説明

医療用撮像兼ナビゲーションシステム

【課題】医療における体内侵入型の撮像及びナビゲーションを行う方法及びシステムを改善する。
【解決手段】表示装置及びデータベースに結合したプロセッサ、医療位置決めシステム(MPS)、二次元撮像システム、及び被検査器官のモニター・インタフェースを具えた医療用撮像兼ナビゲーションシステムにおいて、前記MPSが、撮像MPSセンサ、及び画像検出器を具えた二次元撮像システムを具えて、前記MPSを前記プロセッサに結合して、前記MPSセンサを前記画像検出器に固着して、前記二次元撮像システムを前記プロセッサに結合して、前記画像検出器を撮像カテーテルに固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[クロスリファレンス情報]
本願は、2001年2月13日出願の出願番号09/782,528の一部継続出願であり、出願番号09/782,528は、1999年5月18日出願の出願番号09/314,474の一部継続出願である。
【0002】
本発明は一般に、医療の診断及び手術の、システム及び方法に関するものであり、特に、医療用の三次元撮像及びナビゲーションの、方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
二次元及び三次元画像を取得して表示する方法及びシステムは、従来技術において既知である。三次元撮像は、現代の診断、治療、及び手術の方法を強化する。
【0004】
二次元撮像システムは、体内の二次元のスライス(薄片)を処理して、静的あるいは動的な形態でディスプレイ(表示装置)上に表現する。慣例の二次元超音波撮像システムは、超音波トランスデューサ、画像捕捉モジュール、及び画像処理装置を具えている。
【0005】
超音波トランスデューサは、検査すべき生体組織に非常に近接して配置する。超音波トランスデューサは、電気信号を超音波に変換して、この超音波を検査すべき組織に指向させる。この超音波は部分的に吸収され、分散され、屈折され、そして反射される。超音波トランスデューサは、この超音波反射を検出する。超音波トランスデューサは、反射された超音波を電気信号に変換して、この電気信号を画像処理装置に供給する。
【0006】
画像処理装置は、受信した電気信号を処理して、これにより、検査する組織のスライスの二次元画像を複数生成する。画像捕捉モジュールは、各二次元画像を捕捉して、これらの各々をディスプレイまたはプリンタに供給することができる。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,152,290号明細書
【0008】
Freelandに交付された米国特許5,152,290、発明の名称"Method for recording ultrasound images to diagnose heart and coronary artery disease"は、冠状動脈疾患のような心臓疾患を診断するために、心臓の二次元超音波画像を捕捉して表示する方法に指向したものである。Freelandによって開示されている方法は、運動のピーク後に心電図(ECG)信号を検出する手順、心臓の二次元画像を検出する手順、及び選択した画像を記憶する手順を具え、各手順は、画像を取得した時点のECG(electrocardiogram)の読み取り、及び4画像のグループ表示によって行う。このシステムは、少なくとも1心拍当たり8画像の割合で、二次元画像の列を取得して記録する。
【0009】
【特許文献2】米国特許第5,690,113号明細書
【0010】
Silwa, Jr.他に交付された米国特許5,690,113、発明の名称"Method and apparatus for two-dimentional ultrasonic imaging"は、固定走査線を有する、ハンドヘルド(手持ち型)の単一素子のトランスデューサ・プローブを用いて二次元超音波画像を生成する方法に指向したものである。このシステムは、患者の体の二次元超音波画像の表示を行う。このシステムは、二次元超音波画像を検出して、同時に、超音波トランスデューサの空間的位置及び向きを特定する。このシステムは、単一走査線の撮像が可能な超音波トランスデューサ付きのプローブ、及びこの超音波トランスデューサの空間的位置及び向きを追跡する手段を具えている。この走査線は、可動のトランスデューサに対して、向き及び空間的な位置が固定されている。このシステムはさらに、トランスデューサが移動すると共に、各走査線の空間的位置及び向きを計算する演算手段を具えている。これにより、走査線が、完成した画像を表示する。あるいはまた、電磁的発信器及び受信センサが、自由空間内の各走査線の空間的な向き及び位置を特定することができる。
【0011】
通常の三次元超音波撮像システムは、慣例の二次元超音波撮像システム、位置及び向きの検出システム、画像処理システム、及び表示システムを具えている。こうしたシステムは、肝臓、腎臓、胆嚢、胸部、眼、脳、等のような内部器官の三次元撮像を行う。
【0012】
位置及び向きの検出システムは、超音波トランスデューサの位置及び向きを提供する。トランスデューサの位置及び向きから、捕捉した各二次元画像の位置及び向きを特定する。
【0013】
画像処理システムは、捕捉した二次元画像を、各画像の位置及び向きに従って処理することによって、被検査器官の三次元画像を再構成する。最後に、表示システムは、被検査器官の三次元画像を受け取って、これを表示する。
【0014】
【特許文献3】米国特許第5,787,889号明細書
【0015】
Edwards他に交付されている米国特許5,787,889、発明の名称"Ultrasound imaging with real time 3D image reconstruction and visualization"は、三次元超音波画像の生成及び視覚化に指向したものである。Edwardsによって開示されている方法は、次の手順:即ち、データの取得、ボリューム(画像構成用の立方体、直方体)の再構成、及び画像の可視化の各手順を具えている。このシステムは、システムに含まれる医療用二次元超音波撮像システムによって、三次元超音波画像の完成及び視覚化を行う。オペレータ(操作者、手術者)は、再構成した三次元画像に対して、画像を回転させて異なる観察角及び平面図にするような、種々の可視化作業(タスク)を実行することができる。
【0016】
当業者には既知である他の種類の三次元撮像システムは、心臓または肺の動画像を生成すべく動作する。このシステムは、慣例の二次元超音波撮像システム、ECGモニター、位置及び向きの検出システム、画像プロセッサ(処理装置)、及び表示システムを具えている。ECGモニターは心臓のタイミング信号を検出する。ECGタイミング信号は、ECGタイミング信号中の選択した点を表現する二次元画像の記録を同期させるか、あるいはトリガするために用いる。超音波トランスデューサは、あらゆる所定瞬時(例えばECGタイミング信号上の選択した時点)における心臓の二次元超音波画像を検出する。各二次元画像は、心臓の特定の活動状態に応じて、心臓の特定のスライスを表現する。各二次元画像の位置及び向きは、トランスデューサの位置及び向きから直接決まる。
【0017】
画像プロセッサは、捕捉した二次元画像のうちの同じ活動状態のものから、心臓の三次元画像を再構成する。最後に、表示システムは、再構成した一連の画像を表示して、これにより心臓の三次元動画像を提供する。
【0018】
【特許文献4】米国特許第5,924,989号明細書
【0019】
Polzに交付されている米国特許5,924,989、発明の名称"Method and device for capturing diagnostically acceptable three-dimensional ultrasound image data records"は、心臓の三次元画像列を生成する方法及びシステムに指向したものである。このシステムは、超音波心臓検査器(エコー心電計)と組み合わせた超音波撮像システムを具えている。このシステムは、二次元超音波画像を検出して、各画像を、この画像の位置及び向きと共に、そして、この画像を取得した時点で超音波心臓検査器が提供する心臓のサイクルの位置と共に記憶する。このシステムは、特別なアルゴリズムを利用して、同じ心臓のサイクルの位置を有するすべての二次元画像から三次元画像を再構成して、再構成した一連の三次元画を表示する。
【0020】
【特許文献5】米国特許第5,830,145号明細書
【0021】
Tenhoffに交付されている米国特許5,830,145、発明の名称"Enhanced Accuracy of Three-Dimensional Intraluminal Ultrasound (ILUS) Image Reconstruction"は、体内の器官を撮像するシステム及び方法に指向したものである。以下、Tenhoffのシステムについて、図13A及び13Bを参照して説明する。
【0022】
図13Aは、器官の三次元画像を表示するシステムを図式的に示す図であり、システム全体を10で参照し、このシステムは従来技術において既知である。図13Bは、図13Aのシステムのカテーテルの撮像端の、患者の動脈の内部における軌跡を図式的に示す図である。
【0023】
図13Aに示すように、システム10は、カテーテル12、自動引戻し(プルバック)装置14、処理システム16、胸部ハーネス18、及びカテーテル追跡システム(図示せず)を具えている。カテーテル12の連結端はハンドル20を具えている。処理システム16は、制御コンソール(操作卓)、超音波トランシーバ(送受信器)、及びディスプレイを具えている。カテーテル12は、その末端に位置するカテーテル撮像端を具えている。カテーテル撮像システムは、管腔内超音波(ILUS)トランスデューサ(図示せず)である。カテーテル追跡システムは、カテーテル12に装着した少なくとも1つの追跡トランスデューサ(図示せず)を具え、この追跡トランスデューサは通常、カテーテル撮像端に隣接している。カテーテル追跡システムはさらに、胸部ハーネス18内に位置する複数の基準フレーム・トランスデューサを具えている。各追跡トランスデューサ、及び各基準フレーム・トランスデューサは、超音波トランスデューサである。これらの基準フレーム・トランスデューサは、大域的な(グローバル)座標系の原点を規定する。この特許の他の実施例では、カテーテル撮像システムが光コヒーレンス(可干渉性)断層撮影(トモグラフィー)(OCT:optical coherence tomography)システムである。
【0024】
ハンドル20は自動引戻し装置14に結合する。基準フレーム・トランスデューサは、ワイヤ(結線)24によって処理システム16に結合する。追跡トランスデューサは、ワイヤ26によって処理システム16に結合する。カテーテル撮像システムは、ワイヤ28によって処理システム16に結合する。自動引戻し装置14は、ワイヤ30によって処理システム16に結合する。
【0025】
オペレータ(図示せず)は、カテーテル12を、大腿部の動脈を通して患者22の体内に入れて、カテーテル12を対象領域(例えば冠状動脈)内に位置決めする。カテーテル撮像システムは、カテーテル撮像端が対象領域内に位置する際に、カテーテル撮像端を取り巻く領域の複数の二次元画像(例えば、ILUSトランスデューサの場合にはエコーグラフ画像(超音波図))を提供する。
【0026】
カテーテル撮像システムは、自動引戻し装置14を随意的に使用して、引戻しシーケンス(手順)によって運用する。引戻し中に得られたエコーグラフのデータ組は、ディスプレイ上に表示すべき画像を生成するために必要な入力を提供する。カテーテル撮像端の引戻し中に、処理システム16は、位置(X,Y,Z)、及びデータを記録した各期間の時間を記録する。
【0027】
画像毎の、カテーテル撮像端の角度は、1つ以上の追跡トランスデューサの座標を用いることによって特定する。引戻し中に、一対のトランスデューサによって、カテーテル撮像端の位置を見定める。近接した間隔の一対のトランスデューサが、その位置にあるカテーテル撮像端によって規定される曲線に対する接線を計算するための線を規定する。この接線は、追跡トランスデューサの位置によって決まる2つ以上の点によって規定される線によって計算する。
【0028】
この特許の他の実施例では、引戻し中に単一のマーカー・トランスデューサを用いて、カテーテル撮像端の位置を見定める。この場合には、接線は、引戻し中のマーカー・トランスデューサの連続する2つの位置を通る線によって計算する。
【0029】
処理システム16は、カテーテルの引戻し行程中に取得した各エコーグラフ画像の座標(X,Y,Z)を、前記時間データと組み合わせて用いて、三次元画像を再構成する。各三次元画像は、カテーテル引戻し軌跡の周囲のエコーグラフ画像を集積することによって再構成する。
【0030】
さらに図13Bに示すように、処理システム16(図13A)は、引戻し中の、カテーテル12の撮像端の軌跡50を生成して、前記大域的座標系の原点を基準にして軌跡50を表示する。軌跡50は、点52、54、56、58、60、62、64、66、及び68のような、大域的座標系の複数の点によって規定される。点52、54、56、58、60、62、64、66、及び68の各々が、引戻し中のカテーテルの撮像端の異なる位置に対応する。
【0031】
しかし、引戻しシーケンス中には、動脈は、位置70、72、及び74のような異なる位置に絶えず移動して、前記大域的座標系の原点に対する動脈の位置及び向きが変化する。このためカテーテル12の軌跡は、動脈内のカテーテルの真の軌跡を表わすものではなく、軌跡50は実質的に不正確なものである。
【0032】
光コヒーレンス断層撮影(OCT)は、組織を非常に高解像度で光学的に走査する方法の一般名称である。OCTは、後方反射した赤外線の強度を測定して、超音波のような現在の他の臨床撮像技術の5〜25倍高い撮影解像度を生み出す。
【0033】
【特許文献6】米国特許第6,134,003号明細書
【特許文献7】米国特許第6,175,669号明細書
【特許文献8】米国特許第5,994,690号明細書
【0034】
Tearney他に交付されている米国特許6,134,003、発明の名称"Method and apparatus for performing optical measurements using a fiber optic imaging guidewire, catheter or endoscope"、Colston他に交付されている米国特許6,175,669、発明の名称"Optical coherence domain reflectometry guidewire"、及びKulkarni他に交付されている米国特許5,994,690、発明の名称"Image enhancement in optical coherence tomography using deconvolution"はすべて、OCT撮像技術を用いる方法及びシステムに指向したものである。
【0035】
【特許文献9】米国特許第5,935,075号明細書
【0036】
血管内のプラークは断裂しがちであり、致命的なの血管閉塞を生じさせ得る。これらのプラークは、管の他の内部構造とは異なる温度を示すことが多く、従って、管の内層の温度マップによって検出し、結果的に治療することができる。血管内の温度マップを作成する方法及びシステムは従来技術において既知であり、慣例では赤外線技術にもとづき、光ファイバを使用し、光ファイバを血管内に挿入して、「高温」のプラークを検出する。この技法は、サーモグラフィー(温度記録法)と称される。Casscell他に交付されている米国特許5,935,075、発明の名称"Detecting Thermal Discrepancies in Vessel Walls"は、血管内の光放射を分析して、「高温」のプラークを検出しようとするシステムに指向したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
本発明の目的は、医療における(体内)侵入型のプローブ測定を行う新規の方法及びシステムを提供することにある。従って本発明によれば、医療用撮像兼ナビゲーションシステムが提供される。このシステムは、プロセッサ、表示装置、データベース、医療用位置決めシステム(MPS:medical positioning system)、二次元撮像システム、被検査器官のモニター・インタフェース、及び画像重畳(スーパーインポーズ)プロセッサを具えている。
【課題を解決するための手段】
【0038】
MPSは、トランスデューサMPSセンサ、及び手術ツールMPSセンサを具えている。二次元撮像システムは撮像トランスデューサを具えている。プロセッサは、表示装置、データベース、MPS、二次元撮像システム、被検査器官のモニター・インタフェース、及び画像重畳プロセッサに結合する。被検査器官のモニター・インターフェースはさらに、器官モニターに結合する。手術ツールMPSセンサは手術ツールに固着する。トランスデューサMPSセンサは撮像トランスデューサに固着する。器官モニターは、被検査器官に関連する器官タイミング信号を監視する。このシステムは、複数の二次元画像から、各二次元画像の位置及び向き、及び各二次元画像の、被検査器官のタイミング信号中の位置に従って、複数の三次元画像を再構成する。すべてのMPSセンサが同じMPSシステムに属するので、このシステムは、検出した各二次元画像の同じ座標系内の、手術ツールの位置及び向きを提供する。
【0039】
本発明の他の要点によれば、医療用撮像兼ナビゲーションシステムが提供される。このシステムは、プロセッサ、表示装置、データベース、MPS,被検査器官のモニター・インタフェース、及び画像重畳プロセッサを具えている。このプロセッサは、表示装置、データベース、MPS、被検査器官のモニター・インタフェース、及び画像重畳プロセッサに結合する。被検査器官のモニター・インタフェースは器官モニターに結合する。MPSは、手術ツールに固着した手術ツールMPSセンサを具えている。器官モニターは、被検査器官に関連する器官タイミング信号を監視する。このシステムは、事前に記憶している画像上で動作すべく適応させる。
【0040】
本発明のさらなる要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、画像検出器を用いて、被検査器官の二次元画像を複数検出する手順と、この画像検出器の位置及び向きを検出する手順とを具えている。この方法はさらに、各二次元画像を、画像検出器の位置及び向き、及び検出した器官タイミング信号に関連付けて、これらの二次元画像から複数の三次元画像を再構成する手順を具えている。この方法はさらに、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、前記三次元画像のうちの1つを選択して、選択した三次元画像を表示する手順を具えている。
【0041】
本発明の他の要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、事前に記憶している三次元画像のうちの1つを選択する手順とを具えている。この方法はさらに、手術ツールの位置及び向きを検出する手順と、前記選択した三次元画像上に手術ツールの表現を重畳する手順と、この重畳した三次元画像を表示する手順とを具えている。
【0042】
本発明のさらなる要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、ユーザの視点の位置及び向きを検出する手順と、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、事前に記憶している三次元画像のうちの1つを選択する手順とを具えている。この方法はさらに、前記検出した視点の位置及び向きに応じて、前記選択した三次元画像をレンダリング(表示用の二次元画像化)する手順と、前記選択した三次元画像を表示する手順とを具えている。
【0043】
本発明の他の要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法及びシステムが提供される。画像列中の各画像が、所定座標系内の、この画像の位置および向きに関連付けられている。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、事前に記憶している二次元画像のうちの1つを選択する手順と、選択した二次元画像を表示する手順とを具えている。このシステムは、二次元撮像及び表示の環境に適応させる。
【0044】
本発明のさらなる要点によれば、医療用撮像兼ナビゲーションシステムが提供される。このシステムは、表示装置、データベース、医療用位置決めシステム(MPS)、二次元撮像システム、被検査器官のモニター・インターフェース、及び画像重畳プロセッサを具えている。
【0045】
MPSは、トランスデューサMPSセンサ、及び手術ツールMPSセンサを具えている。二次元撮像システムは撮像トランスデューサを具えている。前記プロセッサは、表示装置、データベース、MPS、二次元撮像システム、被検査器官のモニター・インタフェース、及び画像重畳プロセッサに結合する。被検査器官のモニター・インタフェースはさらに、器官モニターに結合する。手術ツールMPSセンサは手術ツールに固着する。トランスデューサMPSセンサは撮像トランスデューサに固着する。器官モニターは、被検査器官に関連する器官タイミング信号を監視する。このシステムは、検出した複数の二次元画像から、各二次元画像の位置及び向き、及び各二次元画像の、被検査器官のタイミング信号中の位置に従って、複数の三次元画像を再構成する。すべてのMPSセンサが同じMPSシステムに属するので、このシステムは、検出した各二次元画像の同じ座標系内の、手術ツールの位置及び向きを提供する。
【0046】
本発明の他の要点によれば、医療用撮像兼ナビゲーションシステムが提供される。このシステムは、プロセッサ、表示装置、データベース、MPS、被検査器官のモニター・インタフェース、及び画像重畳プロセッサを具えている。前記プロセッサは、表示装置、データベース、MPS、被検査器官のモニター・インタフェース、及び画像重畳プロセッサに結合する。被検査器官のモニター・インタフェースは、器官モニターに結合する。MPSは、手術ツールに固着した手術ツールMPSセンサを具えている。器官モニターは、被検査器官に関連する器官タイミング信号を監視する。このシステムは、事前に記憶している画像上で動作すべく適応させる。
【0047】
本発明のさらなる要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、画像検出器を用いて被検査器官の二次元画像を複数検出する手順と、この画像検出器の位置及び向きを検出する手順とを具えている。この方法はさらに、各二次元画像を、画像検出器の位置及び向き、及び検出した器官タイミング信号に関連付ける手順と、これらの二次元画像から複数の三次元画像を再構成する手順とを具えている。この方法はさらに、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、前記三次元画像のうちの1つを選択する手順と、選択した三次元画像を表示する手順とを具えている。
【0048】
本発明の他の要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、事前に記憶している三次元画像のうちの1つを選択する手順とを具えている。この方法はさらに、手術ツールの位置及び向きを検出する手順と、この手術ツールの表現を、前記選択した三次元画像上に重畳する手順と、重畳した三次元画像を表示する手順とを具えている。
【0049】
本発明のさらなる要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、ユーザの視点の位置及び向きを検出する手順と、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、事前に記憶している三次元画像のうちの1つを選択する手順とを具えている。この方法はさらに、前記選択した三次元画像を、前記視点の位置及び向きに応じてレンダリングする手順と、前記選択した三次元画像を表示する手順とを具えている。
【0050】
本発明の他の要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この画像列中の各画像は、所定座標系内の、この画像の位置及び向きに関連付けられている。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、事前に記憶している二次元画像のうちの1つを選択する手順と、選択した二次元画像を表示する手順とを具えている。この方法は、二次元撮像、及び表示の環境に適応させる。
【0051】
本発明のさらなる要点によれば、医療用撮像兼ナビゲーションシステムが提供される。この医療用撮像兼ナビゲーションシステムは、プロセッサ、MPS、二次元撮像システム、及び被検査器官のモニター・インタフェースを具えている。MPSは撮像MPSセンサを具え、二次元撮像システムは画像検出器を具えている。前記プロセッサは、表示装置、被検査器官のモニター・インタフェース、データベース、及びMPSに結合する。被検査器官のモニター・インタフェースはさらに、器官モニターに結合する。撮像MPSは画像検出器に固着する。二次元撮像システムは前記プロセッサに結合する。画像検出器は撮像カテーテルに固着する。画像検出器は、光コヒーレンス断層撮影検出器、超音波検出器、磁気共鳴画像検出器、サーモグラフィ検出器、等である。
【0052】
画像検出器は被検査器官の二次元画像を検出する。器官モニターは、被検査器官に関連する器官タイミング信号を監視する。撮像MPSセンサは、画像検出器の位置及び向きを表わす情報をMPSに提供する。前記プロセッサは、検出した二次元画像の各々を、それぞれの画像の位置及び向きの情報、及び器官タイミング信号に関連付けて、これらの二次元画像によって被検査器官の三次元画像を再構成する。
【0053】
本発明の他の要点によれば、医療用撮像兼ナビゲーションシステムが提供される。この医療用撮像兼ナビゲーションシステムは、プロセッサ、MPS、及び被検査器官のモニター・インタフェースを具えている。MPSはカテーテルのMPSセンサを具えている。このプロセッサは、表示装置、MPS、被検査器官のモニター・インタフェース、及びデータベースに結合する。被検査器官のモニター・インタフェースは器官モニターに結合する。カテーテルのMPSセンサは手術ツールに固着して、手術ツールは手術カテーテルに固着する。
【0054】
器官モニターは、被検査器官に関連する器官タイミング信号を監視する。カテーテルのMPSセンサは、手術ツールの位置及び向きを表わす情報をMPSに提供する。前記プロセッサは、二次元画像に関連する位置及び向きの情報、及びリアルタイムで読み取った器官タイミング信号によって、被検査器官の三次元画像を再構成する。前記プロセッサは、手術ツールのそれぞれの位置及び向きに従って、手術ツールの表現、及び画像検出器の軌跡の表現を、再構成した三次元画像上に重畳する。
【0055】
本発明のさらなる要点によれば、グラフィカル・ユーザ・インタフェースが提供される。このグラフィカル・ユーザ・インタフェースは複数のウィンドウを具え、各ウィンドウが被検査器官の画像を提供する。これらの画像は、器官タイミング信号に応じて選択する。これらの画像は、被検査器官外部の三次元画像、被検査器官内部の三次元画像、被検査器官の履歴的な二次元画像、患者の体の、被検査器官を含む部分のリアルタイム二次元画像、等とすることができる。例えば、外部の三次元画像の投影像、手術ツールの表現、及び撮像カテーテルの軌跡の表現を、リアルタイムの二次元画像上に重畳する。さらに、手術ツールの表現、及び軌跡の表現を、内部の三次元画像上に重畳する。患者のECGも表示して、オペレータは、被検査器官の三次元画像の擬似ビデオを、時間的に前進方向または後退方向に再生するか、あるいは、ECG中で選択した時点の画像を再生することができる。
【0056】
本発明の他の要点によれば、被検査器官の閉塞領域を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の複数の閉塞値を、選択した閉塞値と比較する手順と、この比較の結果により閉塞領域を特定する手順と、閉塞領域の表現を生成する手順とを具えている。オペレータが閉塞のしきい値を選択して、被検査器官において、選択した閉塞のしきい値よりも閉塞値が大きい閉塞領域を、被検査器官の三次元画像上に重畳する。
【0057】
本発明のさらなる要点によれば、動きのある被検査器官の画像列を表示する方法が提供される。この方法は、被検査器官の器官タイミング信号を検出する手順と、画像検出器を用いることによって、被検査器官の二次元画像を複数検出する手順とを具えている。この方法はさらに、被検査器官の二次元画像をリアルタイムで検出する手順と、画像検出器の位置及び向きを検出する手順と、手術ツールの位置及び向きを検出する手順とを具えている。
【0058】
この方法はさらに、各二次元画像を、画像検出器の位置及び向き、及び検出した器官タイミング信号に関連付ける手順と、これらの二次元画像から複数の三次元画像を再構成する手順とを具えている。この方法はさらに、リアルタイムで読み取った器官タイミング信号に応じて、前記三次元画像のうちの1つを選択する手順と、選択した三次元画像を表示する手順とを具えている。前記器官タイミング信号は、器官タイミング信号のサイクルを規定する。各三次元画像は、選択した二次元画像から再構成し、選択した二次元画像は、器官タイミング信号のサイクル中で選択した位置に対応する。前記プロセッサは、再構成した被検査器官の三次元画像の投影像、及び手術ツールの表現を、リアルタイムで検出した被検査器官の二次元画像上に重畳する。
【0059】
本発明の他の要点によれば、画像を再構成する方法が提供される。この方法は、選択した活動状態以外の活動状態に属する補助的な二次元画像の平行移動先の座標を特定する手順と、この補助的な二次元画像を、この平行移動した座標によって、選択した活動状態に関連付ける手順とを具えている。プロセッサが、選択した活動状態以外の活動状態に属する補助二次元画像、並びに、選択した活動状態に属する二次元画像から、三次元画像を再構成する。これにより、選択した活動状態に属する画像のみを使用した場合よりもずっと細密な画像を得ることができる。
本発明は、以下の図面を参照した実施例の詳細な説明より、一層明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
[実施例1]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
本発明は、器官の動き、及びカテーテルのような侵入型のツールに同期して、動きのある器官の三次元画像を構成して表示する方法及びシステムを提供することによって、従来技術の欠点を克服するものである。実施例によれば、三次元画像、及び侵入型のツールの表現のすべてが1つの座標系内に存在し、複数の座標系を登録する必要がない。
【0061】
本発明の1つの要点によれば、侵入型の手術を最小にするための、擬似リアルタイムの撮像システムが提供される。このシステムは、二次元画像取得システム、基本的には位置及び向きの検出システムである医療用位置決めシステム(MPS)、特定器官のモニター、及び画像処理システムを具えている。位置及び向きの検出システムは、少なくとも3つのセンサを具えている。第1センサは、二次元画像取得システムの画像検出器上に装着する。第2センサは、最小侵入型手術ツール上に装着する。第3センサは基準用で、患者の体に装着する。本発明の方法のすべての手順中に、第3センサを患者の体に装着することによって、画像検出器のセンサ及び手術ツールのセンサの両方、並びに本発明のシステムのさらなるモジュールに装着した追加的なセンサが常に、1つの座標系内に留まることが保証される。
【0062】
このシステムは、器官のサイクルの周波数よりも速い速度(レート)で、好適には器官のサイクルの周波数の自然数倍に等しい速度で、二次元画像を取得する。このシステムは、画像検出器によって検出した各二次元画像を、この二次元画像を検出した位置及び向き、及び器官モニターによって検出した器官のタイミング信号の読み取り値に関連付けて記録する。なお、このシステムは、検出した器官が周期的な挙動によって特徴付けられ、そして、1サイクル中の読み取り値が、その後のサイクル中に検出されやすい、という仮定の下で動作する。
【0063】
この撮像システムは、記録している二次元画像のうち、同じ器官タイミング信号(の異なるサイクル)のすべての読み取り値から三次元画像を再構成する。再構成した三次元画像が十分な情報を含む際には、このシステムは、器官タイミング信号のリアルタイムの読み取りに同期して、これら一連の三次元画像を表示して、これにより、被検査器官のリアルタイムの可視化を行う。同時に、このシステムは、追加的な二次元画像の取得、及び既存の三次元画像の更新及び吟味を継続する。従って、表示される一連の三次元画像の品質が常に改善される。
【0064】
この時点で、医師は最小侵入型の手術ツールを患者の体内に挿入することができる。このシステムは、手術ツールに装着したMPS検出器の位置及び向きを検出して、このツールの表現を、現在表示中の三次元画像上に重畳する。
【0065】
このシステムは、患者に装着したMPS検出器を用いて、患者の動きを検出する。これらの動きによって、検出した器官の座標系が、上述したように二次元画像を取得して三次元画像を再構成した座標系に対して移動する。このシステムは、患者のMPSの読み取り値を利用して、取得したすべての二次元画像を、被検査器官の位置によって規定される移動座標系内に置くこと、及び手術ツールを同じ移動座標系内で位置決め及び方向付けすることの両方を行う。
【0066】
本発明の他の要点によれば、このシステムは、手術ツールを取り除くことによって、単なる擬似リアルタイム撮像システムとして使用することができ、診断目的に使用する。本発明のさらなる要点によれば、このシステムは、MPSセンサを装着した半透明の立体視ゴーグルを用いて、三次元画像列を表示する。このシステムは、ゴーグルMPSセンサを用いて、ゴーグルの位置及び向きを患者の座標系内に設定する。これにより、このシステムは、医師が器官の箇所と同じ位置にいるように医師に知覚させる三次元画像列の可視化を行う。
【0067】
以下は、画像取得、再生、及び最小侵入型の手術を行うシステム及び方法の例である。まず図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施例により構成され、動作する多機能三次元撮像システムの図式的な図であり、システム全体を参照番号100で参照する。図1を参照して説明する実施例では、システム100が、心臓の三次元画像列を生成して、この画像列をリアルタイムで、心臓の動きと同期して再生するように、システム100を適応させる。
【0068】
三次元撮像システム100は、主コンピュータ102、二次元画像取得装置104、ECGモニター106、医療用位置決めシステム108、フレーム・グラバー(メモリ)110、ディジタル三次元画像再構成器(D3DR:digital three-dimensional image reconstructor)112、適応型ボリューム・データベース(AVDB:adaptive volumetric database)114、画像重畳プロセッサ116、手術ツール120、複数のMPSセンサ1621、1622、及び162N、及びディスプレイ(表示装置)130を具えている。
【0069】
二次元画像取得装置104は、患者の体内の領域の二次元画像を提供する。二次元画像取得装置104は、超音波型、管内超音波型、X線型、コンピュータ断層撮影型、核磁気共鳴型、ポジトロン放出断層撮影型、単光子放出断層撮影型、等の、従来技術において既知のあらゆる種類のものとすることができる。
【0070】
二次元画像取得装置104は画像トランスデューサ118を具えている。ECGモニターは、検査手順中あるいは手術手順中に、複数のECG電極128を用いることによって心臓の電気的タイミング信号を連続的に検出する。
【0071】
主コンピュータ102は、ECGモニター106、MPSシステム108、フレーム・グラバー110、D3DR 112、画像重畳プロセッサ116、AVDB 114、及びディスプレイ130に結合する。二次元画像取得装置104は、フレーム・グラバー110に結合する。MPSシステム108は、MPS発信器(図示せず)、及びMPSセンサ1621、1622、及び162Nを具えている。
【0072】
さらに図2Cを参照して説明する。図2Cは、本発明の他の実施例により構成され、動作するMPSシステム108を詳細に示す図である。MPSシステム108は、位置及び向きのプロセッサ150、発信器インタフェース152、複数のルックアップ・テーブル(早見表)・ユニット1541、1542、及び1543、複数のディジタル−アナログ変換器(DAC:digital-to-analog converter)1561、1562、及び1563、増幅器158、発信器160、複数のMPSセンサ1621、1622、1623、及び162N、複数のアナログ−ディジタル変換器(ADC)1641、1642、1643、及び164N、及びセンサ・インタフェース166を具えている。
【0073】
発信器インタフェース152は、位置及び向きのプロセッサ150、及びルックアップ・テーブル・ユニット1541、1542、及び1543に結合する。DACユニット1561、1562、及び1563はそれぞれ、ルックアップ・テーブル・ユニット1541、1542、及び1543に結合し、そして増幅器158に結合する。増幅器158はさらに、発信器160に結合する。発信器160はTXでも表わす。MPSセンサ1621、1622、1633、及び162Nはさらに、それぞれRX1、RX2、RX3、及びRXNとも表わす。
【0074】
アナログ−ディジタル変換器(ADC)1641、1642、1643、及び164Nはそれぞれ、センサ1621、1622、1623、及び162Nに結合し、そしてセンサ・インタフェース166に結合する。センサ・インタフェース166はさらに、位置及び向きのプロセッサ150に結合する。
【0075】
各ルックアップ・テーブル・ユニット1541、1542、及び1543は、周期的な数字の列を生成して、この数字の列をそれぞれDACユニット1561、1562、及び1563に供給して、これらのDACユニットは、この数字の列をそれぞれのアナログ信号に変換する。各アナログ信号は異なる空間軸に関係する。本実施例では、ルックアップ・テーブル1541及びDACユニット1561がX軸についての信号を発生し、ルックアップ・テーブル1542及びDACユニット1562がY軸についての信号を発生し、ルックアップ・テーブル1543及びDACユニット1563がZ軸についての信号を発生する。
【0076】
DACユニット1561、1562、及び1563は、それぞれのアナログ信号を増幅器158に供給して、増幅器158はこのアナログ信号を増幅して、増幅した信号を発信器160に供給する。発信器160は多軸の電磁界を供給し、この電磁界は、MPSセンサ1621、1622、1623、及び162Nによって検出することができる。各MPSセンサ1621、1622、1623、及び162Nは、それぞれの電気的アナログ信号を発生して、これらの電気信号を、それぞれのMPSセンサに結合されているADCユニット1641、1642、1643、及び164Nに供給する。各ADCユニット1641、1642、1643、及び164Nは、これらのアナログ信号をディジタル化し、数字の列に変換し、そしてセンサ・インタフェース166に供給して、センサ・インタフェース166は、この数字の列を位置及び向きのプロセッサ150に供給する。
【0077】
位置及び向きのプロセッサ150は、受け取った数字の列を分析して、これにより、各MPSセンサ1621、1622、1623、及び162Nの位置及び向きを特定する。位置及び向きのプロセッサ150はさらに、歪みの事象を特定して、これにより、ルックアップ・テーブル1541、1542、及び1543を更新する。
【0078】
図1に戻って説明する。画像トランスデューサ118は複数の二次元画像を検出して、各二次元画像は被検査器官(即ち心臓)のスライスを表現する。これらの二次元画像の各々が、異なる空間的位置及び向きを有する。
【0079】
フレーム・グラバー110は、検出した各二次元画像を保持して、この二次元画像を主コンピュータ102に供給する。MPSシステム108は、手術ツール120の位置及び向きに関するデータを、MPSセンサ1621経由で受け取って処理し、そして画像トランスデューサ118の位置及び向きに関するデータを、MPSセンサ1622経由で受け取って処理する。
【0080】
MPSシステム108はさらに、患者の体の位置及び向きに関するデータを、MPSセンサ162N経由で受け取って処理する。患者が動く場合には、MPSセンサ162Nを基準として用いる。MPSセンサ162Nは一般に、患者の体の検査領域(参照番号140)に取り付ける。なお、MPSシステム108は、さらなる基準として用いるための追加的なMPSセンサを具えることができ、これにより、システム100の性能が向上する。しかし、基準点を割り当てる他の方法を用いることができ、これは例えば、すべてのMPSセンサ間で最初に参照し合って、手順全体にわたって患者を拘束すること、取得した画像を分析して、トランスデューサ用のMPSセンサ以外のMPSセンサ毎に、これらの画像内の反復的な視点あるいは部分を識別すること、等である。
【0081】
MPSシステム108は、MPS発信器を用いて所定の電磁界を発生する。各MPSセンサ1621、1622、及び162Nは、コイルのような電磁界検出素子を具えて、MPSシステム108が発生する電磁界を検出する。
【0082】
MPSシステム108は、検出した電磁界を処理して、MPSセンサ1621、1622、及び162Nの三次元的な位置及び向きの識別結果を提供する。従って、MPSシステム108は、画像トランスデューサ118、手術ツール120、及び患者の体上で選択した点の位置及び向きを特定すべく動作する。
【0083】
捕捉した各二次元画像の位置及び向きは、画像トランスデューサ118の位置及び向きから直接導出する。従ってMPSシステム108は、MPSセンサ1622の位置及び向きを特定することによって、画像トランスデューサ118によって捕捉した各二次元画像の位置及び向きを特定することができる。
【0084】
ECGモニター106は、検査する心臓の電気的タイミング信号(ECG−心電図)を取得して表現することができる。なお、ECGは心臓のタイミング信号であり、ECGサイクルを有し、心臓の特定領域を通る電流の伝播を表現する。ECGサイクル(または心臓のサイクル)の持続時間は、2回連続する心臓収縮の時間間隔によって定義される。ECGは、少なくとも2つのECG電極を用いることによって検出され、これらの電極は、患者の体の選択した領域(例えば腕部、脚部、胸部、腹部、等)上に配置する。
【0085】
ECG電極128は、心臓からの電気信号を連続的に取得して、この信号をECGモニター106に供給する。ECGモニター106は、受信した電気信号を増幅して、心臓の電気的挙動を時間の関数として辿るグラフ線を作成して、このデータをディジタル・フォーマットにして主コンピュータ102に供給する。
【0086】
主コンピュータ102は、各二次元画像、それぞれの二次元画像の三次元的な位置及び向き、及び、二次元画像を捕捉した時点における心臓の器官タイミング信号を受け取る。主コンピュータ102はさらに、手術ツール120の三次元的な位置及び向きを受け取ることができる。主コンピュータ102は、検出した各二次元画像を、前記位置及び向き、及び心臓のタイミング信号に関連付ける。
【0087】
手術ツール120が被検査器官内に位置する際には、二次元画像が、この器官の一部分のスライス表現を含み得る。主コンピュータ102は、手術ツール120に取り付けたMPSセンサ1621の位置及び向きを受け取って、手術ツール120のMPSセンサ1621を取り付けた部分が実質的に剛性である場合には、手術ツール120の他の部分の位置及び向きを外挿(補外)することができる。従って、主コンピュータ102は、手術ツール120のMPSセンサ1621を取り付けた部分が、取得した二次元画像の領域内に位置するか否かを特定することができる。主コンピュータ102は、三次元画像を更新しつつ、二次元画像が属するこうした領域を除外することができる。
【0088】
D3DR 112は、捕捉した二次元画像のうち同じ活動サイクルを有するもの(例えば心臓のタイミング・サイクルの所定時点毎)、及び各二次元画像に関連する三次元的な位置及び向きのデータから、三次元画像を再構成する。
【0089】
AVDB 114は、再構成した被検査器官の三次元画像を、この画像に関連する活動状態、及びこの画像の座標系の位置及び向きと共に保有する。検出したECGのシーケンスはさらに、三次元画像を同期再生するために使用し、これらの画像に関連する活動状態が、リアルタイムで検出した被検査器官の活動状態にほぼ等しい際には、すべての三次元画像を表示する。
【0090】
手術ツール120を心臓内に挿入した場合には、画像重畳プロセッサ116が、手術ツール120の三次元的な位置及び向きを、再構成した三次元画像に加えることができる。あるいはまた、主コンピュータ102が、再構成した三次元画像の座標系内で、手術ツール120の形状を外挿することができる。
【0091】
ディスプレイ130は、被検査器官の三次元動画像を、この器官に同期させて提供し、この三次元動画像は、この器官の擬似リアルタイムのシミュレーション(模擬)と考えることができる。なお、主コンピュータ102は、表示の基準座標系を、次のいずれかに定めることができる:
・患者の座標系。患者の体が静止し、被検査器官および手術ツールが動く場合。
・被検査器官の座標系。被検査器官が静止し、手術ツール、及び患者の体の他の部分が動く場合。なお、この観察座標系は、被検査器官が速い動きを示す場合に、極めて有用であり得る。
・手術ツールの座標系。手術ツールが静止し、被検査器官、並びに患者の体の他の部分が動く場合。
【0092】
次に図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aは、本発明のさらなる実施例により構成され、動作する、体内放射方向超音波撮像システムの透視図であり、システム全体を参照番号170で参照する。図2Bは、検査する管の内壁の、複数の、放射方向の二次元画像の透視図であり、総括的に参照番号190で参照する。
【0093】
システム170は、体内放射方向画像トランスデューサ172、手術ツール(即ち、通常は最小侵入型手術装置)174、MPSセンサ176及び178、装着カテーテル180、及び拡張カテーテル182を具えている。なお、体内放射方向超音波撮像システム170は、管内超音波システム(IVUS)のような代わりの超音波システム、あるいは他の種類の二次元撮像システムに置き換えることができ、管内超音波システムについては、以下で、図12を参照してさらに詳細に説明する。
【0094】
放射方向画像トランスデューサ172は装着カテーテル180に装着し、装着カテーテル180をさらに、拡張カテーテル182内に挿入する。MPSセンサ176は装着カテーテル180の先端に位置し、かつ放射方向画像トランスデューサ172に隣接する。装着カテーテル180は、拡張カテーテル182内に挿入する。MPSセンサ178は、手術ツール174の先端に近接した位置にある。さらに手術ツール174を、拡張カテーテル182内に挿入する。
【0095】
放射方向画像トランスデューサ172は、被検査器官の異なる領域の、複数の二次元画像(例えば図2Bの二次元画像190A、190B、190C、190D、190E、及び190F)を検出する。MPSシステム108(図1)は、センサ176を用いて、放射方向画像トランスデューサ172の位置及び向きを検出する。MPSシステム108(図1)はさらに、センサ178を用いて、手術ツール174の位置及び向きを検出する。二次元画像190A、190B、190C、190D、190E、及び190F(図2B)は、トランスデューサ172の位置及び向きから直接導出する。
【0096】
図2Bに示すように、各二次元画像190A、190B、190C、190D、190E、及び190Fは、被検査器官内及びその近傍の検査領域の、異なる周辺部分を二次元で表現したものである。放射方向画像トランスデューサ172は、検出した二次元画像190A、190B、190C、190D、190E、及び190Fを、二次元画像取得装置104(図1)に供給する。システム100は、各二次元画像を、これらの二次元画像の位置及び向きに関連付ける。
【0097】
次に図3を参照して説明する。図3は、所定座標系内の二次元画像を図式的に示す図であり、二次元画像全体を参照番号190、座標系全体を参照番号186で参照する。図3は主に、座標系186内の二次元画像190の「位置」及び「向き」とは何かを図示するために用いる。
【0098】
各二次元画像190の位置及び向きは、座標系186(X、Y、及びZ)内で定める。システム100は、捕捉した各二次元画像内で選択した点を定め、この点は、この画像用の基準点として使用する。図3に示す例では、画像の中心を、この画像の基準位置として定める。この点から、この画像の平面と垂直に伸びる単位ベクトルが、この画像の向きを定める。
【0099】
検出した各二次元画像190は、特定の位置(X'、Y'、及びZ')、及び特定の向き(角α、β、及びχ)で撮像したものである。ベクトル192は、画像190の選択点194から伸びる。この点の座標X'、Y'及びZ'が、座標系186内の画像190の三次元的な位置を定める。従って角α、β、及びχは、ベクトル192と、軸X、Y、及びZの各々とがなす角である。従って、ベクトル192が、座標系186内の画像190の、特定の三次元的な向きを定める。
【0100】
次に図4を参照して説明する。図4は、複数の二次元画像の透視図、及び器官タイミング信号の図であり、これらの二次元画像を総括的に参照番号190で参照し、この器官タイミング信号全体を参照番号188で参照する。図4に示す例では、器官タイミング信号はECG信号である。
【0101】
ECG信号は、二次元画像190A、190B、190C、190D、190E、190F、190G、190H、190I、190J、190K、190L、190M、190N、190O、190P、190Q、190R、及び190Sの検出手順を同期させるために用いることができ、これらの各画像は、器官タイミング信号中の所定位置で撮像したものである。二次元画像190A、190B、190C、190D、190E、190F、190G、190H、190I、190J、190K、190L、190M、190N、190O、190P、190Q、190R、及び190Sはそれそれ、所定の時点t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11、t12、t13、t14、t15、t16、t17、及びt18で検出したものである。Tは、ECG信号188のサイクル時間(例えば、時点t0とt8との時間間隔)を表わす。各点p0、p1、p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8、p9、p10、p11、p12、p13、p14、p15、p16、p17、及びp18は、ECGタイミング信号上の特定位置を表わし、心臓の特定の活動状態に関連する。
【0102】
この例では、二次元画像を、ECGサイクル当たり8画像の割合で連続的に検出し、心臓の各サイクルの所定点で検出する。各点p0、p1、p2、p3、p4、p5、p6、及びp7は、1番目のECGサイクル上の特定点を表わし、各点p8、p9、p10、p11、p12、p13、p14、及びp15は、2番目のECGサイクル上の特定点を表わす、等である。点p8及びp16は、ECGタイミング信号上で点p0と同じ特定位置にあり、従って同じ活動状態に関連する。点p9及びp17は、ECGタイミング信号上で点p1と同じ特定位置にあり、従って同じ活動状態に関連する。点p10及びp18は、ECGタイミング信号上で点p2と同じ特定位置にあり、従って同じ活動状態に関連する。このように、検出した二次元画像の各々が、心臓の特定の活動状態に関連する。
【0103】
次に図5A、図5B、図5C、及び図5Dを参照して説明する。図5Aは、本発明の他の実施例による、複数の三次元ボリューム(画像構成用の立方体、直方体)を図式的に示す図であり、これらのボリュームは総括的に参照番号200で参照する。図5Bは、画像再構成の後段における、図5Aの三次元ボリュームの一部を図式的に示す図である。図5Cは、図5Aの三次元ボリュームから選択したものを図式的に示す図であり、画像更新の手順を実行中である。図5Dは、外部オブジェクト情報を含む二次元画像を図式的に示す図である。
【0104】
図5Aを参照すれば、各三次元ボリューム200が、器官タイミング・サイクル中の特定位置のうち選択したものに関連し、従って、それぞれの活動状態に関連する。この例では、三次元ボリューム200A、200B、200C、及び200Dがそれぞれ、器官タイミング信号の位置T、1/4T、2/4T、及び3/4Tに関連する。
【0105】
各三次元ボリューム200A、200B、200C、及び200Dは、器官タイミング信号のサイクル中で選択した位置についての、従ってそれぞれの活動状態についての三次元画像をを再構成するために使用する。主コンピュータ102(図1)は、画像の、ECG信号上のタイミング位置(即ち、特定の活動状態)に従って、二次元画像の並べ替え(ソート)を行う。
【0106】
この例では、ボリューム200Aは二次元画像190A、190I、及び190Q(図4)を含み、これらはそれぞれ時点t0、t8、及びt16で検出したものである。これらの画像の、器官タイミング信号のサイクル中の位置はTである。ボリューム200Bは二次元画像190C、190K、及び190S(図4)を含み、これらはそれぞれ時点t2、t10、及びt18で検出したものである。これらの画像の、器官タイミング信号のサイクル中の位置は1/4Tである。ボリューム200Cは二次元画像190E及び190M(図4)を含み、これらはそれぞれ時点t4及びt12で検出したものである。器官タイミング信号のサイクル中の位置は1/2Tである。ボリューム200Dは二次元画像190G及び190O(図4)を含み、これらはそれぞれ時点t6及びt14で検出したものである。器官タイミング信号のサイクル中の位置は3/4Tである。
【0107】
この時点では、ボリューム200Aは、このボリューム内に格納されている二次元画像に関する情報を含みつつ、ボリューム200Aの一部は値0のままである、というのは、この部分に関係する二次元画像がないからである。D3DR 112は、三次元ボリューム200Aの内容を分析して、これらの値0の部分のいくつかについて、例えば外挿によって値を特定しようとする。図5Bに示すように、D3DR 112(図1)は、三次元ボリューム200A内に画像330Aを再構成する。同様に、D3DR 112は、三次元ボリューム200C内に画像330Cを再構成する。
【0108】
システム100(図1)は、三次元画像330Aをリアルタイムで更新する。主コンピュータ102(図1)は、二次元画像を、この二次元画像の位置及び向き、及び器官の活動状態と共に、連続的に受け取る。主コンピュータ102(図1)は、これらの各二次元画像を、同じ活動状態に関連する三次元ボリュームと共に、D3DR 112(図1)に供給する。D3DR 112は、新たな二次元画像の値に従って三次元ボリュームを更新する。
【0109】
上記更新の手順は、多くの方法で実行することができる。本発明の1つの要点によれば、選択した三次元画素(ボクセル)における新しい値が、古い値を置き換える。本発明の他の要点によれば、更新したボクセル値は、旧ボクセル値(即ち、三次元ボリュームに既存の値)と、新規に取得した値(即ち、二次元画像から受け取った値)との(線形またはその他の)結合を含む。なお、システム100は、ポリゴン(多角形)表現またはボクセル表現のいずれをも用いて動作することができる。
【0110】
本発明のさらなる要点によれば、三次元ボリューム内の各ボクセルが種々の属性を具え、これらの属性は例えば、ボクセルの現在値が取得した画像から提供されたものであるか、あるいは、外挿によって三次元画像を再構成する過程(プロセス)中に計算したものであるか、ということである。この場合には、計算値よりも新規に取得した値の方が好ましい。図5Cに示すように、D3DR 112が新たな二次元画像190Yを受け取って、この二次元画像は、t=Tにおける器官の活動状態に関連する。D3DR 112は、三次元ボリューム200A及びその中の画像330Aのそれぞれを更新する。
【0111】
手術ツール120(図1)を被検査器官内に挿入する場合には、システム100は、二次元画像中の、手術ツール120の表現を含む断片を除外する。主コンピュータ102(図1)は、(例えば、これらの断片に0(ヌル)の値を導入することによって)これらの断片を除外することによって、二次元画像を修正する。D3DR 112は、修正した二次元画像を分析して、各三次元ボリューム内の各部分は更新しない。
【0112】
システム100は、手術ツール174(図2A)のような外部物体が存在する場合でも、検査物体の三次元画像列をリアルタイムで更新する能力を具えている。本発明の一実施例によれば、主コンピュータ102は、取得した画像の位置及び向き、及び手術ツール174の位置及び向きにより、取得した画像が表現するスライスに手術ツールが含まれるか否かを特定することができる。図5Dに示すように、二次元画像190Zが、手術ツール120の一部分の表現である小区分(セクション)198を含み、小区分198は、MPSセンサ1621の位置及び向きから決まる。二次元画像190Z及び区分198が区分199を規定し、これは、二次元画像190Zから区分198を除外したものである。図5Dを参照して説明した三次元画像列をリアルタイムで更新する手順によれば、システム100は、各三次元画像に対して、区分199のみの更新を行う。従って、患者の体から手術ツールを除去した際には、再構成した三次元画像内に手術ツールの軌跡が残らない。
【0113】
なお、各ECGサイクルは、拡張期と称する弛緩の期間、及びこれに続く収縮期と称する収縮の期間から成る。ECGサイクルの継続時間は、2回連続する心臓収縮の時間間隔によって定義される。さらなる実施例によれば、ECGサイクルを均等にN分割して、ここにNは、最終的な画像列の三次元画像の数である。
【0114】
次に図6を参照して説明する。図6は、本発明のさらなる実施例により動作する、三次元撮像システム100の動作方法を図式的に示す図である。手順230では、被検査器官のタイミング信号を検出する。この検出は、被検査器官に応じて選択した医療モニター(監視)装置によって実行する。例えば、被検査器官が心臓の血管であれば、医療モニター装置はECGモニターである。被検査器官が肺であれば、医療モニター装置は呼吸数モニターである。まぶた、目、等を検査するために、特別な装置を構成することがあり得る。例えば、MPSセンサをまぶたに取り付けて、まぶたの動きを検出することができる。図1に示すように、ECGモニター106が、ECG電極128を通して器官タイミング信号を検出する。
【0115】
手順232では、被検査器官の二次元画像を複数検出する。図1に示すように、二次元画像取得装置104が、画像トランスデューサ118を通して、被検査器官の二次元画像を複数検出する。
【0116】
手順234では、画像検出器の三次元的な位置及び向きを検出する。図1に示すように、MPSシステム108が、画像検出器に装着したMPSセンサ1622を用いて、画像検出器の三次元的な位置及び向きを検出する。
【0117】
手順236では、検出した各二次元画像を、この二次元画像の位置及び向きの情報、及びこの二次元画像を撮像した時点の器官タイミング信号に関連付ける。図1に示すように、主コンピュータ102が、ECG信号、取得した二次元画像、及び各二次元画像の位置及び向きを受け取る。主コンピュータ102は、検出した各二次元画像を、この二次元画像の位置及び向きの情報、及び器官タイミング信号に関連付ける。
【0118】
手順238では、手術ツール238の位置及び向きを検出する。図1に示すように、MPSシステム108が、MPSセンサ1621を介して手術ツール120の位置及び向きを検出する。
【0119】
手順240では、二次元画像中の手術ツールを表現する部分を除外することによって、この二次元画像を修正する。なお、手術ツールと交わらない平面内に位置する二次元画像は、手術ツールを表現する画像を何ら含まず、従って変化しないままで残る。図1〜図5Dに示すように、主コンピュータ102は、取得した二次元画像の一部、即ち二次元画像190Zのように、手術ツール120の画像表現を含み得るものを推定する。主コンピュータ102は、検出した手術ツール120の位置及び向きに従ってこの推定を実行する。主コンピュータ102は、MPSセンサ1621が取得する情報、及び手術ツール120の物理的な寸法を表わす情報に従って、手術ツール120が占める三次元空間を特定する。主コンピュータ102は、取得した二次元画像(例えば図5Dの190Z)と、この三次元空間とが交叉する交差領域(例えば図5Dに示す部分198)を計算する。主コンピュータ102は、例えばこの交差領域の値を0(ヌル)値に変更することによって、この交差領域を除外する。手術ツール120の画像を二次元画像から除外することは、手術ツール120の画像のような人工物のない被検査器官の三次元画像を再構成するために必要である。
【0120】
手順242では、三次元画像を再構成する。この再構成は3つの手順を含む。1番目の手順では、それぞれの二次元画像の、器官タイミング信号中のタイミング位置(即ち活動状態)に従って、二次元画像を並べ替えてグループにする。図1に示すように、主コンピュータ102は、器官タイミング信号のサイクル中における画像のタイミング位置に従って、二次元画像を並べ替える。
【0121】
2番目の手順では、(三次元マトリクスのような)三次元仮想ボリューム内で選択したすべての二次元画像を、それぞれの二次元画像の位置及び向きに従って配置する。図1に示すように、主コンピュータ102は、適応型ボリューム・データベース114内の三次元仮想ボリューム200(図5A)のうち選択したものの中に、各二次元画像を格納する。
【0122】
3番目の手順では、三次元仮想ボリューム内の欠落部分を、例えば補間によって補充する。図1に示すように、D3DR 112が、各三次元仮想ボリューム200(図5B)内に格納している二次元画像から、この三次元仮想ボリューム内に三次元画像を再構成する。
【0123】
手順244では、手順230で検出した器官タイミング信号に応じて、三次元画像を選択する。図1及び図4に示すように、ECGモニター106が、ECG電極128を介して、被検査器官の器官タイミング信号188を検出する。主コンピュータ102が、リアルタイムで検出した器官タイミング信号に応じて三次元画像を選択する。選択した三次元画像は、実時間で検出した器官タイミング信号のサイクル中の位置のように、器官タイミング信号のサイクル中の位置に関連したものでなければならない。
【0124】
手順246では、手術ツールの表現を、選択した三次元画像に追加する。図1に示すように、MPSセンサ1621が、手術ツール120の位置及び向きを検出する。画像重畳プロセッサ116が、手術ツール120の表現(例えばシンボル)を、選択した三次元画像に追加する。画像重畳プロセッサ116は、手順238でMPSセンサ1621が検出した、手術ツール120の位置及び向きに従って、手術ツール120の表現を追加する。手術ツールの位置と向き、及び取得した画像の位置と向きのすべてを、同じMPSシステムを用いて検出するので、これらの位置及び向きのすべてが1つの座標系内に存在し、従って、これらを互いに関係付ける必要はない。
【0125】
手順248では、前記選択した三次元画像を表示する。図1及び図8に示すように、ディスプレイ130が、前記選択した画像を、リアルタイムで検出した器官タイミング信号のサイクルに従って順番に表示する。例えばオペレータは、リアルタイムで検出した患者の心拍(心臓鼓動)に対応させて、患者の心臓のビデオを見ると同時に、聴診器を通してこの心拍を聴くことができる。
【0126】
次に図7A及び図7Bを参照して説明する。図7Aは、本発明の他の実施例により構成され、動作するリアルタイム三次元表示の再生システムを図式的に示す図であり、システム全体を参照番号270で参照する。図7Bは、患者の心臓の三次元画像を表示する、図7Aのゴーグルを図式的に示す図である。
【0127】
図7Aに示すように、システム270は、画像重畳プロセッサ272、適応型ボリューム・データベース(AVDB)274、ECGモニター278、ディスプレイ284、同期プロセッサ286、医療用位置決めシステム(MPS)288、拡張カテーテル280、及び複数のMPSセンサ294、296、及び298を具えている。ディスプレイ284は、レンダラ(レンダリング装置)276及びゴーグル282を含む。手術ツール290は、拡張カテーテル280内に挿入する。
【0128】
画像重畳プロセッサ272は、AVDB 274、レンダラ276、及びMPSシステム288に結合する。レンダラ276はさらに、AVDB 274及びゴーグル282に結合する。MPSシステム288はさらに、拡張カテーテル280、レンダラ276、及びMPSセンサ294、296、及び298に結合する。同期プロセッサ286は、AVDB 274及びECGモニター278に結合する。
【0129】
ECGモニター278は、被検査器官の器官タイミング信号を検出して、この信号を同期プロセッサ286に供給する。検出した器官タイミング信号は、一連の三次元画像を、検査する心臓の動きに同期させる。
【0130】
同期プロセッサ286は、ECG信号を分析して、ECG信号における活動状態を特定する。同期プロセッサ286は、AVDB274に検索コマンドを提供して、現在検出した活動状態に応じた画像記録を検索する。
【0131】
AVDB 274は、被検査器官の三次元画像列を、この器官に関連する活動状態、及びこの器官の座標系の位置及び向きと共に含む。なお、この三次元画像列は、システム100を用いるか、あるいは三次元画像を取得するための他の何らかのシステム(例えばMRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴映像)、X線、等)を用いて取得することができる。
【0132】
AVDB 274は、受け取った検索コマンドに従って、器官の特定の活動状態に関連する、器官の三次元画像を選択する。この三次元画像は、器官タイミング信号に同期させて、レンダリングして、その通りに再生することができる。被検査器官が心臓である例では、医師は、ECG信号にリアルタイムで同期した画像列を提供される。医師は、自分の聴診器を使用して心拍を聴きながら、同時に、心臓の動画像表現を見ることができる。
【0133】
レンダラ276は、手術ツール290を基準座標として、被検査器官を基準座標にして、あるいは患者の体を基準座標にして、三次元画像をレンダリングすることができる。選択した基準座標は、静止の基準座標系を定義し、この座標系では、他のすべての物体が移動し得る。
【0134】
例えば、手術ツール290の座標を基準座標として選択した場合には、レンダラ276は、手術ツールが静止して、これに対して心臓が動くように、三次元画像をレンダリングする。従って、医師が手術ツール290を被検査器官に対して動かす際には、医師は、手術ツール290の表現に対して被検査器官が動くことによって被検査器官が動きを示す間に、手術ツール290の静止表現を観測する。
【0135】
逆に、被検査器官の座標を基準として選択する場合には、レンダラ276は、被検査器官が静止して、手術ツール290がこの被検査器官に対して動くように、三次元画像をレンダリングする。従って、医師が手術ツール290を被検査器官に対して動かす際には、医師は、被検査器官に対して手術ツール290の表現が動くことによって手術ツール290が動きを示す間に、被検査器官の静止表現を観測する。
【0136】
MPSシステム288は、MPS発信器(図示せず)、及びMPSセンサ294、296、及び298を具えている。MPSシステム288は、これに装着したセンサ294を用いて、手術ツール290の位置及び向きを測定する。MPSシステム288は、ゴーグル282に装着したMPSセンサ296(図7B)を用いて、ユーザの視点の位置及び向きを検出する。MPSシステム288は、患者の体に装着したMPSセンサ298を用いて、患者の体の位置及び向きを測定する。
【0137】
画像重畳プロセッサ272は、前記選択した心臓の三次元画像を、AVDB 274から受け取る。画像重畳プロセッサ272はさらに、手術ツール290の位置及び向きに関するパラメータ、及び患者の体上の基準点の位置及び向きに関するパラメータを、MPSシステム288から受け取る。
【0138】
画像重畳プロセッサ272は、前記基準点の位置及び向きを用いて、三次元画像の座標系を手術ツール290の座標系に合わせる。画像重畳プロセッサ272は、手術ツール290の表現を心臓の三次元画像に追加して、この画像をレンダラ276に供給する。
【0139】
レンダラ276は、ゴーグル282の位置及び向きに関するパラメータ、及び患者の体の基準点の位置及び向きに関するパラメータを、MPSシステム288から受け取る。レンダラ276は、これらのパラメータを用いて観察面を決定して、前記三次元画像をこの観察面に対してレンダリングする。レンダラ276は、このレンダリングした画像をゴーグル282に供給する。
【0140】
ゴーグル282(図7B)は透視型であり、従って半透明であることが好ましく、医師が実際に、患者の体とゴーグルのスクリーンに投影される画像とを同時に見ることができる。システム270(図7A)は、患者の体の位置及び向き、及びゴーグル282の位置及び向きにより、患者の体上の投影面を決定する。システム270は、ゴーグル282を用いて三次元画像列を表示して、これにより、医師が実際にゴーグル282を通して見れば、この三次元画像が患者の体内にあるように知覚する。
【0141】
次に図8を参照して説明する。図8は、本発明のさらなる実施例による、周期的な三次元画像列の透視図である。この画像列を画像毎にユーザに提示して、動画像のように錯視させる。中間的に提供する三次元画像は、器官タイミング信号のサイクル中の、リアルタイムの検出を行なった特定位置に応じて選択する。
【0142】
図7Aに示すように、AVDB 274は三次元画像を、例えば心臓の各サイクル当たり8画像の割合で連続的に選択する。同期プロセッサ286は、器官タイミング信号のサイクル中の、現在検出を行った特定位置に応じて、AVDB 274に検索コマンドを提供する。AVDB 274は、心臓のタイミング信号(図4)中の選択点t0=0、t1=1/8T、t2=2/8T、t3=3/8T、及びt7=7/8Tに応じて、それぞれ三次元画像330A、330B、330C、330D、及び330Hを検索する。上述したように、各三次元画像330は、心臓の特定の活動状態に関連する。従って、画像330A、330B、330C、330D、及び330Hを周期的に再生することによって、(即ち、心臓の周期的な動きの反復的な性質によって、)器官の動きを擬似現実的に図示することができる。
【0143】
次に図9を参照して説明する。図9は、本発明の他の実施例により動作する画像重畳プロセスを図式的に示す図である。システム270(図7A)は、図330Aのような選択した各画像中に、現在使用中の手術ツール328の表現を導入する。この表現は、最小の表現(例えばカーソルを形成する)にすることも、手術ツールの擬似現実的視覚化を提供する巧妙な表現にすることもできる。
【0144】
三次元画像330Aの位置及び向きは、座標系326(X,Y,Z)内で定める。同様に、MPSセンサ318の位置及び向き、従って手術ツール328の位置及び向きも、座標系326(X,Y,Z)内で定める。従って、手術ツール328のリアルタイム表現を、三次元画像330Aに追加することができる。図7Aに示すように、画像重畳プロセッサ272が、手術ツール328の表現を、選択した三次元画像330Aに追加して、三次元画像330Aは、三次元ボリューム200A内に再構成したものである。なお、手術ツール328は、鉗子、レーザーカッター、ブラシ、カテーテル、ステント、バルーン、ペースメーカー電極、液剤調剤装置、ニューロン電極、物質収集装置、手術搬送ツール(例えば、遺伝子、薬剤、装置等を搬送する)、等のような慣例のツールである。例えば、装置搬送ツールは、永久ステント、着脱可能ステントのような医療装置を患者の体に搬送するための医療ツールとすることができる。
【0145】
本発明は、医師が、心臓のような活動的な対象物を、医師が使用中の手術ツールのリアルタイム表現付きで取り扱うことを可能にする。次に図10を参照して説明する。図10は、本発明のさらなる実施例により動作する、システム270の動作方法を図式的に示す図である。手順300では、被検査器官の器官タイミング信号を検出する。本発明によれば、システム100(図1)は、被検査器官に応じて選択した医療モニター装置を具えている。こうした装置は、器官の時間依存性の信号を検出し、この信号は器官の動きに関連する。図7Aに示すように、ECGモニター278は心臓のタイミング信号を検出する。
【0146】
手順302では、器官タイミング信号中で選択した時点に関連する、器官(例えば心臓)の三次元画像を選択する。図7Aに示すように、AVDB 274は器官の三次元画像を選択する。
【0147】
手順304では、手術ツールの位置及び向きを検出する。手術ツールの位置及び向きの検出は、磁界、超音波三角測量または超音波放射、不活性センサ、センサ、即ち死亡判定センサ、等のような、従来技術において既知の方法によって実行することができる。図7Aに示すように、MPSシステム288は、手術ツール290に装着したセンサ294を用いて、手術ツール290の位置及び向きを検出する。
【0148】
手順306では、手術ツール290の位置及び向きの表現を、選択した三次元画像上に重畳する。図7Aに示すように、画像重畳プロセッサ272が、手術ツール290の位置及び向きに関するパラメータを、選択した三次元画像上に重畳する。
【0149】
手順308では、ユーザの視点の位置及び向きを検出する。ユーザの視点の位置及び向きは、ゴーグル282の位置及び向きから導出する。ゴーグル282の位置及び向きのパラメータが、ユーザの観察面を決定する。システム270は、ゴーグル282のLCD素子毎の(即ち片目毎の)、2つの観察面を決定することができる。図7Aに示すように、MPSシステム288が、ゴーグル282に装着したセンサ296を用いて、ゴーグル282の位置及び向きを検出する。なお、2つ以上の表示装置(即ち2つ以上のゴーグル)をシステムに導入して、各ゴーグルに異なるMPSセンサを装着することができる。
【0150】
手順310では、ユーザの視点の位置及び向きに応じて、選択した三次元画像をレンダリングする。図7Aに示すように、レンダラ276が、視点の位置及び向きに応じて、選択した三次元画像をレンダリングする。
【0151】
手順312では、レンダリングした三次元画像列(即ち三次元動画像)を表示する。被検査器官の三次元動画像は、モノスコープ、ステレオスコープ(立体視)、ホログラフィー、(例えば、ビデオモニター、ゴーグル、ホログラフィー生成器、等)のような、あらゆる種類のディスプレイに表示することができる。図7Aに示すように、ゴーグル282はレンダリングした三次元画像列を表示する。
【0152】
次に図11を参照して説明する。図11は、本発明の他の実施例により構成され、動作する、管内撮像兼手術システムを図式的に示す図であり、システム全体を参照番号350で参照する。管内撮像兼手術システム350は、管内超音波システム(IVUS)トランスデューサ352、手術ツール(即ち、通常は最小侵入型手術装置)354、MPSセンサ356、及び358、装着カテーテル360、及び拡張カテーテル362を具えている。IVUSトランスデューサ352はカテーテル360に装着する。なお、本実施例には、回転音響ミラーを具えたもののような他のIVUS装置も適用可能である。
【0153】
IVUSトランスデューサ352は超音波を発生して、この超音波を管状の器官(図示せず)の内壁に指向させて、参照番号364の表面に行き渡らせる。表面364は、この表面に指向された超音波の一部を反射する。IVUSトランスデューサ352は、これらの反射超音波を検出して、これを表わす信号を、IVUSトランスデューサ352に結合した画像処理システム(図示せず)に供給する。慣例の画像処理システムは、すべての二次元画像から、各二次元画像の位置及び向きに従って、単一の三次元画像を再構成する。本発明によれば、この画像処理システムが複数の三次元画像を再構成して、各三次元画像が、器官タイミング信号のタイミング・サイクル中の異なる位置についてのものである。
【0154】
なお、IVUSは、診断中、治療中、及び研究の遂行中に、冠状動脈の内部を撮像するために使用する。このシステムは、冠状動脈(及び他の血管)の概括的及び詳細な知見を提供する。慣例のIVUS検出器は、例えば、Boston Scientific Scimed社製造のUltra-Cross systemか、あるいはJomed USA社製造のIn-Vision system (別称Endosonics)であり、両社共、米国カリフォルニア州サンディエゴに存在する。これらのシステムは主に、冠状動脈の画像をスライスにするために使用する。
【0155】
本発明は、慣例のIVUS素子と独自の小型MPSセンサとの組み合わせを用いて、血管の量的モデルを作成するための新規の構造を提供する。こうした組み合わせは案内型(Guided)IVUSまたはGIVUSと称され、これについては以下に説明する。本発明のさらなる実施例によれば、ECG信号を用いて、GIVUS画像列を視覚的に安定化することができる。ECG信号サイクル中で選択した時点によって、この瞬間における血管内の局所的な血圧が決まり、この血圧によって、サイクル中のこの時点における血管の瞬間的な直径が決まる。従って、血管の視覚的な直径は画像処理によって人工的に調整することができ、これにより、手術手順中の血管を静止画像で表示することができる。
【0156】
概して、本発明の新規のGIVUSシステムは、医師をナビゲートする「3D(三次元)ロードマップ」を作成する。こうしたロードマップを作成するために他の方法も用いることができ、このロードマップは、前記ボリューム・データベースに格納して、本発明の方法により、例えば3D ANGIO(血管造影検査装置、血管撮像装置)、リアルタイムMRI、等のように再生することができる。
【0157】
次に図12を参照して説明する。図12は、本発明のさらなる実施例により構成され、動作する多機能二次元撮像システムを図式的に示す図であり、システム全体を参照番号400で参照する。図12に示す例では、システム400を、心臓の二次元画像を生成して、この画像列を、心臓の動きに同期してリアルタイムで再生すべく適応させている。
【0158】
二次元撮像システム400は、主コンピュータ402、二次元画像取得装置404、ECGモニター406、医療用位置決めシステム(MPS)408、フレーム・グラバー410、画像データベース414、画像重畳プロセッサ416、手術ツール420、複数のMPSセンサ4321、4322、及び432N、及びディスプレイ430を具えている。
【0159】
二次元画像取得装置404は、画像トランスデューサ418を具えている。ECGモニター406は、検査あるいは手術中に、複数のECG電極428を用いることによって、心臓の電気的タイミング信号を連続的に検出する。
【0160】
主コンピュータ402は、ECGモニター406、MPSシステム408、フレーム・グラバー410、画像重畳プロセッサ416、及びディスプレイ430に結合する。二次元画像取得装置404はフレーム・グラバー410に結合する。MPSシステム408は、MPS発信器(図示せず)、及びMPSセンサ4321、4322、及び432Nに結合する。
【0161】
システム400は、被検査器官の二次元画像列を取得して、手術ツール420の投影表現を重畳させて再生することに指向したものである。トランスデューサ418は、被検査器官の二次元画像を複数検出して、これらの二次元画像を二次元画像取得装置404に供給して、二次元画像取得装置404はさらに、これらの二次元画像をフレーム・グラバー410に転送する。フレーム・グラバー410は、検出した各二次元画像を保持して、この二次元画像を主コンピュータ402に供給し、主コンピュータ402は、これらの二次元画像を、RCGモニター406から受信した器官タイミング信号と共に、画像データベース414に記憶する。これらの画像は、被検査器官の選択した平面の周期的な二次元画像列を作成するために、いつでも使用することができる。システム400は、上述した手順と同様の手順を用いて、この画像列を、被検査器官のタイミング信号のリアルタイムの読み取り値と同期させることができる。
【0162】
図12に示す例は、MPSセンサ4322及びMPSシステム408を具えて、MPSセンサ4322は、取得画像毎にトランスデューサ418の位置及び向きを検出し、MPSシステム408は、すべての取得画像が同一平面内に存在するか否かを特定する。同一平面内に存在しない場合には、MPSシステム408はユーザに対して、所定平面からの偏りを、視覚的方法、聴覚的方法、あるいは機械的方法(例えば、振動による方法、等の)のいずれかの方法で示すことができる。なお、本発明のさらなる実施例によるシステム400をより簡単にしたものは、前記トランスデューサに取り付けたMPSセンサを具えていない。
【0163】
MPSセンサ4321は、手術ツール420の位置及び向きを検出する。MPSシステム408は、手術ツール420の位置及び向きを検出して、この情報を主コンピュータ402に提供して、主コンピュータ402はこの情報を画像重畳プロセッサ416に提供する。画像重畳プロセッサ416は、空間内における手術ツール420の表現を決定して、この表現を検出画像の平面に投影した投影像を導出して、この投影像を各画像上にリアルタイムで重畳する。ディスプレイ430は、この重畳を行った画像列をユーザに対して表示する。
【0164】
画像重畳プロセッサ416は、手術ツールの位置のような追加的な情報を、前記重畳を行った画像列の、観察面の上方または下方に追加することができる。例えば、手術ツールのうち、観察面の一方の側に位置する部分は赤色を用いて示し、観察面の他方の側に位置する部分は青色を用いて示し、観察面上に位置する部分は赤色を用いて示す。なお、二次元システム400は、図1のシステムよりも少ない視覚情報を提供し、システム400が必要とする処理能力(パワー)及び記憶領域ははるかに小さく、従って、大幅に低いコストで製造することができる。
【0165】
次に図14を参照して説明する。図14は患者のECGを図式的に示す図であり、全体を参照番号442で参照する。ECG442は、複数の心臓サイクル444、446、及び448の各々における活動状態T1、T2、及びT3のような複数の活動状態(例えばECGサイクルの位相)を含む。出願人は、例えば図13Bの位置70、72、及び74のような位置の変化は患者の心拍によるものであり、そしてこのことが、軌跡50が不正確になる理由であることを見出している。従って、各心臓サイクル444、446、及び448中において、異なる活動状態では動脈の位置及び向きが異なる。
【0166】
例えば、各心臓サイクル444、446、及び448の活動状態T1では、動脈の位置及び向きは、図13Bの位置70における動脈の画像で表わされる。各心臓サイクル444、446、及び448の活動状態T2では、動脈の位置及び向きは、位置72における動脈の画像で表わされる。各心臓サイクル444、446、及び448の活動状態T3では、動脈の位置及び向きは、位置74における動脈の画像で表わされる。従って、図13Bの点52、54、56、58、60、62、64、66、及び68の各々が、カテーテル12(図13A)の撮像チップ(端)の位置及び向きに対応し、心臓サイクルの異なる活動状態では、動脈の位置及び向きが異なる。
【0167】
例えば、点52は心臓サイクル444中の活動状態T1に対応し、このことは、カテーテル12の撮像チップが点52にある際には、患者22の心臓32が活動状態T1にある、ということを意味する。点54は心臓サイクル444中の活動状態T2に対応し、このことは、カテーテル12の撮像チップが点54にある際には、患者22の心臓32が活動状態T2にある、ということを意味する。点56は心臓サイクル444中の活動状態T3に対応し、このことは、カテーテル12の撮像チップが点56にある際には、患者22の心臓32が活動状態T3にある、ということを意味する。点58は心臓サイクル446の活動状態T1に対応する。点60は心臓サイクル446の活動状態T2に対応する。点62は心臓サイクル446の活動状態T3に対応する。点64は心臓サイクル448の活動状態T1に対応する。点66は心臓サイクル448の活動状態T2に対応する。点68は心臓サイクル448の活動状態T3に対応する。
【0168】
本発明の他の要点によれば、位置および向きの測定値、並びに取得した画像を、取得あるいは測定時の、被検査器官の活動状態に対応させて処理する。例えば、本発明のこの要点によるシステムでは、撮像システムが、撮像カテーテルの軌跡を被検査器官の三次元画像上に重畳させて表示し、この三次元画像は、被検査器官内部の撮像カテーテルの、現在の位置及び向きによって決まる活動状態に対応する。このシステムは、撮像カテーテルが被検査器官の内部で追従する経路を記録し、この経路は前進方向も後退方向もあり得る。このシステムはさらに、この経路を、監視(モニター)している被検査器官の活動状態、及び撮像カテーテルの瞬時的な位置及び向きと共に記録する。
【0169】
次に図15A及び図15Bを参照して説明する。図15Aは、本発明の他の実施例により構成され、動作するシステムを図式的に示す図であり、システム全体を参照番号450で参照する。図15Bは、図15Aのシステムにおける撮像カテーテルのチップの軌跡を図式的に示す図である。
【0170】
図15Aに示すように、システム450は、撮像カテーテル452、撮像システム454、MPS456、発信器458、体用MPSセンサ490、プロセッサ460、複数のECG電極(図示せず)、ECGモニター464、及びディスプレイ466を具えている。撮像カテーテル452は、撮像MPSセンサ468、及び画像検出器470を具えて、これらは共に、撮像カテーテル452のチップ472に位置する。
【0171】
図15Aに示す例では、画像検出器470が光コヒーレンス断層撮影(OCT:optical coherence tomography)用撮像素子である。なお画像検出器470は、上述のIVUSトランスデューサまたは他の種類の超音波トランスデューサ、磁気共鳴撮像(MRI)素子、サーモグラフィー装置、等に置き換えることができる。
【0172】
撮像システム454は、画像検出器470が検出する画像を表現する信号を発生する。MPS456、プロセッサ460、ECGモニター464、及びディスプレイ466はそれぞれ、図1のMPS108、主コンピュータ102、ECGモニター106、及びディスプレイ130と同様のものである。ディスプレイ466は、二次元ディスプレイ、適切な両眼鏡で見るオート・ステレオスコープ(自動立体視)ディスプレイ、両目用ゴーグル、等である。MPS456の位置及び向きのプロセッサは、グローバル(大域的)座標系の原点を規定する。ECGモニター464を専用の器官モニターで置き換えて、腸、まぶた、目、脳、肝臓、肺、腎臓、等のような、心臓以外の器官の器官タイミング信号を監視(モニター)することができる。撮像MPSセンサ468は、撮像カテーテル452のチップ472の位置及び向き、従って画像検出器470の位置及び向きを測定する。
【0173】
撮像カテーテル452は被検査器官474内に配置し、本実施例では、例えば動脈内に配置する。なお被検査器官は、食道、静脈、気管支、輸尿管、等のような、動脈以外の器官もあり得る。
【0174】
ECG電極は、患者462の体、及びECGモニター464に取り付ける。体用MPSセンサ490は、患者462の体、及びMPS456に取り付ける。プロセッサ460は、撮像システム454、MPS456、ECGモニター464、及びディスプレイ466に結合する。MPS456はさらに、撮像MPSセンサ468及び発信器458に取り付ける。撮像システム454はさらに、画像検出器470に結合する。
【0175】
MPS456はMPSセンサ毎に、MPSセンサの、前記グローバル座標系の原点に対する座標を測定する。測定した座標は、3つの直線変位パラメータ及び3つの角度パラメータを含む。MPS456は、前記測定した座標を表わす座標データをプロセッサ460に供給する。
【0176】
MPS456は、体用MPSセンサ490を用いて患者の位置及び向きを検出し、この位置及び向きは、操作中に患者が動く場合に基準の役目をする。オペレータ(図示せず)は、撮像カテーテル452を手動で、被検査器官474に挿入し、あるいは被検査器官474から引き出し、その向きをそれぞれ矢印476及び478で表わす。
【0177】
次に、本発明の一実施例による走査プロセスについて説明する。本実施例は、画像データ、及び位置と向きのデータを、器官の活動に対応させて処理することによって、従来技術の欠点を克服する。
【0178】
オペレータは、撮像カテーテル452を被検査器官474に挿入して、被検査器官474内で撮像カテーテル452を、向き476及び478に動かす。画像検出器470は、被検査器官474の、撮像カテーテル452のチップ472を取り巻く領域の二次元画像を複数検出して、それぞれの二次元画像の画像信号を撮像システム454に供給する。撮像システム454は受信した画像信号を分析して、前記二次元画像のディジタル表現を作成して、これらのディジタル表現を画像データとしてプロセッサ460に供給する。
【0179】
MPS456は、撮像カテーテル452が被検査器官474内を移動する間に、MPSセンサ468から受信した信号を用いて、撮像カテーテル452の位置及び向き、従って検出した各二次元画像の位置及び向きを測定する。なお、撮像MPSセンサ468の測定値は、撮像カテーテル452の移動の向き476及び478には無関係である。
【0180】
ECG電極は患者462のECGを検出して、検出したECGを表わすECG信号をECGモニター464に供給する。ECGモニター464は、受信したECG信号を分析することによってECGデータを生成して、このECGデータをプロセッサ460に供給する。
【0181】
プロセッサ460は、二次元画像、それぞれの位置及び向きのデータ、及びそれぞれのECGデータを処理して、各二次元画像を、それぞれの位置及び向きのデータ、及びそれぞれのECG信号に関連付ける。プロセッサ460は、それぞれの二次元画像の位置及び向きのデータ、及びそれぞれの二次元画像のECGタイミングに従って、各二次元画像を並べ替えて、選択した活動状態に関係する二次元画像から三次元画像を再構成して、選択した活動状態に関係する位置及び向きのデータからカテーテルの軌跡を計算する、等を行う。そしてプロセッサ460は、これらの二次元画像を、適応型ボリューム・データベース114(図1)のようなデータベースに記憶する。
【0182】
例えば図14を参照すれば、プロセッサ460は、ECG信号442のあらゆるサイクルにおける活動状態T1中に検出したすべての二次元画像(即ち、時点512、518、及び524で取得した画像)どうしの関連付けを行う。同様に、プロセッサ460は、ECG信号442のあらゆるサイクルにおける活動状態T2中に検出したすべての二次元画像(即ち、時点514、520、及び526で取得した画像)どうしの関連付けを行って、さらに、ECG信号442のあらゆるサイクルにおける活動状態T3中に検出したすべての二次元画像(即ち、時点516、522、及び528で取得した画像)どうしの関連付けを行う。
【0183】
プロセッサ460は、所定の活動状態Tiに関連するすべての二次元画像から三次元画像を再構成する。図15Bに示すように、プロセッサ460は、被検査器官474の活動状態T1(図14)における画像である三次元画像500を再構成し、そして被検査器官474の活動状態T2における画像である三次元画像502を再構成する。同様にプロセッサ460は、被検査器官474の活動状態T3における画像である三次元画像504を再構成する。
【0184】
プロセッサ460は、活動状態T1に関連する時点512、518、及び524から軌跡506を計算する。同様にプロセッサ460は、活動状態T2に関連する時点514、520、及び526から軌跡508を計算して、さらに、活動状態T3に関連する時点516、522、及び528から軌跡510を計算する。
【0185】
プロセッサ460は、計算した各軌跡と再構成した三次元画像のうちの1つとを関連付け、これらの軌跡及び三次元画像は、器官の所定の活動状態に関係する。図15Bを参照すれば、プロセッサ460は、軌跡506と再構成した三次元画像500とを関連付け、これらは活動状態T1に関係する。同様に、プロセッサ460は、軌跡508と再構成した三次元画像502とを関連付け、これらは活動状態T2に関係し、さらに軌跡510と再構成した三次元画像504とを関連付け、これらは活動状態T3に関係する。
【0186】
軌跡を計算するために用いる点512、514、516、518、520、522、524、526、及び528は、それぞれの点において二次元画像を取得した点でもあるので、プロセッサ460は、計算した各軌跡を、それぞれの軌跡に対応する再構成した三次元画像上に重畳することができる。例えばプロセッサ460は、軌跡506を三次元画像500上に重畳して、軌跡508を三次元画像502上に重畳して、軌跡510を三次元画像504上に重畳する。
【0187】
なお、点512、514、516、518、520、522、524、526、及び528は、図13Bの点52、54、56、58、60、62、64、66、及び68が表わす状況と同様の状況を表わす。しかし、本発明によれば、プロセッサ460が各三次元画像を再構成し、そして撮像カテーテルのチップの座標に対応する各軌跡を計算して、この座標は、再構成した三次元画像の活動状態と同じ活動状態に属する。
【0188】
なお、プロセッサ460は、MPS456から受け取ったデータにより、走査プロセス中の撮像カテーテル452の進行速度を監視(モニター)する。なお、三次元ボリュームを十分な画像データで満たすためには、画像検出器470の進行毎に所定数の二次元画像が必要である。一部の画像検出器は、所定期間中に多数の画像を検出することしかできない。従ってプロセッサ460は、カテーテル452の画像検出器470の進行速度が所定しきい値以下であることを検出して、これにより、被検査ボリュームのどの所定部分についても、画像検出器470が十分な二次元画像を検出していることを判定する。プロセッサ460が、画像検出器470の進行速度が所定しきい値を超えていることを検出した場合には、プロセッサ460が警報信号を発生して、走査が許容外であること、あるいは走査を部分的にやり直すか、または走査全体をやり直すべきであることをオペレータに通知する。そしてオペレータは走査プロセスをやり直す。この警報信号の種類は、オーディオ、視覚、触覚、等である。
【0189】
以下において「手術手順」とは、切開を行うこと、組織の試料(サンプル)を収集すること、体液の試料を収集すること、器官内に化学物質を導入すること、手術ツールまたは手術装置を導入することのように、患者の器官に対する生体内(器内)の操作のことを称する。
【0190】
次に図16A、図16B、図16C、及び図16Dを参照して説明する。図16Aは、図15Aのシステムをさらに手術手順に適応させたものを図式的に示す図である。図16Bは、本発明のさらなる実施例により構成され、動作するグラフィカル(図形表示)・ユーザ・インタフェース(GUI:graphical user interface)を図式的に示す図であり、GUI全体を参照番号730で参照する。図16Cは、本発明の他の実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図であり、GUI全体を参照番号760で参照する。図16Dは、器官の動きに依存する三次元画像列を再構成して、撮像システム、MPS、及びECGモニターから受信した信号を処理することによって、追加的な視覚データをこの三次元画像列上に重畳するプロセスを図式的に示す図である。この追加的な視覚データは、被検査器官内の手術用具の位置、被検査器官内のカテーテルの軌跡、等を含むことができる。
【0191】
図16Aに示すように、システム450はさらに、手術カテーテル480、ガイダンス(案内)・ユニット482、及びリアルタイム撮像システム484を含む。手術カテーテル480はさらに、手術ツール486、及び手術ツール486の先端にカテーテルMPSセンサ488を具えている。手術ツール486は、手術カテーテル480に装着可能で交換可能な多種の手術装置のうちの1つである。なお手術ツール486は、鉗子、レーザーカッター、ブラシ、カテーテル、ステント、バルーン、ペースメーカー電極、切除カテーテル、電気生理学的マッピング(地図作成)装置、液剤調剤装置、ニューロン電極、物質収集装置、手術搬送ツール(例えば、遺伝子、薬剤、装置等を搬送する)、内視鏡、撮像装置、等のような慣例のツール、あるいはこれらの組み合わせである。例えば、装置搬送ツールは、永久ステント、着脱可能ステントのような医療装置を患者462の体に搬送するための医療ツールとすることができる。カテーテルMPSセンサ488はMPS456に結合する。
【0192】
ガイダンス・ユニット482は手術カテーテル480に結合する。ガイダンス・ユニット482は、被検査器官内で手術ツールの空間的なナビゲーションを行うための装置である。リアルタイム撮像システム484は、患者462の体の被検査器官を含む部分のリアルタイム画像を連続的に提供する撮像システムである。リアルタイム撮像システム484は、X線テーブル(検査台)、透視検査装置、超音波システム、MRIシステム、等である。本実施例では、リアルタイム撮像システム484は、患者462の体の下に位置しても上に位置してもよく、そしてプロセッサ460に結合する。
【0193】
オペレータが被検査器官474(図15A)の走査を完了して、プロセッサ460が被検査器官474の三次元画像を生成すると、撮像カテーテル452を被検査器官474から除去することができる。そして手術カテーテル480を被検査器官内に挿入して、被検査器官474に対する手術手順を実行する。
【0194】
システム450は、記憶している三次元画像を、記憶している患者の器官タイミング信号に同期して再生するか、あるいは任意の速度で順に再生することができる。システム450は手術手順中に使用することもでき、この場合には、システム450が、記憶している三次元画像を、患者のリアルタイムの器官タイミング信号に同期して再生する。システム450は、再生する三次元画像列中に追加的な情報を導入することができる。この追加的な情報は、手術ツールの表現、走査プロセス中に計算した手術ツールの軌跡、リアルタイムの撮像データ、等を含むことができる。
【0195】
手術手順中には、MPS456が、カテーテルMPSセンサ488から受信した信号により、手術ツール486のリアルタイムの位置及び向きを測定して、MPS456は、この位置及び向きを表わす座標データをプロセッサ460に供給する。リアルタイム撮像システム484は、患者462の体のリアルタイム画像を取得して、リアルタイム画像データをプロセッサ460に供給する。ECGモニター464は、患者462の心臓の活動状態を検出して、リアルタイムECGデータをプロセッサ460に供給する。プロセッサ460は、手術手順中にリアルタイムで検出した患者462の心臓の活動状態に応じて、被検査器官474の三次元画像を、ボリューム・データベース114(図1)のようなデータベースから選択する。
【0196】
プロセッサ460は、リアルタイムで検出した患者462の心臓の活動状態に応じて、走査プロセス中に計算した軌跡から1つの軌跡を選択する。プロセッサ460は、この選択した軌跡を、選択した三次元画像上に重畳する。一旦、手術ツールのMPSセンサの座標系と、予め記憶している三次元画像列の座標系とを合わせると、プロセッサ460は、この三次元画像列上に手術ツールの表現を追加することができる。
【0197】
なお、プロセッサ460はさらに、手術ツールの位置に従って、軌跡の視覚表現を変更することができる。例えばプロセッサ460は、軌跡の、手術ツールのチップの位置より後方の部分を選択した一色にして、これにより、手術カテーテルのそれまでの経路を示すことができる。同様に、プロセッサ460は、軌跡の、手術ツールのチップの位置より前方の部分を異なる色にして、これにより、医師が手術カテーテルを進めるべき理論的な経路を示す。
【0198】
ディスプレイ466は、プロセッサ460から受信したビデオ信号によりグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を表示する。このGUIは、患者の被検査器官に関係する医療情報を含み、これにより、ユーザと被検査器官とのかかわり合いを促進することができる。GUIは、異なる視点からの被検査器官の画像、あるいは異なる種類の検出器によって検出した被検査器官の画像を表示するための、異なるウィンドウ(表示窓)を含むことができる。これに加えて、GUIは、器官タイミング信号を表わす情報、及び器官の異なる活動状態に対応する、被検査器官の異なる画像を見るための手段を含むことができる。GUIは、手術ツールのリアルタイムの位置及び向き、手術ツールの過去及び将来の軌跡、等のような、補助的な情報を含むことができる。
【0199】
図16Bに示す実施例では、GUI 730がウィンドウ732及び734を含む。ウィンドウ732は、再構成した被検査器官外部の三次元ナビゲーション画像736を含む。なお、この外部の三次元画像は半透明に再構成することができ、即ち、近い方の壁面を透明にして、これにより遠い方の壁面が近い方の壁面を通して見えるようにする。
【0200】
本実施例では、被検査器官が患者462の下行大動脈744である。ウィンドウ732はさらに、手術ツールの表現738を含み、これは手術ツール486と同様に、外部の三次元ナビゲーション画像736上に重畳する。
【0201】
外部の三次元ナビゲーション画像736は、下行大動脈744のリアルタイム三次元画像列であり、リアルタイムで検出した患者462の心臓の活動状態に対応する。プロセッサ460は、MPS456から受け取ったリアルタイム座標データに従って、リアルタイムの、手術ツール486の表現738を、外部の三次元ナビゲーション画像736上に重畳する。これにより、表現738は、手術ツール486の、下行大動脈744内の現在の位置及び向きを示す。
【0202】
本発明の他の実施例によれば、プロセッサ460が、リアルタイムで検出した器官の活動状態に応じて、被検査器官の三次元画像を選択して、選択した三次元画像の投影をリアルタイム二次元ナビゲーション画像上に重畳する。図16Bに示す例では、GUI734が、患者の体の手術中の領域のリアルタイム二次元ナビゲーション画像758を含む。この例では、この領域は、患者462の心臓740、及び上行大動脈742、下行大動脈744、上行大静脈746、肺静脈748、腹大動脈750、及び下行大静脈752のような、心臓740につながる静脈及び動脈を含む。
【0203】
プロセッサ460は、再構成した三次元画像736の投影754を、リアルタイム撮像システム484によって取得したリアルタイム二次元ナビゲーション画像758上に重畳して、これにより、組み合わせの二次元画像を作成してウィンドウ734内に表示する。プロセッサ460はさらに、手術ツール486の表現756を、リアルタイム二次元ナビゲーション画像758上に重畳する。表現756は、下行大動脈744内の手術ツール486の現在の位置及び向きを示す。プロセッサ460は、リアルタイムで検出した患者462の心臓の活動状態に応じて、投影754をリアルタイムで選択して、これにより、リアルタイム二次元ナビゲーション画像758の視覚的な動きに追従する。
【0204】
なお、リアルタイム撮像システム484の、グローバル座標系の原点に対する位置は、発信器458に対して固定の所定位置に定めるか、あるいはリアルタイム撮像システム484に結合したMPSセンサによって測定するかのいずれかとする。
【0205】
プロセッサ460は、走査プロセス(図15A)中に取得したMPS座標データに従って、二次元画像754を、リアルタイム二次元画像758中の下行大動脈744の実際位置上に重畳する。このようにしてオペレータは、患者462の体の強調表示部分(即ちウィンドウ734内の投影754)にある手術カテーテル480の瞬時的な位置及び向きを観測することによって、ガイダンス・ユニット482の助けを借りて下行大動脈744内の手術カテーテル480のナビゲーションを行うことができる。
【0206】
GUI 760はウィンドウ762及び764を含む。ウィンドウ762は、患者462の他の被検査器官外部の、再構成した三次元ナビゲーション画像766を含む。この場合には、被検査器官は、患者462の心臓の、左冠状動脈主幹部及び左前下行冠状動脈(LM&LADartery:left main & left anterior descending artery)766である。ウィンドウ762はさらに手術ツールの表現768を含み、これは、手術ツール486と同様に外部の三次元ナビゲーション画像情に重畳する。
【0207】
ウィンドウ764は、心臓770のリアルタイム二次元ナビゲーション画像772を含む。心臓770はLM&LAD冠状動脈776を具えている。プロセッサ460は、再構成した三次元画像766の投影774を、リアルタイム二次元ナビゲーション画像772上に重畳する。プロセッサ460はさらに、手術ツール486の表現778を、リアルタイム二次元ナビゲーション画像772上に重畳する。表現778は、LM&LAD冠状動脈776内の手術ツール486の現在の位置及び向きを示す。
【0208】
グラフィック(図形)表現のプロセスがこれに続き、このプロセスでは、プロセッサ460が、手術ツールの軌跡、手術ツールの表現、等のような補助的な情報を含む三次元画像を生成する。プロセッサ460は、検出した画像データ、MPSの座標データ、器官のタイミングデータ、等のような異なるデータを処理することによって、三次元画像を生成する。
【0209】
図16Dに示すように、プロセッサ460は、MPSの座標データ552に従って、複数の二次元画像554から被検査器官474の三次元画像502を再構成し、これらのデータ及び画像のすべてが、ECGデータ556のサイクル中で選択した活動状態に関係する。プロセッサ460は、T2の活動状態に属するすべての二次元画像から三次元画像502を再構成する。これに加えて、プロセッサ460は、点514、520、及び526から撮像カテーテルのチップの軌跡558を作成して、この軌跡は活動状態T2に対応する。
【0210】
システム450は、記憶しているECGデータ、あるいは所定の時間間隔に従って、再構成した画像列、あるいはその元になる取得した二次元画像の選択したサイクルを再生することができる。システム450は、再構成した画像列、あるいはその元になる取得した二次元画像の選択したサイクルを、リアルタイムで検出したECGデータに同期して再生することもできる。
【0211】
なお、手術ツールは被検査器官内をリアルタイムで移動するので、その意味では、器官タイミング信号に対して同期する必要はない。しかし、プロセッサ460が、画像を取得した座標系を、手術ツールのMPSセンサの座標系と共に記録するか、あるいは、画像取得プロセス及び手術手順用の再生のために、同じ座標系を使用しなければならない。
【0212】
次に図17を参照して説明する。図17は、本発明のさらなる実施例により構成され、動作する、被検査器官内部の三次元ナビゲーション画像を図式的に示す図であり、図全体を参照番号600で参照する。内部の三次元ナビゲーション画像600は、被検査器官474(図15A)のような被検査器官の内壁画像602を含み、これは、オペレータが被検査器官の内部に位置するように見える画像である。内部の三次元ナビゲーション画像600はさらに、手術ツール486(図16A)のような手術ツールの、手術中の現在位置の表現604を含む。内部の三次元ナビゲーション画像600はさらに、手術ツールの現在位置より後方から見た手術カテーテルの表現606を含む。内部の三次元ナビゲーション画像600はさらに、手術ツールの現在位置から見た、撮像カテーテル452(図15A)のような撮像カテーテルの、手術ツールの現在位置に続く将来の軌跡の表現608を含む。
【0213】
内壁画像602は、被検査器官の、画像検出器470を取り巻く部分の画像である。軌跡の表現608は、図15Aの走査プロセス中に、撮像カテーテルのチップが、被検査器官内を進行した軌跡を表現する。軌跡の表現608は、被検査器官内で手術カテーテルが追従する理論的な前方経路、即ちオペレータが被検査器官内で手術ツールを前進させるべき経路を表示する。
【0214】
次に図18を参照して説明する。図18は、本発明の他の実施例により構成され、動作する被検査器官・ECG同時表示のディスプレイを図式的に示す図であり、ディスプレイ全体を参照番号630で参照する。ECG同時表示のディスプレイ630は、ECGタイミング信号632、前進ボタン634、後退ボタン636、静止(フリーズ)ボタン638、及び被検査器官474(図15A)のような被検査器官外部の三次元画像640を含む。
【0215】
外部の三次元画像640はウィンドウ642内に表示され、この画像はECGタイミング信号632中の活動状態644に対応する。オペレータが前進ボタン634を押すと、被検査器官外部の三次元画像列がウィンドウ642内に表示される。ウィンドウ642内に表示される外部の三次元画像の各々が、ECGタイミング信号632中のそれぞれの活動状態に対応し、タイミング信号632が矢印646で表わす向きに前進するように表示される。
【0216】
オペレータが後退ボタン636を押すと、被検査器官外部の三次元画像列が順次、ウィンドウ642内に表示される。ウィンドウ642内に表示される外部の三次元画像の各々が、ECGタイミング信号632中のそれぞれの活動状態に対応し、タイミング信号632が矢印648で表わす向きに後退するように表示される。
【0217】
オペレータが静止ボタン638を押すと、選択した活動状態650に対応する被検査器官外部の三次元画像がウィンドウ642内に表示される。このようにして、ウィンドウ642内の被検査器官外部の三次元画像が、活動状態650で静止状態に留まり、その間に、医師が被検査器官の三次元画像を検査することができる。
【0218】
ウィンドウ642内に表示される外部の二次元画像の各々は、システム450(図15A)が走査プロセス中に取得したものである。こうしてオペレータは、被検査器官外部の三次元画像を、患者の心臓が鼓動するようにアニメーション(動画)化して見ることができ、これは時間が進むように見ることも、時間が後戻りするように見ることもできる。あるいはまた、オペレータは、選択した時点で静止ボタン638を押すことによって、患者の心臓サイクル中で選択した活動状態に対応する、被検査器官外部の三次元画像を見ることができる。なお、基準リアルタイム画像のような他の画像列(即ち、透視検査画像等のように、ナビゲーション中のロードマップ(道案内図)の役割をするもの)も、静止させることができる。
【0219】
次に図19A及び図19Bを参照して説明する。図19Aは、本発明のさらなる実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図であり、GUI全体を参照番号670で参照する。図19Bは、本発明の他の実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図であり、GUI全体を参照番号700で参照する。
【0220】
図19Aに示すように、GUI 670は、被検査器官の横断面図672、水平目盛(水平ルーラー)674、垂直目盛(垂直ルーラー)676、複数の垂直ガイド6781、6782、6783、6784、6785、6786、及び複数の水平ガイド6801、6802、6803、6804、6805、6806を含む。横断面図672はプラーク682の画像を含む。オペレータは、垂直ガイド6781、6782、6783、6784、6785、6786の位置、及び水平ガイド6801、6802、6803、6804、6805、6806の位置を、それぞれ水平目盛674上及び垂直目盛676上で読み取ることによって、直径、面積、閉塞の%比率、等のような被検査器官の幾何学的パラメータを測定する。オペレータはプラーク682の大きさも測定する。あるいはまた、幾何学的パラメータをGUI 670上に書き出すことができる。さらにまた、これらの幾何学的パラメータをスピーカによって報知することができる。
【0221】
図19Bに示すように、GUI 700は、被検査器官の縦断面図702、水平目盛704、垂直目盛706、複数の水平ガイド7081、7082、7083、7084、7085、7086、及び複数の垂直ガイド7101、7102、7103、7104、7105、6806を含む。縦断面図702はプラーク712を含む。オペレータは、垂直ガイド7081、7082、7083、7084、7085、7086の位置、及び水平ガイド7101、7102、7103、7104、7105、7106の位置を、それぞれ水平目盛704上及び垂直目盛706上で読み取ることによって、直径、面積、閉塞の%比率、等のような被検査器官の幾何学的パラメータを測定する。オペレータはプラーク712の大きさも測定する。あるいはまた、幾何学的パラメータをGUI 700上に書き出すことができる。さらにまた、幾何学的パラメータをスピーカによって報知することができる。
【0222】
次に図20を参照して説明する。図20は、本発明のさらなる実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図であり、GUI全体を参照番号780で参照する。GUI 780は、ウィンドウ782、784、786、及び788、ECGタイミング信号790、前進ボタン792、後退ボタン794、及び静止ボタン796を含む。GUI 780は量的モデルを提供し、ユーザはこのモデルによって、患者の体内におけるナビゲーション・プロセスの現実的な概念を獲得する。
【0223】
ウィンドウ782は、図16Bのウィンドウ732と同様である。ウィンドウ784は、図17の被検査器官の内部画像600と同様の画像を含む。
【0224】
ウィンドウ786は、画像検出器が被検査器官の内部に位置する間の、履歴的な被検査器官の二次元画像を含む。ウィンドウ788は図16Bのウィンドウ734と同様である。ECGタイミング信号790は、図18のECGタイミング信号632と同様である。前進ボタン792、後退ボタン794、及び静止ボタン796はそれぞれ、図18の前進ボタン634、後退ボタン636、及び静止ボタン638と同様である。
【0225】
次に図21を参照して説明する。図21は、本発明の他の実施例により構成され、動作する、図16Aのシステムにおける手術ツールのチップの位置及び向きに従って修正した軌跡を図式的に示す図である。手術中には、オペレータは手術ツール486(図16A)を順次、点512、580、524に置く。点512及び524は軌跡506上に位置し、軌跡506は、プロセッサ460が走査プロセス中に、撮像カテーテル452(図15A)のチップ472の軌跡に従って作成したものである。軌跡506は、点512、518、及び524によって規定され、点580は軌跡506上に位置しない。プロセッサ460は、軌跡506に対する修正を行って、点512、580、及び524によって規定される修正軌跡582を作成し、従ってディスプレイ466は修正軌跡582を、外部の三次元ナビゲーション画像500上に重畳させて表示する。
【0226】
次に図22を参照して説明する。図22は、本発明のさらなる実施例により構成され、動作する、図15Aのシステム450を動作させる方法を図式的に示す図である。手順820では、被検査器官の器官タイミング信号を検出する。図15Aに示すように、ECGモニター464が、ECGタイミング信号442(図14)のような、患者462の心臓の活動状態を検出する。
【0227】
手順822では、被検査器官の二次元画像を複数、画像検出器によって検出する。図15Aに示すように、画像検出器470は、被検査器官474の二次元画像554(図16D)を検出する。この画像検出器は、超音波検出器、OCT検出器、MRI装置、サーモグラフィー装置、等とすることができる。
【0228】
手順824では、画像検出器の位置及び向きを検出する。図15Aに示すように、撮像MPSセンサ486が画像検出器470の位置及び向きを検出する。
【0229】
各二次元画像は、画像検出器の位置及び向きの検出値、及びそれぞれの器官タイミング信号の読み取り値に関連する。図15A及び図16Dに示すように、プロセッサ460は、各二次元画像554を、画像検出器470のぞれぞれのMPS座標データ552、及びECGタイミング信号556のそれぞれの活動状態に関連付ける。
【0230】
手順828では、前記二次元画像から複数の三次元画像を再構成する。再構成した三次元画像の各々が、器官タイミング信号中で選択した位置に対応する。図14、図15A、及び図15Bに示すように、プロセッサ460は、外部の三次元ナビゲーション画像500、502、及び504を再構成して、これらはそれぞれ、活動状態T1、T2、及びT3に対応する。患者462の心臓が例えば活動状態T2にある際には、プロセッサ460は外部の三次元ナビゲーション画像502を選択する(手順830)。
【0231】
手順832では、手術ツールの位置及び向きを検出する。図16Aに示すように、カテーテルMPSセンサ488が手術ツール486の位置及び向きを検出して、プロセッサ460が、検出した位置及び向きに従って、手術ツール486の表現を、選択した三次元画像上に重畳する(手順834)。
【0232】
手順836では、リアルタイム画像を検出する。図16Aに示すように、リアルタイム撮像システム484が、患者462の体の、被検査器官474を含む部分のリアルタイム画像を検出する。
【0233】
手順838では、選択した三次元画像の投影を、検出したリアルタイム画像上に重畳する。図16Bに示すように、プロセッサ460は、再構成した三次元画像736の投影リアルタイム二次元ナビゲーション画像758上に重畳する。なお、この手順の結果として、実際に患者の体内のナビゲーションを行うような、非常に現実的な概念をユーザに提供する量的モデルができる。
【0234】
手順840では、画像を重畳した結果を表示する。図16A及び図16Bに示すように、手術ツール486の表現756をリアルタイム二次元ナビゲーション画像758上に重畳したもの、及び再構成した三次元画像736をリアルタイム二次元ナビゲーション画像758上に重畳したものを、ディスプレイ466に表示する。
【0235】
本発明の他の要点によれば、システム450は、被検査器官の再構成した三次元画像を、閉塞領域にマーク(目印)を付けて表示する。さらに、オペレータはシステム450に、被検査器官の、閉塞が選択した限度以上である領域のみにマークを付けるように指示することができる。
【0236】
次に図23A、23B、及び23Cを参照して説明する。図23Aは、複数の閉塞領域を有する動脈の図であり、動脈全体を参照番号850で参照する。図23Bは、図23Aの動脈850の選択領域の断面図である。図23Cは、図23Bの動脈を、本発明の他の実施例により構成され、動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)で表現したものを図式的に示す図であり、GUI全体を参照番号860で参照する。
【0237】
動脈850は、プラーク852、854、及び856を有する。なお、プラーク852、854、及び856は、一箇所に固定でも動的でもあり得る。プラーク852、854、及び856はそれぞれ、動脈850の75%、60%、80%を閉塞している。図23Bの斜線を付けた領域は、動脈850内のプラーク852による阻害を表わし、内腔858が血流用の開口部として残されている。
【0238】
プロセッサ460は、プラークの種類、プラーク密度、等のようなパラメータを考慮に入れる複数の方法によって、閉塞の%比率を測定することができる。次式は、こうした方法の簡単な例である。
【数1】

ここに、%BLOCKEDは閉塞の%比率を表わし、SLUMENは内腔858の断面積を表わし、SARTERYは動脈850の内部の総断面積である。
【0239】
GUI 860は、グラフィック・ウィンドウ(図形表示窓)862を含む。グラフィック・ウィンドウ862は、動脈850の再構成した三次元画像864、及び比率選択ウィンドウ866を含む。比率選択ウィンドウ866は、増減(グラデーション)バー874、ポインタ(指針)876、及び数値ボックス878を含む。オペレータは、マウス、ディジタル・タブレット(座標指示入力盤)とスタイラス(入力ペン)、等のような指示装置を用いて、ポインタ876を増減バー874上でドラッグする(引きずる)ことによって、閉塞の%比率のしきい値を設定することができる。あるいはまた、オペレータは、選択した閉塞の%比率のしきい値を、キーボード、マイクロホン、等のようなユーザ・インタフェースによって、数値ボックス878内に入力することができる。図23Bに示す例では、数値ボックス878内に選択した比率の数値70%が示されてある。
【0240】
次にシステム450は、再構成した三次元画像上の、選択した閉塞の%比率以上に閉塞した領域のみにマークを付ける。図23Bに示す例では、再構成した三次元画像864内で、動脈850の、70%以上閉塞した領域のみにマークを付けてある。70%を超えるプラーク852及び856はそれぞれ、再構成した三次元画像864上のマークを付けた領域868及び870で表わす。マークを付けた領域868及び870は、異なる色合いにすること、斜線を付けること、アニメーション(動画)化すること、等によって、再構成した三次元画像864の残りの部分との区別を付ける。
【0241】
なお、システム450は、ユーザが自分の医学的知識及び経験によって、例えばプラーク部分がシステムの表示と異なるはずであることを検出した場合には、ユーザがスクリーン上のマークを手動で修正することを可能にする。例えば、ウィンドウ786(図20)内に表示された画像がプラーク852に関する追加的な情報を提供し、この情報により、プラーク852による閉塞がスクリーン上に示されているよりも少ないことをユーザが検出した場合には、ユーザはこれをもとに、スクリーン上のプラーク852にマークを付けることができる。さらになお、システム450は、内腔の種々の層(即ち、媒質、外膜、最内の各層)を、GUI 860内に異なる色で表示することができる。
【0242】
次に図24を参照して説明する。図24は、本発明のさらなる実施例により動作する図23Cのグラフィカル・ユーザ・インタフェースが動作する方法を図式的に示す図である。手順900では、閉塞の値を受け取る。図23Cに示すように、オペレータが選択ウィンドウ866によって閉塞のしきい値70%を設定して、プロセッサ460はこの選択した閉塞のしきい値を受け取る。
【0243】
手順902では、被検査器官について複数の閉塞の値を測定する。図23Aに示すように、プロセッサ460は、プラーク852、854、及び856がそれぞれ、動脈850の75%、60%、80%を阻害している。
【0244】
手順904では、前記測定した閉塞の値を、前記選択した閉塞のしきい値と比較する。図23A及び図23Cに示すように、プロセッサ460は、プラーク852、854、及び856のそれぞれの閉塞の値75%、60%、及び80%を、前記選択した閉塞のしきい値70%と比較する。
【0245】
手順906では、上記比較の結果により、少なくとも1つの閉塞領域を特定する。図23A及び図23Cに示すように、プロセッサ460は、プラーク868及び870が、表示すべき閉塞領域であるものと判定する。これは、プラーク868及び870の閉塞の%比率(それぞれ75%及び80%)は前記選択したしきい値70%よりも大きいが、プラーク854の閉塞の%比率(即ち60%)は70%未満だからである。図23Cに示すように、プラーク852及び856はそれぞれ、再構成した三次元画像864内でマークを付けた領域868及び870として表現する(手順908)。
【0246】
本発明の他の要点によれば、被検査器官の選択した活動状態における三次元画像を、被検査器官の他の活動状態中に検出した被検査器官の二次元画像から再構成する。三次元画像を再構成するために、より多くの二次元画像が利用可能なので、プロセッサ460は、被検査器官のこの活動状態におけるより詳細な三次元画像を再構成することができる。なお、本発明のこの要点は、変形を無視できる器官、及び変形が既知である器官に適用可能である。
【0247】
この場合には、被検査器官は、動脈、気管支、食道、等のように、器官タイミング信号のすべての活動状態において、その幾何学的形状がほぼ一定に保たれ、管の位置及び向きのみが変化する管である。プロセッサ460は、異なる活動状態で検出した管の二次元画像を、選択した活動状態で検出した二次元画像に組み入れて、組み入れた二次元画像の座標(即ち位置及び向き)を、選択した活動状態で検出した座標に変更する。
【0248】
次に図25A、図25B、及び図25Cを参照して説明する。図25Aは、3つの異なる活動状態における管の画像を図式的に示す図であり、管全体をそれぞれ、参照番号950、952、及び954で参照する。図25Bは、本発明の他の実施例により、1つの活動状態で取得した二次元画像のうちの1つを他の活動状態に平行移動する様子を図式的に示す図である。図25Cは、図25Aの1つの活動状態における管の画像を、図25Bの実施例によって、他の2つの活動状態で検出した管の二次元画像から再構成したものを図式的に示す図である。図25Dは、図25Aの他の活動状態における管の画像を、図25Bの実施例によって、これ以外の2つの活動状態で検出した管の二次元画像から再構成したものを図式的に示す図である。
【0249】
図25Aに示すように、被検査器官474(図15A)の三次元画像950は、活動状態T1中に検出した二次元画像9561、9562、9563、及び9564から再構成する。活動状態T1中の撮像カテーテル452の経路を軌跡958で表わす。被検査器官474の三次元画像952は、活動状態T2中に検出した二次元画像9601、9602、9603、及び9604から再構成する。活動状態T2中の撮像カテーテル452の経路を軌跡962で表わす。被検査器官474の三次元画像954は、活動状態T3中に検出した二次元画像9641、9642、9643、9644、及び9645から再構成する。活動状態T3中の撮像カテーテル452の経路を軌跡966で表わす。
【0250】
二次元画像9561、9562、9563、及び9564の座標は、それぞれ点9681、9682、9683、及び9684で表わす。二次元画像9601、9602、9603、及び9604の座標は、それぞれ点9701、9702、9703、及び9704で表わす。二次元画像9641、9642、9643、9644、及び9645の座標は、それぞれ点9721、9722、9723、9724、及び9725で表わす。
【0251】
なお、プロセッサ460は、被検査器官474の異なる活動状態中に、撮像カテーテルが被検査器官474の内部で辿るものと想定される経路の、異なる軌跡958、962、及び966の各々を計算する。さもなければ、軌跡958、962、及び966は同じ走査プロセスに属し、そして同じ期間中に通る軌跡である。従って、軌跡958、962、及び966のそれぞれの始点を表わす点9681、9701、及び9721は、同じ時点に属する。同様に、軌跡958、962、及び966のそれぞれの終点を表わす点9684、9704、及び9725は、他の時点に属する。従って、1つの活動状態に属し、かつ1つの軌跡上の特定位置に存在する二次元画像は、他の軌跡上の対応する位置に平行移動することができ、そして他の活動状態に平行移動することができ、上記対応する位置への平行移動は、軌跡の始点から二次元画像までの距離の、軌跡の全長に対する比率が、移動元の軌跡と移動先の軌跡とで同じになるように行う。
【0252】
図25Bに示すように、二次元画像9602は活動状態T2で取得したものであり、この二次元画像に関連する座標は点9702で表わされる。プロセッサ460は、軌跡958上の画像9602を移動した座標を特定し、ここでプロセッサ460は、これらの座標は撮像MPSセンサ468によって検出したものであり、かつこの画像は活動状態T1中に取得したものである、という仮定の下で動作する。
【0253】
本実施例では、プロセッサ460がこれらの新たな座標を特定し、ここでは、動脈の長さの変化が、すべての活動状態を通して小さい、ということを利用する。ここで、点9701から点9702までの距離(即ち軌跡962の始点からの距離)の、軌跡962の全長(即ち、点9701から点9704まで)に対する比率がbに等しいものとする。プロセッサ460は、移動先の軌跡958上で、点9681からの距離の、軌跡958の全長に対する比率がbとなる位置を、平行移動先の座標として特定し、これを軌跡958上の点9702Tで表わす。そしてプロセッサ460は、点9702Tで表わされる平行移動先の座標を用いることによって、活動状態T2の二次元画像9602を用いて、活動状態T1に関連する三次元画像を再構成することができる。
【0254】
図25Cに示すように、プロセッサ460は次の方法で、被検査器官474の活動状態T1における三次元画像974を再構成する。プロセッサ460は、二次元画像9602を活動状態T2から活動状態T1に平行移動して、上記のように平行移動した二次元画像9602Tとする。
【0255】
プロセッサ460は、点9722が軌跡966上で、軌跡の始点から点9722までの距離の、軌跡の全長に対する比率がcである位置に存在することを特定する。プロセッサ460は、軌跡958上に点9722Tで表わす座標を、点9722を平行移動先の座標として特定し、このことは、軌跡958の始点から点9722Tまでの距離の、軌跡958の全長に対する比率を同じcにすることによって行う。そしてプロセッサ460は、二次元画像9642を活動状態T3から活動状態T1に平行移動して、平行移動した二次元画像9642Tとする。
【0256】
プロセッサ460は、点9723が軌跡966上で、軌跡の始点から点9723までの距離の、軌跡の全長に対する比率がdである位置に存在することを特定する。プロセッサ460は、軌跡958上に点9723Tで表わされる座標を、点9723を平行移動先の座標として特定し、このことは、軌跡958の始点から点9723T距離の、軌跡958の全長に対する比率を同じdにすることによって行う。そしてプロセッサ460は、二次元画像9643を活動状態T3から活動状態T1に平行移動して、平行移動した二次元画像9643Tにする。同様にプロセッサ460は、平行移動した二次元画像9641T、9601T、9603T、9644T、9645T、及び9604Tのそれぞれの座標である、点9721T、点9701T、点9703T、点9724T、点9725T、及び点9704Tで表わされる平行移動先の座標を特定する。
【0257】
このようにして、プロセッサ460は、画像9641T、9601T、9561、9602T、9642T、9562、9643T、9603T、9563、9644T、9564、9645T、及び9604Tから、三次元画像950を再構成することになり、これらの平行移動した二次元画像は、元の二次元画像9561、9562、9563、及び9564(図25A)よりも実質的に多数である。従ってプロセッサ460は、三次元画像950よりも実質的により詳細な三次元画像974を再構成することができる。
【0258】
図25Dに示すように、プロセッサ460は、活動状態T2における三次元画像976を、元の二次元画像9601、9602、9603、9604、及び活動状態T1及びT3に属する追加的な二次元画像から再構成する。これらの追加的な二次元画像の一部は、参照番号9561、9562、9563、及び9564を付けたものであり、これらは活動状態T1からT2に平行移動して、それぞれ平行移動した二次元画像9561T、9562T、9563T、及び9564Tとしたものである。平行移動した二次元画像9561T、9562T、9563T、及び9564Tはそれぞれ、9681T、9682T、9683T、及び9684Tで表わされる平行移動先の座標を有する。他の追加的な二次元画像は参照番号9641、9642、9643、9644、及び9565を付けたものであり、これらは活動状態T3からT2に平行移動して、それぞれ平行移動した二次元画像9641T、9642T、9643T、9644T、及び9565Tとしたものである。平行移動した二次元画像9641T、9642T、9643T、9644T、及び9565Tはそれぞれ、9721T、9722T、9723T、9724T、及び9725Tで表わされる平行移動先の座標を有する。
【0259】
なお、三次元画像976は実質的に多数の二次元画像から再構成したものであるので、三次元画像976は、1つの活動状態のみに属する二次元画像から再構成した三次元画像952よりも実質的により細密である。さらになお、プロセッサ460は、活動状態毎に細密な三次元画像を、再構成を行う活動状態に属する二次元画像に加えて、他のすべての活動状態に属するすべての二次元画像から再構成することができる。
【0260】
次に図26を参照して説明する。図26は、本発明のさらなる実施例により動作する、三次元画像を再構成する方法を図式的に示す図である。手順1000では、活動状態を選択する。図14、図15A、図25A、及び図25Cに示すように、プロセッサ460が活動状態T1を選択して、この活動状態について三次元画像974を再構成することになる。
【0261】
手順1002では、前記選択した活動状態以外の活動状態に属する補助的な二次元画像の平行移動先の座標を、これらの補助的な二次元画像の元の座標、及び前記選択した活動状態に関連する軌跡の座標によって特定する。図25Bに示すように、プロセッサ460は、活動状態T2に属する二次元画像9602の平行移動先である、点9702Tで表わされる座標を特定する。この平行移動先の座標は、点9702で表わされる二次元画像9602の元の座標、及び軌跡958(即ち、点9681、9682、9683、及び9684で表わされる座標)により特定する。
【0262】
手順1004では、前記補助的な二次元画像を、前記平行移動先の座標によって、前記選択した活動状態に関連付ける。図25Bに示すように、プロセッサ460は、二次元画像9602を活動状態T1に関連付けて、平行移動先の座標9702Tにある平行移動した二次元画像9602Tとする。この時点では、この方法は、前記選択した活動状態以外の活動状態における補助的な二次元画像を、前記選択した活動状態に関連付けるまで、手順1002に繰返し戻る。図25Cに示すように、活動状態T2の属する二次元画像9601、9603、9604、及び活動状態T3に属する二次元画像9641、9642、9643、9644、9645を、活動状態T1に関連付けて、平行移動した二次元画像9601T、9603T、9604T、9641T、9642T、9643T、9644T、及び9645Tとする。これらの平行移動した二次元画像の前記平行移動先の座標はそれぞれ、点9701T、9703T、9704T、9721T、9722T、9723T、9724T、及び9725Tで表わされる。
【0263】
手順1006では、三次元画像を再構成する。図25Cに示すように、プロセッサ460は三次元画像974を、二次元画像9561、9562、9563、9564、及び補助的な二次元画像9601、9602、9603、9604、9641、9642、9643、9644、9645から再構成する。
【0264】
次に図27A及び図27Bを参照して説明する。図27Aは、複数の枝を含む管の部分を図式的に示す図であり、この部分全体を参照番号1030で参照する。管1030は、動脈、静脈、気管支、等の、複数の分岐を具えた部分である。図27Bは、本発明の他の実施例により構成され、動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を図式的に示す図であり、GUI全体を参照番号1060で参照する。
【0265】
図27Aに示すように、管1030は、側枝1032、1034、1036、及び2つの主枝1038、1040を含む。側枝1032、1034、及び1036はそれぞれ、管1030の分岐領域1042、1044、及び1046から出るように分岐する。
【0266】
図27Bに示すように、GUI 1060はウィンドウ1062を含む。ウィンドウ1062は、管1030の三次元画像1064を含む。三次元画像1064は、主部1066、枝1068及び1070、複数の開口部1072、1074、及び1076、複数のマーク(目印)1078、1080、及び1082、軌跡1084、及び手術ツールの表現1086を含む。主部1066は管1030を表現する。枝1068及び1070はそれぞれ、主枝1038及び1040を表現する。
【0267】
プロセッサ460(図15A)は、オペレータが撮像カテーテル452のような撮像カテーテルを用いて管1030及び主枝1038、1040を走査する走査プロセス中に、三次元画像1064を再構成する。撮像カテーテルが、領域1042、1044、及び1046を通過しながら管1030の内部を移動する間に、画像検出器470のような、画像カテーテルの画像検出器が、分岐領域1042、1044、及び1046を、管1030壁にある複数の開口部として検出する。
【0268】
GUI 1060は、分岐領域1042、1044、及び1046をそれぞれ、開口部1072、1074、及び1076として表示する。GUI 1060はさらに、それぞれの開口部1072、1074、及び1076の付近の、それぞれマーク1078、1080、及び1082を、それぞれ分岐領域1042、1044、及び1046の指標として表示する。各マーク1078、1080、及び1082は、ポリゴン(多角形)、閉曲線、開曲線、終端付きの直線、無終端の直線、色分け、アニメーション(動画)、等にすることができる。
【0269】
軌跡1084は、走査プロセス中に撮像カテーテルが追従してきた経路のうちの1つを示す。表現1086は、管1030の内部における、手術ツール486(図16A)のような手術ツールの位置及び向きを表わす。GUI 1060を用いることによって、オペレータは手術手順中に、管1030を通る手術ツールのナビゲーションを行って、管1030の側枝を選択する。なお、システム450は、再構成した被検査器官のモデルによって、内部モデル、リアルタイムで取得した画像上に重畳した量的モデル、等のような種々の表現を導出することができる。
【0270】
本発明が、以上において説明及び図示した特定事項に限定されないことは、当業者にとって明らかである。本発明の範囲は請求項のみによって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0271】
【図1】本発明の実施例により構成され、動作する、多機能三次元撮像システムを図式的に示す図である。
【図2A】本発明の他の実施例により構成され、動作する、体内放射方向超音波撮像システムの透視図である。
【図2B】検査する管の壁面の、複数の、放射方向の二次元画像の透視図である。
【図2C】図1のMPSシステムの詳細を図式的に示す図であり、本発明のさらなる実施例により構成され、動作する。
【図3】所定座標系内の二次元画像を図式的に示す図である。
【図4】複数の二次元画像の透視図、及び器官タイミング信号の図である。
【図5A】本発明の他の実施例による複数の三次元ボリュームを図式的に示す図である。
【図5B】画像再構成の後段における、図5Aの三次元画像の一部を図式的に示す図である。
【図5C】図5Aの三次元画像を選択して図式的に示す図であり、画像更新の手順を実行中である。
【図5D】外部オブジェクトの情報を含む二次元画像を図式的に示す図である。
【図6】本発明のさらなる実施例により動作する、図1の三次元撮像システムの動作方法を図式的に示す図である。
【図7A】本発明の他の実施例により構成され、動作する、リアルタイム三次元表示再生システムを図式的に示す図である。
【図7B】患者の熱の三次元画像を表示する、図7Aのゴーグルを図式的に示す図である。
【図8】本発明のさらなる実施例による、周期的な三次元画像列の透視図である。
【図9】本発明の他の実施例により動作する、画像重畳プロセスを図式的に示す図である。
【図10】本発明のさらなる実施例により動作する、図7Aのシステムが動作する方法を図式的に示す図である。
【図11】本発明の他の実施例により構成され、動作する、管内撮像兼手術システムの透視図である。
【図12】本発明のさらなる実施例により構成され、動作する、多機能二次元撮像システムを図式的に示す図である。
【図13A】従来技術において既知である、器官の三次元画像を表示するシステムを図式的に示す図である。
【図13B】患者の動脈内部における、図13Aのシステムのカテーテルの撮像端の軌跡を図式的に示す図である。
【図14】患者のECGを図式的に示す図である。
【図15A】本発明の他の実施例により構成され、動作するシステムを図式的に示す図である。
【図15B】図14のECGの異なる活動状態のそれぞれにおける、図15Aのシステムの撮像カテーテルの先端の軌跡を図式的に示す図である。
【図16A】さらに手術手順に適応させた、図15Aのシステムを図式的に示す図である。
【図16B】本発明のさらなる実施例により構成され、動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を図式的に示す図である。
【図16C】本発明の他の実施例により構成され、動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェースを図式的に示す図である。
【図16D】器官の動きに依存する三次元画像を再構成して、追加的な視覚データをこの三次元画像上に重畳するプロセスを図式的に示す図である。
【図17】本発明のさらなる実施例により構成され、動作する、被検査器官内部の三次元ナビゲーション画像を図式的に示す図である。
【図18】本発明の他の実施例により構成され、動作する、被検査器官とECGの同時表示のディスプレイを図式的に示す図である。
【図19A】本発明のさらなる実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図である。
【図19B】本発明の他の実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図である。
【図20】本発明のさらなる実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図である。
【図21】本発明の他の実施例による、図16Aのシステムにおける手術ツールの先端の位置及び向きに従って修正した軌跡を図式的に示す図である。
【図22】本発明のさらなる実施例による、図15Aのシステムの動作方法を図式的に示す図である。
【図23A】複数の閉塞領域を有する動脈を図式的に示す図である。
【図23B】図23Aの動脈の選択領域の断面図である。
【図23C】図23Bの動脈を、本発明の他の実施例により動作するGUIで表現したものを図式的に示す図である。
【図24】本発明のさらなる実施例により動作する図23CのGUIが動作する方法を図式的に示す図である。
【図25A】3つの異なる活動状態における管の画像を図式的に示す図である。
【図25B】本発明の他の実施例により、1つの活動状態において取得した二次元画像のうちの1つを他の状態に平行移動する様子を図式的に示す図である。
【図25C】図25Aの1つの活動状態における管の画像を図式的に示す図であり、他の2つの活動状態において検出した管の画像から、図25Bの実施例に従って再構成したものである。
【図25D】図25Aの他の活動状態における管の画像を図式的に示す図であり、他の2つの活動状態において検出した管の画像から、図25Bの実施例に従って再構成したものである。
【図26】本発明のさらなる実施例により動作する、三次元画像を再構成する方法を図式的に示す図である。
【図27A】複数の枝を含む管の部分を図式的に示す図である。
【図27B】本発明の他の実施例により構成され、動作するGUIを図式的に示す図である。
【符号の説明】
【0272】
10 システム
12 カテーテル
14 引戻し装置
16 処理システム
18 胸部ハーネス
20 ハンドル
22 患者
24 ワイヤ
26 ワイヤ
28 ワイヤ
30 ワイヤ
100 三次元撮像システム
102 主コンピュータ
104 二次元画像取得装置
106 ECGモニター
108 医療用位置決めシステム
110 フレーム・グラバー
112 ディジタル三次元画像再構成器
114 適応型立体データベース
116 画像重畳プロセッサ
118 画像トランスデューサ
120 手術ツール
128 ECG電極
130 ディスプレイ
140 検査領域
150 位置及び向きのプロセッサ
152 発信器インタフェース
154 ルックアップ・テーブル・ユニット
156 ディジタル−アナログ変換器
158 増幅器
160 発信器
162 MPSセンサ
164 アナログ−ディジタル変換器
166 センサ・インタフェース
170 体内放射方向超音波撮像システム
172 体内放射方向画像トランスデューサ
174 手術ツール
176 MPSセンサ
178 MPSセンサ
180 装着カテーテル
182 拡張カテーテル
186 座標系
188 器官タイミング信号
190 二次元画像
192 ベクトル
194 選択点
198 小区分
199 区分
200 三次元ボリューム
270 リアルタイム三次元表示再生システム
272 画像重畳プロセッサ
274 適応型ボリューム・データベース
276 レンダラ
278 ECGモニター
280 拡張カテーテル
282 ゴーグル
284 ディスプレイ
286 同期プロセッサ
288 医療用位置決めシステム
290 手術ツール
294 MPSセンサ
296 MPSセンサ
298 MPSセンサ
318 MPSセンサ
326 座標系
328 手術ツール
330 三次元画像
350 管内撮像兼手術システム
352 管内超音波システム(IVUS)トランスデューサ
354 手術ツール
356 MPSセンサ
358 MPSセンサ
360 装着カテーテル
362 拡張カテーテル
364 表面
400 二次元撮像システム
402 主コンピュータ
404 二次元画像取得装置
406 ECGモニター
408 医療位置決めシステム(MPS)
410 フレーム・グラバー
414 画像データベース
416 画像重畳プロセッサ
418 画像トランスデューサ
420 手術ツール
428 ECG電極
430 ディスプレイ
432 MPSセンサ
442 ECG信号
444 心臓サイクル
446 心臓サイクル
448 心臓サイクル
450 システム
452 撮像カテーテル
454 撮像システム
456 MPS
458 発信器
460 プロセッサ
462 患者
464 ECGモニター
466 ディスプレイ
468 撮像MPSセンサ
470 画像検出器
472 チップ
474 被検査器官
480 手術カテーテル
482 ガイダンス・ユニット
484 リアルタイム撮像システム
486 手術ツール
488 カテーテルMPSセンサ
490 体用MPSセンサ
500 三次元画像
502 三次元画像
504 三次元画像
506 軌跡
508 軌跡
510 軌跡
552 MPS座標データ
554 二次元画像
556 ECGデータ
558 軌跡
582 修正軌跡
600 三次元ナビゲーション画像
602 内壁画像
604 手術ツールの表現
606 手術カテーテルの表現
608 撮像カテーテルの将来の軌跡
630 被検査器官・ECG同時表示ディスプレイ
632 ECGタイミング信号
634 前進ボタン
636 後退ボタン
638 静止ボタン
640 被検査器官外部三次元画像
642 ウィンドウ
644 活動状態
650 活動状態
670 GUI
672 被検査器官横断面図
674 水平目盛
676 垂直目盛
678 垂直ガイド
680 水平ガイド
682 プラーク
700 GUI
702 被検査器官縦断面図
704 水平目盛
706 垂直目盛
708 垂直ガイド
710 水平ガイド
712 プラーク
730 グラフィカル・ユーザ・インタフェース
732 ウィンドウ
734 ウィンドウ
736 三次元ナビゲーション画像
738 手術ツールの表現
740 心臓
742 上行大動脈
744 下行大動脈
746 上行大静脈
748 肺静脈
750 腹大動脈
752 下行大動脈
754 投影
756 手術ツールの表現
758 リアルタイム二次元ナビゲーション画像
760 グラフィカル・ユーザ・インタフェース
762 ウィンドウ
764 ウィンドウ
766 左冠状動脈主幹部及び左前下行冠状動脈
768 手術ツールの表現
770 心臓
772 二次元ナビゲーション画像
774 投影
776 左冠状動脈主幹部及び左前下行冠状動脈
778 手術ツールの表現
780 GUI
782 ウィンドウ
784 ウィンドウ
786 ウィンドウ
788 ウィンドウ
790 ECGタイミング信号
792 前進ボタン
794 後退ボタン
796 静止ボタン
850 動脈
852 プラーク
854 プラーク
856 プラーク
858 内腔
860 GUI
862 グラフィック・ウィンドウ
864 三次元画像
866 比率選択ウィンドウ
874 増減バー
876 ポインタ
878 数値ボックス
950 管の三次元画像
952 管の三次元画像
954 管の三次元画像
956 二次元画像
958 軌跡
960 二次元画像
962 軌跡
964 二次元画像
966 軌跡
974 三次元画像
1030 管
1032 側枝
1034 側枝
1036 側枝
1038 主枝
1040 主枝
1042 分岐領域
1044 分岐領域
1046 分岐領域
1060 GUI
1062 ウィンドウ
1064 三次元画像
1066 主部
1068 枝
1070 枝
1072 開口部
1074 開口部
1076 開口部
1078 マーク
1080 マーク
1082 マーク
1084 軌跡
1086 手術ツールの表現

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置及びデータベースに結合したプロセッサと;
前記プロセッサに結合されて、画像検出器に固着した撮像MPSセンサを具えた医療用位置決めシステム(MPS)と;
前記プロセッサに結合されて、撮像カテーテルに固着した前記画像検出器を具えた二次元撮像システムと;
前記プロセッサ、及び被検査器官に関連する器官タイミング信号を監視する器官モニターに結合した被検査器官のモニター・インタフェースと
を具えていることを特徴とする医療用撮像兼ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記画像検出器によって取得した複数の二次元画像を、前記二次元撮像システムから受け取り;
前記撮像MPSセンサによって前記二次元画像毎に検出した、前記画像検出器に関連する位置及び向きの情報を、前記医療用位置決めシステムから受け取り;
前記器官モニターによって前記二次元画像毎に検出した器官タイミング信号を、前記被検査器官のモニター・インタフェースから受け取る
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記各二次元画像を、この前記二次元画像に関係する前記画像検出器の位置及び向きの情報、及びこの二次元画像に関係する前記検出した器官タイミング信号に関連付けることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記二次元画像、前記画像検出器に関連する位置及び向きの情報、及び前記検出した器官タイミング信号を、前記データベースに記憶することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記二次元画像のうちの少なくとも1つを選択し、前記表示装置が、前記選択した二次元画像の視覚表現を表示することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記視覚表現が、前記画像検出器の位置及び向きの情報、及び前記選択した各二次元画像に関連する前記検出した器官タイミング信号に従って、前記選択した二次元画像から再構成した三次元画像であることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記再構成した三次元画像が、前記被検査器官の量的モデルであることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記再構成した三次元画像の手動での修正を可能にすることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記再構成した三次元画像が半透明であることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記視覚表現が二次元の表現であることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記選択した各二次元画像に関係する前記検出した器官タイミング信号が、リアルタイムで検出した器官タイミング信号にほぼ等しいことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記被検査器官内の前記撮像カテーテルの少なくとも1つの軌跡を、前記検出した器官タイミング信号中の特定の活動状態に関係する位置及び向きの情報に従って計算することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記検出した器官タイミング信号の活動状態毎に、この活動状態に関係する前記少なくとも1つの軌跡を、この活動状態に関係する前記視覚表現上に重畳することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサが、リアルタイムで検出した器官タイミング信号に応じて、前記計算した少なくとも1つの軌跡を選択し、
前記プロセッサが、前記計算した少なくとも1つの軌跡の表現を、前記視覚表現上に重畳し、
前記表示装置が、前記重畳の結果を表示する
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが、リアルタイムで検出した手術カテーテルの位置及び向きに応じて、前記計算した少なくとも1つの軌跡の一部分を選択することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記手術カテーテルが、インターベンション型カテーテル及び手術ツールを具えていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記手術ツールを、
鉗子;
レーザーカッター;
ブラシ;
カテーテル;
ステント;
バルーン;
ペースメーカー電極;
液剤調剤装置;
ニューロン電極;
物質収集装置;
手術搬送ツール;
内視鏡;
遺伝子搬送ツール;
薬剤搬送ツール;
装置搬送ツール;
切除カテーテル;
電気生理学的マッピング装置;
撮像装置;及び、
以上の品目の組み合わせ
から成るリストから選択したことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
レンダラが、前記視覚表現を、基準座標に従ってレンダリングすることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項19】
前記基準座標を
画像検出器の座標;
被検査器官の座標;
患者の体の座標
から成るリストから選択したことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記データベースがボリューム・データベースであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサが、前記被検査器官内の前記撮像カテーテルの進行速度が所定値よりも大きいことを検出した際に、警報信号を発生することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記警報信号を、
オーディオ信号;
映像信号;
触覚信号
から成るリストから選択したことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記画像検出器を、
サーモグラフィー撮像素子;
光コヒーレンス断層撮影用撮像素子;
管内超音波トランスデューサ;
心臓内超音波トランスデューサ;
内視鏡に取り付けたあらゆる超音波トランスデューサ;
磁気共鳴撮像素子
から成るリストから選択したことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記医療用位置決めシステムがさらに、患者の体に装着する体用MPSセンサを具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記表示装置を、
二次元ディスプレイ;
自動立体ディスプレイ;
ゴーグル
から成るリストから選択したことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記ゴーグルが半透明であることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記医療用位置決めシステムがさらに、ゴーグルMPSセンサを具え、
前記表示装置が、前記ゴーグルMPSセンサに取り付けた半透明ゴーグルを具え、
前記プロセッサが、前記ゴーグルMPSセンサから受け取った位置及び向きの情報に応じて、前記視覚表現用の観察面を選択する
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項28】
前記ゴーグルMPSセンサの位置及び向きを、前記医療用位置決めシステムの座標系内の値で提供することを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記二次元撮像システムを、
超音波型;
サーモグラフィー型;
光コヒーレンス断層撮影型;
管内超音波型;
X線型;
核磁気共鳴型;
コンピュータ断層撮影型;
ポジトロン放出断層撮影型;
単光子放出断層撮影型
から成るリストから選択したことを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【公開番号】特開2009−18184(P2009−18184A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233927(P2008−233927)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【分割の表示】特願2002−563813(P2002−563813)の分割
【原出願日】平成14年2月12日(2002.2.12)
【出願人】(501448314)メディガイド リミテッド (13)
【Fターム(参考)】