しかし、被包装物の重量や、重心位置、トレー下面と計量皿との摩擦などの要因により、同じ置き方、置き位置でも、搬送バーが接触する際にズレ量が変わる場合がある。たとえば、図6(d),(e)のように、トレーTが傾いて置かれた場合、トレーTが搬送バー13に接触した後において、図6(d)と図6(e)とでは、搬送後のズレ量が異なっている。そのため、前記カメラで検出したズレ量に従ってトレーTを中央に向って移動させても、十分にズレが補正できない場合が生じる。
【0008】
このように、搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に、商品の搬送方向に略直交する幅方向のズレを解消できない場合がある。
ズレが十分に補正されない場合には、包装時の商品位置やラベルの貼り位置がズレてしまい、包装不良や貼り位置のズレが生じるおそれが生じる。また、ズレ量が大きい場合には、トレーTが潰れるおそれがある。
【0009】
ところで、前記ズレは商品の搬送方向にも生じる。
図7はトレー供給装置20近傍およびリフタを示す概略側面図である。図7(a),7(b)は、通常の搬送状態を示している。図7(a)に示すトレーTは、搬送バー13によって押されて、図7(b)に示すようにリフタ201上に搬送される。ここで、搬送バー13の前進端の位置(停止位置)はトレーT毎に予め設定されており、この設定された停止位置によりリフタ201上の所定位置までトレーTが押されて搬送される。
【0010】
しかし、図7(c),7(d)に示すように、商品の入ったトレーTの重量が軽い場合などには、搬送バー13がトレーTの下に潜り込み、搬送バー13が設定通りの停止位置で停止しても、トレーTがリフタ201上の所定位置まで搬送されない。
また、図7(e),7(f)に示すように、深さの大きなトレーTでは、搬送バー13がトレーTの縁の下に潜り込む場合があり、同様に、トレーTがリフタ201の所定位置まで搬送されない。
【0011】
したがって、本発明の主目的は、商品の搬送方向および/または幅方向について搬送後に生じるズレ量に基づいた包装を行い得る包装システムを提供することである。
【0012】
ところで、前記特許文献1の発明では、商品のズレを修正する際に、搬送面自体を商品のズレ量に応じて商品の幅方向に移動させる。前記搬送面は包装システムの本体フレーム内に収容されているので、幅方向に大きな商品の場合や、幅方向のズレ量が大きい場合には、商品が搬送面の外側にはみ出し、商品を安定して搬送できない場合がある。しかも、搬送面の幅方向の可動域には自ずと制限があるため、修正し得る商品のズレ量も差程大きくできない。
【0013】
したがって、本発明の他の目的は、商品をより安定して搬送すること、さらには修正し得るズレ量の拡大を図り得る包装システムを提供することである。
【0014】
前記目的を達成するために、本第1発明の包装システムは、商品を供給装置によってリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、前記供給装置上の商品の搬送方向の後端に接触して前記商品を前記リフタ上に搬送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に前記商品の搬送方向および/またはこれに略直交する幅方向のズレ量を検出する検出手段と、前記ズレ量に応じてシステムの各機器を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本第1発明によれば、搬送開始前には生じていない商品のズレ、つまり、搬送により生じたズレを含めた商品のズレを検出することができる。商品の搬送開始後に商品の最終的なズレ量を検出するので精度の高い対応が可能となる。
【0016】
本第1発明において幅方向のズレ量を検出する場合、前記検出手段は、前記供給装置上に商品が載置された後、搬送開始前の前記商品の幅方向のズレ量を更に検出するのが好ましい。
この態様によれば、商品載置直後の早いタイミングで商品の初期のズレ量を検出することで、商品のズレに対する早期の対応が可能となり、更に、商品の搬送開始後に商品の最終的なズレ量を検出するので、精度の高い対応が可能となる。
【0017】
本第1発明において幅方向のズレを修正する場合、前記供給装置上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段を更に備え、前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記移動手段を駆動させて、当該商品の幅方向のズレを修正させるのが好ましい。
この態様によれば、商品の搬送開始後に生じた幅方向のズレを修正することができるから、仕上りの良い包装が期待できる。
【0018】
本第1発明において、前記フィルムを前記商品の幅方向に搬送するフィルム供給装置を更に備え、前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記フィルム供給装置を駆動させて、前記商品のズレに応じた幅方向の位置に前記フィルムを張設してもよい。
この態様によれば、商品の搬送開始後に生じた幅方向のズレに応じてフィルムの供給位置を調節できるから、仕上りの良い包装が期待できる。
【0019】
本第1発明において、前記商品がトレーを含む場合、前記トレーの搬送開始後に当該トレーの種別を特定してもよい。
この態様によれば、搬送開始後のトレーの傾きが修正された状態でトレーを特定するから、トレーの特定精度が向上する。
【0020】
本第1発明において、前記制御手段は、前記検出手段で検出した搬送方向のズレ量に応じて前記搬送手段を駆動させて、当該商品の搬送方向のズレを修正させるのが好ましい。
この態様によれば、商品の搬送開始後に生じた搬送方向のズレを修正することができるから、仕上りの良い包装が期待できる。
【0021】
本第1発明において搬送方向のズレ量を検出する場合、前記検出手段は、前記商品の後端に接触する接触部材と、前記商品の後端とを検出し、該検出した接触部材と商品の後端との位置関係に基づいて前記商品の搬送方向のズレ量を検出するのが好ましい。
この態様によれば、接触部材と商品との間に相対的なズレが生じても、当該ズレを検出するので、商品をリフタ上の所期の位置に供給することができる。
【0022】
本第1発明において、包装後の商品にラベルを貼付するラベル貼付機を更に備え、前記検出手段で検出した商品の搬送方向および/または幅方向のズレ量に応じて、前記ラベル貼付機によるラベルの貼り位置を前記制御手段が制御してもよい。
この態様によれば、商品がズレてもラベルを正しい貼り位置に貼付することができる。
【0023】
本第2発明の包装システムは、商品をリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、商品が載置される第1搬送面と、前記第1搬送面の下流に設けられ前記第1搬送面と切り離されて商品の搬送方向に略直交する第1および第2の幅方向に所定の可動域の範囲で移動可能な第2搬送面と、前記第1搬送面上の商品を第2搬送面上を搬送して前記リフタ上に搬送する搬送手段と、前記第1搬送面上において前記商品の幅方向のズレの方向およびズレ量を検出する検出手段と、前記第2搬送面を前記可動域の範囲で幅方向に移動させることで、前記第2搬送面上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段と、前記検出手段で検出した幅方向のズレの方向およびズレ量に応じて、前記商品が前記第2搬送面上に搬送される前に前記移動手段を駆動させて、前記第2搬送面を前記ズレの方向および前記ズレ量に応じて第1または第2の幅方向に予め移動させ、かつ、前記商品が前記第2搬送面上に搬送された後に前記予め移動した幅方向とは反対の第2または第1の幅方向に前記第2搬送面を移動させて当該商品の幅方向のズレを修正させる制御手段とを備える。
【0024】
第2搬送面を予め幅方向に移動させておくことで、第1搬送面上において幅方向に大きくズレた商品のズレを修正可能となる。したがって、美しい包装の仕上りが期待できる。
【0025】
本第2発明においては、前記第1搬送面の幅よりも前記第2搬送面の幅の方が小さい。
【0026】
第2搬送面が予め商品のズレに応じて移動しているので、第2搬送面の幅が第1搬送面の幅よりも小さくても、商品が第1搬送面から第2搬送面に乗り移る際に、商品の全体が第2搬送面に乗り移る。そのため、搬送中に商品の姿勢が乱れないので、美しい包装の仕上りが期待できる。
【0027】
本第2発明の別の好適な実施例においては、前記搬送手段は、前記第1搬送面上の商品の後端に接触して前記商品を搬送方向に搬送する第1の搬送手段と、前記第2搬送面を前記搬送方向に沿って回転駆動させる第2の搬送手段とを包含し、前記第1の搬送手段の第1の搬送速度よりも前記第2の搬送手段の第2の搬送速度の方が大きな値に設定されている。
【0028】
この実施例では第2搬送面の搬送速度が第1搬送面上のそれよりも大きいから、第2搬送面上において商品の後端を押す第1の搬送手段と商品とが離れるので、商品が幅方向に変位する際に、商品の後端と第1の搬送手段との間に摩擦力等が働きにくい。そのため、商品の姿勢が乱れにくいので、美しい包装の仕上りが期待できる。
【実施例1】
【0029】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は本包装システムにかかる計量包装値付装置を示す。該装置の計量・包装の機構は、図8の従来例と同様であり、以下の説明では、異なる部分について主に説明する。なお、以下の説明において、商品MはトレーT上に載って搬送されていくが、「商品M」とは内容物およびトレーTを含んだ概念である。
【0030】
図1において、計量包装値付装置には、本体から前方に突出するトレー供給装置20が設けられている。図2に示すように、前記トレー供給装置20は、計量コンベヤ100と修正コンベヤ(移動手段)21とを備えている。図1の排出コンベヤ209の上方には、包装後の商品Mにラベルを貼付するラベル貼付機12が設けられている。
【0031】
図2に示す計量コンベヤ100は第1搬送面102を形成する樹脂板105と、該第1搬送面102上のトレーTを搬送する搬送バー13と、前記搬送バー13を駆動する駆動モータ16(図4(a))および駆動チェーン104とを備えている。したがって、搬送バー13、駆動モータ16および駆動チェーン104は、商品Mをリフタ201上に搬送す(第1および第2)搬送手段の一部を構成している。
【0032】
計量コンベヤ100は前記第1搬送面102を形成する樹脂板105が図4(a)の重量検出器(ロードセル)101に支持されている。重量検出器101で検出された重量は、計量手段106に出力され、マイコン(制御手段)3に入力される。
【0033】
図2に示す計量コンベヤ100の樹脂板105の下流には、前記修正コンベヤ21が設けてある。図3に示すように、この修正コンベヤ21は、搬送コンベヤ(第2搬送手段の一部)22とカム機構(移動手段の一部)23とを備えている。該搬送コンベヤ22は、第2搬送面22aを形成している。該搬送コンベヤ22は、商品Mの搬送方向Xに直交する幅方向Yに移動自在に設けられていると共に、カム機構23により支持されている。
【0034】
前記カム機構23は、平板に形成したカム溝23aと、該カム溝23aに係合する係合ピン23bとを備えている。前記係合ピン23bは、駆動アーム24を介してモータ25の出力軸26に連結されている。前記カム機構23は、モータ25が正逆に回転することにより、係合ピン23bが矢印方向に回動し、この回動に伴って搬送コンベヤ22を幅方向Yに移動させる。搬送コンベヤ22の移動により、トレー供給装置20上の商品Mの位置が幅方向Yに変位される。
【0035】
制御の構成:
図4(a)は本システムの制御構成を示す。
前記マイコン(制御手段)3はCPU4およびメモリ5を内蔵していると共に、該マイコン3には、タッチスクリーン10、ストロークキー部11、ラベルプリンタ12および計量包装値付制御部14が接続されている。また、前記マイコン3には、CCDカメラ(検出手段の一部)2および前記計量手段106が接続されている。
【0036】
前記CCDカメラ2は、図2に示すように、第1搬送面102の上方に設けられ、該第1搬送面102の概ね全面が視野の範囲に入っている。図6(f)のように、オペレータによって商品M(トレーT)が第1搬送面102上に載置されると、重量検出器101が重量の変化を検出し、これをトリガーとしてカメラ2が商品Mを撮像し、第1の撮像信号がマイコン3(図4)に出力される。
その後、図6(g)および図6(h)に示すように、搬送バー13により商品Mが所定の位置まで搬送されるとカメラ2が搬送中の商品Mを再度撮像し、当該第2の撮像信号を図4のマイコン3に出力する。
【0037】
幅方向Yのズレ修正:
図4(a)の前記マイコン3のCPU4は、以下に説明する手法で商品Mの幅方向Yのズレ量を算出する。
前記CPU4内には、画像処理手段40、第1および第2ズレ量演算手段41,42などが設けられている。前記画像処理手段40は、CCDカメラ2から入力された撮像信号に基づいて、図5(a)の商品M(トレーT)の幅方向Yの2つのエッジTe,Teを求める。前記第1ズレ量演算手段41は前記2つのエッジTe,Teから中央の基準線Cまでの距離Y1 ,Y2 を求め、距離Y1 から距離Y2 を減算することにより、商品Mのズレ量を求める(検出する)。
かかるズレ量の算出は、第1および第2の撮像信号それぞれについて行われる。
【0038】
図4に示す前記メモリ5には商品情報記憶部50、トレー情報記憶部51および基準値記憶部52が設けてある。
前記基準値記憶部52には、基準値YS が記憶されている。CPU4は第1の撮像信号に基づき、第1ズレ量演算手段41が算出した第1のズレ量が前記基準値YS (たとえば25mm) 以上である場合には、修正コンベヤ21を原点位置から予め移動させる。
【0039】
その後、搬送バー13によって商品Mが搬送され、所定位置に達すると、第2の撮像が行われる。
【0040】
前記CPU4は、第2の撮像信号に基づき、第2ズレ量演算手段42が算出した第2のズレ量に応じて、図5(b)の修正コンベヤ21を左右(幅方向Y)に移動させ、当該商品Mのズレを修正させる。すなわち、前記ズレ量に応じた回転角だけモータ25を回転させて、商品Mの乗っている修正コンベヤ21を幅方向Yに移動させ、図5(a)の商品Mの幅方向Yのズレを修正する。
【0041】
搬送方向Xのズレ修正:
前記搬送バー13は、たとえば、図4に示すロータリーエンコーダ(検出手段の一部)15を備えた駆動モータ16によって駆動されている。ロータリーエンコーダ15からの検出信号(回転信号)に基づき、搬送バー13の位置がCPU4により算出される。一方、図7(g)に示すように、カメラ2によって商品M(トレーT)の後端Tbが検出される。
【0042】
CPU4内には、第2ズレ量演算手段42が設けられている。第2ズレ量演算手段42は、搬送バー13と商品Mの後端Tbとの位置関係に基づいて商品Mの搬送方向のズレ量を検出する。
【0043】
ここで、商品Mの搬送中に、図7(d),7(f)のように、搬送バー13が商品Mの下に潜り込む場合がある。かかる場合には、搬送バー13の位置と、商品Mの後端Tbの位置とが異なる。
第2ズレ量演算手段42は、図7(g)に示すように、カメラ2からの第2の撮像信号に基づいて検出された商品Mの後端Tbの位置と、当該撮像時点の搬送バー13の位置との比較を行い、搬送方向Xのズレ量Δxを算出する。図7(h)に示すように、CPU4は、搬送方向Xの当該ズレ量Δxに応じて、搬送バー13の前進端を前方にΔxだけ移動させることにより、商品Mがリフタ201上の所定位置に搬送され、搬送方向Xのズレ修正が行なわれる。
【0044】
トレーTの特定:
図4(a)の前記商品情報記憶部50には、図4(b)の商品の呼出No. に対応して、商品ごとに、品名や単価、ラベルの貼付位置などの他に、使用する予定のトレーNo. が記憶されている。一方、図4(c)の前記トレー情報記憶部51には、トレーTの種別ごとに、トレーTの幅および奥行からなるトレーTのサイズが記憶されている。
【0045】
CPU4は、商品Mの搬送開始後に、当該商品Mの第2の撮像信号に基づき、トレーTの種別の特定を行う。CPU4は、当該トレーTの種別に応じて、トレー情報記憶部51から当該トレーTに対応するサイズ情報等を読み出す。
【0046】
動作説明:
つぎに、本システムの用い方および動作について説明する。
まず、オペレータは図1のタッチスクリーン10およびストロークキー部11から商品の呼出No. 等を入力した後、図2に示すように、内容物の入ったトレーT(商品M)をトレー供給装置20の第1搬送面102上に載せる。商品Mが載せられると、図4の計量手段106から重量信号がマイコン3に出力され、重量信号が安定すると、CCDカメラ2からの第1撮像信号が画像処理手段40に取り込まれる。
【0047】
つづいて、第1ズレ量演算手段41が図4の商品Mの幅方向Yのズレ量(Y1 −Y2 )=Δy1を演算し、更に、当該ズレ量(Y1 −Y2 )の絶対値と基準値YS とを比較する。CPU4は、前記ズレ量(Y1 −Y2 )の絶対値が基準値YS 以上の場合は、計量包装値付制御部14に第1の修正命令と第1のズレ量Δy1を出力する。
【0048】
前記第1のズレ量(初期のズレ量)Δy1が所定の大きさを越える場合には、モータ25を回転させて、修正コンベヤ21を修正方向とは逆方向に予めΔy1移動させる。より大きなズレ量に対応可能とするためである。
【0049】
前記重量信号の安定後、所定のシーケンスに従って図2の駆動チェーン104が駆動し、搬送バー13が商品Mを押し始める。搬送バー13が所定位置に差し掛かると、カメラ2が商品Mの撮像を行い、第2撮像信号が画像処理手段40に取り込まれる。第2ズレ量演算手段42は第2のズレ量Δy2を演算し、当該第2のズレ量Δy2の絶対値と基準値YS との比較を行う。CPU4は、第2のズレ量Δy2の絶対値が基準値YS 以上の場合には、計量包装値付制御部14に第2の修正命令および第2のズレ量Δy2を出力する。
【0050】
一方、CPU4は、搬送バー13がトレーTを押すことで傾きの修正された第2の撮像信号に基づき、トレーTの種別の特定を行う。CPU4は、トレーTの種別に応じて、トレー情報記憶部51からトレーTに対応するサイズ情報などを得る。
【0051】
商品Mは第1搬送面102から修正コンベヤ21の第2搬送面22a上に乗り移っていく。前記商品Mが修正コンベヤ21上に完全に乗り移ると、以下のように商品Mのズレが修正される。
【0052】
すなわち、前記修正命令が入力された計量包装値付制御部14は、前記第2のズレ量(最終的なズレ量)に対応した回転角だけ図3のモータ25を回転させる。このモータ25の回転に伴ってアーム24および係合ピン23bが回転し、搬送コンベヤ22が幅方向Yに若干移動して、商品Mの幅方向Yのズレが修正される。
ここで、第1のズレ量Δy1が基準値YS よりも小さく、かつ、前記第2のズレ量Δy2が基準値YS よりも大きい場合は、Δy2だけ第2搬送面22aを移動させる。一方、前記第1および第2のズレ量Δy1,Δy2の双方が基準値よりも大きい場合は、(Δy2−Δy1)だけ第2搬送面22aを移動させる。
【0053】
一方、商品Mの搬送中に搬送方向Xのズレ修正も行われる。
第2ズレ量演算手段42は、画像処理手段40により処理された第2撮像信号に基づき、商品Mの後端Tbの位置を算出する。第2ズレ量演算手段42は、ロータリーエンコーダ15からの信号に基づき搬送バー13の位置を算出する。第2ズレ量演算手段42は、商品Mの後端Tbの位置と搬送バー13の位置との比較を行い、搬送方向Xのズレ量の算出を行う。図7(h)に示すように、CPU4は、搬送方向Xのズレ量Δxに応じて、搬送バー13の前進端を前方にΔxだけ移動させる。かかる移動により、商品Mがリフタ201上の所定位置に搬送され、搬送方向Xのズレ修正が行われる。
【0054】
その後、図2の商品Mは搬送バー13により押されてリフタ201上に乗り移る。この後、前述の従来例で説明した所定の包装動作が行われる。一方、前記修正コンベヤ21は元の原点位置に戻される。
【実施例2】
【0055】
前述の実施例1では、商品Mのズレ量に応じて商品Mを移動させてズレを修正することとしたが、本実施例2では、商品Mの移動を行わず、商品Mのズレ量に応じてフィルムFを商品Mの幅方向Yに移動させている。なお、以下の説明では、実施例1と異なる部分について説明する。
【0056】
図10(a)に示すように、商品Mは、リフタ201の幅方向Yの中心線CY(基準線C)に対してズレたまま搬送される。CPU4は、カメラ2で撮像した第2撮像信号に基づき、商品Mの最終的なズレ量を算出する。CPU4は、当該ズレ量に応じてフィルム供給装置202を駆動させ、商品Mのズレに応じた幅方向Yの位置(二点鎖線で示す位置)にフィルムFを移動させる。
【0057】
その後、図10(b)に示すように、フィルムFにより包装された商品Mの上面には、ラベル貼付機12(図1)によりラベルLが貼付される。ラベルLは、商品Mの前記ズレ量に応じて、商品Mの側方のエッジTeから貼付位置までの横方向の距離Lyと、商品Mの後端Tbから貼付位置までの縦方向の距離Lxとが変更される。すなわち、横方向の距離Lyは、予め設定された距離Lyに商品Mの幅方向Yのズレ量が加算された距離が用いられる。また、縦方向の距離Lxにも、同様に搬送方向Xのズレ量が加算された距離が用いられる。
【実施例3】
【0058】
図11〜図14は実施例3を示す。
本実施例3は前記図1〜図9の実施例1と主たる構成、機能および動作は同様であり、したがって、実施例1と相違する部分について図示すると共に主に説明する。
【0059】
図11において、修正コンベヤ21は、第2搬送面22aを構成するコンベヤベルト21bの下方に移動プレート29を備えている。前記移動プレート29には、図3と同様に前記カム溝23aが形成されており、これにより移動プレート29が幅方向Yに移動可能となっている。
【0060】
すなわち、前記第2搬送面22aは、前記商品Mを前記第1搬送面102から受け取って前記リフタ201に搬送するために前記第1搬送面102の下流に設けられ、前記第1搬送面102と切り離されて商品Mの搬送方向Xに略直交する第1および第2の幅方向Y11,Y12に所定の可動域の範囲で移動可能となっている。前記第1搬送面102の幅よりも前記第2搬送面22aの幅の方が小さいが、前記第2搬送面22aの可動域の範囲は、前記第1搬送面102の幅と近似した大きさになっている。なお、移動手段23は前記第2搬送面22aを前記可動域の範囲で幅方向Yに移動させることで、前記第2搬送面22a上の商品の位置を前記幅方向Yに変位させる。
【0061】
図12に示すように、移動プレート29は断面が屈曲しており、断面凹字状で修正コンベヤ21bの下方に配置された支持部29aと、第2搬送面22aの左右に突出した一対の露出部29bとを一体に備えている。前記露出部29bの上面の高さは、第2搬送面22aの上面の高さよりも若干低く形成されており、これにより、露出部29bが第2搬送面22aによる商品Mの搬送の邪魔にならないようになっている。
【0062】
前記移動プレート29の左右の端部には、固定カバー28が配置されている。前記露出部29bの端部と固定カバー28の端部とは互いにラップしており、かつ前記修正コンベヤ21bが左右の移動端まで移動した場合にも、互いにラップした状態を保てるように構成されており、これにより、トレーT内の内容物が図11の搬送コンベヤ22の下方に落下するのを防止している。
【0063】
マイコン(制御手段)3(図4(a))は、カメラ2で検出した幅方向Yのズレの方向およびズレ量に応じて、前記商品Mが前記第2搬送面22a上に搬送される前に前記移動手段23を駆動させて、前記第2搬送面22aを前記ズレの方向および前記ズレ量に応じて第1または第2の幅方向Y11,Y12に予め移動させる。更に前記マイコン3(図4(a))は、前記商品Mが前記第2搬送面22a上に搬送された後に前記移動手段23を駆動させて、前記予め移動した幅方向とは反対の第2または第1の幅方向Y12,Y11に前記第2搬送面22aを移動させて当該商品Mの幅方向のズレを修正させる。本実施例においては、商品Mの幅方向Yのズレ量の大小にかかわらず、商品Mの当該ズレを修正する。
【0064】
搬送手段は、前記第1搬送面102上の商品Mを第2搬送面22aを経由して前記リフタ201上に搬送するもので、前記搬送手段は、前記第1搬送面102上の商品Mの後端に接触して前記商品を搬送方向に搬送する搬送バー13および、駆動チェーン104(第1の搬送手段)と、前記第2搬送面22aを前記搬送方向Xに沿って回転駆動させるモータ25(第2の搬送手段)とを備える。前記第1の搬送手段の第1の搬送速度V1よりも前記第2の搬送手段の第2の搬送速度V2の方が大きな値に設定されている。
【0065】
つぎに、本実施例の動作の説明に先だって、第2搬送面22aを予め移動させることなく、商品Mが第2搬送面22a上に搬送された後に第2搬送面22aを幅方向Yに移動させる場合のデメリットについて説明する。
【0066】
図13(a)に示すように、第1搬送面102上に載置された商品Mを第2搬送面22a上に搬送した後に、第2搬送面22aを幅方向Yに移動させると、二点鎖線で示すようにトレーTが第2搬送面22aの幅方向Yにはみ出ている場合がある。この場合、第2搬送面22aからトレーTの底面に加えられる搬送の摩擦力Fが商品Mの重心Gからズレる。そのため、トレーTのまわりにモーメントが働き、十分に安定した搬送が期待できず、図13(b)に示すように、トレーTの姿勢が乱れ易い。
【0067】
つぎに、図14を用いて実施例3の供給装置20の動作について説明する。
【0068】
図14(a)に示すように商品Mが第1搬送面102上に置かれると、所定のタイミングで距離Y1,Y2が検出され、幅方向Yのズレ量Δyとズレの方向Y11,Y12とが、前記実施例1で説明した方法で算出される。この算出結果に基づいて、前記第2搬送面22aは、前記商品Mの下流端またはトレーTの重心G(一般にトレーの図形中心と一致する)が第2搬送面22aの上流端22bに到着する前に、二点鎖線で示すように、第2搬送面22aが商品Mのズレの方向とズレ量Δyに相当する量Δyだけ幅方向Yに移動される。
【0069】
図14(b)のようにトレーTの姿勢が傾いていない場合、前記移動により、トレーTおよび第2搬送面22aの幅方向Yの中心Tc,21cが互いに概ね一致する
【0070】
前記移動後、図14(b)の実線で示すように、トレーTが第2搬送面22a上に乗り移り始めると、あるいは、トレーTの全体が第2搬送面22a上に完全に乗り移ると、二点鎖線で示すように第2搬送面22aが前記移動方向とは逆方向にΔyだけ移動される。これにより、二点鎖線で示すように、トレーTと修正コンベヤ21の幅方向の中心とが概ね一致する。すなわち、商品Mのセンタリングが実行される。
【0071】
この乗り移りの際にトレーTは前記第2搬送面22aの幅方向Yにはみ出すおそれがないので、前述の図13(b)と異なりトレーTが傾くおそれがない。すなわち、安定した搬送が期待できるから、図14(b)の二点鎖線で示すようにトレーTが傾くことなく搬送される。その結果、美しい包装の仕上がり状態を期待できる。
【0072】
ところで、図11の搬送バー13の押面13fは多数の切欠を有する櫛歯状に形成されているので、軟弱トレーの場合、搬送中に当該押面13fの間にトレーTの後端がくい込む場合がある。そのため、第2搬送面22aが幅方向Yに移動する際に、トレーTの後端が前記搬送バー13の前記押面13fに引っ掛かってトレーTの姿勢が乱れたり、あるいは、幅方向Yについて所期の移動量Δyが得られないおそれがある。
【0073】
かかる問題はフィルムで包装済みの商品Mを計量して値付けする場合にも生じる。すなわち、ストレッチフィルムは粘着性が高く、そのため、包装済商品Mの場合、商品Mの後端が前記押面13fに粘着による摩擦力で張り付いたような状態となる。したがって、前述と同様に姿勢の乱れ等が生じるおそれがある。
【0074】
これに対し、本実施例では、搬送コンベヤ22の搬送速度V2が搬送バー13の搬送速度V1よりも大きな値に設定されている。そのため、図14(b)の実線で示すように、トレーTが第2搬送面22a上に乗り移り始めると、トレーTの後端が図11の押面13fから離れ始める。したがって、櫛歯状の押面13fによりトレーTの幅方向Yへの移動が妨げられるおそれがない。したがって、姿勢が乱れたり、あるいは、所期の移動量Δyが得られないという不具合の生じるおそれがない。その結果、美しい包装の仕上がり状態が期待できる。
【0075】
ところで、本実施例の場合、図14(a)の幅方向のズレ量Δyおよびズレの方向の検出は、トレーTの載置後の搬送開始前にのみ行ってもよいし、搬送の開始後にのみ行ってもよいし、あるいは、搬送の開始の前後の双方において行ってもよい。
【0076】
また、本実施例において検出したズレ量Δyの全てに対応する第2搬送面22aの移動を行う必要はない。たとえば、第1搬送面102上において搬送の開始前に幅方向の第1のズレ量Δy1を検出し、更に搬送の開始後に幅方向の第2のズレ量Δy2を検出し、トレーTが第2搬送面22aに乗り移り始める前に予め第2搬送面22aをΔy1と同じ量だけ幅方向Yの一方に移動し、トレーTが第2搬送面22aに乗り移った後に第2搬送面22aを(Δy2−Δy1)だけ幅方向Yの他方(一方の逆方向)に移動してズレを修正してもよい。なお、この場合、修正後に第2搬送面22aをΔy2だけ移動させて元の位置に戻す。
【0077】
更に、検出した2つのズレ量Δy1,Δy2の双方に対応し得るように、第2搬送面22aの予めの移動を2回に分けて行ってもよい。すなわち、トレーTの第1のズレ量Δy1の検出後、直ちに、第2搬送面22aをΔy1だけ予め移動し、更にトレーTの第2のズレ量Δy2の検出後、直ちに、第2搬送面22aを更に(Δy2−Δy1)だけ予め移動させてもよい。
【0078】
また、完全なセンタリングを実行する必要はなく、たとえば、検出したズレ量Δy1、Δy2のうちのいずれか一方についてのみ第2搬送面22aの予めの移動を行ってもよい。
【0079】
図15(a),(b)は、トレーの転倒防止に役立つ搬送バー13の好ましい形状・ 構造を示す。図11において、搬送バー13はたとえばローラチェーンのような駆動チェーン104により回転駆動される。ここでローラチェーンにはピンとローラとの間に若干の遊び(ギャップ) があるので、当該ギャップ分だけ、図15(a)の搬送バー13が矢印R方向に若干起き上がるように回転する。この場合、トレーTを押す搬送バー13の押面13fの角度も起き上がり、トレーTを下から掬い上げてトレーTが転倒するおそれがある。
【0080】
図15(a)の搬送バー13は下端13uから上端13tに近づくに従い搬送方向Xに向かって傾斜している。これにより、前記搬送バー13が矢印方向Rに浮き上がるように若干回転しても、トレーTを下から掬い上げるおそれがない。
【0081】
商品Mには重心の位置が搬送方向X等に偏ったものがあり、このような場合、搬送バー13がトレーTを押すと、図15(b)のトレーTの後端Tbが上方Uに浮き上がり、商品Mが転倒するおそれがある。
【0082】
図15(b)において、搬送バー13の上端13tには庇部材13aが固定されている。この庇部材13aは前記上端13tにおいて上端13tよりも搬送方向Xに向かって突出している。そのため、トレーTの後端Tbが上方Uに浮き上がっても商品Mが転倒するのを防止し得る。
【0083】
なお、商品Mのズレ量の検出は、幅方向Yに多数の反射型光量検出器を並べて検出してもよい。
【0084】
また、実施例1においては、商品Mの幅方向Yのズレ量に応じて予め搬送コンベヤ22を移動させておく必要はないし、また、第2のズレ量に応じて予め搬送コンベヤ22を幅方向に移動させてもよい。
【0085】
また、前述の実施例1および3では、第2搬送面22aを搬送コンベヤ22のベルトの表面で形成したが、本発明では第2搬送面22aを樹脂製の平板やローラなどの表面で形成してもよい。さらに、搬送コンベヤ22ではなく、案内ガイド等で商品のズレ量を修正してもよい。
【0086】
さらに、実施例1および3では、搬送バー13の駆動モータに設けられたエンコーダによって搬送バー13の搬送方向Xの位置を特定することとしたが、駆動チェーン104の回転位置により搬送バー13の位置を特定してもよいし、光センサ等を用いて搬送バー13の位置を直接検出するようにしてもよい。
【0087】
また、本発明が適用される包装システムとしては、前述の実施例で例示した折込式包装の他に、いわゆるトップシール式の包装装置についても同様に適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本包装システムは、ストレッチフィルムなどを用いた包装装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1にかかる包装システムを備えた計量包装値付装置を示す概略斜視図である。
【図2】供給装置の構造を示す一部破断した概略斜視図である。
【図3】修正コンベヤを示す一部破断した概略斜視図である。
【図4】(a)は本システムの概略構成図、(b),(c)は記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図5】(a)はトレーのズレ量を検出する方法を説明するための概念図、(b)は修正コンベヤの平面図である。
【図6】(a)〜(c)は従来の商品の搬送方法を示す概略平面図、(d),(e)は搬送中に商品の位置ズレが生じる様子を示す概略平面図、(f)〜(i)は本発明の検出方法を示す概略平面図である。
【図7】供給装置上の商品の搬送の様子を示す概略側面図である。
【図8】包装機構の一例を示す概略断面図である。
【図9】包装方法の一例を示す概略斜視図である。
【図10】実施例2にかかるシステムを説明するためのトレーおよびフィルムを示す平面図である。
【図11】実施例3にかかる包装システムの供給装置の構造を示す一部破断した概略斜視図である。
【図12】搬送コンベヤの一部省略した断面図である。
【図13】商品が第1搬送面から第2搬送面に搬送される際に姿勢が乱れる様子を示す概略平面図である。
【図14】商品が第1搬送面から第2搬送面にスムースに搬送される様子を示す概略平面図である。
【図15】搬送バーの変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0090】
2:カメラ(検出手段の一部)
3:マイコン(制御手段)
12:ラベル貼付機
13:搬送バー(接触部材、第1および第2搬送手段の一部)
15:エンコーダ(検出手段の一部)
16:駆動モータ(第1および第2搬送手段の一部)
20:トレー供給装置
21:修正コンベヤ
22:搬送コンベヤ(第2の搬送手段)
22a:第2搬送面
23:移動手段
102:第1搬送面
104:駆動チェーン(第1および第2搬送手段の一部)
201:リフタ
202:フィルム供給装置
M:商品
S:包装ステーション
X:搬送方向
Y:幅方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を供給装置によってリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、
前記供給装置上の商品の搬送方向の後端に接触して前記商品を前記リフタ上に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に前記商品の搬送方向および/またはこれに略直交する幅方向のズレ量を検出する検出手段と、
前記ズレ量に応じてシステムの各機器を制御する制御手段とを備えた包装システム。
【請求項2】
請求項1において、前記検出手段は、前記供給装置上に商品が載置された後、搬送開始前の前記商品の幅方向のズレ量を更に検出する包装システム。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記供給装置上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段を更に備え、
前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記移動手段を駆動させて、当該商品の幅方向のズレを修正させる包装システム。
【請求項4】
請求項1もしくは2において、前記フィルムを前記商品の幅方向に搬送するフィルム供給装置を更に備え、
前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記フィルム供給装置を駆動させて、前記商品のズレに応じた幅方向の位置に前記フィルムを張設させる包装システム。
【請求項5】
請求項1において、前記商品はトレーを含み、前記トレーの搬送開始後に当該トレーの種別を特定する包装システム。
【請求項6】
請求項1において、前記制御手段は、前記検出手段で検出した前記搬送方向のズレ量に応じて前記搬送手段を駆動させて、当該商品の搬送方向のズレを修正させる包装システム。
【請求項7】
請求項6において、前記検出手段は、前記商品の後端に接触する接触部材と、前記商品の後端とを検出し、該検出した接触部材と商品の後端との位置関係に基づいて前記商品の搬送方向のズレ量を検出する包装システム。
【請求項8】
請求項1において、包装後の商品にラベルを貼付するラベル貼付機を更に備え、前記検出手段で検出した商品の搬送方向および/または幅方向のズレ量に応じて、前記ラベル貼付機によるラベルの貼り位置を前記制御手段が制御する包装システム。
【請求項9】
商品をリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、
商品が載置される第1搬送面と、
前記商品を前記第1搬送面から受け取って前記リフタに搬送するために前記第1搬送面の下流に設けられ、前記第1搬送面と切り離されて商品の搬送方向に略直交する第1および第2の幅方向に所定の可動域の範囲で移動可能な第2搬送面と、
前記第1搬送面上の商品を第2搬送面を経由して前記リフタ上に搬送する搬送手段と、
前記第1搬送面上において前記商品の幅方向のズレの方向およびズレ量を検出する検出手段と、
前記第2搬送面を前記可動域の範囲で幅方向に移動させることで、前記第2搬送面上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段と、
前記検出手段で検出した幅方向のズレの方向およびズレ量に応じて、前記商品が前記第2搬送面上に搬送される前に前記移動手段を駆動させて、前記第2搬送面を前記ズレの方向および前記ズレ量に応じて第1または第2の幅方向に予め移動させ、かつ、前記商品が前記第2搬送面上に搬送された後に前記移動手段を駆動させて、前記予め移動した幅方向とは反対の第2または第1の幅方向に前記第2搬送面を移動させて当該商品の幅方向のズレを修正させる制御手段とを備えた包装システム。
【請求項10】
請求項9において、前記第1搬送面の幅よりも前記第2搬送面の幅の方が小さい包装システム。
【請求項11】
請求項9もしくは10において、
前記搬送手段は、前記第1搬送面上の商品の後端に接触して前記商品を搬送方向に搬送する第1の搬送手段と、前記第2搬送面を前記搬送方向に沿って回転駆動させる第2の搬送手段とを包含し、
前記第1の搬送手段の第1の搬送速度よりも前記第2の搬送手段の第2の搬送速度の方が大きな値に設定されている包装システム。
【請求項1】
商品を供給装置によってリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、
前記供給装置上の商品の搬送方向の後端に接触して前記商品を前記リフタ上に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による搬送開始後、搬送完了までの間に前記商品の搬送方向および/またはこれに略直交する幅方向のズレ量を検出する検出手段と、
前記ズレ量に応じてシステムの各機器を制御する制御手段とを備えた包装システム。
【請求項2】
請求項1において、前記検出手段は、前記供給装置上に商品が載置された後、搬送開始前の前記商品の幅方向のズレ量を更に検出する包装システム。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記供給装置上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段を更に備え、
前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記移動手段を駆動させて、当該商品の幅方向のズレを修正させる包装システム。
【請求項4】
請求項1もしくは2において、前記フィルムを前記商品の幅方向に搬送するフィルム供給装置を更に備え、
前記制御手段は、前記検出手段で検出した幅方向のズレ量に応じて前記フィルム供給装置を駆動させて、前記商品のズレに応じた幅方向の位置に前記フィルムを張設させる包装システム。
【請求項5】
請求項1において、前記商品はトレーを含み、前記トレーの搬送開始後に当該トレーの種別を特定する包装システム。
【請求項6】
請求項1において、前記制御手段は、前記検出手段で検出した前記搬送方向のズレ量に応じて前記搬送手段を駆動させて、当該商品の搬送方向のズレを修正させる包装システム。
【請求項7】
請求項6において、前記検出手段は、前記商品の後端に接触する接触部材と、前記商品の後端とを検出し、該検出した接触部材と商品の後端との位置関係に基づいて前記商品の搬送方向のズレ量を検出する包装システム。
【請求項8】
請求項1において、包装後の商品にラベルを貼付するラベル貼付機を更に備え、前記検出手段で検出した商品の搬送方向および/または幅方向のズレ量に応じて、前記ラベル貼付機によるラベルの貼り位置を前記制御手段が制御する包装システム。
【請求項9】
商品をリフタ上に供給し、該リフタ上の商品を包装ステーションに押し上げ、この押し上げた商品の上面をフィルムで覆って商品を包装する包装システムにおいて、
商品が載置される第1搬送面と、
前記商品を前記第1搬送面から受け取って前記リフタに搬送するために前記第1搬送面の下流に設けられ、前記第1搬送面と切り離されて商品の搬送方向に略直交する第1および第2の幅方向に所定の可動域の範囲で移動可能な第2搬送面と、
前記第1搬送面上の商品を第2搬送面を経由して前記リフタ上に搬送する搬送手段と、
前記第1搬送面上において前記商品の幅方向のズレの方向およびズレ量を検出する検出手段と、
前記第2搬送面を前記可動域の範囲で幅方向に移動させることで、前記第2搬送面上の商品の位置を前記幅方向に変位させる移動手段と、
前記検出手段で検出した幅方向のズレの方向およびズレ量に応じて、前記商品が前記第2搬送面上に搬送される前に前記移動手段を駆動させて、前記第2搬送面を前記ズレの方向および前記ズレ量に応じて第1または第2の幅方向に予め移動させ、かつ、前記商品が前記第2搬送面上に搬送された後に前記移動手段を駆動させて、前記予め移動した幅方向とは反対の第2または第1の幅方向に前記第2搬送面を移動させて当該商品の幅方向のズレを修正させる制御手段とを備えた包装システム。
【請求項10】
請求項9において、前記第1搬送面の幅よりも前記第2搬送面の幅の方が小さい包装システム。
【請求項11】
請求項9もしくは10において、
前記搬送手段は、前記第1搬送面上の商品の後端に接触して前記商品を搬送方向に搬送する第1の搬送手段と、前記第2搬送面を前記搬送方向に沿って回転駆動させる第2の搬送手段とを包含し、
前記第1の搬送手段の第1の搬送速度よりも前記第2の搬送手段の第2の搬送速度の方が大きな値に設定されている包装システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−8583(P2007−8583A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51540(P2006−51540)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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