説明

印刷装置および印刷部数許可方法

【課題】リムーバブル記憶媒体に記憶された印刷データに基づいて用紙上に画像形成する印刷装置において、印刷部数を制限する。
【解決手段】リプリントフラグの値を保存し(S314)、リプリントフラグをOFFにした後(S315)、カウンタに印刷ファイルのヘッダの指定部数をセットし(S316)、カウンタの値が1以上であるかどうかを判定する(S317)。カウンタの値が1以上であれば(S317:YES)、印刷処理を行う(S318)。次に、カウンタの値を1つ減算し(S319)、カウンタの値が1より小さくなると(S317:NO)、リプリントフラグの値を保存していた値に戻し(S320)、印刷ファイルをRAMから削除して(S321)、部数制限印刷処理(1)を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置および印刷部数許可方法に関し、詳しくはリムーバブル記憶媒体の印刷データを直接印刷可能な印刷装置およびその印刷部数許可方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、USB(Universal Serial Bus)メモリを代表とするリムーバブル記憶媒体を印刷装置に装着することで、リムーバブル記憶媒体内の印刷データをユーザーが指示することなく直接印刷する機能を持つ印刷装置が知られている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。
【0003】
この印刷装置を用いると、例えば会議同席者が予定より多い場合などで至急印刷資料が必要なとき、パーソナルコンピュータ(PC)を印刷装置に接続して必要なデータを印刷していた従来の方法に比べると、リムーバブル記憶媒体に必要な印刷データを予めコピーしておけば、最寄りの上記機能を持つ印刷装置にリムーバブル記憶媒体を装着するだけで必要な印刷資料が印刷出力されるので、PC等に特別な設定をしなくても、簡単に印刷物を手にすることができ便利である。
【特許文献1】特開2005−339383
【特許文献2】特開平10−161823
【特許文献3】特開平9−30057
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の印刷装置では、リムーバブル記憶媒体内の印刷データが不正に、あるいは必要以上に印刷される可能性があり、常に情報漏洩の危険にさらされていた。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑み、リムーバブル記憶媒体に記憶された印刷データを直接印刷する際に、情報漏洩の危険を回避することが可能な印刷装置、及び印刷部数許可方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の印刷装置は、リムーバブル記憶媒体に記憶された印刷データに基づいて用紙上に画像形成する印刷装置において、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている指定部数を検出する部数検出手段と、前記部数検出手段により検出された指定部数までの印刷を許可する印刷許可手段と、を有することを特徴とする。請求項1に記載の印刷装置によれば、リムーバブル記憶媒体に印刷を許可する指定部数を記憶することにより、印刷部数の指定が可能になるため、不正に、あるいは必要以上に印刷される可能性が低減され、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0007】
請求項2に記載の印刷装置は、請求項1に記載の印刷装置において、前記部数検出手段は、指定部数の指示がない場合、1部が指定されたと検出することを特徴とする。請求項2に記載の印刷装置によれば、指定部数の指示がない場合でも、1部が指定されたものとして最小部数の印刷を行うことができる。
【0008】
請求項3に記載の印刷装置は、請求項1または2に記載の印刷装置において、前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達したことを条件として、前記リムーバブル記憶媒体の前記印刷データを削除することを特徴とする。請求項3に記載の印刷装置によれば、印刷部数の累計が指定部数に到達したことを条件としてリムーバブル記憶媒体の印刷データを削除することにより、指定部数印刷後に印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0009】
請求項4に記載の印刷装置は、請求項1または2に記載の印刷装置において、前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除することを特徴とする。請求項4に記載の印刷装置によれば、印刷部数の累計が指定部数に到達する前にリムーバブル記憶媒体が引き抜かれた場合でも、リムーバブル記憶媒体に記憶されている印刷データを削除することで、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0010】
請求項5に記載の印刷装置は、請求項4に記載の印刷装置において、前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除できた場合には印刷を行い、削除できなかった場合には印刷を行わないことを特徴とする。請求項5に記載の印刷装置によれば、削除できた場合ではリムーバブル記憶媒体が印刷装置から抜かれていないので、(削除後リムーバル記憶媒体が印刷装置から抜かれた場合も同様)指定部数の印刷を行うのに対し、削除できなかった場合では、リムーバブル記憶媒体が印刷装置から抜かれているなどの要因により、印刷データの不正取得を防止するため印刷を停止する。この印刷の停止は、指定部数の印刷自体を開始しない場合と、印刷が開始された後、途中で印刷を中止する場合とを含む。このことにより、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0011】
請求項6に記載の印刷装置は、請求項3に記載の印刷装置において、前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達した後に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除することを特徴とする。請求項6に記載の印刷装置によれば、印刷部数の累計が指定部数に到達した後にリムーバブル記憶媒体に記憶されている印刷データを削除することにより、確実に指定部数が印刷され、かつ印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0012】
請求項7に記載の印刷装置は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷装置において、前記印刷許可手段には、前記指定部数から印刷された部数を減算して保存する部数変更手段が備えられていることを特徴とする。請求項7に記載の印刷装置によれば、指定部数から印刷された部数を減算して保存するようにしたことにより、異なる印刷時に分けて印刷する場合にも、印刷部数の累計を指定部数内に制限することができる。
【0013】
請求項8に記載の印刷装置は、請求項1または2に記載の印刷装置において、前記印刷許可手段には、前記印刷データを特定する特定情報を生成する特定情報生成手段と、前記特定情報を記憶する抑制印刷記憶手段とが備えられ、前記印刷許可手段は、前記印刷データに対応する前記特定情報が前記抑制印刷記憶手段に存在しない場合に前記指定部数までの印刷を行い、かつ、前記抑制印刷記憶手段に前記特定情報を保存することを特徴とする。請求項8に記載の印刷装置によれば、印刷データに対応する特定情報が存在しない場合に指定部数までの印刷を行い、かつ、特定情報を保存するようにしたことにより、特定情報を保存する印刷装置での印刷を指定部数までに制限することができる。
【0014】
請求項9に記載の印刷装置は、請求項1または2に記載の印刷装置において、前記印刷許可手段には、前記印刷データを特定する特定情報を生成する特定情報生成手段と、前記特定情報と印刷可能な部数とを対応付けて記憶する部数抑制印刷記憶手段と、前記部数抑制印刷記憶手段に前記特定情報が存在しない場合に、前記特定情報と、前記部数検出手段で検出した部数とを対応付けて記憶する特定情報登録手段とが備えられ、前記印刷許可手段は、前記印刷データに対応する前記特定情報が前記部数抑制印刷記憶手段に存在し、かつ、印刷可能な部数がある場合は印刷を行い、前記部数抑制印刷記憶手段の前記印刷データに対応する前記印刷可能な部数を減算することを特徴とする。請求項9に記載の印刷装置によれば、印刷データに対応する特定情報が存在し、かつ、印刷可能な部数がある場合は印刷を行い、印刷データに対応する印刷可能な部数を減算することにより、残りの印刷可能部数の範囲内のみ印刷を可能として、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することができる。
【0015】
請求項10に記載の印刷装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の印刷装置において、前記印刷データに、前記指定部数の印刷を許可する印刷許可情報を検知した場合、前記指定部数による印刷部数の制限を行い、前記印刷許可情報を検出しなかった場合、前記指定部数による印刷部数の制限を解除することを特徴とする。請求項10に記載の印刷装置によれば、指定部数の印刷を許可する印刷許可情報を検出しなかった場合に印刷部数の制限のない通常の印刷処理を行うことにより、指定部数による印刷部数の制限を解除することが可能になる。
【0016】
請求項11に記載の印刷装置は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置において、外部装置より印刷データを入力する外部入力手段と、前記外部入力手段からの前記印刷データを印刷する外部印刷手段と、過去に印刷した印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、前記印刷データを印刷するときに該印刷データを前記印刷データ記憶手段に保存する印刷データ保存手段と、前記印刷データ記憶手段から選択した印刷データに基づき印刷を行うリプリント印刷手段とを備え、前記印刷データに、前記指定部数の印刷を許可する印刷許可情報を検出した場合、前記印刷データ保存手段の動作を解除することを特徴とする。請求項11に記載の印刷装置によれば、印刷データに指定部数の印刷を許可する印刷許可情報を検出した場合に印刷データを保存しないようにしたことにより、リプリントによる印刷を制限することができる。
【0017】
請求項12に記載の印刷部数許可方法は、リムーバブル記憶媒体に記憶された印刷データに基づきを用紙上に画像形成する印刷装置において、指定部数を検出する部数検出工程と、検出された指定部数までの印刷を許可する印刷許可工程とを含むことを特徴とする。請求項12に記載の印刷部数許可方法によれば、リムーバブル記憶媒体に印刷を許可する指定部数を記憶することにより、印刷部数の指定が可能になるため、不正に、あるいは必要以上に印刷される可能性が低減され、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0018】
請求項13に記載の印刷部数許可方法は、請求項12に記載の印刷部数許可方法において、前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達したことを条件として、前記リムーバブル記憶媒体の前記印刷データを削除する削除工程を含むことを特徴とする。請求項13に記載の印刷部数許可方法によれば、印刷部数の累計が指定部数に到達したことを条件としてリムーバブル記憶媒体の印刷データを削除することにより、指定部数印刷後に印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0019】
請求項14に記載の印刷部数許可方法は、請求項12に記載の印刷部数許可方法において、前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除する削除工程を含むことを特徴とする。請求項14に記載の印刷部数許可方法によれば、印刷部数の累計が指定部数に到達する前にリムーバブル記憶媒体が引き抜かれた場合でも、リムーバブル記憶媒体に記憶されている印刷データを削除することで、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0020】
請求項15に記載の印刷部数許可方法は、請求項12に記載の印刷部数許可方法において、前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除できた場合には印刷を行い、削除できなかった場合には印刷を行わない削除工程を含むことを特徴とする。請求項15に記載の印刷部数許可方法によれば、リムーバブル記憶媒体に記憶されている印刷データを削除できた場合にはリムーバブル記憶媒体が印刷装置から抜かれていないので、指定部数の印刷を行うのに対し、削除できなかった場合には、リムーバブル記憶媒体が印刷装置から抜かれているなどの要因により、印刷データの不正取得を防止するため印刷を停止する。このことにより、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0021】
請求項16に記載の印刷部数許可方法は、請求項12に記載の印刷部数許可方法において、前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達した後に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除する削除工程を含むことを特徴とする。請求項16に記載の印刷部数許可方法によれば、印刷部数の累計が指定部数に到達した後にリムーバブル記憶媒体に記憶されている印刷データを削除することにより、確実に指定部数が印刷され、かつ印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
手軽に指定部数の印刷物を印刷でき、かつ指定部数を超えた印刷物の印刷を確実に防止するという目的を、リムーバブル記憶媒体に記憶されている指定部数までの印刷を許可することにより達成した。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例1に係る印刷装置1の外観を示す斜視図である。印刷装置1は、筐体2を有しており、筐体2の下部には、積層された用紙が収納された給紙トレイ2aが装着される。給紙トレイ2aは着脱可能とされ、印刷装置1の前面方向に引き出すことによりこれを取り外すことができる。
【0025】
印刷装置1の上面の後端縁寄りには、表示部14および操作部15を含む操作パネル20が備えられている。また、印刷装置1の前面には、リムーバブル記憶媒体としてUSBメモリ3(図2参照)が装着されるUSBホストI/F(Interface)部16が設けられている。
【0026】
図2は、印刷装置1の回路ブロック図である。印刷装置1は、印刷装置1全体を制御するCPU(Central Processing Unit)10と、印刷装置1を動作させるプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)11と、CPU10がプログラムおよびデータをロードするRAM(Random Access Memory)12と、レーザビーム方式、又はインクジェット方式等による印刷機構部13と、液晶表示装置等でなる表示部14(図3参照)と、各種操作ボタンを含む操作部15(図3参照)と、USBメモリ3を接続可能なUSBホストI/F部16と、ホストコンピュータ4等に接続されるホストコンピュータI/F部17と、フラッシュROM等の不揮発性メモリでなり、プリンタID(Identification)を記憶するプリンタID記憶部18とを含んで構成されている。RAM12は、ワークメモリ12aを備える。このワークメモリ12aを作業領域とする形で、各種プログラムが実行される。なお、図2中の符号5は、印刷ファイルを作成するパーソナルコンピュータ(以下、印刷ファイル生成用パソコンという)を示す。
【0027】
図3を参照すると、液晶表示装置等でなる表示部14と、実行ボタン151,キャンセルボタン152,リプリントボタン153,および上下ボタン154からなる操作部15とは、操作パネル20に一体的に設けられている。実行ボタン151は、選択したファイルを印刷機構部13で印刷するための操作ボタンである。キャンセルボタン152は、処理を中止するための操作ボタンである。リプリントボタン153は、RAM12上に保存された印刷データを使用して再印刷するリプリントモードを実行させるための操作ボタンである。上下ボタン154は、表示部14に表示される選択肢を別の選択肢に切り換えるための操作ボタンである。
【0028】
図4(a)〜(c)は、表示部14に表示される画面を例示する図である。図4(a)に示すファイル選択画面では、上下ボタン154を操作することにより、印刷するファイルを選択することができる。図4(b)に示す印刷部数指定画面では、最大印刷可能部数(MAX)としてUSBメモリ3に格納されている印刷部数nが表示されるとともに、上下ボタン154を操作することにより、印刷可能部数nの範囲内で印刷する部数(印刷部数)を指定することができる。図4(c)に示すリプリント選択画面では、上下ボタン154を操作することにより、リプリントする印刷データを選択することができる。ここでは、リプリントする印刷データを、年月日時秒で特定するようになっている。リプリントする印刷データを年月日時秒で特定するようにしたのは、リプリントする印刷データのファイル名等が必ずしもわからない場合,同じファイル名でも異なる印刷データである場合があるからである。
【0029】
図5は、ROM11の内容を例示する図である。ROM11には、検知プログラム11a,部数検出プログラム11b,印刷許可プログラム11c,印刷装置処理プログラム11dなどの各種プログラムが記憶されている。検知プログラム11aは、USBメモリ3がUSBホストI/F部16に接続されたことを検知するプログラムである。部数検出プログラム11bは、USBメモリ3がUSBホストI/F部16に接続されたときに、USBメモリ3から指定部数を読み出すプログラムである。印刷許可プログラム11cは、指定部数の範囲内で印刷を許可するプログラムである。印刷装置処理プログラム11dは、印刷機構部13による印刷処理を制御するプログラムである。部数検出プログラム11b,および印刷許可プログラム11cをCPU10が読み出して実行することにより、本発明の指定部数検出手段,および印刷許可手段がそれぞれ実現される。
【0030】
図6は、USBメモリ3に印刷ファイルを生成する印刷ファイル生成用パソコン5を示すブロック図である。印刷ファイル生成用パソコン5は、周知のCPU24,RAM25,ROM26,HDD(Hard Disk Drive)27,I/O(Input/Output)28,USBホストI/F部31,これらを繋ぐバスライン32を含む。I/O28には、キーボード等の入力装置29と、液晶パネル等の表示装置30とが接続されている。RAM25は、ワークメモリ25aを備える。このワークメモリ25aを作業領域とする形で、各種プログラムが実行される。また、USBホストI/F部31には、USBメモリ3が着脱自在に装着される。HDD27には、OS(Operating System)27aおよび印刷ファイル作成プログラム27bが記憶されている。OS27aは、印刷ファイル生成用パソコン5の基本ソフトウエアである。また、印刷ファイル作成プログラム27bは、印刷ファイルを作成するためのプログラムである。印刷ファイル作成プログラム27bを実行し、管理者が入力装置29を使って所定の入力操作を行うことにより、印刷ファイルを作成してUSBメモリ3に格納することができる。このようなOS27aとしては、例えばマイクロソフト社のWindows(登録商標)を例示できる。
【0031】
図7は、印刷ファイル生成用パソコン5における印刷ファイル作成処理を示すフローチャートである。ステップS101で表示される部数制限印刷ファイル作成画面71には、ファイル名,プリンタIDおよび指定部数を入力する文書ファイル入力欄711,プリンタID入力欄712および指定部数入力欄713の各フィールドが表示される。また、各フィールドに入力された値を有効にして処理を続行することを指示するOKアイコン714と、入力を無効にして処理を終了することを指示するキャンセルアイコン715が表示される。ここで、プリンタIDは、印刷装置1を一意に特定する情報であり、印刷装置1を特定する必要がない場合には、後述する暗号化のための暗号キーとなる文字列を入力することも可能である。また、印刷ファイル72は、部数制限コマンド721,指定部数722,プリンタID723,文書ファイル名724,作成日時725,およびチェックサム726からなるヘッダと、暗号化された文書ファイル(印刷データ)727からなるボディーとで構成されている。チェックサム726は、暗号化される前の文書ファイルに基づいて計算されたチェックサムである。USBメモリ3に印刷を許可する指定部数722を記憶することにより、印刷部数の指定が可能になるため、不正に、あるいは必要以上に印刷される可能性が低減され、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0032】
図8は、印刷装置処理を示すフローチャートである。ここで、リプリントフラグは、印刷ファイルをリプリントデータ(再印刷データ)として印刷装置1内に保存するか否かを表すフラグであり、ONのときにはリプリントデータを保存することを、OFFのときにリプリントデータを保存しないことを表す。リプリントフラグは、印刷ファイルが部数制限印刷ファイルである場合に、その印刷データが印刷装置1内に残って再印刷されないようにするために設けられているものであり、初期値はONである。
【0033】
図9は、部数制限印刷処理(1)を示すフローチャートである。ここでは、1部目の印刷処理(S318)を開始する以前にUSBメモリ3に記憶されている印刷ファイル72(S311)を削除している点が1つの特徴である。
【0034】
図10は、印刷処理を示すフローチャートである。ここでは、リプリントによる印刷ではなく、かつリプリントフラグがONのときに、印刷データをリプリントデータとしてRAM12上に保存している(S406)。
【0035】
次に、このように構成された実施例1に係る印刷装置1の動作について、図1ないし図10を参照しながら説明する。
【0036】
印刷ファイル生成用パソコン5では、印刷ファイル作成プログラム27bによる印刷ファイル作成処理が開始されると、CPU24は、文書ファイル名,プリンタID,および指定部数の入力画面である部数制限印刷ファイル作成画面71(図7参照)を表示する(図7のS101)。
【0037】
次に、CPU24は、部数制限印刷ファイル作成画面71中のキャンセルアイコン715がクリックされたかどうかを判定し(S102)、キャンセルアイコン715がクリックされた場合には(S102:YES)、印刷ファイル作成処理を終了する。
【0038】
OKアイコン714がクリックされれば(S102:NO)、CPU24は、部数制限印刷ファイル作成画面71の文書ファイル名入力欄711に入力された文書ファイル名を読み出し(S103)、文書ファイル名のファイルがあるかどうかを判定する(S104)。文書ファイル名のファイルがなければ(S104:NO)、CPU24は、ファイルなしのエラーを表示装置30に表示して(S105)、印刷ファイル作成処理を終了する。
【0039】
文書ファイル名のファイルがあれば(S104:YES)、CPU24は、印刷ファイル72のヘッダに部数制限コマンド,指定部数入力欄713に入力された指定部数,プリンタID入力欄712に入力されたプリンタID,S103の処理で読み出した文書ファイル名,およびOS27aの機能を用いて取得した日時を作成日時としてHDD27内の図示しないテンポラリ領域に保存し(S106)、S103の処理で読み出された文書ファイル名に対応する文書ファイルを読み出す(S107)。
【0040】
次に、CPU24は、読み出した文書ファイルが印刷可能形式であるかどうかを判定する(S108)。例えば、文書ファイルのファイル名の拡張子を見て、これが「.bmp」,「.jpg」等の印刷可能な形式かどうかを判定する。読み出した文書ファイルが印刷可能形式でなければ(S108:NO)、CPU24は、印刷不可のエラーを表示して(S109)、印刷ファイル作成処理を終了する。
【0041】
読み出した文書ファイルが印刷可能形式であれば(S108:YES)、CPU24は、テンポラリ領域に記憶した印刷ファイル72のヘッダに文書ファイルのチェックサムを保存する(S110)。チェックサムの計算方法としては様々な方法があるが、文書ファイルのデータを4バイトずつ足し込んでいった結果をチェックサムとして利用する方法などがある。
【0042】
次に、CPU24は、プリンタID723を暗号キーに文書ファイルを暗号化してテンポラリ領域に記憶した印刷ファイル72のボディーとする(S111)。なお、ここでは、暗号キーとしてプリンタID723を使用するようにしたが、ユーザにより別途入力させた暗号キーを使用するようにしてもよい。ただし、プリンタID723を用いるようにした方が暗号キーの別途入力を必要とせずに利便性が高いとともに、印刷ファイル72を当該プリンタID723の印刷装置1以外では印刷できないようにすることができる。
【0043】
次に、CPU24は、USBメモリ3がUSBホストI/F部31に挿入されている状態であるかどうかを判定し(S112)、USBメモリ3がUSBホストI/F部31に挿入されていなければ(S112:NO)、USBメモリ3のUSBホストI/F部31への挿入を促す(S113)。
【0044】
USBメモリ3がUSBホストI/F部31に挿入されていれば(S112:YES)、CPU24は、USBメモリ3のルートディレクトリに文書ファイル名の拡張子を「.prn」に変更したファイル名でテンポラリ領域に記憶した印刷ファイル72をコピーすることで保存し(S114)、印刷ファイル作成処理を終了する。
【0045】
印刷ファイル生成用パソコン5において印刷ファイル72が作成されてUSBメモリ3に格納された後、印刷装置1において、印刷装置処理プログラム11dによる印刷装置処理が開始されると、CPU10は、リプリントフラグをONに初期化する(図8のS201)。
【0046】
次に、CPU10は、割込み等のイベントがあるかどうかを判定し(S202)、イベントがなければ(S202:NO)、イベントがあるまで待機する。
【0047】
イベントがあると(S202:YES)、CPU10は、イベントがUSBメモリ3のUSBホストI/F部16への挿入であるどうかを判定する(S203)。この判定は、いま生じたイベントがUSBメモリ3のUSBホストI/F部16への挿入であるどうかを判定するものであり、すでにUSBホストI/F部16にUSBメモリ3が挿入されていた場合には、NOとなる。イベントがUSBメモリ3のUSBホストI/F部16への挿入であれば(S203:YES)、CPU10は、表示部14にファイル選択画面(図4(a)参照)を表示する(S204)。
【0048】
表示部14に表示されたファイル選択画面(図4(a)参照)を見て、ユーザがキャンセルボタン152を押下すると、CPU10は、キャンセルボタン152が押下されたどうかを判定し(S205)、キャンセルボタン152が押下されているので(S205:YES)、ステップS202に制御を戻す。
【0049】
キャンセルボタン152が押下されていなければ(S205:NO)、CPU10は、USBメモリ3の文書ファイル727のヘッダに部数制限コマンド721があるかどうかを判定し(S206)、部数制限コマンド721があれば(S206:YES)、部数制限印刷処理(1)を行う(S207)。
【0050】
部数制限印刷処理(1)では、CPU10は、プリンタID記憶部18からプリンタID723を読み出し(図9のS301)、USBメモリ3から印刷ファイル72全体をRAM12に読み出す(S302)。
【0051】
次に、CPU10は、USBメモリ3がUSBホストI/F部16からすでに抜き取られている等の原因により印刷ファイル72の読出しに失敗したかどうかを判定し(S303)、読出失敗であれば(S303:YES)、表示部14に読出しエラーを2秒間表示し(S304)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S321)、部数制限印刷処理(1)を終了する。
【0052】
読出失敗でなければ(S303:NO)、CPU10は、プリンタID723を復号キーとして暗号化された文書ファイル727を復号し(S305)、復号失敗であるかどうかを判定する(S306)。なお、印刷を行う印刷装置として特定の印刷装置1を指定しない場合には、プリンタID723の代わりに、ユーザに復号キーを入力させる形式でもよい。復号失敗であれば(S306:YES)、CPU10は、表示部14に復号失敗エラーを2秒間表示し(S307)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S321)、部数制限印刷処理(1)を終了する。
【0053】
復号失敗でなければ(S306:NO)、CPU10は、復号された文書ファイルのチェックサムを計算して印刷ファイル72のヘッダのチェックサム726と比較し(S308)、両チェックサムが等しいかどうかを判定する(S309)。
【0054】
両チェックサムが等しくなければ(S309:NO)、CPU10は、表示部14にチェックサムエラーを2秒間表示し(S310)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S321)、部数制限印刷処理(1)を終了する。
【0055】
両チェックサムが等しければ(S309:YES)、CPU10は、USBメモリ3から印刷ファイル72を削除する(S311)。印刷処理(S318)を開始する前に、USBメモリ3に記憶されている印刷ファイル72を削除することにより、USBメモリ3がUSBホストI/F部16から引き抜かれた場合等でも、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0056】
次に、CPU10は、USBメモリ3がUSBホストI/F部16からすでに抜き取られていたり、USBメモリ3にライトプロテクトがかけられたりする等の原因により印刷ファイルの削除に失敗したかどうかを判定する(S312)。削除失敗であれば(S312:YES)、CPU10は、表示部14に削除不能エラーを2秒間表示し(S313)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S321)、部数制限印刷処理(1)を終了する。印刷ファイル72をUSBメモリ3から削除できなかった場合には、USBメモリ3が印刷装置1から抜かれている,USBメモリ3にライトプロテクトが掛けられているなどの要因により印刷ファイル72の不正取得を防止するために、印刷処理(S318)を行わないようにするとともに、RAM12から印刷ファイル72を削除する。これにより、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【0057】
削除失敗でなければ(S312:NO)、CPU10は、リプリントフラグの値を保存し(S314)、リプリントフラグをOFFにする(S315)。リプリントフラグの値を保存するようにしたのは、部数制限印刷処理(S207)の場合には、リプリントデータの保存は行わないようにするが、部数制限印刷処理からの復帰後は、リプリントの可否状態を復元できるようにするためである。
【0058】
次に、CPU10は、カウンタに印刷ファイル72のヘッダの指定部数722をセットし(S316)、カウンタの値が1以上であるかどうかを判定する(S317)。
【0059】
カウンタの値が1以上であれば(S317:YES)、CPU10は、印刷処理(図10参照)を行う(S318)。
【0060】
印刷処理(図10参照)では、CPU10は、印刷ファイル72が印刷可能形式であるかどうかを判定する(図10のS401)。具体的には、印刷ファイル72のファイル名の拡張子が「.prn」であるかどうかを判定する。印刷ファイル72が印刷可能形式でなければ(S401:NO)、表示部14にエラーを2秒表示して(S402)、印刷処理を終了する。印刷ファイル72が印刷可能形式であれば(S401:YES)、CPU10は、読み出した印刷ファイル72を印刷機構部13により用紙上に印刷する(S403)。次に、CPU10は、印刷ファイル72の印刷がリプリントキー153の操作に基づくリプリントであったかどうかを判定し(S404)、リプリントであったのであれば(S404:YES)、CPU10は、印刷処理を終了する。リプリントでなかったのであれば(S404:NO)、CPU10は、リプリントフラグがONであるかどうかを判定し(S405)、リプリントフラグがONでなければ(S405:NO)、印刷処理を終了する。リプリントフラグがONであれば(S405:YES)、CPU10は、印刷データをリプリントデータとしてRAM12に保存し(S406)、印刷処理を終了する。部数制限がかけられた印刷であった場合、事前のS315の処理にてリプリントフラグはOFFに設定されているため、リプリントデータの保存は行われない。これにより、リプリントにより制限を越えた印刷を防止することができる。
【0061】
図10の印刷処理から図9の部数制限印刷処理(1)に制御が戻ると、CPU10は、カウンタの値を1つ減算し(S319)、ステップS317に制御を戻す。
【0062】
カウンタの値が1より小さくなると(S317:NO)、CPU10は、リプリントフラグの値を保存していた値に戻し(S320)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S321)、部数制限印刷処理(1)を終了する。
【0063】
図9の部数制限印刷処理(1)から図8の印刷装置処理に制御が戻ると、CPU10は、ステップS202に制御を戻す。
【0064】
一方、部数制限コマンド721でなければ(S206:NO)、CPU10は、USBメモリ3から指定された印刷ファイル72を読み出し(S208)、USBメモリ3がUSBホストI/F部16からすでに抜き取られている等の原因により印刷ファイル72の読出しに失敗したかどうかを判定する(S209)。読出失敗であれば(S209:YES)、CPU10は、表示部14に読出失敗エラーを2秒間表示して(S210)、ステップS202に制御を戻す。
【0065】
読出失敗でなければ(S209:NO)、CPU10は、印刷処理(図10参照)を行う(S211)。指定部数の印刷を許可する印刷許可情報である部数制限コマンド721を検出しなかった場合に、指定部数による印刷部数の制限を行う部数制限印刷処理ではなく印刷処理を行うことにより、指定部数による印刷部数の制限を解除することが可能になる。印刷処理(図10参照)についてはすでに説明したので、ここでは詳しい説明を省略する。印刷処理の後、CPU10は、ステップS202に制御を戻す。
【0066】
他方、イベントがUSBメモリ3のUSBホストI/F部16への挿入でなければ(S203:NO)、CPU10は、リプリントキー153が押下されたかどうかに基づいてリプリントかどうかを判定する(S212)。リプリントでなければ(S212:NO)、CPU10は、パーソナルコンピュータ(PC)プリントなどの印刷装置1のその他の処理を実施し(S213)、ステップS202に制御を戻す。
【0067】
リプリントであれば(S212:YES)、CPU10は、表示部14にリプリント選択画面(図4(c)参照)を表示する(S214)。
【0068】
リプリント選択画面(図4(c)参照)を見て、ユーザがキャンセルキー152を押下すると、CPU10は、キャンセルボタン152が押下されたかどうかに基づいてキャンセルかどうかを判定し(S215)、キャンセルであるので(S215:YES)、ステップS202に制御を戻す。
【0069】
リプリント選択画面(図4(c)参照)を見て、ユーザが、上下キー154を操作することにより、リプリントしようとするリプリントデータを選択すると、CPU10は、USBメモリ3から指定された印刷ファイル72を読み出し(S216)、印刷処理(図10参照)を行う(S211)。印刷処理(図10参照)についてはすでに説明したので、ここでは詳しい説明を省略する。印刷処理の後、CPU10は、ステップS202に制御を戻す。
【0070】
実施例1によれば、部数制限コマンド721,指定部数722等を含む印刷ファイル72を作成してUSBメモリ3に格納し、このUSBメモリ3を印刷装置1に挿入するようにしたことにより、印刷を指定部数722までに制限することができる。また、印刷処理の前段でUSBメモリ3の印刷ファイル72を削除するようにしたことにより、指定部数722を超えた印刷を確実に防止することができる。
【実施例2】
【0071】
ところで、上記実施例1では、部数制限印刷処理(1)において、1部目の印刷処理を開始する以前にUSBメモリ3に記憶されている印刷ファイル72を削除しているので(S311参照)、印刷部数の印刷が終了する前に印刷装置1の電源が落ちたりした場合には、それ以降の印刷部数の印刷できないことになる。しかし、3部目で印刷装置1の電源が落ちたりした場合には、4部目から印刷部数までの印刷を可能にするようにしてもよい。
【0072】
図11は、印刷装置1の電源が印刷の途中で落ちたりして、印刷部数の印刷が完了しなかった場合でも、印刷未了の印刷部数の印刷を再度可能にするようにした、本発明の実施例2に係る印刷装置1における部数制限印刷処理(2)を示すフローチャートである。ここでは、1部目の印刷処理を開始する以前にUSBメモリ3に記憶されている印刷ファイル72を削除せずに、USBメモリ3の指定部数722がゼロになった段階でUSBメモリ3に記憶されている印刷ファイル72を削除するようにしている(図11のS524参照)。
【0073】
なお、その他の特に言及しない部分は、実施例1に係る印刷装置1における対応部分と同様に構成されているので、それらの詳細な説明は割愛する。
【0074】
次に、このように構成された実施例2に係る印刷装置1の動作について、実施例1に係る印刷装置1と異なる点を中心に説明する。
【0075】
部数制限印刷処理(2)では、CPU10は、プリンタID記憶部18からプリンタID723を読み出し(図11のS501)、USBメモリ3から印刷ファイル72全体をRAM12に読み出す(S502)。
【0076】
次に、CPU10は、USBメモリ3がUSBホストI/F部16からすでに抜き取られている等の原因により印刷ファイル72の読出しに失敗したかどうかを判定し(S503)、読出失敗であれば(S503:YES)、表示部14に読出しエラーを2秒間表示し(S504)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S526)、部数制限印刷処理(2)を終了する。
【0077】
読出失敗でなければ(S503:NO)、CPU10は、プリンタIDを復号キーとして暗号化された文書ファイル727を復号し(S505)、復号失敗であるかどうかを判定する(S506)。なお、特定の印刷装置1を指定しない場合には、プリンタIDの代わりに復号キーを入力させる形式でもよい。復号失敗であれば(S506:YES)、CPU10は、表示部14に復号失敗エラーを2秒間表示し(S507)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S526)、部数制限印刷処理(2)を終了する。
【0078】
復号失敗でなければ(S506:NO)、CPU10は、文書ファイルのチェックサムを計算して印刷ファイル72のヘッダのチェックサム726と比較し(S508)、両チェックサムが等しいかどうかを判定する(S509)。
【0079】
両チェックサムが等しくなければ(S509:NO)、CPU10は、表示部14にチェックサムエラーを2秒間表示し(S510)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S521)、部数制限印刷処理(2)を終了する。
【0080】
両チェックサムが等しければ(S509:YES)、CPU10は、印刷ファイル72のヘッダの指定部数722を読み出して印刷部数とし(S511)、表示部14に印刷部数指定画面(図4(b)参照)を表示する(S512)。
【0081】
印刷部数指定画面(図4(b)参照)を見て、ユーザが指定部数の範囲内で部数を指定すると、CPU10は、部数の入力を受けて印刷部数とし(S513)、リプリントフラグの値を保存し(S514)、リプリントフラグをOFFにする(S515)。
【0082】
次に、CPU10は、カウンタに印刷部数の値をセットし(S516)、カウンタの値、すなわち印刷部数が1以上であるかどうかを判定する(S517)。
【0083】
カウンタの値が1以上であれば(S517:YES)、CPU10は、USBメモリ3の印刷ファイル72の指定部数722を1つ減算して書き込む(S518)。なお、このUSBメモリ3の印刷ファイル72に書き込まれた、指定部数722の減算値(残部数)は、前記S512においてCPU10が読み出し、図4(b)に示すように印刷装置1の表示部14に、例えば「MAX:n部」(nが残部数を示している)のように表示される。このように、指定部数722から印刷された部数を減算した残部数をUSBメモリ3に再保存するとともに、残部数を印刷する際に、表示部14に表示されるようにしたことにより、小分け印刷を可能にしつつ、印刷可能部数(残部数)が一目理解可能である。
【0084】
次に、CPU10は、USBメモリ3がUSBホストI/F部16からすでに抜き取られていた、USBメモリ3にライトプロテクトが掛けられていた等の原因により書込失敗かどうかを判定し(S519)、書込失敗であれば(S519:YES)、表示部14に書込みエラーを2秒表示し(S520)、印刷ファイル72をRAM12から削除し(S526)、部数制限印刷処理(2)を終了する。このように、USBメモリ3の印刷ファイル72の指定部数722を1つ減算して書き込むことができなかった場合に、印刷を行わないようにしたのは、印刷を行うようにした場合には、USBメモリ3を繰り返しUSBホストI/F部16に挿入することにより、指定部数722以上の印刷が可能になってしまうからである。
【0085】
書込失敗でなければ(S519:NO)、CPU10は、印刷処理(図10参照)を行う(S521)。印刷処理(図10参照)についてはすでに説明したので、ここでは詳しい説明を省略する。印刷処理の後、CPU10は、カウンタの値を1つ減算し(S522)、ステップS517に制御を戻す。
【0086】
カウンタの値が1未満になると(S517:NO)、CPU10は、USBメモリ3の印刷ファイル72の指定部数722がゼロであるかどうかを判定し(S523)、USBメモリ3の印刷ファイル72の指定部数722がゼロであれば(S523:YES)、USBメモリ3の印刷ファイル72を削除する(S524)。印刷部数の累計が指定部数722に到達したことを条件としてUSBメモリ3の印刷ファイル72を削除することにより、確実に指定部数722が印刷され、かつ指定部数722の印刷後に印刷ファイル72の不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。指定部数722がゼロでなければ(S523:NO)、CPU10は、ステップS524をスキップする。
【0087】
次に、CPU10は、リプリントフラグの値を保存していた値に戻し(S525)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S526)、部数制限印刷処理(2)を終了する。
【0088】
実施例2によれば、指定部数722の範囲内で印刷部数を指定できるようにし、印刷部数の累計が指定部数722に到達したときにUSBメモリ3から印刷ファイル72を削除するようにしたので、印刷部数の累計が指定部数722に到達するまでは、指定部数722のうちの残りの部数の印刷を行うことができる。また、印刷処理(S521)の前段でUSBメモリ3の指定部数722を1つ減じているので(S518)、印刷処理の途中で印刷装置1の電源が落ちた場合等には、印刷中の部数については途中のページまでしか印刷されないが、印刷装置1の電源が回復した後には、USBメモリ3を使用して残りの印刷部数について印刷することができる。
【実施例3】
【0089】
ところで、上記実施例1および2では、印刷装置1がUSBメモリ3に対して書き込みを行うようにしたが(S311,図11のS518参照)、このようにした場合には、ライトプロテクトが掛けられたUSBメモリ3を使用することができないという不都合がある。このため、印刷装置1に印刷ファイル72を一意に特定する情報(特定情報)と印刷部数とを保存して、USBメモリ3に対して書き込みを行うことなしに、印刷ファイル72の印刷部数を制限することが可能である。
【0090】
図12は、印刷装置1に印刷ファイル72を一意に特定する情報(特定情報)である禁止コードと印刷部数とを保存して、USBメモリ3に対して書き込みを行うことなしに印刷ファイル72の印刷部数を制限することができるようにした、本発明の実施例3に係る印刷装置1の回路ブロック図である。この回路ブロック図は、図2に示した実施例1に係る印刷装置1の回路ブロック図におけるプリンタID記憶部18を、プリンタID記憶部18および禁止DB(DataBase)19を含む記憶部20に置き換えた点だけが異なっている。記憶部20は、フラッシュROM等の不揮発性メモリでなる。
【0091】
図13は、本発明の実施例3に係る印刷装置1における部数制限印刷処理(3)を示すフローチャートである。禁止DB19には、禁止コードおよび部数からなるレコードが1つ以上格納されている。禁止コードは、特定の印刷装置1での複数回にわたる印刷を可能にするためのものであり、様々な内容とすることができる。ここでは、禁止コードを、作成日時,ファイル名およびチェックサムを並置した内容であるものとする。なお、古い禁止DB19を削除するなどの禁止DB19の効率的な記憶方法は、適宜設計可能である。
【0092】
なお、その他の特に言及しない部分は、実施例1に係る印刷装置1における対応部分と同様に構成されているので、それらの詳細な説明は割愛する。
【0093】
次に、このように構成された実施例3に係る印刷装置1の動作について、実施例1に係る印刷装置1と異なる点を中心に説明する。
【0094】
部数制限印刷処理(3)では、CPU10は、プリンタID記憶部18からプリンタIDを読み出し(図13のS601)、USBメモリ3から印刷ファイル72全体をRAM12に読み出す(S602)。
【0095】
次に、CPU10は、USBメモリ3がUSBホストI/F部16からすでに抜き取られている等の原因により印刷ファイル72の読出しに失敗したかどうかを判定し(S603)、読出失敗であれば(S603:YES)、表示部14に読出しエラーを2秒間表示し(S604)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S624)、部数制限印刷処理(3)を終了する。
【0096】
読出失敗でなければ(S603:NO)、CPU10は、プリンタIDを復号キーとして暗号化された文書ファイル727を復号し(S605)、復号失敗であるかどうかを判定する(S606)。なお、特定の印刷装置1を指定しない場合には、プリンタIDの代わりに復号キーを入力させる形式でもよい。復号失敗であれば(S606:YES)、CPU10は、表示部14に復号失敗エラーを2秒間表示し(S607)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S624)、部数制限印刷処理(3)を終了する。
【0097】
復号失敗でなければ(S606:NO)、CPU10は、文書ファイルのチェックサムを計算して印刷ファイル72のヘッダのチェックサム726と比較し(S608)、両チェックサムが等しいかどうかを判定する(S609)。
【0098】
両チェックサムが等しくなければ(S609:NO)、CPU10は、表示部14にチェックサムエラーを2秒間表示し(S610)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S624)、部数制限印刷処理(3)を終了する。
【0099】
両チェックサムが等しければ(S609:YES)、CPU10は、作成日時,ファイル名およびチェックサムからなる禁止コードを作成し(S611)、禁止DB19に同一の禁止コードがあるかどうかを判定する(S612)。
【0100】
同一の禁止コードがなければ(S612:NO)、印刷装置1での文書ファイル(印刷データ)727の初めての印刷であることを意味するので、CPU10は、禁止コードおよび印刷ファイル72のヘッダの指定部数722を禁止DB19に保存する(S613)。文書ファイル(印刷データ)727に対応する特定情報である禁止コードが存在しない場合に指定部数722までの印刷を行い、かつ、禁止コードを保存するようにしたことにより、禁止コード(特定情報)を保存する印刷装置1での印刷を指定部数722までに制限することができる。
【0101】
同一の禁止コードがあれば(S612:YES)、印刷装置1で文書ファイル(印刷データ)727が印刷されたことがあることを意味するので、CPU10は、禁止DB19の同一の禁止コードに対応する部数がゼロであるかどうかを判定し(S614)、部数がゼロであれば(S614:YES)、すでに指定部数722の印刷が終了しているので、表示部14に禁止エラーを2秒間表示し(S615)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S624)、部数制限印刷処理(3)を終了する。
【0102】
ステップS613で禁止DB19に禁止コードおよび印刷ファイル72のヘッダの指定部数722を保存した後、あるいは禁止DB19の部数がゼロでなければ(S614:NO)、CPU10は、リプリントフラグの値を保存し(S616)、リプリントフラグをOFFにする(S617)。
【0103】
次に、CPU10は、カウンタに禁止DB19の部数の値をセットし(S618)、カウンタの値が1以上であるかどうかを判定する(S619)。
【0104】
カウンタの値が1以上であれば(S619:YES)、CPU10は、禁止DB19の部数の値を1つ減算し(S620)、印刷処理(図10参照)を行う(S621)。印刷ファイル72に対応する禁止コードが存在し、かつ、印刷可能な部数がある場合は印刷を行い、禁止DB19の印刷ファイル72に対応する印刷可能な部数を減算することにより、残りの印刷可能部数が一目で理解可能となる。印刷処理(図10参照)についてはすでに説明したので、ここでは詳しい説明を省略する。印刷処理の後、CPU10は、カウンタの値を1つ減算し(S622)、ステップS619に制御を戻す。
【0105】
カウンタの値が1未満になると(S619:NO)、CPU10は、リプリントフラグの値を保存していた値に戻し(S623)、印刷ファイル72をRAM12から削除して(S624)、部数制限印刷処理(3)を終了する。
【0106】
実施例3によれば、印刷装置1に禁止コード(特定情報)および部数を禁止DB19に保存するようにしたことにより、同一の禁止コードを保存する印刷装置1での印刷を指定部数722までに制限することができる。また、印刷処理(S621)の前段で禁止DB19の部数を1つ減じているので(S620)、印刷処理の途中で印刷装置1の電源が落ちた場合等には、印刷中の部数については途中のページまでしか印刷されないが、印刷装置1の電源が回復した後には、USBメモリ3を使用して残りの印刷部数について印刷することができる。
【実施例4】
【0107】
図14は、本発明の実施例4に係る印刷装置による印刷処理を示すフローチャートである。この印刷処理では、CPU10は、USBメモリ3のUSBホストI/F部16への差込みを判定しており(T1)、USBメモリ3が差し込まれると(T1:YES)、USBメモリ3から印刷データを読み出してプリンタバッファ(RAM12)へ展開する(T2)。次に、CPU10は、USBメモリ3から指定部数722を読み出し、印刷装置1の印刷部数に設定する(T3)。続いて、CPU10は、USBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜き取られたかどうかを判定し(T4)、USBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜き取られていなければ(T4:NO)、印刷を開始する(T5)。次に、CPU10は、印刷が終了したかどうかを判定し(T6)、印刷が終了していなければ(T6:NO)、USBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜き取られたかどうかを判定する(T8)。USBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜き取られていなければ(T8:NO)、CPU10は、USBメモリ3から印刷データが削除済みかどうかを判定し(T9)、USBメモリ3から印刷データが削除済みでなければ(T9:NO)、USBメモリ3から印刷データを削除して(T10)、ステップT6に制御を戻す。そして、印刷が終了すると(T6:YES)、CPU10は、プリンタバッファ(RAM12)から印刷データを削除して(T7)、印刷処理を終了する。
【0108】
印刷途中でUSBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜き取られた場合(T8:YES)、CPU10は、USBメモリ3から印刷データが削除済みかどうかを判定し(T11)、USBメモリ3から印刷データが削除済みであれば(T11:YES)、ステップT6に制御を戻す。そして、印刷が終了すると(T6:YES)、CPU10は、プリンタバッファ(RAM12)から印刷データを削除して(T7)、印刷処理を終了する。
【0109】
一方、印刷途中でUSBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜き取られた場合で(T8:YES)、USBメモリ3から印刷データが削除済みでなければ(T11:NO)、CPU10は、印刷を中途で停止し(T12)、プリンタバッファ(RAM12)から印刷データを削除して(T7)、印刷処理を終了する。
【0110】
印刷開始前にUSBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜き取られた場合(T4:YES)、プリンタバッファ(RAM12)から印刷データを削除して(T7)、印刷処理を終了する。
【0111】
実施例4によれば、USBメモリ3から印刷データが削除できた場合ではUSBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜かれていないので(削除後にUSBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜かれた場合も同様)、指定部数722の印刷を行うのに対し、USBメモリ3から印刷データが削除できなかった場合では、USBメモリ3がUSBホストI/F部16から抜かれているなどの要因により、印刷データの不正取得を防止するため印刷を停止する。このように「印刷の停止」は、上述のように、指定部数722の印刷自体を開始しない場合(T4:YES→T7→END)と、印刷が開始された後、途中で印刷を中止する場合(T11:NO→T12→T7→END)とを含む。このことにより、印刷データの不正取得を防止し、情報漏洩の危険を回避することが可能になる。
【実施例5】
【0112】
図15は、本発明の実施例4に係る印刷装置による印刷処理を示すフローチャートである。この印刷処理は、図14に示した実施例3に係る印刷装置による印刷処理のステップT2とステップT3との間にステップTa1〜Ta3を追加するとともに、ステップT9とステップT10との間にステップTa4を追加するようにしたものである。したがって、以下、追加されたステップによる相違点についてだけ動作を説明する。
【0113】
USBメモリ3から印刷データを読み出しプリンタバッファ(RAM12)に展開すると(T2)、CPU10は、印刷部数の設定入力があるかどうかを判定し(Ta1)、印刷部数の設定入力がなければ(Ta1:NO)、USBメモリ3から指定部数722を読み出して印刷装置1の印刷部数を設定する(T3)。一方、印刷部数の設定入力があれば(Ta1:YES)、CPU10は、入力部数により印刷部数を設定し(Ta2)、指定部数722から印刷部数を引いた部数(=指定部数の残部数)をUSBメモリ3へ書き込み(Ta2)、ステップT4に制御を移す。
【0114】
CPU10は、USBメモリ3から印刷データが削除済みかどうかを判定し(T9)、USBメモリ3から印刷データが削除済みでなければ(T9:NO)、USBメモリ3の残部数が1以上であるかどうかを判定する(Ta4)。USBメモリ3の残部数が1以上であれば(Ta4:YES)、CPU10は、ステップT6に制御を戻す。一方、USBメモリ3の残部数が1以上でなければ、つまり0であれば(Ta4:NO)、CPU10は、USBメモリ3から印刷データを削除して(T10)、ステップT6に制御を戻す。
【0115】
実施例5によれば、指定部数722から印刷された部数を減算してUSBメモリ3に保存するようにしたことにより、異なる印刷時に分けて印刷する場合にも、印刷部数の累計を指定部数722内に制限することができる。
【0116】
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施例1に係る印刷装置の外観斜視図。
【図2】本実施例1に係る印刷装置の回路ブロック図。
【図3】本実施例1に係る印刷装置の操作パネルの図。
【図4】表示部に表示される画面を例示する図。
【図5】ROMの内容を例示する図。
【図6】印刷ファイル生成用パソコンの構成を示すブロック図。
【図7】印刷ファイル生成用パソコンによる印刷ファイル作成処理を示すフローチャート。
【図8】本実施例1に係る印刷装置による印刷装置処理を示すフローチャート。
【図9】本実施例1に係る印刷装置による部数制限印刷処理(1)を示すフローチャート。
【図10】本実施例1に係る印刷装置による印刷処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施例2に係る印刷装置による部数制限印刷処理(2)を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施例3に係る印刷装置の回路ブロック図。
【図13】本実施例3に係る印刷装置による部数制限印刷処理(3)を示すフローチャート。
【図14】本発明の実施例3に係る印刷装置による印刷処理を示すフローチャート。
【図15】本発明の実施例4に係る印刷装置による印刷処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0118】
1 印刷装置
3 USBメモリ(リムーバブル記憶媒体)
5 印刷ファイル生成用パソコン
10 CPU(指定部数検出手段,印刷許可手段,部数変更手段,特定情報生成手段,リプリント印刷手段)
11 ROM
12 RAM
13 印刷機構部
14 表示部
15 操作部
16 USBホストI/F部
17 ホストコンピュータI/F部(外部入力手段)
18 プリンタID記憶部
19 禁止DB
27a 印刷ファイル作成プログラム
31 USBホストI/F部
151 実行ボタン
152 キャンセルボタン
153 リプリントボタン
154 上下ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムーバブル記憶媒体に記憶された印刷データに基づいて用紙上に画像形成する印刷装置において、
前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている指定部数を検出する部数検出手段と、
前記部数検出手段により検出された指定部数までの印刷を許可する印刷許可手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記部数検出手段は、指定部数の指示がない場合、1部が指定されたと検出する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達したことを条件として、前記リムーバブル記憶媒体の前記印刷データを削除することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除できた場合には印刷を行い、削除できなかった場合には印刷を行わないことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記印刷許可手段は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達した後に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷許可手段には、前記指定部数から印刷された部数を減算して保存する部数変更手段が備えられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷許可手段には、前記印刷データを特定する特定情報を生成する特定情報生成手段と、前記特定情報を記憶する抑制印刷記憶手段とが備えられ、
前記印刷許可手段は、前記印刷データに対応する前記特定情報が前記抑制印刷記憶手段に存在しない場合に前記指定部数までの印刷を行い、かつ、前記抑制印刷記憶手段に前記特定情報を保存することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷許可手段には、前記印刷データを特定する特定情報を生成する特定情報生成手段と、
前記特定情報と印刷可能な部数とを対応付けて記憶する部数抑制印刷記憶手段と、
前記部数抑制印刷記憶手段に前記特定情報が存在しない場合に、前記特定情報と、前記部数検出手段で検出した部数とを対応付けて記憶する特定情報登録手段とが備えられ、
前記印刷許可手段は、前記印刷データに対応する前記特定情報が前記部数抑制印刷記憶手段に存在し、かつ、印刷可能な部数がある場合は印刷を行い、前記部数抑制印刷記憶手段の前記印刷データに対応する前記印刷可能な部数を減算することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷データに、前記指定部数の印刷を許可する印刷許可情報を検知した場合、前記指定部数による印刷部数の制限を行い、
前記印刷許可情報を検出しなかった場合、前記指定部数による印刷部数の制限を解除することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
外部装置より印刷データを入力する外部入力手段と、
前記外部入力手段からの前記印刷データを印刷する外部印刷手段と、
過去に印刷した印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、
前記印刷データを印刷するときに該印刷データを前記印刷データ記憶手段に保存する印刷データ保存手段と、
前記印刷データ記憶手段から選択した印刷データに基づき印刷を行うリプリント印刷手段とを備え、
前記印刷データに、前記指定部数の印刷を許可する印刷許可情報を検出した場合、前記印刷データ保存手段の動作を解除することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
リムーバブル記憶媒体に記憶された印刷データに基づきを用紙上に画像形成する印刷装置において、
指定部数を検出する部数検出工程と、
検出された指定部数までの印刷を許可する印刷許可工程とを含むことを特徴とする印刷部数許可方法。
【請求項13】
前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達したことを条件として、前記リムーバブル記憶媒体の前記印刷データを削除する削除工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の印刷部数許可方法。
【請求項14】
前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除する削除工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の印刷部数許可方法。
【請求項15】
前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達する前に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除できた場合には印刷を行い、削除できなかった場合には印刷を行わない削除工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の印刷部数許可方法。
【請求項16】
前記印刷許可工程は、印刷部数の累計が前記指定部数に到達した後に、前記リムーバブル記憶媒体に記憶されている前記印刷データを削除する削除工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の印刷部数許可方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2007−326253(P2007−326253A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157751(P2006−157751)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】