説明

地図表示装置、ナビゲーション装置及び表示制御方法

【課題】 表示する地図の縮尺が変更されても、ポインタの示す地点の地図記号や文字情報を表示することができる「地図表示装置、ナビゲーション装置及び表示制御方法」を提供する。
【解決手段】 地図データに、地図データの縮尺に応じて設定された地図記号と文字情報との少なくとも一方を重ねてディスプレイ表示するナビゲーション装置1であって、ポインタで指定された地点から所定範囲内にある地図記号と文字情報との少なくとも一方を、ディスプレイ40に表示する地図データの縮尺が変更されても表示し続ける制御部25を有する構成としている。このため、地図の縮尺が変更されても地図記号や文字情報が表示されるので、自車位置からポインタの示す地点までの大まかな経路や距離を簡単に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ等に地図データを表示させる地図表示装置に関する。特に、車両に搭載され、地図上に目的地までの誘導経路と現在位置とを表示して、利用者を目的地に導くナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の移動体に搭載されるナビゲーション装置(以下、自動車にナビゲーション装置を搭載した場合を例に説明する)は、ドライバが指定した目的地まで容易に運転できるように車両の走行案内(ガイダンス)を行う。このようなナビゲーション装置は、自車位置を検出し、CD−ROM(コンパクトディスク・リードオンリメモリ)、DVD(デジタルヴァーサタイルディスク)、HDD(Hard Disk Drive)等の地図データ記憶媒体から自車の現在位置に対応する地域の地図データを呼び出し、地図画像をディスプレイに表示し、更に自車位置を示すマークを地図画像上の所定位置に重畳して表示する。特許文献1にも、目的地までの誘導経路に従った走行を、画面の表示によって案内するナビゲーション装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−232648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらナビゲーション装置では、地図の縮尺ごとに表示される地図記号や文字情報が異なるため、詳細地図から広域地図に表示を切り替えた場合に、地図記号やそれに付随する文字情報が消えてしまうという問題が生じる。このため地図の縮尺を変更した時に、ポインタを動かしてしまうと目的の地点を把握することができず、スケールの切換を何度となく行なわなければならないという不都合が生じる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、表示する地図の縮尺が変更されても、ポインタの示す地点の地図記号や文字情報を表示することができる地図表示装置、ナビゲーション装置及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の地図表示装置は、地図データに、該地図データの縮尺に応じて設定された地図記号と文字情報との少なくとも一方を重ねてディスプレイ表示する地図表示装置であって、ポインタで指定された地点から所定範囲内にある前記施設データと前記文字情報との少なくとも一方を、前記ディスプレイに表示する地図データの縮尺が変更されても表示し続ける制御部を有する構成としている。このため、地図の縮尺が変更されても地図記号や文字情報が表示されるので、現在位置からポインタの示す地点までの大まかな経路や距離を簡単に把握することができる。
【0007】
また本発明は、上記構成の地図表示装置において、前記制御部は、事前に表示していた地図データの縮尺に応じて、表示する地図データに重ねて表示する前記地図記号と前記文字情報とを取り出す前記所定範囲を変更するとよい。従って、使用者に有用な地図記号や文字情報だけを表示することができる。
【0008】
本発明のナビゲーション装置は、請求項1又は2記載の地図表示装置を備えているとよい。地図の縮尺が変更されても地図記号や文字情報が表示されるので、自車位置からポインタの示す地点までの大まかな経路や距離を簡単に把握することができる。
【0009】
本発明の表示制御方法は、地図データに、該地図データの縮尺に応じて設定された地図記号と文字情報との少なくとも一方を重ねてディスプレイ表示させるステップと、ポインタで指定された地点から所定範囲内にある前記地図記号と前記文字情報との少なくとも一方を、前記ディスプレイに表示する地図データの縮尺が変更されても表示し続けるステップとを有している。このため、地図の縮尺が変更されても地図記号や文字情報が表示されるので、現在位置からポインタの示す地点までの大まかな経路や距離を把握することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、表示する地図の縮尺が変更されても、ポインタの示す地点の地図記号や文字情報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の地図表示装置をナビゲーション装置に適用した実施例について以下に説明する。図1にナビゲーション装置1の構成を示す。図1に示されるように本実施例のナビゲーション装置1は、地図データ記憶媒体10、ディスクドライバ11、操作部12、通信機13、VICS(Vehicle Information and Communication System)センサ14、GPS受信機15、自立航法センサ16、ナビゲーションコントローラ20、ディスプレイ40及びスピーカ41を含んでいる。
【0013】
地図データ記憶媒体10は、CD−ROM,DVD,HDDなどの記憶装置からなる。この地図データ記憶媒体10に記憶された地図データは、1/12500,1/25000,1/50000及び1/100000等の縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られた図葉を単位として管理されており、道路等は経度及び緯度で表現された頂点(ノード)の座標集合として記憶されている。道路は2以上のノードの連結からなり、2つのノードを連結した部分はリンクといわれる。各図葉の地図データは図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。各図葉ごとの地図データには、地図表示に必要な各種のデータからなる描画ユニットと、マップマッチングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデータからなる道路ユニットと、交差点の詳細データからなる交差点ユニットが含まれている。描画ユニットには、施設あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータが含まれている。すなわち、ナビゲーション画面に表示する地図の縮尺に応じた自車位置周辺の背景データ及び道路データ、施設データが読み出され、地図上に重ねて表示される。
【0014】
ディスクドライバ11は、地図表示や経路探索などに必要な各種の地図データ並びに必要に応じてプログラムデータを地図データ記憶媒体10から読み出す。
【0015】
操作部12は、ユーザが各種の指示をナビゲーションコントローラ20に入力するためのリモコンや入力キーである。
【0016】
通信機13には、サービスセンタ(メーカその他の機関のサービスセンタ)と通信するための車載電話などが含まれる。
【0017】
VICSセンサ14は、VICSセンタから光ビーコンや電波ビーコンなどを介して提供される交通情報を受信する。この光ビーコンや電波ビーコンを発信する発振器の下を車両が通過すると、発信器から車両に道路情報が送信される。この道路上方の中には発信器の位置データが含まれる。
【0018】
ナビゲーション装置1は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信して測位処理を行い、車両の絶対位置を測定する衛星航法と、車両に搭載した複数のセンサを用いて車両の相対位置を測定する自立航法により、車両の現在位置を特定する。この機能を司る車両位置検出部22には、GPS受信機15と、GPSデータ記憶部23と、自立航法センサ16と、車両位置・方位演算部24とを設けている。
【0019】
GPS受信機15は、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置と方位の検出を行なう。より具体的には、GPS受信機15は複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信して、三次元測位処理又は二次元測位処理を行って、車両の絶対位置及び方位を計算し、これらを測位時刻とともに出力する。GPS受信機15により計算された車両の絶対位置及び方位と、測位時刻とはGPSデータ記憶部23に格納される。
【0020】
自立航法センサ16は、車速センサ17、ジャイロセンサ18、リバースセンサ19などを含み、これらのセンサを用いて車両の相対位置を測定する。
【0021】
車速センサ17は、車両に配設され、例えば車両に搭載されたエンジンからの駆動力を出力するトランスミッションの出力軸または車輪の回転数を検出する。具体的には、車輪が1回転する毎に所定数の車速パルスを出力する。車速パルスのパルス数をカウントすることにより自車の走行距離を算出することができ、単位時間当たりの走行距離から自車の車速を算出することができる。
【0022】
ジャイロセンサ18は、自車方位を検出するためのセンサである。車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とから求まる方位を所定数サンプリングして計算する。リバースセンサ19は、車両の後進を示す信号を出力する。車速センサ17、ジャイロセンサ18及びリバースセンサ19は自律航法を可能とするもので、GPSを用いたナビゲーションを補完する。
【0023】
ディスプレイ40は、ナビゲーションコントローラ20から出力される画像データに基づいて、自車周辺の地図画像を車両位置マークや出発地マーク、目的地マークなどとともに表示したり、この地図上に案内ルートや迂回ルート等の誘導経路を表示したりする。スピーカ41は、ナビゲーションコントローラ20から出力される音声データに基づいて、ユーザに種々のメッセージを出力する。
【0024】
ナビゲーションコントローラ20は、バッファメモリ21、車両位置検出部22を構成するGPSデータ記憶部23と車両位置・方位演算部24、制御部25、地図描画部26、操作画面・マーク発生部27、ルート記憶部28、ルート描画部29、マーク記憶部30、マーク描画部31、履歴メモリ部32、音声出力部33、接続ID記憶部34、画像合成部35を含んでいる。
【0025】
バッファメモリ21は、制御部25がディスクドライバ11を介して地図データ記憶媒体10から読み出した地図データやプログラムを一時格納する。
【0026】
GPSデータ記憶部23は、GPS受信機15で計算された車両の絶対位置及び方位と、測位時刻とを記憶する。
【0027】
車両位置・方位演算部24は、自立航法センサ16から出力される車速、車両の方位角のデータに基づいて、自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。具体的には、車速センサ17から出力される車速パルスに、車速パルス1パルス当たりの移動距離である補正係数を掛け合わせて車両の移動距離を算出する。またこの移動距離を単位時間で除算することで車速を求める。さらに、ジャイロセンサ18により得た変位量に方位算出係数を乗算して移動方位を求める。移動距離及び移動方位を得ると、前回求めた自車位置に対して移動距離及び移動方位を加えて現在位置を求める。
【0028】
制御部25は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、ナビゲーションコントローラ20全体を制御する。制御部25は、読み出した地図データを用いて設定された探索条件で種々のコスト計算を行い、出発地から目的地までのルートを探索する。例えば、時間最短等の各種の条件下で、コストが最小となる誘導経路が選択される。経路探索の代表的な手法としては、ダイクストラ法や横形探索法が知られている。探索したルート情報は、ルート記憶部28に記録される。なお、コストとは、時間の次元で規定されており、ある区間を通過するのに要する時間と、交差点等を通過するのに要する時間とを加えたものである。一般には、道路の幅員や道路種別(例えば、一般道や高速度など)等の要素に対応して平均速度を設定してその道路の通過所要時間を求め、これに交差点における右折および左折等を考慮した時間を加えることにより、コストが求められる。
【0029】
また、制御部25は、ルート探索によって求めた誘導経路に従った走行により目的地に到達するまでの所要時間と道のり距離とを求める。各リンクごとに距離(リンク距離と呼ぶ)が求められているので、誘導経路上のリンク距離を加算することで道のり距離が求められる。また、制御部25は計時機能を備えており、車速センサ17の出力信号から自車の平均車速を算出することができるので、求めた道のり距離と平均車速とから所要時間を求めることができる。また所要時間は、リンク毎に登録された車線数、車線幅や道路種別(高速道路、国道、県道等)によって設定された単位距離走行所要時間をリンク距離に乗算して、リンク毎のリンク通過時間を求め、誘導経路上のリンク通過時間の総和を求めることでも算出することができる。更に詳細に所要時間を求める場合には、VICS情報により提供される所定区間の旅行時間をコスト計算に利用することもできる。
【0030】
また制御部25は、ナビゲーション装置1の電源がオンされている間は、自車位置周辺の地図をディスプレイ40に表示させる。GPS受信機15のGPSデータと、自立航法センサ16の出力データにより算出される自車位置を取得し、バッファメモリ21に記憶されている現在選択中の地図縮尺の確認を常に行う。操作部12により地図の拡大、縮小の操作入力がなされないかぎり、現在選択中の地図縮尺に対応した自車位置周辺の背景データ及び道路データ、施設データを地図データ記憶媒体10からディスクドライバ11を介して読み出し、バッファメモリ21に記憶する。操作部12により地図の拡大、縮小操作が入力されると、該当する地図縮尺に対応する背景データ、道路データ、施設データを地図データ記憶媒体10から読み出して、バッファメモリ21に記憶する。
【0031】
地図描画部26は、バッファメモリ21に読み出された地図データを用いて地図画像の描画処理を行なう。
【0032】
操作画面・マーク発生部27は、動作状況に応じて各種メニュー画面(操作画面)及び自車位置マーク、カーソルなどの各種マークを生成する。
【0033】
ルート記憶部28には、制御部25によって探索された誘導経路の出発地から目的地までの全てのノード(緯度、経度で表現される座標点)に関するデータ、及び誘導中に変更された誘導経路のデータが記録されている。ルート描画部29はルート記憶部28から誘導経路のデータ(ノード列)を読み出して、誘導経路を他の道路とは異なる色及び線幅で描画する。
【0034】
マーク記憶部30は、地図画面上で対象物件の位置を指示する情報として付与される所定形状のアイコン(ブランドアイコン、カテゴリアイコンなど)及びこのアイコンに代えて付与される単純な形状のマークに係るデータを予め記憶する。マーク描画部31は、制御部25の制御に基づいてマーク記憶部30から読み出されたデータの描画処理を行なう。
【0035】
画像合成部35は、地図描画部26、操作画面・マーク発生部27、ルート描画部29及びマーク描画部31から出力される画像を合成してディスプレイ40に出力する。
【0036】
履歴メモリ部32はEEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成され、バックアップすべき各種データを保存する。例えば、過去に設定された目的地や検索を行った施設などの情報が、設定された時刻や検索を行った時刻の情報と共に登録されている。音声出力部33は、制御部25からの信号に基づいて音声信号をスピーカ41に出力する。接続ID記憶部34は、メーカその他の機関のサービスセンタのアドレス、接続ID、パスワードなどを記憶する。
【0037】
登録場所位置情報記憶部36には、ユーザによって予め設定された登録場所の緯度、経路の位置情報が登録されている。登録場所は、非誘導時にこの登録場所までの所要時間や道のり距離を制御部25が計算し、ディスプレイ40に表示する。例えば、自宅を登録場所に設定しておくことで、目的地設定をしなくても自宅までの所要時間や道のり距離をディスプレイ40に表示することができる。なお、この登録場所は、操作部12により書き換えることもできる。
【0038】
このように本実施例のナビゲーション装置1は、ルート探索機能等のナビゲーション装置1が備える一般的な機能を備え、ナビゲーション装置1を搭載した車両を設定された目的地まで案内する。例えば、予め登録された施設を検索して目的地を設定する機能がある。この機能について説明すると、地図データ記憶媒体10には例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、レストラン等の施設に関するデータがジャンル別に分類して記憶されている。ユーザによって施設の検索が指定されると、指定された検索条件に該当する施設を制御部25が検索して抽出する。抽出された施設について、その所在地と自車位置との相対的な位置関係を算出し、この相対的な位置関係を反映して、自車位置マークと施設マーク(周辺施設の所在地を示すマーク)を配置した所定の施設情報画像を表示するための描画データを生成し、バッファメモリ21に格納する。バッファメモリ21に格納された描画データは、地図描画部26、画像合成部35を介してディスプレイ40に出力され、ディスプレイ40の画面上に所定の施設情報画像が表示される。
【0039】
また、本実施例のナビゲーション装置は、表示する地図の縮尺が変更されても、ポインタの示す地点の地図記号や文字情報を継続して表示する。なお、地図記号は、建物や施設を示す画像を含み、文字情報には、施設や建物の名称や、交差点の名称等が含まれる。図2に、詳細表示の地図を示す。この詳細表示の地図上でポインタを移動させ、ユーザが目的の地点にポインタを合わせた状態を図2に示す。図2に示すように、目的地が自車両の現在位置から離れていると、詳細表示の地図には目的地と現在位置との両方は表示されない。このため、ユーザが地図の縮尺を変更して図3に示す広域地図に切り替える。しかしナビゲーション装置1の描画データは、地図の縮尺に応じて表示を切り替えられるため、図3に示されるように詳細地図に表示していた地図記号や、その地図記号に付随する文字情報が表示されなくなってしまう。このため本実施例の制御部25は、表示する地図の縮尺が変更されると、その前にポインタが示している地点の地図記号や文字情報と、その地点の緯度、経度を記録しておき、図4に示すように縮尺が変更されても変更された地図上の該当位置に、地図記号や文字情報を表示させる。
【0040】
また、表示する地図記号や文字情報は、ポインタが示す地点のものだけではなく、ポインタの周囲100mといったようにポインタから所定範囲内にある地図記号や文字情報を表示するようにしてもよい。この所定範囲は、表示を変更する前の地図の縮尺に応じて変更することができる。例えば、地図の縮尺が、1/3000であった時には、ポインタの周囲100m以内の地図記号や文字情報を取り出して制御部25は記録し、広域表示に変更されるとこの範囲内の地図記号や文字情報を表示する。また地図の縮尺が1/8000であった時には、ポインタの周囲250m以内の地図記号や文字情報を取り出して制御部25は記録し、広域表示に変更された際にこの地図記号や文字情報を表示する。
【0041】
本実施例の動作手順を図5を参照しながら説明する。ナビゲーション装置1の電源がオンされると(ステップS1)、制御部25は、現在位置に対応する地域の地図データに、背景データ、道路データ及び施設データを重ねて表示させる(ステップS2)。地図の縮尺の変更指示が入力されると(ステップS3)、ポインタの示す地点の緯度、経度を読み取り、この地点から所定範囲内にある地図記号、文字情報を緯度、経度情報と共にメモリに記録する(ステップS4)。
【0042】
次に、制御部25は、指定された縮尺の地図データと、その縮尺に対応した背景データ及び道路データ、施設データとを地図データ記憶媒体10から読み出して、バッファメモリ21に記録する。この時バッファメモリ21には、事前に表示していた地図の縮尺に対応する地図記号、文字情報と、緯度、経度情報とが記録されている。地図描画部26は、バッファメモリ21から読み出した地図データに、この地図データの縮尺に対応する背景データ、道路地図及び施設データと、事前に表示していた地図の縮尺に対応する地図記号、文字情報とを重ねて表示する(ステップS6)。
【0043】
このように本実施例は、表示する地図の縮尺が変更されても、ポインタの示す地点の地図記号や文字情報を継続して表示することができ、自車位置からポインタの示す地点までの大まかな経路や距離を簡単に把握することができる。
【0044】
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施例では、ナビゲーション装置を例にして説明を行なったが、インターネット等を利用して地図データをパーソナルコンピュータ等にダウンロードし、ディスプレイ表示する装置においても本発明を十分に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】詳細表示の地図を示す図である。
【図3】従来の広域表示の地図を示す図である。
【図4】本発明の広域表示の地図を示す図である。
【図5】ナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 ナビゲーション装置 10 地図データ記憶媒体
11 ディスクドライバ 12 操作部
13 通信機 14 VICSセンサ
15 GPS受信機 16 自立航法センサ
17 車速センサ 18 ジャイロセンサ
19 リバースセンサ 20 ナビゲーションコントローラ
21 バッファメモリ 22 車両位置検出部
23 GPSデータ記憶部 24 車両位置・方位演算部
25 制御部 26 地図描画部
27 操作画面・マーク発生部 28 ルート記憶部
29 ルート描画部 30 マーク記憶部
31 マーク描画部 32 履歴メモリ部
33 音声出力部 34 接続ID記憶部
35 画像合成部 36 登録場所位置情報記憶部
40 ディスプレイ 41 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データに、該地図データの縮尺に応じて設定された地図記号と文字情報との少なくとも一方を重ねてディスプレイ表示する地図表示装置であって、
ポインタで指定された地点から所定範囲内にある前記地図記号と前記文字情報との少なくとも一方を、前記ディスプレイに表示する地図データの縮尺が変更されても表示し続ける制御部を有することを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、事前に表示していた地図データの縮尺に応じて、表示する地図データに重ねて表示する前記地図記号と前記文字情報とを取り出す前記所定範囲を変更することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の地図表示装置を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
地図データに、該地図データの縮尺に応じて設定された地図記号と文字情報との少なくとも一方を重ねてディスプレイ表示させるステップと、
ポインタで指定された地点から所定範囲内にある前記地図記号と前記文字情報との少なくとも一方を、前記ディスプレイに表示する地図データの縮尺が変更されても表示し続けるステップとを有することを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−171130(P2006−171130A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360637(P2004−360637)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】