説明

固縛型コーナ部を有するフランジを備えた複合材構造体を製作する方法

【課題】固縛型コーナ部を有するフランジを備えた複合材構造体を製作する方法を提供する。
【解決手段】本方法は、第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートを含みかつその周りに形成された複合材構造体を有する複合材構造体形成ツールを準備する段階と、少なくとも1つのバリヤ繊維プライを複合材構造体形成ツールの第1のエンドプレートに隣接して複合材構造体の周りに施工する段階と、少なくとも1つの繊維トウをバリヤ繊維の周りに巻き付ける段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載した実施形態は、総括的には固縛型コーナ部を有するフランジを備えた複合材構造体を製作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合材料は、それらの耐久性及び比較的軽量の故に、多様な航空宇宙用途における使用が益々普及してきた。複合材料は、優れた強度及び重量特性をもたらすことができるが、複合材料で製作した構造体上にフランジを設計することは、依然として困難な課題として残っている。
【0003】
現行のフランジ積層法は一般に、所望の寸法を有するフランジが得られるまで、複合材構造体に対して織物のプライつまり層を繰返し施工する段階を含む。このプロセスの実施時に起こる可能性がある1つの問題は、第2の織物プライを施工した時に、その第2の織物プライが第1の織物プライを覆い、それによって第1のプライをモニタしてその位置が不変であることを確認することが殆ど不可能になることである。その結果、織物のブリッジング(橋絡現象)が発生する可能性がある。
【0004】
ブリッジングは、最初のつまり第1の織物プライがフランジコーナ部から引き離され、コーナ部に緊密に密着した状態を保たないでコーナ部を跨いだ状態になる場合である。ブリッジングは、樹脂の過剰をもたらすおそれがあり、これは第1の織物プライの下方における過剰な樹脂の望ましくない集塊となり、積層体を局所的に脆弱化させるおそれがある。
【0005】
ブリッジングは、幾つかの要因のいずれかによって生じる可能性がある。例えば、ブリッジングは、最初の織物プライがフランジのコーナ部内に不適切に配置され、その結果、積層工程時に後続のプライを施工した時に最初のプライが押し出されて橋絡を起こすようになることにより生じる可能性がある。また、積層工程時に織物プライから不適切にバルクを移動させることにより、過度に長い複合材料が生じる可能性があり、このことが硬化工程時にブリッジングを招くおそれがある。さらに、ブリッジングは、硬化工程時におけるツール対織物の熱膨張差により生じる可能性がある。
【0006】
原因の如何に拘わらず、最初の織物プライが覆われた後は、ブリッジングが防止されたことまた第1の織物プライがフランジコーナ部内に接着した状態を保っていることの確認を助けるために、オペレータが最初の織物層を容易にモニタする方法は現在のところ存在しない。現在実際に行われている最良の方法は、コーナ部における織物プライにその織物滑りを許さないようにすることである。しかしながら、この方法は一般に、硬化工程時における熱膨張差の問題に対処するのに利点があるのみであって、押出し又は不適切なバルク移動の結果として発生するブリッジングを防止するのには全く役立たない。
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0201135号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0134251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ブリッジング及び上記の製作上の懸案点を殆ど生じることがない、フランジを製作する方法を提供することは望ましいと言える。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書における実施形態は、全体的には、固縛型コーナ部を有するフランジを備えた複合材構造体を製作する方法に関し、本方法は、第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートを含みかつその周りに形成された複合材構造体を有する複合材構造体形成ツールを準備する段階と、少なくとも1つのバリヤ繊維プライを複合材構造体形成ツールの第1のエンドプレートに隣接して複合材構造体の周りに施工する段階と、少なくとも1つの繊維トウをバリヤ繊維の周りに巻き付ける段階とを含む。
【0009】
本明細書における実施形態はまた、全体的には、固縛型コーナ部を有するフランジを備えた複合材構造体を製作する方法に関し、本方法は、第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートを含みかつその周りに形成された複合材構造体を有する複合材構造体形成ツールを準備する段階と、少なくとも1つのバリヤ繊維プライを複合材構造体形成ツールの第1のエンドプレートに隣接して複合材構造体の周りに施工する段階と、少なくとも1つの繊維トウをバリヤ繊維の周りに巻き付ける段階と、少なくとも1つの充填繊維プライを繊維トウ上に施工する段階と、少なくとも1つのフランジ繊維プライを充填繊維上に施工して、フランジプリフォームを得る段階とを含む。
【0010】
これらの及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の開示から当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本出願の特許請求の範囲において本発明を具体的に指摘しかつ明確に特許請求しているが、本明細書に記載した実施形態は、同じ参照符号が同様な要素を指している添付図面と共に以下の説明から一層良好に理解されるであろう。
【0012】
本明細書における実施形態では、全体としてガスタービンエンジンのファンケーシング上の複合材フランジに焦点を当てているが、説明はそのようなものに限定されるべきではないことは、当業者には分かるであろう。実際に、以下の記述が説明しているように、本明細書に記載した固縛型フランジコーナ部は、複合材料で製作したあらゆるフランジで利用することができる。
【0013】
図に移ると、図1は、許容可能な複合材構造体10の1つの実施形態を示している。本明細書で使用する場合、「複合材構造体」というのは、複合材料又は複合材料の組合せで製作したあらゆる構成部品を指している。複合材構造体10は、ファンケーシング12のようなほぼ円筒形の部材を含むことができる。ファンケーシング12は、図2に示すように周辺部を有することができ、また前述したように、あらゆる許容可能な材料で製作することができる。しかしながら、1つの実施形態では、ファンケーシング12は、ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ポリ(P−フェニレンテレフタルアミド)繊維(つまり、KEVLAR(登録商標))のような芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せから成る群から選ばれた材料で製作することができる。1つの実施形態では、ファンケーシング12は、炭素繊維で製作することができる。
【0014】
図1に示すように、ファンケーシング12は一般に、前端部16及び後端部18を有する円筒形本体14を含むことができる。本明細書で使用する場合、「ファンケーシング」というのは、硬化前及び硬化後の複合材ファンケーシングの両方を指すために使用する。どちらの段階のファンケーシングについて述べているかは、当業者にはその記述から分かるであろう。ファンケーシング12はまた、図1及び図2においてその全体を示すようなあらゆる数の端部フランジ20及び/又は図1においてその全体を示すようなあらゆる数の取付けフランジ22を含むことができる。本明細書で使用する場合、「取付けフランジ」というのは、ファンケーシング12の本体14又はその他の複合材構造体の周りで中間位置に円周方向に配置されたあらゆるフランジを意味している。「中間位置に配置された」というのは、取付けフランジ22が、前端部16又は後端部18のいずれかの周りではなくて、ファンケーシング12の本体14の周りに円周方向に設置することができることを意味している。これと対照的に、端部フランジ20は、前端部16又は後端部18のいずれか又は両方の周りに設置することができる。
【0015】
ファンケーシング12は、当業者には公知のあらゆる許容可能な製作方法又はツールを使用して製作することができる。例えば、Xie他の米国特許出願第2006/0201135号及び/又はBlanton他の米国特許出願第2006/0134251号を参照されたい。図3に示すような1つの実施形態では、複合材構造体形成ツール24を使用することができ、この形成ツール24は、周辺部、ほぼ円筒形状のコア26、並びにツール24のコア26に対して着脱自在に結合することができる第1のエンドプレート28及び第2のエンドプレート30を有する。
【0016】
図4には、ファンケーシング12上における端部フランジプリフォーム32の例示的な実施形態を示している。以下のフランジ及び積層についての記述は、取付けフランジに対しても同様に適用可能とすることができることは、当業者には分かるであろう。端部フランジプリフォーム32は、固縛型フランジコーナ部33を含むことができ、この固縛型フランジコーナ部33は、積層及び硬化工程時に、端部フランジプリフォーム32を所定の位置に固定するのを助けることができる。固縛型フランジコーナ部33は、本明細書において以下に述べるように、少なくとも1つのバリヤ繊維34プライと、その周りに円周方向に巻き付けられた少なくとも1つの繊維トウ36とを含むことができる。
【0017】
より具体的には、固縛型フランジコーナ部33は一般に、例えばツール24の第1のエンドプレート28及びファンケーシング12に隣接して施工された少なくとも1つのバリヤ繊維34プライを含むことができる。バリヤ繊維34は、織物又は組紐のような多方向性織物プリフォームで構成することができる。本明細書で使用する場合、「多方向性」というのは、1つよりも多い方向に配向された繊維トウを含む織物プリフォームを意味している。バリヤ繊維34の繊維トウは、当業者には公知のあらゆる適当な強化繊維で構成することができ、それらの繊維には、それに限定されないが、ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せが含まれる。1つの実施形態では、バリヤ繊維34は、ガラス繊維で構成することができる。それに加えて、バリヤ繊維34の各繊維トウは、約3,000〜約24,000本の繊維フィラメントを含むことができる。
【0018】
バリヤ繊維34は、所望の厚さが得られるまでツール24及びファンケーシング12の周りに円周方向に該バリヤ繊維34を巻き付けることによって、ツール24の第1のエンドプレート28及びファンケーシング12に隣接してフランジコーナ部37内に施工することができる。必要に応じて、バリヤ繊維34は、施工初期及び施工完了時にファンケーシング12に対して粘着させて、該バリヤ繊維34を所定の位置に保持することができる。当業者には公知の例えばエポキシのようなあらゆる許容可能な樹脂を使用して、バリヤ繊維34を粘着させることができる。
【0019】
次に、少なくとも1つの個別な繊維トウ36を、ファンケーシング12の周りでフランジコーナ部37内のバリヤ繊維34上に円周方向に巻き付けることができる。このようにして、繊維トウ36は、固縛型フランジコーナ部33を完成して、バリヤ繊維34を所望の位置に固定するのを助けることができる。繊維トウ36は、ファンケーシング12の周辺部の周りにあらゆる回数で巻き付けることができるが、1つの実施形態では、繊維トウ36は、ファンケーシング12の周辺部の周りに約3回〜約6回巻き付けることができる。それに代えて、1つよりも多い繊維トウ36を、1回又はそれ以上の回数ファンケーシング12の周りに巻き付けて、同一の結果を達成することができる。繊維トウ36は、当業者には公知のあらゆる許容可能な材料で作ることができ、それらの材料には、それに限定されないが、ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せが含まれる。しかしながら、1つの実施形態では、繊維トウ36は、炭素繊維で作ることができる。それに加えて、利用される各繊維トウ36は、約3,000〜約24,000本の繊維フィラメントを含むことができ、1つの実施形態では、約12,000本の繊維フィラメントを含むことができる。繊維トウ36が固縛型フランジコーナ部33のバリヤ繊維34の周りにしっかりと巻き付けられると、繊維トウ36は、例えばエポキシのような当業者には公知のあらゆる許容可能な樹脂を使用して粘着させて、端部フランジプリフォーム32の残り部分の製作の間に該繊維トウ36を所定の位置に保持することができる。
【0020】
次に、少なくとも1つの充填繊維38プライを繊維トウ36上に施工して、固縛型フランジコーナ部33とその後に施工されることになるフランジ繊維との間に存在する可能性があるあらゆる空間を充填するのを助けることができる。バリヤ繊維34と同様に、充填繊維38プライは、当業者には公知のあらゆる適当な強化繊維で構成された多方向性織物プリフォームとすることができ、それらの強化繊維には、それに限定されないが、ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せが含まれる。また、バリヤ繊維34と同様に、充填繊維は、所望の厚さが得られるまで、ファンケーシング12の周りで、第1のエンドプレート28に隣接してかつバリヤ繊維34及び繊維トウ36上に巻き付けることができる。必要に応じて、充填繊維38は、当業者には公知のあらゆる許容可能な樹脂を使用して粘着させて、製作工程の残り部分の間にわたって充填繊維38を所定の位置に保持するのを助けることができる。
【0021】
次に、当技術分野において知られているあらゆる公知のフランジ製作方法を使用して、フランジ繊維40を充填繊維38上に施工して、端部フランジプリフォーム32の製作を完成させることができる。ここでもまた、フランジ繊維は、ツール24の周りで充填繊維38上に巻き付けることができる、ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せのようなあらゆる適当な材料を含むことができる。
【0022】
端部フランジプリフォーム32を圧密化するために、圧密化工程を実施することができる。特に、バリヤ繊維34、充填繊維38及びフランジ繊維40のような強化繊維は、本質的に大きなバルク量を有する。材料の最終硬化工程時にシワ及び/又は空隙形成を防止するのを助けるために、また最終硬化工程時にニヤネットシェイプツールを利用するために、材料の繊維は、所望の最終硬化厚さにより近い寸法へと圧密化つまり圧縮することができる。この圧密化は、圧密化工程の間に起こる。
【0023】
圧密化は、例えば真空バッグ、収縮テープ又はその他の機械的手段のいずれかを用いて複合材繊維に圧力を加えることなどによって、当業者には公知のあらゆる一般的方法を用いて行うことができる。圧密化の前に繊維に施した樹脂は、圧力が加えられた時に繊維を所定の位置において粘着させるつまり固定するのを助けることができる。粘着させた繊維が室温では所望通りに圧密化できない場合には、熱を加えて樹脂の粘度を低下させることができる。次に樹脂は、一層良好に複合材繊維に浸透して、圧密化が所望の度合いまで行われることを可能にすることができる。
【0024】
端部フランジプリフォーム32の積層及び圧密化が終了すると、最終硬化ツールを、あらゆる端部フランジプリフォーム及び取付けフランジプリフォームを含むファンケーシング12の周りに配置して、硬化工程時にモールドとして働くようにすることができる。当業者には分かるように、最終硬化ツール及び工程は、使用する樹脂、部品寸法及び装置能力などの因子に従って変化させることができる。
【0025】
前述したように、以上に述べた事項は、端部フランジと同様に取付けフランジにも等しく適用可能である。ファンケーシング12の本体の周りに設置された取付けフランジプリフォーム41を製作する場合には、その全体を図5に示すように、第1又は第2のエンドプレートの代わりにガイド42を使用して、それに対してバリヤ繊維34及び繊維トウ36を取付ける表面を形成することができる。1つの実施形態では、ガイド42は、その各々がファンケーシング12の周りに対応して適合するように約180°にわたって延びる別個の弓形部材で構成することができる。ガイド42の弓形部材は、互いに取外し可能に連結して、ファンケーシング12の周りに容易に配置しかつ調整するようにすることができる。しかしながら、ガイド42は、あらゆる数の部品で構成することができ、また複合材構造体の形状に対応したあらゆる形状を有することが、分かるであろう。前述したように、ガイド42は、バリヤ繊維34及び繊維トウ36の両方、並びにフランジプリフォーム41の残りの繊維層の施工のための支持体として働くことができる。ガイド42は、円周方向に延びるものとすることができ、図示するようにL字形状の断面を有することができ、また例えばアルミニウム又は複合材のようなあらゆる剛性軽量材料で作ることができる。図5に示すように、取付けフランジプリフォーム41の一側面が製作されたら、ガイド42を除去することができる。次に取付けフランジプリフォーム41の他側面は、第1の側面と同様に製作することができる。
【0026】
本明細書に記載した固縛型コーナ部の実施形態は、幾つかの利点をもたらすことができる。例えば、バリヤ繊維の周りに繊維トウを施工することは、繊維トウがその以後の積層工程時にバリヤ繊維をフランジコーナ部内に保持するテザーとして働くことを可能にする。より具体的には、充填繊維及び/又はフランジ繊維の付加的プライが配置されかつ押付けられるので、バリヤ繊維は、巻き付けられた繊維トウによりコーナ部内に固縛された状態で留まる。このことは、現行のフランジ製作法においてしばしば直面するブリッジング問題を低減する又は排除することさえ助けることができる。
【0027】
それに加えて、硬化工程時に、複合材構造体形成ツールのエンドプレート及びコアは、硬化工程の熱及び圧力のために互いに膨張しかつ引き離される傾向がある。このことは次に、バリヤ繊維をコーナ部から引き出して、ブリッジングを引き起こす可能性がある。繊維トウによって形成された固縛型コーナ部は、この問題を2つの方法で解決するのを助けることができる。第1に、固縛型コーナ部は、まず始めにバリヤ繊維を緊密に保持するのを助けることによって、ブリッジングの発生を減少させることができる。第2に、硬化工程時に、複合材構造体形成ツールの前述した膨張は、固縛型コーナ部の繊維トウを緊張させ、それによって繊維トウ及びバリヤ繊維を互いに所望の向きに効果的に引っ張り、それらの間の密着を強化することができる。
【0028】
本明細書は、実施例を使用して、最良の形態を含む本発明を開示しまたあらゆる当業者が本発明を製作及び使用することを可能にしている。本発明の特許性がある技術的範囲は、特許請求の範囲によって定まり、また当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。そのようなその他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と相違しない構造的要素を有する場合には、或いはそれらが特許請求の範囲の文言と本質的に相違しない均等な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲の技術的範囲内に属するものとなることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】端部フランジ及び取付けフランジを有するファンケーシングの1つの実施形態の概略斜視図。
【図2】図1の概略端面図。
【図3】複合材構造体形成ツールの1つの実施形態の概略斜視図。
【図4】図2の線A−Aに沿った概略断面図。
【図5】固縛型コーナ部を有する取付けフランジを製作するためのガイドを備えたファンケーシングの1つの実施形態の概略断面図。
【符号の説明】
【0030】
10 複合材構造体
12 ファンケーシング
14 本体
16 前端部
18 後端部
20 端部フランジ
22 取付けフランジ
24 ツール
26 コア
28 第1のエンドプレート
30 第2のエンドプレート
32 端部フランジプリフォーム
33 固縛型フランジコーナ部
34 バリヤ繊維
36 繊維トウ
37 フランジコーナ部
38 充填繊維
40 フランジ繊維
42 ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固縛型フランジコーナ部(33)を有するフランジ(20、22)を備えた複合材構造体(10)を製作する方法であって、
第1のエンドプレート(28)及び第2のエンドプレート(30)を含みかつその周りに形成された複合材構造体(10)を有する複合材構造体形成ツール(24)を準備する段階と、
ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せから成る群から選ばれた材料、好ましくはガラス繊維で作られた少なくとも1つのバリヤ繊維(34)プライを、前記複合材構造体形成ツール(24)の第1のエンドプレートに隣接して前記複合材構造体(10)の周りに施工する段階と、
ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せから成る群から選ばれた材料、好ましくは炭素繊維で作られた少なくとも1つの繊維トウ(36)を、前記バリヤ繊維(34)の周りに巻き付ける段階と、
を含む方法。
【請求項2】
固縛型フランジコーナ部(33)を有するフランジ(20、22)を備えた複合材構造体(10)を製作する方法であって、
第1のエンドプレート(28)及び第2のエンドプレート(30)を含みかつその周りに形成された複合材構造体(10)を有する複合材構造体形成ツール(24)を準備する段階と、
ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せから成る群から選ばれた材料、好ましくはガラス繊維で作られた少なくとも1つのバリヤ繊維(34)プライを、前記複合材構造体形成ツール(24)の第1のエンドプレートに隣接して前記複合材構造体(10)の周りに施工する段階と、
ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維及びそれらの組合せから成る群から選ばれた材料、好ましくは炭素繊維で作られた少なくとも1つの繊維トウ(36)を、前記バリヤ繊維(34)の周りに巻き付ける段階と、
少なくとも1つの充填繊維(38)プライを前記繊維トウ(36)上に施工する段階と、
少なくとも1つのフランジ繊維(40)プライを前記充填繊維(38)上に施工して、フランジプリフォーム(32、41)を得る段階と、
を含む方法。
【請求項3】
前記複合材構造体(10)が、周辺部を有し、
前記バリヤ繊維(34)が、前記複合材構造体形成ツール(24)の第1のエンドプレート(28)に隣接して前記複合材構造体(10)の周辺部の周りに巻き付けられて、フランジコーナ部(37)を形成する、
請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項4】
前記繊維トウ(36)が、前記フランジコーナ部(37)において前記バリヤ繊維(34)の周りに巻き付けられる、請求項1、請求項2又は請求項3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記複合材構造体(10)が、ガスタービンエンジンファンケーシング(12)である、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記フランジ(20、22)が、端部フランジ(20)、取付けフランジ(22)及びそれらの組合せから成る群から選ばれる、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記繊維トウ(36)が、前記バリヤ繊維(34)の周りに3〜6回巻き付けられる、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
1つ又はそれ以上の繊維トウ(36)が、前記バリヤ繊維(34)の周りに巻き付けられる、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記フランジプリフォーム(32、41)を硬化させて、固縛型フランジコーナ部(33)を有するフランジ(20、22)を得る段階をさらに含む、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8のいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−162282(P2008−162282A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333393(P2007−333393)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】