説明

半導体デバイス、反射型フォトインタラプタおよび反射型フォトインタラプタ用のハウジングを製造する方法

本願発明は半導体デバイス、反射型フォトインタラプタ並びに反射型フォトインタラプタ用のハウジングの製造方法に関する。ここでハウジング下方部分(5)はモノリシックであり、少なくとも2つの空洞(6、7)を有しており、これらの空洞内に発光部(3)と受光部(4)が収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、ドイツ連邦共和国特許出願第102008025159.3号の優先権を主張する。この文献の開示内容は、本願発明に参考として組み込まれている。
【0002】
本願は、半導体デバイス、反射型フォトインタラプタ並びにハウジングを製造する方法に関する。ここではモノリシックなハウジング下部が設けられており、このハウジング部分は少なくとも2つの空洞を有しており、当該空洞内にはそれぞれ少なくとも1つの半導体チップが収容されており、ここで当該ハウジング下部は、送出された電磁ビームを吸収する、または反射する。
【0003】
特定の領域内で対象物を検出するために、フォトインタラプタが使用される。フォトインタラプタは、発光部および受光部を有する光電システムである。発光部としては、以下で、電磁ビームを送出する半導体チップが想定される。発光部は、送出部またはビーム源とも称される。送出用半導体チップは例えば赤外ビームまたは可視光を出力し、有利には発光ダイオードまたはレーザーダイオードである。これに反して受光部は、電磁ビームを検出する半導体チップであり、これは、センサまたは受信部とも称される。受光部は、発光部の送出されたビームに反応する。この検出用半導体チップは有利にはフォトトランジスタ、フォト抵抗またはフォトダイオードである。
【0004】
フォトインタラプタの機能原理を以下で簡単に説明する。発光部は、相応する光の強さIを有する、特定の波長領域の電磁ビームを送出する。受光部は、ビームの少なくともこの特定の波長領域に反応する。フォトインタラプタ内の検出されるべき対象物によって、発光部と受光部との間のビーム路が変わる。受光部内では、ビームの入射する光度の、この結果による変化が記録される。この記録は後続のステップにおいて、電気的なスイッチング信号に変換され、続いてこの信号がさらに処理される。
【0005】
光度Lとしては、その外見上の照明面積の大きさGに対する、放射された光強度Iの比が定められる。光度は、1平方メートルmあたりのSI単位としてカンデラcdを有している。光度は、測光的にビーム密度L(λ)に対応するものである。ここでこのビーム密度は放射測定の単位、Watt*Meter−2*Steradiant−1ないしはW・m−2・sr−1を有している。
【0006】
フォトインタラプタは基本的に、透過型フォトインタラプタと反射型フォトインタラプタに分けられる。透過型フォトインタラプタの場合、発光部と受光部は対向して位置しており、ここで発光部のメイン放射方向は直接的に、受光部の方向に位置している。従って受光部は常に、発光から到来する光度を検出する。対象物が、発光部と受光部との間のビーム路内に入ると、ビーム路が中断される。この結果、発光部の送出ビームが検出されなくなり、これがさらなる処理ユニット内で評価される。
【0007】
反射型フォトインタラプタの場合には、透過型フォトインタラプタとは異なって、発光部と受光部は対向しておらず、さらに、有利には共通のハウジング内に位置している。これによってこの構造のコストは低くなる。基本的に、反射型フォトインタラプタの場合には、対象物を検出する2つの方法が区別される。
【0008】
第1の方法では、反射性素子が第1の側に配置され、発光部と受光部とを備えたハウジングが対向する側に配置される。この素子とハウジングは次のように配向されている。すなわち、対象物によるビーム路の中断が受光部内での光度変化を生じさせるように配向されている。
【0009】
択一的には反射器は使用されない。対象物が発光部のビーム路内にある場合、発光部のビームは対象物に入射し、対象物表面で対象物の表面形状によって散乱する。この散乱によって、送出されたビームの一部が受光部に入射する。受光部内での光度の変化が記録される。
【0010】
受光部と発光部が1つのハウジング内の1つの担体上に収容されることが増えている。受光部と発光部が1つのハウジング内に収容される場合には、光学的な信号経路の短絡(Kurzschliessen)が阻止される。すなわち発光部から受光部への直接的なビーム路が阻止される。このためにこれまでは光学的なバリアがハウジング内に収容されていた。これらのバリアは発光部と受光部との間に位置付けされる。これらのバリアは、後から、接着剤によってハウジング内に入れられる。しかし使用される接着剤は、送出電磁ビームに対して透過性である。従ってこのようなバリアによって、光学的な信号経路の短絡は排除されない。
【0011】
従って本発明の課題は、非常に容易に実現され、光学的な信号経路間の直接的な短絡を阻止する半導体デバイス、反射型フォトインタラプタ、並びに反射型フォトインタラプタ用のハウジングを製造する方法を提供することである。これはことである。
【0012】
本発明の課題は、添付されている特許請求の範囲に記載された措置によって解決される。
【0013】
このために、モノリシックなハウジング下方部分を有する半導体デバイスが提供される。このハウジング下方部分は上面と、少なくとも1つの第1および第2の空洞を有している。ここでこれらの空洞は、ハウジング下方部分の上面に向けて開放されている。第1の空洞内には、電磁ビームを送出する少なくとも1つの半導体チップが配置されている。第2の空洞内には、電磁ビームを検出する少なくとも1つの半導体チップが配置されている。ハウジング下方部分は、送出された電磁ビームを吸収するまたは反射する材料から成る。
【0014】
ハウジング下方部分のモノリシックな、換言すれば1つの部分から成る構造によって、送出用半導体チップと検出用半導体チップとの間の良好な光学的な分離が得られる。光学的な信号経路の短絡はもはや起こらない。ハウジング下方部分がモノリシックに構成されていることによって、付加的なバリアを接着剤によってハウジング装置内に入れることがなくなる。従ってこの構造は容易かつ低コストに実現される。
【0015】
別の構成では半導体デバイスは導体路フレームを有している。この導体路フレーム上に半導体チップが配置されている。導体路フレームは出力ビームまたは検出されるべきビームに対して透過性ではない。付加的に導体路フレームは、半導体デバイスの少なくとも1つの面によって直接的に導電接触接続可能である。
【0016】
送出用半導体チップおよび検出用半導体チップは、チップの背面上でもアクティブであり、チップの背面でもビームを送出ないし検出することができるので、このように形成された導体路フレームによって、送出ビームが検出部材内に入力されることが背面で阻止される。導体路フレームは、プリント基板の構成部分であるので、その材料は同じように、送出されるべきビームおよび検出ビームを吸収または反射する。付加的に、この導体路フレームによって、半導体チップの電気的な接触接続が得られる。
【0017】
別の構成ではハウジング下方部分は射出成型方法ないしは射出プレス成型方法によって製造される。この方法によって非常に容易に、空洞を有するハウジング部分を形成することが可能になる。しかも付加的なバリアをハウジング下方部分内に設ける必要はない。
【0018】
別の形態では付加的にハウジング上方部分が設けられる。これは少なくとも部分的に、出力ビームおよび検出されるべきビームに対して透過性である。このようなハウジング上方部分によってまずは、半導体チップが保護される。送出された電磁ビームおよび検出された電磁ビームがブロックされることを阻止するために、ハウジング上方部分は少なくとも部分的に透明である。付加的に、ハウジング上方部分によって、伝達媒体である空気との改善された光学的な結合が実現される。ハウジング上方部分は直接的に空洞内に入れられており、これによって、充分な保持力がハウジング上方部分とハウジング下方部分との間で得られるので、付加的な接着剤を使用することないし入れることは必要ない。結果として、このような半導体デバイスの低コストの製造が実現される。
【0019】
別の形態では、ハウジング上方部分には付加的に光学素子が備えられる。光学素子として、例えばレンズまたはレンズアレイも設けられる。光学素子によって、送出ビームおよび検出されるべきビームも収束されるおよび/または偏向される。これによって、エミッター側で、ビームの集中的な送出が行われ、半導体デバイスはより長い到達距離を実現する。受光部側では、光学素子によって、電磁ビームの改善された検出が実現される。
【0020】
別の形態では、半導体デバイスは付加的に第3の半導体チップを、ハウジング下方部分の第3の空洞内に有している。この第3の半導体チップは、特別な構成においては特定用途向け回路(英語ではApplication specific integrated Circuit(ASIC))または静電充電に対する回路(英語ではElectrostatic Discharge(ESD)チップ)である。このような第3の半導体チップは、一方では電磁ビームの送出を、例えば強度制御または変調によって制御し、他方では検出されたビームの評価を制御する。第3の半導体チップはグローブトップとも称されるカバー質量体によって注入成形される。
【0021】
別の形態ではこの第3の半導体チップは既に、ハウジング下方部分の製造前に、導体路フレーム上に位置付けされ、例えば射出成型方法および射出プレス成型方法によって完全に、ハウジング下方部分の材料によって注入被覆される。ビームによって悪影響が与えられた第3の半導体チップは、妨害するまたは誤って機能するので、特別にビームから保護される。
【0022】
さらに、上述した半導体デバイスを有する反射型フォトインタラプタを形成することができる。
【0023】
さらに、反射型フォトインタラプタ用のハウジングを製造する方法には以下のステップが設けられる:
・導体路フレームを提供する、
・少なくとも1つの第1の空洞および第2の空洞を備えたモノリシックなハウジング下方部分が生じるように、第1の注入樹脂によって導体路フレームを射出成型によって被覆する。ここでこれらの空洞は、ハウジング下方部分の上面に向かって開放されている、
・電磁ビームを送出する少なくとも1つの半導体チップを、第1の空洞内に位置付けする、
・電磁ビームを検出する少なくとも1つの半導体チップを第2の空洞内に位置付けする、
・半導体チップを導体路フレームと電気的に接続する。
【0024】
このような方法は低コストで実現可能である。発光部および受光部を光学的に相互に分離するないしは絶縁するために、バリアを入れることも、付加的な接着剤も必要ない。付加的に、このような方法によって製造された半導体デバイスは良好な出力特徴を有する。
【0025】
導体路フレームは例えばエッチングされる、打ち抜きされる、またはレーザ方法によって製造される。このような製造の形態によって、導体路フレームは幅広い領域において自由に構成される。殊に、空洞の数は制限されない。
【0026】
別の形態では、第3の半導体チップははじめに導体路フレーム上に位置付けされ、後続のステップにおいてはじめて、ハウジング下方部分が製造される。これによって、付加的なさらなる注入樹脂を用いずに、第3の半導体チップを射出成型で被覆することが可能になる。送出ビームおよび/または検出ビームを吸収または反射する材料を使用することによって、第3の半導体チップは電磁ビームから分離される。
【0027】
付加的に第2の注入樹脂が設けられる。これは空洞内に充填され、少なくとも部分的に、送出されるべきビームまたは検出されるべきビームを通す。別の形態では、圧縮成形方法によって、光学素子を成形することが可能である。
【0028】
以下で本発明の実施例を図に基づいて説明する。図面は、同じ参照番号が付与された、同一または同じ作用を備えた構成部分を有している。図示されている素子は縮尺通りには示されておらず、むしろ個々の素子は分かりやすくするために誇張して大きく、ないしは誇張して簡単に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1a】反射型フォトインタラプタの機能原理
【図1b】反射型フォトインタラプタの機能原理
【図2】モノリシックハウジング下方部分を備えた半導体デバイスの実施例
【図3】図2に示された実施列の発展形態
【図4】図3に示された実施例の発展形態
【図5】図2に示された実施例の平面図
【図6】図2に対して択一的な実施例の平面図
【図7】図6に示された実施例の発展形態
【図8】図7に示された実施例に対する択一的な形態
【図9】図2に示された実施例の三次元図
【図10】図9に示された実施例の背面図
【図11】図7に示された実施例の三次元図
【図12】図11に示された実施例の三次元図
【0030】
図1aおよび1bには、反射型フォトインタラプタの機能原理が示されている。図1aには電磁ビームを送出する半導体チップ3(以降では発光部と称される)と、電磁ビームを検出する半導体チップ4(以降では受光部と称される)とを備えた半導体デバイス1が示されている。発光部として有利にはレーザーダイオードまたは発光ダイオードが使用される。出力されるビームの波長は基本的に任意である。理想的には、受光部は、発光部から送出されたビームを検出する。これによって、送出されたビームおよび反射されたビームは少なくとも部分的に、同じスペクトル領域を有する。受光部半導体チップ4としては有利には、フォトトランジスタ、フォトダイオードまたはフォト抵抗が使用される。受光部と発光部の詳細な説明はこの箇所ではしない。
【0031】
対象物が、フォトインタラプタの到達距離内に無い場合には、送出された電磁ビームは反射または散乱されない。これによって、受光部半導体チップ4はビームを検出しない。図1bでは対象物2が、半導体デバイス1のビーム路内に存在している。対象物2で、入射したビームが散乱され、少なくとも部分的に受光部半導体チップ4に戻ってくる。
【0032】
基本的には、フォトインタラプタを実現する第2の方法も可能である。ここでは反射器が、対象物の代わりに設けられている。これによって、まずは常にビームが半導体チップ4内で検出される。ここで対象物が、反射器と半導体デバイス1との間に現れると、ビーム路が少なくとも部分的に中断され、これによってビーム強度が変化する。この変化は受光部内で検出される。
【0033】
図2には、図1に示された半導体デバイスの横断面図が示されている。ここで半導体デバイスは、ハウジング下方部分5を有している。このハウジング下方部分はモノリシックに、すなわち1つの部分から構成されている。ハウジング下方部分は第1の空洞6および第2の空洞7を有している。第1の空洞6内には、発光部3が配置されている。第2の空洞7内には、受光部4が配置されている。空洞6および7は、ハウジング下方部分5の上面501に向けて開放されている。
【0034】
ハウジング下方部分5の材料は、送出されるべき電磁ビームを吸収するまたは反射する。すなわち、送出された電磁ビームは、ハウジング下方部分5を通過しない。
【0035】
ハウジングの材料は有利にはエポキシ樹脂または、シリコーンおよびエポキシドから成るハイブリッドコンパウンドから成る。択一的にハウジング材料は、純粋なシリコーン成形コンパウンドである。このシリコーン成形コンパウンドは充填材を含んでおり、これによってハウジング下方部分5の機械的および光学的な特性をこれに整合させる、または改善させることができる。基本的にこの成形コンパウンドは、リードフレームに対する被覆部として用いられ、半導体デバイスまたは反射型フォトインタラプタ等のハウジング下方部分を形成する。
【0036】
ハウジング下方部分のモノリシックな成形によって、発光部3と受光部4との間の光学的な信号経路の短絡が不可能になる。発光部と受光部は、全ての方向においてビームを送出することができるので、このような実施例では、ハウジング下方部分5の下方拡散(Unterwandern)も排除される。
【0037】
このモノリシックな成形によってさらに、半導体チップ3と4の間のバリアの、従来の接着よりも、より固定的であり、かつより安定したハウジング下方部分が形成される。ハウジングは幅広い領域で自由に構成可能であり、殊に、空洞の数およびその形状は制限されない。
【0038】
図3には、図2に示された実施例の発展形態が示されている。以下では、図2と図3の相違点だけを説明する。付加的に図3は、導体路フレーム8を有している。これはリードフレームとも称される。この導体路フレーム上に、発光部3と受光部4とが配置されている。導体路フレーム8は、上面501に対向している下面502によって、導電接触接続されている。択一的に、ハウジング下方部分5の別の面を介した、導体路フレーム8の接触接続が可能である。択一的に、導体路フレームに対してプリント基板(これはしばしばプリント回路基板(PCB)とも称される)も使用される。導体路フレーム8およびPCBは殊に、送出されるべきビームまたは検出されるべきビームを透過させない。これによって、ハウジング下方部分802上の下方拡散が同じように排除される。
【0039】
導体路フレーム8は、択一的な実施例では柔軟であり、半導体デバイス3内での複数のチップのボンディング接続と、最小で組み合わせ可能である。
【0040】
図3に示された実施例を実現するために、まずは導体路フレーム8が打ち抜きされる、エッチングされる、またはレーザによって切り抜かれる。後続のステップにおいて、射出成型方法によってまたは射出プレス成型方法によって、第1の注入樹脂、例えばエポキシ樹脂、ハイブリッド材料またはシリコーン成形コンパウンドが、導体路フレーム8の周りに、少なくとも部分的に射出される。ここでは、上面501に向けて開放されている空洞6および7が設けられる。後続のステップでは、発光部3と受光部4とが導体路フレーム8と導電接続される。
【0041】
図4には、図3に示された実施例の発展形態が示されている。ここでも、繰り返しを避けるために、図3と図4の相違点だけを説明する。図3に対して付加的に図4では、ハウジング上方部分9が、第1の空洞6と第2の空洞7に入れられている。このハウジング上方部分はこの実施例では、光学素子10として形成されている。このハウジング上方部分9は有利には少なくとも部分的に、送出されるべき電磁ビームおよび検出されるべき電磁ビームに対して透過性である。圧縮成形方法によって、この注入部分が空洞6および7に入れられ、光学素子10が生じる。これによって、付加的な製造ステップとしての、光学素子であるレンズの付加的な被着が省かれる。このような配置構成によって、チップおよび光学系を非常に正確に配向することが可能になる。
【0042】
図5には、図2に示された実施例の平面図が示されている。図1の上面はここで、観察者の方を向いている。
【0043】
図6には、図5に示された実施例の発展形態が示されている。ハウジング上方部分5の第3の空洞12内には、第3の半導体チップ11が収容されている。この第3の半導体チップ11は有利には、ASICまたはESDチップである。第3の半導体チップ11内には、受光部4の評価回路ないし発光部3用の駆動制御回路も組み込まれている。図6に示された実施例によって、非常に容易な手段を備えた完全な反射型フォトインタラプタが、低コストに製造される。
【0044】
図7には、図6に示された実施例の発展形態が示されている。空洞12および第3の半導体チップ11はここでは破線で示されている。なぜなら、第3の空洞12およびその内部にある第3の半導体チップ11は、既にハウジング下方部分5によって注入により被覆されている、ないしは射出成型で被覆されているからである。この射出成形による被覆は、有利には第3の半導体チップ11を導体路フレーム8上に位置付けした後に、かつ、ハウジング上方部分5を製造する前に行われる。これによって第3の半導体チップ11は、送出されたビームから保護される。このような保護は時折必要であり、これによって、高エネルギーのビームが第3の半導体チップ11に入射することがなくなる。このような照射によって、半導体チップに悪影響が与えられる、または妨害される恐れがある。付加的なグローブトップはこの実施形態では必要とされず、これによって、ここでも、ステップが省かれる。従って、ビームから保護するための後からの措置は行われない。
【0045】
図示された全ての形態によって、送出部と検出部との非常に効果的な光学的分離が行われ、付加的に省スペースにもなる。機械的な安定度は高くなる。付加的に図7では、ハウジング上方部分9が、空洞1および2内に収容される。
【0046】
図8には、図7に対して択一的な実施例が示されている。ハウジング下方部分5による被覆の代わりに、空洞12内に、グローブトップが収容され、これによって、半導体チップ11は、送出されたビームから保護される。
【0047】
図9には、図6に示された実施例の三次元図が示されている。
【0048】
図10には、図9に示された実施例の背面図が示されている。導体路フレーム8は大きい面積を有しており、これによって、一方では良好な電気的接触接続が可能になり、他方では、受光部4における、送出された電磁ビームのフィードバック結合、ひいては光学的な信号経路が短絡されることが阻止される。
【0049】
図11には、図7に示された実施例が三次元で示されている。図12には、図4に示された実施例の三次元図が示されている。光学素子10によってここでビーム偏向が改善され、かつ整合され、電磁ビームは収束され、散乱され、さらに伝送される。
【0050】
より多くの発光部3並びにより多くの受光部4を、半導体デバイス1内に収容することも可能である。発光半導体チップおよび受光半導体チップ3ないし4として有利にはランベルト放射部が使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイス(1)であって、当該半導体デバイスは:
・モノリシックなハウジング下方部分(5)を有しており、当該ハウジング下方部分(5)は
・上面(501)と
・少なくとも1つの第1の空洞および第2の空洞(6、7)を有しており、ここで当該空洞(6、7)は、前記ハウジング下方部分(5)の上面(501)に向かって開放されており、
前記半導体デバイスは、
・電磁ビームを送出する少なくとも1つの半導体チップ(3)を有しており、ここで当該発光半導体チップ(3)は前記第1の空洞(6)内に配置されており、
前記半導体デバイスは、
・電磁ビームを検出する少なくとも1つの半導体チップ(4)を有しており、当該受光半導体チップ(4)は前記第2の空洞(7)内に配置されており、
前記ハウジング下方部分(5)は、前記送出された電磁ビームを吸収するまたは反射する材料から成る、
ことを特徴とする半導体デバイス(1)。
【請求項2】
前記半導体チップ(3、4)は導体路フレーム(8)上に配置されており、当該導体路フレーム(8)は送出されるべきビームおよび検出されるべきビームを通さず、前記半導体デバイス(1)の少なくとも1つの面(502)によって直接的に導電接触接続されている、請求項1記載の半導体デバイス(1)。
【請求項3】
前記ハウジング下方部分(5)は、射出成型方法または射出プレス成型方法によって製造されている、請求項1または2記載の半導体デバイス(1)。
【請求項4】
前記半導体デバイス(1)はハウジング上方部分(9)を有しており、当該ハウジング上方部分(9)は少なくとも部分的に、送出されるべきビームおよび検出されるべきビームを通す、請求項1から3までのいずれか1項記載の半導体デバイス(1)。
【請求項5】
前記ハウジング上方部分(9)は光学素子(10)である、請求項4記載の半導体デバイス(1)。
【請求項6】
前記光学素子(10)は個別のレンズまたはレンズアレイである、請求項5記載の半導体デバイス(1)。
【請求項7】
第3の空洞(12)が設けられており、当該第3の空洞は第3の半導体チップを含んでいる、請求項1から6までのいずれか1項記載の半導体デバイス(1)。
【請求項8】
前記第3の半導体チップ(11)は、特定用途向け集積回路または静電気放電チップである、請求項7記載の半導体デバイス。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の半導体デバイスを使用した反射型フォトインタラプタ。
【請求項10】
反射型フォトインタラプタ用のハウジングを製造する方法であって、当該方法は以下のステップを有している:すなわち、
・導体路フレームを提供するステップと、
・少なくとも1つの第1および第2の空洞を備えたモノリシックなハウジング下方部分が生じるように、当該導体路フレームを第1の注入樹脂によって、射出成型で被覆するステップを有しており、ここで前記空洞は、前記ハウジング下方部分の上面に向かって開放されており、
・電磁ビームを送出する少なくとも1つの半導体チップを前記第1の空洞内に位置付けするステップと、
・電磁ビームを検出する少なくとも1つの半導体チップを前記第2の空洞内に位置付けするステップと、
・前記複数の半導体チップを前記導体路フレームと電気的に接続するステップとを有している、
ことを特徴とする、反射型フォトインタラプタ用のハウジングを製造する方法。
【請求項11】
前記射出成型による被覆の前に、第3の半導体チップを導体路フレームと位置付けし、導電接続し、ここで当該第3の半導体チップを後続のステップにおいて完全に、前記第1の注入樹脂によって、射出成型によって被覆する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記空洞を、前記送出されるべきビームおよび検出されるべきビームに対して透過性の第2の注入樹脂によって注入成形する、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
前記第2の注入材料を付加的に、光学素子として成形する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記光学素子を、圧縮成形方法によって形成する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第1の注入樹脂はエポキシ樹脂、充填剤を有するシリコーンまたはエポキシ樹脂と、充填剤とを有するシリコーンとの混合物である、請求項10から14までのいずれか1項記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−523508(P2011−523508A)
【公表日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510817(P2011−510817)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000545
【国際公開番号】WO2009/143797
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】