説明

回転電機、及び歯科用又は医療用のハンドピース

【課題】本発明の目的は、医療用途に利用可能で、効率が高い回転電機を提供することである。
【解決手段】回転電機において、外周に複数の磁極を周方向に配列してなる永久磁石45と、永久磁石45とエアーギャップを介して対向した位置に円筒胴部42を有するコイル装着部材41と、所定方向に巻回されたコイルを所定方向に倒した平板状コイルであり、平板状コイルが円環状となるように円筒胴部42の外周部に固定された円筒型コイル44と、円筒型コイル44の外周部と対向した位置に磁性材料からなるヨーク43と、前記ヨーク43を内周側に備える外装部材50とを備え、円筒型コイル44は、コイル装着部材41と外装部材50とで構成された密閉空間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器や精密測定装置などに利用される円筒型コイルを用いたコアレスタイプのモータ、または発電機とされる回転電機、及び回転電機を備えた歯科用又は医療用のハンドピースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療機器、特に外科手術や歯科医療等の現場で用いられる医療機器は、細菌、ウィルス等が当該機器を介して患者に感染することを防止するために、使用の前後に例えば高温加圧蒸気による滅菌処理が施される。従って、上記医療機器に組み込まれるモータは小型化を図りつつ高温加圧蒸気に耐え得る構成にする必要がある。これに対応するものとして、永久磁石の外周面と隙間を介して対向配置されるケースの間に複数の空芯コイルを配置し、空芯コイルの内周側にシートを備えることにより空芯コイルを空気と遮断する、または、空芯コイルを樹脂でモールドするモータが知られている(特許文献1)。
【0003】
このモータは、空芯コイル内周側のシートが薄肉のため、永久磁石とケースの隙間を小さくできて、大きなトルクを発生することができる。
【0004】
一般に、モータは、高トルクの発生を目的に、このコイルに鎖交する磁束を多くするように形成するため、永久磁石とヨークとの隙間を小さく設定する必要がある。つまり、永久磁石とヨークとの隙間を小さくして永久磁石の磁束密度を大きく保ち、隙間における有効磁束が多くなるようにする。それによって、モータの発生トルクが大きくなって、モータのエネルギー効率が高くなる。逆に、隙間が大きいと、コイルに鎖交する永久磁石の磁束が少なくなり、モータの発生トルクが小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−180457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のモータは、図9に示すように、シートの外周面に複数の空芯コイルが周方向に並んで取り付けられ、空芯コイルはシートで覆われて外気と遮断されている。滅菌処理のための高温環境下ではシートで覆われた内部の空気が膨張してシートが変形してしまう。また、空芯コイルは、自己融着線が略短形の空芯状に巻回されて形成されており、コイル部102と空芯部103からなる複数の空芯コイル101が周方向に配列されている。また、空芯コイル101は、空芯部103の空間、及び1つのコイル部102と他のコイル部102との間に空間がある。このため、空芯コイルを樹脂でモールドした場合は、樹脂層が空芯コイルのコイル部で薄く、空芯部、及び1つのコイル部と他のコイル部の間は厚くなってしまう。そのため、モータが高温加圧蒸気の雰囲気中に放置されて、樹脂が膨潤すると、樹脂の厚いところほど体積が大きく膨張してシートを変形させてしまう。そのため、シートの変形によって、シートと永久磁石が接触してしまうという問題がある。
【0007】
また、シートが変形しても永久磁石に接触しないようにするためには、シートの肉厚を厚くして変形を防止するか、またはシートと永久磁石の空隙を広くする必要がある。これにより、永久磁石とヨークの隙間が大きくなって、磁石の磁界内の磁束が小さくなり、モータの発生トルクが小さくなってしまうという問題がある。
【0008】
また、複数の空芯コイルを周方向に配置するため、各コイルの配置ピッチにばらつきが生じる。そのため、励磁するタイミングがずれてモータの発生トルクが小さくなってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、高温加圧蒸気による滅菌処理を行っても利用可能で、エネルギー効率を高くすることができる回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る回転電機は、外周に複数の磁極を周方向に配列してなる永久磁石と、前記永久磁石とエアーギャップを介して対向した位置に円筒胴部を有するコイル装着部材と、所定方向に巻回されたコイルを前記所定方向に倒した平板状コイルであり、前記平板状コイルが円環状となるように前記円筒胴部の外周部に固定された円筒型コイルと、前記円筒型コイルの外周部と対向した位置に備えられた磁性材料からなるヨークと、前記ヨークを内周側に備える外装部材と、を備え、前記円筒型コイルは、前記コイル装着部材と外装部材とを備えた密閉空間に配置されていることを特徴とする。
【0011】
コイルが密閉空間に配置され、かつ密閉空間の体積が大きい場合、滅菌処理の高温により空気が膨張して、コイル装着部材が変形や破損をしてしまう。
【0012】
しかし、本発明の円筒型コイルは多角形状に巻いたコイルを円筒状に一様に配列しており、空芯コイルよりも巻線を密に巻くことができるので、コイルの径方向厚みを薄くできる。そのため、コイルの密閉空間の体積が小さくできて、空気の膨張によるコイル装着部材の変形や破損を防止できる。また、コイル装着部材の変形を防止できるので、コイル装着部材の円筒胴部の厚みを薄くすることができる。したがって、永久磁石とヨークの隙間を小さくできて、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0013】
また、円筒型コイルは、空芯コイルよりコイルの電線数を多くすることができる。そのため、円筒型コイルは、径方向に電線を重ねる電線の層が少なくても、必要なコイル電線数を配置することができる。
【0014】
また、本発明に係る回転電機は、前記密閉空間が、少なくとも前記円筒型コイルを覆う範囲に樹脂が充填されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の構成により、密閉空間の空気を少なくできるため、滅菌処理の高温により空気が膨張しても円筒胴部の変形や破損を防止することができる。また、円筒胴部の変形を防止できるので、円筒胴部の厚みを薄くすることができる。したがって、永久磁石とヨークの隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0016】
また、密閉空間に隙間が生じて滅菌処理の高圧蒸気が空芯コイルを覆う樹脂部に侵入した場合、従来技術では、空芯コイルにモールドされた樹脂部は径方向に厚みが一様でないため、空芯コイルの変形や破損を生じる問題がある。
【0017】
しかし、本発明の円筒型コイルは、コイルの厚みが一様であるため、充填された樹脂の厚みも一様になり、樹脂が膨潤した場合に円筒胴部の変形や破損を防止することができる。さらに、円筒胴部の変形を防止できるので、円筒胴部の厚みを薄くすることができる。したがって、永久磁石とヨークとの隙間を小さくできて、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0018】
また、本発明に係る回転電機は、前記円筒型コイルが、多角形状の巻枠に巻回した巻線を巻枠巻方向に倒して平板状にした後、前記コイル装着部材の前記円筒胴部の外周部に巻き付けて円筒型に成形されたものであり、前記円筒型コイルは、永久磁石の長手方向に沿う直線導体部を備えることを特徴とする。
【0019】
ここで、円筒型コイルについて説明する。円筒型コイルは、1ターンが多角形状をした巻線を円筒型に配列したコイルであり、大別して以下の3つがある。
(1)亀甲巻(図3(a))
(2)菱形巻(図3(b))
(3)ハネカム巻(図3(c))
亀甲巻は、巻線が自己融着線から形成され、加熱等によって巻線の被膜同士が融着固着されて形成される。亀甲巻は円筒軸上に巻線の一部が揃うので、トルクの発生に寄与する円筒軸方向の直線導体部が円筒の巻線の中央部に存在し、磁極の受ける力が有効に回転トルクに働く。そのため、亀甲巻は3つの巻線方式で一番効率が良いとされている。
【0020】
一方、菱形巻はトルクに寄与する円筒軸方向の直線導体部がなく、全体が傾斜した導体部となっているので、巻線の利用効率が亀甲巻に比べて悪い。そのため、菱形巻は高効率化に際しては、あまり好ましい巻線工法ではない。
【0021】
また、ハネカム巻は菱形巻と同様にトルクに寄与する円筒軸方向の直線導体部がなく、亀甲巻に比べて巻線の利用効率が悪い。
【0022】
以下に、従来の亀甲巻の円筒型コイル作成方法について、図4から図7を参照して説明する。
【0023】
図4は巻回作業について説明する図である。六角形の巻枠61に整列の巻線62を巻回し、巻枠61に巻回した状態で、巻崩れ防止のためにテープ63で仮固定する。その状態で、その六角形の巻枠61から抜き取る。
【0024】
図5は平板状作業について説明する図である。巻枠61から抜き取った巻線62の六角形の一対の対向面を巻枠軸方向に倒して、平板状にする。
【0025】
図6はカーリング作業について説明する図である。平板状にした巻線をカーリング棒64に巻き付ける。その際カーリング成形した外周にテープを巻き付ける。
【0026】
図7はアニール作業について説明する図である。カーリング棒64を取り外した円筒型コイル65を加熱し、円筒成形治具で円筒型コイル65をプレスして円筒度が良くなるように整形する。巻線は自己融着線を使用しているので、加熱することで巻線同士が融着して巻崩れしない。
以上の工程によって亀甲巻の円筒型コイルが作成される。
【0027】
本発明において、従来行っていたカーリング作業とアニール作業を廃止して、多角形状の巻枠に巻回した巻線を巻枠巻方向に倒して平板状にした後、コイル装着部材の円筒胴部に巻き付けて円筒形状を形成している。そのため、あらかじめ円筒形状に形成した円筒型コイルを円筒胴部に挿入するよりも、円筒胴部と円筒型コイルの隙間が小さくできる。さらに、円筒胴部の円筒形状に倣ってコイルを成形するため、コイルの円筒形状を高精度に形成することができ、円筒胴部外周面とヨークとの隙間を小さく設定することができる。したがって、永久磁石とヨークとの隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。また、多くの手間が掛かって作業性が悪かった円筒型コイルの加工の手間を一部省略することができる。
【0028】
また、本発明に係る回転電機は、前記コイル装着部材が、円筒軸上の端部の径方向の厚さが、前記円筒胴部の径方向の厚さより厚いことを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係る回転電機は、前記コイル装着部材が、前記円筒胴部の円筒軸上の端部に前記円筒胴部の外径よりも大径の外径大径部を備えていることを特徴とする。
【0030】
本発明の構成により、円筒胴部を変形させる応力に対して円筒胴部の変形量を小さくすることができるため、円筒胴部が薄肉であっても変形を抑制することができる。また、円筒胴部の変形が抑制されるため、永久磁石外周面と円筒胴部内周面との隙間、および円筒胴部外周面とヨーク内周面との隙間を小さくできる。したがって、永久磁石とヨークとの隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0031】
また、本発明に係る回転電機は、前記ヨークが、前記ヨークの半径方向長さが前記円筒胴部の半径方向長さよりも長く設定されていることを特徴とする。
【0032】
また、本発明に係る回転電機は、前記円筒型コイルの内周側に前記円筒胴部が配置されるとともに、前記円筒型コイルの外周側に前記ヨークが配置されることにより、前記円筒型コイルが前記円筒胴部及び前記ヨークにより挟持されていることを特徴とする。
【0033】
本発明の構成により、半径方向長さが長いヨークは、円筒胴部を変形させる応力に対して変形量を小さくできる。そのため、円筒胴部が薄肉であっても、円筒胴部の変形を抑制することができる。また、円筒胴部の変形が抑制されるため、永久磁石外周面とコイル装着部材の円筒胴部内周面との隙間、およびコイル装着部材の円筒胴部外周面とヨーク内周面との隙間を小さくできる。したがって、永久磁石とヨークとの隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0034】
また、本発明に係る回転電機は、前記コイル装着部材が、樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係る回転電機は、前記コイル装着部材が、曲げ弾性率が5000MPa以上の樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0036】
本発明の構成により、コイル装着部材が樹脂であるため、永久磁石の磁束を遮ることなくコイルに鎖交させることができる。また、コイル装着部材の曲げ弾性率が5000MPa以上の場合、加工時の変形が防止されて高精度に加工できる。そのため、永久磁石外周面とコイル装着部材内周面の隙間、およびコイル装着部材外周面とヨーク内周面の隙間を小さくできる。また、コイル装着部材は切削加工で薄肉に加工できる。したがって、永久磁石とヨークとの隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0037】
また、本発明に係る回転電機は、前記外装部材が、樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0038】
また、本発明に係る回転電機は、前記外装部材が、曲げ弾性率が5000MPa以上の樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0039】
本発明の構成により、外装部材が樹脂であるため、漏れ電流を防ぐことができる。また、外装部材の曲げ弾性率が5000MPa以上の場合、加工時の変形が防止されて高精度に加工できる。また、薄肉に加工できる。そのため、回転電機を小型軽量にすることができる。
【0040】
また、本発明に係る回転電機は、前記永久磁石が、回転可能な軸に取り付けられており、前記軸の前記永久磁石と異なる位置に配置された軸受を備え、前記軸受の外周面が、前記コイル装着部材から離間して配置された軸受保持部材の内周面に当接していることを特徴とする。
【0041】
本発明の構成により、円筒型コイルに鎖交する永久磁石からの磁束が軸受に漏れ回ることがないため、円筒型コイルに鎖交する磁束が減少することがなく、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0042】
また、本発明に係る回転電機は、前記永久磁石が、回転可能な軸に取り付けられており、前記軸の前記永久磁石と異なる位置に配置された軸受を備え、前記軸受の外周面が、前記コイル装着部材の内周面、または前記コイル装着部材の内周側に配置された軸受保持部材の内周面に当接していることを特徴とする。
【0043】
本発明の構成により、永久磁石とコイル装着部材を精度良く同軸に配置することができる。そのため、永久磁石の外周面とコイル装着部材の内周面との隙間を小さくすることができる。したがって、永久磁石とヨークとの隙間を小さくできるため、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0044】
また、本発明に係る回転電機は、前記永久磁石が、回転可能な軸に取り付けられており、前記軸の前記永久磁石と異なる位置に配置された2つの軸受を備え、一方の前記軸受の外周面が、前記コイル装着部材の内周面、またはコイル装着部材の内周側に配置された軸受保持部材の内周面に当接しているとともに、他方の前記軸受の外周面が、前記コイル装着部材から離間して配置されている軸受保持部材の内周面に当接していることを特徴とする。
【0045】
本発明の構成により、一方の軸受によって永久磁石とコイル装着部材との同軸を高精度に配置させて、永久磁石の外周面とコイル装着部材の内周面との隙間を小さく保つことができる。また、他方の軸受はコイル装着部材から離間した位置に配置することにより、永久磁石の磁束を軸受に漏れ回ることを防止して、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0046】
また、本発明に係る回転電機は、前記軸受が、前記軸の端部に配置されていることを特徴とする。
【0047】
本発明の構成により、回転電機で発生する振動を小さくすることができるとともに、軸受に荷重が配分されて軸受の寿命を長くすることができる。
【0048】
また、本発明に係る回転電機は、前記軸の前記永久磁石及び前記軸受と異なる位置に配置されたタービン羽根と、前記円筒型コイルと電気的に接続された発光部品と、前記タービン羽根を回転させる流体を供給する給気管と、を備えることを特徴とする歯科用又は医療用のハンドピースに用いることができる。
【0049】
本発明に係る歯科用又は医療用のハンドピースは、上述した回転電機を備えているので、エネルギー効率が高く、ハンドピースの発光部品の照度を上げることができる。また、ハンドピース自体の低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明に係る回転電機によれば、コイルの密閉空間の体積が小さくできて、空気の膨張によるコイル装着部材の変形や破損を防止できる。また、コイル装着部材の変形を防止できるので、コイル装着部材の円筒胴部の厚みを薄くすることができる。したがって、永久磁石とヨークの隙間を小さくできて、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る回転電機を歯科治療用ハンドピースに組み込んだ概略断面図である。
【図2】本発明の回転電機の断面図である。
【図3】円筒型コイルの巻線方法を示す図である。
【図4】亀甲巻コイルの巻枠に巻回した巻線の状態を示す図である。
【図5】亀甲巻コイルの平プレスした平フォーミングコイルの図である。
【図6】亀甲巻コイルの平フォーミングコイルを治具の棒にカーリングした状態を示す図である。
【図7】亀甲巻コイルを円筒に成形する、円筒成形治具とカーリングしたコイルを示す図である。
【図8】本発明の回転電機の断面図である。
【図9】空芯コイルを円周方向に配置した図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の一実施形態に係る回転電機、および歯科治療用ハンドピースの実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
【0053】
図1に示すように、歯科治療用ハンドピース1は、治療用工具22を軸線L回りに回転駆動する工具用タービン21と、該工具用タービン21を回転自在に保持するヘッド部2と、操作者によって把持される把持部3と、から構成される。
【0054】
把持部3は、後端部に給気管56および給水管57が前方に延びている。後段ハウジング38内には、回転電機40が備えられている。また、本実施形態において、回転電機40は、発電機として用いられている。なお、本実施形態において、回転電機は、歯科治療用ハンドピースに備えられる形態を示したが、これに限定されず、他の形態にも用いることができる。
【0055】
回転電機40の円筒軸中心には、軸受47,48により回転自在に支持された軸46が備えられている。また、軸受48は、前段ハウジング39側に配置された軸受保持部材54に保持されている。また、軸受47は、コイル装着部材41に嵌合される軸受保持部材53に保持されている。また、軸受48及び軸受47は永久磁石の磁束の影響を受けないものが好ましい。この場合、例えば銅を主成分とする含油軸受などが好ましい。また、軸46の外周面に永久磁石45が備えられている。また、永久磁石45とエアーギャップを介してコイル装着部材41が配置されている。コイル装着部材41の外周面に円筒型コイル44が備えられている。また、円筒型コイル44の外周と対向した位置にヨーク43が備えられている。また、軸46の前方には発電用タービン羽根37が設けられている。なお、図1において、軸受47,48の間に発電用タービン羽根37と永久磁石45が設けられているが、発電用タービン羽根37は、必ずしも軸受47、48の間になくてもよい。この場合、発電用タービン羽根37は、軸46において永久磁石45と軸受47,48とを配置された位置と異なる位置に配置されていればよい。例えば、発電用タービン羽根37は、軸46において軸受48よりも外側の方に配置されていてもよい。
【0056】
給気管56から供給されてきた空気流は、前段ハウジング39に設けられた導入ノズルで空気が絞られて発電用タービン37に導入され、軸46を回転させる。軸46の外周面に備えられた永久磁石45は、軸と一体となって回転し、円筒型コイル44に誘起電圧を発生させる。円筒型コイル44に発生した電圧は、端子ピン49を介して電線32を通ってLED31につながり、LED31を点灯させることができる。
【0057】
発電用タービン羽根37に導入された空気などの流体は、タービン前方に排出され、エアー通路33を通って工具用タービン21に導入されて、治療用工具22を回転させる。
【0058】
図2は図1に示す回転電機40の断面図である。図2に示すように、回転電機40は、円筒軸中心に軸46を備えている。また、軸46の外周面に永久磁石45が回転可能に設けられている。また、軸受47及び軸受48は、軸46において永久磁石45と異なる位置に配置されている。本実施例の場合、軸受47及び軸受48は、軸46において永久磁石45より端部側に配置されている。
【0059】
軸受47の外周面は、コイル装着部材41の内周側に配置された軸受保持部材53の内周面に当接している。この場合、軸受47の外周面がコイル装着部材41の内周側に配置された軸受保持部材53の内周面に当接しているため、永久磁石45とコイル装着部材41を精度良く同軸に配置することができ、永久磁石45の外周面とコイル装着部材41の内周面との隙間を小さくできる。したがって、永久磁石45とヨーク43との隙間を小さくできるため、回転電機40のエネルギー効率を高くすることができる。なお、軸受47は、必ずしも軸受保持部材53の内周面に当接している必要はなく、コイル装着部材41の内周面に直接当接されていれてもよい。
【0060】
軸受48の外周面は、コイル装着部材41から離間して配置された軸受保持部材54の内周面に当接している。すなわち、軸受48は、コイル装着部材41の内周面の外部に配置されている。この場合、軸受48は、軸46において永久磁石45から離間して配置されているため、円筒型コイル44に鎖交する永久磁石45からの磁束が軸受に漏れ回ることがない。そのため、円筒型コイル44に鎖交する磁束が減少して誘起電圧が小さくならず、回転電機40のエネルギー効率を高くすることができる。
【0061】
また、軸受47,48は、軸46の軸方向の端部に配置されている。これにより、回転電機40で発生する振動を小さくすることができるとともに、軸受48と軸受47に荷重が配分されて軸受の寿命を長くすることができる。
【0062】
なお、軸受47,48の配置は上記に限定される必要はない。例えば、軸受47及び軸受48の外周面が、コイル装着部材41の内周面、またはコイル装着部材41の内周側に配置された軸受保持部材53の内周面のいずれかに当接していてもよい。この場合、発電用タービン羽根37は、必ずしも軸受47、48の間になくてもよい。また、軸受47及び軸受48の外周面は、コイル装着部材41から離間して配置された軸受保持部材54の内周面に当接していてもよい。また、軸受47,48が軸46の軸方向の端部に配置されていなくてもよい。これらの場合においても、円筒型コイル44がコイル装着部材41の円筒胴部42の外周面に固定されているため、円筒型コイル44と永久磁石45の接触を防止するとともに、円筒型コイル44の変形を防止できるため、永久磁石45の外周面と円筒型コイル44の内周面の隙間、および円筒型コイル44の外周面とヨーク43の内周面の隙間を小さくできる。したがって、これらの場合においても、永久磁石45とヨーク43との隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができるという効果が得られる。また、軸46は、発電用タービン羽根37と異なる方法で回転させてもよい。
【0063】
永久磁石45はSm−Co焼結の異方性磁石で2極の着磁がされている。また、永久磁石45はNd−Fe−B磁石を用いてもよい。また、永久磁石45は、焼結磁石ではなく、ボンド磁石を用いてもよい。また、永久磁石45は、等方性磁石を用いてもよい。また、永久磁石45は、2極以上の複数の極で構成されていてもよい。
【0064】
また、永久磁石45の外周にはエアーギャップを介してコイル装着部材41が配置されている。コイル装着部材41は、永久磁石45と対向する部分に円筒胴部42を有しており、円筒胴部42の外周面に円筒型コイル44が固定されている。また、円筒胴部42の厚さは、強度が確保でき、かつ薄いことが好ましい。この場合、円筒胴部42の厚さは、例えば0.3mmが好ましい。なお、円筒胴部42の厚さは、上記に限定されず、0.1mm以上0.5mm以下の厚さでもよい。また、コイル装着部材41は樹脂(PPS(polyphenylene sulfide)など)で成形されている。この場合、コイル装着部材は、曲げ弾性率が5000MPa以上の樹脂で成形されることが好ましい。コイル装着部材41の端部には端子ピン49が備えられている。さらに、端子ピン49の一端部に界磁コイルの端末線が取り付けられている。
【0065】
円筒型コイル44の外周側と対向する位置にヨーク43が備えられている。ヨーク43は、永久磁石の磁極同士を磁気的に接続するもので、電磁鋼鈑などの磁性の薄板を積層して構成されている。なお、ヨーク43は、例えば単一鋼塊の磁性材料で形成されてもよい。
【0066】
ヨーク43の外周側に外装部材50が備えられている。また、ヨーク43と外装部材50とは例えば接着剤などで固定することができる。
【0067】
外装部材50は、両端が開口した円筒形状を有している。また、外装部材50の両側端部には、コイル装着部材41が接合されている。外装部材50は、樹脂(PPS(polyphenylene sulfide)など)で成形されてもよい。この場合、外装部材50は、曲げ弾性率が5000MPa以上の樹脂で成形することができる。これにより、漏れ電流を防ぐことができる。なお、外装部材50は、例えば磁性材料、金属で構成されていてもよい。
【0068】
コイル装着部材41には図示しない孔が設けられていて、孔からコイル装着部材41と外装部材50とで囲まれた内部にエポキシ接着剤などの樹脂を充填させることができる。
【0069】
ここで、円筒型コイル44の作成方法について説明する。六角形の巻枠に整列の巻線を巻回した後、巻線は巻枠に巻回した状態で、巻崩れ防止のためにテープで仮固定する。その状態で、巻線をその六角形の巻枠から抜き取った後、巻枠から抜き取った巻線の六角形の一対の対向面を巻枠軸方向に倒して平板状にする。さらに、平板状にした状態の巻線は、円筒胴部42に巻き付けて、外周をテープで固定される。なお、平板状にした状態の巻線は、円筒胴部42に巻きつけた後、外周を接着剤で固定してもよい。さらに、円筒胴部42と円筒型コイル44の内周面のほぼ全面とが接着剤で固着されてもよい。この場合、振動や衝撃、温度変化があっても円筒型コイル44が変形することがなく、回転電機の信頼性を高くすることができる。また、円筒型コイル44の変形がないため、永久磁石45の外周面と円筒型コイル44の内周面との隙間、および円筒型コイル44の外周面とヨーク43との内周面の隙間を小さくできる。したがって、永久磁石45とヨーク43との隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。さらに、巻線62の自己融着樹脂を加熱するアニール作業を省略することができる。
【0070】
このように構成された本実施形態に係る回転電機40の作用について、以下に説明する。
【0071】
円筒型コイル44は、円筒胴部42の外周面に固定されて、コイル装着部材41と外装部材50によって形成された密閉空間に配置されている。
【0072】
円筒型コイル44は、空芯コイルに比べて径方向の厚みを小さくできるので、円筒胴部42の外径とヨーク43の内径の隙間を小さくできて、かつコイルの密閉空間の体積を小さくできる。そのため、空気の膨張による円筒胴部42の変形や破損を防止できる。また、円筒胴部42の変形を防止できるので、円筒胴部42の厚みを薄くすることができる。したがって、コイルの径方向厚みを薄くでき、かつ円筒胴部42の厚みを薄くできるため、永久磁石45とヨーク43の隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0073】
また、コイル装着部材41を曲げ弾性率5000MPa以上の樹脂で形成するので、高精度に仕上げることができる。また、円筒胴部42を薄肉に加工することができる。したがって、永久磁石45とヨーク43との隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0074】
さらに、円筒型コイル44を覆う範囲に樹脂が充填された場合、密閉空間の空気を少なくできる。そのため、滅菌処理の高温で空気が膨張しても円筒胴部42の変形や破損を防止することができる。また、円筒胴部42の変形を防止できるので、円筒胴部42の厚みを薄くすることができる。したがって、永久磁石45とヨーク43の隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0075】
また、この場合、円筒型コイル44はコイルの厚みが薄く一様であるため、充填された樹脂も径方向に薄く一様になる。そのため、密閉空間に隙間が生じて、高温高圧蒸気が円筒型コイル44を覆う樹脂部に侵入し、樹脂が膨潤しても円筒胴部13の変形や破損を防止することができる。さらに、円筒胴部42の厚みを薄くしても変形が抑制されるので、永久磁石45とヨーク43の隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0076】
さらに、コイル装着部材41は、軸方向端部の径方向の厚さが、円筒胴部42の径方向の厚さより厚くなっている。また、コイル装着部材41は、軸方向端部が円筒胴部42の外径より大径の外径大径部で構成されている。なお、コイル装着部材41の軸方向端部は外径大径部で構成されているが、コイル装着部材41の軸方向端部は径方向の厚さが円筒胴部42の径方向の厚さより厚ければこれに限定されない。例えば、コイル装着部材41の軸方向端部は、円筒胴部42の外径より小径の外径小径部、または円筒胴部42の内径より大径の内径大径部、又は円筒胴部42の内径より小径の内径小径部で構成されていてもよい。すなわち、コイル装着部材41において、軸方向端部の径方向の厚さが円筒胴部42の径方向の厚さより厚いため、円筒胴部42の剛性が高まって、円筒胴部42の変形がコイル装着部材41の軸方向端部で抑制されるので、円筒胴部42を薄肉にすることができる。また、円筒胴部42の変形が抑制されるため、変形が抑制された分の永久磁石45の外周面と円筒胴部42の内周面の隙間、および円筒胴部42の外周面とヨーク43の内周面の隙間を小さくできる。したがって、永久磁石45とヨーク43との隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。なお、コイル装着部材41の軸方向の一方の端部が径方向において円筒胴部42より厚くなっているが、必ずしもこれに限定されない。すなわち、コイル装着部材41の軸方向の他方の端部の厚さが円筒胴部42の軸方向の厚さより厚くてもよい。また、コイル装着部材41の軸方向の両端部の厚さが円筒胴部42の軸方向の厚さより厚くてもよい。
【0077】
また、円筒型コイル44は、内周側に円筒胴部42を配置し、外周側にヨーク43を配置することができる。この場合、ヨーク43の半径方向の長さは、円筒胴部42の半径方向の長さより長く設定される。また、半径方向長さが円筒胴部42より長いヨーク43は、円筒胴部42を変形させる例えば曲げ応力に対して変形量を小さくできる。そのため、円筒胴部42が薄肉であっても変形を抑制することができる。また、円筒胴部42の変形が抑制されるため、変形が抑制された分の永久磁石45の外周面と円筒胴部42の内周面との隙間、および円筒胴部42の外周面とヨーク43の内周面との隙間を小さくできる。したがって、永久磁石45とヨーク43との隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0078】
円筒型コイル44の作成において、平板状の巻線62が円筒胴部42に巻き付けられテープで固定される。そのため、あらかじめ円筒型に形成した円筒型コイルを挿入するよりも、挿入する隙間の分、円筒胴部42と円筒型コイル44の隙間を小さくできる。
【0079】
さらに、円筒胴部42の円筒形状に円筒型コイル44を成形するため、円筒型コイル44の円筒形状を高精度に形成することができ、円筒胴部42の外周面とヨーク43の内周面との隙間を小さくできる。したがって、あらかじめ円筒型に形成して円筒型コイルを円筒胴部に挿入するよりも、永久磁石45とヨーク43との隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。また、手間が掛かって作業性が悪かった円筒型コイルのアニール作業を省略することができる。
【0080】
さらに、円筒型コイル44は、永久磁石の長手方向に沿う直線導体部を備えている。例えば、円筒型コイル44が亀甲巻に形成された場合には、亀甲巻の直線導体部は円筒軸上に巻線の一部が揃う。これにより、磁束に鎖交する円筒軸方向の直線導体部が円筒の巻線の中央部に存在し、誘導起電力を有効に発生できるため、全体の小型化を図りつつ、効率的に発電することができる。
【0081】
また、本発明の別の実施形態を図8を参照して説明する。
図8は回転電機の他の実施形態を示めす図であり、当該回転電機40は、外部と端子49を通じて電気的に接続されて、誘導起電力を発生させる円筒型コイル44と、回転して誘導起電力を発生させるロータ20と、これらの各部材が収められる外装部材51などとから構成される。本実施形態は、外装部材がヨークを兼ねている構成となっている。
【0082】
ロータ20は、円筒型の永久磁石45と回転軸46とからなり、軸受保持部材77、78の中心位置に配置した軸受47、48により二点間で回転自在に支持されている。また、永久磁石45の中央には、長手方向に沿って軸46が貫通固定されている。
【0083】
外装部材51は、両端が開口した円筒形状を有しており、永久磁石の磁極同士を磁気的に接続するもので、フェライトステンレスなどの磁性材料で構成されている。なお、外装部材51は、例えば電磁鋼鈑などの磁性の薄板を積層して構成されてもよい。これにより、外装部材51はヨークを兼ねることができる。
【0084】
また、外装部材51の一端側には、コイル装着部材41が接合されている。また、コイル装着部材41は、永久磁石45と対向する円筒胴部42を有している。また、円筒胴部42の外周面に円筒型コイル44が固定されている。コイル装着部材41は、樹脂(PPSなど)で構成される。またコイル装着部材41は、曲げ弾性率が5000MPa以上の樹脂を用いるとよい。コイル装着部材41を樹脂で形成した場合、渦電流が発生せず損失を低減させる効果が得られる。なお、コイル装着部材は、アルミや真鍮などの非磁性金属で構成されていてもよい。
【0085】
外装部材51の他端側と、コイル装着部材41の端部は、円環状開口を有し、円環状開口を塞ぐように、端子ピン49が取り付いた蓋71が嵌め込まれている。蓋71には図示しない孔が設けられていて、孔からコイル装着部材41と外装部材51と蓋71とで囲まれた内部にエポキシ接着剤を充填している。なお、蓋71は、コイル装着部材41と一体に形成されていてもよい。その場合、コイル装着部材41には図示しない孔が設けられていて、孔からコイル装着部材41と外装部材51とで囲まれた内部にエポキシ接着剤を充填することができる。
【0086】
また、コイル装着部材41は、軸方向端部の径方向の厚さが、円筒胴部42の径方向の厚さより厚くなっている。また、コイル装着部材41は、軸方向の両端部がそれぞれ円筒胴部42の外径より大径の外径大径部、円筒胴部42の外径より小径の外径小径部で構成されている。なお、コイル装着部材41の軸方向端部は外径大径部、外径小径部で構成されているが、コイル装着部材41の軸方向端部は径方向の厚さが円筒胴部42の径方向の厚さより厚ければこれに限定されない。例えば、コイル装着部材41の軸方向端部は円筒胴部42の内径より大径の内径大径部、又は円筒胴部42の内径より小径の内径小径部で構成されていてもよい。すなわち、コイル装着部材41において、軸方向端部の径方向の厚さが円筒胴部42の径方向の厚さより厚いため、円筒胴部42の剛性が高まって、円筒胴部42の変形がコイル装着部材41の軸方向端部で抑制されるので、円筒胴部42を薄肉にすることができる。また、円筒胴部42の変形が抑制されるため、変形が抑制された分の永久磁石45の外周面と円筒胴部42の内周面の隙間、および円筒胴部42の外周面と外装部材51の内周面の隙間を小さくできる。したがって、永久磁石45と外装部材51との隙間を小さくでき、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。
【0087】
コイル装着部材41の内周面の一端側には、軸受保持部材78が接合され、コイル装着部材41の内周面の他端側には、軸受保持部材77が接合されて、軸受47および48に連結されている。
【0088】
このような構成にすることで、永久磁石45とコイル装着部材41を精度良く同軸に配置することができ、永久磁石45の外周面と円筒胴部42の内周面との隙間を小さくできる。したがって、永久磁石45と外装部材51との隙間を小さくできるため、回転電機のエネルギー効率を高くすることができる。なお、軸受47,48の配置は上記に限定される必要はない。すなわち、軸受47,48は図2に示す実施形態と同様の位置にしてもよい。
【0089】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0090】
また、本実施形態では巻枠は、六角形に限定されるものではなく、多角形であれば良いのは勿論のことである。
【0091】
また、本実施形態では、回転電機のうち発電機について説明したが、例えば3相のコイルに交番電流を順次切り替えるように供給して、永久磁石を回転させるモータとして利用することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 歯科治療用ハンドピース
2 ヘッド部
3 把持部
20 ロータ
21 工具用タービン
22 治療用工具
31 LED
32 電線
33 エアー通路
37 タービン羽根
38 後段ハウジング
39 前段ハウジング
40 回転電機
41 コイル装着部材
42 円筒胴部
43 ヨーク
44 円筒型コイル
45 永久磁石
46 軸
47、48 軸受
50、51 外装部材
53、54 軸受保持部材
56 給気管
57 給水管
61 巻枠
62 巻線
63 テープ
64 カーリング棒
65 カーリングした円筒型コイル
66 円筒成形治具
71 蓋
77、78 軸受保持部材
101 空芯コイル
102 コイル部
103 空芯部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に複数の磁極を周方向に配列してなる永久磁石と、
前記永久磁石とエアーギャップを介して対向した位置に円筒胴部を有するコイル装着部材と、
所定方向に巻回されたコイルを前記所定方向に倒した平板状コイルであり、前記平板状コイルが円環状となるように前記円筒胴部の外周部に固定された円筒型コイルと、
前記円筒型コイルの外周部と対向した位置に備えられた磁性材料からなるヨークと、
前記ヨークを内周側に備える外装部材と、
を備え、
前記円筒型コイルは、前記コイル装着部材と外装部材とを備えた密閉空間に配置されていることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記密閉空間は、少なくとも前記円筒型コイルを覆う範囲に樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記円筒型コイルは、多角形状の巻枠に巻回した巻線を巻枠の巻方向に倒して平板状にした後、前記コイル装着部材の前記円筒胴部の外周部に巻き付けて円筒型に成形されたものであり、かつ永久磁石の長手方向に沿う直線導体部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記コイル装着部材は、円筒軸上の端部の径方向の厚さが、前記円筒胴部の径方向の厚さより厚いことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項5】
前記コイル装着部材は、前記円筒胴部の円筒軸上の端部に前記円筒胴部の外径よりも大径の外径大径部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の回転電機。
【請求項6】
前記ヨークは、前記ヨークの半径方向長さが前記円筒胴部の半径方向長さよりも長く設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項7】
前記円筒型コイルの内周側に前記円筒胴部が配置されるとともに、前記円筒型コイルの外周側に前記ヨークが配置され、前記円筒型コイルが前記円筒胴部及び前記ヨークにより挟持されていることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
【請求項8】
前記コイル装着部材は、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項9】
前記コイル装着部材は、曲げ弾性率が5000MPa以上の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の回転電機。
【請求項10】
前記外装部材は、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項11】
前記外装部材は、曲げ弾性率が5000MPa以上の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の回転電機。
【請求項12】
前記永久磁石は、回転可能な軸に取り付けられており、
前記軸の前記永久磁石と異なる位置に配置された軸受を備え、
前記軸受の外周面は、前記コイル装着部材から離間して配置された軸受保持部材の内周面に当接していることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項13】
前記永久磁石は、回転可能な軸に取り付けられており、
前記軸の前記永久磁石と異なる位置に配置された軸受を備え、
前記軸受の外周面は、前記コイル装着部材の内周面、または前記コイル装着部材の内周側に配置された軸受保持部材の内周面に当接していることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項14】
前記永久磁石は、回転可能な軸に取り付けられており、
前記軸の前記永久磁石と異なる位置に配置された2つの軸受を備え、
一方の前記軸受の外周面は、前記コイル装着部材の内周面、またはコイル装着部材の内周側に配置された軸受保持部材の内周面に当接しているとともに、他方の前記軸受の外周面は、前記コイル装着部材から離間して配置されている軸受保持部材の内周面に当接していることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項15】
前記軸受は、前記軸の端部に配置されていることを特徴とする請求項12乃至請求項14の何れか一項に記載の回転電機。
【請求項16】
請求項12乃至請求項15の何れか一項に記載の回転電機と、
前記軸の前記永久磁石及び前記軸受と異なる位置に配置されたタービン羽根と、
前記円筒型コイルと電気的に接続された発光部品と、
前記タービン羽根を回転させる流体を供給する給気管と、
を備えることを特徴とする歯科用又は医療用のハンドピース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−101577(P2011−101577A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165929(P2010−165929)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】