説明

回転角度検出装置およびステアリング装置

【課題】回転角度検出装置において、回転部品の回転角度を検出するために互いに連動する主回転部品および副回転部品から構成される回転部品群の設計の自由度を大きくする。
【解決手段】回転角度検出装置4は、回転中心線Lを中心にステアリング装置1の出力軸21と一体に回転する主回転部品41と、所定回転比で主回転部品41と連動して回転する第1,第2副回転部品51,61と、第1,第2副回転部品51,61の第1,第2回転角度θ1,θ2に応じた第1,第2検出信号S1,S2を出力する第1,第2磁気抵抗素子71,72と、第1,第2検出信号S1,S2に基づいて操舵角θを検出する回転角度検出手段49とを備える。主回転部品41と第1,第2副回転部品51,61との間での回転の伝達は、主回転部品41および第1,第2副回転部品51,61の接触面42,52;42,62同士の摩擦により行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材の回転角度を検出する回転角度検出装置およびステアリング装置に関する。そして、該回転角度検出装置は、ステアリング装置における回転角度である操舵角を検出する。
【背景技術】
【0002】
回転部材(例えば、車両のステアリング装置におけるステアリングホイールの操作により回転駆動される回転軸)の回転角度(例えば、操舵角)を検出する回転角度検出装置として、該回転部材と一体に回転する歯車(以下、「主歯車」という。)と、該主歯車と連動する第1,第2歯車と、該第1,第2歯車の回転角度に応じた検出信号を出力する第1,第2回転角度センサとを備えるものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平11−500828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記回転角度検出装置のように、回転部材の回転角度を検出するために互いに連動する回転部品が、歯車(前記主歯車および第1,第2歯車)から構成される場合、歯数は整数でなければならないこと、および、歯の強度上の観点から歯車のモジュールが決まることから、主歯車と第1,第2歯車との間での回転比が設定されると、主歯車および第1,第2歯車の各外径(歯先円直径)が決まる。このため、主歯車および第1,第2歯車の配置や組合せ、さらには、主歯車および第1,第2歯車から構成される回転部品群の全体の大きさが、歯数やモジュールに制約されるので、回転部品群の設計の自由度が小さくなる。この結果、例えば、所望のスペースに回転部品群を配置することが困難になるなど、回転部品群の配置の自由度が小さくなる。また、回転部品群の小型化が制限される。
そして、この事情は、回転部品の回転伝達部(回転部品が歯車である場合、該歯車の歯部が相当する。以下、「回転伝達部」という。)が、別の回転部品と連動するために、周方向または回転方向で所定幅を有する回転伝達要素(回転部品が歯車である場合、該歯車の歯が相当する。以下、「回転伝達要素」という。)の集合体で構成されるものに固有のものである。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、回転角度検出装置において、回転部品の回転角度を検出するために互いに連動する主回転部品および副回転部品から構成される回転部品群の設計の自由度を大きくすることを目的とする。
そして、本発明は、さらに、主回転部品および副回転部品の接触面の形状を工夫することにより、回転部品の回転角度の検出精度の向上を図ることを目的とし、また、ステアリング装置のセンサハウジングを大型化することなく、センサハウジング内への回転角度検出装置の収容を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、回転部材(21)に設けられると共に回転中心線(L)を中心に前記回転部材(21)と一体に回転する主回転部品(41)と、前記主回転部品(41)に対して所定回転比で前記主回転部品(41)と連動して回転する副回転部品(51,61)と、前記副回転部品(51,61)の回転角度(θ1,θ2)に応じた検出信号(S1,S2)を出力する回転角度センサ(71,72)と、前記検出信号(S1,S2)に基づいて前記回転部材(21)の回転角度(θ)を検出する回転角度検出手段(49)とを備える回転角度検出装置(4)において、前記主回転部品(41)と前記副回転部品(51,61)との間での回転の伝達は、前記主回転部品(41)および前記副回転部品(51,61)の接触面(42,52;42,62)同士の摩擦により行われる回転角度検出装置(4)である。
【0007】
これによれば、回転部材と一体に回転する主回転部品と連動して回転する副回転部品の回転角度に応じた検出信号に基づいて回転部材の回転角度を検出する回転角度検出装置において、主回転部品および副回転部品間の回転の伝達が、互いに接触する主回転部品の接触面と副回転部品の接触面との間の摩擦により行われる。このため、所定回転比が設定された状態で、主回転部品および副回転部品の各接触面により構成される各回転伝達部の外径の設定の自由度、したがって主回転部品および副回転部品から構成される回転部品群の設計の自由度を、周方向または回転方向で所定幅を有する回転伝達要素の整数倍とする制約がある場合(例えば、主回転部品および副回転部品が歯車で構成される場合)に比べて、大きくすることができる。この結果、回転部品群の配置の自由度が大きくなり、また回転部品群の小型化が容易になる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の回転角度検出装置(4)において、前記副回転部品(51,61)は、第1副回転部品(51)と、前記第1副回転部品(51)の接触面(52)の外径とは異なる外径の前記接触面(62)を有する第2副回転部品(61)とであり、前記副回転部品(51,61)の前記回転角度(θ1,θ2)は、前記第1副回転部品(51)の第1回転角度(θ1)と、前記第2副回転部品(61)の第2回転角度(θ2)とであり、前記回転角度センサ(71,72)は、前記第1回転角度(θ1)に応じた前記検出信号(S1,S2)である第1検出信号(S1)を出力する第1回転角度センサ(71)と、前記第2回転角度(θ2)に応じた前記検出信号(S2)である第2検出信号(S2)を出力する第2回転角度センサ(72)とであるものである。
これによれば、副回転部品が、接触面の外径が異なる少なくとも2つの副回転部品から構成される場合にも、主回転部品および各副回転部品間での回転の伝達が摩擦により行われるので、回転部材および主回転部品に対する副回転部品の配置の自由度が大きくなる。さらに、各副回転部品の接触面の外径の設定の自由度が、第1,第2副回転部品が歯車で構成される場合に比べて、大きくなって、回転部品群の小型化が容易になる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の回転角度検出装置(4)において、前記接触面(42,52,62)は、テーパ面(F)であるものである。
これによれば、接触面がテーパ面であることにより、接触面の面積を大きくすることができるので、互いに接触する接触面間での滑りを防止するための摩擦力の確保が容易になり、また接触圧力を低下させることができる。この結果、接触面;間での滑りが防止されるので、回転角度の検出精度が向上する。また、接触面での摩耗の発生を抑制できて、しかも回転部品の回転角度を良好な精度で検出できる期間を長期化できる。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の回転角度検出装置(4)において、前記各接触面(42,52,62)の、前記回転中心線(L)を含む平面での縦断面形状は、1対の前記テーパ面(F1,F2)により形成されるV字状凸形状またはV字状凹形状であるものである。
これによれば、V字状凸形状の接触面とV字状凹形状の接触面とが接触するので、主回転部品と副回転部品との軸線方向での相対的な位置ズレを、接触面同士の接触のみで防止できる。この結果、前記位置ズレを防止するための専用の部材が不要になり、回転角度検出装置の構造を簡単化することができ、また回転角度検出装置を小型化できる。
また、1対のテーパ面により形成される角度を小さくすることにより、楔効果を発揮させて、各テーパ面に垂直な方向で該テーパ面に作用する力を大きくさせる楔効果を発揮させることができるので、接触面同士の間で作用する摩擦力が大きくなる。この結果、接触面同士の間での滑りの発生防止効果が向上して、副回転部品および回転部材の回転角度の検出精度が向上する。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転角度検出装置(4)において、前記接触面(42,52;42,62)同士の接触部(T1;T2)において、前記接触面(42,52;42,62)同士を互いに押圧させる押圧部材(45,55,65)を備えるものである。
これによれば、押圧部材により、接触部において接触面同士が互いを押圧するので、その分、接触面同士の間での摩擦力が大きくなる。この結果、接触面同士の間での滑りの発生防止効果が向上して、副回転部品および回転部材の回転角度の検出精度が向上する。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の回転角度検出装置(4)と、ステアリング操作部材(10)による操舵トルクを検出するトルク検出装置(5)と、センサハウジング(13)とを備えるステアリング装置(1)において、前記回転部材(21)の前記回転角度(θ)は、前記ステアリング操作部材(10)の操作に基づく操舵角(θ)であり、前記回転角度検出装置(4)は、前記トルク検出装置(5)と共に前記センサハウジング内に収容されるものである。
これによれば、回転角度検出装置においては、主回転部品および副回転部品の各接触面の外径の設定の自由度が大きくなることにより、回転部材および主回転部品に対する副回転部品の配置の自由度が大きく、また回転部品群の配置の自由度が大きいので、トルク検出装置が収容されるセンサハウジングを備えるステアリング装置において、センサハウジングを大型化することなく、該センサハウジング内に回転角度検出装置を収容させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の回転角度検出装置によれば、回転部品の回転角度を検出するために互いに連動する主回転部品および副回転部品から構成される回転部品群の設計の自由度を大きくすることができる。
本発明の回転角度検出装置によれば、さらに、主回転部品および副回転部品の接触面の形状を工夫することにより、回転部品の回転角度の検出精度を向上させることができる。
本発明のステアリング装置によれば、ステアリング装置のセンサハウジングを大型化することなく、センサハウジング内に回転角度検出装置を収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示し、回転角度検出装置を備えるステアリング装置の要部縦断面図であり、図2のI−I線断面図である。
【図2】図1のII−II線断面での模式図である。
【図3】図1の回転角度検出装置が備える磁石の斜視図である。
【図4】図1の回転角度検出装置により検出される検出信号および操舵角を説明するグラフである。
【図5】図1の実施形態の変形例を示し、図1の回転角度検出装置の要部縦断面での模式図である。
【図6】図1の実施形態の別の変形例を示し、図5に相当する図である。
【図7】図1の実施形態の別の変形例を示し、図2に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。
図1を参照すると、回転角度検出装置4を備える機械としてのステアリング装置1は、車両としての自動車に搭載されて、その操舵輪を操舵する。
ステアリング装置1は、操舵角θ(図4参照)を検出する回転角度検出装置4のほかに、運転者が加える操作力としての操舵力により回転するステアリングホイール10を有する回転機構2と、回転機構2と連動して回転する入力軸20および出力軸21を有する連動装置としてのギヤボックス3と、ギヤボックス3から出力される力を操舵輪(図示されず)に伝達する伝達機構(図示されず)と、操舵力に基づくトルクである操舵トルクを検出するトルク検出装置5と、運転者がステアリングホイール10に加える操舵力を軽減する補助力を発生するアクチュエータとしての電動モータ31を有する補助力発生装置6と、電動モータ31の作動を制御する制御装置7と、を備える電動式のパワーステアリング装置である。
回転角度検出装置4により検出される操舵角θは、自動車の各種制御(例えば、四輪操舵、サスペンション装置またはブレーキ装置の各制御)に使用される。
【0016】
回転機構2は、操作部材としてのステアリング操作部材であるステアリングホイール10のほかに、ステアリングホイール10と連結される回転軸としてのステアリング軸11と、ステアリング軸11と入力軸20とを連結する回転連結部材12とを有する。そして、ステアリングホイール10の回転は、いずれもステアリングホイール10と共に回転するステアリング軸11、回転連結部材12および入力軸20を介して、出力軸21に伝達される。このとき、ステアリングホイール10から出力軸21に至る回転の伝達系は、1対1の回転角度の関係を有するように回転する。
【0017】
ギヤボックス3は、車体に取り付けられるハウジング13と、ステアリングホイール10からの操舵力が伝達される回転軸としての入力軸20と、入力軸20の回転が伝達される回転軸としての出力軸21と、入力軸20と出力軸21とを相対回転可能に連結する回転軸としてのトーションバー22と、トーションバー22および出力軸21を順次介して伝達される入力軸20の回転に基づいて操舵輪を操舵するための駆動力を前記伝達機構に出力する駆動機構としてのラック・ピニオン機構23とを備える。
【0018】
入力軸20、出力軸21、トーションバー22およびラック・ピニオン機構23を収容するハウジング13は、入力軸20を回転可能に支持する第1ハウジング14と、出力軸21を回転可能に支持すると共にラック・ピニオン機構23を収容する第2ハウジング15とを有する。
第1ハウジング14と、自動車の車体への取付部を有する第2ハウジング15とは、軸線方向での端部同士にて互いに結合手段としてのボルト16により結合されて一体化される。
【0019】
ここで、軸線方向は、回転部材である出力軸21の回転中心線Lに平行な方向であるとする。また、径方向および周方向は、それぞれ、該回転中心線Lを中心とする径方向および周方向であるとする。そして、実施形態において、便宜上、図1に示されるように、上下方向は、軸線方向に平行な方向であるとし、軸線方向での一方向および他方向の一方が上方向であるとし、軸線方向での一方向および他方向の他方が下方向であるとする。
【0020】
回転機構2の構成部材であるステアリングホイール10、ステアリング軸11および回転連結部材12、そして入力軸20、トーションバー22および出力軸21は、いずれも回転部材である。また、出力軸21の回転中心線Lは、入力軸20の回転中心線と一致する。
ラック・ピニオン機構23は、出力軸21に設けられたピニオン24と、該ピニオン24と噛合するラック26が設けられたラック軸25とを有する。ピニオン24により駆動されて自動車の左右方向に往復運動するラック軸25は、前記伝達機構が有するタイロッドを介して、操舵輪を操舵する。
【0021】
トーションバー22の捩れ量に基づいて操舵トルクを検出するトルク検出装置5は、周知のものであり、例えば特開2007−93380号公報に開示されているように、入力軸20および出力軸21にそれぞれ周方向に間隔を置いて複数個設けられると共に軸線方向で空隙を挟んで互いに対向する磁性体からなる入力側コア27および出力側コア28と、該コア27,28を囲んで第1ハウジング14に取り付けられた円環状のコイル29とを備える。そして、ステアリングホイール10に加えられた操舵力によりトーションバー22に捩れが生じて、入力軸側コア27と出力軸側コア28との周方向での位置が相対的に変化することに起因して発生するコイル29での電圧変化に基づいて、操舵トルクが検出される。
【0022】
ハウジング13内には、トルク検出装置5と、回転角度検出装置4が備える回転角度検出機構40とが、回転角度検出機構40の上方にトルク検出装置5が位置するように、軸線方向に直列に並んで配置される。したがって、ハウジング13は、トルク検出装置5および回転角度検出機構40を収容するセンサハウジングでもある。なお、別の例として、トルク検出装置5が回転角度検出機構40の下方に配置されてもよい。
【0023】
補助力発生装置6は、操舵トルクが入力される制御装置7により制御される電動モータ31と、電動モータ31のトルクをピニオン24に伝達する伝動機構としてのウォームギヤ32とを備える。第2ハウジング15に収容されるウォームギヤ32は、第2ハウジング15に取り付けられる電動モータ31の回転軸と一体に回転するウォーム33と、出力軸21に圧入により固定されて出力軸21と一体に回転するウォームホイール34とから構成される。
ハウジング13の外面に取り付けられる制御装置7は、中央演算処理装置および記憶装置などを備えるコンピュータから構成される。
【0024】
このようなステアリング装置1において、運転者がステアリングホイール10に加えた操舵力により発生する操舵トルクが入力軸20に伝達されると、操舵輪に作用する路面抵抗に起因して入力軸20はトーションバー22に捩りを生じさせつつ出力軸21を回転させ、ピニオン24により駆動されたラック軸25が左右方向(ラック軸25の軸方向である。)に移動する。同時に、制御装置7は、トーションバー22の捩れに基づいてトルク検出装置5により検出される操舵トルクに応じた補助力を発生するように電動モータ31を制御する。そして、電動モータ31による補助力がウォームギヤ32、出力軸21およびピニオン24を介してラック軸25に伝達されて、運転者の操舵力が軽減される。
【0025】
図1,図2を参照すると、ステアリングホイール10の操作角度である操舵角θを検出する回転角度検出装置4は、磁気抵抗素子71,72を有する回転角度検出機構40と、回転角度検出機構40からの検出信号S1,S2に基づいて操舵角θを検出する回転角度検出手段49とを備える。操舵角θは、この実施形態では出力軸21の回転角度である。なお、操舵の方向は、トルク検出装置5や磁気抵抗素子71,72、またはそれら以外の周知の手段により検出可能である。
【0026】
回転角度検出機構40は、回転中心線Lと同じ回転中心線を中心に回転する主回転部品41と、主回転部品41と連動して回転する副回転部品を構成する第1,第2副回転部品51,61と、各副回転部品51,61の回転角度である副回転角度としての第1,第2回転角度θ1,θ2(図4参照)に応じた検出信号としての第1,第2検出信号S1,S2を出力する回転角度センサを構成する第1,第2回転角度センサとしての第1,第2磁気抵抗素子71,72と、第1,第2磁気抵抗素子71,72による検出対象部である磁気発生部材としての磁石である第1,第2磁石81,82とを備える。互いに連動する主回転部品41および副回転部品51,61は、回転部品群Rを構成する。
【0027】
主回転部品41は、出力軸21に対して、該出力軸21と一体に回転するように設けられる。そのために、主回転部品41は、出力軸21に対して、軸線方向および周方向に移動不能に固定される。
なお、別の例として、主回転部品41は、出力軸21に対して、例えばセレーション結合により、軸線方向に移動可能に、周方向に移動不能またはほぼ移動不能に結合されてもよい。このとき、軸線方向での主回転部品41の移動を規制するためには、ストッパが設けられる。
【0028】
第1,第2副回転部品51,61は、出力軸21に固定されて設けられた主回転部品41に対して径方向外方に、周方向に間隔を置いて配置される。各副回転部品51,61は、ハウジング13に設けられた支持部である支持板17に軸受90を介して回転可能に支持され、その回転中心線L1,L2は、主回転部品41の回転中心線でもある回転中心線Lに平行である。
【0029】
軸受90は、支持板17に径方向での位置が調整可能に取り付けられて設けられるホルダ91,92に保持される。このため、各副回転部品51,61は、位置調整可能な調整部材であるホルダ91,92に軸受90を介して支持されるので、ホルダ91,92を通じて各副回転部品51,61を主回転部品41に向けて径方向に移動させることにより、主回転部品41に対して各副回転部品51,61を径方向内方に押し付ける押圧力(または、径方向で主回転部品41および各副回転部品51,61を互いに押し付ける押圧力)を高め、ひいては摩擦力を高めることが可能になって、径方向で互いに接触する主回転部品41の接触面42と各副回転部品51,61の接触面52,62との間での滑りの発生防止効果が高められる。
【0030】
主回転部品41と第1副回転部品51との間での回転(または、トルク)の伝達、および、主回転部品41と第2副回転部品61との間での回転(または、トルク)の伝達は、それぞれ、主回転部品41および第1副回転部品51の互いの接触面42,52同士の摩擦、および、主回転部品41および第2副回転部品61の互いの接触面42,62同士の摩擦により行われる。
各接触面42,52,62は、円板状の部材である各回転部品41,51,61の外周面であり、各回転中心線L,L1,L2を中心軸線とする回転面であり、さらに回転部品41,51;41,61同士の間で回転を伝達する回転伝達部である。
【0031】
各接触面42,52,62では、接触部T1;T2において互いに接触する接触面42,52;42,62同士の間での滑りを防止するために、摩擦係数が大きいこと、または発生する摩擦力が大きいことが好ましいことから、各接触面42,52,62は、高摩擦係数を有する摩擦面である。そのために、各接触面42,52,62は、例えば、粗面により形成され、または、各回転部品41,51,61において該接触面42,52,62を有する部位である外周部が少なくとも高摩擦係数の材料(例えば、ブレーキ装置に使用される高摩擦材料または摩擦係数が0.5以上の材料であり、以下、「高摩擦材料」という。)で形成されることで形成され、または、高摩擦材料の膜または層により形成される。
【0032】
第1,第2副回転部品51,61の外径は、主回転部品41の外径よりも小さく、第1副回転部品51の外径は第2副回転部品61の外径よりも小さい。ここで、各回転部品41,51,61の外径は、この実施形態では各接触面42,52,62の外径である。そして、各回転部品41,51,61において、各接触面42,52,62の外径は、主回転部品41,51,61に対する各副回転部品41,51,61の回転比である所定回転比を決める外径である。例えば、第1,第2副回転部品51,61は、主回転部品41の回転がA回であるとき、それぞれB回およびC回、それぞれ回転する外径に設定される。
ここで、A,B,Cは、互いに異なる整数(自然数)または整数以外の数であり、A<B<Cである。そして、主回転部品41に対する第1回転部品51の所定回転比は、B/Aであり、主回転部品41に対する第2回転部品61の所定回転比は、C/Aである。
【0033】
各接触面42,52,62の全体または一部は、回転中心線Lを中心軸線とするテーパ面Fである。そして、テーパ面Fを、その法線が径方向外方に向かうにつれて上方(軸線方向での一方向である。)に向いている第1テーパ面F1と、その法線が径方向外方に向かうにつれて下方(前記一方向とは反対方向であり、軸線方向での他方向である。)に向いている第2テーパ面F2とするとき、主回転部品41と副回転部品51,61とは、主回転部品41の接触面42が、第1テーパ面F1および第2テーパ面F2のうちの一方のテーパ面であるとき、副回転部品51,61の接触面52,62が、第1テーパ面F1および第2テーパ面F2のうちの他方のテーパ面で、互いに接触する。
【0034】
この実施形態において、各接触面42,52,62の全体または一部は、回転中心線Lに対する直交平面を対称面とする1対のテーパ面F1,F2から構成される。そして、接触面42,52,62の縦断面形状は、V字状凸形状またはV字状凹形状である。そして、主回転部品41と副回転部品51,61は、接触面42,52;42,62のテーパ面F1,F2において互いに接触する。ここで、縦断面形状とは、回転中心線Lを含む平面での断面形状である。
したがって、主回転部品41と各副回転部品51,61とは、主回転部品41の接触面42が、V字状凸形状およびV字状凹形状のうちの一方のV字状形状であるテーパ面F1,F2であるとき、副回転部品51,61の接触面52,62が、V字状凸形状およびV字状凹形状のうちの他方のV字状形状であるテーパ面F2,F1で、互いに接触する。
【0035】
図3に示されるように、各磁石81,82は、半円柱状のN極と半円柱状のS極とを有する円柱状の永久磁石から構成される。そして、図1,図2に示されるように、第1,第2副回転部品51,61とそれぞれ一体に回転する第1,第2磁石81,82は、その回転中心線が第1,第2副回転部品51,61の回転中心線L1,L2とそれぞれ一致するように、第1,第2回転部品51,61に固定されて設けられる。
【0036】
第1,第2磁気抵抗素子71,72は、軸線方向で第1,第2磁石81,82とそれぞれ対向して配置されるように第1ハウジング14に固定されて設けられる。磁気検出素子である各磁気抵抗素子71,72は、対応する各磁石81,82により形成される磁界の向きにより、異なる抵抗値を示す。
【0037】
図1を参照すると、回転角度検出手段49は、第1,第2磁気抵抗素子71,72から出力される検出信号S1,S2を処理して、出力軸21の回転角度である主回転角度、すなわち操舵角θを算出する算出手段であり、制御装置7に備えられる。
なお、別の例として、回転角度検出手段49は、制御装置7とは別個に、マイクロプロセッサを備えると共にハウジング13内に配置される制御装置の一部により構成されてもよい。この場合、回転角度検出装置4の全体をハウジング13内に収容することが可能になる。
【0038】
そして、操舵角θは、回転角度検出手段49により、以下のようにして検出される。
図1,図4を参照すると、各磁気抵抗素子71,72の電気抵抗値は磁界の方向に応じて変化することから、各磁気抵抗素子71,72には、各副回転部品51,61と一体に回転する各磁石81,82により、各副回転部品51,61の半回転(180°)毎の回転を1周期とする正弦波状に変化する抵抗値の変化が生じる。このため、各磁気抵抗素子71,72による電圧変化に対応して、180°を周期とする第1,第2検出信号S1,S2が得られる。
【0039】
回転角度検出手段49は、主回転部品41の回転角度(すなわち、操舵角θ)を算出しやすくするために、第1,第2磁気抵抗素子71,72から入力される正弦波状のそれぞれの前記第1,第2検出信号S1,S2を、図4に示されるように、各副回転部品51,61の1回転(360°)毎の回転を1周期とする鋸歯状の第1,第2二次検出信号S12,S22に変換する。
【0040】
そして、回転角度検出手段49は、第1,第2二次検出信号S12,S22に基づいて、ステアリングホイール10のA回の回転に対応する出力軸21のA回の回転での直線状の回転角度用検出信号Sに変換することにより、操舵角θが検出される。なお、図4では、前記回転のA,B,Cが整数である場合の例が示されている。
【0041】
この回転角度用検出信号Sは、例えば、主回転角度の原点(図4では、「0」で示される。)からの第1二次検出信号S12の第1積算値S13(図4に太い二点鎖線で一部が示される。)から第2二次検出信号S22の第2積算値S23(図4に細い二点鎖線で一部が示される。)を減算することにより、出力軸21の回転、すなわちステアリングホイール10の回転に比例する信号として得られる。ここで、第1,第2積算値S12,S23は、第1,第2回転角度θ1,θ2にそれぞれ相当する。
そして、操舵角θに相当する回転角度用検出信号Sが、第1,第2二次検出信号S12,S22の減算により算出されることから、各磁気抵抗素子71,72の第1,第2検出信号S1,S2に対する温度の影響を相殺できるので、操舵角θの検出精度を高めることができる。
なお、ステアリング装置1においては、図4に示されるように、操舵角θ(主回転角度)の回転角度範囲での中央位置としての720°の回転角度が、ステアリングホイール10の中立位置に対応する基準回転角度になるように設定される。
【0042】
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
回転角度検出装置4は、ステアリング装置1の回転軸である出力軸21に設けられると共に回転中心線Lを中心に出力軸21と一体に回転する主回転部品41と、所定回転比で主回転部品41と連動して回転する第1,第2副回転部品51,61と、第1,第2副回転部品51,61の第1,第2回転角度θ1,θ2に応じた第1,第2検出信号S1,S2を出力する第1,第2磁気抵抗素子71,72と、第1,第2検出信号S1,S2に基づいて操舵角θを検出する回転角度検出手段49とを備え、主回転部品41と第1,第2副回転部品51,61との間での回転の伝達は、主回転部品41および第1,第2副回転部品51,61の接触面42,52;42,62同士の摩擦により行われる。
【0043】
この構造により、主回転部品41および第1,第2副回転部品51,61間の回転の伝達が、互いに接触する主回転部品41の接触面42と第1,第2副回転部品51,61の接触面52,62との間の摩擦により行われる。このため、主回転部品41および第1,第2副回転部品51,61間の所定回転比が設定された状態で、主回転部品41および第1,第2副回転部品51,61の各接触面42,52,62(すなわち、各回転伝達部)の外径の設定の自由度、したがって主回転部品41および副回転部品51,61から構成される回転部品群Rの設計の自由度を、周方向または回転方向で所定幅を有する回転伝達要素の整数倍とする制約がある場合(仮に、主回転部品41および第1,第2副回転部品51,61が歯車で構成される場合)に比べて、大きくすることができる。この結果、回転部品群Rの配置の自由度が大きくなり、また回転部品群Rの小型化が容易になる。
【0044】
また、副回転部品が、接触面52,62の外径が異なる少なくとも2つの第1,第2副回転部品51,61から構成される場合にも、主回転部品41および各副回転部品51,61間での回転の伝達が摩擦により行われるので、出力軸21および主回転部品41に対する第1,第2副回転部品51,61の配置の自由度が大きくなる。さらに、各副回転部品51,61の接触面52,62の外径の設定の自由度が、仮に第1,第2副回転部品51,61が歯車で構成される場合に比べて、大きくなって、回転部品群Rの小型化が容易になる。
【0045】
各回転部品41,51,61の各接触面42,52,62は、回転中心線Lを中心軸線とするテーパ面Fであることにより、回転中心線Lに平行な軸線方向での接触面42,52,62の幅を小さくすることによる軸線方向での各回転部品41,51,61の小型化を可能としながら、接触面42,52,62の面積を大きくすることができるので、互いに接触する接触面42,52;42,62間での滑りを防止するための摩擦力の確保が容易になり、また接触圧力を低下させることができる。この結果、接触面42,52;42,62間での滑りが防止されるので、操舵角θの検出精度が向上する。また、接触面42,52,62での摩耗の発生を抑制できて、第1,第2回転角度θ1,θ2および操舵角θを良好な精度で検出できる期間を長期化できる。
【0046】
各接触面42,52,62の、回転中心線Lを含む平面での断面での縦断面形状は、1対のテーパ面F1,F2により形成されるV字状凸形状またはV字状凹形状である。この構造により、V字状凸形状の接触面52,62とV字状凹形状の接触面42とが接触するので、主回転部品41と各副回転部品51,61との軸線方向での相対的な位置ズレを、接触面42,52;42,62同士の接触のみで防止できる。この結果、前記位置ズレを防止するための専用の部材が不要になり、回転角度検出装置4の構造を簡単化することができ、また回転角度検出装置4を小型化できる。
【0047】
回転角度検出装置4においては、出力軸21および主回転部品41に対する第1,第2副回転部品51,61の配置の自由度が大きく、また回転部品群Rの配置の自由度が大きいので、トルク検出装置5が収容されるハウジング13を備えるステアリング装置1において、ハウジング13を大型化することなく、該ハウジング13内に回転角度検出装置4を収容させることができる。
【0048】
以下、図5〜図7を参照して、前記実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。なお、前記実施形態の部材等と同一の部材等または対応する部材等については、必要に応じて同一の符号が使用されている。
【0049】
図5,図6を参照すると、主回転部品41および各副回転部品51,61は、単一のテーパ面F1またはテーパ面F2からなる接触面42,52;42,62同士で接触する。
より具体的には、図5を参照すると、各回転中心線L1,L2は、回転中心線Lに平行であり、主回転部品41の接触面42が、第1テーパ面F1および第2テーパ面F2のうちの一方のテーパ面であるとき、各副回転部品51,61の接触面52,62が、第1テーパ面F1および第2テーパ面F2のうちの他方のテーパ面で、互いに接触する。図5には、主回転部品41の接触面42が、第2テーパ面F2であり、各副回転部品51,61の接触面52,62が、第1テーパ面F1である例が示されている。
【0050】
図6を参照すると、各回転中心線L1,L2は、回転中心線Lを含む平面であって異なる平面上、または同一の平面上で、回転中心線Lと交差する位置にある。そして、主回転部品41の接触面42は、主回転部品41の外周面48bであると共に、第1テーパ面F1または第2テーパ面F2であり、各副回転部品51,61の接触面52,62は、各回転中心線L1,L2を中心軸線とするテーパ面Fである。図6には、主回転部品41の接触面42が、第1テーパ面F1である例が示されている。
ここで、軸受90を保持するホルダは、軸線方向で主回転部品41および各副回転部品51,61を互いに押し付ける押圧力が作用するように、軸線方向に位置調整可能にハウジング13(図1参照)に設けられる支持部(図示されず)に取り付けられて設けられる。
なお、図6に示される変形例において、接触面42は、主回転部品41の外周面48bよりも径方向内方で、かつ軸線方向での端面(上端面48bまたは下端面48c)に形成されてもよい。
【0051】
図5,図6に関連する変形例によれば、前記実施形態において接触面42,52,62がV字状形状を形成することに関する作用効果を除いて、前記実施形態と同様の作用および効果が奏される。
また、図6に関連する変形例によれば、主回転部品41および第1,第2副回転部品51,61から構成される回転部品群Rを、前記実施形態に比べて、径方向で小型化できる。
【0052】
また、図7を参照すると、図2に示される第1,第2副回転部品51,61の接触面52,62が主回転部品41の接触面42にそれぞれ接触するように、第1,第2副回転部品51,61が主回転部品41に対して並列に配置される例とは異なり、第1,第2副回転部品51,61が主回転部品41に対して直列に配置される。この場合、第1副回転部品51の接触面52が主回転部品41の接触面42に接触する一方、第2副回転部品61の接触面62は、接触面42に接触することなく、第1副回転部品51の接触面52に接触する。
この変形例によれば、第1,第2副回転部品51,61を周方向でコンパクトに配置することができる。
【0053】
図5,図6に示されるように、回転角度検出装置4は、接触面42,52;42,62同士の接触部T1,T2において、接触面42,52;42,62同士を互いに押圧させる押圧部材としての付勢部材である主弾発部材45(例えば、バネ)および副弾発部材55,65(例えば、バネ)の少なくとも一方を備えていてもよい。なお、主弾発部材45が設けられる場合、主回転部品41は、例えばセレーション結合により、出力軸21に対して、軸線方向に移動可能に、周方向には、出力軸21と一体に回転するように移動不能またはほぼ移動不能に結合される。
【0054】
この変形例によれば、回転角度検出装置4が、接触面42,52;42,62同士の接触部T1,T2において、接触面42,52;42,62同士を互いに押圧させる弾発部材45,55,65を備えることから、該弾発部材45,55,65により接触部T1,T2において接触面42,52;42,62同士が互いを押圧するので、その分、接触面42,52;42,62同士の間での摩擦力が大きくなる。この結果、接触面42,52;42,62同士の間での滑りの発生防止効果が向上して、各副回転部品51,61の回転角度θ1,θ2および操舵角θの検出精度が向上する。
【0055】
主回転部品41は、出力軸21以外に、入力軸20、ステアリング軸11など、ステアリング装置1の構成部材であって、ステアリングホイール10と1対1の対応関係で回転する回転部材に設けられてもよい。
磁気検出素子は、磁気抵抗素子71,72以外の素子、例えばホール素子またはコイルであってもよい。また、回転角度センサは、磁気検出素子以外のセンサ、例えば光の透過・遮断を検出する光検出センサであってもよい。
各副回転部品51,61の回転角度を検出する回転角度センサが、図4に示される二次検出信号S12,S22を検出信号として出力してもよい。
各接触面42,52,62は、テーパ面Fでなく、円柱面であってもよい。
回転部品群Rにおいて、副回転部品は、主回転部品41と連動して回転する1つの回転部品から構成されてもよい。
副回転部品の接触面の外径は、主回転部品の接触面の外径よりも大きくてもよい。
各接触面42,52,62において、接触部T1,T2における径方向での力(以下、「径方向力」という。)を、各テーパ面F1,F2に垂直な分力に分解したとき、該分力が径方向力よりも大きくなる楔効果を発揮できるように、1対のテーパ面F1,F2により形成される角度を小さくすることにより、接触面42,52;42,62同士の間で作用する摩擦力が大きくなる。この結果、接触面42,52;42,62同士の間での滑りの発生防止効果が向上して、第1,第2回転角度θ1,θ2および操舵角θの検出精度が向上する。
補助力発生装置6は、電動式以外に、油圧式のものであってもよい。また、ステアリング装置1は、補助力発生装置6を備えていなくてもよい。
主回転部品は、駆動回転部品としての1つの副回転部品により回転駆動される被動回転部品であってもよい。この場合、主回転部品が設けられた回転部材が被動回転部材となる。
回転角度検出装置4を備える機械は、ステアリング装置1以外のものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ステアリング装置
4 回転角度検出装置
5 トルク検出装置
10 ステアリングホイール(ステアリング操作部材)
13 ハウジング(センサハウジング)
21 出力軸
41 主回転部品
42,52,62 接触面
49 回転角度検出手段
51,61 副回転部品
71,72 磁気抵抗素子(回転角度センサ)
81,82 磁石
45,55,65 弾発部材(押圧部材)
θ 操舵角(回転角度)
θ1,θ2 回転角度
F,F1,F2 テーパ面
T1,T2 接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材に設けられると共に回転中心線を中心に前記回転部材と一体に回転する主回転部品と、前記主回転部品に対して所定回転比で前記主回転部品と連動して回転する副回転部品と、前記副回転部品の回転角度に応じた検出信号を出力する回転角度センサと、前記検出信号に基づいて前記回転部材の回転角度を検出する回転角度検出手段とを備える回転角度検出装置において、
前記主回転部品と前記副回転部品との間での回転の伝達は、前記主回転部品および前記副回転部品の接触面同士の摩擦により行われることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転角度検出装置において、
前記副回転部品は、第1副回転部品と、前記第1副回転部品の前記接触面の外径とは異なる外径の前記接触面を有する第2副回転部品とであり、
前記副回転部品の前記回転角度は、前記第1副回転部品の第1回転角度と、前記第2副回転部品の第2回転角度とであり、
前記回転角度センサは、前記第1回転角度に応じた前記検出信号である第1検出信号を出力する第1回転角度センサと、前記第2回転角度に応じた前記検出信号である第2検出信号を出力する第2回転角度センサとであることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回転角度検出装置において、
前記接触面はテーパ面であることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の回転角度検出装置において、
前記各接触面の、前記回転中心線を含む平面での縦断面形状は、1対の前記テーパ面により形成されるV字状凸形状またはV字状凹形状であることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、
前記接触面同士の接触部において、前記接触面同士を互いに押圧させる押圧部材を備えることを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の回転角度検出装置と、ステアリング操作部材による操舵トルクを検出するトルク検出装置と、センサハウジングとを備えるステアリング装置において、
前記回転部材の前記回転角度は、前記ステアリング操作部材の操作に基づく操舵角であり、
前記回転角度検出装置は、前記トルク検出装置と共に前記センサハウジング内に収容されることを特徴とするステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−108063(P2012−108063A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258477(P2010−258477)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000146010)株式会社ショーワ (715)
【Fターム(参考)】