説明

回路板とその製造方法

【課題】製造工程を減らし、生産品の信頼性を高めることのできる回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】2つの金属層102の周縁を接合して、密封エリアを形成する。密封エリアを貫通する少なくとも1つのスルーホールを形成する。2つの絶縁層112を2つの金属層の上に形成する。2つの導電層122を2つの絶縁層の上に形成する。2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートして、互いに接合された2つの金属層を2つの絶縁層の中に埋め込み、且つ2つの絶縁層をスルーホール内に充填する。2つの金属層の密封エリアを分離して、それぞれ分離された2つの回路基板を形成する。このようにして、後続のパターン化プロセスおよび電気めっきプロセス等において、比較的薄い基材を操作することができる。また、この製造方法により、奇数層または偶数層の基板を製造することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板とその製造方法に関し、特に、コアレス(coreless)回路基板とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体プロセスにおいて、チップ実装基板は、一般に使用される実装部材の1つである。チップ実装基板は、例えば、多層回路基板であり、主に、多層回路層と多層誘電層を交互に積み重ねることによって構成される。誘電層は、互いに隣り合う任意の2つの回路層の間に配置され、回路層は、誘電層を貫通するめっきスルーホール(Plating Through Hole, PTH)またはビア(via)によって互いに電気接続される。チップ実装基板は、配線が細密である、組立てが緊密である、性能が良い等の利点を有するため、既にチップ実装構造(chip package structure)の主流になっている。
【0003】
一般的に、多層回路基板の回路構造は、多くが集積(build up)方式または積層(laminated)方式を採用して製造されるため、高い回路配線密度を有し、且つ配線間隔が縮小される。極薄の基板は硬度が足りないため、まず、一定の厚さを有する基板を支持キャリアとして提供して必要がある。続いて、順番に大量のゲルを塗布し、且つ多層回路層および回路層と交互に配列された多層誘電層を基板の相対する両側の表面に形成する。最後に、ゲルを取り除いて、ゲル上の回路層、誘電層および基板を分離させ、相互に分離した2つの多層回路基板を形成する。また、めっきスルーホールまたはビアを形成したい場合は、1層の誘電層を形成した後、まず盲孔を形成して、この誘電層の下方にある回路層を露出する。その後、電気めっきの方式により銅層を盲孔内およびこの誘電層の上で電気めっきして、もう1つの回路層およびめっきスルーホールまたはビアを形成する。
【0004】
周知のように、一定の厚さを有する基板を銅ホイル層の支持キャリアとして提供する必要があり、且つ基板に金属材質を採用する場合は、それ自体の材料コストも比較的高いため、多層回路基板に必要な製造コストも高くなる。また、銅ホイル層と基板の間は、大量のゲルを使用して固定する必要があるため、ゲルを取り除くステップが比較的困難であり、且つプロセスの収率を上げることもできない。また、電気めっき方式によって形成される回路層は、銅厚の均等性が良くないため、必要とされる回路層の厚さが比較的薄い時に、薄化プロセス(例えば、エッチングプロセス)により回路層の厚さを減らす必要がある。このようにして、多層回路基板の製造工程が増えるだけでなく、多層回路基板のプロセスの収率も低下することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、製造工程を減らし、生産コストを下げるとともに、プロセスの収率を上げて、生産品の信頼性を高めることのできる回路基板およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のステップを含む回路基板の製造方法を提出する。2つの金属層の周縁を接合して、密封エリアを形成する。密封エリアを貫通する少なくとも1つのスルーホールを形成する。2つの絶縁層を2つの金属層の上に形成するとともに、2つの導電層を2つの絶縁層の上に形成する。2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートして、互いに接合された2つの金属層を2つの絶縁層の中に埋め込み、且つ2つの絶縁層を2つのスルーホール内に充填する。2つの金属層の密封エリアを分離して、それぞれ分離された2つの回路基板を形成する。
【0007】
本発明の実施形態中、上述した2つの金属層の周縁を接合する方法は、電気溶接、スポット溶接または接着剤による接合を含み、接着剤の材料は、シアノアクリレートまたはポリプロピレン樹脂を含む。
【0008】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートした後、2つの絶縁層の一部および2つの導電層の一部を除去して、2つの金属層を露出する複数の盲孔を形成する。導電材料を盲孔の中および除去されなかった2つの導電層の上に形成する。2つの金属層の密封エリアを分離した後、導電材料、金属層および導電層をパターン化する。
【0009】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートした後、2つの絶縁層の一部および2つの導電層の一部を除去して、2つの金属層を露出する複数の盲孔を形成する。2つの導電層を薄化する。2つの電気めっき種子層を薄化された2つの導電層の上および盲孔内に形成する。2つの金属層の密封エリアを分離した後、金属層の一部を露出する。パターン化フォトレジスト層を電気めっき種子層の上および露出された金属層の上にそれぞれ形成する。パターン化フォトレジスト層をマスクとして、電気めっき種子層に対して電気めっきを行う。パターン化フォトレジスト層および電気めっき種子層のパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去する。
【0010】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートした後、2つの導電層をパターン化して、2つのパターン化導電層を形成する。別の2つの絶縁層を2つのパターン化導電層の上に形成し、別の2つの導電層を別の2つの絶縁層の上に形成する。絶縁層および別の2つの導電層をラミネートし、且つ2つのパターン化導電層を絶縁層の中に埋め込む。2つの金属層の密封エリアを分離した後、絶縁層の一部、金属層の一部および別の導電層の一部を除去して、パターン化導電層を露出する複数の盲孔を形成する。導電材料を盲孔の中および除去されなかった金属層および別の導電層の上に形成する。導電材料、金属層および別の導電層をパターン化する。
【0011】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートした後、2つの導電層をパターン化して、2つのパターン化導電層を形成する。別の2つの絶縁層を2つのパターン化導電層の上に形成し、別の2つの導電層を別の2つの絶縁層の上に形成する。絶縁層および別の2つの導電層をラミネートし、且つ2つのパターン化導電層を絶縁層の中に埋め込む。2つの金属層の密封エリアを分離した後、絶縁層の一部、金属層の一部および別の導電層の一部を除去して、パターン化導電層を露出する複数の盲孔を形成する。別の導電層および金属層を除去して、絶縁層を露出する。2つの電気めっき種子層を絶縁層の上および盲孔内に形成する。2つのパターン化フォトレジスト層を2つの電気めっき種子層の上に形成する。パターン化フォトレジスト層をマスクとして、電気めっき種子層に対して電気めっきを行う。パターン化フォトレジスト層および電気めっき種子層のパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去する。
【0012】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートした後、2つの絶縁層の一部および2つの導電層の一部を除去して、2つの金属層を露出する複数の第1盲孔を形成する。2つの導電層を除去して、2つの絶縁層を露出する。2つの電気めっき種子層を2つの絶縁層の上および第1盲孔内に形成する。2つのパターン化フォトレジスト層を電気めっき種子層の上に形成する。パターン化フォトレジスト層をマスクとして、電気めっき種子層に対して電気めっきを行う。パターン化フォトレジスト層および電気めっき種子層のパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去して、2つの絶縁層の上に2つのパターン化導電層および複数の導電スルーホール構造を形成する。別の2つの絶縁層を2つのパターン化導電層の上に形成し、別の2つの導電層を別の2つの絶縁層の上に形成する。絶縁層および別の2つの導電層をラミネートし、且つ2つのパターン化導電層を絶縁層の中に埋め込む。2つの金属層の密封エリアを分離した後、絶縁層の一部、金属層および別の導電層を除去して、パターン化導電層を露出する複数の第2盲孔を形成する。別の2つの電気めっき種子層を別の2つの絶縁層の上、第1盲孔の一端および第2盲孔内に形成する。別の2つのパターン化フォトレジスト層を別の2つの電気めっき種子層の上に形成する。別の2つのパターン化フォトレジスト層をマスクとして、別の2つの電気めっき種子層に対して電気めっきを行う。別の2つのパターン化フォトレジスト層および別の2つの電気めっき種子層の別の2つのパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去する。
【0013】
本発明の実施形態中、上述した2つの金属層は、それぞれ第1銅ホイル層および第2銅ホイル層を含み、且つ各第2銅ホイル層の厚さは、実質的に各第1銅ホイル層の厚さよりも大きく、第2銅ホイル層は、互いに接合する。
【0014】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:2つの絶縁層および2つの導電層を2つの金属層の上にラミネートした後、2つの導電層をパターン化して、第1パターン化導電層および第2パターン化導電層を形成する。第1パターン化導電層から第2パターン化導電層に延伸した複数の第1スルーホールを形成する。2つの金属層の密封エリアを分離した後、第2銅ホイル層を除去する。第1絶縁層を第1パターン化導電層の上に形成し、第1導電層を第1絶縁層の上に形成する。第1絶縁層および第1導電層をラミネートし、且つ第1パターン化導電層を絶縁層および第1絶縁層の中に埋め込む。絶縁層の一部、第1絶縁層、第1銅ホイル層の一部および第1導電層の一部を除去して、第1パターン化導電層を露出する複数の第1盲孔を形成する。電気めっき種子層を除去されなかった第1銅ホイル層の上と第1盲孔内および除去されなかった第1導電層の上と第1盲孔内にそれぞれ形成する。2つのパターン化フォトレジスト層を電気めっき種子層の上に形成する。パターン化フォトレジスト層をマスクとして、電気めっき種子層に対して電気めっきを行い、第1盲孔内に複数の導電盲孔構造を形成する。パターン化フォトレジスト層および電気めっき種子層のパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去する。
【0015】
本発明の実施形態中、上述した第1絶縁層を第1パターン化導電層の上に形成し、第1導電層を第1絶縁層の上に形成するステップは、2つの金属層の密封エリアを分離した後に行う。
【0016】
本発明の実施形態中、上述した第1絶縁層を第1パターン化導電層の上に形成し、第1導電層を第1絶縁層の上に形成するステップは、2つの金属層の密封エリアを分離する前に行う。
【0017】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:第1絶縁層を第1パターン化導電層の上に形成し、第1導電層を第1絶縁層の上に形成する時、第2絶縁層および第2パターン化導電層の上に形成し、第2導電層を第2絶縁層の上に形成する。
【0018】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:パターン化フォトレジスト層および電気めっき種子層のパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去した後、第1保護層を第1絶縁層の上に形成し、第2保護層を第2絶縁層の上に形成する。第1保護層および第2保護層は、導電盲孔構造を覆う。研磨プロセスを行って、第1保護層の一部および第2保護層の一部を導電盲孔構造が露出するまで除去する。残った第1保護層および第2保護層を除去する。
【0019】
本発明の実施形態中、上述した回路基板の製造方法は、さらに、以下のステップを含む:パターン化フォトレジスト層および電気めっき種子層のパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去した後、第1ソルダレジスト層を第1絶縁層の上に形成し、第2ソルダレジスト層を第2絶縁層の上に形成する。第1ソルダレジスト層は、複数の第1開口を有し、第2ソルダレジスト層は、複数の第2開口を有し、第1開口および第2開口は、導電盲孔構造の一部を露出する。
【0020】
本発明は、パターン化された金属層と、パターン化された導電層と、絶縁層と、導電材料とを含む回路基板を提出する。絶縁層は、パターン化された金属層とパターン化された導電層の間に位置する。導電材料は、複数の盲孔の中に位置する。盲孔は、絶縁層を貫通し、導電材料は、パターン化された金属層およびパターン化された導電層に電気接続される。
【0021】
本発明は、パターン化された金属層と、パターン化された導電層と、パターン化導電層と、2つの絶縁層と、導電材料とを含む回路基板を提出する。パターン化導電層は、パターン化された金属層とパターン化された導電層の間に位置する。絶縁層は、パターン化された金属層とパターン化導電層の間、およびパターン化された導電層とパターン化導電層の間にそれぞれ位置する。導電材料は、複数の盲孔の中に位置する。盲孔は、絶縁層を貫通し、導電材料は、パターン化された金属層とパターン化導電層の間、およびパターン化された導電層とパターン化導電層の間に電気接続される。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明は、まず、2つの金属層の周囲を接合して、密封エリアを形成する。ダブルサイド絶縁層およびダブルサイド導電層のラミネートが完成してから、2つの金属層を分離する。したがって、周知の技術と比較すると、本発明の回路基板の製造方法は、金属基板を支持基板として採用する必要がなく、つまり、コアレス(coreless)回路基板構造であるため、回路基板の製造コストを有効に下げることができ、且つ回路基板の信頼性を高めるとともに、回路基板の製造時間を有効に短縮することができる。
【0023】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図9】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図12】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図13】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図14】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図16】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図17】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図18】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図19】発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図20】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図21】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図22】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図23】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図24】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図25】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図26】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図27】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図28】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図29】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図30】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図31】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図32】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図33】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図34】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図35】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図36】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図37】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図38】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図39】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図40】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図41】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図42】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図43】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図44】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図45】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図46】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図47】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図48】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図49】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図50】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図51】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図52】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図53】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【図54】本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1〜図8は、本発明の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。まず、図1および図2を同時に参照すると、本実施形態の回路基板の製造方法は、まず、2つの金属層102を提供する。金属層102は、例えば、銅ホイルまたはその他の金属ホイルであり、金属層102の周縁を接合して、密封エリア104を形成する。本実施形態において、金属層102の周縁を接合する方法は、電気溶接またはスポット溶接を含み、金属層102を一時的に共に接合することによって、後続のプロセスで使用される薬剤がこれらの金属層102の間に浸透することを防止する。もちろん、電気溶接またはスポット溶接を使用する以外に、シアノアクリレートまたはポリプロピレン樹脂を材料とする接着剤、またはその他のゲルを使用して、金属層102の周縁を一時的に共に接合してもよい。言及すべきこととして、ここで述べる金属層102は、コアレス(coreless)構造層とみなすことができる。
【0026】
また、図2を再度参照すると、本実施形態において、金属層102の周縁を接合した後、密封エリア104を通過する少なくとも1つのスルーホールH(図2では2個のみ示す)をさらに形成してもよい。スルーホールHを形成する方法は、レーザー除去または機械ドリルを含み、スルーホールHの直径は、密封エリア104よりも小さいため、密封エリア104の密封性がスルーホールHによって破壊されることはない。
【0027】
次に、図3および図4を同時に参照すると、2つの絶縁層112をこれらの金属層102の上に形成し、2つの導電層122をこれらの絶縁層112の上に形成するとともに、絶縁層112および導電層122をラミネートして、且つ互いに接合された金属層102を絶縁層112の間に埋め込む。同時に、絶縁層112をラミネートする時、さらに密封エリア104のスルーホールH中に充填してもよい。絶縁層112のサイズは、金属層102のサイズよりも大きいため、金属層102が絶縁層112の中に完全に包被され、周囲の不純物または薬剤によって汚染されない。
【0028】
そして、図5を参照すると、絶縁層112の一部および導電層122の一部を除去して、金属層102を露出する複数の盲孔Vを形成する。本実施形態において、盲孔Vを形成する方法は、レーザー除去を含み、導電層122の一部を除去する方法は、レーザーエッチングまたはフォトリソグラフィーエッチング等を含む。
【0029】
その後、図6を参照すると、導電材料124を盲孔Vの中および除去されなかった導電層122の上に形成する。そのうち、導電材料124を形成する方法は、電気めっきを含み、導電材料124は、例えば、銅またはその他の金属である。ここで説明すべきこととして、金属層102が絶縁層112の中に完全に包被されることによって、周囲の不純物または薬剤により汚染されないため、電気めっきプロセスで導電材料124を盲孔Vの中および除去されなかった導電層122の上に形成する時、絶縁層112の中に埋め込まれた金属層102の本来のサイズと厚さに影響を及ぼさない。
【0030】
次に、図6および図7を同時に参照すると、これらの金属層102の密封エリア104を分離して、それぞれ分離された2つの回路基板100a’を形成する。本実施形態は、分離機械またはその他の工具を利用して、スルーホールHを基準点とすることにより、金属層102を包被している密封エリア104の領域を除去し、金属層102を完全に分離することができる。もちろん、金属層102の分離は、上述した方法に限定されない。
【0031】
そして、図8を参照すると、導電材料124、金属層102および導電層122をパターン化して、必要とされる回路をそれぞれの回路基板100a’の上に形成し、2つの回路基板100aを形成する。簡単に説明すると、本実施形態の各回路基板100aは、パターン化された金属層102と、パターン化された導電層122と、絶縁層112と、導電材料124とを含み、絶縁層112は、パターン化された金属層102とパターン化された導電層122の間に位置する。導電材料124は、複数の盲孔Vの中に位置する。これらの盲孔Vは、絶縁層112を貫通し、導電材料124は、パターン化された金属層102とパターン化された導電層122に電気接続される。ここまでで、コアレス回路基板100aの製造が完成する。
【0032】
ここで説明すべきこととして、以下に述べる実施形態は、上述した実施形態の構成要素符号および一部の内容を援用するため、同一または類似する構成要素については同じ符号を用いて表示し、同じ技術内容の説明を省略する。省略した部分の説明については、上記の実施形態を参照できるため、以下の実施形態では繰り返し説明しない。
【0033】
図1〜図5および図9〜図13は、本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。本実施形態の回路基板100bの製造方法は、回路基板100aの製造方法と類似するが、下記の点において異なる:図5のステップの後、つまり、絶縁層112の一部および導電層122の一部を除去して、金属層102を露出する複数の盲孔Vおよび導電層122を形成する。その後、図5および図9を同時に参照すると、導電層122を薄化して複数の導電層122’を形成するとともに、2つの電気めっき種子層132を導電層122’の上および盲孔V内に形成する。電気めっき種子層132は、導電層122’と盲孔Vの内壁および金属層102の一部を覆う。次に、図10を参照すると、金属層102の密封エリア104を分離して、金属層102を露出する。続いて、図11を参照すると、パターン化フォトレジスト層134を電気めっき種子層132の上および露出された金属層102の上にそれぞれ形成する。そして、図12を参照すると、パターン化フォトレジスト層134をマスクとして、電気めっき種子層132および金属層102に対して電気めっきを行い、導電材料124’を形成する。最後に、図13を参照すると、パターン化フォトレジスト層134、電気めっき種子層132のパターン化フォトレジスト層134に覆われた部分および金属層102のパターン化フォトレジスト層134に覆われた部分を除去して、絶縁層112の上表面112aの一部および下表面112bの一部を露出し、第1パターン化導電材料層124a、第2パターン化導電材料層124bおよび導電盲孔構造124cを形成する。導電盲孔構造124cは、第1パターン化導電材料層124aと第2パターン化導電材料層124bを電気接続する。ここまでで、回路基板100bの製造が完成する。
【0034】
上述した実施形態は、2層の回路基板100a、100bを形成するが、別の実施形態において、2層の回路基板100a、100bをコア層として用いて、4層、6層または6層以上の回路基板を順番に完成させることができる。その製造方法は、一般的な回路基板のプロセスであるため、ここでは繰り返し説明しない。また、奇数層の回路を製造するために、本発明は、回路基板の別の製造方法を提供する。
【0035】
図14〜図22は、本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。まず、図14および図15を同時に参照すると、本実施形態の回路基板の製造方法は、まず、銅ホイルまたはその他の金属ホイルのような2つの金属層202を提供して、金属層202の周縁を接合し、密封エリア204を形成する。そのうち、金属層202の周縁を接合する方法は、電気溶接またはスポット溶接を含み、金属層202を一時的に共に接合することによって、後続のプロセスで使用される薬剤がこれらの金属層202の間に浸透することを防止する。もちろん、電気溶接またはスポット溶接を使用する以外に、シアノアクリレートまたはポリプロピレン樹脂を材料とする接着剤、またはその他のゲルを使用して、金属層202の周縁を一時的に共に接合してもよい。言及すべきこととして、ここで述べる金属層202は、コアレス構造層とみなすことができる。
【0036】
図15を再度参照すると、本実施形態において、金属層202の周縁を接合した後、さらに密封エリア204を貫通する少なくとも1つのスルーホールH(図15では2個のみ示す)を形成してもよい。そのうち、これらのスルーホールHを形成する方法は、レーザー除去または機械ドリルを含む。
【0037】
次に、図16〜図18を参照すると、2つの絶縁層212を金属層202の上に形成し、2つの導電層222を絶縁層212の上に形成する。金属層202がまだ密封された状態で、導電層222を同時にパターン化して、2つのパターン化導電層222aを形成する。そして、別の2つの絶縁層232をパターン化導電層222aの上に形成するとともに、別の2つの導電層242を絶縁層232の上に形成する。図16において、絶縁層212および導電層222をラミネートし、且つ互いに接合された金属層202を絶縁層212の中に埋め込む。また、図18において、絶縁層232、212および導電層242をラミネートし、パターン化導電層222aを絶縁層232、212の中に埋め込む。同時に、絶縁層212をラミネートする時、さらに密封エリア204のスルーホールH中に充填してもよい。絶縁層212のサイズは、金属層202のサイズよりも大きいため、金属層202が絶縁層212中に完全に包被され、周囲の不純物または薬剤によって汚染されない。
【0038】
次に、図19を参照すると、金属層202の密封エリア204を分離して、それぞれ分離された2つの回路基板200a’を形成する。ここで、これらの回路基板200a’は、それぞれ3層の回路を有する。本実施形態は、成型機械またはその他の工具を利用して、スルーホールH(図18を参照)を基準点とし、金属層202を包被する密封エリア204の領域を除去することによって、金属層202を完全に分離することができる。もちろん、これらの金属層202の分離は、上述した方法に限定されない。
【0039】
次に、図20を参照すると、図20では1つの回路基板200a’のみを示す。絶縁層212、232の一部、金属層202の一部および導電層242の一部を除去して、パターン化導電層222aを露出する複数の盲孔Vを形成する。そのうち、盲孔Vを形成する方法は、レーザー除去を含む。それから、図21を参照すると、導電材料244を盲孔Vの中および除去されなかった金属層202と導電層242の上に形成する。そのうち、導電層244を形成する方法は、電気めっきを含み、導電材料244は、例えば、銅またはその他の金属である。最後に、図22を参照すると、導電材料244、金属層202および導電層242をパターン化して、必要とされる回路をそれぞれの回路基板200A’の上に形成し、回路基板200aの製造が完成する。
【0040】
簡単に説明すると、図22に示すような3層の回路を有する回路基板200a’は、パターン化された金属層202、パターン化された導電層242、パターン化導電層222a、2つの絶縁層212、232および導電材料244を含む。パターン化導電層222aは、パターン化された金属層202とパターン化された導電層242の間に位置する。絶縁層212、232は、パターン化された金属層202とパターン化導電層222a間、およびパターン化された導電層242とパターン化導電層222a間にそれぞれ位置する。導電材料244は、絶縁層212、232を貫通する複数の盲孔Vの中に位置し、導電材料244は、パターン化された金属層202とパターン化導電層222a間、およびパターン化された導電層242とパターン化導電層222a間に電気接続される。
【0041】
図14〜図20および図23〜図26は、本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。本実施形態の回路基板200bの製造方法は、回路基板200aの製造方法と類似するが、下記の点において異なる:図20のステップの後、つまり、絶縁層212、232の一部、金属層202の一部および導電層242の一部を除去して、パターン化導電層222aを露出する盲孔Vを形成した後、図23を参照すると、導電層242および金属層202を除去して、絶縁層232、212を露出するとともに、2つの電気めっき種子層252を絶縁層212、232の上および盲孔V内に形成する。次に、図24を参照すると、2つのパターン化フォトレジスト層254を電気めっき種子層252の上に形成する。それから、図25を参照すると、パターン化フォトレジスト層254をマスクとして、電気めっき種子層252に対して電気めっきを行い、導電材料224’を形成する。最後に、図2K−1を参照すると、パターン化フォトレジスト層254および電気めっき種子層252のパターン化フォトレジスト層254に覆われた部分を除去して、絶縁層232の上表面232aの一部および絶縁層212の下表面212bの一部を露出し、第1パターン化導電材料層244a、第2パターン化導電材料層244bおよび複数の導電盲孔構造244cを形成する。これらの導電盲孔構造244cは、第1パターン化導電材料層244aとパターン化導電層222a、およびパターン化導電層222aと第2パターン化導電材料層244bを電気接続する。ここまでで、回路基板200bの製造が完成する。
【0042】
図14〜図16および図27〜図36は、本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。本実施形態の回路基板200cの製造方法は、回路基板200aの製造方法と類似するが、下記の点において異なる:図16のステップの後、つまり、絶縁層212および導電層222を金属層202の上にラミネートした後、図27を参照すると、絶縁層212の一部および導電層222の一部を除去して、金属層202を露出する複数の第1盲孔V1を形成する。次に、図28を参照すると、導電層222を除去して、絶縁層212を露出するとともに、2つの電気めっき種子層252を絶縁層212の上および第1盲孔V1内に形成する。続いて、図29を参照すると、2つのパターン化フォトレジスト層254を電気めっき種子層252の上に形成する。そして、図30を参照すると、パターン化フォトレジスト層254をマスクとして、電気めっき種子層252に対して電気めっきを行い、導電材料246を形成する。続いて、図31を参照すると、パターン化フォトレジスト層254および電気めっき種子層252のパターン化フォトレジスト層254に覆われた部分を除去して、絶縁層252の上に2つのパターン化導電材料層246aおよび複数の導電スルーホール構造246bを形成する。
【0043】
次に、図32を参照すると、別の2つの絶縁層をパターン化導電層246aの上に形成するとともに、別の2つの導電層248を絶縁層234の上に形成する。そして、絶縁層234および導電層248をラミネートし、且つパターン化導電層246aを絶縁層212、234の中に埋め込む。続いて、図33を参照すると、金属層202の密封エリア204を分離して、それぞれ分離された2つの回路基板200c’を形成する。ここで説明すべきこととして、図33では、そのうち1つの回路基板200c’のみを示している。次に、図33を再度参照すると、絶縁層234の一部、金属層202および導電層248を除去して、パターン化導電層246aを露出する複数の第2盲孔V2を形成する。そして、図34を参照すると、別の2つの電気めっき種子層256を絶縁層212、234の上、第1盲孔V1の一端および第2盲孔V2内に形成する。それから、図35を参照すると、別の2つのパターン化フォトレジスト層258を電気めっき種子層256の上に形成するとともに、パターン化フォトレジスト層258をマスクとして、電気めっき種子層256に対して電気めっきを行い、導電材料249を形成する。最後に、図36を参照すると、パターン化フォトレジスト層258および電気めっき種子層256のパターン化フォトレジスト層258に覆われた部分を除去して、絶縁層212、234の上に2つのパターン化導電材料層249aおよび複数の導電スルーホール構造249bを形成する。ここで、導電スルーホール構造246b、249bは、パターン化導電層246aとパターン化導電材料層249aを電気接続する。ここまでで、3層の回路を有する回路基板200cの製造が完成する。
【0044】
言及すべきこととして、上述した実施形態は、3層の回路の回路基板200a、200b、200cを形成するが、他の図示していない実施形態において、3層回路の回路基板200a、200b、200cをコア層として用いて、順番に5層、7層または7層以上の回路基板を完成することができる。その製造方法は、一般的な回路基板のプロセスであるため、本分野における技術者であれば、上述した実施形態の説明を参照し、実際の需要に基づいて、上述した構成要素を選用することにより、必要とされる技術効果を達成させることができるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0045】
上記の説明からわかるように、奇数層の回路または偶数層の回路に関わらず、上述した回路基板100a、100b、200a、200b、200cの製造方法を用いることによりいずれの回路も完成させることができるとともに、同じ製造時間内に2つの回路基板100a、100b、200a、200b、200cを完成させることにより、多層回路基板の製造時間を速めることができ、且つ回路基板100a、100b、200a、200b、200cが丸まる問題を防止することもできる。また、周知の技術と比較すると、本実施形態の回路基板100a、100b、200a、200b、200cの製造方法は、金属基板を支持基板として採用する必要がないコアレス回路基板構造であるため、回路基板100a、100b、200a、200b、200cの製造コストを有効に下げることができ、且つ回路基板100a、100b、200a、200b、200cの信頼性を高めるとともに、回路基板100a、100b、200a、200b、200cの製造時間を有効に短縮することができる。
【0046】
言及すべきこととして、本発明は、金属層102、202の形態に限定されないため、ここで述べた金属層102、202は、具体的にそれぞれ単一の金属層の形態であるが、その他の実施形態において、金属層102、202は、多層の銅ホイルから成る金属層であってもよい。これは、本発明が採用できる技術方案に属し、本発明が保護しようとする範囲を離脱しない。
【0047】
詳細に説明すると、図37〜図52は、本発明の別の実施形態に係る回路基板を製造する方法を示す断面図である。まず、図37を参照すると、本実施形態の回路基板の製造方法は、まず、2つの金属層310’、310”を提供する。金属層310’は、第1銅ホイル層310a、第1銅ホイル層310aの上に位置する第2銅ホイル層310bから成り、金属層310”は、第3銅ホイル層310c、第3銅ホイル層310cの上に位置する第4銅ホイル層310dから成る。そのうち、第2銅ホイル層310bは、接着剤320の局部によって第4銅ホイル層310dの上に結合される。つまり、接着剤320は、第2銅ホイル層310bと第4銅ホイル層310dの間に位置し、且つ第2銅ホイル層310bと第4銅ホイル層310dを局部的にのみ接着する。また、ここで述べる第1銅ホイル層310aとその上にある第2銅ホイル層310bは、コアレス(coreless)構造層とみなすことができる。同様に、第3銅ホイル層310cとその上にある第4銅ホイル層310dもコアレス構造層とみなすことができる。
【0048】
本実施形態において、第2銅ホイル層310bの厚さは、実質的に第1銅ホイル層310aの厚さよりも大きい。第1銅ホイル層310aの厚さは、例えば、3μmであり、第2銅ホイル層310bの厚さは、例えば、12μmである。第1銅ホイル層310aの厚さと第3銅ホイル層310cの厚さは、実質的に同じであり、つまり、第3銅ホイル層310cの厚さは、例えば、3μmである。第2銅ホイル層310bの厚さと第4銅ホイル層310dの厚さは、実質的に同じであり、つまり、第4銅ホイル層310dの厚さは、例えば、12μmである。そのうち、本実施形態の第2銅ホイル層310bは、第1銅ホイル層310aを支持するために用いることができ、同様に、第4銅ホイル層310dは、第3銅ホイル層310cを支持するために用いることができる。したがって、本実施形態は、周知の一般技術のように、金属基板を支持基板として使用する必要がないため、製造コストを有効に下げることができる。また、本実施形態の接着剤320は、例えば、シアノアクリレート(俗称、瞬間接着剤)またはポリプロピレン樹脂(PP)である。言及すべきこととして、本実施形態では、接着剤320を用いて第2銅ホイル層310bと第4銅ホイル層310dを接合しているが、他の図示していない実施形態において、銅ホイルを溶接する方法により第2銅ホイル層310bと第4銅ホイル層310dを接合してもよく、この場合の接着剤320は、溶解した銅ホイルである。ここで述べた接合方法もやはり本発明がカバーしようとする様態に属する。
【0049】
次に、図38を参照すると、第1銅ホイル層310aから第3銅ホイル層310cに延伸する複数の第1スルーホール332を形成する。つまり、第1スルーホール332は、少なくとも、第1銅ホイル層310a、第2銅ホイル層310b、第4銅ホイル層310dおよび第3銅ホイル層310cを貫通する。本実施形態において、第1スルーホール332を形成する方法は、機械ドリルを含む。
【0050】
続いて、図39を参照すると、第1絶縁層350aおよび第1絶縁層350aの上に位置する第1導電層342を第1銅ホイル層310aの上にラミネートし、同時に、第2絶縁層350bおよび第2絶縁層350bの上に位置する第2導電層344を第3銅ホイル層310cの上にラミネートする。本実施形態において、第1絶縁層350aおよび第2絶縁層350bは、それぞれ第1銅ホイル層310aおよび第3銅ホイル層310cと向かい合っており、ラミネートする時に、一部の第1絶縁層350aおよび第2絶縁層350bを第1スルーホール332内に充填して、第1スルーホール332を満たす。また、第1導電層342および第2導電層344の材料は、例えば、銅である。
【0051】
特に、本実施形態において、第1絶縁層350aの厚さと第1導電層342の厚さを足した厚さは、第1銅ホイル層310aの厚さと第2銅ホイル層310bの厚さを足した厚さよりも大きい。そのうち、第1絶縁層350aの厚さは、例えば、40μmであり、第1導電層342の厚さは、例えば、18μmである。同様に、第2絶縁層350bの厚さと第2導電層344の厚さを足した厚さは、第3銅ホイル層310cの厚さと第4銅ホイル層310dの厚さを足した厚さよりも大きい。そのうち、第2絶縁層350bの厚さと第1絶縁層350aの厚さは実質的に同じであり、例えば、40μmである。第2導電層344の厚さと第1導電層342の厚さは実質的に同じであり、例えば、18μmである。
【0052】
次に、図40を参照すると、第1導電層342から第2導電層344に延伸する複数の第2スルーホール334を形成する。第2スルーホール334は、少なくとも、第1導電層342、第1絶縁層350a、第1銅ホイル層310a、第2銅ホイル層310b、第4銅ホイル層310dおよび第3銅ホイル層310c、第2絶縁層350bおよび第2導電層344を貫通する。また、第2スルーホール334は、後続の接着剤320を除去するステップ、つまり、第2銅ホイル層310bと第4銅ホイル層310dを互いに結合しているエリアを除去するために用いることができる。一般的に、第1導電層342および第2導電層344の上には、通常、複数の金属パターンを有するが(図示せず)、金属パターンの目的は、プロセス中で定位と対位の基準点とすることができることである。つまり、第1導電層342と第2導電層344上の金属パターンは、第1銅ホイル層310aおよび第3銅ホイル層310cの定位と対位の基準とすることができ、後続の第5銅ホイル層310e(図43を参照)の定位と対位の基準とすることもできる。
【0053】
続いて、図41を参照すると、第1導電層342および第2導電層344をパターン化して、第1回路層342aおよび第2回路層344aを形成する。そのうち、第1導電層342および第2導電層344をパターン化する方法は、フォトリソグラフィーエッチングプロセスを含む。特に、本実施形態の第1導電層342および第2導電層344は、ラミネートの方式によって第1絶縁層350aの上と第2絶縁層350bの上にそれぞれラミネートされ、且つパターン化の方式によって第1回路層342aおよび第2回路層344aを形成する。したがって、周知の電気めっき方式を利用して形成する回路層と比較すると、本実施形態の第1回路層342aおよび第2回路層344aは、より優れた銅厚の均一性を有する。また、本実施形態の第1銅ホイル層310a、第2銅ホイル層310b、第3銅ホイル層310cおよび第4銅ホイル層310dは、いずれも熱圧着接合によって第1絶縁層350aと第2絶縁層350bの中に埋め込まれるため、第1導電層342および第2導電層344をパターン化する時に、周囲の不純物または薬剤による汚染を防止することができるとともに、第1銅ホイル層310a、第2銅ホイル層310b、第3銅ホイル層310cおよび第4銅ホイル層310dの大きさと厚さを維持することができる。
【0054】
次に、図42を参照すると、接着剤320を除去して、互いに分離された第1回路基板360aおよび第2回路基板360bを形成する。本実施形態において、上述した第2スルーホール334によって接着剤320の除去を補助することができる。つまり、第2スルーホール334を形成することによって、接着剤320と第2銅ホイル層310bおよび第4銅ホイル層310dの間の粘着力を破壊することができるため、比較的容易に接着剤320を除去することができる。また、接着剤320を除去する方法は、例えば、機械ドリルまたはミリング加工である。言及すべきこととして、本実施形態において、接着剤320は局部のみが第2銅ホイル層310bと第4銅ホイル層310dの間に結合されているため、周知の接着剤320と金属基板の間の大量のゲルを除去するステップと比較して、本実施形態の接着剤320を除去するステップは比較的簡単であり、且つプロセスの難易度も比較的低く、プロセスの収率を上げることができる。
【0055】
本実施形態において、接着剤320を除去した後に形成される第1回路基板360aおよび第2回路基板360bは、対称的な構造になっている。そのうち、第1回路基板360aは、順番に、第1回路層342a、第1絶縁層350a、第1銅ホイル層310aおよび第2銅ホイル層310bを含む。以下、わかりやすく説明するため、第1回路基板360aのみを例として、後続の回路基板の製造を行う。
【0056】
次に、図43を参照すると、第2銅ホイル層310bを除去し、且つ第3絶縁層350cおよび第3絶縁層350cの上に位置する第5銅ホイル層310eを第1回路層342aの上にラミネートする。本実施形態において、第2銅ホイル層310bを除去する方法は、例えば、剥離法(lift-off)であり、つまり、剥離の方式を利用して、第2銅ホイル層310bを第1銅ホイル層310aから剥離する。また、第3絶縁層350cおよび第5銅ホイル層310eを第1回路層342aの上にラミネートして、第1回路層342aが内部回路層になるようにする。つまり、第1回路層342aは、第3絶縁層350cと第1絶縁層350aの間に埋め込まれる。また、第5銅ホイル層310eを第1回路層342aの上にラミネートするステップは、第1回路層342a(原第1導電層342)上の金属パターン(図示せず)を基準とし、第1銅ホイル層310a、第1回路層342aおよび第5銅ホイル層310eの間の優れた対位精度を確保することができる。
【0057】
一般的に、第5銅ホイル層310eの厚さは比較的薄く、例えば、3μmであるため、第5銅ホイル層310eをラミネートする時、通常、第5銅ホイル層310eの上にこれよりも厚い、例えば、厚さが12μmの別の銅ホイル層(図示せず)を加えて、ラミネートした後に第5銅ホイル層310eが湾曲する現象を防止し、ラミネートした後の第5銅ホイル層310eの表面の均等性を保持する。それから、ラミネートした後、厚い方の銅ホイル層を剥離し、薄い方の第5銅ホイル層310eを残して後続のプロセスを行う。
【0058】
簡単に説明すると、本実施形態の第3絶縁層350cおよび第3絶縁層350cの上に位置する第5銅ホイル層310eは、接着剤320を除去した後に、第1回路層342aの上にラミネートされる。しかしながら、本発明は、第3絶縁層350cおよびその上に位置する第5銅ホイル層310eのラミネート、接着剤320の除去等のステップの順序を限定しない。別の実施形態において、第3絶縁層350cおよび第3絶縁層350cの上に位置する第5銅ホイル層310eは、接着剤320を除去する前に、第1回路層342aの上にラミネートしてもよい。
【0059】
詳細に説明すると、図53に示すように、まず、第3絶縁層350cおよび第3絶縁層350cの上に位置する第5銅ホイル層310eを第1回路層342aの上にラミネートし、同時に、第4絶縁層350dおよび第4絶縁層350dの上に位置する第6銅ホイル層310fを第2回路層344aの上にラミネートする。そして、図54に示すように、接着剤320、第2銅ホイル層310bおよび第4銅ホイル層310dを除去して、互いに分離された第3回路基板400cおよび第4回路基板400dを形成する。そのうち、接着剤320、第2銅ホイル層310bおよび第4銅ホイル層310dを除去した後に形成される第3回路基板400cおよび第4回路基板400dは、対称的な構造になっており、且つ第3回路基板400cは、順番に、第5銅ホイル層310e、第3絶縁層350c、第1回路層342a、第1絶縁層350aおよび第1銅ホイル層310aを含む。同様に、第4回路基板400dは、順番に、第6銅ホイル層310f、第4絶縁層350d、第2回路層344a、第2絶縁層350bおよび第3銅ホイル層310cを含む。つまり、プロセスの要求に基づいて、絶縁層およびその上に位置する銅ホイル層を回路層の上にラミネートして接着剤320を除去するステップを選択的に調整することができ、上記の図42〜図43は例として説明しただけであるため、これに限定されない。
【0060】
ここまでで、第1回路基板400aの製造が完成する。第1回路基板400aは、順番に、第5銅ホイル層310e、第3絶縁層350c、第1回路層342a、第1絶縁層350aおよび第1銅ホイル層310aを含む。
【0061】
続いて、図44を参照すると、第5銅ホイル層310eおよび第1銅ホイル層310aに対してドリルプロセスを行って、第5銅ホイル層310eから第1回路層342aに延伸した複数の第1盲孔412、および第1銅ホイル層310aから第1回路層342aに延伸した複数の第2盲孔414を形成する。そのうち、第1盲孔412および第2盲孔414は、第1回路層342aの一部を露出する。本実施形態において、ドリルプロセスは、例えば、レーザードリルであり、つまり、第1盲孔412および第2盲孔414は、レーザーアブレーション(laser ablation)の方式を採用して形成される。
【0062】
次に、図45を参照すると、化学銅層420を第1盲孔412および第2盲孔414内に形成する。化学銅層420は、第5銅ホイル層310eと第1回路層342aを接続し、第1銅ホイル層310aと第1回路層342aを接続する。具体的には、本実施形態において、化学銅層420は、第5銅ホイル層310e、第1盲孔412、第1銅ホイル層310aおよび第2盲孔414を覆い、且つ第5銅ホイル層310eは、化学銅層420を介して第1回路層342aと電気接続され、第1銅ホイル層310aは、化学銅層420を介して第1回路層342aと電気接続される。また、化学銅層420を形成する方法は、例えば、無電解メッキプロセス(electroless plating process)である。
【0063】
続いて、図46を参照すると、第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432を第5銅ホイル層310eの上に形成するとともに、第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434を第1銅ホイル層310aの上に形成する。そのうち、第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432は、少なくとも第1盲孔412を露出し、第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434は、少なくとも第2盲孔414を露出する。具体的には、本実施形態において、第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432は、第1盲孔412内に位置する化学銅層420および第5銅ホイル層310eの一部の上に位置する化学銅層420を露出する。第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434は、第2盲孔414内に位置する化学銅層420および第1銅ホイル層310aの一部の上に位置する化学銅層420を露出する。
【0064】
次に、図47を参照すると、少なくとも第1盲孔412内および第2盲孔414内に、電気めっき銅層440を形成する。電気めっき銅層440は、第1盲孔412および第2盲孔414を満たし、且つ化学銅層420の一部を覆う。本実施形態において、第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432および第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434を電気めっき時のマスクとすることによって、ビア充填めっき(via filling plating)の方式を採用して、電気めっき銅層440を第1盲孔412内、第2盲孔414内および第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432と第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434に覆われていない化学銅層420の上に形成する。
【0065】
続いて、図48を参照すると、第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432および第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432の下に位置する化学銅層420の一部と第5銅ホイル層310eの一部を除去するとともに、第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434および第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434の下に位置する化学銅層420の一部と第1銅ホイル層310aの一部を除去する。このようにして、第3絶縁層350cの一部および第1絶縁層350aの一部を露出し、且つ第1盲孔412内に第1導電盲孔構造412aを形成して、第2盲孔414内に第2導電盲孔構造414aを形成する。本実施形態において、第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432、第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層432の下に位置する化学銅層420の一部と第5銅ホイル層310eの一部、第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434および第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層434の下に位置する化学銅層420の一部と第1銅ホイル層310aの一部を除去する方法は、例えば、エッチングプロセスである。ここまでで、第1回路層342aと電気接続した第1導電盲孔構造412aおよび第2導電盲孔構造414aが形成される。
【0066】
次に、図49を参照すると、第1保護層452を第3絶縁層350cの上に形成するとともに、第2保護層454を第1絶縁層350aの上に形成する。本実施形態において、第1保護層452は、第1導電盲孔構造412aのパターン均等性を保護するために、第3絶縁層350cおよび第3絶縁層350cの上に露出した第1導電盲孔構造412aを覆う。同様に、第2保護層454は、第2導電盲孔構造414aのパターン均等性を保護するために、第1絶縁層350aおよび第1絶縁層350aの上に露出した第2導電盲孔構造414aを覆う。また、第1保護層452および第2保護層454を形成する方法は、例えば、スクリーン印刷であり、第1保護層452および第2保護層454の材料は、例えば、インクである。
【0067】
そして、図50を参照すると、研磨プロセスを行って、第1保護層452の一部を第1導電盲孔構造412aの表面が露出するまで除去するとともに、第2保護層454の一部を第2導電盲孔構造414aの表面が露出するまで除去する。この時、第1保護層452の表面と第1導電盲孔構造412aの表面は実質的にそろっており、第2保護層454の表面と第2導電盲孔構造414aの表面は実質的にそろっている。
【0068】
続いて、図51を参照すると、残った第1保護層452および第2保護層454を除去して、第3絶縁層350cの一部、第3絶縁層350cの上に露出した第1導電盲孔構造412a、第1絶縁層350aの一部および第1絶縁層350aの上に露出した第2導電盲孔構造414aを露出する。本実施形態において、第1保護層452および第2保護層454を形成し、研磨プロセスを行って、第1保護層452および第2保護層454を除去するといった連続したステップの目的は、第1導電盲孔構造412aの表面と第2導電盲孔構造414aの表面がより優れた均等性を有し、後続のチップと実装するプロセスにおいて有利にすることである。
【0069】
次に、図52を参照すると、第1ソルダレジスト層462を第3絶縁層350cの上に形成するとともに、第2ソルダレジスト層464を第1絶縁層350aの上に形成する。本実施形態において、第1ソルダレジスト層462は、複数の第1開口462aを有し、第1開口462aは、第1導電盲孔構造412aの一部を露出して、ボンディングパッドとして用いることができる。第2ソルダレジスト層464は、複数の第2開口464aを有し、第2開口464aは、第2導電盲孔構造414a一部を露出して、ボンディングパッドとして用いることができる。ここまでで、回路基板300の製造が完成する。
【0070】
第1ソルダレジスト層462の第1開口462aにより露出した第1導電盲孔構造412aの一部は、ボンディングパッドとして用いることができ、第2ソルダレジスト層464の第1開口464aにより露出した第2導電盲孔構造414aの一部は、ボンディングパッドとして用いることができる。このように、チップ(図示せず)がワイヤボンディングまたはフリップチップボンディングの方式でボンディングパッドと電気接続され、アンダーフィルダイによってチップをゲル(図示せず)内に包被した後、チップの実装プロセスが完成する。つまり、本実施形態の回路基板300は、チップ実装基板として用いるのに適している。
【0071】
言い換えると、本実施形態は、金属基板によって第1銅ホイル層310aおよび第3銅ホイル層310cを支持する必要がないため、周知の技術と比較して、本実施形態の回路基板300の製造方法は、製造コストを有効に下げることができる。また、本実施形態は、第1導電層342および第2導電層344をラミネートし、その後、第1導電層342と第2導電層344をパターン化する方式によって、第1回路層342aおよび第2回路層344aを形成する。周知の電気めっき方式で形成される回路層と比較すると、本実施形態の第1回路層342aおよび第2回路層344aは、比較的優れた銅厚の均等性を有する。また、本実施形態は、第1回路層342a(原第1導電層342)を第1銅ホイル層310aおよび第5銅ホイル層310eの定位と対位の基準とする。このようにして、回路基板300の対位精度を有効に高め、形成された回路基板300の生産収率と信頼性を向上させることができる。
【0072】
以上のように、本発明は、まず、2つの金属層の周囲を接合して、密封エリアを形成する。ダブルサイド絶縁層およびダブルサイド導電層のラミネートのステップが完成してから、2つの金属層を分離する。したがって、周知の技術と比較すると、本発明の回路基板の製造方法は、金属基板を支持基板として採用する必要がないコアレス回路基板であるため、回路基板の製造コストを有効に下げることができ、且つ回路基板の信頼性を高めるとともに、回路基板の製造時間を有効に短縮することができる。また、本発明は、周知の技術のように大量のゲルを使用して金属基板と回路層を固定する必要がないため、本発明の回路基板の製造方法は、大量のゲル層を除去する難題に直面することがなく、プロセスの難易度と工程を有効に減らすことができる。また、本発明は、ラミネートの方式を利用して導電層をラミネートし、それから導電層をパターン化する方式によって回路層を形成する。
【0073】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0074】
100a、100a’、100b、200a、200a’、200b、200c、200c’、300 回路基板
102、202、310’、310” 金属層
104、204 密封エリア
112、212、212、232、234 絶縁層
112a、232a 上表面
112b、212b 下表面
122、122’、222、242、248 導電層
124、124’、244、246、249 導電材料
124a、244a 第1パターン化導電材料層
124b、244b 第2パターン化導電材料層
124c、244c 導電盲孔構造
132、252、256 電気めっき種子層
134、254、258 パターン化フォトレジスト層
222a パターン化導電層
246a、249a パターン化導電材料層
246b、249b 導電スルーホール構造
310a 第1銅ホイル層
310b 第2銅ホイル層
310c 第3銅ホイル層
310d 第4銅ホイル層
310e 第5銅ホイル層
310f 第6銅ホイル層
320 接着剤
332、412 第1スルーホール
334、414 第2スルーホール
342 第1導電層
342a 第1回路層
344 第2導電層
344a 第2回路層
350a 第1導電層
350b 第2絶縁層
350c 第3絶縁層
350d 第5絶縁層
360a、400a 第1回路基板
360b 第2回路基板
400c 第3回路基板
400d 第4回路基板
412a 第1導電盲孔構造
414a 第2導電盲孔構造
420 化学銅層
432 第1パターン化ドライフィルムフォトレジスト層
434 第2パターン化ドライフィルムフォトレジスト層
440 電気めっき銅層
452 第1保護層
454 第2保護層
462 第1ソルダレジスト層
462a 第1開口
464 第2ソルダレジスト層
464a 第2開口
H スルーホール
V 盲孔
V1 第1盲孔
V2 第2盲孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの金属層の周縁を接合して、密封エリアを形成するステップと、
前記密封エリアを貫通する少なくとも1つのスルーホールを形成するステップと、
2つの絶縁層を前記2つの金属層の上に形成するとともに、2つの導電層を前記2つの絶縁層の上に形成するステップと、
前記2つの絶縁層および前記2つの導電層を前記2つの金属層の上にラミネートして、互いに接合された前記2つの金属層を前記2つの絶縁層の中に埋め込み、且つ前記2つの絶縁層を前記スルーホール内に充填するステップと、
前記2つの金属層の前記密封エリアを分離して、それぞれ分離された2つの回路基板を形成するステップと、
を含む回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記2つの金属層の周縁を接合する方法が、電気溶接、スポット溶接または接着剤による接合を含み、前記接着剤の材料が、シアノアクリレートまたはポリプロピレン樹脂を含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記2つの絶縁層および前記2つの導電層を前記2つの金属層の上にラミネートした後、前記2つの絶縁層の一部および前記2つの導電層の一部を除去して、前記2つの金属層を露出する複数の盲孔を形成するステップと、
導電材料を前記複数の盲孔の中および除去されなかった前記2つの導電層の上に形成するステップと、
前記2つの金属層の前記密封エリアを分離した後、前記導電材料、前記金属層および前記導電層をパターン化するステップと、
をさらに含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記2つの絶縁層および前記2つの導電層を前記2つの金属層の上にラミネートした後、前記2つの絶縁層の一部および前記2つの導電層の一部を除去して、前記2つの金属層を露出する複数の盲孔を形成するステップと、
前記2つの導電層を薄化するステップと、
2つの電気めっき種子層を薄化された前記2つの導電層の上および前記複数の盲孔内に形成するステップと、
前記2つの金属層の前記密封エリアを分離した後、前記金属層の一部を露出するステップと、
パターン化フォトレジスト層を前記電気めっき種子層の上および露出された前記金属層の上にそれぞれ形成するステップと、
前記パターン化フォトレジスト層をマスクとして、前記電気めっき種子層に対して電気めっきを行うステップと、
前記パターン化フォトレジスト層および前記電気めっき種子層の前記パターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去するステップと、
をさらに含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記2つの絶縁層および前記2つの導電層を前記2つの金属層の上にラミネートした後、前記2つの導電層をパターン化して、前記2つのパターン化導電層を形成するステップと、
別の2つの絶縁層を前記2つのパターン化導電層の上に形成し、別の2つの導電層を前記別の2つの絶縁層の上に形成するステップと、
前記絶縁層および前記別の2つの導電層をラミネートし、且つ前記2つのパターン化導電層を前記絶縁層の中に埋め込むステップと、
前記2つの金属層の前記密封エリアを分離した後、前記絶縁層の一部、前記金属層の一部および前記別の導電層の一部を除去して、前記パターン化導電層を露出する複数の盲孔を形成するステップと、
導電材料を前記複数の盲孔の中および除去されなかった前記金属層および前記別の導電層の上に形成するステップと、
前記導電材料、前記金属層および前記別の導電層をパターン化するステップと、
をさらに含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記2つの絶縁層および前記2つの導電層を前記2つの金属層の上にラミネートした後、前記2つの導電層をパターン化して、前記2つのパターン化導電層を形成するステップと、
別の2つの絶縁層を前記2つのパターン化導電層の上に形成し、別の2つの導電層を前記別の2つの絶縁層の上に形成するステップと、
前記絶縁層および前記別の2つの導電層をラミネートし、且つ前記2つのパターン化導電層を前記絶縁層の中に埋め込むステップと、
前記2つの金属層の前記密封エリアを分離した後、前記絶縁層の一部、前記金属層の一部および前記別の導電層の一部を除去して、前記パターン化導電層を露出する複数の盲孔を形成するステップと、
前記別の導電層および前記金属層を除去して、前記絶縁層を露出するステップと、
2つの電気めっき種子層を前記絶縁層の上および前記複数の盲孔内に形成するステップと、
2つのパターン化フォトレジスト層を前記2つの電気めっき種子層の上に形成するステップと、
前記パターン化フォトレジスト層をマスクとして、前記電気めっき種子層に対して電気めっきを行うステップと、
前記パターン化フォトレジスト層および前記電気めっき種子層の前記パターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去するステップと、
をさらに含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記2つの絶縁層および前記2つの導電層を前記2つの金属層の上にラミネートした後、前記2つの絶縁層の一部および前記2つの導電層の一部を除去して、前記2つの金属層を露出する複数の第1盲孔を形成するステップと、
前記2つの導電層を除去して、前記2つの絶縁層を露出するステップと、
2つの電気めっき種子層を前記2つの絶縁層の上および前記複数の第1盲孔内に形成するステップと、
2つのパターン化フォトレジスト層を前記電気めっき種子層の上に形成するステップと、
前記パターン化フォトレジスト層をマスクとして、前記電気めっき種子層に対して電気めっきを行うステップと、
前記パターン化フォトレジスト層および前記電気めっき種子層の前記パターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去して、前記2つの絶縁層の上に2つのパターン化導電層および複数の導電スルーホール構造を形成するステップと、
別の2つの絶縁層を前記2つのパターン化導電層の上に形成し、別の2つの導電層を前記別の2つの絶縁層の上に形成するステップと、
前記絶縁層および前記別の2つの導電層をラミネートし、且つ前記2つのパターン化導電層を前記絶縁層の中に埋め込むステップと、
前記2つの金属層の前記密封エリアを分離した後、前記絶縁層の一部、前記金属層および前記別の導電層を除去して、前記パターン化導電層を露出する複数の第2盲孔を形成するステップと、
別の2つの電気めっき種子層を前記別の2つの絶縁層の上、前記複数の第1盲孔の一端および前記複数の第2盲孔内に形成するステップと、
別の2つのパターン化フォトレジスト層を前記別の2つの電気めっき種子層の上に形成するステップと、
前記別の2つのパターン化フォトレジスト層をマスクとして、前記別の2つの電気めっき種子層に対して電気めっきを行うステップと、
前記別の2つのパターン化フォトレジスト層および前記別の2つの電気めっき種子層の前記別の2つのパターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去するステップと、
をさらに含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項8】
前記2つの金属層が、それぞれ第1銅ホイル層および第2銅ホイル層を含み、且つ前記各第2銅ホイル層の厚さが、実質的に前記各第1銅ホイル層の厚さよりも大きく、前記第2銅ホイル層が互いに接合した請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項9】
前記2つの絶縁層および前記2つの導電層を前記2つの金属層の上にラミネートした後、前記2つの導電層をパターン化して、第1パターン化導電層および第2パターン化導電層を形成するステップと、
前記第1パターン化導電層から前記第2パターン化導電層に延伸した複数の第1スルーホールを形成するステップと、
前記2つの金属層の前記密封エリアを分離した後、前記第2銅ホイル層を除去するステップと、
第1絶縁層を前記第1パターン化導電層の上に形成し、第1導電層を前記第1絶縁層の上に形成するステップと、
前記第1絶縁層および前記第1導電層をラミネートし、且つ前記第1パターン化導電層を前記絶縁層および前記第1絶縁層の中に埋め込むステップと、
前記絶縁層の一部、前記第1絶縁層、前記第1銅ホイル層の一部および前記第1導電層の一部を除去して、前記第1パターン化導電層を露出する複数の第1盲孔を形成するステップと、
電気めっき種子層を除去されなかった前記第1銅ホイル層の上と前記複数の第1盲孔内および除去されなかった前記第1導電層の上と前記複数の第1盲孔内にそれぞれ形成するステップと、
2つのパターン化フォトレジスト層を前記電気めっき種子層の上に形成するステップと、
前記パターン化フォトレジスト層をマスクとして、前記電気めっき種子層に対して電気めっきを行い、前記複数の第1盲孔内に複数の導電盲孔構造を形成するステップと、
前記パターン化フォトレジスト層および前記電気めっき種子層の前記パターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去するステップと、
をさらに含む請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記第1絶縁層を前記第1パターン化導電層の上に形成し、前記第1導電層を前記第1絶縁層の上に形成するステップが、前記2つの金属層の前記密封エリアを分離した後に行う請求項9記載の回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記第1絶縁層を前記第1パターン化導電層の上に形成し、前記第1導電層を前記第1絶縁層の上に形成するステップが、前記2つの金属層の前記密封エリアを分離する前に行う請求項9記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1絶縁層を前記第1パターン化導電層の上に形成し、前記第1導電層を前記第1絶縁層の上に形成する時、第2絶縁層を前記第2パターン化導電層の上に形成し、第2導電層を前記第2絶縁層の上に形成する請求項11記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記パターン化フォトレジスト層および前記電気めっき種子層の前記パターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去した後、第1保護層を前記第1絶縁層の上に形成し、第2保護層を前記第2絶縁層の上に形成し、前記第1保護層および前記第2保護層が、前記複数の導電盲孔構造を覆うステップと、
研磨プロセスを行って、前記第1保護層の一部および前記第2保護層の一部を前記複数の導電盲孔構造が露出するまで除去するステップと、
残った前記第1保護層および前記第2保護層を除去するステップと、
をさらに含む請求項9記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記パターン化フォトレジスト層および前記電気めっき種子層の前記パターン化フォトレジスト層に覆われた部分を除去した後、第1ソルダレジスト層を前記第1絶縁層の上に形成し、第2ソルダレジスト層を前記第2絶縁層の上に形成し、前記第1ソルダレジスト層が、複数の第1開口を有し、前記第2ソルダレジスト層が、複数の第2開口を有し、前記第1開口および前記第2開口が、前記複数の導電盲孔構造の一部を露出するステップをさらに含む請求項9記載の回路基板の製造方法。
【請求項15】
請求項3記載の回路基板の製造方法により製造された回路基板であって、
パターン化された金属層と、
パターン化された導電層と、
前記パターン化された金属層と前記パターン化された導電層の間に位置する絶縁層と、
前記絶縁層を貫通する複数の盲孔の中に位置し、前記パターン化された金属層および前記パターン化された導電層に電気接続された導電材料と、
を含む回路基板。
【請求項16】
請求項5記載の回路基板の製造方法により製造された回路基板であって、
パターン化された金属層と、
パターン化された導電層と、
パターン化された前記金属層とパターン化された前記導電層の間に位置するパターン化導電層と、
パターン化された前記金属層と前記パターン化導電層の間、およびパターン化された前記導電層と前記パターン化導電層の間にそれぞれ位置する2つの絶縁層と、
前記絶縁層を貫通する複数の盲孔の中に位置し、パターン化された前記金属層と前記パターン化導電層の間、およびパターン化された前記導電層と前記パターン化導電層の間に電気接続される導電材料と、
を含む回路基板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2011−139064(P2011−139064A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291071(P2010−291071)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(599110599)旭徳科技股▲ふん▼有限公司 (14)
【Fターム(参考)】