説明

半導体装置の製造方法および半導体装置

【課題】本発明は、信頼性の高い半導体装置の製造方法および半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に設けられた第1絶縁体層を貫く第1開口に第1プラグ電極を形成する工程と、第1プラグ電極と接触する第1配線層を形成する工程と、第1絶縁体層上および第1配線層上にエッチングストップ層および第2絶縁体層をこの順で形成する工程と、第1配線層上のエッチングストップ層および第2絶縁体層をドライエッチングを用いて除去することにより第1配線層を露出させ、第1配線層の側面上および第1絶縁体層の一部の上に設けられたエッチングストップ層ならびに第2絶縁体層を含むサイドウォールを形成する工程と、第3絶縁体層を形成する工程と、第3絶縁体層を貫く第2開口を形成する工程と、第2開口に第1配線層と接触する第2プラグ電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層配線を有する半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセスの微細化に伴い、半導体装置に形成されるMOSトランジスタのゲート長や、MOSトランジスタのソース、ドレインに接続するアルミ配線の線幅や、半導体基板の上方向に積み重ねられた多層配線の線幅も小さくなっている。このため、配線の形成位置などのわずかなずれにより様々な問題が生じている。
【0003】
図5は、従来の多層配線を有する半導体装置の構成を示す概略断面図である。この半導体装置115は、半導体基板101の上にILD(inter layer dielectric)層102およびIMD(inter metal dielectric)層103が積層され、ILD層102とIMD層103との間に第1アルミ配線110が設けられ、IMD層103の上には第2アルミ配線111が設けられている。また、半導体基板101と第1アルミ配線110とを電気的に接続する第1プラグ電極106および第1アルミ配線110と第2アルミ配線111を電気的に接続する第2プラグ電極107が設けられている。この半導体装置115では、半導体プロセスの微細化により、第1アルミ配線110および第2アルミ配線111の線幅と、第1プラグ電極106および第2プラグ電極107の断面の直径値は、実質的に同じとなっている。
【0004】
図6(a)〜(i)は、従来の多層配線を有する半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。まず、図6(a)に示すように半導体基板101の上にILD層102を形成し、その後、図6(b)に示すように、半導体基板101であるトランジスタのソース又はドレイン上のILD層102をドライエッチングして、開口122(コンタクトホール)を形成する。次に、この開口122が形成された半導体基板を所定の洗浄液で洗浄処理して、開口122の内壁に付着したポリマー等の生成物を除去する。次に、図6(c)に示すように開口122内に第1プラグ電極106を形成する。
【0005】
次に、図6(d)に示すように、第1プラグ電極106上に第1アルミ配線110を形成する。次に、図6(e)に示すように、第1アルミ配線110が形成されたILD層102上にIMD層103を形成する。次に、図6(f)、(g)に示すように第1アルミ配線110上のIMD層103をドライエッチングして、開口126(ビアホール)を形成する。そして、この開口126が形成された半導体基板を所定の洗浄液で洗浄処理して、開口126の内壁に付着したポリマー等の生成物を除去する。ポリマー等を除去した後、図6(h)に示すように開口126内に第2プラグ電極107を形成する。その後、図6(i)に示すように第2プラグ電極107上に第2アルミ配線111を形成する。このようにして、図5に示した多層配線を有する半導体装置115を得ることができる。
【0006】
しかし、第1アルミ配線110および第2アルミ配線111の線幅と、第1プラグ電極106および第2プラグ電極107の断面の直径値は、実質的に同じであるため、第1アルミ配線110や開口126の形成位置に少しのずれが生じた場合、問題が生じる。図7(a)および(b)は、開口126の形成位置に少しのずれが生じた時の従来の多層配線を有する半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【0007】
図7(a)に示すように開口126の形成位置に少しのずれが生じた場合、開口126形成時のドライエッチングによって、ILD層102をオーバエッチングする場合がある。この場合、ILD層102のオーバエッチングにより、図7(a)に示すように第1プラグ電極106が露出してしまう場合がある。第1プラグ電極3が露出した状態で、開口126が形成された半導体基板を所定の洗浄液で洗浄処理すると、図7(b)に示すようにこの洗浄液によって第1プラグ電極106が浸食されてしまう場合がある。第1プラグ電極106が浸食されると、半導体装置の信頼性が大きく損なわれてしまう。
【0008】
そこで、特許文献1において、第1アルミ配線110の形成位置や開口126の形成位置が多少ずれてしまった場合でもILD層102のオーバーエッチングを防止することができる電子デバイスの製造方法が提案されている。
【0009】
図8は特許文献1の電子デバイスの製造工程の一部を示す概略断面図である。特許文献1では、従来の多層配線を有する半導体装置の製造方法と同様の工程により半導体基板101上に第1プラグ電極106が形成されたILD層102を形成し、第1アルミ配線110を形成している。その後、図8(a)のように第1アルミ配線110を覆うようにILD層102上にエッチングストップ層(酸窒化珪素層)128を形成し、さらに、エッチングストップ層128上にIMD層(酸化ケイ素層)103を形成している。
【0010】
次に図8(b)に示すように、IMD層103に対するエッチング速度がエッチングストップ層128に対するエッチング速度よりも大きい第1のエッチング条件で、第1アルミ配線110上にあるIMD層103をエッチングして除去し、開口126を形成することによりエッチングストップ層128を露出させている。
次に図8(c)に示すように、エッチングストップ層128に対するエッチング速度がILD層102に対するエッチング速度よりも大きい第2のエッチング条件で、開口126により露出したエッチングストップ層128をエッチングして除去し、IMD層103に第1アルミ配線110に至るビアホールを形成している。その後、従来の多層配線を有する半導体装置の製造方法と同様の工程により、多層配線を有する電子デバイスを製造している。
【0011】
特許文献1で提案された電子デバイスの製造方法では、第1プラグ電極106に対して、第1アルミ配線110の形成位置や開口126の形成位置が多少ずれてしまった場合でも、ILD層102はエッチングストップ層128によって保護されるので、開口126の形成時にILD層102に対するオーバエッチングを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−49409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、特許文献1の製造方法では、第1アルミ配線110の位置に対して、開口126の形成位置がずれていた場合、図9(a)に示すように第1アルミ配線110上のエッチングストップ層128と共にILD層102上のエッチングストップ層128を除去する場合がある。さらに、第1プラグ電極106に対して第1アルミ配線110の形成位置がずれていた場合、図9(a)に示すようにILD層102上のエッチングストップ層128が除去されることにより第1プラグ電極106が露出する場合がある。このような場合、開口126が形成された半導体基板を所定の洗浄液で洗浄処理して、開口126の内壁に付着したポリマー等の生成物を除去すると、図9(b)に示すようにこの洗浄液によって第1プラグ電極106が浸食されてしまう場合がある。第1プラグ電極106が浸食されると、半導体装置の信頼性が大きく損なわれてしまう。
【0014】
また、半導体プロセスの微細化に伴いビアホールなどの開口の直径が小さくなり、ビアホールなどのエッチング形状安定化のために内壁に付着するポリマーなどの生成物の組成は変化し、従来の洗浄液では対応が困難になることが考えられる。そしてプラグ電極の対エッチング選択比が低減してしまう洗浄液を使用する必要がある場合、従来技術ではプラグ電極が侵食されてしまい、半導体装置の信頼性が大きく損なわれてしまうおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、信頼性の高い半導体装置の製造方法および半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に設けられた第1絶縁体層を貫く第1開口に第1プラグ電極を形成する工程と、第1絶縁体層上に第1プラグ電極と接触する第1配線層を形成する工程と、第1絶縁体層上および第1配線層上にエッチングストップ層および第2絶縁体層をこの順で形成する工程と、第1配線層上のエッチングストップ層および第2絶縁体層をドライエッチングを用いて除去することにより第1配線層を露出させ、第1配線層の側面上および第1絶縁体層の一部の上に設けられたエッチングストップ層ならびに第2絶縁体層を含むサイドウォールを形成する工程と、第1絶縁体層上、第1配線層上および前記サイドウォール上に第3絶縁体層を形成する工程と、ドライエッチングを用いて第1配線層の上に第3絶縁体層を貫く第2開口を形成する工程と、第2開口に第1配線層と接触する第2プラグ電極を形成する工程と、第3絶縁体層上に第2プラグ電極と接触する第3配線層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法は、前記サイドウォール形成時に第1配線層を露出させるため、第3絶縁体層を貫く第2開口を形成する際にエッチングストップ層を除去する必要がない。このため、第3絶縁体層を貫く第2開口の形成位置が第1配線層に対してずれても、第2開口形成時のドライエッチングは、サイドウォールに含まれる第1絶縁体層上のエッチングストップ層で止めることができる。このことにより、第2開口の形成により第1プラグ電極の露出を防止することができる。
このことにより、この第2開口の洗浄処理による第1プラグ電極の侵食を防止することができるため、第1配線層または第2開口の形成位置に多少のずれが生じても信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
また、サイドウォールをエッチングストップ層と第2絶縁体層の積層膜とすることで、エッチングストップ層のみでサイドウォールを形成する場合に比べ、トランジスタに発生するストレスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図5】従来の多層配線を有する半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図6】従来の多層配線を有する半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図7】従来の多層配線を有する半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図8】特許文献1の電子デバイスの製造工程を示す概略断面図である。
【図9】特許文献1の電子デバイスの製造工程を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0019】
1.半導体装置の構成
図1は、本発明の一実施形態の半導体装置の構造を示す概略断面図である。
本実施形態の半導体装置15は、半導体基板1上に設けられた第1絶縁体層2と、第1絶縁体層2上に設けられた第1配線層11と、第1絶縁体層2上および第1配線層11上に設けられた第3絶縁体層4と、第1絶縁体層2を貫きかつ第1配線層11と接触した第1プラグ電極8と、第3絶縁体層4を貫きかつ第1配線層11と接触しかつ第1プラグ電極8の直上に設けられた第2プラグ電極9と、第1配線層11の側面上に設けられたエッチングストップ層6および第2絶縁体層3を含むサイドウォール10とを備え、エッチングストップ層6は、第1絶縁体層2上の一部を覆う。
図2は、本発明の一実施形態の半導体装置の構造を示す概略断面図である。
また、本実施形態の半導体装置15は、半導体基板1上に設けられた第2配線層16をそなえてもよい。
また、本実施形態の半導体装置15は、第3絶縁体層4上に設けられた第3配線層12を備えてもよい。
【0020】
図3は、本実施形態の半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
本実施形態の半導体装置15の製造方法は、半導体基板1上に設けられた第1絶縁体層2を貫く第1開口17に第1プラグ電極8を形成する工程と、第1絶縁体層2上に第1プラグ電極8と接触する第1配線層11を形成する工程と、第1絶縁体層2上および第1配線層11上にエッチングストップ層6および第2絶縁体層3をこの順で形成する工程と、第1配線層11上のエッチングストップ層6および第2絶縁体層3をドライエッチングを用いて除去することにより第1配線層11を露出させ、第1配線層11の側面上および第1絶縁体層2の一部の上に設けられたエッチングストップ層6ならびに第2絶縁体層3を含むサイドウォール10を形成する工程と、第1絶縁体層2上、第1配線層11上およびサイドウォール10上に第3絶縁体層4を形成する工程と、ドライエッチングを用いて第1配線層11の上に第3絶縁体層4を貫く第2開口20を形成する工程と、第2開口20に第1配線層11と接触する第2プラグ電極9を形成する工程と、第3絶縁体層4上に第2プラグ電極9と接触する第3配線層12を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0021】
また、本実施形態の半導体装置15の製造方法は、半導体基板1上に第2配線層16を形成する工程、半導体基板1上に第1絶縁体層2を形成する工程および第1絶縁体層2を貫く第1開口17を形成する工程を備えてもよい。
以下、本発明の半導体装置15、その構成要素およびその製造方法について説明する。
【0022】
1−1.半導体装置
半導体装置15は、多層配線を有する半導体装置であれば特に限定されないが、例えば、MOS型半導体装置であり、また、CMOS型固体撮像装置である。
【0023】
1−2.半導体基板
半導体基板1は、特に限定されないが、例えば、MOS型半導体基板であり、また、CMOS型固体撮像装置用基板である。また、例えば、半導体基板1にはソース、ドレイン、ゲートが形成されていてもよい。
【0024】
1−3.第2配線層
第2配線層16は、半導体基板1の上に設けられてもよい。また、第2配線層16は、第1プラグ電極8と接触してもよい。また、第2配線層16は、第1プラグ電極8を介して第1配線層11と電気的に接続されてもよい。また、第2配線層16は、半導体基板1に含まれるソース、ゲートまたはドレインと電気的に接続されていてもよい。また、第2配線層16は、ソース、ゲートまたはドレインの直上に設けられてもよい。また、第2配線層16の線幅は、第1プラグ電極8の円形の断面の直径と実質的に同じであってもよい。
【0025】
なお本明細書において「実質的に同じ」とは、一方の長さを100としたとき他方が80〜120の間の長さであることをいう。
第2配線層16の材料は、導電性材料なら特に限定されないが、例えば、アルミニウム、チタン、タングステンなどの金属からなる。
第2配線層16の厚さは、特に限定されないが、例えば、200nm〜500nmである。
第2配線層16の線幅は、特に限定されないが、例えば、0.2μm〜0.5μmである。
第2配線層16の形成方法は、特に限定されないが、例えば、半導体基板1上に金属層をスパッタリングにより形成し、金属層の上にレジストパターンを形成する。その後、ドライエッチングにより金属層の一部を除去した後、レジストパターンを除去することにより、第2配線層16を形成することができる。
【0026】
1−4.第1絶縁体層
第1絶縁体層2は、半導体基板1上に設けられていれば特に限定されない。
第1絶縁体層2の材料は、特に限定されないが、例えば、酸化シリコンからなる。
第1絶縁体層2の厚さは、特に限定されないが、例えば、500nm〜1000nmである。
第1絶縁体層2の形成方法は、特に限定されないが例えばCVD法により形成することができる。
【0027】
1−5.第1プラグ電極
第1プラグ電極8は、第1絶縁体層2を貫き第1配線層11と接触すれば、特に限定されない。また、第1プラグ電極8は、半導体基板1に含まれるソース、ドレイン、ゲートと電気的に接続してもよく、半導体基板1上に設けられた第2配線層16と接触してもよい。また、第1プラグ電極8は、ソース、ドレイン、ゲートの直上に設けられてもよく、第2配線層16の直上に設けられてもよい。また、第1プラグ電極8は、他の絶縁体層間に設けられた配線層と電気的に接続してもよい。また、第1プラグ電極8は、半導体基板1と平行な円形の断面を有してもよい。
第1プラグ電極8の材料は、導電体であれば特に限定されないが、例えば、タングステン(W)などの金属である。
第1プラグ電極8が円形の断面を有する場合、断面の直径は、特に限定されないが、例えば、0.2μm〜0.5μmである。なおこの断面の直径は、第2配線層16の線幅または第1配線層11の線幅と実質的に同じであってもよい。
【0028】
第1プラグ電極8の形成方法は特に限定されないが、例えば、まず、半導体基板1の上に形成した第1絶縁体層2の上にレジストパターンを形成後、第1絶縁体層2のドライエッチングを行い、図3(a)のように第1開口17(コンタクトホール)を形成する。その後、第1開口17を所定の洗浄液で洗浄することにより第1開口17の内壁に付着したポリマーなどの生成物を除去することができる。その後、第1開口17にタングステンなどの金属をスパッタリングなどで堆積させ、CMP処理を行うことにより第1プラグ電極8を形成することができる。
【0029】
1−6.第1配線層
第1配線層11は、第1絶縁体層2上に設けられ、第1プラグ電極8および第2プラグ電極9と接触する。また、第1配線層11の線幅は、第1プラグ電極8の断面の直径と実質的に同じであってもよい。また、第1配線層11の線幅は、第2プラグ電極9の断面の直径と実質的に同じであってもよい。また、第1配線層11は、第1プラグ電極8の直上に設けられてもよい。
第1配線層11の材料は、導電性材料なら特に限定されないが、例えば、アルミニウム、チタン、タングステンなどの金属からなる。
第1配線層11の厚さは、特に限定されないが、例えば、200nm〜500nmである。
第1配線層11の線幅は、特に限定されないが、例えば、0.2μm〜0.5μmである。
第1配線層11の形成方法は、特に限定されないが、例えば、第2配線層16と同様の方法により形成できる。第1配線層11を形成することにより図3(b)のような断面を有する半導体基板とすることができる。
【0030】
1−7.エッチングストップ層
エッチングストップ層6は、第1配線層11の側面上に設けられかつ第1絶縁体層2上の一部を覆う。また、エッチングストップ層6は、サイドウォール10に含まれる。
エッチングストップ層6の材料は、例えば第2開口20を形成するときのドライエッチングに対するエッチング速度が第2絶縁体層3および第3絶縁体層4よりも遅い材料であってもよい。エッチングストップ層6の材料は、特に限定されないが例えば、窒化シリコン、酸窒化シリコンである。例えば、エッチングストップ層6を窒化シリコンで形成し、第2絶縁体層3および第3絶縁体層4を酸化シリコンで形成した場合、窒化シリコン対酸化シリコンのエッチング選択比は、1:20とすることができる。
【0031】
エッチングストップ層6は、L字形状の断面を有してもよい。L字形状の断面は、第1配線層11の側面上のエッチングストップ層6を縦とし、第1絶縁体層2上のエッチングストップ層6を横とすることができる。また、この縦と横のエッチングストップ層6の角は、丸みを帯びていてもよい。また、この縦のエッチングストップ層6の第1配線層11の側壁の高さ方向の長さを100としたとき、横のエッチングストップ層6の第1絶縁体層2と平行な方向の長さは、20〜100であってもよい。
エッチングストップ層6の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜50nmである。
【0032】
エッチングストップ層6の形成方法は、特に限定されないが、例えば、CVD法により第1絶縁体層2上(第1配線層11の形成位置がずれて第1プラグ電極8が露出している場合、第1プラグ電極8上を含む)および第1配線層11上(第1配線層11の上面および側面の上を含む)形成することができる。エッチングストップ層6を形成することにより、図3(c)に示すような断面を有する半導体基板とすることができる。
また、エッチングストップ層6は、サイドウォール10の形成するときに一部が除去される。
【0033】
1−8.第2絶縁体層
第2絶縁体層3は、エッチングストップ層6の上に設けられ、エッチングストップ層6とともにサイドウォール10に含まれる。
第2絶縁体層3の材料は、例えば第2開口20を形成するときのドライエッチングに対するエッチング速度がエッチングストップ層6よりも速い材料であってもよく、例えば酸化シリコンである。
第2絶縁体層3の厚さは、特に限定されないが、形成時において例えば、50〜100nmである。
第2絶縁体層3の形成方法は、特に限定されないが、例えば、CVD法により形成することができる。第2絶縁体層3を形成することにより、図3(d)に示すような断面を有する半導体基板とすることができる。
また、第2絶縁体層3は、サイドウォール10の形成するときに一部が除去される。
【0034】
1−9.サイドウォール
サイドウォール10は、第1配線層11の側面上および第1絶縁体層2の一部の上に設けられたエッチングストップ層6ならびに第2絶縁体層3を含む。また、サイドウォール10は、第1プラグ電極8の直上に設けられていてもよい。
なお、サイドウォール10とは、第1配線層11の側壁膜をいい、サイドウォール10は、第1絶縁体層2の一部の上にも設けられるが、第1配線層11の上には設けられていない。ただし、第1配線層11と第2プラグ電極9との電気的接続を阻害しない範囲で、エッチングストップ層6は、第1配線層11上に一部残留していてもよい、また、残留していなくてもよい。
【0035】
サイドウォール10の形成方法は、第1絶縁体層2上および第1配線層11上にエッチングストップ層6および第2絶縁体層3をこの順で形成し、第1配線層11上のエッチングストップ層6および第2絶縁体層3をドライエッチングすることにより第1配線層11を露出させることにより形成される。サイドウォール10を形成することにより、図3(e)に示すような断面を有する半導体基板とすることができる。
【0036】
図4は、第1プラグ電極8に対して第1配線層11および第2開口20の形成位置がずれたときの半導体基板の製造工程の一部を示す概略断面図である。第1配線層11を露出させることにより、第2開口20を形成する工程においてエッチングストップ層6を除去する必要がなくなる。このため、図4(a)のように第3絶縁体層4を貫く第2開口20の形成位置が第1配線層11に対してずれても、第2開口20形成時のドライエッチングは、第1絶縁体層2上のエッチングストップ層6で止めることができる。このことにより、第3絶縁体層4を貫く第2開口20の形成により第1プラグ電極8の露出を防止することができる。
このことにより、この第2開口20の洗浄処理による侵食を防止することができるため、第1配線層11または第2開口20の形成位置に多少のずれが生じても図4(b)のように第1プラグ電極8が侵食されていない信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0037】
また、サイドウォール10は、エッチバック技術を用いて第1配線層11上のエッチングストップ層6および第2絶縁体層3をドライエッチングすることにより形成してもよい。また、第1配線層11上のエッチングストップ層6および第2絶縁体層3のドライエッチングは、レジストパターン(マスク)を形成せずに行ってもよい。
【0038】
例えば、第1配線層11上のエッチングストップ層6および第2絶縁体層3をドライエッチングする条件は、RIE装置を用い、エッチングガスとしてCF4:10〜100sccm、CHF3:10〜50sccm、O2:10〜50sccm、Ar:50〜150sccmを用い、高周波出力:200〜1000W、真空度10〜100mTorrで行うことができる。また、好ましくは、RIE装置を用い、エッチングガスとしてCF4:50sccm、CHF3:20sccm、O2:20sccm、Ar:100sccmを用い、高周波出力:500W、真空度:60mTorrで行うことができる。
【0039】
1−10.第3絶縁体層
第3絶縁体層4は、第1絶縁体層2上、第1配線層11上およびサイドウォール10上に設けられる。
第3絶縁体層4の材料は、特に限定されないが例えば酸化シリコンである。
第3絶縁体層4の厚さは、特に限定されないが例えば、500nm〜1000nmである。
第3絶縁体層4の形成方法は、特に限定されないが例えばCVD法により形成することができる。第3絶縁体層4を形成することにより、図3(f)に示すような断面を有する半導体基板とすることができる。
【0040】
1−11.第2プラグ電極
第2プラグ電極9は、第3絶縁体層4を貫き第1配線層11と接触すれば、特に限定されない。また、第2プラグ電極9は、第3絶縁体層4上に設けられた第3配線層12と接触してもよい。また、第2プラグ電極9は、第1配線層11の直上に設けられてもよい。また、第2プラグ電極9は、第1プラグ電極8の直上に設けられてもよい。また、第2プラグ電極9は、半導体基板1と平行な円形の断面を有してもよい。
第2プラグ電極9の材料は、導電体であれば特に限定されないが、例えば、タングステン(W)などの金属である。
第2プラグ電極9が円形の断面を有する場合、断面の直径は、特に限定されないが、例えば、0.2μm〜0.5μmである。なおこの断面の直径は、第1配線層11の線幅または第3配線層12の線幅と実質的に同じであってもよい。また、第2プラグ電極9の断面の直径は、第1プラグ電極8の断面の直径と実質的に同じであってもよい。
【0041】
第2プラグ電極9は、ドライエッチングすることにより第1配線層11の上に第3絶縁体層4を貫く第2開口20を形成する工程と、第2開口20を所定の洗浄液で洗浄処理する工程と、第2開口20に第2プラグ電極9を形成する工程により形成されてもよい。また、第2開口20は、第1配線層11の直上に設けられてもよい。より具体的に説明すると、例えば、まず、図3(g)のように第3絶縁体層4の上にレジストパターン18を形成後、第3絶縁体層4のドライエッチングを行い、図3(h)のように第2開口20(ビアホール)を形成する。このことにより、第1配線層11を露出させることができる。また、このとき、第1配線層11上のエッチングストップ層6は除去されているため、エッチングストップ層6を除去する必要がない。このため、第2開口20または第1配線層11の形成位置にずれが生じた場合でも、このドライエッチングにより、第1プラグ電極8が露出することを防止することができる。その結果、第1プラグ電極8の侵食を防止することができる。
このドライエッチングは、第3絶縁体層4に対するエッチング速度が、エッチングストップ層6に対するエッチング速度よりも速いエッチング条件で行うことができる。
【0042】
その後、第2開口20を所定の洗浄液で洗浄することにより第2開口20の内壁に付着したポリマーなどのエッチング反応生成物を除去することができる。その後、第2開口20にタングステンなどの金属をスパッタリングなどで堆積させ、CMP処理を行うことにより第2プラグ電極9を形成することができる。第2プラグ電極9を形成することにより、図3(i)に示すような断面を有する半導体基板とすることができる。
【0043】
なお、エッチング反応生成物としては、フッ化アルミニウムが生成していると考えられる。
また、第2開口20を洗浄する洗浄液には希フッ酸薬液を用いることができる。
【0044】
1−12.第3配線層
第3配線層12は、第3絶縁体層4の上に設けることができる。また、第3配線層12は、第2プラグ電極9を介して第1配線層11と電気的に接続してもよい。また、第3配線層12は第2プラグ電極と接触してもよい。また、第3配線層12は、第2プラグ電極9の直上に設けられてもよい。また、第3配線層12の線幅は、第1プラグ電極8または第2プラグ電極9の円形の断面の直径と実質的に同じであってもよい。
第3配線層12の材料は、導電性材料なら特に限定されないが、例えば、アルミニウム、チタン、タングステンなどの金属である。
第3配線層12の厚さは、特に限定されないが、例えば、200nm〜500nmである。
第3配線層12の線幅は、特に限定されないが、例えば、0.2μm〜0.5μmである。
第3配線層12の形成方法は、特に限定されないが、例えば、第2配線層16と同様の方法により形成できる。第3配線層12を形成することにより図3(j)のような断面を有する半導体装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0045】
1: 半導体基板 2:第1絶縁体層 3:第2絶縁体層 4:第3絶縁体層 6:エッチングストップ層 8:第1プラグ電極 9:第2プラグ電極 10:サイドウォール 11:第1配線層 12:第3配線層 15:半導体装置 16:第2配線層 17:第1開口 18:レジストパターン 20:第2開口
101:半導体基板 102:ILD層 103:IMD層 106:第1プラグ電極 107:第2プラグ電極 110:第1アルミ配線 111:第2アルミ配線 115:半導体装置 120:レジストパターン 122:開口 124:レジストパターン 126:開口 128:エッチングストップ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に設けられた第1絶縁体層を貫く第1開口に第1プラグ電極を形成する工程と、
第1絶縁体層上に第1プラグ電極と接触する第1配線層を形成する工程と、
第1絶縁体層上および第1配線層上にエッチングストップ層および第2絶縁体層をこの順で形成する工程と、
第1配線層上のエッチングストップ層および第2絶縁体層をドライエッチングを用いて除去することにより第1配線層を露出させ、第1配線層の側面上および第1絶縁体層の一部の上に設けられたエッチングストップ層ならびに第2絶縁体層を含むサイドウォールを形成する工程と、
第1絶縁体層上、第1配線層上および前記サイドウォール上に第3絶縁体層を形成する工程と、
ドライエッチングを用いて第1配線層の上に第3絶縁体層を貫く第2開口を形成する工程と、
第2開口に第1配線層と接触する第2プラグ電極を形成する工程と、
第3絶縁体層上に第2プラグ電極と接触する第3配線層を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
第2開口は、第2プラグ電極を形成する前に所定の洗浄液で洗浄処理される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エッチングストップ層は、第2絶縁体層および第3絶縁体層よりも第2開口を形成する際に用いるドライエッチングに対するエッチング速度が遅い請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
半導体基板上に設けられた第1絶縁体層と、
第1絶縁体層上に設けられた第1配線層と、
第1絶縁体層上および第1配線層上に設けられた第3絶縁体層と、
第1絶縁体層を貫きかつ第1配線層と接触する第1プラグ電極と、
第3絶縁体層を貫きかつ第1配線層と接触しかつ第1プラグ電極の直上に設けられた第2プラグ電極と、
第1配線層の側面上に設けられたエッチングストップ層および第2絶縁体層を含むサイドウォールとを備え、
前記エッチングストップ層は、第1絶縁体層上の一部を覆う半導体装置。
【請求項5】
第1プラグ電極および第2プラグ電極は、実質的に同じ直径の円形の断面を有する請求項4に記載の装置。
【請求項6】
第1プラグ電極および第2プラグ電極は、第1配線層の線幅と実質的に同じ長さの直径の円形の断面を有する請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記半導体基板上に設けられかつ第1プラグ電極と接触する第2配線層をさらに備え、
第2配線層は、第1プラグ電極を介して第1配線層と電気的に接続する請求項4〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
第3絶縁体層上に設けられかつ第2プラグ電極と接触する第3配線層をさらに備え、
第3配線層は、第2プラグ電極を介して第1配線層と電気的に接続する請求項4〜7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
第3絶縁体層は酸化シリコンであり、前記エッチングストップ層は窒化シリコン又は酸窒化シリコンである請求項4〜8のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記エッチングストップ層は、L字形状の断面を有する請求項4〜9のいずれか1つに記載の装置。
【請求項11】
CMOS型固体撮像装置に適用される請求項4〜10のいずれか1つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−251640(P2010−251640A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101802(P2009−101802)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】