説明

医薬用または化粧用組成物およびこれらの製造のための混合可溶化法

本発明は、少なくとも1つの親水相、少なくとも1つの親油相および各相に可溶化した形態で含まれる少なくとも1つのタイプの活性成分を含む医薬用または化粧用組成物、ならびに前記組成物を製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の活性成分が溶解している少なくとも2つの相を含む医薬用または化粧用の組成物に関し、ならびにこの組成物を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
製薬または化粧品産業において、活性成分が、親水相であれ親油相であれ、単一の相に溶解しているエマルションを製造および使用することは、一般的である。
【0003】
しかし、単一相における活性成分の可溶化には、問題がないわけではない。実質的には、1つの相に溶解することができる活性成分の最大濃度は、標的とする病態に対して治療的に有効である濃度よりも低くてよい。
【0004】
加えて、活性成分の溶媒和相から他の相への移動現象が出現し、活性成分の再結晶をもたらすことがある。この場合、再結晶は、活性成分が潜在的刺激性を有するとき、特に問題である可能性がある。刺激の問題は、処方を適用する間に、結晶が皮膚と直接的に接触するために引き起こされることがある。
【0005】
同一の再結晶の問題は、活性成分が、それを非常に弱く溶媒和する相に分散しているときに、顕在化することがある。
【0006】
表現「分散した形態の活性成分」は、所与の担体に懸濁した固体粒子の形態の活性成分を意味するものと理解される。好ましくは、分散した粒子は肉眼で見えるかまたは交差偏光顕微鏡などの光学顕微鏡を用いて見ることができる。したがって、分散した粒子のサイズは、好ましくは1ミクロン以上である。
【0007】
皮膚への浸透性を改善するために、米国特許第6491396号は、活性成分としてビタミンD3誘導体であるマキサカルシトール(maxacalcitol)が親油相中および/または親水相中に存在する水中油型(O/W)エマルションを提案している。マキサカルシトールは、この場合、親油相中に溶解した状態であり、かつ親水相中に分散した状態である。
【特許文献1】米国特許第6491396号
【特許文献2】国際特許出願第00/26167号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなエマルションは、完全には満足のいくものではない。特に、担体中の分散に関連する欠点が数多くある。したがって、ある一定の濃度を超えると、凝集の問題および分散の不均一性の問題が発生することがある。さらに、活性成分に適した分散媒の探索は、必ずしも明白であるとは限らない。活性成分の粒子サイズもまた、適用部位および意図される生物学的標的に依存して多大な関心の対象でなければならない。
【0009】
その一方で、処方中での活性成分の2つの異なる状態(一方の相に溶解しかつもう一方の相には分散している状態)での存在は、不利となる可能性がある。これは、分散した活性成分が、再結晶の種を形成し、制御することが難しくかつ物理的安定性および治療的有効性の面で処方を損なう現象である結晶成長の問題をもたらすことがあるためである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
今般、発明者は、活性成分を組成物の両方の相に可溶化することにより前述の問題を解決することが可能であることを実証している。特に、発明者は、驚くべきことに、活性成分が両方の相に溶解しているにもかかわらず、組成物は物理的に安定であり、かつ治療的に有効な活性成分のより高い総体的濃度を達成することが可能であることを示している。
【0011】
本発明の組成物の表現「物理的安定性」は、特に、4℃、周囲温度および40℃で3ヶ月間貯蔵後に、経時的相シフトを示さない組成物を意味するものと理解される。本発明によれば、観察されるもう1つの物理的安定性パラメータは、特に、周囲温度および4℃で3ヶ月にわたって貯蔵後に再結晶現象が存在しないことである。
【0012】
特に、治療的に有効な濃度で、処方を周囲温度および4℃で3ヶ月間貯蔵後に、有効成分の再結晶現象はまったく観察されない。
【0013】
本文書の全体において、表現「溶解した形態の活性成分」は、肉眼でも、交差偏光光学顕微鏡を用いても、または他のより精密な技術、例えば電子顕微鏡などを用いてさえも活性成分の結晶化を見ることができない、液体中での分子状態の分散を意味するものと理解される。好ましくは、活性成分粒子は、1nmより小さいサイズを有する。好ましくは、本発明によれば、表現「溶解した形態の活性成分」は、肉眼でも、光学顕微鏡を用いても活性成分の結晶化を見ることができない、液体中での分子状態の分散を意味するものと理解される。
【0014】
したがって本発明は、異なる極性を有する少なくとも2つの相を含む医薬用または化粧用の組成物であって、これらの相のそれぞれに、同一の活性成分が溶解して形態で存在している組成物に関し、ならびにこの組成物を製造する方法にも関する。
【0015】
したがって本発明の課題の1つは、少なくとも1つの親水相、少なくとも1つの親油相および少なくとも1つの活性成分を含む医薬用または化粧用組成物であって、前記活性成分が少なくとも前記親水相および少なくとも前記親油相に溶解した形態で存在している組成物である。
【0016】
好ましくは、組成物はエマルションである。
【0017】
好ましくは、組成物は、1つの親水相(唯一の)および1つの親油相(唯一の)を含む。
【0018】
本発明によれば、組成物の2つの相への活性成分の可溶化は、多数の優位性を提供する。
【0019】
組成物は、活性成分の放出を調節することを可能にすることができる。例えば、O/W(水中油型)エマルションにおいて、エマルションの外相(ここでは、親水相)に溶解している活性成分のフラクションは、内相(ここでは、親油相)に溶解している活性成分のフラクションよりも先に放出される。したがって、この活性成分の遅延放出が、処方に、活性成分の貯留層としての役目を与える。
【0020】
種々の相における可溶化は、さらに、活性成分が潜在的に刺激性物質であるとき、刺激の問題を低減することを可能にする。一方で、活性成分の再結晶化現象は、相当に低減され、かつもう一方では活性成分の放出の調節は、刺激の問題の原因である皮膚層における活性成分の急速な蓄積を避けることにより、局所適用のための処方の耐容性を実質上改善することを可能にする。
【0021】
組成物の両方の相における活性成分の可溶化は、活性成分がもっぱら単一の相に溶解した場合に得られる濃度よりも高い活性成分濃度を達成することを可能にする。単一の相に溶解している活性成分のこの濃度は、治療的に有効な濃度よりも低いことが、非常に頻繁に判明している。組成物の異なる相における活性成分の可溶化は、標的とする病態において既知の効果を得るための十分な濃度を達成することを可能にする。
【0022】
活性成分
活性成分がエマルションの両方の相に可溶でなければならず、かつ同一の分子状態でなければならないことが理解されているならば、いかなる活性成分をも使用することができる。これは、ある種の活性成分がエマルションの種々の相中に溶解した状態ではあるが、一方の相には塩化された形態で、かつもう一方の相には非塩化形態で、存在することができることが知られているためである。しかし、本発明の組成物の両方の相に溶解している活性成分は、同一の分子状態で存在する。
【0023】
さらに、本発明の組成物において、活性成分は組成物の両方の相において、同一の物理的状態で存在する。特に、本発明によれば、活性成分は組成物の各相に溶解しており、どのような状況下でも2つの相のうちの一方または他方において分散することはない。
【0024】
したがって、これらの組成物において活性成分として使用される分子は、好ましくは下記に記述する特定の溶解性プロフィールを有する。
【0025】
活性成分として使用される分子は、水または医薬または化粧品分野において伝統的に使用されている極性化合物、好ましくは局所用処方において十分な溶解性を有する。
【0026】
極性媒体におけるこの溶解性は、活性成分分子が組成物の親水相に溶解することを可能にする。
【0027】
一方で、これらの分子は、医薬または化粧品分野において習慣的に使用される親油性賦形剤、好ましくは局所使用のための処方において、エマルションの親油相に溶解することができるような十分な溶解性を有する。
【0028】
表現「十分な溶解性」は、溶媒(水、極性化合物、親油性賦形剤)の全重量に対する活性成分の重量で、0.005%と1%との間、好ましくは0.01%と0.5%との間の溶解度を意味するものと理解される。
【0029】
用語「可溶である」は、ある固体物質が適切な溶媒中に導入されるとき、溶液を形成する特性を意味するものと理解される。種々のパラメータが当該の溶媒における分子の溶解性に関与する可能性がある。例えば、分子量、融点、クロマトグラフィーによる純度、結晶構造のみならず化学構造、ならびに特に、官能基および親水部分または親油部分の特性が、分子の溶解性プロフィールに寄与する。
【0030】
特徴付けられる分子の溶解性プロフィールに寄与することができるパラメータは、特に溶解パラメータおよび分子のlogPである。
【0031】
溶解パラメータは、すべての溶媒/溶質分子間相互作用、すなわち分散力、極性相互作用および水素結合タイプの相互作用を表す。
【0032】
当業者には既知であるハンセン(Hansen)法は、分子の全溶解パラメータを、全溶解パラメータが決定されている溶媒におけるこの分子の溶解性を評価することにより、理論的(分子に適用されるグループ寄与法の使用)かつ実験的に決定することを可能にする。
【0033】
この方法の優位性は、研究対象分子に対する潜在的な溶媒のリストを確立することである。
【0034】
これらの潜在的な溶媒は、分子の溶解パラメータに近い溶解パラメータを有する。
【0035】
本発明の組成物において使用される分子の全溶解パラメータは、10と40との間、好ましくは15と30との間、より好ましくは18と24との間である。
【0036】
分子の溶解性の評価を可能にするもう1つのパラメータは、分子のlogP値である。分子のlogP値は、分子の水への溶解度に対するオクタノールへの溶解度の比率により表される。
【0037】
このパラメータは、局所的に使用される分子にとっては重要である。
【0038】
これは、このオクタノール/水分配が、皮膚への適用の間の分子の分配、すなわち親水性部分(細胞)を一方としもう一方の皮膚の親油性部分(細胞間セメント)との間の分配の典型を示すものだからである。
【0039】
分配係数の対数(logPで表される)は、さらに、その極性を知ることを可能にする。特に、logP値が高ければ高いほど、分子はより親油特性を有することになる。その反対に、この値が低いほど、分子はより極性を有するようになる。本発明に使用することができる分子は、組成物の親水相中および親油相中に溶解することができるように、2と6との間、好ましくは4と5との間のlogP値を有する。
【0040】
さらに、活性成分として使用される分子は、好ましくは、溶解される各相中で、化学的に安定である。
【0041】
ステロイド性抗炎症剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、核内受容体調節物質および性ステロイドホルモンは、このような物理化学的特性を有する非網羅的な分子の例である。
【0042】
ステロイド性抗炎症剤の中で、コルチコステロイド、例えばベクロメタゾン、ベータメタゾン、クロベタゾール、コルチゾン、デソニド、デキサメタゾン、フルオクロロニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルドロキシコルチド、ホルモコルタール、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニドまたはこれらの混合物を、主として挙げることができる。
【0043】
抗真菌剤の中で、アモロルフィン、クロトリマゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾールまたはその他のトルナフテートを、主として挙げることができる。
【0044】
抗寄生虫剤の中で、イベルメクチン、より一般的にはアベルメクチンのファミリーを、主として挙げることができる。
【0045】
本発明において使用することができる性ステロイドホルモンには、DHEAすなわちデヒドロエピアンドロステロン、ならびにその化学的および/または生物学的前駆体および誘導体が含まれる。
【0046】
核内受容体調節物質の中で、例えば、レチノイドおよびこれらの同族体、PPAR(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体)受容体の調節化合物およびビタミンDおよびその同族体または誘導体を、主として挙げることができる。
【0047】
レチノイドの中で、例えば、レチノイン酸もしくはトレチノイン、13-cis-レチノイン酸もしくはイソトレチノイン、レチノール、アシトレチン、アダパレン、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0048】
PPAR受容体調節化合物の中で、チアゾリジンジオンおよび誘導体を特に挙げることができる。
【0049】
表現「ビタミンD同族体」は、種々の形態のビタミンD、例えば、ビタミンD2またはビタミンD3などを意味するものと理解される。表現「ビタミンD誘導体」は、ビタミンDと類似の生物学的特性、特にビタミンD応答配列(VDRE)に対するトランス活性化特性、例えばビタミンDまたはその誘導体の受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニスト活性など、を有する化合物を意味するものと理解される。これらの化合物は、一般的にはビタミンDの天然代謝産物ではない。これらの化合物は、特に、側鎖に修飾を有するビタミンD骨格を含む合成化合物および/またはそれ自体の骨格中に修飾を含む合成化合物である。したがって、本発明に基づき使用することができるビタミンDから誘導された化合物は、構造的、例えば二芳香族、同族体を含む。
【0050】
これらのビタミンD誘導体の例証として、特に、カルシポトリオール、カルシトリオールまたは1,25-ジヒドロキシビタミンD3、ドキセルカルシフェロール、セカルシトール、マキサカルシトール、セオカルシトール、タカルシトール、パリカルシトール、ファレカルシトール、1α,24(S)-ジヒドロキシビタミンD2、1(S),3(R)-ジヒドロキシ-20(R)-[((3-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)メトキシ)メチル]-9,10-セコプレグナ-5(Z),7(E),10(19)-トリエン、これらの混合物およびこれらの誘導体を挙げることができる。
【0051】
特定の一実施形態によれば、本発明に基づき使用されるのが好ましいビタミンD誘導体は、国際特許出願第00/26167号に、記載されている。これらは、高カルシウム血性を有することなく細胞増殖および分化に対する選択的活性を示すビタミンDの構造的同族体である化合物である。
【0052】
これらの化合物は、下記の一般式(I):
【0053】
【化1】

【0054】
式中、
- R1は、水素原子、メチル基または-(CH2)n-OR7基を表し;
- R2は、-(CH2)n-OR8基を表し、
n、R7およびR8は下記に示す意味を有し;
- X-Yは、下記、左から右に読んでもその逆でもよいが、式(a)から(d)までの結合から選択される結合を表し:
【0055】
【化2】

【0056】
R9およびWは、下記に示す意味を有し、
- R3は、ビタミンD2またはビタミンD3の鎖を表し、
【0057】
【化3】

【0058】
点線は、図(I)に示されるベンゼン環の鎖と結合している結合を表すか;または
- R3は、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換された4から8個の炭素原子を有する鎖であって、ヒドロキシル基は場合によっては、アセトキシ、メトキシまたはエトキシ、トリメチルシリロキシ、tert-ブチルジメチルシリロキシまたはテトラヒドロピラニルオキシ形態中に保護されており、かつ任意選択でさらに:
- 1つまたは複数の低級アルキルまたはシクロアルキル基で置換されており;かつ/または
- 1つまたは複数のハロゲン原子で置換されており;かつ/または
- 1つまたは複数のCF3基で置換されており;かつ/または
- 式中、鎖の1つまたは複数の炭素原子が1つまたは複数の酸素、イオウまたは窒素原子により置換されており、窒素原子に関しては低級アルキル基で任意選択で置換されることが可能であり;かつ/または
- 式中、鎖の1つまたは複数の単結合が1つまたは複数の二重結合および/または三重結合により置換されており;
- R3は、X-Y結合に対してベンゼン環のパラまたはメタの位置に配置しており、
- R4、R5およびR6は、同一または異なり、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、-OR10基またはポリエーテル基を表し、
R10は、下記に示す意味を有し;
- nは、0、1または2であり;
- R7およびR8は、同一または異なり、水素原子、アセチル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基またはテトラヒドロピラニル基を表し;
- R9は、水素原子または低級アルキル基を表し;
- Wは、酸素またはイオウ原子、-CH2-基または-NH-基を表し、低級アルキル基により任意選択で置換されていてよく;かつ
- R10は、水素原子または低級アルキル基を表す、
により表され、同様に前記式(I)の化合物の光学異性体および幾何異性体ならびにX-Yが式(a)の結合を表し、かつWが任意選択で、低級アルキル基で置換された-NH-基を表す場合には同様にこれらの塩でもある。
【0059】
表現「低級アルキル基」は、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝状のアルキル基を意味するものと理解される。
【0060】
本発明の組成物において使用されてよい式(I)の化合物の中で特に、下記を挙げることができる:
1. 6-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-2-メチルヘプタ-3,5-ジエン-2-オール;
2. 7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルフェノキシメチル)フェニル]-3-エチルオクタン-3-オール;
3. 7-{3-[2-(3,4-ビスヒドロキシメチルフェニル)エチル]フェニル}-3-エチルオクタ-4,6-ジエン-3-オール;
4. 6-{3-[2-(3,4-ビスヒドロキシメチルフェニル)エチル]フェニル}-2-メチルヘプタ-3,5-ジエン-2-オール;
5. 7-{3-[2-(3,4-ビスヒドロキシメチルフェニル)ビニル]フェニル}-3-エチルオクタ-4,6-ジエン-3-オール;
6. 7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチル-3-オクタノール;
7. (4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルオクタ-4,6-ジエン-3-オール;
8. (4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)-フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オール;
9. (E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルオクト-4-エン-3-オール;
10. (E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルオクト-6-エン-3-オール;
11. (E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルオクト-6-エン-4-イル-3-オール;
12. (4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルフェノキシメチル)-フェニル]-3-エチルオクタ-4,6-ジエン-3-オール;
13. (E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルフェノキシメチル)-フェニル]-3-エチルノン-6-エン-3-オール;
14. (E)-7-{3-[(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジル)メチル-アミノ]フェニル}-3-エチルオクト-6-エン-3-オール;および
15. 7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチル-7-メチルオクタン-3-オール。
【0061】
特に、本発明の組成物に導入される医薬用活性成分は、(4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールである。
【0062】
本発明の組成物
本発明の組成物は、好ましくはエマルションの形態である。
【0063】
用語「エマルション」は、本記述の意味において、少なくとも1つの相がもう1つの相に分散している、異なる極性を有する少なくとも2つの相を含む組成物であると理解される。
【0064】
本発明が対象とする組成物は、油中水型(W/O)、水中油型(O/W)、シリコーン中水型またはシリコーン中グリコール型エマルションなどの「単純な」エマルション、またはクリームゲル(非界面活性剤ポリマー乳化剤により水相中に分散した油相)または3相エマルション(例えば、W/O/WまたはO/W/O)である。
【0065】
本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも1つの親水相および少なくとも1つの親油相、あるいは少なくとも1つのグリコールまたはハイドログリコール相および少なくとも1つの親油相を有するエマルションである。
【0066】
各相の比率は、活性成分およびその親水相および親油相への溶解性の関数として選択され、この比率は、標的とする病態に対して治療的に有効である活性成分の濃度を達成するためのものである。
【0067】
本発明によれば、親水相は(組成物の全重量に対する重量で表して)10から90%、好ましくは組成物の重量の10から45%に相当する。
【0068】
本発明によれば、親油相は、(組成物の全重量に対する重量で表して)10から90%、好ましくは組成物の重量の15から50%に相当する。
【0069】
組成物の親水相
親水相の化合物は、そこに溶解するよう所望される活性成分の溶解性プロフィールの関数として選択される。
【0070】
親水相は、少なくとも1つの親水性溶媒を含み、それは特に、水または水とC1〜C4アルコール、例えばエタノール、イソプロパノールまたはブタノールとの混合物(含水アルコール溶液)、および同様にグリコールとのまたはこれらの他の混合物、特にグリコール/水混合物(ハイドログリコール相)から選択されてよい。さらに、親水性溶媒は、もっぱらグリコール性であってよいことに留意すべきである。このような親水相を使用するエマルションの例は、グリコール/シリコーンタイプのエマルションである。
【0071】
好ましくは、本発明の組成物の少なくとも1つの親水相は、グリコールまたはハイドログリコール相である。
【0072】
好ましくは、本発明の組成物の少なくとも1つの親水相は、少なくとも1つの親水性溶媒に溶解した活性成分および少なくとも1つの他の親水性化合物を含む。この他の化合物は、もう1つの親水性溶媒、または親水相に導入された他のいずれかの化合物であってよい。
【0073】
本発明において使用することができるグリコールには、アルキレンまたはポリアルキレングリコールが含まれる。非限定的な例として、(C1〜C6)アルキレンおよびポリアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール(2から20個のモノマー)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコールおよびヘキシレングリコールなど、を挙げることができる。
【0074】
好ましくは、本発明に基づき使用されるグリコールは、プロピレングリコールまたはPEG400から選択される。
【0075】
組成物の親油相
親油相の化合物もまた、そこに溶解するよう所望される活性成分の溶解性プロフィールの関数として選択される。
【0076】
表現「親油相」は、一方で活性成分を、かつもう一方では、もっぱら親油性である化合物を含む相を意味すると理解される。したがって、このような相は、いかなる親水性化合物をも含まない。
【0077】
親油相は、少なくとも1つの親油性溶媒を含み、親油性溶媒は、油、任意選択で揮発油であってよい。好ましくは、親油相は、分子および/またはワックスの溶媒である少なくとも1つの(任意選択で揮発性の)油を含む。
【0078】
好ましくは、本発明の組成物の少なくとも1つの親油相は、少なくとも1つの親油性溶媒に溶解した活性成分および少なくとも1つの他の親油性化合物を含む。この他の化合物は、もう1つの親油性溶媒、または親油相に導入された他のいずれかの化合物であってよい。
【0079】
本発明によれば、ワックスは動物、植物、鉱物または合成ワックスであってよい。
【0080】
動物ワックスの中で、ミツロウおよび鯨皮脂肪を特に挙げることができる。植物ワックスの中で、とりわけ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、オーリクリーワックス、コルクファイバーワックス、サトウキビワックスおよびモクロウを挙げることができる。鉱物ワックスの中で、特に、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、リグナイトワックスおよびオゾケライトを挙げることができる。最後に、合成ワックスの中で、;ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプシュ合成により得られるワックスを特に挙げることができる。
【0081】
本発明において使用することができる油(親油性溶媒)の中で、ミンク油、カメ油、ダイズ油、ブトウ種子油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、アボカド油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油およびピーナッツ油;流動パラフィン、スクワランおよび流動ワセリンなどの炭化水素油;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸セテアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、コハク酸2-ジエチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸2-オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド、C12〜15安息香酸アルキル、ペルフルオロ化および/またはオルガノフルオロ化油などのエステル;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級脂肪アルコール、ヘキシルデカノールおよびオクチルドデカノールなどのGuerbetアルコールを挙げることができる。本発明に基づき使用することができる油はまた直鎖状シロキサンタイプのシリコーンベースの油、より好ましくはヘキサメチルジシロキサンであってよい。例として、Dow Corningにより販売されている製品、DC Fluid(登録商標) 0.65cStを挙げることができる。
【0082】
本発明の親油相の成分は、好ましくはパルミチン酸イソプロピル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド(MIGLYOL 812)、C12〜15安息香酸アルキル(FINSOLV TN)、イソノナン酸セテアリル(CETIOL SN)およびオクチルドデカノール(EUTANOL G)から選択される。
【0083】
界面活性剤もまた、有利には、安定なエマルションを得るために使用される。界面活性剤はまた好ましくは、特に多相エマルションの場合、非常に微細なエマルションを得るために使用される。
【0084】
界面活性剤(乳化剤または界面活性剤)は、親水性または極性部分と親油性または無極性部分とから形成される天然または合成物質である。界面活性剤は、二重の極性を有することから、両親媒性の分子である。界面活性剤は、そのHLBにより特徴付けられる。界面活性剤は、親水相と親油相との界面に達する。界面活性剤のHLB値は、エマルションの傾向を方向付ける。
【0085】
好ましくは、本発明のエマルションの形態の組成物は、活性成分と相互作用しない、好ましくはエマルションの連続相中に存在する少なくとも1つの薬理学的にまたは化粧品学的に許容できる界面活性剤を含む。
【0086】
したがって、O/Wエマルションを調製するために、高HLB(例えば、15〜16)を有する1つまたは複数の界面活性剤がエマルションの親水相に導入され、かつ親水相に導入された活性成分の可溶化に寄与することがある。
【0087】
同様に、W/Oエマルションを調製するために、低HLB(5〜6)を有する1つまたは複数の界面活性剤がエマルションの親油相に導入され、かつ親油相中の活性成分の可溶化に寄与することがある。
【0088】
本発明において使用される界面活性剤は、薬理学的にまたは化粧品学的に許容できるものでなければならず、かつ活性成分と相互作用してはならない。一般に、界面活性剤は、乳化の前に、エマルションの連続相を形成するよう意図された相に導入される。
【0089】
高HLBを有する非イオン界面活性剤の非限定的な例としてグリセロールエステル、ポリオキシエチレングリコールエステルまたはポリオキシプロピレングリコールエステル、サッカロースと脂肪酸とのエステル、ポリオキシエチレン化ソルビタンエステルおよびポリオキシエチレン化またはポリオキシプロピレン化されたアルコールなどのエーテル-オキサイド結合を有する界面活性剤を挙げることができる。
【0090】
好ましくは、本発明の水中油型エマルションを製造するために、ステアリン酸PEG100(ARLACEL(登録商標) 165)などのポリオキシエチレングリコールエステルまたはセテアレス-20(EUMULGIN(登録商標) B2)などのポリオキシエチレン化アルコールが使用される。
【0091】
低HLBを有する非イオン界面活性剤の非限定的な例としてグリコールエステル、ソルビタンエステルおよびポリオキシエチレン化アルコールなどを挙げることができる。
【0092】
好ましくは、本発明の油中水型エマルションを製造するために、ラウリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタンおよびステアリン酸ソルビタンなどのソルビタンエステルが使用される。
【0093】
シリコーンベースのエマルション、特に水-シリコーンまたはグリセロール-シリコーンエマルションを処方することを可能にするシリコーンベースの界面活性剤の非限定的な例として:
- 直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和C6〜C20アルキル鎖、1から50個のEO(エチレンオキサイド)を有するポリオキシエチレン化ユニットおよび/または1から50個のPO(プロピレンオキサイド)を有するポリオキシプロピレン化ユニットを含むポリアルキルメチコンコポリオールタイプ(任意選択で架橋したオキシアルキレン化ポリアルキルメチルシロキサン)の界面活性剤;および
- 直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和C6〜C20アルキル鎖、1から50個のEOを有するポリオキシエチレン化ユニットおよび/または1から50個のPOを有するポリオキシプロピレン化ユニットを含むオキシアルキレン化ポリアルキルジメチルメチルシロキサンタイプの界面活性剤、
を挙げることができる。
【0094】
したがって、有利には、シリコーンベースの乳化剤として、ABIL EM-90などのアルキルジメチコンコポリオール、またはDow Corningにより3235C FORMULATION AIDの名称で販売されているジメチコンコポリオール/シクロメチコン混合物、Dow CorningによりEMULSIFIER 10の名称で販売されているラウリルメチコンコポリオール、またはシリコーンベースのポリマーに基づく混合物、例えばGoldschmidtによりABIL WE09の名称で販売されているセチルジメチコンコポリオールとイソステアリン酸ポリグリセリル-4およびラウリン酸ヘキシルとの混合物、GoldschmidtのABIL EM97(ジメチコンコポリオールおよびシクロメチコン)、WackerのWACKER SPG 128 VP(シクロメチコンおよびオクチルジメチコンメトキシグリコシル)、SILWAX WD-IS(ジメチコンコポリオールイソステアレート)などを使用することになる。モノ-またはポリアルキルエステルシロキサンなどの非ポリマー性のシリコーンベース乳化剤、例えばLambentのSILWAX S(ジメチコノールステアレート)またはPEGのポリヒドロキシル化アルキルエステル、例えばUniqemaのARLACEL P 135(PEG-30ジポリヒドロキシステアレート)などのアルコキシル化カルボン酸エステルもまた使用することができる。
【0095】
医薬用または化粧用組成物の範囲内でのエマルションの処方化は、処方化および製剤学分野における当業者の通常の技術を使用する。
【0096】
本発明の組成物は、好ましくは、皮膚、外皮および/または粘膜への局所適用に適する。組成物は、所望の効果を得るために十分な量の活性成分を含む。
【0097】
皮膚への浸透性を調節するために、それが浸透性を改善するためであろうと浸透性を低減するためであろうと、他の化合物を添加してよい。
【0098】
活性成分の皮膚への浸透性を調節するこれらの追加的化合物の中で、例えば、親水性の吸収促進剤、親油性の吸収促進剤および分子をトラップすることにより皮膚への浸透を制限する薬剤を挙げることができる。
【0099】
親水性の吸収促進剤の中で、例えば、プロピレングリコール、トランスクトール、DMSO、エタノール、N-メチルピロリドン、好ましくはプロピレングリコールを挙げることができる。
【0100】
親油性の吸収促進剤の中で、例えば、オレイン酸、オレイルアルコール、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、マカダミアオイルまたはアルファビサボロール、テルペン、アゾン、好ましくはオレイン酸を挙げることができる。
【0101】
活性成分の皮膚への浸透を制限する薬剤の中で、例えば、ポリエチレングリコール、好ましくはPEG400を挙げることができる。これらの化合物は、そのネットワーク構造により、ある種の分子をこのネットワーク中にトラップし、標的組織へのネットワークからの放出を遅らせることが知られている。
【0102】
本発明は、追加的に化粧品または医薬品分野において通常使用されているいかなる添加物、例えば、金属イオン封鎖剤、湿潤剤、付着促進剤、展延剤、酸化防止剤、サンスクリーン剤、防腐剤、フィラー、電解質、保水剤、顔料、染料、一般的な無機または有機塩基または酸、精油、化粧用活性成分、保湿剤、ビタミン、必須脂肪酸および/またはスフィンゴ脂質をも含んでよい。
【0103】
当然ながら、これらの任意選択の追加的化合物および/またはその量は、エマルションの優位性がまったくまたは実質的に損なわれることがないように選択される。
【0104】
組成物の製造
本発明のもう1つの課題は、先に記述した化粧用または医薬用組成物を製造する方法である。
【0105】
しかし、活性成分の温度感受性の関数として、2つの異なる方法が、認められている。表現「温度感受性でない」は、40℃と80℃との間の温度に対して、物理的および/または化学的劣化を被ることなく耐える活性成分を意味するものと理解される。
【0106】
方法A
温度感受性でない活性成分の場合、種々の相の他の成分とともに加熱してよい。方法のステップは、下記の通りである:
i)活性成分が溶解した形態で存在する親水相を得るために、前記活性成分を、40℃と80℃との間の温度で、少なくとも1つの親水性溶媒と混合するステップ;
ii)活性成分が溶解した形態で存在する親油相を得るために、前記活性成分を、40℃と80℃との間の温度で、少なくとも1つの親油性溶媒と混合するステップ;および
iii)i)で得られた親水相をii)で得られた親油相と混合するステップ。
【0107】
好ましくは、方法は、ステップii)の最後に、少なくとも1つの他の親油性化合物の前記親油相への添加を含む。
【0108】
したがって、前記方法はこの場合、下記のステップを含む:
i)活性成分が溶解した形態で存在する親水相を得るために、前記活性成分を、40℃と80℃との間の温度で、少なくとも1つの親水性溶媒と混合するステップ;
ii)活性成分が溶解した形態で存在する親油性活性相を得るために、前記活性成分を、40℃と80℃との間の温度で、少なくとも1つの親油性溶媒と混合し、次いで親油相を得るために、この親油性活性相を少なくとも1つの他の親油性化合物と混合するステップ;および
iii)i)で得られた少なくとも1つの親水相をii)で得られた少なくとも1つの親油相と混合するステップ。
【0109】
有利には、本発明のプロセスは、適切なHLBの少なくとも1つの界面活性剤を、ステップi)またはステップii)の間に添加することを含む。高HLBを有する界面活性剤は親水相に導入され、一方低HLBを有する界面活性剤は親油相に導入されことになる。
【0110】
したがって、好ましくは、本発明の組成物を調製するための方法は、下記のステップを含む:
【0111】
1- 親水相の調製
a)- 水を秤量し、好ましくは60℃と80℃との間で、穏やかに攪拌しながら加熱するステップ。
b)- 活性成分、防腐剤、キレート剤およびpH調節剤を添加し、そこに高HLBを有する適切な界面活性剤を添加して、これらの化合物が完全に溶解するまで攪拌するステップ。
c)- 60℃と80℃との間の温度、好ましくは温度75℃で、増粘剤を導入し、好ましくは20から40分間、攪拌するステップ。
d)- 次いで、エマルションを安定化するための薬剤を加え、完全に溶解するまで攪拌を続けるステップ。
【0112】
2- 親油相の調製
a)- 親油相の(活性成分以外の)すべての成分、および、高HLBを有する界面活性剤を親水相に導入しない場合には、低HLBを有する界面活性剤を秤量し、好ましくは60℃と80℃との間で、均一な相が得られるまで、攪拌しながら加熱するステップ。
b)- 次いで活性成分を、この相に意図されている量で、親油相に加え、完全に溶解するまで攪拌を続けるステップ。
- 本発明の方法の好ましい一実施形態において、活性成分を含む混合物を得るために、上記の相a)を生成する前に、活性成分を活性成分用の親油性溶媒に溶解する。この場合、ステップb)は、活性成分をこの相に意図されている量で含むこの混合物を親油相に加え、完全に溶解するまで攪拌を続けることを本質とする。
【0113】
3-乳化
- 親水相を親油相に注ぎ込み、5分と20分の間の時間、好ましくは10分間、激しく攪拌して乳化する。
【0114】
方法B
温度感受性である活性成分の場合、活性成分を40℃より高い温度で加熱することを可能な限り避けるために、方法を変更しなければならないことになる。例えば周囲温度で固体である成分を液体にするために、加熱ステップが必要な場合、活性成分と40℃より高い温度の相との接触時間を、最低限に低減することになる。
【0115】
方法のステップは、下記の通りである:
i)活性成分が溶解した形態で存在する親水性活性相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親水性溶媒と混合するステップ;
ii)少なくとも1つの他の親水性化合物を40℃と80℃との間の温度で加熱することにより、親水性不活性相を調製するステップ;
iii)活性成分が溶解した形態で存在する親油相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親油性溶媒と混合するステップ;
iv)エマルションを得るために、ii)で得られた親水性不活性相を、約50から60℃の温度で、iii)で得られた親油相と混合するステップ;
v)iv)で得られたエマルションを、30から45℃の温度に冷却するステップ;および
vi)v)で得られた前記エマルションを、30℃と45℃との間の温度で、i)で得られた前記親水性活性相と混合するステップ。
【0116】
有利には、本発明の方法は、適切なHLBの少なくとも1つの界面活性剤を、ステップii)(親水性不活性相の調製)の間またはステップiii)(親油相の調製)の間に添加することを含む。
【0117】
好ましくは、方法は、下記のステップを含む:
i)活性成分が溶解した形態で存在する親水性活性相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親水性溶媒と混合するステップ;
ii)少なくとも1つの他の親水性化合物を40℃と80℃との間の温度で加熱することにより、親水性不活性相を調製するステップ;
iii)活性成分が溶解した形態で存在する親油性活性相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親油性溶媒と混合するステップ;
iv)少なくとも1つの他の親油性化合物を40℃と80℃との間の温度で加熱することにより、親油性不活性相を調製するステップ;
v)iv)で得られた親油性不活性相を、高くとも40℃の温度に冷却するステップ;
vi)v)で得られた冷却した親油性不活性相をiii)で得られた親油性活性相と混合するステップ;
vii)エマルションを得るために、ii)で得られた親水性不活性相を、約50から60℃の温度で、vi)で得られた親油相と混合するステップ;
viii)vii)で得られたエマルションを、30から45℃の温度に冷却するステップ;および
ix)viii)で得られた前記エマルションを、30℃と45℃との間の温度で、i)で得られた前記親水性活性相と混合するステップ。
【0118】
有利には、本発明の方法は、適切なHLBの少なくとも1つの界面活性剤を、ステップii)(親水性不活性相の調製)の間またはステップiv)(親油性不活性相の調製)の間に添加することを含む。高HLBを有する界面活性剤は親水相に導入され、一方低HLBを有する界面活性剤は親油相に導入されることになる。
【0119】
したがって、好ましくは、本発明の組成物を調製するための方法は、下記のステップを含む:
1- 親水相の調製
a)- 水を秤量し、好ましくは60℃と80℃との間で、穏やかに攪拌しながら加熱するステップ。
b)- 防腐剤、キレート剤およびpH調節剤を添加し、そこに高HLBを有する適切な界面活性剤を添加して、これらの化合物が完全に溶解するまで攪拌するステップ。
c)- 60℃と80℃との間の温度、好ましくは温度75℃で、増粘剤を導入し、好ましくは20から40分間、攪拌するステップ。
d)- 次いで、エマルションを安定化するための薬剤を加え、完全に溶解するまで攪拌を続けるステップ。
e)- さらに、親水相用として意図された活性成分の量を、40℃より低い温度、好ましくは周囲温度で、グリコール/抗酸化剤混合物に溶解するステップ。
【0120】
2- 親油相の調製
a)- 周囲温度で液体である親油相の成分および周囲温度で固体であり融解を必要とする成分とを識別するステップ。
b)- 周囲温度で液体であり、かつ活性成分の溶媒である親油相の少なくとも1つの成分を識別し、そこに活性成分を溶解するステップ。
c)- 親油相の他のすべての成分、および、高HLBを有する界面活性剤を親水相に導入しない場合には、低HLBを有する界面活性剤を秤量し、好ましくは固体成分を融解するのに必要な温度、すなわち60℃と80℃との間の温度で、均一な相が得られるまで、攪拌しながら加熱するステップ。好ましくは、相の温度を次のステップの前に可能な限り低下させておく。
d)- 活性成分/親油性成分混合物を、この親油相に加え、新しい均一相が得られるまで攪拌を続ける一方で、活性成分と親油相の潜在的に高い温度との接触時間を最小限に抑えるステップ。続いての乳化および冷却へと速やかに進む。
【0121】
3-乳化
a)- ステップd)の最後に親水相の調製から得られた親水相を親油相に注ぎ込み、約50から60℃の温度で、5分と20分の間の時間、好ましくは10分間、激しく攪拌して乳化するステップ。
b)- 中程度の速度でエマルションの攪拌を続けながら、ゆっくりと冷却するステップ。
c)- 30℃と45℃との間の温度、好ましくは約35〜40℃で、予めグリコール/抗酸化剤混合物に溶解した(親水相の調製のステップe))、親水相用として意図された活性成分をエマルションに導入し、エマルションが周囲温度に戻るまで攪拌を続けるステップ。
【0122】
前述のように、本記述の溶液またはエマルションの攪拌は、通常の装置、例えばレイネリ(Rayneri)装置など、を用いて行ってよい。
【0123】
表現「穏やかな攪拌」は、本発明によれば、300rpmより低い値を有するレイネリ装置により得られる攪拌を意味するものと理解される。
【0124】
表現「中程度の攪拌」は、本発明によれば、301rpmと700rpmとの間のレイネリ装置により得られる攪拌を意味するものと理解される。
【0125】
表現「激しい攪拌」は、本発明によれば、701rpmと1500rpmとの間のレイネリ装置により得られる攪拌を意味するものと理解される。
【0126】
表現「周囲温度」は、20℃と30℃との間の温度、好ましくは23℃と27℃との間、好ましくは25℃に等しい温度を意味するものと理解される。
【0127】
特定の好ましい一実施形態によれば、本発明の方法に基づき調製された組成物は、水中油型(O/W)エマルションであり、言い換えると、記述によれば前記第一の相が第二の連続親水相中に分散する親油相であるエマルションである。
【0128】
化粧用または医薬用用途
本発明の組成物は、医薬用または化粧用途に使用してよい。組成物は、好ましくは局所使用に適した形態、例えばクリーム、ムース、スプレーもしくはエアロゾルの形態または特許請求の範囲の処方と適合性のあるいかなる投与形態であってもよい。
【0129】
好ましくは、本発明の組成物は、ビタミンDまたはビタミンD誘導体を含み、かつ皮膚科学分野、例えば下記に表示する用途に、好ましくは乾癬の治療に、適用できる。
【0130】
この組成物は特に下記に適する:
1)ケラチノサイトまたはセボサイトの分化または増殖疾患に関連する皮膚科学的状態の治療、特に尋常性アクネ、コメド型アクネ、多形性アクネ、酒さ性アクネ、結節性アクネ、集簇性アクネ、老人性アクネ、二次性アクネ、例えば日光性アクネ、薬物関連アクネまたは職業性アクネなどの治療;
2)角質化疾患、特に魚鱗癬、魚鱗癬様状態、ダリエ病、手掌足底角化症、白斑症および白斑症様状態、皮膚または粘膜(頬側)苔癬の治療;
3)炎症および/または免疫アレルギー性要素を伴う角質化疾患に関連する他の皮膚科学的状態、特に皮膚、粘膜または爪のいずれかの、あらゆる形態の乾癬、およびさらに乾癬性リウマチ、あるいは湿疹などの皮膚アトピーあるいは呼吸性アトピーあるいは歯肉肥大の治療;
4)角質化疾患を呈さないある種の炎症性皮膚状態、例えばアトピー性湿疹および接触性アレルギーの治療;
5)あらゆる真皮または表皮増殖、両性または悪性のいずれかであって、ウイルス性または非ウイルス性のいずれかである増殖、例えば尋常性いぼ、扁平いぼおよび疣贅状表皮発育異常症、口腔または顕症期乳頭腫症、ならびに紫外線照射により誘発され得る増殖など、特に基底細胞および有棘細胞の上皮腫の場合、の治療;
6)水泡性皮膚症およびコラーゲン疾患などの他の皮膚科学的疾患の治療;
7)光誘発性または加齢性のいずれかの皮膚老化の兆候の防止または治療、あるいは光線性角化症および色素沈着、または加齢性または光線性老化に関連するあらゆる皮膚病態の低減;
8)瘢痕形成性疾患の防止または治療、あるいはストレッチマークの防止または修復;
9)アクネ性の高度脂漏症または単純脂漏症またはさらに脂漏性湿疹などの皮脂腺機能障害への対処;
10)ある種の眼科的疾患、特に角膜症の治療;
11)ビタミンD受容体を呈しているか、または呈するよう誘発され得る皮膚癌または他の癌の癌性または前癌性状態、例えば、非限定的にではあるが、乳癌、白血病、骨髄異形成症候群およびリンパ腫、マルピーギ上皮細胞の癌腫および胃腸癌、メラノーマ、および骨肉腫など、の治療または防止;
12)関節炎またはリウマチ性関節炎などの炎症性状態の治療;
13)ウイルス起因性のあらゆる皮膚または一般的状態の治療;
14)種々の原因の脱毛症、特に化学療法または放射線療法による脱毛症の予防または治療;
15)免疫学的な要素を有する皮膚科学的または一般的状態の治療;
16)自己免疫疾患(例えば、非限定的に、I型糖尿病、多発性硬化症、ループスおよびループスタイプの状態、喘息、糸球体腎炎など)、免疫システムの選択的機能不全(例えば、AIDS)などの免疫状態の治療ならびに移植拒絶反応(例えば、腎臓、心臓、骨髄、肝臓、ランゲルハンス島または膵臓全体、皮膚など)などの免疫拒絶反応の防止あるいは移植片対宿主病の防止;
17)有利にはホルモン分泌を調節するようなビタミンD同族体により、例えばインスリンの分泌を増加させることにより、または副甲状腺ホルモンの分泌を選択的に抑制することにより(例えば、慢性腎不全および二次性副甲状腺機能亢進症において)治療することができる内分泌状態の治療;
18)異常な細胞内カルシウムハンドリングに特徴付けられる状態の治療;
19)ビタミンD欠乏および血漿または骨におけるミネラルホメオスタシスの他の状態、例えばくる病、骨軟化症、骨粗しょう症、特に閉経期女性の場合の、腎性骨異栄養症および副甲状腺の機能障害などの治療および/または防止。
【0131】
本発明の特定の一課題は、したがって親水相および親油相、ビタミンDまたはビタミンD同族体もしくは誘導体、すなわち好ましくは、これらの相のそれぞれに存在し、かつ溶解した形態である(4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールを含むエマルションである。
【0132】
本発明の一課題は、より特に、グリコールまたはハイドログリコール相および親油相、これらの相のそれぞれに溶解した形態で存在する(4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールを含むエマルションに関する。
【0133】
本発明のもう1つの課題は、このようなエマルションを含む局所使用のための医薬用または化粧用組成物である。
【0134】
本発明のもう1つの課題は、上記に定義の組成物、特にエマルションの、皮膚の障害、特に乾癬の治療を意図した薬剤を調製するための使用である。
【0135】
これは、ビタミンDおよびその同族体または誘導体が、患部表面において皮膚細胞の過剰産生を制限し、特に肥厚し、鱗状かつ乾燥した病変の存在を特徴とするこの状態の治療に対して証明された優位性を有するからである。
【0136】
下記の実施例は、本発明を例証することを可能にするが、その範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0137】
実施例1および2において、処方の組成物に導入する成分の量は、組成物の全重量に対する重量パーセントで表す。
【0138】
(実施例)
(実施例1)
実施例2および3において使用することができる製造方法
1- 親水相の調製
- 水を秤量し、穏やかに攪拌しながら75℃に加熱する。
- EDTA、リン酸水素ナトリウムおよびメチルバラベンを加え、中程度の速度で、完全に溶解するまで攪拌する。
VEEGUM Kを導入し、中程度の速度で30分間、75℃で、攪拌する。
次いで、KELTROL Tを加え完全に溶解するまで攪拌を続ける。
【0139】
2- 親油相の調製
- 親油相の((4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールを除く)すべての成分を秤量し、均一な相が得られるまで、中程度に攪拌しながら75℃に加熱する。
- この相に意図されている(4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールを加え、完全に溶解するまで攪拌を続ける。
【0140】
3-乳化
- 親水相を親油相に注ぎ込み、約60℃で10分間、激しく攪拌して(1200rpm)乳化する。
- 700rpmで中程度の攪拌を維持しながらゆっくりと冷却する。
- 約35〜40℃で、予めグリコール/BHA混合物に溶解した(4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールをエマルションに導入し、エマルションが周囲温度に戻るまで攪拌を続ける。
【0141】
(実施例2)
O/Wエマルション
【0142】
【表1】

【0143】
(実施例3)
O/Wエマルション
【0144】
【表2】

【0145】
上記に記載の実施例は、混合可溶化の優位性を例証している。
【0146】
これは、(4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールの0.3%エマルションの調製が、分子の混合可溶化にのみによって:親水相中に1つのフラクションかつ親油相中に1つのフラクションということを可能にしているためである。
【0147】
単一相((4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オール(親水相中または親油相中)に対する可溶化試験では、物理的に経時安定性であるエマルションを得ることはできなかった;((4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールの結晶成長現象が4℃での貯蔵の最初の1ヶ月から現れた。
【0148】
もう一方で、混合可溶化は、エマルションの良好な物理的安定性および4℃で3ヶ月の貯蔵後にも結晶成長が起こらないということを可能にした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの親水相;
少なくとも1つの親油性溶媒を含む少なくとも1つの親油相;および
少なくとも1つの活性成分
を含む医薬用または化粧用組成物であって、活性成分の分配係数の対数が2と6との間であること、および活性成分が少なくとも1つの親水相および親油相の少なくとも1つの親油性溶媒中に溶解した形態で存在することを特徴とする医薬用または化粧用組成物。
【請求項2】
前記親水相が、少なくとも1つの親水性溶媒に溶解した活性成分、および少なくとも1つの他の親水性化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
エマルションであることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
親水相および親油相を含む、請求項1から3の一項に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの親水相がグリコールまたはハイドログリコール相であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
活性成分が、ステロイド性抗炎症剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、核内受容体調節物質および性ステロイドからなる群から選択される、請求項1から5の一項に記載の組成物。
【請求項7】
活性成分がコルチコステロイドである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
活性成分がレチノイドである、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
活性成分がビタミンD誘導体である、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
活性成分が、(4E,6E)-7-[3-(3,4-ビスヒドロキシメチルベンジルオキシ)フェニル]-3-エチルノナ-4,6-ジエン-3-オールである、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
さらに、少なくとも1つの薬理学的にまたは化粧品学的に許容できる界面活性剤を含む、請求項1から10の一項に記載の組成物。
【請求項12】
局所的使用に適した形態である、請求項1から11の一項に記載の組成物。
【請求項13】
乾癬の治療を意図した薬剤を調製するための、請求項1から12の一項に記載の組成物の使用。
【請求項14】
下記のステップ:
i)活性成分が溶解した形態で存在する親水相を得るために、前記活性成分を、40℃と80℃との間の温度で、少なくとも1つの親水性溶媒と混合するステップ;
ii)活性成分が溶解した形態で存在する親油相を得るために、前記活性成分を、40℃と80℃との間の温度で、少なくとも1つの親油性溶媒と混合するステップ;および
iii)i)で得られた親水相をii)で得られた親油相と混合するステップ
を含むことを特徴とする、請求項1から12に記載の組成物を製造するための方法。
【請求項15】
ステップii)の最後に、少なくとも1つの他の親油性化合物の前記親油相への添加を含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
適切なHLBの少なくとも1つの界面活性剤を、ステップi)またはステップii)の間に添加することを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
下記のステップ:
i)活性成分が溶解した形態で存在する親水性活性相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親水性溶媒と混合するステップ;
ii)少なくとも1つの他の親水性化合物を、40℃と80℃との間の温度で加熱することにより、親水性不活性相を調製するステップ;
iii)活性成分が溶解した形態で存在する親油相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親油性溶媒と混合するステップ;
iv)エマルションを得るために、ii)で得られた親水性不活性相を、約50から60℃の温度で、iii)で得られた親油相と混合するステップ;
v)iv)で得られたエマルションを30から45℃の温度に冷却するステップ;および
vi)v)で得られた前記エマルションを、30℃と45℃との間の温度で、i)で得られた前記親水性活性相と混合するステップ
を含むことを特徴とする、請求項2から12に記載の組成物を製造するための方法。
【請求項18】
下記のステップ:
i)活性成分が溶解した形態で存在する親水性活性相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親水性溶媒と混合するステップ;
ii)少なくとも1つの他の親水性化合物を、40℃と80℃との間の温度で加熱することにより、親水性不活性相を調製するステップ;
iii)活性成分が溶解した形態で存在する親油性活性相を得るために、前記活性成分を、40℃より低い温度で、少なくとも1つの親油性溶媒と混合するステップ;
iv)少なくとも1つの他の親油性化合物を、40℃と80℃との間の温度で加熱することにより、親油性不活性相を調製するステップ;
v)iv)で得られた親油性不活性相を、高くとも40℃の温度に冷却するステップ;
vi)v)で得られた少なくとも1つの冷却した親油性不活性相をiii)で得られた親油性活性相と混合するステップ;
vii)エマルションを得るために、ii)で得られた親水性不活性相を、約50から60℃の温度で、vi)で得られた親油相と混合するステップ;
viii)vii)で得られたエマルションを、30から45℃の温度に冷却するステップ;および
ix)viii)で得られた前記エマルションを、30℃と45℃との間の温度で、i)で得られた前記親水性活性相と混合するステップ
を含むことを特徴とする、請求項1から12に記載の組成物を製造するための方法。
【請求項19】
適切なHLBの少なくとも1つの界面活性剤を、ステップii)またはステップiv)の間に添加することを特徴とする、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2009−515860(P2009−515860A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539480(P2008−539480)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際出願番号】PCT/FR2006/051156
【国際公開番号】WO2007/057598
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】