説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】動作電圧やしきい値電圧が相異なり、高誘電率ゲート絶縁膜/メタルゲート電極構造を有するP型MISFETを共通の基板上に混載可能にする。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板100と、半導体基板100のうち第1のTr領域内に位置する領域に形成された第1の活性領域103aと、半導体基板100のうち第2のTr領域内に位置する領域に形成された第2の活性領域103bと、第1の活性領域103a上に形成された第1のP型MISFET150aと、第2の活性領域103b上に形成された第2のP型MISFET150bとを備えている。第1のP型MISFET150aは、ゲルマニウムを含有する半導体で構成された第1の半導体層104と、シリコンで構成された第2の半導体層105とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載された技術は、ゲルマニウム(Ge)を含む半導体で構成されたチャネル領域を有するPチャネル型電界効果型トランジスタ(P型FET)と、シリコン(Si)で構成されたチャネル領域を有するP型FETの双方を有する半導体装置とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置のデザインルールの縮小に伴い、回路の集積度は飛躍的に向上し、1チップ上に1億個以上の電界効果型トランジスタ(FET)の搭載も可能となっている。高性能なトランジスタを実現するためには、ゲート長の縮小だけでなく、ゲート絶縁膜の薄膜化も求められる。従来、ゲート絶縁膜としては、シリコン酸化膜、あるいは、その窒化膜であるシリコン酸窒化膜が用いられてきたが、Equivalent Oxide Thickness(EOT)=2nm以下の薄膜領域になると、ゲートリーク電流が増大し、回路の消費電力が増大するという不具合が発生する。
【0003】
そこで、ゲートリーク電流を低減しつつ、EOT薄膜化を実現するために、高誘電率ゲート絶縁膜に関心が寄せられている。また、更なるEOT薄膜化のために、窒化チタンや窒化タンタルなどといったメタル材料を含むゲート電極を、高誘電率ゲート絶縁膜と組み合わせた、高誘電率ゲート絶縁膜/メタルゲート電極構造を有するトランジスタについて、多くの研究開発がなされている。
【0004】
従来から用いられているシリコンゲート電極では、不純物イオンの注入によってシリコンゲート電極の仕事関数を調整し、N型metal-insulator-semiconductor (MIS)FETとP型MISFETのそれぞれが適当なしきい値電圧を示すようにしている。ところが、メタル電極に対しては、不純物注入による仕事関数制御が出来ないため、トランジスタのしきい値電圧制御が大きな課題となっている。
【0005】
P型MISFETのしきい値電圧制御、特にしきい値電圧を低減するための対策として、トランジスタのチャネル領域を従来のSiに対して、Si1-xGex(0<x≦1)(以下、単に「SiGe」と表記する場合もあり)で構成することが提案されている(非特許文献1)。
【0006】
チャネル領域を、SiGe層で形成することによってしきい値電圧が低減するメカニズムは以下の通りである。
【0007】
Siのエネルギーバンドギャップは、1.12eVであるのに対して、Geのエネルギーバンドギャップは0.66eVと小さく、それらの混晶であるSi1-xGex(0<x≦1)のエネルギーバンドギャップは組成比xに応じて、0.66〜1.12eVの間で連続的に変化する。SiとGeの電子親和力はほぼ同じであるため、組成比xの変化に伴う、Si1-xGex(0<x≦1)のエネルギーバンドギャップの変動は主に、価電子帯のエネルギーの変動に起因する。つまり、Si1-xGex(0<x≦1)の価電子帯のエネルギーは、Siの価電子帯のエネルギーに対して高くなる。その結果、SiGeでチャネルを構成することで、P型MISFETのしきい値電圧を低減することが可能となる。非特許文献1によれば、N型SiGe層にチャネルを形成することで、200mV程度のしきい値電圧の低減が報告されている。
【0008】
しかしながら、チャネル領域にSiGe層を有するP型MISFETを、様々のデバイスが1チップ上に形成されるシステムLSIに適用しようとする場合、低電圧(例えば、−1.0V)・低しきい値電圧(例えば、−0.2V)動作の必要なコアトランジスタと高電圧(例えば、−3.3V)・高しきい値電圧(例えば、−0.5V)動作の必要なI/O(Input/Output)トランジスタとを混載するのが困難になるという不具合が発生する。ここで、「コアトランジスタ」とは、いわゆる内部回路を構成するトランジスタのことをいう。
【0009】
I/Oトランジスタには、高電圧動作(例えば、−3.3V)に耐えるため比較的厚いシリコン酸化膜(例えば、膜厚7nm)がゲート絶縁膜として必要になるが、公知のマルチオキサイドフローを用いてP型MISFETを形成する技術が特許文献1に記載されている。
【0010】
図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。なお、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)の左側はコアトランジスタを形成するコア領域を、右側はI/Oトランジスタを形成するI/O領域を示している。
【0011】
まず、図6(a)に示すように、Si基板1400上に、SiGe層1401を形成する。続いて、Chemical Vapor Deposition(CVD)法を用いて、SiGe層1401上にSiキャップ層1402を形成する。
【0012】
次に、図6(b)に示すように、Siキャップ層1402とSiGe層1401の上部とを酸化してシリコン酸化物からなる厚膜ゲート酸化膜1403を形成する。
【0013】
次に、図6(c)及び図7(a)に示すように、I/O領域に厚膜ゲート酸化膜1403を覆うレジスト1404を形成した後、このレジスト1404をマスクとしてコア領域内の厚膜ゲート酸化膜1403を除去する。次いで、レジスト1404を除去する。
【0014】
次に、図7(b)に示すように、コア領域内のSiGe層1401を酸化することにより、SiGe層1401上に膜厚1nmのゲート酸化膜1405を形成する。このゲート酸化膜1405はSiGe層1401を酸化させることで形成されるため、Geを含有するシリコン酸化膜となる。
【0015】
次に、図7(c)は、基板(作製中の半導体装置)上にハフニウム酸化膜からなる高誘電率絶縁膜1406、窒化チタンからなるメタルゲート電極1407、ポリシリコン膜1408を順次堆積する。以降は、公知の方法を用いて、ゲート電極、エクステンション領域、Lightly Doped Drain(LDD)領域、サイドウォールスペーサ、ソース・ドレイン領域を形成し、その後、活性化アニールを行って不純物を活性化することでP型MISFETを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2005−51178号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】S. Suthram et al., “High Performance pMOSFETs Using Si/Si1-xGex/Si Quantum Wells with High-k/Metal Gate Stacks and Additive Uniaxial Strain for 22 nm Technology Node”,IEDM, p.727, 2007.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
公知のマルチオキサイドフローを用いた場合、コア領域内のゲート酸化膜1405、ならびにI/O領域内の厚膜ゲート酸化膜1403中にはGeが含まれてしまうため、界面準位の増大といった、トランジスタの信頼性を大きく劣化させる不具合が発生する。特に、コア領域のゲート酸化膜1405はSiGe層1401を酸化させて形成されるため、非特許文献1記載の実験結果にあるように、界面準位が大きく増大し、許容できない値となってしまう。
【0019】
なお、図6(a)に示す工程で形成されるSiキャップ層1402の膜厚を厚膜化させることで、図7(b)に示す工程でコア領域にゲート酸化膜1405を形成する前に十分厚いSiキャップ層1402を残すこと、すなわち、コア領域内、I/O領域内の両方にSiOで構成されたゲート酸化膜を形成することも可能である。しかし、この場合にはSiキャップ層1402の膜厚ばらつきが大きくなるという不具合が発生する。この方法では、反転時容量膜厚Tinvのばらつきが大きなデバイスが形成されてしまうため、量産化を考えた場合にこの方法を採用するのは難しい。
【0020】
本発明の目的は、動作電圧やしきい値電圧が相異なり、高誘電率ゲート絶縁膜/メタルゲート電極構造を有するP型MISFETを共通の基板上に混載可能にする半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記課題を解決するため、本発明の一例に係る半導体装置は、第1のP型MISFETと第2のP型MISFETとを備えている。前記第1のP型MISFETは、半導体基板における第1の活性領域上に形成され、ゲルマニウムを含有する第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成され、シリコンからなる第2の半導体層と、前記第2の半導体層の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極とを備えている。また、前記第2のP型MISFETは、前記半導体基板における第2の活性領域上に形成され、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも大きい膜厚を有する第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極とを備えている。さらに、前記半導体基板における前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域はシリコンからなり、前記第2の活性領域上には、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層が形成されていない。
【0022】
この構成によれば、第1のP型MISFETではゲート電極の下方に位置する第1の半導体層がゲルマニウムを含有しているので、シリコンからなる第2の活性領域上にゲート電極が設けられている第2のP型MISFETに比べてしきい値電圧及び駆動電圧を低減することができる。また、第1の半導体層上にシリコンからなる第2の半導体層が設けられていることで、ゲルマニウムが第1のゲート絶縁膜に拡散等するのが抑えられ、界面準位の発生を抑えることができる。さらに、第2のP型MISFETの第2のゲート絶縁膜は第1のP型MISFETのゲート絶縁膜よりも厚くなっているので、耐圧性が大きくなっている。すなわち、本発明の一例に係る半導体装置では、駆動電圧の相異なるP型MISFETを同一基板上に不具合なく混載することができる。
【0023】
すなわち、上述の半導体装置によれば、様々な仕様のデバイスが1チップ上に形成されるシステムLSIを実現する場合においても、低電圧・低しきい値電圧動作の必要なMISFETと高電圧・高しきい値電圧動作の必要なMISFETの混載が可能になる。
【0024】
第1のP型MISFETの例としてはコアトランジスタが挙げられ、第2のP型MISFETの例としてはI/Oトランジスタが挙げられる。
【0025】
また、上記構造を実現するために本願発明者は、公知のマルチオキサイドフローに対し、相異なる膜厚を有するゲート絶縁膜を同一半導体基板上に形成することが可能な、新たな方法を考案した。
【0026】
本発明の一例に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板における第1の活性領域の上方に形成された第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を有するP型MISFETと、前記半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を有する第2のP型MISFETとを備えた半導体装置の製造方法である。当該方法は、前記第2の活性領域上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、前記工程(a)の後に、前記第1の活性領域上にゲルマニウムを含有する第1の半導体層を形成する工程(b)と、前記第1の半導体層上にシリコンからなる第2の半導体層を形成する工程(c)と、前記第2の半導体層上に前記第1の絶縁膜の膜厚よりも薄い膜厚を有する第2の絶縁膜を形成する工程(d)と、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜上に、高誘電率を有する第3の絶縁膜を形成する工程(e)と、前記第3の絶縁膜上にゲート電極用膜を形成する工程(f)と、前記工程(f)の後に、前記第1の活性領域の上方に前記第1のゲート絶縁膜及び前記第1のゲート電極を形成する一方、前記第2の活性領域上に前記第2のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート電極を形成する工程(g)とを備えている。また、前記半導体基板における前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域は、シリコンからなり、前記第2の活性領域上には、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層が形成されていない。
【0027】
この方法では、後にP型MISFETのゲート絶縁膜の一部となる第1の絶縁膜を形成した後、第2のトランジスタ領域に積層保護膜を形成する。この積層保護膜は金属含有層とシリコン酸化膜とを有していることにより、第1の半導体層及び第2の半導体層が第2のトランジスタ領域に形成されるのを防ぐことができる。また、シリコン酸化膜が積層保護膜の上部膜であることで、シリコンからなる第2の半導体層及び金属含有層に対して選択的に当該シリコン酸化膜を除去することが可能となる。
【0028】
また、金属含有層が積層保護膜の下部膜であることで、第1の絶縁膜及び第2の半導体層に対して選択的に当該金属含有層を除去することができ、当該金属含有層は第1の半導体層及び第2の半導体層の形成時の加熱に耐えることができる。また、金属含有層が除去後に第1の絶縁膜上に残留してもMISFETへの影響は小さい。従って、この方法によれば、第1のP型MISFETと第2のP型ISFETとを不具合なく同一基板上に混載することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本願記載の半導体装置によれば、低電圧・低しきい値電圧動作が求められるMISFETに対してのみゲルマニウムを含有する第1の半導体層及びシリコンからなる第2の半導体層を設ける。また、第2のゲート絶縁膜は第1のゲート絶縁膜よりも厚くなっている。これにより、低いしきい値電圧を有し、駆動電圧が低い第1のP型MISFETと、第1のP型MISFETよりもしきい値電圧が高く、駆動電圧が高い第2のP型MISFETとを同一半導体基板上に不具合なく混載することが可能となっている。
【0030】
また、本発明の一例に係る半導体装置の製造方法では第1の絶縁膜の形成後に積層保護膜を形成することで、従来のマルチオキサイドフローに比べてTinvばらつきを抑制することが可能になるため、特性ばらつきの小さなMISFETを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置について、図1に示す断面模式図を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の半導体装置を示す断面図である。図1において、左側に第1のTr領域を、右側には第2のTr領域を示している。「第1のTr領域」とは、第1のトランジスタが形成される領域をいう。「第2のTr領域」とは、第2のトランジスタが形成される領域をいう。第1のトランジスタは、しきい値電圧の低い、例えば内部回路を構成するコアトランジスタである。第2のトランジスタは、しきい値電圧の高い、例えば周辺回路を構成するI/O(Input/Output)トランジスタである。本実施形態では、第1のトランジスタとしてP型MISFET150aを用い、第2のトランジスタとしてP型MISFET150bを用いて説明する。なお、図1では便宜的に第1のTr領域内のP型MISFET150aと第2のTr領域内のP型MISFET150bとが互いに隣接しているように図示しているが、実際には第1のTr領域は例えばチップ状の半導体装置の中央部に設けられる一方、第2のTr領域は半導体装置の周辺部に設けられるため、互いに隣接しないことが多い。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の半導体装置は、シリコンからなる半導体基板100の上部に設けられたn型ウェル領域101a、101bと、n型ウェル領域101a、101bの上部に形成された素子分離領域102と、n型ウェル領域101aのうち素子分離領域102に囲まれた活性領域103aと、n型ウェル領域101bのうち素子分離領域102に囲まれた活性領域103bとを備えている。ここで、第1のTr領域は活性領域103a及びその周囲に形成された素子分離領域102を含む一方、第2のTr領域は活性領域103b及びその周囲に形成された素子分離領域102を含む。従って、活性領域103aは第1のTr領域内に設けられており、活性領域103bは第2のTr領域内に設けられている。
【0034】
P型MISFET150aは、シリコンからなる活性領域103a上に設けられ、ゲルマニウム(Ge)を含有する、例えばシリコンゲルマニウム(SiGe)からなる第1の半導体層104と、第1の半導体層104上に設けられ、シリコン(Si)で構成された第2の半導体層105と、第2の半導体層105上に設けられたゲート絶縁膜108aと、ゲート絶縁膜108a上に設けられたゲート電極111aと、活性領域103aの上部、第1の半導体層104、及び第2の半導体層105のうち、ゲート電極111aの両側方に位置する領域に形成されたp型の浅いソースドレイン領域113aと、ゲート電極111aの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ112aと、活性領域103a、第1の半導体層104、及び第2の半導体層105のうちゲート電極111aの両側方であって、浅いソースドレイン領域113aの外側に位置する領域に形成されたp型の深いソースドレイン領域114aとを有している。深いソースドレイン領域114aは、浅いソースドレイン領域113aよりも高濃度のp型不純物を含んでいる。
【0035】
第1の半導体層104中のGeの原子濃度(結晶格子を構成する原子中のGe原子の100分率)は例えば50%であり、第1の半導体層104の膜厚は10nmである。また、第2の半導体層105の膜厚は例えば1nmである。
【0036】
ゲート絶縁膜108aは、例えば膜厚が1nmのシリコン酸化膜(下地絶縁膜)106aと、シリコン酸化膜106a上に設けられ、膜厚が2nmの高誘電率絶縁膜107aとで構成されている。高誘電率絶縁膜107aは、例えばハフニウム(Hf)酸化物などの高誘電率絶縁体である金属酸化物などで構成されている。ここで、「高誘電率絶縁体」とは、シリコン窒化膜よりも誘電率が高い、例えば比誘電率が8以上の物質を意味するものとする。
【0037】
また、ゲート電極111aは、金属または導電性の金属化合物からなる下部ゲート電極109aと、下部ゲート電極109a上に設けられ、ポリシリコン等からなる上部ゲート電極110aとで構成されている。下部ゲート電極109aは、例えば窒化チタン(TiN)等で構成され、その膜厚は10nmである。また、上部ゲート電極110aの膜厚は例えば100nmである。ゲート電極111aのゲート長方向の長さは40nm程度であり、サイドウォールスペーサの幅(ゲート長方向の幅)は例えば40nm程度である。
【0038】
浅いソースドレイン領域113aはサイドウォールスペーサ112aの直下に位置するとともに、平面視においてゲート電極111aのゲート長方向の端部と重なっている。浅いソースドレイン領域113aは、ボロン(B)等のp型不純物を含み、最大不純物濃度は2×1020atoms/cm3程度である。また、その接合深さ、すなわち活性領域103aにおけるn型ウェル領域101aとの間で形成されるPN接合面の、サイドウォールスペーサ下端(半導体基板表面)から半導体基板方向の深さは20nm程度である。また、図示していないが、半導体基板の活性領域中においてp型の浅いソースドレイン領域113aの底面を覆う形で、公知の砒素やリンなどのn型不純物で形成されたポケット領域(n型不純物濃度3×1018atoms/cm3程度)を形成してもよい。ポケット領域を形成することにより、トランジスタの短チャネル特性を改善することが可能になる。
【0039】
p型の深いソースドレイン領域114aは、ゲート電極111aから見てp型の浅いソースドレイン領域113aの外側に位置する領域に形成されている。深いソースドレイン領域114aは、ボロン(B)等のp型不純物を含み、最大不純物濃度は1×1021atoms/cm程度である。また、その接合深さ、すなわち活性領域103aにおけるn型ウェル領域101aとの間で形成されるPN接合面の、サイドウォールスペーサ112a下端からの半導体基板方向の深さは80nm程度である。
【0040】
また、第1の半導体層104および第2の半導体層105のうち、ゲート電極111aの直下に位置する部分は、それらの下部に位置する活性領域と同程度の濃度を有するn型不純物を含んでいる。n型不純物は例えば砒素やリンなどであり、その不純物濃度は1×1017atoms/cm3程度である。また、SiGeで形成される第1の半導体層104は、P型MISFET150aの動作時にはチャネル領域となる。
【0041】
一方、P型MISFET150bは、シリコンからなる活性領域103b上に設けられたゲート絶縁膜108bと、ゲート絶縁膜108b上に設けられたゲート電極111bと、活性領域103bの上部のうち、ゲート電極111bの両側方に位置する領域に形成されたp型の浅いソースドレイン領域115bと、ゲート電極111bの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ112bと、活性領域103bのうちゲート電極111bの両側方であって、浅いソースドレイン領域115bの外側に位置する領域に形成されたp型の深いソースドレイン領域114bとを有している。深いソースドレイン領域114aは、浅いソースドレイン領域115bよりも高濃度のp型不純物を含んでいる。
【0042】
P型MISFET150bは、活性領域103b上に設けられたGeを含む第1の半導体層104と、Siからなる第2の半導体層105とを備えていない点がP型MISFET150aと異なっている。P型MISFET150aの浅いソースドレイン領域113a及び深いソースドレイン領域114aは、半導体層104を含む領域に形成するためGeを含有しているのに対して、P型MISFET150bの浅いソースドレイン領域115b及び深いソースドレイン領域114aはSiからなる活性領域103bのみに形成するためGeを含有していない。
【0043】
ゲート絶縁膜108bは、例えば膜厚が7nmのシリコン酸化膜(下地絶縁膜)106bと、シリコン酸化膜106b上に形成され、膜厚が2nmの高誘電率絶縁膜107bとで構成されている。高誘電率絶縁膜は例えばハフニウム(Hf)酸化物などの高誘電率絶縁体である金属酸化物などで構成されている。P型MISFET150bでは、シリコン酸化膜106bの膜厚がP型MISFET150aのシリコン酸化膜106aの膜厚より大きくなっている。これにより、P型MISFET150bはP型MISFET150aよりも大きい電圧で駆動できるようになっている。
【0044】
また、ゲート電極111bは、金属または導電性の金属化合物からなる下部ゲート電極109bと、下部ゲート電極109b上に設けられ、ポリシリコン等からなる上部ゲート電極110bとで構成されている。下部ゲート電極109bは、例えば窒化チタン(TiN)等で構成され、その膜厚は10nmである。また、上部ゲート電極110bの膜厚は例えば100nmである。ゲート電極111bのゲート長方向の長さは400nm程度であり、サイドウォールスペーサ112bのゲート長方向の幅は例えば40nm程度である。
【0045】
図1に示す例では、活性領域103bのうちゲート電極111bの直下部分がチャネル領域となる。チャネル領域を含む活性領域103bは、砒素やリンなどのn型不純物を含んでおり、その濃度は例えば1×1017atoms/cm3程度である。不純物濃度については、P型MISFET150aとP型MISFET150bとで同一にする必要は無いが、同一にすることが可能であれば、n型ウェル領域101a、101bの形成用ならびにしきい値電圧制御用の注入を同一マスクを用いて行うことが可能になり、工程の簡略化を図ることが可能になる。
【0046】
このように、本実施形態の半導体装置では、P型MISFETのうち、第1のTr領域に設けられたP型MISFET150aのみがSiGeで構成されたチャネル領域を備えるので、高誘電率ゲート絶縁膜/メタルゲート電極構造を有するトランジスタを用いた場合においても、しきい値電圧を所望の値にまで低減させることが可能になる。ここでは、しきい値電圧は例えば、−0.2V程度にすることができる。このため、P型MISFET150aは高性能のコアトランジスタとして用いることができる。
【0047】
一方、第2のTr領域に設けられたP型MISFET150bはGeを含む半導体層を有しておらず、チャネル領域はSiで構成されている。このため、P型MISFET150bはチャネル領域のn型不純物濃度を増大させることなくしきい値電圧をP型MISFET150aよりも高く設定することができ、接合リーク電流を低減し、しきい値電圧のバラツキを抑えることができる。ここでは、P型MISFET150bのしきい値電圧を例えば−0.5V程度に設定することが可能である。このため、P型MISFET150bはI/Oトランジスタとして好ましく用いられる。
【0048】
上述の構成を有することにより、本実施形態の半導体装置では、様々な仕様のデバイスが1チップ上に形成されるシステムLSIを実現する場合においても、低電圧・低しきい値電圧動作の必要なコアトランジスタとなるP型MISFET150aと高電圧・高しきい値電圧動作の必要なI/OトランジスタとなるP型MISFET150bとの混載が可能になる。
【0049】
また、P型MISFET150aはGeを含む第1の半導体層104上にSiキャップ層として機能する第2の半導体層105を備えている。このため、SiGeで構成された第1の半導体層104をチャネル領域として用いても界面準位はSiからなるチャネル領域を用いる場合と同等の水準に抑えることが可能となる。
【0050】
また、後述するように、従来の半導体装置に比べてゲート絶縁膜108a中のシリコン酸化膜106aに含まれるGe濃度を低くすることができるので、界面準位が顕著に低減されている。
【0051】
さらに、ゲート絶縁膜108bにおけるシリコン酸化膜106bの膜厚をゲート絶縁膜108aにおけるシリコン酸化膜106aの膜厚よりも大きくしているので、P型MISFET150bの駆動電圧をP型MISFET150aの駆動電圧よりも高くすることができる。
【0052】
なお、各層の膜厚、不純物濃度や接合深さ、第1の半導体層104中のGe濃度などは、上記の例に限定されない。これらの事項は、設定したいしきい値電圧や、P型MISFET150a、150bの仕様に合わせて任意に選択することができる。
【0053】
例えば、上記説明において、第1のTr領域内に設けられる第1の半導体層104中のGe濃度は50%としているが、P型MISFET150aが目標とするしきい値電圧に合わせて、10%以上100%以下の範囲内で設定が可能である。つまり、必要なしきい値電圧低減の度合いが、50〜100mV程度で十分であれば、低いGe濃度(例えば、15%)で十分であり、反対に400〜500mV程度低減させる必要がある場合は、高いGe濃度(例えば、70%)が必要になる。
【0054】
第1の半導体層104の膜厚は、P型MISFET150aのしきい値電圧低減の観点から、3nm以上であることが好ましい。また、上限膜厚に対しては、特に制約は無く、例えば、n型ウェル領域101a中に形成される活性領域103a全体がSiGeで形成されていてもよい。
【0055】
また、第1の半導体層104の歪状態については特に限定しないが、しきい値電圧を効果的に低減させるため、第1の半導体層104は圧縮歪を印加されていることが望ましい。
【0056】
また、上記説明では、P型MISFET150aでは膜厚が1nmのシリコン酸化膜106aを、P型MISFET150bでは膜厚が7nmのシリコン酸化膜106bをゲート絶縁膜内の下層膜として用いているが、これらの膜厚はP型MISFET150a、150bの電源電圧に合わせ、適切に選択すればよい。つまり、P型MISFET150aのゲート電極111aに印加される電圧が−1V程度であれば、1nm程度のシリコン酸化膜が必要になるが、電源電圧が低ければ、ゲートリーク電流やTime Dependent Dielectric Breakdown(TDDB)などのマージンが向上するため、シリコン酸化膜106aの薄膜化が可能になる。一方、印加される電源電圧が高ければシリコン酸化膜106aの厚膜化が必要になる。一般的に、コアトランジスタに印加される電源電圧は、−0.6V〜−1.2V程度であるので、P型MISFET150aがコアトランジスタとして用いられる場合、シリコン酸化膜106aの膜厚は、0.5nm以上1.5nm以下の範囲とすることが望ましい。
【0057】
また、P型MISFET150bをI/Oトランジスタとして用いる場合、一般的にI/Oトランジスタのゲート電極に印加される電源電圧が−1.5V〜−5V程度であるので、シリコン酸化膜106bの膜厚は、2nm以上10nm以下の範囲とすることが望ましい。また、これらのシリコン酸化膜106a、106bはゲートリーク電流低減の観点から、シリコン酸窒化物で構成されてもよい。
【0058】
また、上記説明では、第1のTr領域内において、Siで構成される第2の半導体層105の膜厚を1nmとしているが、第2の半導体層105上に形成されるシリコン酸化膜106aの膜質劣化を低減しつつTinvの増大を抑える観点から適切に膜厚を設定すればよい。Siキャップ層を有するSiGeチャネルトランジスタはいわゆる埋め込みチャネル型になるため、Tinvの増大抑制の観点からは、Siで構成される第2の半導体層105の膜厚は薄い方が良い。なお、Siの比誘電率は11.9であり、SiO2の約3倍であるため、1nmのSiキャップ層を形成すると、Tinvは0.3nm程度増大する。従って、Siキャップ層の膜厚は、ターゲットとするTinvの値にもよるが、2nm以下、出来れば1nm以下の薄膜であることが望ましい。
【0059】
一方、Siキャップ層を薄膜化しすぎると、Siキャップ層上に形成されるシリコン酸化膜中にGeが拡散し、移動度劣化や信頼性劣化が発生する。従って、これらの不具合を発生させないためには、Siで構成される第2の半導体層105の膜厚は、0.5nm以上2nm以下の範囲とすることが望ましい。
【0060】
また、上記説明では、P型MISFET150bのゲート絶縁膜108bの下層膜(シリコン酸化膜106b)は、シリコン酸化物、あるいはシリコン酸窒化物で構成されるとしているが、チタンやタンタル等の金属元素が上層膜である高誘電率絶縁膜107bと下層膜であるシリコン酸化膜106bとの界面に偏析していてもよい。この場合でも、MISFETとしての動作には大きく影響することはない。
【0061】
後述の製造方法で述べるが、図1に示す半導体装置を実現するためには、P型MISFET150bのゲート絶縁膜108bのうち、シリコン酸化膜で構成される下層膜を形成した後に、下層膜上に、例えば、窒化チタンとシリコン酸化膜等で構成される積層保護膜を形成する必要がある。窒化チタンで構成される保護膜は、後にSulfuric Peroxide Mixture(SPM)等の溶液中に浸すことで除去されるが、P型MISFET150bのゲート絶縁膜108bを構成するシリコン酸化膜106b上に若干残留する可能性がある。この場合においても、半導体基板100上の活性領域103bにまでチタンが拡散しなければ、移動度及び信頼性の劣化等の副作用の発生を抑制することが出来る。
【0062】
また、P型MISFET150aでは、浅いソースドレイン領域113a、及び深いソースドレイン領域114aは、通常の構造を有しているが、チャネル領域に印加される応力を増大し、トランジスタのオン電流を向上させるため、SiGeからなる埋め込み型のソースドレイン領域であってもよい。ここで、N型MISFET(図示せず)上とP型MISFET150b上をマスクで覆った状態で半導体基板(第1の活性領域103a)のソースドレイン領域となるべき部分を除去してトレンチを形成した後、当該トレンチ内にSiGe層を成長させることで、埋め込み型のソースドレイン領域を形成することができる。
【0063】
また、上記説明では、低いしきい値電圧を有する1種類のP型MISFETと比較的高いしきい値電圧を有する1種類のP型MISFETとの混載について述べているが、2種類以上の電源電圧を有するコアトランジスタ、ならびに互いに異なる膜厚のゲート酸化膜を有する2種類以上のI/Oトランジスタが同一の半導体基板上に形成されていてもよい。
【0064】
また、P型MISFET150aはコアトランジスタに限らず、P型MISFET150bはI/Oトランジスタに限定されない。
【0065】
−半導体装置の製造方法−
図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)、及び図5(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。なお、図2(a)〜図5(c) において、図1における構成要素と同一の構成要素には、図1に示す符号と同一の符号を付す。
【0066】
まず、図2(a)に示すように、シリコン等からなり、ボロン等のp型不純物を含有するSiからなる半導体基板100の上部に対し、Shallow Trench Isolation(STI)法などにより、選択的に素子分離領域102を形成する。これにより、半導体基板100における第1のTr領域に、素子分離領域102に囲まれた活性領域103aが形成される一方、半導体基板100における第2のTr領域に、素子分離領域102に囲まれた活性領域103bが形成される。次いで、n型ウェル形成用の不純物やしきい値電圧調整用の不純物をドーピングすることで例えばコアトランジスタ、I/Oトランジスタのそれぞれに適した、不純物濃度が1×1017atoms/cm3程度のn型ウェル領域101a、101bを形成する。これにより、活性領域103aは、n型ウェル領域101aのうち素子分離領域102に囲まれた領域となり、活性領域103bは、n型ウェル領域101bのうち素子分離領域102に囲まれた領域となる。
【0067】
次に、活性領域103a、103b上に膜厚が例えば7nmのシリコン酸化膜202を形成する。このシリコン酸化膜202は、半導体基板100の活性領域103a、103bを1000℃の酸素/水素混合ガス中に曝すことで形成される。
【0068】
次に、図2(b)に示すように、シリコン酸化膜202上に、窒化チタン膜203と、シリコン酸化膜204とを順次形成させ、これらの膜で構成された積層構造を有する保護膜(積層保護膜)を堆積する。具体的には、スパッタリング法を用いることで、膜厚5nmの窒化チタン膜203をシリコン酸化膜202上に形成する。続いて、プラズマCVD法を用いて、窒化チタン膜203上に、膜厚10nmのシリコン酸化膜204を堆積する。続いて、公知のリソグラフィー技術を用いて、第1のTr領域以外の領域を覆うレジスト205を形成する。つまり、第1のTr領域ではレジスト205が開口している。
【0069】
次に、図2(c)に示すように、レジスト205をマスクとして、第1のTr領域内の活性領域103a上に形成された、シリコン酸化膜202、窒化チタン膜203、シリコン酸化膜204を除去する。具体的には、フッ酸により上層部のシリコン酸化膜204を除去した後、ドライエッチングにより窒化チタン膜203を除去する、最後に、フッ酸により下層部のシリコン酸化膜202を除去する。これにより、活性領域103aは露出状態になる。
【0070】
次に、図3(a)に示すように、レジスト205を除去する。
【0071】
次に、図3(b)に示すように、積層保護膜をマスクとしてSiエッチング206を行い、後に形成するSiGe層ならびにSiキャップ層の厚み分程度(例えば12nm)、半導体基板を薄くする。具体的には、塩化水素(HCl)雰囲気中、850℃で半導体基板100を熱処理することで、露出している活性領域103aをエッチングする。一方、積層保護膜で覆われている第2のTr領域では、活性領域103bの上方にシリコン酸化膜204が存在するため、エッチングが阻止される。
【0072】
次に、図3(c)に示すように、第1のTr領域に設けられた活性領域103a上に、Ge濃度が50%で、n型またはp型不純物元素が含まれていないノンドープ状態のSiGeからなる第1の半導体層104とノンドープ状態のSiからなる第2の半導体層105を形成する。第1の半導体層104の膜厚は例えば10nmとし、第2の半導体層105の膜厚は例えば1.5nmとする。ここで、第1の半導体層104及び第2の半導体層105を構成する、第1の半導体層104となるSiGe層及び第2の半導体層105となるSiキャップ層は、CVD法などによってエピタキシャル成長される。一方、積層保護膜で覆われている領域は、上方にシリコン酸化膜204が存在するため、SiGe層及びSiキャップ層の形成が抑制される。
【0073】
SiGeからなる第1の半導体層104を形成する際には、シリコン系の原料ガスとして、例えばモノシラン(SiH4)を用いる。また、ゲルマニウム系の原料ガスとしては、例えばモノゲルマン(GeH4)を用いる。それらの混合ガスを用い、水素、あるいは窒素ガス雰囲気中550℃の条件下で、SiGeからなる第1の半導体層104を堆積する。また、Ge濃度の制御は、堆積中のゲルマニウム系の原料ガスの流量を制御することで調整する。つまり、ゲルマニウム系のガス流量を増大させることで、より高濃度にGeを含有するSiGe層(第1の半導体層104)を形成することができる。また、Siキャップ層(第2の半導体層105)の形成は、ゲルマニウム系ガスの供給を止めること以外は、SiGe層(第1の半導体層104)の形成手法とほぼ同じである。つまり、シリコン系の原料ガスを用い、水素、あるいは窒素ガス雰囲気中550℃の条件下でSiキャップ層として機能する第2の半導体層105を堆積する。
【0074】
なお、Siキャップ層として機能する第2の半導体層105が設けられることで、Siキャップ層を設けない場合に比べて界面準位の発生を低減させることができる。Siキャップ層を設けずにSiGeからなるチャネル領域を形成した場合には、Siチャネルを用いる場合に比べて界面準位が2桁程度増大してしまう。しかし、第2の半導体層105を設けることで、界面準位をSiチャネルを用いたP型MISFETと同等程度に低減させることが可能となる。
【0075】
次に、図4(a)に示すように、第2のTr領域内に堆積された積層保護膜を除去する。具体的には、上層部のシリコン酸化膜204をフッ酸により除去した後、SPMにより下層部の窒化チタン膜203を除去する。SPMを用いた場合、Siやシリコン酸化膜はほとんどエッチングされないため、第1のTr領域では、図3(c)と同様Siからなる第2の半導体層105が露出した状態のままである。
【0076】
また、第2のTr領域では、ゲート絶縁膜用のシリコン酸化膜202が露出した状態になる。SPMによる窒化チタン膜203の除去に際し、シリコン酸化膜202上に若干量のチタンが残留しても、後工程の熱処理で、活性領域103bにまで拡散しない程度の量であれば、P型MISFETの特性に与える影響は非常に小さい。
【0077】
次に、図4(b)に示すように、第1のTr領域内の第2の半導体層105の上面部をオゾンを用いて酸化することで、膜厚が1nmのシリコン酸化膜209を形成する。このシリコン酸化膜209は、後にP型MISFET150aのゲート絶縁膜108aの一部を構成することとなる。このシリコン酸化膜209の形成に際し、第2の半導体層105は0.5nm程度薄膜化し、膜厚1nm程度になる。一方、第2のTr領域では、膜厚7nmのシリコン酸化膜202が形成されているため、オゾンによる酸化の進行(膜厚増大)は無視できる。
【0078】
なお、シリコン酸化膜209はCVD法等により形成されたシリコンからなる第2の半導体層105のみを酸化することで形成されているので、Geをほとんど含まない。このため、従来の方法に比べてゲート絶縁膜における界面準位を大幅に低減することができる。
【0079】
次に、図4(c)に示すように、基板(作製中の半導体装置)上に、膜厚が2nmのハフニウム酸化物などで構成された高誘電率絶縁膜107を形成する。続いて、高誘電率絶縁膜107上に、膜厚が10nmの窒化チタン膜(導電膜)109を形成し、その上に、膜厚が100nmのポリシリコン膜(導電膜)110を形成する。
【0080】
次に、図5(a)に示すように、レジストパターニング、ドライエッチングを行うことにより、シリコン酸化膜106a及び高誘電率絶縁膜107aを有するゲート絶縁膜108a、シリコン酸化膜106b及び高誘電率絶縁膜107bを有するゲート絶縁膜108b、下部ゲート電極109a及び上部ゲート電極110aを有するゲート電極111a、下部ゲート電極109b及び上部ゲート電極110bを有するゲート電極111bをそれぞれ形成する。ここでは、シリコン酸化膜209がパターニングされてシリコン酸化膜106aとなり、シリコン酸化膜202がパターニングされてシリコン酸化膜106bとなり、高誘電率絶縁膜107がパターニングされて高誘電率絶縁膜107a、107bとなり、窒化チタン膜(導電膜)109がパターニングされて下部ゲート電極109a、109bとなり、ポリシリコン膜(導電膜)110がパターニングされて上部ゲート電極110a、110bとなる。これにより、ゲート絶縁膜108aは、活性領域103a上に第1の半導体層104及び第2の半導体層105を介して形成される一方、ゲート絶縁膜108bは、活性領域103b上に直接形成される。すなわち、ゲート絶縁膜108aにおけるシリコン酸化膜106aは第2の半導体層105上に接して形成される一方、ゲート絶縁膜108bにおけるシリコン酸化膜106bは活性領域103b上に接して形成される。
【0081】
本工程では、第1のTr領域に形成されるゲート電極111aのゲート寸法(ゲート長)は例えば40nmとし、第2のTr領域に形成されるゲート電極111bのゲート寸法は例えば400nmとする。
【0082】
続いて、第1のTr領域をレジスト(図示せず)で覆い、ゲート電極111bをマスクとして、活性領域103b中にBF2をイオン注入することでp型の浅いソースドレイン注入領域115B(LDD注入領域)を形成する。本工程において、BF2のイオン注入は、例えば加速エネルギー20keV、ドーズ量1×1014atoms/cm2、チルト角25度、ツイスト角0度の4回転注入の条件下(注入深さRp+ΔRp=25nm)で行う。
【0083】
続いて、第2のTr領域をレジスト(図示せず)で覆い、ゲート電極111aをマスクとして、活性領域103a、第1の半導体層104、第2の半導体層105中にBF2をイオン注入することでp型の浅いソースドレイン注入領域(エクステンション注入領域)113Aを形成する。本工程において、BF2のイオン注入は、加速エネルギー2keV、ドーズ量1×1015atoms/cm2の条件下(注入深さRp+ΔRp=4nm)で行う。なお、浅いソースドレイン注入領域115Bの形成と浅いソースドレイン注入領域113Aの形成はどちらを先に行ってもよい。
【0084】
また、第1のTr領域内のP型MISFETの短チャネル特性を改善するために、浅いソースドレイン注入領域113A用のイオン注入の前、あるいは後にn型ポケット注入を行ってもよい。n型ポケット注入は、例えば、ヒ素を加速エネルギー30keV、ドーズ量3×1013atoms/cm2、チルト角15度、ツイスト角0度の4回転注入の条件下(注入深さRp+ΔRp=30nm)で行う。
【0085】
次に、図5(b)に示すように、基板上に膜厚が40nm程度のシリコン窒化膜を形成した後、ドライエッチングにより全面エッチバックをすることで、ゲート電極111aの側面上、ならびにゲート電極111bの側面上に幅(ゲート長方向の幅)40nmのシリコン窒化物からなるサイドウォールスペーサ112a、112bをそれぞれ形成する。
【0086】
次に、図5(c)に示すように、ゲート電極111a及びサイドウォールスペーサ112aをマスクとして、ボロン等のp型不純物を活性領域103a、第1の半導体層104、第2の半導体層105にイオン注入することで、p型の深いソースドレイン領域を形成する。これと同時に、ゲート電極111b及びサイドウォールスペーサ112bをマスクとして、ボロン等のp型不純物を活性領域103bにイオン注入することで、p型の深いソースドレイン領域を形成する。
【0087】
注入用の不純物としてボロンを用いる場合、例えば加速エネルギー3keV、ドーズ量4×1015atoms/cm2の条件下でイオン注入を行う。続いて、1000℃、0秒の条件下でスパイクアニールを行うことで、イオン注入により導入された不純物を活性化させる。この活性化アニールにより、p型の浅いソースドレイン注入領域113A中のボロンが拡散し、浅いソースドレイン領域113aが形成される。同様に、深いソースドレイン領域114aが形成される。
【0088】
また、p型の浅いソースドレイン注入領域115B中のボロンが拡散し、浅いソースドレイン領域115bが形成される。同様に、深いソースドレイン領域114bが形成される。
【0089】
なお、活性化アニール後の接合深さ(p型のソースドレイン領域とn型ウェル領域との接合部の基板上面からの深さ)は、浅いソースドレイン領域113aにおいて20nm程度、浅いソースドレイン領域115bにおいて60nm程度、深いソースドレイン領域114a、114bにおいて80nm程度となる。
【0090】
また、本工程の活性化アニールにより、第1の半導体層104及び第2の半導体層105のうちゲート電極111aの直下に位置する領域は、下方に位置するn型の活性領域103aから砒素やリン等のn型不純物が拡散することで、n型不純物領域になる。これにより、第1の半導体層104及び第2の半導体層105は活性領域の一部として作用する。以上の方法により、図1に示す本実施形態の半導体装置を作製することができる。
【0091】
ここで、図2(b)に示す、第2のTr領域を覆う積層保護膜は、以下の機能を有していることが望ましい。
【0092】
すなわち、この積層保護膜は、その上部膜が(1)第1の半導体層104及び第2の半導体層105が、第2のTr領域に形成されないための保護膜としての機能を有し、且つ(2)上部膜の除去時に第2の半導体層105、ならびに下部膜をエッチングしないという条件を満たし、下部膜が、(3)比較的高温熱処理(850℃程度)が必要な第1の半導体層104及び第2の半導体層105の形成に耐えうるだけの耐熱性を有し、且つ(4)積層保護膜除去時にシリコン酸化膜202の上面に下部膜の残留が生じてもデバイスへの影響が小さいという条件を満たすことが望ましい。
【0093】
以上の要件を満たす上部膜の構成材料としてシリコン酸化物が挙げられる。また、上述の要件を満たす下部膜の構成材料として窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、炭化タンタル(TaC)、炭化窒化タンタル(TaCN)等が挙げられる。
【0094】
以上のように、本実施形態の方法では、第2のTr領域内のシリコン酸化膜202を、第1の半導体層104及び第2の半導体層105を形成する前に形成する。さらに、上述のように、積層保護膜を第2のTr領域に形成することにより、第1のTr領域内のP型MISFET150aと第2のTr領域内のP型MISFET150bとで独立してゲート酸化膜を形成することが可能になる。その結果、P型MISFET150a、150bが共に最適な状態で混載された、システムLSIを形成することが可能になる。
【0095】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、SiGeからなる第1の半導体層104及びSiからなる第2の半導体層105の形成前に、I/Oトランジスタ等に適用可能な厚いシリコン酸化膜202(106b)を形成する工程を備えている。これにより、第2の半導体層105の形成後に、厚いシリコン酸化膜106bを形成する工程が不必要になるため、堆積時の第2の半導体層105の膜厚を必要以上に厚膜化させる必要が無くなる。その結果、上述のように公知のマルチオキサイドフローを利用する場合において課題となった、Tinvばらつきを抑制することが可能になり、特性ばらつきの小さなトランジスタを実現することが出来る。
【0096】
なお、以上で説明した、第1の半導体層104や第2の半導体層105の形成条件、浅いソースドレイン領域113a、115b、深いソースドレイン領域114a、114bを形成する際のイオン注入条件、活性化アニール条件などは一例であり、これらに限定されるものではない。また、各層の構成材料や膜厚などは本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0097】
また、上記説明では、シリコン酸化膜106aを形成する方法として、第2の半導体層105を、オゾン雰囲気中に曝す方法を挙げているが、これに限らず、例えば、高温酸素ガスを用いたドライ酸化や、酸素/水素混合ガス中での酸化や、酸素プラズマによる酸化などの公知の方法を用いてもよい。
【0098】
また、上記説明では、図2(b)に示す工程で、スパッタリング法を用いて窒化チタン膜203を積層保護膜の下部膜として形成し、プラズマCVD法を用いてシリコン酸化膜204を積層保護膜の上部膜として形成しているが、これらに限定されるものではない。窒化チタン膜203の堆積方法として、スパッタリング法以外にもAtomic Layer Deposition(ALD)法やCVD法などを用いてもよい。また、シリコン酸化膜204の堆積方法として、プラズマCVD法以外にも、熱CVD法やALD法を用いてもよい。
【0099】
また、上記説明では、深いソースドレイン領域114a、114bを通常の方法で形成しているが、チャネルに印加される応力を増大し、トランジスタのオン電流を向上させるため、公知の埋め込み型のSiGeソース/ドレイン構造を採用してもよい。その場合、図5(c)に示す工程で、深いソースドレイン領域114aを形成する前に、ゲート電極111a及びサイドウォールスペーサ112aをマスクとして、活性領域103a、第1の半導体層104、第2の半導体層105を50nm程度エッチングし、その後Ge濃度30%程度のSiGe層を、半導体基板の上面上(サイドウォール下部)に対して25nmオーバーグロースさせる程度にエピタキシャル成長する。これにより、P型MISFET150aのチャネル領域に圧縮歪が印加される。その結果、ホール移動度が増大し、オン電流が向上する。
【0100】
また、上記説明では、低いしきい値電圧を有する1種類のP型MISFETと比較的高いしきい値電圧を有する1種類のP型MISFETとの混載について述べているが、2種類以上の電源電圧を有するコアトランジスタ、ならびに互いに異なる膜厚のゲート酸化膜を有する2種類以上のI/Oトランジスタが同一の半導体基板上に形成されていてもよい。この場合、公知のマルチオキサイドフローを用い、活性領域上に複数の膜厚を有する厚膜ゲート酸化膜を形成することで、図2(a)に対応する状態、即ち、異なる膜厚を有するI/Oトランジスタ用の厚膜ゲート酸化膜が形成された状態を実現すればよい。
【0101】
また、P型MISFET150aはコアトランジスタに限らず、P型MISFET150bはI/Oトランジスタに限定されない。
【0102】
また、以上で説明した各層の膜厚や構成材料、不純物濃度、イオン注入条件や熱処理条件等は本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上、説明を行ったように、本発明の一例に係る半導体装置は、様々な仕様のP型MISFETを1チップ上に形成することが要求される集積回路などに利用される。
【符号の説明】
【0104】
100 半導体基板
101a、101b n型ウェル領域
102 素子分離領域
103a、103b 活性領域
104 第1の半導体層
105 第2の半導体層
106a、106b シリコン酸化膜
107 高誘電率絶縁膜
107a、107b 高誘電率絶縁膜
108a、108b ゲート絶縁膜
109 窒化チタン膜
109a、109b 下部ゲート電極
110 ポリシリコン膜
110a、110b 上部ゲート電極
111a、111b ゲート電極
112a、112b サイドウォールスペーサ
113A、115B 浅いソースドレイン注入領域
113a、115b 浅いソースドレイン領域
114a、114b 深いソースドレイン領域
150a、150b P型MISFET
202 シリコン酸化膜
203 窒化チタン膜
204 シリコン酸化膜
205 レジスト
206 Siエッチング
209 シリコン酸化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のP型MISFETと第2のP型MISFETとを備えた半導体装置であって、
前記第1のP型MISFETは、
半導体基板における第1の活性領域上に形成され、ゲルマニウムを含有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に形成され、シリコンからなる第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極とを備え、
前記第2のP型MISFETは、
前記半導体基板における第2の活性領域上に形成され、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも大きい膜厚を有する第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極とを備え、
前記半導体基板における前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域は、シリコンからなり、
前記第2の活性領域上には、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層が形成されていない半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜は、第1の下地絶縁膜と、前記第1の下地絶縁膜上に形成された第1の高誘電率絶縁膜とを有しており、
前記第2のゲート絶縁膜は、前記第1の下地絶縁膜の膜厚より厚い膜厚を有する第2の下地絶縁膜と、前記第2の下地絶縁膜上に形成された第2の高誘電率絶縁膜とを有している半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記第1の下地絶縁膜及び前記第2の下地絶縁膜は、シリコン酸化物またはシリコン酸窒化物で構成されている半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記第2のP型MISFETの駆動電圧は、前記第1のP型MISFETの駆動電圧よりも高い半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1のP型MISFETはコアトランジスタであり、
前記第2のP型MISFETはI/Oトランジスタである半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記第1の半導体層は圧縮歪を有している半導体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置において、
前記第1の活性領域のうち、前記第1のゲート電極の両側方に位置する領域にトレンチが形成されており、
前記第1のP型MISFETは、前記トレンチに埋め込まれ、p型のシリコンゲルマニウムで構成されたソースドレイン領域をさらに有している半導体装置。
【請求項8】
請求項2または3に記載の半導体装置において、
前記第1の下地絶縁膜の膜厚は、0.5nm以上且つ1.5nm以下であり、
前記第2の下地絶縁膜の膜厚は、2nm以上且つ10nm以下である半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記第1の半導体層中のゲルマニウムの原子濃度は、10%以上である半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記第1の半導体層の膜厚は、3nm以上である半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記第2の半導体層の膜厚は、0.5nm以上且つ2nm以下である半導体装置。
【請求項12】
半導体基板における第1の活性領域の上方に形成された第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を有するP型MISFETと、前記半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を有する第2のP型MISFETとを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記第2の活性領域上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記第1の活性領域上にゲルマニウムを含有する第1の半導体層を形成する工程(b)と、
前記第1の半導体層上にシリコンからなる第2の半導体層を形成する工程(c)と、
前記第2の半導体層上に前記第1の絶縁膜の膜厚よりも薄い膜厚を有する第2の絶縁膜を形成する工程(d)と、
前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜上に、高誘電率を有する第3の絶縁膜を形成する工程(e)と、
前記第3の絶縁膜上にゲート電極用膜を形成する工程(f)と、
前記工程(f)の後に、前記第1の活性領域の上方に前記第1のゲート絶縁膜及び前記第1のゲート電極を形成する一方、前記第2の活性領域上に前記第2のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート電極を形成する工程(g)とを備え、
前記半導体基板における前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域は、シリコンからなり、
前記第2の活性領域上には、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層が形成されていない半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜は、前記第2の絶縁膜からなる第1の下地絶縁膜と前記第3の絶縁膜からなる第1の高誘電率絶縁膜とを有し、
前記第2のゲート絶縁膜は、前記第1の絶縁膜からなる第2の下地絶縁膜と前記第3の絶縁膜からなる第2の高誘電率絶縁膜とを有し、
前記工程(g)において、前記第1の下地絶縁膜は、前記第1の活性領域上に前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層を介して形成されている一方、前記第2の下地絶縁膜は前記第2の活性領域上に接して形成されている半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−253931(P2011−253931A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126677(P2010−126677)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】