説明

含フッ素化合物とその高分子化合物

【課題】新規な含フッ素化合物及びそれを用いた高分子化合物を用い、高いフッ素含量を有しながら、同一分子内に水酸基あるいはそれを修飾した官能基を持たせることで、真空紫外線から光通信波長域に至る波長領域で、高い透明性と低屈折率性を有し、かつ基板への密着性、高い成膜性、エッチング耐性、耐久性を併せ持つ反射防止膜材料またはレジスト材料を提供する。
【解決手段】一般式(2)または一般式(3)で表される含フッ素化合物。(式中、R1はメチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R2、R3、R4は水素原子、炭素数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基または芳香族炭化水素基を含む基であって、その一部にフッ素原子、酸素原子、カルボニル結合を含んでもよい。lは0、mは1、nは2、oは1〜8の任意の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水酸基またはそれを修飾した置換基含有の新規な含フッ素化合物と、それを用いて重合または共重合した高分子化合物、さらにその含フッ素化合物及び高分子化合物を用いたレジスト材料、または、当該高分子化合物を用いた反射防止膜材料に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素系化合物は、フッ素原子の持つ撥水性、撥油性、低吸水性、耐熱性、耐候性、耐腐食性、透明性、感光性、低屈折率性、低誘電性などの特徴を持つことから最先端分野を中心に幅広い応用分野で利用されており、主に、各波長における透明性を生かしたコーティング分野で応用されている。可視光領域では反射防止膜として、高波長領域(光通信波長帯)では光デバイスとして、紫外線領域、特に真空紫外線領域で、レジスト材料として使用されており、現在も活発な研究開発が続けられている。しかし、ますます高度化、多様化する要求に対して既存の化合物が発揮しうる機能は必ずしも充分ではなく、透明性、基板密着性およびエッチング耐性の機能に優れ、それらすべての機能を兼ね備えた反射防止膜材料、レジスト材料、及びレジスト材料として適する溶解抑制剤の創出が望まれている。
【特許文献1】特開2002−201210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、紫外線領域から近赤外線領域に至るまでの幅広い波長領域で、高い透明性と低屈折率性を有し、かつ基板への密着性、高い成膜性、エッチング耐性、耐久性を併せ持つ反射防止膜材料またはレジスト材料は得られていない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、新規な含フッ素化合物とそれを用いた高分子化合物を用い、紫外線領域から近赤外線領域に至るまでの幅広い波長領域での高い透明性と低屈折率性を有し、かつ基板への密着性、高い成膜性、エッチング耐性、耐久性を併せ持つ反射防止膜材料またはレジスト材料、及びレジスト材料として適する溶解抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、同一分子内に水酸基またはそれを修飾した官能基を有する脂環式もしくは芳香族含フッ素化合物及びそれを用いた高分子化合物を合成し、これらを用いたレジスト材料、当該高分子化合物を用いた反射防止膜材料が、紫外線領域から近赤外線領域に至るまでの幅広い波長領域での高い透明性と低屈折率性を有し、かつ基板への密着性、高い成膜性、エッチング耐性、耐久性を併せ持つことを知見し、さらに、当該含フッ素化合物及び高分子化合物が溶解抑制剤として適することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、下記に記載した、1〜9の含フッ素化合物、10の高分子化合物、11の反射防止膜材料、12、13のレジスト材料である。
【0007】
1:
一般式(1)で表される含フッ素化合物(式中、R1はメチル基またはトリフルオロメ
チル基を表し、R2、R3は水素原子、炭素数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基を含む基であって、その一部にフッ素原子、酸素原子、カルボニル結合を含んでもよい。lは0〜2の任意の整数を表し、m、nは1〜5の任意の整数を表し、m+n≦6を満たす。R1〜R3が複数の場合、R1〜R3はそれぞれ同一でも異なってもよい。)。
【0008】
【化1】

【0009】
2:
一般式(2)で表される含フッ素化合物(式中、R1〜R3は一般式(1)と同じ。lは0〜2、m、nは1〜9、oは1〜8の任意の整数を表し、m+n≦o+2を満たす。R1〜R3が複数の場合、R1〜R3はそれぞれ同一でも異なってもよい。)。
【0010】
【化2】

【0011】
3:
一般式(3)で表される含フッ素化合物(式中、R1、R2は一般式(1)と同じ。R4は水素原子、炭素数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基を含む基であって、その一部にフッ素原子、酸素原子、カルボニル結合を含んでもよい。l、m、n、oは一般式(2)と同じ。R1、R2、R4が複数の場合、R1、R2、R4はそれぞれ同一でも異なってもよい。)。
【0012】
【化3】

【0013】
4:
一般式(4)で表される含フッ素化合物。
【0014】
【化4】

【0015】
5:
一般式(5)で表される含フッ素化合物。
【0016】
【化5】

【0017】
6:
2、R3のうち少なくともひとつが、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、またはそれらの官能基に含まれる水素原子の一部もしくは全部がフッ素原子で置換された官能基官能基またはそれらを含有する置換基である上記1または2記載の含フッ素化合物。
【0018】
7:
2、R3のうち少なくともひとつが、トリフルオロビニル基、ジフルオロトリフルオロメチルビニル基、フルオロアクリロイル基、トリフルオロメチルアクリロイル基、ノニルフルオロブチルアクリロイル基から選ばれた置換基を含む上記1または2記載の含フッ素化合物。
【0019】
8:
4がビニル基、アリル基、エポキシ基、エチニル基、またはそれら官能基の一部もしくは全部がフッ素原子で置換されたものから選ばれた置換基を含む上記3記載の含フッ素化合物。
【0020】
9:
2、R3のうち少なくともひとつに酸不安定性基(酸不安定性基は酸脱離基であって、一部に酸素原子、カルボニル結合、フッ素原子を含んでもよい。)を含有した上記1〜3及び上記6〜8のいずれかに記載の含フッ素化合物。
【0021】
10:
上記1〜3及び上記6〜9のいずれかに記載の含フッ素化合物を用いて重合または共重合された高分子化合物。
【0022】
11:
上記10記載の高分子化合物を用いた紫外光または可視光の反射防止膜材料。
【0023】
12:
上記9記載の含フッ素化合物または上記10記載の高分子化合物を含有したレジスト材料。
【0024】
13:
上記9記載の含フッ素化合物または上記10記載の高分子化合物を溶解抑制剤として用いたレジスト材料。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明について詳しく説明する。本発明の一般式(1)〜(3)で示される化合物において、R1はメチル基あるいはトリフルオロメチル基であるが、より低屈折率や高
透明性、特に紫外線波長領域の透明性が必要な応用に供される場合、トリフルオロメチル基が好ましく使用される。
【0026】
本発明によるR2〜R4は、水素原子、炭素数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基であって、フッ素原子、酸素原子、カルボニル結合を含んでもよい。R2〜R4の構造は特に制限されないが、使用目的によりその構造を変更できる。かかる目的としては、有機溶媒やアルカリ水溶液への溶解性、高いガラス転移点、ハンダ耐熱性を目的とした架橋反応性、光酸発生剤によるポジ型感光性やエッチング耐性などの特徴を付与させることであり、本発明の応用分野ごとに使い分けることが可能である。
【0027】
本発明のR2〜R4に使用できる炭素数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−プロピル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、sec−ペンチル基,ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、エチルヘキシル基、ノルボルネル基、アダマンチル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、エチニル基、フェニル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基などが例示でき、上記官能基の一部または全部がフッ素原子で置換されたものでもよい。また、酸素原子を含むものとしてアルコキシカルボニル基、アセタール基、アシル基等を挙げることができ、アルコキシカルボニル基としてはtert−ブトキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基等を例示できる。アセタール基としては、メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、ベンジルオキシエチル基、フェネチルオキシエチル基、エトキシプロピル基、ベンジルオキシプロピル基、フェネチルオキシプロピル基、エトキシブチル基、エトキシイソブチル基の鎖状のエーテルやテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等の環状エーテルが挙げられる。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができる。更に、上記置換基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたものを使用することもできる。
【0028】
また、本発明によると、一般式(4)、(5)で表される化合物は、本発明の含フッ素化合物または単量体のベース材料として好適に採用される。本発明によれば、一般式(4)、(5)の化合物は、一般式(1)、(2)で表される様々な含フッ素単量体を誘導するための最も基本的な含フッ素化合物として有益である。
【0029】
【化6】

【0030】
【化7】

【0031】
次に、本発明によるR2、R3について説明する。本発明によると、R2、R3には、水素原子、不飽和結合、酸不安定基のいずれかを含有することによって構成される。複数のR2、R3が存在する含フッ素化合物の場合、それぞれのR2、R3は同一でも異なってもよい。R2、R3が水素原子の場合、様々な含フッ素化合物を誘導するための原料化合物や、そのまま他の樹脂や架橋剤とともにコーティング材料中に添加する形で使用できる。またR2、R3が不飽和結合の場合、含フッ素重合体または共重合体を製造するための重合性単量体として使用でき、Diels−Alder反応を始めとした種々の原料化合物としても好適である。R2、R3が酸不安定基の場合、その用途がレジストである場合は溶解抑制剤(Dissolution Inhibitor)として使用できる。さらに分子中に水素原子、不飽和結合、酸不安定基などを共存した含フッ素化合物も使用できる。R2、R3のうち、まず、本発明による不飽和結合含有の上記6〜8記載の含フッ素化合物について説明する。R2、R3のうちの一つが重合性不飽和結合の場合は、主として本発明による重合体、共重合体を得るための原料として使用され、R2、R3のうちの複数が不飽和結合の場合は、主として架橋性材料として使用することができる。
【0032】
本発明のR2、R3に使用できる不飽和結合としては、重合性または反応性があればその構造には特に限定されないが、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基か、それらの官能基に含まれる水素原子の一部あるいは全部がフッ素原子で置換された置換基またはそれらを含有する置換基が好適に採用される。ここでR2、R3の一部あるいは全部がフッ素原子で置換された官能基を具体的に例示するならば、フルオロビニル基、ジフルオロビニル基、トリフルオロビニル基、ジフルオロトリフルオロメチルビニル基、トリフルオロアリル基、パーフルオロアリル基、フルオロアクリロイル基、トリフルオロメチルアクリロイル基、ノニルフルオロブチルアクリロイル基等が挙げられる。前記官能基にフッ素原子を持つものは透明性や低屈折率性をさらに付与させるために適用される。
【0033】
次に、本発明のR4について説明する。本発明に使用できるR4としては、ビニル基、アリル基、エポキシ基、エチニル基などの重合性官能基が好ましいが、特にそれらに限定されるわけではない。また、それら官能基の一部あるいは全部がフッ素原子で置換されたものも好ましく採用される。ここでR4の一部あるいは全部がフッ素原子で置換された官能基を具体的に例示するならば、フルオロビニル基、ジフルオロビニル基、トリフルオロビニル基、ジフルオロトリフルオロメチルビニル基、トリフルオロアリル基、パーフルオロアリル基、トリフルオロエポキ基等が挙げられる。
【0034】
上記官能基を使用する目的としては、含フッ素化合物の重合性を向上させるためである。その官能基にフッ素原子を持つものは透明性や低屈折率性をさらに付与させるためで、本発明の応用分野ごとに使い分けることが可能である。
【0035】
次に、本発明のR2、R3に使用できる酸不安定性基について説明する。本発明による酸不安定性基は、R2、R3のうちの一部または全部に適用され、さらに前述の不飽和結合基と併用して使用することもできる。R2、R3の酸不安定基とは、いわゆる酸脱離基であって、その一部に酸素原子、カルボニル結合、フッ素原子を含んでもよい。
【0036】
本発明に使用できる酸不安定性基としては、光酸発生剤や加水分解などの効果で脱離が起きる基であれば特に制限なく使用できるが、具体的な例示を挙げるとするならば、アルキコキシカルボニル基、アセタール基、シリル基、アシル基等を挙げることができる。アルコキシカルボニル基としてはtert−ブトキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基等を例示できる。アセタール基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、ベンジルオキシエチル基、フェネチルオキシエチル基、エトキシプロピル基、ベンジルオキシプロピル基、フェネチルオキシプロピル基、エトキシブチル基、エトキシイソブチル基などが挙げられる。またR2、R3が水素原子である場合、その水酸基に対してビニルエーテルを付加させたアセタール基を使用することもできる。シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができる。更に、これらの酸不安定基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたものを使用することもできる。
【0037】
酸不安定性基を使用する目的としては、その酸不安性基によるポジ型感光性および波長300nm以下の遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線もしくは電子線の露光後のアルカリ水溶液への溶解性を発現させることであり、その官能基にフッ素原子を持つものは透明性を、環状構造を含むものはエッチング耐性や高ガラス転移点などの特徴をさらに付与させるためで、本発明の応用分野ごとに使い分けることが可能である。
【0038】
次に、本発明による高分子化合物について説明する。本発明の高分子化合物とは一般式(1)〜(3)のうち分子内に重合性不飽和結合を含有した含フッ素化合物を単独重合体または共重合せしめた高分子材料のことである。
【0039】
本発明の重合性含フッ素化合物と共重合可能な単量体を具体的に例示するならば、少なくとも、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、含フッ素スチレン系化合物、ビニルエーテル、含フッ素ビニルエーテル、アリルエーテル、含フッ素アリルエーテル、オレフィン、含フッ素オレフィン、ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物から選ばれた一種類以上の単量体との共重合が好適である。
【0040】
本発明で使用できるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとしてはエステル側鎖について特に制限なく使用できるが、公知の化合物を例示するならば、メチルアクリレート又はメタクリレート、エチルアクリレート又はメタクリレート、n−プロピルアクリレート又はメタクリレート、イソプロピルアクリレート又はメタクリレート、n−ブチルアクリレート又はメタクリレート、イソブチルアクリレート又はメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート又はメタクリレート、n−オクチルアクリレート又はメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート又はメタクリレート、ラウリルアクリレート又はメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール基を含有したアクリレート又はメタクリレート、さらにアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの不飽和アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルコキシシラン含有のビニルシランやアクリル酸またはメタクリル酸エステル、tert−ブチルアクリレート又はメタクリレート、3−オキソシクロヘキシルアクリレート又はメタクリレート、アダマンチルアクリレート又はメタクリレート、アルキルアダマンチルアクリレート又はメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート又はメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート又はメタクリレート、ラクトン環やノルボルネン環などの環構造を有したアクリレートまたはメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸などが使用できる。さらにα位にシアノ基を含有した上記アクリレート類化合物や、類似化合物としてマレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸などを共重合することも可能である。
【0041】
また、本発明で使用できる含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステルとしては、フッ素原子またはフッ素原子を有する基がアクリルのα位に含有した単量体、またはエステル部位にフッ素原子を含有した置換基からなるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであって、α位とエステル部ともにフッ素を含有した含フッ素化合物も好適である。さらにα位にシアノ基が導入されていてもよい。例えば、α位に含フッ素アルキル基が導入された単量体としては、上述した非フッ素系のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのα位にトリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基などが付与された単量体が好適に採用され、その場合のエステル部位には必ずしもフッ素を含有する必要はない。α−トリフルオロメチルアクリル酸アルキルエステルを共重合成分として使用した場合には、重合体の収率が比較的高く、また得られるポリマーの有機溶媒に対する溶解性が良好で好ましく採用される。
【0042】
一方、そのエステル部位にフッ素を含有する単量体としては、エステル部位としてパーフルオロアルキル基、フルオロアルキル基であるフッ素アルキル基や、またエステル部位に環状構造とフッ素原子を共存する単位であって、その環状構造が例えばフッ素原子、トリフルオロメチル基、ヘキサフルオロカルビノール基などで置換された含フッ素ベンゼン環、含フッ素シクロペンタン環、含フッ素シクロヘキサン環、含フッ素シクロヘプタン環等を有する単位などを有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである。またエステル部位が含フッ素のt−ブチルエステル基であるアクリル酸またはメタクリル酸のエステルなども使用可能である。これらの含フッ素の官能基は、α位の含フッ素アルキル基と併用した単量体を用いることも可能である。そのような単位のうち特に代表的なものを単量体の形で例示するならば、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタフルオロイソプロピルアクリレート、1,1−ジヒドロヘプタフルオロ−n−ブチルアクリレート、1,1,5−トリヒドロオクタフルオロ−n−ペンチルアクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロトリデカフルオロ−n−オクチルアクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロヘプタデカフルオロ−n−デシルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、ヘプタフルオロイソプロピルメタクリレート、1,1−ジヒドロヘプタフルオロ−n−ブチルメタクリレート、1,1,5−トリヒドロオクタフルオロ−n−ペンチルメタクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロトリデカフルオロ−n−オクチルメタクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロヘプタデカフルオロ−n−デシルメタクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチルアクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチルメタクリレート、6−[3、3、3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−イルアクリレート、6−[3、3、3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−イル 2−(トリフルオロメチル)アクリレート、6−[3、3、3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−イルメタクリレート、1、4−ビス(1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキシルアクリレート、1、4−ビス(1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキシルメタクリレート、1、4−ビス(1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキシル 2−トリフルオロメチルアクリレート、などが挙げられる。
【0043】
さらに、本発明に使用できるスチレン系化合物、含フッ素スチレン系化合物としてはスチレン、フッ素化スチレン、ヒドロキシスチレンなどの他、ヘキサフルオロカルビノール基やその水酸基を修飾した官能基が一つ又は複数個結合した化合物が使用できる。すなわち、フッ素原子またはトリフルオロメチル基で水素を置換したスチレンまたはヒドロキシスチレン、α位にハロゲン、アルキル基、含フッ素アルキル基が結合した上記スチレン、パーフルオロビニル基含有のスチレンなどが好ましく使用可能である。
【0044】
また、ビニルエーテル、含フッ素ビニルエーテル、アリルエーテル、含フッ素アリルエーテルとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基を含有してもよいアルキルビニルエーテルあるいはアルキルアリルエーテル、シクロヘキシル基やその環状構造内に水素やカルボニル結合を有した環状型ビニル、アリルエーテルや、上記官能基の水素の一部または全部がフッ素原子で置換された含フッ素ビニルエーテル、含フッ素アリルエーテルも使用できる。なお、ビニルエステル、ビニルシラン、オレフィン、含フッ素オレフィン、ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物やその他の重合性不飽和結合を含有した化合物であれば特に制限なく使用することが可能である。
【0045】
オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、イソブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどを、含フッ素オレフィンとしてはフッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテンなどが例示できる。
【0046】
ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物は一核または複数の核構造を有するノルボルネン単量体である。この際、含フッ素オレフィン、アリルアルコール、含フッ素アリルアルコール、ホモアリルアルコール、含フッ素ホモアリルアルコールがアクリル酸、α−フルオロアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、メタクリル酸、本明細書で記載したすべてのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステルまたは含フッ素メタクリル酸エステル、2−(ベンゾイルオキシ)ペンタフルオロプロパン、2−(メトキシエトキシメチルオキシ)ペンタフルオロプロペン、2−(テトラヒドロキシピラニルオキシ)ペンタフルオロプロペン、2−(ベンゾイルオキシ)トリフルオロエチレン、2−(メトキメチルオキシ)トリフルオロエチレンなどの不飽和化合物と、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンとのDiels−Alder付加反応で生成するノルボルネン化合物で、3−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−プロパノール等が例示できる。なお、以上の共重合性化合物は単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0047】
本発明の含フッ素化合物の共重合組成比としては特に制限はなく採用されるが、10〜100%の間で選択することが好ましい。さらに好ましくは30〜100%であり、30%未満では応用分野の波長域によっては十分な透明性や成膜性が発現しない。
【0048】
本発明にかかる高分子化合物の重合方法としては、一般的に使用される方法であれば特に制限されないが、ラジカル重合、イオン重合などが好ましく、場合により、配位アニオン重合やリビングアニオン重合などを使用することも可能である。ここではより一般的なラジカル重合法を説明する。すなわち、ラジカル重合開始剤あるいはラジカル開始源の存在下で、塊状重合、溶液重合、懸濁重合または乳化重合などの公知の重合方法により、回分式、半連続式または連続式のいずれかの操作で行えばよい。
【0049】
ラジカル重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例としてアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物が挙げられ、とくにアゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルパーオキシド、i−ブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキシド、ジシンナミルパーオキシド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、過硫酸アンモニウム等が好ましい。
【0050】
重合反応に用いる反応容器は特に限定されない。また、重合反応においては、重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、ラジカル重合を阻害しないものが好ましく、代表的なものとしては、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル系、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素系、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤などがある。また水、エーテル系、環状エーテル系、フロン系、芳香族系、などの種々の溶媒を使用することも可能である。これらの溶剤は単独でもあるいは2種類以上を混合しても使用できる。また、メルカプタンのような分子量調整剤を併用してもよい。共重反応の反応温度はラジカル重合開始剤あるいはラジカル重合開始源により適宜変更され、通常は20〜200度が好ましく、特に30〜140度が好ましい。
【0051】
このようにして得られる本発明にかかる高分子化合物の溶液または分散液から、媒質である有機溶媒または水を除去する方法としては、公知の方法のいずれも利用できるが、例を挙げれば再沈殿ろ過または減圧下での加熱留出等の方法がある。得られた本発明の高分子化合物の数平均分子量としては、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000の範囲が適切である。
【0052】
次に本発明による応用分野について記述する。本発明はコーティング用途を基本としており、通常は本発明の高分子化合物を有機溶媒に溶解させて成膜させることで応用に供する。したがって、使用する有機溶媒としては高分子化合物が可溶であれば特に制限されないが、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2‐ヘプタノンなどのケトン類やエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶媒、フロン、代替フロン、パーフルオロ化合物、ヘキサフルオロイソプロピルアルコールなどのフッ素系溶剤、塗布性を高める目的で高沸点弱溶剤であるターペン系の石油ナフサ溶媒やパラフィン系溶媒などが使用可能である。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0053】
本発明による反射防止膜としては、本発明による高分子化合物をガラス、プラスチック、液晶パネル、プラズマディスプレーパネル、エレクトロルミネッセンスパネルなどの表面に極薄膜でコーティングしたものであり、単層または他の屈折率を有する薄膜と組み合わせて使用することもできる。反射防止性能を高めるためには高分子化合物の紫外光または可視光線における屈折率を1.42以下にする必要があり、好ましくは1.4以下である。通常、フッ素含量が高いほど屈折率が低下するが、一方でフッ素含量が高まった場合、基材との密着性が低下する欠点がある。その場合、R2、R3の一部を水素やラクトン環などの密着性基にした含フッ素化合物を重合することで基材への密着性を高めることが可能である。本発明による反射防止膜の膜厚としては被コート物の屈折率によって異なるが、一般的に500から2000オングストロームの範囲である。
【0054】
本発明によるレジスト材料としては、酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が変化する溶解抑制剤と高分子化合物の双方を含有するもの、または、高分子化合物に溶解抑制剤が組み込まれたものであり、これらは、特に、ポジ型レジスト材料として好適となり、最近の半導体の微細化に対応した248nmKrFまたは193nmArFエキシマレーザーまたは157nmに代表される真空紫外領域のF2レーザー用ポジ型レジスト、電子ビームレジスト、X線用のレジストとしても好適である。すなわち、酸の作用によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が変化する溶解抑制剤は、R2、R3の少なくともひとつが酸不安定基になるようにしたものであるが、その構造は特に制限なく使用可能である。一般的な酸不安定基としては前述した酸不安定基であり、酸によって切断される官能基である。このような溶解抑制剤を用いた高分子化合物は活性エネルギー線が照射される前にはアルカリ性水溶液に不溶もしくは難溶であって、活性エネルギー線を照射したことにより酸発生剤から発生した酸により加水分解されアルカリ性水溶液に対して溶解性を示すようになる。
【0055】
本発明組成物に用いられる光酸発生剤については特に制限はなく、化学増幅型レジストの酸発生剤として用いられるものの中から、任意のものを選択して使用することができる。このような酸発生剤の例としては、ビススルホニルジアゾメタン類、ニトロベンジル誘導体類、オニウム塩類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類、その他のオキシムスルホネート化合物などが挙げられる。これらの酸発生剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その含有量は、高分子化合物100重量部に対して、通常0.5〜20重量部の範囲で選ばれる。この量が0.5重量部未満では像形成性が不十分であるし、20重量部を超えると均一な溶液が形成されにくく、保存安定性が低下する傾向がみられる。
【0056】
本発明のレジストの使用方法としては、従来のフォトレジスト技術のレジストパターン形成方法が用いられるが、好適に行うには、まずシリコンウエーハのような支持体上に、レジスト組成物の溶液をスピンナーなどで塗布し、乾燥して感光層を形成させ、これに露光装置などにより、エキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して照射し、加熱する。次いでこれを現像液、例えば0.1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液などを用いて現像処理する。この形成方法でマスクパターンに忠実なパターンを得ることができる。
【0057】
本発明の応用分野は、さらに所望により混和性のある添加物、例えば付加的樹脂、クエンチャー、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、相溶化剤、密着剤、酸化防止剤などの種々添加剤を含有させることができる。
【実施例】
【0058】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[参考例1]
一般式(4)に示す化合物は次の方法で合成した。
【0059】
【化8】

【0060】
ニトロ化
メカニカルスターラー、温度計を備えた3口フラスコに濃硫酸(1.83L)と一般式(6)に示す化合物(1kg)を入れた。氷冷下、濃硝酸(0.74L)を滴下し、室温で18時間攪拌した。反応液を氷に投入し二層に分け、水層を塩化メチレンで二回抽出し、あわせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、濾液をエパポレーターで濃縮した。得られた残査を減圧下で蒸留して一般式(7)に示す化合物(1.05kg、95%)を得た。
1H−NMR(TMS、CDCl3):4.13(2H、br)、8.45(1H、s)、8.78(2H、s)
アミノ化
一般式(7)に示す化合物(340g)、パラジウム−炭素(3.4g)、メタノール(1.36L)をSUS製耐圧容器に入れた。内温を65℃にして、水素圧を5kgf/cm2で保ちながら水素を導入し、3時間攪拌した。反応終了後、減圧濾過し、濾液をエパポレーターで濃縮した。得られた固体を塩化メチレンで洗浄、濾過、真空乾燥して一般式(8)に示す化合物(281g、88%)を得た。
1H−NMR(TMS、CDCl3):4.57(2H、br)、5.91(2H、s)、7.12(1H、s)、7.29(2H、s)
フェノール化
滴下ロート、メカニカルスターラー、温度計を備えた3口フラスコに、一般式(8)に示す化合物(20g)と20%硫酸水(300mL)を入れ、0℃に冷やした。亜硫酸ナトリウム(3.6g)の水溶液(19mL)を滴下し、0℃で1時間攪拌した。その反応溶液を110℃の20%硫酸水(90mL)に滴下した。下層に沈殿した黒色油状物質を取り出して水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(4)に示す化合物(8.5g、42%)を得た。
1H−NMR(TMS、CDCl3):3.73(3H、br)、7.34(2H、s)、7.66(1H、s)
GC−MS(EI法):m/e 426(M+)。
[実施例2]
一般式(5)に示す化合物の合成。
【0061】
【化9】

【0062】
一般式(4)で示される化合物(50g)とロジウム−炭素触媒(0.5g)のTHF(200mL)懸濁液をSUS製耐圧容器に入れ130℃に加熱した。水素圧を80kgf/cm2に保ちながら水素を導入し、4時間攪拌した。反応後、濾過により触媒を除去し、濾液をエバポレーターで濃縮し、残査を減圧下で蒸留して一般式(5)で示される化合物(41g、85%)が得られ、IRスペクトルでベンゼン環の消失を確認した。
[参考例3]
一般式(9)に示す化合物の合成。
【0063】
【化10】

【0064】
攪拌子、温度計、Dean−Stark水分離器、還流冷却管を備えた3口フラスコに、一般式(4)に示す化合物(15g)とアクリル酸(3.8g)のトルエン(50mL)溶液と濃硫酸(0.05mL)を加え、5時間還流した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、エバポレーターで濃縮した。残査を減圧下で蒸留して一般式(9)に示す化合物(8.8g、52%)が得られ、IRスペクトルでエステルのカルボニルの吸収を確認した。
[参考例4]
一般式(10)に示す化合物の合成
【0065】
【化11】

【0066】
滴下ロート、攪拌子、温度計を備えた3口フラスコに、一般式(4)に示す化合物(15g)、トリエチルアミン(8.9g)と塩化メチレン(50mL)溶液を入れる。氷冷下、アクリル酸クロライド(8.0g)を滴下し、室温で3時間攪拌した。終了後、反応液を水、飽和食塩水で洗浄し、エバポレーターで濃縮した。残査を減圧下で蒸留して一般式(10)に示す化合物(12.0g、64%)が得られ、IRスペクトルでエステルのカルボニルの吸収を確認した。
[参考例5]
一般式(11)に示す化合物の合成
【0067】
【化12】

【0068】
攪拌子、温度計、Dean−Stark水分離器、還流冷却管を備えた3口フラスコに、一般式(4)に示す化合物(15g)とトリフルオロメチルアクリル酸(7.4g)のトルエン(50mL)溶液と濃硫酸(0.05mL)を加え、9時間還流した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、エバポレーターで濃縮した。残査を減圧下で蒸留して一般式(11)に示す化合物(11g、58%)が得られ、IRスペクトルでエステルのカルボニルの吸収を確認した。
[参考例6]
一般式(12)に示す化合物の合成
【0069】
【化13】

【0070】
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(4)に示す化合物(20g)のジメチルホルムアミド(80mL)溶液を加え、氷冷した。次に、水素化ナトリウム(3.4g)を加え、水素が発生しなくなるまで攪拌した後、臭化アリル(8.5g)のジメチルホルムアミド(20mL)を滴下し、室温で攪拌した。反応終了後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(12)に示す化合物(15.6g、72%)が得られ、IRスペクトルで二重結合の吸収を確認した。
[参考例7]
一般式(13)に示す化合物の合成
【0071】
【化14】

【0072】
攪拌子、温度計、還流冷却管を備えた3口フラスコに、一般式(4)に示す化合物(10g)、エチルビニルエーテル(2.5g)、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.4g)とトルエン(60mL)を加え、室温で7時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、エバポレーターで濃縮した。残査を減圧下で蒸留して一般式(13)に示す化合物(5.6g、48%)が得られ、IRスペクトルで水酸基の吸収の消失を確認した。
[参考例8]
一般式(14)に示す化合物の合成
【0073】
【化15】

【0074】
攪拌子、温度計、還流冷却管を備えた3口フラスコに、一般式(4)に示す化合物(10g)、ノナフルオロブチルビニルエーテル(9.2g)、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.4g)とトルエン(60mL)を加え、室温で19時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、エバポレーターで濃縮した。残査を減圧下で蒸留して一般式(14)に示す化合物(5.7g、35%)が得られ、IRスペクトルで水酸基の吸収の消失を確認した。
[参考例9]
一般式(15)に示す化合物の合成
【0075】
【化16】

【0076】
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(13)に示す化合物(18g)、トリエチルアミン(12.8g)と塩化メチレン(45mL)を加え、氷冷する。トリフルオロメチルアクリル酸クロライド(8.6g)の塩化メチレン(20mL)溶液を滴下した後、室温で7時間攪拌する。終了後、反応溶液を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(15)に示す化合物(9.6g、43%)が得られ、IRスペクトルでエステルのカルボニルの吸収を確認した。
[参考例10]
一般式(16)に示す化合物の合成
【0077】
【化17】

【0078】
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(13)に示す化合物(17g)のジメチルホルムアミド(50mL)溶液を加え、氷冷した。次に、水素化ナトリウム(2.0g)を加え、水素が発生しなくなるまで攪拌した後、臭化アリル(6.2g)のジメチルホルムアミド(20mL)を滴下し、室温で攪拌した。反応終了後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(16)に示す化合物(12.3g、67%)が得られ、IRスペクトルで二重結合の吸収を確認した。
[実施例11]
一般式(17)に示す化合物の合成
【0079】
【化18】

【0080】
攪拌子、温度計、Dean−Stark水分離器、還流冷却管を備えた3口フラスコに、一般式(5)に示す化合物(30g)とトリフルオロメチルアクリル酸(15.9g)のトルエン(100mL)溶液と濃硫酸(0.1mL)を加え、9時間還流した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、エバポレーターで濃縮した。残査を減圧下で蒸留して一般式(17)に示す化合物(27.6g、73%)が得られ、IRスペクトルでエステルのカルボニルの吸収を確認した。
[実施例12]
一般式(18)に示す化合物の合成
【0081】
【化19】

【0082】
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(5)に示す化合物(10g)のジメチルホルムアミド(50mL)溶液を加え、氷冷した。次に、水素化ナトリウム(1.8g)を加え、水素が発生しなくなるまで攪拌した後、臭化アリル(4.3g)のジメチルホルムアミド(10mL)を滴下し、室温で攪拌した。反応終了後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(18)に示す化合物(6.4g、63%)が得られ、IRスペクトルで二重結合の吸収を確認した。
[実施例13]
一般式(19)に示す化合物の合成
【0083】
【化20】

【0084】
攪拌子、温度計、還流冷却管を備えた3口フラスコに、一般式(5)に示す化合物(13g)、エチルビニルエーテル(3.3g)、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.5g)とトルエン(70mL)を加え、室温で4時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、エバポレーターで濃縮した。残査を減圧下で蒸留して一般式(19)に示す化合物(8.3g、55%)が得られ、IRスペクトルで水酸基の吸収の消失を確認した。
[実施例14]
一般式(20)に示す化合物の合成
【0085】
【化21】

【0086】
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(19)に示す化合物(9g)、トリエチルアミン(6.5g)と塩化メチレン(20mL)を加え、氷冷する。
トリフルオロメチルアクリル酸クロライド(4.4g)の塩化メチレン(20mL)溶液を滴下した後、室温で19時間攪拌する。終了後、反応溶液を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(20)に示す化合物(7.6g、68%)が得られ、IRスペクトルでエステルのカルボニルの吸収を確認した。
[実施例15]
一般式(21)に示す化合物の合成
【0087】
【化22】

【0088】
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(17)に示す化合物(15g)、炭酸カリウム(13.1g)とアセトン(100mL)を加えた。次に、クロロメチルメチルエーテル(5.4g)を加え、還流した。反応終了後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(21)に示す化合物(7.5g、43%)が得られ、IRスペクトルで水酸基の吸収の消失を確認した。MOMは、CH3OCH2−を示す。
[実施例16]
一般式(23)に示す化合物の合成
【0089】
【化23】

【0090】
トリフラート化
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(5)に示す化合物(20g)、トリエチルアミン(16.4g)と塩化メチレン(85mL)を入れ、−30℃に冷やした。次に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(19.6g)を滴下し、5時間攪拌した。反応終了後、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(22)に示す化合物(14.9g、57%)が得られ、IRスペクトルでスルホニル基の吸収を確認した。
【0091】
ビニル化
攪拌子、温度計、滴下ロートを備えた3口フラスコに、一般式(22)に示す化合物(10g)、ヨウ化銅(0.3g)とTHF(30mL)を入れ、−30℃に冷やした。次に、ビニルマグネシウムブロマイド(5.4g)のTHF(30mL)溶液を滴下し、18時間攪拌した。反応終了後、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、これを減圧下で蒸留して一般式(23)に示す化合物(5.7g、70%)が得られ、IRスペクトルでビニル基の吸収を確認した。
[参考例17]
一般式(11)に示す化合物の重合
【0092】
【化24】

【0093】
還流冷却管、攪拌子を備えた三口フラスコに、一般式(11)であらわされる化合物(10g)を入れ、重合開始剤としてAIBN(0.2g)を入れ、重合溶媒として酢酸n−ブチル(40g)を入れた。このフラスコを60℃のオイルバスで加熱して20時間反応させた。反応後、反応溶液をn−ヘキサン(1L)に投入して攪拌した。生成した沈殿を濾過してとり、50℃で18時間真空乾燥した。得られたポリマーの組成は1H−NMRおよび19F−NMRから、分子量に関して(Mw、Mn、Mw/Mn)はGPC分析(標準ポリスチレン)から求めた。結果を表1に示した。
[参考例18]
一般式(11)に示す化合物と一般式(24)に示す化合物の共重合
【0094】
【化25】

【0095】
一般式(11)で示される化合物(10g)と一般式(24)で示される化合物(8.0g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。tBOCは、t-ブチルオキシカルボニルを示す。
[参考例19]
一般式(15)に示す化合物と一般式(25)に示す化合物の共重合
【0096】
【化26】

【0097】
一般式(15)で示される化合物(10g)と一般式(25)で示される化合物(7.5g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例20]
一般式(12)に示す化合物と一般式(26)に示す化合物の共重合
【0098】
【化27】

【0099】
一般式(12)で示される化合物(10g)と一般式(26)で示される化合物(10g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例21]
一般式(17)に示す化合物と一般式(27)に示す化合物の共重合
【0100】
【化28】

【0101】
一般式(17)で示される化合物(8.2g)と一般式(27)で示される化合物(10g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例22]
一般式(20)に示す化合物と一般式(25)に示す化合物の共重合
【0102】
【化29】

【0103】
一般式(20)で示される化合物(9.3g)と一般式(25)で示される化合物(10g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例23]
一般式(18)に示す化合物と一般式(28)に示す化合物の共重合
【0104】
【化30】

【0105】
一般式(18)で示される化合物(10g)、一般式(28)で示される化合物(12g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例24]
一般式(21)に示す化合物と一般式(29)に示す化合物の共重合
【0106】
【化31】

【0107】
一般式(21)で示される化合物(15g)、一般式(29)で示される化合物(7.7g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例25]
一般式(20)に示す化合物、一般式(30)に示す化合物、一般式(31)に示す化合物の共重合
【0108】
【化32】

【0109】
一般式(20)で示される化合物(10g)、一般式(30)で示される化合物(5.4g)、一般式(31)で示される化合物(6.8g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例26]
一般式(23)に示す化合物と一般式(28)に示す化合物の共重合
【0110】
【化33】

【0111】
一般式(23)で示される化合物(10g)と一般式(28)で示される化合物(10g)を用い、参考例17と同様の方法で重合を行った。結果を表1に示した。
【0112】
【表1】

【0113】
[参考例27]
参考例17で得られた高分子化合物100重量部(以下、部という)をメチルイソブチルケトンに溶解させ約30%の固形分濃度になるように調整した。これらをガラス板上に展開させ、50ミクロンのフィルムを作製した。自然乾燥1時間後、100℃の熱風乾燥機で30分、強制乾燥し、架橋反応を促進させた。これらの屈折率をアッベ屈折計で測定したところ、1.376であった。次いで、上記の約30%の溶液に対し、さらに希釈を行いし約2%の濃度になるようにしてからスピンコート法にてガラス基板上に薄膜を形成し、100℃で3分間乾燥したところ膜厚が1030オングストロームであった。得られたガラス板の反射率を測定したところ、650nmの波長域に対し0.9%と高レベルな反射防止性能が見られた。
[実施例28]
実施例または参考例17〜26の高分子化合物をプロピレングリコールメチルアセテートに溶解させ、固形分14%になるように調整した。さらに高分子化合物100重量部に対して、酸発生剤としてみどり化学製トリフェニルスルフォニウムトリフレート(TPS105)を2重量部になるように溶解し、2種類のレジスト溶液を調整した。これらをスピンコートし、膜厚100ナノメータの光透過率を波長157nmにて測定したところ、実施例または参考例17〜26に対しそれぞれ71%、69%、68%、61%、72%、65%、68%、74%、63%、71%であり、真空紫外域の波長で高い透明性を発現した。
【0114】
次いで、実施例21、23、24、26のレジスト溶液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後、各組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコートし膜厚250ナノメータのレジスト膜を得た。110℃でプリベークを行った後、フォトマスクを介して248nm紫外線での露光を行ったのち、120℃でポストエクスポーザーベークを行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間現像したところ、現像欠陥のないパターン形状が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(2)で表される含フッ素化合物(式中、R1はメチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R2、R3は水素原子、炭素数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基または芳香族炭化水素基を含む基であって、その一部にフッ素原子、酸素原子、カルボニル結合を含んでもよい。lは0、mは1、nは2、oは1〜8の任意の整数を表す。R1〜R3が複数の場合、R1〜R3はそれぞれ同一でも異なってもよい。)。
【化1】

【請求項2】
一般式(3)で表される含フッ素化合物(式中、R1、R2は一般式(1)と同じ。R4は水素原子、炭素数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状の炭化水素基または芳香族炭化水素基を含む基であって、その一部にフッ素原子、酸素原子、カルボニル結合を含んでもよい。l、m、n、oは一般式(2)と同じ。R1、R2、R4が複数の場合、R1、R2、R4はそれぞれ同一でも異なってもよい。)。
【化2】

【請求項3】
2、R3のうち少なくともひとつが、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、またはそれらの官能基に含まれる水素原子の一部もしくは全部がフッ素原子で置換された官能基またはそれらを含有する置換基である請求項1に記載の含フッ素化合物。
【請求項4】
2、R3のうち少なくともひとつが、トリフルオロビニル基、ジフルオロトリフルオロメチルビニル基、フルオロアクリロイル基、トリフルオロメチルアクリロイル基、ノニルフルオロブチルアクリロイル基から選ばれた置換基を含む請求項3に記載の含フッ素化合物。
【請求項5】
4がビニル基、アリル基、エポキシ基、エチニル基、またはそれらの官能基に含まれる水素原子の一部もしくは全部がフッ素原子で置換された官能基またはそれらを含有する置換基である請求項2記載の含フッ素化合物。
【請求項6】
2、R3のうち少なくともひとつに酸不安定性基(酸不安定性基は酸脱離基であって、一部に酸素原子、カルボニル結合、フッ素原子を含んでもよい。)を含有した請求項1〜5のいずれか1項に記載の含フッ素化合物。
【請求項7】
2、R3のうち少なくともひとつに酸不安定性基(酸不安定性基は酸脱離基であって、一部に酸素原子、カルボニル結合、フッ素原子を含んでもよい。)を含有した請求項3〜5のいずれか1項に記載の含フッ素化合物。
【請求項8】
請求項3〜5または請求項7のいずれか1項に記載の含フッ素化合物をラジカル重合またはイオン重合により重合または共重合して得られた高分子化合物。
【請求項9】
請求項7のいずれか1項に記載の含フッ素化合物をラジカル重合またはイオン重合により重合または共重合して得られた高分子化合物。
【請求項10】
請求項8に記載の高分子化合物を用いた紫外光または可視光の反射防止膜材料。
【請求項11】
請求項6に記載の含フッ素化合物または請求項7に記載の高分子化合物を含有したレジスト材料。
【請求項12】
請求項6に記載の含フッ素化合物または請求項7に記載の高分子化合物を溶解抑制剤として用いたレジスト材料。
【請求項13】
一般式(5)で表される含フッ素化合物。
【化3】


【公開番号】特開2009−108084(P2009−108084A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293693(P2008−293693)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【分割の表示】特願2003−279778(P2003−279778)の分割
【原出願日】平成15年7月25日(2003.7.25)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】