説明

半導体素子の金属構造物再形成方法

【課題】コンタクトプラグ、及び金属配線のような金属構造物に欠陥が発生して再形成工程を処理する場合、コンタクトホールが過度に露出されてホールが大きくなる現象を防止できる金属構造物の再形成方法を提供する。
【解決手段】本発明に従う金属構造物の再形成方法は、コンタクトプラグを含む絶縁層の上に形成された第1金属層、第1金属層の上に形成された金属配線層、金属配線層上に形成された第2金属層を含む金属構造物の再形成方法に関するものであって、第1ウェットエッチング工程を処理して金属配線層の下を除外した第1金属層及び第2金属層を除去するステップと、第2ウェットエッチング工程を処理して金属配線層を除去するステップと、第1平坦化工程を処理して残存した第1金属層及び絶縁層の表面を平坦化するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の金属構造物再形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は半導体素子の構造を示す側断面図であり、図2は図1の“A”部分を拡大図示した図である。
【0003】
図1に示すように、素子分離膜、ソース/ドレイン領域、ゲート、スペーサ、ゲート絶縁膜などが形成された半導体基板10の上にコンタクトプラグ21、22、金属配線23などを含む絶縁層20が形成される。
【0004】
絶縁層20は多層構造で積層されることができ、各層には上下に連結された多数のコンタクトプラグ21、22、及び金属配線23が形成される。
【0005】
絶縁層20の上には順に第1金属層24、金属配線層25、及び第2金属層26が形成されるが、第1金属層24と第2金属層26はTiN層から形成され、金属配線層25はAlCu層から形成されうる。
【0006】
第1金属層24、金属配線層25、及び第2金属層26は、工程中の中間メタル層や、工程が完了したトップメタル層でありうる。
【0007】
一方、第1金属層24、金属配線層25、及び第2金属層26に欠陥が発生する場合、欠陥が発生した層を除去し、除去された層を復旧する金属構造物再形成(rework)工程が実施される。
【0008】
金属構造物の再形成工程を実施する場合、第1に、ドライエッチング方式により第2金属層26、金属配線層25、及び第1金属層24を除去(strip)し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)工程を通じて絶縁層20の表面を平坦化する。
【0009】
第2に、ドライエッチング、及び平坦化工程を進行する過程で絶縁層20に損失が発生するので、これを補償する工程を実施する。
【0010】
図2に示すように、他の絶縁層20の部位に比べてコンタクトプラグ22の内部に形成された絶縁層が相対的に深く除去されるので、コンタクトプラグ22の部分をより厚くして絶縁層24aを形成し、またCMP工程を進行して絶縁層20の損失を補償する。
【0011】
第3に、絶縁層20の損失を補償した後、金属物質の積層、パターニング、エッチング工程などを実施して、第1金属層24、金属配線層25、及び第2金属層26を復元する。
【0012】
しかしながら、図2に示すように、ドライエッチング、及び平坦化工程を実施する過程で、コンタクトプラグ22の内部の絶縁層が深くエッチングされるだけでなく、コンタクトホールが過度に表れながら上側の一部が広くなる現象が発生し、これは補償され難い。
【0013】
このようにコンタクトホールが広くなる現象が発生すると、電気的特性が低下し、金属構造物の再形成効果を期待し難いので、半導体ウエハを廃棄しなければならないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、コンタクトプラグ、及び金属配線のような金属構造物に欠陥が発生して再形成工程を処理する場合、コンタクトホールが過度に露出されてホールが大きくなる現象を防止できる金属構造物の再形成方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従う金属構造物の再形成方法は、コンタクトプラグを含む絶縁層の上に形成された第1金属層、第1金属層の上に形成された金属配線層、金属配線層の上に形成された第2金属層を含む金属構造物の再形成方法に関するものであって、第1ウェットエッチング工程を処理して金属配線層の底を除外した第1金属層及び第2金属層を除去するステップと、第2ウェットエッチング工程を処理して金属配線層を除去するステップと、第1平坦化工程を処理して残存した第1金属層及び絶縁層の表面を平坦化するステップとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0017】
第1に、コンタクトプラグ、及び金属配線のような金属構造物に欠陥が発生して再形成工程を処理する場合、コンタクトホールが過度に露出されてホールが大きくなる現象を防止できる。
【0018】
第2に、コンタクトホールのサイズを一定に維持して再形成工程の成功率を高めることができるので、半導体ウエハを廃棄する必要がないし、したがって製造費用及び時間を低減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】半導体素子の構造を示す側断面図である。
【図2】図1の“A”部分を拡大図示した図である。
【図3】本発明に従う金属構造物の再形成工程が処理される前の半導体素子の形態を示す側断面図である。
【図4】本発明に従う金属構造物の再形成工程により第2金属層及び第1金属層の一部が除去された後の半導体素子の形態を示す側断面図である。
【図5】本発明に従う金属構造物の再形成工程により金属配線層が除去された後の半導体素子の形態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付された図面を参照しつつ本発明に従う金属構造物の再形成方法について詳細に説明する。
【0021】
以下、本発明を説明するに当たって、関連した公知機能または構成に対する具体的な説明は本発明の要旨を曖昧にすることができると判断されるので、本発明の技術的思想と直接的な関連がある核心的な構成部のみを言及する。
【0022】
図3は、本発明に従う金属構造物の再形成工程が処理される前の半導体素子の形態を示す側断面図である。
【0023】
図3は、半導体素子層が形成された後、金属配線層工程が進行中または終了した後の半導体素子の形態を概略的に図示する。
【0024】
半導体基板100の上に素子分離膜110が形成され、素子分離膜110により定義されたアクティブ領域にソース領域130、ドレイン領域140、及びLDD(Lightly Doped Drain)領域などが形成される。
【0025】
また、アクティブ領域の基板の表面にゲート電極120、ゲート絶縁膜、及びスペーサなどが形成される。
【0026】
ゲート電極120を含む半導体基板100の全面に絶縁層210、220、230を形成し、コンタクトホール工程、ギャップフィル工程、金属層積層(deposition)工程、パターニング工程、エッチング工程などを施して絶縁層210、220、230の上にコンタクトプラグ310、330、金属配線320などを形成する。
【0027】
本発明において、絶縁層210、220、230は3つの層から構成されているが、絶縁層210、220、230はそれ以下またはそれ以上の多層構造で積層されることができ、各層には上下に連結された多数のコンタクトプラグ310、330、及び金属配線320が更に形成できる。
【0028】
絶縁層230の上に第1金属層430が形成され、第1金属層430の上にはパターニングされた金属配線層420が形成される。また、金属配線層420の上には第2金属層410が形成される。
【0029】
本発明において、第1金属層430と第2金属層410はTiNを含み、金属配線層420はAlCu層を含む。
【0030】
第1金属層430、金属配線層420、及び第2金属層410は、工程中の中間メタル層や、工程が完了したトップメタル層でありうる。
【0031】
このように、金属配線層工程が進行中または完了した状態で、第1金属層430、金属配線層420、及び第2金属層410に欠陥が発生する場合、欠陥が発生した層を除去し、除去された層を復旧する金属構造物再形成(rework)工程が実施される。
【0032】
以下、本発明に従う金属構造物の再形成方法について説明する。
【0033】
図4は、本発明に従う金属構造物の再形成工程により第2金属層410及び第1金属層430の一部が除去された後の半導体素子の形態を示す側断面図である。
【0034】
第1に、第1ウェットエッチング工程を処理して第1金属層430と第2金属層410を除去する。
【0035】
第1ウェットエッチング工程では、H(過酸化水素水)と超純水(DIW)を1:320乃至1:400の体積比で混合した溶液をエッチング液に使用する。
【0036】
第1ウェットエッチング工程は、金属配線層420の場合、約15Å/minの除去率特性を示し、金属層410、430の場合、約2050Å/minの除去率特性を示すので、第1ウェットエッチング工程によれば、金属層410、430のみを対象にして効率よく除去することができる。
【0037】
この際、金属配線層420の下の第1金属層430一部は残存する。
【0038】
したがって、半導体素子は、図4のような金属層410、430の除去形態をなす。
【0039】
図5は、本発明に従う金属構造物の再形成工程により金属配線層420が除去された後の半導体素子の形態を示す側断面図である。
【0040】
以後、第2ウェットエッチング工程を施して金属配線層420を除去する。
【0041】
第2ウェットエッチング工程は、硝酸、酢酸、燐酸を各々1〜5%、10〜20%、60〜75%の割合で混合した液体をエッチング液に使用する。
【0042】
第2ウェットエッチング工程は、金属層410、430に対してはエッチング特性を殆ど示さず、金属配線層420に対しては3700Å/minの除去率特性を示すので、第2ウェットエッチング工程によれば、金属配線層420のみを効果的に除去できる。
【0043】
次に、第1平坦化工程を実施して残存した第1金属層430の一部を含んで絶縁層230の表面を平坦化する。
【0044】
本発明は、エッチング液選択比を用いたものであり、第1ウェットエッチング工程及び第2ウェットエッチング工程を上記の条件で進行することによって、絶縁層230の上のコンタクトホールの上部が過度に露出されて広くなる現象を防止できる。
【0045】
以後、他の絶縁層230部位に比べてコンタクトプラグ330の内部に形成された絶縁層が相対的に深く除去されるので、コンタクトプラグ330部分をより厚くして絶縁層(図示せず)を形成し、第2平坦化工程を進行してコンタクトプラグ330の内部の絶縁層損失を補償する。
【0046】
たとえば、第1平坦化工程及び第2平坦化工程はCMP工程により実施することができる。
【0047】
第2平坦化工程を実施した後、TiN層、AlCu層の積層、パターニング、エッチング工程などを処理して、第1金属層430、金属配線層420、及び第2金属層410を復元する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトプラグを含む絶縁層の上に形成された第1金属層、前記第1金属層の上に形成された金属配線層、前記金属配線層の上に形成された第2金属層を含む金属構造物の再形成方法であって、
第1ウェットエッチング工程を処理して前記金属配線層の下を除外した第1金属層及び前記第2金属層を除去するステップと、
第2ウェットエッチング工程を処理して前記金属配線層を除去するステップと、
第1平坦化工程を処理して残存した前記第1金属層及び前記絶縁層の表面を平坦化するステップと、
を含むことを特徴とする金属構造物の再形成方法。
【請求項2】
前記第1ウェットエッチング工程は、H(過酸化水素水)と超純水(DIW)を1:320乃至1:400の体積比で混合した溶液をエッチング液に使用することを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項3】
前記第2ウェットエッチング工程は、硝酸、酢酸、燐酸を各々1〜5%、10〜20%、60〜75%の割合で混合した液体をエッチング液に使用することを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項4】
前記第1平坦化工程が処理された後、
前記コンタクトプラグ部分の絶縁層の上に補償用絶縁層を積層するステップと、
前記補償用絶縁層を対象にして第2平坦化工程を処理することによって、前記コンタクトプラグ部分の損失を補償するステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項5】
前記第1平坦化工程が処理された後、
前記第1金属層及び前記第2金属層をなす金属物質の積層工程、パターニング工程、及びエッチング工程を含む一連の工程を処理して前記第1金属層、前記金属配線層、及び前記第2金属層を復元するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項6】
前記絶縁層は、素子分離膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及びソース/ドレイン領域を含む半導体基板の上に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項7】
前記絶縁層は多層構造であって、各層には上下に連結されたコンタクトプラグ、及び金属配線を含む下部金属構造物が更に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項8】
前記第1金属層、及び前記第2金属層のうちの1つ以上の金属層はTiNを含んでなされることを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項9】
前記金属配線層はAlCuを含んでなされることを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。
【請求項10】
前記第1金属層、前記金属配線層、及び前記第2金属層は、下部金属配線の一部であるとか、中間金属配線または上部金属配線をなすことを特徴とする請求項1に記載の金属構造物の再形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−153819(P2010−153819A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261108(P2009−261108)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(507246796)ドンブ ハイテック カンパニー リミテッド (189)
【氏名又は名称原語表記】Dongbu HiTeK Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Dongbu Finance Center,891−10,Daechi−dong,Gangnam−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】