可変速給水装置
【課題】多量の水が短時間に使用された場合でも、給水圧力の変動を抑えることができる可変速給水装置を提供する。
【解決手段】本発明の可変速給水装置は、ポンプ1Aと、ポンプ1Aを駆動するモータ2Aと、モータ2Aの回転速度を変える変速手段3と、変速手段3を介してポンプ1Aの回転速度を変えることによりポンプ1Aの吐き出し側の水圧を制御する制御部4とを備える。制御部4は、ポンプ1Aの吐き出し側の水の流量が所定の値にまで低下したときにポンプ1Aを停止させ、ポンプ1Aの吐き出し側の水圧が予め設定された始動圧力にまで低下したときはポンプ1Aを始動させ、さらに、予め設定された始動時刻において、ポンプ1Aが停止している場合は、ポンプ1Aを所定の回転速度で回転させるように構成されている。
【解決手段】本発明の可変速給水装置は、ポンプ1Aと、ポンプ1Aを駆動するモータ2Aと、モータ2Aの回転速度を変える変速手段3と、変速手段3を介してポンプ1Aの回転速度を変えることによりポンプ1Aの吐き出し側の水圧を制御する制御部4とを備える。制御部4は、ポンプ1Aの吐き出し側の水の流量が所定の値にまで低下したときにポンプ1Aを停止させ、ポンプ1Aの吐き出し側の水圧が予め設定された始動圧力にまで低下したときはポンプ1Aを始動させ、さらに、予め設定された始動時刻において、ポンプ1Aが停止している場合は、ポンプ1Aを所定の回転速度で回転させるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可変速給水装置に関し、特に給水圧力の変動を抑えることができる可変速給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給水装置では、一般に、ポンプの吐出側に設置された圧力センサにより吐出管内の水圧(以下、吐出圧力という)を検出し、ポンプの回転速度を変化させることで吐出圧力(給水圧力)を一定にしている。通常、水の使用量は時間帯によって大きく変動し、例えば、夜間では水使用量が大幅に減少する。そこで、省エネルギーの観点から、給水装置は、水の使用量がある程度低下したときはポンプを停止させる小水量停止機能を一般に備えている。
【0003】
吐出管には、水を一時的に溜めておく圧力タンクが連結されており、ポンプを再び始動しなくても、しばらくの間は圧力タンクから水が需要先に供給されるようになっている。水が使用されるにつれて圧力タンク内の水は少なくなり、吐出管内の水圧(吐出圧力)が低下する。そして、この吐出圧力がポンプの始動圧力にまで低下すると、圧力センサがこれを検知し、ポンプが再始動される。
【0004】
通常、集合住宅やオフィスビルでは、多量の水が短時間に使用されることがほとんどないため、ポンプ始動後に水の使用に起因する吐出圧力(給水圧力)の変動は少ない。しかしながら、学校やイヴェントビルなどでは、休み時間のトイレなどで大量の水が急激に使用されるため、ポンプによる水の供給が水の使用に追いつかず、しばしば圧力不足を招くなどの支障をきたす場合があった。このような理由から、屋上に設置された水槽から給水する方法が採用されることが多いが、屋上に水槽を設置するための施工や水位検出の配線など、コストが高かった。
【0005】
【特許文献1】特開平6−299576号公報
【特許文献2】特開2006−161613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、多量の水が短時間に使用された場合でも、給水圧力の変動を抑えることができる可変速給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、ポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータの回転速度を変える変速手段と、前記変速手段を介して前記ポンプの回転速度を変えることにより前記ポンプの吐き出し側の水圧を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ポンプの吐き出し側の水の流量が所定の値にまで低下したときに前記ポンプを停止させ、前記ポンプの吐き出し側の水圧が予め設定された始動圧力にまで低下したときは前記ポンプを始動させ、さらに、予め設定された始動時刻において、前記ポンプが停止している場合は、前記ポンプを所定の回転速度で回転させるように構成されていることを特徴とする可変速給水装置である。
【0008】
本発明の好ましい態様は、前記始動時刻は複数であり、該複数の始動時刻は変更可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記始動時刻から所定の時間が経過した後、前記制御部は、前記ポンプの吐き出し側の水圧が所定の目標圧力となるように前記ポンプの回転速度を制御することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ポンプから吐き出された水を逃がす逃がし管と、前記逃がし管に設けられた逃がし弁とをさらに備え、前記始動時刻において、前記ポンプが停止している場合、前記逃がし弁を開いてから、前記ポンプを始動するように構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が前記始動圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が、給水末端への給水に必要な最低圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポンプの始動時刻を休み時間の1分前などに設定しておき、休み時間の前に予めポンプの回転速度を上げておけるので、水が使われ始めたときのポンプの対応が早く、給水圧力(吐出圧力)の変動を最小限に抑えることができる。また、イヴェント会場などではイヴェントによって設定時間を変えて、休憩時間に給水圧力不足が起きないように対応することができる。本発明は、学校やイヴェント会場のほか、映画館、劇場など、トイレ等の使用が集中しやすい休憩時刻が決まっている建物にも効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る可変速給水装置を示す模式図である。この給水装置は、水を加圧する2台のポンプ1A,1Bと、これらポンプ1A,1Bをそれぞれ駆動する2台のモータ2A,2Bと、これらモータ2A,2Bの回転速度を変えるための2台のインバータ(変速手段)3,3と、これらインバータ3,3を介してモータ2A,2Bを制御して、ポンプ1A,1Bの回転速度を変える制御部4とを備えている。なお、本実施形態に係る給水装置は2台のポンプを備えているが、本発明は、この構成に限定されるものではない。すなわち、本発明に係る給水装置は、1台のポンプのみを備えていてもよく、また3台以上のポンプを備えていてもよい。
【0011】
図1に示すように、ポンプ1A,1Bは、それぞれチェッキ弁7を介して1本の吐出管10に連結されている。この吐出管10は、建物の蛇口や水洗トイレなどの給水末端に接続されている。吐出管10には、吐出管10内の水圧(吐出圧力)を保持する圧力タンク11が連結されている。さらに、吐出管10には圧力センサ8が配設されており、吐出圧力を検出するようになっている。ポンプ1A,1Bの吸込口は受水槽12に連結されており、受水槽12には受水槽12内の水位を検出する電極棒(水位検出器)13が設置されている。電極棒13は制御部4に電気的に接続されており、制御部4にて受水槽12の水位が監視されている。制御部4は、受水槽12の水位が所定のレベルにまで下がると、ポンプ1A,1Bが空運転しないように渇水警報を出してポンプ1A,1Bを停止させる。
【0012】
それぞれのポンプ1A,1Bの吐出口の近傍には、水の流量が少なくなったことを検出する流量検出手段としてのフロースイッチ15が設置されている。フロースイッチ15は、それぞれのポンプ1A,1Bから吐き出される水の流量が低下して所定の値に達した時に、信号を制御部4に送るようになっている。インバータ3,3は漏洩遮断器16,16を介して電源に接続される。制御部4には表示操作部18が接続されており、作業員は表示操作部18から目標圧力や始動圧力などの種々の設定を行なう。さらに、制御部4には、時計機能を有するタイマーユニット20が接続されている。
【0013】
図2は、本実施形態に係る給水装置の通常の運転制御(吐出圧力一定制御)シーケンスを示すフローダイヤグラムである。制御部4には、ポンプ1Aを始動させる始動圧力が表示操作部18を介して予め設定されている。制御部4は、圧力センサ8から送られてきた吐出圧力Pが始動圧力Pstartよりも低いか否かを判断し、吐出圧力Pが始動圧力Pstartよりも低くなったときに(P<Pstart)、ポンプ1Aを始動させる。
【0014】
吐出圧力は、表示操作部18から入力された目標圧力と制御部4にて比較される。吐出圧力が目標圧力より低い場合、制御部4はインバータ3に増速指令を送る。吐出圧力が目標圧力より高い場合は、制御部4はインバータ3に減速指令を送る。より具体的には、制御部4は目標圧力Ptと吐出圧力Pとを一致させるためのポンプ1Aの回転速度Nを算出(圧力演算)する。そして、制御部4は、その算出された回転速度Nを指令値としてインバータ3に送り、ポンプ1Aを回転速度Nで回転させる。このようにして、制御部4は吐出圧力を一定に保つようにインバータ3を介してモータ2Aを制御する。なお、モータ2Bも同様にして制御部4により制御される。
【0015】
一般に、本実施形態のように、給水装置は複数のポンプを有しており、故障時には自動的に待機中のポンプが始動するように構成される。蛇口が多く開かれて水が多く使われるほど、ポンプを増速することが必要とされ、水使用量が少なくなるとポンプは減速することになる。しかしながら、短時間に水使用量が増えると、ポンプの増速が水の需要に追いつかず、吐出圧力が低下する。
【0016】
そこで、本実施形態では、運転中のポンプ1Aの回転速度がその最高速度にまで上がり、なおかつ吐出圧力Pが目標圧力Ptよりも低い(P<Pt)状態が所定の時間継続した場合は、停止中のポンプ1Bが始動される(ポンプ追加)。このとき、先行して運転していたポンプ(先発ポンプ)1Aの回転速度は最高速度または最高速度付近の速度に固定され、追加されたポンプ(後発ポンプ)1Bが回転速度Nで運転される。なお、制御部4にて算出される回転速度Nは、水の使用量に応じて変動するため、後発ポンプ1Bは変速運転されることとなる。
【0017】
使用水量が減り、1台のポンプで目標圧力が得られるようになると、つまり変速運転中の後発ポンプ1Bの回転速度がその最低回転速度にまで下がり、かつ後発ポンプ1Bの流量がゼロとなった状態が所定時間継続すると、後発ポンプ1Bが停止され(ポンプ解列)、先発ポンプ1Aが再び回転速度Nで運転される。
【0018】
制御部4は、水が使用されなくなった時はポンプ1Aを停止させるようになっている。具体的には、フロースイッチ15が作動して所定時間経過すると、制御部4は水が使用されなくなったと判断する。水が使用されなくなったと判断すると、制御部4はポンプ1Aに小水量停止動作を行わせて、ポンプ1Aの運転を停止する。
【0019】
小水量停止動作とは、ポンプ1Aの回転速度を一時的に上げ、吐出圧力を上げた後、ポンプ1Aを停止する動作である。ポンプ1Aを停止すると、ポンプ1Aの吐出側のチェッキ弁7により水は吐出管10内に保持される。さらに、吐出管10に連通する圧力タンク11に水が送られ、圧力タンク11により吐出管10内の水圧、すなわち吐出圧力が保持される。ポンプ1Aの停止後、水が使用されて吐出圧力が始動圧力まで下がると(P<Pstart)、ポンプ1Aが再び始動する。
【0020】
小水量停止動作において、停止前に吐出圧力を上げる理由は、ポンプ1Aの停止後すぐにポンプ1Aが始動しないように、上記始動圧力と吐出圧力との差を持たせるためである。小水量停止動作としては、圧力差が設けられればよいので、目標圧力でポンプ1Aを停止し、始動圧力を目標圧力よりも若干低い値に設定した小水量停止動作であってもよい。
【0021】
制御部4は、吐出圧力が始動圧力以下になったことを判断してポンプ1Aを始動する。このとき、ポンプ1Aが停止している状態から始動するため、始動時に若干の吐出圧力(給水圧力)の低下が起こる。通常の状況では、水の使い始めの量は少ないため、吐出圧力の低下は支障のない範囲内に収まる。しかしながら、学校の休み時間のようにトイレの使用が集中し一度に多量の水が使用されると、ポンプ1Aを停止状態から始動していたのでは、ポンプ運転による圧力増加が水の使用による圧力減少に追いつかない場合もある。このような場合、完全な断水が起こるわけではないが、圧力低下が原因で、使用当初に不快感がでることが懸念される。
【0022】
そこで、本実施形態に係る給水装置は、上記のような多量の水の使用が予想される時刻の前に予めポンプ1Aを始動させ、ポンプ1Aを所定の回転速度で回転させる待機運転動作を行う。具体的には、予め設定された始動時刻になると、タイマーユニット20から信号が制御部4に入り、制御部4はポンプ1Aを始動して待機運転させる。タイマーユニット20は制御部4と別に構成してもよく、または制御部4と一体に組み込んでもよい。タイマーユニット20を制御部4とは別に設ける場合は、種々のタイマーを用いることができる。タイマーユニット20を制御部4と一体的に組み込む場合は、制御部4に接続された表示操作部18から時刻を設定することができる。
【0023】
本実施形態では、タイマーユニット20、制御部4、表示操作部18、インバータ3,3は、制御盤として一つの筐体に収納されている。この制御盤は、ポンプ1A,1B、モータ2A,2B、フロースイッチ15、チェッキ弁7、吐出管10、圧力センサ8、圧力タンク11が設置されたベース上に配設されている。
【0024】
次に、時刻の設定方法と制御動作について説明する。ポンプ1Aを待機運転させる始動時刻の設定はタイマーユニット20を介して手動で行われる。本実施形態のタイマーユニット20は、24時間タイマーまたはカレンダータイマーから構成されている。このタイマーユニット20は、ポンプ1Aの始動時刻を所望の日時に設定することが可能である。例えば、ある特定の年月日の複数の時刻にポンプを始動させる、あるいは、月曜日から金曜日の所定の時刻にポンプを始動させるように設定することができる。
【0025】
学校の休み時間であれば、1日6回程度の強制始動時刻が設定される。この場合、設定項目には、休み時間が始まる時刻A(6点)と、強制始動後に予め設定された回転速度でポンプ1Aの待機運転を続ける待機運転時間B分(初期値:2分)と、時刻Aの何分前にポンプ1Aを強制始動するかを指定する時間C分(初期値30秒)とが含まれる。時間Cは、時刻Aを実際の休み時間に設定する方がより感覚的にポンプ1Aの始動時刻を設定できることから設けられている。時間B、時間Cは制御部4の設定値として表示操作部18から設定できるようにしておいてもよい。そうすれば、市販のタイマーユニット20では時間B、Cの設定ができない場合でも、これらの時間を表示操作部18から設定することが可能である。
【0026】
待機運転時間Bの間に水が使われて、ポンプ1Aの回転速度を設定速度よりも高くしなければ目標圧力が維持できなくなった時点で、運転モードは、待機運転モードから通常運転モード(すなわち、吐出圧力一定制御運転モード)に戻される。待機運転時間Bの間に水が使われなければ、時間Bの経過後、ポンプ1Aの回転速度を下げて、通常の小水量停止動作が行われ、ポンプ1Aが停止される。
【0027】
具体的な待機運転の制御シーケンスを図3に示す。時刻が始動時刻(時刻Aよりも時間Cだけ前の時刻)になると、待機運転が開始される。すなわち、ポンプ1Aが設定速度Nsで始動される。制御部4は圧力演算を行い、吐出圧力(吐出管10内の圧力)を目標圧力にまで上げるために必要とされるポンプ1Aの回転速度Nを算出する。NがNsよりも小さければ回転速度はNsのまま変更されないが、NがNs以上であれば、ポンプ1Aの回転速度が設定速度Nsを上回らないと目標圧力が維持できなくなった状態であるから、ポンプ1Aは通常運転(吐出圧力一定制御運転)に戻って必要な圧力が出るように制御される。また、NがNsよりも小さい場合でも、時刻Aから時間Bを経過した時刻TBになると、ポンプ1Aは通常運転に戻される。このとき、水の流量が低くければ少水量停止動作が行われる。始動時刻(時刻Aよりも時間Cだけ前の時刻)になったときにポンプ1Aが運転されていたら待機運転は行われない。
【0028】
設定速度Nsは、給水末端で水が使用されていない、いわゆる締切状態のときに、ポンプ1AがNsで回転したときの吐出圧力が始動圧力よりも高くなる回転速度に設定される。好ましくは、設定速度Nsは、締切状態において給水末端への給水に必要な最低圧力よりも吐出圧力が高くなる回転速度である。
【0029】
図4は待機運転の他の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。この例では、設定速度Nsとしてはポンプ1Aの上限値が設定される。始動時刻になるとポンプ1Aが始動され、そのときの圧力Pよりもやや高い圧力(例えば、圧力Pに所定の圧力αを加えた圧力)Psが目標圧力として設定される。制御部4は目標圧力Psに到達するためのポンプの回転速度Nを算出する。そして、この算出された回転速度Nが設定速度Nsを下回る場合であれば、制御部4は回転速度Nを指令値としてインバータ3に送信し、ポンプ1Aを回転させる。一方、算出された回転速度Nが設定速度Ns以上であれば、制御部4は設定速度Nsを指令値としてインバータ3に送信し、ポンプ1Aの回転速度をNsに制限する。また、現在の圧力Pが通常運転での目標圧力Ptを下回る場合は、ポンプ1Aは通常運転に戻る。一方、現在の圧力Pが目標圧力Pt以上であれば、時刻TBでポンプ1Aは通常運転に戻る。
【0030】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る給水装置を示す模式図である。本実施形態に係る給水装置は、吐出管10と受水槽12との間を連通する逃がし管22と、この逃がし管22を開閉する逃がし弁23とをさらに有している点で、第1の実施形態に係る給水装置と異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
【0031】
本実施形態では、待機時間Bの間は、逃がし弁23が開かれて少量の水が逃がし管22を通じて吐出管10から受水槽12に戻される。時間B経過後は逃がし弁23が閉じられる。その時水が使われていなければ、小水量停止動作が行われてポンプ1Aが停止する。一方、水が使われていれば、通常運転である吐出圧力一定制御運転が継続される。図6に示すように、逃がし弁23は待機運転になると開かれ、通常運転に戻る前に閉じられる。逃がし弁23が開かれている間の運転制御は、本明細書に説明する多様の形態が適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0032】
本実施形態においても、設定速度Nsは、締切状態のときに、ポンプ1AがNsで回転したときの吐出圧力が始動圧力よりも高くなる回転速度に設定される。好ましくは、設定速度Nsは、締切状態において給水末端への給水に必要な最低圧力よりも吐出圧力が高くなる回転速度である。本実施形態においては、待機運転中は、逃がし弁23が開かれているので、第1の実施形態と異なり、締切状態では僅かながら水が流れる。
【0033】
年間を通じて始動時刻を設定できるカレンダータイマーを用いてタイマーユニット20を構成すれば、夏休みや、冬休みなどにも強制運転を行わない設定が可能である。ただし、このようなカレンダータイマーは一般に高価であるので、タイマーユニット20を24時間タイマーで構成してもよい。この場合は、1日6回の強制始動が起こるだけで、無駄な運転動作が起こるものの、通常の給水動作に支障はない。
【0034】
本発明の趣旨は、水が大量に使われる時刻が予め予想できる場合、その時刻の前に通常の制御動作(吐出圧力一定制御動作)とは別の制御動作(待機制御動作)を行って、水の大量使用による吐出圧力の低下を未然に防ぐことにある。吐出圧力の低下をより効果的に防ぐ動作として、上記説明した動作の他に以下のような動作を行ってもよい。
【0035】
上述の図2及び図3に示すシーケンスでは、待機運転中に水が使用された結果、設定速度Nsでは必要な水の量が供給できない場合には、ポンプ1Aは通常運転に戻って水を供給する。そのため、時間Bや少水量停止条件の設定によっては、時刻TBになっていなくても、少水量停止動作が行われてポンプが停止してしまうこともある。そこで、時間Bの間はポンプ1A,1Bのうち少なくとも1台は設定速度Nsを下回らないように制御するのが図7に示したシーケンスである。
【0036】
図7に示すように、始動時刻がくると、ポンプが始動され、設定速度Nsで回転される。制御部4は、現在の吐出圧力と予め設定された目標圧力とを比較し、目標圧力に到達するために必要とされる回転速度Nを算出する(圧力演算)。その後、制御部4は、運転中のポンプが1台であるかどうかを判定する。そして、運転中のポンプが1台であって、かつ算出された回転速度Nが設定速度Nsよりも低い場合は、制御部4は設定速度Nsを指令値としてポンプを回転させる。一方、先行して運転されているポンプ(先発ポンプ)があり、および/または回転速度Nが設定速度Ns以上である場合は、制御部4は算出値Nを指令値としてポンプ(後発ポンプ)を回転させる。その後、図2に示す追加解列制御に従ってポンプの追加または解列が行なわれる。時刻TBに達すると、給水装置の運転は、通常運転に切り替わる。
【0037】
ポンプが複数台ある場合は2台以上のポンプで待機動作を行ってもよい。図8は、複数のポンプを待機運転させるときの制御シーケンスを示すフローチャートである。図8に示すように、待機運転が始まると、複数台のポンプが揃速で始動され、設定速度Nsで運転される。待機運転中は回転速度がNsを下回らないように複数台のポンプが運転される。そして、始動時刻から時間Bが経過して時刻TBになると、1台のポンプを残して他のポンプを停止させ、通常運転に戻る。ポンプは、瞬時に停止させるのではなく、運転中の1台のポンプで圧力制御を行いながら、ゆっくり停止させると圧力の変動が少なくて済む。また、ポンプを停止させる際に目標圧力が維持できなくなれば、複数のポンプを並列運転させたまま通常運転に戻るようにすればよい。
【0038】
図9及び図10は、複数のポンプを待機運転させるときの別の制御シーケンスを示すフローチャートである。図9及び図10に示す制御シーケンスでは、始動時刻(時刻Aよりも時間Cだけ前の時刻)に1台のポンプが運転中であるときは、停止中のポンプに待機運転をさせる。制御部4は、ポンプ追加が必要か否かを判定し、ポンプ追加が必要と判定したらポンプ追加を迅速に行って圧力低下を抑える。
【0039】
より具体的には、始動時刻になると、制御部4は運転中のポンプがあるかどうかを判断する。そして、運転中のポンプがなければ、1台目のポンプを始動させて待機運転を行う。一方、運転しているポンプがある場合は、追加のポンプが始動される。図9及び図10に示す制御シーケンスでは、始動時刻に運転中のポンプがなかった場合は、図7の制御シーケンスに従って待機運転が実行される。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、上述した他の制御シーケンスと組み合わせてもよい。
【0040】
図9では、待機運転中は、少なくとも1台のポンプは設定速度Nsを下回ることなく運転される。すなわち、追加のポンプ(図9の左側のフローダイヤグラム参照)および1台目のポンプ(図9の右側のフローダイヤグラム参照)は、待機運転の間は、いずれも設定速度Ns以上の回転速度で回転される。
【0041】
ここで、図9の左側のフローダイヤグラムについて説明する。上述したように、運転中のポンプがある場合は、追加のポンプ(後発ポンプ)が始動され、設定速度Nsで運転される。制御部4は、現在の吐出圧力と予め設定された目標圧力とを比較し、目標圧力に到達するための回転速度Nを算出する(圧力演算)。そして、制御部4は、算出された回転速度Nを指令値として先発ポンプを回転速度Nで回転させる。ここで追加判定が行われ、先発ポンプの回転速度が最高速度まで上昇しても目標圧力に到達できない場合は、先発ポンプを最高速度で固定速運転して、回転速度Nの指令先を後発ポンプに変更し、この後発ポンプが変速運転される。
【0042】
また、ポンプ(先発ポンプまたは後発ポンプ)に対する指令値Nが最低速度になり、かつそのポンプの流量がないと判定されると、そのポンプが解列される。この解列の際に回転速度Nで可変速運転されていたポンプが後発ポンプであれば、先発ポンプは最高速度で運転されている状態であるため、後発ポンプを回転速度Nsに固定するとともに、回転速度Nの指令先を先発ポンプに戻す。一方、解列の際に回転速度Nで可変速運転されていたポンプが先発ポンプであれば、後発ポンプが回転速度Nsで運転されているだけで必要な圧力が賄える状態であるから、先発ポンプを停止する。この状況は図9の右側のフローダイヤグラムでのポンプ始動の時点と同じであるから、以後の制御は図9の右側のフローダイヤグラムに移行する。左側のフローダイヤグラムで時刻TBになると、後発ポンプが停止されて通常運転に戻る。このとき、回転速度Nの指令先が後発ポンプであれば、後発ポンプを変速運転させたまま通常運転に戻ればよい。
【0043】
図10に示す制御シーケンスは、図7に示す制御シーケンスと図8に示す制御シーケンスとの組み合わせである。この制御シーケンスでは、先発ポンプが運転されている時に始動時刻となると、追加ポンプが始動され、その後、それらのポンプを揃速運転に移行させる。揃速運転になった後は図8に示した制御シーケンスに従ってポンプが運転される。
【0044】
図11は、図9および図10に示す制御シーケンスの変形例を示すフローダイヤグラムである。この例では、先発ポンプの回転速度が最高速度Nmaxに近い所定の回転速度以上であり、トイレの使用などにより水の使用量が急増するとポンプを追加しなくてはならない可能性が高い場合に追加ポンプが始動される。すなわち、先発ポンプの回転速度NがNmaxの85%を上回ると追加ポンプを始動し、回転速度Nsで運転するようになっている。ポンプ始動後の制御シーケンスには図9および図10に示す各制御シーケンスを適用することができるため、重複する説明を省略する。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る可変速給水装置を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る給水装置の通常の運転制御(吐出圧力一定制御)シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図3】待機運転の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図4】待機運転の他の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る可変速給水装置を示す模式図である。
【図6】第2の実施形態における待機運転の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図7】待機運転の他の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図8】複数のポンプを待機運転させるときの制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図9】複数のポンプを待機運転させるときの他の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図10】複数のポンプを待機運転させるときの他の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図11】複数のポンプを待機運転させるときの他の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1A,1B ポンプ
2A,2B モータ
3 インバータ(変速手段)
4 制御部
7 チェッキ弁
8 圧力センサ
10 吐出管
11 圧力タンク
12 受水槽
13 電極棒(水位検出器)
15 フロースイッチ
16 漏洩遮断器
18 表示操作部
20 タイマーユニット
22 逃がし管
23 逃がし弁
【技術分野】
【0001】
本発明は可変速給水装置に関し、特に給水圧力の変動を抑えることができる可変速給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給水装置では、一般に、ポンプの吐出側に設置された圧力センサにより吐出管内の水圧(以下、吐出圧力という)を検出し、ポンプの回転速度を変化させることで吐出圧力(給水圧力)を一定にしている。通常、水の使用量は時間帯によって大きく変動し、例えば、夜間では水使用量が大幅に減少する。そこで、省エネルギーの観点から、給水装置は、水の使用量がある程度低下したときはポンプを停止させる小水量停止機能を一般に備えている。
【0003】
吐出管には、水を一時的に溜めておく圧力タンクが連結されており、ポンプを再び始動しなくても、しばらくの間は圧力タンクから水が需要先に供給されるようになっている。水が使用されるにつれて圧力タンク内の水は少なくなり、吐出管内の水圧(吐出圧力)が低下する。そして、この吐出圧力がポンプの始動圧力にまで低下すると、圧力センサがこれを検知し、ポンプが再始動される。
【0004】
通常、集合住宅やオフィスビルでは、多量の水が短時間に使用されることがほとんどないため、ポンプ始動後に水の使用に起因する吐出圧力(給水圧力)の変動は少ない。しかしながら、学校やイヴェントビルなどでは、休み時間のトイレなどで大量の水が急激に使用されるため、ポンプによる水の供給が水の使用に追いつかず、しばしば圧力不足を招くなどの支障をきたす場合があった。このような理由から、屋上に設置された水槽から給水する方法が採用されることが多いが、屋上に水槽を設置するための施工や水位検出の配線など、コストが高かった。
【0005】
【特許文献1】特開平6−299576号公報
【特許文献2】特開2006−161613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、多量の水が短時間に使用された場合でも、給水圧力の変動を抑えることができる可変速給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、ポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータの回転速度を変える変速手段と、前記変速手段を介して前記ポンプの回転速度を変えることにより前記ポンプの吐き出し側の水圧を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ポンプの吐き出し側の水の流量が所定の値にまで低下したときに前記ポンプを停止させ、前記ポンプの吐き出し側の水圧が予め設定された始動圧力にまで低下したときは前記ポンプを始動させ、さらに、予め設定された始動時刻において、前記ポンプが停止している場合は、前記ポンプを所定の回転速度で回転させるように構成されていることを特徴とする可変速給水装置である。
【0008】
本発明の好ましい態様は、前記始動時刻は複数であり、該複数の始動時刻は変更可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記始動時刻から所定の時間が経過した後、前記制御部は、前記ポンプの吐き出し側の水圧が所定の目標圧力となるように前記ポンプの回転速度を制御することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ポンプから吐き出された水を逃がす逃がし管と、前記逃がし管に設けられた逃がし弁とをさらに備え、前記始動時刻において、前記ポンプが停止している場合、前記逃がし弁を開いてから、前記ポンプを始動するように構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が前記始動圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が、給水末端への給水に必要な最低圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポンプの始動時刻を休み時間の1分前などに設定しておき、休み時間の前に予めポンプの回転速度を上げておけるので、水が使われ始めたときのポンプの対応が早く、給水圧力(吐出圧力)の変動を最小限に抑えることができる。また、イヴェント会場などではイヴェントによって設定時間を変えて、休憩時間に給水圧力不足が起きないように対応することができる。本発明は、学校やイヴェント会場のほか、映画館、劇場など、トイレ等の使用が集中しやすい休憩時刻が決まっている建物にも効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る可変速給水装置を示す模式図である。この給水装置は、水を加圧する2台のポンプ1A,1Bと、これらポンプ1A,1Bをそれぞれ駆動する2台のモータ2A,2Bと、これらモータ2A,2Bの回転速度を変えるための2台のインバータ(変速手段)3,3と、これらインバータ3,3を介してモータ2A,2Bを制御して、ポンプ1A,1Bの回転速度を変える制御部4とを備えている。なお、本実施形態に係る給水装置は2台のポンプを備えているが、本発明は、この構成に限定されるものではない。すなわち、本発明に係る給水装置は、1台のポンプのみを備えていてもよく、また3台以上のポンプを備えていてもよい。
【0011】
図1に示すように、ポンプ1A,1Bは、それぞれチェッキ弁7を介して1本の吐出管10に連結されている。この吐出管10は、建物の蛇口や水洗トイレなどの給水末端に接続されている。吐出管10には、吐出管10内の水圧(吐出圧力)を保持する圧力タンク11が連結されている。さらに、吐出管10には圧力センサ8が配設されており、吐出圧力を検出するようになっている。ポンプ1A,1Bの吸込口は受水槽12に連結されており、受水槽12には受水槽12内の水位を検出する電極棒(水位検出器)13が設置されている。電極棒13は制御部4に電気的に接続されており、制御部4にて受水槽12の水位が監視されている。制御部4は、受水槽12の水位が所定のレベルにまで下がると、ポンプ1A,1Bが空運転しないように渇水警報を出してポンプ1A,1Bを停止させる。
【0012】
それぞれのポンプ1A,1Bの吐出口の近傍には、水の流量が少なくなったことを検出する流量検出手段としてのフロースイッチ15が設置されている。フロースイッチ15は、それぞれのポンプ1A,1Bから吐き出される水の流量が低下して所定の値に達した時に、信号を制御部4に送るようになっている。インバータ3,3は漏洩遮断器16,16を介して電源に接続される。制御部4には表示操作部18が接続されており、作業員は表示操作部18から目標圧力や始動圧力などの種々の設定を行なう。さらに、制御部4には、時計機能を有するタイマーユニット20が接続されている。
【0013】
図2は、本実施形態に係る給水装置の通常の運転制御(吐出圧力一定制御)シーケンスを示すフローダイヤグラムである。制御部4には、ポンプ1Aを始動させる始動圧力が表示操作部18を介して予め設定されている。制御部4は、圧力センサ8から送られてきた吐出圧力Pが始動圧力Pstartよりも低いか否かを判断し、吐出圧力Pが始動圧力Pstartよりも低くなったときに(P<Pstart)、ポンプ1Aを始動させる。
【0014】
吐出圧力は、表示操作部18から入力された目標圧力と制御部4にて比較される。吐出圧力が目標圧力より低い場合、制御部4はインバータ3に増速指令を送る。吐出圧力が目標圧力より高い場合は、制御部4はインバータ3に減速指令を送る。より具体的には、制御部4は目標圧力Ptと吐出圧力Pとを一致させるためのポンプ1Aの回転速度Nを算出(圧力演算)する。そして、制御部4は、その算出された回転速度Nを指令値としてインバータ3に送り、ポンプ1Aを回転速度Nで回転させる。このようにして、制御部4は吐出圧力を一定に保つようにインバータ3を介してモータ2Aを制御する。なお、モータ2Bも同様にして制御部4により制御される。
【0015】
一般に、本実施形態のように、給水装置は複数のポンプを有しており、故障時には自動的に待機中のポンプが始動するように構成される。蛇口が多く開かれて水が多く使われるほど、ポンプを増速することが必要とされ、水使用量が少なくなるとポンプは減速することになる。しかしながら、短時間に水使用量が増えると、ポンプの増速が水の需要に追いつかず、吐出圧力が低下する。
【0016】
そこで、本実施形態では、運転中のポンプ1Aの回転速度がその最高速度にまで上がり、なおかつ吐出圧力Pが目標圧力Ptよりも低い(P<Pt)状態が所定の時間継続した場合は、停止中のポンプ1Bが始動される(ポンプ追加)。このとき、先行して運転していたポンプ(先発ポンプ)1Aの回転速度は最高速度または最高速度付近の速度に固定され、追加されたポンプ(後発ポンプ)1Bが回転速度Nで運転される。なお、制御部4にて算出される回転速度Nは、水の使用量に応じて変動するため、後発ポンプ1Bは変速運転されることとなる。
【0017】
使用水量が減り、1台のポンプで目標圧力が得られるようになると、つまり変速運転中の後発ポンプ1Bの回転速度がその最低回転速度にまで下がり、かつ後発ポンプ1Bの流量がゼロとなった状態が所定時間継続すると、後発ポンプ1Bが停止され(ポンプ解列)、先発ポンプ1Aが再び回転速度Nで運転される。
【0018】
制御部4は、水が使用されなくなった時はポンプ1Aを停止させるようになっている。具体的には、フロースイッチ15が作動して所定時間経過すると、制御部4は水が使用されなくなったと判断する。水が使用されなくなったと判断すると、制御部4はポンプ1Aに小水量停止動作を行わせて、ポンプ1Aの運転を停止する。
【0019】
小水量停止動作とは、ポンプ1Aの回転速度を一時的に上げ、吐出圧力を上げた後、ポンプ1Aを停止する動作である。ポンプ1Aを停止すると、ポンプ1Aの吐出側のチェッキ弁7により水は吐出管10内に保持される。さらに、吐出管10に連通する圧力タンク11に水が送られ、圧力タンク11により吐出管10内の水圧、すなわち吐出圧力が保持される。ポンプ1Aの停止後、水が使用されて吐出圧力が始動圧力まで下がると(P<Pstart)、ポンプ1Aが再び始動する。
【0020】
小水量停止動作において、停止前に吐出圧力を上げる理由は、ポンプ1Aの停止後すぐにポンプ1Aが始動しないように、上記始動圧力と吐出圧力との差を持たせるためである。小水量停止動作としては、圧力差が設けられればよいので、目標圧力でポンプ1Aを停止し、始動圧力を目標圧力よりも若干低い値に設定した小水量停止動作であってもよい。
【0021】
制御部4は、吐出圧力が始動圧力以下になったことを判断してポンプ1Aを始動する。このとき、ポンプ1Aが停止している状態から始動するため、始動時に若干の吐出圧力(給水圧力)の低下が起こる。通常の状況では、水の使い始めの量は少ないため、吐出圧力の低下は支障のない範囲内に収まる。しかしながら、学校の休み時間のようにトイレの使用が集中し一度に多量の水が使用されると、ポンプ1Aを停止状態から始動していたのでは、ポンプ運転による圧力増加が水の使用による圧力減少に追いつかない場合もある。このような場合、完全な断水が起こるわけではないが、圧力低下が原因で、使用当初に不快感がでることが懸念される。
【0022】
そこで、本実施形態に係る給水装置は、上記のような多量の水の使用が予想される時刻の前に予めポンプ1Aを始動させ、ポンプ1Aを所定の回転速度で回転させる待機運転動作を行う。具体的には、予め設定された始動時刻になると、タイマーユニット20から信号が制御部4に入り、制御部4はポンプ1Aを始動して待機運転させる。タイマーユニット20は制御部4と別に構成してもよく、または制御部4と一体に組み込んでもよい。タイマーユニット20を制御部4とは別に設ける場合は、種々のタイマーを用いることができる。タイマーユニット20を制御部4と一体的に組み込む場合は、制御部4に接続された表示操作部18から時刻を設定することができる。
【0023】
本実施形態では、タイマーユニット20、制御部4、表示操作部18、インバータ3,3は、制御盤として一つの筐体に収納されている。この制御盤は、ポンプ1A,1B、モータ2A,2B、フロースイッチ15、チェッキ弁7、吐出管10、圧力センサ8、圧力タンク11が設置されたベース上に配設されている。
【0024】
次に、時刻の設定方法と制御動作について説明する。ポンプ1Aを待機運転させる始動時刻の設定はタイマーユニット20を介して手動で行われる。本実施形態のタイマーユニット20は、24時間タイマーまたはカレンダータイマーから構成されている。このタイマーユニット20は、ポンプ1Aの始動時刻を所望の日時に設定することが可能である。例えば、ある特定の年月日の複数の時刻にポンプを始動させる、あるいは、月曜日から金曜日の所定の時刻にポンプを始動させるように設定することができる。
【0025】
学校の休み時間であれば、1日6回程度の強制始動時刻が設定される。この場合、設定項目には、休み時間が始まる時刻A(6点)と、強制始動後に予め設定された回転速度でポンプ1Aの待機運転を続ける待機運転時間B分(初期値:2分)と、時刻Aの何分前にポンプ1Aを強制始動するかを指定する時間C分(初期値30秒)とが含まれる。時間Cは、時刻Aを実際の休み時間に設定する方がより感覚的にポンプ1Aの始動時刻を設定できることから設けられている。時間B、時間Cは制御部4の設定値として表示操作部18から設定できるようにしておいてもよい。そうすれば、市販のタイマーユニット20では時間B、Cの設定ができない場合でも、これらの時間を表示操作部18から設定することが可能である。
【0026】
待機運転時間Bの間に水が使われて、ポンプ1Aの回転速度を設定速度よりも高くしなければ目標圧力が維持できなくなった時点で、運転モードは、待機運転モードから通常運転モード(すなわち、吐出圧力一定制御運転モード)に戻される。待機運転時間Bの間に水が使われなければ、時間Bの経過後、ポンプ1Aの回転速度を下げて、通常の小水量停止動作が行われ、ポンプ1Aが停止される。
【0027】
具体的な待機運転の制御シーケンスを図3に示す。時刻が始動時刻(時刻Aよりも時間Cだけ前の時刻)になると、待機運転が開始される。すなわち、ポンプ1Aが設定速度Nsで始動される。制御部4は圧力演算を行い、吐出圧力(吐出管10内の圧力)を目標圧力にまで上げるために必要とされるポンプ1Aの回転速度Nを算出する。NがNsよりも小さければ回転速度はNsのまま変更されないが、NがNs以上であれば、ポンプ1Aの回転速度が設定速度Nsを上回らないと目標圧力が維持できなくなった状態であるから、ポンプ1Aは通常運転(吐出圧力一定制御運転)に戻って必要な圧力が出るように制御される。また、NがNsよりも小さい場合でも、時刻Aから時間Bを経過した時刻TBになると、ポンプ1Aは通常運転に戻される。このとき、水の流量が低くければ少水量停止動作が行われる。始動時刻(時刻Aよりも時間Cだけ前の時刻)になったときにポンプ1Aが運転されていたら待機運転は行われない。
【0028】
設定速度Nsは、給水末端で水が使用されていない、いわゆる締切状態のときに、ポンプ1AがNsで回転したときの吐出圧力が始動圧力よりも高くなる回転速度に設定される。好ましくは、設定速度Nsは、締切状態において給水末端への給水に必要な最低圧力よりも吐出圧力が高くなる回転速度である。
【0029】
図4は待機運転の他の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。この例では、設定速度Nsとしてはポンプ1Aの上限値が設定される。始動時刻になるとポンプ1Aが始動され、そのときの圧力Pよりもやや高い圧力(例えば、圧力Pに所定の圧力αを加えた圧力)Psが目標圧力として設定される。制御部4は目標圧力Psに到達するためのポンプの回転速度Nを算出する。そして、この算出された回転速度Nが設定速度Nsを下回る場合であれば、制御部4は回転速度Nを指令値としてインバータ3に送信し、ポンプ1Aを回転させる。一方、算出された回転速度Nが設定速度Ns以上であれば、制御部4は設定速度Nsを指令値としてインバータ3に送信し、ポンプ1Aの回転速度をNsに制限する。また、現在の圧力Pが通常運転での目標圧力Ptを下回る場合は、ポンプ1Aは通常運転に戻る。一方、現在の圧力Pが目標圧力Pt以上であれば、時刻TBでポンプ1Aは通常運転に戻る。
【0030】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る給水装置を示す模式図である。本実施形態に係る給水装置は、吐出管10と受水槽12との間を連通する逃がし管22と、この逃がし管22を開閉する逃がし弁23とをさらに有している点で、第1の実施形態に係る給水装置と異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
【0031】
本実施形態では、待機時間Bの間は、逃がし弁23が開かれて少量の水が逃がし管22を通じて吐出管10から受水槽12に戻される。時間B経過後は逃がし弁23が閉じられる。その時水が使われていなければ、小水量停止動作が行われてポンプ1Aが停止する。一方、水が使われていれば、通常運転である吐出圧力一定制御運転が継続される。図6に示すように、逃がし弁23は待機運転になると開かれ、通常運転に戻る前に閉じられる。逃がし弁23が開かれている間の運転制御は、本明細書に説明する多様の形態が適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0032】
本実施形態においても、設定速度Nsは、締切状態のときに、ポンプ1AがNsで回転したときの吐出圧力が始動圧力よりも高くなる回転速度に設定される。好ましくは、設定速度Nsは、締切状態において給水末端への給水に必要な最低圧力よりも吐出圧力が高くなる回転速度である。本実施形態においては、待機運転中は、逃がし弁23が開かれているので、第1の実施形態と異なり、締切状態では僅かながら水が流れる。
【0033】
年間を通じて始動時刻を設定できるカレンダータイマーを用いてタイマーユニット20を構成すれば、夏休みや、冬休みなどにも強制運転を行わない設定が可能である。ただし、このようなカレンダータイマーは一般に高価であるので、タイマーユニット20を24時間タイマーで構成してもよい。この場合は、1日6回の強制始動が起こるだけで、無駄な運転動作が起こるものの、通常の給水動作に支障はない。
【0034】
本発明の趣旨は、水が大量に使われる時刻が予め予想できる場合、その時刻の前に通常の制御動作(吐出圧力一定制御動作)とは別の制御動作(待機制御動作)を行って、水の大量使用による吐出圧力の低下を未然に防ぐことにある。吐出圧力の低下をより効果的に防ぐ動作として、上記説明した動作の他に以下のような動作を行ってもよい。
【0035】
上述の図2及び図3に示すシーケンスでは、待機運転中に水が使用された結果、設定速度Nsでは必要な水の量が供給できない場合には、ポンプ1Aは通常運転に戻って水を供給する。そのため、時間Bや少水量停止条件の設定によっては、時刻TBになっていなくても、少水量停止動作が行われてポンプが停止してしまうこともある。そこで、時間Bの間はポンプ1A,1Bのうち少なくとも1台は設定速度Nsを下回らないように制御するのが図7に示したシーケンスである。
【0036】
図7に示すように、始動時刻がくると、ポンプが始動され、設定速度Nsで回転される。制御部4は、現在の吐出圧力と予め設定された目標圧力とを比較し、目標圧力に到達するために必要とされる回転速度Nを算出する(圧力演算)。その後、制御部4は、運転中のポンプが1台であるかどうかを判定する。そして、運転中のポンプが1台であって、かつ算出された回転速度Nが設定速度Nsよりも低い場合は、制御部4は設定速度Nsを指令値としてポンプを回転させる。一方、先行して運転されているポンプ(先発ポンプ)があり、および/または回転速度Nが設定速度Ns以上である場合は、制御部4は算出値Nを指令値としてポンプ(後発ポンプ)を回転させる。その後、図2に示す追加解列制御に従ってポンプの追加または解列が行なわれる。時刻TBに達すると、給水装置の運転は、通常運転に切り替わる。
【0037】
ポンプが複数台ある場合は2台以上のポンプで待機動作を行ってもよい。図8は、複数のポンプを待機運転させるときの制御シーケンスを示すフローチャートである。図8に示すように、待機運転が始まると、複数台のポンプが揃速で始動され、設定速度Nsで運転される。待機運転中は回転速度がNsを下回らないように複数台のポンプが運転される。そして、始動時刻から時間Bが経過して時刻TBになると、1台のポンプを残して他のポンプを停止させ、通常運転に戻る。ポンプは、瞬時に停止させるのではなく、運転中の1台のポンプで圧力制御を行いながら、ゆっくり停止させると圧力の変動が少なくて済む。また、ポンプを停止させる際に目標圧力が維持できなくなれば、複数のポンプを並列運転させたまま通常運転に戻るようにすればよい。
【0038】
図9及び図10は、複数のポンプを待機運転させるときの別の制御シーケンスを示すフローチャートである。図9及び図10に示す制御シーケンスでは、始動時刻(時刻Aよりも時間Cだけ前の時刻)に1台のポンプが運転中であるときは、停止中のポンプに待機運転をさせる。制御部4は、ポンプ追加が必要か否かを判定し、ポンプ追加が必要と判定したらポンプ追加を迅速に行って圧力低下を抑える。
【0039】
より具体的には、始動時刻になると、制御部4は運転中のポンプがあるかどうかを判断する。そして、運転中のポンプがなければ、1台目のポンプを始動させて待機運転を行う。一方、運転しているポンプがある場合は、追加のポンプが始動される。図9及び図10に示す制御シーケンスでは、始動時刻に運転中のポンプがなかった場合は、図7の制御シーケンスに従って待機運転が実行される。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、上述した他の制御シーケンスと組み合わせてもよい。
【0040】
図9では、待機運転中は、少なくとも1台のポンプは設定速度Nsを下回ることなく運転される。すなわち、追加のポンプ(図9の左側のフローダイヤグラム参照)および1台目のポンプ(図9の右側のフローダイヤグラム参照)は、待機運転の間は、いずれも設定速度Ns以上の回転速度で回転される。
【0041】
ここで、図9の左側のフローダイヤグラムについて説明する。上述したように、運転中のポンプがある場合は、追加のポンプ(後発ポンプ)が始動され、設定速度Nsで運転される。制御部4は、現在の吐出圧力と予め設定された目標圧力とを比較し、目標圧力に到達するための回転速度Nを算出する(圧力演算)。そして、制御部4は、算出された回転速度Nを指令値として先発ポンプを回転速度Nで回転させる。ここで追加判定が行われ、先発ポンプの回転速度が最高速度まで上昇しても目標圧力に到達できない場合は、先発ポンプを最高速度で固定速運転して、回転速度Nの指令先を後発ポンプに変更し、この後発ポンプが変速運転される。
【0042】
また、ポンプ(先発ポンプまたは後発ポンプ)に対する指令値Nが最低速度になり、かつそのポンプの流量がないと判定されると、そのポンプが解列される。この解列の際に回転速度Nで可変速運転されていたポンプが後発ポンプであれば、先発ポンプは最高速度で運転されている状態であるため、後発ポンプを回転速度Nsに固定するとともに、回転速度Nの指令先を先発ポンプに戻す。一方、解列の際に回転速度Nで可変速運転されていたポンプが先発ポンプであれば、後発ポンプが回転速度Nsで運転されているだけで必要な圧力が賄える状態であるから、先発ポンプを停止する。この状況は図9の右側のフローダイヤグラムでのポンプ始動の時点と同じであるから、以後の制御は図9の右側のフローダイヤグラムに移行する。左側のフローダイヤグラムで時刻TBになると、後発ポンプが停止されて通常運転に戻る。このとき、回転速度Nの指令先が後発ポンプであれば、後発ポンプを変速運転させたまま通常運転に戻ればよい。
【0043】
図10に示す制御シーケンスは、図7に示す制御シーケンスと図8に示す制御シーケンスとの組み合わせである。この制御シーケンスでは、先発ポンプが運転されている時に始動時刻となると、追加ポンプが始動され、その後、それらのポンプを揃速運転に移行させる。揃速運転になった後は図8に示した制御シーケンスに従ってポンプが運転される。
【0044】
図11は、図9および図10に示す制御シーケンスの変形例を示すフローダイヤグラムである。この例では、先発ポンプの回転速度が最高速度Nmaxに近い所定の回転速度以上であり、トイレの使用などにより水の使用量が急増するとポンプを追加しなくてはならない可能性が高い場合に追加ポンプが始動される。すなわち、先発ポンプの回転速度NがNmaxの85%を上回ると追加ポンプを始動し、回転速度Nsで運転するようになっている。ポンプ始動後の制御シーケンスには図9および図10に示す各制御シーケンスを適用することができるため、重複する説明を省略する。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る可変速給水装置を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る給水装置の通常の運転制御(吐出圧力一定制御)シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図3】待機運転の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図4】待機運転の他の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る可変速給水装置を示す模式図である。
【図6】第2の実施形態における待機運転の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図7】待機運転の他の制御シーケンスを示すフローダイヤグラムである。
【図8】複数のポンプを待機運転させるときの制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図9】複数のポンプを待機運転させるときの他の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図10】複数のポンプを待機運転させるときの他の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図11】複数のポンプを待機運転させるときの他の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1A,1B ポンプ
2A,2B モータ
3 インバータ(変速手段)
4 制御部
7 チェッキ弁
8 圧力センサ
10 吐出管
11 圧力タンク
12 受水槽
13 電極棒(水位検出器)
15 フロースイッチ
16 漏洩遮断器
18 表示操作部
20 タイマーユニット
22 逃がし管
23 逃がし弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記モータの回転速度を変える変速手段と、
前記変速手段を介して前記ポンプの回転速度を変えることにより前記ポンプの吐き出し側の水圧を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記ポンプの吐き出し側の水の流量が所定の値にまで低下したときに前記ポンプを停止させ、
前記ポンプの吐き出し側の水圧が予め設定された始動圧力にまで低下したときは前記ポンプを始動させ、さらに、
予め設定された始動時刻において、前記ポンプが停止している場合は、前記ポンプを所定の回転速度で回転させるように構成されていることを特徴とする可変速給水装置。
【請求項2】
前記始動時刻は複数であり、該複数の始動時刻は変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変速給水装置。
【請求項3】
前記始動時刻から所定の時間が経過した後、前記制御部は、前記ポンプの吐き出し側の水圧が所定の目標圧力となるように前記ポンプの回転速度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の可変速給水装置。
【請求項4】
前記ポンプから吐き出された水を逃がす逃がし管と、
前記逃がし管に設けられた逃がし弁とをさらに備え、
前記始動時刻において、前記ポンプが停止している場合、前記逃がし弁を開いてから、前記ポンプを始動するように構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可変速給水装置。
【請求項5】
前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が前記始動圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可変速給水装置。
【請求項6】
前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が、給水末端への給水に必要な最低圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可変速給水装置。
【請求項1】
ポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記モータの回転速度を変える変速手段と、
前記変速手段を介して前記ポンプの回転速度を変えることにより前記ポンプの吐き出し側の水圧を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記ポンプの吐き出し側の水の流量が所定の値にまで低下したときに前記ポンプを停止させ、
前記ポンプの吐き出し側の水圧が予め設定された始動圧力にまで低下したときは前記ポンプを始動させ、さらに、
予め設定された始動時刻において、前記ポンプが停止している場合は、前記ポンプを所定の回転速度で回転させるように構成されていることを特徴とする可変速給水装置。
【請求項2】
前記始動時刻は複数であり、該複数の始動時刻は変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変速給水装置。
【請求項3】
前記始動時刻から所定の時間が経過した後、前記制御部は、前記ポンプの吐き出し側の水圧が所定の目標圧力となるように前記ポンプの回転速度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の可変速給水装置。
【請求項4】
前記ポンプから吐き出された水を逃がす逃がし管と、
前記逃がし管に設けられた逃がし弁とをさらに備え、
前記始動時刻において、前記ポンプが停止している場合、前記逃がし弁を開いてから、前記ポンプを始動するように構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可変速給水装置。
【請求項5】
前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が前記始動圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可変速給水装置。
【請求項6】
前記所定の回転速度は、給水末端で水が使われていない締切状態において、前記吐き出し側の水圧が、給水末端への給水に必要な最低圧力よりも高くなる回転速度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可変速給水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−62927(P2009−62927A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232992(P2007−232992)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】
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