半導体装置の製造方法
【課題】金属層の損傷を抑制した半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】Cu配線2上に酸化膜3を堆積する工程と、前記酸化膜3をドライエッチングして、前記Cu配線2に通達するビアホールHを形成する工程と、前記ビアホールH内にDIWを供給する工程と、前記DIWを供給した後に、前記ビアホールH内に燐酸アンモニウムを供給する工程と、前記燐酸アンモニウムを供給した後に、前記ビアホールH内に導電材料5を埋め込む工程とを含む。
【解決手段】Cu配線2上に酸化膜3を堆積する工程と、前記酸化膜3をドライエッチングして、前記Cu配線2に通達するビアホールHを形成する工程と、前記ビアホールH内にDIWを供給する工程と、前記DIWを供給した後に、前記ビアホールH内に燐酸アンモニウムを供給する工程と、前記燐酸アンモニウムを供給した後に、前記ビアホールH内に導電材料5を埋め込む工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライエッチングを使用して絶縁膜に孔を形成する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体装置の製造工程においては、例えば金属層上に堆積された絶縁膜をドライエッチングして、該金属層に通達する孔を形成した後、該孔に導電材料を埋め込むことがある。ドライエッチングのエッチングガスにO2が含まれていると、孔底に露出する金属層の表面に、該金属層の酸化物などが形成される。金属層の表面に形成される酸化物は、コンタクト抵抗を低下させる原因となる。そのため、孔に導電材料を埋め込む前に、例えば燐酸(H3PO4)と水酸化アンモニウム(NH4OH)の混合溶液などの薬液を供給して、酸化物を除去している。
【0003】
孔底に露出する金属層の表面酸化物を除去する技術としては、例えば孔内に酸性の薬液とアルカリ性の薬液を順番に供給する手法が知られている。本手法によれば、酸性の薬液が表面酸化物を除去して、アルカリ性の薬液が表面酸化物の自然成長を抑制する(例えば、下記引用文献1を参照)。
【特許文献1】特開2002−275667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金属層の表面に形成された酸化物を除去するために、燐酸と水酸化アンモニウムの混合溶液などの薬液を供給すると、金属層の表面に、例えば溶出などの損傷が発生することがある。溶出などの損傷は、コンタクト抵抗の低下など、種々の問題の原因となる。そこで本発明は、金属層の損傷を抑制した半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、金属層上に絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜をドライエッチングして、前記金属層に通達する孔を形成する工程と、前記孔内に第1の薬液を供給する工程と、前記第1の薬液を供給した後に、前記孔内に第2の薬液を供給する工程と、前記第2の薬液を供給した後に、前記孔内に導電材料を埋め込む工程とを含み、前記第1の薬液は、前記第2の薬液に比べて、前記孔を形成するときに前記金属層上に形成される前記金属層の酸化物の溶解レートが低い半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、半導体装置の製造方法において、絶縁膜に形成された孔底に露出する金属層の損傷を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、半導体装置の製造工程の中でも、特に多層配線に含まれるビアVの形成工程について詳細に説明する。図1−図6は本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図である。先ず、図1に示す構造を用意する。本構造は、以下のように作製される。すなわち、例えばシリコン基板(図示しない)上の酸化膜1に形成された溝内に、例えばメッキ法により、Cu配線(金属層)2を埋め込む。酸化膜1としては、例えばSiO2などを用いる。そして、酸化膜1及びCu配線2上に、例えばCVD(chemical vapor deposition;化学気相成長法)により、酸化膜3を形成する。酸化膜3としては、例えばSiOCなどを用いる。酸化膜3の膜厚は、例えば200nmである。そして、酸化膜3上に、例えばフォトリソグラフィー法により、レジストパターン4を形成する。
【0008】
次に、図2に示すように、レジストパターン4をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより、酸化膜3に、Cu配線2に通達するビアホールHを形成する。エッチングガスとしては、例えばC4F6、O2、N2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば5sccmである。O2の流量は、例えば5sccmである。N2の流量は、例えば80sccmである。Arの流量は、例えば500sccmである。圧力は、例えば50mTorrである。RF電源パワーは、例えば1200Wである。本エッチングを実施すると、エッチングガスに含まれるO2により、Cu配線2の表面にCuO(酸化物)が形成される。さらに、プラズマ中のイオンや電子がCu配線2に突入して、該Cu配線2が帯電する。
【0009】
次に、図3に示すように、例えばアッシングにより、レジストパターン4を灰化して除去する。アッシングのガスとしては、例えばO2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば600sccmである。圧力は、例えば20mTorrである。RF電源パワーは、例えば300Wである。本アッシングを実施しても、前述と同様に、Cu配線2の表面にCuOが形成され、Cu配線2が帯電する。
【0010】
次に、図4に示すように、ビアホールH内に、導電性を有するDIW(distilled ion water;イオン化蒸留水)を供給して、Cu配線2に蓄積された電荷を放電される。DIWを供給するときに、スピンコータを使用すれば、DIWの使用量を減らすことができる。
【0011】
次に、図5に示すように、ビアホールH内に、例えば燐酸と水酸化アンモニウムの混合溶液(以下、燐酸アンモニウムとする)などを供給して、ビアホールH底に形成されたCuOなどを溶解して除去する。燐酸アンモニウムなどを供給するときに、スピンコータを使用しても良い。
【0012】
次に、図6に示すように、例えばメッキ法により、ビアホールH内に、例えば導電材料5を埋め込み、CMP(chemical mecanical polishing;化学的機械的研磨)により、酸化膜3上に形成された導電材料5を除去する。こうしてビアVが完成する。導電材料5としては、例えばCuなどを用いる。
【0013】
以上のような手順でビアホールHを形成すると、ビアホールH底のCu配線2が溶出しないことが確認された。これは、燐酸アンモニウムを供給する前にDIWを供給することで、Cu配線2の表面を露出させることなく、Cu配線2に蓄積された電荷を放電できたためと推測される。すなわち、Cu配線2の表面全体をCuOで被覆したまま、Cu配線2に蓄積された電荷を放電できたためと推測される。以下、推測されるCu配線2の溶出防止のメカニズムを説明する。
【0014】
従来のように、DIWを供給することなく、燐酸アンモニウムだけを供給すると、CuOの薄い部分が真先に除去され、Cu配線2の表面が局所的に露出する。このため、Cu配線2に蓄積された電荷は、Cu配線2の露出部分から集中的に放電され、Cu配線2に局所的な電流(以下、局所電流とする)が流れる。これにより、Cu配線2が過度に加熱され、Cu配線2が溶出していたと推測される。
【0015】
これに対し、DIWは、燐酸アンモニウムよりもCuOの溶解レートが低い。具体的には、燐酸アンモニウムによるCuOの溶解レートが50nm/min程度であるのに対し、DIWによるCuOの溶解レートは、0.4nm/min〜0.5nm/min程度である。すなわち、DIWの溶解レートは、燐酸アンモニウムの溶解レートの1/100以下である。このため、ビアホールH内にDIWを供給しても、Cu配線2を放電させている最中に、Cu配線2が露出することがない。これにより、前述したような局所電流が発生せず、Cu配線2が溶出しなかったと推測される。
【0016】
燐酸アンモニウムよりもCuOの溶解レートが低い薬液としては、DIWのほかに、例えばIPA(isopropyl alcohol;イソプロピルアルコール)などが存在する。したがって、IPAなどを使用しても、Cu配線2の溶出を防止できると推測される。尚、IPAによるCuOの溶解レートは、DIWによるCuOの溶解レートよりも低い。
【0017】
尚、DIWに、例えばCO2などを溶解して、PH(potential of hydrogen)を7未満に調整しても良い。PHが7未満であれば、DIWを供給したときに、ビアホールH底に形成されるCuOの膜厚が均一になる。これは、PHを7未満に調整することで、DIWの酸化力が増加し、CuOの薄い箇所が増膜したことによると推測される。尚、CO2の濃度を0.01ppmより高くすれば、PHは7未満となる。
【0018】
このように、DIWのPHを7未満に調整して、ビアホールH底に露出するCuOの膜厚を均一にすれば、燐酸アンモニウムを供給したときに、Cu配線11の表面全体が同時に露出することになる。すなわち、Cu配線11が局所的に露出することがない。そのため、燐酸アンモニウムを供給する時点で、仮にCu配線11に電荷が残留していても、Cu配線11の表面全体から均一に電流が流れるので、Cu配線2が溶出することがない。
【0019】
尚、PHを低下させると、DIWの比抵抗値が低下するので、Cu配線11に蓄積した電荷の迅速な放電も可能となる。すなわち、PHを7未満に調整すれば、迅速な放電と、効率的なCuOの形成とを同時に実現できる。
【0020】
DIWの代わりにIPAを用いる場合、該IPAを例えば水で希釈してPHを7未満に調整すれば良い。尚、IPAのPHは7未満であるので、水で希釈すれば、PHを7に近づくことになる。
【0021】
尚、本実施形態においては、金属層として、Cu配線2を用いているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えばAlなどを含んでいても良い。
(第2の実施形態)
以下、半導体装置の製造工程の中でも、特に多層配線に含まれるビアVと配線Wの形成工程について詳細に説明する。図7−図28は本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図である。先ず、図7に示す構造を用意する。本構造は、以下のように作製される。すなわち、例えばシリコン基板(図示しない)上の酸化膜10の溝内に、例えばメッキ法により、Cu配線(金属層)11を形成する。酸化膜10としては、例えばSiO2などを用いる。そして、酸化膜10及びCu配線11上に、プラズマCVD法により、炭化膜12を形成する。炭化膜12としては、例えばSiCなどを用いる。炭化膜12の膜厚は、例えば50nmである。そして、炭化膜12上に、例えばプラズマCVD法により、酸化膜13を形成する。酸化膜13としては、例えばSiOCなどを用いる。酸化膜13の膜厚は、例えば200nmである。そして、酸化膜13上に、例えばCVD法により、酸化膜14を形成する。酸化膜14としては、例えば多孔質の低誘電率絶縁膜を用いる。酸化膜14の比誘電率は、例えば2.25程度である。酸化膜14の膜厚は、例えば150nmである。そして、酸化膜14上に、例えばプラズマCVD法により、炭化膜15を形成する。炭化膜15としては、例えばSiCなどを用いる。炭化膜15の膜厚は、例えば50nmである。そして、炭化膜15上に、例えばCVD法により、酸化膜16を形成する。酸化膜16としては、例えばSiO2などを用いる。酸化膜16の膜厚は、例えば150nmである。そして、酸化膜16上に、例えばCVD法により、窒化膜17を形成する。窒化膜17としては、例えばSiNなどを用いる。窒化膜17の膜厚は、例えば70nmである。そして、窒化膜17上にレジスト膜18を形成する。レジスト膜18の膜厚は、例えば350nmである。そして、レジスト膜18上に、例えばTEOS(tetra ethyl ortho silicate)を塗布して、酸化膜19を形成する。酸化膜19としては、例えばSiO2を用いる。酸化膜19の膜厚は、例えば50nmである。そして、酸化膜19上に、例えば塗布法により、反射防止膜20を形成する。反射防止膜20は、例えばBARC(bottom anti−reflective coating)である。そして、反射防止膜20上にArFレジストを塗布して、これに露光及び現像を施すことにより、ビアホールHのパターンが形成されたレジストパターン21を形成する。ビアホールHの内径は、例えば70nmである。
【0022】
次に、図8に示すように、レジストパターン21をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより反射防止膜20を除去する。エッチングガスとしては、例えばCF4及びCH2F2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CH2F2の流量は、例えば25sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0023】
次に、図9に示すように、レジストパターン21をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜19を除去する。これにより、酸化膜19がビアホールHのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCF4、C4F6、C4F6、CH2F2、及びArを含むガスを用いる。具体的には、CF4の流量は、例えば100sccmである。C4F6の流量は、例えば6sccmである。CH2F2の流量は、例えば10sccmである。Arの流量は、例えば30sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0024】
次に、図10に示すように、酸化膜19をマスクとして、例えばプラズマエッチングによりレジスト膜18を除去する。これにより、レジスト膜18がビアホールHのパターンにパターニングされる。このとき、レジストパターン21及び反射防止膜20も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばNH3を含むガスを用いる。NH3の流量は、例えば200sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば200Wである。
【0025】
次に、図11に示すように、酸化膜19及びレジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより窒化膜17を除去する。これにより、窒化膜17がビアホールHのパターンにパターニングされる。このとき、酸化膜19が除去されて、レジスト膜18が露出することがある。エッチングガスとしては、例えばCH2F2、O2、Arを含むガスを用いる。CH2F2の流量は、例えば30sccmである。O2の流量は、例えば9sccmである。Arの流量は、例えば100sccmである。圧力は、例えば20mTorrである。RF電源パワーは、例えば200Wである。
【0026】
次に、図12に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜16を除去する。これにより、酸化膜16がビアホールHのパターンにパターニングされる。このとき、酸化膜19も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばC4F6、O2、CH2F2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば32sccmである。O2の流量は、例えば33sccmである。CH2F2の流量は、例えば28sccmである。Arの流量は、例えば400sccmである。圧力は、例えば35mTorrである。RF電源パワーは、例えば1200Wである。
【0027】
次に、図13に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより炭化膜15を除去する。これにより、炭化膜15がビアホールHのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCH2F2、O2、及びN2を含むガスを用いる。CH2F2の流量は、例えば26sccmである。O2の流量は、例えば5sccmである。N2の流量は、例えば75sccmである。圧力は、例えば18mTorrである。RF電源パワーは、例えば400Wである。
【0028】
次に、図14に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜14を除去する。これにより、酸化膜14がビアホールHのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCF4、CHF3、CH2F2、及びN2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば80sccmである。CHF3の流量は、例えば95sccmである。CH2F2の流量は、例えば16sccmである。N2の流量は、例えば10sccmである。圧力は、70mTorrである。RF電源パワーは、例えば600Wである。
【0029】
次に、図15に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜13を除去する。これにより、酸化膜13にビアホールHが形成される。エッチングガスとしては、例えばC4F6、O2、N2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば5sccmである。O2の流量は、例えば5sccmである。N2の流量は、例えば80sccmである。Arの流量は、例えば500sccmである。圧力は、例えば50mTorrである。RF電源パワーは、例えば1200Wである。
【0030】
次に、図16に示すように、例えばアッシングによりレジスト膜18を灰化して除去する。アッシングのガスは、例えばO2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば600sccmである。圧力は、例えば20mTorrである。RF電源パワーは、例えば300Wである。
【0031】
次に、図17に示すように、レジスト材を塗布して、ビアホールH内及び窒化膜17上にレジスト膜30を形成する。レジスト膜30の膜厚は、窒化膜17の表面を基準として、例えば280nmである。そして、レジスト膜30上に、例えばTEOSを塗布して、酸化膜31を形成する。酸化膜31としては、例えばSiO2を用いる。酸化膜31の膜厚は、例えば50nmである。そして、酸化膜31上に、例えば塗布法により、反射防止膜32を形成する。反射防止膜32は、例えばBARCである。そして、反射防止膜32上にArFレジストを塗布して、これに露光及び現像を施すことにより、トレンチTのパターンが形成されたレジストパターン33を形成する。トレンチTの内径は、例えば100〜120nmである。
【0032】
次に、図18に示すように、レジストパターン33をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより反射防止膜32を除去する。エッチングガスとしては、例えばCF4及びCH2F2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CH2F2の流量は、例えば7sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0033】
次に、図19に示すように、レジストパターン33をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜31を除去する。これにより、酸化膜31がトレンチTのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCF4及びCH2F2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CH2F2の流量は、例えば24sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0034】
次に、図20に示すように、酸化膜31をマスクとして、例えばプラズマエッチングによりレジスト膜30を除去する。これにより、レジスト膜30がトレンチTのパターンにパターニングされる。このとき、レジストパターン33及び反射防止膜32も同時に除去される。ここでは、レジスト膜30を例えば280nmだけ除去するので、ビアホールH内には、レジスト膜30が残留している。エッチングガスとしては、O2及びN2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば10sccmである。N2の流量は、例えば290sccmである。圧力は、例えば40mTorrである。RF電源パワーは、例えば150Wである。
【0035】
次に、図21に示すように、レジスト膜30をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより窒化膜17を除去する。これにより、窒化膜17がトレンチTのパターンにパターニングされる。このとき、酸化膜31も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばCH2F2、O2、及びArを含むガスを用いる。CH2F2の流量は、例えば15sccmである。O2の流量は、例えば3sccmである。Arの流量は、例えば50sccmである。圧力は、例えば15mTorrである。RF電源パワーは、例えば200Wである。
【0036】
次に、図22に示すように、例えばアッシングによりレジスト膜30を灰化して除去する。アッシングのガスは、例えばO2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば250sccmである。圧力は、例えば80mTorrである。RF電源パワーは、例えば150Wである。本アッシングを実施すると、プラズマ中のイオンや電子がCu配線11に突入して、該Cu配線11を帯電させる。
【0037】
次に、図23に示すように、窒化膜17をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜16を除去する。これにより、酸化膜16がトレンチTのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしは、例えばC4F6、O2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば15sccmである。O2の流量は、例えば8sccmである。Arの流量は、例えば180sccmである。圧力は、例えば30mTorrである。RF電源パワーは、例えば1500Wである。本エッチングを実施すると、プラズマ中のイオンや電子がCu配線11に突入して、該Cu配線11を帯電させる。さらに、炭化膜12の膜厚が薄いので、エッチングガスに含まれるO2により、Cu配線11の表面全体にCuOが形成される。
【0038】
次に、図24に示すように、酸化膜16をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより炭化膜15を除去する。これにより、炭化膜15がトレンチTのパターンにパターニングされる。このとき、炭化膜12も同時に除去されて、ビアホールH底からCu配線11が露出する。さらに、窒化膜17も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばCF4を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。圧力は、例えば50mTorrである。RF電源パワーは、例えば300Wである。本エッチングを実施すると、プラズマ中のイオンや電子がCu配線11に突入して、さらに該Cu配線11を帯電させる。炭化膜15を除去した後、ビアホールH底に炭化膜12が残留していれば、例えば追加のプラズマエッチングにより炭化膜12を除去しても良い。
【0039】
次に、図25に示すように、酸化膜16及び炭化膜15をマスクとして、プラズマエッチングにより酸化膜14を除去する。これにより、酸化膜14にトレンチTが形成される。エッチングガスは、例えばCF4、CHF3、及びArを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CHF3の流量は、例えば85sccmである。Arの流量は、例えば120sccmである。圧力は、例えば250mTorrである。RF電源パワーは、例えば600Wである。
【0040】
次に、図26に示すように、トレンチT内及びビアホールH内にDIWを供給して、Cu配線2に蓄積した電荷を放電させる。尚、本実施形態においては、DIWを用いているが、例えばIPAなどを用いても良い。尚、DIWを供給するときに、スピンコータを用いても良い。
【0041】
次に、図27に示すように、トレンチT内及びビアホールH内に燐酸アンモニウムを供給して、Cu配線2の表面に形成されたCuOなどを溶解して除去する。燐酸アンモニウムを供給するときには、Cu配線2に蓄積された電荷が放電されているので、Cu配線2が局所的に露出しても、前述したような局所電流が流れることがない。尚、燐酸アンモニウムを供給するときに、スピンコータを用いても良い。
【0042】
そして、図28に示すように、例えばメッキ法により、トレンチT内及びビアホールH内に、例えば導電材料34を埋め込み、CMP(chemical mecanical polishing;化学的機械的研磨)により、炭化膜15上に形成された導電材料34を研磨する。このとき、炭化膜15は、ストッパ膜として機能する。導電材料34としては、例えばCuなどを用いる。こうしてビアVと配線Wが完成する。
【0043】
尚、本実施形態においては、図23に示すように、酸化膜16をパターニングするときにCuOが形成されている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、図15に示すように、酸化膜13にビアホールHを形成するとき、もしくは、図22に示すように、レジスト膜30を除去するときにもCuOが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その1)。
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その2)。
【図3】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その3)。
【図4】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その4)。
【図5】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その5)。
【図6】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その6)。
【図7】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その1)。
【図8】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その2)。
【図9】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その3)。
【図10】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その4)。
【図11】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その5)。
【図12】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その6)。
【図13】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その7)。
【図14】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その8)。
【図15】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その9)。
【図16】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その10)。
【図17】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その11)。
【図18】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その12)。
【図19】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その13)。
【図20】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その14)。
【図21】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その15)。
【図22】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その16)。
【図23】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その17)。
【図24】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その18)。
【図25】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その19)。
【図26】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その20)。
【図27】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その21)。
【図28】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その22)。
【符号の説明】
【0045】
2…Cu配線、3…酸化膜(絶縁膜)、5…導電材料、11…Cu配線(金属層)、13…酸化膜(絶縁膜)、14…酸化膜(絶縁膜)、34…導電材料、H…ビアホール(孔)、T…トレンチ、V…ビア、W…配線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライエッチングを使用して絶縁膜に孔を形成する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体装置の製造工程においては、例えば金属層上に堆積された絶縁膜をドライエッチングして、該金属層に通達する孔を形成した後、該孔に導電材料を埋め込むことがある。ドライエッチングのエッチングガスにO2が含まれていると、孔底に露出する金属層の表面に、該金属層の酸化物などが形成される。金属層の表面に形成される酸化物は、コンタクト抵抗を低下させる原因となる。そのため、孔に導電材料を埋め込む前に、例えば燐酸(H3PO4)と水酸化アンモニウム(NH4OH)の混合溶液などの薬液を供給して、酸化物を除去している。
【0003】
孔底に露出する金属層の表面酸化物を除去する技術としては、例えば孔内に酸性の薬液とアルカリ性の薬液を順番に供給する手法が知られている。本手法によれば、酸性の薬液が表面酸化物を除去して、アルカリ性の薬液が表面酸化物の自然成長を抑制する(例えば、下記引用文献1を参照)。
【特許文献1】特開2002−275667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金属層の表面に形成された酸化物を除去するために、燐酸と水酸化アンモニウムの混合溶液などの薬液を供給すると、金属層の表面に、例えば溶出などの損傷が発生することがある。溶出などの損傷は、コンタクト抵抗の低下など、種々の問題の原因となる。そこで本発明は、金属層の損傷を抑制した半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、金属層上に絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜をドライエッチングして、前記金属層に通達する孔を形成する工程と、前記孔内に第1の薬液を供給する工程と、前記第1の薬液を供給した後に、前記孔内に第2の薬液を供給する工程と、前記第2の薬液を供給した後に、前記孔内に導電材料を埋め込む工程とを含み、前記第1の薬液は、前記第2の薬液に比べて、前記孔を形成するときに前記金属層上に形成される前記金属層の酸化物の溶解レートが低い半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、半導体装置の製造方法において、絶縁膜に形成された孔底に露出する金属層の損傷を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、半導体装置の製造工程の中でも、特に多層配線に含まれるビアVの形成工程について詳細に説明する。図1−図6は本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図である。先ず、図1に示す構造を用意する。本構造は、以下のように作製される。すなわち、例えばシリコン基板(図示しない)上の酸化膜1に形成された溝内に、例えばメッキ法により、Cu配線(金属層)2を埋め込む。酸化膜1としては、例えばSiO2などを用いる。そして、酸化膜1及びCu配線2上に、例えばCVD(chemical vapor deposition;化学気相成長法)により、酸化膜3を形成する。酸化膜3としては、例えばSiOCなどを用いる。酸化膜3の膜厚は、例えば200nmである。そして、酸化膜3上に、例えばフォトリソグラフィー法により、レジストパターン4を形成する。
【0008】
次に、図2に示すように、レジストパターン4をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより、酸化膜3に、Cu配線2に通達するビアホールHを形成する。エッチングガスとしては、例えばC4F6、O2、N2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば5sccmである。O2の流量は、例えば5sccmである。N2の流量は、例えば80sccmである。Arの流量は、例えば500sccmである。圧力は、例えば50mTorrである。RF電源パワーは、例えば1200Wである。本エッチングを実施すると、エッチングガスに含まれるO2により、Cu配線2の表面にCuO(酸化物)が形成される。さらに、プラズマ中のイオンや電子がCu配線2に突入して、該Cu配線2が帯電する。
【0009】
次に、図3に示すように、例えばアッシングにより、レジストパターン4を灰化して除去する。アッシングのガスとしては、例えばO2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば600sccmである。圧力は、例えば20mTorrである。RF電源パワーは、例えば300Wである。本アッシングを実施しても、前述と同様に、Cu配線2の表面にCuOが形成され、Cu配線2が帯電する。
【0010】
次に、図4に示すように、ビアホールH内に、導電性を有するDIW(distilled ion water;イオン化蒸留水)を供給して、Cu配線2に蓄積された電荷を放電される。DIWを供給するときに、スピンコータを使用すれば、DIWの使用量を減らすことができる。
【0011】
次に、図5に示すように、ビアホールH内に、例えば燐酸と水酸化アンモニウムの混合溶液(以下、燐酸アンモニウムとする)などを供給して、ビアホールH底に形成されたCuOなどを溶解して除去する。燐酸アンモニウムなどを供給するときに、スピンコータを使用しても良い。
【0012】
次に、図6に示すように、例えばメッキ法により、ビアホールH内に、例えば導電材料5を埋め込み、CMP(chemical mecanical polishing;化学的機械的研磨)により、酸化膜3上に形成された導電材料5を除去する。こうしてビアVが完成する。導電材料5としては、例えばCuなどを用いる。
【0013】
以上のような手順でビアホールHを形成すると、ビアホールH底のCu配線2が溶出しないことが確認された。これは、燐酸アンモニウムを供給する前にDIWを供給することで、Cu配線2の表面を露出させることなく、Cu配線2に蓄積された電荷を放電できたためと推測される。すなわち、Cu配線2の表面全体をCuOで被覆したまま、Cu配線2に蓄積された電荷を放電できたためと推測される。以下、推測されるCu配線2の溶出防止のメカニズムを説明する。
【0014】
従来のように、DIWを供給することなく、燐酸アンモニウムだけを供給すると、CuOの薄い部分が真先に除去され、Cu配線2の表面が局所的に露出する。このため、Cu配線2に蓄積された電荷は、Cu配線2の露出部分から集中的に放電され、Cu配線2に局所的な電流(以下、局所電流とする)が流れる。これにより、Cu配線2が過度に加熱され、Cu配線2が溶出していたと推測される。
【0015】
これに対し、DIWは、燐酸アンモニウムよりもCuOの溶解レートが低い。具体的には、燐酸アンモニウムによるCuOの溶解レートが50nm/min程度であるのに対し、DIWによるCuOの溶解レートは、0.4nm/min〜0.5nm/min程度である。すなわち、DIWの溶解レートは、燐酸アンモニウムの溶解レートの1/100以下である。このため、ビアホールH内にDIWを供給しても、Cu配線2を放電させている最中に、Cu配線2が露出することがない。これにより、前述したような局所電流が発生せず、Cu配線2が溶出しなかったと推測される。
【0016】
燐酸アンモニウムよりもCuOの溶解レートが低い薬液としては、DIWのほかに、例えばIPA(isopropyl alcohol;イソプロピルアルコール)などが存在する。したがって、IPAなどを使用しても、Cu配線2の溶出を防止できると推測される。尚、IPAによるCuOの溶解レートは、DIWによるCuOの溶解レートよりも低い。
【0017】
尚、DIWに、例えばCO2などを溶解して、PH(potential of hydrogen)を7未満に調整しても良い。PHが7未満であれば、DIWを供給したときに、ビアホールH底に形成されるCuOの膜厚が均一になる。これは、PHを7未満に調整することで、DIWの酸化力が増加し、CuOの薄い箇所が増膜したことによると推測される。尚、CO2の濃度を0.01ppmより高くすれば、PHは7未満となる。
【0018】
このように、DIWのPHを7未満に調整して、ビアホールH底に露出するCuOの膜厚を均一にすれば、燐酸アンモニウムを供給したときに、Cu配線11の表面全体が同時に露出することになる。すなわち、Cu配線11が局所的に露出することがない。そのため、燐酸アンモニウムを供給する時点で、仮にCu配線11に電荷が残留していても、Cu配線11の表面全体から均一に電流が流れるので、Cu配線2が溶出することがない。
【0019】
尚、PHを低下させると、DIWの比抵抗値が低下するので、Cu配線11に蓄積した電荷の迅速な放電も可能となる。すなわち、PHを7未満に調整すれば、迅速な放電と、効率的なCuOの形成とを同時に実現できる。
【0020】
DIWの代わりにIPAを用いる場合、該IPAを例えば水で希釈してPHを7未満に調整すれば良い。尚、IPAのPHは7未満であるので、水で希釈すれば、PHを7に近づくことになる。
【0021】
尚、本実施形態においては、金属層として、Cu配線2を用いているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えばAlなどを含んでいても良い。
(第2の実施形態)
以下、半導体装置の製造工程の中でも、特に多層配線に含まれるビアVと配線Wの形成工程について詳細に説明する。図7−図28は本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図である。先ず、図7に示す構造を用意する。本構造は、以下のように作製される。すなわち、例えばシリコン基板(図示しない)上の酸化膜10の溝内に、例えばメッキ法により、Cu配線(金属層)11を形成する。酸化膜10としては、例えばSiO2などを用いる。そして、酸化膜10及びCu配線11上に、プラズマCVD法により、炭化膜12を形成する。炭化膜12としては、例えばSiCなどを用いる。炭化膜12の膜厚は、例えば50nmである。そして、炭化膜12上に、例えばプラズマCVD法により、酸化膜13を形成する。酸化膜13としては、例えばSiOCなどを用いる。酸化膜13の膜厚は、例えば200nmである。そして、酸化膜13上に、例えばCVD法により、酸化膜14を形成する。酸化膜14としては、例えば多孔質の低誘電率絶縁膜を用いる。酸化膜14の比誘電率は、例えば2.25程度である。酸化膜14の膜厚は、例えば150nmである。そして、酸化膜14上に、例えばプラズマCVD法により、炭化膜15を形成する。炭化膜15としては、例えばSiCなどを用いる。炭化膜15の膜厚は、例えば50nmである。そして、炭化膜15上に、例えばCVD法により、酸化膜16を形成する。酸化膜16としては、例えばSiO2などを用いる。酸化膜16の膜厚は、例えば150nmである。そして、酸化膜16上に、例えばCVD法により、窒化膜17を形成する。窒化膜17としては、例えばSiNなどを用いる。窒化膜17の膜厚は、例えば70nmである。そして、窒化膜17上にレジスト膜18を形成する。レジスト膜18の膜厚は、例えば350nmである。そして、レジスト膜18上に、例えばTEOS(tetra ethyl ortho silicate)を塗布して、酸化膜19を形成する。酸化膜19としては、例えばSiO2を用いる。酸化膜19の膜厚は、例えば50nmである。そして、酸化膜19上に、例えば塗布法により、反射防止膜20を形成する。反射防止膜20は、例えばBARC(bottom anti−reflective coating)である。そして、反射防止膜20上にArFレジストを塗布して、これに露光及び現像を施すことにより、ビアホールHのパターンが形成されたレジストパターン21を形成する。ビアホールHの内径は、例えば70nmである。
【0022】
次に、図8に示すように、レジストパターン21をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより反射防止膜20を除去する。エッチングガスとしては、例えばCF4及びCH2F2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CH2F2の流量は、例えば25sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0023】
次に、図9に示すように、レジストパターン21をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜19を除去する。これにより、酸化膜19がビアホールHのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCF4、C4F6、C4F6、CH2F2、及びArを含むガスを用いる。具体的には、CF4の流量は、例えば100sccmである。C4F6の流量は、例えば6sccmである。CH2F2の流量は、例えば10sccmである。Arの流量は、例えば30sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0024】
次に、図10に示すように、酸化膜19をマスクとして、例えばプラズマエッチングによりレジスト膜18を除去する。これにより、レジスト膜18がビアホールHのパターンにパターニングされる。このとき、レジストパターン21及び反射防止膜20も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばNH3を含むガスを用いる。NH3の流量は、例えば200sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば200Wである。
【0025】
次に、図11に示すように、酸化膜19及びレジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより窒化膜17を除去する。これにより、窒化膜17がビアホールHのパターンにパターニングされる。このとき、酸化膜19が除去されて、レジスト膜18が露出することがある。エッチングガスとしては、例えばCH2F2、O2、Arを含むガスを用いる。CH2F2の流量は、例えば30sccmである。O2の流量は、例えば9sccmである。Arの流量は、例えば100sccmである。圧力は、例えば20mTorrである。RF電源パワーは、例えば200Wである。
【0026】
次に、図12に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜16を除去する。これにより、酸化膜16がビアホールHのパターンにパターニングされる。このとき、酸化膜19も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばC4F6、O2、CH2F2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば32sccmである。O2の流量は、例えば33sccmである。CH2F2の流量は、例えば28sccmである。Arの流量は、例えば400sccmである。圧力は、例えば35mTorrである。RF電源パワーは、例えば1200Wである。
【0027】
次に、図13に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより炭化膜15を除去する。これにより、炭化膜15がビアホールHのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCH2F2、O2、及びN2を含むガスを用いる。CH2F2の流量は、例えば26sccmである。O2の流量は、例えば5sccmである。N2の流量は、例えば75sccmである。圧力は、例えば18mTorrである。RF電源パワーは、例えば400Wである。
【0028】
次に、図14に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜14を除去する。これにより、酸化膜14がビアホールHのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCF4、CHF3、CH2F2、及びN2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば80sccmである。CHF3の流量は、例えば95sccmである。CH2F2の流量は、例えば16sccmである。N2の流量は、例えば10sccmである。圧力は、70mTorrである。RF電源パワーは、例えば600Wである。
【0029】
次に、図15に示すように、レジスト膜18をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜13を除去する。これにより、酸化膜13にビアホールHが形成される。エッチングガスとしては、例えばC4F6、O2、N2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば5sccmである。O2の流量は、例えば5sccmである。N2の流量は、例えば80sccmである。Arの流量は、例えば500sccmである。圧力は、例えば50mTorrである。RF電源パワーは、例えば1200Wである。
【0030】
次に、図16に示すように、例えばアッシングによりレジスト膜18を灰化して除去する。アッシングのガスは、例えばO2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば600sccmである。圧力は、例えば20mTorrである。RF電源パワーは、例えば300Wである。
【0031】
次に、図17に示すように、レジスト材を塗布して、ビアホールH内及び窒化膜17上にレジスト膜30を形成する。レジスト膜30の膜厚は、窒化膜17の表面を基準として、例えば280nmである。そして、レジスト膜30上に、例えばTEOSを塗布して、酸化膜31を形成する。酸化膜31としては、例えばSiO2を用いる。酸化膜31の膜厚は、例えば50nmである。そして、酸化膜31上に、例えば塗布法により、反射防止膜32を形成する。反射防止膜32は、例えばBARCである。そして、反射防止膜32上にArFレジストを塗布して、これに露光及び現像を施すことにより、トレンチTのパターンが形成されたレジストパターン33を形成する。トレンチTの内径は、例えば100〜120nmである。
【0032】
次に、図18に示すように、レジストパターン33をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより反射防止膜32を除去する。エッチングガスとしては、例えばCF4及びCH2F2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CH2F2の流量は、例えば7sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0033】
次に、図19に示すように、レジストパターン33をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜31を除去する。これにより、酸化膜31がトレンチTのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしては、例えばCF4及びCH2F2を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CH2F2の流量は、例えば24sccmである。圧力は、例えば60mTorrである。RF電源パワーは、例えば500Wである。
【0034】
次に、図20に示すように、酸化膜31をマスクとして、例えばプラズマエッチングによりレジスト膜30を除去する。これにより、レジスト膜30がトレンチTのパターンにパターニングされる。このとき、レジストパターン33及び反射防止膜32も同時に除去される。ここでは、レジスト膜30を例えば280nmだけ除去するので、ビアホールH内には、レジスト膜30が残留している。エッチングガスとしては、O2及びN2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば10sccmである。N2の流量は、例えば290sccmである。圧力は、例えば40mTorrである。RF電源パワーは、例えば150Wである。
【0035】
次に、図21に示すように、レジスト膜30をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより窒化膜17を除去する。これにより、窒化膜17がトレンチTのパターンにパターニングされる。このとき、酸化膜31も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばCH2F2、O2、及びArを含むガスを用いる。CH2F2の流量は、例えば15sccmである。O2の流量は、例えば3sccmである。Arの流量は、例えば50sccmである。圧力は、例えば15mTorrである。RF電源パワーは、例えば200Wである。
【0036】
次に、図22に示すように、例えばアッシングによりレジスト膜30を灰化して除去する。アッシングのガスは、例えばO2を含むガスを用いる。O2の流量は、例えば250sccmである。圧力は、例えば80mTorrである。RF電源パワーは、例えば150Wである。本アッシングを実施すると、プラズマ中のイオンや電子がCu配線11に突入して、該Cu配線11を帯電させる。
【0037】
次に、図23に示すように、窒化膜17をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより酸化膜16を除去する。これにより、酸化膜16がトレンチTのパターンにパターニングされる。エッチングガスとしは、例えばC4F6、O2、及びArを含むガスを用いる。C4F6の流量は、例えば15sccmである。O2の流量は、例えば8sccmである。Arの流量は、例えば180sccmである。圧力は、例えば30mTorrである。RF電源パワーは、例えば1500Wである。本エッチングを実施すると、プラズマ中のイオンや電子がCu配線11に突入して、該Cu配線11を帯電させる。さらに、炭化膜12の膜厚が薄いので、エッチングガスに含まれるO2により、Cu配線11の表面全体にCuOが形成される。
【0038】
次に、図24に示すように、酸化膜16をマスクとして、例えばプラズマエッチングにより炭化膜15を除去する。これにより、炭化膜15がトレンチTのパターンにパターニングされる。このとき、炭化膜12も同時に除去されて、ビアホールH底からCu配線11が露出する。さらに、窒化膜17も同時に除去される。エッチングガスとしては、例えばCF4を含むガスを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。圧力は、例えば50mTorrである。RF電源パワーは、例えば300Wである。本エッチングを実施すると、プラズマ中のイオンや電子がCu配線11に突入して、さらに該Cu配線11を帯電させる。炭化膜15を除去した後、ビアホールH底に炭化膜12が残留していれば、例えば追加のプラズマエッチングにより炭化膜12を除去しても良い。
【0039】
次に、図25に示すように、酸化膜16及び炭化膜15をマスクとして、プラズマエッチングにより酸化膜14を除去する。これにより、酸化膜14にトレンチTが形成される。エッチングガスは、例えばCF4、CHF3、及びArを用いる。CF4の流量は、例えば100sccmである。CHF3の流量は、例えば85sccmである。Arの流量は、例えば120sccmである。圧力は、例えば250mTorrである。RF電源パワーは、例えば600Wである。
【0040】
次に、図26に示すように、トレンチT内及びビアホールH内にDIWを供給して、Cu配線2に蓄積した電荷を放電させる。尚、本実施形態においては、DIWを用いているが、例えばIPAなどを用いても良い。尚、DIWを供給するときに、スピンコータを用いても良い。
【0041】
次に、図27に示すように、トレンチT内及びビアホールH内に燐酸アンモニウムを供給して、Cu配線2の表面に形成されたCuOなどを溶解して除去する。燐酸アンモニウムを供給するときには、Cu配線2に蓄積された電荷が放電されているので、Cu配線2が局所的に露出しても、前述したような局所電流が流れることがない。尚、燐酸アンモニウムを供給するときに、スピンコータを用いても良い。
【0042】
そして、図28に示すように、例えばメッキ法により、トレンチT内及びビアホールH内に、例えば導電材料34を埋め込み、CMP(chemical mecanical polishing;化学的機械的研磨)により、炭化膜15上に形成された導電材料34を研磨する。このとき、炭化膜15は、ストッパ膜として機能する。導電材料34としては、例えばCuなどを用いる。こうしてビアVと配線Wが完成する。
【0043】
尚、本実施形態においては、図23に示すように、酸化膜16をパターニングするときにCuOが形成されている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、図15に示すように、酸化膜13にビアホールHを形成するとき、もしくは、図22に示すように、レジスト膜30を除去するときにもCuOが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その1)。
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その2)。
【図3】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その3)。
【図4】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その4)。
【図5】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その5)。
【図6】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その6)。
【図7】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その1)。
【図8】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その2)。
【図9】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その3)。
【図10】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その4)。
【図11】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その5)。
【図12】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その6)。
【図13】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その7)。
【図14】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その8)。
【図15】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その9)。
【図16】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その10)。
【図17】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その11)。
【図18】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その12)。
【図19】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その13)。
【図20】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その14)。
【図21】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その15)。
【図22】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その16)。
【図23】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その17)。
【図24】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その18)。
【図25】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その19)。
【図26】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その20)。
【図27】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その21)。
【図28】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の工程図(その22)。
【符号の説明】
【0045】
2…Cu配線、3…酸化膜(絶縁膜)、5…導電材料、11…Cu配線(金属層)、13…酸化膜(絶縁膜)、14…酸化膜(絶縁膜)、34…導電材料、H…ビアホール(孔)、T…トレンチ、V…ビア、W…配線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層上に絶縁膜を堆積する工程と、
前記絶縁膜をドライエッチングして、前記金属層に通達する孔を形成する工程と、
前記孔内に第1の薬液を供給する工程と、
前記第1の薬液を供給した後に、前記孔内に第2の薬液を供給する工程と、
前記第2の薬液を供給した後に、前記孔内に導電材料を埋め込む工程とを含み、
前記第1の薬液は、前記第2の薬液に比べて、前記孔を形成するときに前記金属層上に形成される前記金属層の酸化物の溶解レートが低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の薬液は、イオン化蒸留水もしくはイソプロピルアルコールを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2の薬液は、燐酸と水酸化アンモニウムの混合溶液もしくは弗酸と水酸化アンモニウムの混合溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記孔を形成するとき、前記絶縁膜をプラズマによりドライエッチングすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記金属層は、Cuを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載された半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記酸化物は、CuOを含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1の薬液は、PHが7未満であることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
金属層上に絶縁膜を堆積する工程と、
前記絶縁膜をドライエッチングして、前記金属層に通達する孔を形成する工程と、
前記孔内に第1の薬液を供給する工程と、
前記第1の薬液を供給した後に、前記孔内に第2の薬液を供給する工程と、
前記第2の薬液を供給した後に、前記孔内に導電材料を埋め込む工程とを含み、
前記第1の薬液は、前記第2の薬液に比べて、前記孔を形成するときに前記金属層上に形成される前記金属層の酸化物の溶解レートが低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の薬液は、イオン化蒸留水もしくはイソプロピルアルコールを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2の薬液は、燐酸と水酸化アンモニウムの混合溶液もしくは弗酸と水酸化アンモニウムの混合溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記孔を形成するとき、前記絶縁膜をプラズマによりドライエッチングすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記金属層は、Cuを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載された半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記酸化物は、CuOを含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1の薬液は、PHが7未満であることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
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【図22】
【図23】
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【図27】
【図28】
【公開番号】特開2008−251741(P2008−251741A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89797(P2007−89797)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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