圧電発振器
【課題】 小型化が可能で、耐衝撃性の強い圧電発振器を提供する。
【解決手段】 少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置される圧電発振器とし、前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置し、前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置する。
【解決手段】 少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置される圧電発振器とし、前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置し、前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
源振として圧電振動子を使用した発振回路が多用されているが、圧電振動子とICを一つの容器に入れた圧電発振器は、使用しやすいため多くの分野で使用されている。最近は、特に携帯機器に使用されることが多くなり、小型化、軽量化が進んでいる。また、携帯機器であるため、衝撃に強いものであることが望まれている。
【0003】
前記要求に応えるため、多くの開発がなされている。特に、圧電振動子が矩形状で長手方向の一端部を固定する構造を有する圧電発振器では、固定されていない圧電振動子の長手方向他端部の破損を防止するため、衝撃により前記他端部が大きく変位しないよう枕部を形成する構造が提唱されている。例えば、特許文献1、特許文献2参照。
【0004】
図3は従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた正面断面図(A)と上面図(B)である。表面実装型水晶発振器は、7×5mmとした容器本体1内にICチップ2と水晶片3(点線で表示)とを収容し、密閉封入してなる。そして、この例では水晶片3の大きさを3×1.4mmとする。容器本体1は、底壁層1a、第1及び第2中間層1(bc)、上壁層1dの4層構造として、ここでは第1及び第2中間層1(ab)の長手方向の両端側を互いに内方に延出し、特に上段4aを互いに接近させる。すなわち、水晶片3の両端部が搭載される程度に接近させる。そして、容器本体の幅方向の両下段4bには導電パッド(不図示)が形成される。5は金線、8は導電性接着剤である。
【0005】
容器本体1の上段4aを接近させたので、水晶片3の他端部を載置できる。したがって、固着時の作業性を維持し、衝撃時の遥動を抑制して耐衝撃性を維持する効果をも維持する。
特許文献1
【0006】
図4は別の従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた上面図で(A)は水晶片の短い例、(B)は水晶片の長い例である。凹部を有する容器本体1における長さ方向の一端側の内側壁に段部を有するとともに他端部に枕台6を有し、前記容器本体1の内底面にICチップ2を固着して前記内底面における幅方向の両側にワイヤーボンディングによる導線5を接続し、前記凹部の一端側の段部に水晶片3または水晶片7の一端部両側を固着して他端部を前記枕台6上に位置した表面実装用の水晶発振器において、前記容器本体1の凹部における幅方向の両内側壁部に枕台9を設けた構成である。長さの異なる水晶片でも容器本体を共通に使用できるように、水晶片の先端を載置する枕部を2箇所に設けた水晶発振器である。特許文献2
【0007】
【特許文献1】特開2004−15441号公報
【特許文献2】特開2004−260512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
いずれも、矩形状水晶片の長手方向一端部を固定し、他端部は容器本体に設けた枕部の上部に位置するように配置ことにより、水晶発振器が衝撃を受けて水晶片の未固定部が揺動したときの過大移動により水晶片が破損するのを防止する構造を有する水晶発振器であるが、矩形状水晶片の長手方向先端部が枕部に当接するような構造のため、一番移動量が大きい部分で動きを抑制することとなり耐衝撃性が十分とはいえなかった。本発明は小型化が可能で、耐衝撃性の強い圧電発振器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置された圧電発振器とする。
【0010】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第1基板には前記ICと接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第2基板の上面に固定され、前記第2基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置された圧電発振器とする。
【0011】
前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置する圧電発振器とする。
【0012】
前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置する圧電発振器とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によると圧電振動子の自由端側に枕部を設けないので圧電発振器の小型化ができるとともに、圧電振動子の自由端が枕部に接触することがないので、先端部の破損を防止することができる。
【0014】
請求項2の発明によると圧電振動子の自由端側に枕部を設けないので圧電発振器の小型化ができるとともに、圧電振動子の自由端が枕部に接触することがないので、先端部の破損を防止することができる。
【0015】
請求項3の発明によると、ワイヤーボンディング作業が容易になり、ICの実装性が高まる。フリップチップの場合でも位置決めが容易になりICの実装性が高まる。
【0016】
請求項4の発明によると、圧電振動子と圧電振動子の下面に配置される基板の一部の重なり量を多くすることができるため、より破損防止の効果が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3の基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置される圧電発振器とし、前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置し、前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明による圧電発振器の第1実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)である。圧電発振器20は、IC25と、矩形状圧電振動子26と、前記IC25を搭載する第1の基板21と、第1基板21に積層され前記IC25を収納する凹部20aを形成する第2の基板22と、第2基板22に積層され前記IC25と前記圧電振動子26を収納する凹部20aを形成する第3の基板23と、第3基板23に積層され前記IC25と前記圧電振動子26を収納する凹部20aを形成する第4の基板24と、前記凹部20aを密閉する蓋部材とで構成される。前記第2基板22には前記IC25とワイヤー27で接続される接続端子(不図示)が形成され、前記圧電振動子26は矩形状であり、長手方向の一端部26aが前記第3基板23の上面に導電性接着剤28で固定され、前記第3基板23の一部23a(枕部)が前記圧電振動子26の長手方向他端部26bを含まない短手方向の一端部の下面に配置されている。
【0019】
矩形状圧電振動子26の長手方向一端部26aと他端部26bとの間に枕部23aを設けた構造であり、圧電発振器が衝撃を受けて圧電振動子の先端部26bが揺動したとき、圧電振動子は前記枕部23aで揺動が規制され破損するのを防止する。矩形状圧電振動子26で一番移動量が大きい長手方向先端部26bは枕部に当接しないので、圧電振動子が破損することがなくなり耐衝撃性が向上している。
【実施例2】
【0020】
図2は本発明による圧電発振器の第2実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)である。図1と共通部品については同一符号を付し、説明は省略する。IC25は、第2基板22で形成された凹部20aの短手方向に寄せて配置されている。IC25を寄せた分だけ、枕部23aを中心位置まで大きく(長く)することが可能になり、圧電振動子26の動きを規制する部分が大きくなり、圧電振動子26の衝撃の分散化ができるため、圧電振動子26の破損を防止することができる。また、IC25の位置決めが容易となり、ワイヤーボンディング作業もやり易くなるのでIC25の実装性が高まる。
【0021】
本実施例では、さらに圧電振動子26をIC25を寄せた方向とは反対側に寄せているので、さらに枕部23aを矩形状圧電振動子26の短手方向中心位置まで大きく(長く)することが可能になり、圧電振動子26の破損を防止することができる。
【実施例3】
【0022】
図5は本発明による圧電発振器の第3実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)である。圧電発振器20は、IC27と、矩形状圧電振動子26と、前記IC27を搭載する第1の基板21と、第1基板21に積層され前記IC27を収納する凹部20aを形成する第2の基板22と、第2基板22に積層され前記IC27と前記圧電振動子26を収納する凹部20aを形成する第3の基板23と、前記凹部20aを密閉する蓋部材とで構成される。前記第1基板21には前記IC27と接続される接続端子(不図示)が形成され、前記圧電振動子26は矩形状であり、長手方向の一端部26aが前記第2基板22の上面に導電性接着剤28で固定される。前記第2基板22の一部22a(枕部)が前記圧電振動子26の長手方向他端部26bを含まない短手方向の一端部の下面に配置されている。
【0023】
本実施例は、IC27がフリップチップ実装される構造であり、その他の構造は実施例1と基本的に同じである。ICの実装構造の差により基板構成が3枚になっているが、本発明の主要部は同一であり、同じ効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による圧電発振器の第1実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)
【図2】本発明による圧電発振器の第2実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)
【図3】例従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた正面断面図(A)と上面図(B)
【図4】従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた上面図で(A)は水晶片の短い例、(B)は水晶片の長い例
【図5】本発明による圧電発振器の第3実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)
【符号の説明】
【0025】
1 容器本体
1a 底壁層
1b 第1中間層
1c 第2中間層
1d 上壁層
2 ICチップ
3 水晶片
4a 上段
4b 下段
5 金線
6 枕台
7 水晶片
8 導電性接着剤
9 枕台
20 圧電発振器
20a 凹部
21 第1基板
22 第2基板
22a 枕部
23 第3基板
23a 枕部
24 第4基板
25 IC
26 圧電振動子
26a 圧電振動子の一端部
26b 圧電振動子の他端部
27 IC
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
源振として圧電振動子を使用した発振回路が多用されているが、圧電振動子とICを一つの容器に入れた圧電発振器は、使用しやすいため多くの分野で使用されている。最近は、特に携帯機器に使用されることが多くなり、小型化、軽量化が進んでいる。また、携帯機器であるため、衝撃に強いものであることが望まれている。
【0003】
前記要求に応えるため、多くの開発がなされている。特に、圧電振動子が矩形状で長手方向の一端部を固定する構造を有する圧電発振器では、固定されていない圧電振動子の長手方向他端部の破損を防止するため、衝撃により前記他端部が大きく変位しないよう枕部を形成する構造が提唱されている。例えば、特許文献1、特許文献2参照。
【0004】
図3は従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた正面断面図(A)と上面図(B)である。表面実装型水晶発振器は、7×5mmとした容器本体1内にICチップ2と水晶片3(点線で表示)とを収容し、密閉封入してなる。そして、この例では水晶片3の大きさを3×1.4mmとする。容器本体1は、底壁層1a、第1及び第2中間層1(bc)、上壁層1dの4層構造として、ここでは第1及び第2中間層1(ab)の長手方向の両端側を互いに内方に延出し、特に上段4aを互いに接近させる。すなわち、水晶片3の両端部が搭載される程度に接近させる。そして、容器本体の幅方向の両下段4bには導電パッド(不図示)が形成される。5は金線、8は導電性接着剤である。
【0005】
容器本体1の上段4aを接近させたので、水晶片3の他端部を載置できる。したがって、固着時の作業性を維持し、衝撃時の遥動を抑制して耐衝撃性を維持する効果をも維持する。
特許文献1
【0006】
図4は別の従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた上面図で(A)は水晶片の短い例、(B)は水晶片の長い例である。凹部を有する容器本体1における長さ方向の一端側の内側壁に段部を有するとともに他端部に枕台6を有し、前記容器本体1の内底面にICチップ2を固着して前記内底面における幅方向の両側にワイヤーボンディングによる導線5を接続し、前記凹部の一端側の段部に水晶片3または水晶片7の一端部両側を固着して他端部を前記枕台6上に位置した表面実装用の水晶発振器において、前記容器本体1の凹部における幅方向の両内側壁部に枕台9を設けた構成である。長さの異なる水晶片でも容器本体を共通に使用できるように、水晶片の先端を載置する枕部を2箇所に設けた水晶発振器である。特許文献2
【0007】
【特許文献1】特開2004−15441号公報
【特許文献2】特開2004−260512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
いずれも、矩形状水晶片の長手方向一端部を固定し、他端部は容器本体に設けた枕部の上部に位置するように配置ことにより、水晶発振器が衝撃を受けて水晶片の未固定部が揺動したときの過大移動により水晶片が破損するのを防止する構造を有する水晶発振器であるが、矩形状水晶片の長手方向先端部が枕部に当接するような構造のため、一番移動量が大きい部分で動きを抑制することとなり耐衝撃性が十分とはいえなかった。本発明は小型化が可能で、耐衝撃性の強い圧電発振器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置された圧電発振器とする。
【0010】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第1基板には前記ICと接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第2基板の上面に固定され、前記第2基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置された圧電発振器とする。
【0011】
前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置する圧電発振器とする。
【0012】
前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置する圧電発振器とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によると圧電振動子の自由端側に枕部を設けないので圧電発振器の小型化ができるとともに、圧電振動子の自由端が枕部に接触することがないので、先端部の破損を防止することができる。
【0014】
請求項2の発明によると圧電振動子の自由端側に枕部を設けないので圧電発振器の小型化ができるとともに、圧電振動子の自由端が枕部に接触することがないので、先端部の破損を防止することができる。
【0015】
請求項3の発明によると、ワイヤーボンディング作業が容易になり、ICの実装性が高まる。フリップチップの場合でも位置決めが容易になりICの実装性が高まる。
【0016】
請求項4の発明によると、圧電振動子と圧電振動子の下面に配置される基板の一部の重なり量を多くすることができるため、より破損防止の効果が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3の基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置される圧電発振器とし、前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置し、前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明による圧電発振器の第1実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)である。圧電発振器20は、IC25と、矩形状圧電振動子26と、前記IC25を搭載する第1の基板21と、第1基板21に積層され前記IC25を収納する凹部20aを形成する第2の基板22と、第2基板22に積層され前記IC25と前記圧電振動子26を収納する凹部20aを形成する第3の基板23と、第3基板23に積層され前記IC25と前記圧電振動子26を収納する凹部20aを形成する第4の基板24と、前記凹部20aを密閉する蓋部材とで構成される。前記第2基板22には前記IC25とワイヤー27で接続される接続端子(不図示)が形成され、前記圧電振動子26は矩形状であり、長手方向の一端部26aが前記第3基板23の上面に導電性接着剤28で固定され、前記第3基板23の一部23a(枕部)が前記圧電振動子26の長手方向他端部26bを含まない短手方向の一端部の下面に配置されている。
【0019】
矩形状圧電振動子26の長手方向一端部26aと他端部26bとの間に枕部23aを設けた構造であり、圧電発振器が衝撃を受けて圧電振動子の先端部26bが揺動したとき、圧電振動子は前記枕部23aで揺動が規制され破損するのを防止する。矩形状圧電振動子26で一番移動量が大きい長手方向先端部26bは枕部に当接しないので、圧電振動子が破損することがなくなり耐衝撃性が向上している。
【実施例2】
【0020】
図2は本発明による圧電発振器の第2実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)である。図1と共通部品については同一符号を付し、説明は省略する。IC25は、第2基板22で形成された凹部20aの短手方向に寄せて配置されている。IC25を寄せた分だけ、枕部23aを中心位置まで大きく(長く)することが可能になり、圧電振動子26の動きを規制する部分が大きくなり、圧電振動子26の衝撃の分散化ができるため、圧電振動子26の破損を防止することができる。また、IC25の位置決めが容易となり、ワイヤーボンディング作業もやり易くなるのでIC25の実装性が高まる。
【0021】
本実施例では、さらに圧電振動子26をIC25を寄せた方向とは反対側に寄せているので、さらに枕部23aを矩形状圧電振動子26の短手方向中心位置まで大きく(長く)することが可能になり、圧電振動子26の破損を防止することができる。
【実施例3】
【0022】
図5は本発明による圧電発振器の第3実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)である。圧電発振器20は、IC27と、矩形状圧電振動子26と、前記IC27を搭載する第1の基板21と、第1基板21に積層され前記IC27を収納する凹部20aを形成する第2の基板22と、第2基板22に積層され前記IC27と前記圧電振動子26を収納する凹部20aを形成する第3の基板23と、前記凹部20aを密閉する蓋部材とで構成される。前記第1基板21には前記IC27と接続される接続端子(不図示)が形成され、前記圧電振動子26は矩形状であり、長手方向の一端部26aが前記第2基板22の上面に導電性接着剤28で固定される。前記第2基板22の一部22a(枕部)が前記圧電振動子26の長手方向他端部26bを含まない短手方向の一端部の下面に配置されている。
【0023】
本実施例は、IC27がフリップチップ実装される構造であり、その他の構造は実施例1と基本的に同じである。ICの実装構造の差により基板構成が3枚になっているが、本発明の主要部は同一であり、同じ効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による圧電発振器の第1実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)
【図2】本発明による圧電発振器の第2実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)
【図3】例従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた正面断面図(A)と上面図(B)
【図4】従来技術による表面実装型水晶発振器の蓋部材を除いた上面図で(A)は水晶片の短い例、(B)は水晶片の長い例
【図5】本発明による圧電発振器の第3実施例であり、蓋部材を除いた上面図(A)、圧電振動子を除いた上面図(B)と側面断面図(C)
【符号の説明】
【0025】
1 容器本体
1a 底壁層
1b 第1中間層
1c 第2中間層
1d 上壁層
2 ICチップ
3 水晶片
4a 上段
4b 下段
5 金線
6 枕台
7 水晶片
8 導電性接着剤
9 枕台
20 圧電発振器
20a 凹部
21 第1基板
22 第2基板
22a 枕部
23 第3基板
23a 枕部
24 第4基板
25 IC
26 圧電振動子
26a 圧電振動子の一端部
26b 圧電振動子の他端部
27 IC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第1基板には前記ICと接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第2基板の上面に固定され、前記第2基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項3】
前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置することを特徴とする請求項1または2記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置することを特徴とする請求項3記載の圧電発振器。
【請求項1】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、第3基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第4の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第2基板には前記ICとワイヤボンディングで接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第3基板の上面に固定され、前記第3基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
少なくとも、ICと、圧電振動子と、前記ICを搭載する第1の基板と、第1基板に積層され前記ICを収納する凹部を形成する第2の基板と、第2基板に積層され前記ICと前記圧電振動子を収納する凹部を形成する第3の基板と、前記凹部を密閉する蓋部材とで構成される圧電発振器であって、前記第1基板には前記ICと接続される接続端子が形成され、前記圧電振動子は矩形状であり、長手方向の一端部が前記第2基板の上面に固定され、前記第2基板の一部が前記圧電振動子の長手方向他端部を含まない短手方向の一端部の下面に配置されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項3】
前記ICは前記凹部の短手方向に寄せて配置することを特徴とする請求項1または2記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記圧電振動子の下面に配置される基板の一部は、前記ICが寄せられた反対側に配置することを特徴とする請求項3記載の圧電発振器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2006−108758(P2006−108758A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288522(P2004−288522)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000166948)シチズンミヨタ株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000166948)シチズンミヨタ株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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