説明

半導体装置、スタックドパッケージ型半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】巣及びボイドのないビアを形成する。
【解決手段】半導体基板11を貫通するビアホール51と、ビアホール51の内壁面を被覆する無機絶縁膜13と、無機絶縁膜13の表面に脱水縮合により一端が結合され、他端にメルカプト基又は含硫黄芳香族複素環式基を有するカップリング剤から形成されたカップリング層15と、メルカプト基又は含硫黄芳香族複素環式基に結合された触媒金属16と、触媒金属16上に形成された無電解めっき金属からなるシード層17と、ビアホール51を埋め込みシード層17上に形成された電解めっき金属18からなるビア18aと、を有する半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、スタックドパッケージ型半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路が形成された複数の半導体チップを互いに重ね合わせて一つのパッケージに収容するスタックドパッケージ型半導体装置は、小さな実装面積に多くの半導体チップ、例えばメモリチップを搭載することできることから、高密度実装技術として期待され開発が進められている。
【0003】
かかるスタックドパッケージ型半導体装置に、半導体チップの基板(半導体基板)を貫通するビアを形成し、このビアを介して半導体回路と実装基板とを接続するものがある。このスタックドパッケージ型半導体装置では、上下に積み重ねられた半導体チップのビアが重なり互いに接続されるように、半導体チップが積層される。そして、上方に積層された半導体チップに形成された半導体回路は、積層された2個の半導体チップに形成されたビアを介して実装基板の配線に接続される。この半導体装置では、半導体チップの外側に接続用の配線スペースを設ける必要がないので、半導体チップとほぼ同じ実装面積で実装することができる。
【0004】
上述の半導体基板を貫通するビアの形成工程は、まず、半導体基板上面にビアホールとなる盲穴を形成し、その盲穴の内壁面に例えば金属酸化物からなる無機絶縁膜を形成した後、盲穴をめっき金属で埋め込む。その後、半導体基板の下面をめっき金属が表出するまで研削して、半導体基板を貫通するビアが形成される。この盲穴へのめっき金属の埋め込みは、通常、無機絶縁膜上に金属薄膜を形成したのち、この金属薄膜をシード層とする電解めっきによりなされる。
【0005】
しかし、チップ面積を小さくするには、ビアは細いことが望ましい。一方、半導体基板の強度を保持するために、半導体基板は厚いことが望ましい。従って、ビアを形成するためのビアホールは、大きなアスペクト比、例えば5以上のアスペクト比を有する盲穴として形成される。従来、シード層となる金属薄膜は、蒸着またはスパッタにより形成されていた。しかし、蒸着またはスパッタでは、このようなアスペクト比の大きな盲穴の内壁面を一様に被覆することが難しい。
【0006】
このため、無電解めっきによるシード層の形成が提案されている。しかし、無電解めっきにより無機絶縁膜上に形成された金属薄膜は、絶縁膜との密着性が弱く剥離しやすく、一部が欠落することがある。そのため、無機絶縁膜上に一様に金属薄膜を形成することが難しい。このような金属薄膜をシードとして盲穴をめっき金属で埋め込むと、巣やボイドを発生し、ビアの信頼性が損なわれる。
【0007】
絶縁膜と金属薄膜との密着強度を高めるために、金属捕捉能を有する官能基を付加したカップリング剤を絶縁膜に結合させたのち、触媒金属をその官能基に捕捉させ、その上に無電解めっき金属からなる金属薄膜をシード層として形成する方法が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−019312号公報
【特許文献2】特開2007−043131号公報
【特許文献3】特開2000−212754号公報
【特許文献4】特開2006−016684号公報
【特許文献5】特許第3670238号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、盲穴の内壁面を無機絶縁膜で被覆し、その無機絶縁膜上に無電解めっきにより金属薄膜を形成すると、無機絶縁膜と金属薄膜との接着強度が弱く、一様な金属薄膜を形成することが難しい。このような金属薄膜をシード層として用いて盲穴をめっき金属で埋め込むと、巣またはボイドが発生しやすくビアの信頼性が損なわれる。
【0010】
無機絶縁膜と金属薄膜との密着強度を高めるために、金属捕捉能を有する官能基が付加されたカップリング剤による無機絶縁膜の改質処理がなされている。従来、金属捕捉能を有する官能基として、多様な官能基、例えばメルカプト基、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基、アゾール基または含硫黄複素環式化合物を含む複素環式化合物が提案されている。
【0011】
しかし、従来のカップリング剤を用いてビアを形成する半導体装置では、無機絶縁膜と無電解めっき金属薄膜との密着性が劣るものがあり、信頼性の高いビアを形成することが難しかった。
【0012】
本発明は、半導体基板を貫通するビアを形成する際、無電解めっきを用いて無機絶縁膜との高い密着強度を有するシード層を形成することで、信頼性の高いビアを有する半導体装置、スタックドパッケージ型半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明は、その一態様によれば、上面に半導体回路が形成された半導体基板と、前記半導体基板を貫通するビアホールと、前記ビアホールの内壁面を被覆する無機絶縁膜と、前記無機絶縁膜の表面に脱水縮合により一端が結合され、他端にメルカプト基又は含硫黄芳香族複素環式基を有するカップリング剤から形成されたカップリング層と、前記メルカプト基又は前記含硫黄芳香族複素環式基に結合された触媒金属と、前記触媒金属上に形成された無電解めっき金属からなるシード層と、前記ビアホールを埋め込み前記シード層上に形成された電解めっき金属からなるビアと、を有することを特徴とする半導体装置として提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、金属酸化物からなる無機絶縁膜上に密着強度の高い無電解めっき金属からなるシード層が形成される。このため、このシード層をシードとする電解めっきによりビアを埋め込むことで、巣またはボイドのない信頼性の高いビアを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態の密着度試験の工程断面図
【図2】本発明の第1実施形態の密着度試験の結果を表す図
【図3】本発明の第1実施形態で用いられたカップリング剤の化学式を表す図
【図4】本発明の第1実施形態の積層構造断面図
【図5】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その1)
【図6】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その2)
【図7】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その3)
【図8】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その4)
【図9】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その5)
【図10】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その6)
【図11】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その7)
【図12】本発明の第2実施形態のスタックドパッケージ型半導体装置の製造工程断面図(その1)
【図13】本発明の第2実施形態のスタックドパッケージ型半導体装置の製造工程断面図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の発明者は、金属酸化物からなる無機絶縁膜上に、カップリング剤による処理工程および触媒金属の付加工程を経て形成された無電解めっき金属薄膜の接着強度を、カップリング剤に含まれる触媒金属捕捉能を有する官能基との関係について鋭意検討した。その結果、メルカプト基または含硫黄芳香族複素環式基を触媒金属の捕捉能を有する官能基として含むカップリング剤を用いた場合に、とくに無機絶縁膜との密着強度が高い無電解めっき金属薄膜が形成されることを発見した。本発明はかかる発見に基づきなされた。以下、本発明を、実施形態を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
本発明の第1実施形態は、無機絶縁膜上にシード層を介して形成された電解めっき金属の密着強度と、シード層形成の際に用いたカップリング剤との関係を明らかにするための密着度試験に関する。
【0018】
図1は本発明の第1実施形態の密着度試験の工程断面図であり、密着度試験の試料断面を表している。
【0019】
本第1実施形態の密着度試験では、図1(a)を参照して、まず、上面が研磨された半導体基板11、例えばシリコン基板を準備し、その半導体基板11の上面を異方性イオンエッチングした。これにより、イオン52が照射された半導体基板11の上面に、微細な凹凸が形成される。この異方性イオンエッチングは、後述する第2実施形態におけるビアホールの内壁面と同様の凹凸を、半導体基板11上面に形成するためになされる。従って、この異方性イオンエッチングは、第2実施形態におけるビアホールを形成するイオンエッチングと同じ方法でなされることが好ましい。ここでは、塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を用いた。なお、この凹凸は、その上に形成される各種薄膜のアンカーとして機能し、これらの薄膜の密着強度を向上させる。
【0020】
ついで、図1(b)を参照して、半導体基板11の上面上に、金属酸化膜からなる無機絶縁膜13、例えばシリコン酸化膜を気相堆積法(CVD法)により形成した。この気相堆積法は低温での堆積が可能なので、半導体回路が形成されている半導体基板にも、半導体回路を損傷することなく無機絶縁膜13を形成することができる。もちろん、半導体回路を損傷しない他の形成方法を用いてもよい。
【0021】
ついで、図1(c)を参照して、無機絶縁膜13の上面にカップリング剤が結合したカップリング層15を形成する。カップリング層15は、半導体基板11を1%濃度のカップリング剤水溶液に1分間浸漬した後、100℃、30分間の加熱脱水処理を行い形成した。用いたカップリング剤についは後述する。この加熱脱水処理により、無機絶縁膜13の表面(上面)に吸着されたカップリング剤は、その一端に有する加水分解性基が無機絶縁膜13と脱水縮合して強固に結合し、無機絶縁膜13上面に密着性の高いカップリング層15として形成される。
【0022】
ついで、図1(d)を参照して、半導体基板11を例えは塩化パラジウム及び塩化第1すずのコロイド浴又は錯塩を含む液温55℃のキャタポジット液(例えば、ロームアンドハース社の商品名キャタポジット44)に3分間浸漬した。これにより、触媒金属16が、カップリング剤の上面側に付加された金属捕捉能を有する官能基に捕捉され、カップリング層15の上面に結合する。
【0023】
ついで、触媒金属16の活性化処理を行った。この処理により、例えば加水分解生成物として吸着されているキャタポジットが、活性化した触媒金属16、例えば活性金属パラジウムに変換される。このように活性化された触媒金属16は、次工程の無電解めっき工程で触媒として作用し、金属の析出を促進する。この活性化処理は、例えばロームアンドハース社の商品名アクセレレータ19E水溶液に室温で6分間浸漬してなされる。
【0024】
ついで、図1(e)を参照して、半導体基板11を無電解めっき液(例えばロームアンドハース社の商品名カッパーミックス)に室温下で20分間浸漬し、カップリング層15の上面に、触媒金属16を介して厚さ0.5μmの無電解めっき金属薄膜からなるシード層17を形成した。
【0025】
ついで、図1(f)を参照して、シード層17を一方の電極とする電解めっきを用いて、シード層17に厚さ30μmのCuからなる電解めっき金属18を析出させた。ついで、150℃で1時間の熱処理を施した。この工程を経て、図1(f)に示す密着度試験の試料が作製された。
【0026】
ついで、クロスカット法(JIS K5600−5−6:ISO2409)による電解めっき金属18の密着度試験を行った。
【0027】
密着度試験は、図1(g)を参照して、まず、電解めっき金属18、シード層17、触媒金属16、カップリング層15及び無機絶縁膜13を貫通し半導体基板11に達する溝53を、カッターナイフを用いて形成する。この溝53は碁盤目状に形成され、これにより、電解めっき金属18〜無機絶縁膜13が、縦横それぞれ10行10列の辺長1mmの正方形パターンに切り出される。
【0028】
ついで、図1(h)を参照して、電解めっき金属18上面に粘着テープ54を貼付し、粘着テープ54の一端を半導体基板の垂直方向に引張り引き剥がした。そのとき、半導体基板11上に残存している電解めっき金属の正方形パターンの数(以下「残存個数」という。)、言い換えれは、粘着テープ54に貼着したまま半導体基板11から剥がれることなく半導体基板11上に残留している正方形パターンの数を計測した。
【0029】
この密着度試験は、異なる官能基(金属捕捉能を有する官能基)を有する複数種類のカップリング剤を用いて形成した電解めっき金属18について、各カップリング剤ごとにそれぞれ2回づつ行った。また、密着強度の判定は、残存個数が100〜95個のときを○、残存個数が94〜80個のときを△、残存個数が79〜0のときを×とした。なお、2回の密着度試験のうち、残存個数が少ない方の結果を判定に用いた。
【0030】
図2は本発明の第1実施形態の密着度試験の結果を表す図であり、カップリング剤が有する官能基と密着強度との関係を表している。図3は本発明の第1実施形態で用いられたカップリング剤の化学式を表す図であり、図3(a)は実施例1で用いられたカップリング剤を、図3(b)は実施例2で用いられたカップリング剤を表している。なお、図3(b−1)は図3(b)中にXで表された官能基を例示している。図4は本発明の第1実施形態の積層構造断面図であり、図1(f)に示す上述した密着度試験の試料の断面を表している。
【0031】
図2を参照して、本第1実施形態の実施例1は、カップリング剤として、金属捕捉能を有する官能基としてメルカプト基を含むシランカップリング剤を用いたものである。
【0032】
一般に、カップリング剤は、骨格の一端側に単数又は複数の加水分解基を有し、他端側に単数又は複数の金属捕捉能を有する官能基を有する。図3(a)を参照して、実施例1では、化学式、
(CH3 O)3 Si(CH)2 CH3-n (SH)n
(メルカプトプロピルトリメトキシシラン)で表されるカップリング剤(信越シリコーン社の商品名KBM−803)を用いた。即ち、実施例1で用いたカップリング剤は、Si(CH)2 CH3-n からなる骨格を持ち、その骨格の一端に3個のメトキシ基と、他端にn個(n=1〜3)のメルカプト基をチオール基として有するシランカップリング剤である。
【0033】
実施例1で用いられるカップリング剤として、同素芳香族環式化合物又は複素芳香族環式化合物の1個又は複数の水素をチオール基又はメルカプト基で置換した官能基を有するシランカップリング剤を用いることができる。なお、カップリング剤の骨格および加水分解基は、通常のシランカップリング剤に用いられるものと同様である。また、チタンカップリング剤もシランカップリング剤と同様に用いることができる。
【0034】
再び図2の実施例1を参照して、メルカプト基を有するカップリング剤を用いた場合、2回の密着度試験の結果は、100個の正方形パターンのうち残留個数がそれぞれ97個及び95、少ない方の残存率は95%であり、良(○)と判定された。
【0035】
本第1実施形態の実施例2は、カップリング剤として、金属捕捉能を有する官能基として含硫黄芳香族複素環式化合物を有するシランカップリング剤を用いた。他は、実施例1と同様である。
【0036】
図3(b)を参照して、この実施例2では、シランカップリング剤として、化学式
(CH3 O)3 Si(CH)2 CH3 −X
で表されるチオフェン誘導体を用いた。ここで、Xは、図3(b−1)に示すチエニル基でしある。また、図3(b−2)に示すチアゾリル基または図3(b−3)に示すチエニル基の炭素の一つを酸素で置換した官能基であってもよい。これらの官能基を有するカップリング剤を用いて形成された電解めっき金属の密着度試験は、同様の結果であった。
【0037】
即ち、図2の実施例2を参照して、実施例2で形成された電解めっき金属の密着度試験の結果は、100個の正方形パターンのうち残留個数がそれぞれ95個及び100個、少ない方の残存率は95%であり、良(○)と判定された。
【0038】
本第1実施形態の実施例2で用いられるはカップリング剤として、金属捕捉能を有する官能基として、含硫黄芳香族複素環式化合物を有するシランカップリング剤又はチタンカップリング剤を用いることができる。この含硫黄芳香族複素環式化合物を有する官能基は、硫黄を介して触媒金属と結合し、かつ触媒金属の触媒能を阻害しないものであることが必要とされる。かかる含硫黄芳香族複素環式化合物として、例えば図3(b−1)〜(b−3)に示す5環の化合物のはか、チアゾリジニル基を有する化合物、チアジン及びその誘導体、またはチアジル化合物を用いることができる。
【0039】
図2の比較例1〜比較例9を参照して、従来多用されているシランカップリング剤を用いて形成された電解めっき金属についての密着度試験結果を、本発明の実施例1及び実施例2の結果と比較して示した。
【0040】
比較例1は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KIBM−1003を用いた、このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてビニル基を有する、ビニルトリメトキシシランを主成分としている。なお、比較例1〜比較例9は、カップリング剤が異なる他は、実施例1と同一工程で電解めっき金属を形成し、同一条件の密着度試験を行った。
【0041】
密着度試験の結果は、2回の試験とも残留個数は0個、残留率は0%であり、不良(×)と判定された。
【0042】
比較例2は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−403を用いた、このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてエポキシ基を有する、グリシドキシプロピルトリメトキシシランを主成分としている。
【0043】
比較例2の密着度試験の結果は、2回の試験とも残留個数は0個、残留率は0%であり、不良(×)と判定された。
【0044】
比較例3は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−1403を用いた、このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてスチリル基を有する、スチリルトリメトキシシランを主成分としている。
【0045】
比較例3の密着度試験の結果は、2回の試験とも残留個数は0個、残留率は0%であり、不良(×)と判定された。
【0046】
比較例4は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−503を用いた、このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてメタクロシキ基を有する、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを主成分としている。
【0047】
比較例4の密着度試験の結果は、2回の試験とも残留個数は0個、残留率は0%であり、不良(×)と判定された。
【0048】
比較例5は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−5103を用いた、このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてアクリロキシ基を有する、アクリロキシプロピルトリメトキシシランを主成分としている。
【0049】
比較例5の密着度試験の結果は、2回の試験とも残留個数は0個、残留率は0%であり、不良(×)と判定された。
【0050】
比較例6は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−603を用いた。このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてアミノ基を有する、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを主成分としている。
【0051】
比較例6の2回の密着度試験の結果は、それぞれ残留個数は22個及び30個、小さい方の残留率は22%であり、不良(×)と判定された。
【0052】
比較例7は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−585を用いた、このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてウレイド基を有する、ウレイドプロピルトリエトキシシランを主成分としている。
【0053】
比較例7の2回の密着度試験の結果は、ともに残留個数は54個、残留率は54%であり、不良(×)と判定された。
【0054】
比較例8は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−703を用いた、このシランカップリング剤は、金属捕捉能を有する官能基としてクロロプロピル基を有する、クロロプロピルトリメトキシシランを主成分としている。
【0055】
比較例8の2回の密着度試験の結果は、ともに残留個数は54個、残留率は54%であり、不良(×)と判定された。
【0056】
比較例9は、シランカップリング剤として信越シリコン社の商品名KBM−846を用いた、このシランカップリング剤は、ポリスルフィドであり、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを主成分としている。
【0057】
比較例9の密着度試験の結果は、2回の試験とも残留個数は0個、残留率は0%であり、不良(×)と判定された。
【0058】
上述したように、金属捕捉能を有する官能基として、メルカプト基または含硫黄芳香族環式化合物を含むカップリング剤を用いた実施例1及び実施例2では、密着強度の高い電解めっき金属が形成された。これに対して、メルカプト基または含硫黄芳香族環式化合物を金属捕捉能を有する官能基として含まないカップリング剤を用いた引用例1〜引用例8では、十分な密着強度が得られない。この理由は未だ解明されてはいないが、本発明の発明者は以下のように考察している。
【0059】
図4を参照して、第1実施形態では、半導体基板11(シリコン基板)上に、無機絶縁膜(シリコン酸化膜)13、カップリング層15、触媒金属16、無電解めっき金属薄膜からなるシード層17及び電解めっき金属18がこの順に積層される。なお、カップリング層15中の骨格41は、カップリング剤の骨格41を表している。
【0060】
半導体基板11と金属酸化膜、例えばシリコン酸化膜からなる無機絶縁膜13は、酸素を介して結合される。無機絶縁膜13とカップリング層15は、無機絶縁膜13表面に形成されたシラノールとカップリング剤の加水分解基とが縮合反応して結合される。さらに、触媒金属16と無電解めっき金属(図4中にM1として示す。)薄膜からなるシード層17、および、シード層17と電解めっき金属18(図4中にM2として示す)は、金属結合により結合される。これらの、酸素を介した結合、縮合反応による結合および金属結合は強固であり、十分な密着強度を付与する。これらは、実施例1、2のみならず、比較例1〜9についても同様の結合をしており十分な密着強度を有している。
【0061】
一方、カップリング層15と触媒金属16(図4中にMcと示す。)とは、実施例1、2では、官能基に含まれる硫黄(図4中にSとして示す。)を介して結合する。これに対して、引用例1〜8では、官能基に触媒金属と反応する硫黄が含まれないため、かかる硫黄を介する結合を生じない。メルカプト基の硫黄を介する金属の結合は、メルカプチドを形成して強固な結合となる。また、含硫黄芳香族環式化合物は、容易に金属と強固な結合を形成する。このため、実施例1、2では、カップリング層15に、触媒金属16が強固に結合する。この結果、カップリング層と無電解めっき金属からなるシード層17との間の密着強度が高くなり、このシード層17上に形成された電解めっき金属18も高い密着強をを有するものと本発明の発明者は考察している。
【0062】
本発明の第2実施形態は、半導体基板を貫通するビアを有する半導体装置と、その半導体装置を積層して形成されるスタックドパッケージ型半導体装置に関する。
【0063】
まず、半導体基板を貫通するビアを有する半導体装置をその製造工程を参照して説明する。
【0064】
図5〜図11は本発明の第2実施形態の半導体装置の製造工程断面図(その1)〜(その7)であり、製造工程における半導体装置の断面を表している。
【0065】
図5(a)を参照して、初めに、上面に複数の半導体回路11aが行列状に配置されて形成された半導体基板11、例えばシリコンウエーハを準備する。この半導体基板11の上面は、層間絶縁膜および保護膜からなる絶縁層12により被覆されている。そして、半導体回路11aの上方の絶縁層12中に、外部接続用の電極パッド11bが形成されている。また、絶縁層12には、電極パッド11bの上面を表出する開口12aが形成されている。
【0066】
ついで、半導体基板11の上面全面にレジスト61を塗布し、レジスト61を露光、現像してビアホール51(図5(b)を参照)を画定する開口61aを形成する。この開口61aは電極パッド11bの近くに形成することが配線長を短くする観点から好ましく、電極パッド11bが半導体回路11aの周縁部に配置されるときは、半導体回路の外周に沿って形成することが好ましい。また、半導体回路11aの内部に回路が形成されない領域を設け、その領域内に開口61aを形成することもできる。
【0067】
ついで、図5(b)を参照して、レジスト61をマスクとする反応性イオンエッチングを用いて、絶縁膜12および半導体基板11を順次エッチングして、絶縁層12を貫通し、先端が半導体基板11の厚さの途中まで達する盲穴からなるビアホール51を形成する。このビアホール51の直径は、形成面積を小さくするため小さいことが望ましく、例えは直径が20μm〜100μmに形成される。また、深さは完成した半導体装置の半導体基板11を貫通するように、例えば深さ200μm〜400μmの盲穴として形成される。ここでは、直径30μm、深さ300μmのビアホール51を形成した。その後、レジスト61を除去した。この反応性イオンエッチングの少なくとも半導体基板11をエッチングする工程は、既述した第1実施形態で用いた反応性イオンエッチングと同じ条件(エッチング時間を除く。)でなされた。
【0068】
ついで、図6(c)を参照して、気相堆積法を用いて、ビアホール51の内壁面及び半導体基板11の上面を覆う例えば厚さ5μmのシリコン酸化膜からなる無機絶縁膜13を形成した。この無機絶縁膜13は、第1実施形態の無機絶縁膜13と同じ条件で形成された。その後、電極パッド11b上面の無機絶縁膜13を除去して、電極パッド11b上面を表出させた。
【0069】
ついで、図6(d)を参照して、スパッタにより、半導体基板11上面に導電性金属、例えばTi又はNiからなる例えば厚さ1μmのスパッタ膜14を形成した。このスパッタ膜14は、後述するシード層との密着性を向上すくために用いられる。なお、スパッタ膜14を厚く堆積するとスパッタ膜14がビアホール51の開口部に庇状に突出して堆積し、開口部を塞いでしまう。また、スパッタ膜14は、アスペクト比がこのように大きなビアホール51の内壁面には殆ど形成されない。このため、スパッタにより、ビアホール51の内壁面を被覆するスパッタ膜を形成することは難しい。
【0070】
ついで、図7(e)を参照して、半導体基板11を、室温でカップリング剤の1%水溶液に1分間浸漬した後、100℃、30分間の熱処理を行った。これにより、無機絶縁膜13が表出するビアホール51の内壁面上に、無機絶縁膜13と縮合結合したカップリング剤からなるカップリング層15が形成された。なお、浸漬中はバブリング及び超音波を加えて、ビアホール51内の気泡残留を阻止した。本第2実施形態では、第1実施形態の実施例1で用いたカップリング剤(メルカプト基を有するシランカップリング剤)を用いた。
【0071】
ついで、図7(f)を参照して、半導体基板11を、第1実施形態の実施例1と同様に、塩化パラジウム及び塩化第1すずのコロイド浴又は錯塩を含む液温55℃のキャタポジット液に3分間浸漬した。これにより、触媒金属16(パラジウム)は、カップリング剤の金属捕捉能を有する官能基(ここではメルカプト基)に捕捉され、カップリング層15上に結合する。
【0072】
ついで、触媒金属16の活性化処理を行った。この活性化処理は、第1実施形態の実施例1と同様に、ロームアンドハース社の商品名アクセレレータ19E水溶液に室温で6分間浸漬して行った。
【0073】
ついで、図8(g)を参照して、半導体基板11を室温の無電解めっき液に20分間浸漬して、厚さ0.5μmのCuからなるシード層17を形成した。このシード層17は、触媒金属16上の他、金属からなるスパッタ膜上にも形成される。その結果、シード層17は、ビアホール51の内面からスパッタ膜14上に延在して形成される。なお、無電解めっき液は、第1実施形態の実施例1と同じくロームアンドハース社の商品名カッパーミックス)を用いた。
【0074】
ついで、図8(h)を参照して、半導体基板11を電解めっき液に浸漬、シード層17にパルス電流を流す電解めっきにより、シード層17上にCuからなる電解めっき金属18を析出した。この電解めっき金属18は、ビアホール51を完全に埋込み、半導体基板11の上面に厚さ30μmで平坦に延在するように形成される。ついで、150℃で1時間の熱処理を施した。この工程で、ビアホール51を電解めっき金属18で埋め込んだビア18aと、半導体基板11上面を被覆する電解めっき金属18からなる層が形成される。
【0075】
ついで、図9(i)を参照して、フォトリソグラフィを用いて、半導体基板11の上面に形成された電解めっき金属18からなる層をパターニングする。これにより、電解めっき金属18からなる層は、ビアホール51を埋め込むビア18aの上面に形成された電極(リング)と、ビア18aと電極パッド11bとを接続する配線とにパターニングされる。なお、これらの電極及び配線は、後述するように必要に応じて、例えばスタックドパッケージの1層目と2層目とを構成する半導体装置10A、10B(図12を参照)の相違に応じて、異なるパッドと接続するように変更することができる。
【0076】
ついで、図9(j)を参照して、半導体基板11上面を被覆する絶縁性の保護膜19、例えば感光性樹脂からなる保護膜19を形成する。この保護膜19は、次工程で半導体基板11の上面を保護するために形成される。なお、保護膜19に代えて、又はこの保護膜19上にさらに保護テープを貼着してもよい。
【0077】
次いで、図10(k)を参照して、半導体基板11の裏面を研削して、半導体基板11の厚さを250μmまで薄くした。これにより、半導体基板11は、ビア18aが完全に半導体基板11を貫通するまで薄くされ、半導体基板11の下面にビアが表出される。
【0078】
ついで、図10(k−2)を参照して、ビア18a直上の保護膜19に、電解めっき金属18の上面を表出する開口19aを形成する。この開口19aは、図12を参照して後述するように、上面に積層される半導体装置10Aと接続するための開口19aであり、、接続が必要なビア18aの直上にのみ選択的に開設することが好ましい。なお、上面に他の半導体装置10Aが積層されない最上層の半導体装置10Aには開設しなくてもよい。
【0079】
ついで、図11を参照して、ビア18a直下の半導体基板11の下面に、ビア18aに接続するランド21を形成し、さらにランド21に接続するはんだボール22とを形成する。このランド21とはんだボールとは、ビア18aを外部に接続するための接続用電極20となる。
【0080】
ついで、シリコンウエーハからなる半導体基板11を半導体回路11aごとにダイシングして、個々の半導体装置10A、10Bに分割する。この工程を経て、本第2実施形態の半導体装置10A、10Bが製造される。
【0081】
このとき、図10(k)に示す半導体基板11に接続用電極20を形成した図11(l)に示す半導体装置10Aと、図10(k−1)に示す半導体基板11に接続用電極20を形成した図11(l−1)に示す半導体装置10Bと、を製造する。この半導体装置10A、10Bは、上面に電解めっき金属18を表出する開口19aの有無の点で異なる他、ビア18aと半導体回路11aとを接続する配線パターンが異なるものとすることもできる。
【0082】
ついで、これらの半導体装置10A、10Bを縦に切断し、切断面に表出する200本のビア18aの断面を走査型電子顕微鏡で観測した。このとき、ビア18には、シード層11の剥離又は欠落は観測されず、また、巣又はボイドも観測されなかった。
【0083】
本第2実施形態の半導体装置10A、10Bは、ビア18aの形成の際に、メルカプト基を有するカップリング剤を用いる。第1実施形態で説明したように、かかるカップリング剤を用いると、密着強度の高いシード層17を形成することができる。同様に、含硫黄芳香族複素環式基を有するカップリング剤を用いても、強度の高いシード層17が形成される。このため、アスペクト比の大きなビアホールを、電解めっき金属18で巣又はボイドを生ずることなく埋め込むことができる。従って、高い信頼性を有するビア18aが形成される。
【0084】
また、本第2実施形態のビア18aの形成は、ビアホール51の形成、無機絶縁膜13の形成及びスパッタ膜14の形成の後は、全てウエット処理又は大気圧中の処理であり、真空中での処理がなされない。このため、処理時間が短く、かつ簡易な工程で半導体装置10A、10Bを製造することができる。
【0085】
つぎに、本第2実施形態のスタックドパッケージ型半導体装置を、その製造工程を参照して説明する。
【0086】
図12〜図13は本発明の第2実施形態のスタックドパッケージ型半導体装置の製造工程断面図(その1)〜(その2)であり、製造工程におけるスタックドパッケージ型半導体装置の断面を表している。
【0087】
図13に示した本第2実施形態のスタックドパッケージ型半導体装置10の製造では、まず、図12を参照して、インターポーザ30上に、上述の半導体装置10B及び半導体装置10Aを下からこの順に積層する。
【0088】
インターポーザ30は、上面にビア18aと同一の平面配置で設けられた接続用の電極パッド35を有し、下面に例えばグリッド状に設けられたランド32とはんだボール33からなる接続用電極34を有する。ビア18aと接続用電極34は、インターポーザ30内部の多層配線を介して接続されている。
【0089】
インターポーザ30上に、上面に開口19aを有する半導体装置10Bを、インターポーザ30の電極パッド35上に半導体装置10Bの接続用電極20を当接させて載置する。さらに、半導体装置10B上に、上面が保護膜19で被覆された半導体装置10Aを、半導体装置10Bの開口19底面に表出する電解めっき金属18の上面に半導体装置10Aの接続用電極20を当接させて載置する。
【0090】
ついで、加熱して半導体装置10A、10Bのはんだホール20をリフローして、インターポーザ30上に、半導体装置10B及び半導体装置10Aをはんだポール20を介して接合した積層組立体55を形成する。なお、インターポーザ30のほんだポール33は、半導体装置10A、10Bのはんだホール20のリフローで溶融しないはんだ材料で形成してもよい。また、同一材料から形成して同時にリフローさせたのち、球形に固化してもよい。
【0091】
ついで、図13を参照して、積層組立体55をモールド樹脂31で封止し、本第2実施形態のスタックドパッケージ型半導体装置10が製造される。
【0092】
本第2実施形態のスタックドパッケージ型半導体装置10では、積層された半導体装置10A、10Bに形成された半導体回路11aは、半導体基板11を貫通し、互いに接続されたビア18aを介して、インターポーザ30に電気的に接続される。この接続は、積層された半導体装置10A、10Bの両方に共通な電源配線又は信号配線、例えはアドレス信号配線等は、上下に接続するビアに共通に接続される。一方、上下の半導体装置10A、10Bを区別する必要がある信号配線、例えばチップ得ネーブル信号配線等は、異なる平面位置に形成されたビア18aに接続されるように、電極パッド11bとビア18aとを接続する電解めっき金属から形成された配線のパターンが設計される。もちろん、かかる必要がなければ、電極パッド11bとビア18aとを接続する全ての配線を、上下の半導体装置10A、10Bとも同一パターンとしてもよい。また、3層以上に積層することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明を半導体基板を貫通するビアを有する半導体装置に適用することで、ビアの信頼性を高くすることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 スタックパッケージ型半導体装置
10A、10B 半導体装置
11 半導体基板
11a 半導体回路
11b 電極パッド
12 絶縁層
12a、61a 開口
13 無機絶縁膜
14 スパッタ膜
15 カップリング層
16 触媒金属
17 シード層
18 電解めっき金属
18a ビア
19 保護膜
19a 開口
20、34 接続用電極
21、32 ランド
22、33 はんだボール
30 インターポーザ
31 モールド樹脂
35 電極パッド
41 骨格
51 ビアホール
52 イオン
53 溝
54 粘着テープ
55 積層組立体
61 レジスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に半導体回路が形成された半導体基板と、
前記半導体基板を貫通するビアホールと、
前記ビアホールの内壁面を被覆する無機絶縁膜と、
前記無機絶縁膜の表面に脱水縮合により一端が結合され、他端にメルカプト基又は含硫黄芳香族複素環式基を有するカップリング剤から形成されたカップリング層と、
前記メルカプト基又は前記含硫黄芳香族複素環式基に結合された触媒金属と、
前記触媒金属上に形成された無電解めっき金属からなるシード層、
前記ビアホールを埋め込み前記シード層上に形成された電解めっき金属からなるビアと、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記カップリング剤は、前記他端にチオール基又はチエニル基を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記カップリング剤は、前記他端にチアジル化合物を含む官能基を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体基板の下端に前記ビアに接続された接続用電極を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の半導体装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4記載の第1の半導体装置上に、請求項4記載の第2の半導体装置が、前記第2の半導体装置の前記接続用電極が前記第1の半導体装置の前記ビアの上端に接続されて積み重ねられていることを特徴とするスタックドパッケージ型半導体装置。
【請求項6】
半導体基板の上面に盲穴からなるビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールの内壁面を被覆する無機絶縁膜を形成する工程と、
前記無機絶縁膜の表面に脱水縮合により一端が結合され、他端にメルカプト基又は含硫黄芳香族複素環式基を有するカップリング剤からなるカップリング層を形成する工程と、
ついで、前記メルカプト基又は前記含硫黄芳香族複素環式基に触媒金属を結合させた後、前記触媒金属を活性化する工程と、
無電解めっきを用いて、活性化された前記触媒金属上に金属薄膜からなるシード層を形成する工程と、
前記シード層を一方の電極とする電解めっきを用いて、前記シード層上に前記ビアホールを埋め込む電解めっき金属からなるビアを形成する工程と、
前記半導体基板の下面を前記ビアが表出するまで研削して、前記半導体基板を貫通する前記ビアを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記カップリング剤は、前記他端にチオール基又はチエニル基を有することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記カップリング剤は、前記他端にチアジル化合物を含む官能基を有することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−146784(P2012−146784A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3300(P2011−3300)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】