説明

地理的領域に関する情報を処理するシステム及び方法

地理的領域に関する情報を処理する方法及びシステムが開示される。方法は、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられる少なくとも1つの変更要求に基づいて少なくとも1つの差異が有効である確率を判定することと、確率及び少なくとも1つの差異をメモリに格納することとから成る。システムは、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられる少なくとも1つの変更要求に基づいて少なくとも1つの差異が有効である確率を判定するように構成されたプロセッサと、確率及び少なくとも1つの差異を格納するためにプロセッサに結合された動作可能なメモリとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、地理的領域に関する情報の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、本発明に関する背景情報を提供するが、これは必ずしも従来技術ではない。
【0003】
従来、ナビーション装置は、自動車、オートバイ、トラック、船舶等の乗り物での使用の分野において主に利用されてきた。あるいは、そのようなナビゲーション装置が携帯式である場合、更にそれらは乗り物間で移動可能であり且つ/又は徒歩での移動等の乗り物外で使用可能であった。通常、ナビゲーション装置は、特定のナビゲーション装置のメモリに格納された地図データベースに基づいて初期位置及び選択/入力された移動目的地から移動経路を生成するために適応される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、初期位置と選択/入力された移動目的地との間で計画される正確でアクセス可能な経路を保証するために、ナビゲーション装置が利用可能な更新地図データベースを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の少なくとも1つの態様によると、地理的領域に関する情報を処理する方法は、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異が有効である確率を判定することと、確率及び少なくとも1つの差異をメモリに格納することとから成る。少なくとも1つの変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0006】
本発明の別の態様によると、地理的領域を表す地図データベースを更新する方法は、プローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異を含むように地図データベースを更新することと、メモリに更新地図データベースを格納することとから成る。少なくとも1つの変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0007】
本発明の別の態様によると、地理的領域に関する情報を処理するシステムは、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異が有効である確率を判定するように構成されたプロセッサと、確率及び少なくとも1つの差異を格納するためにプロセッサに結合された動作可能なメモリとを含む。変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0008】
本発明の別の態様によると、地理的領域を表す地図データベース内の地図情報を更新するシステムは、プローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異を含むように地図データベースを更新するように構成されたプロセッサと、更新地図データベースを格納するためにプロセッサに結合された動作可能なメモリとを備える。少なくとも1つの変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0009】
本発明の別の態様によると、コンピュータソフトウェアは、実行環境において実行された時に、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異が有効である確率を判定することと、確率及び少なくとも1つの差異をメモリに格納することとをプロセッサに実行させるように動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールを含む。変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0010】
本発明の別の態様によると、コンピュータソフトウェアは、実行環境において実行された時に、プローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異を含むように地図データベースを更新することと、メモリに更新地図データベースを格納することとをプロセッサに実行させるように動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールを含む。変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0011】
上記の態様の利点は以下に記載され、上記の各態様の更なる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び種々の実施形態の以下の詳細な説明中で定義される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書中で説明する図面は選択された実施形態を説明するためのものにすぎず、全ての可能な実現例を説明するためのものではない。また、図面は本出願の範囲を限定することを意図しない。
【図1】図1は、全地球測位システム(GPS)を概略的に示す図である。
【図2】図2は、ナビゲーション装置を提供するように構成された電子構成要素を概略的に示す図である。
【図3】図3は、ナビゲーション装置が無線通信チャネルを介して情報を受信する方法を概略的に示す図である。
【図4】図4は、地理的領域を表す地図データベースを示す図である。
【図5】図5は、プローブデータ地図を示す図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る地図データベース及びプローブデータに基づいて合成地図を生成する方法を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図4に示す地図データベース及び図5に示すプローブデータ地図から生成された合成地図を概略的に示す図である。
【図8】図8は、変更要求を有する地理的領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
複数の図面を通して、対応する図中符号は対応する部分を示す。添付の図面を参照して、実施形態を以下に更に完全に説明する。ポータブルナビゲーション装置(PND)を特に参照して、本発明の実施形態を以下に説明する。尚、本出願の教示はPNDに限定されず、経路計画/ナビゲーション機能性を提供するためにナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されてもよいどんな種類の処理装置にも同様に適用可能である。従って、本出願において、ナビゲーション装置は、PND、車両に内蔵されたナビゲーション装置又は実際は経路計画/ナビゲーションソフトウェアを実行する計算リソース(デスクトップ又はポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話、あるいはポータブルデジタルアシスタント(PDA)等)として実現されるかに関わらず、どんな種類の経路計画/位置判定装置も含む(それらに限定されない)ことを意図する。
【0014】
また、ユーザが1つの地点から別の地点にナビゲートする方法に関する命令を求めているのではなく所定の場所のビューを単に提供されたい状況においても本発明の教示が有用であることは以下の説明から明らかとなるだろう。そのような状況において、ユーザにより選択された「目的地」の場所は、ユーザがナビゲーションを開始したい対応する出発地を有する必要がない。そのため、本明細書において「目的地」の場所又は実際は「目的地」ビューを参照することは、経路の生成が必須であること、「目的地」への移動が必ず行われること、あるいは実際は目的地の存在が対応する出発地の指定を必要とすることを意味すると解釈されるべきではない。
【0015】
尚、本発明の教示は、ナビゲーション装置に関する用途以外の多くの用途を有する向上された地図データベースを生成する。例えば、地図に対する多くのインターネットアプリケーション及び商業計画から輸送管理に対する保証に及ぶ用途において地図を使用する多くの地理情報システム(GIS)が存在する。
【0016】
上記の条件を考慮して、図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す。そのようなシステムは既知であり、種々の目的で使用される。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を判定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして知られていたGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をいかなる数の受信ユニットにも中継できる。
【0017】
特にGPSデータを受信できる装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合にGPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号のみから判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現すると、受信機は、3つの既知の位置を利用して衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは既知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算により既知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0018】
図1に示すように、GPSシステム全体を図中符号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期である可能性が高い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するものとして示される。
【0019】
各衛星120から継続的に送信されたスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成された非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信装置140は、GPS受信装置140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。追加の信号を取得した結果、全部で4つの衛星120から信号160を取得することになり、それによりGPS受信装置140は、その3次元位置を既知の方法で計算できる。現在のナビゲーションシステムは、針路センサ、距離センサ、加速度センサ等の他の車載センサを用いて衛星信号を強化するか又は置き換えてもよく、あるいは携帯電話信号又は種々の電子標識等の他の地上信号を受信してもよい。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置200の電子構成要素をブロック構成要素の形式で例示的に示す図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0021】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の何らかの種類の表示画面を含むことができる。構成例において、入力装置220及び表示画面240はタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、それによりユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために表示画面240の一部分に触れるだけでよい。
【0022】
ナビゲーション装置は、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ等)である出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーション装置200のユーザに対する可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアも含むことができると理解されるべきである。
【0023】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、出力接続245を介して表示画面240及び出力装置260の少なくとも一方に動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリリソース230に動作可能に結合され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。メモリリソース230は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のためにハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等の他の何らかの外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0024】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。図中符号250で示されるアンテナ及び受信機は図示するために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0025】
更に、図2に示す電子構成要素は従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成は本出願の範囲に含まれると考えられる。例えば図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本出願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0026】
更に、図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の乗り物に既知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するためにドッキング場所から取外し可能である。
【0027】
次に図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば既知のBluetooth技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる何らかの装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。その後、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置は、サーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車両に搭載されて走行するため移動装置であってもよく、多くの場合は移動装置である)とサーバ302との間に確立される。
【0028】
例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用した移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われる。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等のいかなる数の通信規格も利用できる。
【0029】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は、通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われる。
【0030】
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置とのデータ接続を完了し、例えば既存のBluetooth技術を介して既知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完了する。この場合、データプロトコルは、例えばGSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等のいかなる数の規格も利用できる。
【0031】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ且つ/又は例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、何らかの移動装置と同様の方法で、例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0032】
GRPS電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
【0033】
図3において、ナビゲーション装置200は、多くの異なる構成のいずれかにより実現可能な汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信できる(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0034】
サーバ302は、不図示の他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び送出するために、送信機308及び受信機310に動作可能に更に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションシステム200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0035】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312はサーバ302とは別個の装置であってもよく、あるいはサーバ302に組み込まれてもよい。
【0036】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を更に含む。尚、これらの装置はサーバ302以外の装置と通信するために更に使用可能である。更に、送信機320及び受信機322はナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0037】
サーバメモリ306に格納されたソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0038】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0039】
通信チャネル318は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成可能である。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0040】
1つの例示的な構成において、通信チャネル318は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に対応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に対応できる。
【0041】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は要求される信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0042】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含んでもよい。
【0043】
サーバ302はデスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318はパーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータがナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してサーバ302にナビゲーション装置200を接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0044】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、自動的に又はユーザがサーバ302にナビゲーション装置200を接続する際に定期的に更新されてもよく、並びに/あるいは例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される際により動的に更新されてもよい。多くの動的計算のため、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合はサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0045】
図2において上述したように、ナビゲーション装置200は、プロセッサ210、入力装置220及び表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えば情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及びタッチパネル画面を介する情報の表示の双方を可能にするために一体型入力表示装置に一体化されてもよい。当業者には既知であるように、そのような画面は例えば接触入力LCD画面であってもよい。更にナビゲーション装置200は、例えば音声入力/出力装置等の何らかの追加の入力装置220及び/又は何らかの追加の出力装置260も含むことができる。
【0046】
本発明の一実施形態によると、地理的領域に関する情報を処理する方法は、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異が有効である確率を判定することと、確率及び少なくとも1つの差異をメモリに格納することとから成る。少なくとも1つの変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。本発明の一実施形態によると、地理的領域に関する情報を処理するシステムは、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異が有効である確率を判定するように構成されたプロセッサと、確率及び少なくとも1つの差異を格納するためにプロセッサに結合された動作可能なメモリとを含む。変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0047】
本発明の一実施形態によると、コンピュータソフトウェアは、実行環境において実行された時に、地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地理的領域との間の少なくとも1つの差異が有効である確率を判定することと、確率及び少なくとも1つの差異をメモリに格納することとをプロセッサに実行させるように動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールを含む。変更要求は、少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0048】
本発明の一実施形態によると、地理的領域を表す地図データベースを更新する方法は、プローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異を含むように地図データベースを更新することと、メモリに更新地図データベースを格納することとから成る。少なくとも1つの変更要求は少なくとも1つの差異に関連付けられる。本発明の一実施形態によると、地理的領域を表す地図データベース内の地図情報を更新するシステムは、プローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異を含むように地図データベースを更新するように構成されたプロセッサと、メモリに更新地図データベースを格納するためにプロセッサに結合された動作可能なメモリとを備える。少なくとも1つの変更要求は少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0049】
本発明の一実施形態によると、コンピュータソフトウェアは、実行環境において実行された時に、プローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異を含むように地図データベースを更新することと、メモリに更新地図データベースを格納することとをプロセッサに実行させるように動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールを含む。変更要求は少なくとも1つの差異に関連付けられる。
【0050】
図4を参照すると、地図データベースの一区間が示される。地図データベースは地理的領域を表す。地図データベースは、ノードN1とノードN2との間に配置された道路、すなわちFlowery Avenueを含む。地図データベースは、1人以上の開発者により中核的施設で保持される例えばマスタ地図データベースであってもよい。マスタ地図データベースの1つ以上のバージョンは、初期位置から所望の目的地までの経路計画において使用されるために、例えばナビゲーション装置200等の種々のナビゲーション装置にリリースされてもよい。
【0051】
図5は、プローブデータから生成されたプローブデータ地図を示す。少なくとも1つの実施形態において、プローブデータは1つ以上のナビゲーション装置200から連続的に収集されてもよい。プローブデータを収集する場合、ナビゲーション装置200はメモリ230にプローブ軌跡及び関連する属性を連続的に格納してもよい。一般に、プローブ軌跡は、例えば12:00:00;[日][月][年]におけるエッジE1のように場所及びタイムスタンプを有する複数のプローブデータを含む。本発明の他の例において、複数のプローブデータは座標、すなわち緯度/経度及びタイムスタンプを含んでもよい。プローブデータは1つに繋げられ、1つの場所から別の場所までのナビゲーション装置200の移動を示す例えばパンくず軌跡等のプローブ軌跡を形成してもよい。少なくとも1つの例において、プローブデータは、例えばエッジ、ノード、有界範囲等であるオブジェクト等の識別子によりグループ化された複数のプローブ軌跡を含んでもよい。例えば、オブジェクト識別子であるノードN32に関する10個のプローブ軌跡は1つにグループ化されてもよい。
【0052】
ナビゲーション装置200の移動を追跡することは、地図データベースと比較して、新しい幾何学的配置、移動規制(例えば、左折禁止、Uターン禁止、時間限定規制、時間限定アクセス、停止標識、停止ライト、非優先標識、速度制限、書類上の道路、公用限定道路等)、閉鎖道路、高架交差道路、車線数、車線等を識別する際に使用可能であってもよい。本発明の少なくとも1つの実施形態において、1つ以上の変更要求は、例えばプローブデータ地図等であるプローブデータと例えばマスタ地図データベース等である地図データベースとの間の1つ以上の差異をより効率的に、より高速に且つ/又はより確実に識別するためにプローブデータと関連して使用可能であってもよい。差異に関連付けられる変更要求は、例えばナビゲーション装置200のユーザにより入力されたエラーメッセージ、更新要求及び/又は変更案内等を含んでもよい。
【0053】
少なくとも1つの実施形態において、変更要求及びプローブデータは、地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の差異が有効である確率を判定するために採用されてもよい。別の実施形態において、変更要求及びプローブデータは、地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異を含むように地図データベースを更新するために採用されてもよい。差異は変更要求及びプローブデータのうちの一方から識別されてもよいことが理解されるべきである。差異が識別されると、変更要求及びプローブデータのうちの他方は、差異が有効である確率を判定し、前記差異を含むように地図データベースを更新するなどする本発明に従う1つ以上の方法において採用されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、変更要求は地図データベースにより定義されたオブジェクトに関連付けられてもよい。例えばオブジェクトは、エッジ、ノード、有界範囲等の基本オブジェクトであってもよい。他の例において、複数の基本オブジェクトは橋、住所地点等のオブジェクトに構成されてもよい。本発明の種々の実施形態において、オブジェクトは基本オブジェクト、複数の基本オブジェクトから構成されたオブジェクト及び/又はそれらの組み合わせであってもよいことが理解されるべきである。1つの例において、変更要求は、2つのノード間のエッジE1により表される道路が一方通行道路になったことを示すエラーメッセージを含んでもよい。エラーメッセージはエッジに関連付けられてもよい。このように、エラーメッセージは、同一のエッジに関するプローブデータへと処理されてもよい。例えば、エッジE1に対するプローブデータは、複数のナビゲーション装置200がエッジE1に沿って一方向のみに移動していたことを示してもよい。エッジE1が地図データベースにおいて両面通行道路として示されるため、差異はプローブデータ及びエラーメッセージの一方又は双方から識別可能である。更に、差異が有効である確率がプローブデータ及びエラーメッセージに基づいて計算されてもよい。
【0055】
少なくとも1つの実施形態において、地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の差異が有効である確率に基づいて、方法は、地図データベースを更新することと、メモリに更新地図データベースを格納することとを含んでもよい。メモリは、システム302に含まれてもよく、例えばメモリ306並びに/あるいはリモートに位置し且つ有線又は無線接続314を介してシステム302に接続可能であるメモリ312(大容量データ記憶装置)であってもよい。いくつかの実施形態において、差異が有効である確率が更新閾値を上回ることに基づいて、地図データベースは自動更新されてもよい。更新閾値は約95%の確率を含んでもよい。本発明の他の実施形態において、例えば約80%、約90%、約98%、約99%等の他の適切な確率が更新閾値として採用されてもよい。更に他の実施形態において、1人以上の地図開発者は、地図データベースが差異を含むように更新される前にプローブデータ及び/又は1つ以上の変更要求を含む差異を確認してもよい。
【0056】
他の実施形態において、変更要求は、地図データベース及び/又は合成地図(以下に説明する)内の位置に関連付けられてもよい。例えば位置は、緯度及び経度に基づいて動作する地図アプリケーションから受信した緯度及び経度であってもよい。このように、変更要求は、緯度及び経度におけるエラーメッセージ(そのような地図アプリケーションを実行するナビゲーション装置からの)を含んでもよい。上述と同様に、当該緯度及び経度に対するエラーメッセージ及びプローブデータは、位置に基づいて1つにグループ化されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、変更要求及び/又はプローブデータが位置に関連付けられる場合、方法は、地図データベース及び/又は合成地図により定義され且つ変更要求及び/又はプローブデータに含まれる位置と同一の範囲を示すオブジェクトを識別することを含んでもよい。例えば変更要求は、地図データベースにより46.642089度の緯度及び−72.246688度の経度において定義されてもよい。ノードN42は46.642089度の緯度及び−72.246688度の経度に存在する。従って、オブジェクト識別子であるノードN42は変更要求に含まれてもよい。変更要求内のオブジェクト識別子は、変更要求と他の変更要求及び/又はプローブデータとを比較し且つ/あるいはそれらをグループ化するために採用されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、位置(又はオブジェクト)から所定の距離内に存在するオブジェクトが識別されてもよいことが更に理解されるべきである。例えば変更要求は、地図データベースにより46.642091度の緯度及び−72.246685度の経度において定義されてもよい。同様に、ノードN42は46.642089度の緯度及び−72.246688度の経度に存在する。これら2つの場所は互いから2メートル以内の位置に存在するため、いくつかの実施形態において、それらはほぼ同一の位置に存在すると考えられてもよい。すなわち、ノードN42は所定の距離内に存在してもよいため、位置はオブジェクトを参照してもよい。従って、オブジェクトであるノードN42は変更要求に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、所定の距離は、緯度及び経度、並びに/又は他の適切な要素の精度に基づいて選択されてもよい。所定の距離の例は1メートル、2メートル、20メートル等であってもよく、他の所定の距離は本発明の更に他の実施形態において採用されてもよい。
【0058】
種々の他の実施形態において、プローブデータは、例えば図5に示すようなプローブデータ地図等の形態をとってもよい。図示するように、図5に示すプローブデータ地図は、図4において地図データベースにより表されるのと同一の地理的領域を表す。図5のプローブデータ地図が構成される際に使用されたプローブデータの一部は要約され、合成地図内の特徴に関連付けられてもよい。表1は、図5のエッジE12に沿う車両の移動に関するプローブデータ情報を要約する1つの方法を示す。


表1
エッジE12に対して含まれるエントリは姿勢指標を有する。表は、車両搭載型のナビゲーション装置に対して、プローブデータがエッジE12に沿う正の方向に982個のプローブ軌跡を含み且つエッジE12に沿う負の方向に888個のプローブ軌跡を含むことを示す。更に、ポータブルナビゲーション装置に対して、プローブデータはエッジE12に沿う正の方向に363個のプローブ軌跡を含み且つエッジE12に沿う負の方向に342個のプローブ軌跡を含む。車両搭載型及びポータブルの指示は、プローブデータの供給元を定義する。プローブデータの供給元は、車両搭載型のナビゲーション装置、ポータブルナビゲーション装置又は他の適切なプローブデータ収集装置等であってもよい。プローブデータの供給元は、特定のプローブデータに関連する有効性を判定する際の要素である。各プローブデータは、プローブデータの取り込み開始時点のタイムスタンプを更に含む。タイムスタンプにより、ナビゲーション装置200の移動経路を示すプローブ軌跡にプローブデータを構成できる。表1は、エッジE12に沿う移動に対する行に表されるプローブデータからの最初及び最後のタイムスタンプを含むタイムスタンプの欄を含む。他の実施形態において、1つ以上のタイムスタンプはある程度の情報を含んでもよい。
【0059】
オブジェクトに関する更なる情報及び/又は属性がプローブデータに含まれてもよいことは理解されるべきである。例えばプローブデータは、速度、車種、経路上に存在するか又は経路から逸れているか、地図との一致の状態、データの供給元に関する詳細、プローブデータ収集時の状況、高度、写真、並びに/あるいはレーダ/レーザセンサ出力等を含んでもよい。プローブデータは表1及び表2に示すように要約されてもよいが、種々の他の実施形態において、プローブデータは他の種類の情報を示す他の種類の表に要約されてもよい。
【0060】
プローブデータは、1つ以上の車両が交差点を通って移動する方法に関する情報を更に含んでもよい。例えば表2は、図5のノードN12を通る車両の移動に関するプローブデータ情報を要約する1つの方法を示す。


表2
表2の各行は、双方が同一のノードに接続する1つのエッジから別のエッジまで移動するプローブ軌跡の数である移動数を示す。すなわち、例えばエッジE12及びエッジE20の双方はノードN12に接続し、表2の1行目はノードN12を通過してエッジE12からエッジE20に移動したプローブ軌跡の数を示す。表2は、表に要約されたプローブ軌跡の最初及び最後のタイムスタンプに対するタイムスタンプを更に含む。更に、移動数は車両搭載型のナビゲーション装置からのプローブデータとポータブルナビゲーション装置からのプローブデータとの間で分割されてもよい。
【0061】
プローブデータを要約する更に詳細な方法を表3及び表4に示す。示されるように、表3は、プローブ軌跡、エッジ、供給元の種類及び移動方向の各組み合わせに対する行を示す。表に含まれるプローブデータに対するタイムスタンプが更に含まれる。表3の行は、一連のエッジE15、エッジE12及びエッジE20に沿うプローブ軌跡X144に対するレコードを示す。プローブデータを収集するナビゲーション装置200は、3月17日の13:26:23にエッジE15に入り、3月17日の13:26:41にエッジE15から出た後、13:26:42にエッジE20に入った。表3に示すプローブデータの要約に含まれる詳細は、表1の要約と比較して、プローブデータの有意性をより正確に判定するために採用されてもよい。プローブデータの要約に含まれる詳細の特定のレベルは、本発明の特定の実施形態に特有の複数の要素に依存してもよい。


表3
表4は、交差点を通過する車両の移動に関するプローブデータ情報を要約する1つの方法を示す。ノードを通過するプローブ軌跡の各移動に対して、表4は、ノード識別子、プローブ軌跡がノードに入った時のエッジの識別子及びプローブ軌跡がノードから出た時のエッジの識別子を含む行を含む。供給元の種類及びノードにおけるタイムスタンプが表に更に含まれる。


表4
実施形態において、プローブデータは、複数のナビゲーション装置200により通信チャネル318を介してシステム302に提供されてもよい。一実施形態において、サーバ302は、送信機308及び受信機310を介して例えばコンピュータネットワーク、インターネット、LAN、WAN等である通信チャネル318に結合されてもよい。ナビゲーション装置200は、システム302にプローブデータを供給するために通信チャネル318に定期的に接続してもよい。他の実施形態において、ナビゲーション装置200は通信チャネル318を介してシステム302に常時接続してもよいことが理解されるべきである。例えばナビゲーション装置200は、地図データベースに対する定期的な更新を受信するサービスに加入してもよい。そのような例において、プローブデータは、更新地図情報の送信前、送信後又は送信と同時にシステム302へ送信されてもよい。他の実施形態において、プローブデータは、異なる条件、処理、タイミング等に基づいて1つ又は複数のナビゲーション装置200から受信されてもよいことが理解されるべきである。
【0062】
プローブデータは、ナビゲーション装置200、プローブデータの収集に関係する別のシステム302又は他の適切なシステム等により更に処理されてもよい。例えばナビゲーション装置200に対するサービスプロバイダは、プローブデータと1つ以上のナビゲーション装置200にインストールされた地図データベースの現在のバージョンとの間の1つ以上の差異を識別するのに充分であるプローブデータを処理してもよい。差異は、本発明の確率を識別する方法、地図データベースを更新する方法等を採用するために1人以上の地図開発者に提供されてもよい。それに加えて又はその代わりに、ナビゲーション装置200は、移動経路とそれに含まれる地図データベースとの間の1つ以上の差異を判定するために採用されてもよい。ナビゲーション装置200は、プローブデータとして差異を転送し且つ/又は差異を反映したエラーメッセージ、すなわち以下に説明する変更要求を送信してもよい。更に、少なくとも1つの実施形態において、本発明の方法はナビゲーション装置200において採用されてもよい。
【0063】
図4及び図5に示すように、新しい地理的配置はプローブデータ地図のノードN13に存在する。新しい地理的配置は、図4の地図データベースと図5のプローブデータ地図との間の差異である。他の実施形態において、差異は、プローブデータと地図データベースとの表を用いた比較により識別されてもよく(プローブデータ地図を生成せずに)、少なくとも1つの差異を識別するための個々のプローブデータと地図データベースとの比較、少なくとも1つの差異を識別するための複数のプローブデータと地図データベースとの比較、1つ以上の他の適切な方法又はそれらの組み合わせが採用されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、生プローブデータが地図データベースと比較されてもよい。別の実施形態において、処理されたプローブデータが地図データベースと比較されてもよい。他の方法は、プローブデータ地図から取得されたエッジ及びノードに対する合成地図における1つ以上の差異、ノードにおけるプローブ軌跡の突然の終了又は再開、交通量が多いと考えられるがプローブデータが添付されないエッジを識別することを含んでもよい。例えばこれらの差異は、合成処理中に1つ以上のソフトウェアアプリケーションにより識別されてもよい。
【0064】
本発明の少なくとも1つの実施形態に従って、合成地図を生成する方法を図6に示す。方法600の応用例は地図データベース及びプローブデータ(例えば、プローブデータ地図等)の種々の形態に適用されてもよいが、本明細書において図4及び図5を参照して方法600を開示する。方法600により生成された合成地図を図7に示す。この特定の実施形態において、差異は図5に示すプローブデータ地図から以下に説明するように図7に示す合成地図を生成することにより識別されるが、他の実施形態において、生プローブデータが地図データベースとプローブデータとの間の1つ以上の差異を識別するために採用されてもよいことが更に理解されるべきである。
【0065】
方法600は、地図データベースからエッジを選択するステップ602と、選択されたエッジがプローブデータ地図内のいずれかのエッジと一致するかを判定するステップ604とを含む。図4の地図データベースを参照すると、ステップ602はエッジE1を選択することを含んでもよい。方法600は、ステップ604からステップ606又はステップ608へ進む。エッジE1がプローブデータ地図のどんなエッジとも一致しない場合、方法600は、合成地図に地図データベースのエッジ及びその属性をコピーするステップ606へ進む。エッジE1がプローブデータ地図内のエッジに対応するため、方法600は、エッジE1がプローブデータ地図内の1つのエッジと一致するか又は複数のエッジと一致するかを判定するステップ608へ進む。
【0066】
エッジE1がプローブデータ地図内の1つのエッジのみと一致した場合、ステップ610において、地図データベースのエッジE1はその属性と共に合成地図にコピーされてもよく、ステップ612において、プローブデータ地図内のエッジに関連する属性が合成地図に更にコピーされてもよい。しかし、エッジE1がプローブデータ地図からの2つのエッジE12及びE15と一致するため、ステップ608はステップ614へ進み、プローブデータ地図のエッジE12及びE15により定義されるような連鎖にエッジE1を分割し、その後、図7に示すように合成地図に前記エッジをコピーする。ステップ614は、プローブデータ地図からのエッジに識別子E5及びE6を割り当てるステップ616へ進む。ステップ618は、図7に示すように合成地図のエッジE5及びE6の各々に地図データベースのエッジからの名称「Flowery Ave」及び識別子を含む属性をコピーするために含まれる。特に、例えばエッジE5及びE6の各々は情報「マスタエッジID:E1」を含む。ステップ620は、合成地図の各エッジにプローブデータ地図の各エッジの属性をコピーするために更に含まれる。図7に示すように、合成地図は、各々が属性値としてエッジE1の識別子を有する新規エッジE5及びE6を含む。処理は、地図データベース内の各エッジが選択されるまで、エッジE2、E3及びE4に対して継続する。
【0067】
地図データベースの各エッジE1、E2、E3及びE4が方法600に従って選択されると、ステップ622に示すように、プローブデータ地図内の各エッジ(ステップ602〜620においてまだ考慮されていない)が選択される。図5を参照すると、プローブデータ地図は地図データベース内の1つ以上のエッジに対応しないエッジE13及びE14を含む。ステップ622において、エッジE13が選択され、方法600は、図7に示すように合成地図にプローブデータ地図のエッジE13及びその属性をコピーするステップ624を含む。ステップ626において、エッジはエッジ識別子E7を割り当てられる。新規エッジとその境界ノードとの間の接続関係は合成地図において保存される。図6に示す方法は、図4、図5及び図7に示す地図データベース、プローブデータ地図及び/又は合成地図の例に限定されないことが理解されるべきである。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、上記がプローブデータ及び/又は地図データベースに含まれるノード、範囲及び他のオブジェクトに適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0069】
合成地図の生成は、実行環境にあるプロセッサによりほぼ自動的に完了されてもよい。それに加えて又はその代わりに、例えば地図データベース等の保持及び/又は更新に関連する人物である1人以上の地図開発者は合成地図を生成する方法の決定の1つ以上に関係してもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態において、方法600の判定ブロックの1つ以上(すなわち、ステップ604、ステップ608等)は、1人以上の地図開発者により確認するためにエッジ、ノード又は他の適切なオブジェクトにフラグを立てるステップを含んでもよい。更に、方法600は合成地図を自動的に生成するために実現されてもよいが、少なくとも1つの他の実施形態は、一致するオブジェクトの各々に信頼性スコアを割り当て、1人以上の地図開発者が閾値スコアを下回る1つ以上の一致するオブジェクトを確認できるようにする方法を含んでもよい。このように、合成地図の生成は、1人以上の地図開発者が信頼性スコアの低い一致するオブジェクトに対する精度を保証することを含んでほぼ自動的に完了されてもよい。
【0070】
地図データベースと比較した場合、図7の合成地図において、差異はノードN6、N7及びN8、並びにエッジE7及びE8を含むものとして示される。この特定の例において、プローブデータからコピーされた新規エッジの差異は新規道路を示す。他の可視である差異は、新規道路交差点を示す複数のエッジに分割された地図データベースからのエッジを含んでもよく、地図データベース内のエッジはプローブデータ内のエッジに対応しない場合があり、閉鎖道路又は存在しない道路等を示す。
【0071】
更に他の差異は、プローブ軌跡に含まれるタイムスタンプを介してプローブ軌跡から識別されてもよい。例えばプローブ軌跡は、エッジに沿って両方向に移動した後、一方通行規制が課されたことを示す時刻及び/又は日付以降は一方向のみに移動してもよい。別の例において、プローブ軌跡は、エッジに沿って一方向に移動した後、特定の時刻及び/又は日付以降にエッジに沿って両方向に移動することにより、一方通行規制の解除を示してもよい。更に別の例において、プローブ軌跡は、エッジに沿って移動した後、近傍のエッジに沿って移動する時刻及び/又は日付より前の時刻及び/又は日付以降に当該エッジに沿って移動しないことにより、道路の閉鎖を示してもよい。更なる例において、プローブ軌跡は、ノードにおいて方向転換した後、ある時刻及び/又は日付以降に前記方向転換を行わないことにより、運転規制が課されたことを示してもよい。1つの例において、プローブ軌跡は、ノードにおいて方向転換せず、近傍のエッジに沿って移動した時刻及び/又は日付より後に前記方向転換を行うことにより、運転規制の解除を示してもよい。
【0072】
上記は、合成地図、プローブデータ及び/又は地図データベースにより示される差異の多くの例にすぎないことが理解されるべきである。本発明の他の例において、種々の他の差異が合成地図、プローブデータ及び/又は地図データベースの内容から示されるか又は考えられてもよい。
【0073】
合成地図内の各差異は、一意のエッジ識別子のリスト、一意のノード識別子のリスト及び/又は識別子が取得される地図データベースのバージョンを含む地図参照を含んでもよい。例えば図7における差異は、地図データベースから導出された識別子E1、新規エッジE5及びE6、並びに合成地図が構成される際に使用された地図データのバージョン、すなわち図4に示す地図データベースのバージョンを含む。少なくとも1つの実施形態において、1つ以上の識別子は、合成地図が生成される際に地図データベースから取得される。更に、いくつかの実施形態において、地図データベースからの識別子はプローブデータ地図からの識別子より優先して選択されてもよく、プローブデータ地図からの識別子は地図データベースからの識別子より優先して選択されてもよい。差異が有効である確率を計算し且つ/又は地図データベース等を更新する便宜上、1つの識別子が別の識別子より優先して選択されてもよい。
【0074】
更に、いくつかの実施形態において、合成地図内の各差異は変更の種類を割り当てられてもよい。少なくとも1つの実施形態において、変更の種類は、例えば「新規道路」、「運転規制の追加」等の一般的なリストから選択される。例えば図7に示すように、差異は「新規道路」という変更の種類を割り当てられる。他の種類及び変更の種類を割り当てる他の方法が更に他の実施形態において採用されてもよい。
【0075】
差異が識別されると、差異が有効である確率は、合成地図が生成される際に使用されたプローブデータに基づいて計算されてもよい。確率は、差異に関係するプローブ軌跡数の関数であってもよい。例えば、差異が1つのナビゲーション装置200からの3ヶ月間のプローブ軌跡に基づく場合、差異が有効である確率は高くない可能性がある。一方、差異が345台のナビゲーション装置200からの500個のプローブ軌跡に基づく場合、差異が有効である確率は高い可能性がある。プローブデータに対する確率の割り当ては、ナビゲーション装置200の種類、データ収集時に使用されたナビゲーション装置200の状況、データが収集される道路の道路種別及び形態、収集日時等の複数の要素に応じて主観的であってもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、確率は、プローブ軌跡数が閾値数に到達した場合に計算されてもよい。例えば確率は、250個のプローブ軌跡が例えばエッジ、ノード等のオブジェクトを通過した場合に計算されてもよい。異なる数のプローブ軌跡が合成地図からの確率の計算に含まれてもよいことが理解されるべきである。また、追加のプローブデータが確率を修正するために使用されてもよい。他の実施形態において、確率は合成地図に含まれるプローブデータのサブセットから計算される。それに加えて又はその代わりに、合成地図に含まれるプローブデータは、例えばある時刻及び/又は日付以降のプローブデータを含む1つ以上の要素により限定されてもよい。
【0077】
本発明の複数の実施形態によると、地図データベースを更新する場合、差異が有効である特定の閾値確率が必要とされてもよい。例えば確率は、1人以上の地図開発者が差異を評価する前に少なくとも約90%である必要があってもよい。本明細書において開示するように、差異が有効である確率はプローブデータ及び変更要求に基づいてもよい。上記において開示したように、変更要求はエラーメッセージ、更新要求及び/又は変更案内等を含んでもよい。エラーメッセージは、それに含まれる地図データベースにおいて、ナビゲーション装置200の移動経路に基づいてエラーを反映するためにナビゲーション装置200から受信されてもよい。例えばユーザが地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の差異に遭遇した場合、ユーザは地図データベース内のエラーを記録するためにナビゲーション装置200の例えばボタン、タッチスクリーン、キーボード等である入力装置220に入力してもよい。エラーは、ユーザにより示されたエラー、ユーザにより提供された何らかの記述及び/又は入力受信時のナビゲーション装置200の場所を含むエラーメッセージに集約されてもよい。エラーメッセージは、送信機320を介して即座に送信されてもよく、あるいは例えばナビゲーション装置200が更新を受信した時、通信チャネル318に接続した時又は他の適切な時点等の後の時点で送信されてもよい。
【0078】
少なくとも1つの実施形態において、更新要求は地図開発者から提供されてもよい。更新要求は、空中写真の解析、セールスコンタクト、品質試験からのフィールドデータ、地方自治体の文書等のうちの1つ以上に基づいてもよい。更新要求は、地図開発者又は地図データベースの更新に関連する他の適切な人物が入手可能な多くの異なる情報供給元のうちのいずれかであってもよい。更に、変更案内はインターネットを介して入手可能な情報から構成された変更要求である。情報は、政府による投稿、地図、一連の道路変更等であってもよい。変更案内は、情報の位置を特定した地図開発者及び/又は別の適切な人物により構成される。変更案内は、変更の種類、地図データベースにより定義された識別子、供給元及び/又は例えば新規道路の名称等である変更案内に特有の他の情報を含んでもよい。
【0079】
変更要求の種類は、変更要求に含まれる情報を更に指示してもよい。例えば変更要求が道路閉鎖に関する場合、変更要求は当該道路に含まれる各エッジに対する識別子、隣接ノード及び/又は含まれるノードに対する識別子等を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、変更要求は、変更要求の供給元、変更要求が生成された日付、要求された変更の実施/実施予定日(既知であるか又は関連する場合)、変更の位置、変更要求が記述される地図データベースのバージョン、変更の性質の記述、変更の種類、並びに/あるいは変更要求と地図データベースのバージョン及び/又は合成地図とを結びつける識別子等を含む。識別子は、変更要求の位置又は変更要求に特有の他の情報に基づいて自動的に提供されてもよい。あるいは、地図開発者は変更要求及び/又は合成地図に含まれる情報に基づいて変更要求にオブジェクトを割り当ててもよい。更に、識別子は変更要求に含まれた位置から所定の距離内に存在するオブジェクトに関連付けられてもよい。
【0080】
本発明の他の実施形態において、ある程度の情報が変更要求に含まれてもよいことが理解されるべきである。
【0081】
変更要求の一例を図8に示す。ナビゲーション装置200からのエラーメッセージは、Summit RoadがWyman Roadと交差する終端に障壁が存在したことを示す。ナビゲーション装置200のユーザは、エラーがノードN42に接続するエッジ43としてナビゲーション装置により識別可能であるSummit Roadに関連付けられると解釈した。ユーザからナビゲーション装置200への入力から、ナビゲーション装置200は図示するような変更要求を構成した。エラーメッセージは、エンドユーザである供給元、新規運転規制である変更の種類、並びに地図参照であるエッジE43及びノードN42を含む。エラーメッセージは、サーバ302及び/又は変更要求を処理する別の適切なシステムに送信されてもよい。
【0082】
変更要求は個々に又はグループで処理されてもよい。変更要求は、変更要求と他の変更要求とをグループ化するために使用されてもよいオブジェクト等の識別子を含んでもよい。少なくとも1つの例において、変更要求は識別子及び変更の種類に基づいて1つにグループ化されてもよい。このように、例えば新規道路の変更要求及び新規運転規制の変更要求の各々が同一の識別子を含む場合であっても、それらは別個であるように維持されてもよい。
【0083】
少なくとも1つの実施形態において、合成地図における差異はグループ内の1つ以上の変更要求と組み合わされてもよい。例えば、図4に示す地図データベースを参照して説明したように、変更要求は、新規袋小路であるFlowery CourtがFlowery Aveの脇に追加されたことを示す例えば地方自治体等により生成されたインターネット上の公式報告に基づいてもよい。変更要求は、袋小路が追加されると考えられる識別子としてエッジE1を含み且つ変更の種類として「新規道路」を含む。図7に示す合成地図において、差異は、図4の地図データベース及び変更の種類「新規道路」を同様に有する図5のプローブデータ地図に基づいて、当該識別子において識別される。従って、変更要求は合成地図内の差異と同一の「新規道路」を参照するため、差異及び変更要求は同一イベントを参照し且つエッジE1において1つにグループ化されてもよい。あるいは、少なくとも1つの実施形態によると、変更要求が変更の種類「新規移動規制」を含む場合、変更の種類が異なるため、変更要求は差異とグループ化されない。他の実施形態において、地図データベースにより表される地理的領域に関する情報を処理するために異なるグループ化が採用されてもよい。例えば変更要求は、合成地図内の差異とは別にグループ化されてもよい。別の例において、変更要求及び差異は、含まれる変更の種類に関係なく、識別子に基づいて1つにグループ化されてもよい。
【0084】
変更のグループは変更要求及び/又は合成地図内の差異から形成されてもよいことが理解されるべきである。例えば合成地図は、1つ以上の差異に含まれる1つ以上の識別子を求めて探索されてもよい。別の例において、複数の変更要求は合成地図内の差異に含まれる1つ以上の識別子を求めて探索されてもよい。合成地図内の識別子又は変更要求内の識別子に基づく探索の組み合わせが本発明の他の実施形態において採用されてもよいことが更に理解されるべきである。種々の実施形態において、グループ化は変更要求及び/又は差異に含まれるオブジェクト等の識別子に基づいてもよい。
【0085】
その代わりに又はそれに加えて、本発明のいくつかの実施形態において、位置は変更要求及び/又は差異をグループ化するために使用されてもよい。更に、他の実施形態において、変更要求及び/又は差異は場所に基づいてグループ化されてもよい。場所はオブジェクト又は位置であってもよく、隣接するオブジェクト及び/又は位置がグループに含まれるように前記位置又はオブジェクトからの所定の距離を含んでもよい。このように、グループ化は変更要求及び/又は差異の誤差を克服できてもよい。例えばエンドユーザがエラーを示す(それにより、いくつかの実施形態においてエラーメッセージを生成する)場合、エラーがその正確な位置で取り込まれる可能性は低く、変更要求はエラーメッセージが意図しなかったオブジェクト及び/又は位置に隣接する位置及び/又は識別子を含む場合がある。場所によりグループ化することにより、所定の距離内に存在する場合、エラーメッセージは差異及び/又は1つ以上の他の変更要求とグループ化可能であってもよい。所定の距離は、1メートル、2メートル、20メートル等であってもよい。本発明の他の実施形態において、他の所定の距離が採用されてもよい。
【0086】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、各種のグループ化は自動的に完了されてもよい。しかし、他の実施形態において、1人以上の地図開発者が変更要求、プローブデータ及び/又は差異のグループ化の一部及び/又は全てに関係してもよい。
【0087】
グループ化されるか又は単体であるかに関わらず、変更要求は、地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の差異が有効である確率を計算するために採用されてもよい。確率は、変更要求又はプローブデータの種類、変更要求又はプローブデータの供給元等のうちの1つ以上の関数であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、差異が有効である確率は、合成地図、プローブデータ及び/又は変更要求等に関連する各確率の積であってもよい。そのような確率は実験から導出されてもよい。また、そのような確率は特定の数に関連するのではなく、測定値及び解析の何らかの組み合わせにより判定された特定の閾値に対して試験されてもよい。
【0088】
1つの例によると、新規道路を示す差異は、車両搭載型のナビゲーション装置からの2つのプローブ軌跡及びポータブルナビゲーション装置からの3つのプローブ軌跡に基づく。この特定の例において、地図開発者は、ポータブルナビゲーション装置200の場合に新規道路が有効ではない確率が0.6であり、車両搭載型のナビゲーション装置200の場合に0.3であると判定した。この場合、差異が有効ではない確率はこれらの確率の積である:
0.3×0.6=0.019
このように、全部で5つのプローブ軌跡から計算された差異が有効ではない確率は約1.9%である。従って、差異が有効である確率は98.1%である。プローブ軌跡の数及び供給元に関連する確率は最初に割り当てられ、プローブ軌跡の特定の種類及び/又は供給元の精度に関する更なる情報に従って修正されてもよい。この計算は、統計的に独立した情報、すなわち同一のナビゲーション装置200からの重複しない情報を提供する個々のプローブ軌跡に依存する。例えば駐車場を通過する同一の近道を毎日通るJohn Smith等のナビゲーション装置200からの重複情報を説明するために、John Smithのプローブ軌跡等のプローブ軌跡に関連する確率は適宜調整されてもよい。
【0089】
同様に、変更要求が有効ではない確率は、例えば更新要求、エラーメッセージ、変更案内等である変更要求の種類に基づいて更に割り当てられてもよい。確率は、特定の供給元からの変更要求及び/又は特定の種類の変更要求のサンプルセットの解析に基づいて割り当てられてもよい。各変更要求に対する確率は割り当てられ、その後、特定の種類の変更要求の精度に関する更なる情報が入手可能である場合に修正されてもよい。
【0090】
同一のオブジェクトに関し且つ同一の変更の種類を含む変更要求のグループが統計的に独立している場合、変更要求が有効ではない確率は各変更要求が有効ではない確率の積である。しかし、変更要求のうちのいくつかが統計的に依存している場合、変更要求は、統計的依存性を除去するためにフィルタリングされてもよく、それにより統計的に独立した一部の変更要求を提供する。例えば新規道路に対する3つの変更要求に対して、1つの変更要求は有効ではない確率が0.05である新聞から得られたものであり、2つの変更要求は同一エンドユーザからのエラーメッセージである。各エラーメッセージは有効ではない確率が0.4である。2つのエラーメッセージが独立していないため、差異が有効ではない確率を計算するために1つのエラーメッセージのみが使用される。
【0091】
0.05×0.4=0.02
差異が有効ではない確率は2%である。従って、差異が有効である確率は98%である。いくつかの実施形態において、確率は統計的依存性に関係なく計算されてもよく、その場合、統計的依存性は個々の変更要求の確率を調整することにより考慮されることが理解されるべきである。
【0092】
本発明の一実施形態によると、上記を組み合わせることにより、方法は差異及び変更要求に基づいて差異が有効である確率を計算することを含む。上記の説明を考慮すると、プローブデータから導出された差異が有効ではない確率は0.019であり、変更要求に基づく差異が有効ではない確率は0.02である。組み合わされた差異が有効ではない確率は以下になる:
0.019×0.02=0.00038
その反対に、変更が有効である確率は99.96%である。上記で開示された例は例示にすぎないことが理解されるべきである。本発明の種々の実現例において、差異が有効である確率を計算する際に多くの更なるプローブ軌跡及び/又は変更要求が考慮されてもよい。更に、本発明の種々の実施形態において、確率は、本明細書において示された説明、統計及び/又は数学的手法に限定されないことが理解されるべきである。確率は割合、スコア、分数又は地図データベースと地図データベースにより表される地理的領域との間の差異が有効である可能性を測定する別の適切な方法のうちの1つ以上を含んでもよい。本発明の少なくともいくつかの実施形態によると、確率はプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいてもよい。少なくともいくつかの実施形態において、1つ以上の確率は、プローブデータ及び/又は変更要求を含む数百個、数千個又はそれ以上のデータ点に基づいて実験結果から導出されてもよい。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態において、差異及び変更要求から計算された確率は、地図データベースを更新するか、地図開発者等に通知するかを判定するために1つ以上の閾値確率と比較されてもよい。特に、例えば更新閾値が少なくとも約99.9%の確率を必要とする場合、差異が有効である確率が99.997%である上記の例が更新条件を満たすため、地図情報は更新される。上記の例において、確率がプローブ軌跡のみに基づく場合、更新閾値は1−0.019=98.1%であり満たされない。同様に、確率が変更要求のみに基づく場合、更新閾値は1−0.02=98.0%であり満たされない。正確な確率の値を導出することは困難である場合があり、閾値は測定値に基づく単なる実験的な値であってもよく、検定統計量は正確な確率に変換されない多くの数字又はそれらの割合であってもよいことが理解されるべきである。
【0094】
上述の組み合わせにより、地図データベースはより効率的に、より速く且つ/又はより高い精度で更新されてもよい。差異に対する変更要求の数及びプローブデータの量が増加するほど、更新閾値はより早く満たされてもよく、あるいは更新閾値は精度を向上するために増加されてもよい。特に、1つの例(統計的独立性を仮定する)において、差異に対するプローブデータは1つの軌跡上で3日毎に収集される。各プローブ軌跡はポータブルナビゲーション装置200に対するものであり、無効である確率が0.6である。従って、以下の表5を参照すると、99.2%の更新閾値に対して、プローブデータのみでは地図データベースを更新するための更新閾値を30日間で満たすことができる(0.0610=0.006047=>1−0.006047=99.39%)。同様に、同一の差異に対して、無効である確率が0.28である1つの変更要求は6日毎に受信される。変更要求のみでは24日間で更新閾値を満たす。


表5
表に示すように、プローブデータからの差異及び変更要求に基づいて確率を計算することにより、差異が有効である確率は18日間で更新閾値に到達する。従って、地図データベースは18日間の差異を含むように更新されてもよい。あるいは、地図データベースの更新に関連する更新閾値(例えば、99.2%等)は地図データベースの更新の精度を向上するために増加されてもよい。特に、上記の例において、更新閾値は99.2%から99.9%に増加されてもよい。プローブデータ及び変更要求からの組み合わされた確率が変更要求のみの場合と同一の期間(例えば、24日間)で新規更新閾値を満たすため、プローブデータの確率と変更要求とを組み合わせることにより同一の期間における精度を向上できる(99.39%と比較して、99.989%)。
【0095】
閾値確率が満たされる場合、例えばプロセッサにより実行可能なプログラム等により地図データベースは自動更新されてもよく、あるいは更新を完了するためにある程度の地図開発者の対話を必要としてもよいことが理解されるべきである。
【0096】
更に、いくつかの実施形態において、方法は1人以上の地図開発者に通知するかを判定するためのチェック閾値を含んでもよい。特に、確率が差異及び変更要求に基づいて計算された場合に地図開発者が差異を評価するように通知されてもよいように、例えばチェック閾値は85%であってもよい。通知は、処理データ、地図データベース、プローブデータ地図及び/又は合成地図に挿入された単純な指標、フラグ等であってもよい。それに加えて又はその代わりに、通知は1人以上の地図開発者へ送信される例えば電子メール等の通信であってもよい。更新閾値に関して上述したように、チェック閾値は差異が有効である確率及び差異が有効である確率の計算において使用された情報に基づいて調整されてもよい。いくつかの実施形態において、地図データベースの更新又は非更新における地図開発者の関与の種々のレベルを確立するために、例えば静観閾値、棄却閾値等の多くの異なる閾値が採用されてもよいことが理解されるべきである。
【0097】
上記の開示に従って地図が更新されると、更新地図データベースは、製品へと定期的に処理されてナビゲーション装置200又は他の適切な装置にリリースされてもよく、あるいはそのような装置のアプリケーションプロバイダにリリースされ、その後、装置内で動作するように製品を変更する。リリース間隔は、地図データベース等に含まれる情報及び/又は変更の種類に基づいて、数週間、数ヶ月又は他の適切な期間であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、差異及び少なくとも1つの変更要求に基づいて差異が有効である確率を計算することにより、更新地図データベースの精度を低下することなく更新地図データベースのリリース間隔が短縮されてもよい。それに加えて又はその代わりに、少なくとも1つの実施形態において、差異及び少なくとも1つの変更要求に基づいて差異が有効である確率を計算することにより、更新地図データベースのリリース間隔を延長することなく更新地図データベースの精度が向上されてもよい。更に、種々の実施形態において、更新地図データベースは、1つ以上のナビゲーション装置200又は他の適切な装置への効率的な転送を助長するのに充分なファイルサイズにフォーマットされてもよい。他の実施形態において、地図データベースは、1つ以上のナビゲーション装置又は他の適切な装置に配信される前に更に処理、圧縮、フォーマット及び/又は変更されてもよいことが理解されるべきである。
【0098】
少なくとも1つの実施形態において、更新地図データベースは、ナビゲーション装置200等のメモリ230等のナビゲーション装置に関連するメモリに格納されてもよい。それに加えて又はその代わりに、処理された地図データベースは、例えばメモリ306及び/又は312等のナビゲーション装置200がアクセス可能なメモリに格納されてもよい。
【0099】
本明細書中で説明した方法は、本発明の特定の実現例に依存して単独で又は組み合わせて使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0100】
ソフトウェア技術者には明らかとなるように、適切なソフトウェアコーディングは、本出願の教示に基づいて熟練したプログラマにより容易に準備される。当業者には容易に明らかとなるように、本発明の実施形態は、特定用途向け集積回路を準備することにより又は従来のコンポーネント回路の適切なネットワークを相互接続することにより更に実現されてもよい。
【0101】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態の方法のいずれかを実行するようにコンピュータをプログラムするために使用可能である命令を格納した記憶媒体であるコンピュータプログラム製品を含んでもよい。記憶媒体及び/又はメモリは、フロッピディスク、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロドライブ及び光磁気ディスクを含む何らかの種類のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリデバイス、磁気カード又は光カード、分子メモリICを含むナノシステム、あるいは命令及び/又はデータを格納するのに適した何らかの種類のシステム又はデバイスを含むことができるが、それらに限定されない。更に、本発明の実施形態は、コンピュータシステムと共に使用し且つ有形データ記録媒体(コンピュータ可読媒体)に格納された例えば一連のコンピュータ命令又はプログラムセグメントであるコンピュータプログラムとして実現されてもよい。一連のコンピュータ命令又はプログラムセグメントは、上述の実施形態の方法の機能性の全て又は一部を構成でき、本明細書中で開示された種々のメモリ及び/又は他の適切なデバイスのいずれかにおいて個別に又は組み合わされて格納されてもよい。
【0102】
コンピュータ可読媒体のいずれか1つに格納された場合、本発明の実施形態は、汎用/専用コンピュータ又はマイクロプロセッサのハードウェアの双方を制御し且つコンピュータ又はマイクロプロセッサがユーザ又は本発明の結果を利用する他の機構と対話できるようにするためのソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム及びユーザアプリケーションを含んでもよいが、それらに限定されない。最終的に、そのようなコンピュータ可読媒体は、上述のように本発明の実施形態を実行するためのソフトウェアを更に含む。本発明の実施形態の教示を実現するためのソフトウェアモジュールは、汎用/専用コンピュータ又はマイクロプロセッサのプログラミング又はソフトウェアに含まれる。コンピュータ技術者には明らかとなるように、本発明の実施形態は、本開示の教示に従ってプログラムされた従来の汎用又は専用デジタルコンピュータ又はマイクロプロセッサを使用して良好に実現されてもよい。
【0103】
本発明の実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的で提供された。これは、本発明の実施形態を網羅すること又はそれを開示された厳密な形態に限定することを意図しない。多くの変更及び変形が当業者には明らかとなるだろう。実施形態は、本発明の原理及びその実際的な応用例を最適に説明し、それにより他の当業者が特定の使用に適すると考えられる種々の変更を伴う種々の実施形態に対して本発明を理解できるように選択及び説明された。
【0104】
以上、本発明の種々の態様及び実施形態を説明したが、本出願の範囲は本明細書に記載される特定の構成に限定されるのではなく、添付の請求の範囲の範囲に含まれる全ての構成、並びにそれらに対する変更及び変形を含むことが理解されるだろう。
【0105】
例えば、前述の詳細な説明中で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーション装置は、GPSの代わりに(又は実際はGPSに追加して)どんな種類の位置検出技術を利用してもよい。例えば、ナビゲーション装置は欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを利用してもよい。同様に、ナビゲーション装置は衛星の使用に限定されず、地上ビーコン又は装置が地理的場所を判定できるようにする他のどんな種類のシステムを使用しても容易に機能できる。
【0106】
好適な実施形態はソフトウェアによりある特定の機能性を実現するが、その機能性はハードウェアのみで(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)により)実現されてもよく、あるいは実際はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてもよいことが当業者には理解されるだろう。そのため、本発明の範囲は、ソフトウェアで実現されることのみに限定されると解釈されるべきではない。
【0107】
実施形態は、本開示が完全なものとなり且つ本発明の範囲が当業者に完全に理解されるように提供される。多くの特定の詳細は、本発明の実施形態が完全に理解されるために特定の構成要素、装置及び方法の例等として記載される。特定の詳細が採用される必要がなく、実施形態が多くの異なる形態で実現されてもよく且つ本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではないことは当業者には明らかとなるだろう。いくつかの実施形態において、周知の処理、周知の装置構造及び周知の技術は詳細に説明されない。
【0108】
本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本発明を限定することを意図しない。本明細書中で使用されるように、特に指示のない限り、単数形は複数形も含むことを意図する。用語「含む」は、記載される特徴、数字、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を含むことによりそれらを特定するが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの集合の存在又は追加を除外しない。本明細書中で説明した方法ステップ、処理及び動作は、実行順序として特に識別されない限り、説明又は図示された特定の順序で必ず実行する必要があると解釈されるべきではない。追加のステップ又は代替ステップが採用されてもよいことが更に理解されるべきである。
【0109】
尚、添付の請求の範囲は本明細書中で説明した特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の範囲は、以下に特許請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の請求の範囲に特に記載されているか否かに関わらず、本明細書中で開示された特徴又は実施形態のどんな組み合わせも含む。
【0110】
実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的で提供された。これは、本発明を網羅するか又は限定することを意図しない。一般に、特定の実施形態の個々の要素又は特徴はその特定の実施形態に限定されず、特に図示又は説明されない場合であっても、適用可能である場合は交換可能であり且つ選択された一実施形態において使用可能である。また、それらは多くの方法で変更されてもよい。そのような変更は本出願から逸脱するものとして考えられるべきではなく、そのような変更の全ては本出願の範囲に含まれることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的領域に関する情報を処理する方法であって、
地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び前記地図データベースと前記地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられる少なくとも1つの変更要求に基づいて、前記少なくとも1つの差異が有効である確率を判定することと、
前記確率及び前記少なくとも1つの差異をメモリに格納することと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求は、前記地図データベースにより定義されるオブジェクトに関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブデータはプローブデータ地図を含み、
前記地図データベース及び前記プローブデータ地図から生成された合成地図から、前記合成地図及び前記地図データベースのうちの少なくとも一方により定義されるオブジェクトに関連付けられる前記少なくとも1つの差異を識別することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求のうちの少なくとも一方は前記地理的領域内の位置に関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記位置からの所定の距離と同一の範囲を示すか又は所定の距離内に存在する前記地図データベースにより定義されるオブジェクトを識別することを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記確率が更新閾値を上回る場合に前記少なくとも1つの差異を反映するように前記地図データベースを更新することと、
前記メモリに前記更新地図データベースを格納することとを更に含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記更新地図データベースをリリースすることを更に含み、前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求に基づいて前記確率を計算することにより、前記少なくとも1つの差異の識別と前記更新地図データベースのリリースとの間の時間間隔を短縮することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの変更要求から前記少なくとも1つの差異を識別することを更に含むことを特徴とする請求項1及び2、又は、4乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ナビゲーション装置からのエラーメッセージ及び更新要求のうちの少なくとも一方を受信することと、
前記エラーメッセージ及び前記更新要求のうちの前記少なくとも一方に基づいて前記少なくとも1つの変更要求を生成することとを更に含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
変更案内を識別することと、
前記変更案内に基づいて前記少なくとも1つの変更要求を生成することとを更に含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの変更要求は、前記エラーメッセージ、前記変更案内又は前記更新要求により示される変更の種類を含み、
前記変更の種類が一致することを保証するために前記少なくとも1つの変更要求と前記プローブデータとを比較することを更に含むことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
通信チャネルを介して少なくとも1つのナビゲーション装置から前記プローブデータを受信することを更に含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記確率がチェック閾値を上回り且つ更新閾値を下回る場合に地図開発者に通知することを更に含むことを特徴とする請求項1乃至5、又は、8乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサ上で実行された時に請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法をシステムに実現させるプログラムセグメントを含むコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
地理的領域を表す地図データベースを更新する方法であって、
プローブデータ及び地図データベースと前記地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられる少なくとも1つの変更要求に基づいて、前記少なくとも1つの差異を含むように前記地図データベースを更新することと、
メモリに前記更新地図データベースを格納することと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項16】
前記地図データベースと前記地理的領域に関するプローブデータとの間の少なくとも1つの差異を識別することを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求は前記地図データベースにより定義されるオブジェクトに関連付けられることを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記プローブデータはプローブデータ地図を含み、
前記地図データベース及び前記プローブデータ地図から合成地図を生成することを更に含み、前記少なくとも1つの差異は前記合成地図及び前記地図データベースのうちの一方により定義されるオブジェクトに関連付けられることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求のうちの少なくとも一方は、前記地図データベース内の位置を中心とする有界範囲に関連付けられることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求に基づいて、前記少なくとも1つの差異が有効である確率を計算することを更に含み、
前記地図データベースを更新することは、前記確率が更新閾値と少なくとも等しい場合に前記少なくとも1つの差異を反映するように前記地図データベースを自動更新することを含むことを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのナビゲーション装置に前記更新地図データベースを配信することを更に含むことを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
地理的領域に関する情報を処理するシステムであって、
地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び前記地図データベースと前記地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられる少なくとも1つの変更要求に基づいて、前記少なくとも1つの差異が有効である確率を判定するように構成されたプロセッサと、
前記確率及び前記少なくとも1つの差異を格納するために前記プロセッサに結合された動作可能なメモリと、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求は、前記地図データベースにより定義されるオブジェクト及び前記地理的領域内の位置のうちの一方に関連付けられることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
通信チャネルを介して少なくとも1つのナビゲーション装置から前記プローブデータを受信するために前記少なくとも1つのナビゲーション装置に接続可能である受信機を更に備えることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの差異を反映するように前記地図データベースを更新し且つ前記メモリに前記更新地図データベースを格納するように構成されることを特徴とする請求項22乃至24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
地理的領域を表す地図データベース内の地図情報を更新するシステムであって、
各々が地図データベースと前記地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられるプローブデータ及び少なくとも1つの変更要求に基づいて、前記少なくとも1つの差異を含むように前記地図データベースを更新するように構成されたプロセッサと、
前記更新地図データベースを格納するために前記プロセッサに結合された動作可能なメモリと、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項27】
実行環境において実行された時に、
地図データベースにより表される地理的領域からのプローブデータ及び前記地図データベースと前記地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられる少なくとも1つの変更要求に基づいて、前記少なくとも1つの差異が有効である確率を判定することと、
前記確率及び前記少なくとも1つの差異をメモリに格納することと、をプロセッサに実行させるように動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項28】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求は、前記地図データベースにより定義されるオブジェクトに関連付けられる請求項27に記載のコンピュータプログラム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの差異及び前記少なくとも1つの変更要求は、地図データベース内の位置に関連付けられる請求項27に記載のコンピュータプログラム。
【請求項30】
前記動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールは、前記実行環境で実行された時に、エラーメッセージ、変更案内及び更新要求のうちの少なくとも1つに基づいて前記少なくとも1つの変更要求を前記プロセッサに生成させる請求項27乃至29のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項31】
前記動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールは、前記実行環境で実行された時に、前記確率が更新閾値を上回る場合に前記少なくとも1つの差異を含むように前記地図データベースを前記プロセッサに更新させることを特徴とする請求項30に記載のコンピュータプログラム。
【請求項32】
実行環境において実行された時に、
プローブデータ及び地図データベースと前記地図データベースにより表される地理的領域との間の少なくとも1つの差異に関連付けられる少なくとも1つの変更要求に基づいて、前記少なくとも1つの差異を含むように前記地図データベースを更新することと、
メモリに前記更新地図データベースを格納することとをプロセッサに実行させるように動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項33】
前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求は、前記地図データベースにより定義されるオブジェクト及び前記地理的領域内の位置のうちの一方に関連付けられることを特徴とする請求項32に記載のコンピュータプログラム。
【請求項34】
前記動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールは、前記実行環境で実行された時に、前記地図データベース及び前記プローブデータから前記地図データベースにより定義された複数の識別子を含む合成地図を前記プロセッサに生成させることを特徴とする請求項32に記載のコンピュータプログラム。
【請求項35】
前記地図データベースは、前記プローブデータ及び前記少なくとも1つの変更要求から導出された確率が更新閾値を上回る場合に自動更新されることを特徴とする請求項32乃至34のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−514198(P2012−514198A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543488(P2011−543488)
【出願日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/014124
【国際公開番号】WO2010/077229
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Bluetooth
【出願人】(507388889)テレ アトラス ノース アメリカ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】