説明

圧着端子検査装置および圧着端子検査方法

【課題】検査作業者の技量にかかわらず、圧着端子を精度よく検査できる、圧着端子検査装置および圧着端子検査方法を提供する。
【解決手段】圧着端子3の検査時には、検査作業者により、圧着端子検査装置1の端子配置部に圧着端子3が配置されて、圧着端子3が延伸方向に延びる軸線を中心に揺動される。この揺動中に、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのY軸方向寸法Yi,Ywが測定される。そして、Y軸方向寸法Ywの極小値Ywminが圧着端子3のワイヤバレル部32のクリンプハイトHwとして取得される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端末部に圧着された圧着端子を検査するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、ワイヤハーネスに用いられる端子付き電線は、電線と、電線の端末部に圧着された圧着端子とを備えている。
【0003】
電線の端末部では、芯線を被覆する被覆材が剥かれて、芯線が露出している。
【0004】
圧着端子は、本体部、ワイヤバレル部、インシュレーションバレル部およびそれらを連結する板状の基底部を一体的に有している。本体部は、基底部の長手方向(本体部、ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部の並び方向)の一端部に形成されている。本体部は、オス/メスのペアをなす相手方の圧着端子の本体部と結合可能な形状をなし、この結合により、オス/メスのペアをなす圧着端子同士が電気的に接続される。ワイヤバレル部は、本体部から基底部の長手方向に間隔を空けて、基底部の両側縁から立ち上がる1対の片として形成されている。インシュレーションバレル部は、基底部の長手方向の他端部に、基底部の両側縁から立ち上がる1対の片として形成されている。
【0005】
電線の端末部への圧着端子の圧着(かしめ)に際しては、アプリケータの下型(アンビル)上に、圧着端子が載置される。次いで、圧着端子の基底部上に、電線の端末部が載置される。このとき、電線の端末部は、露出した芯線がワイヤバレル部の内側に位置し、被覆材で被覆されている部分がインシュレーションバレル部の内側に位置するように、圧着端子の基底部上で位置決めされる。そして、アプリケータの上型(クリンパ)と下型とが互いに近づけられ、上型と下型との間でワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部がそれぞれ電線の芯線および被覆材で被覆されている部分を抱き込むように押し潰されて、圧着端子(ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部)が電線の端末部にかしめられる。
【0006】
ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部の高さおよび幅は、電線への圧着端子の圧着状態の良否を判定する際の重要な検査項目である。ワイヤバレル部の電気抵抗値が所定範囲内の値となり、かつ、圧着端子と電線とを互いに引っ張ったときに圧着状態を保つことができる限界の力(耐引張力)が所定値以上となるように、ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部の高さおよび幅の各適正範囲が決められている。そして、端子付き電線の検査では、ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部の高さおよび幅が測定され、それらの測定値がそれぞれ適正範囲内であるか否かに基づいて、電線への圧着端子の圧着状態の良否が判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−257001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現状、クリンプハイトおよびクリンプワイドは、検査作業者の手作業により、マイクロメータを用いて測定されている。しかしながら、マイクロメータを用いた測定では、検査作業者の技量に応じて測定値にばらつきが生じる。そのため、電線への圧着端子の圧着状態の良否が誤って判定されることがあった。また、マイクロメータを用いた測定には、手間(工数)および時間がかかるという問題もある。
【0009】
本発明の目的は、検査作業者の技量にかかわらず、圧着端子を精度よく検査できる、圧着端子検査装置および圧着端子検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明に係る圧着端子検査装置は、電線の端末部に圧着された圧着端子を検査するための装置であって、前記圧着端子のバレル部における前記電線の延伸方向が第1方向に沿うように前記圧着端子が配置される端子配置部と、前記端子配置部に臨み、第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に対して平行をなす第1投影面への投影を撮像する第1イメージセンサと、前記第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第1投影面への前記圧着端子の投影における所定の測定位置での前記第2方向の寸法を測定する第2方向寸法測定手段と、前記第2方向寸法測定手段によって測定された寸法に基づいて、前記バレル部のハイトを求めるハイト取得手段とを含む。
【0011】
この圧着端子検査装置は、第1イメージセンサを備えている。第1エリアイメージセンサは、第1方向および第1方向と直交する第2方向に対して平行をなす第1投影面への投影を撮像する。圧着端子の検査時には、圧着端子のバレル部における電線の延伸方向が第1方向に沿うように、圧着端子が端子配置部に配置される。その後、第1投影面への圧着端子の投影が第1イメージセンサによって撮像される。
【0012】
第1投影面には、第1方向および第2方向と直交する第3方向からの圧着端子(少なくともバレル部全体)の投影が結像する。
【0013】
たとえば、バレル部のハイトの方向が第2方向にほぼ沿うように圧着端子を配置すれば、その投影における所定の測定位置での第2方向の寸法は、バレル部のハイトまたはその近似値となる。したがって、第1エリアイメージセンサから出力される信号の解析により、第1投影面への圧着端子の投影における測定位置での第2方向の寸法を測定し、その寸法をバレル部のハイトまたはその近似値として取得することができる。
【0014】
また、バレル部のハイトの方向が第2方向にほぼ沿うように圧着端子を端子配置部に配置した場合、そのハイトは、第1イメージセンサの撮像面へのバレル部の投影における測定位置での第2方向の寸法となる。そこで、圧着端子の配置後、圧着端子をバレル部における電線の延伸方向に延びる軸線を中心に揺動させ、その揺動時に第1イメージセンサから出力される信号の解析により、第1イメージセンサの撮像面へのバレル部の投影における測定位置での第2方向の寸法を所定の時間間隔で複数取得して、そのうちの最小の寸法(寸法の極小値)をバレル部のハイトまたはその近似値として取得することができる。
【0015】
よって、圧着端子検査装置を用いることにより、検査作業者の技量にかかわらず、バレル部のハイトを精度よく測定することができる。また、圧着端子検査装置を用いることにより、その測定にかかる手間(工数)および時間を低減することができる。
【0016】
圧着端子検査装置は、第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、第1投影面へのバレル部の投影内の予め定める基準点を特定する基準点特定手段をさらに含むことが好ましい。
【0017】
この場合、第1投影面へのバレル部の投影における基準点から第1方向に予め定める距離だけ離れた位置が測定位置とされて、その位置における第2方向の寸法が取得されるとよい。
【0018】
これにより、第2方向の寸法の測定位置を一定にすることができ、バレル部のハイトをより精度よく測定することができる。
【0019】
なお、基準点は、第1投影面への圧着端子の投影から容易に特定可能な点であることが好ましく、たとえば、その投影におけるバレル部の第1方向の一端であってもよい。
【0020】
圧着端子検査装置は、端子配置部に臨み、第1方向および第1投影面と直交する第3方向に対して平行をなす第2投影面への投影を撮像する第2イメージセンサをさらに備えていてもよい。
【0021】
圧着端子検査装置が第1イメージセンサおよび第2イメージセンサを備える構成では、端子配置部に配置された圧着端子がバレル部における電線の延伸方向に延びる軸線を中心に揺動されると、その揺動時に第1イメージセンサおよび第2イメージセンサから出力される信号に基づいて、バレル部のハイトおよびワイドまたはそれらの近似値を取得することができる。
【0022】
具体的には、圧着端子を端子配置部に配置した後(端子配置ステップ)、圧着端子をバレル部における電線の延伸方向に延びる軸線を中心に揺動させ(端子揺動ステップ)、その揺動時に第1イメージセンサから出力される信号の解析により、第1投影面へのバレル部の投影における測定位置での第2方向の寸法を所定の時間間隔で測定して(第2方向寸法測定ステップ)、そのうちの最小の寸法(寸法の極小値)をバレル部のハイトまたはその近似値として取得することができる(ハイト取得ステップ)。
【0023】
一方、圧着端子の揺動時に第2イメージセンサから出力される信号の解析により、第2投影面へのバレル部の投影における測定位置での第3方向の寸法を所定の時間間隔で取得し(第3方向寸法測定ステップ)、第2方向の最小寸法が取得されたタイミングの直前または直後に取得された第3方向の寸法をバレル部のワイドまたはその近似値として取得することができる(ワイド取得ステップ)。
【0024】
また、圧着端子検査装置は、ハイト取得手段によって取得されたハイトが予め定めるハイト適正範囲外である場合に、第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、バレル部に背バリが生じているか否かを判定する背バリ有無判定手段をさらに含むことが好ましい。
【0025】
バレル部のハイトがハイト適正範囲の下限値未満である場合、バレル部が電線にかしめられるときの過剰な圧力が原因で、バレル部が電線に食い込み過ぎていると考えられる。
【0026】
一方、バレル部のハイトがハイト適正範囲の上限値を超える場合、バレル部が電線にかしめられるときの圧力の不足が原因で、電線に対するバレル部の食い込みが不足しているか、または、アプリケータの下型(アンビル)および/または上型(クリンパ)の摩耗などが原因で、バレル部に背バリが生じていると考えられる。
【0027】
バレル部のハイトがハイト適正範囲の上限値を超えているが、背バリは生じていない場合、つまり単に電線に対するバレル部の食い込みが不足している場合、第1投影面へのバレル部の投影における測定位置での第2方向の寸法と第2投影面へのバレル部の投影における測定位置での第3方向の寸法とがほぼ一致するように圧着端子が端子配置部に配置されたときに、当該寸法は、バレル部のハイトがハイト適正範囲内である場合(背バリが生じておらず、かつ、電線に対するバレル部の食い込みが必要十分な場合)のそれとほぼ変わらない。これに対し、背バリが生じている場合は、第1投影面へのバレル部の投影における測定位置での第2方向の寸法と第2投影面へのバレル部の投影における測定位置での第3方向の寸法とがほぼ一致するように圧着端子が端子配置部に配置されたときに、当該寸法は、バレル部のハイトがハイト適正範囲内である場合のそれよりも大きくなる。
【0028】
したがって、たとえば、圧着端子を端子配置部に配置した後、圧着端子をバレル部における電線の延伸方向に延びる軸線を中心に揺動させ、その揺動時に第1イメージセンサおよび第2イメージセンサから出力される信号の解析により、第1投影面へのバレル部の投影における測定位置での第2方向の寸法および第2投影面へのバレル部の投影における測定位置での第3方向の寸法を所定の時間間隔で複数取得し、ほぼ同時に取得されたほぼ同一の第2方向の寸法および第3方向の寸法が予め定める上限値を超えている場合に、バレル部に背バリが生じていると判定することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、検査作業者の技量にかかわらず、圧着端子を精度よく検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る圧着端子検査装置の構成を図解的に示す図である。
【図2】図2は、端子配置部に配置された端子付き電線およびワイド測定用エリアイメージセンサの平面図である。
【図3】図3は、端子配置部に配置された端子付き電線およびハイト測定用エリアイメージセンサの側面図である。
【図4】図4は、圧着端子の検査工程における検査作業者の作業手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部のハイトおよびワイドの取得ならびに背バリの有無の判定のための処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図6】図6は、ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部のハイトおよびワイドの取得ならびに背バリの有無の判定のための処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【図7】図7は、ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部のハイトおよびワイドの取得ならびに背バリの有無の判定のための処理の流れを示すフローチャート(その3)である。
【図8】図8(a)は、背バリが生じていないワイヤバレル部の断面図であり、図8(b)は、背バリが生じているワイヤバレル部の断面図である。
【図9】図9は、端子配置部に傾斜姿勢で配置された圧着端子のワイヤバレル部およびその近傍の側面図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態に係る圧着端子検査装置の構成を図解的に示す図である。
【図11】図11は、図10に示される圧着端子検査装置において、図6に示される処理に代えて実行される処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図12】図12は、図10に示される圧着端子検査装置において、図6に示される処理に代えて実行される処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る圧着端子検査装置の構成を図解的に示す図である。
【0033】
圧着端子検査装置1は、電線2の端末部に圧着された圧着端子3を検査するための装置である。圧着端子検査装置1は、端子配置部11、ワイド測定用エリアイメージセンサ12、ワイド測定用光学系13、ハイト測定用エリアイメージセンサ14およびハイト測定用光学系15を備えている。
【0034】
端子配置部11は、圧着端子検査装置1の筐体(図示せず)内に空間として形成されている。たとえば、筐体の前面に端子挿入口が形成されており、端子配置部11には、検査対象の圧着端子3がその端子挿入口を通して配置される。
【0035】
ワイド測定用エリアイメージセンサ12は、たとえば、20mm×20mmサイズの正方形状の撮像面121を有するCCDエリアイメージセンサまたはCMOSエリアイメージセンサからなる。ワイド測定用エリアイメージセンサ12は、端子配置部11の下方で、撮像面121を上方に向けて、撮像面121の互いに平行をなす2辺が圧着端子検査装置1の左右方向であるX軸方向(第3方向)に延び、残りの2辺が圧着端子検査装置1の前後方向であるZ軸方向(第1方向)に延びるように配置されている。
【0036】
ワイド測定用光学系13は、端子配置部11の上方に、ワイド測定用エリアイメージセンサ12に対向して配置されている。ワイド測定用光学系13には、ワイド測定用第1光源131およびコリメータレンズ132が含まれる。
【0037】
ワイド測定用第1光源131は、たとえば、波長600nmのレーザ光を発生する半導体レーザからなる。ワイド測定用第1光源131は、その光軸がワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121の中心部と直交するように配置されている。
【0038】
コリメータレンズ132は、端子配置部11とワイド測定用第1光源131との間に配置されている。ワイド測定用第1光源131から端子配置部11に向かう光線束は、コリメータレンズ132を透過し、平行光となって、端子配置部11に上方から入射する。
【0039】
ハイト測定用エリアイメージセンサ14は、たとえば、20mm×20mmサイズの正方形状の撮像面141を有するCCDエリアイメージセンサまたはCMOSエリアイメージセンサからなる。ハイト測定用エリアイメージセンサ14は、端子配置部11の側方で、撮像面141を端子配置部11に向けて、撮像面141の互いに平行をなす2辺が圧着端子検査装置1の上下方向であるY軸方向(第2方向)に延び、残りの2辺が圧着端子検査装置1の前後方向であるZ軸方向に延びるように配置されている。
【0040】
ハイト測定用光学系15は、端子配置部11を挟んでハイト測定用エリアイメージセンサ14と反対側に、ハイト測定用エリアイメージセンサ14に対向して配置されている。ハイト測定用光学系15には、ハイト測定用第1光源151およびコリメータレンズ152が含まれる。
【0041】
ハイト測定用第1光源151は、たとえば、波長600nmのレーザ光を発生する半導体レーザからなる。ハイト測定用第1光源151は、その光軸がハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141の中心部と直交するように配置されている。
【0042】
コリメータレンズ152は、端子配置部11とハイト測定用第1光源151との間に配置されている。ハイト測定用第1光源151から端子配置部11に向かう光線束は、コリメータレンズ152を透過し、平行光となって、端子配置部11に側方から入射する。
【0043】
図2は、端子配置部に配置された端子付き電線およびワイド測定用エリアイメージセンサの平面図である。図3は、端子配置部に配置された端子付き電線およびハイト測定用エリアイメージセンサの側面図である。
【0044】
電線2および圧着端子3を備える端子付き電線4は、たとえば、ワイヤハーネスに用いられる。
【0045】
電線2の端末部では、芯線21を被覆する被覆材22が剥かれて、芯線21が露出している。
【0046】
圧着端子3は、本体部31、ワイヤバレル部32、インシュレーションバレル部33およびそれらを連結する板状の基底部34を一体的に有している。
【0047】
本体部31は、基底部34の長手方向(本体部31、ワイヤバレル部32およびインシュレーションバレル部33の並び方向)の一端部に形成されている。本体部31の形状は、互いに結合可能なペアをなすオス型であるかメス型であるかによって異なる。オス型の本体部31とメス型の本体部31との結合により、それらの本体部31を有する圧着端子3同士が電気的に接続される。
【0048】
ワイヤバレル部32は、本体部31から基底部34の長手方向に間隔を空けて、基底部34の両側縁から立ち上がる1対の片として形成されている。
【0049】
インシュレーションバレル部33は、基底部34の長手方向の他端部に、基底部34の両側縁から立ち上がる1対の片として形成されている。
【0050】
電線2の端末部は、露出した芯線21がワイヤバレル部32の内側に位置し、電線2の被覆材22で被覆されている部分がインシュレーションバレル部33の内側に位置するように、基底部34上に配置されている。そして、ワイヤバレル部32は、電線2の芯線21を抱き込むように押し潰されて、芯線21にかしめられている。また、インシュレーションバレル部33は、電線2の被覆材22で被覆されている部分を抱き込むように押し潰されて、その被覆材22で被覆されている部分にかしめられている。
【0051】
圧着端子検査装置1における圧着端子3の検査では、圧着端子3のワイヤバレル部32のクリンプハイトHwおよびクリンプワイドWw、ならびにインシュレーションバレル部33のハイトであるインシュレーションハイトHiおよびインシュレーションバレル部33のワイドであるインシュレーションワイドWiが測定される。また、ワイヤバレル部32およびインシュレーションバレル部33における背バリの有無が調べられる。
【0052】
圧着端子検査装置1は、図1に示されるように、CPUおよびメモリを含むマイクロコンピュータからなる制御部5を備えている。制御部5は、ワイド測定用第1光源131およびハイト測定用第1光源151の発光を制御するための発光制御部51と、ワイド測定用エリアイメージセンサ12およびハイト測定用エリアイメージセンサ14が出力する信号を処理(解析)する信号処理部52とを備えている。
【0053】
発光制御部51は、具体的には、ワイド測定用第1光源131およびハイト測定用第1光源151を駆動するドライバに含まれるスイッチング素子のオン/オフを制御することにより、ワイド測定用第1光源131およびハイト測定用第1光源151の発光を制御する。
【0054】
信号処理部52は、各項目の検査を実行するため、CPUによるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影内の予め定める基準点を特定する基準点特定部521と、ワイヤバレル部32のクリンプハイトHwおよびインシュレーションバレル部33のインシュレーションハイトHiを取得するハイト取得部522と、ワイヤバレル部32のクリンプワイドWwおよびインシュレーションバレル部33のインシュレーションワイドWiを取得するワイド取得部523と、ワイヤバレル部32およびインシュレーションバレル部33に背バリが生じているか否かを判定する背バリ有無判定部524とを備えている。
【0055】
図4は、圧着端子の検査工程における検査作業者の作業手順を示すフローチャートである。
【0056】
圧着端子3の検査時には、まず、検査作業者により、電線2が把持されて、圧着端子3が圧着端子検査装置1の端子配置部11に配置される(ステップS1)。このとき、圧着端子3は、ワイヤバレル部32における電線2の延伸方向(以下、単に「延伸方向」という。)がZ軸方向にほぼ沿い、基底部34がワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121に対してほぼ平行をなす姿勢(初期姿勢)で配置される。
【0057】
次に、検査作業者により、端子配置部11において、圧着端子3が初期姿勢から延伸方向に延びる軸線を中心として両方向にそれぞれ約45°の角度範囲で揺動される(ステップS2)。
【0058】
そして、その圧着端子3の揺動中に、基準点特定部521により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影内の予め定める基準点が自動的に特定される。そして、ハイト取得部522により、ワイヤバレル部32のクリンプハイトHwおよびインシュレーションバレル部33のインシュレーションハイトHiが自動的に取得される。さらに、ワイド取得部523により、ワイヤバレル部32のクリンプワイドWwおよびインシュレーションバレル部33のインシュレーションワイドWiが取得される。また、背バリ有無判定部524により、ワイヤバレル部32およびインシュレーションバレル部33に背バリが生じているか否かが自動的に判定される。
【0059】
図5,6,7は、ワイヤバレル部およびインシュレーションバレル部のハイトおよびワイドの取得ならびに背バリの有無の判定のための処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
圧着端子3が端子配置部11に配置されて、圧着端子検査装置1の検査開始スイッチ(図示せず)が押されると、ハイト測定用第1光源151が一定時間(たとえば、1msec)点灯される(ステップS11)。ハイト測定用第1光源151の点灯により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141に圧着端子3の投影が結像する。
【0061】
そして、基準点特定部521により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14から出力される信号が解析されて、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影内の予め定める基準点DPが特定される(ステップS12)。具体的には、その投影内におけるインシュレーションバレル部33のZ軸方向の基端が基準点DP(図2,3参照)として特定される。電線2の被覆材22で被覆されている部分がほぼ一定の寸法(外径)を有し、被覆材22の表面とインシュレーションバレル部33の表面との間には明確な段差が生じているので、ワイド測定用エリアイメージセンサ12およびハイト測定用エリアイメージセンサ14によって撮像された圧着端子3の画像内でインシュレーションバレル部33のZ軸方向の基端を容易に特定することができる。
【0062】
基準点DPが特定されると、図2,3に示されるように、基準点DPからZ軸方向に予め定める第1距離Z1だけ離れた位置が第1測定位置Piとして設定され、基準点DPからZ軸方向に予め定める第2距離Z2だけ離れた位置が第2測定位置Pwとして設定される。
【0063】
その後、圧着端子3が端子配置部11で揺動される一方で、ワイド測定用第1光源131およびハイト測定用第1光源151の一定時間(たとえば、1msec)の点灯(点滅)が交互に繰り返される(図5のステップS13,S15)。
【0064】
ワイド測定用第1光源131の点灯により、ワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121に圧着端子3の投影が結像する。ワイド測定用第1光源131が点灯される度に、ワイド取得部523により、ワイド測定用エリアイメージセンサ12から出力される信号が解析されて、ワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのX軸方向の寸法(X軸方向寸法)Xi,Xwが測定される(ステップS14)。測定されたX軸方向寸法Xi,Xwは、制御部5に内蔵されているメモリに格納される。
【0065】
また、ハイト測定用第1光源151が点灯される度に、ハイト取得部522により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14から出力される信号が解析されて、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのY軸方向の寸法(Y軸方向寸法)Yi,Ywが測定される(ステップS16)。測定されたY軸方向寸法Yi,Ywは、制御部5に内蔵されているメモリに格納される。
【0066】
X軸方向寸法Xi,XwおよびY軸方向寸法Yi,Ywは、圧着端子3の姿勢によって変化する。たとえば、圧着端子3が初期姿勢をなすときに、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywは、極小値(最小値)をとる。また、圧着端子3が初期姿勢から延伸方向に延びる軸線を中心として両方向にそれぞれ約45°傾いた姿勢をなすときに、第2測定位置PwでのX軸方向寸法XwおよびY軸方向寸法Ywがほぼ同じ値となる。
【0067】
X軸方向寸法Xi,XwおよびY軸方向寸法Yi,Ywの取得の開始後、ハイト取得部522により、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminが取得されたか否かが調べられる(ステップS17)。すなわち、ハイト取得部522により、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminがメモリに格納されているか否かが調べられる。
【0068】
また、X軸方向寸法Xi,XwおよびY軸方向寸法Yi,Ywの取得の開始後、背バリ有無判定部524により、ほぼ同じ値のX軸方向寸法XwおよびY軸方向寸法Ywが互いに前後して(ほぼ同時に)取得されたか否かが調べられる(ステップS18)。すなわち、背バリ有無判定部524により、互いに前後してメモリに格納されたX軸方向寸法XwおよびY軸方向寸法Ywがペアとされて、互いにほぼ同じ値からなるペア(以下、「同値ペア」という。)が存在するか否かが調べられる。
【0069】
極小値Ywminおよび同値ペアがメモリに格納されていなければ(ステップS17,S18のNO)、極小値Ywminおよび同値ペアがメモリに格納されるまで、圧着端子3の揺動ならびにX軸方向寸法Xi,XwおよびY軸方向寸法Yi,Ywの取得が続けられる(ステップS13〜S16)。
【0070】
極小値Ywminおよび同値ペアが取得されると(ステップS17,S18のYES)、極小値Ywminがワイヤバレル部32のクリンプハイトHwとされる(図6のステップS19)。
【0071】
そして、極小値Ywminと同時に測定された第1測定位置PiでのY軸方向寸法Yiがインシュレーションバレル部33のインシュレーションハイトHiとされる(ステップS20)。
【0072】
また、極小値Ywminが測定される直前に測定された第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xwがワイヤバレル部32のクリンプワイドWwとされる(ステップS21)。
【0073】
さらに、極小値Ywminが測定される直前に測定された第1測定位置PiでのX軸方向寸法Xiがインシュレーションバレル部33のインシュレーションワイドWiとされる(ステップS22)。
【0074】
なお、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminおよび同値ペアが取得されると、たとえば、圧着端子検査装置1に設けられている報知ランプ(図示せず)が点灯されるなど、その極小値Ywminおよび同値ペアが取得された旨が報知される。この報知に応答して、検査作業者は、圧着端子3の揺動を終了し、圧着端子3を圧着端子検査装置1の端子配置部11から取り出せばよい。
【0075】
クリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiが取得されると、背バリ有無判定部524により、そのクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiがそれぞれ予め定めるハイト適正範囲内であるか否かが調べられる(図7のステップS23)。
【0076】
クリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiの両方がハイト適正範囲内であれば(ステップS23のYES)、電線2への圧着端子3の圧着状態が良好であると判定されて、この一連の処理が終了する。
【0077】
一方、ワイヤバレル部32のクリンプハイトHwがハイト適正範囲を超えている場合には(ステップ23のNO)、背バリ有無判定部524により、同値ペアをなすY軸方向寸法Ywが予め定める上限値Ywlimを超えているか否かが調べられる(ステップS24)。
【0078】
なお、同値ペアをなすX軸方向寸法XwおよびY軸方向寸法Ywは、ほぼ一致するので、X軸方向寸法Xwが予め定める上限値Ywlimを超えているか否かが調べられてもよい。
【0079】
ワイヤバレル部32に背バリが生じていない場合、同値ペアをなすY軸方向寸法Ywは、クリンプハイトHwがハイト適正範囲内である場合とほぼ変わらない。背バリが生じていないワイヤバレル部32の断面図を図8(a)に示す。
【0080】
これに対し、図8(a)と図8(b)とを比較して判るように、ワイヤバレル部32に背バリが生じている場合、同値ペアをなすY軸方向寸法Yw(=X軸方向寸法Xw)は、ワイヤバレル部32に背バリが生じていない場合の同値ペアをなすY軸方向寸法Yw(クリンプハイトHwがハイト適正範囲内である場合の同値ペアをなすY軸方向寸法Yw)よりも大きくなる。
【0081】
そこで、同値ペアをなすY軸方向寸法Ywが上限値Ywlimを超えている場合には(ステップS24のYES)、ワイヤバレル部32に背バリが生じていると判定されて、圧着端子3を電線2に圧着する際に使用されるアプリケータの下型(アンビル)および/または上型(クリンパ)の交換が必要である旨が報知される(ステップS25)。
【0082】
一方、同値ペアをなすY軸方向寸法Ywが上限値Ywlimを超えていない場合には(ステップS24のNO)、ワイヤバレル部32に背バリは生じておらず、圧着端子3を電線2に圧着する際の圧力が過剰または不足していると判断されて、圧着端子3を電線2に圧着する際の圧力の調整(ハイト調整)が必要である旨が報知される(ステップS26)。
【0083】
インシュレーションバレル部33のインシュレーションハイトHiがハイト適正範囲を超えている場合には(ステップ23のNO)、背バリ有無判定部524により、ワイヤバレル部32のクリンプハイトHwがハイト適正範囲を超えている場合と同様の処理が行われる。
【0084】
すなわち、背バリ有無判定部524により、メモリから同値ペアをなす第1測定位置PiでのX軸方向寸法XiおよびY軸方向寸法Yiが読み出されて、Y軸方向寸法Yiが予め定める上限値Yilimを超えているか否かが調べられる(ステップS24)。
【0085】
そして、同値ペアをなすY軸方向寸法Yiが上限値Yilimを超えている場合には(ステップS24のYES)、インシュレーションバレル部33に背バリが生じていると判定されて、アプリケータの下型および/または上型の交換が必要である旨が報知される(ステップS25)。
【0086】
一方、同値ペアをなすY軸方向寸法Yiが上限値Yilimを超えていない場合には(ステップS24のNO)、インシュレーションバレル部33に背バリは生じておらず、圧着端子3を電線2に圧着する際の圧力が過剰または不足していると判断されて、圧着端子3を電線2に圧着する際の圧力の調整(ハイト調整)が必要である旨が報知される(ステップS26)。
【0087】
以上のように、検査作業者により、圧着端子検査装置1の端子配置部11に圧着端子3が配置されて、圧着端子3が延伸方向に延びる軸線を中心に揺動されると、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのY軸方向寸法Yi,Ywが測定される。そして、Y軸方向寸法Ywの極小値Ywminが圧着端子3のワイヤバレル部32のクリンプハイトHwとして取得される。また、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminと同時に測定された第1測定位置PiでのY軸方向寸法Yiがインシュレーションバレル部33のインシュレーションハイトHiとして取得される。
【0088】
Y軸方向寸法Yi,Ywが測定される一方で、ワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xi,Xwが測定される。そして、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminが測定される直前に測定された第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xwがワイヤバレル部32のクリンプワイドWwとして取得される。また、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminが測定される直前に測定された第1測定位置PiでのX軸方向寸法Xiがインシュレーションバレル部33のインシュレーションワイドWiとして取得される。
【0089】
第1測定位置Piおよび第2測定位置Pwは、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影内の予め定める基準点DPを基準として自動的に設定される。すなわち、圧着端子検査装置1の端子配置部11に圧着端子3が配置されると、基準点DPが自動的に特定され、その基準点DPからZ軸方向に予め定める第1距離Z1だけ離れた位置が第1測定位置Piとして設定され、基準点DPからZ軸方向に予め定める第2距離Z2だけ離れた位置が第2測定位置Pwとして設定される。これにより、第1測定位置Piおよび第2測定位置Pwが検査作業者によってばらつくことなく、第1測定位置Piおよび第2測定位置Pwを常に一定の位置とすることができる。
【0090】
よって、圧着端子検査装置1を用いることにより、検査作業者の技量にかかわらず、ワイヤバレル部32のクリンプハイトHwおよびクリンプワイドWw、ならびに、インシュレーションバレル部33のインシュレーションハイトHiおよびインシュレーションワイドWiを精度よく測定することができる。また、圧着端子検査装置1を用いることにより、それらの測定にかかる手間(工数)および時間を低減することができる。
【0091】
また、クリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiがハイト適正範囲から外れている場合には、ワイヤバレル部32およびインシュレーションバレル部33における背バリの有無が自動的に判定される。よって、検査作業者は、その判定結果に基づいて、電線2への圧着端子3の圧着状態の不良の原因を解消するために、アプリケータの下型および/または上型を交換すべきか、圧着端子3を電線2に圧着する際の圧力を調整すべきかを正確に判断することができる。
【0092】
図9は、端子配置部に傾斜姿勢で配置された圧着端子のワイヤバレル部およびその近傍の側面図である。
【0093】
検査作業者による人手では、圧着端子3を正確に初期姿勢(延伸方向とZ軸方向とが平行をなし、基底部34とワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121とが平行をなす姿勢)に配置することは困難である。そのため、実際には、圧着端子3が端子配置部11に配置された状態で、その圧着端子3におけるクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiの方向は、Y軸方向に対して傾斜し、クリンプワイドWwおよびインシュレーションハイトWiの方向は、X軸方向に対して傾斜する。
【0094】
クリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiの方向がY軸方向に対して角度θyで傾斜している場合、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminおよび第1測定位置PiでのY軸方向寸法Yiの極小値YiminがそれぞれクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiとして取得されると、それらのクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiには、角度θyに起因する誤差が含まれる。
【0095】
そこで、ハイト取得部522により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14から出力される信号に基づいて、Y軸方向に対するクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiの方向の傾斜角度θyが検出されて、極小値Ywmin,Yiminにcosθyを乗じて得られる値Ywmin・cosθy,Yimin・cosθyがそれぞれクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiとして取得されることが好ましい。
【0096】
これにより、圧着端子3の正確なクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiを取得することができる。
【0097】
また、このクリンプハイトHwおよびインシュレーションハイトHiの場合と同様な手法で、クリンプワイドWwおよびインシュレーションワイドWiが取得(補正)されることが好ましい。
【0098】
すなわち、ワイド測定用エリアイメージセンサ12から出力される信号に基づいて、X軸方向に対するクリンプワイドWwおよびインシュレーションワイドWiの方向の傾斜角度θxが検出されて、極小値Ywminが測定される直前に測定された第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xw,Xiにcosθxを乗じて得られる値Xw・cosθx,Xi・cosθxがそれぞれクリンプワイドWwおよびインシュレーションワイドWiとして取得されることが好ましい。
【0099】
図10は、本発明の他の実施形態に係る圧着端子検査装置の構成を図解的に示す図である。なお、図10において、図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。
【0100】
以下では、図10に示される構成について、図1に示される構成との相違点のみを説明し、同一の参照符号が付された各部の説明を省略する。
【0101】
圧着端子検査装置100のワイド測定用光学系13には、ワイド測定用第1光源131およびコリメータレンズ132の他に、ワイド測定用第2光源133およびビームスプリッタ134が含まれる。
【0102】
ワイド測定用第2光源133は、たとえば、波長800nmのレーザ光を発生する半導体レーザからなる。ワイド測定用第2光源133は、その光軸がワイド測定用第1光源131の光軸と直交するように配置されている。
【0103】
ビームスプリッタ134は、ワイド測定用第1光源131およびワイド測定用第2光源133の各光軸が直交する点に配置されている。ワイド測定用第1光源131から出射される光線束は、ビームスプリッタ134を透過し、端子配置部11に向けて進む。ワイド測定用第2光源133から出射される光線束は、ビームスプリッタ134で反射し、端子配置部11に向けて進む。ビームスプリッタ134から端子配置部11に向かう各光線束がワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121と直交する同一軸線上を進むように、ワイド測定用第1光源131およびワイド測定用第2光源133は、ビームスプリッタ134から同じ距離だけ離れている。
【0104】
コリメータレンズ132は、端子配置部11とビームスプリッタ134との間に配置されている。ビームスプリッタ134から端子配置部11に向かう光線束は、コリメータレンズ132を透過し、平行光となって、端子配置部11に上方から入射する。
【0105】
また、圧着端子検査装置100のハイト測定用光学系15には、ハイト測定用第1光源151およびコリメータレンズ152の他に、ハイト測定用第2光源153およびビームスプリッタ154が含まれる。
【0106】
ハイト測定用第2光源153は、たとえば、波長800nmのレーザ光を発生する半導体レーザからなる。ハイト測定用第2光源153は、その光軸がハイト測定用第1光源151の光軸と直交するように配置されている。
【0107】
ビームスプリッタ154は、ハイト測定用第1光源151およびハイト測定用第2光源153の各光軸が直交する点に配置されている。ハイト測定用第1光源151から出射される光線束は、ビームスプリッタ154を透過し、端子配置部11に向けて進む。ハイト測定用第2光源153から出射される光線束は、ビームスプリッタ154で反射し、端子配置部11に向けて進む。ビームスプリッタ154から端子配置部11に向かう各光線束がハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141と直交する同一軸線上を進むように、ハイト測定用第1光源151およびハイト測定用第2光源153は、ビームスプリッタ154から同じ距離だけ離れている。
【0108】
コリメータレンズ152は、端子配置部11とビームスプリッタ154との間に配置されている。ビームスプリッタ154から端子配置部11に向かう光線束は、コリメータレンズ152を透過し、平行光となって、端子配置部11に側方から入射する。
【0109】
図11,12は、図6に示される処理に代えて実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0110】
圧着端子検査装置100では、クリンプハイトHw、インシュレーションハイトHi、クリンプワイドWwおよびインシュレーションワイドWiの取得ならびに背バリの有無の判定のために、図5に示される処理が実行された後、図6に示される処理に代えて、図11に示される処理が実行される。
【0111】
圧着端子検査装置100では、図5のステップS17において、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminおよび同値ペアが取得されても、その旨は報知されず、圧着端子3の揺動が続けられる。そして、圧着端子3が揺動される一方で、ワイド測定用第1光源131およびハイト測定用第1光源151の一定時間(たとえば、1msec)の点灯(点滅)が交互に繰り返される(ステップS31,S33)。
【0112】
ワイド測定用第1光源131が点灯される度に、ワイド取得部523により、ワイド測定用エリアイメージセンサ12から出力される信号が解析されて、ワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xi,Xwが測定される(ステップS32)。
【0113】
また、ハイト測定用第1光源151が点灯される度に、ハイト取得部522により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14から出力される信号が解析されて、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのY軸方向寸法Yi,Ywが測定される(ステップS34)。
【0114】
そして、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywが取得される度に、そのY軸方向寸法Ywが極小値Ywminに近い所定値以下であるか否かが調べられる(ステップS35)。
【0115】
第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywが所定値より大きければ(ステップS35のNO)、ワイド測定用第1光源131およびハイト測定用第1光源151の交互の点灯が続けられる(ステップS31〜S34)。
【0116】
第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywが所定値以下になると(ステップS35のYES)、ワイド測定用第1光源131が一定時間(たとえば、1msec)点灯される(ステップS36)。
【0117】
そして、ワイド測定用第1光源131の点灯中に、ワイド取得部523により、ワイド測定用エリアイメージセンサ12から出力される信号が解析されて、ワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xis,Xwsが測定される(ステップS37)。
【0118】
ワイド測定用第1光源131の消灯後、ワイド測定用第2光源133が一定時間(たとえば、1msec)点灯される(ステップS38)。
【0119】
そして、ワイド測定用第2光源133の点灯中に、ワイド取得部523により、ワイド測定用エリアイメージセンサ12から出力される信号が解析されて、ワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xil,Xwlが測定される(ステップS39)。
【0120】
圧着端子3には、ワイド測定用第1光源131およびワイド測定用第2光源133からの平行光の光線束が照射される。しかしながら、圧着端子3のエッジで光の回折が生じるため、ワイド測定用エリアイメージセンサ12の撮像面121への圧着端子3の投影のサイズは、圧着端子3の実際のサイズよりも小さくなる。
【0121】
また、相対的に波長が長い光は、相対的に波長が短い光よりも大きく回折する。そのため、X軸方向寸法Xilは、X軸方向寸法Xisよりも小さくなり、X軸方向寸法Xwlは、X軸方向寸法Xwsより小さくなる。すなわち、X軸方向寸法Xis,Xilには、ワイド測定用第1光源131およびワイド測定用第2光源133からの光の波長差に応じた差が生じる。また、X軸方向寸法Xws,Xwlには、ワイド測定用第1光源131およびワイド測定用第2光源133からの光の波長差に応じた差が生じる。
【0122】
そこで、X軸方向寸法Xis,Xilの差に基づいて、X軸方向寸法XisがX軸方向寸法Xiに補正される(ステップS40)。また、X軸方向寸法Xws,Xwlの差に基づいて、X軸方向寸法XwsがX軸方向寸法Xwに補正される(ステップS40)。
【0123】
ワイド測定用第2光源133の消灯後、ハイト測定用第1光源151が一定時間(たとえば、1msec)点灯される(図12のステップS41)。そして、ハイト測定用第1光源151の点灯中に、ハイト取得部522により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14から出力される信号が解析されて、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのY軸方向寸法Yis,Ywsが測定される(ステップS42)。
【0124】
ハイト測定用第1光源151の消灯後、ハイト測定用第2光源153が一定時間(たとえば、1msec)点灯される(ステップS43)。そして、ハイト測定用第2光源153の点灯中に、ハイト取得部522により、ハイト測定用エリアイメージセンサ14から出力される信号が解析されて、ハイト測定用エリアイメージセンサ14の撮像面141への圧着端子3の投影における第1測定位置Piおよび第2測定位置PwでのY軸方向寸法Yil,Ywlが測定される(ステップS44)。
【0125】
そして、X軸方向寸法Xi,Xwの場合と同様に、Y軸方向寸法Yis,Yilの差に基づいて、Y軸方向寸法YisがY軸方向寸法Yiに補正される(ステップS45)。また、Y軸方向寸法Yws,Ywlの差に基づいて、Y軸方向寸法YwsがY軸方向寸法Ywに補正される(ステップS45)。
【0126】
その後、ハイト取得部522により、補正後のY軸方向寸法Ywの極小値Ywminが取得されたか否かが調べられる(ステップS46)。
【0127】
極小値Ywminが取得されるまで、ワイド測定用第1光源131、ワイド測定用第2光源133、ハイト測定用第1光源151およびハイト測定用第2光源153の一定時間の点灯が繰り返され、補正後のX軸方向寸法XwおよびY軸方向寸法Ywが取得される(ステップS36〜S45)。
【0128】
補正後のY軸方向寸法Ywの極小値Ywminが取得されると(ステップS46のYES)、その取得された極小値Ywminがワイヤバレル部32のクリンプハイトHwとされる(ステップS47)。
【0129】
そして、極小値Ywminと同時に取得された補正後のY軸方向寸法Yiがインシュレーションバレル部33のインシュレーションハイトHiとされる(ステップS48)。
【0130】
また、極小値Ywminが取得される直前に取得された補正後のX軸方向寸法Xwがワイヤバレル部32のクリンプワイドWwとされる(ステップS49)。
【0131】
さらに、極小値Ywminが取得される直前に取得された補正後のX軸方向寸法Xiがインシュレーションバレル部33のインシュレーションワイドWiとされる(ステップS50)。
【0132】
なお、補正後のY軸方向寸法Ywの極小値Ywminが取得されると、たとえば、圧着端子検査装置1に設けられている報知ランプ(図示せず)が点灯されるなど、その極小値Ywminが取得された旨が報知される。この報知に応答して、検査作業者は、圧着端子3の揺動を終了し、圧着端子3を圧着端子検査装置1の端子配置部11から取り出せばよい。
【0133】
クリンプハイトHw、インシュレーションハイトHi、クリンプワイドWwおよびインシュレーションワイドWiの取得後は、図7に示す処理が実行される。
【0134】
このような手法により、光の回折による誤差が排除された一層正確なクリンプハイトHw、インシュレーションハイトHi、クリンプワイドWwおよびインシュレーションワイドWiを取得することができる。
【0135】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。
【0136】
たとえば、端子配置部11における圧着端子3の揺動中に、その圧着端子3のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の位置が変動しないように、圧着端子3を一定位置で揺動可能に保持する保持部材が端子配置部11に設けられてもよい。
【0137】
また、端子配置部11で圧着端子3が揺動されるとしたが、圧着端子3が端子配置部11に配置された後、圧着端子3が静止したままで、ワイド測定用エリアイメージセンサ12、ワイド測定用光学系13、ハイト測定用エリアイメージセンサ14およびハイト測定用光学系15がZ軸方向に延びる軸線を中心に一体的に揺動されてもよい。
【0138】
また、X軸方向寸法Xi,Xwが測定(取得)された後、Y軸方向寸法Yi,Ywが測定されるという処理が繰り返される場合を例に取ったが、Y軸方向寸法Yi,Ywが測定された後、X軸方向寸法Xi,Xwが測定されるという処理が繰り返されてもよい。この場合、第2測定位置PwでのY軸方向寸法Ywの極小値Ywminが測定される直後に測定された第1測定位置PiでのX軸方向寸法Xiがインシュレーションバレル部33のクリンプワイドWiとされ、極小値Ywminが測定される直後に測定された第2測定位置PwでのX軸方向寸法Xwがワイヤバレル部32のクリンプワイドWwとされるとよい。
【0139】
また、ワイド測定用エリアイメージセンサ12およびハイト測定用エリアイメージセンサ14がそれらの撮像面121,141を端子配置部11に向けて配置された構成を取り上げた。この構成に代えて、ワイド測定用エリアイメージセンサ12およびハイト測定用エリアイメージセンサ14が省略されて、撮像面121,141の位置にスクリーンが設けられるとともに、スクリーンに対してワイド測定用光学系13およびハイト測定用光学系15と反対側にイメージセンサ設けられた構成が採用されてもよい。この構成では、スクリーンに結像した圧着端子3の投影がイメージセンサによって撮像され、イメージセンサから出力される信号に基づいて、X軸方向寸法Xi,XwおよびY軸方向寸法Yi,Ywが取得される。この場合、撮像面121の位置に設けられるスクリーンの端子配置部11に臨む面は、第2投影面の一例をなし、撮像面141の位置に設けられるスクリーンの端子配置部11に臨む面は、第1投影面の一例をなす。
【0140】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 圧着端子検査装置
2 電線
3 圧着端子
5 制御部
11 端子配置部
12 ワイド測定用エリアイメージセンサ(第2エリアイメージセンサ)
14 ハイト測定用エリアイメージセンサ(第1エリアイメージセンサ)
32 ワイヤバレル部(バレル部)
33 インシュレーションバレル部(バレル部)
51 発光制御部
52 信号処理部
100 圧着端子検査装置
121 撮像面(第2投影面)
141 撮像面(第1投影面)
521 基準点特定部(基準点特定手段)
522 ハイト取得部(第2方向寸法測定手段、ハイト取得手段)
523 ワイド取得部(第3方向寸法測定手段、ワイド取得手段)
524 背バリ有無判定部(背バリ有無判定手段)
DP 基準点
Hi インシュレーションハイト
Hw クリンプハイト
Pi 第1測定位置(測定位置)
Pw 第2測定位置(測定位置)
Wi インシュレーションワイド
Ww クリンプワイド
Xi X軸方向寸法(第2方向の寸法)
Xw X軸方向寸法(第2方向の寸法)
Yi Y軸方向寸法(第3方向の寸法)
Yw Y軸方向寸法(第3方向の寸法)
Z1 第1距離
Z2 第2距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の端末部に圧着された圧着端子を検査するための装置であって、
前記圧着端子のバレル部における前記電線の延伸方向が第1方向に沿うように前記圧着端子が配置される端子配置部と、
前記端子配置部に臨み、前記第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に対して平行をなす第1投影面への投影を撮像する第1イメージセンサと、
前記第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第1投影面への前記圧着端子の投影における所定の測定位置での前記第2方向の寸法を測定する第2方向寸法測定手段と、
前記第2方向寸法測定手段によって測定された寸法に基づいて、前記バレル部のハイトを求めるハイト取得手段とを含む、圧着端子検査装置。
【請求項2】
前記第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第1投影面への前記バレル部の投影内の予め定める基準点を特定する基準点特定手段をさらに含み、
前記測定位置は、前記第1投影面への前記バレル部の投影における前記基準点から前記第1方向に予め定める距離だけ離れた位置である、請求項1に記載の圧着端子検査装置。
【請求項3】
前記端子配置部に臨み、前記第1方向および前記第1投影面と直交する第3方向に対して平行をなす第2投影面への投影を撮像する第2イメージセンサをさらに含む、請求項1または2に記載の圧着端子検査装置。
【請求項4】
前記第2方向寸法測定手段は、前記端子配置部に配置された前記圧着端子が前記延伸方向に延びる軸線を中心に揺動されたときに、前記第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第1投影面への前記バレル部の投影における前記測定位置での前記第2方向の寸法を所定の時間間隔で取得し、
前記ハイト取得手段は、前記第2方向寸法測定手段によって取得された寸法のうちの最小の寸法に基づいて、前記バレル部のハイトを求める、請求項3に記載の圧着端子検査装置。
【請求項5】
前記端子配置部に配置された前記圧着端子が前記延伸方向に延びる軸線を中心に揺動されたときに、前記第2イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第2投影面への前記圧着端子の投影における前記測定位置での前記第3方向の寸法を所定の時間間隔で取得する第3方向寸法測定手段と、
前記第2方向寸法測定手段が前記最小の寸法を測定したタイミングの直前または直後に前記第3方向寸法測定手段によって測定された寸法に基づいて、前記バレル部のワイドを求めるワイド取得手段をさらに含む、請求項4に記載の圧着端子検査装置。
【請求項6】
前記ハイト取得手段によって取得されたハイトが予め定めるハイト適正範囲外である場合に、前記第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記バレル部に背バリが生じているか否かを判定する背バリ有無判定手段をさらに含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の圧着端子検査装置。
【請求項7】
前記端子配置部に配置された前記圧着端子が前記延伸方向に延びる軸線を中心に揺動されたときに、前記第2イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第2投影面への前記圧着端子の投影における前記測定位置での前記第3方向の寸法を所定の時間間隔で取得する第3方向寸法測定手段をさらに含み、
前記第2方向寸法測定手段は、前記端子配置部に配置された前記圧着端子が前記延伸方向に延びる軸線を中心に揺動されたときに、前記第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第1投影面への前記バレル部の投影における前記測定位置での前記第2方向の寸法を所定の時間間隔で取得し、
前記背バリ有無判定手段は、前記第2方向寸法測定手段および前記第3方向寸法測定手段によってほぼ同時に取得されたほぼ同一の寸法が予め定める上限値を超えている場合に、前記バレル部に背バリが生じていると判定する、請求項6に記載の圧着端子検査装置。
【請求項8】
端子配置部と、前記端子配置部に臨み、第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に対して平行をなす第1投影面への投影を撮像する第1イメージセンサとを備える圧着端子検査装置を使用して、電線の端末部に圧着された圧着端子を検査するための方法であって、
前記圧着端子のバレル部における前記電線の延伸方向が前記第1方向に沿うように、前記圧着端子を前記端子配置部に配置する端子配置ステップと、
前記端子配置部で前記圧着端子を前記延伸方向に延びる軸線を中心に揺動させる端子揺動ステップと、
前記端子揺動ステップ中に前記第1イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第1投影面への前記バレル部の投影における前記測定位置での前記第2方向の寸法を所定の時間間隔で測定する第2方向寸法測定ステップと、
前記第2方向寸法測定ステップで取得された寸法のうちの最小の寸法に基づいて、前記バレル部のハイトを求めるハイト取得ステップとを含む、圧着端子検査方法。
【請求項9】
前記圧着端子検査装置は、前記端子配置部に臨み、前記第1方向および前記第1投影面と直交する第3方向に対して平行をなす第2投影面を撮像する第2イメージセンサをさらに備えており、
前記端子揺動ステップ中に前記第2イメージセンサから出力される信号に基づいて、前記第2投影面への前記圧着端子の投影における所定の測定位置での前記第3方向の寸法を所定の時間間隔で測定する第3方向寸法測定ステップと、
前記第2方向寸法測定ステップで前記最小の寸法が取得されたタイミングの直前または直後に取得された前記第3方向の寸法に基づいて、前記バレル部のワイドを求めるワイド取得ステップとをさらに含む、請求項8に記載の圧着端子検査方法。
【請求項10】
前記ハイト取得ステップで取得されたハイトが予め定めるハイト適正範囲外である場合に、前記第2方向寸法測定ステップおよび前記第3方向寸法測定ステップでほぼ同時に取得されたほぼ同一の寸法が予め定める上限値を超えている場合に、前記バレル部に背バリが生じていると判定する背バリ判定ステップをさらに含む、請求項9に記載の圧着端子検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−44677(P2013−44677A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183877(P2011−183877)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(595007149)株式会社コスモネット (1)
【出願人】(511207763)
【Fターム(参考)】