説明

圧縮機、及び密閉型回転電機

【課題】圧力容器外部に引き出す巻線端子の数を低減する。
【解決手段】各相に複数の巻線U1,V1,W1,U2,V2,W2が巻回された回転電機で駆動する圧縮機100において、前記複数の巻線を直列接続、及び並列接続の何れか一方に切り替える切替装置40と、前記回転電機及び前記切替装置を内部に収納する圧力容器22と、を備える。また、前記電動機駆動用に巻き回された巻線の端子は,前記圧力容器に設けた端子箱30aを介して圧力容器22の外部に引き出される構成であって、前記切替装置の切り替え動作を制御する信号線は、前記と同一の端子箱を介して圧力容器外部に引き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機、及び密閉型回転電機に関し、特に、複数の巻線を直列又は並列に切り換えて使用する電動機を備えた圧縮機に用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
圧縮機は、回転軸の密閉が困難であるため、圧力容器の内部に電動機(例えば、永久磁石同期機)が内蔵されている。
また、永久磁石同期機は、半導体スイッチング素子で構成されるインバータが直流電圧を交流電圧に変換し、変換された交流電圧が入力電圧になるため、直流電圧の値が入力電圧の上限値となる。一方で、永久磁石の回転に伴う電磁誘導により、巻線端子には逆起電力が発生し、高速回転になればなるほど逆起電力は増加する。このため、逆起電力が入力電圧よりも大きくなる回転速度においては、弱め界磁制御により永久磁石磁束を打ち消すことで逆起電力が入力電圧と同等となるように制御する手法が広く適用されている。
【0003】
ここで、永久磁石の磁力が一定であるとき、巻線端子に発生する逆起電力は電機子巻線の巻数に比例する。すなわち、高速回転領域を拡大するためには、巻数を少なく設計することが重要となる。ただし、この場合、所望のトルクを得るためには大きな電流が必要となる。このため、電流許容値の大きなスイッチング素子を使う必要が出てきてコスト増を招いたり、大電流を通電することでスイッチング素子の導通損が増加するためインバータ効率が低下したりする問題がある。
【0004】
前記問題を解決する手段として、特許文献1には、切替装置を設けて、巻線接続方式を直列又は並列に切り替える技術が開示されている。すなわち、電機子の各相に巻回された複数の巻線を直列接続とし、巻数を大きく設計した状態にすることにより、電動機は、インバータの電流許容値を小さく抑えたまま、大トルクを得ることができる。また、電動機は、巻線を並列接続とし、巻数を少なく設計した状態とすることにより、高速回転領域を拡大することができる(図3参照)。このように、特許文献1の技術は、巻線切替装置を用いることにより、電動機の可変速運転範囲を拡大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−354807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
巻線接続の切替装置を圧縮機の駆動モータに適用する際に問題となるのは、巻線端子、及び信号線の取り扱いである。
まず、切替装置を圧力容器の外部に配置する場合の問題について説明する。この場合、圧力容器の外部に設置されたモータ駆動用の制御装置等は、切替装置への信号入力を容易に行うことができる。したがって、信号線の取り扱いには特段の問題は発生しない。しかし、切替装置を構成するためには、圧力容器外部に多数の巻線端子を引き出す必要が出てくる。例えば、3相の永久磁石モータであれば、通常は各相1端子、計3端子を圧力容器外部に取り出せばよいが、直列/並列の切替装置を構成するためには、計9端子を引き出す必要が出てくる。このため、圧力容器外壁に設ける端子箱の構造が大型化、複雑化するほか、製造工程が増加するため、コスト増を招く問題がある。また、端子箱が大型化することで圧力容器の強度が低下し、製品の信頼性が低下する問題がある。
【0007】
次に、切替装置を圧力容器内部に設置する場合の問題について説明する。この場合、圧力容器外部に設置されたモータ駆動用の制御装置等は、切替装置への信号入力を行うことになるが、信号線用の端子箱を圧力容器外壁に新たに追加する必要が出てくる。
そうすると、製造工程が増加するためコスト増を招く問題がある。また、端子箱の数が増加することで圧力容器の強度が低下し、製品の信頼性が低下する問題がある。なお、巻線端子に関しては、圧力容器内部で切替装置に接続されるので、新たに端子箱を設ける必要は無い。
このように、切替装置を圧力容器外部に設置する場合は、巻線端子の取り扱いに問題があり、圧力容器内部に設置する場合は信号線の取り扱いに問題がある。
【0008】
特許文献1の技術は、モータと切替装置とを一体で構成するとしており、切替装置を圧力容器内部に設置する場合に該当する。前記したように、信号線用の端子箱を圧力容器外壁に新たに設ける必要があり、課題となる。また、特許文献1の構成では、切替装置への切替信号はシリアルエンコーダに送るとしている。しかしながら、圧縮機に内蔵された永久磁石同期機の場合、圧力容器内が高温・高圧環境のため、シリアルエンコーダ等の半導体部品を用いて回転子位置を検出するのではなく、電流値、及び電圧値の情報から回転子位置情報を推定する手法が一般的である。したがって、エンコーダに切替信号を送ることはできない。
【0009】
そこで、本発明は、圧力容器外部に引き出す巻線端子の数を低減することができる圧縮機、及び密閉型回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は、各相に複数の巻線が巻回された回転電機を有する圧縮機において、前記複数の巻線を直列接続、及び並列接続の何れか一方に切り替える切替装置と、前記回転電機及び前記切替装置を内部に収納する圧力容器と、を備えることを特徴とする。
また、前記電動機駆動用に巻き回された巻線の端子は,前記圧力容器に設けた端子箱を介して圧力容器外部に引き出される構成であって、前記切替装置の切り替え動作を制御する信号線は、前記と同一の端子箱を介して圧力容器外部に引き出す構成であることを特徴とする。
【0011】
回転電機を構成する複数の巻線を直列接続にすると、低回転速度領域で最大トルクが上昇し、並列接続にすると、最大トルクが低下するが、定トルクとなる回転速度領域が上昇する。したがって、複数の巻線を直列接続、及び並列接続の何れか一方に切り替える切替装置を設けることによって、可変速運転範囲を拡大できる。
また、回転電機が3相の場合、切替装置の端子数は9個であり、従来のように切替装置を圧力容器の外部に設置するとき、端子箱の端子数は、3個+9個の計12個必要になる。しかしながら、本発明によれば、切替装置を圧力容器内部に設けることにより、切替装置を圧力容器外部に設置すれば、多くても3個+2個の計5個の端子数でよくなるので、引き出す巻線端子の数を低減することができる。
【0012】
前記切替装置は、2回路2接点の機械式リレーを各相毎に用いた6回路構成であり、
前記2回路は、各相毎に各回路で共通する第1共通接点(101,Ta3U,Tb3U)、及びすべての相で共通する第2共通接点(103,Tb2U,Tb2V,Tb3W)を備える第1回路と、前記第1共通接点、及び相毎に独立する独立接点(Ta1W,Ta1V,Ta1U)を備える第2回路とからなり、前記第1共通接点と前記第2共通接点との何れかに接続される第1端子(Tb1W,Tb1V,Tb1U)、及び前記第1共通接点と前記独立接点の何れかに接続される第2端子(Ta2W,Ta2V,Ta2U)は、何れかの前記巻線の終端に接続され、前記独立接点は、他の前記巻線の終端、及び多相交流電源の端子に接続されることが好ましい。なお、( )内の符号や記号は例示である。
【0013】
これによれば、第1共通接点や第2共通接点の配線が不要になるので、、小型化が容易となる。なお、圧力容器に設けることができるような密閉式の端子箱は、品種が少ないので、端子数を3個あるいは4個に制限できるような構成は、きわめて有用である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、圧力容器外部に引き出す巻線端子の数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態である圧縮機の断面構造図である。
【図2】本発明の第1実施形態である圧縮機の電機子巻線と切替装置の接続図である。
【図3】電機子巻線の接続状態に応じた、トルク−回転速度の特性図である。
【図4】本発明の第1実施形態である圧縮機の圧力容器外側から見た端子箱の正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態である圧縮機の電機子巻線と巻線切替回路の接続図である。
【図6】本発明の第3実施形態である圧縮機の電機子巻線と巻線切替回路の接続図である。
【図7】本発明の第3実施形態である圧縮機の圧力容器外側から見た端子箱の正面図である。
【図8】本発明の第4実施形態である圧縮機の電機子巻線と巻線切替回路の接続図である。
【図9】一般的な1回路2接点の機械式リレーの端子部分の構造図である。
【図10】本発明の第5実施形態の圧縮機に用いられる機械式リレーの一の側面図である。
【図11】本発明の第5実施形態の圧縮機に用いられる機械式リレーの一の上面図である。
【図12】本発明の第5実施形態の圧縮機に用いられる機械式リレーの他の側面図である。
【図13】本発明の第5実施形態の圧縮機に用いられる機械式リレーの他の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態である圧縮機(密閉型回転電機)について図面を参照して説明する。各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である圧縮機の断面構造図である。
図1において、圧縮機100(100a)は、圧縮部28と、永久磁石同期機24と、切替装置40とが圧力容器22の内部に密封され、これらが端子箱30を介して制御される構造になっている。
圧縮部28は、固定スクロール部材13と、旋回スクロール部材16と、滑り軸受27とを備え、固定スクロール部材13の端板14に直立する渦巻状ラップ15と、旋回スクロール部材16の端板17に直立する渦巻状ラップ18とを噛み合わせて、圧縮室19(19a,19b,……)が形成されている。そして、圧縮部28は、旋回スクロール部材16をクランクシャフト6によって旋回運動させることで圧縮動作を行うようになっている。圧縮室19(19a,19b,……)のうち、最も外径側に位置している圧縮室19a,19bは、旋回運動に伴って両スクロール部材13,16の中心に向かって移動し、容積が次第に縮小する。
【0018】
圧縮部28は、両圧縮室19a,19b内の圧縮ガスが両スクロール部材13,16の中心近傍に達すると、圧縮ガスが圧縮室19と連通した吐出口20から吐出されるように構成されている。吐出された圧縮ガスは、固定スクロール部材13及びフレーム21に設けられたガス通路(図示せず)を通ってフレーム21下部の圧力容器22内に至り、圧力容器22の側壁に設けられた吐出パイプ23から圧縮機外に排出される。
【0019】
永久磁石同期機24は、圧力容器22内に封入されており、クランクシャフト6を介して、旋回スクロール部材16を旋回運動させる。永久磁石同期機24は、固定子9と回転子1とで構成され、固定子9は、電磁鋼板に電機子巻線12が巻回され、回転子1は、磁石挿入孔7に複数の永久磁石3が挿設されている。なお、カシメ用ボルト4は、複数の電磁鋼板を束ねるために使用している。
【0020】
圧縮機100は、永久磁石同期機24の下部に油溜め部25を設けている。
油溜め部25内の油は、回転運動により生ずる圧力差によって、クランクシャフト6内に設けられた油孔26を通って、旋回スクロール部材16とクランクシャフト6との摺動部や、滑り軸受け27等の潤滑に供される。
【0021】
圧縮機100は、圧力容器22の側壁に、電機子巻線12を圧力容器22の外側に引き出すため、密閉式の端子箱30を設けている。端子箱30は、三相の永久磁石同期機24の場合は、例えば、U,V,W各巻線の端子31u,31v,31wの計3個を納めている。
【0022】
圧縮機100は、圧力容器22の内部に巻線接続を切り替える切替装置40を設置している。切替装置40は、永久磁石同期機24の軸方向の上方部に設置してもよく、下方部に設置してもよい。また、巻線抵抗低減や、配線処理の簡単化といった観点から、切替装置40は、固定子9又は端子箱30と近接して設置することが望ましいが、圧力容器22内の空きスペースを有効活用できるのであれば、どこに設置してもよい。また、圧力容器22は作り易さの観点から円筒形状が望ましいが、外周面を部分的に外側に凸とすることで、切替装置40の設置スペースを確保してもよい。
【0023】
切替装置40は、半導体素子を用いたリレーでもよく、半導体素子を用いることなく電磁石を用いて機械的に接点を切り替える「有接点リレー」のような構成でもよい。
半導体素子を用いたリレーの場合、圧力容器内は高温環境であることから、耐熱性に優れた半導体素子を使う必要がある。また、圧力容器内では高圧の油冷媒が定常的に循環しているため、耐熱性,耐圧性に優れた部材を用いて素子を封入する必要がある。また、圧縮動作に伴う振動により、半導体素子のはんだが剥離し接触不良を引き起こす可能性があるため,高強度の導電材を用いて接着させる必要がある。
「有接点リレー」の場合、電磁石は、電機子巻線12とは別の巻線を用いて構成してもよいし、電機子巻線12のうち少なくとも一相の巻線を用いて構成してもよい。また、リレーの構成は、電磁石のみを使用し、電磁石を構成する巻線の端子に+極,−極の指定がない「無極リレー」でもよいし、電磁石及び永久磁石を使用し、電磁石を構成する巻線の端子に+極,−極の指定がある「有極リレー」でもよい。圧力容器内では高圧の油冷媒が定常的に循環しているため、切替装置40の端子接続部を、高耐熱樹脂又は非導電性部材により覆うことで、腐食、接触不良、や回路短絡等を防止する構成であればよい。
【0024】
図2は、本発明の第1実施形態である圧縮機に密封されている永久磁石同期機の電機子巻線と、巻線切替回路との接続構成を示した配線図である。この接続構成は、特許文献1で開示された内容に近い。
図2において、圧縮機100(100a)は、三相の永久磁石同期機24(図1)と、切替装置40とが圧力容器22の内部に備えられ、端子箱30aを介して、インバータ60及び制御装置70に接続されている。また、三相の永久磁石同期機24(図1)は、電機子巻線12が各相2つの巻線(第1の巻線:U1,V1,W1、第2の巻線:U2,V2,W2)で構成されて、端子箱30aは、三相電源用の端子31、31,31、及び切替装置制御用の端子33a,33bの5端子が内蔵されている。
【0025】
第1の巻線(U1,V1,W1)の一端は、端子箱30の各端子31(図2では三相それぞれを31,31,31と表示)を介して、圧縮容器22の外部に設置されたインバータ60に接続されている。第1の巻線(U1,V1,W1)の他端は、端子Tb1(Tb1U,Tb1V,Tb1W)に接続され、端子Tb2(Tb2U,Tb2V,Tb2W)を介して、中性点50aに接続され、Y結線を構成する。
【0026】
第2の巻線(U2,V2,W2)の一端は、中性点50bに接続されY結線を構成し、他端は端子Ta2(Ta2U,Ta2V,Ta2W)に接続されている。また、端子Ta3(Ta3U,Ta3V,Ta3W)と端子Tb3(Tb3U,Tb3V,Tb3W)とは、互いに接続されている。
【0027】
一方、インバータ60は、直流電源61が発生する直流電圧Eを三相の交流電圧に変換し、変換された交流電圧を、圧力容器端子31(31u、31v,31w)を介して、電機子巻線に印加する。すなわち、インバータ60は多相交流電源として機能する。圧力容器端子31は、端子Ta1、及び第1の巻線に接続されている。
また、切替装置40を構成する電磁石巻線32(32a,32b)は、互いに直列接続され、圧力容器端子33a,33bを介して制御回路70に接続されている。これにより、切替装置40(Sa,Sb)は、制御回路70により同時に切り換えられる。
【0028】
制御回路70は、トランジスタなどの半導体素子を用いて構成されている。第1の巻線(U1,V1,W1)と第2の巻線(U2,V2,W2)とを直列接続する場合には、制御回路70は、端子Tb1と端子Tb3とを接続し、端子Ta3と端子Ta2とを接続する。一方、第1の巻線と第2の巻線とを並列接続する場合は、制御回路70は、端子Tb1と端子Tb2とを接続させ、端子Ta1と端子Ta2とを接続する。このとき、中性点50aと50bとは切り離してもよく、短絡してもよい。
【0029】
図3は、電機子巻線の接続状態に応じた、トルク−回転速度の特性図である。
永久磁石同期機24(図1)は、複数の電機子巻線を直列接続とし、巻数を多く設計した状態とすることにより、インバータの電流許容値を小さく抑えたまま、大トルクを発生することができる。一方、永久磁石同期機24は、複数の電機子巻線を並列接続とし、巻数を小さく設計した状態とすることにより、高速回転領域を拡大することができる。なお、永久磁石同期機24は、回転速度が低いときは、定トルク駆動となり、回転速度が高くなると、定出力駆動となる。
【0030】
図4は、本発明の第1実施形態の圧縮機に使用される圧力容器の外側から見た端子箱の正面図である。
端子箱30(30a)は、三相の永久磁石同期機の電機子巻線12(図1)を構成するU,V,W各相巻線の端子31u,31v,31w(計3個)と、電磁石巻線32(32a,32b)の端子33a,33b(計2個)とが納められている。
電磁石巻線32は、電機子巻線12とは別の導線であって、端子33a,33bのいずれか一方が電流入力端となり、もう一方が電流出力端となる。三相分の切替装置において、電磁石巻線32(32a,32b)を共通にして構成することで、端子33a,33bへの単一の電流入出力にって、三相の巻線接続を同時に切り替えることができる。
【0031】
本実施形態の構成によれば、切替装置40を圧力容器22の外部に設けた従来技術に対して、コスト増を招かないと同時に、圧縮機の構造を複雑化することなく、切替装置を圧力容器内に設置することが可能となる。また、圧縮機100は、可変速運転範囲を拡大できる。特に、低速運転時には直列接続とすることで、圧縮機100は、制御応答性向上や、最大トルク向上が可能となる。同時に、電流低減により、インバータ導通損の低減、半導体素子の温度上昇緩和、及びインバータ効率の向上を図ることができる。同時に、直列接続によるインダクタンス増加により、モータ電流のキャリア高調波成分が低減するため、鉄損低減、及びモータの温度上昇緩和といった効果が得られる。
【0032】
(第1実施形態の変形例)
ここで、接続状態を保持する目的で定常的に電流を流す必要がある切替装置(単安定リレー)の場合は、電磁石巻線32に通電する電流が電機子巻線12に通電する電流よりも少なくなるように、リレーを構成する。これによって、端子31u,31v,31wよりも端子33a,33bを小さくすることができ、端子箱30の大型化を招くことなく、切替装置40を設置することができる。
一方、巻線接続の切り替え時にのみ電流を流す必要がある切替装置(双安定リレー)の場合は、電磁石巻線32に通電する電流が電機子巻線12に通電する電流よりも多くなるようにリレーを構成してもよい。電磁石巻線32には定常的に通電するわけではないので、この場合においても、端子31u,31v,31wよりも端子33a,33bを小さくすることができる。
したがって、端子箱30の大型化を招くことなく、切替装置40を設置することができる。なお、端子33a,33bは、端子箱30の空きスペースを有効活用できるのであればどこに設置してもよい。
【0033】
制御回路70は、トランジスタなどの半導体素子を用いて構成され、リレーを構成する電磁石巻線32の通電電流を制御する。なお、電動機にリレーを接続する場合、接点がオンとなった瞬間に大電流が流れ,接点にスパークを生じて焼き付きが起こる可能性がある。これを防ぐため、スパークキラー(コンデンサと抵抗器とを直列に接続した電子部品)やバリスタ(過電圧を吸収する半導体素子)を圧力容器22に内蔵し、接点と並列に接続してもよい。
【0034】
以上、三相分の切替装置を共通の巻線で構成する場合について述べたが、各相の切替装置を異なる巻線で構成してもよく、その場合は、それぞれの巻線に対応する端子を端子箱に設けることで、三相それぞれの巻線接続を独立に切り替えることが可能となる。切替装置の端子は、端子箱30の空きスペースを有効活用できるのであれば、どこに設置してもよい。
【0035】
次に、図2において,半導体素子を用いたリレーによって切替装置Sa,Sbを構成する場合について説明する。素子のスイッチング動作は,電子回路の働きで電子的に行うため、電磁石巻線32の代わりに、切替信号を入力する信号線、及び電源線が必要となる。
ただし、この場合も、信号線Aの一端は端子箱30に設けられた端子33aに接続され、他端は端子33bに接続される。端子33a,33bに単一の信号を入力することで、2つの切替装置Sa,Sbを同時に動作させることができる。ただし、後述するように信号線の端子は小さく設計できるので、切替装置Saと切替装置Sbとを別の信号線で構成し、端子33a,33bとは別の端子を新たに設けてもよい。このような構成とすることで、切替装置Saと切替装置Sbとを独立に切り替えることが可能となる。
【0036】
第1の巻線(U1,V1,W1)と第2の巻線(U2,V2,W2)とを直列接続する場合は、端子Tb1とTb3とを接続し、端子Ta3と端子Ta2とを接続する。一方、並列接続する場合は端子Tb1と端子Tb2とを接続し、かつ端子Ta1と端子Ta2とを接続する。中性点50aと中性点50bとは切り離してもよく、短絡してもよい。
【0037】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態である圧縮機の電機子巻線と切替装置の接続構成を示す図である。図5において、図2と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。
図5の構成と図2の構成との相違点は、三相の永久磁石同期機24(図1)の電機子巻線12が各相3つの巻線(U1,U2,U3)、(V1,V2,V3)、(W1,W2,W3)で構成されていることである。これにより、圧縮機100bは、圧縮機100a(図2)に対して、第3の巻線(U3,V3,W3)、切替装置の端子Tc,Td、電磁石巻線32c,32dや、中性点50cが追加されている。これに伴い、電磁石巻線32(32a,32b,32c,32d)が4個直列接続され、端子33a,33bを介して制御装置70に接続される。
【0038】
具体的には、端子Ta2及び第2の巻線U2,V2,W2の一端との接続点と、端子Tc1とが接続され、端子Tc2と第3の巻線U3,V3,W3の一端とが接続され、第3の巻線U3,V3,W3の他端と中性点50cとが接続されている。
また、第2の巻線U2,V2,W2の他端と端子Td1とが接続され、端子Td2と中性点50bとが接続され、端子Td3と端子Tc3とが接続されている。
【0039】
第1の巻線(U1,V1,W1)と第2の巻線(U2,V2,W2)と第3の巻線(U3,V3,W3)とを直列接続する場合は、端子Tb1と端子Tb3とを接続し、端子Ta3と端子Ta2とを接続し、端子Td1と端子Td3とを接続し、端子Tc3(Tc3U,Tc3V,Tc3W)と端子Tc2(Tc2U,Tc2V,Tc2W)とを接続する。
一方、第1の巻線、第2の巻線、及び第3の巻線をそれぞれ並列接続する場合は、端子Tb1と端子Tb2とを接続し、端子Ta1と端子Ta2とを接続し、端子Tc1と端子Tc2とを接続し、端子Td1と端子Td2とを接続する。中性点50aと中性点50bと中性点50cとは切り離してもよく、短絡してもよい。
【0040】
また、端子箱30aの構成は図4と同様となる。すなわち、端子箱30aの端子数は5個である。半導体素子を用いたリレーの場合、微弱な電流が切替信号として働くため、端子31u,31v,31wよりも端子33a,33bを小さくすることができる。このため、端子箱30の大型化を招くことなく、切替装置40を設置することができる。なお、図4のように各相3つ以上の巻線で構成される場合にも、同様にして、半導体素子を用いたリレーによって切替装置40を構成することができる。
【0041】
(第2実施形態の変形例)
以上、三相の永久磁石同期機の電機子巻線12が各相2つの巻線で構成される場合、及び3つの巻線で構成される場合の接続構成に関して述べた。ここで、電機子巻線12が各相n個(nは自然数)の巻線で構成される場合においても、同様にして直列接続と並列接続とを切り替えることができる。また、電機子巻線12が各相2n個の巻線で構成される場合は、2並列の巻線をn個直列に接続することもできる。
同様に、電機子巻線12が各相m×n個(mは3以上の自然数)の巻線で構成される場合は、m並列の巻線をn個直列に接続することもできる。また、上記において電機子巻線12を構成する複数の巻線すべてに通電するのではなく、一部の巻線のみに通電するように接続してもよい。
【0042】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態の圧縮機の電機子巻線と切替装置の接続図である。図6において、図2と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。
図6の構成が図2と異なる点は、W相巻線の端子31wが電磁石巻線32(図7では32a,32bと表示)の端子を兼ねており、制御装置70の代わりにインバータ60の一次側にスイッチ63(63a,63b,63c)を設けている点である。
言い換えると、圧縮機100cは、直流電源61の負極がスイッチの端子63cに接続され、端子63aがインバータ60に接続され、端子63bと端子箱30bの端子33aとが接続されている。
【0043】
電磁石巻線32の一端は、端子箱30bの端子31wに接続され、もう一端は端子33aに接続され、さらには端子63bに接続されている。このとき、端子箱30bは図5に示すような構成となる。切替装置40(Sa(図7では三相それぞれをSau,Sav,Sawと表示)、Sb(図7では三相それぞれをSbu,Sbv,Sbwと表示))は、巻線接続の切り替え時にのみ電流を流す必要がある切替装置(双安定リレー)とする。すなわち、切替動作時にはモータ駆動をいったん停止し、モータ停止状態のまま切替動作のための電流を通電し、その後モータを再起動する。
【0044】
永久磁石同期機24の駆動時において、直流電源61のマイナス側端子62は、端子63aに接続され、インバータ回路60に直流電圧が供給される。このとき、端子63bは開放されているため、電磁石巻線32に電流が流れることは無い。これに対し、切替装置40(Sa,Sb)を動作させる場合には、端子63cを端子63bに接続し、直流電源61と電磁石巻線32(32a,32b)とで閉回路を構成する。インバータ回路60を適切に制御することで、電磁石巻線32に適切な電流が通電され、巻線接続を切り替えることができる。このとき、端子63aが開放されているため、電機子巻線12を構成する何れの巻線にも電流が流れることはない。
なお、電磁石巻線32の一端は、端子31wに接続する代わりに、端子31u又は端子31vに接続してもよい。
【0045】
図7は、本発明の第3実施形態の圧縮機に使用される端子箱の正面図である。
図7において、図4と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図5において、図4と同様な点は、切替装置40(図示していない)の電磁石巻線32(図示していない)が、電機子巻線12とは別の導線で構成される点である。
一方、相違点は、U,V,W各相巻線の端子31u,31v,31wのうちの1つが電磁石巻線32の端子を兼ねている点である。このような構成とすることで、端子箱30bは、内蔵する端子数が4端子で済むため、図4の5端子の場合に比べ、製造工程を簡略化することができ、コスト低減につながる。また、圧力容器22(図1,2)に取り付けるような密閉用の三相電源コネクタは、種類が少ないが、U,V,Wの各端子に接地用端子を加えた4端子のコネクタは一般的である。
【0046】
図6、及び図7の構成によれば、図2,5の構成に比べて、コスト増を招かないと同時に、構造を複雑化することなく、圧縮機100cは、切替装置40(図1)を設置することが可能となり、可変速運転範囲を拡大できる。特に、圧縮機100cは、低速運転時には直列接続とすることで、制御応答性向上や、最大トルク向上が可能となる。同時に、圧縮機100cは、電流低減により、インバータ導通損の低減、ならびに半導体素子の温度上昇緩和、及びインバータ効率の向上を図ることができる。同時に、圧縮機100cは、インダクタンス増加により、モータ電流のキャリア高調波成分が低減するため、鉄損低減、ならびにモータの温度上昇緩和といった効果が得られる。
【0047】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態の圧縮機の電機子巻線と巻線切替回路の接続構成図である。図8において、図6と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。
図8の構成と図6の構成との相違点は、永久磁石同期機24(図1)のW相巻線W1,W2が、切替装置Sa(Sau,Sav,Saw)とSb(Sbu,Sbv,Sbw)とを構成する電磁石巻線32(32a,32b)に対して、直列に接続されており、スイッチ63が無い点である。このような構成とすることで、切替装置40を構成する電磁石巻線32の引出し線が不要となり、端子箱30cは、内蔵する端子数が3個で済む。このため、圧縮機100dは、図7の場合の4端子に比べ、さらに製造工程を簡略化でき、コスト低減につながる。なお、W相巻線と電磁石巻線32とを直列ではなく並列に接続してもよい。また、W相巻線の代わりにU相巻線又はV相巻線を用いてもよい。
【0048】
永久磁石同期機24の駆動時には、電磁石巻線32に通電される電流の値が、切替動作に必要とされる電流値よりも十分小さくなるように切替装置を構成する。言い換えると、切替装置Sa,Sbを動作させる場合には、電動機駆動時に必要とされる最大電流値よりも大きな電流が必要となるように切替装置を構成するとともに、インバータ回路60の過電流検出値よりも小さな電流となるように制御する。
【0049】
ここで、図8に示した構成では、W相巻線のインピーダンスが他の相よりも大きくなってしまうため、三相不平衡を招く可能性がある。そこで、インピーダンスのアンバランスを解消するために、三相の各巻線が、電磁石巻線32と直列接続、又は並列接続となるように構成する。切替装置を動作させる場合には、電動機駆動時に必要とされる最大電流値よりも大きな電流が必要となるように切替装置を構成するとともに、インバータ回路60の過電流検出値よりも小さな電流となるように制御する。こうすることで、電動機駆動時に切替装置が勝手に切り替わるなどの誤動作を防止することができる。
【0050】
なお、電動機にリレーを接続する場合、接点がオンとなった瞬間に大電流が流れ、接点にスパークが発生して焼き付きが起こる可能性がある。これを防ぐため、スパークキラー(コンデンサと抵抗器とを直列に接続した電子部品)やバリスタ(過電圧を吸収する半導体素子)を圧縮容器22に内蔵し、接点と並列に接続してもよい。
本実施形態によれば、コスト増を招かないと同時に、圧縮機の構造を複雑化することなく切替装置を設置することが可能となり、可変速運転範囲を拡大できる。特に、低速運転時には直列接続とすることで,制御応答性向上や、最大トルク向上が可能となる。同時に、電流低減により、インバータ導通損の低減,ならびに半導体素子の温度上昇緩和,およびインバータ効率の向上を図ることができる。同時に,インダクタンス増加により、モータ電流のキャリア高調波成分が低減するため、鉄損低減,ならびにモータの温度上昇緩和といった効果が得られる。
【0051】
(第5実施形態)
前記各実施形態は、切替装置40(Sa,Sb)の構造については何ら考慮していない。
本実施形態では、第1実施形態の切替装置40が端子Ta3Wと端子Tb3Wとが接続され、端子Ta3Vと端子Tb3Vとが接続され、端子Ta3Uと端子Tb3Uとが接続され、さらに、端子Tb2W、端子Tb2V、及び端子Tb2Uが中性点50aとして互いに接続されていることに着目する。
【0052】
図9は、一般的な1回路2接点の機械式リレーの端子部分の構造図であり、図2の切替装置SaU(端子Ta1U,Ta2U,ta3U)に相当する。図9において、図2と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図9の切替器SaUは、バネ力、及び電磁力を発生する切替動作部(図示していない)により状態保持、上下運動する構成となっている。端子Ta2Uは導電板101を介して端子Ta3Uに接続されたり、導電板102を介して端子Ta1Uに接続されたりと、自在に接続を切り替えることができる。
【0053】
切替装置を圧力容器内部に設置する場合、図9に示すような機械式リレーが計6個必要となる。すなわち、従来の1回路2接点の機械式リレーを単純に組み合わせただけでは、切替装置の端子部分の配線が複雑となり製造工程が複雑化するほか、切替装置のサイズが大きくなり圧縮機筐体の大型化を招く。
したがって、端子部分の配線簡略化、及び切替装置の小形化は実用上きわめて有用である。
【0054】
図10乃至13は、本実施形態の圧縮機に用いられる機械式リレーの端子部分の配線簡略化、及び小形化を実現した構造図である。図10乃至13において、図2と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。まず、図10の側面図のように、切替器SaU、SbUが紙面奥行き方向に並べられ、かつ切替器SaU、SbUの双方が導電板(第1共通接点)101に接触している場合を考える。ここで、図示していないが、SaU、SbUの紙面奥行き方向にはさらにSaV、SbV、SaW、SbWが順に並べられている。前記6つの切替器はバネ力および電磁力を発生する切替動作部(図示していない)により状態保持、上下運動する構成となっている。
【0055】
このとき、各端子の配線は、図11の上面図のようになっており、端子Tb1Uと端子Ta2Uとは導電板101U(図2の端子Ta3U、Tb3Uに相当)を介して接続され、端子Tb1Vと端子Ta2Vとは導電板101V(図2の端子Ta3V、Tb3Vに相当)を介して接続され、端子Tb1Wと端子Ta2Wとは導電板101W(図2の端子Ta3W、Tb3Wに相当)を介してそれぞれ接続され、各端子は導通している。なお、導電板101U、101V、101Wは、互いに絶縁材104で絶縁されている。
【0056】
一方、図12の他の側面図のように、切替器SaU、SbUが紙面奥行き方向に並べられ、かつ切替器SaUが導電板(独立接点)102に接触し、切替器SbUが導電板(第2共通接点)103に接触している場合を考える。ここで、図示していないが、切替器SaU、SbUの紙面奥行き方向にはさらに切替器SaV、SbV、SaW、SbWが順に並べられている。前記6つの切替装置はバネ力、及び電磁力を発生する切替動作部(図示していない)により状態保持、上下運動する構成となっている。
【0057】
このとき、各端子の配線は図13の他の上面図のようになっており、端子Tb1Uと端子Tb1Vと端子Tb1Wとは導電板103(中性点50aに相当)を介して互いに接続され、端子Ta1Uと端子Ta2Uとは導電板102Uを介して接続され、端子Ta1Vと端子Ta2Vとは導電板102Vを介して接続され、端子Ta1Wと端子Ta2Wとは導電板102Wを介してそれぞれ接続される。
以上のように、巻線切替装置を補図BおよびCに示す構成とすることで、端子部分の配線簡略化および小形化が可能となる。
【0058】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記各実施形態は、圧縮部、及び回転電機を設けた圧縮機に適用した場合について説明したが、汎用モータなどの密閉型回転電機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 回転子
3 永久磁石
4 カシメ用ボルト
6 クランクシャフト
7 磁石挿入孔
9 固定子
12 電機子巻線
13 固定スクロール部材
14 端板
15 渦巻状ラップ
16 旋回スクロール部材
17 端板
18 渦巻状ラップ
19,10a,19b 圧縮室
20 吐出口
21 フレーム
22 圧力容器
23 吐出パイプ
24 永久磁石同期機(回転電機)
25 油溜め部
26 油孔
27 滑り軸受け
28 圧縮部
30,30a,30b,30c 端子箱
31,31U,31V,31W 端子
32,32a,32b,32c,32d 電磁石巻線
33,33a,33b,33c、62 端子
40 切替装置
50,50a,50b,50c 中性点
60 インバータ(多相交流電源)
61 直流電源
63 スイッチ
70 制御回路
100,100a,100b,100c,100d 圧縮機(密閉型回転電機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各相に複数の巻線が巻回された回転電機を有する圧縮機において、
前記複数の巻線を直列接続、及び並列接続の何れか一方に切り替える切替装置と、
前記回転電機及び前記切替装置を内部に収納する圧力容器と、
を備えることを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記切替装置は、電磁石を用いて機械的に接点を切り替える構成であることを特徴とする圧縮機。
【請求項3】
請求項2に記載の圧縮機において、
前記圧力容器は、前記巻線の終端を外部に引き出す単一の端子箱を設け、
前記電磁石は、複数備えられ、
前記複数の電磁石が直列接続された電磁石巻線の両端は、前記端子箱を介して前記圧力容器の外部に引き出される構成であることを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項3に記載の圧縮機において、
前記切替装置は、2回路2接点の機械式リレーを各相毎に用いた6回路構成であり、
前記2回路は、各相毎に各回路で共通する第1共通接点、及びすべての相で共通する第2共通接点を備える第1回路と、前記第1共通接点、及び相毎に独立する独立接点を備える第2回路とからなり、
前記第1共通接点と前記第2共通接点との何れかに接続される第1端子、及び前記第1共通接点と前記独立接点の何れかに接続される第2端子は、何れかの前記巻線の終端に接続され、
前記独立接点は、他の前記巻線の終端、及び多相交流電源の端子に接続される
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の圧縮機において、
前記回転電機は、三相交流電動機であり、
前記両端は、一端が前記巻線のうち少なくとも一相の巻線の終端と共通し、
前記端子箱は、4端子で構成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載の圧縮機において、
前記電磁石は、前記回転電機に巻回された巻線のうち少なくとも一相の巻線に挿入されており、
前記端子箱は、3端子で構成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項7】
請求項6に記載の圧縮機において、
切替動作の際に、前記切替装置の巻線に通電する電流が、制御回路を介して入力される構成であり、
前記制御回路は、電動機駆動時に必要とされる最大電流値よりも大きくなるように制御することを特徴とする圧縮機。
【請求項8】
請求項3又は請求項4に記載の圧縮機において、
前記電磁石に通電する導線は、前記電磁石巻線とは別の導線を用いて構成し、
前記端子箱は、5端子で構成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項9】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記切替装置は、半導体素子を用いて電子的に接点を切り替える構成であることを特徴とする圧縮機。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の圧縮機において,
前記切替装置は、端子接続部が高耐熱樹脂又は非導電性部材により覆われていることを特徴とする圧縮機。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の圧縮機において、
前記切替装置の端子接続部は、サージキラー,スパークキラー,及びバリスタ何れか1つ又はこれらの組み合わせが接続されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項12】
相毎に複数の巻線が巻回された密閉型回転電機において、
前記複数の巻線を直列接続、及び並列接続の何れか一方に切り替える切替装置と、
前記巻線及び前記切替装置を内部に収納する圧力容器と、
を備えることを特徴とする密閉型回転電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−67722(P2012−67722A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215218(P2010−215218)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】