説明

各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン

各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな薄い帯鋼処理ラインにおいて、アンコイリング及び洗浄、加熱、均熱、徐冷、ジェット冷却、水焼入れ冷却、酸洗、再加熱、オーバーエージング、最終冷却、テンパー、フィニッシュ、塗油及び巻取りというステーションが順次に設けられ、アンコイリング及び洗浄ステーション、酸洗ステーション、再加熱ステーションのそれぞれに接続通路を介して接続される電気めっきステーションと、溶融亜鉛めっき炉のノーズを介して再加熱ステーションに接続され、接続通路を介してめっき後の冷却と最終冷却ステーションに接続される溶融亜鉛めっき及びめっき層合金化焼鈍しステーションと、電気めっきステーション、テンパーステーション、フィニッシュステーションのそれぞれに接続通路を介して接続されるパッシベーション及び他の後処理のステーションと、をさらに備え、前記の再加熱ステーションは、移動可能なバイパスを介してオーバーエージングステーションに連通される。本発明によれば、普通の冷延板、溶融亜鉛めっき板及びめっき層合金化焼鈍し板の生産及び電気Zn、Niめっき板の生産、特に超高強度レベルの冷延板、電気亜鉛めっき板と溶融亜鉛めっき板及びめっき層合金化焼鈍し板の生産を、一つの装置に統合させて、フレキシブルな生産を実現した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、帯鋼熱処理及び表面処理技術に関し、特に各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな生産ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
環境を保護し継続可能な発展を達成することは、21世紀における人類共通のコンセンサスとなっている。近代的な自動車産業の発展に伴い、軽量による省エネルギーは既に傾向となっている。車両軽量化の研究結果によれば、「軽量による省エネルギー及び排出量の削減」という目的を達成するために、自動車産業において高強度鋼を広範に使用して鋼板の厚みを減少しなければならない。そのため、高強度冷延板及び溶融亜鉛めっき板のニーズが大幅に高まっている。
【0003】
現在の冷間圧延連続熱処理装置において、普通、高強度板及び高表面品質板材(例えば自動車の外板)の生産を同時に行っているが、高強度鋼、特に超高強度鋼と高表面品質板材は、表面品質に対する要求が全く異なる。一般的には、高強度鋼は自動車構造部品に適用されているから、表面品質に対する要求が厳しくない。一方、自動車の外板は非常に高い表面品質を要求している。大型の連続熱処理装置で高強度鋼板、特に超高強度鋼板を少量生産する時に、鋼板強度が高い且つ板形状が良くないことに起因して、ローラーにおける塊や局部的擦り傷や摩耗などが生じやすくなり、高強度鋼を製造した後に高表面品質板を製造することができなくなり、装置を停止して、損傷されたローラーを交換しなければならなかった。そして、大規模な連続熱処理炉の停止・冷却及びローラーの交換による時間損失と、ローラーの予備部品の損失が非常に大きいため、同一装置で高強度鋼板、特に超高強度鋼板と高表面品質板の両方を製造することは非常に困難である。
【0004】
仕様の面において、一般的には、自動車外板を代表とする高表面品質板は、幅が広く、厚みが薄いが、高強度鋼板、特に超高強度鋼板は、厚みが厚く、幅が狭い。連続熱処理装置の設計時において、これら二つの製品に配慮する必要があり、技術的難易度が高く、装置が複雑で大規模になり、投資が非常に大きくなる。
【0005】
炉の冷却技術の面においても要求が異なる。高表面品質板を生産する装置では、炉の冷却速度に対する要求が高くないが、高温における軟鋼の座屈と破壊を防止するために、高速で安定という高い通過技術要求があり、各炉区間においても、低張力及び安定性が必要である。一方、高強度鋼板を生産する装置では、炉の速冷区間における冷却速度に対する要求が高く、そして、厚くて狭い高強度鋼板自体は正しい搬送経路から離脱しやすく、このような帯鋼は急冷して相転移した後に、その板形状が悪くなり、離脱がより深刻になる。したがって、装置の各炉区間における張力に対する要求が高く、装置におけるローラーシステムの是正能力に対する要求が高い。
【0006】
テンパーミルの面においても、その要求が異なる。表面品質の要求の高い製品に対して、テンパーは材料特性の制御と板形状の改善という目的に加え、表面品質の改善と向上においても極めて重要である。このため、大きいテンパーローラー直径及び圧延力を要求されている。しかし、高強度鋼製品はその材料の降伏強度が高いので、テンパーローラーの直径が大き過ぎると、テンパーミルの圧延力が大幅に向上し、テンパーミルのエネルギー消費と投資が増やすことになる。従って、一般的には、小径なテンパーローラーと、大きいテンパー張力と、適当なテンパー圧延力とで、高強度鋼板の形状を改善する。
【0007】
仕様及び品種の切換えの面において、高強度鋼、特に超高強度鋼は、品種及び仕様ごとの用量が少ないが、総合な品種及び仕様が多いため、連続熱処理装置で生産する際に、切換えが増え、遷移時間が長くなる。よって、大型連続熱処理装置の安定性及び生産性は大きく影響される。そのため、大手鉄鋼連合企業にとって、多数の連続熱処理装置を持っている場合に、他の連続熱処理装置の高速且つ安定な運転を確保し、装置を良好な状態に維持して、製品の表面品質を改善するために、高強度鋼を生産する専用な連続熱処理ラインが必要となる。
【0008】
急速冷却装置を備える連続焼鈍し装置で高強度冷延板を生産する際に、980MPa級以上の強度及び優れた後加工性能を実現するために、連続焼鈍し装置は、水焼入れ、エアロゾル冷却やハイ水素ジェット冷却などの急却装置を装備しなければならない。その連続焼鈍しの主なプロセスは、以下のとおりである。
【0009】
アンコイリング−洗浄−加熱−均熱−徐冷−急冷−(酸洗)−(再加熱)−オーバーエージング(焼戻し)−冷却−テンパー−フィニッシュ−高強度冷延板。
【0010】
連続焼鈍しプロセスは、アンコイリング及び洗浄経た冷延帯鋼を一定温度まで加熱して、しばらく保温して、ある温度まで徐冷した後、急冷装置において早い冷却速度で室温又はオーバーエージング温度まで冷却する。
【0011】
水焼入れ冷却は、現在、最速の冷却方法であり、高強度鋼を生産する安価な方法でもある。少量の合金元素を追加することで、高強度レベルの二相、多相及びマルテンサイト系の高強度鋼を生産することも可能である。この方法では、水冷の際に、帯鋼の表面に酸化膜層が形成されるので、酸洗を追加する必要がある。そして、水焼入れ冷却を採用する場合に、オーバーエージング温度で冷却を終了することは困難であり、帯鋼を100℃以下に冷却しなければならないから、帯鋼の耐エージング安定性を確保するように、鋼を焼戻し温度まで再加熱して焼戻しする必要がある。
【0012】
連続焼鈍しプロセスとしてハイ水素ジェット冷却方法を採用する場合に、冷却終了温度が制御しやすく、帯鋼を室温まで冷却する必要がなく、酸化も発生しないから、帯鋼を酸洗せずに、直接にオーバーエージングを開始したり、再加熱してオーバーエージングを開始したりすることができる。しかし、ハイ水素ジェット冷却方法での冷却速度は水焼入れ冷却方法より遅いため、同一の合金元素を追加する前提条件では、ハイ水素ジェット冷却方法で生産した冷延板の強度レベルは、水焼入れ冷却方法の場合によりはるかに低い。
【0013】
急冷装置を備える連続溶融亜鉛めっき装置で高強度溶融亜鉛めっき板を生産する場合に、基材の強度をなるべく向上させるために、そして、溶融亜鉛めっき性を確保するために、連続溶融亜鉛めっき装置は、ハイ水素ジェット急冷装置や、水焼入れ又はエアロゾル冷却と酸洗装置を装備しなければならない。その連続溶融亜鉛めっきの主なプロセスは、以下のとおりである。
【0014】
アンコイリング−洗浄−加熱−均熱−徐冷−急冷−(酸洗)−(再加熱)−溶融亜鉛めっき(或いはめっき層合金化焼鈍しを含め)−冷却−テンパー−フィニッシュ−高強度溶融亜鉛めっき板。
【0015】
連続溶融亜鉛めっきプロセスは、アンコイリング及び洗浄経た冷延帯鋼をある均熱温度まで加熱して、しばらく保温して、ある温度まで徐冷した後、急冷装置において早い冷却速度で帯鋼を亜鉛ポット温度付近又は室温まで冷却する。水焼入れ後の帯鋼は、さらに、酸洗で帯鋼の表面の酸化膜を洗い流され、再加熱されて、亜鉛ポットに入り溶融亜鉛めっき及び/又はめっき層合金化焼鈍しを経て、最後に、冷却されてテンパーなどの後処理工程に入る必要がある。
【0016】
帯鋼の溶融亜鉛めっき処理は、約460℃で完成しなければならず、溶融亜鉛めっき後のめっき層合金化焼鈍し処理は、約500℃で完成しなければならない。そのため、従来の連続溶融亜鉛めっきラインで高強度レベルの溶融亜鉛めっき板を生産すると、基材に大量の合金元素を入れる必要がある。しかし、こうすると、却って、亜鉛めっきの前に合金元素、例えばMn、Siが鋼板表面に集めることを招くので、良好な表面品質を持つ溶融亜鉛メッキ板及びめっき層合金化溶融亜鉛メッキ板を得られなくなる。従って、水焼入れ冷却+酸洗+再加熱+溶融亜鉛メッキ(或いはめっき層合金化焼鈍しを含め)というプロセスを採用することで、鋼板の強度レベルを大幅に向上させるとともに、酸洗で帯鋼の表面に集めた合金元素を洗い流すことができ、良好な表面品質を持つ高強度溶融亜鉛メッキ板及びめっき層合金化焼鈍し板を確保できるようにする。
【0017】
ハイ水素急冷プロセスを採用する場合には、帯鋼を酸洗せずに、直接に亜鉛ポットに入れて溶融亜鉛めっき(或いはめっき層合金化焼鈍しを含め)を行ったり、再加熱して溶融亜鉛めっき(或いはめっき層合金化焼鈍しを含め)を行ったりして、その後、冷却を経てテンパーなどの後処理工程に入ることができる。しかし、このようなプロセスを採用する際に、めっき性を確保するために、合金元素を多量に入れることができないため、同じ化学成分の条件で、その完成品の強度レベルが低い。よって、水焼入れ冷却の場合に比べて、一定の合金成分の範囲内で生産した溶融亜鉛めっき板及びめっき層合金化溶融亜鉛メッキ板は、その強度レベルが低い。
【0018】
上記のように、高強度冷延板及び溶融亜鉛めっき板を生産するプロセスにおいて、基材入口洗浄装置と、焼鈍し用の加熱及び均熱装置と、急冷及びその関連装置(例えば水焼入れ冷却と酸洗及び再加熱装置等)と、出口のテンパーと塗油及び巻取り装置などの構造が基本的に同じであるため、高強度冷延板及び溶融亜鉛めっき板の生産を1つの装置に統合することができる。より重要なのは、高強度レベルの冷延板及び溶融亜鉛めっき板の市場の需要量はあまり大きくないため、高強度冷延板の生産ラインと高強度溶融亜鉛メッキ板の生産ラインをそれぞれ構築すると、投資コストが大幅に増加する一方、2つの装置で行う生産は何れも不飽和な状態になり、そして、高強度鋼板、特に超高強度鋼板を生産する装置は、高表面品質の軟鋼製品の生産に適合せず、低表面品質の普通の低等級の軟鋼製品しか生産できないから、資源の深刻な浪費を招くことになる。そのため、装置の各区間の設備を如何に合理的に配置し、鋼板通過の切換え設備を研究開発して、仕様及び品種が多くで量が少ない高強度及び超高強度冷延板と溶融亜鉛めっき板の生産を同一の装置に統合させることは、鉄鋼業界において益々大きな注目を集めている。
【0019】
日本特開平2003−253413には、高強度冷延鋼板と亜鉛めっき鋼板の兼用製造設備及び兼用製造方法が提供された。この方法では、加熱区間と、均熱区間と、ジェット冷却区間とを備える焼鈍し炉から出た鋼板を亜鉛めっき装置に供給して亜鉛めっき鋼板を製造すること、即ち、亜鉛めっきパスルートを通ることができる一方、前記焼鈍し炉から出た鋼板を亜鉛めっき装置を通さないで水焼入れ槽に供給して高強度冷延鋼板を製造すること、即ち、冷延裸板パスルートを通ることもできる。
【0020】
この特許は、2つのプロセスルートを切換える切換え装置を備えることを特徴とする亜鉛めっき板及び高強度冷延板の兼用製造方法である。亜鉛めっき板及び高強度冷延板の兼用製造を達成するために、該方法において、以下の三つの実現手段を採用している。1、ジェット冷却区間の後に、直接に、亜鉛ポットと水焼入れ槽との間に位置する切換え装置を設ける。2、亜鉛ポット内と水焼入れ槽内のシンクロールの昇降により、切換えを実現する。3、亜鉛めっき・水焼入れ共用槽に溶融亜鉛或いは水を注入することにより、切換えを実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかし、この特許は、主に、以下のような欠点がある。
まず、この特許の兼用製造方法には、急冷性能を持つハイ水素ジェット冷却と水焼入れ及び酸洗プロセスを採用しなかったため、高強度レベルの溶融亜鉛めっき板及びめっき層合金化溶融亜鉛めっき板を生産できないばかりか、良い表面品質の低強度レベルの、相変化により強化する溶融亜鉛めっき板及びめっき層合金化溶融亜鉛めっき板の生産さえもできない。
【0022】
そして、水焼入れ後の酸洗プロセス及び再加熱による焼戻しプロセスを採用しなかったため、この特許の兼用製造方法で生産した高強度冷延板は、表面品質が悪いだけではなく、塑性と耐エージング安定性も悪い。
【0023】
最後に、この特許の兼用製造方法の実現手段である2と3は、実際の生産では操作し難しく、亜鉛メッキ板と冷延板との間に切換える際に、ロール表面の残留亜鉛で、冷延板の表面品質及び装置の通常運転に影響を与え、そして、亜鉛ポットと水焼入れ槽を共用させると、亜鉛ポットの破裂などの解決できない技術的問題を起こすとともに、切換えのコストがアップする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明内容
本発明の目的は、各種高強度鋼の生産に適合するフレキシブルな薄い帯鋼処理ラインを提供することである。この処理ラインは、冷延硬化した圧延硬化材及び熱延酸洗板を使用して、高強度の冷延板と純粋な溶融亜鉛めっき板とめっき層合金化溶融亜鉛めっき板と電気亜鉛、ニッケルめっき板を製造するができるので、資源を有効に利用し、投資を節約することができる。そして、普通の冷延板と溶融亜鉛めっき板及びめっき層合金化溶融亜鉛めっき板の生産を一つの装置に統合するとともに、接続通路を採用することで、電気Zn、Niめっき板を生産でき、超高強度レベルの冷延板と溶融亜鉛めっき板及びめっき層合金化溶融亜鉛めっき板も生産できる。そして、溶融亜鉛めっきの前に酸洗プロセス或いは電気Fe、Niめっきプロセスを採用することで、該生産プロセス及び設備は、高強度鋼、特に超高強度鋼の溶融亜鉛なめっき性が悪いという欠点を完全に解消することができ、高強度溶融亜鉛めっき製品及びめっき層合金化溶融亜鉛めっき製品の良好な表面品質を保証できる。
【0025】
この目的を達成するために、本発明の技術案は、次のとおりである。
各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな薄い帯鋼処理ラインにおいて、アンコイリング、洗浄、加熱、均熱、徐冷、ジェット冷却、水焼入れ冷却、酸洗、再加熱、オーバーエージング、最終冷却、テンパー、フィニッシュ、塗油及び巻取りというステーションを順次に設け、
アンコイリング及び洗浄ステーション、酸洗ステーション、再加熱ステーションのそれぞれに接続通路を介して接続される電気めっきステーションと、溶融亜鉛めっき炉のノーズを介して再加熱ステーションに接続され、接続通路を介して最終冷却ステーションに接続される溶融亜鉛めっき及びめっき層合金化焼鈍しステーションと、電気めっきステーション、テンパーステーション、フィニッシュステーションのそれぞれに接続通路を介して接続されるパッシベーション及び他の後処理のステーションと、をさらに備え、前記の再加熱ステーションは、移動可能なバイパスを介してオーバーエージングテーションに連通され、冷延板の連続焼鈍し製品を生産する際に、この移動可能なバイパスが投入される一方、溶融亜鉛めっき製品及びめっき層合金化焼鈍し製品を生産する際に、この移動可能なバイパスが退避され、退避による露出した継ぎ口が密封される。
【0026】
前記のジェット冷却には、ハイ水素ジェット冷却が採用される。
前記のパッシベーション及びその他の後処理ステーションは、フィニッシュステーション、塗油ステーション又は巻取りステーションに接続される。
【0027】
前記のバイパスは、接続通路と異なり、密封通路である。その通路内の雰囲気と焼鈍し炉内の雰囲気とは、基本的に同じで、2%〜7%の水素を含む窒素と水素の混合保護ガスである。一方、接続通路は、一般的に、密封されていないから、保護ガスを要らない。
【0028】
そして、酸洗区間の後に、誘導加熱器が配置されている。
ハイ水素ジェット冷却区間の後に、誘導加熱器が配置され、好ましくのは、該誘導加熱器の周波数は、1000Hz以上である。従来の処理ラインに比べ、本発明の処理ラインでは、急冷後の帯鋼温度、再加熱速度や温度を制御できるとともに、酸洗を必要とせず、高強度板の製造プロセスにおける設備の要求に十分に満たすことができる。
【0029】
本発明における各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ラインは、独特な優位性があり、
従来の熱処理装置に比べて、以下のような顕著で突出した特徴及び利点が有る。
【0030】
1.製品の種類が豊富である。
最も一般的な連続焼鈍し装置は、普通の冷延製品しか生産できない一方、最も一般的な連続溶融亜鉛めっき装置は、純粋な溶融亜鉛めっき製品とめっき層合金化溶融亜鉛めっき製品しか生産できない。最近開発された連続焼鈍し・溶融亜鉛めっき両用の装置でも、普通の冷延製品と溶融亜鉛めっき製品との二種類の製品しか生産できない。そして、このような連続焼鈍し・溶融亜鉛めっき両用装置は、高強度鋼板、特に超高強度鋼板をターゲット製品とするものではないので、多品種という優位性は顕著ではない。
【0031】
本発明におけるフレキシブルな高強度帯鋼の処理ラインでは、ハイ水素高速ジェット冷却装置と水焼入れ装置の両方が装備されているので、特に、仕様及び品種が多く、量が少ない高強度及び超高強度鋼板の生産に適する。各強度レベルの冷延高強度鋼と超高強度鋼(最大で1470MPaに達する)を生産できるだけではなく、最高強度レベルが980MPaに達する各種溶融亜鉛めっき高強度鋼も生産できる。さらに、各強度レベルの電気亜鉛めっき製品、電気ニッケルめっき製品及び電気亜鉛-ニッケル合金製品も生産できる。要するに、他の冷延帯鋼の処理ラインに比べ、該多機能処理ラインは、機能が多く、品種が多いという特徴を有し、溶融めっき製品、普通の冷延製品及び電気めっき製品などを含む多種高強度鋼製品を、最小限の投資で得ることができ、現在の自動車産業における各種高強度鋼に対する様々なニーズに対応できる。
【0032】
2.生産コストが低い。
まず、原料として、圧延硬化材だけではなく、熱延酸洗板も使用できる。本発明は、新型のハイ水素高速ジェット冷却装置と新型の水焼入れ装置を装備したので、同一強度レベルの高強度鋼を生産する際に、より少ない合金成分で生産でき、合金元素を節約し、生産コストを削減することができる。そして、製鋼、熱延、酸洗及び冷延という各工程に対する要求が低くなり、生産がより安定且つ順調に進められ、その分、コストも減少する。なお、該フレキシブルな処理ラインは、各種の高強度鋼の生産に専用できるので、各種の高強度鋼を生産する時の連続及び移行がより便利になる。一方、他の装置に対しては、少量な超高強度鋼を生産するために投資を大量に増加する必要がなくなるから、他の装置が解放され、会社全体の生産コストは大幅に低減する。
【0033】
3.製品の品質が高い。
本発明の処理ラインが各種高強度鋼製品の処理に専用するから、高強度鋼の生産プロセスのニーズに応じてより有効な対策を採ることで、製品の品質を向上させることができる。例えば、普通の連続熱処理装置は冷却速度が遅いという問題に対して、この装置は、新型のハイ水素高速ジェット冷却と新型の水焼入れ技術を採用して、冷却速度を大幅に高めることによって、同一強度レベルの高強度鋼の化学成分における合金成分の含有量を大幅に低減し、生産コストを削減できるとともに、高強度鋼製品の溶接性能及びめっき性を著しく向上させることができた。また、本発明によれば、水焼入れ及び酸洗、ひいては電気めっきの後に再び溶融めっきを行うという新技術を採用したので、高強度鋼のめっき性をさらに根本的に改善し、溶融亜鉛めっき高強度鋼の表面品質及び耐食性を著しく向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図面の簡単な説明
【図1】図1は本発明の実施例1のプロセスのブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施例2のプロセスのブロック図である。
【図3】図3は本発明の実施例3のプロセスのブロック図である。
【図4】図4は本発明の実施例4のプロセスのブロック図である。
【図5】図5は本発明の実施例5のプロセスのブロック図である。
【図6】図6は本発明の実施例6のプロセスのブロック図である。
【図7】図7は本発明の実施例7のプロセスのブロック図である。
【図8】図8は本発明の実施例8のプロセスのブロック図である。
【図9】図9は本発明の実施例9のプロセスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
発明を実施するための形態
以下に実施例及び図面に基づいて、本発明の各種高強度鋼の生産に適合するフレキシブルな帯鋼処理ラインを説明する(図面では、実線矢印は該実施例に採用するプロセスを示し、破線矢印は他の実施例に選択可能なプロセスを示す)。
【0036】
実施例1
図1に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5−ジェット冷却6(ハイ水素ジェット冷却)−オーバーエージング10−最終冷却11−テンパー12−フィニッシュ13−塗油及び後処理14−巻取り15−完成品16。
【0037】
本発明のプロセスは、一般的な冷延板と相転移により強化された高強度鋼冷延板を生産することができ、特に、冷延TRIP鋼と80キロ級以下のDP鋼の生産に適合する。80キロ級の冷延TRIP鋼と80キロ級のDP鋼を生産するプロセスのパラメータは表1に示している。表1に示したように、TRIP鋼では、連続焼鈍しの均熱温度と、エージングの温度及びその時間とを制御することは重要であるが、急冷の速度に対する要求は高くない。一方、高強度DP鋼では、連続焼鈍しの肝心なプロセス制御パラメータは、均熱温度と急冷の速度であり、特に、急冷の速度に対する要求は高い。なお、そのエージングは、マルテンサイトの分解が回避されるように、低温度且つ短時間であることが要求されている。
【0038】
該プロセスでは、酸洗工程及び再加熱工程が必要ないため、熱処理工程の生産コストが低く、製品の表面品質が高い。
【0039】
【表1】

【0040】
実施例2
図2に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5−ジェット冷却6(ハイ水素ジェット冷却)−再加熱9−オーバーエージング10−最終冷却11−テンパー12−フィニッシュ13−塗油及び後処理14−巻取り15−完成品16。
【0041】
実施例1と比較すると、本発明のプロセスは、低温で行ってから高温で行うオーバーエージング工程を図ることができる。このようなプロセスによれば、低炭素アルミニウムキルド鋼で優れた耐エージング特性を持つ軟鋼製品を生産できる。優れた耐エージング特性を持つ低炭素アルミニウムキルド鋼の軟鋼製品を生産するプロセスのパラメータは表2に示している。表2に示したように、耐エージング特性の優れた低炭素アルミニウムキルド鋼を生産するにあたって、連続焼鈍しの均熱温度とエージング工程を制御することは重要である。そして、鋼中の固体炭素を完全に析出させるために、低温で行ってから高温で行うオーバーエージング工程を実現しなければならない。本発明の処理ラインは急冷後の再加熱により、プロセスの要求に良好に満たした。該プロセスは、相転移により強化されたマルテンサイト鋼と二相鋼の生産にも適合する。
【0042】
他の特許に比べ、本発明の処理ラインにおいて、ハイ水素ジェット冷却区間の後にハイパワーな誘導加熱器を配置することで、急冷後の加熱速度や温度を制御できるとともに、酸洗を必要とせず、高強度板の製造プロセスにおける設備の要求に十分に満たすことができる。
【0043】
【表2】

【0044】
より重要なのは、本発明の実施例は、一旦帯鋼をマルテンサイト変態点以下に冷却させ、マルテンサイトに変態させた後に再び焼戻しすることで、焼入れ及び焼戻しを実現し、焼戻しマルテンサイト組織を生成して鋼板の総合性能を調整できる。これにより、実施例1に比べ、二相鋼製品の強度と塑性とのバランスがより良好になるような高強度二相鋼板を生産でき、強度が低く且つ塑性が高いマルテンサイト鋼も生産できる。マルテンサイト鋼製品を生産するプロセスのパラメータも表2に示している。表2から分かるように、高強度のマルテンサイト鋼を生産するにあたって肝心なのは、連続焼鈍しの均熱温度と急冷速度を制御することである。そのうち、十分なマルテンサイトを生成して強度を確保するにあたって、急冷速度や急冷終了温度は主な要因である。
【0045】
通常の急冷後の再加熱に比べ、本発明の処理ラインにおいて、ハイ水素ジェット冷却区間の後にハイパワーな誘導加熱器を配置することで、急冷後の加熱速度や温度を制御できるとともに、酸洗を必要とせず、高強度鋼板の製造プロセスにおける設備の要求に十分に満たすことができる。このプロセスの実現も本発明の特徴の一つである。
【0046】
実施例3
図3に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−電気めっき17(Fe又はNiの電気めっき)−再加熱9−溶融亜鉛めっき18−合金化19−最終冷却11−テンパー12−パッシベーション(又は塗油を含め)及び後処理20−フィニッシュ13−塗油及び後処理14−巻取り15−完成品16。
【0047】
この実施例のプロセスでは、高強度又は超高強度熱間圧延酸洗板(例えば熱間圧延高強度鋼)を原料として、その表面に極薄なNi、Feなどをめっきすることで、高強度鋼の溶融亜鉛めっき性を改善する。その後、450℃〜550℃に加熱し、亜鉛ポットに入れて溶融亜鉛めっきさせてから(及び/又はめっき層合金化させ)、冷却させテンパーなどの後工程に入る。再加熱・溶融亜鉛めっきの時間が短いため(一分間以内)、強化相の分解を大幅に減少ないし回避することができるから、優れた表面品質を持つ超高強度熱間圧延酸洗溶融亜鉛めっき板を得ることができ、コストを大幅に削減することができる。超高強度熱間圧延酸洗溶融亜鉛めっきの先進的な高強度鋼製品を生産するプロセスのパラメータは表3に示している。本発明の処理ラインは、超高強度熱間圧延溶融亜鉛めっき板を生産でき、冷間連続圧延工程を省略した。これも本発明の特徴の一つである。
【0048】
【表3】

【0049】
実施例4
図4に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5(徐冷用にハイ水素区間を含め)−水焼入れ冷却7−酸洗8−再加熱9−オーバーエージング10−最終冷却11−テンパー12−フィニッシュ13−塗油及び後処理14−巻取り15−完成品16。
【0050】
水焼入れに加え焼戻し処理を用いた本実施例のプロセスは、良好な表面品質を持つ超高強度冷延板を生産することができる。ハイ水素ジェット冷却よりスピードが速い水焼入れを採用することで、同じ化学組成の前提で、冷延板の強度レベルを大幅に高めることができ、或いは、同じ強度レベルの高強度鋼を生産する場合、その合金成分を著しく低減することができ、製品の溶接性能を遥かに向上することができる。また、水焼入れ後に酸洗工程を採用することで、帯鋼の表面における酸化鉄スケールを洗い流して、鋼板の良好な表面品質を確保することができる。
【0051】
実施例5
図5に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5−ハイ水素冷却6(ハイ水素ジェット冷却)−溶融亜鉛めっき18或いは合金化19も含め−最終冷却11−テンパー12−パッシベーション及び他の後処理20−フィニッシュ13−塗油14−巻取り15−完成品16。テンパー12の後はパッシベーション20であり、その後はフィニッシュ13のステーションである。
【0052】
本実施例のプロセスは、比較的高強度レベルの高強度溶融亜鉛めっき鋼板と合金化溶融亜鉛めっき鋼板の生産に適用でき、特に溶融亜鉛めっきTRIP鋼や低強度レベルのDP鋼の生産に適合する。生産プロセスが簡単であるため、装置の運転コストが低い。
【0053】
実施例6
図6に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5−ハイ水素冷却6(ハイ水素ジェット冷却)−再加熱9−溶融亜鉛めっき18或いは合金化19も含め−最終冷却11−テンパー12−パッシベーション及び他の後処理20−フィニッシュ13−塗油14−巻取り15−完成品16。後処理は、予備リン酸処理とパッシベーションとを備える。
【0054】
本実施例のプロセスは、比較的高強度レベル且つ良好な表面品質を持つ溶融亜鉛メッキ高強度鋼板を生産することができる。本発明のプロセスにおいて、ハイ水素ジェット冷却で帯鋼を相変化点以下に急冷させ、マルテンサイト変態を完成させてから、460℃程度まで加熱して溶融亜鉛めっきを完了することで、鋼板原料の焼入れ性に対する要求を軽減し、従来のプロセスの欠点の一部を排除することができる。即ち、鋼に合金元素を大量に入れること(溶融亜鉛めっきの後にマルテンサイト変態を完成するように、鋼板の焼入れ性を向上させるため)により、合金元素、例えばMn、Siが鋼板表面に集め、溶融亜鉛めっき性に影響する。本発明のプロセスでは、鋼板の強度を向上させると同時に、基材における合金元素の含有量をある程度低下させることができる。そして、鋼の中の合金元素は少ないから、めっき性と溶接性を確保でき、最終的に、良好な表面品質と使用性能を持つ溶融亜鉛めっき高強度鋼板を得られる。
【0055】
実施例7
図7に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5(ハイ水素冷却区間は徐冷区間として兼用され)−水焼入れ冷却7−酸洗8−再加熱9−溶融亜鉛めっき18−合金化19−最終冷却11−テンパー12−フィニッシュ13−塗油14−巻取り15−完成品16。後処理は、予備リン酸処理とパッシベーションとを備える。
【0056】
本実施例のプロセスは、実施例6よりも高い強度且つ良好な表面品質を持つ溶融亜鉛メッキ高強度鋼板を生産することができる。本発明のプロセスにおいて、ハイ水素ジェット冷却の代わりに、冷却速度がより速い水焼入れを採用することで、基材の化学成分が同じである前提で鋼板の強度を大幅に向上させられる。酸洗工程を採用することで、水焼入れによる帯鋼表面の酸化鉄スケールを洗い流すことができるとともに、表面に集めたMn、Siなどの合金元素を洗い流すことができる。後続の溶融亜鉛メッキ性を確保でき、表面品質良好な溶融亜鉛メッキ高強度鋼板を得られる。
【0057】
実施例8
図8に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5(ハイ水素冷却区間は徐冷区間として兼用され)−水焼入れ冷却7−酸洗8−電気めっき17(Fe又はNiのめっき)−再加熱9−溶融亜鉛めっき18−合金化19−最終冷却11−テンパー12−パッシベーション及び他の後処理20−フィニッシュ13−塗油14−巻取り15−完成品16。後処理は、予備リン酸処理とパッシベーションとを備える。
【0058】
本実施例のプロセスは、実施例7のプロセスに類似し、異なるのは、酸洗の後にFe又はNiの電気メッキ処理を追加して、鋼板の表面にFe又はNiのメッキ層を生成する点だけである。このようにして、溶融亜鉛めっき処理前の鋼板の表面状況が変わり、超高強度鋼では溶融亜鉛めっき性がよくないという問題を完全に解決した。本実施例のプロセスは、より高い耐食性と優れた表面品質を持つダブルめっき層の超高強度溶融亜鉛めっき鋼板を生産できる。これも本発明の特徴の一つである。
【0059】
実施例9
図9に示したように、本実施例のプロセスは以下のようである。原料1−アンコイリング及び洗浄2−加熱3−均熱4−徐冷5(ハイ水素冷却区間は徐冷区間として兼用され)−水焼入れ冷却7−酸洗8−電気めっき17(Ni又はZnの電気めっき)−パッシベーション及び後処理20−フィニッシュ13−塗油及び後処理14−巻取り15−完成品16。
【0060】
本実施例のプロセスにおいて、冷延亜鉛、ニッケルメッキ鋼板を生産する連続焼鈍し工程と電気めっき工程の両者を一つにして、一つの装置で連続焼鈍しと電気めっきを完成することにより、電気亜鉛めっき、電気ニッケルめっき又は電気亜鉛-ニッケルめっき合金鋼板を便利に生産できる。このようにして、投資コストの削減及び生産性の向上を達成するだけではなく、首尾切除量の減らすにより、歩留まりの向上にも寄与した。一方、徐冷に加え、水焼入れを利用することにより、合金元素成分が低い鋼種を使用して高強度冷延亜鉛、ニッケルメッキ鋼板を生産することができ、優れたプレス性能を持つ電気亜鉛、ニッケルめっき軟鋼製品を生産することもできる。
【0061】
本実施例7,8,9において、水焼入れ前の徐冷には高い冷却性能を持つハイ水素冷却設備を採用したので、水焼入れに良い前提条件を作った。これで、水焼入れにおける入水温度を適当に下げられ、最終製品の板形状の品質の改善に寄与した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンコイリング及び洗浄ステーション、加熱ステーション、均熱ステーション、徐冷ステーション、ジェット冷却ステーション、水焼入れ冷却ステーション、酸洗ステーション、再加熱ステーション、オーバーエージングステーション、最終冷却ステーション、テンパーステーション、フィニッシュステーション、塗油ステーション、及び巻取りステーションが順次に設けられ、
アンコイリング及び洗浄ステーション、酸洗ステーション、再加熱ステーションのそれぞれに接続通路を介して接続される電気めっきステーションと、溶融亜鉛めっき炉のノーズを介して再加熱ステーションに接続され、接続通路を介して最終冷却ステーションに接続される溶融亜鉛めっき及びめっき層合金化焼鈍しステーションと、電気めっきステーション、テンパーステーション、フィニッシュステーションのそれぞれに接続通路を介して接続されるパッシベーション及び他の後処理のステーションと、をさらに備え、前記の再加熱ステーションは、移動可能なバイパスを介してオーバーエージングステーションに連通されて、冷延板の連続焼鈍し製品を生産する際に、この移動可能なバイパスを投入させる一方、溶融亜鉛めっき製品及びめっき層合金化焼鈍し製品を生産する際に、この移動可能なバイパスを退避させ、退避による露出した継ぎ口を密封する、ことを特徴とする各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン。
【請求項2】
前記のジェット冷却には、ハイ水素ジェット冷却が採用されている、ことを特徴とする請求項1に記載の各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン。
【請求項3】
前記のパッシベーション及びその他の後処理ステーションは、塗油又は巻取りステーションに接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン。
【請求項4】
酸洗区間の後には、誘導加熱器が配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン。
【請求項5】
ハイ水素ジェット冷却区間の後には、誘導加熱器が配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン。
【請求項6】
前記の誘導加熱器の周波数は1000Hz以上である、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン。
【請求項7】
前記のバイパスは、密封通路であり、その通路内の雰囲気は、焼鈍し炉内の雰囲気と同じであり、2%〜7%の水素を含む窒素と水素の混合保護ガスである、ことを特徴とする請求項1に記載の各種高強度鋼の生産に適するフレキシブルな帯鋼処理ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−518719(P2012−518719A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550412(P2011−550412)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070730
【国際公開番号】WO2010/097038
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(302022474)宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 (17)
【Fターム(参考)】