説明

圧電デバイス

【課題】小型化を図ると共に、低廉な圧電デバイスを提供すること。
【解決手段】厚み方向の中央付近に配置された基板12と、基板12の上面に、基板12
を底部にするようにして圧電振動片20を収容するためのキャビティS1が形成された振
動子パッケージ28と、基板12の下面に配置され、圧電振動片20と電気的に接続され
た電子部品とを備えた圧電デバイス10であって、振動子パッケージ28は、基板12の
上面に空き領域16,16を形成するように配置され、この空き領域16,16に、圧電
振動片20及び/又は電子部品と電気的に接続された複数の検査端子部18,18が設け
られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を間に挟んで配置された圧電振動片と電子部品とを備えた圧電デバイス
に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード
等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通
信機器において、圧電デバイスが広く使用されている。
図6は、この圧電デバイスの従来例を示しており、圧電発振器1の概略縦断面図である
(例えば、特許文献1参照)。
この図の圧電発振器1は、厚み方向の中央付近に配置された基板2と、この基板2の上
面に接続された圧電振動片3と、基板2の下面に接続された半導体素子4とを備えている

【0003】
圧電振動片3は、基板2を底部にするようにしてキャビティSが形成された振動子パッ
ケージ5内に収容されており、基板2に設けられたビアホール7を通じて半導体素子4と
電気的に接続されている。
そして、半導体素子4は、基板2を引き回された電極パターン(図示せず)を介して、
外部に露出した端子8,8と接続され、樹脂封止されている。
【0004】
このように、圧電発振器1は、圧電振動片3が収容されるキャビティSと、半導体素子
4が配置された領域6とを区別して、圧電振動片3に不純物が付着して周波数特性が変動
することを防止している。そして、この基板2は、振動子パッケージ5の底部としても利
用され、さらに半導体素子4を接続するための基板としても利用されているため、圧電発
振器1の低背化を可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−77942の公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、このような圧電発振器1は、その製造工程の中で、基板2に圧電振動片3及
び半導体素子4を接続した後に、プローブピンを端子8,8に当てて、その動作特性を検
査している。そして、その動作特性に問題があった場合、圧電振動片3の側に問題がある
のか、或いは半導体素子4の側に問題があるのか不明であるため、圧電振動片3あるいは
半導体素子4のいずれか一方だけに問題がある場合であっても、その両者3,4を廃棄せ
ざるを得ず、製造コストを下げられない要因となっていた。
【0007】
本発明は、小型化を図ると共に、低廉な圧電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的は、第1の発明によれば、厚み方向の中央付近に配置された基板と、前記基
板の上面に配置され、前記基板を底部にするようにして前記圧電振動片を収容するための
キャビティが形成された振動子パッケージと、前記基板の下面に配置され、前記圧電振動
片と電気的に接続された電子部品とを備えた圧電デバイスであって、前記振動子パッケー
ジは、前記基板の上面に空き領域を形成するように配置され、この空き領域に、前記圧電
振動片及び/又は前記電子部品と電気的に接続された複数の検査端子部が設けられている
圧電デバイスにより達成される。
【0009】
第1の発明の構成によれば、圧電デバイスは、厚み方向の中央付近に配置された基板と
、基板の上面に配置され、基板を底部にするようにして圧電振動片を収容するキャビティ
が形成された振動子パッケージと、基板の下面に配置された電子部品とを備えている。こ
のため、圧電振動片を収容するキャビティと電子部品を配置する領域とを区別するための
基板と、振動子パッケージの底部を構成する基板とを共通にすることができるので、圧電
デバイスを厚み方向に小型化できる。
そして、振動子パッケージは、基板の上面に空き領域を形成するように配置され、この
空き領域に、圧電振動片及び/又は電子部品と電気的に接続された複数の検査端子部が設
けられている。したがって、例えば、空き領域に圧電振動片と電気的に接続された検査端
子部を設けた場合には、基板に圧電振動片を接続して振動子パッケージを形成した後であ
って、電子部品を接続する前に、検査端子部にプローブピンを当てて、圧電振動片のみの
動作特性等を検査できる。また、この検査端子部は基板の上面に設けられているので、プ
ローブピンを容易に接触させやすく、プローブピンの接触不良などを防止できる。
かくして、本発明は、小型化を図ると共に、低廉な圧電デバイスを提供することができ
る。
【0010】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記基板は、水平方向の外形が略四角形で
あり、前記圧電振動片は、水平方向の外形が略四角形であるとともに、前記基板の中心付
近に配置されており、前記圧電振動片の側面に平行な中心軸と前記基板の対角線の一方と
がなす角度が略0度に設定されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、基板は水平方向の外形が略四角形であるため、対角線が最
も長い直線を有する部分である。そこで、この最も長い直線を有する対角線に対して、水
平方向の外形が略四角形である圧電振動片を、その側面に平行な中心軸の角度が略0度に
なるように設定するとともに、基板の中心付近に配置すれば、基板上で圧電振動片を大き
く形成することができる。したがって、この圧電振動片を大きくできる分だけ、基板を大
きくしなくても空き領域を形成でき、圧電デバイスを小型化できる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明の構成において、前記基板は、水平方向の外形が略四角形で
あり、前記圧電振動片は、水平方向の外形が略四角形であって、かつ、その側面と平行な
中心軸が前記基板の対角線上に配置されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、基板は水平方向の外形が略四角形であるため、対角線が最
も長い直線を有する部分である。そこで、この最も長い直線を有する対角線上に、水平方
向の外形が略四角形である圧電振動片の側面と平行な中心軸を配置すれば、基板上で圧電
振動片を大きく形成することができる。したがって、この圧電振動片を大きくできる分だ
け、基板を大きくしなくても空き領域を形成でき、圧電デバイスを小型化できる。
【0012】
第4の発明は、第1の発明の構成において、前記基板は水平方向の外形が略四角形であ
り、前記圧電振動片は水平方向の外形が略円形であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、圧電振動片は水平方向の外形が略円形であるため、水平方
向の外形が略四角形である基板上において、効率よく、基板の四隅に空き領域を形成しな
がら、圧電振動片を大きく形成することができる。したがって、圧電振動片を効率よく大
きく形成できる分だけ、基板の水平方向の外形を小型にしてもよく、圧電デバイスを小型
化できる。
【0013】
第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかの構成において、前記振動子パッケー
ジは、前記複数の検査端子部を互いに空間的に仕切るように配置されていることを特徴と
する。
第5の発明の構成によれば、振動子パッケージは、複数の検査端子部を互いに空間的に
仕切るように配置されている。したがって、圧電振動片または電子部品の動作特性を検査
するために、複数のプローブピンを複数の検査端子部に当接させる際、複数の検査端子部
は互いに空間的に仕切られているので、複数のプローブピンが互いに接触してしまうこと
を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1ないし図3は、本発明の圧電デバイスの例示として、圧電発振器10の実施形態を
示しており、図1は圧電発振器10の概略平面図、図2は図1のA−A線概略断面図、図
3は図1のB−B線概略断面図である。尚、図1では、理解の便宜のため蓋体34を透明
にして内部の構成を示している。
圧電発振器10は、図2および図3に示されるように、基板12と、この基板12の上
面12aに配置された振動子パッケージ28と、基板12の下面12bに配置された電子
部品30とを備えている。
【0015】
基板12は、圧電発振器10の厚み方向の中央付近に配置されて、振動子パッケージ2
8側と電子部品30側とを区分けするための基板となり、さらに、振動子パッケージ28
の底部を構成する基板となる。
この基板12は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーン
シートを成形して形成される複数の平板状の基板13,14,15を積層した後、焼結し
て形成されている。すなわち、層構造の各層間を利用して、圧電発振器10の各部品を電
気的に接続する複数の導電体が互いに接触しないように引き回されており、本実施形態の
場合、基板12は三層13,14,15から形成されている。
そして、基板12は、電子部品30の外形に対応して形成されており、本実施形態の電
子部品30は、後述するように矩形状の半導体素子であるため、基板12は水平方向の外
形が略四角形となっている。すなわち、本実施形態における水平方向とは実装面と平行な
方向であり、図1に示されるように、圧電発振器10の厚み方向の上から下側に向かって
平面視した場合、基板12の外形が略四角形となっている。
【0016】
振動子パッケージ28は、基板12を底部にするようにして圧電振動片20を収容する
ためのキャビティS1が形成され、基板12の上面12aに配置されている。
すなわち、貫通孔32aを有する振動子パッケージ用の基板32が、基板12の最上層
の基板13に積層されて上向きの開口部を有するキャビティS1が形成されるようになっ
ており、このキャビティS1内に圧電振動片20が収容されている。
【0017】
そして、図1および図2に示されるように、基板32の開口部側の端面に蓋体34が接
合され、キャビティS1が気密に封止されるようになっている。本実施形態では、水平方
向の外形が略四角形の板状の蓋体34を、基板32の開口端にロウ材37で固定するよう
にしている。
この蓋体34は、好ましくは、導体金属、例えば金属系のFe−Ni−Coの合金等を
用いて、各基板12,32内を引き回した導電体(図示せず)を介して、後述する電子部
品30を通じてアース接地することで、シールド効果を持たせることができる。なお、こ
のように金属系の蓋体34を用いる場合は、ロウ材37にはコバール等でなるシームリン
グを使用できる。
【0018】
圧電振動片20は、基板12の上面12aのキャビティS1に露出した領域に接続され
ている。すなわち、キャビティS1に露出した上面12aに、例えば、タングステンメタ
ライズ上にニッケルメッキ及び金メッキで形成した複数のマウント電極26,26が設け
られており、このマウント電極26,26の上に、シリコーン系あるいはエポキシ系等の
導電性接着剤36,36を用いて、圧電振動片20が接続されている。
【0019】
具体的には、圧電振動片20は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル
酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合
、圧電振動片20は、水平方向の形状が略四角形であって、全体が略矩形状に形成された
所謂ATカット振動片が利用されている。このため、振動子パッケージ28およびキャビ
ティS1はこの圧電振動片20の形状に対応させて、水平方向の形状が略四角形であり、
全体が略矩形状に形成されている。
そして、この圧電振動片20の上下面の略中央部に、互いに異極となる励振電極24が
形成され(下面の励振電極は図示せず)、この上下面の励振電極24が幅方向の両端部に
引き出されて、互いに異極となる引出し電極22,22が形成され、この引出し電極22
,22の部分が、上述したマウント電極26,26と導電性接着剤36,36により接合
されている。なお、励振電極24および引出し電極22は、例えばクロムメッキによる下
地層(図示せず)の上に、金メッキをして形成されている。
【0020】
電子部品30は、圧電振動片20と電気的に接続されており、本実施形態の場合、内部
に図示しない集積回路で形成した発振回路を収容した略矩形状の半導体素子である。
そして、電子部品30は、図2に示すように、上述の圧電振動片20が接続されたマウ
ント電極26と、基板12側の面に設けられた図示しない入出力端子とを、ビアホール4
0や基板12の層構造を利用して電気的に接続して、少なくとも圧電振動片20を発振さ
せるようになっている。また、電子部品30の基板12側の面には、電源電圧端子、グラ
ンド端子(図示せず)も設けられており、図3に示すように、これらの端子がビアホール
46や基板12の層構造を利用して、実装面に設けられた端子部42,42と電気的に接
続されている。なお、端子の数は電子部品30の種類によりこれよりも多い場合も少ない
場合もあるのは勿論である。
【0021】
この電子部品30は、基板12の下面12b、すなわち圧電振動片20側と反対側の面
にバンプ等を利用して接続されている。具体的には、基板12の最下層の基板15の実装
面側に、貫通孔39aを有する基板39を積層することで形成された下向きの凹状の空間
に、電子部品30を収容した後、樹脂33で封止されている。
【0022】
ここで、圧電発振器10については、図1および図3に示すように、振動子パッケージ
28は、基板12の上面12aに空き領域16を形成するように配置されている。
本実施形態の場合、上述のように基板12は水平方向の外形が略四角形であり、圧電振
動片20も水平方向の外形が略四角形であるため、図1に示すように、圧電振動片20は
、基板12の中心付近に配置されており、圧電振動片20の側面20aに平行な中心軸L
2と基板12の対角線L1とがなす角度が略0度に設定されるようにして、基板12の四
隅部に複数の空き領域16,16,16,16を形成するようにしている。
【0023】
より好ましくは、圧電振動片20の水平方向の中心O1を通り、側面20aと平行な中
心軸L2を基板12の対角線L1上に配置して、基板12の四隅部に複数の空き領域16
,16,16,16を形成するようにしている。具体的には、水平方向について、圧電振
動片20の中心部O1と基板12の中心部O2とを合わせて、圧電振動片20の側面20
aが対角線L1に沿うように傾けて配置している。このように、基板12の最も長い直線
を有する対角線L1に沿うように圧電振動片20を配置し、かつ、圧電振動片20の中心
部O1と基板12の中心部O2とを合わせることで、圧電振動片20を基板12上からは
み出させることなく大きく形成している。したがって、この圧電振動片20を大きくでき
る分だけ、基板12を大きくしなくても空き領域16を形成でき、水平方向の小型化が図
れる。
【0024】
そして、この複数の空き領域16,16,16,16のうち、図1において下側の2箇
所(すなわち、マウント電極26,26に近い領域)の空き領域16,16のそれぞれに
、圧電振動片20及び/又は電子部品30と電気的に接続された検査端子部18,18が
設けられている。
この検査端子部18,18は、少なくとも、圧電振動片20あるいは電子部品30のい
ずれか一方のみの動作特性等を検査できるようにするための端子であるが、製造工程によ
っては、圧電振動片20だけを検査したい場合も、電子部品30だけを検査したい場合も
あるため、本実施形態の場合、検査端子部18,18は圧電振動片20および電子部品3
0の双方と電気的に接続されている。
【0025】
すなわち、図1に示されるように、複数の検査端子部18,18は、基板12の同じ上
面12aに設けられたマウント電極26,26のそれぞれと、電極パターン19,19を
通じて電気的に接続されている。また、図3に示されるように、複数の検査端子部18,
18は、基板12のビアホール44,44や層構造を利用して、電子部品30の図示しな
い検査用端子とも電気的に接続されている。
【0026】
そして、この圧電発振器10を製造する際は、次のように行なう。すなわち、基板12
の各基板13,14,15に上述したビアホール40,44,46を形成し、また、マウ
ント電極26,26、検査端子部18,18および電極パターン19,19等を形成する
ための導電パターンをペーストし、これらの各基板13,14,15と振動子パッケージ
用の基板32と電子部品30を収容するための基板39とを積層した後、焼結して全体の
パッケージを形成する。
【0027】
次に、圧電振動片20の引出し電極22,22の部分をマウント電極26,26に接続
してから、蓋体34でキャビティS1を密封し、そして、基板12の下面12bに電子部
品30を接続する前に、図3に示すように、プローブピンP,Pを検査端子部18,18
に接触させて、圧電振動片20のみの動作検査を行なう。
あるいは、圧電振動片20を基板12に接続する前に、電子部品30を基板12の下面
12bに接続して、プローブピンP,Pを検査端子部18,18に接触させて、電子部品
30のみの動作検査を行なうようにしてもよい。
このように、本実施形態の検査端子部18,18は、圧電振動片20あるいは電子部品
30のうち、いずれか一方を接続した後にプローブピンを接触させて、その一方の検査を
行い、その後、いずれか他方を接続するようにしている。そして、その検査対象となる一
方の部品は圧電振動片20であっても電子部品30であっても構わない。
【0028】
なお、本実施形態の場合、振動子パッケージ28は、図1に示されるように、複数の検
査端子部18,18を互いに空間的に仕切るように配置されている。すなわち、複数の検
査端子部18,18は、それぞれ異極となるマウント電極26,26と電気的に接続され
ているため、検査端子部18,18に接触させる2本のプローブピンが互いに接触してし
まわないように、一方の検査端子部18と他方の検査端子部18との間に、振動子パッケ
ージ28を配置して空間的に仕切っている。
【0029】
本発明の実施形態は以上のように構成されており、振動子パッケージ28は基板12の
上面12aに空き領域16,16を形成するように配置され、この空き領域16,16に
、圧電振動片20及び/又は電子部品30と電気的に接続された複数の検査端子部18,
18が設けられている。したがって、例えば、空き領域に圧電振動片20と電気的に接続
された検査端子部18を設けた場合には、基板12に圧電振動片20を接続して振動子パ
ッケージ28を形成した後であって、電子部品30を接続する前に、検査端子部18,1
8にプローブピンを当てて、圧電振動片20のみの動作特性等を検査できる。また、この
検査端子部18,18は基板12の上面12aに設けられているので、プローブピンを容
易に接触させやすく、プローブピンの接触不良などを防止できる。
【0030】
図4および図5は、本発明の実施形態の変形例であって、図4は圧電発振器50の概略
平面図、図5は図4のC−C線切断断面図である。なお、図4の平行斜線の部分は理解の
便宜のために各電極部分を示したものであり、断面を表すものではない。
これらの図において、図1ないし図3の実施形態で用いた符号と同一の符号を付した箇
所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
この圧電発振器50が、図1ないし図3の圧電発振器10と異なるのは、圧電振動片56
および振動子パッケージ51の形状についてのみである。
【0031】
すなわち、本変形例の圧電振動片56は、図4に示すように、水平方向の外形が略円形
となっている。具体的には、圧電振動片56は、外形が略円形であり、その中央付近に一
回り小さな略円形の励振電極58が上下面に形成されている(下面の励振電極は図示せず
)。また、上面の励振電極58は図4の左端部に形成された引出し電極59と接続され、
下面の励振電極(図示せず)は図4の右端部に形成された引出し電極59と接続され、左
右両端の引出し電極59,59は互いに異極となっている。
そして、この圧電振動片56は、水平方向について、その中心部O3と基板12の中心
部O2とを合わせて、基板12からはみ出さないように配置されている。
【0032】
また、振動子パッケージ51およびそのキャビティS1は、この略円形の圧電振動片5
6に対応して略円形となっており、振動子パッケージ51およびキャビティS1と圧電振
動片56は同心円となっている。すなわち、振動子パッケージ51を構成する基板52お
よび蓋体54なども略円形であり、圧電振動片56と同心円となっている。なお、振動子
パッケージ51は、その形状のみが図1ないし図3で示した振動子パッケージ28と異な
り、その他の点は振動子パッケージ28と同様である。
【0033】
本発明の実施形態の変形例は以上のように構成され、圧電振動片56の水平方向の外形
を略円形にすることによって、水平方向の外形が略四角形である基板12上において、効
率よく、基板12の四隅に空き領域16を形成しながら、圧電振動片56を大きく形成す
ることができる。したがって、圧電振動片56を効率よく大きく形成できる分だけ、基板
12の水平方向の外形を小型にしてもよく、圧電発振器50を小型化できる。
【0034】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態や各変形例の各構成はこれらを適
宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の圧電デバイスの例示として、圧電発振器の概略平面図。
【図2】図1のA−A線概略断面図。
【図3】図1のB−B線概略断面図。
【図4】本発明の実施形態の変形例であって、圧電発振器の概略平面図。
【図5】図4のC−C線切断断面図。
【図6】圧電デバイスの従来例を示しており、圧電発振器の概略縦断面図。
【符号の説明】
【0036】
10,50・・・圧電デバイス(圧電発振器)、12・・・基板、16・・・空き領域、
18・・・検査端子部、20,56・・・圧電振動片、26・・・マウント電極、28,
51・・・振動子パッケージ、30・・・電子部品、S1・・・キャビティ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向の中央付近に配置された基板と、
前記基板の上面に配置され、前記基板を底部にするようにして前記圧電振動片を収容す
るためのキャビティが形成された振動子パッケージと、
前記基板の下面に配置され、前記圧電振動片と電気的に接続された電子部品と
を備えた圧電デバイスであって、
前記振動子パッケージは、前記基板の上面に空き領域を形成するように配置され、
この空き領域に、前記圧電振動片及び/又は前記電子部品と電気的に接続された複数の
検査端子部が設けられている
ことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
前記基板は、水平方向の外形が略四角形であり、
前記圧電振動片は、水平方向の外形が略四角形であるとともに、前記基板の中心付近に
配置されており、
前記圧電振動片の側面に平行な中心軸と前記基板の対角線の一方とがなす角度が略0度
に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項3】
前記基板は、水平方向の外形が略四角形であり、
前記圧電振動片は、水平方向の外形が略四角形であって、かつ、その側面と平行な中心
軸が前記基板の対角線上に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項4】
前記基板は水平方向の外形が略四角形であり、前記圧電振動片は水平方向の外形が略円
形である
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項5】
前記振動子パッケージは、前記複数の検査端子部を互いに空間的に仕切るように配置さ
れている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−150394(P2007−150394A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338233(P2005−338233)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】