説明

地図情報表示装置、地図情報表示方法、及びプログラム

【課題】検索を積極的に行わなくても、目的地に関連する地点名を知ることができる地図情報表示装置を提供する。
【解決手段】地図情報が記憶される地図情報記憶部11と、現在位置を取得する現在位置取得部12と、目的地を受け付ける目的地受付部13と、取得された現在位置である出発地から、受け付けられた目的地までのルートを、地図情報を用いて生成するルート生成部14と、地点名と、その地点名に対応する位置を示す地点名位置情報とを有する地点名対応情報が1以上記憶される地点名対応情報記憶部15と、その1以上の地点名対応情報を用いて、受け付けられた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する地点名取得部19と、地図情報、生成されたルート、取得された地点名を表示する表示部20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図を表示する地図情報表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置等のナビゲーション装置が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。そのナビゲーション装置を用いることによって、所望の目的地までのルート等を知ることができる。また、そのナビゲーション装置では、目的地となりうる施設や名所等を検索する機能を有するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−210468公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのようなナビゲーション装置等において、検索性の向上が求められていた。すなわち、従来のナビゲーション装置等では、検索を積極的に行わない限り、目的地を訪問するついでの訪問先となりうる地点、または目的地の代わりの訪問先となりうる地点を知ることができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、検索を積極的に行わなくても、目的地を訪問するついでの訪問先となりうる地点、または目的地の代わりの訪問先となりうる地点を知ることができる地図情報表示装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による地図情報表示装置は、地図に関する情報である地図情報が記憶される地図情報記憶部と、現在位置を取得する現在位置取得部と、目的地を受け付ける目的地受付部と、現在位置取得部が取得した現在位置である出発地から、目的地受付部が受け付けた目的地までのルートを、地図情報を用いて生成するルート生成部と、地点名と、地点名に対応する位置を示す情報である地点名位置情報とを有する地点名対応情報が1以上記憶される地点名対応情報記憶部と、地点名対応情報記憶部で記憶されている1以上の地点名対応情報を用いて、目的地受付部が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する地点名取得部と、地図情報、ルート生成部が生成したルート、地点名取得部が取得した地点名を表示する表示部と、を備えたものである。
【0007】
このような構成により、目的地に関連する地域に含まれる地点名が表示されることになる。したがって、その表示された地点名を見ることによって、積極的に検索を行わなくても、目的地を訪問するついでの訪問先となりうる地点の地点名や、目的地の代わりの訪問先となりうる地点の地点名を知ることができるようになる。
【0008】
また、本発明による地図情報表示装置では、地点名取得部は、目的地受付部が受け付けた目的地の近辺の地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得してもよい。
【0009】
このような構成により、目的地の近辺の地点名を知ることができるようになる。その結果、例えば、目的地の訪問のついでに、その目的地の近辺の地点を訪問できるようになり、ユーザの利便性が向上される。
【0010】
また、本発明による地図情報表示装置では、地点名取得部は、ルート生成部が生成した、現在位置である出発地から目的地までのルート沿いの地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得してもよい。
【0011】
このような構成により、現在位置から目的地までのルート沿いの地点名を知ることができるようになる。その結果、例えば、目的地の訪問のついでに、その目的地までのルート沿いの地点を訪問できることになり、ユーザの利便性が向上される。
【0012】
また、本発明による地図情報表示装置では、地点名取得部は、現在位置である出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得してもよい。
【0013】
このような構成により、出発地から目的地までの距離と同様の距離で到達することのできる地点名を知ることができるようになる。その結果、例えば、目的地に代えて、その地点名の地点を訪問することもできうることになる。このように、例えば、目的地までと同程度の距離に位置する、目的地の代替地を知ることができるようになる。
【0014】
また、本発明による地図情報表示装置では、ルート生成部は、生成するルートを用いた場合の所要時間をも取得するものであり、地点名取得部は、ルート生成部が取得したルートの所要時間と同様の所要時間で現在位置から到着できる地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得してもよい。
【0015】
このような構成により、出発地から目的地までと同様の時間で到達することのできる地点名を知ることができるようになる。その結果、例えば、目的地に代えて、その地点名の地点を訪問することもできうることになる。このように、例えば、目的地までと同程度の所要時間で到着することができる、目的地の代替地を知ることができるようになる。
【0016】
また、本発明による地図情報表示装置では、地点名対応情報は、地点名に対応付けて、地点名に対応するジャンルをも有するものであり、ジャンルを受け付けるジャンル受付部をさらに備え、地点名取得部は、ジャンル受付部が受け付けたジャンルに対応する地点名を取得してもよい。
【0017】
このような構成により、受け付けられたジャンルに応じた地点名のみが表示されることになる。したがって、例えば、ユーザが所望のジャンルを入力することによって、そのジャンルの地点名のみが表示されるようにすることができる。
【0018】
また、本発明による地図情報表示装置では、地点名対応情報は、地点名に対応付けて、地点名に対応するジャンルをも有するものであり、地点名対応情報を用いて、目的地受付部が受け付けた目的地のジャンルを取得し、目的地のジャンルに関連するジャンルを特定するジャンル特定部をさらに備え、地点名取得部は、ジャンル特定部が特定したジャンルに対応する地点名を取得してもよい。
【0019】
このような構成により、目的地のジャンルに関連するジャンルの地点名のみが表示されることになる。したがって、目的地に関連してユーザが訪問すると考えられうる地点名が表示されることになる。
【0020】
また、本発明による地図情報表示装置では、目的地のジャンルと、目的地のジャンルに関連するジャンルとを有する情報であるジャンル対応情報が記憶されるジャンル対応情報記憶部をさらに備え、ジャンル特定部は、ジャンル対応情報を用いて、地点名対応情報を用いて取得した目的地のジャンルに関連するジャンルを特定してもよい。
【0021】
このような構成により、ジャンル対応情報を用いて、目的地のジャンルに関連するジャンルを特定することができる。すなわち、ルールベースで目的地のジャンルに関連するジャンルを特定できる。
【0022】
また、本発明による地図情報表示装置では、ジャンル特定部は、地点名対応情報を用いて取得した目的地のジャンルと共起の高いジャンルを特定してもよい。
このような構成により、目的地のジャンルと共起の高いジャンルを、目的地のジャンルに関連するジャンルとして特定することができる。
【0023】
また、本発明による地図情報表示装置では、地点名取得部は、目的地受付部が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名であって、目的地と共起の高い地点名を取得してもよい。
【0024】
このような構成により、目的地に関連する地域の地点名であって、目的地と共起の高い地点名が表示されることになる。したがって、目的地に関連してユーザが訪問すると考えられうる地点名が表示されることになる。
【0025】
また、本発明による地図情報表示装置では、表示部は、地点名取得部が取得した地点名を、地点名に対応する地点名位置情報に対応する地図上の位置に表示してもよい。
このような構成により、その地点名と、その地点名に対応する位置との両方を容易に把握することができるようになる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による地図情報表示装置等によれば、目的地に関連する地域の地点名を表示することによって、検索を積極的に行わなくても、目的地を訪問するついでの訪問先となりうる地点の地点名、または目的地の代わりの訪問先となりうる地点の地点名を知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1による地図情報表示装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態による地図情報表示装置の動作を示すフローチャート
【図3】同実施の形態による地図情報表示装置の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態における地点名対応情報の一例を示す図
【図5】同実施の形態におけるジャンル対応情報の一例を示す図
【図6】同実施の形態におけるジャンルの選択のための表示の一例を示す図
【図7】同実施の形態における目的地の入力のための表示の一例を示す図
【図8】同実施の形態におけるルートと地点名の表示の一例を示す図
【図9】同実施の形態における地図とルートの表示の一例を示す図
【図10】同実施の形態におけるルートと地点名の表示の一例を示す図
【図11】同実施の形態における関連対応情報の一例を示す図
【図12】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【図13】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明による地図情報表示装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0029】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による地図情報表示装置1について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による地図情報表示装置1は、目的地に関連する地域の地点名を表示するものである。
【0030】
図1は、本実施の形態による地図情報表示装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による地図情報表示装置1は、地図情報記憶部11と、現在位置取得部12と、目的地受付部13と、ルート生成部14と、地点名対応情報記憶部15と、ジャンル受付部16と、ジャンル対応情報記憶部17と、ジャンル特定部18と、地点名取得部19と、表示部20とを備える。地図情報表示装置1は、例えば、自動車に装着されるカーナビゲーション装置であってもよく、地図表示機能やナビゲーション機能等を有する携帯電話であってもよく、地図表示機能やナビゲーション機能等を有するPDA(Personal Digital Assistant)であってもよく、PND(Personal Navigation Device)であってもよい。すなわち、地図情報表示装置1は、自動車で用いられるものであってもよく、徒歩や自転車で用いられるものであってもよく、その他の状況で用いられるものであってもよい。
【0031】
地図情報記憶部11では、地図に関する情報である地図情報が記憶される。地図情報は、例えば、地図の画像情報であってもよい。この画像情報は、例えば、ラスタデータ(ビットマップデータ)であってもよく、ベクタデータであってもよい。また、画像情報がラスタデータである場合には、地図情報に、複数の縮尺に対応した画像情報が含まれていてもよい。例えば、同じ地域について、縮尺の大きい画像情報、縮尺の中ぐらいの画像情報、縮尺の小さい画像情報が地図情報に含まれていてもよい。また、地図情報は、タイル状に分割された地図を示すものであり、それらを適宜組み合わせることによって、様々な領域の地図を表示することができるようになっていてもよい。ここで、「地図」は、地形図や、地勢図、地質図、土地利用図、住宅地図、路線図、道路地図、ガイドマップ等であってもよい。地図情報表示装置1がカーナビゲーション装置である場合には、この地図情報は道路地図であってもよい。地図情報表示装置1が徒歩や自転車等で用いられる場合には、この地図情報は歩行者や自転車用の道路地図であってもよい。また、その地図情報は、ルート探索を行うことができるものである。すなわち、地図情報は、例えば、道路の位置を示すものであってもよい。また、その地図情報は、道路の属性(例えば、制限速度や、主要な道路であるのか、脇道であるのかなど)を知ることができるようになっているものであってもよい。また、例えば、この地図情報は、カーナビゲーションで用いられるKIWIフォーマットのものであってもよい。また、「地図」は、地形や道路等が把握可能な航空写真や衛星写真、それらに記号や文字等が記入されたものなどであってもよい。地図情報において、地図の各地点と、座標(位置)との対応を知ることができるようになっているものとする。座標とは、ある基準点を原点とした座標(この座標は、例えば、距離でもよい)であってもよく、緯度・経度であってもよく、その他の位置を識別できる情報であってもよい。地図情報に、その座標そのものが含まれていてもよい。本実施の形態では、座標が緯度・経度である場合について説明する。また、この地図情報には、地名や、山や川などの地形に関する文字情報が含まれていてもよい。また、この地図情報において、北などの特定の方位がどちらであるのかが設定されていてもよい。なお、地図情報は、2次元のオンライン地図や電子地図等として公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0032】
地図情報記憶部11に地図情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図情報が地図情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された地図情報が地図情報記憶部11で記憶されるようになってもよい。また、地図情報記憶部11での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。地図情報記憶部11は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0033】
現在位置取得部12は、地図情報表示装置1の現在位置を取得する。その現在位置の取得は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いてなされてもよく、ジャイロなどの自律航法装置を用いてなされてもよく、その両方を用いることによって互いの欠点を補うようにしてもよい。なお、現在位置の取得方法は、これらに限定されないことは言うまでもない。例えば、携帯電話の最寄りの基地局を利用した現在位置の取得等を行ってもよい。また、現在位置取得部12が取得する現在位置は、例えば、緯度と経度を示す座標であってもよく、その他の座標であってもよい。
【0034】
目的地受付部13は、目的地を受け付ける。この目的地は、後述するルート生成部14におけるルートの生成で用いられる目的地である。なお、この目的地は、例えば、地点名であってもよく、地図上の位置情報(例えば、緯度・経度など)であってもよく、住所であってもよく、目的地を特定できる情報であればその内容を問わない。本実施の形態では、この目的地が地点名である場合について主に説明する。地点名は、例えば、施設名であってもよく、名所や旧跡の名称であってもよく、住所であってもよく、その他の地点に関する名称であってもよい。なお、目的地受付部13は、あらかじめ設定されている複数の目的地から選択された目的地(例えば、プルダウンメニューによって選択された目的地など)を受け付けてもよい。
【0035】
目的地受付部13は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された目的地を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された目的地を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された目的地を受け付けてもよい。なお、目的地受付部13は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、目的地受付部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0036】
ルート生成部14は、現在位置取得部12が取得した現在位置である出発地から、目的地受付部13が受け付けた目的地までのルートを生成する。ルート生成部14は、そのルートの生成において、地図情報記憶部11で記憶されている地図情報を用いるものとする。ルート生成部14が生成したルートの情報は、例えば、始点から終点までのルートを構成する多数の点の位置を示す情報であってもよい。また、ルート生成部14は、生成するルートを用いた場合の所要時間をも取得するものであってもよい。
【0037】
ここで、ルート生成部14が現在位置を始点として、目的地を終点とするルートを生成する方法について簡単に説明する。ルート生成部14は、現在位置と目的地との2個の位置にそれぞれ対応する座標(例えば、緯度・経度等)を取得し、その取得した2個の座標の間のルート探索を行う。具体的には、ルート生成部14は、通常、地図情報を用いて、始点から終点までのルートのスコアが最小となるようにルートを決定する。その経路探索において、例えば、ダイクストラ法を用いてもよく、A*アルゴリズムを用いてもよく、ベルマン−フォード法を用いてもよく、ワーシャル−フロイド法を用いてもよく、その他のアルゴリズムを用いてもよい。
【0038】
なお、ダイクストラ法は、始点から放射状に距離の短い順に距離を計算しながら最短ルートをチェックしていく方法である。また、ダイクストラ法は、目的地へたどり着いた時点でその経路が最短ルートとなるアルゴリズムである。さらに、ダイクストラ法において、必要なメモリ量と処理時間が、リンクやノードの数に比例して増加する。なお、ノードとは、地図上の地点のことである。リンクとは、ノードとノードを接続する線である(参考:インターネット<URL:http://www.deqnotes.net/acmicpc/dijkstra/>)。
【0039】
また、A*アルゴリズムは、各頂点nからゴールまでの距離の推定値h*(n)を知っていた場合に対して、最短経路問題を効率的に解くアルゴリズムである。A*アルゴリズムは、ダイクストラ法に予測距離を加えた考えで、ダイクストラ法に比べて目的地までの到達ステップが短くなる。また、A*アルゴリズムにおいて、予測距離が含まれるため、目的地へたどり着いた時点でその経路が最短ルートとならない可能性がある。また、A*アルゴリズムにおいて、目的地までたどり着くことを優先させ、メモリ容量と処理時間を抑えることができる(参考:インターネット<URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/A*%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0>)。なお、ルート生成部14がルート探索を行うために必要な情報は、地図情報記憶部11で記憶されているものとする。
【0040】
また、ルート生成部14は、生成したルートの距離を計算し、その距離を移動速度で割ることによって、そのルートを用いた場合の所要時間をも取得してもよい。その際に、移動手段(例えば、自動車、自転車、徒歩など)に応じた移動速度を用いるようにしてもよい。また、ルートの一部に移動速度の違う箇所が含まれる場合(例えば、ルートの一部が高速道路である場合や、ルートの一部で渋滞が起こっている場合など)には、移動速度ごとの範囲で所要時間を計算して加算することによって、出発地から目的地までの所要時間を取得してもよい。
【0041】
このルートの生成や所要時間の算出は、すでに公知であり、その詳細な説明を省略する。例えば、オンラインマップにおいて、始点の緯度・経度と、終点の緯度・経度を入力すると、その始点から終点までのルートと、所要時間とが表示されるものがある(例えば、「http://maps.google.co.jp/maps」等を参照のこと)。
【0042】
地点名対応情報記憶部15では、1以上の地点名対応情報が記憶される。地点名対応情報は、地点名と、その地点名に対応する位置を示す情報である地点名位置情報とを有する情報である。また、地点名対応情報は、地点名対応情報は、地点名に対応付けて、地点名に対応するジャンルをも有するものであってもよい。すなわち、地点名対応情報は、地点名と、その地点名に対応する地点名位置情報と、その地点名に対応するジャンルとを有する情報であってもよい。本実施の形態では、この場合について説明する。なお、ジャンルは、例えば、料理店等の地点名に対応するグルメや、水族館や遊園地等の地点名に対応するレジャー、ゴルフ場やテニスコート、球場などのスポーツ施設等の地点名に対応するスポーツ、名所、旧跡等の地点名に対応する観光、店舗やショッピングモール等の地点名に対応するショッピング、旅館やホテル等の地点名に対応する宿泊等がありうる。
【0043】
地点名対応情報記憶部15に1以上の地点名対応情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上の地点名対応情報が地点名対応情報記憶部15で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上の地点名対応情報が地点名対応情報記憶部15で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上の地点名対応情報が地点名対応情報記憶部15で記憶されるようになってもよい。地点名対応情報記憶部15での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。地点名対応情報記憶部15は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0044】
なお、地点名対応情報に含まれる各情報、例えば、地点名や地点名位置情報などは、その情報そのものであってもよく、あるいは、その情報を特定可能な情報であってもよい。後者の場合には、地点名対応情報に含まれる地点名等は、例えば、地点名等が格納されている領域を示すポインタやアドレスであってもよい。このことは、他の情報についても同様であるとする。
【0045】
また、地点名対応情報は、地図情報に含まれていると考えてもよい。すなわち、地図情報において、位置が指定された地点名が含まれる場合に、その地点名と、その地点名に対応する位置情報(地点名位置情報)とを対応付ける情報が、地点名対応情報であると考えてもよい。
【0046】
ジャンル受付部16は、ジャンルを受け付ける。このジャンルは、後述する地点名取得部19における地点名の取得で用いられるジャンルである。ジャンル受付部16が受け付けるジャンルは、1個であってもよく、あるいは、2個以上であってもよい。また、ジャンル受付部16が受け付けた1個以上のジャンルは、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。また、ジャンル受付部16は、地点名取得部19が地点名を取得するごとにジャンルを受け付けてもよく、あるいは、一度だけジャンルを受け付けておき、その一度だけ受け付けたジャンルを用いて地点名取得部19による地点名の取得が2回以上行われてもよい。後者の場合であっても、新たなジャンルを受け付けることによって、古いジャンルを新しいジャンルに変更できるようにしてもよい。なお、ジャンル受付部16は、あらかじめ設定されている複数のジャンルから選択されたジャンル(例えば、プルダウンメニューによって選択されたジャンルなど)を受け付けてもよい。
【0047】
ジャンル受付部16は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力されたジャンルを受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信されたジャンルを受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出されたジャンルを受け付けてもよい。なお、ジャンル受付部16は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、ジャンル受付部16は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0048】
ジャンル対応情報記憶部17では、1以上のジャンル対応情報が記憶される。ジャンル対応情報は、目的地のジャンルと、その目的地のジャンルに関連するジャンルとを有する情報である。ジャンル対応情報記憶部17に1以上のジャンル対応情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上のジャンル対応情報がジャンル対応情報記憶部17で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上のジャンル対応情報がジャンル対応情報記憶部17で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上のジャンル対応情報がジャンル対応情報記憶部17で記憶されるようになってもよい。ジャンル対応情報記憶部17での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。ジャンル対応情報記憶部17は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0049】
ジャンル特定部18は、地点名対応情報記憶部15で記憶されている1以上の地点名対応情報を用いて、目的地受付部13が受け付けた目的地のジャンルを取得する。例えば、目的地受付部13が受け付けた目的地が地点名である場合には、ジャンル特定部18は、その地点名で1以上の地点名対応情報の地点名を検索し、ヒットした地点名対応情報からジャンルを読み出すことによって、目的地のジャンルを取得することができる。また、例えば、目的地受付部13が受け付けた目的地が緯度や経度などの位置情報である場合には、ジャンル特定部18は、その位置情報で1以上の地点名対応情報の地点名位置情報を検索し、ヒットした地点名対応情報からジャンルを読み出すことによって、目的地のジャンルを取得することができる。なお、位置情報での検索の際には、検索キーである位置情報と、地点名位置情報とが厳密に一致した場合にのみヒットしたと判断してもよく、あるいは、その厳密に一致した場合と、ある誤差の範囲内(例えば、10メートルの誤差の範囲内や、50メートルの誤差の範囲内等)で一致した場合とを含めてヒットしたと判断してもよい。
【0050】
次に、ジャンル特定部18は、その取得した目的地のジャンルに関連するジャンルを特定する。このジャンルの特定の方法として、(1)ジャンル対応情報を用いる場合と、(2)ジャンルの共起を用いる場合とがある。以下、それらの場合について説明する。なお、ジャンルを特定するとは、結果として、特定されたジャンルを知ることができるのであれば、その特定の方法を問わない。例えば、ジャンルを特定するとは、特定対象のジャンルを図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、特定対象のジャンルに対応付けてフラグ等を設定することであってもよい。また、その(1)(2)以外の方法によって、目的地のジャンルに関連するジャンルをジャンル特定部18が特定してもよいことは言うまでもない。
【0051】
(1)ジャンル対応情報を用いてジャンルを特定する方法
この方法では、ジャンル特定部18は、ジャンル対応情報を用いて、地点名対応情報を用いて取得した目的地のジャンルに関連するジャンルを特定する。具体的には、ジャンル特定部18は、取得した目的地のジャンルを検索キーとして、ジャンル対応情報における目的地のジャンルを検索する。そして、ジャンル特定部18は、ヒットしたジャンル対応情報に含まれる、目的地のジャンルに関連するジャンルを特定する。なお、ヒットしたジャンル対応情報が2以上存在する場合には、ジャンル特定部18は、その2以上のジャンル対応情報にそれぞれ含まれる、目的地のジャンルに関連するジャンルを特定してもよい。すなわち、2以上のジャンルが特定されてもよい。
【0052】
(2)ジャンルの共起を用いてジャンルを特定する方法
この方法では、ジャンル特定部18は、取得した目的地のジャンルと共起の高いジャンルを特定する。まず、共起について説明する。ジャンルAと、ジャンルBとが共起するとは、決められた長さの範囲内(例えば、一文の範囲内、一段落の範囲内、一ページの範囲内、一の文書の範囲内、一のウェブページの範囲内等)において、両者が同時に出現することである。共起が高いとは、共起を示す尺度が高いことである。共起を示す尺度としては、例えば、共起頻度や共起率、Simpson係数、コサイン距離等が存在する。ジャンルAとジャンルBとの共起頻度とは、決められた長さの範囲内において、両者が同時に出現する数である。共起率は、ジャンルAの出現数をXとして、ジャンルBの出現数をYとして、両者が同時に出現する数をZとすると、共起率=Z/(X+Y−Z)となる。また、Simpson係数は、共起率の分母を、X,Yの最小値にしたものである。また、コサイン距離は、共起率の分母を、XとYの積の絶対値の自乗根にしたものである。なお、これらの共起を示す尺度についてはすでに公知である。したがって、共起の尺度に関する詳細な説明を省略する。また、上記以外の共起の尺度を用いてもよいことは言うまでもない。
【0053】
なお、その共起の尺度を算出する際には、検索対象となる文書を有するデータベースが必要になる。そのデータベースは、例えば、地図情報表示装置1が保持していてもよく、あるいは、装置外に存在してもよい。後者の場合には、例えば、そのデータベースは、ウェブサイトであってもよく、あるいは、所定のサーバが有するデータベースであってもよい。また、その共起の尺度を算出する際の検索等の処理は、ジャンル特定部18がそのデータベースにアクセスすることによって行ってもよく、あるいは、ジャンル特定部18は、外部の装置やサーバに対して、目的地のジャンルを渡し、その外部の装置やサーバにおいて生成された、目的地のジャンルと共起するジャンルや共起の尺度を受け取るだけであってもよい。また、検索の対象となるデータベースは、例えば、多くのユーザに関する訪問地の履歴(この履歴には、訪問地のジャンルが含まれるものとする)であってもよい。その履歴のデータベースにおいて、1回の外出ごとに訪問した訪問先の地点名と、その地点名に対応するジャンルとが含まれていてもよい。そして、ジャンル特定部18は、その1回の外出の範囲内において、共起の尺度を算出するようにしてもよい。例えば、その履歴において、ジャンル「レジャー」と、ジャンル「グルメ」とが、1回の外出の範囲内において多く出現する場合には、ジャンル「レジャー」と、ジャンル「グルメ」とは、共起が高いと判断されることになる。なお、例えば、一日の外出を1回の外出であると考えて、同一の日付の訪問先であり、かつ、同一のユーザの訪問先は、1回の外出での訪問先であると考えてもよい。
【0054】
ジャンル特定部18は、目的地のジャンルと共起するジャンルと、その共起の尺度とを取得する。この処理は、例えば、ジャンル特定部18が、目的地のジャンルと、あらゆるジャンル(このあらゆるジャンルは、例えば、図示しない記録媒体において保持されていてもよい)との共起の尺度を算出することによって行われる。そして、共起の尺度の高いジャンルを、目的地のジャンルに関連するジャンルとして特定する。なお、共起の尺度が高いジャンルとは、例えば、しきい値以上の共起の尺度であるジャンルであってもよく、あるいは、共起の尺度の高いものからあらかじめ決められた個数(例えば、1個または2個など)のジャンルであってもよい。なお、その2個の条件を合わせて用いてもよい。例えば、共起の尺度の高いジャンルは、しきい値以上の共起の尺度であるジャンルであって、かつ、共起の尺度の高いものからあらかじめ決められた個数内のジャンルであってもよい。そのしきい値は、例えば、共起の尺度の最大値にあらかじめ決められた1未満の数(例えば、0.9や0.8など)を掛けた値であってもよく、あらかじめ決められた値であってもよい。
【0055】
なお、ジャンル特定部18が、この目的地のジャンルと共起の高いジャンルを特定する処理のみを行う場合(すなわち、前述の(1)の方法でのジャンルの特定を行わない場合)には、地図情報表示装置1は、ジャンル対応情報記憶部17を備えていなくてもよい。
【0056】
地点名取得部19は、地点名対応情報記憶部15で記憶されている1以上の地点名対応情報を用いて、目的地受付部13が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する。「目的地に関連する地域」については、後述する。また、「地域に含まれる地点名位置情報」とは、その地域に含まれる位置を示す地点名位置情報のことである。また、「地点名位置情報に対応する地点名」とは、その地点名位置情報に、地点名対応情報によって対応付けられる地点名のことである。また、地点名取得部19は、ジャンル受付部16が受け付けたジャンルに対応する地点名を取得してもよい。すなわち、地点名取得部19は、目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名であって、地点名対応情報において、ジャンル受付部16で受け付けられたジャンルに対応している地点名を取得してもよい。また、地点名取得部19は、ジャンル特定部18が特定したジャンルに対応する地点名を取得してもよい。すなわち、地点名取得部19は、目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名であって、地点名対応情報において、ジャンル特定部18が特定したジャンルに対応している地点名を取得してもよい。「ジャンルに対応する地点名」とは、そのジャンルに、地点名対応情報によって対応付けられる地点名のことである。ジャンルを用いた地点名の取得を行う場合には、地点名対応情報にジャンルが含まれている必要がある。なお、ジャンル受付部16によるジャンルの受け付けと、ジャンル特定部18によるジャンルの特定との両方が行われた場合には、地点名取得部19は、両方のジャンルを用いて地点名の取得を行ってもよく、いずれか一方のジャンルを用いて地点名の取得を行ってもよい。後者の場合には、どちらのジャンルを用いるのかがあらかじめ決められていてもよい。なお、本実施の形態では、ジャンル受付部16でのジャンルの受け付けが行われている場合には、その受け付けられたジャンルを用いた地点名の取得が行われ、そうでない場合には、ジャンル特定部18によるジャンルの特定を行った上で、その特定されたジャンルを用いた地点名の取得が行われる場合について主に説明する。また、目的地受付部13が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名に、目的地受付部13が受け付けた目的地そのものが含まれる場合も考えられる。例えば、目的地「神戸空港」が受け付けられた場合に、その目的地「神戸空港」に関連する地域に、地点名「神戸空港」が含まれる場合である。しかし、ある目的地に応じた地点名の取得の際には、その目的地そのものを取得しなくてもよいと考えられるため、地点名取得部19は、その目的地そのものである地点名を取得しなくてもよい。
【0057】
なお、地点名取得部19は、目的地受付部13が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名であって、その目的地と共起の高い地点名を取得してもよい。また、このような地点名の取得と、ジャンルを用いた地点名の取得との両方を行ってもよい。すなわち、地点名取得部19は、目的地受付部13が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名であって、ジャンル(このジャンルは、受け付けられたジャンルでもよく、特定されたジャンルでもよい)に対応している地点名であって、その目的地と共起の高い地点名を取得してもよい。共起については、ジャンルが地点名(目的地)に変わった以外、前述の通りであり、その詳細な説明を省略する。
【0058】
次に、「目的地に関連する地域」について説明する。目的地に関連する地域は、(A)目的地の近辺の地域であってもよく、(B)出発地から目的地までのルート沿いの地域であってもよく、(C)出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域であってもよく、(D)出発地から目的地までの所要時間と同様の所要時間で現在位置から到着できる地域であってもよい。以下、それぞれの場合について地点名取得部19がその地域を特定する方法について説明する。なお、目的地に関連する地域が、(A)〜(D)以外であってもよいことは言うまでもない。
【0059】
(A)目的地に関連する地域が目的地の近辺の地域である場合
この場合には、地点名取得部19は、目的地受付部13が受け付けた目的地の近辺の地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得することになる。目的地の近辺の地域とは、目的地に対してあらかじめ決められた範囲の地域のことであり、例えば、目的地からあらかじめ決められた距離の範囲の地域(具体的には、目的地を中心とした半径5キロメートルや10キロメートルなどの円の地域であってもよく、目的地を中心として南北に5キロメートル東西に5キロメートルの幅を有する正方形の地域であってもよく、その他の地域であってもよい)であってもよく、目的地からあらかじめ決められた時間内で到着できる範囲の地域(具体的には、目的地から5分以内や10分以内で到着できる範囲の地域であってもよい)であってもよく、その他の地域であってもよい。ある地点から所定の時間内で到着できる範囲を特定する方法について簡単に説明する。ある地点から遠ざかる方向に複数の経路を選択する。この複数の経路は、例えば、略放射状に選択されてもよい。そして、各経路において、決められた時間で到達することができる到達点を決定する。この決定は、例えば、各経路において、移動速度にあらかじめ決められた時間をかけた距離だけ、ある地点から離れた位置を到達点とすることによって行われてもよい。そして、その到達点を結ぶことによって、ある地点から所定の時間内で到着できる範囲を特定してもよい。あるいはもっと厳密に、決定された複数の到達点までの経路に面した地域のみを、ある地点から所定の時間内で到着できる地域としてもよい。
【0060】
なお、目的地受付部13が受け付けた目的地が、緯度や経度などの位置情報である場合には、その目的地そのものが目的地の位置情報となる。一方、目的地受付部13が受け付けた目的地が、地点名である場合には、地点名取得部19は、その地点名に対応する緯度や経度などの位置情報を取得することによって、目的地の位置情報を取得することができる。この位置情報の取得は、例えば、地図情報を用いて行われてもよく、あるいは、地点名対応情報を用いて行われてもよく、その他の情報を用いて行われてもよい。そして、地点名取得部19は、その目的地の位置情報に対してあらかじめ決められた範囲の地域を特定し、その特定した地域を示す情報(例えば、その地域の輪郭を構成する複数の点の位置情報など)を図示しない記録媒体に蓄積することによって、目的地の近辺の地域を特定してもよい。
【0061】
(B)目的地に関連する地域が目的地までのルート沿いの地域である場合
この場合には、地点名取得部19は、ルート生成部14が生成した、現在位置である出発地から目的地までのルート沿いの地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得することになる。ルート沿いの地域とは、ルート生成部14が生成したルートに対して、あらかじめ決められた範囲の地域のことであり、例えば、そのルートに面している地域(具体的には、そのルートの長さ方向に直交する方向に対して、10メートルや20メートルずつをルートの両脇にそれぞれ付加した地域(すなわち、ルートを中心とした帯状の地域)であってもよい)であってもよく、そのルートからあらかじめ決められた距離の範囲の地域(具体的には、そのルートの長さ方向に直交する方向に対して、5キロメートルや10キロメートルずつをルートの両脇にそれぞれ付加した地域(すなわち、ルートを中心とした帯状の地域)であってもよい)であってもよく、そのルートからあらかじめ決められた時間内で到着できる範囲の地域(具体的には、そのルートから5分以内や10分以内で到着できる範囲の地域であってもよい。この地域も、通常、帯状になる。)であってもよく、その他の地域であってもよい。地点名取得部19は、ルート生成部14が生成したルートに対して、あらかじめ決められた範囲の地域を特定し、その特定した地域を示す情報(例えば、その地域の輪郭を構成する複数の点の位置情報など)を図示しない記録媒体に蓄積することによって、ルート沿いの地域を特定してもよい。
【0062】
(C)目的地に関連する地域が目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域である場合
この場合には、地点名取得部19は、現在位置である出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得することになる。なお、目的地までの距離は、通常、目的地までのルートの距離である。現在位置である出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域とは、現在位置から目的地までがαキロメートルであるとすると、現在地からαキロメートルと同様の距離だけ離れている地域であり、例えば、次のようにして決定されてもよい。まず、現在位置である出発地から遠ざかる方向に複数の経路を選択する。この経路は、例えば、略放射状に選択されてもよい。そして、各経路において、現在位置から(α−ε1)キロメートルの地点と、現在位置から(α+ε1)キロメートルの地点とを特定する。その後、現在位置から(α−ε1)キロメートルの地点から、現在位置から(α+ε1)キロメートルの地点までの範囲の集合を、目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域にしてもよい。なお、選択する経路の数を少なくするために、例えば、現在位置から(α+ε1)キロメートルの地点のうち、現在位置から最も遠い地点をつないだ閉曲線(これは通常、現在位置を中心とする半径(α+ε1)キロメートルの円になると考えられる)と、現在位置から(α−ε1)キロメートルの地点のうち、現在位置に最も近い地点をつないだ閉曲線との間の帯状の地域を、目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域としてもよい。その地域は通常、現在位置を囲む円環状の地域となる。なお、現在位置から遠ざかる方向に選択される経路が、現在位置の方向に戻らないと仮定すると、現在位置から(α−ε1)キロメートルの地点のうち、最も現在位置に近い地点の現在位置からの距離は(α−ε1)/21/2キロメートルとなる。これは、現在位置から放射状に延びる直線を(α−ε1)/2キロメートルだけ進み、そこから、その直線に垂直な方向に(α−ε1)/2キロメートルだけ進んだ地点である。したがって、現在位置である出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域を、現在位置を中心として(α−ε1)/21/2キロメートルの半径を有する円と、現在位置を中心として(α+ε1)キロメートルの半径を有する円との間の円環状の地域としてもよい。なお、ここでのε1は、例えば、1キロメートルや2キロメートルなどのようにあらかじめ決められた値であってもよく、αに0.1などの小さい数字をかけた値であってもよい。また、現在位置から目的地までの距離(αキロメートル)は、ルート生成部14によって計算されてもよい。そして、地点名取得部19は、その距離を用いて、前述のようにして目的地に関連する地域を特定し、その特定した地域を示す情報(例えば、その地域の輪郭を構成する複数の点の位置情報など)を図示しない記録媒体に蓄積することによって、現在位置である出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域を特定してもよい。なお、ここでは、目的地までの距離を、目的地までのルートの距離としたが、目的地までの距離として、現在位置と目的地との間の直線距離を用いてもよい。
【0063】
(D)目的地に関連する地域が目的地までと同様の所要時間で現在位置から到着できる地域である場合
この場合には、ルート生成部14は、生成したルートの所要時間をも取得するものとする。そして、地点名取得部19は、ルート生成部14が取得したルートの所要時間と同様の所要時間で現在位置から到着できる地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得することになる。ルートの所要時間と同様の所要時間で現在位置から到着できる地域とは、現在位置から目的地までのルートの所要時間がβ時間であるとすると、例えば、次のようにして決定されてもよい。まず、現在位置である出発地から遠ざかる方向に複数の経路を選択する。この経路は、例えば、略放射状に選択されてもよい。そして、各経路において、現在位置から(β−ε2)時間で到達できる地点と、現在位置から(β+ε2)時間で到達できる地点とを特定する。その後、現在位置から(β−ε2)時間で到達できる地点から、現在位置から(β+ε2)時間で到達できる地点までの範囲の集合を、目的地までと同様の所要時間で現在位置から到着できる地域にしてもよい。なお、選択する経路の数を少なくするために、例えば、現在位置から(β+ε2)時間で到達できる地点のうち、現在位置から最も遠い地点をつないだ閉曲線と、現在位置から(β−ε2)時間で到達できる地点のうち、現在位置に最も近い地点をつないだ閉曲線との間の帯状の地域を、目的地までと同様の所要時間で現在位置から到着できる地域としてもよい。その地域は通常、現在位置を囲む円環状の地域となる。なお、ここでのε2は、例えば、0.1時間や0.2時間などのようにあらかじめ決められた値であってもよく、βに0.1などの小さい数字をかけた値であってもよい。地点名取得部19は、前述のようにして目的地に関連する地域を特定し、その特定した地域を示す情報(例えば、その地域の輪郭を構成する複数の点の位置情報など)を図示しない記録媒体に蓄積することによって、現在位置である出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域を特定してもよい。
【0064】
ここで、(C)(D)の場合は、上述の説明からも分かるように、目的地に関連する地域を特定することが(A)(B)に比べて容易ではない。したがって、後述するように、地点名取得部19は、目的地に関連する地域を特定するのではなく、地点名ごとに、現在位置からの距離や、現在位置からの所要時間を計算することによって、その地点名に対応する地点が(C)や(D)の範囲に含まれるかどうかを判断してもよい。なお、このことは、(A)(B)についても同様である。
【0065】
なお、地点名取得部19は、前述の(A)〜(D)のうち、任意の2以上を用いて目的地に関連する地域を特定してもよい。その場合には、(A)〜(D)のうち、任意の2以上を用いて特定された地域を合わせたものが、最終的に特定された地域となる。例えば、上記(A)と(B)によって目的地に関連する地域を特定する場合には、目的地の近辺の地域と、目的地までのルート沿いの地域との両方を含む地域が、目的地に関連する地域となる。なお、通常、(A)、(B)の場合は、目的地に関連する地域に含まれる地点名は、目的地の訪問のついでに訪問することになる地点の地点名であると考えられ、(C)、(D)の場合は、目的地に関連する地域に含まれる地点名は、目的地の訪問に代えて訪問することになる地点の地点名であると考えられる。したがって、(A)〜(D)を組み合わせる場合には、通常、(A)と(B)との組合せや、(C)と(D)との組合せが好適であるが、それらに限定されるものではなく、任意に2以上のものを組み合わせてもよい。
【0066】
表示部20は、地図情報記憶部11で記憶されている地図情報を表示する。表示部20は、現在位置取得部12が取得した現在位置に応じた地図情報を地図情報記憶部11から読み出して表示してもよい。その表示の際には、表示部20は、表示対象となる領域の地図情報のみを地図情報記憶部11から読み出して表示するものとする。地図情報を表示するとは、地図情報における地図の画像を表示することである。なお、その地図の画像には、地名や、北を示す方位図形、縮尺を示す縮尺表示等が表示されてもよい。また、表示部20は、地図情報表示装置1の位置を示すマークを地図上に表示してもよい。地図情報表示装置1がナビゲーション装置である場合には、そのナビゲーション装置の位置(この位置は、例えば、ナビゲーション装置の装着されている自動車の位置や、ナビゲーション装置を有するユーザの位置である)を示すマークが地図情報に表示されてもよい。
【0067】
また、表示部20は、ルート生成部14が生成したルートも表示する。表示部20は、そのルートを地図上に表示してもよい。その地図上でのルートの表示は、ルートの全体の表示であってもよく、あるいは、現在位置の近辺のルートの表示であってもよい。
【0068】
また、表示部20は、地点名取得部19が取得した地点名を表示する。その地点名を表示する際に、表示部20は、地点名取得部19が取得した地点名のテキストのみを表示してもよく、あるいは、地点名取得部19が取得した地点名(テキスト)を、その地点名に対応する地点名位置情報に対応する地図上の位置に表示してもよい。後者の場合には、例えば、地点名取得部19によって取得された地点名が「神戸空港」である場合に、その地点名「神戸空港」が、地図上の神戸空港の位置に表示されることになる。なお、地点名が、その地点名に対応する地図上の位置に表示されるとは、表示対象となる地点名と、その地点名に対応する地図上の位置との対応が分かるように地図と表示対象の地点名とを表示することである。例えば、表示対象となる地点名を、その地点名に対応する位置の近傍に表示することであってもよく、表示対象となる地点名と、その地点名に対応する位置とを引き出し線で結んで表示することであってもよく、表示対象となる地点名を、その地点名に対応する位置を頂点とする吹き出しの図形内に表示することであってもよく、その他の方法であってもよい。なお、吹き出しや引き出し線を用いる場合には、表示部20は、図示しない記録媒体からそれらの図形を読み出したり、あるいは、それらの図形を生成したりすることによって、地点名を表示してもよい。
【0069】
なお、表示部20は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、地図情報等の表示は、地図情報表示装置1と別の装置においてなされてもよい。その場合には、表示部20は、地図情報表示装置1の外部に対して地図情報等を表示するために送信するものであってもよい。また、表示部20は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0070】
なお、地図情報記憶部11と、地点名対応情報記憶部15と、ジャンル対応情報記憶部17とのうち、任意の2以上の記憶部は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、地図情報を記憶している領域が地図情報記憶部11となり、地点名対応情報を記憶している領域が地点名対応情報記憶部15となる。
【0071】
次に、本実施の形態による地図情報表示装置1の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)現在位置取得部12は、新たな現在位置を取得したかどうか判断する。そして、新たな現在位置を取得した場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS103に進む。現在位置取得部12は、例えば、新たな現在位置を取得したと判断した場合に、その現在位置を図示しない記録媒体において一時的に記憶しておき、最新の現在位置がその一時的に記憶している現在位置と異なる場合に、新たな現在位置を取得したと判断して、その新たな現在位置を図示しない記録媒体に上書きで蓄積してもよい。
【0072】
(ステップS102)表示部20は、現在位置取得部12が取得した新たな現在位置に対応する地図情報を地図情報記憶部11から読み出して表示する。そして、ステップS101に戻る。なお、表示部20は、その表示対象の地図情報において、現在位置を示すマーク等を表示するようにしてもよい。また、ルートのガイドをしている場合には、表示部20は、「次の交差点を右に曲がります」といったようなガイドを表示してもよい。また、そのガイドを音声出力するカーナビゲーション装置の場合には、そのガイドの音声を生成してスピーカに音声出力するガイド音声出力部(図示せず)を地図情報表示装置1が備えていてもよい。
【0073】
(ステップS103)ジャンル受付部16は、ジャンルを受け付けたかどうか判断する。そして、ジャンルを受け付けた場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS105に進む。
【0074】
(ステップS104)ジャンル受付部16が受け付けたジャンルは、図示しない記録媒体に蓄積される。なお、この処理は、例えば、ジャンル受付部16によって行われてもよく、あるいは、地点名取得部19によって行われてもよい。そして、ステップS101に戻る。
【0075】
(ステップS105)目的地受付部13は、目的地を受け付けたかどうか判断する。そして、目的地を受け付けた場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、受け付けられた目的地は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0076】
(ステップS106)ルート生成部14は、現在位置取得部12が取得した現在位置である出発地から、目的地受付部13が受け付けた目的地までのルートを生成する。その生成されたルートは、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0077】
(ステップS107)地点名取得部19は、目的地受付部13が受け付けた目的地に関連する地域における地点名を取得する。この処理の詳細については、図3のフローチャートを用いて後述する。なお、取得された地点名は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0078】
(ステップS108)表示部20は、ルート生成部14が生成したルートと、地点名取得部19が取得した地点名とを表示する。そして、ステップS101に戻る。なお、ルートの表示の際に、地図がルートと一緒に表示されてもよい。また、ルートの表示は、現在位置の近辺に関する地図上でのルートの表示であってもよい。その場合には、地図情報表示装置1が出発地から目的地に移動するに従って、徐々にそのルートの異なる部分が表示されていくことになる。
【0079】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、図2のフローチャートでは、ルートの生成と、地点名の取得とが連続したタイミングで行われる場合について示しているが、そうでなくてもよい。ルートの生成と地点名の取得とは、独立したタイミングで行われてもよい。例えば、目的地の受け付けに応じてルートの生成と表示が行われ、その後であって、ユーザからの指示があった時に、目的地に応じた地点名の取得と表示が行われてもよい。
【0080】
図3は、図2のフローチャートにおける地点名の取得の処理(ステップS107)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS201)地点名取得部19は、ジャンル受付部16が受け付けたジャンルがあるかどうか判断する。そして、そのジャンルがある場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、ステップS202に進む。なお、地点名取得部19は、例えば、ジャンル受付部16によって受け付けられたジャンルが蓄積される記録媒体を参照し、その記録媒体でジャンルが記憶されている場合に、受け付けられたジャンルがあると判断し、その記録媒体でジャンルが記憶されていない場合に、受け付けられたジャンルがないと判断してもよい。
【0081】
(ステップS202)ジャンル特定部18は、目的地受付部13が受け付けた目的地のジャンルを取得し、その目的地のジャンルに関連するジャンルの特定を行う。そのジャンルの特定は、例えば、前述の(1)の方法であってもよく、(2)の方法であってもよい。特定されたジャンルは、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0082】
(ステップS203)地点名取得部19は、目的地受付部13が受け付けた目的地に関連する地域を特定する。その特定された地域を示す情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0083】
(ステップS204)地点名取得部19は、カウンタiを1に設定する。
【0084】
(ステップS205)地点名取得部19は、地点名対応情報記憶部15で記憶されているi番目の地点名対応情報に含まれる地点名(以下、この地点名を「i番目の地点名」とする)を取得するかどうか判断する。そして、取得する場合には、ステップS206に進み、取得しない場合には、ステップS207に進む。
【0085】
地点名取得部19は、i番目の地点名対応情報に含まれるジャンルが、受け付けられたジャンル、あるいは、特定されたジャンルと一致し、かつ、i番目の地点名対応情報に含まれる地点名位置情報によって示される位置が、ステップS203で特定した地域に含まれる場合に、i番目の地点名を取得すると判断し、そうでない場合(すなわち、ジャンルが異なる場合と地点名位置情報の位置が特定された地域に含まれない場合との少なくともいずれか)に、i番目の地点名を取得しないと判断する。なお、地点名取得部19は、i番目の地点名対応情報に含まれるジャンルが、受け付けられたジャンル、あるいは、特定されたジャンルと一致し、かつ、i番目の地点名対応情報に含まれる地点名位置情報によって示される位置が、ステップS203で特定した地域に含まれる場合であっても、そのi番目の地点名が目的地と一致する場合には、そのi番目の地点名を取得しないと判断してもよい。
【0086】
(ステップS206)地点名取得部19は、i番目の地点名を取得する。その取得されたi番目の地点名は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。なお、表示の際に、地図上の対応する位置に地点名を表示する場合には、地点名取得部19は、i番目の地点名と共に、i番目の地点名対応情報に含まれる地点名位置情報をも取得してもよい。
【0087】
(ステップS207)地点名取得部19は、カウンタiを1だけインクリメントする。
【0088】
(ステップS208)地点名取得部19は、i番目の地点名が存在するかどうか判断する。この判断は、i番目の地点名対応情報が地点名対応情報記憶部15で記憶されているかどうか判断すること同様である。そして、i番目の地点名が存在する場合には、ステップS205に戻り、そうでない場合には、図2のフローチャートに戻る。
【0089】
なお、図3のフローチャートでは、受け付けられたジャンルが存在する場合には、そのジャンルを用い、受け付けられたジャンルが存在しない場合に、ジャンルの特定を行って、特定されたジャンルを用いる場合について説明したが、これは一例であって、それ以外であってもよいことは前述の通りである。
【0090】
また、図3のフローチャートでは、目的地に関連する地域を特定してから、ステップS205の判断を行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。目的地に関連する地域を特定することなく、地点名を取得するかどうかの判断を行ってもよい。その場合には、地点名取得部19は、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置が、目的地に関連する地域に含まれるかどうかを毎回判断することになる。例えば、上記(A)の場合であって、目的地から10分以内で到着できる範囲の地域が目的地の近辺の地域である場合には、地点名取得部19は、目的地と、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置との間のルートを生成し、そのルートの所要時間を算出し、その所要時間が10分以内である場合には、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置が、目的地に関連する地域に含まれると判断してもよい。所要時間ではなく距離で判断される場合も同様である。また、例えば、上記(B)の場合であって、ルートから5分以内で到着できる範囲の地域が目的地までのルート沿いの地域である場合には、地点名取得部19は、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置と、その位置に近いルート上の任意の位置との間のルートを生成し、そのルートの所要時間を算出し、その所要時間が5分以内である場合には、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置が、目的地に関連する地域に含まれると判断してもよい。所要時間ではなく距離で判断される場合も同様である。
【0091】
また、例えば、上記(C)の場合には、地点名取得部19は、現在位置と、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置との間のルートを生成し、そのルートの距離を計算し、その距離Lが、
α−ε1≦L≦α+ε1
である場合には、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置が、目的地に関連する地域に含まれると判断してもよい。
【0092】
また、例えば、上記(D)の場合には、地点名取得部19は、現在位置と、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置との間のルートを生成し、そのルートの所要時間Tを算出し、その所要時間Tが、
β−ε2≦T≦β+ε2
である場合には、i番目の地点名に対応する地点名位置情報の位置が、目的地に関連する地域に含まれると判断してもよい。なお、ルートの生成やルートの距離の計算、ルートの所要時間の計算は、ルート生成部14によってなされてもよい。また、(C)(D)の場合に、すべての地点名に対してルートの距離の計算や、ルートの所要時間の計算を行うと、処理量が非常に多くなる。したがって、(C)の場合には、現在位置を中心とする半径(α+ε1)キロメートルの円の内部に含まれる地点名について、処理を行ってもよい。また、(D)の場合には、現在位置を中心とする半径{(β+ε2)×v}キロメートルの円の内部に含まれる地点名について、処理を行ってもよい。なお、vは、ルートの所要時間の計算で用いられる最大の速度(キロメートル/時間)である。
【0093】
次に、本実施の形態による地図情報表示装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、地図情報表示装置1は、カーナビゲーション装置であって、自動車に装着されているものとする。
【0094】
また、この具体例において、地点名対応情報記憶部15では、図4で示される地点名対応情報が記憶されているものとする。図4において、地点名対応情報は、ジャンルと、地点名と、地点名位置情報とを含む情報である。例えば、図4の1番目のレコード(地点名対応情報)によって、地点名「ABC水族園」に対応するジャンルは「レジャー」であり、地点名「ABC水族園」に対応する地点名位置情報は(X1001,Y1001)であることが分かる。なお、地点名位置情報は、緯度と経度を示す情報であるとする。
【0095】
また、この具体例において、ジャンル対応情報記憶部17では、図5で示されるジャンル対応情報が記憶されているものとする。図5において、ジャンル対応情報は、目的地のジャンルと、その目的地のジャンルに関連するジャンルである関連ジャンルとを含む情報である。例えば、図5の1番目のレコード(ジャンル対応情報)によって、目的地のジャンル「レジャー」に関連するジャンルが「グルメ」であることが分かる。また、この具体例では、ジャンル特定部18が、図5で示されるジャンル対応情報を用いたジャンルの特定を行う場合について説明する。
また、この具体例では上記(A)によって、目的地に関連する地域が特定されるものとする。また、その(A)において、目的地から半径5キロメートルの範囲内が、目的地に関連する地域であるとする。
【0096】
ユーザが自動車で走行中に地図情報表示装置1を動作させていたとする。すると、現在位置取得部12は、自動車の走行に合わせて最新の現在位置を取得し(ステップS101)、表示部20は、それに応じて表示対象の地図情報を更新して表示する(ステップS102)。
【0097】
次に、ユーザがジャンルを入力する処理について説明する。ユーザが、地図情報表示装置1を操作して、ジャンルを選択する画面を表示させたとする。そして、その画面において、ジャンル「ショッピング」を指で押して(タップして)選択したとする。すると、図6で示されるように、ショッピングに対応するチェックボックスにチェックが入る。その後に、ユーザが「OK」ボタンをタップすると、ジャンル受付部16によってジャンル「ショッピング」が受け付けられ、地点名取得部19に渡される(ステップS103)。地点名取得部19は、受け取ったジャンル「ショッピング」を、図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS104)。
【0098】
その後、ユーザが、画面下の「メインメニュー」ボタンをタップして、メインメニューを表示させ、そのメインメニューから目的地入力を選択したとする。すると、目的地入力画面が表示される。その目的地入力画面において、ユーザが図7で示されるように、「ABCすいぞくえん」を入力し、「決定」ボタンを押したとする。すると、目的地受付部13は、「ABCすいぞくえん」に対応する目的地「ABC水族園」を受け付け、その目的地をルート生成部14と、ジャンル特定部18と、地点名取得部19とに渡す(ステップS105)。
【0099】
ルート生成部14は、目的地受付部13から目的地「ABC水族園」を受け取ると、現在位置取得部12から出発地である現在位置を受け取り、それらの出発地と目的地とを用いてルートを生成する(ステップS106)。そのルートの生成の際に、地図情報記憶部11で記憶されている地図情報が参照されるものとする。生成されたルートは、図示しない記録媒体に記憶される。
【0100】
地点名取得部19は、目的地受付部13から目的地「ABC水族園」を受け取ると、地点名を取得する処理を行う(ステップS107)。具体的には、地点名取得部19は、図示しない記録媒体において、受け付けたジャンルが記憶されているかどうか判断する(ステップS201)。この場合には、ジャンル「ショッピング」が記憶されているため、地点名取得部19は、受け付けたジャンルがあると判断する。そして、地点名取得部19は、目的地「ABC水族園」を検索キーとして、地点名対応情報記憶部15で記憶されている、図4の地点名対応情報を検索し、ヒットした1番目の地点名対応情報から、地点名位置情報(X1001,Y1001)を取得する。そして、地点名取得部19は、その取得した地点名位置情報を中心とした半径5キロメートルの円の外周の位置を示す位置情報(X2001,Y2001)、(X2002,Y2002)、(X2003,Y2003)、(X2004,Y2004)…を取得して図示しない記録媒体に蓄積することによって、目的地に関連する地域を特定する(ステップS203)。その位置情報(X2001,Y2001)、(X2002,Y2002)…によって囲われる地域が、目的地に関連する地域である。
【0101】
その後、地点名取得部19は、図4で示される1番目のレコード(地点名対応情報)からジャンル「レジャー」を読み出し、そのジャンルが図示しない記録媒体で記憶されている、受け付けられたジャンル「ショッピング」と一致するかどうか判断する。この場合には、一致しないため、地点名取得部19は、1番目の地点名を取得しないと判断する(ステップS204,S205)。次に、地点名取得部19は、2番目のレコードからジャンル「グルメ」を読み出し、そのジャンルが「ショッピング」と一致するかどうか判断する。この場合も一致しないため、地点名取得部19は、2番目の地点名を取得しないと判断する(ステップS207,S208,S205)。このような処理を繰り返して、5番目のレコードが判断対象になったとする。5番目のレコードのジャンルは「ショッピング」であり、受け付けられたジャンルと一致するため、地点名取得部19は、5番目のレコードの地点名位置情報(X1005,Y1005)を読み出し、その地点名位置情報が、特定した地域、すなわち、(X2001,Y2001)、(X2002,Y2002)…によって囲われる地域の内部に存在するかどうか判断する。この場合には、地点名位置情報(X1005,Y1005)が、特定した地域の内部に存在したとする。すると、地点名取得部19は、5番目の地点名を取得すると判断し(ステップS205)、5番目のレコードから、地点名「CCCショッピングモール」と、地点名位置情報(X1005,Y1005)とを取得し、図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS206)。このような処理を繰り返すことによって、最終的に、地点名「CCCショッピングモール」「EEE書店」と、それぞれに対応する地点名位置情報とが取得されたとする(ステップS205〜S208)。
【0102】
その後、ルート生成部14によって生成されたルートと、地点名取得部19によって取得された地点名とが地図上に表示される(ステップS108)。図8は、そのようにして表示されたルートと、地点名との表示された地図の一例を示す図である。表示部20は、地点名に対応する地点名位置情報を用いることによって、図8で示されるように、その地点名位置情報によって示される地図上の位置に頂点を有する吹き出し図形を表示し、その吹き出し図形の内部に地点名のテキストを表示する。なお、吹き出し図形に表示されるテキスト(地点名)が重ならないように、表示部20は、適宜、吹き出し図形の形状や位置を変更するものとする。このルートと、地点名の表示によって、現在位置からABC水族園までのルートと、ABC水族園の近辺に存在する店とを知ることができるようになる。その結果、例えば、ユーザは、ABC水族園に行った後に、CCCショッピングモールで買い物をしたり、EEE書店で買い物をしたりすることができうる。なお、図8では、現在位置から目的地までの距離「15.6km」と、所要時間「約30分」とが、ルート情報として表示されている。これらは、ルート生成部14によって生成されたものである。なお、図8の表示がなされてから、あらかじめ決められた時間(例えば、30秒や1分など)が経過すると、現在位置の付近の地図の表示に切り替わり、図9で示されるように、ルートの一部と、地図情報表示装置1を有する自動車の位置(図9の三角マーク)とが表示されることになる(ステップS101,S102)。なお、図9において、生成されたルートを用いたナビゲーションの情報、例えば、「500メートル先の信号を右折してください」等が画面に表示されてもよく、あるいは、音声出力されてもよいことは、公知のナビゲーション装置と同様である。また、図9において、「ルート全体の表示」をタップすると、それに応じて図8の表示に切り替わってもよい。
【0103】
なお、この具体例では、ジャンルが受け付けられた場合について説明したが、ジャンルが受け付けられていない場合について簡単に説明する。ジャンルが受け付けられていない場合には、目的地が入力された後に、地点名が取得される際に、ジャンルの特定が行われる(ステップS202)。そのジャンルの特定では、地点名取得部19は、目的地「ABC水族園」を検索キーとして地点名対応情報を検索し、ヒットした1番目の地点名対応情報から、目的地のジャンル「レジャー」を読み出す。そして、地点名取得部19は、今度はその目的地のジャンル「レジャー」を検索キーとして、図5のジャンル対応情報の目的地のジャンルを検索し、ヒットした1番目のジャンル対応情報から、関連ジャンル「グルメ」を取得する。この取得されたジャンル「グルメ」が、特定されたジャンルとなる。したがって、地点名の取得の際には、前述の具体例で用いたジャンル「ショッピング」に代えて、ジャンル「グルメ」が用いられることになる。その結果、ジャンルが「グルメ」であり、目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報を有する地点名対応情報から、地点名「AAAレストラン」「CDEラーメン」と、それぞれに対応する地点名位置情報とが取得されたとする(ステップS204〜S208)。その結果、図10で示される表示がなされてもよい(ステップS108)。
【0104】
また、この具体例では、地点名のみが表示される場合について説明したが、地点名と共に、地点名に関連する関連情報も表示されてもよい。地点名に関連する関連情報は、例えば、地点名の示す地点の画像であってもよく、地点名に関する解説であってもよく、その他の地点名に関する情報であってもよい。具体的には、図11で示されるように、地点名と、その地点名に対応する関連情報とを有する1以上の関連対応情報を用いて、関連情報の取得が行われてもよい。例えば、地点名取得部19が、取得した地点名に対応する関連情報を関連対応情報から取得し、表示部20が、その取得された関連情報をも、地点名と共に表示してもよい。例えば、地点名取得部19が地点名「AAAレストラン」を取得した場合には、地点名取得部19は、その地点名「AAAレストラン」を検索キーとして関連対応情報を検索し、ヒットした関連対応情報に含まれる関連情報「P1002.jpg」を取得して表示部20に渡す。そして、表示部20は、地点名「AAAレストラン」と、その地点名に対応する関連情報「P1002.jpg」とを対応付けて表示する。なお、対応付けて表示するとは、例えば、地点名「AAAレストラン」の横に、関連情報「P1002.jpg」を表示することであってもよく、地点名「AAAレストラン」と、関連情報「P1002.jpg」とが線やその他の図形等によって対応付けられて表示されることであってもよい。1以上の関連対応情報は、地図情報表示装置1が有する関連対応情報記憶部(図示せず)で記憶されてもよい。その関連対応情報記憶部は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。その関連対応情報記憶部での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。また、関連対応情報記憶部に関連対応情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して関連対応情報が関連対応情報記憶部で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された関連対応情報が関連対応情報記憶部で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された関連対応情報が関連対応情報記憶部で記憶されるようになってもよい。また、関連対応情報記憶部で記憶される関連対応情報は、地点名取得部19が地点名を取得した後に、インターネット等において検索され、取得された情報であってもよい。例えば、地点名取得部19が地点名「AAAレストラン」を取得した後に、その「AAAレストラン」に関連する関連情報が検索されて取得され、関連対応情報記憶部に一時的に記憶されてもよい。そして、その関連情報が地点名取得部19によって取得され、表示部20によって表示されてもよい。
【0105】
このように、関連情報も表示される場合には、地図情報表示装置1は、地点名と、当該地点名に対応付けて、当該地点名に関連する情報である関連情報とを有する関連対応情報が1以上記憶される関連対応情報記憶部(図示せず)をさらに備え、地点名取得部19は、取得した地点名に対応する関連情報を、前記関連対応情報を用いて取得し、表示部20は、その取得された関連情報をも表示してもよい。なお、前述のように、表示部20による関連情報の表示の際には、関連情報と、その関連情報に対応する地点名とが対応付けられて表示されることが好適である。
【0106】
また、この具体例において、表示された地点名をタップすることによって、その地点名を新たな目的地として受け付け、現在位置からその新たな目的地までのルートを生成するようにしてもよい。その場合には、その新たな目的地に関連する地域に含まれる地点名を表示してもよく、あるいは、表示しなくてもよい。
【0107】
また、この具体例において、地点名取得部19が、目的地受付部13が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名であって、その目的地と共起の高い地点名を取得してもよいことは前述の通りである。
【0108】
ここで、共起を用いてジャンルを特定する方法について簡単に説明する。例えば、多くのユーザに関する訪問地の履歴において、次のような情報が記憶されていたとする。この履歴情報では、1回の外出で訪問した地点の履歴が、1行で示されているものとする。
履歴情報
ABC水族園(レジャー)、AAAレストラン(グルメ)
BBBゴルフ場(スポーツ)、ビストロDDD(グルメ)
EFG遊園地(レジャー)、DEF百貨店(ショッピング)、GGGホテル(宿泊)
EEE書店(ショッピング)、CCCショッピングモール(ショッピング)


【0109】
そして、目的地受付部13が受け付けた目的地が「ABC水族園」である場合には、ジャンル特定部18は、その目的地のジャンル「レジャー」を前述のようにして取得し、そのレジャーと、他のジャンルとの共起の尺度をそれぞれ求める。その結果が、次のようであったとする。なお、共起の尺度は共起頻度であるとする。また、共起頻度は、1回の外出ごと(すなわち、1行ごと)に算出されるものとする。
ジャンル 共起の尺度
グルメ 105
ショッピング 80
スポーツ 75
観光 30
: :
: :
【0110】
すると、ジャンル特定部18は、ジャンル「レジャー」と最も共起の尺度の高いジャンル「グルメ」を、目的地のジャンルに関連するジャンルとして取得する。なお、上記の例では、履歴にジャンルが含まれる場合について説明したが、履歴にはジャンルが含まれていなくてもよい。例えば、ジャンル特定部18は、履歴に含まれる地点名を用いて地点名対応情報を検索することによって、各地点名に対応するジャンルを特定し、その測定したジャンルを用いて、上述の説明と同様に、共起を用いたジャンルの特定を行ってもよい。
【0111】
なお、目的地と共起の高い地点名を取得する場合にも、同様にして行うことができる。例えば、目的地が「ABC水族園」であり、その目的地に関連する地域に含まれる地点名として、「AAAレストラン」「CDEラーメン」「CCCショッピングモール」「EEE書店」が特定されたとする。ここでは、説明の便宜上、ジャンルによる地点名の絞り込みは行われないものとしている。そして、地点名取得部19が算出した、「ABC水族園」と、特定された各地点名との共起の尺度は、次のようであったとする。なお、ここでも共起の尺度は共起頻度であるとする。
地点名 共起の尺度
AAAレストラン 42
CCCショッピングモール 35
CDEラーメン 21
EEE書店 4
【0112】
すると、ジャンル特定部18は、「ABC水族園」と共起の尺度の高い地点名「AAAレストラン」「CCCショッピングモール」を取得する。なお、ここでは、上位2個の地点名を取得すると設定されていたものとする。
【0113】
以上のように、本実施の形態による地図情報表示装置1によれば、目的地が入力された場合に、その目的地に関連する地域に含まれる地点名が表示されることになる。したがって、その表示された地点名をユーザが見ることによって、積極的に検索を行わなくても、目的地を訪問するついでの訪問先となりうる地点名や、目的地の代わりの訪問先となりうる地点名を知ることができるようになる。そして、例えば、その表示された地点名の地点を訪問することもできうる。
【0114】
なお、本実施の形態では、地図情報表示装置1が、ジャンルを受け付けるジャンル受付部16を備える場合について説明したが、受け付けたジャンルを用いた地点名の取得を行わない場合には、地図情報表示装置1は、ジャンル受付部16を備えなくてもよい。
【0115】
また、本実施の形態において、ジャンル特定部18がジャンルを特定する方法は、前述の(1)の方法であってもよく、(2)の方法であってもよいことは言うまでもない。また、本実施の形態では、ジャンル特定部18がジャンル対応情報を用いたジャンルの特定を行う場合について説明したが、ジャンル特定部18がジャンル対応情報を用いたジャンルの特定を行わない場合には、地図情報表示装置1は、ジャンル対応情報記憶部17を備えていなくてもよい。
【0116】
また、本実施の形態では、地図情報表示装置1がジャンルを特定するジャンル特定部18を備える場合について説明したが、特定したジャンルを用いた地点名の取得を行わない場合には、地図情報表示装置1は、ジャンル特定部18を備えなくてもよい。
【0117】
また、地点名取得部19が、現在位置から目的地までのルートの所要時間を用いないで地点名の取得を行う場合には、ルート生成部14は、そのルートを用いた場合の所要時間を取得しなくてもよい。また、地点名取得部19が、ジャンルを用いた地点名の取得を行わない場合には、地点名対応情報記憶部15で記憶されている地点名対応情報は、ジャンルを含まないものであってもよい。
【0118】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0120】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0121】
また、上記実施の形態において、地図情報表示装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
【0122】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現されうる。なお、上記実施の形態における地図情報表示装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、現在位置を取得する現在位置取得部、目的地を受け付ける目的地受付部、現在位置取得部が取得した現在位置である出発地から、目的地受付部が受け付けた目的地までのルートを、地図に関する情報である地図情報が記憶される地図情報記憶部で記憶されている地図情報を用いて生成するルート生成部、地点名と、地点名に対応する位置を示す情報である地点名位置情報とを有する地点名対応情報が1以上記憶される地点名対応情報記憶部で記憶されている1以上の地点名対応情報を用いて、目的地受付部が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する地点名取得部、地図情報、ルート生成部が生成したルート、地点名取得部が取得した地点名を表示する表示部として機能させるためのプログラムである。
【0123】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を表示する表示部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0124】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0125】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0126】
図12は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による地図情報表示装置1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0127】
図12において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0128】
図13は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図13において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0129】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による地図情報表示装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0130】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による地図情報表示装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0131】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上より、本発明による地図情報表示装置等によれば、検索を積極的に行わなくても、目的地に関連する地点名を知ることができるという効果が得られ、例えば、カーナビゲーション装置等として有用である。
【符号の説明】
【0133】
1 地図情報表示装置
11 地図情報記憶部
12 現在位置取得部
13 目的地受付部
14 ルート生成部
15 地点名対応情報記憶部
16 ジャンル受付部
17 ジャンル対応情報記憶部
18 ジャンル特定部
19 地点名取得部
20 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図に関する情報である地図情報が記憶される地図情報記憶部と、
現在位置を取得する現在位置取得部と、
目的地を受け付ける目的地受付部と、
前記現在位置取得部が取得した現在位置である出発地から、前記目的地受付部が受け付けた目的地までのルートを、前記地図情報を用いて生成するルート生成部と、
地点名と、当該地点名に対応する位置を示す情報である地点名位置情報とを有する地点名対応情報が1以上記憶される地点名対応情報記憶部と、
前記地点名対応情報記憶部で記憶されている1以上の地点名対応情報を用いて、前記目的地受付部が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する地点名取得部と、
前記地図情報、前記ルート生成部が生成したルート、前記地点名取得部が取得した地点名を表示する表示部と、を備えた地図情報表示装置。
【請求項2】
前記地点名取得部は、前記目的地受付部が受け付けた目的地の近辺の地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する、請求項1記載の地図情報表示装置。
【請求項3】
前記地点名取得部は、前記ルート生成部が生成した、現在位置である出発地から目的地までのルート沿いの地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する、請求項1または請求項2記載の地図情報表示装置。
【請求項4】
前記地点名取得部は、現在位置である出発地から目的地までと同様の距離だけ現在位置から離れている地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する、請求項1から請求項3のいずれか記載の地図情報表示装置。
【請求項5】
前記ルート生成部は、生成するルートを用いた場合の所要時間をも取得するものであり、
前記地点名取得部は、前記ルート生成部が取得したルートの所要時間と同様の所要時間で現在位置から到着できる地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する、請求項1から請求項4のいずれか記載の地図情報表示装置。
【請求項6】
前記地点名対応情報は、地点名に対応付けて、当該地点名に対応するジャンルをも有するものであり、
ジャンルを受け付けるジャンル受付部をさらに備え、
前記地点名取得部は、前記ジャンル受付部が受け付けたジャンルに対応する地点名を取得する、請求項1から請求項5のいずれか記載の地図情報表示装置。
【請求項7】
前記地点名対応情報は、地点名に対応付けて、当該地点名に対応するジャンルをも有するものであり、
前記地点名対応情報を用いて、前記目的地受付部が受け付けた目的地のジャンルを取得し、当該目的地のジャンルに関連するジャンルを特定するジャンル特定部をさらに備え、
前記地点名取得部は、前記ジャンル特定部が特定したジャンルに対応する地点名を取得する、請求項1から請求項5のいずれか記載の地図情報表示装置。
【請求項8】
目的地のジャンルと、当該目的地のジャンルに関連するジャンルとを有する情報であるジャンル対応情報が記憶されるジャンル対応情報記憶部をさらに備え、
前記ジャンル特定部は、前記ジャンル対応情報を用いて、前記地点名対応情報を用いて取得した目的地のジャンルに関連するジャンルを特定する、請求項7記載の地図情報表示装置。
【請求項9】
前記ジャンル特定部は、前記地点名対応情報を用いて取得した目的地のジャンルと共起の高いジャンルを特定する、請求項7記載の地図情報表示装置。
【請求項10】
前記地点名取得部は、前記目的地受付部が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名であって、当該目的地と共起の高い地点名を取得する、請求項1から請求項5のいずれか記載の地図情報表示装置。
【請求項11】
前記表示部は、前記地点名取得部が取得した地点名を、当該地点名に対応する地点名位置情報に対応する地図上の位置に表示する、請求項1から請求項10のいずれか記載の地図情報表示装置。
【請求項12】
地図に関する情報である地図情報が記憶される地図情報記憶部と、現在位置取得部と、目的地受付部と、ルート生成部と、地点名と当該地点名に対応する位置を示す情報である地点名位置情報とを有する地点名対応情報が1以上記憶される地点名対応情報記憶部と、地点名取得部と、表示部とを用いて処理される地図情報表示方法であって、
前記現在位置取得部が、現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
前記目的地受付部が、目的地を受け付ける目的地受付ステップと、
前記ルート生成部が、前記現在位置取得ステップで取得した現在位置である出発地から、前記目的地受付ステップで受け付けた目的地までのルートを、前記地図情報を用いて生成するルート生成ステップと、
前記地点名取得部が、前記地点名対応情報記憶部で記憶されている1以上の地点名対応情報を用いて、前記目的地受付ステップで受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する地点名取得ステップと、
前記表示部が、前記地図情報、前記ルート生成ステップで生成したルート、前記地点名取得ステップで取得した地点名を表示する表示ステップと、を備えた地図情報表示方法。
【請求項13】
コンピュータを、
現在位置を取得する現在位置取得部、
目的地を受け付ける目的地受付部、
前記現在位置取得部が取得した現在位置である出発地から、前記目的地受付部が受け付けた目的地までのルートを、地図に関する情報である地図情報が記憶される地図情報記憶部で記憶されている地図情報を用いて生成するルート生成部、
地点名と、当該地点名に対応する位置を示す情報である地点名位置情報とを有する地点名対応情報が1以上記憶される地点名対応情報記憶部で記憶されている1以上の地点名対応情報を用いて、前記目的地受付部が受け付けた目的地に関連する地域に含まれる地点名位置情報に対応する地点名を取得する地点名取得部、
前記地図情報、前記ルート生成部が生成したルート、前記地点名取得部が取得した地点名を表示する表示部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−149707(P2011−149707A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8798(P2010−8798)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(504050275)株式会社 ミックウェア (42)
【Fターム(参考)】