説明

基板を処理するための光ビームを生成する光学システム

基板平面(14)内に配置した基板を処理するための光ビームを生成する光学システムであって、光ビームは、光ビームの伝播方向(Z)に対して垂直な第1次元(X)内のビーム長(L)と第1次元(X)及び光伝播方向(Z)に対して垂直な第2次元(Y)内の光ビーム幅(B)とを有する、光学システムは、第1次元及び第2次元の少なくとも一方における光ビームを相互に重畳して基板平面(14)に入射する複数の光路(24a〜24c)に分割する少なくとも1つの混合光学構成体(18)を備える。少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体が、光ビームのビーム経路内に存在し、少なくとも1つの他の光路からの1つの光路の少なくとも1つの光路間隔に関する光のコヒーレンス度を少なくとも低減するよう光ビームに作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板平面内に配置した基板を処理するための光ビームを生成する光学システムであって、光ビームは光ビームの伝播方向に対して垂直な第1次元内のビーム長と第1次元及び光伝播方向に対して垂直な第2次元内のビーム幅とを有し、該光学システムは少なくとも1つの混合光学構成体を備え、該混合光学構成体は、第1次元及び第2次元の少なくとも一方において、光ビームを複数の光路に分割し、該分割された光路は相互に重畳して基板平面に入射する光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような光学システムは、特許文献1から既知である。
【0003】
冒頭で述べたタイプの光学システムは、特にシリコンの光誘起結晶化の分野において例えば材料の溶融に使用される。1つの具体的な用途は、シリコンを結晶化するために光ビームを使用してアモルファスシリコンを備えた基板を処理するフラットスクリーン製造である。この場合、使用する基板は、例えば30cm×50cmを超える範囲の比較的大きな寸法を有する。冒頭で述べたタイプの光学システムでは、第1次元内(以下、Xで示す)のビーム長が基板の幅(例えば、約30cm)にほぼ対応する光ビームを然るべく生成する。X次元に対して垂直であり、さらに光ビームの伝播方向(以下、Zで示す)に対して垂直に延びる次元(以下、Yで示す)では、光ビームは細い。
【0004】
こうして基板に適用される光ビームは、したがって、X次元内のビーム長とY次元内のビーム幅との比が大きく、ビーム長に応じて5,000を超え、さらに10,000を超える場合がある。
【0005】
この場合、基板の処理に使用される光ビームは、光ビームの強度分布が少なくとも(長い)X次元内で可能な限り均一で、短いY次元内でも可能な限り均一であるという要件を満たさなければならない。
【0006】
上記特許文献1から既知の光学システムは混合光学構成体を備え、混合光学構成体は、X次元内で相互に並んで配置される複数のレンズ、例えばシリンドリカルレンズをそれぞれが有する2つのレンズアレイと、コンデンサ光学ユニットとを含む。概して、混合光学構成体は、混合により、すなわち光ビームを部分光線に分割してそれらを重畳させることにより、基板平面内の光ビームの光を均一化する役割を果たす。
【0007】
理解の簡略化のために、混合光学構成体が(長い)X次元内の光ビームの均一化のみを行う場合を以下で考える。
【0008】
図1は、既知の光学システムをさらに簡略化して全体的な参照符号1を付して示す。
【0009】
光学システム1は、光学混合構成体2を備え、光学混合構成体2は、ここでは説明を簡略化するために、3つの個別レンズ2a,2b,2cのみを備えるレンズアレイとコンデンサ光学ユニット3とを有し、コンデンサ光学ユニット3の焦点間隔をfで示す。参照符号4は、コンデンサ光学ユニット3が合焦する基板平面を表す。
【0010】
伝播方向Zに伝播する入射光ビーム5は、混合光学構成体2により複数の部分光線に分割され、混合光学構成体2が3つの個別レンズ2a,2b,2cを有する簡略化した例では、このとき光ビーム5が3つの光路6a,6b,6cに沿って対応して伝播する3つの部分光線に分割される。それぞれ隣接する光路6a,6b,6c間の間隔を図1にLで示す。個々の部分光線又は光路6a,6b,6cは、コンデンサ光学ユニット3により基板平面内4で相互に重畳される。したがって、光は、3つの光路6a,6b,6cに従って基板平面4の視野点に至る。
【0011】
複数の光路6a,6b,6cへの光ビーム5の分割及び基板平面4内でのそれらの重畳により、異なる光路6a,6b,6cからの光間の干渉の結果として生じる強度コントラストが基板4において生じ得る。図1において、右側の部分図に、強度Iを基板平面4における座標xに対して示す。干渉現象により、強度Iはそれゆえ均一とならない。
【0012】
相互に対して傾斜した2つの部分光線それぞれが干渉すると、周期的な干渉パターンがそれぞれ生じ、これらが続いて重畳する。隣接するレンズ間の間隔Lが同一であるレンズアレイについてここに示す場合では、生じる干渉周期は相互の倍数である。間隔n×Lを有する2つの光路からの光の干渉の干渉周期p、波長λ、及びコンデンサ光学ユニット3の焦点間隔fの間には、以下の関係がある。
【0013】
【数1】

【0014】
概して、光路間隔Lの種々の倍数nLに関連する種々の干渉周期pは、基板平面4内でに重畳的に生じる。
【0015】
本発明は、少なくとも1つの混合光学構成体が光路毎に一定の光路間隔Lを有する光路を生成する光学システムに制限されず、光路間隔Lが光路毎に変わり得る光学システムも包含することに留意すべきである。後者の場合、干渉パターンは、不規則なパターンを形成するよう重畳される多数の異なる干渉周期を有する。
【0016】
基板平面4内の干渉コントラストを低減するために、特許文献1は、光ビームを混合光学構成体に入射する前に複数の部分光線に分割し、個々の部分ビームを混合光学構成体に種々の入射角で入射させることを提案している。混合光学構成体に対する個々の部分光線の入射角を変えることで生じる干渉パターンは、入射角の選択が適切であるとすれば基板平面内で相互にオフセットしており、個々の部分光線が相互にインコヒーレントである場合はX次元内で一定の強度Iを合わせてもたらすものである。
【0017】
複数の非平行部分光線への入射光ビームの分割は、既知の光学システムにおけるミラーにより行われ、該ミラーはパルス伸長モジュールに配置される。
【0018】
既知の光学システムの1つの欠点は、基板平面内の干渉コントラストを低減又は排除するために、個々の部分光線により発生する干渉パターンが干渉周期の半分の奇数倍で相互にオフセットされるのに十分なほど正確に、個々の部分光線間の角度オフセットを設定することが困難であることにあり得る。さらに、既知のタイプのパルス伸長モジュールは、概して、さらに大きな入射角を有するさらに弱い部分光線を多数発生させ、これも同様に問題となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際出願第2007/141185号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、基板平面内の干渉コントラストを単純な方法で少なくとも低減するという趣旨で冒頭で述べたタイプの光学システムを開発するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、この目的は、冒頭で述べた光学システムに関して、少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体(coherence-influencing optical arrangement)が光ビームのビーム経路内にあり、少なくとも1つの他の光路からの1つの光路の少なくとも1つの光路間隔に関する光のコヒーレンス度を少なくとも低減するように、光ビームに作用することにより達成される。
【0022】
本発明は、入射光ビームを光線の伝播方向に対して横断方向の複数の光路に分割する少なくとも1つの混合光学構成体を備える光学システムにおいて、少なくとも1つの光路間隔に関して、該光学システムに入射する光の横方向コヒーレンス度を低減し、好適には該横方向コヒーレンス度をゼロの値まで最小化するという概念に基づく。換言すれば、本発明は、種々の光路からの光の干渉性が低いか又は一切干渉不可能であるような程度まで横方向コヒーレンスを低減することを目指す。
【0023】
この目的で、単純な方法で、調整費用を増加させることなく、少なくとも1つの他の光路からの1つの光路の少なくとも1つの光路間隔に関する光のコヒーレンス度を少なくとも低減することを可能にする、好適な手段手段について以下で説明する。
【0024】
1つの手段は、光路に対して横断方向の光ビームの横方向コヒーレンス長と、少なくとも2つの隣接する光路間の光路間隔との比を減らすこと、また好適にはこの比を2未満に、さらに好適には1未満に設定することにある。
【0025】
光路に対して横断方向の光ビームの横方向コヒーレンス長が2つの隣接する光路間の光路間隔よりも短い場合、これら2つの光路からの部分光線は相互に干渉し得ず、すなわち基板平面内の干渉現象をこの場合はほぼ完全に回避することができる。使用される光、例えばエキシマレーザからの光の、所定の固有の横方向コヒーレンス長があるとすると、これには、光路間隔を増加させること、すなわち伝播方向に対して横断する光ビームの所定の範囲について、少なくとも1つの混合光学構成体をより少ない光学素子で構成することが必要であり得るが、これは混合光学構成体の均一化効果を低減させる。
【0026】
さらに別の好適な手段では、少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体が、光路に対して横断方向の光ビームを複数の横方向にオフセットした部分光線に分割し、その相互間の伝播経路差が部分光線の光の時間的コヒーレンス長よりも大きいようなものとする、ビームスプリッタ構成体を有する。
【0027】
この手段の場合、ビームスプリッタ構成体が発生させた相互に横方向にオフセットした複数の部分光線は、光の時間的コヒーレンス長よりも大きな伝播経路差で相互に分離される。横方向コヒーレンス長が同じままである場合、この構成体はビーム幅を4倍にし、これにより、横方向コヒーレンス長と光路間隔との比をこれに対応して低減することができる。半透明ミラー、プリズム(全反射を用いる)、オフセット板等をビームスプリッタ構成体として使用することができる。既知の光学システムとは対照的に、部分光線は相互に平行であり得る。
【0028】
さらに別の好適な手段では、少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体はコヒーレンスコンバータ構成体を備え、コヒーレンスコンバータ構成体は、2つの次元の一方における光ビームを複数の部分光線に分割するビームスプリッタ構成体と、部分光線を他方の次元の方向で相互に並べて配置するビーム再整列(beam resorting)構成体とを有する。
【0029】
本発明で使用することができるこのようなコヒーレンスコンバータ構成体は、独国特許出願公開第10 2006 018 504号明細書に記載されている。このようなコヒーレンスコンバータ構成体は、光ビームのX次元内で、発散の増加と、それに対応したコヒーレンス度の低減及びビーム幅に関する光の横方向コヒーレンス長の短縮とをもたらす。
【0030】
さらに別の好適な構成では、少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体は、平面状であり相互に対して角度をなして傾斜した光入射面及び光出射面を有する少なくとも1つの光学素子を備え、少なくとも1つの光学素子は複屈折素子である。
【0031】
複屈折楔の使用は、マイクロリソグラフィ用の投影露光装置の照明系に関する文献である米国特許第5,253,110号明細書からそれ自体が既知である。しかしながら、本発明では、このような複屈折光学素子、例えば楔は、横方向コヒーレンス長と2つの隣接する光路間の光路間隔との比が少なくとも2未満であるよう設定されるという上記手段と組み合わせて使用されることが好ましい。これは、複屈折光学素子を使用して、干渉次数(及びその奇数倍)、特に第1干渉次数を目標通りに抑制することができる結果として、横方向コヒーレンス長と光路間隔との比をそのような複屈折光学素子がない場合の2倍の大きさに選択することができ、これは逆に、同じ干渉比の場合は少なくとも1つの混合光学構成体の光路の数を2倍の大きさに選択することができることを意味し、これは少なくとも1つの混合光学構成体の均一化効果を向上させるからである。
【0032】
少なくとも1つの複屈折光学素子の干渉抑制効果は、光学素子の光入射面と光出射面との間の角度を、少なくとも1つの光路間隔に関して光学素子により導入される常光線と異常光線との間の位相差が光波長の半分の奇数倍となるよう選択することにより改善することができる。
【0033】
結果として、常光線及び異常光線により発生した干渉パターンは波長の半分で相互にオフセットし、2つの干渉パターンの和が光ビームの対応の次元で一定の強度分布を生じるようになる。
【0034】
特に好適なのは、上記少なくとも1つのビームスプリッタ構成体、少なくとも1つの複屈折素子、及び横方向コヒーレンス長と光路間隔との比を2未満、好適には1未満に設定する上記手段の組み合わせである。同様に、上記少なくとも1つのコヒーレンスコンバータをこれらの手段とさらに組み合わせることができる。
【0035】
これらの手段の組み合わせは、基板平面内の干渉コントラストを回避するためのコヒーレンス度のさらにより効果的な低減又はコヒーレンス関数の最小化につながる。
【0036】
少なくとも1つの複屈折光学素子は、光ビームの伝播方向で少なくとも1つの混合光学構成体の下流に配置されることが好ましい。
【0037】
さらに好適な手段では、1つの混合構成体の代わりに複数の混合光学構成体が直列に配置される。
【0038】
この場合、基板平面内の干渉パターンの空間的周期が低減され、複屈折素子の使用が促進されることが有利である。
【0039】
コヒーレンス度を低減するさらに別の手段では、少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体が音響光学変調器(AOM)を有する。
【0040】
音響光学変換器(AOM)は、例えば一端に配置した圧電素子により音波を発生させる光学素子を有する。この場合、音波の伝播方向は入射光ビームに対して垂直に延びる。AOMでは、音波がもたらす屈折率の空間変調は音波の速度と共に変わる。これにより、AOMを通過する光には位相ずれδが生じ、これは位置及び時間に依存し、波長の端数で示すと(specified in fractions of the wavelength)以下の形態を有する。
δ(x,t)=a sin[2π(x/Λ−ft)]
この場合、aは、音響振幅及び光軸の方向の音場の範囲に応じて変わる。Λは音波の波長であり、fは音波の周波数である。AOMの材料により規定される音速により、波長Λを、励起素子、例えば圧電素子による音波の励起周波数fにより変化させることが可能である。
【0041】
時間依存位相ずれが種々の場所からの光の無相関をもたらす結果として、横方向コヒーレンスが低減する。光路間隔Lに関するコヒーレンス度の低減、したがって干渉コントラストの低減は、AOMの振幅a及び波長Λと光路間隔Lとに応じて変わる。
【0042】
上述の手段のさらに別の構成では、AOMの音響波長Λ及び音響振幅aは、条件J[│2a sin(πL/Λ)│]≪1が少なくとも1つの光路間隔に関して満たされるよう設定され、式中、Jは0次のベッセル関数である。
【0043】
音響波長Λが光路間隔Lに等しい場合を除き、上述の条件は、適当な音響振幅aにより常に満たすことができる。ベッセル関数の引数の周期性により、この条件は値L+mΛにも当てはまり、対称性により、これは値(Λ−L)+mΛにも当てはまり、式中、mは整数である。
【0044】
したがって、1つのAOMが多数の光路間隔に関する横方向コヒーレンスをすでに大幅に低減している。介在光路間隔についても、同程度の低減が達成されないとしてもAOMは無効ではない。
【0045】
複数のAOMが存在し、複数の光路間隔に関するコヒーレンス度を少なくとも低減するためにAOM毎に音響波長及び/又は音響振幅の設定が異なることが特に好ましい。
【0046】
代替的に、設けられる光学アセンブリの数を減らす目的で、AOMが1つだけ存在し、このAOMが、複数の光路間隔に関するコヒーレンス度を少なくとも低減するために、複数の異なる音響波長と場合によっては異なる音響振幅とを同時に発生させるようにしてもよい。
【0047】
さらに好適な構成では、光ビームがパルス状である場合、少なくとも1つのAOMに加えて少なくとも1つのパルス伸長モジュールがビーム経路内に配置される。
【0048】
すでに上述したように、動的位相差により、AOMは、種々の場所で光の無相関をもたらす。この無相関は、特に連続波動作におけるレーザの場合のように、均一な強度を有する可能な限り多くの音響周期にわたって平均化を行うことができる場合にのみ完成する。これに対して、例えば20nsのパルス持続時間が例えば20MHz〜100MHzの典型的AOM周波数の範囲内(周期持続時間10ns〜50ns)にある、エキシマレーザ等の短パルスレーザの場合、この条件は満たされず、残留干渉コントラストが基板平面内で生じる。ここで、AOMと組み合わせて少なくとも1つのパルス伸長モジュールを光線のビーム経路内に配置するという上述の手段は、上述のこの欠点を回避する。パルス伸長モジュールは、光線の個々の光パルスを伸長する。これは例えば、パルス伸長モジュールに入射する光ビームが2つの部分光線に分割されること、及び2つの部分光線の一方がパルス伸長モジュールの遅延線を通過して、遅延線を通過しなかった他方の部分光線に加わることにより行われる。これはより長いパルスを発生させ、そのエンベロープは入力パルスのパルス持続時間でさらに変調される。
【0049】
言うまでもなく、光パルスをさらにより伸長することが基板平面内の干渉コントラストの低減に有用である場合、これを行うために複数のパルス伸長モジュールを設けることができる。
【0050】
この場合、AOMの音響可聴周波数を伸長パルスと協調させて、像平面内の干渉コントラストを10%未満、好適には5%未満、さらに好適には1%未満となるようにすることがさらに好ましい。
【0051】
これは、パルス伸長の場合にも、基板平面内の干渉コントラストの増加を引き起こすAOMの音響周波数範囲があることを考慮に入れることが有利である。これらの音響周波数範囲は、可能であれば可聴周波数と一致させないことが意図される周期的強度変調を発生させる、パルス伸長モジュールにおけるパルスの周回持続時間(circulation duration)に対応する。
【0052】
上述の手段のさらに別の好適な構成では、AOMの可聴周波数fは、少なくとも1つのパルス伸長モジュールにおけるパルスの周回周波数(circulation frequency)に等しくなく、周回周波数の整数倍にも等しくない。
【0053】
「等しくない」のここでの意味は、AOMの可聴周波数と1つ又は複数のパルス伸長モジュールにおける周回周波数との一致の結果として生じる基板平面内の残留コントラストを可能な限り回避するのに十分なほど、可聴周波数が周回周波数と異なる(またそれに対応して、1つ又は複数の上記周回周波数の整数倍とも十分に異なる)ことである。好適には、AOMの可聴周波数と周回周波数及びその整数倍との差は、それぞれ10%を超える。
【0054】
音響可聴周波数を協調させる上記手段により達成されるのは、AOMをパルス伸長モジュールと組み合わせることで、基板平面内で干渉コントラストが可能な限り低減されることである。
【0055】
この場合も、言うまでもなく、基板平面内の光ビームの干渉現象を可能な限り低減するか又は完全に排除するために、少なくとも1つのAOM及び/又はパルス伸長モジュールを存在させる手段を上記手段(横方向コヒーレンス長と光路間隔との比の設定、複屈折光学素子、コヒーレンスコンバータ等)と組み合わせることができる。
【0056】
さらに他の利点及び特徴は、以下の説明及び添付図面から明らかとなるであろう。
【0057】
言うまでもなく、上記特徴及びこれから後述する特徴は、それぞれ明記した組み合わせだけでなく、本発明の範囲から逸脱せずに他の組み合わせで又は単独でも使用することができる。
【0058】
本発明の例示的な実施形態を図面に示し、図面を参照して以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】光学システム内で生じる干渉効果を説明するための従来技術による光学システムを示す図である。
【図2】本発明による光学システムの基本概略図を示す図である。
【図3】aは、コヒーレンス長が長い場合の種々の干渉次数の割合を示す棒グラフである。bは、コヒーレンス長が短い場合の種々の干渉次数の割合を示す棒グラフである。
【図4】複屈折素子を設けることにより図2における光学システム内の干渉効果を抑制する手段の例示的な実施形態を示す。
【図5a】横方向コヒーレンス長と混合光学構成体の光路間隔との比の影響を示す棒グラフである。
【図5b】図4における複屈折光学素子がない場合の、横方向コヒーレンス長と混合光学構成体の光路間隔との比の影響を示す棒グラフである。
【図5c】図4における複屈折光学素子がある場合の、横方向コヒーレンス長と混合光学構成体の光路間隔との比の影響を示す棒グラフである。
【図6】図4における例示的な実施形態の変更形態を示す図である。
【図7】図2における光学システムの干渉効果を低減する手段のさらに別の例示的な実施形態を示す図である。
【図8】図2における光学システムの干渉効果を低減する手段の図7と同様のさらに別の例示的な実施形態を示す図である。
【図9】図2における光学システムの干渉効果を低減する手段のさらに別の例示的な実施形態を示す。
【図10】3つの光パルス形状を示す図である。
【図11】図10におけるパルス形状に対する図9に示す音響光学変調器の音響周波数の関数としての干渉効果の依存を示す図である。
【図12】図11における図から抜き出した拡大図である。
【図13】干渉を低減する手段が提供されない場合の、図2における光学素子のコヒーレンス関数の例を示す図である。
【図14】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【図15】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【図16】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【図17】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【図18】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【図19】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【図20】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【図21】種々のコヒーレンス関数の1つを示し、図13に示すコヒーレンス関数を破線で示し、図13に示すコヒーレンス関数と比較して干渉を低減する種々の手段の影響を受けたコヒーレンス関数を実線で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図2は、基板を処理するための光ビームを生成する光学システムを概略的に示し、該光学システムには全体的な参照符号10を付してある。
【0061】
システム10は、特に、基板上の層を光線により面状に溶融する装置で使用される。より詳細には、光学システム10は、フラットスクリーン製造のためにアモルファスシリコン製のシリコン層を結晶化する装置で使用される。
【0062】
このような基板上の層を面状に溶融する装置では、光学システム10は、光学システム10と並んでさらに他の光学ユニット(図示せず)、例えば光源、特にレーザ、ビーム拡大光学ユニット等を備える、全体的光学システムの構成部分である。このような全体的光学システムにおいて、図2に示す光学システム10は、図示のように光伝播方向に見て基板の上流における最後の光学的にアクティブなユニットであり得る。システム10を、これに対応して光拡大方向に見て、光学システム10への光入射の仮想光入射平面12から基板(図示せず)を設置する基板平面14まで示す。
【0063】
光学システム10は、基板平面14内に光ビームを生成するよう設計され、該光ビームは、以下でX次元と称する第1次元内のビーム長Lと以下でY次元と称する第2次元内のビーム幅とを有し、Y次元は図2からの図平面に対して垂直である。この場合、ビーム長Lはビーム幅よりもはるかに大きい。ビーム長Lは100mmを超え、例えば約300mmであり、ビーム幅は50μm未満である。
【0064】
図2において、X次元及びY次元の両方に対して垂直に延びる光伝播方向をZで示す。光学システム10をXZ平面内で示す図2には、座標系16を説明のためにさらに示す。
【0065】
光学システム10は第1混合光学構成体18を備える。混合光学構成体18は光学素子20を備える。光学素子20は、X次元内の入射光ビームを互いに並んで配置される複数の光チャネル又は光路24a〜24cに分割し、説明を簡略化するために図示の例示的な実施形態では3つのこのような光路24a〜24cのみを示す。
【0066】
光学素子20は、シリンドリカルレンズアレイの形態で具現され、個別シリンドリカルレンズの各シリンダー軸は、Y次元内に、すなわち図2における図平面に対して垂直に延びる。個別シリンドリカルレンズアレイの代わりに、2つのシリンドリカルレンズアレイから構成されたフライアイコンデンサを使用することも可能である。
【0067】
図2において、個別レンズは両凹シリンドリカルレンズとして図示されているが、言うまでもなく、レンズは、例えば平凸等の他の形状を有することもできる。
【0068】
光学素子20の光路24a〜24cは、X次元内で光学素子20に入射する光ビームを複数の部分視野に分割し、3つの部分視野28a,28b、及び28cを例として図2に示す。
【0069】
第1光学構成体18は、シリンドリカルレンズアレイに加えて付加的なコンデンサ光学ユニット30も備える。
【0070】
光学システム10はさらに別の混合光学構成体36を有し、混合光学構成体36は、混合光学構成体18の上流に配置され、回折又は散乱光学素子38及びコンデンサ光学ユニット40を備え、すでに予備混合された入射光ビームを混合光学構成体18へ指向させる。
【0071】
さらに、光学システム10は、小さなビーム幅を有する光ビームを基板平面14内に集束させるために、Y次元内でのみ光ビームに作用する光学構成体46を備える。
【0072】
混合光学構成体18に関しては、図1を参照してすでに上述したように、混合光学構成体18に入射する光ビームが複数の部分光線を光路24a〜24cに従ってX次元において基板平面14内で分割される際、干渉効果が生じてこれが基板平易面14内の直線光ビームにおける干渉コントラストにつながり得る。
【0073】
基板平面14内のこのような干渉現象又は干渉コントラストを排除しないとしても少なくとも低減するために、種々の手段を以下で説明する。
【0074】
本発明は、少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体を光ビームのビーム経路内に配置し、この光学構成体が、少なくとも1つの他の光路からの1つの光路の少なくとも1つの光路間隔に関する光のコヒーレンス度を少なくとも低減するように、光ビームに作用するという概念に基づく。
【0075】
干渉コントラストを低減する種々の手段を詳細に論じる前に、「横方向コヒーレンス長」及び「コヒーレンス関数」という用語について以下で説明する。
【0076】
図13は、典型的なコヒーレンス関数のプロファイルを示す。間隔Lを任意単位で横座標に示す。例として、図2における混合光学構成体18の光路24a〜24cのうちの個々の光路間の光路間隔を、単位として選択することができる。その場合、間隔L=2は、1つおいて隣の光路から関心の光路の側部までの1光路の間隔を意味する。
【0077】
0〜1の値(0%〜100%)をとり得るコヒーレンス度を縦座標に示す。値1は完全なコヒーレンスを意味し、値0は完全なインコヒーレンスを意味する。
【0078】
一般性に制限を設けることなく、X次元内の横方向コヒーレンスをここでは考慮するが、混合光学システム18がY次元内の混合も行うか、又は対応の混合光学構成体が構成体18に加えて設けられる場合にも同じことが言える。
【0079】
図13に示す例示的なコヒーレンス関数は、概ねガウスプロファイルを有する。以下の説明は全て、他のコヒーレンス関数、特に非ガウスコヒーレンス関数、単調非減少コヒーレンス関数(coherence functions which do not fall monotonically)、又はすでに最小又は零点を有するコヒーレンス関数にも同様に当てはまる。
【0080】
コヒーレンス長は、コヒーレンス度Kが所定の値に低下する間隔Lを意味すると理解されたい。一般性に制限を設けることなく、本明細書では、コヒーレンス長は、コヒーレンス度が10%の値(0.1)に低下した間隔Lであると見なされる。図13において、これは間隔L=3の場合である。
【0081】
以下で説明する手段は、横方向コヒーレンス長の短縮を目指すものである。
【0082】
第1手段は、光ビームの横方向コヒーレンス長と光路間隔(間隔L)との比を2未満に、好適には1未満に設定することにある。
【0083】
光路24a〜24cに対して横断方向の光ビームの横方向コヒーレンス長と、2つの隣接する光路間の光路間隔Lとの比が1未満に設定される場合、干渉現象をほぼ完全に回避することができる。これは、この場合に、光路24a〜24cのうちの隣接する光路が相互に干渉し得ない、又は相互に干渉したとしても僅かにしか干渉し得ないからである。
【0084】
図3aは、コヒーレンス長が長い場合の、種々の干渉周期Pによる全干渉コントラストへの寄与を光路nの関数として示し、図3bは、コヒーレンス長が短い場合の、種々の干渉周期Pの寄与を示す。したがって、横方向コヒーレンス長を短縮することにより、干渉の割合を大幅に低減することが可能である。
【0085】
図4は、コヒーレンスに影響する光学構成体50を示す。光学構成体50は、ここでは複屈折光学素子52を備え、複屈折光学素子52の光入射面50及び光出射面56は、平面であり相互に対して角度をなして傾斜している。
【0086】
複屈折光学素子52は、光入射面54に入射する光ビームを常光線及び異常光線に分割し、常光線をここでは実線で示し、異常光線を破線で示す。光入射面54と光出射面56との間の角度は、この場合、少なくとも1つの光路間隔に関して光学素子52により導入される常光線と異常光線との間の位相差が、光ビームの光の波長の半分の奇数倍であるよう選択される。このように、部分常光線により発生する干渉縞及び部分異常光線により発生する干渉縞は、干渉周期の半分で相互にオフセットするため、基板平面14におけるX次元内の光線の強度は、相互にインコヒーレンスであることにより、均一な強度分布Iとなる。
【0087】
この場合、複屈折素子52の結晶の空間的配向を、常光線及び異常光線の強度が可能な限り同一であるよう選択することが好ましく、これは相互にオフセットした干渉パターンが正確に相殺し合うようにするためである。これは、XY平面内の結晶軸が偏光面に対して45°の角度にある場合に果たされる。
【0088】
図5aは、横方向コヒーレンス長が混合光学構成体18′の隣接する光路24′間の光路間隔以下である場合の、種々の干渉次数nの割合Pを示す棒グラフである。干渉現象は、このような短い横方向コヒーレンス長の選択により十分に抑制される。図5bは、横方向コヒーレンス長が隣接する光路間の光路間隔の2倍以下でしかない場合を示す。この場合、第1干渉次数Pの寄与は依然として大きく、P及びn>2である場合のそれ以上の全干渉次数Pしか抑制されない。次に、図5cは、横方向コヒーレンス長が隣接する光路間の光路間隔の2倍以下であり、複屈折光学素子52がさらにビーム経路内にある場合を示す。図5bに示すPの寄与を図5cにおいて破線で示し、複屈折素子52を使用した場合のPの寄与を実線で示す。
【0089】
図5cから明らかなように、非平行平面の光入射面及び光出射面を有する少なくとも1つの複屈折光学素子52の使用により、干渉次数(及びその奇数倍)、特に第1(P)干渉次数を目標通りに抑制することができる。これは、光路間隔又は逆に光路の数に対する横方向コヒーレンス長を、このような複屈折光学素子がない場合と比較して大きく選択することを可能にする。
【0090】
図6は、図4と比較して変更した例示的な実施形態を示し、この実施形態では、コヒーレンスに影響する光学構成体50′が、非平行平面の光入射面54′及び光出射面56′を有する複屈折光学素子52′を備える。図4に示す例示的な実施形態とは対照的に、図2と同様の2つの混合光学構成体18″及び36″が存在する。
【0091】
複数の混合光学構成体を使用する利点は、特に光ビームの伝播方向に第2混合光学素子20″がある場合に、光路間隔Lをより大きく選択することができる結果として、基板平面14″内の干渉周期がそれに対応して小さくなり、光入射面54′と光出射面56′との間の角度を同様に小さく選択できることである。光路間隔Lが大きくなるにもかかわらず、より高い混合効果が多段混合により達成され、常光線及び異常光線の干渉パターンの相互に対するオフセットが基板平面14″内において小さくなり、さらに、色収差が低減し、光学システムの調整精度からなる要件が低減する。
【0092】
図4における複屈折光学素子52及び図6における複屈折光学素子52′は、それぞれシリンドリカルレンズアレイ20′及び22′と下流のコンデンサ光学ユニット40′及び40″との間にそれぞれ配置されるが、複屈折光学素子は、光ビームのビーム経路内の他の場所にも、例えば各混合光学構成体18′及び18″の上流、又は完全にその下流、すなわちコンデンサ光学ユニット40′及び40″の下流にも配置することができる。
【0093】
さらに、基板平面14内の干渉コントラストの低減に有利である場合、2つ以上のこのような複屈折光学素子52′又は52″を図2における光学システム10で使用することができる。
【0094】
基板平面14内の干渉コントラストを低減するさらに別の手段は、図2における光学システム10に代替形態として又は上述の手段に加えて設けられ、これを図7及び図8に示す。
【0095】
図7は、ビームスプリッタ構成体62を備えるコヒーレンスに影響する光学構成体60を示す。例えば部分透過ミラー64を有するビームスプリッタ構成体62は、光路24及び26に対して横断方向の(すなわちX次元内の)光ビームを複数の横方向にオフセットした平行な部分光線66,68に分割し、部分光線66及び68の相互に対する伝播経路差は、部分光線66,68の光の時間的コヒーレンス長よりも大きい。図7に示す例示的な実施形態では、ビームスプリッタ構成体62は、光ビームを2つの部分光線66,68に分割する。部分光線68は、部分透過ミラー64における入射光ビームの反射及び全反射ミラー66における反射の結果として生じる。部分光線66及び68は、X次元内で光学構成体60により相互に横方向に並んで配置される。入射光ビームを横方向に並んだ配置の複数の部分光線66,68に分割することで得られる効果は、光路の総数が同じ場合、ビーム全体のビーム径に対する横方向コヒーレンス長の比が減り、横方向コヒーレンス長と光路間隔との比も同様に減ることである。
【0096】
図8は、図7と比較して変更したコヒーレンスに影響する光学構成体60′を示し、この場合、入射光ビームが3つの部分光線66′,68′、及び70′に分割される結果として、光路24間の光路間隔に関する横方向コヒーレンス長をさらになお短くすることができる。
【0097】
特定の状況下では、図8に構成体63で示すように、光学構成体60又は60′により導入される横方向ビームオフセットを補正することが有利である。
【0098】
光学構成体60及び60′は、光学システム10において例えば光入射平面12の上流に配置することができる。
【0099】
部分透過ミラーの代わりに、上記ビームスプリッタ構成体は、板、プリズム(全反射を用いる)、及び/又はビームスプリッタ層を使用することもできる。
【0100】
特に、光学構成体60又は60′を、ビームに対して傾斜しており部分ビーム68を板内で2回反射させつつ部分ビーム66を通過させる平行平面板として具現することもできる。さらに他の部分光線を多重反射により発生させてもよい。この場合、板の異なる部分が異なる各適合反射率を有するコーティングを有することで、部分光線が同じ強度を有するようにすれば有利である。
【0101】
横方向コヒーレンス長を短縮するさらに別の手段は、コヒーレンスに影響する光学構成体(図示せず)を光ビームのビーム経路内に配置することにあり、この構成体は、独国特許第10 2006 018 504号明細書におけるコヒーレンスコンバータ構成体を備える。このようなコヒーレンスコンバータ構成体も同様に、X次元内の入射光ビームを複数の部分光線に分割するビームスプリッタ構成体と、続いて部分光線を他方の次元の方向で相互に並べて配置するビーム再整列構成体とを有する。その後、後者の次元内での光ビームの圧縮及び前者の次元内での拡大が行われる。このようなコヒーレンスコンバータ構成体のより詳細な説明については、参照によりその開示を本開示に援用する上記文献を参照されたい。
【0102】
図9を参照して、図2における光学システム10の基板平面14内の干渉コントラストを低減するさらに他の手段を説明する。以下で説明する手段は、代替形態として又はすでに上述した手段に加えて使用することができる。
【0103】
図9は、音響光学変調器(AOM)72を有するコヒーレンスに影響する光学構成体70を示す。AOM72は、音波76を発生させる光学素子74、例えば板を有し、音波76は、矢印80で示すように、光学素子74内で入射光ビーム78に対して横断方向に伝播する。音波76は、例えば一端82に配置された圧電素子(図示せず)により発生させることができる。光学素子74を伝播する音波76には、光学素子74が入射光ビーム78のための回折格子又は位相格子として働くという効果がある。音波76は、約5MHz〜1GHzの超音波範囲の超音波周波数fを有し得る。
【0104】
音波76は、光学素子74を通過すると、光学素子74内で周期的な密度変調、したがって周期的な屈折率変調を引き起こし、これが上記回折格子又は位相格子の効果を生む。これにより、AOM72を通過する光には位相ずれδが生じ、これは位置及び時間に依存し、波長の端数で示すと以下の形態を有する。
δ(x,t)=a sin[2π(x/Λ−ft)] (2)
この場合、aは、音響振幅及び光軸の方向の音場の範囲に応じて変わる。Λは音波の波長を示し、fは音波の周波数を示す。
【0105】
時間依存位相ずれが種々の場所からの光の無相関をもたらす結果として、横方向コヒーレンスが低減する。光路間隔Lに関するコヒーレンス度の低減、したがって干渉コントラストの低減は、AOMの振幅a及び波長Λと光路間隔Lとに応じて変わる。
【0106】
AOM72は、図2における混合光学構成体18と相互作用し、混合光学構成体18はこれに入射する光ビームを複数の部分視野28a,28b,28cに分割してこれらを基板平面14内で相互に重畳させるが、AOM72はこの場合、光路24及び26に関して、上記光路間の間隔に関する横方向コヒーレンスが低減され、それに対応して干渉が低減されるよう設計される。
【0107】
特に、AOM72の音響波長Λ及び音響振幅aは、以下の条件:
[│2a sin(πL/Λ)│]≪1 (3)
が少なくとも1つの光路間隔Lに関して満たされるよう設定することができ、式中、Jは0次のベッセル関数である。
【0108】
定義x=│2a sin(πL/Λ)│を用いると、ベッセル関数の零点Jは、x=2.40483,5.52008,8.65373,11.7915,…である。
【0109】
L=Λが正確に当てはまらない場合、条件(3)は、音波76の振幅の適切な選択により常に満たすことができる。正弦波の周期性により、この条件は値L+mΛにも当てはまり、対称性により、これは値(Λ−L)+mΛにも当てはまる。特に好適なのは、条件(3)がさらに他の光路間隔Lに関して満たされる場合又は積分の値が少なくとも≪1である場合である。
【0110】
【表1】

【0111】
条件(3)の特別な場合も、図17及び18を参照して後述する。
【0112】
比L/Λの互いに素の倍数(relatively prime multiples)と、対応して大きくなるAOM72の周波数f及び対応して大きくなるベッセル関数Jのさらに他の零点xに関連する振幅とも、同じ効果で可能である。しかしながら、AOM72の設計はこれらの場合に制限されない。基板平面14内の1つ又は複数の干渉次数を大幅に低減するAOM72の周波数f及び振幅aには多くの組み合わせがある。
【0113】
ここで最適条件を見出すために、AOM72の音響波長Λ及び/又は音響振幅は、上記条件(3)を可能な限り満たすために調整可能である。
【0114】
しかしながら、特に、以下の条件:
a sin(πL/Λ)>0.75 (4)
を特定の又は典型的な光路間隔Lに関して満たす全範囲が有用である。
【0115】
上述の条件が満たされる場合、ベッセル関数Jは<0.5となる。
【0116】
次に図9を再度参照して、光学システム10のさらに別の態様を、光源(図示せず)、例えばレーザが発生させる光ビーム84がパルス状である、すなわち一連の個別光パルスからなる場合について説明する。図9は、このような光パルス86を概略的に示す。
【0117】
すでに上述したように、動的位相差により、AOM72は種々の場所で光の無相関をもたらす。この無相関は、特に連続波動作におけるレーザの場合のように、均一な強度を有する可能な限り多くの音響周期にわたって平均化を行うことができる場合にのみ完成する。これに対して、例えば20nsのパルス持続時間が例えば20MHz〜100MHzの典型的AOM周波数の範囲内(周期持続時間10ns〜50ns)にある、エキシマレーザ等の短パルスレーザの場合、この条件は満たされず、残留干渉コントラストが基板平面14内で生じる。
【0118】
したがって、基板平面14内のこのような干渉コントラストを回避するために、図9に示すAOM72をパルス伸長モジュール88と組み合わせる。パルス伸長モジュール88は、ここでは概略的に単なる例として4つのミラー90,92,94,96の構成体として示される。パルス伸長モジュール88の任意の他の設計、特にそれ自体が既知のものをここで使用してもよい。パルス伸長モジュール88は、入力側にビームスプリッタ98、例えば半透明ミラーを有し、これは、入射光ビーム84を第1(反射)部分光線10及び(透過)第2部分光線102に分割する。部分光線102は、パルス伸長モジュール88を短い経路で通過するが、部分光線100は、ミラー90,92,94,96により形成される遅延部を通過し、ビームスプリッタ98に再度衝突した後に他方の部分光線102と共にパルス遅延モジュール88から取り出される。ミラー90,92,94,96により画定される遅延部の寸法を適宜決めることにより、遅延部を通過した光パルスは、遅延部を通過していない光パルスに直接随伴して、光パルス86の長さの約2倍の長さを有する光パルス104を発生させる。
【0119】
図10に、光パルス104の強度Iを時間tに対して示す。パルス104の強度は、光パルス86よりもゆっくりと低下する。さらに、光パルス104の強度は、パルス伸長モジュール88におけるパルス100の周回持続時間に対応する固有のタイムスケールを有する変調を有する。
【0120】
言うまでもなく、1つだけのパルス伸長モジュール88の代わりに、直列に配置された複数のパルス伸長モジュールを設けることができる。図10は、連続配置された3つのパルス伸長モジュールを通過した後に元の光パルス86から整形された光パルス106の強度を示す。ここでも、強度のエンベロープにおいて変調が現れる。
【0121】
この場合、少なくとも1つのパルス伸長モジュール88とAOM72との組み合わせを使用して、基板平面14内の干渉により生じるコントラストを低減することが有利である。この目的で、音響周波数f又はその整数倍n×fを伸長パルスと協調させて、像平面内の干渉により生じる像コントラストが10%未満、好適には5%未満、さらに好適には1%未満となるようにする。
【0122】
基板平面14内の干渉コントラストに対するパルス伸長の効果を説明するために、図11は、図10における3つのパルス形状86,104,106に関してAOMを使用した場合の音響周波数fを横座標に、残留干渉コントラストを縦座標に示す。
【0123】
図11において、曲線108は、図10におけるパルス86のパルス形状、すなわち元の(短い)光パルス86に関する基板平面14内の干渉コントラストのプロファイルを、音響周波数fの関数として表す。音響周波数fが高いほど、音響周期持続時間とレーザ光のパルス持続時間との比が小さくなり、残留干渉コントラストが小さくなり、これは多数の音響周期にわたって平均化を行うことができるからである。曲線110は、パルス104(パルス伸長モジュール88を光ビームが通過中)に関する音響周波数fへの干渉コントラストの依存を示し、曲線112は、図10におけるパルス106に関する音響周波数fへの干渉コントラストの依存を示し、パルス106は連続配置された3つのパルス伸長モジュールを光ビームが通過中である時に対応する。
【0124】
図11から分かるように、対応する数のパルス伸長モジュールにより光パルスのパルス持続時間を伸長することにより、基板平面14内の干渉コントラストが広範囲の音響周波数fにわたって実質的に低減される。結果として、パルス光ビームのパルス持続時間の延長が、干渉コントラストの低減、したがって基板平面14内の光ビームの均一性の改善をすでにもたらしている。
【0125】
しかしながら、縦座標を拡大した点で図11におけるグラフの細かい表示である図12に示すように、曲線112に従った3倍に伸長された光パルスの場合も、干渉コントラストが残りの音響周波数範囲fよりも依然として大幅に高い周波数範囲がある。この場合、このように増加した干渉コントラストは、例えばf≒40MHzの範囲内にある。干渉コントラストが依然として増加する周波数範囲fは、各パルス伸長モジュールにおける周回周波数(周回持続時間の逆数)に対応する。さらに、これらの周回周波数の倍数において、さらに他の最大値が生じる。
【0126】
したがって、音響周波数fを、最低干渉コントラストを有する周波数範囲が見付かるよう選択しなければならない。音波76の音響周波数fは、AOM72において適宜設定されるものとする。
【0127】
特に、図12から明らかなように、音響周波数fを、パルス遅延モジュールの周回周波数及びその整数倍とは異なるよう選択しなければならない。
【0128】
図13における例示的なコヒーレンス関数に基づき、図14〜図21を参照して、光路24と26との間の間隔に関する光の横方向コヒーレンス長に対する上述の種々の手段の影響について説明する。
【0129】
図14は、図7に例として示すようにビームスプリッタ構成体がビーム経路内にある手段の場合の、コヒーレンス関数のプロファイル(実線)を示す。図14から明らかなように、2つの部分光線(図7における部分光線66,68)へのビーム分割により、同一のビーム断面でコヒーレンス長が1/2に短縮される。したがって、10%の値のコヒーレンス度Kが1.5の間隔Lですでに得られる。
【0130】
図15は、コヒーレンス関数に対する複屈折素子の影響を示す。ここでは、少なくとも1つの楔形複屈折素子を使用し、その光入射面と光出射面との間の角度を、2つの隣接する光路間のコヒーレンス度、すなわちL=1の場合のコヒーレンス関数がゼロになるよう選択した。図15から明らかなように、コヒーレンス関数のさらに他の零点はL=3、L=5で生じる。
【0131】
図16は、間隔L=1に効果を適合させた楔形複屈折素子の組み合わせと、コヒーレンス関数に対する2つの部分光線(図7を参照)へのビーム分割との、コヒーレンス関数に対する効果を示す。隣接する光路間の光路長がL=1である場合、個々の光路間の干渉が事実上完全に抑制されることが図2から明らかである。1つの光路の光とそれに直接隣接する光路の光との干渉さえも、10%未満に低減される。
【0132】
図17は、a=1.20241の音波76の振幅a及び(図17の横座標の単位で)Λ=2の音響波長Λを有する音響光学変調器72の効果を示す。
【0133】
コヒーレンス関数の零点は、音響波長Λの半分(L=1)及びその奇数倍(L=3,5)で生じる。
【0134】
図18は、a=1.38843の音波76の振幅及びΛ=3の音響波長Λを有する音響光学変調器72の効果を示す。
【0135】
この場合、コヒーレンス関数の零点は、Λ/3の倍数、すなわちL=1、L=2、L=4で生じる。
【0136】
図19は、図18と同じパラメータを有するが、図7に示す入射光ビームを2つの部分光線に分割するビームスプリッタ構成体と組み合わせた、音響光学変調器の効果を示す。
【0137】
この場合、混合光学構成体の隣接する光路間の干渉効果は、この干渉抑制手段の組み合わせによりほぼ完全に排除される。
【0138】
図20は、音響光学変調器72を2つの異なる音響波長Λ又は2つの異なる音響周波数fで動作させた場合のコヒーレンス関数を示し、図17及び図18における例からの音響波長Λを使用した。
【0139】
この効果は、図17及び図18に従ったパラメータを有する2つの音響光学変換器の直列配置に対応する。異なる周波数及び/又は音響振幅で動作する2つ以上の音響光学変調器を使用する代わりに、種々の周波数及び振幅で励起される単一の音響光学変調器を使用することも可能である。
【0140】
図20によれば、コヒーレンス関数の零点は、L=1,2,3,4,5で生じ、零点間の範囲内でも同様にコヒーレンス度Kは10%未満に低減される。
【0141】
図21は、図18に従ったパラメータを有する音響光学変調器を、図15からのものに対応するコヒーレンス関数に対する効果を有する複屈折素子と共に使用した場合の、コヒーレンス関数を示す。
【0142】
この場合、零点はL=1で生じ、これは音響光学変調器及び複屈折素子に由来する。AOM72又は複屈折素子52及び52′の干渉低減効果がそれぞれ単独では最適でない場合、コヒーレンス度をゼロにするためにこれら2つの手段がL=1においてこうして相互に補間し合うことが有利である。
【0143】
図21におけるコヒーレンス度のさらに他の零点は、AOMに由来するL=2、複屈折素子に由来するL=3、及びAOMに由来するL=4等にある。
【0144】
図14〜図21に示すコヒーレンス関数は、単に例として理解すべきである。図13のコヒーレンス関数以外の、したがって非ガウスのコヒーレンス関数も考えられる。要件に応じて、上記干渉低減手段を、コヒーレンス関数に適宜異なる効果を及ぼすよう設計することもできる。例として、図14〜図21に示す例とは対照的に、コヒーレンス関数の零点を不等間隔で分布させることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板平面(14)内に配置した基板を処理するための光ビームを生成する光学システムであって、前記光ビームは、該光ビームの伝播方向(Z)に対して垂直な第1次元(X)内のビーム長(L)と、前記第1次元(X)及び前記光伝播方向(Z)に対して垂直な第2次元(Y)内の光ビーム幅(B)とを有し、該光学システムは、前記第1次元及び前記第2次元の少なくとも一方における前記光ビームを、相互に重畳して前記基板平面(14)に入射する複数の光路(24a〜24c)に分割する少なくとも1つの混合光学構成体(18;18′;18′)を備え、少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体(50;50′;60;60′;70)が、前記光ビームのビーム経路内に存在し、少なくとも1つの他の光路(24a〜24c)からの1つの光路(24a〜24c)の少なくとも1つの光路間隔に関する光のコヒーレンス度を少なくとも低減するよう前記光ビームに作用することを特徴とする光学システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光学システムにおいて、前記光路(24a〜24c)に対して横断方向の前記光ビームの横方向コヒーレンス長と、少なくとも2つの隣接する光路(24a〜24c)間の前記光路間隔との比は、2未満、好適には1未満であることを特徴とする光学システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光学システムにおいて、前記少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体(60;60′)は、前記光路(24a〜24c)に対して横断方向の前記光ビームを複数の横方向にオフセットした部分光線(66,68;66′,68′;70′)に分割し、該部分光線(66,68;66′,68′;70′)の相互間の伝播経路差は、該部分光線の光の時間的コヒーレンス長よりも大きいことを特徴とする光学システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学システムにおいて、前記少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体は、コヒーレンスコンバータ構成体を備え、該コヒーレンスコンバータ構成体は、2つの前記次元の一方における前記光ビームを複数の部分光線に分割するビームスプリッタ構成体と、前記部分光線を他方の次元の方向で相互に並べて配置するビーム再整列構成体とを有することを特徴とする光学システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学システムにおいて、前記少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体(50;50′)は、平面状であり相互に対して角度をなして傾斜した光入射面(54;54′)及び光出射面(56;56′)を有する少なくとも1つの光学素子(52;52′)を備え、該少なくとも1つの光学素子(52;52′)は複屈折素子であることを特徴とする光学システム。
【請求項6】
請求項5に記載の光学システムにおいて、前記光入射面(54;54′)と前記光出射面(56;56′)との間の前記角度は、前記少なくとも1つの光路間隔に関して前記光学素子(52;52′)により導入される常光線と異常光線との間の位相差が光波長の半分の奇数倍となるよう選択されることを特徴とする光学システム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の光学システムにおいて、前記少なくとも1つの光学素子(52;52′)は、前記光ビームの伝播方向で前記少なくとも1つの混合光学構成体(18;18′;18″)の下流に配置されることを特徴とする光学システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学システムにおいて、複数の混合光学構成体(18,36;18″,36″)が存在することを特徴とする光学システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学システムにおいて、前記少なくとも1つのコヒーレンスに影響する光学構成体(70)は少なくとも1つの音響光学変調器(AOM)(72)を有することを特徴とする光学システム。
【請求項10】
請求項9に記載の光学システムにおいて、前記AOM(72)の音響波長λ及び/又は音響振幅aは調整可能であることを特徴とする光学システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の光学システムにおいて、前記AOM(72)の前記音響波長Λ及び/又は前記音響振幅aは、条件J[│2a sin(πL/Λ)│]≪1が前記少なくとも1つの光路間隔に関して満たされるよう設定され、式中、Jは0次のベッセル関数であることを特徴とする光学システム。
【請求項12】
請求項11に記載の光学システムにおいて、前記AOM(72)の前記音響振幅a及び前記音響波長Λは、a sin(πL/Λ)>0.75が前記少なくとも1つの光路間隔Lに関して満たされるよう選択されることを特徴とする光学システム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の光学システムにおいて、複数のAOM(72)が存在し、該AOM(72)において、複数の光路間隔に関するコヒーレンス度を少なくとも低減するためにAOM毎に前記音響波長及び/又は前記音響振幅の設定が異なることを特徴とする光学システム。
【請求項14】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の光学システムにおいて、AOM(72)が1つだけ存在し、該AOM(72)において、複数の光路間隔に関するコヒーレンス度を少なくとも低減するために、複数の異なる音響波長及び/又は音響振幅が同時に設定されることを特徴とする光学システム。
【請求項15】
請求項9〜14のいずれか1項に記載の光学システムにおいて、前記光ビームはパルス状であり、少なくとも1つのパルス伸長モジュール(88)が前記ビーム経路内に配置されることを特徴とする光学システム。
【請求項16】
請求項15に記載の光学システムにおいて、前記AOMの前記音響波長Λ及びその整数倍を伸長パルスと協調させて、前記基板平面(14)内の干渉コントラストを10%未満、好適には5%未満、さらに好適には1%未満となるようにすることを特徴とする、請求項15に記載の光学システム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の光学システムにおいて、前記AOM(72)の可聴周波数fは、前記少なくとも1つのパルス伸長モジュール(88)におけるパルスの周回周波数に等しくなく、該周回周波数の整数倍にも等しくないことを特徴とする光学システム。
【請求項18】
請求項17に記載の光学システムにおいて、前記AOM(72)の前記可聴周波数fは、前記少なくとも1つのパルス伸長モジュール(88)におけるパルスの前記周回周波数と5%未満、好ましくは10%未満異なることを特徴とする光学システム。
【請求項19】
請求項18に記載の光学システムにおいて、前記AOM(72)の前記音響周波数fは、使用される全ての前記パルス伸長モジュール(88)におけるパルスの前記周回周波数それぞれ及びその全ての整数倍と5%未満、好ましくは10%未満異なることを特徴とする光学システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2013−501351(P2013−501351A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522101(P2012−522101)
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060417
【国際公開番号】WO2011/012485
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(503187084)カール ツァイス レーザー オプティクス ゲーエムベーハー (14)
【Fターム(参考)】