説明

半導体表面保護膜用樹脂組成物、及びそれを用いた半導体装置

【課題】
本発明は、半導体素子表面保護膜用途に最適なエポキシ樹脂を有する環状オレフィン系樹脂組成物を提供し、当該エポキシ樹脂を有する環状オレフィン系樹脂組成物を半導体素子表面保護膜に用いることにより、特にLOC構造を有する樹脂封止型半導体装置製造時の作業性の欠点を改善し、かつ各種の信頼性に優れた半導体装置を提供するものである。
【解決手段】
半導体素子表面保護膜に用いられる樹脂組成物であって、エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)と、光酸発生剤(B)と、を含むことを特徴とする樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状オレフィン系樹脂組成物とそれを用いた半導体装置、特にリード・オン・チップ(Lead On Chip)構造を有する樹脂封止型半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子表面保護膜フィルムとしては、ポリイミド系が多く用いられてきた(非特許文献1)。しかしポリイミドフィルムは吸水性が高く、ポリイミド系半導体素子表面保護膜フィルムを用いた半導体装置では、該ポリイミド系半導体素子表面保護膜フィルムが吸湿した水分が半田リフロー時にパッケージの中で気化膨張して、パッケージにクラックが発生するという問題があった。
エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂と光酸発生剤とを含有する樹脂組成物については、得られるフィルムが低吸水性に優れており、オーバーコート材料、層間絶縁膜等の絶縁材料へ適用できる旨が先行技術文献に記載されている(特許文献1)。しかしながらエポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂と光酸発生剤とを含有する樹脂組成物が特に半導体素子表面保護膜用途に最適に用いることはこれまで述べられていなかった。
また、近年の半導体素子の大型化に伴い、半導体素子の回路素子形成面上に両面に接着剤を塗布した絶縁フィルムを介して複数のインナーリードが前記接着剤で接着され、該インナーリードと前記半導体素子がワイヤーで接続され、封止樹脂で封止されたリード・オン・チップ(Lead On Chip)構造の半導体装置(特許文献2)が提案された。しかしながら、樹脂封止型半導体装置では、あらかじめ両面に接着剤を塗布した絶縁フィルムを用意し、まずリードフレームに該絶縁フィルムを接着後、片方の接着剤を用いて半導体を接着するため、作業性が悪いという問題があった。
【0003】
【非特許文献1】日本ポリイミド研究会編「最新ポリイミド〜基礎と応用」(エヌ・ティー・エス、2002年)
【特許文献1】特開平08−259784号公報
【特許文献2】特公昭61−21823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、低応力性、耐溶剤性、低吸水性、電気絶縁性、密着性、耐熱性等に優れた半導体素子表面保護膜用途に最適なエポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂組成物を提供し、当該エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂組成物を半導体素子表面保護膜に用いることにより、特にLOC構造を有する樹脂封止型半導体装置製造時の作業性の欠点を改善し、かつ各種の信頼性に優れた半導体装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1] 半導体素子表面保護膜に用いられる樹脂組成物であって、エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)と、光酸発生剤(B)と、を含むことを特徴とする樹脂組成物。
[2] 環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂である[1]記載の樹脂組成物。
[3] エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(1)で示される繰り返し単位を含むものである[1]又は[2]記載の樹脂組成物。
【化5】

[式(1)中、XはO、CH2、(CH2)2のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つ以上はエポキシ基を有する官能基である。]
[4] エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(2)及び式(3)で示される繰り返し単位を含むものである[1]〜[3]記載の樹脂組成物。
【化6】

[式(2)(3)中、R1〜R7はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R7は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
[5] エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(4)、(5)及び(6)で示される繰り返し単位を含むものである[1]〜[4]記載の樹脂組成物。
【化7】

[式(4)(5)(6)中、nは0〜5の整数である。R1〜R10はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R10は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
[6] エポキシ基を有する環状オレフィン樹脂(A)が式(7)で示される繰り返し単位を含むものである[1]又は[2]記載の感光性樹脂組成物。
【化8】

[式(7)中、YはO、CH2、(CH2)2のいずれか、Zは-CH2-CH2-、-CH=CH-のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つはエポキシ基を有する。]
[7] [1]〜[6]記載の樹脂組成物の樹脂層を半導体チップの回路素子形成面上に有することを特徴とする半導体装置。
[8] [1]〜[6]記載の樹脂組成物の樹脂層と、回路素子が形成された半導体チップと、リードフレームと、を有する半導体装置であって、該樹脂層の一方の面が半導体チップに直接接合し、かつ他方の面がリードフレームに直接接合していることを特徴とするリード・オン・チップ(Lead On Chip)構造の半導体装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、より信頼性の高い半導体素子表面保護膜用樹脂組成物を得ることができ、またチップとリードフレームの接着が従来技術に比べ大幅な作業工数の短縮が可能となる。更に、リフロー時に絶縁フィルム中に吸水された水分がパッケージの中で気化膨張するのを低減することが出来るのでパッケージクラックの発生を防止できる。したがって、半導体素子表面保護膜用に最適な樹脂組成物、及び安価で高信頼性のLOC構造の樹脂封止型半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で使用する環状オレフィンモノマーとしては、一般的には、シクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体が挙げられる。これらのモノマーに官能基が結合した置換体も用いることができる。
【0008】
本発明で使用する環状オレフィン系樹脂としては、上記環状オレフィンモノマーの重合体が挙げられる。なお重合方法はランダム重合、ブロック重合など公知の方法が用いられる。具体例としては、ノルボルネン型モノマ−の(共)重合体、ノルボルネン型モノマ−とα−オレフィン類などの共重合可能な他のモノマ−との共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物などが具体例に該当する。これら環状オレフィン系樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とがある。このうち、ノルボルネンモノマーを付加(共)重合することによって得られたポリマーが好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
【0009】
環状オレフィン系樹脂の付加重合体としては、ポリノルボルネン系樹脂、つまり(1)ノルボルネン型モノマ−を付加(共)重合させて得られるノルボルネン型モノマ−の付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマ−とエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマ−と非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマ−との付加共重合体が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
【0010】
環状オレフィン系樹脂の開環重合体としては、ポリノルボルネン系樹脂、つまり(4)ノルボルネン型モノマ−の開環(共)重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマ−とエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマ−と非共役ジエン、又は他のモノマ−との開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
上記のうち、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られる付加(共)重合体が好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
【0011】
本発明で使用するエポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)は、一般的には分子内にエポキシ基を含むモノマーを直接重合することによって得ることができるが、重合後に変性反応によって側鎖にエポキシ基を導入する方法によっても同様の重合体を得ることができる。変性反応としては、上記重合体にエポキシ基含有不飽和モノマ−をグラフト反応させる、上記重合体の反応性官能基部位にエポキシ基を有する化合物を反応させる、分子内に炭素−炭素二重結合を有する上記重合体に過酸やハイドロパ−オキサイドなどのエポキシ化剤を用いて直接エポキシ化させる等の公知の方法がある。
【0012】
環状オレフィン系樹脂の付加重合体は、金属触媒による配位重合、又はラジカル重合によって得られる。このうち、配位重合においては、モノマーを、遷移金属触媒存在下、溶液中で重合することによってポリマーが得られる(NiCOLE R. GROVE et al. Journal of Polymer Science:part B,Polymer Physics, Vol.37, 3003−3010(1999))。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
【0013】
ラジカル重合技術については、Encyclopedia of Polymer Science, John Wiley & Sons, 13, 708(1988)に述べられている。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t−ブチル過酸化水素などである。
【0014】
環状オレフィン系樹脂の開環重合体は、公知の開環重合法により、チタンやタングステン化合物を触媒として、少なくとも一種以上のノルボルネン型モノマ−を開環(共)重合して開環(共)重合体を製造し、次いで必要に応じて通常の水素添加方法により前記開環(共)重合体中の炭素−炭素二重結合を水素添加して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を製造することによって得られる。
【0015】
上述重合系の適当な重合溶媒としては炭化水素や芳香族溶媒が含まれる。炭化水素溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、やシクロヘキサンなどであるがこれに限定されない。芳香族溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレンなどであるがこれに限定されない。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、エステル、ラクトン、ケトン、アミドも使用できる。これら溶剤を単独や混合しても重合溶媒として使用できる。
【0016】
本発明の環状オレフィン系樹脂の分子量は、開始剤とモノマーの比を変えたり、重合時間を変えたりすることにより制御することができる。上記の配位重合用が用いられる場合、米国特許No.6,136,499に開示されるように、分子量を連鎖移動触媒を使用することにより制御することができる。この発明においては、エチレン、プロピレン、1−ヘキサン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、などα―オレフィンが分子量制御するのに適当である。
【0017】
本発明において重量平均分子量は10,000〜500,000、好ましくは30,000〜100,000さらに好ましくは50,000〜80,000である。重量平均分子量は標準ポリノルボルネンを用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。(ASTMDS3536−91準拠)
【0018】
本発明で用いられるエポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂を製造するために使用する環状オレフィンモノマーとしては、一般式(8)で表されるノルボルネン型モノマーが好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等が、アルケニル基の具体例としては、ビニル、アリル、ブチニル、シクロヘキシル基等が、アルキニル基の具体例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル基等が、アリール基の具体例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル基等が、アラルキル基の具体例としてはベンジル、フェネチル基等がそれぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。
エステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基ついては、これらの基を有している官能基であれば特に構造は限定されない。エポキシ基を含有する官能基の好ましい具体例としては、グリシジルエーテル基を有する官能基が挙げられるが、エポキシ基を有する官能基であれば特に構造は限定されない。
【化9】

[式(8)中、XはO、CH2、(CH2)2のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。]
【0019】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂を製造するために使用する環状オレフィンモノマーとしては、例えば、アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ノニル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、シリル基を有するものとしては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジメチルビス((2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル)トリシロキサンなど、アリール基を有するものとしては、5−フェニルー2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニルメタン−2−ノルボルネン、5−(2−ペンタフルオロフェニルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−ペンタフルオロフェニルプロピル)−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしてはジメチルビス((5−ノルボルネン−2−イル)メトキシ))シラン、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシプロピル)−2−ノルボルネン、5−(4−トリメトキシブチル)−2−ノルボルネン、5ートリメチルシリルメチルエーテル−2−ノルボルネンなど、ヒドロキシル基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものとしては、5−ノルボルネン−2−メタノール、及びこのアルキルエーテル、酢酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、プロピオン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、酪酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、吉草酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプロン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ラウリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ステアリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、オレイン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、リノレン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸i−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸イソボニルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシエチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボン酸メチルエステル、ケイ皮酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチルエチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルn−ブチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルt−ブチルカルボネート、5−メトキシ−2−ノルボルネン、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−エチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n―プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−デシルエステルなど、エポキシ基を有するものとしては、5−[(2,3−エポキシプロポキシ)メチル]−2−ノルボルネンなど、またテトラシクロ環から成るものとして、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−i−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(4‘−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−i−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(2−メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(1−メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(4‘−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(メトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(エトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−プロポキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(i−プロポキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(t−ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(シクロへキシロキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(フェノキシロキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(テトラヒドロフラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(テトラヒドロピラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.01,6]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,101,6]ドデック−3−エンなどが挙げられる。
【0020】
本発明で用いられるエポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)は、好ましくは一般的に式(9)で表されるように、ノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体である。
【化10】

[式(9)中、XはO、CH2、(CH2)2のいずれかであり、nは0〜5までの整数、mは10〜10,000までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つ以上はエポキシ基を有する官能基である。]
【0021】
本発明で用いられるエポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)としては、式(10)(11)で表される重合体が硬化後のポリマー特性の点から好ましい。式(11)のように、アラルキル基を有するノルボルネンモノマーをポリマーに導入することで、ネガ型現像液の溶媒として用いられているシクロペンタノンやヘプタノンなどの極性溶媒への溶解性を向上させることが可能となり、作業性に優れるという利点を有する。
【化11】

[式(10)中、m、nは1以上の整数である。R1〜R7はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R7は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
【化12】

[式(11)中、l、m、nは1以上の整数、pは0〜5の整数である。R1〜R10はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R10は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
【0022】
本発明で用いられるエポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)として、式(12)で表される重合体が硬化後のポリマー特性の点から更に好ましい。デシル基を有するモノマーを導入することにより低弾性な膜が得られ、また、フェニルエチル基を有するモノマーを導入することにより低吸水性、耐薬品性、極性溶媒溶解性に優れる膜が得られる。
【化13】

[式(11)中、l、m、nは1以上の整数である。]
【0023】
共重合体中のエポキシ基を有するモノマーの含有率としては、露光により架橋し、現像液に耐えうる架橋密度が得られることで決めることができる。エポキシ基を有するモノマー含有率がポリマー中に5〜95モル%、好ましくは、20〜80モル%、さらに好ましくは30〜70%の割合で使用する。こうして得られるポリマーは低吸水性(<0.3wt%)、低誘電率(<2.6)、低誘電損失(0.001)、ガラス転移点(170〜400℃)などの優れた物理特性を示す。
【0024】
光酸発生剤としては、公知のあらゆる化合物を用いることができる。光酸発生剤はエポキシ基の架橋を行うとともに、その後の硬化により基板との密着性を向上する。好ましい光酸発生剤としてはオニウム塩、ハロゲン化合物、硫酸塩やその混合物である。例えばオニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、リン酸塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩などである。前記のオニウム塩とカウンターアニオンを作ることができる化合物である限り、カウンターアニオンの制限はない。カウンターアニオンの例としては、ホウ酸、アルソニウム酸、リン酸、アンチモニック酸、硫酸塩、カルボン酸とその塩化物であるがこれに限定されない。オニウム塩の光酸発生剤としては、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロアルセナート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロサルフェート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアーセナート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、4−チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロスルフォネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロスルフォニウム、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオロフォスフォネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオスルフォネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロアーセネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルフォスフェート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロスルフォネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオアンチモネート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオフォスフェート、トリス(4−メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロスフォネート、トリフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルヨードニウムトリフルオロスルフォネート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、3,3−ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、4,4−ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネートを単独で使用しても混合して使用しても良い。
ハロゲンを含有している光酸発生剤の例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2−アリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、α,β,α−トリブロモメチルフェニルスルフォン、α、α―2,3,5,6−ヘキサクロロキシレン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロキシレン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタンとそれらの混合物である。
スルフォネート系の光酸発生剤としては、2−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2,4−ジニトロベンジルトシレート、2−ニトロベンジルメチルスフォネート、2−ニトロベンジルアセテート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネート、1,2,3−トリス(メタンスルフォニルロキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(エタンスルフォニルロキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(プロパンスルフォニルロキシ)ベンゼンなどであるがこれに限定されない。
好ましくは、光酸発生剤としては4,4‘−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4’,4“−トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4‘−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートとそれらの混合物である。
本発明における光酸発生剤の配合割合としては、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1から100重量部であり、より好ましくは0.1から10重量部である。
【0025】
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物には、必要により感光特性を高めるために増感剤を用いることが可能である。増感剤は光酸発生剤を活性化することが可能な波長の範囲を広げることが可能で、ポリマーの架橋反応に直接影響を与えない範囲で加えることができる。最適な増感剤としては、使用された光源近くにに最大吸光係数を持ち、吸収したエネルギーを効率的に光酸発生剤に渡すことができる化合物である。光酸発生剤の増感剤としては、アントラセン、パイレン、パリレン等のシクロ芳香族である。例えば2−イソプロピル−9H―チオキサンテン−9−エン、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサンテン、フェノチアジンとそれらの混合物である。本発明における光酸発生剤の配合割合としては、ポリマー100重量部に対して0.1から10重量部であり、より好ましくは0.2から5重量部である。光源がg線(436nm)とi線(365nm)などの長波長の場合、増感剤は光酸発生剤を活性化するのに有効である。
【0026】
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物には、必要により少量の酸捕捉剤を添加することにより解像度を向上することが可能である。光化学反応の間に酸捕捉剤は未露光部へ拡散する酸を吸収する。酸捕捉剤としてはピリジン、ルチジン、フェノチアジン、トリ−n−プロピルアミンとトリエチルアミンなどの第二、第三アミンであるがこれに限定されない。酸捕捉剤の配合割合としては、ポリマー100重量部に対して0.10から0.05重量部である。
【0027】
本発明における、エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)と光酸発生剤(B)を含む樹脂組成物には、必要によりレベリング剤、酸化防止剤,難燃剤,可塑剤、シランカップリング剤、充填材等の添加剤を添加することができる。
【0028】
本発明においてはこれらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、非反応性の溶剤と反応性の溶剤があり、非反応性溶剤は、ポリマーや添加物のキャリアとして働き、塗布や硬化の過程で除去される。反応性溶剤は樹脂組成物に添加された硬化剤と相溶性がある反応基を含んでいる。非反応性の溶剤としては炭化水素や芳香族である。例を挙げると、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンやデカヒドロナフタレンなどのアルカンやシクロアルカンの炭化水素溶剤であるがこれに限定されない。芳香族溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレンなどである。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、アセテート、エステル、ラクトン、ケトンやアミドも有用である。反応性の溶剤としてはシクロヘキセンオキサイドやα−ピネンオキサイドなどのシクロエーテル化合物、[メチレンビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビスオキシランなどの芳香族シクロエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどのシクロアリファティックビニルエーテル化合物、ビス(4−ビニルフェニル)メタンなどの芳香族を単独でも混合して用いてもよい。好ましくは、メシチレンやデカヒドロナフタレンであり、これらはシリコン、シリコンオキサイド、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライド、などの基板に樹脂を塗布するのに最適である。
【0029】
本発明に用いる樹脂組成物の樹脂固形分は5〜60重量%である。さらに好ましくは、30〜55重量%であり、さらに好ましくは、35〜45重量%である。溶液粘度は10〜25,000cPであるが、好ましくは100〜3,000cPである。
【0030】
本発明の樹脂組成物は、エポキシ基を有する環状ノルボルネン樹脂と光酸発生剤、及び必要に応じて、溶剤、増感剤、酸捕捉剤、レベリング剤、酸化防止剤,難燃剤,可塑剤、シランカップリング剤、充填材等を単純に混合することによって得られる。
【0031】
次に本発明の半導体装置の作成方法について述べる。まず環状オレフィン系樹脂組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウェハー、セラミック、アルミ基板等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。次に、90〜140℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜700nmの波長のものが好ましい。
【0032】
化学線の照射後に続きベークを行う。この工程はエポキシ架橋の反応速度を増加させる。ベーク条件としては50〜200℃である。好ましくは80〜150℃で、さらに好ましくは90〜130℃である。
次に未照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンやシクロヘキサンなどのアルカンやシクロアルカンなどの炭化水素、トルエン、メシチレン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭溶媒である。またリモネン、ジペンテン、ピネン、メクリンなどのテルペン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどのケトン類を用いることができ、それらに界面活性剤を適当量添加した有機溶剤を好適に使用することができる。
現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、アルコールを使用する。次に50〜200℃で加熱処理を行い、現像液やリンス液を除去し、さらにエポキシ基の硬化が完了し耐熱性に富む最終パターンを得る。
該チップとリードフレームを加熱接着により接着固定し、金線ワイヤーで電気的に結合させる。その後、エポキシ系封止樹脂を用いてチップを封止する。封止方法としてはトランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールドなどの方式で可能である。
【0033】
次に、本発明の一つである、リード・オン・チップ(Lead On Chip)構造を有する半導体装置を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一つであるLOC型構造を有する樹脂封止型半導体装置の断面図で、チップ2上に環状オレフィン系樹脂組成物のコート層があり、パターニング、硬化後、このコート層を接着剤1としてチップ2とリードフレーム3を接着固定し、チップ2とリードフレーム3を金線ワイヤーで接続した後、樹脂封止5で封止したものである。接着方法としてはチップを50〜350℃に加熱し、0.1〜10kg/cm2の圧力で数秒間圧着する。
図2は、従来のLOC構造を有する樹脂封止型半導体装置の断面図で、接着剤6及び絶縁フィルム7を介してチップ2とリードフレーム3を接着固定した後、封止樹脂5で封止したものである。従来は接着剤6付き絶縁フィルム7をリードフレーム3に接着した後、チップ2と絶縁フィルム7を接着するので作業性が良くなかった。また絶縁フィルム7としては吸水率、線膨張、弾性率の大きな20μm程度のポリイミドフィルムを用いるので、半田浸漬時のパッケージクラックの発生や実装時の封止樹脂からの応力によるデバイスの不良発生という問題があった。絶縁フィルム7に環状オレフィン系樹脂を用いることで、従来は必須であった接着剤6が不要となり、リードフレーム3と絶縁フィルム7を直接接合できるため工程を大幅に削減できるという利点がある。このようにして作製された樹脂封止型半導体装置は、絶縁フィルム7が低吸水率で薄膜のためパッケージクラックの発生が無く、また同じく絶縁フィルム7が低弾性であるため封止樹脂からの応力を緩和でき、高信頼性を有するという利点を有する。
【実施例】
【0034】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
《実施例1》
デシルノルボルネン/グリシジルメチルエーテルノルボルネン=70/30コポリマーの共重合体(A−1)の例を挙げる。
すべてのガラス機器は60℃で0.1Torr下で18時間乾燥する。その後ガラス機器はグローボックスに移され、グローボックスに備え付けられる。エチルアセテート(917g)、シクロヘキサン(917g)、デシルノルボルネン(192g、0.82mol)とグリシジルメチルエーテルノルボルネン(62g、0.35mol)が反応フラスコに加えられた。反応フラスコはグローボックスから取り出し、乾燥窒素ガスを導入した。反応中間体は30分間溶液中に窒素ガスを通して脱気した。グローボックス中でニッケル触媒すなわちビストルエンビスパーフルオロフェニルニッケル9.36g(19.5mmol)がトルエン15mlに溶解して、25mlのシリンジに入れ、グローボックスから取り出し、反応フラスコに加えられた。20℃にて5時間攪拌して反応を終了した。次に過酢酸溶液(975mmol)を加え18時間攪拌した。攪拌を止めると水層と溶媒層に分離した。水層を分離した後、1lの蒸留水を加え、20分間攪拌した。水層が分離するので取り除いた。1lの蒸留水で3回洗浄を行った。その後ポリマーをメタノールに投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。乾燥後243g(収率96%)のポリマーを回収した。得られたポリマーの分子量はGPCによりMw=115,366 Mn=47,000、Mw/Mn=2.43であった。ポリマー組成はH−NMRからデシルノルボルネンが70モル%エポキシノルボルネンが30モル%であった。
【0035】
実施例1で合成した樹脂228gをデカヒドロナフタレン342gに溶解した後、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)(0.2757g、2.71x10-4mol)1−クロロ−4−プロポロキシ−9H−チオキサントン(0.826g、2.71x10-4mol)、フェノチアジン(0.054g、2.71x10-4mol)、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(0.1378g、2.60x10-4)、を加えて溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し環状オレフィン系樹脂組成物を得た。
【0036】
作製したこの環状オレフィン系樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で5分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜にi線ステッパー露光機NSR−4425i(ニコン(株)製)によりレチクルを通して300mJ/cm2で露光を行った。その後ホットプレートにて100℃で4分、露光部の架橋反応を促進させるため加熱した。
次にリモネンに30秒浸漬することによって未露光部を溶解除去した後、イソプロピルアルコールで20秒間リンスした。その結果、パターンが成形されていることが確認できた。この時の残膜率(現像後の膜厚/現像前の膜厚)は99.6%と非常に高い値を示した。また残しパターンにおいて、微細パターン剥がれは全く観察されず、現像時の密着性が優れていることが確認できた。その後160℃、60分で硬化し、架橋反応を完結させた。この硬化膜の吸水率は0.2%であった。
次に前記のシリコンウェハーを6×15mmにダイシングし、得られた半導体チップを直接42合金製リードフレームに200℃で1秒加圧(1Kg/cm2)接着した。その後エポキシ樹脂系封止材料でLOC構造の300mil幅のSOJに封止した。この封止品20個を85℃/85%RH下に16時間放置した後、IRフロー(240℃×10秒)にかけ、パッケージにクラックが発生する数を調べたところクラック発生数は0/20であった。
【0037】
《実施例2》
実施例1のデシルノルボルネン(192g、0.82mol)とグリシジルメチルエーテルノルボルネン(62g、0.35mol)の代わりに、デシルノルボルネン(129g、0.55mol)とグリシジルメチルエーテルノルボルネン(177g、0.30mol)、フェネチルノルボルネン(29.7g、0.15mol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてデシルノルボルンネン/グリシジルメチルエーテルノルボルネン/フェネチルノルボルネン=55/30/15のターポリマー(A−2)を得た。重合、再沈殿を行い、乾燥後309g(収率92%)のポリマーを回収した。得られたポリマーの分子量はGPCによりMw=30000、Mn=68000、Mw/Mn=2.3であった。ポリマー組成はH−NMRからデシルノルボルネンが54モル%、エポキシノルボルネンが31モル%、フェネチルノルボルネンが15モル%であった。
実施例1と同様にシリコンウェハー上に硬化膜を作製したところ、この硬化膜の吸水率は0.2%であった。また封止後のパッケージにクラックが発生する数を調べたところクラック発生数は0/20であった。
【0038】
《実施例3》
デシルノルボルネンとフェネチルノルボルネンコポリマーの開環メタセシス共重合体(A−3)の例を挙げる。
すべてのガラス機器は60℃で0.1トル下で18時間乾燥する。その後ガラス機器は内部の酸素濃度と湿度がそれぞれ1%以内に抑えられたグローブボックス内に移され、グローブボックスに備え付けられる。トルエン(917g)、シクロヘキサン(917g)、デシルノルボルネン(129g、0.55mol)とフェネチルノルボルネン(29.7g、0.55mol)、1−ヘキセン(368g、2.2mol)が反応フラスコに加えられた。反応フラスコはグローボックスから取り出し、乾燥窒素ガスを導入した。反応中間体は30分間溶液中に窒素ガスを通して脱気した。グローブボックス中で五塩化タングステンのt−ブチルアルコール/メタノール(モル比0.35/0.3)溶液(0.05モル/l)を調製し、この3.78gをトリエチルアルミニウム0.011gがトルエン25gに溶解された助触媒溶液0.634gと共に反応フラスコに加えられた。20℃にて5時間攪拌して反応を終了した。
次にこの溶液をオートクレーブに入れ、RuHCl(CO)[P(C553340.02gを加え、内圧が100kg/cm2になるまで水素を導入し、165℃で3時間加熱攪拌を行った。加熱終了後室温まで放冷し、反応物をメタノール(975mmol)に加え18時間攪拌した。攪拌を止めると水層と溶媒層に分離した。水層を分離した後、1lの蒸留水を加え、20分間攪拌した。水層が分離するので取り除いた。1lの蒸留水で3回洗浄を行った。その後ポリマーをメタノールに投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。乾燥後320g(収率85%)のポリマーを回収した。得られたポリマーの分子量はGPCによりMw=22,000 Mn=9,600、単分散性=2.3であった。TgはDMAによると150℃であった。ポリマー組成は1H−NMRからデシルノルボルネンが48モル%、フェネチルノルボルネンが52モル%であった。
得られたポリマー50重量部、5,6−エポキシ−1−ヘキセン6重量部およびジクミルパーオキシド1.5重量部をシクロヘキサン120重量部に溶解し、オートクレーブ中にて150℃、3時間反応を行なった後、得られた反応生成物溶液を240重量部のイソプロピルアルコール中に注ぎ、反応性生成物を凝固させた。凝固したエポキシ変成重合体を100℃で5時間、真空乾燥し、エポキシ変成重合体を50重量部を得た。このポリマーのTgはDMAによると15℃であった。得られたポリマーの分子量はGPCによりMw=23,000 Mn=10、000、単分散性=2.3であった。この樹脂のエポキシ変成率は2%であった。得られたポリマーを実施例1と同じ評価を行なった。
実施例1と同様にシリコンウェハー上に硬化膜を作製したところ、この硬化膜の吸水率は0.2%であった。また封止後のパッケージにクラックが発生する数を調べたところクラック発生数は0/20であった。
【0039】
《比較例1》
ポリイミド系樹脂である、カプトンフィルム(吸水率2%)の両面にポリエーテルアミド系の接着剤が塗布されている絶縁フィルムをもちいて実施例1と同様に半導体チップと42合金製リードフレームを400℃で1秒加圧(1Kg/cm2)接着し、エポキシ樹脂系封止材料で接着した。この半導体装置のパッケージクラックを調べたところ15/20であった。
【0040】
《比較例2》
同じくポリイミド系樹脂である、ユーピレックスフィルム(吸水率1%)の両面に比較例1と同様の接着剤が塗布されている絶縁フィルムをもちいて実施例1と同様に半導体チップと42合金製リードフレームを200℃で1秒加圧(1Kg/cm2)接着し、エポキシ樹脂系封止材料で接着した。この半導体装置のパッケージクラックを調べたところ9/20であった。
【0041】
比較例ではリフロー時に絶縁フィルム中に吸水された水分がパッケージ内で気化膨張し、パッケージクラックを起こしているのに対し、実施例ではすべてのパッケージにおいて不良が発生していないためパッケージ信頼性が高いといえる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、低応力性、耐溶剤性、低吸水性、電気絶縁性、密着性等に優れたリード・オン・チップ(Lead On Chip)構造を有する樹脂封止型半導体装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は本発明のLOC構造を有する樹脂封止型半導体装置の断面図である。
【図2】図2は従来技術によるLOC構造を有する樹脂封止型半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 接着剤機能を有する絶縁フィルム
2 半導体チップ
3 リードフレーム
4 金線ワイヤー
5 封止樹脂
6 接着剤
7 絶縁フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子表面保護膜に用いられる樹脂組成物であって、エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)と、光酸発生剤(B)と、を含むことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(1)で示される繰り返し単位を含むものである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【化1】

[式(1)中、XはO、CH2、(CH2)2のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つ以上はエポキシ基を有する官能基である。]
【請求項4】
エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(2)及び式(3)で示される繰り返し単位を含むものである請求項1〜3記載の樹脂組成物。
【化2】

[式(2)(3)中、R1〜R7はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R7は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
【請求項5】
エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(4)、(5)及び(6)で示される繰り返し単位を含むものである請求項1〜4記載の樹脂組成物。
【化3】

[式(4)(5)(6)中、nは0〜5の整数である。R1〜R10はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R10は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
【請求項6】
エポキシ基を有する環状オレフィン樹脂(A)が式(7)で示される繰り返し単位を含むものである請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
【化4】

[式(7)中、YはO、CH2、(CH2)2のいずれか、Zは-CH2-CH2-、-CH=CH-のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つはエポキシ基を有する。]
【請求項7】
請求項1〜6記載の樹脂組成物の樹脂層を半導体チップの回路素子形成面上に有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜6記載の樹脂組成物の樹脂層と、回路素子が形成された半導体チップと、リードフレームと、を有する半導体装置であって、該樹脂層の一方の面が半導体チップに直接接合し、かつ他方の面がリードフレームに直接接合していることを特徴とするリード・オン・チップ(Lead On Chip)構造の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−96812(P2006−96812A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282055(P2004−282055)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】