説明

半導体装置の製造方法

【課題】 アンダーフィル用樹脂内のボイドの発生を抑制し、信頼性の高いフリップチップ実装を実現した半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体チップ20の一方の主面22に2次元状に形成された複数の電極24を、基板30上の対応する導電性領域32、34に接合するステップと、真空雰囲気中で、半導体チップの一方の主面と基板との間にアンダーフィル用樹脂40を供給するステップと、アンダーフィル樹脂40が供給された半導体チップおよび基板を大気中に露出するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、フリップチップ実装された半導体チップと基板との間にアンダーフィル用樹脂を注入する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯型コンピュータ、その他の小型電子機器の高機能化に伴い、電子機器に搭載される半導体チップの高集積化、狭ピッチ化が望まれている。高集積化、狭ピッチ化された半導体チップを実装する技術の一つに、ベアチップを基板に接続するフリップチップ実装がある。フリップチップ実装では、半導体チップの集積回路面である主面に形成されたバンプ電極を、基板上の電極またはランドに対向させて直接接続させている。このようなフリップチップ実装は、半導体チップの電極をワイヤボンディングにより基板に接続する方法に置き換わるものである。
【0003】
フリップチップ実装には、予め異方性導電フィルムをラミネートした基板上に、バンプが形成されたベアチップを加圧圧着する方法や、はんだバンプが形成されたベアチップを基板上にマウントし、リフロー接続する方法がある。後者の接続の場合、はんだバンプに応力が集中して破断するのを防止するために、ベアチップと基板との間にアンダーフィル用樹脂を注入し、応力を緩和させている。
【0004】
特許文献1は、アンダーフィル用樹脂を注入する半導体装置の製造方法に関するもので、半導体チップの端部から液状のアンダーフィル用樹脂を注入するとき、その樹脂が半導体チップの上面(もう一方の主表面)に這い上がり、上面に樹脂が付着するという課題を解決するため、アンダーフィル用樹脂の封止後に、半導体チップの上面をプラズマ処理している。これにより、半導体チップの上面にヒートスプレッダを容易に接続可能とし、その放熱性を向上させている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−217295号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体チップと基板がフリップチップ接続された状態において、液状のアンダーフィル用樹脂が半導体チップと基板の隙間に注入されると、アンダーフィル用樹脂は、毛細管現象により隙間の奥まで進行し、半導体チップと基板間のはんだバンプを樹脂封止する。
【0007】
しかしながら、いくつかの要因により、アンダーフィル用樹脂が、半導体チップの中央近傍にまで適切に行き渡らず、樹脂内に気泡等のボイドが発生してしまうことがある。1つの原因として、半導体チップや基板の物理的な大きさや形状が影響しているものと考えられる。例えば、半導体チップの電極やバンプのピッチが50μmと狭くなったり、電極の数が400以上になったり、半導体チップと基板の隙間が15μm以下になると、樹脂の進行に対する抵抗が大きくなり、その結果、樹脂が奥までまんべんなく行き渡りにくくなり、ボイドが生じる。樹脂内に多数のボイドが生じてしまうと、樹脂による応力緩和効果が軽減され、はんだバンプによる接合が破断されてしまう。また、外部からの水分や湿気に対する保護が不十分になってしまう。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、アンダーフィル用樹脂内のボイドの発生を抑制し、信頼性の高いフリップチップ実装を実現した半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、(a)半導体チップの一方の主面に2次元状に形成された複数の電極を、基板上の対応する導電性領域に接合するステップと、(b)真空雰囲気中で、半導体チップの一方の主面と基板との間にアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、(c)アンダーフィル樹脂が供給された半導体チップおよび基板を大気中に露出するステップとを有する。
【0010】
製造方法はさらに、半導体チップを接合した基板を真空チャンバー内に配置するステップを含み、当該真空チャンバー内の真空度は、1トール(Torr)である。好ましくは、アンダーフィル用樹脂の供給は、真空チャンバー内で実施され、液状化された樹脂は、基板上の半導体チップの側面または端部近傍に供給または注入される。樹脂が充填されるまで一定期間を保持した後、真空チャンバーの内部は約10秒間で大気圧に晒される。
【0011】
好ましくは、アンダーフィル用樹脂は、エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂は、約80〜110度に加熱して基板上に供給される。例えば、エポキシ樹脂の粘度は、約0.2Pa・sであり、半導体チップの主面と基板との間隔が15μm以下、電極のピッチが50μm以下のフリップチップ実装に適応することができる。半導体チップの電極は、メッキやスタッドの金バンプや、はんだバンプであってもよく、Au、Sn、Agのいずれかを含む。基板の導電性領域にバンプを形成するものであってもよい。
【0012】
さらに本発明に係る半導体装置の製造方法は、(a)半導体パッケージの一方の主面に2次元状に形成された複数の電極を、基板上の対応する導電性領域に接合するステップと、(b)真空雰囲気中で、半導体パッケージの一方の主面と基板との間にアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、(c)アンダーフィル樹脂が供給された半導体パッケージおよび基板を大気中に露出するステップとを有する。
【0013】
さらに本発明に係る半導体装置の製造方法は、(a)第1の半導体パッケージの一方の主面に2次元状に形成された複数の電極を、第2の半導体パッケージの他方の主面の対応する導電性領域に接合するステップと、(b)真空雰囲気中で、第1の半導体パッケージの一方の主面と第2の半導体パッケージの他方の主面との間にアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、(c)アンダーフィル樹脂が供給された第1および第2のパッケージを大気中に露出するステップとを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、真空雰囲気中で、アンダーフィル用樹脂を供給するようにしたので、ボイドの発生源である気泡等が極力取り除かれており、さらに、アンダーフィル用樹脂を供給した後に、半導体チップと基板を大気に晒すことで、一気にアンダーフィル用樹脂が毛細管現象により隙間の奥まで進行させることができる。これにより、ボイドの発生が極力抑制されたアンダーフィル用樹脂を半導体チップと基板間に充填させることができる。その結果、フリップチップ実装された電極接合の信頼性を向上させることができる。同様に、BGAやCSPの半導体パッケージを基板にフリップ接続するときや、半導体パッケージ同士をPOP(パッケージ・オン・パッケージ)接続するときにも、本発明を適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図面に記載されたサイズおよび形状は、必ずしも実際の製品と同一サイズで記載されているものではない。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の実施例に係る製造方法により作成される半導体装置の構成を示す断面図である。半導体装置10は、半導体チップ20と、半導体チップ20を実装する基板30とを有する。半導体チップ20の集積回路面である主面22には、複数のアルミニウム等から形成される電極パッド24が2次元状に形成されている。電極パッド24には、バンプ26が接続され、バンプ26は、例えば、Auバンプであり、その直径は約35μmである。電極パッド24は、好ましくは50μmのピッチで、440個配列されている。
【0017】
基板30は、その上面にCu等の電極32が形成され、電極32には、はんだバンプ34が形成されている。はんだバンプ34は、半導体チップ20の電極パッド24またはバンプ26に対応する位置に配置されている。電極32は、基板30の内部配線36を介して、基板裏面に形成された外部電極38に接続される。外部電極38には、BGA用またはCSP用のはんだボールを接続することができる。
【0018】
半導体チップ20のバンプ26を、基板30のはんだバンプ34に接続し、はんだリフローによりバンプ26と電極34が共晶接合される。バンプ26と電極34の接合状態は脆いため、これを補強するためにアンダーフィル用樹脂40が、半導体チップ20の主面22と基板30の隙間に注入される。
【0019】
半導体チップ20と基板30の隙間は、好ましくは15μm以下、より好ましくは7μmである。アンダーフィル用樹脂40は、一定の温度で低粘性をもつエポキシ樹脂、例えば、ナミックスU8437−48を用いることができる。
【0020】
次に、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。図2は、フリップチップ実装をするための半導体製造装置の概略構成を示す斜視図である。本製造装置100は、複数の基板を収納するローダー110、半導体チップのフリップチップ実装を行うフリップチップステージ120、フリップチップ実装された基板にアンダーフィル用樹脂を注入するアンダーフィルステージ130、フリップ実装が終了した基板を複数収容するアンローダーステージ140から構成されている。
【0021】
ローダーステージ110は、複数の基板30を垂直方向に積層するローダー112を含み、ローダー112は、図示しないヒーターにより一定の温度に加熱されている。ローダー112から取り出された基板30は、予熱ステージ114にて温度調整され、フリップチップステージ120に搬送される。
【0022】
次に、基板30はヒートブロック122上に搭載され、ヒートブロック122により基板30がフリップチップ実装に必要な温度に保たれる。そして、チップトレイチェンジャー124からチップマウンターにより取り出された半導体チップ20が、基板30上に位置決めして載置される。載置された半導体チップ20のバンプ26は、基板30の電極32に接合される。
【0023】
フリップチップ実装された基板は、搬送ベルト等により真空チャンバー132の入口ポートから内部へ搬送され、所定の位置に位置決めされる。真空チャンバー132内において、フリップチップ実装された基板にアンダーフィル用樹脂が注入される。アンダーフィル用樹脂を基板と半導体チップの隙間に充填させるべく一定時間の経過後に、真空チャンバーの出口ポートが開放され、真空チャンバーの内部が大気圧に晒される。その後、真空チャンバー132から排出された基板30は、アンローダー140内にストックされる。
【0024】
次に、真空によるアンダーフィル用樹脂の充填方法の詳細について説明する。図3は、真空チャンバー132内に配置された基板の平面図である。基板30上には、複数の半導体チップ20がフリップチップ接続された状態で2次元状に配置されている。真空チャンバー132内に基板30が収容されると、約1分間で、真空度が約1Torrに設定される。
【0025】
真空引きが終了すると、図4に示すような注入部材134を用いてアンダーフィル用樹脂136の供給が開始される。注入部材134は、真空チャンバー132内を移動可能であり、基板上に実装された複数の半導体チップ毎に、アンダーフィル用樹脂136を供給する。図の例は、注入部材134が走査方向Pに移動しながら、半導体チップ20にアンダーフィル用樹脂を供給している状態を示している。
【0026】
アンダーフィル用樹脂には、好ましくは、エポキシ樹脂(ナミックスU8437−48)が用いられる。図5は、エポキシ樹脂の特性を示すグラフであり、横軸は温度、縦軸は粘度(Pas)を示している。グラフから明らかなように、エポキシ樹脂は、約90度で粘性が最も小さくなる変曲点を含んでいる。このため、注入部材132から注入されるエポキシ樹脂の温度が、約80〜100度となるように、真空チャンバー132内の温度が調整される。あるいは、注入部材134の温度が調整される。約80〜100度のエポキシ樹脂は、粘性が約0.5(Pas)以下と小さく、狭ピッチの半導体チップや狭い隙間であっても、スムースに移動することができる。
【0027】
アンダーフィル用樹脂136は、例えば、図6(a)に示すように、それぞれの半導体チップ20の側面近傍に供給される。あるいは、半導体チップのサイズ、基板との間隙、電極数、電極ピッチに応じて、図6(b)に示すように、それぞれの半導体チップの2辺近傍にアンダーフィル用樹脂136を供給するようにしてもよい。アンダーフィル用樹脂136の供給量は、半導体チップのサイズ、基板との間隙等に応じて適宜選択される。
【0028】
注入されるアンダーフィル用樹脂136は、高温化において粘性が低く、液状化されているため、基板と半導体チップの僅かな間隙を毛細管現象により内部へと進行する。アンダーフィル用樹脂136の進行は、真空チャンバー132内で約3分間保持され、その間、半導体チップ20と基板30の間隙がアンダーフィル用樹脂136によっておおよそ充填される。アンダーフィル用樹脂136は、真空中で供給されるため、樹脂内にボイドが含まれる割合を極力なくすことができる。
【0029】
次に、真空チャンバー132の出口ポートが開放され、その内部が大気圧に晒される。好ましくは、約10秒程度で真空チャンバー132の内部が大気圧となる。真空チャンバー132内の温度は、ヒーターにより加熱された状態が維持されているが、大気が入り込むことにより真空チャンバー132内の温度が低下すると同時に、毛細管現象が一機に加速され、アンダーフィル用樹脂が半導体チップと基板の隙間の内部の奥深い部分まで完全に行わたる。その後、ヒータの温度を低下させ、または、基板をアンロードステージ140へ搬送することで、アンダーフィル用樹脂136が硬化される。
【0030】
次に、基板30がダイシングされ、個々の半導体装置に切り落とされ、図1に示すような半導体装置10を得ることができる。このように、真空中でアンダーフィル用樹脂を充填するようにしたので、アンダーフィル用樹脂内に気泡等のボイドが発生することが極力抑制される。このため、フリップチップ接続されたバンプと電極間の接合強度が向上され、かつ、ボイドの抑制により外部から水等が内部に浸入することが効果的に防止される。その結果、フリップチップ実装による電極の接続強度および信頼性が向上される。
【0031】
上記実施例で説明した半導体チップおよび基板の構成は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、半導体チップ20の主面22に形成されるバンプ26は、金メッキにより形成されたバンプ、またはAuスタッドバンプであってもよい。また、基板の電極もAuであってもよい。
【0032】
さらに、半導体チップ20のバンプ26は、はんだバンプまたははんだボールであってもよい。はんだバンプは、メッキやペースト印刷により形成することができる。はんだは、例えば、Ag/Sn等の鉛フリーのはんだを用いることができる。この場合、基板の電極には、必ずしもはんだバンプはなくてもよい。
【0033】
さらに、基板30は、ポリイミド基板やセラミック基板を用いることができ、基板は多層配線構造であってもよい。さらにアンダーフィル用樹脂は、エポキシ樹脂以外の樹脂であってもよい。また、マルチチップモジュールを得る場合には、複数の半導体チップを1グループとして基板をダイシングするようにしてもよい。
【0034】
次に、フリップチップ接続の他の変形例について説明する。上記実施例に係る半導体装置は、ベアチップである半導体チップ20を基板30にフリップチップ実装する例を示したが、半導体チップの代わりに、半導体パッケージを実装してもよい。
【0035】
図7は、BGAまたはCSPなどの表面実装用の半導体パッケージ200を基板210に実装したときの断面構造を示している。半導体パッケージ200は、パッケージの裏面202に2次元的に配列される複数の外部端子204を備えている。外部端子204は、例えばはんだボールである。複数の外部端子204は、基板210の上面に形成された導電性ランド212に接合され、その後、パッケージの裏面202と基板210との隙間にアンダーフィル用樹脂220が充填される。アンダーフィル用樹脂220の充填は、上記実施例のときと同様に真空チャンバー内で実施される。
【0036】
基板210の外部電極216は、内部配線214を介して導電性ランド212に接続され、導電性ランド212には、半導体パッケージ200の外部端子204が接続される。基板210の外部端子216には、バンプ等を接続することができる。
【0037】
このように、半導体パッケージ200と基板210の間に、真空雰囲気でアンダーフィル用樹脂を充填することにより、アンダーフィル用樹脂のボイドの発生を抑制し、半導体パッケージと基板の電極の接合強度を向上させることができる。
【0038】
さらに、半導体装置は、半導体パッケージの上に他の半導体パッケージを搭載する、パッケージ・オン・パッケージ(POP)の構造であってもよい。図8は、BGAパッケージの上にBGAパッケージが積層されたPOP構造の半導体装置の断面を示している。
【0039】
第1の半導体パッケージ300は、多層配線基板302と、多層配線基板302の裏面に形成された複数のはんだボール304と、多層配線基板302の上面に形成されたモールド樹脂306とを備えている。基板302の上面にダイアタッチ308を介して半導体チップ310が取り付けられ、半導体チップ310の電極はボンディングワイヤ312により基板上の銅パターン314に接続されている。半導体チップ310およびボンディングワイヤ312を含む領域がモールド樹脂306によって封止されている。
【0040】
第1の半導体パッケージ300上に、第2の半導体パッケージ400が積層されている。第2の半導体パッケージ400は、例えば基板402の上面に半導体チップ404、406を積層し、これらの半導体チップ404、406がモールド樹脂408によって封止されている。基板402の裏面には、その4方向に2列のはんだボール410が形成されている。
【0041】
第2の半導体パッケージ400を第1の半導体パッケージ300上にマウントしたとき、はんだボール410が、モールド樹脂306を取り囲むように配置され、基板302の上面に形成された電極316に接続される。次に、第1の半導体パッケージ300と第2の半導体パッケージ400の隙間に、アンダーフィル用樹脂420が充填される。アンダーフィル用樹脂は、上記と同様に、真空チャンバー内において供給される。これにより、第1および第2のパッケージのはんだボール410と電極316との接合強度を向上させ、破断を防止することができる。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、小型化、高密度化、狭ピッチ化された半導体チップや半導体装置の表面実装に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例に係る製造方法により作成されたフリップチップ実装された半導体装置の断面を示す図である。
【図2】フリップチップ実装を行うための半導体製造装置の外観斜視図である。
【図3】真空チャンバー内に配置された基板の平面図である。
【図4】基板へのアンダーフィル用樹脂の供給を説明する図である。
【図5】アンダーフィル用樹脂の特性を示すグラフである。
【図6】基板上へのアンダーフィル用樹脂の注入パターンを示す図である。
【図7】本発明の実施例に係る製造方法により作成された他の半導体装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施例に係る製造方法により作成された他の半導体装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
10:半導体装置 20:半導体チップ
22:主面 24:電極
26:バンプ 30:基板
32:電極 34:はんだバンプ
36:内部配線 38:外部電極
100:製造装置 110:ローダー
120:フリップチップステージ 130:アンダーフィルステージ
132:真空チャンバー 134:注入部材
136:アンダーフィル用樹脂 200:半導体パッケージ
210:基板 220:アンダーフィル用樹脂
300:第1の半導体パッケージ 400:第2の半導体パッケージ
420:アンダーフィル用樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基板を所定の温度に加熱し、半導体チップの一方の主面に2次元状に形成された複数の電極を、前記基板上の対応する導電性領域に接合するステップと、
(b)所定の温度に保たれた真空雰囲気中で、半導体チップの一方の主面と基板との間に液状化されたアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、
(c)上記所定の温度が保たれた状態でアンダーフィル用樹脂が供給された半導体チップおよび基板を大気中に露出するステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記製造方法はさらに、半導体チップを接合した基板を真空チャンバー内に配置するステップを含み、当該真空チャンバー内の真空度は、1トール(Torr)である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
アンダーフィル用樹脂は、真空チャンバー内で供給される、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
アンダーフィル用樹脂は、半導体チップの少なくとも1つの側面近傍に供給される、請求項1ないし3いずれか1つに記載の製造方法。
【請求項5】
基板上には複数の半導体チップが搭載され、個々の半導体チップ毎にアンダーフィル用樹脂が供給される、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
アンダーフィル用樹脂は、エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂は、80〜110度に加熱して供給される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
エポキシ樹脂の粘度は、0.2Pa・s以下である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記複数の電極は、半導体チップの一方の主面の電極パッドに接続されたバンプを含む、請求項1ないし7いずれか1つに記載の製造方法。
【請求項9】
前記バンプは、Au、Sn、Agのいずれかを含む、請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記複数の電極のピッチは、50μm以下である、請求項1ないし9いずれか1つに記載の製造方法。
【請求項11】
基板の導電性領域は、バンプを含む、請求項1ないし10いずれか1つに記載の製造方法。
【請求項12】
前記複数の電極は、半導体チップの一方の主面の電極パッドに接続された金バンプを含み、前記基板の導電性領域は、金メッキを含む、請求項1ないし7、10いずれか1つに記載の製造方法。
【請求項13】
製造方法はさらに、アンダーフィル用樹脂が硬化された後、個々の半導体チップ毎に基板をダイシングするステップを含む、請求項1ないし11いずれか1つに記載の製造方法。
【請求項14】
(a)半導体チップの一方の主面に2次元状に形成された複数の電極を、基板上の対応する導電性領域に接合するステップと、
(b)複数の半導体チップが搭載された前記基板を真空チャンバー内に配置するステップと、
(c)前記真空チャンバー内を減圧するステップと、
(d)前記真空チャンバー内で個々の半導体チップの1辺または隣接する2辺に液状化されたアンダーフィル用樹脂を供給し、前記1辺または隣接する2辺から液状化された樹脂を半導体チップの一方の主面と基板との間に充填する第1の充填ステップと、
(e)前記真空チャンバーを大気中に開放し、前記充填されたアンダーフィル用樹脂を半導体チップの一方の主面と基板との間にさらに充填させる第2の充填ステップと、
(f)前記基板を個々の半導体チップにシンギュレーションするステップと、
を有し、
前記接合するステップが前記基板を所定の温度に加熱した状態で実行され、前記第1の充填ステップおよび第2の充填ステップが所定の温度に保たれた状態で実行される、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
(a)基板を所定の温度に加熱し、半導体パッケージの一方の主面に2次元状に形成された複数の電極を、前記基板上の対応する導電性領域に接合するステップと、
(b)所定の温度に保たれた真空雰囲気中で、半導体パッケージの一方の主面と基板との間に液状化されたアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、
(c)上記所定の温度が保たれた状態でアンダーフィル用樹脂が供給された半導体パッケージおよび基板を大気中に露出するステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項16】
(a)第2の半導体パッケージを所定の温度に加熱し、第1の半導体パッケージの一方の主面に2次元状に形成された複数の電極を、前記第2の半導体パッケージの他方の主面の対応する導電性領域に接合するステップと、
(b)所定の温度に保たれた真空雰囲気中で、第1の半導体パッケージの一方の主面と第2の半導体パッケージの他方の主面との間に液状化されたアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、
(c)上記所定の温度が保たれた状態でアンダーフィル用樹脂が供給された第1および第2のパッケージを大気中に露出するステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項17】
アンダーフィル用樹脂の供給は、真空チャンバー内で実施される、請求項14ないし16のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
(a)所定の温度に加熱されているローダーから基板を取り出すステップと、
(b)前記基板をヒートブロックに載置し、前記基板を所定の温度に加熱するステップと、
(c)前記基板に半導体チップをフリップチップ実装するステップと、
(d)フリップチップ実装された前記基板を真空チャンバー内に搬送し、前記真空チャンバー内を1Torr程度の真空度とするステップと、
(e)ヒーターにより前記真空チャンバー内の温度を80〜100度に保ちつつ、前記基板と前記半導体チップとの間に液状のアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、
(f)前記真空チャンバー内の温度を維持した状態で、前記真空チャンバーの真空状態を解除するステップと、
(g)前記ヒーターの温度を低下させ、前記基板を前記真空チャンバー内から取り出すステップと、
を含み、
互いに接合される前記基板の電極と前記半導体チップの電極とが50μm以下のピッチで配置されており、前記基板と前記半導体チップとの隙間が15μm以下である、半導体装置の製造方法。
【請求項19】
複数の基板を収容可能なローダーと、半導体チップのフリップ実装を行うフリップチップステージと、フリップチップ実装された基板にアンダーフィル用樹脂を注入するアンダーフィルステージと、フリップチップ実装が終了した基板を収容可能なアンローダーステージとを含む半導体製造装置における半導体装置の製造方法であって、
(a)所定の温度に加熱されているローダーから基板を取り出すステップと、
(b)前記フリップステージのヒートブロック上に前記基板を載置し、前記基板をフリップチップ実装に必要な温度に保つステップと、
(c)前記基板に半導体チップをフリップチップ実装するステップと、
(d)フリップチップ実装された前記基板を前記アンダーフィルステージの真空チャンバー内に搬送し、前記真空チャンバー内を一定の真空度および一定の温度に保ちつつ、前記基板と前記半導体チップとの間に液状のアンダーフィル用樹脂を供給するステップと、
(e)前記真空チャンバー内の温度を維持した状態で、前記真空チャンバーの真空状態を解除するステップと、
(f)ヒーターの温度を低下させ、前記基板を前記真空チャンバー内から取り出すステップと、
を含む半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−113045(P2008−113045A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23582(P2008−23582)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【分割の表示】特願2005−293509(P2005−293509)の分割
【原出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】