説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】トレンチ内に埋め込まれたシリコン層と複数のトレンチ間の半導体基板上に形成されたシリコン層とを同じイオン注入を行ない導電層とすること。
【解決手段】半導体基板10に複数のトレンチ30と、前記複数のトレンチ間の前記半導体基板上に第1キャパシタ絶縁膜22を介し第1シリコン層24と、を形成する工程と、前記複数のトレンチ内に埋め込み絶縁膜36を埋め込む工程と、前記埋め込み絶縁膜を前記複数のトレンチの側面に第2キャパシタ絶縁膜33が残存するように除去し、前記埋め込み酸化膜内に凹部を形成する工程と、前記凹部内の前記第2キャパシタ絶縁膜上と前記複数のトレンチ間の前記第1シリコン層上とに第2シリコン層40を直接形成する工程と、前記凹部内および前記第1キャパシタ絶縁膜上に形成された前記第2シリコン層内に不純物を同時にイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、半導体基板に形成されたトレンチにキャパシタ絶縁膜が形成された半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)等においては、データを記憶するキャパシタが用いられる。キャパシタに用いるキャパシタ絶縁膜をSTI(Shallow Trench Isolation)用のトレンチの側壁に形成する技術が知られている。キャパシタの電極として、トレンチ内にキャパシタ絶縁膜を介し埋め込まれた多結晶シリコンやアモルファスシリコン等のシリコン層を用いることが知られている。キャパシタの電極を、トランジスタのゲート電極と同時に形成することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/069292号パンフレット
【特許文献2】特開2001−320031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のトレンチの間の半導体基板上にキャパシタ絶縁膜を形成する場合、複数のトレンチの間の半導体基板上にキャパシタ絶縁膜を介しシリコン層が電極として形成される。しかしながら、トレンチ内に埋め込まれたシリコン層と複数のトレンチ間の半導体基板上に形成されたシリコン層とを同じイオン注入を行ない導電層とすることは難しい。
【0005】
本半導体装置およびその製造方法は、トレンチ内に埋め込まれたシリコン層と複数のトレンチ間の半導体基板上に形成されたシリコン層とを同じイオン注入を行ない導電層とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、半導体基板に複数のトレンチと、前記複数のトレンチ間の前記半導体基板上に第1キャパシタ絶縁膜を介し第1シリコン層と、を形成する工程と、前記複数のトレンチ内に埋め込み絶縁膜を埋め込む工程と、前記埋め込み絶縁膜を前記複数のトレンチの側面に第2キャパシタ絶縁膜が残存するように除去し、前記埋め込み酸化膜内に凹部を形成する工程と、前記凹部内の前記第2キャパシタ絶縁膜上と前記複数のトレンチ間の前記第1シリコン層上とに第2シリコン層を直接形成する工程と、前記凹部内および前記第1キャパシタ絶縁膜上に形成された前記第2シリコン層内に不純物を同時にイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を用いる。
【0007】
例えば、半導体基板内に形成された複数のトレンチと、前記複数のトレンチ間の前記半導体基板上に第1キャパシタ絶縁膜を介し形成された導電性の第1シリコン層と、前記各複数のトレンチ内に、前記複数のトレンチの側面に第2キャパシタ絶縁膜が残存するように形成された凹部を備えた前記埋め込み絶縁膜と、前記凹部内の前記第2キャパシタ絶縁膜上と前記複数のトレンチ間の前記第1シリコン層上とに直接形成された導電性の第2シリコン層と、を具備することを特徴とする半導体装置を用いる。
【発明の効果】
【0008】
本半導体装置およびその製造方法によれば、トレンチ内に埋め込まれたシリコン層と複数のトレンチ間の半導体基板上に形成されたシリコン層とを同じイオン注入を行ない導電層とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係る半導体装置を用いた回路の例を示す回路図である。
【図2】図2は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
【図3】図3(a)から図3(c)は実施例1に係る半導体装置の断面図である。
【図4】図4は(a)から図4(c)は、比較例1の製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)から図5(c)は、実施例1に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6(a)から図6(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図7】図7(a)から図7(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図8】図8(a)から図8(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図9】図9(a)から図9(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その4)である。
【図10】図10(a)から図10(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その5)である。
【図11】図11(a)から図11(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その6)である。
【図12】図12(a)から図12(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その7)である。
【図13】図13(a)から図13(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その8)である。
【図14】図14(a)から図14(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その9)である。
【図15】図15(a)から図15(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その10)である。
【図16】図16(a)から図16(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その11)である。
【図17】図17(a)から図17(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その12)である。
【図18】図18(a)から図18(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その13)である。
【図19】図19(a)から図19(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その14)である。
【図20】図20(a)から図20(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その15)である。
【図21】図21(a)から図21(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図22】図22(a)から図22(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図23】図23(a)から図23(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図24】図24(a)から図24(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その4)である。
【図25】図25(a)から図25(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その5)である。
【図26】図26(a)から図26(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その6)である。
【図27】図27(a)から図27(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その7)である。
【図28】図28(a)から図28(d)は比較例3に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図29】図29(a)から図29(d)は比較例3に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係る半導体装置を用いた回路の例を示す回路図である。図1のように、セルCeはセルトランジスタTrとキャパシタCaを備えている。セルトランジスタTrのゲートがワード線WL、セルトランジスタTrのドレインがビット線BL、およびセルトランジスタTrのソースがキャパシタCaに接続されている。ビット線BLとワード線WLとを用いセルCeのセルトランジスタTrを選択する。これにより、キャパシタCaに電荷を蓄積させることにより、データを選択されたセルCeに記憶することができる。また、キャパシタCaの電荷を読み出すことにより、選択されたセルCeからデータを読み出すことができる。
【0012】
図2は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。図2のように、半導体基板10にトレンチ30と活性領域31が形成されている。キャパシタCaが形成されるキャパシタ領域Rcにおいては、トレンチ30および活性領域31は図2の横方向(第1方向)に延伸している。キャパシタ電極70は複数のトレンチ30および活性領域31上に形成されている。セルトランジスタTrが形成されるトランジスタ領域Rtにおいては、活性領域31上にゲート電極72が形成されている。
【0013】
図3(a)から図3(c)は実施例1に係る半導体装置の断面図である。図3(a)は図2のA−A断面、図3(b)は図2のB−B断面、図3(c)はC−C断面に対応する。以下、図4(a)から図5(c)も同様である。図3(a)を参照し、半導体基板10内にウエル12が形成されている。キャパシタ領域Rcにおいては、活性領域の半導体基板10上に第1キャパシタ絶縁膜22を介しキャパシタ電極70が形成されている。キャパシタ電極70は、導電性の第1シリコン層24aと導電性の第2シリコン層40aとを含む。第1シリコン層24aは第1キャパシタ絶縁膜22上に形成され、第2シリコン層40aは第1シリコン層24a上に形成されている。これにより、キャパシタ電極70、第1キャパシタ絶縁膜22および第2キャパシタ絶縁膜33、並びに半導体基板10からキャパシタCaが形成される。トランジスタ領域Rtにおいては、半導体基板10上にゲート絶縁膜23を介しゲート電極72が形成されている。ゲート電極72は、導電性の第1シリコン層24aと導電性の第2シリコン層40aとを含む。ゲート電極72の両側の半導体基板10内にはソースおよびドレイン領域42が形成されている。ウエル12は例えばP型であり、ソースおよびドレイン領域42は例えばN型である。これにより、ゲート電極72、ソースおよびドレイン領域42およびウエル12内のチャネルからセルトランジスタTrが形成される。
【0014】
図3(b)を参照し、トレンチ30内には例えばシリコン酸化膜である埋め込み絶縁膜36が形成されている。埋め込み絶縁膜36には凹部38が形成され、凹部38内にキャパシタ電極70が形成されている。図3(c)を参照し、トレンチ30内の半導体基板10の側面に第2キャパシタ絶縁膜33を介し導電性の第2シリコン層40aが形成されている。複数のトレンチ30間の半導体基板10に第1キャパシタ絶縁膜22を介し導電性の第1シリコン層24aが形成されている。トレンチ30の底には埋め込み絶縁膜36が残存している。図3(a)および図3(c)のように、埋め込み絶縁膜36は、各複数のトレンチ30内に、複数のトレンチ30の側面に第2キャパシタ絶縁膜33が残存するように形成されている。第2シリコン層40aは、凹部38内の第2キャパシタ絶縁膜33上と複数のトレンチ30間の第1シリコン層24a上とに直接形成されている。なお、図2のように、複数のトレンチ30は巨視的には1つのトレンチであってもよいが、図3(c)のように、キャパシタ電極70下では、複数のトレンチ30が形成されているため、ここでは、複数のトレンチ30という。
【0015】
このように、実施例1においては、トレンチ30間の半導体基板10上のキャパシタ電極70は第1シリコン層24aと第2シリコン層40aとから形成されている。一方、トレンチ30内のキャパシタ電極70は、第2シリコン層40aから形成されている。トレンチ30内には、第1シリコン層24aは形成されていない。
【0016】
次に、キャパシタ電極70を1層のシリコン層を用い形成した比較例1の問題を説明する。導電性のシリコン層は、シリコン層に不純物をイオン注入した後熱処理することにより形成する。図4(a)から図4(c)は、比較例1の製造工程を示す断面図である。図4(a)から図4(c)のように、トレンチ30内およびトレンチ30間の半導体基板10上には全面にシリコン層41が1層形成されている。開口部59を備えるフォトレジスト58を形成する。開口部59は、複数のトレンチ30に渡り、トレンチ30の延伸する第1方向に交差する第2方向に延伸している。フォトレジスト58をマスクに、シリコン層41に不純物62をイオン注入する。不純物が注入されたシリコン層をシリコン層41aを用い図示している。その後、熱処理することにより、シリコン層41内の不純物62が拡散および活性化し、導電性のシリコン層が形成される。
【0017】
不純物62をイオン注入する際に、注入エネルギーが大きいと、図4(a)および図4(c)の領域Aにおいて、不純物62がシリコン層41を貫通し、第1キャパシタ絶縁膜22を貫通し、半導体基板10に至る。このため、第1キャパシタ絶縁膜22にダメージが生じ、キャパシタのリーク等の信頼性低下の原因となりうる。一方、注入エネルギーが小さいと、トレンチ30において不純物62はシリコン層41の中下部まで注入されない。よって、その後の拡散工程を経ても、図4(b)および図4(c)の領域Bの不純物濃度が低くなってしまう。このため、キャパシタ電極70の抵抗が高くなってしまう。また、キャパシタ電極70に電圧を印加した際に、シリコン層41の空乏化が生じてしまう。
【0018】
このように、比較例1においては、シリコン層41が1層のため、第1キャパシタ絶縁膜22のダメージの抑制と、キャパシタ電極70の低抵抗化との両立が難しい。
【0019】
図5(a)から図5(c)は、実施例1に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。図5(a)から図5(c)のように、トレンチ30間の半導体基板10上には第1シリコン層24と第2シリコン層40とが形成されている。一方、トレンチ30内には、第1シリコン層24は形成されていない。フォトレジスト58をマスクに、シリコン層41に不純物62をイオン注入する。不純物が注入されたシリコン層を第2シリコン層40aとして図示している。トレンチ30間の半導体基板10上のシリコン層の厚さが比較例1より大きいため、図5(a)および図5(c)のように、領域Aにおいては、第1キャパシタ絶縁膜22を貫通する不純物62を少なくできる。よって、キャパシタの信頼性の低下を抑制できる。また、トレンチ30内のシリコン層の厚さは比較例1と同程度であるため、図5(b)および図5(c)の領域Bにおいて、拡散工程後の不純物濃度を確保できる。よって、キャパシタ電極の低抵抗化が可能となる。
【実施例2】
【0020】
実施例2は、実施例1の具体例である。図6(a)から図20(d)は実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。図6(a)のように、例えばシリコン半導体基板10上に熱酸化法を用い膜厚が10nmのシリコン酸化膜20を形成する。図6(b)のように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用い、半導体基板10に不純物を注入する。例えば、N型FET(Field Effect Transistor)素子を形成する領域のウエル12として、Bイオンを注入エネルギーが150keV、注入ドーズ量が3.0×1013cm−2の条件を用い注入する。P型FET素子を形成する領域のウエルとして、Pイオンを注入エネルギーが360keV、注入ドーズ量が3.0×1013cm−2の条件を用い注入する。セルCe内のチャネル領域にAsイオンを注入エネルギーが100keV、注入ドーズ量が3.0×1012cm−2の条件を用い注入する。その後熱処理を行なうことにより、不純物を拡散および活性化する。
【0021】
図6(c)のように、シリコン酸化膜20を除去する。半導体基板10上に例えばドライ酸化法を用い膜厚が3nmのシリコン酸化膜を第1キャパシタ絶縁膜22として形成する。図6(d)のように、第1キャパシタ絶縁膜22上に例えば膜厚が60nmの第1シリコン層24を形成する。第1シリコン層24は、主に多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンを含む。第1シリコン膜24上に例えば膜厚が80nmのシリコン窒化膜26を形成する。
【0022】
図7(a)は、図2のA−A断面、図7(b)は図2のB−B断面、図7(c)は図2のC−C断面に対応する図である。図7(d)は周辺回路領域の周辺トランジスタの断面図である。以下、図20(d)まで同様である。
【0023】
図7(a)から図7(d)のように、シリコン窒化膜26上に開口部を備えるフォトレジスト50を形成する。図8(a)から図8(d)のように、フォトレジスト50をマスクに、シリコン窒化膜26、第1シリコン層24、第1キャパシタ絶縁膜22をエッチングする。さらに、半導体基板10をエッチングする。フォトレジスト50を剥離する。これにより、例えば深さが300nmのトレンチ30が形成される。
【0024】
図9(a)から図9(d)のように、トレンチ30の側面の半導体基板10上に例えばドライ酸化法を用い膜厚が3nmのシリコン酸化膜32を形成する。全面に例えば膜厚が15nmのシリコン窒化膜34を形成する。これより、トレンチ30側面のシリコン酸化膜32上にシリコン窒化膜34が形成される。シリコン酸化膜32およびシリコン窒化膜34により第2キャパシタ絶縁膜33が形成される。また、トレンチ30間のシリコン窒化膜26上にシリコン窒化膜34が形成される。
【0025】
図10(a)から図10(d)のように、全面に例えば高密度プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い、トレンチ30内に埋め込まれるように全面にシリコン酸化膜を形成する。その後、CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い平坦化する。シリコン窒化膜34は、CMPのストッパとして機能する。これにより、トレンチ30内に埋め込み絶縁膜36が形成される。埋め込み絶縁膜36はトランジスタ間においては素子分離絶縁膜として機能する。
【0026】
図11(a)から図11(d)のように、例えば熱リン酸を用い、シリコン窒化膜34および26を除去する。これにより、トレンチ30間の半導体基板10上に第1キャパシタ絶縁膜22を介し第1シリコン層24が残存する。
【0027】
図12(a)から図12(d)のように、周辺回路領域以外をフォトレジスト52で覆う。周辺トランジスタの第1シリコン層24を除去する。周辺トランジスタのチャネル形成のための不純物60のイオン注入を行なう。これにより、周辺トランジスタのチャネル14を形成する。フォトレジスト52を剥離する。このとき、各種トランジスタに応じ、フォトレジストの形成、イオン注入、およびフォトレジストの剥離を複数回繰り返す。その後熱処理を行ない、不純物を拡散および活性化させる。なお、ここで、セルトランジスタTrのウエル12、周辺トランジスタのチャネル14としているが、ウエル12はセルトランジスタTrのチャネルを含み、チャンル14は周辺トランジスタのウエルを含んでもよい。
【0028】
図13(a)から図13(d)のように、開口部55を備えるフォトレジスト54を形成する。開口部55は、複数のトレンチ30に渡って形成されている。フォトレジスト54をマスクに埋め込み絶縁膜36を除去する。トレンチ30内の埋め込み絶縁膜36は、トレンチ30の底部に、例えば130nm残存するようにする。このように、埋め込み絶縁膜36をトレンチ30の底部に残存させるのは、寄生素子効果の抑制のためである。また、トレンチ30間には第1シリコン層24が形成されており、第1キャパシタ絶縁膜22はエッチングされない。ここで、開口部55が複数のトレンチ30に渡り形成されているのは、トレンチ30の幅および間隔はフォトリソグラフィ技術の限界近くとなっているためである。すなわち、個々のトレンチ30に開口部55を形成することは寸法精度および合わせ精度の観点から難しいためである。
【0029】
図14(a)から図14(d)のように、フォトレジスト54を剥離する。周辺回路領域の活性領域上の絶縁膜22を除去する。周辺回路の各種周辺トランジスタに応じたゲート酸化膜としてシリコン酸化膜28を半導体基板10の酸化およびエッチングを繰り返し形成する。各種トランジスタに応じ、例えば、2.5nm、4nmおよび8nmの異なる膜厚のゲート酸化膜を形成する。このとき、第1シリコン層24上にもシリコン酸化膜28が形成される。
【0030】
図15(a)から図15(d)のように、周辺回路領域にフォトレジスト56を形成し、第1シリコン層24上のシリコン酸化膜28を除去する。図16(a)から図16(d)のように、全面に例えば膜厚が100nmの第2シリコン層40を形成する。第2シリコン層40は、主に多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンを含む。これにより、トレンチ30内の埋め込み絶縁膜36内に形成された凹部38内に第2シリコン層40が埋め込まれる。
【0031】
図17(a)から図17(d)のように、第2シリコン層40上に開口部59を備えるフォトレジスト58を形成する。開口部55と同様に、開口部59は複数のトレンチ30に渡り形成されている。開口部59は開口部55とほぼ一致している。フォトレジスト58をマスクに第2シリコン層40に不純物62をイオン注入する。例えばBイオンを、注入エネンルギーが4keV、注入ドーズ量が6×1015cm−2の条件を用いイオン注入する。さらに、Bイオンを、注入エネンルギーが8keV、注入ドーズ量が6×1015cm−2の条件を用いイオン注入する。このとき、活性領域においては、第1キャパシタ絶縁膜22を貫通する不純物イオンを減らし、かつトレンチ領域においては、不純物62が深くまで注入されるように条件を設定する。例えば、不純物62が第1シリコン層24下の半導体基板10に、半導体基板10内の不純物濃度より高い濃度のイオンが注入されないように、イオン注入することが好ましい。例えば、第1シリコン層24と第2シリコン層40の膜厚の合計が165nmのとき、上記条件でBイオンを注入した場合、半導体基板10表面の不純物濃度は、約1×1018cm−3である。図17(a)から図17(d)において、不純物が注入された第2シリコン層40を第2シリコン層40aで示している。
【0032】
図18(a)から図18(d)のように、フォトレジスト58を剥離する。キャパシタ電極およびゲート電極となるべき領域以外の第2シリコン層40および第1シリコン層24を除去する。
【0033】
図19(a)から図19(d)のように、セルトランジスタTrのソースおよびドレイン領域42およびポケット注入領域44を形成する。ソースおよびドレイン領域42は、例えばBイオンが、注入エネンルギーが0.5keV、注入ドーズ量が5×1013cm−2の条件で注入されている。ポケット注入領域44は、例えばPイオンが、注入エネンルギーが30keV、注入ドーズ量が1×1013cm−2の条件で注入されている。その後、例えば1000℃の温度で熱処理を行なう。これにより、ソースおよびドレイン領域42およびポケット注入領域44が活性化される。さらに、第2シリコン層40a内の不純物が拡散および活性化する。不純物が拡散した第1シリコン層および第2シリコン層をそれぞれ第1シリコン層24aおよび第2シリコン層40aを用い図示した。これにより、第1シリコン層24aおよび第2シリコン層40a全体が導電性となる。第1シリコン層24aおよび第2シリコン層40aからキャパシタ電極70が形成される。不純物がキャパシタ電極70全体に拡散しているため、キャパシタ電極70が低抵抗化する。また、キャパシタ電極70の空乏化を抑制することができる。
【0034】
図20(a)から図20(d)のように、周辺トランジスタにLDD(lightly Doped Drain)領域84およびポケット注入領域82を形成する。周辺トランジスタとして例えばP型トランジスタの場合、LDD領域84には、例えばBイオンが、注入エネンルギーが0.6keV、注入ドーズ量が3×1014cm−2の条件で注入されている。ポケット注入領域82は、例えばAsイオンが、注入エネンルギーが60keV、注入ドーズ量が5×1012cm−2の条件で注入されている。第2シリコン層40の側壁として膜厚が例えば15nmのシリコン酸化膜29を形成する。さらに、膜厚が70nmのシリコン酸化膜48を形成する。異方性エッチングを行ないビットライン拡散領域46、ソースおよびドレイン領域86にシリコン酸化膜48の開口を設ける。このとき、キャパシタ電極70の周辺のシリコン酸化膜48は残存させる。
【0035】
シリコン酸化膜48をマスクに、ビットライン拡散領域46、ソースおよびドレイン領域86を形成する。ビットライン拡散領域46、ソースおよびドレイン領域86は、N型トランジスタの場合、例えばPイオンが、注入エネンルギーが8keV、注入ドーズ量が1×1016cm−2の条件で注入されている。P型トランジスタの場合、例えばBイオンが、注入エネンルギーが4keV、注入ドーズ量が6×1015cm−2の条件で注入されている。熱処理を行なうことにより、ビットライン拡散領域46、ソースおよびドレイン領域86の不純物が活性化する。さらに、第1シリコン層24および第2シリコン層40内の不純物が活性化する。これにより、セルトランジスタTrにおいては、第1シリコン層24aと第2シリコン層40aとからゲート電極72が形成される。周辺トランジスタにおいては、第2シリコン層40からゲート電極74が形成される。またキャパシタCaにおいては、第1シリコン層24aと第2シリコン層40aとからキャパシタ電極70が形成される。
【0036】
全面にCoを形成する。例えばRTA(Rapid Thermal Anneal)法を用い熱処理する。これにより、CoとSiとが反応しビットライン拡散領域46、ソースおよびドレイン領域86上にそれぞれシリサイド層47、87が形成される。また、ゲート電極72、74およびキャパシタ電極70上にそれぞれシリサイド層73、75および71が形成される。未反応Coは除去する。これにより、キャパシタCaおよびセルトランジスタTrおよび周辺トランジスタが完成する。その後、層間絶縁膜、コンタクトホール、配線、パッド電極およびパッシベーション膜を形成し、実施例2に係る半導体装置が完成する。
【0037】
実施例2の効果につき説明するため、比較例2に係る半導体装置の製造方法について説明する。図21(a)から図27(d)は比較例2に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。図21(a)は、図2のA−A断面、図21(b)は図2のB−B断面、図21(c)は図2のC−C断面に対応する図である。図21(d)は周辺回路のトランジスタの断面図である。以下、図27(d)まで同様である。
【0038】
図21(a)から図21(d)のように、半導体基板10上にシリコン酸化膜20を形成し、シリコン酸化膜20上にシリコン窒化膜26を形成する。半導体基板10にトレンチ30を形成する。トレンチ30の表面にシリコン酸化膜21を形成する。
【0039】
図22(a)から図22(d)のように、トレンチ30内に例えばシリコン酸化膜が埋め込まれるように全面にシリコン酸化膜を形成する。その後、CMP法を用い平坦化する。シリコン窒化膜26はCMPのストッパとして機能する。これにより、トレンチ30内に埋め込み絶縁膜36が埋め込まれる。
【0040】
図23(a)から図23(d)のように、シリコン窒化膜26を除去する。シリコン酸化膜20をスルー膜とし、半導体基板10内に不純物68をイオン注入する。これにより、ウエル12、チャネル14等を形成する。複数の種類のトランジシタを形成するため、フォトレジストの形成、イオン注入およびフォトレジストの剥離のサイクルを複数回行なう。
【0041】
図24(a)から図24(d)のように、開口部55を備えるフォトレジスト54を形成する。フォトレジスト54をマスクに、埋め込み絶縁膜36内に凹部38を形成する。このとき、開口部55内のトレンチ30間の半導体基板10上のシリコン酸化膜20もエッチングされる。
【0042】
図25(a)から図25(d)のように、半導体基板10上のシリコン酸化膜20を除去する。トレンチ30の内面に第2キャパシタ絶縁膜33となり、トレンチ間の半導体基板10上に第1キャパシタ絶縁膜22となるシリコン酸化膜を形成する。周辺トランジスタのゲート酸化膜としてシリコン酸化膜28を形成する。全面にシリコン層40を形成する。シリコン層40は、凹部38を埋め込むように第2キャパシタ絶縁膜33を介し形成される。また、トレンチ30間の半導体基板10上に第1キャパシタ絶縁膜22を介し形成される。
【0043】
図26(a)から図26(d)のように、開口部59を備えるフォトレジスト58をマスクにシリコン層40に不純物62をイオン注入する。図27(a)から図27(d)のように、その後、図18(a)から図20(d)と同様の製造工程を行なうことにより、比較例2に係る半導体装置が完成する。
【0044】
比較例2によれば、図24(a)から図24(d)のように、埋め込み絶縁膜36をドライエッチングし凹部38を形成する際に、トレンチ30間の半導体基板10の表面(領域D)がドライエッチングの雰囲気に曝される。これにより、図25(a)から図25(d)において、半導体基板10上に形成される第1キャパシタ絶縁膜22の膜質が劣化しやすい。その結果、キャパシタの信頼性が低下する可能性がある。
【0045】
一方、実施例2によれば、図13(a)から図13(d)のように、凹部38を形成する工程において、複数のトレンチ30間の半導体基板10上には、第1シリコン層24を介して開口部55が形成されている。つまり、凹部38を形成する際に、開口部55内の複数のトレンチ30間の半導体基板10は、第1シリコン層24に覆われている。これにより、半導体基板10の表面または第1キャパシタ絶縁膜が埋め込み絶縁膜36をドライエッチング際の雰囲気に曝されることがない。よって、キャパシタの信頼性の低下を抑制することができる。
【0046】
また、比較例2によれば、図26(a)から図26(d)のように、1層のシリコン層に不純物62をイオン注入している。このため、図4(a)から図4(c)を用い説明した比較例1と同様に、シリコン層41が1層のため、キャパシタの信頼性の低下の抑制と、キャパシタ電極70の低抵抗化(キャパシタ電極70の空乏化の抑制)との両立が難しい。
【0047】
一方、実施例2によれば、図16(a)から図16(d)のように、凹部38内の第2キャパシタ絶縁膜33上と複数のトレンチ30間の第1シリコン層24上とに第2シリコン層40を直接形成する。図17(a)から図17(d)のように、凹部38内および第1キャパシタ絶縁膜22上に形成された第2シリコン層40内に不純物62を同時にイオン注入する。これにより、図5(a)および図5(c)を用い説明した実施例1と同様に、キャパシタの信頼性の低下を抑制できる。かつ、キャパシタ電極の低抵抗化が可能となる。
【0048】
実施例2によれば、図9(a)から図9(d)のように、複数のトレンチ30の側面の半導体基板10上に第2キャパシタ絶縁膜としてシリコン酸化膜32とシリコン酸化膜32上にシリコン窒化膜34とを形成する。これにより、図13(a)から図13(d)のように、埋め込み絶縁膜36に凹部38を形成する際に、トレンチ30の側面に形成されたシリコン酸化膜32が除去されることを抑制することができる。さらに、第2キャパシタ絶縁膜がシリコン窒化膜34を含むためキャパシタの容量値を向上させることができる。
【0049】
実施例2においては、図6(c)および図6(d)のように、第1キャパシタ絶縁膜22は、第1シリコン層24形成前に形成することになる。図13(a)から図13(d)のように、凹部38を形成する際は、トレンチ30間の半導体基板10は、第1シリコン層24で覆われている。よって、比較例2のように、第1キャパシタ絶縁膜22と第2キャパシタ絶縁膜33とを同時に形成することはできない。また、凹部38を形成した後に第2キャパシタ絶縁膜33をシリコン酸化膜を用い形成した場合、第1シリコン層24上に形成されるシリコン酸化膜を第2キャパシタ絶縁膜33に対し選択的に除去することが難しくなる。よって、第2キャパシタ絶縁膜33は、実施例2のように、シリコン酸化膜32とシリコン窒化膜34との2層とすることが好ましい。これにより、図15(a)から図15(d)のように、第1シリコン層24上に形成されるシリコン酸化膜を第2キャパシタ絶縁膜33に対し選択的に除去することができる。
【0050】
実施例2によれば、図13(a)から図13(d)のように、複数のトレンチ30の少なくとも底部に埋め込み絶縁膜36が残存するように凹部38を形成する。これにより、寄生素子効果を抑制することができる。
【0051】
また、実施例2によれば、図20(a)から図20(d)のように、キャパシタCaを選択するセルトランジスタTrのゲート電極72は第1シリコン層24aおよび第2シリコン層40aを含む。これにより、キャパシタ電極70とゲート電極72とを同じ工程で形成することができる。よって、製造工程の簡略化が図れる。
【0052】
さらに、実施例2のように、埋め込み絶縁膜36は、素子分離絶縁膜とすることができる。これにより、素子分離絶縁膜の形成と埋め込み絶縁膜36との形成を同じ工程で行なうことができる。よって、製造工程の簡略化が図れる。
【0053】
さらに、実施例2の効果につき説明するため、比較例3に係る半導体装置の製造方法について説明する。図28(a)から図29(d)は比較例3に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。図28(a)は図2のA−A断面、図28(b)は図2のB−B断面、図28(c)は図2のC−C断面に対応する図である。図28(d)は周辺回路のトランジスタの断面図である。図29(a)から図29(d)も同様である。
【0054】
比較例3においては、比較例2の図24(a)から図24(d)において、トレンチ30間の半導体基板10がトライエッチングの雰囲気に曝されることを抑制することを目的としている。
【0055】
図28(a)から図28(d)のように、比較例2の図22(a)から図22(d)の後に、開口部55を備えたフォトレジスト54をマスクに、埋め込み絶縁膜36内に凹部38を形成する。これにより、トレンチ30間の半導体基板10上のシリコン酸化膜20は、シリコン窒化膜26により保護される。よって比較例1の図23(a)から図23(d)のように、半導体基板10の表面が、ドライエッチングの雰囲気に曝されることを抑制できる。
【0056】
図29(a)から図29(d)のように、シリコン窒化膜26を除去した後、凹部38の側面となる半導体基板を酸化し、シリコン酸化膜21を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を用い、半導体基板10に不純物68を注入する。これにより、半導体基板10内にウエルおよびチャネルを形成する。その後、比較例2の図25(a)から図27(d)と同様の工程を行なうことにより比較例3に係る半導体装置が完成する。
【0057】
比較例3によれば、図29(a)から図29(d)において、複数の種類のトランジシタ(セルトランジスタおよび周辺トランジスタ)を形成するため、フォトレジストの形成、イオン注入およびフォトレジストの剥離のサイクルを複数回行なうこととなる。イオン注入後のフォトレジスト剥離には、例えば超音波洗浄のような強固な剥離工程を行なう。これは、イオン注入後のフォトレジストは剥離しにくいためである。例えば、イオン注入エネルギーが高い場合または注入ドーズ量が多い場合、強固な剥離工程を行なうこととなる。
【0058】
図29(c)のように、トレンチ30間の半導体基板10は非常に薄い。このため、超音波洗浄のような強固な剥離工程により、トレンチ30間の半導体基板10が離脱してしまうことがある。
【0059】
一方、実施例2によれば、図6(b)のように、半導体基板10にウエルおよびチャネルを形成するためのイオン注入を行なう。その後、図6(d)のように、第1シリコン層24を形成する。よって、図13(a)から図13(d)のように、トレンチ30間の半導体基板10が離脱し易い状態において強固な剥離工程が行なわれることがない。よって、トレンチ30間の半導体基板10が離脱を抑制することができる。
【0060】
以上、発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0061】
実施例1〜2を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:半導体基板に複数のトレンチと、前記複数のトレンチ間の前記半導体基板上に第1キャパシタ絶縁膜を介し第1シリコン層と、を形成する工程と、前記複数のトレンチ内に埋め込み絶縁膜を埋め込む工程と、前記埋め込み絶縁膜を前記複数のトレンチの側面に第2キャパシタ絶縁膜が残存するように除去し、前記埋め込み酸化膜内に凹部を形成する工程と、前記凹部内の前記第2キャパシタ絶縁膜上と前記複数のトレンチ間の前記第1シリコン層上とに第2シリコン層を直接形成する工程と、前記凹部内および前記第1キャパシタ絶縁膜上に形成された前記第2シリコン層内に不純物を同時にイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
付記2:前記凹部を形成する工程は、前記複数のトレンチに渡る開口部を備えるマスクを用い前記凹部を形成する工程であり、前記凹部を形成する際に、前記開口部内の前記複数のトレンチ間の前記半導体基板は、前記第1シリコン層に覆われていることを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
付記3:前記複数のトレンチの側面の前記半導体基板上に前記第2キャパシタ絶縁膜としてシリコン酸化膜と前記シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜とを形成する工程を含むことを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
付記4:前記半導体基板にウエルおよびチャネルを形成するためのイオン注入を行なう工程を含み、前記イオン注入を行なう工程の後、前記第1シリコン層を形成する工程を行なうことを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
付記5:前記凹部を形成する工程は、前記複数のトレンチの少なくとも底部に埋め込み絶縁膜が残存するように前記凹部を形成する工程であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
付記6:半導体基板内に形成された複数のトレンチと、前記複数のトレンチ間の前記半導体基板上に第1キャパシタ絶縁膜を介し形成された導電性の第1シリコン層と、前記各複数のトレンチ内に、前記複数のトレンチの側面に第2キャパシタ絶縁膜が残存するように形成された凹部を備えた前記埋め込み絶縁膜と、前記凹部内の前記第2キャパシタ絶縁膜上と前記複数のトレンチ間の前記第1シリコン層上とに直接形成された導電性の第2シリコン層と、を具備することを特徴とする半導体装置。
付記7:前記絶縁膜は、前記複数のトレンチの側面の前記半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜、および前記シリコン酸化膜上に形成されたシリコン窒化膜を含むことを特徴とする付記6記載の半導体装置。
付記8:前記第1キャパシタ絶縁膜および前記第2キャパシタ絶縁膜を含むキャパシタを選択するトランジスタのゲートは前記第1シリコン層および前記第2シリコン層を含むことを特徴とする付記6または7記載の半導体装置。
付記9:前記複数の埋め込み絶縁膜は、前記素子分離絶縁膜であることを特徴とする付記6から8のいずれか一項記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0062】
10 半導体基板
12 ウエル
14 チャネル
22 第1キャパシタ絶縁膜
24 第1シリコン層
26 シリコン窒化膜
30 トレンチ
32 シリコン酸化膜
33 第2キャパシタ絶縁膜
34 シリコン窒化膜
36 埋め込み絶縁膜
38 凹部
40 第2シリコン層
62 不純物
70 キャパシタ電極
72 ゲート電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に複数のトレンチと、前記複数のトレンチ間の前記半導体基板上に第1キャパシタ絶縁膜を介し第1シリコン層と、を形成する工程と、
前記複数のトレンチ内に埋め込み絶縁膜を埋め込む工程と、
前記埋め込み絶縁膜を前記複数のトレンチの側面に第2キャパシタ絶縁膜が残存するように除去し、前記埋め込み酸化膜内に凹部を形成する工程と、
前記凹部内の前記第2キャパシタ絶縁膜上と前記複数のトレンチ間の前記第1シリコン層上とに第2シリコン層を直接形成する工程と、
前記凹部内および前記第1キャパシタ絶縁膜上に形成された前記第2シリコン層内に不純物を同時にイオン注入する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記凹部を形成する工程は、前記複数のトレンチに渡る開口部を備えるマスクを用い前記凹部を形成する工程であり、
前記凹部を形成する際に、前記開口部内の前記複数のトレンチ間の前記半導体基板は、前記第1シリコン層に覆われていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記複数のトレンチの側面の前記半導体基板上に前記第2キャパシタ絶縁膜としてシリコン酸化膜と前記シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜とを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記半導体基板にウエルおよびチャネルを形成するためのイオン注入を行なう工程を含み、前記イオン注入を行なう工程の後、前記第1シリコン層を形成する工程を行なうことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板内に形成された複数のトレンチと、
前記複数のトレンチ間の前記半導体基板上に第1キャパシタ絶縁膜を介し形成された導電性の第1シリコン層と、
前記各複数のトレンチ内に、前記複数のトレンチの側面に第2キャパシタ絶縁膜が残存するように形成された凹部を備えた前記埋め込み絶縁膜と、
前記凹部内の前記第2キャパシタ絶縁膜上と前記複数のトレンチ間の前記第1シリコン層上とに直接形成された導電性の第2シリコン層と、
を具備することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−15271(P2012−15271A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149416(P2010−149416)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】