説明

半導体デバイスの製造

基板上に半導体デバイスを製造する方法であり、半導体デバイスは、ウェーハを有する。本発明による方法は、(a)熱伝導性の金属からなる種層をウェーハに付加するステップと、(b)熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層を種層上に電気メッキするステップと、(c)基板を除去するステップとを含む。また、それに対応する半導体デバイスが開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの製造に関し、限定はしないが、とりわけ、半導体デバイス上にヒートシンクをメッキすることに関する。
【発明の背景】
【0002】
半導体デバイスが、発達するにつれて、それらの動作速度は、大きく増加し、外形寸法は、減少した。これは、半導体デバイスにおける発熱という大きな問題をもたらしている。このために、ヒートシンクが、半導体デバイスから熱を放散させるのを助けるのに使用されている。そのようなヒートシンクは、通常、半導体デバイスとは別個に製造され、そして、通常、封止する直前に半導体デバイスに接着される。
【0003】
とりわけ、配線として使用するために、半導体デバイスを製造中にその半導体デバイスの表面に銅を電気メッキするための多くの提案が、なされてきた。
【0004】
現在のほとんどの半導体デバイスは、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)、およびリン化インジウム(InP)に基づいた半導体材料から製造される。そのような電子デバイスおよび光電子デバイスと比較すれば、GaNデバイスは、多くの利点を有する。GaNが有する本質的な大きな利点が、表1にまとめられている。
【表1】

【0005】
表1から、GaNが、与えられた半導体の中で最も大きなバンドギャップ(3.4eV)を有することがわかる。そのために、GaNは、ワイドバンドギャップ半導体と呼ばれる。その結果として、GaNから製造された電子デバイスは、SiおよびGaAsおよびInPデバイスよりもきわめて大きな電力で動作する。
【0006】
半導体レーザの場合、GaNレーザは、比較的に短い波長を有する。そのようなレーザが、光データ記憶装置に使用されるならば、より短い波長は、より大きな容量をもたらす。GaAsレーザは、約670MB/ディスクの容量を備えるCD−ROMの製造に使用される。AlGaInPレーザ(同様に、GaAsに基づいた)は、約4.7GB/ディスクの容量を備える最新のDVDプレイヤーに使用される。次世代DVDプレイヤーにおけるGaNレーザは、26GB/ディスクの容量を有するかもしれない。
【0007】
GaNデバイスは、GaNウェーハから製造され、そのGaNウェーハは、典型的には、サファイア基板上に堆積された複数のGaN関連エピタキシャル層である。サファイア基板は、通常、直径が2インチであり、エピタキシャル層のための成長テンプレートの役割をなす。GaN関連材料(エピタキシャル膜)とサファイアとの格子不整合のために、欠陥が、エピタキシャル層内に生成される。そのような欠陥は、GaNレーザおよびGaNトランジスタに深刻な問題を発生させ、そして、それほどではないにせよ、GaNLEDにも問題を発生させる。
【0008】
エピタキシャルウェーハを成長させる2つの主たる方法が、存在し、分子線エピタキシャル成長法(MBE)、および有機金属気相成長法(MOCVD)である。これらの両方は、広く使用されている。
【0009】
一般的な製造プロセスは、通常、フォトリソグラフィー、エッチング、誘電体膜の堆積、メタライゼーション、ボンディングパッドの形成、ウェーハの検査/試験、ウェーハ薄型化、ウェーハダイシング、パッケージへのチップボンディング、ワイヤボンディング、および信頼性試験からなる主たるステップを含む。
【0010】
LEDを製造するプロセスが、ウェーハの全体的な規模で完了すると、ウェーハを個々のLEDチップまたはダイスに分割しなければならない。サファイア基板上で成長させたGaNウェーハの場合、サファイアはきわめて硬いので、この「ダイシング」処理は、大きな問題である。サファイアは、最初に、約400ミクロンから約100ミクロンまでの範囲に均一に薄型化されなければならない。そして、薄型化されたウェーハは、ダイヤモンドスクライバーによってダイシングされ、ダイヤモンドソーによって切断され、あるいは、レーザで溝を刻まれた後にダイヤモンドスクライバーによってスクライブされる。このようなプロセスは、スループットを制限し、歩留まりの問題を発生させ、かつ、高価なダイヤモンドスクライバー/ソーを浪費する。
【0011】
サファイア基板上で成長させた良く知られているLEDチップは、チップの上面に2つのワイヤボンディングを必要とする。これは、サファイアが電気的絶縁体であり100ミクロンの厚さを介しての電流伝導が不可能なために、必要なものである。それぞれのワイヤボンディングパッドは、ウェーハ面積の約10〜15%を占めるので、第2のワイヤボンディングは、導電性の基板上で成長させた単一ワイヤボンディングLEDと比較すれば、ウェーハ1枚当たりのチップ数を約10〜15%だけ減少させる。ほぼすべての非GaNLEDは、導電性の基板上において成長させられ、1つのワイヤボンディングを使用する。パッケージング会社にとって、2ワイヤボンディングは、パッケージング歩留まりを減少させ、1ワイヤボンディングプロセスの変更を必要とし、チップの有効面積を減少させ、ワイヤボンディングプロセスを複雑化し、そのために、パッケージング歩留まりを低下させる。
【0012】
サファイアは、良好な熱導体ではない。例えば、300K(室温)におけるそれの熱伝導率は、40W/Kmである。これは、380W/Kmである銅の熱伝導率よりもきわめて小さい。LEDチップが、サファイア界面においてそれのパッケージにボンディングされる場合、デバイスの能動領域において生成する熱は、3〜4ミクロンのGaNおよび100ミクロンのサファイアを通って流れ、パッケージ/ヒートシンクまで到達しなければならない。その結果として、チップは、熱くなり、性能および信頼性の両方に悪影響を及ぼす。
【0013】
サファイア上に形成されたGaNLEDの場合、光が生成される能動領域は、サファイア基板からの距離が約3〜4ミクロンである。
【発明の概要】
【0014】
本発明の好ましい形態によれば、デバイス層を備えるウェーハを有する半導体デバイスを基板上に製造する方法が、提供され、この方法は、
(a)基板の反対側にありかつデバイス層に近いウェーハの表面上に熱伝導性の材料からなる層を電気メッキするステップと、
(b)基板を除去するステップと、
を含む。
【0015】
半導体デバイスは、シリコンベースデバイスであってもよい。
【0016】
別の形態によれば、能動層を備えるウェーハを有する発光デバイスを基板上に製造する方法が、提供され、この方法は、
(a)基板の反対側にありかつ能動層に近いウェーハの表面上に熱伝導性の材料からなる層を電気メッキするステップと、
(b)基板を除去するステップと、
を含む。
【0017】
いずれの形態においても、熱伝導性の層は、ヒートシンクとして存在してもよく、3ミクロンから300ミクロンまでの範囲にある厚さを有してもよく、好ましくは、50ミクロンから200ミクロンまでの範囲にある厚さを有してもよい。
【0018】
さらなる形態においては、本発明は、ウェーハを有する半導体デバイスを基板上に製造する方法を提供し、この方法は、
(a)熱伝導性の金属からなる種層を基板の反対側にあるウェーハの第1の表面に付加するステップと、
(b)熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層を種層上に電気メッキするステップと、
(c)基板を除去するステップと、
を含む。
【0019】
種層が付加される前に、ウェーハは、接着層によってコーティングされてもよい。比較的に厚い層を電気メッキする前に、種層は、フォトレジストパターンによって、パターンを形成されてもよく、比較的に厚い層は、フォトレジスト間において電気メッキされる。
【0020】
種層は、パターンを形成されることなく電気メッキされ、その後に、パターンの形成が実行されてもよい。パターンの形成は、フォトレジストパターン形成およびその後のウェットエッチングによるものであってもよい。あるいは、パターンの形成は、比較的に厚い層のレーザビームマイクロマシニングによるものであってもよい。
【0021】
接着性を改善するために、ステップ(b)とステップ(c)との間において、ウェーハをアニーリングする付加的なステップが実行されてもよい。
【0022】
好ましくは、フォトレジストは、少なくとも15ミクロンから500ミクロンまでの高さを有し、より好ましくは、50ミクロンから200ミクロンまでの高さを有し、また、3ミクロンから500ミクロンの範囲にある厚さを有する。より好ましくは、フォトレジストは、200ミクロンから2,000ミクロンまでの範囲にある間隔を有し、好ましくは、300ミクロンの間隔を有する。
【0023】
比較的に厚い層は、フォトレジストの高さよりも大きくない高さを有してもよい。あるいは、熱伝導性の金属からなる層は、フォトレジストよりも大きな高さにまで電気メッキされ、その後に、薄型化されてもよい。薄型化は、ポリシングまたはウェットエッチングによるものであってもよい。
【0024】
ステップ(c)の後に、第2のオーミック接触層を比較的に厚い層の反対側にあるウェーハの第2の表面上に形成する付加的なステップを含んでもよい。その接触層は、第2のオーミック接触層であってもよい。第2のオーミック接触層は、不透明、透明、および半透明のいずれかであってもよく、また、何も加工がなされていないか、またはパターンが形成されているかのいずれかであってもよい。オーミック接触層の形成およびその後のプロセスステップが実行されてもよい。その後のプロセスステップは、ワイヤボンディングパッドを堆積することを含んでもよい。第2のオーミック接触層が、第2の表面上に堆積される前に、ウェーハ層の露出した第2の表面が、洗浄され、かつ、エッチングされてもよい。第2のオーミック接触層は、ウェーハの第2の表面の領域全体を被覆しなくてもよい。
【0025】
半導体デバイスは、ウェーハ上で試験されてもよく、その後に、ウェーハは、個々のデバイスに分離されてもよい。
【0026】
半導体デバイスは、ラッピング、ポリシング、およびダイシングの中の1つ以上を伴うことなく製造されてもよい。
【0027】
ウェーハは、エピタキシャル層を含んでもよく、また、基板の反対側にあるエピタキシャル層上に第1のオーミック接触層を含んでもよい。第1のオーミック接触層は、エピタキシャル層のp型層上に存在してもよく、第2のオーミック接触層は、エピタキシャル層のn型層上に形成されてもよい。
【0028】
ステップ(c)の後に、誘電体膜が、エピタキシャル層上に堆積されてもよい。そして、孔が、誘電体膜に空けられ、第2のオーミック接触層およびボンディングパッドが、エピタキシャル層上に堆積されてもよい。あるいは、ステップ(c)の後に、熱伝導性の金属(または、その他の材料)をエピタキシャル層上に電気メッキすることが実行されてもよい。
【0029】
本発明は、また、上述した方法によって製造される半導体デバイスに関する。また、本発明は、好ましい態様において、上述した方法によって製造される発光ダイオードまたはレーザダイオードを提供する。
【0030】
さらなる態様において、本発明は、エピタキシャル層、エピタキシャル層の第1の表面上に存在する第1のオーミック接触層、第1のオーミック接触層上に存在する熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層、およびエピタキシャル層の第2の表面上に存在する第2のオーミック接触層を備える半導体デバイスを提供し、その比較的に厚い層は、電気メッキによって付加される。
【0031】
第1のオーミック接触層と比較的に厚い層との間に、接着層が、第1のオーミック接触層上に存在してもよい。
【0032】
比較的に厚い層は、少なくとも50マイクロメーターの厚さを有してもよく、第2のオーミック接触層は、3ナノメーターから500ナノメーターまでの範囲にある薄い層であってもよい。第2のオーミック接触層は、透明、半透明、または、不透明であってもよく、また、ボンディングパッドを含んでもよい。
【0033】
本発明のすべての形態において、熱伝導性の金属は、銅であってもよい。
【0034】
熱伝導性の金属からなる種層が、接着層に付加されてもよい。
【0035】
半導体デバイスは、発光ダイオード、レーザダイオード、およびトランジスタデバイスのいずれかであってもよい。
【0036】
さらに別の形態においては、エピタキシャル層、エピタキシャル層の第1の表面上に存在する第1のオーミック接触層、第1のオーミック接触層上に存在する接着層、および接着層上に存在する熱伝導性の金属からなる種層を備える半導体デバイスが、提供される。
【0037】
熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層を種層上にさらに含んでもよい。
【0038】
第2のオーミック接触層が、エピタキシャル層の第2の表面上に提供されてもよく、その第2のオーミック接触層は、3ナノメーターから500ナノメーターまでの範囲にある薄い層である。第2のオーミック接触層は、ボンディングパッドを備えてもよく、また、不透明、透明、および半透明のいずれかであってもよい。
【0039】
熱伝導性の金属は、銅からなり、そして、エピタキシャル層は、GaN関連層からなってもよい。
【0040】
半導体デバイスは、発光デバイスであってもよい。
【0041】
最後から2番目の形態においては、本発明は、半導体デバイスを製造する方法を提供し、この方法は、
(a)複数のGaN関連エピタキシャル層を備えるウェーハを備える基板上において、第1のオーミック接触層をウェーハの第1の表面上に形成するステップと、
(b)ウェーハから基板を除去するステップと、
(c)第2のオーミック接触層をウェーハの第2の表面上に形成するステップであり、第2のオーミック接触層は、その上に形成されたボンディングパッドを有する、前記第2のオーミック接触層を形成するステップと、
を含む。
【0042】
第2のオーミック接触層は、発光のためのものであってもよく、不透明、透明、または、半透明であってもよい。第2のオーミック接触層は、何も加工がなされていないか、またはパターンが形成されているかのいずれかであってもよい。
【0043】
最後の形態においては、本発明は、上述した方法によって製造された半導体デバイスを提供する。
【0044】
半導体デバイスは、発光ダイオードまたはレーザダイオードであってもよい。
【0045】
本発明をより良く理解できるように、また、容易に実施できるように、ここで、添付の図面(正確な縮尺率ではない)を参照して、限定するものではない単なる例として本発明の好ましい実施形態を説明する。
【好ましい実施形態の詳細説明】
【0046】
以下の説明において、括弧で囲まれた参照番号は、図8のプロセスステップを意味する。
【0047】
図1を参照すると、プロセスの第1のステップ、すなわち、ウェーハ10のp型表面上にメタライゼーションするステップが示される。
【0048】
ウェーハ10は、基板12とその上の複数のエピタキシャル層14の積層体とを備えるエピタキシャルウェーハである。基板12は、例えば、サファイア、GaAs、InP、Si、などであってもよい。以下においては、サファイア基板12上に1つ以上のGaN層14を有するGaNサンプルが、例として使用される。エピタキシャル層14(しばしば、エピ層と呼ばれる)は、複数の層が積層されたものであり、下方部分16(これは、最初に、基板上に成長させられる)は、通常、n型層であり、上方部分18は、多くの場合、p型層である。
【0049】
GaN層14上には、複数の金属層を有するオーミック接触層20が、存在する。オーミック接触層20には、接着層22、および例えば銅のような熱伝導性の金属からなる薄い銅種層24(図2)が、付加される(ステップ88)。熱伝導性の金属は、好ましくは、導電性のあるものでもある。積層された接着層は、形成された後、アニーリングされてもよい。
【0050】
オーミック接触層20は、半導体表面に堆積されかつアニーリングされた複数の層が積層されたものであってもよい。それは、元々のウェーハの一部分でなくてもよい。GaN、GaA、およびInPデバイスの場合、エピタキシャルウェーハは、多くの場合、n型半導体とp型半導体との間にサンドイッチ状に挟まれた能動領域を含む。ほとんどの場合、最上層は、p型である。シリコンデバイスの場合、エピタキシャル層が、使用されるのではなく、ウェーハそのものが、使用されてもよい。
【0051】
図3に示されるように、一般的なフォトリソグラフィーを用いて(89)、薄い銅種層24は、比較的に厚いフォトレジスト26によって、パターンを形成される。好ましくは、フォトレジストパターン26は、3〜500マイクロメーターの範囲にある高さ、好ましくは、15〜500マイクロメーターの範囲にある高さを有し、また、約3〜500マイクロメーターの厚さを備える。好ましくは、それらのフォトレジストパターン26は、最終的なチップの設計に応じて、200〜2,000ミクロンの範囲にある間隔、好ましくは、300ミクロンの間隔によって、お互いから分離される。実際のパターンは、デバイス設計に依存する。
【0052】
そして、銅からなるパターン形成層28が、層24上においてフォトレジスト26間に電気メッキされ(90)、基板の一部分を構成するヒートシンクを形成する。好ましくは、銅層28は、フォトレジスト26の高さよりも大きくない高さを有し、したがって、フォトレジスト26と同じかまたはそれよりも小さい高さを有する。しかしながら、銅層28は、フォトレジスト26の高さよりも大きな高さを有してもよい。そのような場合には、銅層28は、その後に、フォトレジスト28の高さよりも大きくない高さとなるように薄型化されてもよい。薄型化は、ポリシングまたはウェットエッチングによるものであってもよい。フォトレジスト26は、銅メッキの後に、除去されてもよく、あるいは、除去されなくてもよい。除去は、例えば、レジストストリッパー溶液内の樹脂のような一般的なかつ良く知られている方法によるものであってもよく、あるいは、プラズマエッチングによるものであってもよい。
【0053】
デバイス設計に応じて、その後に、エピタキシャル層14の処理が、例えば、洗浄(80)、リソグラフィー(81)、エッチング(82)、デバイスアイソレーション(83)、パッシベーション(84)、メタライゼーション(85)、熱処理(86)、などのような一般的なプロセス技術を用いてなされる(図4)。そして、ウェーハ10は、接着性を改善するために、アニーリングされる(87)。
【0054】
エピタキシャル層14は、通常、元々の基板12上に存在するn型層16、および元々の上面18上に存在するp型層からなり、そのp型層は、この時点において、オーミック層20、接着層22、および銅種層24、そして、電気メッキされた厚い銅層28によって被覆されている。
【0055】
そして、図5において、元々の基板層12が、例えば、Kellyの方法(M.K.Kelly,O.Ambacher,R.Dimitrov,R.Handschuh,and M.Stutzmann,phys.stat.sol.(a)159,R3(1997))を用いて、除去される(91)。また、基板は、ポリシングまたはウェットエッチングによって除去されてもよい。
【0056】
図6は、最後から2番目のステップであり、とりわけ、発光ダイオードに関連するものであり、透明なオーミック接触層30が、発光のためのエピタキシャル層14の下に付加される。また、ボンディングパッド32が、付加される。オーミック接触層30は、好ましくは、透明かまたは半透明である。より好ましくは、オーミック接触層30は、3〜50nmの範囲にある厚さを有してもよい。
【0057】
オーミック接触層30を付加する前に、良く知られている予備プロセスが実行されてもよい。これらは、例えば、フォトリソグラフィー(92、93)、ドライエッチング(94、95)、およびフォトリソグラフィー(96)であってもよい。
【0058】
オーミック接触層30の堆積の後に、アニーリング(98)が実行されてもよい。
【0059】
そして、チップ/ダイは、良く知られている標準的な方法によって試験される(99)。そして、チップ/ダイは、基板をラッピング/ポリシングすることなく、かつ、ダイシングすることなく、個々のデバイス/チップ1および2に分離されてもよい(100)(図7)。その後に、パッケージングが、標準的な良く知られている方法によってなされる。
【0060】
好ましくは、エピタキシャル層14の上面は、能動領域からの距離が約0.1〜2.0ミクロンの範囲にあり、好ましくは、約0.3ミクロンである。シリコンベース半導体の場合、好ましくは、半導体の上面は、デバイス層からの距離が0.1〜2.0ミクロンの範囲にあり、好ましくは、約0.3ミクロンである。この構造における能動層/デバイス層は、比較的に厚い銅パッド28に近いので、熱除去の速度が、改善される。
【0061】
それに加えて、あるいは、それの代わりに、比較的に厚い層28が、チップを機械的に支持するのに使用されてもよい。さらに、それは、能動領域/デバイス層から熱を除去する経路を提供するのに使用されてもよく、また、電気的な接続のために使用されてもよい。
【0062】
メッキするステップは、ウェーハレベルで実行されてもよく(すなわち、ダイシング処理の前に)、また、一度にいくつかのウェーハに実行されてもよい。
【0063】
GaNレーザダイオードの製造は、GaNLEDの製造に類似するが、より多くのステップを必要とするかもしれない。1つの相違点は、GaNレーザダイオードは製造中に鏡面形成を必要とすることである。サファイアを基板として使用する場合、サファイアを基板として使用しない方法と比較すれば、鏡面形成は、きわめて難しいことであり、鏡面の品質は、一般的には、より劣悪なものとなる。
【0064】
サファイアが、除去されると、レーザは、より良好な性能を有する。典型的なGaNレーザエピタキシャルウェーハ構造の例が、表2に示される。
【表2】

【0065】
市販されている標準的なGaNLEDの場合、半導体において生成される光の約5%が、放射される。非GaNLED(とりわけ、GaNではなくAlGaInPに基づいた赤色LED)におけるチップからより多くの光を取り出すために、様々な方法が、開発されてきた。
【0066】
金属でありかつ比較的に平坦な第1のオーミック接触層20は、きわめて光沢があり、そのために、光をよく反射する。そのために、第1のオーミック接触層20は、それのエピタキシャル層14との接合部において、反射面または鏡面でもあり、光出力を改善する。
【0067】
銅について説明したが、導電性および/または熱伝導性があれば、あるいは、半導体デバイスを機械的に支持するならば、その他のどのようなメッキ可能な材料が、使用されてもよい。
【0068】
本発明の好ましい形態が、上で説明されたが、この技術に精通する者には、設計、構造、または、処理における多くの変形または変更が本発明から逸脱することなく実施されてもよいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】製造プロセスの第1のステージにおける半導体デバイスの概略図である。
【図2】製造プロセスの第2のステージにおける図1の半導体デバイスの概略図である。
【図3】製造プロセスの第3のステージにおける図1の半導体デバイスの概略図である。
【図4】製造プロセスの第4のステージにおける図1の半導体デバイスの概略図である。
【図5】製造プロセスの第5のステージにおける図1の半導体デバイスの概略図である。
【図6】製造プロセスの第6のステージにおける図1の半導体デバイスの概略図である。
【図7】製造プロセスの第7のステージにおける図1の半導体デバイスの概略図である。
【図8】プロセスのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを有する半導体デバイスを基板上に製造する方法であって、
(a)熱伝導性の金属からなる種層をウェーハの第1の表面に付加するステップと、
(b)熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層を種層上に電気メッキするステップと、
(c)基板を除去するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
種層を付加する前に、第1の表面が、接着層によってコーティングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電気メッキするステップ(b)の前に、種層が、フォトレジストパターンによって、パターンを形成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
比較的に厚い層の電気メッキが、フォトレジストパターン間においてなされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
接着性を改善するために、ステップ(b)とステップ(c)との間において、ウェーハをアニーリングする付加的なステップが実行される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
フォトレジストパターンが、15〜500マイクロメーターの範囲にある高さを有する、請求項3または4に記載の方法。
【請求項7】
フォトレジストパターンが、3〜500マイクロメーターの範囲にある厚さを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
フォトレジストパターンが、200〜2,000ミクロンの範囲にある間隔を有する、請求項3、4、6および7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
種層が、パターンを形成されることなく、ステップ(b)において電気メッキされ、その後に、パターンの形成が実行される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
パターンの形成が、フォトレジストパターン形成およびその後のウェットエッチングによるものである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パターンの形成が、比較的に厚い層のレーザビームマイクロマシニングによるものである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
比較的に厚い層が、フォトレジストの高さよりも大きくない高さを有する、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層が、フォトレジストよりも大きな高さにまで電気メッキされ、その後に、薄型化される、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
薄型化が、ポリシングまたはウェットエッチングによるものである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(c)の後に、第2のオーミック接触層をウェーハの第2の表面上に形成する付加的なステップを含み、第2のオーミック接触層が、不透明、透明、および半透明からなるグループの中から選択される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第2のオーミック接触層が、何も加工がなされていないか、またはパターンが形成されているかのいずれかである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ボンディングパッドが、第2のオーミック接触層上に形成される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(c)の後に、オーミック接触層の形成およびその後のプロセスステップが実行され、前記その後のプロセスステップが、ワイヤボンディングパッドを堆積する工程を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
オーミック接触層が、堆積される前に、露出した第2の表面が、洗浄され、かつ、エッチングされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第2のオーミック接触層が、第2の表面の領域全体を被覆しない、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
第2のオーミック接触層を形成した後に、ウェーハ上の半導体デバイスを試験することを含む、請求項15〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ウェーハを個々のデバイスに分離するステップを含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
半導体デバイスが、ラッピング、ポリシング、およびダイシングからなるグループの中から選択される1つ以上を伴うことなく製造される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ウェーハが、エピタキシャル層を含み、また、基板の反対側にあるエピタキシャル層の第1の表面上に第1のオーミック接触層を含み、第1のオーミック接触層が、エピタキシャル層のp型層上に存在する、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第2のオーミック接触層が、エピタキシャル層のn型層上に形成される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(c)の後に、誘電体膜が、エピタキシャル層上に堆積され、孔が、誘電体膜に空けられ、第2のオーミック接触層およびボンディングパッドが、エピタキシャル層上に堆積される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(c)の後に、熱伝導性の金属をエピタキシャル層上に電気メッキすることが実行される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
熱伝導性の金属が、銅からなり、エピタキシャル層が、複数のGaN関連層からなる、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
エピタキシャル層、エピタキシャル層の第1の表面上に存在する第1のオーミック接触層、第1のオーミック接触層上に存在する熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層、およびエピタキシャル層の第2の表面上に存在する第2のオーミック接触層を備え、前記比較的に厚い層が、電気メッキによって付加された、半導体デバイス。
【請求項30】
第1のオーミック接触層と比較的に厚い層との間に、接着層が、第1のオーミック接触層上に存在する、請求項29に記載の半導体デバイス。
【請求項31】
熱伝導性の金属からなる種層が、接着層に付加された、請求項30に記載の半導体デバイス。
【請求項32】
比較的に厚い層が、少なくとも50マイクロメーターの厚さを有する、請求項29〜31のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項33】
第2のオーミック接触層が、3ナノメーターから500ナノメーターまでの範囲にある薄い層である、請求項29〜32のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項34】
第2のオーミック接触層が、不透明、透明、および半透明からなるグループの中から選択される、請求項29〜33のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項35】
第2のオーミック接触層が、ボンディングパッドを含む、請求項29〜34のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項36】
熱伝導性の金属が、銅であり、エピタキシャル層が、複数のGaN関連エピタキシャル層を備える、請求項29〜35のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項37】
半導体デバイスが、発光デバイスおよびトランジスタデバイスからなるグループの中から選択される、請求項29〜36のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項38】
エピタキシャル層、エピタキシャル層の第1の表面上に存在する第1のオーミック接触層、第1のオーミック接触層上に存在する接着層、および接着層上に存在する熱伝導性の金属からなる種層を備える半導体デバイス。
【請求項39】
熱伝導性の金属からなる比較的に厚い層を種層上にさらに含み、前記比較的に厚い層が、ヒートシンクの役割をなす請求項38に記載の半導体デバイス。
【請求項40】
第2のオーミック接触層をエピタキシャル層の第2の表面上にさらに含み、前記第2のオーミック接触層が、3ナノメーターから500ナノメーターまでの範囲にある薄い層である、請求項38または39に記載の半導体デバイス。
【請求項41】
第2のオーミック接触層が、ボンディングパッドを備え、かつ、不透明、透明、および半透明からなるグループの中から選択される、請求項38〜40のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項42】
熱伝導性の金属が、銅からなり、エピタキシャル層が、GaN関連層からなる、請求項38〜41のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項43】
半導体デバイスを製造する方法であって、
(a)複数のGaN関連エピタキシャル層を備えるウェーハを備える基板上において、第1のオーミック接触層をウェーハの第1の表面上に形成するステップと、
(b)ウェーハから基板を除去するステップと、
(c)第2のオーミック接触層をウェーハの第2の表面上に形成するステップであり、第2のオーミック接触層が、その上に形成されたボンディングパッドを有する、前記第2のオーミック接触層を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項44】
第2のオーミック接触層が、不透明、透明、および半透明からなるグループから選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
第2のオーミック接触層が、何も加工がなされていないか、またはパターンが形成されているかのいずれかである、請求項43または44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
請求項43〜45のいずれか一項に記載の方法によって製造された半導体デバイス。
【請求項47】
半導体デバイスが、発光デバイスかまたはトランジスタデバイスのいずれかである、請求項46に記載の半導体デバイス。
【請求項48】
デバイス層を備えるウェーハを有する半導体デバイスを基板上に製造する方法であって、
(a)基板の反対側にありかつデバイス層に近いウェーハの表面上に熱伝導性の材料からなる層を電気メッキするステップと、
(b)基板を除去するステップと、
を含む方法。
【請求項49】
半導体デバイスが、シリコンベースデバイスである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
能動層を備えるウェーハを有する発光デバイスを基板上に製造する方法であって、
(a)基板の反対側にありかつ能動層に近いウェーハの表面上に熱伝導性の材料からなる層を電気メッキするステップと、
(b)基板を除去するステップと、
を含む方法。
【請求項51】
熱伝導性の層が、ヒートシンクとして存在する、請求項48〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
熱伝導性の層が、3ミクロンから300ミクロンまでの範囲にある厚さを有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
熱伝導性の層が、50ミクロンから200ミクロンまでの厚さを有する、請求項51または52のいずれかに記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2007−521635(P2007−521635A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509088(P2005−509088)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/SG2003/000223
【国際公開番号】WO2005/029573
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(506094703)ティンギ テクノロジーズ プライベート リミテッド (10)
【Fターム(参考)】