説明

地図表示システム、地図表示方法およびプログラム

【課題】 リモートで操作される操作用端末により表示中の地図が変更された場合に、その変更内容を容易に把握できる地図表示システムを提供する。
【解決手段】 地図表示システム1は、地図を表示する地図表示装置10と、地図表示に関する操作を受け付ける操作用端末20とを備え、操作用端末20は、地図表示に関する操作を受け付けるタッチパネル21と、タッチパネル21に対する操作から操作内容を検出する操作内容検出部23と、操作内容を示すデータを地図表示装置に送信する通信部24とを有し、地図表示装置10は、地図を表示するモニタ11と、操作用端末20から送信される操作内容を示すデータを受信する通信部15と、操作内容に応じてモニタ11に表示する地図を変更する地図変更表示部12と、地図に重畳して操作内容を示す画像をモニタ11に表示する操作内容表示部14とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図を表示する地図表示システムに関し、特に、ナビゲーション装置のモニタに地図を表示するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広く普及しているナビゲーション装置は、ドライバの席の近くに据え付けられたモニタに地図を表示し、その地図上に車両の現在位置等を表示して経路案内を行う。ナビゲーション装置に設けられたスイッチ群によってナビゲーション装置を操作することもできるし、リモコンを用いて操作することもできる。
【0003】
また、後部座席の同乗者がナビゲーション装置を操作できるように、後席用ディスプレイを備えたナビゲーション装置も提案されている(特許文献1)。この文献に記載されたナビゲーション装置では、後席用ディスプレイにおいて、例えば、リモコンの多方向キーの操作によりカーソルを移動させ、そのカーソルが移動した状態でリモコンの決定キーを押下すると、その時点のカーソルの画面位置を取得し、その画面位置に対応するナビゲーション画面を作成し、前席用ディスプレイに表示する。
【特許文献1】特開2007−263839号公報(6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では、無線LANやBluetooth(登録商標)といった無線通信技術が一般に普及し始めている。これを受けて、インターネットに接続可能なモバイル端末と、カーナビゲーション装置とを無線通信で接続し、インターネット経由でカーナビゲーション装置に情報をダウンロードする形態のサービスも開始されている。
【0005】
モバイル端末がカーナビゲーション装置に無線接続されることにより、新しい操作方法が可能となる。例えば、モバイル端末に、乗車前にレストラン情報をブックマークしておき、乗車時にモバイル端末からカーナビゲーション装置にレストラン情報を送信し、目的地設定を行うことができる。また、例えば、後部座席の同乗者がモバイル端末を使って、カーナビゲーション装置のモニタに表示された地図の縮尺変更やスクロール等を行うこともできる。
【0006】
このようにモバイル端末を用いてナビゲーション装置の地図表示を変更できるようになると、同乗者による地図表示の変更により、その地図によって経路案内を受けているドライバが現在位置を見失うという問題が生じる。上記した特許文献1に記載された装置も同じ問題が生じる可能性はあったが、同文献ではこの問題には触れられていない。
【0007】
また、インターネットに接続可能なモバイル端末は、ナビゲーション装置専用のリモコンに比べて操作性が高いので、地図の変更操作の自由度が高く、ドライバは、変更中の地図を見ただけでは、同乗者がどういう操作をしているのかを把握することが一層困難となることが予想される。
【0008】
そこで、本発明は、上記背景に鑑み、表示中の地図が変更された場合にもその変更内容を容易に把握できる地図表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の地図表示システムは、地図を表示する地図表示装置と、地図表示に関する操作を受け付ける操作用端末とを備え、前記操作用端末は、地図表示に関する操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対する操作から操作内容を検出する操作内容検出部と、前記操作内容を示すデータを前記地図表示装置に送信する通信部とを有し、前記地図表示装置は、地図を表示するモニタと、前記操作用端末から送信される前記操作内容を示すデータを受信する通信部と、前記操作内容に応じて前記モニタに表示する地図を変更する地図変更部と、前記地図に重畳して前記操作内容を示す画像を前記モニタに表示する操作内容表示部とを有する。
【0010】
このように操作内容に応じて地図を変更すると共に、操作内容を示す画像を地図に重畳して表示することにより、地図表示装置のモニタを見ただけで、操作用端末での操作内容を容易に把握できる。
【0011】
本発明の地図表示システムにおいて、前記操作部は、前記地図表示装置に表示される地図と連動した地図を表示すると共に表示された地図表示に関する操作をタッチ入力によって受け付けるタッチパネルであってもよい。
【0012】
このように地図に対してタッチ入力で操作を行う構成により、地図をスクロールさせたり、縮尺を変更したりする操作を直感的なインターフェースで受け付けることができる。
【0013】
本発明の地図表示システムにおいて、前記操作内容検出部は、地図の縮尺変更の操作とその縮尺変更の中心点を前記操作内容として検出し、前記地図変更部は、前記操作内容に応じて地図の縮尺を変更し、前記操作内容表示部は、縮尺を変更中の地図に重畳して、前記縮尺変更の中心点を示す画像を表示してもよい。
【0014】
この構成により、地図の縮尺の変更中に、縮尺変更の中心点を容易に把握できる。
【0015】
本発明の地図表示システムにおいて、前記地図変更部は、前記縮尺変更の中心点が前記モニタの表示画面の中央にくるように前記地図をスクロールしてもよい。
【0016】
この構成により、操作用端末の操作者が着目している地点を、画面の中央に表示することができる。
【0017】
本発明の地図表示システムにおいて、前記操作内容検出部は、地図上の地点を指示したことを前記操作内容として検出し、前記操作内容表示部は、前記地図に重畳して、前記指示された地点を指し示す手の画像を表示してもよい。
【0018】
この構成により、地図表示装置のモニタを見ただけで、操作用端末の操作者が指示している地点を即座に把握できる。
【0019】
本発明の地図表示システムにおいて、前記地図変更部は、前記指示された地点を含む一定の範囲内にある施設を表示してもよい。
【0020】
この構成により、操作用端末の操作者が指示している地点と共に、その周辺の施設を即座に把握できる。
【0021】
本発明の地図表示システムにおいて、前記操作内容検出部は、地図のスクロールの操作とそのスクロール方向を前記操作内容として検出し、前記地図変更部は、前記操作内容に応じて地図をスクロールし、前記操作内容表示部は、スクロール中の地図に重畳して、前記スクロールの方向を示す画像を表示してもよい。
【0022】
この構成により、地図のスクロール中に、スクロールされている方向を容易に把握できる。
【0023】
本発明の地図表示システムにおいて、前記操作内容表示部は、前記操作内容を示す画像として、操作内容を示すアイコン、操作用端末における操作を示すアニメーション、またはテキストイメージを用いてもよい。
【0024】
この構成により、操作内容に応じた適切な画像を用いて、操作用端末での操作内容を示すことができる。
【0025】
本発明の地図表示システムにおいて、前記地図表示装置は、車両に据え付けられたナビゲーション装置のモニタであってもよい。
【0026】
ドライバは、運転中に、ナビゲーション装置のモニタを凝視することができないので、操作用端末における操作を直感的に把握できる本発明の構成が有効である。
【0027】
本発明の地図表示方法は、地図を表示する地図表示装置と、地図表示に関する操作を受け付ける操作用端末とを備える地図表示システムにおいて、前記操作用端末における操作に基づいて前記地図表示装置に地図を表示する方法であって、前記操作用端末が前記地図表示装置に表示された地図と連動した地図をタッチパネルに表示するステップと、前記操作用端末が表示された地図表示に関する操作を前記タッチパネルに対するタッチ入力によって受け付けるステップと、前記タッチパネルに対する操作から操作内容を検出するステップと、前記操作用端末が前記操作内容を示すデータを前記地図表示装置に送信するステップと、前記地図表示装置が前記操作内容に応じてモニタに表示する地図を変更するステップと、前記地図表示装置が前記地図に重畳して前記操作内容を示す画像を前記モニタに表示するステップとを有する。
【0028】
この構成により、本発明の地図表示装置と同様に、地図表示装置のモニタを見ただけで、操作用端末での操作内容を容易に把握できる。また、本発明の地図表示装置の各種の構成を本発明の地図表示方法に適用することも可能である。
【0029】
本発明のプログラムは、操作用端末から受信した指示に基づいてモニタに地図を表示するプログラムであって、コンピュータに、前記操作内容を示すデータを受信するステップと、前記操作内容に応じてモニタに表示する地図を変更するステップと、前記地図に重畳して前記操作内容を示す画像を前記モニタに表示するステップとを実行させる。
【0030】
この構成により、本発明の地図表示装置と同様に、地図表示装置のモニタを見ただけで、操作用端末での操作内容を容易に把握できる。また、本発明の地図表示装置の各種の構成を本発明のプログラムに適用することも可能である。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、操作内容に応じて地図を変更すると共に、操作内容を示す画像を地図に重畳して表示することにより、地図表示装置のモニタを見ただけで、操作用端末での操作内容を容易に把握できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態の地図表示システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態の地図表示システム1の構成を示す図である。地図表示システム1は、地図を表示する地図表示装置10と、地図表示装置10に表示された地図に対する操作を受け付ける操作用端末20とを有している。地図表示システム1は、ナビゲーション装置とモバイル端末とを無線通信によって接続したナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーション装置のモニタに地図を表示する用途に適用できる。この場合、ナビゲーション装置が地図表示装置10に相当し、モバイル端末が操作用端末20に相当する。
【0033】
地図表示装置10は、モニタ11と、地図変更表示部12と、地図データベース(以下、「地図DB」という)13と、操作内容表示部14と、通信部15とを有している。通信部15は、操作用端末20と通信する機能を有する。通信部15は、操作用端末20を検出すると、モニタ11に表示中の領域を含む地図のデータを操作用端末20に送信する。また、通信部15は、操作用端末20から送信される操作内容を示すデータを受信する。なお、通信部15は、上記以外のデータを送受信することも可能である。
【0034】
地図変更表示部12は、地図DB13のデータを用いて、操作内容に応じてモニタ11に表示中の地図を変更する機能を有する。地図変更表示部12は、例えば、地図をスクロールさせたり、地図の縮尺を変えたりする。操作内容表示部14は、操作内容を示す画像を地図に重畳して表示させる機能を有する。
【0035】
操作用端末20は、タッチパネル21と、メモリ22と、操作内容検出部23と、通信部24とを有している。通信部24は、地図表示装置10と通信する機能を有する。通信部24は、地図表示装置10にて表示中の領域を含む地図のデータを地図表示装置10から受信する。また、通信部24は、操作内容検出部23にて検出した操作内容を示すデータを地図表示装置10に送信する。なお、通信部24は、上記以外のデータを送受信することも可能である。
【0036】
タッチパネル21は、地図表示装置10に表示中の地図を表示すると共にタッチ入力を受け付ける機能を有する。タッチパネル21は、タッチ入力されたデータを操作内容検出部23に送信する。
【0037】
操作内容検出部23は、タッチパネル21から送信されたタッチ入力データに基づき、操作内容を検出する機能を有する。例えば、操作内容検出部23は、対向する2方向からほぼ同時にタッチパネル21上の所定点に向かってなぞるタッチ入力から、地図の縮尺拡大という操作内容を検出する。このタッチ入力は、操作者が所定点を掴むようにタッチパネル21をなぞることによって検出される。また、別の例としては、操作内容検出部23は、タッチパネル21をなぞるタッチ入力から、なぞった方向へのスクロールという操作内容を検出する。操作内容検出部23は、検出した操作内容を示すデータを通信部24を通じて地図表示装置10に送信する。また、操作内容検出部23は、検出した操作内容を示すデータをタッチパネル21にフィードバックし、操作内容に応じてタッチパネル21に表示された地図を変更する。これにより、操作用端末20のタッチパネル21と地図表示装置10のモニタ11のそれぞれに表示された地図は連動する。
【0038】
図2は、実施の形態の地図表示システム1の動作を示す図である。地図表示装置10は、操作用端末20を検出すると、表示中の領域を含む地図のデータを操作用端末20に送信する(S10)。地図表示装置10は、例えば、操作用端末20の電源を入れたときや、操作用端末20を持った操作者が地図表示装置10の通信可能範囲内に入ったときに、操作用端末20を検出する。地図表示システム1をナビゲーション装置に適用した例では、例えば、操作用端末20であるモバイル端末を持ったドライバが車両に乗り込んだときである。
【0039】
地図表示装置10は、例えば、モニタ11に千代田区を表示中の場合には、東京都の地図データを送信する。表示中の領域より広範囲の地図データを送信しておくことにより、スクロールや縮尺の変更がなされるたびに、操作用端末20に対して新たな領域を示す地図データを送信する必要がなくなる。地図の表示が変更された場合には、表示範囲を示すデータ、例えば、表示された領域の中心の座標と縮尺のデータを通知する。これにより、地図表示装置10と操作用端末20との間のデータ通信量を低減でき、連動した地図を円滑に表示できる。
【0040】
操作用端末20は、地図表示装置10から送信された地図のデータを受信すると、受信した地図データをメモリ22に格納すると共に、地図表示装置10にて表示中の地図と同じ地図をタッチパネル21に表示する(S12)。続いて、操作用端末20は、タッチパネル21に対する操作入力を受け付け(S14)、受け付けた操作内容を検出する(S16)。操作用端末20は、操作内容検出部23にて検出した操作内容を示すデータを地図表示装置10に送信し(S18)、続いて、操作内容に応じてタッチパネル21に表示された地図を変更する(S20)。
【0041】
地図表示装置10は、操作用端末20から送信された操作内容データを受信すると(S22)、受信した操作内容データに基づいてモニタ11に表示された地図を変更する(S24)。地図表示装置10は、操作内容を示す画像を変更中の地図に重畳して表示する(S26)。以下、操作内容を示す画像の具体例について説明する。
【0042】
図3(a)は操作用端末20のタッチパネル21に対する操作の例を示す図、図3(b)は地図表示装置10のモニタ11の表示例を示す図である。図3(a)に示すように、所定の地点30を掴むように操作者が手Hを動かしてタッチパネル21をなぞると(矢印32参照)、操作内容として縮尺の拡大を検出する。逆に、所定の地点30を押し開くようにタッチパネル21をなぞると、操作内容として縮尺の縮小を検出する。このように縮尺を変更する場合、地図表示装置10は、図3(b)に示すように縮尺を変更中の画面において、縮尺変更の中心を示す画像34を地図に重畳して表示する。これにより、地図表示装置10を見ただけで、どこを中心に縮尺の変更が行なわれているか把握できる。
【0043】
図4(a)は操作用端末20のタッチパネル21に対する操作の例を示す図、図4(b)は地図表示装置10のモニタ11の表示の別の例を示す図である。図4(a)に示す例は、図3(a)に示す例と同じである。この例では、地図表示装置10は、図4(b)に示すように縮尺を拡大中の画面において、縮尺変更の中心を示す画像34を地図に重畳して表示することは同じであるが、縮尺変更の中心がモニタ11の中央にくるようにスクロールされている。これにより、操作用端末20の操作者が着目している地点を容易に把握できる。なお、図3(b)、図4(b)では、縮尺変更の中心を星印の画像34で示しているが、縮尺変更の中心を示す画像34は、上記形状に限られない。また、図3(a)に示すような操作を示すアニメーションを重畳することによって縮尺変更の中心を示してもよい。
【0044】
図5(a)は操作用端末20のタッチパネル21に対する操作の別の例を示す図、図5(b)は地図表示装置10のモニタ11の表示例を示す図である。図5(a)に示すように、タッチパネル21上の所定の地点をタッチすると、地図表示装置10は、図5(b)に示すようにタッチされた地点に対応する地点36をモニタ11に表示すると共に、その地点36を指示する手の画像38を重畳して表示する。これにより、地図表示装置10を見ただけで、操作用端末20において、操作者がどこをタッチしているかを即座に把握できる。
【0045】
なお、手の画像38は、タッチされた地点36のモニタ11内の位置に応じて向きを変えてもよい。図5(b)では、モニタ11の下から手を伸ばしている画像を表示しているが、例えば、モニタ11の下辺近くの地点を指示する際には、モニタ11の上から手を伸ばしている画像を表示してもよい。これにより、モニタ11の隅がタッチされた場合にも適切に手の画像38を表示できる。
【0046】
図6(a)は操作用端末20のタッチパネル21に対する操作の別の例を示す図、図6(b)は地図表示装置10のモニタ11の表示例を示す図である。図6(a)および図6(b)に示す例は、基本的には、図5(a)および図5(b)に示す例と同じであるが、図6(b)に示すように、タッチされた地点から一定の範囲40内にある施設42が地図上に表示され、それ以外の施設の表示が省略される。これにより、操作用端末20の操作者が指示している地点と共に、その周辺の施設を即座に把握できる。
【0047】
図7(a)は操作用端末20のタッチパネル21に対する操作の別の例を示す図、図7(b)は地図表示装置10のモニタ11の表示例を示す図である。図7(a)に示すように、操作者が手Hを動かしてタッチパネル21を一定の方向になぞると(矢印44参照)、操作内容としてその方向へのスクロールを検出する。この場合、地図表示装置10は、図7(b)に示すようにスクロール中の画面において、スクロール方向を示す画像46を地図に重畳して表示する。また、スクロール中であることを示す文字情報48を表示してもよい。これにより、地図表示装置10を見ただけで、操作用端末20において、操作者がどの方向にスクロールしているかを把握できる。
【0048】
図3(b)〜図7(b)を用いて説明した操作内容を示す画像は一例であり、地図表示装置10は、上記以外の画像によって操作内容を示すことも可能である。
【0049】
本実施の形態の地図表示システム1は、操作用端末20における操作内容を示す画像を、地図に重畳して地図表示装置10のモニタ11に表示するので、地図表示装置10のモニタ11を見ただけで、操作用端末20における操作内容を容易に把握できる。
【0050】
以上、本発明の地図表示装置および地図表示方法について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されない。
【0051】
上記した実施の形態では、地図表示システム1および地図表示方法について、上記した地図表示装置10の機能を実現するためのプログラムも本発明に含まれる。このプログラムの一例を具体的に述べると、操作内容を示すデータを受信する操作内容データ受信モジュール、受信した操作内容データに応じて変更した地図を表示する地図変更表示モジュール、受信した操作内容データを示す画像を地図に重畳して表示する操作内容表示モジュールを有する。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記した地図表示装置10を実現できる。
【0052】
上記した実施の形態では、地図表示装置10が操作用端末20を検出したときに、地図表示装置10から操作用端末20に対して地図データを送信する例について説明したが、操作用端末20が地図データベースを有している場合には、上記の地図データの送信を省略できる。この場合、地図表示装置10は、表示中の地図の中心座標および縮尺を示すデータを送信すればよい。
【0053】
上記した実施の形態では、操作用端末20が操作内容を検出したときに、操作用端末20は操作内容に基づいてタッチパネル21に表示された地図を変更する例について説明したが、地図の変更があるたびに地図表示装置10から表示中の地図のデータを受信する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、本発明は、地図表示装置のモニタを見ただけで、操作用端末での操作内容を容易に把握できるという効果を有し、例えば、ナビゲーション装置とモバイル端末とを無線通信によって接続したナビゲーションシステムにおけるナビゲーション装置のモニタへの地図表示等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施の形態の地図表示システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態の地図表示システムの動作を示す図である。
【図3】(a)操作用端末における操作の例を示す図である。(b)地図表示装置のモニタの表示例を示す図である。
【図4】(a)操作用端末における操作の例を示す図である。(b)地図表示装置のモニタの表示例を示す図である。
【図5】(a)操作用端末における操作の例を示す図である。(b)地図表示装置のモニタの表示例を示す図である。
【図6】(a)操作用端末における操作の例を示す図である。(b)地図表示装置のモニタの表示例を示す図である。
【図7】(a)操作用端末における操作の例を示す図である。(b)地図表示装置のモニタの表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 地図表示システム
10 地図表示装置
11 モニタ
12 地図変更表示部
13 地図データベース
14 操作内容表示部
15 通信部
20 操作用端末
21 タッチパネル
22 メモリ
23 操作内容検出部
24 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示する地図表示装置と、
地図表示に関する操作を受け付ける操作用端末と、を備え、
前記操作用端末は、
地図表示に関する操作を受け付ける操作部と、
前記操作部に対する操作から操作内容を検出する操作内容検出部と、
前記操作内容を示すデータを前記地図表示装置に送信する通信部と、
を有し、
前記地図表示装置は、
地図を表示するモニタと、
前記操作用端末から送信される前記操作内容を示すデータを受信する通信部と、
前記操作内容に応じて前記モニタに表示する地図を変更する地図変更部と、
前記地図に重畳して前記操作内容を示す画像を前記モニタに表示する操作内容表示部と、
を有する地図表示システム。
【請求項2】
前記操作部は、前記地図表示装置に表示される地図と連動した地図を表示すると共に表示された地図表示に関する操作をタッチ入力によって受け付けるタッチパネルである請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記操作内容検出部は、地図の縮尺変更の操作とその縮尺変更の中心点を前記操作内容として検出し、
前記地図変更部は、前記操作内容に応じて地図の縮尺を変更し、
前記操作内容表示部は、縮尺を変更中の地図に重畳して、前記縮尺変更の中心点を示す画像を表示する請求項1または2に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記地図変更部は、前記縮尺変更の中心点が前記モニタの表示画面の中央にくるように前記地図をスクロールする請求項3に記載の地図表示システム。
【請求項5】
前記操作内容検出部は、地図上の地点を指示したことを前記操作内容として検出し、
前記操作内容表示部は、前記地図に重畳して、前記指示された地点を指し示す手の画像を表示する請求項1または2に記載の地図表示システム。
【請求項6】
前記地図変更部は、前記指示された地点を含む一定の範囲内にある施設を表示する請求項5に記載の地図表示システム。
【請求項7】
前記操作内容検出部は、地図のスクロールの操作とそのスクロール方向を前記操作内容として検出し、
前記地図変更部は、前記操作内容に応じて地図をスクロールし、
前記操作内容表示部は、スクロール中の地図に重畳して、前記スクロールの方向を示す画像を表示する請求項1または2に記載の地図表示システム。
【請求項8】
前記操作内容表示部は、前記操作内容を示す画像は、操作内容を示すアイコン、操作用端末における操作を示すアニメーション、またはテキストイメージである請求項1〜7のいずれかに記載の地図表示システム。
【請求項9】
前記地図表示装置は、車両に据え付けられたナビゲーション装置のモニタである請求項1〜8のいずれかに記載の地図表示システム。
【請求項10】
地図を表示する地図表示装置と、地図表示に関する操作を受け付ける操作用端末とを備える地図表示システムにおいて、前記操作用端末における操作に基づいて前記地図表示装置に地図を表示する方法であって、
前記操作用端末が前記地図表示装置に表示された地図と連動した地図をタッチパネルに表示するステップと、
前記操作用端末が表示された地図表示に関する操作を前記タッチパネルに対するタッチ入力によって受け付けるステップと、
前記タッチパネルに対する操作から操作内容を検出するステップと、
前記操作用端末が前記操作内容を示すデータを前記地図表示装置に送信するステップと、
前記地図表示装置が前記操作内容に応じてモニタに表示する地図を変更するステップと、
前記地図表示装置が前記地図に重畳して前記操作内容を示す画像を前記モニタに表示するステップと、
を有する地図表示方法。
【請求項11】
操作用端末から受信した指示に基づいてモニタに地図を表示するプログラムであって、コンピュータに、
前記操作内容を示すデータを受信するステップと、
前記操作内容に応じてモニタに表示する地図を変更するステップと、
前記地図に重畳して前記操作内容を示す画像を前記モニタに表示するステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−237895(P2009−237895A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83174(P2008−83174)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】