説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置のバーンイン試験を行うソケットを複数備えたバーンインボードにおいて、各ソケットをバーンインボードから取り外すことなく、一括して洗浄する。
【解決手段】バーンインボード10が備える複数のソケット7は、それぞれ半導体装置を収容する窪みが形成された収容部8が配置される上面、収容部8内に配置され、バーンイン試験の際に半導体装置の外部端子と接触して通電するコンタクトピンを、それぞれ有している。ここで、ソケット7の洗浄工程では、洗浄液18aが充填された洗浄槽18に複数のソケット7の上面側が洗浄液18aに浸るように、バーンインボード(配線基板)10を洗浄槽18に配置して、複数のソケット7の上面にそれぞれ形成された収容部8内の気体を排気ノズル18cを用いて収容部8の外に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、バーンイン工程用ソケットに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程には、半導体装置の端子とコンタクトさせるピンが接続されたテストボードを用いて通電試験などを行う工程がある。このテストボードの使用回数を重ねると、ピンに汚れや異物が付着するため、これを洗浄する必要がある。
【0003】
テストボードが有するピンを洗浄する技術として、例えば、特開2004−305936号公報(特許文献1)には、プリント配線基板のインサーキットテストでの検査に用いるプローブピンを洗浄する技術が記載されている。特許文献1では、プローブピンの触針部分を下向きにした状態で、プローブピンの触針部分を洗浄液に浸して洗浄する技術が記載されている。
【0004】
また、特開2003−232830号公報(特許文献2)には、バーンインボードを洗浄用治具に装着させて、洗浄液に浸漬し、洗浄を行う技術が記載されている。
【特許文献1】特開2004−305936号公報
【特許文献2】特開2003−232830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置のバーンイン(通電加速)試験は、個々の半導体装置をバーンインソケット(以下単にソケットと記載する)に収容して行われる。本発明者らは、半導体装置のバーンイン試験技術について検討しており、以下のような課題を見出した。
【0006】
バーンイン試験は、半導体装置の外部端子に、ソケットが備えるコンタクトピンを接触させた状況下で行う。コンタクトピンの表面には、半導体装置の外部端子との接触性を向上させるため、例えば、金のめっき膜が形成されている。しかし、半導体装置の外部端子には、実装時の接合材料として半田が形成されている。このため、バーンイン試験で使用するソケットは、使用回数を重ねると、半導体装置の外部端子とソケットのコンタクトピンとが接触する箇所に半田が付着し、堆積して、その部分の抵抗値が高くなることで、正しく過負荷をかけられないことがある。
【0007】
また最近のテスト手法では、バーンイン中にテスティングを行うバーンイン装置もあり、抵抗値が高くなることで、正しくテストができなくなる。その対策として、ソケット単体を洗浄液(半田はく離液)に浸漬してコンタクトピンのピン先に付着した半田を一括で除去する方法としてケミカル洗浄がある。
【0008】
ここで、一般にバーンインボードは、製造効率向上の観点から、1枚のバーンインボードに複数のソケットを備えている。しかし、複数のソケットを一括して半田はく離液に浸漬すると、バーンインボード全体が半田はく離液に浸されることになり、ボードとソケット端子を固定している半田付け部分およびボード上に搭載されているコンデンサ/抵抗部品などのその他部品の半田付け部分まで溶かしてしまう問題がある。このため、複数のソケットを備えるバーンインボードから、各ソケットを取り外して、ソケット単体で洗浄する必要があった。
【0009】
ソケット単体で洗浄する場合、ソケットの半田付け部を溶かしながら、ボードから外していた。ボードからソケット抜き、再実装することは、作業費用・時間がかかるため実用的でなかった。また、抜き取り/再実装するため、機械的/熱的負荷によりボード/ソケットへのダメージが大きく、再接合部の信頼性が低下する問題があった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体装置のバーンイン試験を行うソケットを複数備えたバーンインボードにおいて、各ソケットをバーンインボードから取り外すことなく、一括して洗浄することができる技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0013】
すなわち、本発明の一つの実施の形態における半導体装置の製造方法は、複数の外部端子を有する複数の半導体装置、および前記複数の半導体装置をそれぞれ収容する複数のソケットを有し、前記複数のソケットと電気的に接続される配線基板をそれぞれ準備する工程を有している。また、前記複数のソケットに前記半導体装置を位置合わせしてそれぞれ収容し、前記複数のソケットがそれぞれ有する複数の接触治具と、前記半導体装置の複数の外部端子を接触させた状態で、加速試験を行う工程と、前記加速試験の後、前記半導体装置を取り外し、前記複数のソケットが前記配線基板に取り付けられた状態で、前記複数のソケットを一括して洗浄する洗浄工程と、を含んでいる。ここで、前記ソケットは、前記半導体装置を収容する窪みが形成された収容部が配置される上面、前記収容部内に配置され、前記加速試験の際に前記半導体装置の前記外部端子と接触して通電する前記接触治具、および前記配線基板と電気的に接続される端子が配置される下面を、それぞれ有している。また、前記洗浄工程には、洗浄液が充填された洗浄槽に前記複数のソケットの前記上面側が前記洗浄液に浸るように、前記配線基板を前記洗浄槽に配置する工程と、前記複数のソケットの前記上面にそれぞれ形成された前記収容部内の気体を前記収容部の外に排出する工程と、が含まれているものである。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0015】
すなわち、半導体装置のバーンイン試験を行うソケットを複数備えたバーンインボードにおいて、各ソケットをバーンインボードから取り外すことなく、一括して洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0017】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0018】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施例等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
【0019】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0020】
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
【0021】
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
<半導体装置の構造>
図1は、本実施の形態1の半導体装置の一例を示す平面図、図2は、図1に示すA−A線に沿った断面図である。
【0025】
図1および図2に示す本実施の形態1の半導体装置は、半導体チップが搭載され、半導体チップと電気的に接続される複数の外部端子を有するパッケージである。ここでは、半導体チップ2が封止体4に封止され、封止体4の4つの側面からそれぞれ突出する複数のアウタリード(外部端子)5bがガルウィング状に形成されたQFP(Quad Flat Package)1を一例として取り上げて説明する。
【0026】
QFP(半導体装置)1は、主面2aに半導体素子および複数のパッド(端子)2cが形成されたチップ(半導体チップ)2を有している。半導体チップ2は封止体4により樹脂封止されている。この半導体チップ2の主面2aに形成される半導体素子は、例えばトランジスタなどの素子であり、複数の半導体素子が集積回路を構成している。
【0027】
半導体チップ2は、ダイパッド(チップ搭載部)5cに接合(搭載)されている。このダイパッド5cは、例えば略円形の外形形状を有し、QFP1の外側に放射状に延びるように配置される複数の吊りリードに支持されている。
【0028】
また、ダイパッド5cの周囲には、複数のインナリード5aが4方向に延在するように配置されている。インナリード5aは封止体4の4つの側面からそれぞれ突出する複数のアウタリード5bとそれぞれ一体に形成されている。封止体4の側面から突出する複数のアウタリード5bはQFP1の外部接続端子となっている。
【0029】
ダイパッド5cを支持する複数の吊りリードは、インナリード5aが延在する4方向のうち、交差する2方向のインナリード群の間にそれぞれ配置されている。また、複数の吊りリードは、複数の吊りリードのそれぞれの端部(一端部)がダイパッド5cと連結するように、一体に形成されている。また、この端部と反対側の端部(他端部)は、封止体4の外縁部側に位置している。
【0030】
インナリード5a、アウタリード5b、ダイパッド5c、および吊りリードはそれぞれQFP1の製造に用いるリードフレームの一部を構成し、個片化される前はそれぞれ一体に形成されている。
【0031】
また、半導体チップ2のパッド2cは、それぞれワイヤ(導電性部材)6を介してインナリード5aと電気的に接続されている。ワイヤ6とインナリード5aとの接合部には、それぞれ、銀などからなるめっき層5dが形成され、ワイヤ6はめっき層5dと接合されている。
【0032】
アウタリード5bは、屈曲部を有し、QFP1の下面方向に曲げ加工が施されている。これはQFP1を図示しない実装基板上に実装する際にアウタリード5bと実装基板の端子との電気的接続信頼性を高めるためである。また、アウタリード5bの表面には、例えば半田からなる外装めっき層5eが形成されている。QFP1を実装基板に実装するマウント工程では、アウタリード5bを実装基板側の端子に半田などの接合材料を介して電気的に接続する。このため、アウタリード5bの表面に半田からなる外装めっき層5eを形成しておくことにより、マウント工程において、実装基板とQFP1の接合性を向上させることができるので、電気的接続不良を防止ないしは抑制することができる。
【0033】
<半導体装置の製造方法>
次に図1および図2に示すQFP1の製造方法の概要について説明する。図3は、本実施の形態1の半導体装置の製造工程の概要を示すフロー図である。なお、以下の説明において、特に参照図を示した場合を除き、図1あるいは図2を参照して説明する。
【0034】
まず、リードフレーム準備工程として、リードフレーム(図示は省略)を準備する。本工程で用意するリードフレームは、半導体装置1個分に対応する単位リードフレームが、支持枠によって、平面的に複数個連結されたものを用いることができる。また、各単位リードフレームに形成されたインナリード5a、アウタリード5b、ダイパッド5c、および吊りリードは一体に形成され、リードフレームの支持枠などを介してそれぞれ連結されている。
【0035】
次に、チップ搭載工程として、半導体チップ2を準備して、ダイパッド5cに半導体チップ2を接合(搭載)する。本工程では、例えば、半導体チップ2の裏面2bをダイパッド5cの上面と対向させた状態で、ダイパッド5c上に配置して、接着材を介して固定する。
【0036】
次に、ワイヤボンディング工程として半導体チップ2と複数のリードであるインナリード5aのそれぞれを電気的に接続する。本工程では、半導体チップ2の主面2aに形成された複数のパッド2cと複数のインナリード5aをワイヤ6などの導電性部材を介して電気的に接続する。
【0037】
次に、樹脂封止工程として、リードフレームに接合された半導体チップ2を封止体4により樹脂封止する。本工程では、例えば、単位リードフレーム毎にキャビティが形成された金型(上金型と下金型)とでリードフレームを挟み込み、該キャビティ内に封止樹脂を注入、硬化させる。封止樹脂が硬化した後、金型を取り外すと、半導体装置1個分に相当する単位リードフレーム毎に封止体4が形成され、封止体4の側面からアウタリード5bが導出された状態となる。
【0038】
次に、外装めっき工程として、封止体4の外に露出するアウタリード5bの表面に半田からなる外装めっき層5eを形成する。本工程は、例えば、単位リードフレーム毎に封止体4が形成されたリードフレームを、めっき液に浸漬し、外装めっき層5eを形成する。
【0039】
次に、個片化工程として、各アウタリード5bを接続するダムバー(各アウタリード5bの連結部)を切断するとともに、アウタリード5bを図2に示すようにガルウィング状に成形することにより図1および図2に示すQFP1が得られる。
【0040】
次に、検査工程として、後述するバーンイン試験(加速試験)を含む種々の検査を行う。
【0041】
<バーンイン試験>
次に、本実施の形態1の半導体装置のバーンイン試験(加速試験)について説明する。ここで、本実施の形態1において、バーンインまたはバーンイン試験とは、初期故障を除去するための一手法であり、通常、半導体デバイス製造におけるスクリーニング工程として、温度および電圧ストレスを印加することによってストレスを加速し、初期不良品を除去することをいうものである。
【0042】
図4は、本実施の形態1におけるバーンイン試験で用いるソケットが複数搭載されたバーンインボードの断面図である。図5および図6は、それぞれ図4に示す複数のソケットの1個分を拡大して示す要部平面図および要部断面図である。なお、図4に示す半導体装置は見やすさのため図5では図示を省略している。また、図7は、図6に示すコンタクトピンの先端周辺を拡大して示す要部拡大断面図である。
【0043】
図4において、本実施の形態1のバーンインボード(配線基板)10には複数のソケット7を有している。複数のQFP1に対してするバーンイン試験を一括して行うことで、効率を向上させるためである。
【0044】
図6に示すように、各ソケット7は、バーンイン試験対象の半導体装置であるQFP1を収容する窪みが形成された収容部8が配置される上面7a、収容部8内に配置され、加速試験の際にQFP1のアウタリード5bと接触して通電するコンタクトピン(接触治具)9、およびソケット7を取り付けるバーンインボード(配線基板)10と電気的に接続される端子14aが配置される下面7bを有している。
【0045】
各ソケット7は、バーンインボード10のソケット配置領域に形成された貫通孔に端子14aが差し込まれている。またソケット7は、半田からなる接合材17で端子14aの差し込まれた領域を接合することにより、バーンインボード10に固定されるとともに、バーンインボード10に形成された配線(回路)と電気的に接続されている。また、バーンインボード10にはコンデンサ16などの電子部品が接合材17により接合されている。なお、図4では電子部品の例としてコンデンサ16を1個搭載した例を示しているが、電子部品としては、コンデンサの他に、例えば、抵抗素子、インダクタなどを用いることができる。また、電子部品の数についても図4に示す1個に限定されず、複数の電子部品が搭載されていても良いことは言うまでもない。
【0046】
また、ソケット7はQFP1を収容部8内の所定位置へ誘導するための誘い込みガイド11、QFP1を収容部8内の所定位置で位置決めおよび保持するための位置決めガイド12、および、コンタクトピン9、押し込みピン13、および端子14aが一体に形成された接触治具14等が配置されている。また、収容部8の上部には、ばね(図示は省略)を介して蓋15が配置されている。
【0047】
蓋15は、ばねの弾性力によって通常は持ち上げられた状態となっているが、押し下げられることによって押し込みピン13を下方へ押し込む。それに連動して押し込みピン13と一体に形成されているコンタクトピン9が持ち上がり、ソケット7へQFP1を導入できる状態となる。この状況下で、ソケット7へQFP1を導入する。
【0048】
位置決めガイド12は、ソケット7へ導入されたQFP1の封止体4を支持することでQFP1を保持し、QFP1のアウタリード5bの各々には、所定の位置にてコンタクトピン9が上方から接触する。ソケット7へQFP1を導入した後、再び蓋15を開放することで下方へ押し下げられていた押し込みピン13が元の位置へ復元し、それに連動してコンタクトピン9が下がる。それにより、アウタリード5bは、所定位置で上方からのコンタクトピン9と接触した状態となり、この状態でQFP1のバーンイン試験が行われる。また、コンタクトピン9が下がってアウタリード5bと接触した際に、コンタクトピン9がワイピング動作(コンタクトピン9の先端がアウタリード5bに倣って擦動する動作)を行うことでアウタリード5bの表面の自然酸化膜等の酸化膜を破り、アウタリード5bとの電気的接続を確実にする。
【0049】
また、この時、接触治具14から種々の信号をアウタリード5bへ送る構成としてもよい。それにより、QFP1には、温度および電圧ストレスの印加によるストレス加速が実施されるだけでなく、コンタクトピン9と接触して電気的に接続されたアウタリード5bを通じて種々の信号が送り込まれ、正常に動作するか否か試験することもできるようになる。
【0050】
ここで、バーンイン試験を正しく行うためには、コンタクトピン9とアウタリード5bとの電気的接続性が重要となる。このため、図7に示すように、コンタクトピン9の表面には、例えば金(Au)からなるめっき層9cが形成されている。詳しくは、銅合金(例えばBe−Cu)の基材9aの表面に、ニッケル(Ni)からなる下地めっき層9bを形成し、その表面に金のめっき層9cを形成している。また、前記の通り、アウタリード5bとコンタクトピン9を接触させる際には、ワイピング動作を行うことで、確実に接触させている。
【0051】
しかし、アウタリード5bの表面には、外装めっき層5eが形成されているため、使用回数を重ねると、コンタクトピン9の表面に外装めっき層5e由来の半田9dなどの異物が付着し、堆積する。つまり、コンタクトピン9のアウタリード5bと接触する領域に半田9dが堆積する。この結果、コンタクトピン9とアウタリード5bとの接触箇所の抵抗値が高くなることで、バーンイン試験において、正しく過負荷をかけられない問題が発生する。
【0052】
このため、ソケット7は、少なくとも複数回のバーンイン試験を行う毎、あるいは1回毎に、コンタクトピン9の表面に付着した半田9dを取り除くための洗浄工程が必要となる。以下、本実施の形態1の洗浄方法について説明する。図8は、本実施の形態1のソケットの上面側を洗浄槽に浸漬した状態を示す断面図である。また、図9は図8に示す洗浄槽の変形例を示す断面図である。
【0053】
ソケット7の洗浄工程は、図4に示すQFP1をそれぞれ取り外した後で行う。押し込みピン13を押し下げることにより、コンタクトピン9がアウタリード5bから離れるので、QFP1を取り出すことができる。洗浄工程ではコンタクトピン9に堆積した半田を洗浄液(半田はく離液)18aに浸漬することにより除去する。
【0054】
本実施の形態1では、洗浄工程の効率を向上する観点から、図8に示すようにバーンインボード10に取り付けられたソケット7を取り外すことなく洗浄を行う。この場合、バーンインボード10まで洗浄液18aに浸漬されると、ソケット7あるいはコンデンサ16などの電子部品を固定している半田(接合材17)まで溶解してしまい、ソケット7や電子部品が外れてしまう。このため本実施の形態1では、図8に示すようにバーンインボード10とソケット7の上下を反転し、洗浄液18aが充填された洗浄槽18に複数のソケット7の上面7a(図6参照)側のみが洗浄液18aに浸るようにバーンインボード10を洗浄槽18に配置する。洗浄槽18には、例えば図8に示すように液面計18bが配置されており、この液面計18bで洗浄液18aの水位を調節することにより、バーンインボード10が洗浄液18aに浸ることを防止することができる。
【0055】
ここで、図8に示すようにソケット7の上下を反転させて洗浄液18aに浸漬する場合、新たな課題が生じることを本発明者は見出した。すなわち、バーンイン試験のソケット7は上面側にQFP1を収容するための窪み(収容部8)を有しているため、単に上下を反転させたのみでは、窪み部分に気体がたまるため、収容部8は洗浄液18aに十分に浸らない。また、コンタクトピン9、特に、図7に示す半田9dが堆積しているコンタクトピン9の先端部分は収容部8の内部に配置されている。この結果、コンタクトピン9に堆積した半田9dを十分に除去することができないという課題が判明した。
【0056】
そこで、本実施の形態1では、上記新たな課題に基づいて、複数のソケット7の上面7aにそれぞれ形成された収容部8内の気体を収容部8の外に排出する工程を設けることにより、コンタクトピン9を洗浄液18aに確実に浸漬する構成とした。具体的手段としては、例えば、図8に示すように、収容部8が配置される位置に排気ノズル18cを配置して、収容部8内の気体を排気する。排気ノズル18cは、複数のソケット7の収容部8のそれぞれに対応させて配置する。詳しくは、排気ノズル18cの先端が収容部8内に位置するように配置する。排気ノズル18cの先端が収容部8内に位置していれば、排気容量を調節することにより、収容部8内の気体を排気することができる。収容部8内の排気が進み、残留する気体が少なくなると、排気ノズル18cから洗浄液18aも排出されることとなるが、この場合、排気ノズル18cで回収された洗浄液18aを再度、洗浄槽18に流入させる経路(循環経路18d)を設けることにより、洗浄液18aの不足を防止することができる。
【0057】
このように本実施の形態1によれば、洗浄液18aをコンタクトピン9の先端に確実に接触させることができるため、コンタクトピン9の先端に堆積した半田を効率的に取り除くことができる。
【0058】
また、コンタクトピン9の先端は、前記したように蓋15を押し込んでいない状態においては、ばねの力が作用するので、収容部8の底面に近い位置に配置されている。このため、コンタクトピン9の先端と収容部8の底面との間に十分な隙間が確保されない場合には、洗浄液18aとの接触が不十分となる場合がある。したがって、洗浄工程では、蓋15をバーンインボード10の方向に押し込んだ状態で行うことが好ましい。これにより、コンタクトピン9の先端と収容部8の底面との間に十分な隙間を確保することができるので、より確実に洗浄液18aと接触させることができる。
【0059】
図8に示すようにソケット7の上下を反転して洗浄槽18に設置した場合、ソケット7およびバーンインボード10の自重により蓋15がソケット7の方向に押し込まれることとなるので、コンタクトピン9の先端は、ある程度開いた状態となる。
【0060】
しかし、ソケット7およびバーンインボード10の自重による押し込み力では、十分な隙間が確保できない場合には、変形例として図9に例示するように、蓋15を押し込んだ状態で、バーンインボード10と複数のソケット7を挟んで固定するソケット開き治具19を用いて行うことができる。
【0061】
図9に示すソケット開き治具19の構成を説明すると、以下である。ソケット開き治具19は、バーンインボード10の裏面側に配置するボード抑え板19a、ソケット7の上面側に配置されるソケット抑え板19b、ボード抑え板19aとソケット抑え板19bを所定の間隔で固定し、一体化させるクリアランス調整部材19c、およびボード抑え板19aとバーンインボード10の間に配置され、ソケット7の端子14aを保護する保護部材19dを備えている。ソケット開き治具19は一対の板(ボード抑え板19aおよびソケット抑え板19b)でバーンインボード10と複数のソケット7を挟みこんで固定することにより、各ソケット7に取り付けられた蓋15をソケット7の方向に押し込んだ状態で固定することができる。なお、保護部材19dは、バーンインボード10およびソケット7を挟みこんだときにソケット7の端子14a(図6参照)が変形してしまうのを防止するための緩衝部材であり、ゴムなどの弾性体で構成されている。
【0062】
このように、バーンインボード10と複数のソケット7を挟んで固定するソケット開き治具19を用いることにより、確実にコンタクトピン9の先端と収容部8の底面との間に十分な隙間を確保することができるので、コンタクトピン9の先端部分の洗浄信頼性を向上させることができる。
【0063】
洗浄工程が終わると、リンス工程として、ソケット7に付着した洗浄液18aを洗い流す。図10は、本実施の形態1のリンス工程を説明するための断面図である。本工程では、例えば水などからなるリンス液をソケット7の上面7a側に当てることにより、洗浄液18aを取り除く。ここで、リンス工程では、図8あるいは図9に示す洗浄槽18にリンス液を充填して行うこともできる。しかし、リンス工程では、ソケット7から取り除かれた半田の残渣が残っている場合がある。このため、洗浄槽18のように液を溜めて濯ぐ方法(溜め濯ぎ方式)では、繰り返し使用した場合に、リンス液内に残った半田の残渣が再付着する場合がある。また、溜め濯ぎ方式で、繰り返しリンス工程を行うと、リンス液中の洗浄液18aの濃度が上昇し、十分な濯ぎ効果が得られない場合がある。したがって、リンス液からの再汚染を防止する観点からは、図10に示すようにソケット7の上面7aにノズル20からリンス液21を吹き付けるように当てて行う方式が好ましい。図10では、ソケット7の上面7a(図6参照)側が下向きとなるようにバーンインボード10を配置して、ソケット7の下側にリンス液21を吹き付けるノズル20を配置している。
【0064】
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、ソケット7の上面7a側を洗浄液18aに浸してコンタクトピン9の先端に堆積した半田を取り除く方法について説明した。しかし、製造効率向上の観点からは、ソケット7の洗浄を行ってから次の洗浄を行うまでに行うバーンイン試験の回数をできる限り増やすことが好ましい。しかし、このようにソケット7の洗浄を行ってから次の洗浄を行うまでに行うバーンイン試験の回数を増やした場合、洗浄液18aに浸したのみでは半田を除去しきれない場合がある。
【0065】
本実施の形態2では、洗浄液18aに浸したのみでは除去しきれない半田を効率的に除去する方法について説明する。図11は、本実施の形態2の研磨工程を説明する図であって、コンタクトピンの周辺を拡大して示す要部拡大平面図である。なお、本実施の形態2では、前記実施の形態1で説明した洗浄工程に研磨工程を追加している点を除き、前記実施の形態1と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0066】
図11において、本実施の形態2の研磨工程では、研磨シート22をコンタクトピン9の先端に押し当てた状態で擦ることにより半田9dを取り除く。ここで、研磨シート22を単にコンタクトピン9に押し当てて擦るのみでは、研磨シート22がコンタクトピン9の押圧力を分散してしまうため、容易に半田9dを取り除くことができない。
【0067】
そこで、本実施の形態2では、図11に示すように、収容部8内にサポート台(研磨サポート台)23を配置して、サポート台23とコンタクトピン9の先端とで、研磨シート22を挟みこんだ状態で研磨する。これにより、コンタクトピン9の先端に一定の押圧力を加えることができるので、半田9dを容易に研磨することができる。
【0068】
また、サポート台23の上面(研磨シート22を配置する面)には、コンタクトピン9の先端と対向する位置に屈曲部23aが形成されており、コンタクトピン9の先端は、この屈曲部23a上に配置された研磨シート22によって、包まれる状態で配置されている。換言すると、サポート台23の上面は、傾斜角度の異なる第1の面23b(図11では水平)および第2の面23c(図11では数十度)を有し、コンタクトピン9の先端は、傾斜角度が変化する地点である屈曲部23aと対向する位置に配置されている。
【0069】
これにより、単に平坦なサポート台を用いて研磨シート22を挟みこむ場合と比較して、図11に示すように、半田9dが堆積した領域を広く研磨シート22で覆うことができる。この状態で研磨シート22を上方に引き抜くと、研磨シート22と当接した領域全体が研磨されることとなるので、当該領域の半田9dが研磨される。すなわち、容易に半田9dを取り除くことができる。
【0070】
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2では、コンタクトピン9の先端に堆積した半田9dを取り除く方法について説明した。しかし、半田9dを除去する際に、コンタクトピン9の表面に形成された金めっき等のめっき層9cまで除去されてしまう場合がある。特に前記実施の形態2で説明したように、物理的に研磨して半田を除去する場合には、めっき層9cの一部が剥がれてしまう場合がある。この場合、コンタクトピン9の表面に再度めっき処理を施し、めっき層9cを形成する必要がある。
【0071】
本実施の形態3では、コンタクトピン9の表面にめっき層を形成する方法について説明する。なお、本実施の形態3では、前記実施の形態1、2で説明した洗浄工程あるいは研磨工程にめっき工程を追加している点を除き、前記実施の形態1、2と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0072】
図12は本実施の形態3のめっき工程を示す説明図であって、ソケットの上面側を洗浄槽に浸漬した状態を示す断面図である。
【0073】
図11に示すコンタクトピン9の表面にめっき層9cを形成する場合、ソケット7をめっき液中に浸漬した状態でコンタクトピン9に通電し、めっき層9cを形成する電気めっき法が好ましい。また、前記実施の形態1、2と同様に、本実施の形態3でも、洗浄工程、あるいは研磨工程は、各ソケット7をバーンインボード10から取り外すことなく一括して行うので、めっき工程でも複数のソケット7がバーンインボード10に取り付けられた状態で行うのが、製造効率の観点から好ましい。
【0074】
ところが、既述の通り、本実施の形態3のソケット7は、収容部8に窪みを有しているため、単にバーンインボード10とソケット7の上下を反転してめっき液に浸けるのみでは、収容部8に空気などの気体が滞留する結果、コンタクトピン9の先端がめっき液と接触しないという問題が生じる。
【0075】
そこで、本実施の形態3では、前記実施の形態1の洗浄工程において説明した技術を応用して収容部8に滞留する気体を排出する機構をめっき槽に設けた。すなわち、本実施の形態3では、図12に示すようにバーンインボード10とソケット7の上下を反転し、めっき液26aが充填されためっき槽26に複数のソケット7の上面7a(図6参照)側のみがめっき液26aに浸るようにバーンインボード10をめっき槽26に配置する。
【0076】
また、めっき槽26には、液面計18b(図8参照)が配置されており、この液面計18bでめっき液26aの水位を調節することにより、バーンインボード10がめっき液26aに浸ることを防止することができる。
【0077】
また、本実施の形態3では、複数のソケット7の上面7aにそれぞれ形成された収容部8内の気体を収容部8の外に排出する工程を設けることにより、コンタクトピン9をめっき液26aに確実に浸漬する構成とした。具体的手段としては、例えば、図12に示すように、収容部8が配置される位置に排気ノズル18cを配置して、収容部8内の気体を排気する。排気ノズル18cは、複数のソケット7の収容部8のそれぞれに対応させて配置する。詳しくは、排気ノズル18cの先端が収容部8内に位置するように配置する。排気ノズル18cの先端が収容部8内に位置していれば、排気容量を調節することにより、収容部8内の気体を排気することができる。収容部8内の排気が進み、残留する気体が少なくなると、排気ノズルからめっき液26aも排出されることとなるが、この場合、排気ノズル18cで回収されためっき液26aを再度めっき槽26に流入させる経路(循環経路18d)を設けることにより、めっき液26aの不足を防止することができる。
【0078】
また、めっき工程においては、コンタクトピン9の先端がめっき液26aに完全に浸っていない場合、形成されるめっき層9c(図11参照)の層厚が変化してしまうため、抵抗値が変化してしまう虞がある。このため、本実施の形態3では、コンタクトピン9の先端をめっき液26aに浸漬することを確実にするため、前記実施の形態1の変形例として図9を用いて説明したソケット開き治具19を用いている。
【0079】
めっき工程に、バーンインボード10と複数のソケット7を挟んで固定するソケット開き治具19を用いることにより、確実にコンタクトピン9の先端と収容部8の底面との間に十分な隙間を確保することができるので、コンタクトピン9の先端部分をめっき液26aに確実に浸漬することができるので、めっき信頼性を向上させることができる。
【0080】
また、めっき工程にソケット開き治具19を用いる場合、図12に示すように保護部材19dとバーンインボード10との間に給電シート24を配置することができる。この給電シート24は、例えばアルミ箔などの金属薄膜からなる導電性シートであり、図12に示すようにバーンインボード10の裏面形状に倣って変形させることができる。また、ソケット開き治具19の保護部材19dをゴムなどの弾性体で構成すると、保護部材19dがバーンインボード10の裏面形状に倣って変形するので、給電シート24と、バーンインボード10の裏面側から露出するソケット7の端子14aの密着性を向上させることができる。
【0081】
ここで、電気めっき法では、図12に示すように給電シート24と、めっき液26a内に配置した電極25の間で通電することにより、コンタクトピン9の表面に、例えば金など所望の金属めっき層を析出させる。したがって、形成されるめっき層9c(図11参照)の層厚は、供給される電流量が変化すると、異なる厚さとなる。
【0082】
つまり、本実施の形態3によれば、給電シート24とソケット7の端子14aの密着性を向上させることにより、めっき工程において供給される電流量を安定化させることができるため、コンタクトピン9の表面に形成されるめっき層9c(図11参照)の層厚を略一定とすることができる。このため、前記実施の形態1において説明したバーンイン試験において、コンタクトピン9からQFP1に供給される電流量を安定化させて正しく負荷をかけることができる。
【0083】
なお、本実施の形態3では、前記実施の形態1で説明した洗浄工程、および前記実施の形態2で説明した研磨工程の後で、めっき工程を行う態様について説明したが、これに限定されるわけではない。コンタクトピン9の先端に堆積した半田などの異物の状況に応じて、洗浄工程あるいは研磨工程のいずれか一方を省略して行うことができる。この場合、いずれか一方の工程を省略することにより、製造効率を向上させることができる。
【0084】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0085】
例えば、実施の形態1〜3では半導体装置の例としてQFPについて説明した。しかし、実施の形態1〜3で説明した技術は、バーンイン試験を行うためのソケットの上面側に、窪んだ収容部が形成されている場合に広く適用することができる。例えば、QFN(Quad Flat Non−leaded package)やBGA(Ball Grid Allay)など、半導体装置の外部端子がパッケージの下面側に配置されるタイプのパッケージがある。これらのパッケージのバーンイン試験を行うソケットにおいては、外部端子と接触させるコンタクトピンの配置が収容部の底面側に配置されることとなるので、ソケットの上面側を洗浄液、あるいはめっき液に浸漬させた際に、収容部に残留する気体を排気することで、洗浄信頼性、あるいはめっき信頼性を大きく向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、バーンイン試験を行う半導体装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態である半導体装置の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示すA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の一実施形態である半導体装置の製造工程の概要を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるバーンイン試験で用いるソケットが複数搭載されたバーンインボードの断面図である。
【図5】図4に示す複数のソケットの1個分を拡大して示す要部平面図である。
【図6】図4に示す複数のソケットの1個分を拡大して示す要部断面図である。
【図7】図6に示すコンタクトピンの先端周辺を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明の一実施形態であるソケットの上面側を洗浄槽に浸漬した状態を示す断面図である。
【図9】図8に示す洗浄槽の変形例を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施形態であるリンス工程を説明するための断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態における研磨工程を説明する図であって、コンタクトピンの周辺を拡大して示す要部拡大平面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態におけるめっき工程を示す説明図であって、ソケットの上面側を洗浄槽に浸漬した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 QFP(半導体装置)
2 チップ(半導体チップ)
2a 主面
2b 裏面
2c パッド(端子)
3 接着剤
4 封止体
5a インナリード(リード)
5b アウタリード
5c ダイパッド(チップ搭載部)
5d めっき層
5e 外装めっき層
6 ワイヤ(導電性部材)
7 ソケット
7a 上面
7b 下面
8 収容部
9 コンタクトピン
9a 基材
9b 下地めっき層
9c めっき層
9d 半田
10 バーンインボード(配線基板)
11 誘い込みガイド
12 位置決めガイド
13 押し込みピン
14 接触治具
14a 端子
15 蓋
16 コンデンサ(電子部品)
17 接合材
18 洗浄槽
18a 洗浄液(半田はく離液)
18b 液面計
18c 排気ノズル
18d 循環経路
19 ソケット開き治具
19a ボード抑え板
19b ソケット抑え板
19c クリアランス調整部材
19d 保護部材
20 ノズル
21 リンス液
22 研磨シート
23 サポート台(研磨サポート台)
23a 屈曲部
23b 第1の面
23c 第2の面
24 給電シート
25 電極
26 めっき槽
26a めっき液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外部端子を有する複数の半導体装置を準備する工程と、
前記複数の半導体装置をそれぞれ収容する複数のソケットを有し、前記複数のソケットと電気的に接続される配線基板を準備する工程と、
前記複数のソケットに前記半導体装置を位置合わせしてそれぞれ収容し、前記複数のソケットがそれぞれ有する複数の接触治具と、前記半導体装置の複数の外部端子を接触させた状態で、加速試験を行う工程と、
前記加速試験の後、前記半導体装置を取り外し、前記複数のソケットが前記配線基板に取り付けられた状態で、前記複数のソケットを一括して洗浄する洗浄工程と、を含み、
前記ソケットは、前記半導体装置を収容する窪みが形成された収容部が配置される上面、前記収容部内に配置され、前記加速試験の際に前記半導体装置の前記外部端子と接触して通電する前記接触治具、および前記配線基板と電気的に接続される端子が配置される下面を、それぞれ有し、
前記洗浄工程には、
洗浄液が充填された洗浄槽に前記複数のソケットの前記上面側が前記洗浄液に浸るように、前記配線基板を前記洗浄槽に配置する工程と、
前記複数のソケットの前記上面にそれぞれ形成された前記収容部内の気体を前記収容部の外に排出する工程と、が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記収容部内の気体を前記収容部の外に排出する工程では、前記複数のソケットがそれぞれ有する前記収容部内に、排気ノズルの先端を配置して行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記洗浄工程の後、前記複数の接触治具に堆積した異物を研磨シートにより研磨して取り除く研磨工程を有し、
前記研磨工程は、前記ソケットの収容部内に研磨サポート台を配置して、前記研磨サポート台と前記接触治具の先端とで、前記研磨シートを挟みこんだ状態で研磨を行い、
前記研磨サポート台の上面は、傾斜角度の異なる第1の面および第2の面を有し、前記接触治具の先端は、前記第1および第2の面の傾斜角度が変化する地点である屈曲部に当たる位置に配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記洗浄工程の後、前記接触治具の表面に金属のめっき層を形成するめっき工程を有し、
前記めっき工程には、
めっき液が充填されためっき槽に前記複数のソケットの前記上面側が前記めっき液に浸るように、前記配線基板を前記めっき槽に配置する工程と、
前記複数のソケットの前記上面にそれぞれ形成された前記収容部内の気体を前記収容部の外に排出する工程と、が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
複数の外部端子を有する複数の半導体装置を準備する工程と、
前記複数の半導体装置をそれぞれ収容する複数のソケットを有し、前記複数のソケットと電気的に接続される配線基板を準備する工程と、
前記複数のソケットに前記半導体装置を位置合わせしてそれぞれ収容し、前記複数のソケットがそれぞれ有する複数の接触治具と、前記半導体装置の複数の外部端子を接触させた状態で、加速試験を行う工程と、
前記加速試験の後、前記半導体装置を取り外し、前記複数のソケットが前記配線基板に取り付けられた状態で、前記複数の接触治具に堆積した異物を研磨シートにより研磨して取り除く研磨工程と、
前記研磨工程の後、前記接触治具の表面に金属のめっき層を形成するめっき工程と、を含み、
前記めっき工程には、
めっき液が充填されためっき槽に前記複数のソケットの前記上面側が前記めっき液に浸るように、前記配線基板を前記めっき槽に配置する工程と、
前記複数のソケットの前記上面にそれぞれ形成された前記収容部内の気体を前記収容部の外に排出する工程と、が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−127806(P2010−127806A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303671(P2008−303671)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】